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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】底ワンタッチ箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/42 20060101AFI20220629BHJP
   B65D 5/36 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
B65D5/42 F
B65D5/36 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018075981
(22)【出願日】2018-04-11
(65)【公開番号】P2019182488
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】永長 朗
(72)【発明者】
【氏名】北村 啓一
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-133013(JP,A)
【文献】特開2013-173561(JP,A)
【文献】登録実用新案第3206842(JP,U)
【文献】特開2013-39963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/42
B65D 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁(1)を形成する各一対の側板(11,12)が連設され、各側板(11,12)からそれぞれ稜罫線(20)を介して底壁(2)を形成する各一対の底板(21,22)が延出され、前記各一対の側板(11,12)がブランクで帯状に連なり、その一端の側板(11)に継代(13)が連設され、
前記一対の底板(21)の片側の斜折線(23)をヒンジとする底継片(24)を、斜折線(23)に沿って折り返し、他対の底板(22)に重ね合わせて貼り着け、前記継代(13)を他端の側板(12)に貼り着けると、偏平な折畳状態となり、
前記周壁(1)が角筒状をなすように立体化する起函に伴い、底板(21)が斜折線(23)に沿った折り曲げが伸び、一対の底板(21)の片方の側端縁(21a)が隣り合う他対の底板(22)と側板(12)の稜部内面に近接して、組立状態に保形される底ワンタッチ箱において、
前記一対の底板(21)の基部に対応して、その側端縁(21a)が近接する部分にのみ、前記他対の底板(22)の側板(12)との稜部に、稜罫線(20)と平行に延びる補助罫線(26)が部分的に刻設され、前記他端の側板(12)に連なる底板(22)に刻設された補助罫線(26)は、前記継代(13)の幅(W)以上の長さ(L)を有し、
前記継代(13)を他端の側板(12)に貼り着けて偏平な折畳状態とする際、前記稜罫線(20)と補助罫線(26)に沿って前記側板(12)から底板(22)が丸味をもつように折れ曲がり、前記側板(12)と底板(22)の稜部が袋状をなし、前記継代(13)が底板(22)に衝突することなく、前記側板(12)と底板(22)の間に入り込み、
起函に際し、前記一対の底板(21)の側端縁(21a)が前記他対の底板(22)と側板(12)の稜部内面に押し付けられたとき、その押付力を逃がすように前記他対の底板(22)の基部が補助罫線(26)に沿って折れ曲がることを特徴とする底ワンタッチ箱。
【請求項2】
周壁(1)を形成する各一対の側板(11,12)が連設され、各側板(11,12)からそれぞれ稜罫線(20)を介して底壁(2)を形成する各一対の底板(21,22)が延出され、前記各一対の側板(11,12)がブランクで帯状に連なり、その一端の側板(11)に継代(13)が連設され、
前記一対の底板(21)の片側の斜折線(23)をヒンジとする底継片(24)を、斜折線(23)に沿って折り返すことなく伸びた状態で、他対の底板(22)に重ね合わせて貼り着け、前記継代(13)を他端の側板(12)に貼り着けると、偏平な折畳状態となり、
前記周壁(1)が角筒状をなすように立体化する起函に伴い、前記一対の底板(21)の底継片(24)が斜折線(23)に沿って折り曲げられ、一対の底板(21)の片方の側端縁(21a)が隣り合う他対の底板(22)と側板(12)の稜部内面に近接して、組立状態に保形される底ワンタッチ箱において、
前記一対の底板(21)の基部に対応して、その側端縁(21a)が近接する部分にのみ、前記他対の底板(22)の側板(12)との稜部に、稜罫線(20)と平行に延びる補助罫線(26)が部分的に刻設され、前記他端の側板(12)に連なる底板(22)に刻設された補助罫線(26)は、前記継代(13)の幅(W)以上の長さ(L)を有し、
前記継代(13)を他端の側板(12)に貼り着けて偏平な折畳状態とする際、前記稜罫線(20)と補助罫線(26)に沿って前記側板(12)から底板(22)が丸味をもつように折れ曲がり、前記側板(12)と底板(22)の稜部が袋状をなし、前記継代(13)が底板(22)に衝突することなく、前記側板(12)と底板(22)の間に入り込み、
起函に際し、前記一対の底板(21)の側端縁(21a)が前記他対の底板(22)と側板(12)の稜部内面に押し付けられたとき、その押付力を逃がすように前記他対の底板(22)の基部が補助罫線(26)に沿って折れ曲がることを特徴とする底ワンタッチ箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、折畳状態からワンタッチで組み立てられる底組構造を備えた箱に関する。
【背景技術】
【0002】
図7に上下反転して示す底ワンタッチ箱は、周壁51を形成する各一対の側板61,62が継代63を介して接合され、各側板61,62からそれぞれ稜罫線70を介して底壁52を形成する各一対の底板71,72が延出されたものであり、一対の底板71の片側に、底壁52の対角へ向かう斜折線73とこれをヒンジとする底継片74が設けられ、一対の底板71の先端中央部にロック部75が設けられている。
【0003】
この底ワンタッチ箱の製造に際しては、各一対の側板61,62を折り重ね、一対の底板71を斜折線73に沿って折り返し、その底板71の底継片74を隣り合う底板72に重ね合わせて貼り着けると、偏平な折畳状態となる。
【0004】
そして、物品を収納する際、各一対の側板61,62を周壁51が角筒状をなすように起函すると、底板71の斜折線73に沿った折り曲げが伸び、底板71のロック部75が互いに噛み合い、一対の底板71の片方の側端縁71aが隣り合う他対の底板72と側板62の稜部内面に近接して、組立状態に保形される。
【0005】
ところで、上記のような底ワンタッチ箱では、製造時における継代63の接合ずれが許容範囲内であっても、図8に示すように、起函する際、周壁51が正四角筒となるように無理に立体化しようとすると、対角位置にある一対の側板62と底板72の稜部にコーナー部から破れtが発生することがある。
【0006】
その対策として、例えば、図9(9A)、(9B)に示す下記特許文献1の記載を参照し、側板61,62と底板71,72の境界の稜罫線70を全体的に2本平行に刻設すると共に、斜折線73及び側板61,62の境界の稜罫線64も2本平行に刻設して、これにより、接合ずれに伴う歪みを吸収する構成を採用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実公平6-50337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に示すように、稜罫線70を全体的に2本平行に刻設した場合、製造時の折曲及び貼着加工に際して、いずれか1本の稜罫線70に沿ってのみ折れ曲がる片折れが生じ、ワンタッチグルアによる加工時に不良率が高くなり、生産性が低下する恐れがある。
【0009】
そこで、この発明は、製造時の加工不良や貼りずれによる起函時の破れを防止でき、生産性を高めることができる底ワンタッチ箱を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明は、周壁を形成する各一対の側板が連設され、各側板からそれぞれ稜罫線を介して底壁を形成する各一対の底板が延出され、前記各一対の側板がブランクで帯状に連なり、その一端の側板に継代が連設され、
前記一対の底板の片側の斜折線をヒンジとする底継片を、斜折線に沿って折り返し、他対の底板に重ね合わせて貼り着け、前記継代を他端の側板に貼り着けると、偏平な折畳状態となり、
前記周壁が角筒状をなすように立体化する起函に伴い、底板が斜折線に沿った折り曲げが伸び、一対の底板の片方の側端縁が隣り合う他対の底板と側板の稜部内面に近接して、組立状態に保形される底ワンタッチ箱において、
前記一対の底板の基部に対応して、その側端縁が近接する部分にのみ、前記他対の底板の側板との稜部に、稜罫線と平行に延びる補助罫線が部分的に刻設され、前記他端の側板に連なる底板に刻設された補助罫線は、前記継代の幅以上の長さを有し、
前記継代を他端の側板に貼り着けて偏平な折畳状態とする際、前記稜罫線と補助罫線に沿って前記側板から底板が丸味をもつように折れ曲がり、前記側板と底板の稜部が袋状をなし、前記継代が底板に衝突することなく、前記側板と底板の間に入り込み、
起函に際し、前記一対の底板の側端縁が前記他対の底板と側板の稜部内面に押し付けられたとき、その押付力を逃がすように前記他対の底板の基部が補助罫線に沿って折れ曲がるものとしたのである。
【0011】
また、周壁を形成する各一対の側板が連設され、各側板からそれぞれ稜罫線を介して底壁を形成する各一対の底板が延出され、前記各一対の側板がブランクで帯状に連なり、その一端の側板に継代が連設され、
前記一対の底板の片側の斜折線をヒンジとする底継片を、斜折線に沿って折り返すことなく伸びた状態で、他対の底板に重ね合わせて貼り着け、前記継代を他端の側板に貼り着けると、偏平な折畳状態となり、
前記周壁が角筒状をなすように立体化する起函に伴い、前記一対の底板の底継片が斜折線に沿って折り曲げられ、一対の底板の片方の側端縁が隣り合う他対の底板と側板の稜部内面に近接して、組立状態に保形される底ワンタッチ箱において、
前記一対の底板の基部に対応して、その側端縁が近接する部分にのみ、前記他対の底板の側板との稜部に、稜罫線と平行に延びる補助罫線が部分的に刻設され、前記他端の側板に連なる底板に刻設された補助罫線は、前記継代の幅以上の長さを有し、
前記継代を他端の側板に貼り着けて偏平な折畳状態とする際、前記稜罫線と補助罫線に沿って前記側板から底板が丸味をもつように折れ曲がり、前記側板と底板の稜部が袋状をなし、前記継代が底板に衝突することなく、前記側板と底板の間に入り込み、
起函に際し、前記一対の底板の側端縁が前記他対の底板と側板の稜部内面に押し付けられたとき、その押付力を逃がすように前記他対の底板の基部が補助罫線に沿って折れ曲がるものとしたのである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る底ワンタッチ箱では、側板と底板の稜部において、補助罫線が部分的にしか刻設されていないので、側板から底板を折り曲げる際、稜罫線に沿って片折れすることなく正確に折れ曲がり、底継片を底板の所定の位置に貼り着けることができ、製箱不良の発生が防止される。
【0013】
そして、起函に伴い、一対の底板の基部寄りの片方の側端縁が他対の底板と側板の稜部内面に押し付けられても、補助罫線に沿って他対の底板の基部が折れ曲がり、その押付力が逃がされるので、他対の底板と側板の稜部の破れが防止され、組立状態で保形される。
【0014】
また、製造時に、継代が貼り着けられる側板に連設された底板が稜罫線と補助罫線に沿って折れ曲がり、側板と底板の稜部が袋状をなすので、側板と底板の間への継代の挿入不全が生じにくくなり、製造時の加工不良が防止され、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施形態に係る底ワンタッチ箱のブランクを示す裏面図
図2】同上のブランクの要部拡大裏面図
図3】同上の罫線の形態と押罫刃の関係を示す拡大図であって(3A)稜罫線の片側に補助罫線が一体化した形態、(3B)稜罫線と補助罫線とが分離した形態、(3C)稜罫線の幅方向両側に補助罫線が張り出すように一体化した形態をそれぞれ示す概略図
図4】同上の製造時の折畳過程を示す斜視図
図5】同上の折畳状態を示す平面図
図6】同上の組立状態で上下反転した底組構造の(6A)底部全体を示す斜視図、(6B)補助罫線が作用するコーナー部を示す拡大斜視図
図7】従来の一般的な底ワンタッチ箱の底部を上下反転して示す斜視図
図8】同上の底ワンタッチ箱の接合ずれに抗した起函過程を示す底面図
図9】特許文献1に記載された底ワンタッチ箱の(9A)2分割されたブランクの一方を示す図、(9B)組立状態のコーナー部を示す拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明に係る底ワンタッチ箱の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
この底ワンタッチ箱は、図1に示すような段ボール製のブランクから組み立てられるものであり、このブランクは、周壁1を形成する部分、底壁2を形成する部分及び天壁3を形成する部分から構成されている。
【0018】
周壁1を形成する部分では、帯状をなすように各一対の側板11,12が交互に連設され、その一端の側板11に継代13が連設されている。底壁2を形成する部分では、各一対の側板11,12の下端にそれぞれ稜罫線20を介して底板21,22が連設されている。天壁3を形成する部分では、一方の側板11の上端に蓋板31が連設され、一対の側板12の上端に蓋受片32が連設されている。
【0019】
一対の底板21の片側には、組立状態で底壁2の対角へ向かう斜折線23と、これをヒンジとする底継片24が設けられ、一対の底板21の先端中央部には、凹状に切り込まれたロック部25が設けられている。斜折線23は、段ボールの表面側が窪む谷折りとなるように、表面から押圧した逆罫線とされている。
【0020】
一対の底板21の底継片24と反対側の側端縁21aは、組立時に周壁1を角筒状に保形するため、底板21の基部から先端側へかけて、側板11と底板21の境界の稜罫線20に対し、90°に近い角度で内側へ傾斜している。
【0021】
そして、組立状態で一対の底板21の基部に対応して、その側端縁21aが近接する部分にのみ、他対の底板22の側板12との稜部には、稜罫線20と平行に延びる補助罫線26が部分的に刻設されている(図6参照)。
【0022】
補助罫線26は、段ボールの表面側が突き出す山折りとなるように、裏面から押圧した通常の罫線とされている。また、図2に示すように、補助罫線26の長さLは、継代13の幅W以上となっており、具体的には5mm程度長くなっている。
【0023】
稜罫線20と補助罫線26とは、図3(3A)に示すように、稜罫線20の片側に補助罫線26が一体化した形態が基本であるが、図3(3B)に示すように、互いに分離して並行する形態としてもよい。また、図3(3C)に示すように、稜罫線20の幅方向両側に補助罫線26が張り出すように一体化した形態としてもよい。
【0024】
稜罫線20と補助罫線26の形態は、ブランクの材料である用紙の種類(Gフルート、Eフルート、Bフルート等の段ボールのほか、単層の板紙など)に応じて適宜選択し、押罫刃20A,26Aの間隔や幅を変化させて調整すればよい。
【0025】
このように補助罫線26を刻設する押罫刃26Aは、従来のブランクを形成する打抜型に対して、稜罫線20を刻設する押罫刃20Aに付加するだけでよく、ブランク製造のための加工コストが著しく増大することはない。
【0026】
上記のようなブランクから底ワンタッチ箱を製造する際には、ワンタッチグルアを使用し、図4に示すように、各一対の側板11,12を折り重ねると共に、底板21,22を稜罫線20に沿って内側へ折り込み、一対の底板21の底継片24を斜折線23に沿って折り返し、底継片24を隣り合う底板22に重ね合わせて貼り着ける。
【0027】
このとき、側板11,12と底板21,22の稜部において、補助罫線26が部分的にしか刻設されていないので、側板11,12から底板21,22を折り曲げる際、稜罫線20に沿って片折れすることなく正確に折れ曲がり、底継片24を底板22の所定の位置に貼り着けることができ、製箱不良の発生が防止される。
【0028】
そして、稜罫線20と補助罫線26に沿って側板12から底板22が丸味をもつように折れ曲がり、側板12と底板22の稜部が袋状をなすので、継代13が底板22に衝突することなく、側板12と底板22の間に容易に入り込む。
【0029】
また、補助罫線26の長さLが継代13の幅W以上の長さとなっているので、継代13の幅全体にわたって側板12と底板22の隙間が確実に確保され、継代13が側板12と底板22の間に確実に挿入される。このため、ワンタッチグルアでトラブルを起こすことなく連続的に組み立てることができ、生産性が向上する。
【0030】
そして、図5に示すように、各一対の側板11,12を完全に折り重ね、継代13を重なり合った他端の側板12の内面に貼り着けると、一般的な底ワンタッチ箱と同様、偏平な折畳状態となるので、スペースを効率的に利用して保管しておくことができる。
【0031】
その後、組み立てに際し、図6(6A)に上下反転して示すように、周壁1を角筒状とする起函を行うと、一対の底板21の斜折線23に沿った折り曲げが伸び、底板21のロック部25が互いに噛み合い、一対の底板21の片方の側端縁21aが隣り合う他対の底板22と側板12の稜部内面に近接して、組立状態に保形される。
【0032】
このように起函する際、継代13の接合ずれが生じているにもかかわらず、周壁1が正四角筒をなすように無理に力を加えて立体化しようすると、一対の底板21の基部寄りにおいて、その片方の側端縁21aが他対の底板22と側板12の稜部内面に強く押し付けられることがある。
【0033】
このような状態となっても、上記底ワンタッチ箱では、図6(6B)に示すように、補助罫線26に沿って底板22の基部が折れ曲がり、その押付力が逃がされるので、底板22と側板12の稜部のコーナー部からの破れが防止される。
【0034】
また、補助罫線26は、底面に位置するため、補助罫線26に沿って底板22の基部が折れ曲がっていても、外見上目立つことがない。
【0035】
なお、上記実施形態では、ブランクにおいて、継代13が一端の側板11に連設されたものを例示したが、継代13は、他端の側板12に連設されたものとしてもよく、底板21,22における側端縁21aと補助罫線26の位置関係が逆になっていてもよい。
【0036】
また、折畳状態において、一対の底板21の底継片24が斜折線23に沿って折り返されており、起函に伴い、一対の底板21の斜折線23に沿った折り曲げが伸びて、組立状態となるものを例示したが、折畳状態において、一対の底板21の底継片24が斜折線23に沿って折り返されることなく伸びており、起函に伴い、一対の底板21の底継片24が斜折線23に沿って折り曲げられて、組立状態となるものとしてもよい。
【0037】
そのほか、上記実施形態では、天面形状として、差込封緘式のものを例示したが、天面形状は、各一対の側板の上端から延びるフラップを貼り合わせて封緘するものや、別体の蓋を被せるもの等であってもよく、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0038】
1 周壁
2 底壁
3 天壁
11,12 側板
13 継代
20 稜罫線
20A 押罫刃
21,22 底板
21a 側端縁
23 斜折線
24 底継片
25 ロック部
26 補助罫線
26A 押罫刃
31 蓋板
32 蓋受片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9