(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】経皮透過物投与装置
(51)【国際特許分類】
A61M 35/00 20060101AFI20220629BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20220629BHJP
A61M 37/00 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
A61M35/00 Z
A61K9/70 401
A61M37/00 510
(21)【出願番号】P 2018540883
(86)(22)【出願日】2017-02-03
(86)【国際出願番号】 JP2017004835
(87)【国際公開番号】W WO2017135474
(87)【国際公開日】2017-08-10
【審査請求日】2019-10-24
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-14
(32)【優先日】2016-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519337536
【氏名又は名称】パスポート テクノロジーズ、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PassPort Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】5580 Morehouse Drive,Suite 120,San Diego,California 92121,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(72)【発明者】
【氏名】ルー、サージ
(72)【発明者】
【氏名】カダムス、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】メシエ、ベルナデット、シー.
(72)【発明者】
【氏名】カスカク、ウロス
(72)【発明者】
【氏名】バール、ネイサン
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】村上 哲
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-24240(JP,A)
【文献】特開2014-158944(JP,A)
【文献】特開昭63-125133(JP,A)
【文献】登録実用新案第3201196(JP,U)
【文献】特開2013-85938(JP,A)
【文献】特開2008-104542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M35/00
A61M37/00
A61K 9/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮透過物投与装置であって、当該経皮透過物投与装置は
パッチ適用支持体を有し;
接着領域を有するパッチを有し、該接着領域は、第1の部分と第2の部分とを有し;
当該パッチが、微小孔を経由して送達されるべき透過物を放出可能に含有するリザーバーを有し;
パッチ適用支持体とパッチとの間に提供された介在リリースライナーを有し、該介在リリースライナーは、パッチの接着領域の第2の部分を覆っており、且つ、パッチから離れ且つ折り返されており、且つ、パッチ適用支持体に固定されており;且つ、
穿孔要素を有し、該穿孔要素は、パッチ適用支持体内またはパッチ適用支持体上に提供されており、該穿孔要素は、該皮膚の表面に1つ以上の孔を形成するように構成され、アブレーションを皮膚に起こさせるように、直接接触によって該皮膚に熱エネルギーを送達することが可能な1つ以上の要素であって;
前記パッチ適用支持体と、前記パッチと、前記介在リリースライナーと、前記穿孔要素とを有する構成によって、パッチの接着領域の第1の部分が皮膚表面に付着し且つ穿孔要素が皮膚表面に接触して少なくとも1つの孔を該皮膚表面に形成する使用時の状況下では、パッチ
のリザーバーが被穿孔領域を位置合わせされた状態で覆うことができるように、パッチ適用支持体が、孔形成後の穿孔要素を皮膚表面に接触させたままで、かつ、介在リリースライナーを剥がしながら、皮膚表面に沿ってスライド可能である、
前記経皮透過物投与装置。
【請求項2】
パッチ適用支持体がさらに、パッチ
適用支持体から横方向に離れた位置まで延びるへらを有し、使用時に、パッチ適用支持体が皮膚表面に沿ってスライドし、且つ、へらが皮膚表面にパッチを押し付けながらパッチ上を続いてスライドするようになっている、請求項1に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項3】
再利用可能な本体をさらに有し、
ここで、パッチ適用支持体とパッチと介在リリースライナーとが、再利用可能な本体に交換可能に取り付けられている、
請求項1に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項4】
再利用可能な本体がさらに、パッチ適用支持体から横方向に離れた位置まで延びるへらを有し、使用時に、再利用可能な本体とパッチ適用支持体とが皮膚表面に沿ってスライドし、且つ、へらが皮膚表面にパッチを押し付けながらパッチ上を続いてスライドするようになっている、請求項3に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項5】
パッチ適用支持体がさらに、パッチ適用支持体から横方向に離れた位置まで延びるへらを有し、使用時に、パッチ適用支持体が皮膚表面に沿ってスライドし、且つ、へらが皮膚表面にパッチを押し付けながらパッチ上を続いてスライドするようになっている、請求項3に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項6】
再利用可能な本体がさらに、パッチ適用支持体から横方向に離れた位置に配置されたローラーを有し、使用時に、再利用可能な本体とパッチ適用支持体とが皮膚表面に沿ってスライドし、且つ、ローラーが皮膚表面にパッチを押し付けながら接着シート上を続いて転がるようになっている、請求項3に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項7】
パッチが、接着領域が外側を向いた状態で所定の内角θ1(0度<θ1<180度)にて折れ曲がっており、且つ、その折曲線が接着領域を第1の部分と第2の部分とに分割しており、
第1の部分が、使用時に皮膚表面に付着するために、パッチ適用支持体から横方向に離れた位置に配置されており、
第2の部分が、接触領域がパッチ適用支持体の方を向いた状態で内角θ1にて立っており、
介在リリースライナーが、パッチ適用支持体とパッチとの間に提供されており、介在リリースライナーが、第2の部分を覆っており、且つ、パッチ適用支持体に固定されており、
前記パッチと、前記パッチ適用支持体と、前記介在リリースライナーとを有する構成によって、パッチの接着領域の第1の部分が皮膚表面に付着した使用時の状況下では、皮膚表面に付着させるためにパッチの接着領域の第2の部分から介在リリースライナーを剥がしながら、パッチ適用支持体が皮膚表面に沿ってスライド可能である、
請求項1に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項8】
パッチ適用支持体に関して所定の位置でパッチを保持するためのフォークをさらに有し、
ここで、フォークが:
パッチ適用支持体に差し込まれるべき2つの爪部を有しており;且つ、
平坦部を有しており、該平坦部の下には、接着領域の第1の部分の上側が、直接またはキャスティングシートを介して取り付けられている、
請求項7に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項9】
再利用可能な本体であってその中に駆動源を有する前記の再利用可能な本体としてアプリケーターをさらに有し、
ここで、
パッチ適用支持体とパッチと介在リリースライナーとが、アプリケーターに交換可能に取り付けられており、且つ、
駆動源が、皮膚表面に少なくとも1つの孔を形成するために穿孔要素を駆動させるように構成されている、
請求項1に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項10】
再利用可能な本体であってその中にパワー源を有する前記の再利用可能な本体としてアプリケーターをさらに有し、
ここで、
パッチ適用支持体とパッチと介在リリースライナーとが、アプリケーターに交換可能に取り付けられており、且つ、
穿孔要素が、上記アブレーションを皮膚に起こさせる熱エネルギーを皮膚に送達するために、前記パワー源から電力を受け取るように構成されている、
請求項1に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項11】
さらに:
ポレーター裏材を有し;且つ、
パッチ適用支持体としてポレータータブを有し、ここで、該ポレータータブは帯状の板であってその一端がポレーター裏材に固定された前記の帯状の板であって、該ポレータータブが:
外側を向いた対物面を有し、使用時に、対物面が被験体の皮膚表面に接触するようになっており;
対物面の反対側に裏面を有し;且つ、
ポレータータブの対物面における穿孔領域に穿孔要素として1つ以上のフィラメントを有し、ここで、1つ以上のフィラメントが、被験体の皮膚に1つ以上の微小孔を形成するために熱を生成し、且つ、
ここで、
パッチがポレータータブの裏面側に配置されており、パッチが、接着シートと、接着シートの接着面上に配置されたリザーバーとを有し、
リザーバーが、微小孔を経由して送達されるべき透過物を放出可能に含有しており、且つ、穿孔領域に対応する位置において裏側に位置合わせされた状態で配置されており、且つ、接着シートの接着領域が被験体側を向いており、且つ、
接着シートが:
皮膚表面に付着するためにポレータータブの自由端および両方の長手側縁部から延びる第1の部分を有し;且つ、
ポレータータブからは延びていない、残りの部分である第2の部分を有し、且つ、
ここで、
介在リリースライナーが、ポレータータブとパッチとの間に提供されており、介在リリースライナーが、第2の部分の接触面およびリザーバーを覆っており、且つ、パッチから離れており、且つ折り返されており、且つ、ポレータータブに固定されており;
前記ポレータータブと、前記パッチと、前記介在リリースライナーとを有する構成によって、接着シートの第1の部分が皮膚表面に付着した使用時の状況下では、リザーバーが被穿孔領域を位置合わせされた状態で覆うことができるように、且つ、第2の部分の接着面が皮膚表面に付着することができるように、ポレータータブが、パッチから介在リリースライナーを剥がしながら、接着シートのカバー領域の外側まで皮膚表面に沿ってスライド可能である、
請求項10に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項12】
ポレーター裏材がさらに、ポレータータブから横方向に離れた位置まで延びるへらを有し、使用時に、ポレータータブが皮膚表面に沿ってその固定端側に向かってスライドし、且つ、へらが接着シートを滑らかにするために皮膚表面に接着シートを押し付けながら接着シート上を続いてスライドするようになっている、請求項11に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項13】
アプリケーターがさらに、ポレータータブから横方向に離れた位置まで延びるへらを有し、使用時に、ポレータータブが皮膚表面に沿ってその固定端側に向かってスライドし、且つ、へらが接着シートを滑らかにするために皮膚表面に接着シートを押し付けながら接着シート上を続いてスライドするようになっている、請求項11に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項14】
アプリケーターがさらに、ポレータータブから横方向に離れた位置に配置されたローラーを有し、使用時に、ポレータータブが皮膚表面に沿ってその固定端側に向かってスライドし、且つ、ローラーが接着シートを滑らかにするために皮膚表面に接着シートを押し付けながら接着シート上を続いて転がるようになっている、請求項11に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項15】
アプリケーターがさらに、真空源を有し、且つ、ポレータータブが、皮膚表面に真空源からの真空吸着力を印加するための1つ以上の経路を有する、請求項11に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項16】
さらに:
パッチ適用支持体を有するポレーター裏材を有し、
ここで、パッチ適用支持体が:
外側を向いた対物面を有し、使用時に、対物面が被検体の皮膚表面に接触するようになっており;且つ、
対物面における穿孔領域に穿孔要素として1つ以上のフィラメントを有し、ここで、1つ以上のフィラメントが、被検体の皮膚に1つ以上の微小孔を形成するために熱を生成し、且つ、
ここで、
パッチが、ポレーター裏材またはアプリケーターに着脱可能に取り付けられており、且つ、パッチが、接着シートと、接着シートの接着面上に配置されたリザーバーとを有し、
リザーバーが、微小孔を経由して送達されるべき透過物を放出可能に含有しており、
接着シートが、接着面が外側を向いた状態で所定の内角θ1(0度<θ1<180度)にて折れ曲がっており、且つ、その折曲線が接着シートを第1の部分と第2の部分とに分割しており、
第1の部分が、使用時に皮膚表面に付着するために、ポレーター裏材から横方向に離れた位置に配置されており、
折曲線が、第1の部分の外周における穿孔領域により近い側に配置されており、
第2の部分が、接触面が穿孔領域の方を向いた状態で内角θ1にて立っており、
リザーバーが、第2の部分の接着面上の所定の位置に配置され、リザーバーと穿孔領域とが、折曲線で対称的に対応するようになっており、且つ、
介在リリースライナーが、パッチ適用支持体とパッチとの間に提供されており、介在リリースライナーが、第2の部分の接着面およびリザーバーを覆っており、且つ、パッチ適用支持体またはポレーター裏材に固定されており、
前記ポレーター裏材と、前記パッチと、前記介在リリースライナーとを有する構成によって、接着シートの第1の部分が皮膚表面に付着した使用時の状況下では、リザーバーが被穿孔領域を位置合わせされた状態で覆うことができるように、且つ、第2の部分の接着面が皮膚表面に付着することができるように、アプリケーターとポレーター裏材とが、パッチから介在リリースライナーを剥がしながら、接着シートで覆われるべき領域の外側まで皮膚表面に沿ってスライド可能である、
請求項10に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項17】
アプリケーターがさらに、真空源を有し、且つ、パッチ適用支持体が、皮膚表面に真空源からの真空吸着力を印加するための1つ以上の経路を有する、請求項16に記載の経皮透過物投与装置。
【請求項18】
パッチ適用支持体に関して所定の位置でパッチを保持するためのフォークをさらに有し、
ここで、フォークが:
ポレーター裏材に差し込まれるべき2つの爪部を有しており;且つ、
平坦部を有しており、該平坦部の下には、接着シートの第1の部分の上側が、直接またはキャスティングシートを介して取り付けられている、
請求項16に記載の経皮透過物投与装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験体の生体膜もしくは皮膚を経由する、透過物の経皮的な投与または送達のための装置に関する。より具体的には、本発明は、新規な位置決め機構を有する、経皮透過物投与装置に関し、該位置決め機構は、被験体の皮膚表面の対象領域上または被験体の皮膚にポレーターによって形成された対象の被穿孔領域(皮膚に形成された多数の微小孔を包絡的に含む領域)上にパッチを好適に配置することが可能である。当該装置は、その実施形態によっては、経皮透過物投与システムまたは経皮透過物送達システムと呼ばれてもよい。
【背景技術】
【0002】
皮膚の外側の角層である角質層は、主に皮膚の障壁特性に関与する。したがって、薬剤または他の分子の生体内への経皮流入および検体の生体外への経皮流出に対する最大の障壁を提示するのは、この層である。
【0003】
近年、身体への経皮送達が、限られた数の透過物を組織に送達するための評判がよく且つ有効な方法であった。したがって、種々の経皮透過物送達システムまたは装置が開発されてきた。例えば、国際公開第2008/091878号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)には、好ましい経皮透過物送達システムが記載されている。本願の
図1に示されるように、国際公開第2008/091878号のシステム100は、パッチ110が着脱可能に取り付けられたポレーター(使い捨ての穿孔ヘッド)120と、該ポレーター120が接続されるアプリケーター(パワー源を有する再利用可能なメイン装置)130とを少なくとも有する。パッチ110は、皮膚表面に付着すべき接着シート112と、接着シート112上に配置されたリザーバー114とを有し、且つ、リザーバー114は、透過物を含有している。パッチ110上には、接着シート112の接着面およびリザーバー114を覆うリリースライナーと、接着シートの裏面に着脱可能に取り付けられるべきキャスティングシート(支持ライナー)とが積層されている(
図1には明示的に示されてはいない)。
【0004】
用時には、ポレーター120内のフィラメントアレイ(微小発熱体)122が、アプリケーター130からのエネルギー(典型的には、電気エネルギー)供給時に熱を生成し、且つ、皮膚表面上の小さい領域の角質層に多数の微小孔を形成する。穿孔に続いて、被穿孔領域はパッチ110のリザーバー114で覆われ、そのことによって、透過物が微小孔を経由して身体内に送達される。
【0005】
図2は、
図1に示されるシステムと比較して、機能性、操作性および設計(装飾性)が改善された経皮透過物送達システムのインターネット製品広告の写しである。該広告は、日東電工テクニカルコーポレーションのウェブサイトに「TRANSDERMAL TECHNOLOGY EVOLUTION(経皮技術の発展)」として発行されている。
図2に示されるシステムもまた、
図1のシステムのように、「アプリケーター装置」(パワー源を有する)と、「組み立てられたポレーター」と、「経皮パッチ」(リザーバーを有する接着シート)とを有する。
図2の広告における皮膚の断面は、被穿孔領域上に「経皮パッチ」のリザーバーを配置した後の、微小孔を経由したリザーバー中の薬剤の送達を分かりやすく説明している。
【0006】
図1および
図2のシステムでは、リザーバーで全被穿孔領域を覆うために、リザーバーは被穿孔領域上に適切に位置合わせされる必要がある。しかしながら、目視による被穿孔領域の識別は、穿孔直後は不確かである。
リザーバーのサイズは、被穿孔領域の被覆を容易にするために、被穿孔領域のものより大きくなり得る。経済面から且つ無駄を省くために、大き過ぎるリザーバーのサイズは好ましくない。逆に、リザーバーのサイズが被穿孔領域のサイズと近くなるにつれて、高精度の位置合わせが必要になる。
したがって、種々の位置合わせ機構が、従来の経皮透過物送達システムにおいて提案されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1および
図2の経皮透過物送達システムでは、被穿孔領域に対してリザーバーの位置合わせをするための基本原理は同一である。
図3は、該原理にしたがって、位置合わせ動作を理解可能であるように示している。
図3(a)に示されるように、微小発熱体124を有するフィラメントアレイ122が、アプリケーター130と連結したポレーター120の下面(対物面)にあり、且つ、接着シート112とリザーバー114とを有するパッチ110が、フィラメントアレイ122に隣接して着脱可能に配置されている。接着シートの接着面およびリザーバーを覆うリリースライナーと、剛性を付与するためのキャスティングシートとは、説明のために示されていない。接着シート112は、接着面が外側を向いた状態で折り返され、且つ、リザーバー114は、上向きの接着面(トップ接着面)上の所定の位置に配置されている。横から
図3(a)を見たときの平面図では、リザーバー114とフィラメントアレイ122とは、接着剤の折り返し線(図の正面に対して垂直である対称中心線)113に関して対称に配置され、リザーバー114が被穿孔領域に対して位置合わせされ得るようになっている。対称中心線113はまた、
図1にも示されている。
図3(b)に示されるように、ポレーター120が皮膚表面140に押し付けられ穿孔を開始し、且つ、微小孔154を有する被穿孔領域152が形成され得る。太い矢印は、システムの移動方向を示している。この時、折り返された接着シート112のボトム接着面112bは、皮膚表面140に付着していた。
図3(c)に示されるように、システムが穿孔の完了後に皮膚表面から上方向に離脱する時、パッチ110は皮膚表面上に留まっている。
最後に、
図3(d)に太い矢印を用いて示されるように、折り返された接着シート112は広げられ、リザーバー114は対称中心線113の周りを180度ピボット回転し、その結果として、リザーバー114は、被穿孔領域152上に位置合わせされた状態で配置されている。
【0008】
図3に示される位置合わせ機構は、それが被穿孔領域上に適切にパッチのリザーバーの位置合わせをし得るので好ましい。しかしながら、本発明者は、かかる位置合わせ機構において改善されるべき次の点を見出した。
まず第一に、上記の位置合わせ機構を有するシステムは、実際の使用の際には次のような多数のステップ(a)-(h)を必要とする:
(a)アプリケーターにポレーターを留めること、
(b)ボトム接着面を覆うボトムリリースライナーを除去すること、
(c)皮膚にシステムを適用すること、
(d)穿孔すること、
(e)皮膚表面上にパッチ(折り返された接着シートとリザーバーとを有する)を残しながら、アプリケーターを除去すること、
(f)接着シートをピボット回転して広げること、および、被穿孔領域にリザーバーを配置すること、
(g)接着シートを伸ばすこと、
(h)接着シートの裏面を覆うキャスティングシートを除去すること。
【0009】
さらに、上記ステップ(f)は、接着シートを正確に広げることと、被穿孔領域上にリザーバーを配置することとをユーザーに頼る。このことは、重大なユーザー関連のリスクであり、正確に実行されなければ、次の事項をもたらし得た:
1.リザーバーの誤配置(被穿孔領域全体に適切に広げられず、過少量投与をもたらす);
2.リザーバーの遅延した配置(穿孔の無効果、過少量投与をもたらす);
3.接触への活性薬剤化合物の直接的な曝露(薬剤化合物の移動または汚染);
4.周囲環境への活性薬剤化合物の長期の直接的な曝露(薬剤化合物の移動または汚染)。
【0010】
該プロセスにおいてどれだけの数のステップが残されているのか、および、該プロセスが完了したかどうかは、患者には明確でなかったかも知れない。
さらに、接着シートは、キャスティングシートによって一緒に保持されているが、該キャスティングシートは除去が困難であり、且つ、ユーザーがリザーバーを有する接着シート全体を除去することをもたらす場合もあり得る。
【0011】
本発明は、被験体の皮膚表面の対象領域上にパッチを適切に配置することが可能な新規の位置決め機構もしくは位置合わせ機構を有する、経皮透過物投与装置または経皮透過物送達装置を提供することを目的とする。本発明はさらに、上記の問題を解決すること、および、被穿孔領域上にパッチのリザーバーを適切に配置することが可能な新規の位置決め機構もしくは位置合わせ機構を有する、経皮透過物投与装置または経皮透過物送達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の主たる構成は、次のとおりである。
(1)経皮透過物投与装置であって、当該経皮透過物投与装置は:
パッチ適用支持体を有し;
接着領域を有するパッチを有し、該接着領域は、第1の部分と第2の部分とを有し;且つ、
パッチ適用支持体とパッチとの間に提供された介在リリースライナーを有し、該介在リリースライナーは、パッチの接着領域の第2の部分を覆っており、且つ、パッチから離れ且つ折り返されており、且つ、パッチ適用支持体に固定されており;
そのことによって、パッチの接着領域の第1の部分が皮膚表面に付着した使用時の状況下では、皮膚表面に付着させるためにパッチの接着領域の第2の部分から介在リリースライナーを剥がしながら、パッチ適用支持体が皮膚表面に沿ってスライド可能である、
前記経皮透過物投与装置。
(2)パッチ適用支持体がさらに、パッチ支持体から横方向に離れた位置まで延びるへらを有し、用時、パッチ適用支持体が皮膚表面に沿ってスライドし、且つ、へらが皮膚表面にパッチを押し付けながらパッチ上を続いてスライドするようになっている、上記(1)の経皮透過物投与装置。
(3)再利用可能な本体をさらに有し、
ここで、パッチ適用支持体とパッチと介在リリースライナーとが、再利用可能な本体に交換可能に取り付けられている、
上記(1)の経皮透過物投与装置。
(4)再利用可能な本体がさらに、パッチ適用支持体から横方向に離れた位置まで延びるへらを有し、用時、再利用可能な本体とパッチ適用支持体とが皮膚表面に沿ってスライドし、且つ、へらが皮膚表面にパッチを押し付けながらパッチ上を続いてスライドするようになっている、上記(3)の経皮透過物投与装置。
(5)パッチ適用支持体がさらに、パッチ適用支持体から横方向に離れた位置まで延びるへらを有し、用時、パッチ適用支持体が皮膚表面に沿ってスライドし、且つ、へらが皮膚表面にパッチを押し付けながらパッチ上を続いてスライドするようになっている、上記(3)の経皮透過物投与装置。
(6)再利用可能な本体がさらに、パッチ適用支持体から横方向に離れた位置に配置されたローラーを有し、用時、再利用可能な本体とパッチ適用支持体とが皮膚表面に沿ってスライドし、且つ、ローラーが皮膚表面にパッチを押し付けながら接着シート上を続いて転がるようになっている、上記(3)の経皮透過物投与装置。
(7)パッチが、接着領域が外側を向いた状態で所定の内角θ1(0度<θ1<180度)にて折れ曲がっており、且つ、その折曲線が接着領域を第1の部分と第2の部分とに分割しており、
第1の部分が、用時に皮膚表面に付着するために、パッチ適用支持体から横方向に離れた位置に配置されており、
第2の部分が、接触領域がパッチ適用支持体の方を向いた状態で内角θ1にて立っており、
介在リリースライナーが、パッチ適用支持体とパッチとの間に提供されており、介在リリースライナーが、第2の部分を覆っており、且つ、パッチ適用支持体に固定されており、
そのことによって、パッチの接着領域の第1の部分が皮膚表面に付着した使用時の状況下では、皮膚表面に付着させるためにパッチの接着領域の第2の部分から介在リリースライナーを剥がしながら、パッチ適用支持体が皮膚表面に沿ってスライド可能である、
上記(1)の経皮透過物投与装置。
(8)パッチ適用支持体に関して所定の位置でパッチを保持するためのフォークをさらに有し、
ここで、フォークが:
パッチ適用支持体に差し込まれるべき2つの爪部を有しており;且つ、
平坦部を有しており、該平坦部の下には、接着領域の第1の部分の上側が、直接またはキャスティングシートを介して取り付けられている、
上記(7)の経皮透過物投与装置。
(9)穿孔要素をさらに有し、
ここで、穿孔要素が、パッチ適用支持体内またはパッチ適用支持体上に提供されており、且つ、穿孔要素が、皮膚表面に少なくとも1つの孔を形成するように構成されており、
そのことによって、パッチの接着領域の第1の部分が皮膚表面に付着し、且つ、穿孔要素が皮膚表面に少なくとも1つの孔を形成する使用の状況下では、パッチが被穿孔領域を位置合わせされた状態で覆うことができるように、穿孔要素を有するパッチ適用支持体が、介在リリースライナーを剥がしながら皮膚表面に沿ってスライド可能である、
上記(1)の経皮透過物投与装置。
(10)穿孔要素が:
アブレーションが皮膚を形成することを引き起こすために直接接触を介して皮膚に熱エネルギーを送達することが可能な1つ以上の要素;
アブレーションが皮膚を形成することを引き起こすために直接接触を介して皮膚に電気エネルギーを送達することが可能な1つ以上の要素;
1つ以上の電気機械的アクチュエーター、
1つ以上のランセット;
1つ以上のマイクロニードル;
1つ以上の音響エネルギーアブレーター;
1つ以上のレーザーアブレーション要素;
1つ以上の物理的アブレーション要素;および、
1つ以上の流体噴射穿刺具
からなる群より選択される、
上記(9)の経皮透過物投与装置。
(11)再利用可能な本体であってその中に駆動源を有する前記の再利用可能な本体としてアプリケーターをさらに有し、
ここで、
パッチ適用支持体とパッチと介在リリースライナーとが、アプリケーターに交換可能に取り付けられており、且つ、
駆動源が、皮膚表面に少なくとも1つの孔を形成するために穿孔要素を駆動させるように構成されている、
上記(10)の経皮透過物投与装置。
(12)再利用可能な本体であってその中にパワー源を有する前記の再利用可能な本体としてアプリケーターをさらに有し、
ここで、
パッチ適用支持体とパッチと介在リリースライナーとが、アプリケーターに交換可能に取り付けられており、且つ、
穿孔要素が、アブレーションが皮膚を形成することを引き起こすために直接接触を介して皮膚に熱エネルギーを送達することによって、皮膚表面に少なくとも1つの孔を形成するためにパワー源から電力を受け取るように構成されている、
上記(9)の経皮透過物投与装置。
(13)さらに:
ポレーター裏材を有し;且つ、
パッチ適用支持体としてポレータータブを有し、ここで、該ポレータータブは帯状の板であってその一端がポレーター裏材に固定された前記の帯状の板であって、該ポレータータブが:
外側を向いた対物面を有し、用時、対物面が被験体の皮膚表面に接触するようになっており;
対物面の反対側に裏面を有し;且つ、
ポレータータブの対物面における穿孔領域に穿孔要素として1つ以上のフィラメントを有し、ここで、1つ以上のフィラメントが、被験体の皮膚に1つ以上の微小孔を形成するために熱を生成し、且つ、
ここで、
パッチがポレータータブの裏面側に配置されており、パッチが、接着シートと、接着シートの接着面上に配置されたリザーバーとを有し、
リザーバーが、微小孔を経由して送達されるべき透過物を放出可能に含有しており、且つ、穿孔領域に対応する位置において裏側に位置合わせされた状態で配置されており、且つ、接着シートの接着領域が被験体側を向いており、且つ、
接着シートが:
皮膚表面に付着するためにポレータータブの自由端および両方の長手側縁部から延びる第1の部分を有し;且つ、
ポレータータブからは延びていない、残りの部分である第2の部分を有し、且つ、
ここで、
介在リリースライナーが、ポレータータブとパッチとの間に提供されており、介在リリースライナーが、第2の部分の接触面およびリザーバーを覆っており、且つ、パッチから離れており、且つ折り返されており、且つ、ポレータータブに固定されており;
そのことによって、接着シートの第1の部分が皮膚表面に付着した使用時の状況下では、リザーバーが被穿孔領域を位置合わせされた状態で覆うことができるように、且つ、第2の部分の接着面が皮膚表面に付着することができるように、ポレータータブが、パッチから介在リリースライナーを剥がしながら、接着シートのカバー領域の外側まで皮膚表面に沿ってスライド可能である、
上記(12)の経皮透過物投与装置。
(14)ポレーター裏材がさらに、ポレータータブから横方向に離れた位置まで延びるへらを有し、用時、ポレータータブが皮膚表面に沿ってその固定端側に向かってスライドし、且つ、へらが接着シートを滑らかにするために皮膚表面に接着シートを押し付けながら接着シート上を続いてスライドするようになっている、上記(13)の経皮透過物投与装置。
(15)アプリケーターがさらに、ポレータータブから横方向に離れた位置まで延びるへらを有し、用時、ポレータータブが皮膚表面に沿ってその固定端側に向かってスライドし、且つ、へらが接着シートを滑らかにするために皮膚表面に接着シートを押し付けながら接着シート上を続いてスライドするようになっている、上記(13)の経皮透過物投与装置。
(16)アプリケーターがさらに、ポレータータブから横方向に離れた位置に配置されたローラーを有し、用時、ポレータータブが皮膚表面に沿ってその固定端側に向かってスライドし、且つ、ローラーが接着シートを滑らかにするために皮膚表面に接着シートを押し付けながら接着シート上を続いて転がるようになっている、上記(13)の経皮透過物投与装置。
(17)アプリケーターがさらに、真空源を有し、且つ、ポレータータブが、皮膚表面に真空源からの真空吸着力を印加するための1つ以上の経路を有する、上記(13)の経皮透過物投与装置。
(18)さらに:
パッチ適用支持体を有するポレーター裏材を有し、
ここで、パッチ適用支持体が:
外側を向いた対物面を有し、用時、対物面が被験体の皮膚表面に接触するようになっており;且つ、
対物面における穿孔領域に穿孔要素として1つ以上のフィラメントを有し、ここで、1つ以上のフィラメントが、被験体の皮膚に1つ以上の微小孔を形成するために熱を生成し、且つ、
ここで、
パッチが、ポレーター裏材またはアプリケーターに着脱可能に取り付けられており、且つ、パッチが、接着シートと、接着シートの接着面上に配置されたリザーバーとを有し、
リザーバーが、微小孔を経由して送達されるべき透過物を放出可能に含有しており、
接着シートが、接着面が外側を向いた状態で所定の内角θ1(0度<θ1<180度)にて折れ曲がっており、且つ、その折曲線が接着シートを第1の部分と第2の部分とに分割しており、
第1の部分が、用時に皮膚表面に付着するために、ポレーター裏材から横方向に離れた位置に配置されており、
折曲線が、第1の部分の外周における穿孔領域により近い側に配置されており、
第2の部分が、接触面が穿孔領域の方を向いた状態で内角θ1にて立っており、
リザーバーが、第2の部分の接着面上の所定の位置に配置され、リザーバーと穿孔領域とが、折曲線で対称的に対応するようになっており、且つ、
介在リリースライナーが、パッチ適用支持体とパッチとの間に提供されており、介在リリースライナーが、第2の部分の接着面およびリザーバーを覆っており、且つ、パッチ適用支持体またはポレーター裏材に固定されており、
そのことによって、接着シートの第1の部分が皮膚表面に付着した使用時の状況下では、リザーバーが被穿孔領域を位置合わせされた状態で覆うことができるように、且つ、第2の部分の接着面が皮膚表面に付着することができるように、アプリケーターとパッチ適用支持体を有するポレーター裏材とが、パッチから介在リリースライナーを剥がしながら、接着シートで覆われるべき領域の外側まで皮膚表面に沿ってスライド可能である、
上記(12)の経皮透過物投与装置。
(19)アプリケーターがさらに、真空源を有し、且つ、パッチ適用支持体が、皮膚表面に真空源からの真空吸着力を印加するための1つ以上の通路を有する、上記(18)の経皮的透過物適用装置。
(20)パッチ適用支持体に関して所定の位置でパッチを保持するためのフォークをさらに有し、
ここで、フォークが:
ポレーター裏材に差し込まれるべき2つの爪部を有しており;且つ、
平坦部を有しており、該平坦部の下には、接着シートの第1の部分の上側が、直接またはキャスティングシートを介して取り付けられている、
上記(18)の経皮透過物投与装置。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、従来の好ましい経皮透過物送達システムの1つの実施形態を示している。
【
図2】
図2は、従来の好ましい経皮透過物送達システム示すインターネット広告の写しである。
【
図3】
図3は、従来のシステムにおける被穿孔領域とリザーバーとの位置合わせ機構を示している。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態における位置決めの原理を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の別の実施形態における位置決めの原理を示す概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施形態における位置決め(または位置合わせ)の原理を示す概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1の実施形態のパッチの1つの実施形態を示す平面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1の実施形態の装置の好ましい外観の1つの実施形態を示す斜視図である。
図8(a)は、斜め下方から見た装置であり、且つ、
図8(b)は、斜め上方から見た装置である。
【
図9】
図9は、
図8に示される装置のポレーター-パッチアセンブリーの組立分解図であり、ここで、装置は斜め下方から見ている。
【
図10】
図10は、
図8(b)における装置を示す斜視図であり、ここで、ボトムリリースライナーがポレーター-パッチアセンブリーから剥がされており、且つ、装置は斜め下方から見ている。
【
図11】
図11は、本発明におけるパッチに適用されるキャスティングシートの例を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、
図8(b)に示される装置の斜視図であり、ここで、ポレーター-パッチアセンブリーは斜め下方から見ており、且つ、ポレータータブの造作部およびその周辺部は部分的に拡大している。
【
図13】
図13は、
図12に示されるポレーター-パッチアセンブリーにおけるポレータータブおよびパッチの弾性作用を示す横断面図である。
【
図14】
図14は、
図12に示されるポレーター-パッチアセンブリーにおけるポレータータブとパッチのリザーバーとの間の位置的関係を示す概略図である。
図14(a)は、斜め下方から見たポレーター-パッチアセンブリーを示しており、且つ、
図14(b)は、斜め上方から見たポレーター-パッチアセンブリーを示している。
【
図15】
図15は、
図12に示されるポレーター-パッチアセンブリーにおけるポレータータブの特定の構成例を示す組立分解図であり、ここで、ポレーター-パッチアセンブリーは、斜め下方から見ている。
【
図16】
図16は、本発明の第1の実施形態におけるへらの作用を示す概略図である。
【
図17】
図17は、へらの好ましい実施形態および斜視図におけるその作用を示す断面図である。
【
図18】
図18は、
図12に示されるポレーター-パッチアセンブリーの好ましい詳細な構造を示す斜視図である。
【
図19】
図19は、本発明の装置の第1の実施形態の使用状態を示す連続写真を示している。
【
図20】
図20は、本発明の第1の実施形態におけるローラーの作用を示す概略図である。
【
図22】
図22は、
図21に示されるポレーター裏材の斜視図である。
図22(a)は、斜め下方から見たポレーター裏材であり、且つ、
図22(b)は、斜め上方から見たポレーター裏材である。
【
図23】
図23は、ローラーを有する装置の外観およびローラーの作用を示している。
【
図24】
図24は、本発明の第2の実施形態における位置決め(位置合わせ)の原理を説明する概略図である。
【
図25】
図25は、本発明の第2の実施形態の実施例におけるポレーター-パッチアセンブリーの組立分解図である。
【
図26】
図26は、本発明の第2の実施形態の実施例の外観を示す斜視図である。
【
図27】
図27は、本発明の装置の第2の実施形態におけるインターフェースの斜視図である。
図27(a)は、斜め下方から見たインターフェースを有するアプリケーターであり、且つ、
図27(b)は、ポレーター裏材と連結したインターフェースの断面図である。
【
図28】
図28は、本発明の装置の第2の実施形態におけるポレーター裏材の斜視図である。
図28(a)は、斜め下方から見たポレーター裏材であり、且つ、
図28(b)は、斜め上方から見たポレーター裏材である。
【
図29】
図29は、本発明の装置の第2の実施形態における一部(フォーク)を示す斜視図である。
図29(a)は、斜め上方から見たパッチを有するフォークであり、且つ、
図29(b)は、斜め下方から見たポレーター裏材に挿入されたフォークである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態の説明
本発明は、好ましい実施形態を利用して以下で説明される。
図4に示されるように、本発明の経皮透過物投与装置(以下、装置とも言う)は、パッチ適用支持体420Aと、パッチ300と、介在リリースライナー330とを少なくとも有する。
図4の実施形態では、パッチ適用支持体420Aは、好ましくは、板の形状を有し、特に好ましくは、タブ状の板、短冊状の板またはベルト状の板の形状を有する。
図4では、パッチ300は、接着シート310と、接着シート310の接着領域(接着面)310a上に配置されたリザーバー320とを有する。しかしながら、パッチは、絆創膏のような単一のシートであってもよい。
図7に示されるように、パッチ300は、接着領域310aを有し、該接着領域310aは、第1の部分312と第2の部分314とを有する。パッチ300が単一のシートであり、且つ、局所リザーバーを有さない時、
図7におけるリザーバー320の領域は、第2の部分314に属していてもよい。
【0015】
介在リリースライナー330は、パッチ適用支持体420Aとパッチ300との間に提供される。介在リリースライナー330は、パッチ300の接着領域の第2の部分314を覆い、且つ折り返され、好ましくはパッチから離れながら丸く曲がり、且つ取付造作部(末端部)を介してパッチ適用支持体420Aに固定されている。かかる構成に起因して、
図4(a)-(e)に示されるように、パッチ300の接着領域の第1の部分が皮膚表面140Aに付着した使用時の状況下では、皮膚表面140Aに付着させるためにパッチ300の接着領域の第2の部分から介在リリースライナー330を剥がしながら、パッチ適用支持体420Aは皮膚表面140Aに沿ってスライド可能である(持ち上がるのではない)。したがって、パッチ300は、対象領域(被穿孔領域であってもなくてもよい)を容易且つ好適に覆う。以下で説明されるように、本発明の位置決めおよび位置合わせ機構の有用性は、被穿孔領域にパッチを含む実施形態においてより顕著になる。
【0016】
好ましい実施形態では、本発明の装置は、再利用可能な本体を有する。該実施形態では、パッチ420Aとパッチ300と介在リリースライナー330とは、再利用可能な本体に交換可能に取り付けられる。例えば、
図8に示される実施形態では、再利用可能な本体は、その中にパワー源(図示せず)を有するアプリケーター210として示されている。しかしながら、穿孔のない実施形態では、パワー源はなくてもよく、且つ、再利用可能な本体(
図8におけるアプリケーター210または
図25におけるアプリケーター250のような)は、把持のための好ましいハウジングであってもよい。把持のためのハウジングの形状およびサイズは、操作性または使い勝手を考慮して適切に決定され得る。
【0017】
好ましい実施形態では、パッチ適用支持体420Aは、(
図8および
図16に示されるような)へら450を有する。代替的には、へらは、再利用可能な本体上に提供されてもよい。へらは、ポレーターを有する下記の実施形態において詳細に説明される。
また、好ましい実施形態では、再利用可能な本体は、へらの代わりに(
図20および
図23に示されるような)ローラー500を有していてもよい。ローラーは、ポレーターを有する下記の実施形態において詳細に説明される。
【0018】
好ましい実施形態では、
図5に示されるように、パッチ800は、接着領域が外側を向いた状態で所定の内角θ1(0度<θ1<180度)にて折れ曲がっている。その折曲線は、接着領域(接着シート810)を第1の部分812と第2の部分814とに分割する。第1の部分812は、用時に皮膚表面140Aに付着させるために、パッチ適用支持体700Aから横方向に離れた位置に配置されている。第2の部分814は、接触領域がパッチ適用支持体700Aの方を向いた状態で内角θ1にて立っている。
図5では、パッチ800は、接着シート810と、接着シート810の接着面上に配置されたリザーバー820とを有し、ここで、パッチは、絆創膏のような単一のシートであってもよい。パッチ800が単一のシートであり、且つ、局所リザーバーを有さない時、
図5におけるリザーバー820によって占められる領域は、第2の部分814に属していてもよい。
介在リリースライナー830は、パッチ適用支持体700Aとパッチ800との間に提供される。介在リリースライナー830は、第2の部分814を覆っており、且つ、取付造作部832を介してパッチ適用支持体700Aに固定されている。取付造作部は、介在リリースライナー830から分岐した部分であってもよく、介在リリースライナー830の折れ曲がった末端部であってもよい。かかる構成に起因して、
図5(a)-(d)に示されるように、パッチ800の第1の部分812が皮膚表面140Aに付着した使用時の状況下では、皮膚表面140Aに付着させるためにパッチ800の接着領域の第2の部分814から介在リリースライナー830を剥がしながら、パッチ適用支持体700Aは皮膚表面140Aに沿ってスライド可能である。
図5に示される実施形態では、当該装置はさらに、
図25および
図29に示されるように、フォークを有していてもよい。フォークは、ポレーターを有する下記の実施形態において詳細に説明される。
図4および
図5に示される実施形態は、共通の特別な特徴として介在リリースライナーを有する。介在リリースライナーは、パッチの接着面の一部(第2の部分)を覆い、且つ、取付造作部は、取付造作部を介してパッチ適用支持体に固定されている。
【0019】
好ましい実施形態では、当該装置はさらに、穿孔要素を有する。穿孔要素は、パッチ適用支持体内またはパッチ適用支持体上に提供され、且つ、穿孔要素は、皮膚表面に少なくとも1つの孔を形成するように構成されている。本発明の位置決めおよび位置合わせ機構の有用性は、下記で説明されるように、パッチが被穿孔領域上に構成される実施形態において、より注目すべきものになる。
穿孔要素は特に限定されないが、例えば、次のものが言及され得る:アブレーションが皮膚を形成することを引き起こすために(即ち、アブレーションを皮膚に起こさせるように)直接接触を通して皮膚に熱エネルギーを送達することが可能な1つ以上の要素;アブレーションが皮膚を形成することを引き起こすために直接接触を通して皮膚に電気エネルギーを送達することが可能な1つ以上の要素;1つ以上の電気機械的アクチュエーター、1つ以上のランセット;1つ以上のマイクロニードル;1つ以上の音響エネルギーアブレーター;1つ以上のレーザーアブレーション要素;1つ以上の物理的アブレーション要素;および、1つ以上の流体噴射穿刺具。これらの穿孔要素は、組み合わせて用いられてもよい。
【0020】
また、好ましい実施形態では、当該装置は、再利用可能な本体であってその中に駆動源を有する前記の再利用可能な本体としてアプリケーターを有していてもよい。パッチ適用支持体とパッチと介在リリースライナーとは、アプリケーターに交換可能に取り付けられており、且つ、駆動源は、皮膚表面に少なくとも1つの孔を形成するために穿孔要素を駆動させるように構成されている。例えば、駆動源は、熱エネルギー、電気エネルギー、電磁エネルギー(光エネルギーを含む)、音響エネルギー、超音波エネルギー、力(特に押力)、気流、流体流またはこれらの組み合わせのような適切なエネルギー(穿孔要素による)を提供するように構成されている。
【0021】
好ましい実施形態では、穿孔要素は、アブレーションが皮膚を形成することを引き起こすために直接接触を通して皮膚に熱エネルギーを送達することによって、皮膚表面に少なくとも1つの孔を形成するためにパワー源から電力を受け取るように構成されている。好ましくは、穿孔要素は、フィラメントまたはフィラメントアレイである。フィラメントアレイの構造およびそれを用いる穿孔技術については、従来技術が参照されてもよい。
【0022】
以下に示される本発明の実施例では、当該装置は、パッチ適用支持体内またはパッチ適用支持体上に提供される穿孔要素として、フィラメントアレイを有する。また、当該装置は、再利用可能な本体としてアプリケーターを有し、且つ、アプリケーターは、その中にフィラメントアレイ用の電気的パワー源を含む。且つ、パッチのリザーバーが、本発明の共通の位置合わせ機構によって、被穿孔領域上に好適に位置合わせされ得る。
【0023】
実施例は、パッチの位置に基づいて、次の2つの実施形態に大まかに分けられ得る。
第1の実施形態では、
図6に示されるように、パッチは、穿孔領域の裏(すなわち、直上)に配置され、接着シートは、広げられ(折り返されておらず)、且つ、対物面に対して平行に維持されている。
第2の実施形態では、
図24に示されるように、パッチは、穿孔領域から横方向に所定の距離を置いて配置され、接着シートは、内角θ1にて折れ曲がっており、且つ、その第2の部分は、対物面との角度θ2にて維持されている(θ1+θ2=180度)。
第1および第2の実施形態は、共通の特別な特徴として、介在リリースライナーを有する。介在リリースライナーは、接着シートの接着面の一部(第2の部分)およびリザーバーを覆い、且つ、取付造作部を介してポレーター(またはポレータータブ)に固定されている。
かかる特徴に起因して、ユーザーがポレーターによって皮膚に微小孔を形成する時、接着シートの他の部分(第1の部分)は、被験体の皮膚表面に付着する。微小孔の形成後、ユーザーが皮膚表面に沿ってポレーターをスライドさせる(持ち上げるのではない)時、その移動は、介在リリースライナーがパッチから剥がされることと、リザーバーが被穿孔領域を位置合わせされた状態で覆うことと、第2の部分の接着面が皮膚表面に付着することとを引き起こし、そのことによって、被穿孔領域へのパッチの付着が完了する。
【0024】
上記のように、本発明は、繰り返し性、精度およびユーザーによるステップの理解を向上させる一方で、パッチを適用するのに関連するユーザーのステップの数を最少化および簡略化し得る。本発明はまた、穿孔直後の被穿孔領域へのパッチの付着を可能にする。
【0025】
第1の実施形態
第1の実施形態は、構成の特に好ましい実施例を参照することによって、以下で詳細に説明される。
第1の実施形態では、当該装置は少なくとも:
図6(a)に示されるように、ポレータータブ(パッチ適用支持体として)420を有するポレーターを含み;且つ、パッチ300を含む。
図6では、ポレーター裏材(ポレーター本体)は示されておらず、ポレータータブのみが部分的に示されている。
【0026】
ポレータータブ420は、カンチレバーの状態でその一端(図の左端)がポレーター裏材(図示せず)に固定された帯状の板であり、且つ、用時に被験体の皮膚表面140Aに接触することが可能であるように外側を向いた対物面420aと、反対側の表面である裏面420bとを有する。
図6(c)に示されるように、1つ以上の穿孔要素442が、ポレータータブ420の自由端部(図の右端)の対物面における穿孔領域にある。穿孔要素442は、エネルギーの供給の際、生物の皮膚の表面層、例えば角質層に微小孔154Aが形成される温度において熱を生成する。図面では、複数の穿孔要素、フィラメントが、フィラメントアレイ444を形成している。被穿孔領域は、1つ以上の穿孔要素を包絡的に囲む線によって規定される領域である。
【0027】
パッチ300は、接着シート310と、接着面310aの中央に配置されたリザーバー320とを少なくとも有する。リザーバー320は、微小孔を経由して送達されるべき透過物を放出可能に含有する。
図6(a)に示されるように、パッチ300は、ポレータータブ420の裏面420b上に配置され、且つ、リザーバー320は、穿孔領域に対応する位置において裏に配置されている。接着シートの接着面310aは、外側(被験体側)を向いている。介在リリースライナー330が、パッチ300とポレータータブ420との間に配置されている。介在リリースライナー330は、ポレータータブ420の裏面420bに固定されている。
【0028】
接着シート310は、
図7に示されるように、ポレータータブ420の自由端からおよび両方の長手側縁部から突き出た第1の部分312を有し、それが用時に被験体の皮膚表面140Aに付着し得るようになっている。
図6(a)では、第1の部分312は、右側に向かってポレータータブ420の自由端から突き出るだけでなく、図面の紙面に垂直なこちら側および裏側まで突き出る。
図7に示されるように、したがって、接着シート310の第1の部分312は、U字形状を有する。
ポレータータブから突き出ていない残りの第2の部分314の接着面とリザーバー320とは、介在リリースライナー330によって覆われている。
図6(a)にあるように、リリースライナー330は、ポレータータブの自由端に対応する位置においてパッチから離れ、且つ折り返され、好ましくは丸く曲がり、且つ、取付造作部(末端部)334を介してポレータータブ420の裏面420bに固定されている。
【0029】
上記の構成に起因して、接着シート312の第1の部分312は、用時(特に、ポレーターが穿孔のために皮膚表面に密着している時)に被験体の皮膚表面140Aに付着する。
図6(a)にあるように、穿孔要素442が、微小孔154Aを形成する。微小孔154Aによって規定される領域が、被穿孔領域152Aである。
接着シート310の第1の部分312が被験体の皮膚表面140Aに付着している状態では、
図6(b)-(e)にあるように、ポレータータブ420は、パッチ300から介在リリースライナー330を剥がしながら、介在リリースライナー330と一緒に皮膚表面に沿ってスライドし得、且つ、接着シート310のカバー領域の外側に抜け出る(図の左方向に)。スライドの結果として、
図6(e)にあるように、リザーバー320は被穿孔領域を覆い、且つ、第2の部分の接着面は皮膚表面に付着する。
【0030】
上記のように、本発明の装置では、パッチのリザーバーは、組立段階において穿孔領域上に重なるように位置合わせされる。穿孔中、接着シート310は、ポレータータブ420の裏面側420b上にリザーバーを固定し、リザーバー320が、フィラメントアレイ442の上に位置合わせされるようになっている。しかしながら、介在リリースライナー330はポレータータブ420と接着シート310との間に挿入されているので、ポレータータブ420は、皮膚表面140に付着したパッチ300の下から、介在リリースライナー334と一緒に出て来ることが可能である。
かかる特徴に起因して、リザーバー320は、
非常に単純な操作によって(すなわち、皮膚表面に垂直に押し付け、且つ、皮膚表面に沿ってそれを横方向にスライドさせることによって);
穿孔直後に(時間の経過なく);
長時間の外気へのリザーバーの曝露なしで;
指で接着面またはリザーバーに触れることなく;且つ、
被穿孔領域から逸脱することなく、
被穿孔領域に好適に付着し得る。
【0031】
再利用可能なアプリケーター
図8に示されるように、好ましい実施形態では、当該装置は、利用可能な本体としてアプリケーター210を有する。ポレーターとパッチとは、使い捨てのポレーター-パッチアセンブリー400を形成し、且つ、ポレーター-パッチアセンブリー400は、アプリケーター210上に交換可能に取り付け可能である。
図8では、ポレーター-パッチアセンブリー400は、へら450を有する。
図8(b)は、装置全体220を示し、アプリケーター210は、ポレーター-パッチアセンブリー400と連結している。
アプリケーター210は、ポレーターの穿孔要素442にエネルギーを供給するためのエネルギー源(図示せず)を少なくとも有する。また、アプリケーター210は、システムの制御装置(制御回路)およびユーザーインターフェースならびにパワーエレクトロニクス(パワー源)および皮膚上に真空を達成し且つ穿孔要素にパワーを供給するのに必要なポンプを含んでいてもよい。
【0032】
ポレーター-パッチアセンブリー
第1の実施形態では、ポレーターとパッチとが、使い捨て且つ交換可能な単一のポレーター-パッチアセンブリーとして好適に構成される。
図9に示されるように、ポレーター-パッチアセンブリーは:
ポレーターサブアセンブリー(支持タブ430と開口部412とを有するポレーター裏材(ポレーター本体)410と、フィラメントアレイ440と、ポレーターカバー460)と;
パッチサブアセンブリー(パッチ300(接着シート310とリザーバー320とを有する)と、ボトムリリースライナー340と、キャスティングシート350と、介在リリースライナー330)と
を有するサブコンポーネントから好適に構成される。
【0033】
好ましくは、
図9に示されるように、ポレータータブ420は、帯状の支持タブ430とフィラメントアレイ440とポレーターカバー460とから構成される多層構造を有する。フィラメントアレイ440は、基板を有していてもよい。支持タブ430の一端は、ポレーター裏材410に固定され、且つ、支持タブ430は、ポレーター裏材410の開口部412の下にカンチレバーとして突き出ている。フィラメントアレイ440は、支持タブ430とポレーターカバー460との間に挟まれている。
1つ以上の穿孔要素、フィラメント、好ましくは多数の穿孔要素から構成されるフィラメントアレイ440の活性部分444(
図12)は、ポレーターカバー460における窓を通して、フィラメントアレイ440の対物面上に形成され、且つ、穿孔されるべき皮膚表面に露出している。穿孔要素、フィラメントは、アプリケーターから供給されるエネルギーで熱を生成する。
フィラメントアレイ440とポレーター裏材410とポレーターカバー460とは、別々に組み立てられるサブアセンブリーである。パッチ300は、裏面(非接着側)上においてキャスティングシート350によって形状が保持され、且つ、ボトムリリースライナー340と介在リリースライナー330との組み合わせによって接着側上で保護されている。ボトムリリースライナー340と介在リリースライナー330とは、それらが、互いに重なることなく薬剤パッチの接着領域を共同して覆うように設計される。
介在リリースライナー330はまた、リザーバーを保護している。
ポレーターサブアレイ(410+440+460)は、介在リリースライナー330を介して、パッチサブアセンブリー(300+350)に取り付けられている。
【0034】
フィラメントアレイ(穿孔要素のアレイとしての)
穿孔要素442は、光(例えば、レーザー光線)、音(例えば、超音波処理)、電流などのようなエネルギーの供給の際に熱を生成するように構成される。
本発明の好ましい実施形態では、
図8のように、穿孔要素442は、電気エネルギーの供給の際に熱を生成する。それは、電気的に抵抗性であり、且つ、フィラメントと呼ばれる。フィラメントの数は限定されないが、1平方センチメートル当たり20-500が好ましい。フィラメントは、例えばマトリックスとして構成され、且つ、アクティブ領域444を構成する。アクティブ領域444の特定の形状に構成されたフィラメント442は、電気接点446を通じてエネルギーが供給され(
図15)、且つ、一緒になってフィラメントアレイ(穿孔要素のアレイとしての)440を構成する。
1つの微小孔の開口面積、隣接する微小孔の間の中心距離ならびに穿孔領域の形状およびサイズについては、先行技術が参照されてもよい。1つの微小孔の開口面積は、約0.008mm
2-0.1mm
2である。中心距離は、約0.15mm-3mmである。穿孔領域の好ましい形状は、正方形、長方形または円形であるが、それは限定されない。それが正方形である時、その一辺の長さは約3mm-40mmであり、且つ、長方形および円形の形状は、正方形とほぼ同一の面積を有していてもよい。
穿孔領域(フィラメントアレイのアクティブ領域444)は、皮膚表面上の被穿孔領域とは逆向きに移動する。
フィラメントおよびフィラメントアレイの構造、エネルギー供給方法、温度制御方法ならびに穿孔方法については、国際公開第2008/091878号などのような先行技術が参照され得る。
【0035】
パッチ:リザーバー
リザーバー320のサイズは、被穿孔領域より小さなものから大きなものまで変化し得る。しかしながら、リザーバー320のサイズは、好ましくは、性能を最大化させ、且つ、被験体への不要な穿孔を回避するために、被穿孔領域に近い。より好ましくは、リザーバーのサイズは、システムの位置合わせ性能により、被穿孔領域のものより小さくはなく、リザーバーが被穿孔領域を完全に覆い得るようになっている。
本発明の装置は、非常に高精度の位置合わせ性能を有する。したがって、本発明におけるリザーバーのサイズは、被穿孔領域のものに近くなることが可能である。例えば、被穿孔領域が、一辺の長さが5mm-30mmである正方形である時、リザーバーは、被穿孔領域のものより一辺の長さが0.1mm-5.0mmだけ長い正方形であってもよい。被穿孔領域が異なる形状を有する時でさえも同様である。
【0036】
リザーバーの材料については、先行技術が参照され得、且つ、例えば、リザーバー320は、マトリックス状に保持された1つ以上の透過物を少なくとも含有するが、これに限定されない。マトリックスは、乾燥層、固体、半固体、ゲル、クリーム、液体、接着剤または他の形態であってもよい。フィルム、スポンジ、織布、不織布、泡、膜、ガーゼ、非多孔質材料または多孔質材料のような支持材料が用いられてもよい。
【0037】
リザーバーに放出可能に含有される透過物は、薬剤もしくは化粧品のような活性剤、流動促進剤化合物、浸透圧性剤、pH調整剤もしくは他の材料を含む、経皮送達または局所送達に利用可能な任意の物質でできていてもよい。透過物の他の側面は、送達およびモニタリングに関連する生体からの微小孔を経由する体液の量ならびに流動を制御するための吸湿性である。
活性剤は、低分子剤および高分子剤であり得る。高分子剤はまた、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、オリゴヌクレオチド、多糖類または既存の従来技術を用いて皮膚を越えて運搬することが困難であることが知られている他の高分子でもあり得る。
透過物については、例えば、国際公開第2006/1386588号、国際公開第2008/091878号などのような先行技術が参照され得る。
【0038】
リザーバーは、微小孔を経由して生体から外側まで流出する物質を吸収するために用いられてもよい。この場合、本発明の装置は、経皮モニタリングシステムとして機能する。
【0039】
パッチ:接着シート
接着シートの材料として、可撓性フィルム、織布、不織布または泡のような材料上に被覆されるアクリル系、シリコーン系、ゴム系接着剤が用いられ得る。ポリウレタンテープ(例、3MTM 9832F、9836、9833、9834)、ポリエチレンテープ(例、3MTM 1503、1523、9830、1525L、9865、1526、9865A、1522、1526および1521、エイブリィ MED5021、MED1827、MED5020、MED5030)、EVAテープ(例、3MTM 1527ENP、1527LXおよび1527)、EVA/ポリエチレンテープ(例、3MTM 9835)、不織布テープ(例、3MTM 9916、1533Lおよび9907W、MBK 2501SC、エイブリィ MED5750A)、織布テープ(例、3MTM 1538L、MBK 2503SC)、発泡テープ(3MTM 1772、1773および1774、エイブリィ MED5641)のような従来公知の材料が用いられ得るが、これに限定されない。
接着シートの外形は、それが皮膚表面にリザーバーを固定し得る限り、任意であってもよく、例えば、一辺の長さが約10mm-50mmである正方形もしくは長方形または約10mm-60mmの直径を有する円形形状である。
【0040】
ボトムリリースライナー
図10に示されるように、ボトムリリースライナー340のタブ造作部342は、ユーザーがボトムリリースライナー340を剥がすことができ、切り抜き造作部344がポレーターのポレータータブ420の周りを巡ることによって、ボトムリリースライナー340は、パッチ300上で平坦なままであることができる。
ボトムリリースライナーの材料、厚さおよびリリース処理については、従来公知のリリースライナーが参照され得る。材料の好ましい例は、フルオロポリマーコートおよびシリコーンコートされたフィルム(例、ポリエステル、ポリエチレンおよびポリプロピレン)または紙を含むが、これに限定されない。ボトムリリースライナーの厚さは、好ましくは、例えば約20μm-200μmである。
【0041】
好ましい実施形態では、
図7に示されるように、接着シート310の接着領域は、リザーバー320の周りの正方形の経路である。接着領域は、U字形状の第1の接着領域(第1の部分312)と直線的な帯状の第2の接着領域(第2の部分314)とに分割される。
ボトムリリースライナー340は、U字形状の第1の接着領域を覆い、介在リリースライナー330は、直線的な帯状の第2の接着領域を覆う。
【0042】
キャスティングシート
図11に示されるように、キャスティングシート350は、皮膚に適合するために薄く且つ可撓性であるパッチ300の接着シート310より硬いプラスチックである。キャスティングシート350は、パッチの形状を、それが皮膚に付着していない間は保持し、且つ、穿孔および皮膚からの装置の除去の後でキャスティングシートタブ352を持ち上げることによって剥がされる。
キャスティングシートは、パッチ接着剤がより硬いバージョンによって置き換えられ得たと判定されたのであれば、ポレーター-パッチアセンブリー400から完全に除去され得る。このことはまた、ステップを除去し、またプロセス全体をより単純且つより直感的なものにしたであろう。
キャスティングシートがユーザーによって除去されなければ、薬物送達が未だ成功裡に達成されることは、注目されなければならない。
【0043】
ポレータータブ幾何学およびアプリケーターインターフェース
図8および
図12に示されるように、ポレーター-パッチアセンブリー400が所定の位置に留められる時、ポレータータブ420は、アプリケーターインターフェースの凹状造作部212の上であって且つ凸状造作部214の内部の中心に置かれる。
図9に示されるように、凸状造作部214は、ポレーター裏材の開口部412を通過し、且つ、
図13(a)に示されるように、ポレータータブの近くに配置されている。
ポレータータブ420は薄く、且つ、フィラメントアレイ440のアクティブ領域(蛇行するパターンになっている)444に圧力がかかった時に曲がるように設計される。
【0044】
図13に示されるように、ポレータータブ420とインターフェース(凸状造作部212および凸状造作部214)との相対位置は、2つの機能を可能にする。
1つ目は、凹状造作部212が、ユーザーがアプリケーターを用いて皮膚に圧力をかけた時に、ポレータータブ430が曲がることを可能にすることである。このことは、皮膚上へのフィラメントアレイのアクティブ領域の最適な接触を確実にし、且つ、真空の形成(後で説明される)を向上させる。
2つ目は、ポレータータブ430が曲がる時、凸状造作部214のU字形状の表面が、それ自体と皮膚との間にU字形状の第1の接着領域(第1の部分312)を挟み、適切な付着を確実にすることである。U字形状のインターフェース(凸状造作部)214とポレータータブ420との間の隙間Δx1は、U字形状の第1の接着領域が、ポレータータブ420の周りでそれを挟むことなく変形することを可能にする。隙間Δx1は、好ましくは、例えば0.1mm-2mmである。
ポレータータブ420の相対的な厚さとU字形状のインターフェース214の幅とは、U字形状の第1の接着領域の相当部分が、パッチ300の安定性を確実にするために穿孔前に皮膚に付着するようになっている。
U字形状のインターフェース(凸状造作部)214の内側の面取り縁は、アプリケーターが押し付けられ且つ離れるようにスライドする時に、インターフェースがリザーバー320上に引っかからないであろうことを確実にする。
【0045】
被穿孔領域の上の位置合わせ
図14に示されるように、本発明の重要な側面は、それが、リザーバー320がフィラメントアレイ440のアクティブ領域440の裏側の上に直接配置されることを確実にすることである。
U字形状の第1の接着領域が皮膚に付着した時、この仕組みは、リザーバー320が皮膚の被穿孔領域152A(
図6)に正確に適用されるであろうことを保証する。
【0046】
電気接点および真空経路
図15に示されるように、ポレーター裏材410(特に、支持タブ430の基端(付け根))は、アプリケーター210の電気リード部216がフィラメントアレイ440のリード部446に接触することを可能にする、1つ以上の開口部(図では2つの開口部)432を特徴部として持つ。このことは、アプリケーター210からの電流が、アクティブ領域444内のフィラメントにパワーを供給することを可能にする。
フィラメントアレイのリード部446は、真空チャネル434を塞ぎ、開口部432からフィラメントアレイのアクティブ領域444までの塞がれた経路を作成する。このことは、アプリケーターが穿孔中に皮膚上の被穿孔領域に真空を印加することを可能にする。
【0047】
介在リリースライナー
図6に示されるように、介在リリースライナー330は、リザーバー320および直線的な帯状の第2の接着領域(第2の部分314)を保護している。介在リリースライナー330は、折り返され、好ましくは丸く曲がり(造作部332)、且つ、末端部334を介してポレータータブ(支持タブ430)に貼り付けられている。
造作部332は、丸く曲がった状態であることが好ましく、且つ、折れた状態でないことが好ましい。なぜなら、このことが、アプリケーターが押し付けられ且つ離れるようにスライドする時に滑らかなローリングを可能にするからである。折り目は、「ローリング」して離れることに対して初期抵抗を提供し、このことは、適切且つ直感的な除去の助けにならない。
図6(b)-(e)および
図17(b)-(d)において上記に示されたように、介在リリースライナー330は、それが引き離されるにつれてポレータータブ420に取り付けられたままであり、皮膚の被穿孔領域にリザーバー320を徐々に露出させ、且つ、被穿孔領域の周囲に第2の接着剤(第2の部分314)を徐々に露出させている。
介在リリースライナーの材料、厚さおよびリリース処理については、従来公知のリリースライナーが参照され得る。材料の好ましい例は、フルオロポリマーコートおよびシリコーンコートされたフィルム(例、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルムおよびポリプロピレンまたは紙)を含むが、これに限定されない。厚さは、好ましくは、例えば20μm-250μmである。
介在リリースライナーの長さは、ポレータータブ430の1つ分の長さと2つ分の長さの間であり、且つ、後で説明されるへらの接触正面452と干渉していない。幅は、リザーバーおよびポレータータブ430の幅を覆うことが可能でなければならず、且つ、ボトムリリースライナー340の切り抜き造作部344との重複は最小限でなければならない。
【0048】
へら
本発明の好ましい実施形態では、作用の原理は、
図16に概略的に示されており、ここでは、へら450がポレーター裏材またはアプリケーターに付与されている。
図8-
図19に示される実施形態では、板状のへら450が、ポレーター裏材上に一体的に形成されている。
図16における破線は、へら450がポレーター裏材(またはアプリケーター)上に固定されていることを示唆する。へらは、ポレーター裏材から、穿孔領域(
図16(a)における被穿孔領域152A)から横方向に離れた接触領域まで延びる。
用時、
図16(a)における穿孔後、
図16(b)-(e)に示されるように、ポレータータブ420は、皮膚表面に沿ってその固定端側に向かってスライドし、その間、へら450もまた、接着シート310上をスライドしながら、皮膚表面140Aに対して接着シート310を押し付け且つ滑らかにするために、ポレータータブ420を追いかける。
へらを用いると、ユーザーはまた、皮膚表面に沿って当該装置をスライドさせることのみによって、穿孔後のパッチの平滑化を完了し得る。
【0049】
へらの形状は、特に限定されず、且つ、上記の作用が取得される限り任意であってもよく、且つ、板またはバルクまたはそれらの組み合わせであってもよい。それは、好ましくは、
図8-
図19に示されるスコップ形状のような、接触部452として対物面側のその先端上に形成される、滑らかな凸面を有する弾性の板である。なぜなら、材料が節約され得、且つ、パッチが弾性的に滑らかにされ得るからである。へらの幅(
図16では、紙面に対して垂直な方向におけるサイズ)は、好ましくは、パッチ全体を滑らかにするために接着シートのパッチより小さくはなく、例えば約15mm-40mmである。
図8-
図19に示される実施形態では、へらは、ポレーターのハウジングと一体的にプラスチック材料から形成され、且つ、その厚さは、例えば約1mm-2mmである。
【0050】
図16および
図17(b)-(d)に示されるように、へら450は、装置(アプリケーターおよびポレーター-パッチアセンブリー)が押し付けられ且つ被穿孔領域から離れるようにスライドするにつれて、パッチの上を滑らかにする。
へらの先端部上の接触部452は、特定の距離よりは短くない距離でポレーターまたはアプリケーターから遠い位置にあってもよい。その位置は、
図16(e)に示されるように、完全に伸展した介在リリースライナー330の先端部からより遠くに離れており、且つ、ライナーには接触しない。へらの接触部が完全に伸展した介在リリースライナーより近い位置に配置される時、へらは、接着シートの下からの介在リリースライナー330の完全な除去の前に、接着シートの上から介在リリースライナー330を押し付け、且つ、好ましいスライドおよび平滑化を妨げる。
図16(e)および
図18(c)に示されるように、接触部452は、介在リリースライナー330が完全にまっすぐにされる時、接触部452が皮膚上の介在リリースライナー330を挟まないような方法で配置される。へらが介在リリースライナーを挟んでいれば、このことは、まっすぐにすることを停止させ、且つ、当該装置が離れるようにスライドすることを妨げたであろう。
【0051】
その他
図18(a)に示されるように、へらの上部にある応力緩和リッジ454は、へら450に力がかかる時、応力が、ポレーターを酷使する代わりにアプリケーター本体上に移行することを可能にする。
図18(b)に示されるように、クリップ414は、ポレーター-パッチアセンブリー400がアプリケーター210に取り付けられたままであることを可能にする。
へら450はまた、ユーザーが、アプリケーターから離れるようにクリップ414を曲げることによって、アプリケーターからポレーター-パッチアセンブリーを外すことを可能にするレバー(操作タブ)を兼ねる。
【0052】
図19に示されるように、本発明の第1の実施形態によれば、ユーザーは、皮膚表面に対して当該装置を押し付け((a)から(b))、その後は、ランプの表示の後で、皮膚表面に沿って当該装置をスライドさせるのみであり、そのことによって、被穿孔領域およびその上に付着したパッチが取得され得る。
【0053】
ローラー
図20に示されるように、当該装置は、へらの代わりにローラー500を有していてもよい。ローラー以外の各部は、へらを有する装置におけるものと同一である。ローラー500は、
図18に示されるへら450の接触部452のように、穿孔領域から横方向に離れた位置に配置される。
図16と
図20とを比較すると、ローラー500がへらと置き換えられていることが明らかである。
図20における破線は、ローラー500がアプリケーター(またはポレーター)上に固定されていることを示唆する。ローラー500は、穿孔領域(
図20(a)における被穿孔領域152A)から横方向に離れた接触領域に配置される。用時、
図20(a)における穿孔後、
図20(b)-(e)に示されるように、ポレータータブ420は、皮膚表面140Aに沿ってその固定端側に向かってスライドし、その間、ローラー500もまた、へらのように、接着シート310上を転がりながら、皮膚表面140Aに対して接着シート310を押し付け且つ滑らかにするために、ポレータータブ420を追いかける。
ローラーを用いると、ユーザーはまた、穿孔後に皮膚表面に沿って当該装置をスライドさせることのみによって、パッチの平滑化を完了し得る。
【0054】
単純に単一の板であってもよいへらと比較して、ローラーは多くの部品を必要とする。したがって、ローラーは、好ましくは、使い捨てであるよりはむしろ、アプリケーターに再利用可能に取り付けられる。
図21は、ローラーを有する第1の実施形態の好ましい実施形態の組立分解図である。へらを有する
図9の装置と同様に、
図21のこの実施形態では、ポレーターとパッチとは、ローラーを有する装置においてもまた、1つの使い捨て且つ交換可能なポレーター-パッチアセンブリーとして組み立てられる。
図21および
図22に示されるように、ポレーター-パッチアセンブリーは:
ポレーターサブアセンブリー(支持タブ630と開口部612とを有するポレーター裏材610と、フィラメントアレイを有するポレーター基板(図示せず)と;
パッチサブアセンブリー(パッチ300(接着シートとリザーバーとを有する)と、ボトムリリースライナー340と、キャスティングシート350と、介在リリースライナー330)と
を有するサブコンポーネントから好適に構成される。
サブアセンブリーのローラー以外の各要素は、へらを有する装置におけるものおよび上記で説明されたものと同一である。
【0055】
ローラーを有する装置では、
図21に示されるように、ローラー用ホルダー530が、アプリケーター210に好適に提供される。ホルダー530内には、シリンダー510と中心軸520とが保持され、そのことによってローラーが構成される。へらのように、ローラーは、穿孔領域から横方向に離れた接触領域に配置される。ロール径は限定されないが、約10mm-14mmが好ましい。
図20(e)および
図23(b5)に示されるように、接触領域の位置は、完全に伸展した介在リリースライナー330の先端部からより遠くに離れており、且つ、ライナーには接触しない。ローラーが完全に伸展した介在リリースライナーより近い位置に配置される時、
図23(b4)に示されるように、ローラーは、接着シートの下からの介在リリースライナー330の完全な除去の前に、接着シートの上部から介在リリースライナー330を押し付け、且つ、好ましいローリングおよび平滑化を妨げる。
図23(a)に示されるように、ローラー(特にシリンダーの接触正面512)は、介在リリースライナー330が完全にまっすぐにされる時、ローラーが皮膚上の介在リリースライナー330を挟まないような方法で配置される。ローラーが介在リリースライナーを挟んでいれば、このことは、まっすぐにすることを停止させ、且つ、当該装置が離れるようにスライドすることを妨げたであろう。
【0056】
図22に示されるように、へら以外、ローラーを有する装置のポレーター裏材610は、
図9に示されるポレーター裏材410のものと同一の構造を有していてもよい。一端において、支持タブ630はポレーター裏材610に固定されており、且つ、他端は、ポレーター裏材610の開口部612の下にカンチレバーとして突き出ている。ポレーター裏材610(特にポレータータブ630の基部)は、アプリケーターの電気リード部(図示せず)が、ポレーター基板を経由してフォラメントアレイのリード部に接触することを許容する2つの開口部632を特徴部として持つ。このことは、アプリケーターからの電流がフィラメントアレイに電力を供給することを可能にする。
フィラメントアレイのリード部は、ポレーターの真空チャネル634を塞ぎ、開口部632からアクティブ領域のフィラメントまでの塞がれた経路を作成する。このことは、アプリケーターが穿孔中に皮膚上の被穿孔領域に真空を印加することを可能にする。
ポレーター裏材610は、前端において操作タブとしてのへらを有さないが、アプリケーター上に固定されたローラーを有する。したがって、ポレーター裏材610はさらに、後端において操作タブ614を有していてもよい。
【0057】
ユーザーのステップ
本発明の第1の実施形態(へらまたはローラーを有する)は、公知技術より少ないステップを必要とする:
A.アプリケーターにポレーター-パッチアセンブリーを留める、
B.ボトムリリースライナーを除去する、
C.皮膚にアプリケーターを適用し、且つ、数秒待つ(穿孔)、
D.アプリケーターを離れるようにスライドさせる(パッチは被穿孔領域上に留まる)、
E.キャスティングシートを除去する(必要であれば)。
被穿孔領域の上にパッチを配置し、且つ、それを1つのスライド動作で適用することによって、方向性スライドへらまたはローラーは、4つの重大なユーザー関連のリスクに関連するステップを除去する。
活性剤化合物を保護する介在リリースライナーを自動的に除去することによって、曲げて重ねるステップを必要とすることなく、且つ、同一の動作でパッチを滑らかにすることなく、へらまたはローラーは、全体のステップを3分の1減少させ、プロセスを簡略化し、且つ、それを複雑でないものにする。
へらまたはローラーは、キャスティングシートの容易な除去を可能にする。
当該装置上のへらまたはローラーは、ユーザーが離れるようにスライドさせることによってアプリケーターを除去することをもたらす方向性をほのめかす。このことは、誤用を減少させる。
【0058】
第2の実施形態
第2の実施形態は、特定の好ましい構成例を参照することによって、以下で詳細に説明される。
第2の実施形態では、当該装置は、
図24(a)に示されるように、ポレーター700とパッチ800とを少なくとも有する。
図24では、ポレーター700の対物部分のみが、説明のために部分的に示されている。第2の実施形態は、第1の実施形態で用いられるポレータータブを有する必要がない。
【0059】
ポレーター700は、用時に被験体の皮膚表面140Aに接触することが可能であるように外側を向いている対物面700aを有する。1つ以上の穿孔要素が、対物面における穿孔領域に形成される。穿孔要素自体、フィラメントは、第1の実施形態におけるものと同一である。
図24では、
図6のように、複数の穿孔要素722が、アクティブ領域720を有するフィラメントアレイを形成する。アクティブ領域は、1つ以上のフィラメントを包絡的に囲む線によって規定される領域である。
パッチ800は、接着シート810と、接着面のほぼ中央に配置されたリザーバー820とを少なくとも有する。パッチの構造自体は、第1の実施形態におけるものと同一であり、且つ、リザーバーは、微小孔を経由して送達されるべき透過物を放出可能に含有する。
図24(a)に示されるように、パッチ800の接着シート810は、接着面が外側を向いた状態で所定の内角θ1(0度<θ1<180度)にて折れ曲がっている。その折曲線は、接着シート810を第1の部分812と第2の部分814とに分割する。
【0060】
接着シート810の第1の部分812は、対物面700aの延長された平面に配置され、それが、用時に被験体の皮膚表面140Aに付着し得るようになっている。折曲線は、第1の部分812の外周における穿孔領域により近い側に配置されており、且つ、第2の部分814は、接触面が穿孔領域の方を向いた状態で内角θ1にて立っている。
リザーバー820は、接着シート810の第2の部分814の接着面上の所定の位置に固定され、リザーバー820と穿孔領域とが、折曲線に対して対称的に対応するようになっている。
接着シート810の第2の部分814の接着面とリザーバー820とは、介在リリースライナー830で覆われている。
図24(a)に示されるように、介在リリースライナー830は、折曲線の近傍でポレーター700に接続されている。
上記の構成に起因して、ポレーターにおける接着シート810の第1の部分812は、用時(特に、ポレーターが穿孔のために皮膚表面に密着している時)に被験体の皮膚表面140Aに付着する。
図24(a)にあるように、フィラメント722が、微小孔154Aを形成する。微小孔154Aによって規定される領域が、被穿孔領域152Aである。
接着シート810の第1の部分812が被験体の皮膚表面140Aに付着している状態では、
図24(b)-(d)にあるように、ポレーター700は、パッチ800から介在リリースライナー830を剥がしながら、介在リリースライナー830と一緒に皮膚表面に沿って、接着シート810で覆われるべき領域の外側までスライド可能である(図の左方向にスライド可能である)。スライドの結果として、
図24(d)にあるように、リザーバー820は被穿孔領域152Aを覆い、且つ、第2の部分の接着面は皮膚表面に付着する。
【0061】
図25および
図26に示されるように、当該装置の第2の実施形態はまた、第1の実施形態にあるように、再利用可能な本体としてアプリケーター250を有し、且つ、アプリケーター250は、ポレーター700のフィラメントへのエネルギー供給用のエネルギー源を少なくとも有し、且つ、ポレーター700とパッチ800とは、好ましくは、アプリケーターにおいて交換可能である。
図25および
図26の実施形態では、ポレーター700とパッチ800とは、インターフェース900を介してアプリケーター250に取り付けられ、且つ、アプリケーター250から取り外される。
【0062】
図25は、第2の実施形態の好ましい実施形態の組立分解図である。第1の実施形態にあるように、ポレーターとパッチとは、ローラーを有する装置においてもまた、1つの使い捨て且つ交換可能なポレーター-パッチアセンブリーとして組み立てられる。
図25に示されるように、パッチ800は、接着シート810とリザーバー820とを有し、且つ、ボトムリリースライナー840とキャスティングシート850とをさらに有する。
キャスティングシート850は、接着シートのように折れ曲がり、且つ、折曲線は、キャスティングシート850を第1の部分852と残りの第2の部分854とに分割する。
介在リリースライナー830は、第1の2つの実施形態における介在リリースライナーからのリリースライナーと、形状および折曲角度は異なるものの、同一である。
パッチの各要素の材料およびサイズは、第1の実施形態の各要素のものおよび上記で説明されたものと同一である。
【0063】
また、1つ以上のフィラメントが、フィラメントアレイになっていてもよい。1つ以上のフィラメントは、先の実施形態にあるように、フィラメントアレイの一部であり、且つ、フィラメントアレイは、好ましくは、ポレーター裏材に取り付けられ、且つ、ポレーター700を構成する。ポレーター裏材の底面を示すために、フィラメントアレイは、
図28、
図29には示されていない。
また、アプリケーターは、第1の2つの実施形態にあるように真空源を有していてもよく、且つ、ポレーターは、真空源から被験体の皮膚表面への真空の吸着力の印加を可能にする経路を備えていてもよい。これらの材料、構造およびサイズは、第1の実施形態の各要素のものおよび上記で説明されたものと同一である。
【0064】
パッチ800の接着シート810の内角θ1は、好ましくは30度-150度、より好ましくは90度-150度、さらにより好ましくは115度-130度である。
接着シートの第1の部分810および残りの第2の部分814の面積比は限定されないが、リザーバーの有効なサイズおよびそれに関する接着シートのサイズを考慮すると、(第1の部分810:第2の部分814)=(1:6)-(1:2)が好ましい。
【0065】
介在リリースライナー
図24に示されるように、介在リリースライナー830は、リザーバー820および直線的な帯状の第2の接着領域(第2の部分814)を保護する。介在リリースライナー830は、曲げて重ねられ、且つ、取付造作部832を介してポレーター700に貼り付けられる。取付造作部は、介在リリースライナー830から分岐した部分であってもよく、介在リリースライナー830の折れ曲がった末端部であってもよい。造作部332(
図6)が丸く曲がっている状態が好ましく且つ折れた状態でないことが好ましい「スコップ」および「ローラー」の実施形態とは異なり、この実施形態では、それは必要ではない。パッチ接着剤810と介在リリースライナー830とが、既に180度とは異なる角度の下で配置されているので、アプリケーターが押し付けられ且つ離れるようにスライドする時に、初期抵抗のない滑らかな転がりおよび剥離作用が提供されるであろう。
図24(b)-(d)において上記に示されたように、介在リリースライナー830は、それが引き離されるにつれてポレーター700に取り付けられたままであり、皮膚の被穿孔領域にリザーバー820を徐々に露出させ、且つ、被穿孔領域の周囲に第2の接着剤(第2の部分814)を徐々に露出させる。
介在リリースライナーの材料、厚さおよびリリース処理については、従来公知のリリースライナーが参照され得る。材料の好ましい例は、シリコンコートされたPETフィルムを含むが、これに限定されない。厚さは、好ましくは、例えば約20μm-250μmである。
介在リリースライナー830の幅は、幅を覆うパッチ接着剤810の幅と少なくとも同一である必要がある。介在リリースライナー830の長さは、ポレーター700にそれを恒久的に取り付ける部分である、パッチ接着剤810の長さ+造作部830の長さに等しいことが必要である。
【0066】
インターフェース
図27に示されるように、好ましい実施形態では、アプリケーター250は、その底面上に、ポレーターを取り付けるためのインターフェース900を有する。
図27の実施形態では、インターフェース900は、その長手側縁部の両方においてポレーター裏材を保持するために一対の爪部930を有する。
図28に示されるように、爪部930にポレーター裏材を弾性的に係合させるための可撓性クリップ720が、その長手側縁部の両方の周囲に形成される。ポレーターは、アプリケーターの前部からの爪部930内にスライド可能に取り付けられ、且つ、アプリケーターの前部からの爪部930からスライド可能に取り外される。
電気接点252(アプリケーター252から突き出ている)は、ポレーターのスライド挿入を許容し、かつ、ポレーターの挿入後の接触を許容するために弓型である。
真空経路940は、前方を向いた傾斜(45度)面において開いている。他方、
図28(b)に示されるように、真空経路(貫通穴)716は、後方を向いたポレーター裏材710の上面の上で開いている。
図27(b)に示されるように、これらの経路は、真空接続を形成するために、ポレーターのスライド挿入作用を可能にする。
【0067】
パッチ枠920は、アプリケーター-ポレーターインターフェース900の必須部分である。アプリケーター内にポレーター-パッチアセンブリーを挿入した後、それは、パッチの取り付けられていない部分を持ち上げ、構造体(830+820+814+854)のための一時的な支持を提供し、また角度θ1を規定する。
【0068】
ポレーター
図15の実施形態にあるように、
図28におけるポレーター700は、フィラメントを有するフィラメントアレイ(図示せず)と、フィラメントが皮膚に接触し且つ真空を達成することを可能にするために窓を有するポレーターカバーとを組み込む。
図28には、ポレーター裏材710のみが示されている。
ポレーター裏材710は、アプリケーター250の電気接点252がポレーター基板のアレイのリード部に接触することを可能にする2つの開口部712を特徴部として持つ。このことは、アプリケーター250からの電流がフィラメントアレイにパワーを供給することを可能にする。
真空チャネル714がまた、ポレーター裏材710の底面上に形成される。このことは、アプリケーターが、穿孔中に皮膚上の被穿孔領域に、フィラメントアレイのアクティブ領域のフィラメントの間の開放空間を経由して、真空を均一に印加することを可能にする。
【0069】
フォーク
第2の実施形態では、好ましくは、フォーク910が、
図25および
図29に示されるように、キャスティングシート850に取り付けられてもよい。フォーク910は、ポレーターの所定の位置においてパッチを保持することを目的とする。フォーク910は:ポレーターのスロット722に挿入されるべき、2つの爪部912と;キャスティングシート850の第1の部分852を介して接着シート810の第1の部分812を保持するための、平坦で下から凹んだ部分914とを有する。
図29(a)では、キャスティングシート850の第1の部分852と接着シート810の第1の部分812とは、平坦な部分914の底面上に配置されている。キャスティングシート850の第1の部分852は、フォークに固定されている。
【0070】
フォーク910は、ポレーターから横方向に離れた固定された位置においてパッチをより正確に配置するためのホルダーである。接着シートは、その2つの爪部912の間に誘導され、且つ、皮膚表面により正確に付着する。
フォーク910は、2つの爪部912を用いてポレーターに挿入されるが、ユーザーが引き離すと楽々とスライドして外れるであろう。選択肢として、わずかな隆起が、輸送または操作中にフォークをより良好に保持するために、フォークの先端部に一体化され得た。フォークは、キャスティングシートが適用後に除去される必要があることを明確に示すものである。
フォーク910の2つの爪部を挿入するための2つのスリット722は、
図28に示されるように、ポレーター裏材710の前端面上に形成される。
フォークがないと、被穿孔領域の上のパッチの位置決め(または位置合わせ)は、1つの適用から次の適用までで一貫しない。適用の第1のステップ中、パッチが未だ空中にある一方で、フォークは、皮膚とのパッチの第1の接点とフィラメントアレイとの間の一定の距離を確実にしながら、安定性を提供し、且つ、パッチの前縁をピンと張られており且つ皮膚と平行である状態で維持する。そうでなければ、パッチの第1の部分(812+852)は、θ1と同一の皮膚に対する角度にあるであろう。一旦ポレーターとパッチとが皮膚に触れると、フォーク910はまた、皮膚接着剤810の第1の部分812に機械圧力を提供し、したがって、孔が形成された後でポレーターが外に出るようにスライドする間、所定の位置にパッチを保持するために、皮膚へのより良好な付着を保証し、且つ、より大きな力を提供する。
【0071】
図30(a)に示されるように、フォークがあれば、好ましい位置決めが取得され得る。フォークがない時、パッチの第1の部分(812+852)の不十分な構造的堅さに起因して、スライドの横方向および縦方向の両方で、位置合わせのズレが発生したかも知れない。この問題は、パッチ枠920の角度をより狭い角度1、
図30(b)に変更することで部分的に補償されてもよいが、このことは、アプリケーターの形状および産業的設計に影響を与え、且つ、全体として装置の外形サイズを増大させるかも知れない。ユーザーは、異なる角度(
図30(b)における角度1および角度2)の下で皮膚にアプローチし得、且つ、皮膚に付着した皮膚パッチ接着剤810の第1の部分812の長さの不一致を引き起こし得、そのことによって、被穿孔領域の上の薬剤パッチ820の位置合わせのズレを引き起こし得る。位置決めの問題に加えて、フォーク910を用いた場合と同一の接着力を達成するためには、パッチの第1の付着部分(812+852)は、より大きくなければならない。なぜなら、保持力は付着面積および付着性に比例するからである。このことは、パッチをより大きくし、且つ、用いられる余分な材料を提示する。
【0072】
フォーク910は、2つの爪部910がポレーターの穴722の中にスライドし且つポレーターの穴722から外にスライドすることを可能にする厚さにおいて堅さを維持し得る任意の固体材料から作成され得る。好ましくは、それは、現在の産業上のプロセスを利用して、すべての必要な造作部を有するように容易に成形され得るプラスチックのような軽材料である。より具体的には、材料が、現在の産業上のプロセスを利用した、皮膚パッチ接着剤810のキャスティングシート850への非接着性の恒久的な結合と適合し得ることが好ましかったであろう。
【0073】
一旦パッチの第1の部分(812+852)が皮膚に貼られ、且つ、穿孔の連続が終了すると、ユーザーは、フォーク910とは反対方向にアプリケーターをスライドさせるであろう。先に説明され且つ
図24に示されるように、パッチの第1の部分(812+852)は、皮膚に付着する。フォークがキャスティングシート850の第1の部分852の上側に恒久的に結合されるので、フォーク910は、
図30(a)にあるように、ポレーターの穴722から外に出るようにスライドし、且つ、皮膚上にパッチとともに留まるであろう。直感的に、このことは、この部分、フォーク910が除去される必要があることをユーザーに示すであろうし、且つ、そのプロセスの間、ユーザーはまた、第1の部分852の領域におけるそれらの恒久的な結合を理由に、キャスティングシート850を除去するであろう。
【0074】
ユーザーは、パッチを、フォークによってそれを保持することによって誤って取り扱うかも知れない。したがって、サイドグリップ718が、
図28に示されるように、ポレーター上に好適に提供される。サイドグリップ718は、ユーザーが横からポレーターを保持することを勧める。
【0075】
図25に示されるように、パッチ-フォークアセンブリーは、フォーク910を所定の位置にスライドさせること、および、ライナー取付面724上に介在リリースライナー830を取り付けることによって、ポレーター700上に取り付けられる。ボトムリリースライナー840は、その後、パッチ接着剤810の第1の部分812とともにそれを保護するために、ポレーターの周囲に取り付けられる。
【0076】
ボトムリリースライナー
図25に示されるように、ボトムリリースライナー840は、パッチ皮膚接着剤810の露出した第1の部分812を保護するために皮膚に接触し且つそのパッチ端部上を延びるポレーター裏材領域の足跡の形状をとる。接着剤のための保護を提供することに加えて、その目的は、フィラメントアレイのフィラメントを保護することである。フィラメントは包装されている間は余分な保護を必要としないが、ボトムリリースライナー840のそのより狭い部分は、そちら側からそれを剥がし始めるべきであることをユーザーに直感的に合図する。
ボトムリリースライナーの材料、厚さおよびリリース処理については、従来公知のリリースライナーが参照され得、皮膚パッチ接着剤810の第1の部分812と適合する。材料の好ましい例は、シリコーンコートされたフィルム(例、PETフィルムまたはPEフィルム)を含むが、これに限定されない。ボトムリリースライナーの厚さは、好ましくは、例えば約20μm-500μmである。
【0077】
ユーザーのステップ
本発明の第2の実施形態もまた、公知技術より少ないステップを必要とする:
a.アプリケーターにポレーター-パッチアセンブリーを留める、
b.ボトムリリースライナーを除去する、
c.皮膚に装置(アプリケーター-ポレーター装置)を適用し、且つ、駆動させる、
d.アプリケーターを離れるようにスライドさせる(フォークを有するパッチは被穿孔領域上に留まる)、
e.指で滑らかにする(フォークはローラーまたはへらのようにパッチを滑らかにしないので、任意的)、
f.キャスティングシートを除去する(フォークを用いて)。
【産業上の利用可能性】
【0078】
上記のように、本発明は、対象領域または被穿孔領域上にパッチを適切に配置することが可能である、好ましい位置決めまたは位置合わせ機構を与える。
本願は、米国仮特許出願第62/291,752号(出願日:2016年2月5日)に基づいており、その内容は本明細書に完全に組み込まれる。