IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三協立山株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-断熱建具 図1
  • 特許-断熱建具 図2
  • 特許-断熱建具 図3
  • 特許-断熱建具 図4
  • 特許-断熱建具 図5
  • 特許-断熱建具 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】断熱建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/32 20060101AFI20220629BHJP
   E06B 1/30 20060101ALI20220629BHJP
   E06B 3/96 20060101ALI20220629BHJP
   E06B 5/00 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
E06B1/32
E06B1/30
E06B3/96 B
E06B5/00 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018209141
(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公開番号】P2020076230
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】増山 新作
(72)【発明者】
【氏名】七山 貴志
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 広大
(72)【発明者】
【氏名】谷内 智
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-061834(JP,A)
【文献】特開2008-088681(JP,A)
【文献】実開昭57-196776(JP,U)
【文献】特開平2-140383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/26-1/32
E06B 3/22
E06B 3/263
E06B 3/96-3/99
E06B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面中空形状を有する樹脂形材をコーナー部において端部断面同士を溶着することで四周に組んでなり、
樹脂形材の中空部内に配置した断熱材と、中空部内の両端で断熱材の長手方向両端面に夫々対向して配置されて断熱材の移動を規制する移動規制部材を有している
断熱建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に配置される断熱建具に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂により枠および障子を形成した建具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-192734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された建具のように、樹脂形材により形成された樹脂サッシは断熱性能に優れている。
しかし近年、サッシにおいて、さらに高い断熱性能が求められている。
【0005】
本発明は、サッシにおいて、さらに高い断熱性能を付与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、断面中空形状を有する樹脂形材をコーナー部において端部断面同士を溶着することで四周に組んでなり、樹脂形材の中空部内に配置した断熱材と、中空部内の両端で断熱材の長手方向両端面に夫々対向して配置されて断熱材の移動を規制する移動規制部材を有している断熱建具である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態の断熱建具の構成により、さらに高い断熱性能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る建具の図であり、(a)は竪断面図、(b)はケース体の断面図、(c)は、断熱材を収容したケース体の断面図である。
図2】第1の実施形態に係る建具の横断面図である。
図3】第2の実施形態に係る建具の図であり、(a)は竪断面図、(b)はケース体の断面図、(c)は、断熱材を収容したケース体の断面図である。
図4】本発明の第1もしくは第2の実施形態に係る建具の上枠部分の図であり、(a)は上枠を室外側から見た図であり、(b)は上枠の断面図であり、(c)は(a)において断熱材が配置されている部分のx-x断面図である。
図5】本発明の第1もしくは第2の実施形態に係る建具の上枠部分の図であり、(a)は移動規制部材を室外側から見た正面図であり、(b)は移動規制部材の側面図であり、(c)は移動規制部材が配置された上枠の断面図であり、(d)は上枠を室外側から見た図である。
図6】本発明の第1もしくは第2の実施形態に係る建具の上枠部分の図であり、(a)は上枠を室外側から見た図であり、(b)は断熱材及び移動規制部材が配置された上枠の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、建具の枠体1もしくは框体を形成する樹脂形材の中空部内に真空断熱材等の断熱材が配置されるとともに、中空部内の断熱材の移動を規制する移動規制部材が配置された断熱建具である。
以下、具体的に説明する。
【0010】
-第1の実施形態-
第1の実施形態の断熱建具について、図1及び図2に示す、枠体1の内周に障子2が開閉自在に配置されてなるすべり出し窓を用いて説明する。
枠体1は、樹脂形材により形成される上枠11、下枠12及び左右の竪枠13,13を有している。上枠11、下枠12及び左右の竪枠13,13は同じ断面中空形状を有する枠材であり、各枠材の端部が45度の角度で切断され、枠体のコーナー部において端部断面同士を当接させて溶着することで四周にわたる枠体1が形成されている。
【0011】
一方、障子2は、樹脂形材により形成される上框21、下框22及び左右の竪框23,23を有している。上框21、下框22及び左右の竪框23,23は同じ断面中空形状を有する框材であり、各框材の端部が45度の角度で切断され、障子2のコーナー部において端部断面同士を当接させて溶着することで四周にわたる框体が形成されている。そして、框体の内周には複層ガラス等のパネル体25が配置されている。
【0012】
(上枠部分の構成)
枠体1の上枠11は、図1(a)に示すように、複数の中空部を有する上枠本体部111と、上枠本体部111の室内側内周面から内周方向に延設される室内側壁部112と、上枠本体部111の室内側端から室内方向に延びるアングル部113を有している。上枠本体部111の少なくとも一部の中空部内には、真空断熱材等の断熱材66が収容されていている。
【0013】
室内側壁部112は、室外側面の内周端に、障子2の上框21の室内側面に当接する気密材s1が配置されており、室内側下端に、内周凸部112aを有している。
そして、上枠11の見込壁である上枠本体部111の内周面から室内側見付面を形成する室内側壁部112の室外側面にかけて断面略L字状の断熱シート81及び合成樹脂製の断熱シートカバー91が配置されている。
【0014】
障子2の上框21は、複数の中空部を有する上框本体部211と、上框本体部211の室外側外周面から外周方向に延設される室外側壁部212を有しており、上框本体部211の室外側内周部分に押縁213が取り付けられ、パネル体25の外周を保持するガラス間口211aが形成されている。
室外側壁部212の室内側面の外周端には、上枠11の上枠本体部111の室外側面に当接する気密材s2が配置されている。また、枠体1の上枠本体部111の内周面と障子2の上框本体部211の外周面との間には、障子2のすべり出し開閉を可能にするリンク機構41が配置されている。
【0015】
上枠11の上枠本体部111及び室内側壁部112の室内側面と、アングル部113及び室内側壁部112の内周面に、断熱材61を収容したケース体51が配置されており、上枠11の室内側面及び障子2の上框21の室内側面を覆っている。
【0016】
上枠11に取り付けられるケース体51は、合成樹脂材料からなり、図1(b)に示すように、上枠11のアングル部113の内周面に当接される外周壁部51aと、外周壁部51aの室外側端から下方に延びる外周側室外壁部51bと、外周壁部51aの室内側端から下方に延び下方部分が室外側に傾斜する傾斜面として形成されている室内壁部51cと、室内壁部51cの下端から室外側に延びる内周壁部51dと、内周壁部51dの室外側端から上方に延びる内周側室外壁部51eと、内周側室外壁部51eの上端から室内側に向かって延びる固定壁部51fを有し、全体として断熱材61を収容する収容空間Sを形成している。
【0017】
そして、ケース体51は、外周側室外壁部51bと固定壁部51fとの間に収容空間Sに連続する開口部aが形成されており、図1(c)に示すように、収容空間Sの中には、真空断熱材等の断熱材61が配置されている。また、ケース体51の内周壁部51dの室外側から室外側方向に向かって突片51gが形成されている。なお、突片51gは、ケース体51と同じ硬質の合成樹脂材料によって形成されてもよいが、軟質の合成樹脂材料によって形成されていてもよい。
【0018】
そして、断熱材61を収容したケース体51は、外周壁部51aを上枠11のアングル部113の内周面に当接させるとともに、固定壁部51fを上枠の室内側壁部112の内周面に当接させて、開口部aを上枠11の室内側面によって閉鎖した状態で、両面テープ等の取付手段によって上枠11の室内側に露出する部分を覆うように取り付けられている。
この時、室内側壁部112の室内側下端の内周凸部112aに対して固定壁部51fの室内側端が当接することで、安定した取付状態を維持することができる。
【0019】
上枠11に取り付けられたケース体51は、内周端が障子2の上框21の内周端とほぼ同じ高さ位置となって上框21の室内側面を覆い、障子2の上框21の室内側面が室内に露出することを防止している。
そして、内周壁部51dに形成された突片51gが上框21の室内側下端部分に対して近接もしくは当接することで、上框21の室内側面とケース体51の内周側室外壁部51eの室外側面との間に断熱空間Aを形成している。
【0020】
(下枠部分の構成)
以上、本実施形態の建具の上枠部分を説明したが、下枠部分及び左右の竪枠部分の主な構成も上枠部分と同様である。
すなわち、下枠12は、図1(a)に示すように、下枠本体部121、室内側壁部122及びアングル部123を備えており、下框22は、複数の中空部を有する下框本体部221と、下框本体部221の室外側外周面から外周方向に延設される室外側壁部222を有しており、下框本体部221の室外側内周部分に押縁223が取り付けられ、パネル体25の外周を保持するガラス間口221aが形成されている。
【0021】
枠体1の下枠本体部121の内周面と障子2の下框本体部221の外周面との間には、障子2のすべり出し開閉を可能にするリンク機構41が配置されている。
【0022】
そして、断熱材62を収容したケース体52は、外周壁部52aを下枠12のアングル部123の内周面に当接させるとともに、固定壁部52fを下枠の室内側壁部122の内周面に当接させて、開口部aを下枠12の室内側面によって閉鎖した状態で、両面テープ等の取付手段によって下枠12の室内側に露出する部分を覆うように取り付けられている。
【0023】
下枠12に取り付けられたケース体52は、内周端が障子2の下框22の内周端とほぼ同じ高さ位置となって下框22の室内側面を覆い、障子2の下框22の室内側面が室内に露出することを防止している。
そして、内周壁部52dに形成された突片52gが下框22の室内側下端部分に対して近接もしくは当接することで、下框22の室内側面とケース体52の内周側室外壁部52eの室外側面との間に断熱空間を形成している。
【0024】
(竪枠部分の構成)
竪枠13は、図2に示すように、竪枠本体部131、室内側壁部132及びアングル部133を備えており、竪框23は、複数の中空部を有する竪框本体部231と、竪框本体部231の室外側外周面から外周方向に延設される室外側壁部232を有しており、竪框本体部231の室外側内周部分に押縁233が取り付けられ、パネル体25の外周を保持するガラス間口231aが形成されている。
【0025】
枠体1の竪枠本体部131の内周面と障子2の竪框本体部231の外周面との間には、障子2の閉鎖状態を補助、維持する引寄せ手段43もしくはロック機構44等が配置されている。
【0026】
そして、断熱材63を収容したケース体53は、外周壁部53aを竪枠13のアングル部133の内周面に当接させるとともに、固定壁部53fを竪枠13の室内側壁部132の内周面に当接させて、開口部aを竪枠13の室内側面によって閉鎖した状態で、両面テープ等の取付手段によって竪枠13の室内側に露出する部分を覆うように取り付けられている。
【0027】
竪枠13に取り付けられたケース体53は、内周端が左右方向で障子2の竪框23の内周端とほぼ同じ位置となって竪框23の室内側面を覆い、障子2の竪框23の室内側面が室内に露出することを防止している。
また、内周壁部53dに形成された突片53gが竪框23の室内側下端部分に対して近接もしくは当接することで、竪框23の室内側面とケース体53の内周側室外壁部53eの室外側面との間に断熱空間を形成している。
【0028】
なお、障子2の右の竪框23にハンドル46(点線で示す)が取り付けられており、右の竪枠13のケース体53はハンドル46の取付部分において一部切り欠かれている。
【0029】
-第2の実施形態-
第2の実施形態の断熱建具について、図3に示す、躯体開口部に固定される枠体1の各枠材がガラス間口を有するFIX窓を用いて説明する。
なお、第2の実施形態の建具は、第1の実施形態の建具と同様に、枠体1を構成する各枠材は同一の断面中空形状を有しており各枠材に構造上の差異はないので、本実施形態の建具については、竪枠部分の説明は省略する。
【0030】
(上枠部分の構成)
本実施形態の枠体1の上枠11は、図3(a)に示すように、複数の中空部を有する上枠本体部111と、上枠本体部111の室内側内周面から内周方向に延設される室内側壁部112と、上枠本体部111の室内側端から室内方向に延びるアングル部113を有しており、上枠本体部111の室外側内周部分に押縁114が取り付けられて、室内側壁部112と押縁114によって、パネル体25の外周を保持するガラス間口111aが形成されている。上枠本体部111の少なくとも一部の中空部内には、真空断熱材等の断熱材66が収容されていている。
【0031】
そして、上枠11の上枠本体部111及び室内側壁部112の室内側面を覆うように、断熱材61を収容したケース体51が取り付けられている。
また、ガラス間口111aにおいて、見込面を形成する上枠本体部111の内周面から室内側見付面を形成する室内側壁部112の室外側面にかけて、断面略L字状の断熱シート81及び合成樹脂製の断熱シートカバー91が配置されている。
【0032】
上枠11に取り付けられるケース体51は、合成樹脂材料からなり、図3(b)に示すように、上枠11のアングル部113の内周面に当接される外周壁部51aと、外周壁部51aの室外側端から下方に延びる外周側室外壁部51bと、外周壁部51aの室内側端から下方に延びる室内壁部51cと、室内壁部51cの下端から室外側に延びる内周壁部51dと、内周壁部51dの室外側端から上方に延びる内周側室外壁部51qを有し、全体として断熱材61を収容する収容空間Sを形成している。
【0033】
ケース体51は、外周側室外壁部51bと内周側室外壁部51qとの間に収容空間Sに連続する開口部aが形成されており、図3(c)に示すように、収容空間Sの中には、真空断熱材等の断熱材61を収容することができる。
そして、断熱材61を収容したケース体51は、外周壁部51aを上枠11のアングル部113の内周面に当接させるとともに、外周側室外壁部51bと内周側室外壁部51qを上枠本体部111及び室内側壁部112の室内側面に当接させて、開口部aを上枠11の室内側面によって閉鎖した状態で、両面テープ等の取付手段によって上枠11の室内側面を覆うように取り付けられている。
【0034】
(下枠部分の構成)
以上、本実施形態の建具の上枠部分を説明したが、下枠部分の主な構成も上枠部分と同様である。
すなわち、下枠12は、図3(a)に示すように、下枠本体部121、室内側壁部122、アングル部123及び押縁124を有しており、室内側壁部122と押縁124によって、パネル体25の外周を保持するガラス間口121aが形成されている。
【0035】
そして、断熱材62を収容したケース体52は、外周壁部52aを下枠12のアングル部123の内周面に当接させるとともに、外周側室外壁部52bと内周側室外壁部52qを下枠本体部121及び室内側壁部122の室内側面に当接させて、開口部aを下枠12の室内側面によって覆った状態で、両面テープ等の取付手段によって下枠12の室内側面を覆うように取り付けられている。
【0036】
以上のように、実施形態の断熱建具においては、枠体の中空部内に真空断熱材等の断熱材6を配置することで建具の断熱性能を向上させているが、枠体もしくは框体の中空部内に配置した断熱材6を安定した状態で維持するための構造をさらに備えている。
以下、上枠部分を参考にして、具体的に説明する。
【0037】
本実施形態の建具の上枠11は、図4(a)に示すように、上枠本体部111の中空部111b内に断熱材66が配置されると共に、断熱材66の両端に隣接するように、合成樹脂製の移動規制部材71が配置されている。
【0038】
上枠11の中空部111bは、図4(b)に示すように、断面略長方形状をしており、長方形を形成する両側壁部の下方位置に内周方向に突出するリブ片111c,111cを有している。
中空部111b内に配置される断熱材66は、断面矩形状で長尺の部材からなり、図4(c)に示すように、両リブ片111c,111c上に載置されるように中空部111b内に配置されている。
【0039】
一方、移動規制部材71は、例えば断面略長方形状の中実のブロック状をなしており、図5(a),(b)に示すように、両側壁面の下方位置に溝部71a,71aを有するとともに、両側壁面の適宜位置に複数のリブ71cを有している。また、長手方向の一端は、上枠11の端部の切断角度(45度)と同程度の角度を有する傾斜端面71bが形成されている。
【0040】
そして、上枠11の中空部111b内に配置された移動規制部材71は、図5(c)に示すように、溝部71a,71aに中空部111b内のリブ片111c、111cが挿入されることで、位置決めされ、リブ71cをつぶすように中空部内に圧入することで安定した状態で配置することができる。
【0041】
中空部111bに挿入された移動規制部材71は、傾斜端面71bが上枠11端面とほぼ面一となり、移動規制部材7は上枠11の端部開口部を塞ぐ端部キャップとして機能する。
【0042】
上枠(枠体)11の中空部111b内に断熱材66を配置するに際しては、まず、図5(d)の矢印Y1に示すように、上枠11の一方側端部から、移動規制部材71を挿入する。
次に、図6(a)の矢印Y2に示すように、断熱材66を、上枠11の他方側端部から中空部111b内に挿入する。
その後、矢印Y3に示すように、上枠11の他方側端部から移動規制部材71を挿入することで、図4(a)、図6(b)に示すように、上枠11の中空部111b内に断熱材66をがたつくことなく配置することができる。
【0043】
そして、移動規制部材71の端面は、枠体もしくは框体の端面の切断角度とほぼ同じ角度に形成されることで、樹脂形材の端面を合わせて溶着もしくは接着等によって固定する場合に、移動規制部材7の端面が溶着代もしくは接着代としての機能を果たし、枠体の組み付け強度を向上させることができる。
【0044】
以上のように、本実施形態の建具においては、建具の枠体もしくは框体を構成する樹脂形材の中空部内に真空断熱材等の断熱材6を配置することで、断熱性能を向上させることができる。
そして、樹脂形材の中空部内に配置した断熱材6の移動を規制部材7によって規制しているので、枠体内で断熱材ががたつくことない。
【0045】
また、中空部内に断熱材6を配置した樹脂形材を溶着等によって固定する時に、溶着の為の発熱体が断熱材6に直接接触しないので、断熱材6が熱等によって傷つくことを防止することができる。
さらに、樹脂形材の中空部内に配置された移動規制部材7は、端面が樹脂形材の端部の切断角度と同程度の角度を有することによって、枠体1を溶着等によって四周組する際に溶着代となり、四周組強度を向上させることができる。
【0046】
そして、枠体の室内側にケース体5が配置されることで、断熱性能を高めることができ、ケース体5に、収容空間Sに連続する開口部aを形成することによって、開口部aを介して真空断熱材等の断熱材6を収容することができるので、断熱材6の収容状態を確認しながら作業ができ、施工性に優れ、確実な断熱性能を発揮することができるとともに、変形追従性を備えることができ、ケース体5を取り付ける枠体が変形している場合であっても、枠体の表面に密着するように取り付けることができる。
【0047】
なお、中空部内に配置される断熱材は、真空断熱材に限定されるものではなく、例えば、発泡プラスチック系の断熱材等でもよく、その材料は何ら限定されるものではない。
また、中空部内に挿入する移動規制部材7は両端の2つに限定されるものではなく、断熱材の長さによっては、中空部内に複数の移動規制部材7を挿入してもよい。
【0048】
また、断熱材6が配置される中空形状の樹脂形材は、枠材に限定されず、障子の框材であってもよい。
また、樹脂形材の断面形状は、限定されるものではなく、四周の樹脂形材の断面形状が同一のものでなくてもよく、端部が45度の角度で切断されて端面同士を当接させて溶接するものでなくてもよい。
【0049】
さらに、断熱建具は、開き窓やすべり出し窓、FIX窓に限定されるものではなく、引違い窓等建具の種類は何ら限定されるものではない。
なお、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
1 :枠体
2 :障子
11 :上枠
111 :上枠本体部
111a :ガラス間口
111b :中空部
111c :リブ片
112 :室内側壁部
12 :下枠
13 :竪枠
21 :上框
22 :下框
23 :竪框
25 :パネル体
66 :断熱材
7 :移動規制部材
71 :移動規制部材
71a :溝部
71b :傾斜端面
71c :リブ

図1
図2
図3
図4
図5
図6