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特許7096602ボルト検査ボックス及びナット検査ボックス
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  • 特許-ボルト検査ボックス及びナット検査ボックス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】ボルト検査ボックス及びナット検査ボックス
(51)【国際特許分類】
   F16B 31/02 20060101AFI20220629BHJP
   F16B 41/00 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
F16B31/02 Z
F16B41/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020068642
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2020153520
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2019073153
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516202187
【氏名又は名称】株式会社吉川コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100138955
【弁理士】
【氏名又は名称】末次 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(72)【発明者】
【氏名】吉川 泰正
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-318829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 31/02
F16B 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
BOX本体にボルトを複数本挿入する挿入孔を穿設した整列板を少なくとも1箇所設け、上面に開閉自在な蓋を設けると共に、
前記蓋が、一端に支持軸を設け、前記支持軸を中心に水平方向スライド開閉自在に設けてあり、
前記整列板から前記蓋までの垂直距離が前記ボルトの長さより短く設定されており、前記蓋を閉めた状態で180°回転しても前記挿入孔から前記ボルトが落下しないことを特徴とするボルト検査ボックス。
【請求項2】
少なくとも前記蓋が透明であることを特徴とする請求項1記載のボルト検査ボックス。
【請求項3】
前記挿入孔が、指定した前記ボルトの径に合うもので、他のボルトを混入させないことを特徴とする請求項1又は2記載のボルト検査ボックス。
【請求項4】
前記BOX本体の底面が開放してなることを特徴とする請求項1、2又は3記載のボルト検査ボックス。
【請求項5】
前記ボルトの頭部及びネジ部を目視できることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のボルト検査ボックス。
【請求項6】
BOX本体にナットを挿入する挿入棒を複数立設した整列板の上部に、開閉自在な蓋を設けると共に、前記挿入棒の先端部から前記蓋までの垂直距離が前記ナットの高さよりも短く設定されており、前記蓋を閉めた状態で180°回転しても前記挿入棒から前記ナットが落下しないことを特徴とするナット検査ボックス。
【請求項7】
前記蓋が、一端に支持軸を設け、この支持軸を中心に水平方向スライド開閉自在に設けてあることを特徴とする請求項記載のナット検査ボックス。
【請求項8】
少なくとも前記蓋が透明であることを特徴とする請求項又は記載のナット検査ボックス。
【請求項9】
前記挿入棒が、指定した前記ナットの径に合うもので、他のナットを混入させないことを特徴とする請求項又は記載のナット検査ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種機械等に使用されているボルト及びナットを取り外し、メンテナンスするためのボルト検査ボックス及びナット検査ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、目視メンテナンスを主体とするボルト検査ボックスに関するものは無いが、例えば、シャフトの一端にヘッド部を備え、他端にはハンドルを備え、ヘッド部の先端部には、所定の内径及び所定の深さを有する遊び孔が凹設されていて、該遊び孔の底部には遊び孔の径よりも小径で、内側にネジ溝が切られたネジ孔が遊び孔と同軸的に穿設された既設ボルトの検査治具がある。(特許文献1参照)
【0003】
また、別の従来技術として、所定構造物の組立て部材に形成されたボルト孔と、上記組立て部材に添接される添接板に形成されたボルト孔と、に挿入部が挿入されるボルトであって、上記挿入部は、上記ボルト孔の貫通状態を検査するための貫通ゲージと同一径のゲージ機能部と、該ゲージ機能部よりも小径でかつナットに螺合する螺子部と、を備えるものがある。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-250969号公報
【文献】特開2008-57694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記前者の従来技術は、検査治具におけるネジ孔に既設のボルトが入るかどうかをチェックするもので、1本1本時間の掛かるものである。
【0006】
前記後者の従来技術は、ボルト孔のズレ量の確認検査を行うものであり、本発明の機能とは異なるものである。
【0007】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするもので、各種機械に使用されているボルト及びナットのメンテナンスを間違いなく、かつ、迅速に行うことのできるボルト検査ボックス及びナット検査ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、BOX本体にボルトを複数本挿入する挿入孔を穿設した整列板を少なくとも1箇所設け、上面に開閉自在な蓋を設けると共に、蓋を閉めた状態で180°回転しても挿入孔からボルトが落下しないこと。前記蓋が、一端に支持軸を設け、この支持軸を中心に水平方向スライド開閉自在に設けてあること。少なくとも前記蓋が透明であること。前記挿入孔が、指定した前記ボルトの径に合うもので、他のボルトを混入させないこと。前記BOX本体の底面が開放してなること。前記ボルトの頭部及びネジ部を目視できること。BOX本体にナットを挿入する挿入棒を複数立設した整列板の上部に、開閉自在な蓋を設けると共に、蓋を閉めた状態で180°回転しても挿入棒からナットが落下しないこと。前記蓋が、一端に支持軸を設け、この支持軸を中心に水平方向スライド開閉自在に設けてあること。少なくとも前記蓋が透明であること。前記挿入棒が、指定した前記ナットの径に合うもので、他のナットを混入させないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
1)、各種機械に使用しているボルト(指定された数)の頭部やネジ部及びナット(指定された数)を目視にて確実にチェックでき、かつ、メンテナンスできるものである。
2)、支持軸にて水平方向にスライドする蓋を閉めた状態で、180°回転してもボルト(ナット)が落下しないものであり、特に移動する時に有効である。
3)、蓋を透明にすることにより、中のボルトの頭やナットを目視することができ、変形やキズ等をチェックできる。
また、蓋を開いた状態で、ボルトの頭を手で触れてチェックできる。
4)、底面を開放することにより、蓋を閉めた状態で180°回転させ、ボルトのネジ部を直接チェックできる。
5)、挿入孔が、指定のボルト径に合うように設計されているため、異なるボルトが混入(挿入)されることはない。
6)、挿入棒により指定のナットの径に合うように設計されているため、異なるナットを挿入することはない。
7)、整列板を垂直方向に2箇所設けることにより、長いボルトでも整列できる。
8)、整列板を水平方向に少なくとも2箇所設けることにより、より多くのボルト及びナットの検査ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】 本発明の第一実施例を示すボルト検査ボックスの正面図。
図2】 本発明の第一実施例を示すボルト検査ボックスの平面図。
図3】 本発明の第一実施例を示すボルト検査ボックスの使用状態図1
図4】 本発明の第一実施例を示すボルト検査ボックスの使用状態図2
図5】 本発明の第二実施例を示すボルト検査ボックスの平面図。
図6】 本発明の第二実施例を示すボルト検査ボックスの正面図。
図7】 本発明の第一実施例を示すナット検査ボックスの平面図。
図8】 本発明の第一実施例を示すナット検査ボックスの正面図。
図9】 本発明の第二実施例を示すナット検査ボックスの平面図。
図10】 本発明の第二実施例を示すナット検査ボックスの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1は、ボルト検査ボックスである。
2はBOX本体で、透明なアクリル板にて加工してなり、両側の2本の脚板2aの上部にボルトを複数本(指定された数)挿入する挿入孔2b1を穿設した整列板2bを設けると共に、前後に2枚の支持板2cを設けてあり、底面を開放してある。
3は透明なアクリル板にて加工してなる蓋で、一端に蝶ボルトによる支持軸3aにて水平方向に開閉可能に設けると共に、他端に切欠溝3bを形設してある。
なお、長いボルトを挿入する場合は、整列板2bの下方に別の整列板2ba
を設けるものである。
4は支持板2cに設けた固定ボルトで、前記切欠溝3bに挿入し固定するものである。(図1図2
【0012】
つぎに、ボルトの頭を検査する時の使用例について説明する。(図3
まず、ボルト検査ボックス1における固定ボルト4を緩め、蓋3を支持軸3aを中心に水平方向に開く。
その後、整列板2b(整列板2ba)の各挿入孔2b1に、各種機械等から取り外した指定したボルトB(指定された数)を挿入する。
そして、目視にてボルトの頭Aをチェックし、変形やキズ等があれば必要に応じて取り除き、新しいボルトに入れ替える。
つまり、取り外したボルト数と取り付けるボルト数は一致する。
【0013】
つぎに、ボルトのネジ部を検査する時の使用例について説明する。(図4
まず、ボルト検査ボックス1を前記の状態(蓋3を閉じた状態)反転(180°)し、ボルトB―――が上方にくるようにする。
この時、ボルトの頭Aは蓋3の底面に当接した状態になっている。
この状態で、ネジ部Nを目視して、変形やキズ等を検査すると共に、必要に応じて潤滑剤や焼き付き防止剤の塗布等を行うものである。
【0014】
第二実施例のボルト検査ボックスについて説明する。
ボルト検査ボックス21は、前述ボルト検査ボックス1を水平方向に左右対称に二箇所設けたもので、支持軸23a・23aにて左右に開閉すべく、蓋23・23の後端内側接合部に案内部23d・23dを形成してある。(図5図6
【0015】
第一実施例のナット検査ボックスについて説明する。
このナット検査ボックス31は、基本的な構造はボルト検査ボックス1と同じであるが、異なる部位のみ説明する
挿入孔2b1(図1図2)の変りにナットを挿入する挿入棒31b1―――を複数本(この実施例の場合、54本)立設してある。
なお、挿入棒31b1の径は、指定したナットNの径に合うもので、他のナットを混合させないものとする。(図7図8
【0016】
第二実施例のナット検査ボックスについて説明する。
このナット検査ボックス41は、前記ナット検査ボックス31を水平方向に左右対称に二箇所設けたもので支持軸41a・41aにて左右に開閉すべく、蓋43・43の後端内側接合部に案内部41d・41dを形成してある。(図9図10
【0017】
上記実施例において、各部材はアクリル板等の透明な材料が望ましい。
また、大きさや挿入孔(挿入棒)の数やボルト(ナット)の大きさ(径)等、必要に応じて決めればよい。
さらに、目視にて問題が発生した時、色々な対応が可能となるものである。
【符号の説明】
【0018】
1―――――ボルト検査ボックス
2―――――BOX本体
2a――――脚板
2b――――整列板
2b1―――挿入孔
2c――――支持板
3―――――蓋
3a――――支持軸
3b――――切欠溝
4―――――固定ボルト
31――――ナット検査ボックス
N―――――ナット
31b1――挿入棒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10