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  • 特許-補整用衣類 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】補整用衣類
(51)【国際特許分類】
   A41C 1/00 20060101AFI20220629BHJP
   A41C 1/02 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
A41C1/00 E
A41C1/00 F
A41C1/00 G
A41C1/02 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017245981
(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公開番号】P2019112736
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390011855
【氏名又は名称】株式会社ランブール
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】鴨島 榮治
(72)【発明者】
【氏名】前田 智子
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-274501(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0327008(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C 1/00
A41C 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロント面部と、
前記フロント面部の上部側の両端部に縫着し背面部に向けて配設したウエスト補整部と、
前記フロント面部の周縁部に逢着し、前記ウエスト補整部の下部側に部分的に重なるように配設した骨盤安定部を備え、
前記ウエスト補整部と前記骨盤安定部の背側の前記重なるように配設した重なり部は相互に上下方向にスライド自在になっていて、
記ウエスト補整部は骨盤の両側サイド部にそれぞれ延在したサイド面部を有し、
前記骨盤安定部はヒップの上部側から正面側に向けて回り込むように配設した骨盤保持部と、その背部の下側に縫着したヒップ面部とからなり、
前記サイド面部の背側端部と前記ヒップ面部とが縫着され、前記サイド面部の正面側端部が前記骨盤安定部に縫着されていることを特徴とする補正用衣類。
【請求項2】
前記フロント面部と前記ウエスト補整部及び前記骨盤安定部とは、全体として円筒状に縫製されていることを特徴とする請求項1載の補整用衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨盤を安定させ、ウエストを補整するのに用いられる補整用衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示すように、ウエスト部を引き締めサポートするウエストニッパーが知られている。
この種のウエストニッパーは、複数のスパイラルボーンと称される金具が上下方向に取り付けられており、着用頻度、洗濯回数、使用法によっては金具が折れたり曲がるといったトラブルが発生しやすい。
また、ウエストに装着するのに両端部のフックアイにて引っ掛け合せる構造になっており、着用に時間がかかる問題もあった。
腹部には背骨以外に支柱となるものがなく、内臓は背骨と骨盤との間で筋肉により支えられていることになり、良い姿勢を保持するためには骨盤周りを安定させる必要がある。
【0003】
特許文献2には、ガードル型の第1の下着とウエストニッパー型の第2の下着とを背側にて着脱自在に取り付けることができる矯正用下着を開示する。
しかし、着脱位置を使用者の体型に合せて上下方向に位置調整可能であっても、着衣後はその取付位置が変化せず身体の動きに合せて移動するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-161200号公報
【文献】特開2000-303210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、身体の立つ、座るなどの動作が容易で、骨盤の安定機能とウエスト部の補整機能とを融合させた補整用衣類の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る補整用衣類は、フロント面部と、前記フロント面部の上部側の両端部に縫着し背面部に向けて配設したウエスト補整部と、前記フロント面部の周縁部に逢着し、前記ウエスト補整部の下部側に部分的に重なるように配設した骨盤安定部を備え、前記ウエスト補整部と前記骨盤安定部の背側の前記重なるように配設した重なり部は相互に上下方向にスライド自在になっていることを特徴とする。
ここで、フロント面部は腹部に位置する部分であり、ウエスト補整部はそのウエスト周り両端部をフロント面部の上部側のウエスト部に位置する両側の部位に縫着されている。
【0007】
本発明において、前記ウエスト補整部は骨盤の両側サイド部にそれぞれ延在したサイド面部を有し、前記サイド面部は前記骨盤安定部と縫着してあってもよい。
このようにすると、身体のサイド部でウエスト補整部と骨盤安定部が一体になるとともに背側が、身体の立つ、座る、腰を曲げる等の動作に応じてウエスト補整部と骨盤安定部との重なり部が上下方向に相互にスライドすることになる。
これにより身体が自由に動いても骨盤安定性が高く、ウエスト部の体型補整の効果も高い。
【0008】
本発明において、前記フロント面部と前記ウエスト補整部及び前記骨盤安定部とは、全体として円筒状に縫製されているのが好ましい。
このようにすると身体に下から履き上げるように装着しやすく、また脱ぎやすい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る補整用衣類は、日常生活における身体の自然な動きに追随し、年齢とともに筋肉の衰えや骨盤の歪みからくる姿勢のくずれを補整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る補整用衣類の外観図を示し、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図を示す。
図2】補整用衣類の構成を説明するために骨盤安定部を取り除いた状態を示し、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は側面図を示す。
図3】補整用衣類の構成を説明するためにウエスト補整部を取り除いた状態を示し、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は側面図を示す。
図4】(a)は正面から見た縫着部の説明図、(b)は背面から見た縫着部の説明図を示す。
図5】側面から見た縫着部の説明図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に本発明に係る補整用衣類10の構成例を示すが、本実施例に限定されない。
補整用衣類10は身体の腹部に位置するフロント面部11を有し、図2に示すようにフロント面部11の上部側のウエスト部に位置する両端部と縫着したウエスト補整部12を有する。
ウエスト補整部12は伸縮性のある素材からなり、ウエスト周り両端部12dをフロント面部11の両端部に縫着し、ウエスト周りに配設してある。
ウエスト補整部12は、上端部にその他の一般部の生地よりも伸縮力の強いウエスト周りのベルトライン12aを有する。
また、背面部は図2(b)に示すように、中央部の上下方向に伸縮するように芯材を縫い合せた縫着ライン12fと、その両側に所定の間隔を設けて上下方向の芯材14を縫着してある。
この芯材14は厚みのある布製で可撓性を有している。
なお、芯材14は図3(b)に示すように後述する骨盤安定部13の背面部に設けてもよく、ウエスト補整部12と骨盤安定部13のどちらか一方又は両方に設けてもよい。
図4(b)には、ウエスト補整部12にのみ設けた例を示す。
ウエスト補整部12は、骨盤のサイド部に位置するように下方に向けて延在するサイド面部12bを有する。
これによりウエスト補整部12の背面側の下端は、逆U字形状の下端部ライン12cとなっている。
このラインを図1(b)に点線で示してある。
【0012】
ウエスト補整部12の下側には、このウエスト補整部12と部分的に重なるように骨盤安定部13を設けてある。
この骨盤安定部13の構成が分かりやすいように図3には、ウエスト補整部12を取り除いた状態で示してある。
骨盤安定部13は伸縮性のある素材で形成し、ヒップの上部側から正面側に向けて回り込むように配設した骨盤保持部13bと、そのヒップ側にヒップの体型に合せて伸縮しやすくしたヒップ面部13cとを有する。
よって、骨盤保持部13bの伸縮力よりもヒップ面部13cの方が弱い伸縮力の素材を用いている。
これらの生地は一重でもよく、二重に重ねるように縫着してあってもよい。
骨盤安定部13の正面側は図4(a)に示すように、上端部が少しウエスト補整部12の下端部に重なるようにして、フロント面部11の端部に縫着ライン13eに沿って縫着してあり、フロント面部11の下部は骨盤安定部13の両端部同士を縫着ライン13fにて相互に縫着してある。
背部は図4(b)に示すように骨盤安定部13の上端部ライン13aがウエスト補整部12に重なるように配置され、ウエスト補整部12のサイド面部12bの背の内側の端部12gと骨盤安定部13のヒップ面部13cとが、その縫着ライン13gに沿って縫着してある。
骨盤安定部13の背面部の中央部は上下方向の縫着ライン13dに沿って縫着してある。
また、ウエスト補整部12のサイド面部12bの正面側端部12eは図4(a)に示すように、骨盤安定部13の縫着ライン13hに沿って縫着してある。
これによりウエスト補整部12のサイド面部12bが、骨盤安定部13と一体になって骨盤の周囲を安定させる。
また、骨盤安定部13の上端部ライン13aは、ウエスト補整部12の上に重なっているだけで縫着していないので、腰を曲げたり、立つ、座る等の動作に従い、ウエスト補整部12の背面部と骨盤安定部13の背面部は相互に上下方向にスライド自在になっている。
【0013】
ウエスト補整部12のサイト面部12bの下端部12hが骨盤安定部13の下端部13iと縫着され、全体として筒状の衣類になっている。
これにより本発明に係る衣類は、下から履き上げるように簡単に装着でき、脱ぐのも容易である。
【符号の説明】
【0014】
10 補整用衣類
11 フロント面部
12 ウエスト補整部
13 骨盤安定部
図1
図2
図3
図4
図5