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特許7096820エアロゾル発生物品の構成要素の製造のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品の構成要素の製造のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/01 20200101AFI20220629BHJP
   A24B 3/14 20060101ALI20220629BHJP
   A24C 5/18 20060101ALI20220629BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20220629BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20220629BHJP
【FI】
A24C5/01
A24B3/14
A24C5/18
A24F40/465
A24F47/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019525757
(86)(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2017084730
(87)【国際公開番号】W WO2018122320
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】16207402.5
(32)【優先日】2016-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】サンナ ダニエーレ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット ヨハン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/184929(WO,A1)
【文献】特表2015-517817(JP,A)
【文献】特表2016-526873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 5/01
A24B 3/14
A24C 5/18
A24F 40/465
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品のロッド構成要素の製造のための装置であって、
第一の方向に沿って第一のシートを移動するように適合された第一の移動機と、
第二の方向に沿って第二のシートを移動するように適合された第二の移動機と、
第三の方向に沿ってサセプタ細片を移動するように適合された第三の移動機であって、移動中に前記サセプタ細片を前記第一のシートと前記第二のシートとの間に位置付けるように適合されている前記第三の移動機と、
前記第一のシートおよび前記第二のシートならびに前記サセプタ細片からロッドを形成するように適合されていて、かつ入口および出口を有するロッド形成装置と、を備え、前記第一のシートおよび前記第二のシートならびに前記サセプタ細片が前記入口内に導入され、かつ前記ロッドが前記出口から産出される、装置。
【請求項2】
前記第一または第二のシートを捲縮するために、前記第一または第二のシートの移動の前記第一または第二の方向で前記ロッド形成装置の上流に位置付けられた捲縮機を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロッド形成装置の前記出口を出る前記ロッドを移動するように適合されたU字形コンベヤーを含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記サセプタ細片が対向する第一の表面および第二の表面を画定し、前記第一の移動機、第二の移動機、および第三の移動機が前記第一のシートおよび前記第二のシートならびに前記サセプタ細片をそれぞれ移動するように配設されていて、前記第一の表面が前記第一のシートに面し、前記第二の表面が前記第二のシートに面するように、前記サセプタ細片が前記第一のシートと前記第二のシートとの間にある、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記サセプタ細片をサセプタセグメントの状態に切断するための切断装置を含み、前記切断装置が前記ロッド形成装置の上流に位置する、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第三の移動機が複数のハンドラーを含み、各ハンドラーがサセプタセグメントを前記ロッド形成装置に向かって移動するように適合されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ハンドラーが、前記サセプタセグメントを前記ハンドラーの上へと保持するための磁性素子を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
エアロゾル発生物品の構成要素の製造方法であって、前記方法が、
第一のシートを提供することと、
第二のシートを提供することと、
サセプタの細片を提供することと、
前記第一のシートおよび前記第二のシートならびにサセプタの前記細片を、それぞれ第一の方向、第二の方向、および第三の方向に沿って移動して、前記移動中にサセプタの前記細片を前記第一のシートと前記第二のシートとの間に位置するように保つことと、
前記第一のシートおよび前記第二のシート、ならびにそれらの間に位置するサセプタの前記細片を一緒に集合させるロッドを形成することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記第一のシートおよび前記第二のシートならびに前記サセプタの細片を第一の方向、第二の方向、および第三の方向に沿って動かす工程が、前記第一の方向、前記第二の方向、および前記第三の方向が同一平面上であるように前記第一のシートおよび前記第二のシートならびにサセプタの前記細片を動かすことを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第一もしくは第二のシートまたはサセプタの前記細片を水性溶液で被覆することを含む、請求項8または9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
サセプタの細片を提供する前記工程が、
サセプタの連続的な細片を提供することと、
サセプタの前記連続的な細片をサセプタセグメントの状態に切断することと、
前記第一のシートと前記第二のシートとの間で前記サセプタセグメントを移動することと、を含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記エアロゾル発生物品の前記構成要素が所定の長さを有し、かつサセプタの前記連続的な細片をサセプタセグメントの状態に切断する工程が、サセプタの前記連続的な細片を前記構成要素の所定の長さ以下の長さを有するサセプタセグメントの状態に切断することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ロッドを前記エアロゾル形成物品の構成要素へと切断することを含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ロッドの構成要素への切断を、それぞれ第一の方向、第二の方向、または第三の方向に沿った、前記第一のシートの移動の速度もしくは前記第二のシートの移動の速度、またはサセプタの前記細片の移動の速度と同期することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ロッドを切断する前に前記ロッド内のサセプタセグメントの存在を感知することを含む、請求項13~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、例えば加熱時に吸入可能なエアロゾルを発生させるためのエアロゾル形成基体を含むタイプの、エアロゾル発生物品の構成要素の製造のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の加熱が誘導加熱によって達成されてもよいように、エアロゾル形成基体と熱的に接触する細長いサセプタを備えてもよい。たばこが燃焼されるのではなく加熱される数多くのエアロゾル発生物品または喫煙物品が、当該技術分野において提唱されてきた。このような加熱式エアロゾル発生物品の一つの目的は、従来の紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解性分解によって生成されるタイプの周知の有害な煙成分を低減させることである。
【0003】
典型的には、こうした加熱式エアロゾル発生物品では、エアロゾルは熱源から物理的に別個のエアロゾル形成基体または材料への熱伝達によって発生される。喫煙中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出される空気中に同伴される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは凝縮してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0004】
国際特許公報第2015/176898号では、口側端および口側端から上流にある遠位端を有するロッドの形態に組み立てられた複数の要素を備えるエアロゾル発生物品が説明されている。複数の要素は、ロッドの遠位端に位置する、またはロッドの遠位端に向かって位置するエアロゾル形成基体を含む。細長いサセプタは、ロッドの中で実質的に長軸方向に配設され、かつエアロゾル形成基体と熱的接触状態にある。サセプタは、インダクタを有する電気的に作動するエアロゾル発生装置を使用して物品が消費されることを可能にする。
【0005】
こうした物品を喫煙するために、誘導加熱装置は、サセプタ内で熱を発生させる渦電流とヒステリシス損失を誘導する交流電磁場を発生させる誘導源を備える。サセプタはエアロゾル形成基体、例えばたばこ基体と熱的に近接している。加熱されたサセプタは次に、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する材料を含むエアロゾル形成基体を加熱する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらのエアロゾル発生物品の一つの問題は、エアロゾル形成基体に挿入されるサセプタの位置に関するものであり、サセプタの各々の側で、類似の量のエアロゾル形成基体材料を一貫して有することが困難であるという問題である。サセプタの不均一な分布は一つの加熱可能な製品から別の加熱可能な製品に変化する可能性がある喫煙の体験につながる場合があるので、サセプタの両方の部分に等しい量のエアロゾル形成基体を得ることは重要である。
【0007】
誘導加熱可能なエアロゾル形成たばこ構成要素を製造するための効率的な方法および装置、例えばこうした欠陥を防止または最小化する誘導加熱装置で使用するために適切な方法および装置を有することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の態様によると、本発明はエアロゾル発生物品のロッド構成要素の製造のための装置に関し、前記装置は、第一の方向に沿って第一のシートを移動するように適合された第一の移動機と、第二の方向に沿って第二のシートを移動するように適合された第二の移動機と、第三の方向に沿ってサセプタ細片を移動するように適合された第三の移動機であって、移動中に前記サセプタ細片を第一のシートと第二のシートとの間に位置付けるように適合されている前記第三の移動機と、第一のシートおよび第二のシートならびにサセプタ細片からロッドを形成するように適合されていて、かつ入口および出口を有するロッド形成装置と、を備え、前記第一のシートおよび第二のシートならびに前記サセプタ細片は前記入口内に導入され、また前記ロッドは前記出口から産出される。
【0009】
本発明の装置は第一に、二枚のシートの間に挟まれたサセプタ細片を有する多層の要素を生成する。ロッドが製造される時に、サセプタは望ましい材料(例えば、たばこ含有シート)の二枚のシートの間に既に捕捉されているように、この集合体はその後、ロッド形成装置によってロッドへと圧縮される。このようにして、サセプタの動きは制限され、また実質的に等しい量のシートはサセプタの対向する側に既に位置付けられている。その後、サセプタの両側での当初の挟まれた構成のため、サセプタの均一の周囲を達成することができる。
【0010】
第一または第二のシートはたばこ含有シートであることが好ましく、均質化したたばこ材料シートであることがより好ましい。第一のシートおよび第二のシートは、異なる組成を有してもよい。
【0011】
たばこの均質化シート材料は、再構成シート材料と呼ばれることもでき、たばこ組成物を形成するために、粒子状のたばこ(例えば、再構成たばこ)またはたばこ微粒子のブレンド、湿潤剤、および水性溶剤を使用して形成されることができる。このたばこ組成物は次に、キャスティング、押出成形、圧延、またはプレスされて、たばこ組成物からシート材料を形成する。たばこのシートは、紙様の材料を作製するためにたばこの微粉が使用される湿式プロセス、またはたばこの微粉が結合剤材料と一緒に混合されて、移動するベルトの上へとキャスティングされてシートを形成するキャストリーフプロセスを利用して形成されることができる。
【0012】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは一般的に、たばこダストと結合剤を混合してスラリーを形成する工程を含む。次にスラリーは、例えばいわゆるキャストリーフを製造するために、粘性のあるスラリーを、移動する金属ベルトの上へとキャスティングすることによって、たばこウェブを作り出すために使用される。
【0013】
均質化したたばこ材料はまた、エアロゾル形成基体を含んでもよい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を説明するために使用される。
【0014】
適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
好ましいエアロゾル形成体は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物である。
【0016】
均質化したたばこシートは、乾燥質量基準で5%超のエアロゾル形成体の含有量を有することが好ましい。均質化したたばこシートは、乾燥質量基準でおよそ5%~およそ30%のエアロゾル形成体の含有量を有してもよい。
【0017】
好ましい実施形態において、均質化したたばこシートは乾燥質量基準でおよそ20パーセントのエアロゾル形成体の含有量を有する。
【0018】
次に、均質化したたばこ材料シートはボビン(さらに加工するためには巻き出される必要がある)で巻かれて、例えばエアロゾル形成物品の一部となり、これはエアロゾル形成物品のエアロゾル形成基体に含まれるようになる。「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品では、エアロゾル形成基体はエアロゾルを形成するがたばこ材料の燃焼を防止するために、比較的低い温度に加熱される。さらに、均質化したたばこシート中に存在するたばこは典型的に唯一のたばこであるか、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品の均質化したたばこ材料中に存在するたばこの大部分を含む。これは、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品によって発生されるエアロゾル組成物が実質的に、均質化したたばこ材料のみに基づくことを意味する。
【0019】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に伴い放出する能力を有する基体を説明するために使用される。本明細書に説明されるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルは、可視または不可視であってもよく、またベイパー(例えば、室温にて通常は液体または固体である物質の、気体状態にある物質の微粒子)ならびに気体および凝縮されたベイパーの液体の液滴を含んでもよい。
【0020】
エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中へと直接吸入可能なエアロゾルを発生させる喫煙物品であることが好ましい。さらに、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中へと直接吸入可能なニコチン含有エアロゾルを発生させる喫煙物品であることが好ましい。
【0021】
エアロゾル形成基体は非たばこ含有エアロゾル形成材料を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成材料はニコチン塩およびエアロゾル形成体を含むシートであってもよい。
【0022】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化したたばこのうちの一つ以上を含有する、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0023】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、たばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよく、それらは固体エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこ揮発性風味化合物または非たばこ揮発性風味化合物を含む一つ以上のカプセルを含有してもよく、このようなカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶融してもよい。
【0024】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片またはシートの形態を取ってもよい。固体エアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は担体の表面全体の上に堆積されてもよく、または別の方法として、使用中に不均一な風味送達を提供するためのパターンで堆積されてもよい。
【0025】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する層状の要素を意味する。
【0026】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を説明するために使用される。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中へと直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、喫煙物品のためのホルダーであってもよい。
【0027】
本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱へと変換することができる材料を指す。変動電磁場の中に位置する時、サセプタ内で誘起される渦電流がサセプタの加熱を生じさせる。細長いサセプタはエアロゾル形成基体と熱的に接触する状態で位置していて、エアロゾル形成基体はサセプタによって加熱される。
【0028】
エアロゾル発生物品は、誘導加熱源を備える電気的に作動するエアロゾル発生装置と係合するように設計されている。誘導加熱源、またはインダクタは、変動電磁場の中に位置するサセプタを加熱するための変動電磁場を発生させる。使用時に、エアロゾル発生物品は、インダクタによって発生された変動電磁場の中にサセプタが位置するように、エアロゾル発生装置と係合する。
【0029】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、強磁性材料、例えばフェライト鉄、または強磁性の鋼もしくはステンレス鋼を含んでもよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼から形成されてもよい。異なる材料は、類似の値の周波数および磁界強度を有する電磁場内に位置付けられた時に、異なる量のエネルギーを散逸させる。こうして、材料のタイプ、長さ、幅、および厚さなどのサセプタのパラメータはすべて、周知の電磁場内で望ましい電力散逸を提供するように改変されてもよい。
【0030】
好ましいサセプタは摂氏250度を超える温度に加熱される場合がある。適切なサセプタは、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア(例えば、セラミックコアの表面上に形成された金属のトラック)を備えてもよい。
【0031】
サセプタは、細長いサセプタ材料を封入する保護用の外部層、例えば保護用のセラミック層または保護用のガラス層を有してもよい。サセプタは、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成された保護被覆を備えてもよい。
【0032】
本発明は、エアロゾル発生物品のためのロッド構成要素を製造するための装置および方法を指す。
【0033】
本発明の装置または方法を使用して得られる構成要素は、好ましくはエアロゾル発生装置と相互作用するエアロゾル発生物品で使用されることが好ましい。構成要素は、誘導加熱可能なたばこセグメントであるか、またはそれを含むことが好ましい。
【0034】
誘導加熱可能なたばこセグメントは、エアロゾル形成たばこ基体およびサセプタ要素を備える。一般的に、誘導加熱装置の空洞の中へと誘導加熱可能な喫煙物品が導入され、これによって、誘導加熱装置内に配置されている電源電子装置の対応するインダクタによってたばこセグメントのサセプタ要素内で熱が誘導される場合がある。
【0035】
サセプタがエアロゾル形成基体によって実質的に均等に囲まれるエアロゾル発生物品のための構成要素を形成するために、二枚のシート(エアロゾル形成基体の二枚のシートなど)が提供され、第一の移動機および第二の移動機によって、それぞれ第一の方向および第二の方向に沿って移動されることが好ましい。サセプタ細片も提供され、かつ第三の方向に沿って移動される。サセプタ細片を移動する第三の移動機は、サセプタ細片が第一のシートと第二のシートとの間を進むように位置する。第三の移動機は、好ましくはエアロゾル形成材料で作製された二枚のシートの間にサセプタ細片を保持するように位置付けられ、かつ構成されている。
【0036】
ロッド形成装置は、ロッドを形成するために二枚のシートおよびサセプタ細片を圧縮する。ロッド形成装置では、サセプタ細片はシートとの熱的接触に到達する。こうして、サセプタ細片がエアロゾル形成装置内で高温になる時に、エアロゾル形成基体(シート)は加熱され、エアロゾルが形成されることが好ましい。サセプタ細片は、その間にいかなる追加的な要素もなしにシートと直接的に物理的に接触するように配設されることが好ましい。
【0037】
「細片」という用語が使用されているものの、サセプタ細片は、細長いロッド、細長いブレード、細長いピン等の形態のなどの任意のタイプの細長い形態を有することができる。
【0038】
ロッド形成装置の構築に起因して、およびサセプタ細片が二枚のシートの間に対称に位置していることが好ましいという事実に起因して、結果として得られるロッドの最終的な構成はまた、対称であることが好ましく、またサセプタ細片はロッドの中で実質的に長軸方向に配設される。これは、サセプタ細片の長さ寸法が、ロッドの長軸方向とほぼ平行に配設されることが好ましいこと、例えばサセプタ細片はロッドの長軸方向に対して約±10度に形成され、かつこの角度にされてもよいことを意味する。好ましい実施形態において、細長いサセプタ要素は、ロッドの中で半径方向で中心の位置に位置付けられてもよく、ロッドの長軸方向軸に沿って延びる。
【0039】
本発明の装置のおかげで、サセプタ細片は、好ましくは類似の量のシート(たばこ基体など)を各々の側に有するロッド内側の中心位置にあり、にもかかわらず一貫した喫煙の体験を提供し、および仕様を外れた構成要素(例えば、サセプタ細片が外側ラッピング材料に接触するまたはそれを燃焼する、またはロッドに接触するユーザーの指をやけどさせる構成要素など)を得る可能性を低減する。
【0040】
さらに、サセプタ細片の位置は、サセプタの周囲に巻かれるようになるシートによって強く保持され、サセプタがロッド形成中にロッドの中で動きうる可能性を低減させる。
【0041】
上述の利点によって、製造の一貫性は関連する仕様に従って著しく改善され、結果としてより一貫した製品がもたらされ、従って「喫煙」体験としての製品消費だけでなく、例えばニコチン送達およびユーザーの全体的な感覚的体験の観点からも再現性を改善する。
【0042】
装置は、第一または第二のシートを捲縮するために、第一または第二のシートの移動の第一または第二の方向でロッド形成装置の上流に位置付けられた捲縮機を含むことが好ましい。両方のシートはロッド形成装置に入る前に捲縮されることが好ましい。
【0043】
本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波形は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、または平行に延びることが好ましい。これは有利なことに、均質化したたばこ材料の捲縮したシートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にする。しかし、当然のことながら、エアロゾル発生物品内に含むための均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行な隆起または波形を有してもよい。捲縮したシートは、サセプタ細片の周りでさらにより良く折り畳まれる。
【0044】
装置は、ロッド形成装置の出口から出たロッドを移動するように適合されたU字形コンベヤーを含むことが好ましい。コンベヤーベルトは、ロッドを巻くためのラッピングペーパーも含んでもよい。さらに、U字形コンベヤーは、構成要素のロッド状の形態を保持する。
【0045】
装置はロッドを巻くためのラッパーユニットを含むことが好ましい。ラッパーユニットは、エアロゾル発生物品用の適正なラッピングシートでロッドを巻いてもよい。
【0046】
前記サセプタ細片は対向する第一の表面および第二の表面を画定し、前記第一の移動機、第二の移動機、および第三の移動機は第一のシートおよび第二のシートならびにサセプタ細片をそれぞれ移動するように配置されていて、第一の表面が第一のシートに面し、第二の表面が第二のシートに面するように、サセプタ細片は第一のシートと第二のシートとの間にある。前記第三の移動機は、前記第一および第二の表面を実質的に水平にまたは実質的に垂直に位置付けるように配設されることがより好ましい。サセプタ細片の第一の表面および第二の表面は実質的に平面を画定してもよく、またロッド形成ユニット内の第一のシートおよび第二のシートはこの平面に整列し、これによって、サセプタの第一の表面と第二の表面はロッド形成装置内の二枚のシートの間に捕らえられ、従って中央位置に保持される。この中央位置は、サセプタの細片(その二つの対向する表面など)が実質的に水平である場合、すなわち第一の表面または第二の表面が水平面に平行な平面を画定する場合、水平位置であってもよい。サセプタ細片の第一の表面および第二の表面を実質的に水平にすることは、ロッド形成装置から出てくる結果として得られるロッドを、通常の喫煙物品生産ラインで使用される垂直方向に動くナイフまたはブレードを使用して切断するのをより簡単にする。別の方法として、第一の移動機および第二の移動機の作用のおかげで、サセプタの第一の表面および第二の表面は水平面と直角に延びてもよい。従って、この構成では、第一の表面および第二の表面は実質的に垂直である。こうした実施形態は、ロッド内でのサセプタの結果的な垂直位置に起因して、ロッドがU字形コンベヤーベルトに到着する時、両方のシートがコンベヤーベルトの同一表面と接触する際、またはコンベヤーベルトの上へと位置付けられたラッピング材料と接触する際、第一のシートおよび第二のシートの両方に同一の摩擦強度が適用され、摩擦の適用に起因して一方のシートがもう一方のシートとは異なるようになるのを防止する場合がある。
【0047】
装置は、ロッド形成装置の出口を出るロッドを、エアロゾル形成物品のロッド構成要素へと切断するための切断手段を含むことが好ましい。ロッド形成装置を出るロッドは連続的な細長い要素であり、これはエアロゾル発生物品内で使用されるようになる構成要素である、より短い部品の状態に切断されることが好ましい。
【0048】
装置はサセプタ細片をサセプタセグメントの状態に切断するための切断装置を含み、切断装置はロッド形成装置の上流に位置することが好ましい。その後、サセプタセグメントは第一のシートと第二のシートとの間に導入され、かつ挟まれて、互いに同一の距離を有する規則的な間隔で位置付けられることが好ましい。サセプタセグメントは、順次二枚のシートの間に挿入され、すなわち一つのサセプタ要素が第三の方向に沿って前のサセプタ要素の後に続くことが好ましい。サセプタセグメントはその最大長さがエアロゾル発生物品で使用される構成要素と同一の長さであることが好ましく、またサセプタセグメントは構成要素より短いことがより好ましい。構成要素はすべて同一の長さを有することが好ましい。サセプタセグメントはまた、すべて同一の長さを有することが好ましい。サセプタセグメントはその幅寸法または厚さ寸法よりも大きい(例えば、その幅寸法または厚さ寸法の二倍より大きい)長さ寸法を有することが好ましい。サセプタセグメントは約2ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有することが好ましく、約5ミリメートル~約15ミリメートル、例えば約6ミリメートル~約12ミリメートル、または約8ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有することがより好ましい。サセプタセグメントまたはサセプタ細片は、約1ミリメートル~約5ミリメートルの幅を有することが好ましく、約0.01ミリメートル~約2ミリメートル、例えば約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの厚さを有してもよい。好ましい実施形態は、約10マイクロメートル~約500マイクロメートルの厚さを有してもよく、または約10マイクロメートル~約100マイクロメートルであることがさらにより好ましい。サセプタ細片またはサセプタセグメントが一定の断面、例えば円形断面を有する場合、その断面は約1ミリメートル~約5ミリメートルの好ましい幅または直径を有する。
【0049】
第三の移動機は複数のハンドラーを含み、各ハンドラーはロッド形成装置に向かってサセプタセグメントを移動するように適合されていることがより好ましい。ハンドラーは、サセプタセグメントをハンドラーの上へと保持するために磁性素子を含むことがさらにより好ましい。ハンドラーに磁気強度を使用することは、サセプタセグメントに対する好ましい前提条件である可能性のある、強磁性のサセプタセグメントのみを取り上げ、かつロッド形成装置内に挿入することを可能にするので、有利である可能性がある。この特徴を有しないサセプタセグメントは無視されることが好ましい。別の方法として、磁気力の代わりに、またはそれに加えて、空気の吸込みなどの吸込みも同様に使用される場合がある。部分的に集合したシートの間にサセプタセグメントが位置付けられうるように、ロッド形成装置の挿入位置で、吸込みまたは磁気強度が妨げられてもよい。
【0050】
装置は、ロッド形成装置の上流に位置付けられた各シートのための集中装置を含むことが好ましい。二枚のシートの各々は最初に、ロッド形成装置に入る前に別個の集中装置を通して案内されることが好ましく、ここでシートがロッド形成装置内でロッド形状に到達し、かつサセプタ細片の各側面上に正しく位置付けられるのを補助するように、主な集中または集合が起こる。
【0051】
第二の態様において、本発明はエアロゾル発生物品の構成要素の製造方法に関し、前記方法は、第一のシートを提供することと、第二のシートを提供することと、サセプタの細片を提供することと、第一のシートおよび第二のシートならびにサセプタの細片を、それぞれ第一の方向、第二の方向、および第三の方向に沿って移動することと、移動中にサセプタの細片が第一のシートと第二のシートとの間に位置するように保つことと、第一のシートおよび第二のシートとそれらの間に位置するサセプタの細片とを一緒に集合させるロッドを形成することと、を含む。
【0052】
本発明の方法の利点は、第一の態様を参照しながら既に概説したため、ここでは繰り返さない。
【0053】
第一のシートおよび第二のシートを提供することは、実質的に同一の厚さを有する第一のシートおよび第二のシートを提供することを含むことが好ましい。このようにして、エアロゾル発生物品のための最終的な構成要素内のサセプタの周囲の材料の実質的に一定の量を目指す、サセプタ細片の周囲のシートの均一な分布が得られる。
【0054】
サセプタの細片を提供することは、金属または炭素材料のサセプタの細片を提供することを含むことが好ましい。サセプタを作製する材料は、必要な加熱に適合することが好ましい。
【0055】
サセプタの細片を提供することは、約0.2ミリメートル~約2ミリメートルから成る厚さを有するサセプタの細片、または約1ミリメートル~約5ミリメートルから成る幅を有するサセプタの細片を提供することを含むことが好ましい。
【0056】
第一のシートおよび第二のシートならびにサセプタを第一の方向、第二の方向、および第三の方向に沿って動かす工程は、第一の方向、第二の方向、および第三の方向が同一平面上であるように第一のシートおよび第二のシートならびにサセプタの細片を動かすことを含むことが好ましい。このようにして、シートおよび細片のより良好な集合が得られ、実質的に対称な構成から既に始まり、これによってロッド内の対称な最終的な構成も得られる場合があり、サセプタ細片はロッド内のシートによって均等に囲まれている。
【0057】
方法は、第一のシートもしくは第二のシートまたはサセプタの細片を水性溶液で被覆することを含むことが好ましい。最終製品内で誘導が開始された時にサセプタがロッドの周囲に巻かれたラッピング材料を燃焼することを防止するために、サセプタは水性溶液で、例えばシートを形成するために使用されるたばこスラリーで被覆されることが好ましい。こうした被覆は、約2マイクロメートル~約5マイクロメートルの厚さを有することが好ましいことになる。
【0058】
サセプタの細片を提供する工程は、サセプタの連続的な細片を提供することと、サセプタの連続的な細片をサセプタセグメントの状態に切断することと、第一のシートと第二のシートとの間でサセプタセグメントを移動することと、を含むことが好ましい。従って、エアロゾル形成物品の各々の個別の構成要素のための個別のサセプタは、ロッド形成装置の前に形成されている。しかしながら、単一のサセプタセグメントが位置する構成要素において、単一の構成要素内の一つ以上のサセプタセグメントの場所も同様に想定されることが好ましい。
【0059】
第一のシートと第二のシートとの間でサセプタセグメントを移動することは、ロッドを形成する前にサセプタセグメントを第三のシートの上へと取り付けることを含むことがより好ましい。サセプタセグメントをロッド形成装置の中へと移動する方法は、例えばセグメントを第三のシートに取り付けることであり、これがその後、第一のシートと第二のシートとの間で移動されてロッド形成ユニットの中へと入れられる。こうしたシートは、例えば第一のシートおよび第二のシートと同一の材料、例えばエアロゾル形成基体として使用される均質化したたばこ材料で実現することができる。
【0060】
方法は、第三のシートまたはサセプタセグメントを水性溶液で被覆することを含むことがより好ましい。サセプタセグメントは、粘性を提供するために水とともに一枚のたばこ再構成細片の上に置かれて挿入を助長し、またサセプタは、粘性を提供するために水とともに二枚のたばこ再構成細片の間に挟まれて挿入を助長し、ラッパーとの直接接触のリスクを回避できる。
【0061】
エアロゾル発生物品の構成要素は所定の長さを有し、かつサセプタの連続的な細片をサセプタセグメントの状態に切断する工程は、サセプタの連続的な細片を、構成要素の所定の長さ以下の長さを有するサセプタセグメントの状態に切断することを含むことが好ましい。構成要素を形成するために、ロッド形成装置を出るロッドは、所与の長さを有する部品へと切断されることが好ましい。各々がサセプタの一部分を正しく含む構成要素を得るために、構成要素の選択された長さは、各々の構成要素が一つ、または整数の倍数のサセプタセグメントを収容するように、サセプタセグメントの長さより長いことが好ましい。
【0062】
サセプタの連続的な細片をサセプタセグメントの状態に切断する工程は、サセプタの連続的な細片を約2ミリメートル~約20ミリメートルから成る長さを有するサセプタセグメントの状態に切断することを含むことが好ましい。これは、エアロゾル発生物品のための大半の構成要素に適合しうるサイズである。
【0063】
サセプタの連続的な細片をサセプタセグメントの状態に切断する工程は、サセプタの連続的な細片をその幅またはその厚さの二倍より長い長さを有するサセプタセグメントの状態に切断することを含むことが好ましい。従って、サセプタセグメントは「細長い」物体であることが好ましい。
【0064】
方法は、ロッドをエアロゾル形成物品の構成要素へと切断することを含むことが好ましい。ロッドの切断は、ロッド形成装置の下流で行われることが好ましく、ロッドを巻く工程の後で行われることがさらにより好ましい。
【0065】
方法は、ロッドの構成要素への切断を、それぞれ第一の方向、第二の方向または第三の方向に沿った、第一のシートの移動の速度もしくは第二のシートの移動の速度、またはサセプタの細片の移動の速度と同期することを含むことがより好ましい。サセプタセグメントを有する実施形態において、以後のプロセスで、ロッド形成装置から外へ出る連続的な誘導加熱可能なたばこロッドは、たばこロッド内の後続のサセプタセグメントの間の位置で切断される。このようにして、所望の長さで構成要素の適正かつ正しい切断が行われる。サセプタセグメントが存在する場合、同期化とは、構成要素を形成するためのロッドの切断が、二つの隣接するサセプタセグメントの間に位置するロッドのその部分で行われるようにすることである。すなわち、ロッドの切断は二つの連続するサセプタセグメントの間でなされ、従って切断は一つのサセプタセグメントと後続のサセプタセグメントとの間の空の場所と同期される必要がある。これは、たばこロッドの切断をシートおよびサセプタ細片の動く速度と同期させることによって行われることが好ましい。これを行うための別の方法は、ロッド内のサセプタセグメントを感知し、それに応じてナイフまたはブレードを同期する装置を使用して、二つの隣接するサセプタセグメントの間でロッドを切断することである。
【0066】
方法は、ロッドを切断する前にロッド内のサセプタセグメントの存在を感知することを含むことが好ましい。このようにして、結果として得られる構成要素は、サセプタセグメントを完全に封入していてもよい。
【0067】
方法は、構成要素をラッピングシートで巻くことを含むことが好ましい。
【0068】
方法は、第一のシートおよび第二のシートを同一の移動速度で移動する工程を含むことが好ましい。このようにして対称なロッドは、より簡単に得られる。
【0069】
本発明は、本発明の第二の態様によって実現される構成要素を含むエアロゾル発生物品にさらに関する。
【0070】
本発明を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1図1は本発明による動作する装置の第一の実施形態の概略斜視図である。
図2図2は、図1の装置の詳細の断面の正面図である。
図3図3は、本発明の装置の第二の実施形態の概略斜視図である。
図4図4は、図2の装置の詳細の断面の正面図である。
図5図5は、本発明の装置の第三の実施形態の概略斜視図である。
図6図6は、本発明の装置の第二の実施形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1図6では、ロッド構成要素の製造のための装置が示されていて、参照番号1で示されている。
【0073】
まず、図1図3の装置の詳細が示されている。
【0074】
装置1は、ロッド状の物品100を形成するために、均質化したたばこの第一および第二のシート2、3、ならびにサセプタ材料の細片10を加工するように適合されている。この目的のための装置は、第一および第二のシート2、3を移動するための、適切な第一および第二の移動機4、5(図内で矢印として概略的に図示されている)を含む。移動機4、5は、コンベヤーベルトなどの任意のタイプのものとすることができる。さらに、装置はまた、サセプタ細片10を移動するための第三の移動機6(これも矢印によって図示されている)を含む。サセプタ細片10はボビン7で巻かれてもよく、これはロッド構成要素が形成される間は巻き出される。
【0075】
装置1は、入口21および出口22を有するロッド形成装置20をさらに含む。第一、第二、および第三の移動機4、5、6は、ロッド形成装置20の入口21に向かって方向付けられる。第一、第二、および第三の各移動機は、その第一、第二のシート2、3、またはサセプタ材料の細片10それぞれの移動の方向を画定する。これらの第一、第二、および第三の方向はすべて、入口21の方向に向いている。各シートまたは細片の移動の方向は、それぞれの移動機を識別する同一の矢印で識別されている。
【0076】
第一、第二、および第三の移動機4、5、6は、サセプタの細片10が二枚のたばこのシート2、3の間に位置付けられる方法で配設される。例えば、図1の実施形態において、第一のシートおよび第二のシートは、その主表面が上向きに方向付けられて進み、またサセプタの細片も実質的に水平に進む。
【0077】
別の方法として、図3に示す通り、シート2、3およびサセプタの細片10は実質的に垂直に進んでもよい。
【0078】
サセプタの細片10は、平面状の二つの対向する第一の表面および第二の表面11、12を画定する。第一の表面11は第一のシート2に面し、また第二の表面12は第二のシート3に面する。
【0079】
第一のシートおよび第二のシートがロッド形成装置20に入る前にこれらを捲縮するために、捲縮機30(好ましくは第一のシートおよび第二のシートの各々のための捲縮機)がロッド形成装置20の上流に、第一のシート、第二のシートの動きの方向に存在してもよい。
【0080】
さらに、ロッド形成装置20の出口22から出るロッド状の物品100を巻くために、ラッピングユニット40がロッド形成装置20の下流に位置付けられることが好ましい。
【0081】
エアロゾル発生物品の一部として使用されるように、ラッピングされたロッド状の物品100を所望の長さを有する複数の構成要素の状態に切断するために、切断ユニット50もラッピングユニット40の下流に存在してもよい。
【0082】
図1図2図3、および図4の装置1の機能は以下の通りである。図1および図3の装置の実施形態の間の差異は、シートおよびサセプタ細片の位置付けのみである。図1の実施形態において、サセプタ細片10は実質的に水平であり、図2の実施形態において、サセプタ細片は実質的に垂直である。第一および第二のシート2、3およびサセプタの細片10(例えば、ボビン7から巻き出されたもの)は、その入口21を介してロッド状の装置20の内側に導入される。ロッド形成の後、結果として得られるロッド状の物品100は、ラッピングペーパー18で巻かれ、U字形のコンベヤーベルト19によって移動される。図1の実施形態の場合、結果として得られるロッド状の物品100は、図2で断面で図示されており、ここでサセプタ細片10は二枚のたばこシート2、3の間に捕らえられ、中央の水平位置に強く保持されている。ラッピングペーパー18も見える。図3の実施形態において、結果として得られるロッド状の物品100は、図4で断面で示されており、ここでサセプタ細片10は垂直に位置付けられている。
【0083】
図5に図示されている本発明の装置の異なる実施形態において、サセプタ細片をセグメント81へと切断するために、サセプタ切断ユニット80がロッド成形装置20の上流に位置付けられている。セグメントは、例えばボビン83から巻き出された均質化したたばこ材料82の第三のシートの上へと、二つの隣接するセグメントの間に間隔を残して次々に連続して接着されてもよい。セグメントを含むそのように形成された第三のシートは、ロッド形成装置20内に移動されるように第三の移動機6の中に位置付けられている。装置1の残りの部分は、図1および図3に関して図示されたものと同一である。
【0084】
シート2、3、または82だけでなく、サセプタ細片10またはサセプタセグメント83は、水溶液によって被覆されてもよい(図面に図示せず)。
【0085】
ロッド状の物品100は、たばこ材料の二枚のシート2、3、および上に接着されたセグメント81を有する第三のシート82を、ロッド成形装置20の入口21の中へと移動するように形成されている。第三のシート82は、図1または図3の実施形態においてサセプタ細片10として位置付けられていて、すなわちこれは第一の細片および第二の細片2、3の間に挟まれている。第三のシート82ならびに第一のシートおよび第二のシート2、3は任意の向きを有することができ、図示される通り水平であること、または垂直であることも好ましい。
【0086】
図6に図示された実施形態において、装置1は(図5の実施形態でのように)、サセプタ切断ユニット80を含むが、サセプタのセグメント81は、ハンドラー90によってロッド形成装置20に向かって移動される(例えば、レール91によって移動される)。ハンドラー90は、磁気的作用によってセグメント81が取り付けられたままであってもよい。ロッド状の物品100は、二枚のたばこ材料のシート2、3およびセグメント81を、ロッド成形装置20の入口21の中へと移動するように形成されている。サセプタセグメント81は、第一の細片および第二の細片2、3の間に挟まれている。セグメント81ならびに第一のシートおよび第二のシート2、3は任意の向きを有することができ、図示される通り水平であること、または垂直であることも好ましい。
【0087】
図5および図6の実施形態において、ロッド形成装置20の下流に存在する切断ユニット50は、第三のシート82の上に接着されていても、またはハンドラー90によって移動されていても、その切断の速度がサセプタセグメント81の移動の速度と同期されていることが好ましく、これによって、結果として得られるロッド状の物品100はセグメント81が存在しない場所で切断される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6