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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】振動式タッチスクリーン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220629BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
G06F3/041 480
G06F3/01 560
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019537085
(86)(22)【出願日】2018-01-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 FR2018050017
(87)【国際公開番号】W WO2018127662
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-12-07
(31)【優先権主張番号】1750070
(32)【優先日】2017-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519242953
【氏名又は名称】ハップトゥーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】シャパ,セドリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴェッツォーリ,エリック
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/091708(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/170601(WO,A1)
【文献】特開2007-065799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
G06F3/048-3/04895
G06F3/03
G06F3/041-3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動式タッチスクリーンであって、
プレートと
前記プレートより厚く、互いに略平行であって、前記プレートから突出しているか又は前記プレートに突出部分によって連結され、前記プレートの音反射率より大きい音反射率を有し、前記プレートの第1の表面に連結されている2つの細長い第1の部分と
前記第1の部分に略平行であって、前記第1の部分の間に配置された圧電アクチュエータの2つの細片と、
互いに平行であって前記第1の部分に平行であり、前記プレートの音反射率及び前記第1の部分の音反射率より小さい音反射率を有し、前記第1の部分によって画定されている領域の外側に配置されている2つの細長い第2の部分と
を備えていることを特徴とするタッチスクリーン。
【請求項2】
孔が前記領域の外側に形成されていることを特徴とする請求項に記載のタッチスクリーン。
【請求項3】
前記第1の部分はブラッグ共振器を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載のタッチスクリーン。
【請求項4】
前記第2の部分は前記プレートより薄いことを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載のタッチスクリーン。
【請求項5】
前記第1の部分は、前記プレートを含む面に垂直に突出していることを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載のタッチスクリーン。
【請求項6】
前記第1の部分は、前記プレートを含む面に平行な面に含まれていることを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載のタッチスクリーン。
【請求項7】
前記第1の部分は、前記プレートを含む面に垂直に突出している第3の部分によって前記プレートに連結されていることを特徴とする請求項に記載のタッチスクリーン。
【請求項8】
スマートフォン、タブレット、時計又はコンピュータの画面のための振動式タッチスクリーンを形成していることを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載のタッチスクリーン。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1つに記載のタッチスクリーンを備えていることを特徴とする電子デバイス。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1つに記載のタッチスクリーンを備えていることを特徴とする携帯電話。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、電子デバイスのためのタッチスクリーンに関し、より具体的には圧電アクチュエータを備えた振動式タッチスクリーンの形成に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンは、多くの電子デバイスで広く使用されており、より具体的には、例えば携帯電話、タッチパッド、制御インターフェースなどのためのタッチセンサ式ディスプレイを形成するために広く使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
タッチスクリーンを形成するために使用される技術の内、本開示はより具体的には、圧電アクチュエータを使用して超音波を発生させてタッチ感覚を変更することができるタッチスクリーンに適用される。
【0004】
実施形態は、振動式タッチスクリーンの共振を改善する解決策を提供する。
【0005】
実施形態は、タッチスクリーンの有用な表面積に亘って超音波の伝播を均質化することを可能にする解決策を提供する。
【0006】
実施形態は、外周部で変形するタッチスクリーンに特に適合された解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、実施形態は、振動式タッチスクリーンであって、
プレートと、
互いに略平行であって、前記プレートの音反射率より大きい音反射率を有し、前記プレートの第1の表面に連結されている2つの細長い第1の部分と、
前記第1の部分に略平行であって、前記第1の部分の間に配置された圧電アクチュエータの2つの細片と
を備えていることを特徴とするタッチスクリーンを提供する。
【0008】
実施形態によれば、前記第1の部分は前記プレートより厚い。
【0009】
実施形態によれば、前記タッチスクリーンは、互いに平行であって前記第1の部分に平行であり、前記プレートの音反射率及び前記第1の部分の音反射率より小さい音反射率を有し、前記第1の部分によって画定されている領域の外側に配置されている2つの細長い第2の部分を更に備えている。
【0010】
実施形態によれば、孔が前記領域の外側に形成されている。
【0011】
実施形態によれば、前記第1の部分はブラッグ共振器を形成している。
【0012】
実施形態によれば、前記第2の部分は前記プレートより薄い。
【0013】
実施形態によれば、前記第1の部分は、前記プレートを含む面に垂直に突出している。
【0014】
実施形態によれば、前記第1の部分は、前記プレートを含む面に平行な面に含まれている。
【0015】
実施形態によれば、前記第1の部分は、前記プレートを含む面に垂直に突出している第3の部分によって前記プレートに連結されている。
【0016】
実施形態によれば、前記タッチスクリーンは、携帯電話、タブレット、時計又はコンピュータの画面のための振動式タッチスクリーンを形成している。
【0017】
実施形態は、タッチスクリーンを備えていることを特徴とする電子デバイスを提供する。
【0018】
実施形態は、タッチスクリーンを備えていることを特徴とする携帯電話を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
前述及び他の特徴及び利点を、添付図面を参照して本発明を限定するものではない具体的な実施形態について以下に詳細に説明する。
【0020】
図1】記載された実施形態が適用されるタイプのタッチスクリーンを備えたデバイスの例を非常に簡略化して示す分解斜視図である。
図2A】振動式タッチスクリーンの実施形態を非常に概略的に示す図である。
図2B】振動式タッチスクリーンの実施形態を非常に概略的に示す図である。
図3】振動式タッチスクリーンの別の実施形態を非常に概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
明瞭化のために、記載された実施形態の理解に有用な要素のみが示され詳述される。特に、振動式タッチスクリーン又は振動式インターフェースの圧電素子の制御は詳述されておらず、記載された実施形態は通常の制御方法及び制御回路と適合する。更に、電子デバイスの他の要素及び回路も詳述されておらず、記載された実施形態は、ここでも通常の要素及び回路と適合する。
【0022】
図面では、様々な実施形態に共通する構造要素及び/又は機能要素が同一の参照番号で示されてもよく、同一の構造特性、寸法特性及び材料特性を有してもよいことに留意すべきである。更に、「前」、「後ろ」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」などの絶対位置、若しくは「上方」、「下方」、「上側」、「下側」などの相対位置を限定する用語、又は「垂直方向」、「水平方向」などの方向を限定する用語を参照するとき、この用語は、特に述べられていない場合、図面の向き又は通常の使用位置を指す。「約」、「実質的に」及び「程度」という用語は、該当する値のプラスマイナス10%、好ましくはプラスマイナス5%の許容値、又はプラスマイナス10°、好ましくはプラスマイナス5°の許容値を示すために本明細書に使用されている。
【0023】
図1は、記載された実施形態が適用されるタイプのタッチスクリーンを備えたデバイス1 の例を非常に簡略化して示す分解斜視図である。
【0024】
以下、スマートフォン型の携帯電話について言及する。しかしながら、記載される全ての実施形態は、より一般的に振動式タッチスクリーンを備えたあらゆる電子デバイス又は電子機器、例えばタブレット、コンピュータの画面、時計、医療機器、携帯端末、タッチパッドなどに適用される。
【0025】
デバイス1 は一般に、(ブロック14によって表されている)一又は複数の要素、例えば処理ユニット、メモリ、バッテリ、無線通信インターフェース、様々な処理回路及び他のデバイスが収容されている支持体又は筐体12を備えている。表示画面16が一般に、表示面を最大化するために組立体を覆っている。表示画面16の最上部に、ガラス、プラスチック、又は振動式のタッチスクリーン又はインターフェース2 を形成する別の透明な材料から形成されたプレート22が設けられている。このために、圧電素子4 が一般にプレート22の下に配置されている。プレート22の形状(外形)は、デバイス、特にデバイスの表示画面16の形状に適合されており、プレート22は、ボタン、アクチュエータなどの通過又は音センサ、画像センサなどの付属品へのアクセスのための孔24又は領域を一般に有している。
【0026】
本開示の実施形態が適用されるタイプの振動式タッチスクリーンを制御して動作させる構造及び原理の例が、仏国特許出願公開第29755197号明細書、国際公開第2012/53061 号パンフレット、欧州特許出願公開第2707787 号明細書、米国特許出願公開第2014/327839号明細書、特表2014/513370号公報、カナダ特許出願公開第2835348 号明細書、国際公開第2008/116980号パンフレット、欧州特許出願公開第1956466 号明細書、特表2010/518500号公報、中国特許第101632054 号明細書の文献に記載されており、これらの文献は、本開示の一部を形成するとみなされる。これらの文献は、特許法によって認められている条件下で参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
このような振動式タッチスクリーンには、ユーザにテクスチャ、厚さなどの感覚を与えるべく振動式タッチインターフェースを形成することを可能にする定常(超音波)弾性表面波を発生させるために圧電素子が使用されている。上記の技術にはいわゆるラム波又はレイリー波が使用されている。
【0028】
簡略化のために、表面プレートとしてガラスプレートを有するスマートフォンの以下の例を検討する。
【0029】
スマートフォンには、ガラスプレートが外周部で埋め込まれる及び/又は接着されることが多いという困難さがある。更に、ガラスプレートは、音センサ又は画像センサ及びボタンのための孔を一般に有している。これらは全て、圧電アクチュエータによって発生する表面波の減衰を引き起こし、振動式タッチインターフェースの効率に悪影響を及ぼす。
【0030】
以下に記載される実施形態では、振動を所定の領域内に制限し、発生した表面波の減衰を減少させて均一な強度の振動を有用な領域に与えるために、タッチスクリーンを特定の方法で形成する。
【0031】
より具体的には、タッチスクリーンの2つの側部を、ブラッグ共振器を形成する構造と適合させて、2つの構造間に振動を集中させる。
【0032】
ブラッグ共振器理論自体は知られている。2つのブラッグ共振器又はブラッグミラーを対向させて置くことによって、2つのブラッグ共振器間で発生する音波は、2つのブラッグ共振器を分離する表面に含まれる。
【0033】
振動式タッチスクリーンのいわゆる有用な領域の端部に2つのブラッグ共振器を配置して、この領域の外側に孔のような妨害要素を配置することによって、ブラッグ共振器間に配置された圧電素子によって発生する振動の減衰は大幅に減少する。
【0034】
図2A及び図2Bは、振動式タッチスクリーンの実施形態を非常に概略的に示す。図2Aは底面図である。図2Bは、図2Aの線B-B に沿った断面図である。
【0035】
タッチスクリーン2 は、例えば略矩形状のガラスプレート22を有しており、ガラスプレート22の小さい方の側部に2つのブラッグ共振器3 が対向して形成されている。各ブラッグ共振器3 は、異なる音反射率を有する少なくとも2つの平行な細片を有している。図2A及び図2Bの例では、細片は、プレート22の表面に垂直な矩形状の第1の反射部分又は壁32、及びプレート22の中間部分に対して壁32の後ろに配置された、ここでも矩形状の減衰スロット又は第2の部分34の形態で同一の材料(プレート22のガラス)から形成されていると仮定する。
【0036】
壁32は、有用なタッチ領域I、つまりユーザが振動を感じるタッチスクリーン2 の領域を共に画定している。図2A及び図2Bの例では、圧電アクチュエータの2つの細片4 、例えばセラミックの点状要素42の列、又は薄膜にスパッタされた圧電材料の細片が、(有用な領域Iの長手方向の端部に)スロット34と反対の側に壁32と平行に形成されている。細片4 は、使用される製造技術の制約を考慮に入れて壁32と可能な限り近くに形成されている。
【0037】
タッチスクリーン2 の領域IIは、タッチインターフェースの観点では失われるが、ブラッグ共振器3 によって画定された長手方向の空間の外側で、有用な領域Iでの音反射率の均一性を妨げる様々な要素を収容するために使用されている。特に、このような領域IIには、ガラスプレート22は、ボタン又は他の制御部材の通過、及び音センサ及び画像センサへのアクセスのために使用される開口部52を好ましくは有している。従って、中央の領域Iの共振が向上する。
【0038】
非常に簡略化された方法では、壁がプレートと同一の材料から形成されていると仮定すると、壁の反射率は、他方の壁に向かう音波の反射に関与する中央の領域の反射率より大きく、スロットの反射率は、プレートの残り部分の反射率より小さいため、壁を横切り有用な領域から出る音波の減衰に有利である。
【0039】
壁32の端部(下方部分)がスマートフォンの筐体の底部で塞がれ、すなわち、保持されていることが好ましい。しかしながら、他の表面(側面)を妨げることなく、端部のみが塞がれるべきである。従って、タッチスクリーン2 の下のスマートフォンの部品の残りは、壁32を筐体の背面まで通過させるために開口部を有して配置又は形成されている。例えば、プリント回路ウエハが設けられている場合、プリント回路ウエハは壁32と一列に垂直に開口している。ブラッグ共振器の端部を塞ぐ利点は、ブラッグ共振器が無限に近い長さ(ここでは図2Bの向きの高さ)を有し、ひいては有用な領域Iに音波を集中させるより望ましい能力を有することである。
【0040】
部分32は、例えばプレート22の長手方向の縁部の取り付けに必要な空間のみを残して、タッチスクリーンの一方の長手方向の縁部から他方の長手方向の縁部に延びている。
【0041】
部分32の高さは、音反射率と、中央の領域Iに含まれる所望の振動の周波数帯とに応じて決められる。
【0042】
振動式タッチスクリーンの例では、使用される超音波周波数は、例えば約20 kHzから約100kHzの範囲内である。このため、約5ミリメートルから約15ミリメートルの範囲内の波長になる。自由端部を有する部分32では、15ミリメートルの高さはスマートフォンの厚さと適合しない場合がある。部分32の端部を塞ぐことにより、部分32がプレート22と同一の材料から形成されている場合、部分32の高さを約5~10ミリメートルまで減少させることができ、この高さは、ほとんどの場合スマートフォンの厚さと適合する。
【0043】
ブラッグ共振器3 は、実施形態によれば、(例えば成形若しくは厚いプレートからの押出しにより)プレート22と一体に形成されてもよく、又は完全に若しくは部分的に接合されてもよい。例えば、スロット34はプレート22に機械加工されており、垂直部分32はプレート22に接合されている。
【0044】
更に垂直部分32は、必ずしもガラスから形成される必要がなく、又は透明である必要がない。更に垂直部分32は、銅、タングステン、アルミニウム、プラスチック、又は異なる材料の組み合わせなどから形成されてもよい。更に、音反射率を調節して減衰を改善するために、スロット34は別の材料で充填されてもよい。別の実施形態によれば、スロット及び垂直部分を形成するのではなく、異なる音反射率を有する複数の平行な細片(2以上)がプレート22の裏側に置かれている。図2A及び図2Bの例では、部分32がプレート22より厚く、部分34がプレート22より薄いことが考えられ得る。
【0045】
タッチスクリーン2 の長手方向の縁部をスマートフォンのシェルに接着するか又は埋め込むことにより、タッチスクリーン2 の長手方向の縁部を塞ぐということは、圧電共振の伝播に悪影響を及ぼすと考えられ得る。しかしながら、圧電アクチュエータ4 を両側に縦に置くことにより、音波を主方向になる長手方向に向けることになる。
【0046】
図3A及び図3Bは、振動式タッチスクリーン2'の別の実施形態を非常に概略的に示す。図3Aは底面図である。図3Bは、図3Aの線B-B に沿った断面図である。
【0047】
この実施形態によれば、ブラッグ共振器又はブラッグミラー3'は水平に配置されており、すなわち、(第1の)反射部分32' はプレート22の表面と平行であり、図2A及び図2Bの実施形態のように垂直ではない。反射部分32' は、自由端部を夫々有する(プレート22の面に垂直な)(第3の)垂直部分36によって支持されている。減衰スロット(第2の部分)34' は、反射部分32' と垂直部分36の端部との間に形成されている。反射部分32' の端部は好ましくは固定されている。このような取り付けは、少なくともスマートフォンの場合には、図2A及び図2Bの実施形態より容易である。実際、スマートフォンの裏側は一般に、バッテリ及びカード(SIM 及びメモリ)へのアクセスを与える着脱可能なシェルである。従って、図2A及び図2Bの壁32の端部をスマートフォンの裏側に取り付けることが不便な場合がある。この点で垂直部分36の端部が自由であることが好ましく、従って、必要に応じてプレートとシェルとの間に配置された要素に形成された通路を通じて垂直部分36の端部を浮かせておくのは簡単である。更に、反射部分32' の端部は、例えば部品を支持するプリント回路ウエハのようなスマートフォンの他の固定部分に容易に取り付けられ得る。
【0048】
プレート22の裏側と反射部分32' との間の(垂直方向の)間隔は、この実施形態では垂直部分36によって画定された領域Iの内側にあってこれらの垂直部分36に近い圧電アクチュエータ4 の厚さに応じて決められる。
【0049】
記載された実施形態の利点は、ブラッグ共振器を使用することによって、全反射に近い反射を達成することができるため、一方では有用な領域Iに音波を集中させることができ、他方では有用な領域での伝播を均質化することができるということである。特に、スマートフォンの画面に通常設けられている制御部材及び開口部は長手方向の端部に一般的に配置されていることを利用している。従って、ブラッグ共振器による分割は、有用な領域からの減衰要素の除去に役立つ。
【0050】
別の利点は、記載された実施形態がスマートフォンの小さな厚さと適合し、一般的な構造、特に画面の有用な領域を妨げないということである。
【0051】
ブラッグ共振器の大きさ決定を、振動式タッチスクリーンを設計する際に例えば経験的に行う。例えば、タッチスクリーンの様々な大きさ及び音反射率に応じて理想的なブラッグ共振器の大きさを理論的に決定し、その後、部分32又は部分32' の高さの減少を目的とする連続的な試験により大きさを調節することにより、ブラッグ共振器の大きさ決定を開始することができる。
【0052】
記載された実施形態の別の利点は、タッチスクリーンの外周部での取り付け又はタッチスクリーンの外周部の埋め込みと適合しながら、タッチスクリーンの厚さを増加させることなく、圧電アクチュエータによって発生する音波の減衰を減少させるということである。
【0053】
様々な実施形態及び変形例が記載されている。ある実施形態及び変形例が組み合わせられてもよく、他の変形例及び調整が当業者に想起される。特に、共振器部分の大きさ及び配置は用途に応じて異なる。更に、実施形態は、スマートフォンに適用された例に関連して記載されているが、これらの実施形態は、同様の問題を引き起こす、特にデバイスの厚さを増加させずに音波が均質に伝播する透明な有用な領域を有してブラッグ共振器を一体化することが望まれる透明な振動式タッチスクリーンを備えた他の電子デバイスに容易に置き換えられる。
【0054】
最後に、記載されている実施形態及び変形例の実際の実施は、上記に記載されている機能的な表示に基づいた当業者の技能の範囲内である。
【0055】
本特許出願は、参照によって本明細書に組み込まれる仏国特許出願第17/50070 号明細書の優先権を主張している。
図1
図2A
図2B
図3A-3B】