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特許7096835電子ベイピング装置または電子たばこにおけるカートリッジ認証のための方法および装置
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  • 特許-電子ベイピング装置または電子たばこにおけるカートリッジ認証のための方法および装置 図1
  • 特許-電子ベイピング装置または電子たばこにおけるカートリッジ認証のための方法および装置 図2A
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  • 特許-電子ベイピング装置または電子たばこにおけるカートリッジ認証のための方法および装置 図2C
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】電子ベイピング装置または電子たばこにおけるカートリッジ認証のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/95 20200101AFI20220629BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20220629BHJP
【FI】
A24F40/95
A24F40/53
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2019551596
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2018057548
(87)【国際公開番号】W WO2018172555
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-15
(31)【優先権主張番号】15/468,684
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ガヴリーロフ シュムエル
(72)【発明者】
【氏名】ホルツ アリー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスター バーナード
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-500017(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0020191(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0366946(US,A1)
【文献】国際公開第2014/066730(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ベイピング装置のための充電ケースであって、前記充電ケースが、
電子ベイピング装置のカートリッジの識別ラベルから認証情報を取得するように構成されたセンサーと、
前記センサーに連結された処理回路であって、前記処理回路が、
前記認証情報に基づいて前記カートリッジの認証を実施し、
前記カートリッジの前記認証の結果に基づいて、前記電子ベイピング装置の電池セクションを開錠して前記カートリッジに電力供給するかどうかを判定するように構成される、処理回路と、を備える、充電ケース。
【請求項2】
前記処理回路が、
前記電子ベイピング装置の前記充電ケースへの取り付けを検出し、
前記電子ベイピング装置の前記充電ケースへの前記取り付けを検出することに応答して、前記カートリッジの前記認証を実施するようにさらに構成される、請求項1に記載の充電ケース。
【請求項3】
前記識別ラベルが、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、近距離無線通信(NFC)タグおよび特殊インクのうちの一つである、請求項1または2に記載の充電ケース。
【請求項4】
前記特殊インクが磁気インク文字認識(MicR)コードを含む磁気インクであり、
前記センサーがMicRリーダーを含む、請求項3に記載の充電ケース。
【請求項5】
前記認証情報が、前記カートリッジを識別する識別情報を含み、
前記充電ケースが、複数のカートリッジの基準識別情報を保存するメモリをさらに含み、
前記処理回路が、
前記識別情報が前記メモリ内に保存された基準識別情報に対応するかどうかを判定することによって、前記カートリッジの前記認証を実施し、
前記識別情報が前記基準識別情報に対応する場合に、前記電子ベイピング装置の前記電池セクションを開錠するようにさらに構成される、請求項1~4のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項6】
前記識別ラベルが透かしをさらに含み、
前記認証情報が、前記透かしに対応するデジタル情報をさらに含み、
前記処理回路が、
透かしデコーディングアルゴリズムを前記デジタル情報に適用することによって前記カートリッジの前記認証を実施し、
(i)前記識別情報が前記メモリに保存された前記基準識別情報に対応する、および(ii)前記透かしデコーディングアルゴリズムの適用に成功した場合に、前記電池セクションを開錠するようにさらに構成される、請求項5に記載の充電ケース。
【請求項7】
前記識別情報に対応する前記基準識別情報が有効期限を含み、
前記処理回路が、前記有効期限が過ぎた場合に前記電池セクションを施錠状態に維持するようにさらに構成される、請求項5または6に記載の充電ケース。
【請求項8】
前記識別ラベルが透かしを含み、
前記認証情報が、前記透かしに対応するデジタル情報を含み、
前記処理回路が、
透かしデコーディングアルゴリズムを前記デジタル情報に適用することによって前記カートリッジの前記認証を実施し、
前記透かしデコーディングアルゴリズムの適用の結果に基づいて、前記電子ベイピング装置の前記電池セクションを開錠して、前記カートリッジに電力供給するかどうかを判定するようにさらに構成される、請求項1~4のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項9】
前記処理回路が、前記透かしデコーディングアルゴリズムの前記適用に成功した場合に、前記電池セクションを開錠するようにさらに構成される、請求項8に記載の充電ケース。
【請求項10】
第一の電池と、
前記充電ケースを外部電源に接続するように構成された充電器入力と、をさらに備え、
前記処理回路が、前記第一の電池または前記外部電源のうちの少なくとも一つを介して前記電池セクションの第二の電池の充電を可能にするようにさらに構成される、請求項1~9のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項11】
その中に保存されたコンピュータ可読命令を有するメモリと、をさらに備え、
前記処理回路が、前記コンピュータ可読命令を実行して、前記カートリッジの認証を実施し、前記電池セクションを制御するようにさらに構成される、請求項1~10のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項12】
電子ベイピング装置のための充電ケースであって、前記充電ケースが、
少なくとも一つの電子ベイピング装置を受けるように構成された少なくとも一つのスロットと、
前記少なくとも一つの電子ベイピング装置の識別ラベルから認証情報を取得するように構成された少なくとも一つのセンサーであって、前記認証情報が前記少なくとも一つの電子ベイピング装置のカートリッジに関連付けられる、少なくとも一つのセンサーと、
処理回路であって、
前記認証情報に基づいて、前記少なくとも一つの電子ベイピング装置の前記カートリッジの認証を実施し、
前記カートリッジの前記認証に成功したかどうかに基づいて、前記少なくとも一つの電子ベイピング装置の電池セクションを開錠して前記カートリッジに電力供給するかどうかを判定するように構成される、処理回路と、を備える、充電ケース。
【請求項13】
前記少なくとも一つのスロットに対応する少なくとも一つの中空セクションを有するカバー要素であって、前記少なくとも一つの中空セクションが、前記少なくとも一つのスロットに挿入されたときに、前記少なくとも一つのスロットから延びる前記少なくとも一つの電子ベイピング装置の一部分を受けるように構成され、前記カバー要素が、開閉し、閉じたときに前記少なくとも一つの電子ベイピング装置を覆うように構成される、カバー要素、をさらに備える、請求項12に記載の充電ケース。
【請求項14】
前記処理回路が、前記少なくとも一つのスロットと関連付けられた境界面における抵抗の変化を検出することによって、前記少なくとも一つの電子ベイピング装置の前記少なくとも一つのスロット内への挿入を検出するようにさらに構成され、前記境界面が、前記少なくとも一つの電子ベイピング装置と前記充電ケースとの間の電気的接続を提供する、請求項12または13に記載の充電ケース。
【請求項15】
前記少なくとも一つのセンサーが、前記処理回路による、前記少なくとも一つの電子ベイピング装置の前記少なくとも一つのスロット内への前記挿入の検出に応答して前記認証情報を取得するようにさらに構成される、請求項14に記載の充電ケース。
【請求項16】
前記識別ラベルが前記カートリッジ上にある、請求項12~15のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項17】
前記識別ラベルが、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、近距離無線通信(NFC)タグおよび特殊インクのうちの一つである、請求項16に記載の充電ケース。
【請求項18】
前記特殊インクが磁気インク文字認識(MicR)コードを含む磁気インクであり、
前記少なくとも一つのセンサーがMicRリーダーを含む、請求項17に記載の充電ケース。
【請求項19】
前記認証情報が、前記カートリッジの識別情報を含み、
前記処理回路が、
前記識別情報が前記充電ケースのメモリに保存された基準識別情報に対応する場合に、前記カートリッジの前記認証に成功したと判定し、
前記カートリッジの前記認証に成功した場合に前記電池セクションを開錠するようにさらに構成される、請求項12~18のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項20】
前記識別ラベルが透かしをさらに含み、
前記認証情報が、前記透かしに対応するデジタル情報をさらに含み、
前記処理回路が、
透かしデコーディングアルゴリズムを前記デジタル情報に適用することによって前記カートリッジの前記認証を実施し、
(i)前記識別情報が前記メモリに保存された前記基準識別情報に対応する、および(ii)前記透かしデコーディングアルゴリズムの適用に成功した場合に、前記カートリッジの前記認証に成功したと判定するようにさらに構成される、請求項19に記載の充電ケース。
【請求項21】
前記識別情報に対応する前記基準識別情報が有効期限を含み、
前記処理回路が、前記有効期限が過ぎた場合に前記電池セクションを施錠状態に維持するようにさらに構成される、請求項19または20に記載の充電ケース。
【請求項22】
前記識別ラベルが透かしを含み、
前記認証情報が、前記透かしから取得されたデジタル情報を含み、
前記処理回路が、
透かしデコーディングアルゴリズムを前記デジタル情報に適用することによって前記カートリッジの前記認証を実施し、
前記透かしデコードアルゴリズムの前記デジタル情報への前記適用に成功したかどうかに基づいて、前記少なくとも一つの電子ベイピング装置の前記電池セクションを開錠して前記カートリッジに電力供給するかどうかを判定するようにさらに構成される、請求項12~18のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項23】
前記二つ以上のスロットのそれぞれが、電子ベイピング装置を受けるように構成される、二つ以上のスロットと、
前記二つ以上のスロット間の仕切りであって、前記二つ以上のスロットのうちのいずれか二つを分離するように構成される、仕切りと、をさらに備え、
前記少なくとも一つのセンサーおよび前記処理回路が前記仕切り上に位置付けられる、請求項12~22のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項24】
前記カートリッジの前記認証に成功したかどうかを示す情報を提供するように構成されたディスプレイをさらに備え、
前記処理回路が、前記ディスプレイを駆動して、前記カートリッジの前記認証に成功したかどうかを示す前記情報を提供するようにさらに構成される、請求項12~23のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項25】
前記カートリッジの前記認証に成功したかどうかを示す情報を提供するように構成された音声出力をさらに含み、
前記処理回路が、前記音声出力を駆動して、前記カートリッジの前記認証に成功したかどうかを示す情報を提供するように構成される、請求項12~24に記載の充電ケース。
【請求項26】
その中に保存されたコンピュータ可読命令を有するメモリをさらに備え、
前記処理回路が、前記コンピュータ可読命令を実行して、前記カートリッジの前記認証を実施し、前記電池セクションを制御するように構成される、請求項12~25のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項27】
前記処理回路が、
前記電池セクションの第一の電池が前記カートリッジに電力供給するのに十分に充電されているかどうかを判定し、
前記電池セクションの前記第一の電池が前記カートリッジに電力供給するのに十分に充電されていないと判定することに応答して前記第一の電池の充電を可能にするようにさらに構成される、請求項12~26のいずれかに記載の充電ケース。
【請求項28】
第二の電池と、
前記充電ケースを外部電源に接続するように構成された充電器入力と、をさらに備え、
前記処理回路が、前記第二の電池および前記外部電源のうちの少なくとも一つを介して前記電池セクションの前記第一の電池の前記充電を可能にするようにさらに構成される、請求項27に記載の充電ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
少なくとも幾つかの例示的な実施形態は、一般的に電子ベイピング(eベイピング)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ベイピング(eベイピング)装置は、カートリッジ部分および電池部分を含む。カートリッジ部分は、電池部分に取り付けられ、成人ベイパー吸引者によるベイピングを可能にする。電池部分に取り付けられる際に、偽造、期限切れ、または安全でないカートリッジが機能することが許容される場合、これは、eベイピング装置への損傷などの望ましくない結果をもたらしうる。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置のカートリッジの識別ラベルから認証情報を取得するように構成されたセンサーと、センサーに結合された処理回路とを備える。処理回路は、認証情報に基づいてカートリッジの認証を実施し、カートリッジの認証結果に基づいて、電子ベイピング装置の電池セクションを開錠してカートリッジに電力供給するかどうかを判定するように構成される。
【0004】
少なくとも一つの例示的な実施形態によると、処理回路は、電子ベイピング装置の装置への取り付けを検出し、電子ベイピング装置の装置への取り付けの検出に応答してカートリッジの認証を実施するように、さらに構成されうる。識別ラベルは、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、近距離無線通信(NFC)タグおよび特殊インクのうちの一つとしうる。特殊インクは、磁気インク文字認識(MiCR)コードを含む磁気インクとしうる。センサーは、MiCRリーダーを含みうる。
【0005】
認証情報は、カートリッジを識別する識別情報を含んでもよく、装置は、複数のカートリッジに対する基準識別情報を保存するメモリをさらに含んでもよく、処理回路は、識別情報がメモリに保存された基準識別情報に対応するかどうかを判定することでカートリッジの認証を実施し、識別情報が基準識別情報に対応する場合に電子ベイピング装置の電池セクションを開錠するようにさらに構成されてもよい。
【0006】
識別ラベルは透かしをさらに含んでもよく、認証情報は透かしに対応するデジタル情報を含んでもよい。処理回路は、透かしデコーディングアルゴリズムをデジタル情報に適用することでカートリッジの認証を実施し、(i)識別情報がメモリに保存された基準識別情報に対応する、または(ii)透かしデコーディングアルゴリズムの適用に成功した、あるいは、(i)および(ii)の両方である場合に、電源セクションを開錠するようにさらに構成されうる。
【0007】
識別情報に対応する基準識別情報は有効期限を含んでもよく、処理回路は、有効期限が過ぎた場合に電源セクションを施錠状態に維持するようにさらに構成されうる。
【0008】
識別ラベルは、透かしを含んでもよく、認証情報は、透かしに対応するデジタル情報を含んでもよい。処理回路は、透かしデコーディングアルゴリズムをデジタル情報に適用することでカートリッジの認証を実施し、透かしデコーディングアルゴリズムの適用の結果に基づいて、電子ベイピング装置の電源セクションを開錠してカートリッジに電力供給するかどうかを判定するようにさらに構成されうる。処理回路は、透かしデコーディングアルゴリズムの適用に成功した場合に電源セクションを開錠するようにさらに構成されうる。
【0009】
少なくとも幾つかの例示的な実施形態によると、装置は、第一の電池と、装置を外部電源に接続するように構成された充電器入力とをさらに含みうる。処理回路は、第一の電池または外部電源のうちの少なくとも一つを介して電池セクション内の第二の電池を充電することを可能にするようにさらに構成されうる。
【0010】
装置は、その中に保存されたコンピュータ可読命令を有するメモリをさらに含んでもよい。処理回路は、コンピュータ可読命令を実行してカートリッジの認証を実施し、電源セクションを制御するようにさらに構成されうる。
【0011】
少なくとも一つの別の例示的な実施形態は、少なくとも一つの電子ベイピング装置を受けるように構成された少なくとも一つのスロットと、少なくとも一つの電子ベイピング装置の識別ラベルから認証情報を取得するように構成された少なくとも一つのセンサーであって、認証情報が少なくとも一つの電子ベイピング装置のカートリッジに関連付けられている、少なくとも一つのセンサーと、処理回路と、を備える装置を提供する。処理回路は、認証情報に基づいて少なくとも一つの電子ベイピング装置のカートリッジの認証を実施し、カートリッジの認証に成功したかどうかに基づいて少なくとも一つの電子ベイピング装置の電池セクションを開錠してカートリッジに電力供給するかどうかを判定するように構成される。
【0012】
装置は、少なくとも一つのスロットに対応する少なくとも一つの中空セクションを有するカバー要素をさらに含みうる。少なくとも一つの中空セクションは、少なくとも一つのスロットに挿入されるときに少なくとも一つのスロットから延びる少なくとも一つの電子ベイピング装置の一部分を受けるように構成されうる。カバー要素は、開閉し、閉じたときに少なくとも一つの電子ベイピング装置を覆うように構成されうる。
【0013】
処理回路は、少なくとも一つのスロットに関連付けられた境界面における抵抗の変化を検出することによって、少なくとも一つの電子ベイピング装置の少なくとも一つのスロット内への挿入を検出するようにさらに構成されうる。境界面は、少なくとも一つの電子ベイピング装置と装置との間の電気的接続を提供しうる。
【0014】
少なくとも一つのセンサーは、処理回路による少なくとも一つの電子ベイピング装置の少なくとも一つのスロット内への挿入の検出に応答して、認証情報を取得するようにさらに構成されうる。
【0015】
識別ラベルは、カートリッジ上にあってもよい。識別ラベルは、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、近距離無線通信(NFC)タグおよび特殊インクのうちの一つとしうる。特殊インクは、磁性インク文字認識(MiCR)コードを含む磁気インクであってもよく、少なくとも一つのセンサーはMiCRリーダーを含みうる。
【0016】
認証情報は、カートリッジの識別情報を含みうる。処理回路は、識別情報が装置のメモリに保存された基準識別情報に対応する場合にカートリッジの認証に成功したと判定し、カートリッジの認証に成功したときに電池セクションを開錠するようにさらに構成されうる。
【0017】
識別ラベルは透かしをさらに含んでもよく、認証情報は透かしに対応するデジタル情報をさらに含んでもよい。処理回路は、透かしデコーディングアルゴリズムをデジタル情報に適用することでカートリッジの認証を実施し、(i)識別情報がメモリに保存された基準識別情報に対応する、および(ii)透かしデコーディングアルゴリズムの適用に成功した場合に、カートリッジの認証に成功したと判定するようにさらに構成されうる。
【0018】
識別情報に対応する基準識別情報は有効期限を含んでもよく、処理回路は、有効期限が過ぎた場合に電源セクションを施錠状態に維持するようにさらに構成されうる。
【0019】
識別ラベルは、透かしを含んでもよく、認証情報は、透かしから取得したデジタル情報を含んでもよい。処理回路は、透かしデコーディングアルゴリズムをデジタル情報に適用することでカートリッジの認証を実施し、透かしデコーディングアルゴリズムのデジタル情報への適用に成功したかどうかに基づいて、少なくとも一つの電子ベイピング装置の電源セクションを開錠してカートリッジに電力供給するかどうかを判定するようにさらに構成されうる。
【0020】
装置は、二つ以上のスロットであって、そのそれぞれが、電子ベイピング装置を受けるように構成される、二つ以上のスロットと、二つ以上のスロットの間の仕切りであって、二つ以上のスロットのいずれか二つを分離するように構成される、仕切りと、をさらに含みうる。少なくとも一つのセンサーおよび処理回路は、仕切り上に位置付けられうる。
【0021】
装置は、カートリッジの認証に成功したかどうかを示す情報を提供するように構成されたディスプレイをさらに含みうる。処理回路は、ディスプレイを駆動して、カートリッジの認証に成功したかどうかを示す情報を提供するようにさらに構成されうる。
【0022】
装置は、カートリッジの認証に成功したかどうかを示す情報を提供するように構成された音声出力をさらに含みうる。処理回路はさらに、音声出力を駆動して、カートリッジの認証に成功したかどうかを示す情報を提供するように構成されうる。
【0023】
装置は、その中に保存されたコンピュータ可読命令を有するメモリをさらに含んでもよい。処理回路は、コンピュータ可読命令を実行してカートリッジの認証を実施し、電源セクションを制御するようにさらに構成されうる。
【0024】
装置はさらに、第一の電池と、装置を外部電源に接続するように構成された充電器入力とをさらに含みうる。処理回路は、電池セクションの第二の電池がカートリッジに電力供給するのに十分に充電されているかどうかを判定し、電池セクションの第二の電池がカートリッジに電力供給するのに十分に充電されていないと判定するのに応答して第二の電池の充電を可能にするようにさらに構成されうる。
【0025】
処理回路は、第一の電池または外部電源のうちの少なくとも一つを介して電池セクションの第二の電池を充電することを可能にするようにさらに構成されうる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
例示的な実施形態の上記およびその他の特徴および利点は、例示的な実施形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。添付の図面は、例示的な実施形態を描写することを意図したものであり、意図された特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。
図1図1は、一つの例示的な実施形態による電子ベイピング(eベイピング)装置を示す。
図2A図2Aは、電子ベイピング装置のための個人用充電ケースの例示的な実施形態を示す。
図2B図2Bは、図2Aに示す個人用充電ケースの内部図または切り欠き図を示す。
図2C図2Cは、図2Aに示す個人用充電ケースの様々な構成要素間の例示的な電気的接続を示すブロック図である。
図3図3は、図2A図2Cに示す個人用充電ケースのコントローラ264の例示的な実施形態を示す。
図4図4は、例示的な実施形態による、カートリッジ認証方法を示すフローチャートである。
図5図5は、電子ベイピング装置の電池セクションの内側の電池の充電を可能にするための方法の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
幾つかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型にすぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0028】
それに応じて、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その実施形態は例として図面に示されていて、本明細書で詳細に説明される。しかし当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるすべての修正、均等物、代替物を網羅するものである。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0029】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接ある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、またはそれを直接的に覆う場合があり、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0030】
当然のことながら、第一の、第二の、第三のなどの用語は、様々な要素、領域、層、またはセクションを説明するために本明細書で使用されてもよく、これらの要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの要素、領域、層、またはセクションを別の要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0031】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に描写されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていると理解されるべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0032】
本明細書で使用される用語は、様々な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の限定を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は述べられた特徴、整数、工程、動作、または要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0033】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または公差の結果としてもたらされた図の形状からの変形が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造の結果としてもたらされる形状の逸脱を含むものである。従って、図に図示された領域は、本質的に概略的なものであり、それらの形状は、装置の領域の実際の形状を図示することを意図せず、例示的な実施形態の範囲を限定することを意図しない。
【0034】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0035】
図1は、一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置を示す。
【0036】
図1を参照すると、電子ベイピング(eベイピング)装置100は、交換可能なカートリッジ120(カートリッジ、カートリッジ部分、第一のセクション、またはカートリッジセクションとも呼ばれうる)および電池セクション140(電池部分、第二のセクション、電源部分、または電源セクションとも呼ばれうる)を含む。電池セクション140は、再使用可能であってもよく、再使用可能な電池を含んでもよく、またはその両方であってもよい。カートリッジ120は、ベイパーを生成するための予分散製剤(またはプレベイパー製剤)を含む、現在周知の、または開発される、任意のカートリッジとしうる。カートリッジ120は、ベイパーへと変わる予分散製剤を加熱するための回路をさらに含んでもよい。
【0037】
電池セクション140は、その他の構成要素(例えば、電池レベルインジケータなど)の中でもとりわけ、電子ベイピング装置100内のカートリッジ120に電力供給するための電池を含みうる。
【0038】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、カートリッジ120および電池セクション140は、物理的に(機械的、電気的、または両方で)互いに接続されうる。一例では、こうした物理的接続は、オスコネクター150(第一のコネクター、第一の端またはオス端部とも呼ばれうる)およびメスコネクター160(同じく第二のコネクター、第二の端またはメス端部とも呼ばれうる)などの、適切なオス/メスコネクターを介して可能になる。図1は、電池セクション140と関連付けられたオスコネクター150およびカートリッジ120と関連付けられたメスコネクター160を示すが、例示的な実施形態はこれに限定されない。例えば、オスコネクター150がカートリッジ120と関連付けられてもよく、メスコネクター160が電池セクション140と関連付けられてもよい。
【0039】
物理的接続は、電子ベイピング装置100の動作のために(例えば、予分散製剤またはプレベイパー製剤を加熱することによって生成されるベイパーを交換可能なカートリッジ120の出口を通して引き出す)、電池セクション140がカートリッジ120に電力供給できるようにしうる。
【0040】
図1に示す例では、カートリッジ120と電池セクション140との間の物理的接続は、電池セクション140のオスコネクター150がカートリッジ120のメスコネクター160にねじ込まれるものとしうる。
【0041】
ただし、オスコネクター150がカートリッジ120と関連付けられ、メスコネクター160が電池セクション140と関連付けられている場合には、カートリッジ120と電池セクション140との間の物理的接続は、電池セクション140のメスコネクター160がカートリッジ120のオスコネクター150にねじ込まれるものとしうる。スクリューまたはねじ接続として示されるが、本明細書に記載のコネクターは、例えば、滑り嵌めコネクター、戻り止めコネクター、クランプコネクター、留め金コネクターなどとしうる。
【0042】
図1をさらに参照すると、カートリッジ120と電池セクション140との間の接続点には、カートリッジ120と電池セクション140との間の電気的接続および連通のうちの少なくとも一つを確立する一つ以上のピンがあってもよい。
【0043】
図1に示すように、カートリッジ120は、カートリッジ120の本体上に識別ラベル170をさらに含みうる。識別ラベル170は、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、近距離無線通信(NFC)タグ、特殊(例えば、磁気)インク、またはレーザー、MiCRリーダー、その組み合わせ、またはその他の読み取りデバイスなどのリーダーによって可読な任意の他のタイプの識別ラベルを含みうる。しかし、例示的な実施形態は、これらの実施例に限定されるべきではない。磁気インクなどの特殊インクは、磁気インク文字認識(MiCR)コードを含みうるが、これは、MiCRリーダーが特殊インクを使用して作成されたマークまたはラベルをスキャンしてこれから直接情報を読み取ることを可能にする文字認識技術である。識別ラベル170は、図1ではカートリッジ120の本体の特定の部分上にあるもとして示されているが、例示的な実施形態はこれに限定されない。むしろ、識別ラベル170は、カートリッジ120上のいずれの位置にあってもよい。
【0044】
少なくとも幾つかの例示的な実施形態によると、カートリッジ識別ラベル170は、肉眼では見えないが、リーダー(例えば、光学リーダー)および透かしデコーディングアルゴリズムを使用して認識されうる透かしであってもよく、あるいは、透かしをさらに含んでもよい。カートリッジ識別ラベル170が透かしであるか、または透かしを含む場合、カートリッジ識別ラベル170の偽造の試みは、透かし(または透かしエンコーディング)の損失につながり、それによって偽造ラベルが無効になり、認証が不能となりうる。一般的に知られているように、透かしの例は、サイズ、色調、および空間的配置が共に透かしを構成するように空間的に配置される、非常に狭い範囲の色調にわたる様々なサイズのドットパターンでありうる。透かしデコーディングアルゴリズム(リーダーアルゴリズムとも呼ばれる)は、印刷機械によってカートリッジ識別ラベル170上に印刷されうる特定の透かしパターンに「調整」される。カートリッジ識別ラベル170を高品質のスキャナーでスキャンし、固有の認識文字を認識しない高品質プリンタで再印刷することによっても、このようなラベルの偽造の試みは不純物を導入し、それによって透かしデコーディングアルゴリズムを機能させない。
【0045】
電子ベイピング装置100の動作、および電池セクション140が動作し、カートリッジ120内の予分散製剤を加熱するためにカートリッジ120に電力供給する方法は、周知の、または開発される、任意の方法に基づきうる。例えば、本明細書で説明されるような電子ベイピング装置は、2013年1月31日に出願された米国特許出願第2013/0192623号(Tuckerら)に記載される特徴のうち一つ以上を含みうるが、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。その他の例示的な実施形態では、電子ベイピング装置は、2016年4月22日に出願された米国特許出願第15/135,930号、2016年4月22日に出願された米国特許出願第15/135,923号、および2016年3月22日に公布された米国特許第9,289,014号のうちの少なくとも一つに記載の特徴を含んでもよく、それぞれの内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される「電子ベイピング装置」または「eベイピング装置」という用語は、形態、大きさ、または形状にかかわらず、すべての種類の電子ベイピング装置を含む。
【0046】
図2Aは、電子ベイピング装置用の個人用充電ケース(PCC)の例示的な実施形態を示す。
【0047】
図2Aを参照すると、PCC200は、本体要素201(以下、PCC「本体」と呼ばれうる)を含む。本体201は、スロット205および210を含む。スロット205および210のそれぞれは、図1に示す電子ベイピング装置100などの一つの電子ベイピング装置を受けるように構成される。図2Aは、二つの電子ベイピング装置を受ける(例えば、図1の電子ベイピング装置100をスロット205に、同一のまたは類似の電子ベイピング装置110をスロット210に)ための二つのスロットを有するものとして本体201を示すが、例示的な実施形態はこの例に限定されない。むしろ、本体201は、任意の数のスロット(例えば、1つのスロット、3つのスロットなど)を含みうる。
【0048】
PCC200は、PCC「カバー」としても本明細書で言及される、カバー要素202を含む。カバー202は、スロット215および220を含む。スロット215および220の各々は、本体201内のスロット205および210のうちの一つに対応する。スロット215および220のそれぞれは、スロット205および210のうちの対応する一つの外側に延びる電子ベイピング装置の一部分を受けるように構成される。スロット205の外側に延びる電子ベイピング装置100の一部分は、参照符号222(以下、延長部分222)によって示され、スロット210の外側に延びる電子ベイピング装置110の一部分は、参照符号224(以下、延長部分224)で示される。したがって、本体201のスロット205および210のそれぞれは、カバー202のスロット215および220のうちの対応する一つと共に、組み立てられた電子ベイピング装置100または組み立てられた電子ベイピング装置110が収容されうるエンクロージャを集合的に確立する。
【0049】
少なくとも一つの代替的な例示的な実施形態では、スロット215および220を有する代わりに、カバー202は、電子ベイピング装置100および110の延長部分222および224を覆うための空の/中空のセクションを内側に有してもよい。
【0050】
図2Aに示す例示的な実施形態では、カバー202はヒンジ225を介して本体201に取り付けられる。この例では、カバー202は、ヒンジ225の周りを回転/旋回し、本体201に取り付けられたまま、カバー202を開閉することを許容する。カバー202は、カバー202が閉じた時に、本体201の上方部分を完全に覆う。
【0051】
少なくとも一つの例示的な実施形態によると、PCC200の本体201およびカバー202は、金属、プラスチック、または適切な材料または材料の任意の組み合わせで作製されうる。
【0052】
さらに図2Aを参照すると、PCC200は、スロット205および210を分離する仕切り230をさらに含む。
【0053】
PCC200の本体201は、ディスプレイ250を含む(例えば、その外側に)。ディスプレイ250は、周知の、または開発される、任意のタイプのデジタルディスプレイとしうる。例えば、ディスプレイ250は、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、電気泳動(電子ペーパー(e-ペーパー))ディスプレイ等であってもよい。以下に記述されるように、ディスプレイ250は、電子ベイピング装置100のカートリッジ120の状態(または電子ベイピング装置110のカートリッジの状態)、電子ベイピング装置100の電池セクション140の状態(または電子ベイピング装置110の電池セクションの状態)、PCC200の電池の状態、およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、PCC200、電子ベイピング装置100、および電子ベイピング装置110のうちの少なくとも一つに関する情報を表示(視覚的出力または視覚的表示を提供)しうる。カートリッジ120の状態は、例えば、カートリッジ120の内側に残っている予分散製剤の量に対応しうる。電池セクション140の状態は、例えば、電池セクション140の電池の内側に残っている充電量に対応しうる。PCC200の電池の状態は、例えば、PCC200の電池の内側に残っている充電量に対応しうる。
【0054】
PCC200はまた、スピーカー(音声出力供給装置)251を含む。スピーカー251は、音声信号(または音声表示)を出力することができる、周知の、または開発される、任意のスピーカーとしうる。少なくとも幾つかの例示的な実施形態によると、PCC200、電子ベイピング装置100、またはその両方に関する様々なタイプの情報は、スピーカー251を通して音声信号を出力することによって通信されうる。少なくとも一つの例示的な実施形態では、ディスプレイ250を介して伝達される情報はまた、(または別の方法として)スピーカー251を介して音声信号または音声表示の形態で伝達されうる。
【0055】
図2Bは、図2Aに示すPCCの内部図または切り欠き図を示す。図2Bに示す例示的な実施形態では、二つの電子ベイピング装置100および110は、それぞれスロット205および210内に挿入される。
【0056】
図2Bを参照すると、PCC200は、カートリッジリーダー(例えば、センサー)260および262、コントローラ264、電池265(PCC電池265とも呼ばれうる)、境界面266および268、および充電器入力270を含む。図2Bに示す例示的な実施形態では、カートリッジリーダー260および262、コントローラ264および充電器入力270は、PCC200の本体201内の仕切り230に沿って位置する。この例では、PCC電池265は、仕切り230に沿って、かつコントローラ264の比較的すぐ近くに位置する。しかし、カートリッジリーダー260および262、コントローラ264、PCC電池265、および仕切り230に沿って位置する充電器入力270の正確な位置決めは、図2Bに示す例に限定されない。
【0057】
図2Bに示す例示的な実施形態では、カートリッジリーダー260および262のそれぞれは、スロット205および210の対応する一つと関連付けられ、対応するスロットに挿入された電子ベイピング装置の識別ラベルの位置と整列するように位置付けられる。この例では、カートリッジリーダー260は、スロット205内に挿入された電子ベイピング装置100の識別ラベル170と整列するように位置付けられてこれを読み取り、カートリッジリーダー262は、スロット210内に挿入された電子ベイピング装置110の識別ラベル175と整列するように位置付けられてこれを読み取る。
【0058】
少なくとも一つの他の例示的な実施形態によると、PCC200は、スロット205および210のうちの対応する一つ内に挿入された電子ベイピング装置の識別ラベルを読み取るための単一のカートリッジリーダーを含みうる。図2Bは、スロット205および210内に挿入される電子ベイピング装置100および110を示すが、例示的な実施形態はそれに限定されず、任意のタイプの電子ベイピング装置がスロット205および210内に挿入されうる。
【0059】
さらに図2Bを参照すると、カートリッジリーダー260および262は、それぞれ電子ベイピング装置100および110上に提供される識別ラベル170および175を読み取ることができる、周知の、または開発される、任意のリーダーとしうる。例えば、カートリッジリーダー260および262は、近距離無線通信(NFC)リーダー、バーコードおよびQRコードを読み取るためのレーザー、MiCRリーダー、光学リーダー、それらの組み合わせ等としうる。
【0060】
図3を参照しながらさらに下記に説明するコントローラ264は、メモリ、処理回路(例えば、プロセッサまたはその他の集積回路)およびトランシーバを含みうる。少なくとも一つの例示的な実施形態では、識別ラベル170または識別ラベル171の読み取りをカートリッジリーダー260および262のうちの対応する一つから受信することに応答して、コントローラ264は、カートリッジ120に電力供給するために電池セクション140内の電池を選択的に有効にする(制御する)。これについて、コントローラ264の追加的な機能と共に、図4および5を参照しながら以下にさらに説明する。
【0061】
図2Bに戻ると、PCC電池265は、PCC200に電力供給することができる、PCC200内に挿入された電子ベイピング装置を充電することができる、PCC200が充電器入力270を介して外部電源に接続されるときに充電されることができる、またはそれらの組み合わせである、周知の、または開発される、任意の電池としうる。少なくとも一つの例示的な実施形態では、電子ベイピング装置100がスロット205または210内に挿入されると、PCC200のPCC電池265が境界面266および268の対応する一つを介して電子ベイピング装置100の電池セクション140を充電しうる(例えば、挿入された電子ベイピング装置100とPCC200との間の電気的接続を確立するように構成された境界面266または268の電子ピンを介して)。
【0062】
充電器入力270は、PCC200の本体201の底部に位置付けられてもよい。しかしながら、例示的な実施形態は、それに限定されない。充電器入力270は、PCC電池265を充電するためにPCC200を外部電源に接続する、およびPCC200内に挿入されると電子ベイピング装置100および110の電池(例えば、電池セクション140)を充電する、のうちの一つのために使用されうる。少なくとも一つの例示的な実施形態によると、PCC電池265を介して、または外部電源を介して、電池セクション140を充電することが可能である。少なくとも幾つかの例示的な実施形態によると、充電器入力270は、マイクロUSB接続、USB-C接続等のユニバーサルシリアルバス(USB)接続としうる。
【0063】
図2Bに示すように、境界面266および268のそれぞれは、スロット205および210の対応する一つの底部に位置付けられうる。電子ベイピング装置100および110をスロット205および210内にそれぞれ配置すると、物理的(例えば、電気および機械的な接続のうちの少なくとも一つ)接続が、上述するように、対応するピンを介して、挿入された電子ベイピング装置と(またはより具体的には、挿入された電子ベイピング装置の電池セクションと)対応する境界面との間に確立されうる。図2Bに示す例では、境界面266は、電子ベイピング装置100と境界面266との間の物理的接続を検出し、境界面268は、電子ベイピング装置110と境界面268との間の物理的接続を検出する。
【0064】
境界面266および268は、電源(例えば、PCC200のPCC電池265および充電器入力270に接続された外部電源のうちの少なくとも一つ)から電子ベイピング装置100または110の電池セクション(例えば、電池セクション140)への電力の伝達を容易にしうる。
【0065】
さらに別の例示的な実施形態では、境界面266および268のそれぞれは、処理回路および少なくとも一つの抵抗要素(回路と総称される)を含みうる。一つの例示的な実施形態では、回路は、電子ベイピング装置100、110のうちの少なくとも一つが挿入されるとき、および対応するスロット205、210との物理的接続が確立されるときに、抵抗を生成するために利用されうる。少なくとも一つの例示的な実施形態では、回路は、確立された接続を示すために生成された抵抗をコントローラ264に送信するようにさらに構成されてもよく、またコントローラ264は、発生した抵抗に基づいて、電子ベイピング装置100、110と対応するスロット205、210との間の確立された物理的接続を検出してもよい。
【0066】
少なくとも一つの例示的実施形態によると、そして、上述の物理的接続を検出すること、および上述の抵抗を生成することのうちの少なくとも一つの目的のために、境界面266および268は、2016年3月11日に出願された米国特許出願第15/067,323号(Husejnovicら)に記載されるように動作しうるが、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0067】
コントローラ264、PCC電池265、境界面266および268、および充電器入力270の間の様々な例示的な接続が、図2Cを参照して以下にさらに説明される。
【0068】
図2Cは、図2Aおよび2Bに示すPCC200の様々な構成要素の間の例示的な電気的接続を示すブロック図である。図2Cに示すように、コントローラ264は、PCC電池265、およびリーダー260および262に接続される。この例示的な実施形態では、PCC電池265は、その動作のためにコントローラ264に電力を供給する。以下でより詳細に論じるように、コントローラ264は、カートリッジリーダー260および262のうちの一つまたは複数にコマンドを送信し、カートリッジリーダー260および262の一つ以上、または両方から識別データおよび認証データを受信しうる。コントローラ264はまた、スイッチ292、294、296、および境界面266および268に接続される。コントローラ264のより詳細な考察は後で提供する。
【0069】
PCC電池265は、対応するスイッチ292および294を介して境界面266および268に接続され、これは以下にさらに説明される。図2Cに具体的には示されていないが、PCC電池265とスイッチ292との間にダイオードが接続されて、境界面266を通してPCC電池265から電池セクション140の電池への一方向の充電の流れを確保してもよい(例えば、電池セクション140の電池を充電する目的のために)。同様に、PCC電池265とスイッチ294との間にダイオードが接続されて、境界面268を通してPCC電池265から電池セクション140の電池への一方向の充電の流れを確保してもよい(例えば、電池セクション140の電池を充電する目的のために)。
【0070】
図2Cでは、充電器入力270は、ダイオード290およびスイッチ296を介してPCC電池265に接続される。図2Cに示す例示的な実施形態では、充電器入力270がダイオード290の陽極に接続され、スイッチ296がダイオード290の陰極に接続されて、外部電源からPCC電池265への一方向の充電の流れを確保している(例えば、外部電源に接続されたときにPCC電池265を充電する目的のために)。この例示的な実施形態では、コントローラ264は、選択的に電力が充電器入力270からPCC電池265へ流れることを可能にするようにスイッチ296を制御する。一つの例示的な実施形態では、コントローラ264はスイッチ296を閉じ、充電器入力270からPCC電池265へ電力が流れることを可能にする。
【0071】
図2Cにも示すように、充電器入力270は、ダイオード291およびスイッチ292を介して境界面266に接続される。図2Cに示す例示的な実施形態では、充電器入力270がダイオード291の陽極に接続され、スイッチ292がダイオード291の陰極に接続されて、外部電源から境界面266への一方向の充電の流れを確保している(例えば、スロット105内に挿入されると、電子ベイピング装置100の電池セクション140を充電する目的のために)。この例示的な実施形態では、コントローラ264はスイッチ292を制御して、PCC電池265および外部電源のうちの少なくとも一つから境界面266へ電力が流れることを選択的に可能にする。一つの例示的な実施形態では、コントローラ264は、スイッチ292を閉じて、PCC電池265および外部電源のうちの少なくとも一つから境界面266へ電力が流れることを可能にしうる。他の実施形態では、コントローラ264は、スイッチ292を制御してPCCバッテリ265または充電器入力270から接続面266へと電流を流すことを可能にしうる。
【0072】
充電器入力270はまた、ダイオード293およびスイッチ294を介して境界面268に接続される。充電装置入力270がダイオード293の陽極に接続され、スイッチ294がダイオード293の陰極に接続されて、外部電源から境界面268への一方向の充電の流れを確保する(例えば、スロット210内に挿入されると、電子ベイピング装置100の電池セクション140の電池を充電する目的のために)。この例示的な実施形態では、コントローラ264はスイッチ294を制御して、PCC電池265および外部電源のうちの少なくとも一つから境界面268へ電力が流れることを選択的に可能にする。少なくとも一つの例示的な実施形態では、コントローラ264は、スイッチ294を閉じて、PCC電池265および外部電源のうちの少なくとも一つから境界面268へ電力が流れることを可能にしうる。他の実施形態では、コントローラ264は、スイッチ294を制御してPCCバッテリ265または充電器入力270から接続面268へと電流を流すことを可能にしうる。
【0073】
少なくとも幾つかの例示的な実施形態によると、スイッチ292、294および296は、任意の適切なトランジスタまたはその他の電気回路または電気機械構造を含む、任意の周知のスイッチとしうる。
【0074】
図3は、図2A~2Cに示すPCC200のコントローラ264の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【0075】
図3に示すように、コントローラ264は、処理回路(例えば、少なくとも一つのプロセッサ)310、メモリ320、およびトランシーバ330を含む。処理回路310、メモリ320、およびトランシーバ330は、互いに通信可能に結合される。
【0076】
トランシーバ330は、PCC200と遠隔装置との間のデータの送信および受信のうちの少なくとも一つのための、周知の、または開発される、任意のトランシーバとしうる。一つの例示的な実施形態において、トランシーバ300は、下記に説明する通り、PCC200と遠隔装置との間の無線通信の確立を可能にしうる。
【0077】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、処理回路310は少なくとも一つのプロセッサを含みうる。この例では、プロセッサは、メモリ320に保存されたコンピュータ可読命令を実行するように構成された、周知の、または開発される、任意のプロセッサとしうる。メモリ320に保存されたコンピュータ可読命令の実行は、少なくとも一つのプロセッサを、本明細書に記載する機能(例えば、カートリッジ120を認証し、電池セクション140の内側の電池の充電を可能にするなど)を実行するための特殊用途プロセッサに変える。
【0078】
プロセッサおよびメモリに関して一部の事例で考察したが、少なくとも幾つかの例示的な実施形態によると、コントローラ264(または制御回路または処理回路)は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアを実行するハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせとしうる。例えば、コントローラ264は、一つ以上の中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはコントローラ264の機能を実施するための特殊用途機械として構成されたその他の回路を含みうる。コントローラ264の例示的な機能は、図4および5に関して以下でより詳細に説明される。
【0079】
処理回路310は、適切な信号/コマンドをPCC200の他の構成要素に送信してもよく、例えば、図4を参照して以下に説明するように、処理回路310によるカートリッジ120の認証に応答して、電池セクション140にコマンドを送信し、その中に含まれる電池を開錠してカートリッジ120に電力供給しうる。
【0080】
図4は、例示的な実施形態による、カートリッジ認証方法を示すフローチャートである。図4はコントローラ264の観点から説明されるが、当然のことながら、カートリッジ認証工程それぞれは、コントローラ264の処理回路310によって実施されうる。さらに、図4は、PCC200のスロット205内に挿入される電子ベイピング装置100を参照して説明される。しかし、当然のことながら、図4に示すプロセスは、PCC200のスロット210内に挿入された電子ベイピング装置(例えば、電子ベイピング装置110)に関して(例えば、連続的に、並行に、および同時に、のいずれか一つで)適用されうる。
【0081】
図4を参照すると、電子ベイピング装置100がスロット205内に挿入されると、S400で、コントローラ264は、PCC200のスロット205内への電子ベイピング装置100の挿入を検出する。一例では、電池セクション140は、電子ベイピング装置100がスロット205内に挿入されるときに、施錠状態にあってもよい。電池セクション140が施錠状態にある場合、電池セクション140の内側の電池は、電子ベイピング装置100がスロット205内にあり、カートリッジ120が電池セクション140に接続されているときであっても、カートリッジ120に電力供給することを許容されない。
【0082】
コントローラ264は、電子ベイピング装置100の境界面266への取付けに起因する境界面266における抵抗の変化(例えば、本質的に無限の抵抗から有限抵抗値への)に基づいて、PCC200のスロット205内への電子ベイピング装置100の挿入を検出しうる。コントローラ264は、境界面266との接続を通した抵抗の変化を感知しうる。
【0083】
電子ベイピング装置100の検出に応答して、S410で、コントローラ264は、カートリッジリーダー260にコマンドを伝達(または送信)し、スロット205内に挿入された電子ベイピング装置100の識別ラベル170を読み取る。コマンドの受信に応答して、カートリッジリーダー260は、電子ベイピング装置100の識別ラベル170を読み取る。
【0084】
少なくとも一つの代替例では、コントローラ264は、S410でカートリッジリーダー260にコマンドを送信する必要はない。むしろ、カートリッジリーダー260は、電子ベイピング装置100がスロット205内に挿入されるときに、電子ベイピング装置100の識別ラベル170を自動的に読み取りうる。一例では、カートリッジリーダー260は、「常時オン」状態の光学リーダーとしうる。したがって、電子ベイピング装置100がスロット205内に挿入されると、光学リーダーは識別ラベル170を自動的に読み取り(スキャンし)、読み取った情報をコントローラ264に送信する。
【0085】
図4に戻ると、S420で、コントローラ264は、カートリッジリーダー260から識別データおよび認証データ(本明細書では識別情報、識別および認証情報、または認証情報)のうちの少なくとも一つを受信する。識別データは、カートリッジリーダー260によって読み取られる識別ラベル170から取得されてもよく、またはこれに含まれてもよい。
【0086】
S430では、コントローラ264は、電子ベイピング装置100のカートリッジ120を認証する。一実施例では、コントローラ264は、S420で受信した識別情報(受信した識別データ)を、コントローラ264のメモリ320に保存された基準識別データと比較することによって、カートリッジ120を認証する。本明細書で論じるように、コントローラ264によるカートリッジ120の認証は、真正性の確認、カートリッジの認証とも呼ばれうる。
【0087】
少なくとも一つの例示的な実施形態によると、メモリ320は、認可されたカートリッジに対応する基準識別データのデータベースを保存する。基準識別データそれぞれは、市販の認可されたカートリッジまたはカートリッジのグループのカートリッジ識別子(例えば、シリアル番号)に対応しうる。認可されたカートリッジはまた、本明細書では真正なカートリッジとも呼ばれうる。基準識別データは、認可されたカートリッジそれぞれと関連付けられた有効期限をさらに含みうる。
【0088】
少なくとも一つの例示的な実施形態によると、メモリ320上に保存される基準識別データのデータベースは定期的に更新されてもよい。一例では、PCC200は、トランシーバ330を介して、コンピュータまたは手持ち式装置(例えば、携帯電話またはタブレット)に接続されてもよい(例えば、有線または無線接続を介して)。この例では、トランシーバ330は、こうしたコンピュータまたは手持ち式装置にデータを送信し、これらからデータを受信する。
【0089】
コンピュータまたは手持ち式装置は、その上に実行されるアプリケーションを有しうる。アプリケーションを通して、コンピュータまたは手持ち式装置は、PCC200に適切なコマンドを送信して(例えば、コントローラ264のレシーバー300に)、メモリ320上に保存された基準識別データのデータベースを更新してもよい。
【0090】
識別ラベル170が透かしであるか、または透かしを含む場合、カートリッジリーダー260は、透かしから取得された光学情報をデジタル情報に変換し、デジタル情報をコントローラ264に送信する。カートリッジリーダー260から、透かしから取得されたデジタル情報を受信すると、コントローラ264は、透かしデコーディングアルゴリズムをカートリッジリーダー260から受信したデジタル情報に適用して、カートリッジ120の真正性を確認する。透かしおよび透かしデコーディングアルゴリズムは、周知の、または開発される、任意の透かしおよび透かしデコーディングアルゴリズムとしうる。例示的な実施形態に従って実施されうる透かしおよび透かしデコーディングアルゴリズムの例は、米国特許第6,708,894号に記載されており、その内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0091】
図4に戻ると、S440で、コントローラ264は、カートリッジ120の認証に成功したかどうかを判定する。カートリッジ120の認証がカートリッジリーダー260からの識別データに基づいている実施例では、コントローラ264は、受信した識別データがメモリ320内に保存された基準識別データと一致する場合に、カートリッジ120の認証に成功したと判定しうる。受信した識別データがメモリ320に保存された基準識別データと一致しない場合、コントローラ264はカートリッジ120の認証に成功しなかったと判定する(認証に失敗)。
【0092】
基準識別データがさらに、認可されたカートリッジに関連付けられた有効期限を含む場合、コントローラ264は、カートリッジ120が期限切れになった(例えば、カートリッジ120の有効期限または有効期限後の閾値期間が過ぎた)かどうかを判定しうる。受信した識別データが基準識別データと一致しており、カートリッジ120が期限切れになっていない場合、コントローラ264はカートリッジ120の認証に成功したと判定する。しかし、受信された識別データが基準識別データと一致するが、カートリッジ120が期限切れになった場合、コントローラ264はカートリッジ120は認可されていないと判定するため、受信した識別データが基準識別データと一致するときでも、カートリッジ120の認証プロセスに失敗する可能性がある。
【0093】
カートリッジリーダー260から受信したデータが、透かしから取得された光学情報に対応するデジタル情報である、またはこれを含む場合、コントローラ264は、透かしデコーディングアルゴリズムの適用に成功した場合にカートリッジ120の認証に成功したと判定する。透かしデコーディングアルゴリズムの適用に失敗した場合、コントローラ264は、カートリッジ120の認証に成功しなかったと判定し、S430で、カートリッジ120は真正ではないと判定する。
【0094】
図4のS440に戻ると、コントローラ264がカートリッジ120が真正でないと判定した場合(カートリッジ120の認証プロセスに失敗)、コントローラ264は、S450で、カートリッジ120が真正ではないとの表示を提供し、コントローラ264は、電池セクション140がカートリッジ120に電力供給することを許容されないように、電池セクション140を施錠状態に維持する。この場合、PCC200またはこれに接続された外部電源による電子ベイピング装置100の電池セクション140の充電も防止されうる。少なくとも一つの他の例示的な実施形態では、電池セクション140は施錠状態に維持されうるが、PCC200または外部電源によって充電されることは許容されうる。
【0095】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、コントローラ264は、適切なコマンドを送信してディスプレイ250およびスピーカー251のうちの少なくとも一つに、ディスプレイ250上に視覚的表示(例えば、連続的または点滅する赤色光、「認可されていないカートリッジ」などのステートメントまたはテキストメッセージなど)を出力し、スピーカー251を介して音声表示(例えば、連続的または断続的な発信音)を提供するなどを指示する(コントローラ264は、ディスプレイ250およびスピーカー251のうちの少なくとも一つを駆動する)ことで、カートリッジ120に対する認証工程に失敗したことを示しうる。ディスプレイ250およびスピーカー251のうちの少なくとも一つに視覚的表示および音声表示のうちの少なくとも一つを提供させるための適切なコマンドおよび命令は一般的に周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0096】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、コントローラ264は、カートリッジ120が真正でないことを示す視覚的表示および音声表示の組み合わせ(例えば、連続的な赤色光と連続的な発信音の組み合わせ)を提供しうる。特定の音声表示および視覚的表示(またはそれらの組み合わせ)が、S450でコントローラ264が電子ベイピング装置の状態を通信するための方法として上記で説明されているが、例示的な実施形態はこれに限定されず、周知の、または開発される、任意のその他の視覚的表示または音声表示(またはそれらの組み合わせ)を包含しうる。
【0097】
図4のS440に戻ると、コントローラ264が、カートリッジ120が真正であると判定すると(カートリッジ120の認証プロセスに成功)、S460で、コントローラ264は、電池セクション140(または電池セクション140に含まれる電池)がカートリッジ120に電力供給するのに十分に充電されているかどうかを判定する。少なくとも一つの例示的な実施形態では、コントローラ264は、電池セクション140の残りの充電を示す情報(これは充電または電池情報と呼ばれうる)を電池セクション140から受信する。コントローラ264は、電子ベイピング装置100がスロット205内に挿入されるときに、電池セクション140から(例えば、電池セクション140のマイクロコントローラまたはプロセッサから)充電情報を受信してもよい。
【0098】
コントローラ264は、充電情報によって示される、電池セクション140内に残っている充電量が所望の(あるいは、所与また所定の)閾値を超える場合に、S460で、電池セクション140が十分に充電されていると判定しうる。一例では、閾値は、電池セクション140の合計充電容量(例えば、約90ミリアンペアアワー)の約10パーセントまたは20パーセントとしうる。
【0099】
S460で、コントローラ264が、電池セクション140が認可されたカートリッジ120に電力供給するのに十分に充電されていないと判定すると、S470で、コントローラ264は適切なコマンドを送信し、ディスプレイ250およびスピーカー251のうちの少なくとも一つに、電池セクション140の内側の電池を交換する、または再充電するかのうちのいずれか一方が必要であるとの、視覚的表示および音声表示のうちの少なくとも一つを提供するよう指示する(コントローラ264が、ディスプレイ250およびスピーカー251のうちの少なくとも一つを駆動しうる)。コントローラ264は、S450に関して上述したのと同一、または実質的に同一の方法で、ディスプレイ250およびスピーカー251のうちの少なくとも一つを駆動しうる。
【0100】
S475で、コントローラ264は、電池セクション140の内側の電池の充電を可能にする。電池セクション140の内側の電池セクションの充電を可能にする工程の例示的な実施形態を、図5を参照しながらさらに説明する。
【0101】
S460に戻ると、コントローラ264が、電池セクション140の電池がカートリッジ120に電力供給するのに十分に充電されていると判定した場合、S480で、コントローラ264は電池セクション140にコマンドを送信して電池セクション140を開錠し(電池を開錠状態に移行させる)、それによって電池セクション140がカートリッジ120に電力供給することを許容する。コントローラ264は、境界面266を介して電池セクション140を開錠するためのコマンドを電池セクション140に送信しうる。少なくとも幾つかの例示的な実施形態によると、コントローラ264は、任意の周知の方法を使用して、電池セクション140を開錠状態に移行させうる。こうした方法は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0102】
S490で、電池セクション140を開錠した後、コントローラ264は、電子ベイピング装置100の部分から電子ベイピング装置100に関する様々なタイプの情報を受信しうる。例えば、コントローラ264は、電子ベイピング装置100のカートリッジ120および電池セクション140のうちの少なくとも一つ内に埋め込まれた処理回路(例えば、一つ以上のマイクロコントローラまたはプロセッサ)から情報を受信しうる。情報は、コントローラ264が電池セクション140にコマンドを送信してカートリッジ120に電力供給するために電池セクション140を開錠する後に、境界面266を介してコントローラ264に伝送されうる。
【0103】
一例では、情報は、カートリッジ120の状態(例えば、カートリッジ120に残っている予分散製剤の量)。電池セクション140の残りの充電量、カートリッジ120および電池セクション140のうちの少なくとも一つに対する保守リマインダーおよび交換リマインダーのうちの少なくとも一つなどを含みうる。
【0104】
図4をさらに参照すると、S495で、コントローラ264は、S490で受信した情報の一部をディスプレイ250上に表示しうる。コントローラ264は、ディスプレイ250を駆動して、S450に関して上述したのと同一、または実質的に同一の方法で、受信した情報を表示しうる。
【0105】
少なくとも一つの例示的な実施形態によると、電子ベイピング装置100がPCC200内に挿入された後にカートリッジ120がコントローラ264によって認証されると、電子ベイピング装置100がベイピングのために有効にされてもよく、電子ベイピング装置100がベイピングのためにPCC200から取り外されてもよい。一例では、コントローラ264は、ディスプレイ250上に緑色光を表示して、電子ベイピング装置100が有効にされており、ベイピングのために取り外されうることを表示してもよい。
【0106】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、カートリッジ120の認証は、電池セクション140およびカートリッジ120が互いに分離されるまで、有効なままである(例えば、電池セクション140はカートリッジ120に電力供給し続ける)。その後、電池セクション140がカートリッジ120に電力供給するためには、図4の認証工程を繰り返す必要がありうる。
【0107】
S475での電池セクション140の内側の電池の充電を選択的に可能にする方法の例示的な実施形態を、図5を参照して以下に説明する。
【0108】
図5は、電子ベイピング装置の電池セクションの内側の電池の充電を可能にする方法の例示的な実施形態を示す。図2Bに示すように、また上述するように、PCC200は、PCC電池265を含んでもよく、これは、コントローラ264、およびインターフェース266および268に電気的に接続される。図4にあるように、図5に示す例示的な実施形態は、PCC200のスロット205内に挿入される電子ベイピング装置100を参照して説明される。しかし、当然のことながら、図5に示す工程は、電子ベイピング装置110およびPCC200のスロット210に関しても適用されうる。
【0109】
図5を参照すると、S501で、コントローラ264は、PCC電池265が電子ベイピング装置100の電池セクション140の電池を充電するのに十分に充電されているかどうかを判定する。少なくとも一つの例示的な実施形態では、コントローラ264は、電池セクション140の残りの充電を示す情報(これはPCC充電または電池情報と呼ばれうる)をPCC電池265から取得、受信、または取得および受信する。コントローラ264は、PCC電池265から周知の任意の方法で充電情報を取得、受信、または変更および受信しうる。
【0110】
S501で、コントローラ264が、PCC200のPCC電池265が電池セクション140の電池を充電するのに十分に充電されていると判定すると、S526で、コントローラ264は、PCC200のPCC電池265から電池140への電力の伝達を可能にする。一つの例示的な実施形態では、コントローラ264は、PCC電池265と境界面266との間のスイッチ292を閉じることによって(図2Cに示すように)電力の伝達を可能にし、それによってPCC電池265および電池セクション140を電気的に接続する。この場合、PCC電池265は、境界面266を介して電池セクション140の内側の電池を充電する。
【0111】
再びS501で、コントローラ264がPCC電池265が電池セクション140の電池を充電するのに十分に充電されていないと判定する場合、S506で、コントローラ264は、例えば、ディスプレイ250上の視覚的出力(例えば、赤色光)およびスピーカー251を介した音声出力(例えば、連続的発信音)のうちの少なくとも一つを提供することで、PCC電池265に十分な充電がないことを通信する。コントローラ264は、S450に関して上述したのと同一、または実質的に同一の方法で、ディスプレイ250およびスピーカー251のうちの少なくとも一つを駆動しうる。
【0112】
PCC電池265の充電が必要な場合、PCC200が充電器入力270を介して外部電源に接続され、PCC電池265を充電しうる。
【0113】
S511で、コントローラ264は、PCC200が外部電源に接続されているかどうかを判定する。一実施例では、コントローラ264は、充電器入力270における電圧(例えば、0ボルト~0ではない電圧値、例えば、5ボルトの増加)を感知することによってPCC200が外部電力に接続されていると判定する。
【0114】
S511で、コントローラ264が、PCC200が外部電源に接続されていないと判定する場合、S516で、コントローラ264は、PCC200の外部電源への接続の欠如を、例えば、成人ベイパー吸引者に通信する。一つの例示的な実施形態では、コントローラ264は、ディスプレイ250およびスピーカー251のうちの少なくとも一つを通して視覚的信号および音声信号のうちの少なくとも一つを提供することによって接続の欠如を通信する。視覚的信号および音声信号は、点滅光、連続光(例えば、赤色光)、周期的音声音、連続音などのうちのいずれか一つとしうる。しかしながら、こうした視覚的信号および音声信号は、本明細書で考察した実施例に限定されない。少なくとも幾つかの例示的な実施形態では、コントローラ264は、図4のS450に関して上述したのと同一、または実質的に同一の方法で、ディスプレイ250およびスピーカー251のうちの少なくとも一つを駆動しうる。
【0115】
S517での遅延の後、コントローラ264はS511に戻り、PCC200が外部電源に接続されているかどうかを再チェックする。少なくともこの例では、コントローラ264は、PCC200が外部電源に接続されているかどうかを定期的にチェック、検出、またはチェックおよび検出しうる。S517の遅延の長さ、およびコントローラ264によるチェック、検出、またはチェックおよび検出のうちの少なくとも一つは、実験および実証研究のうちの少なくとも一つに基づいて判定される調節可能なパラメータとしうる。一例では、遅延の長さは、数ミリ秒または数秒としうる。しかし、例示的な実施形態は、これらの実施例に限定されない。別の実施例では、コントローラ264は、PCC200が外部電源に接続されるまで、S517の待機状態に留まりうる。
【0116】
S511に戻ると、PCC200が外部電源に接続されているとコントローラ264が判定する場合、S521で、コントローラ264は、外部電源から電池セクション140(電池セクション140の内側の電池を充電する目的のために)およびPCC電池265のうちの一つへの電力の伝達を可能にする。コントローラ264は、スイッチ292を有効にする、閉じる、または有効にして閉じて、ダイオード291およびスイッチ292を介して充電器入力270を境界面266に接続することで、外部電源から境界面266を介した電池セクション140への電力の伝達を可能にしうる。コントローラ264は、スイッチ296を有効にする、閉じる、または有効にして閉じることによって、PCC電池265への電力の伝達を可能にしうる。少なくとも一つの例示的な実施形態では、電力は、電池セクション140の電池およびPCC電池265に、同時、並列、および平行のうちの少なくとも一つで伝達されうる。さらに別の例では、電力は、PCC電池265を通して電池セクション140の電池に伝達されうる。さらに別の例では、電力は、PCC電池265に伝達されてPCC電池265を電池セクション140の電池を充電するのに十分なレベルにまで充電し、次に、PCC電池265は、S526に関して上述するように、電池セクション140の電池を充電しうる。
【0117】
上述の一つ以上の例示的な実施形態によれば、カートリッジ120を認証し、その後に電池セクション140を有効にしてカートリッジ120に電力供給供給してベイピングを可能にする工程は、電子ベイピング装置100(カートリッジ120および電池セクション140が一つの部品として接続される)がPCC200内に挿入されるときにPCC200のコントローラ264によって実施される。しかしながら、少なくとも一つの例示的な実施形態では、カートリッジ120を認証するプロセスは、PCC200を使用することなく実施されうる。したがって、コントローラ264によって実行される処理は、電池セクション140の少なくとも一つのプロセッサ(または別の方法として、マイクロコントローラまたは処理回路)内に組み込まれうる。さらに、カートリッジリーダー260は、電池セクション140内に組み込まれてもよい。
【0118】
一つ以上の例示的な実施形態によると、カートリッジ120が電池セクション140に取り付けられると、カートリッジリーダー260および電池セクション140のコントローラ/マイクロプロセッサが識別ラベル170(例えば、識別ラベル170は、カートリッジ120のメス端部160に配置/彫り込まれてもよい(図1に示すように))を読み取り、図4を参照して説明したように、カートリッジ120を認証する工程を実施しうる。少なくとも一つの例示的な実施形態では、PCC200を参照しながら上述したような、電子ベイピング装置(例えば、カートリッジ120および電池セクション140)をPCCまたはその他のケースのスロットの内側に配置する必要性を抑制、除去、または抑制および除去しうる。
【0119】
少なくとも幾つかの例示的な実施形態では、電池セクション140は、周知の、または開発される、任意の方法を使用して、電源を介して、または無線かつ電源を介して再充電されてもよい(例えば、電池セクション140は、図2Bを参照して上述するPCC200の充電器入力270に類似した充電器入力を有し、これを通して電池セクション140が、電池セクション140の内側の電池を充電するために外部電源に接続されてもよい)。
【0120】
例示的な実施形態がPCCに関して本明細書で説明されているが、当然のことながら、例示的な実施形態は、本明細書に記載のリーダー回路は含むがPCCの一つ以上の構成要素は含まない、キャリングケースにも適用されうる。少なくとも一つの例示的な実施形態によると、PCCは、代わりに、カートリッジを認証するためのカートリッジリーダーは含むが、電子ベイピング装置を充電しないケースとしうる。
【0121】
例示的な実施形態が説明されているため、これらは多くの方法で変化しうることが明らかであろう。こうした変形は、例示的な実施形態の意図する範囲から逸脱するものとして見なされるべきではなく、当業者であれば明らかであるようなこうした修正のすべては、以下の特許請求の範囲内に含めるべきであることを意図している。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5