(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】着色剤混合物
(51)【国際特許分類】
C09B 67/22 20060101AFI20220629BHJP
C09B 29/42 20060101ALI20220629BHJP
C09B 1/58 20060101ALI20220629BHJP
C09B 47/20 20060101ALI20220629BHJP
D06P 1/18 20060101ALI20220629BHJP
D06P 3/82 20060101ALI20220629BHJP
D06P 5/30 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
C09B67/22 A
C09B29/42 B
C09B1/58
C09B47/20
D06P1/18
D06P3/82 E
D06P5/30
(21)【出願番号】P 2019554612
(86)(22)【出願日】2018-03-01
(86)【国際出願番号】 EP2018055035
(87)【国際公開番号】W WO2018184770
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2020-10-19
(32)【優先日】2017-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】300052420
【氏名又は名称】ハンツマン アドバンスト マテリアルズ (スイッツァランド) ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】HUNTSMAN ADVANCED MATERIALS (SWITZERLAND) GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホール-ゴウル,ベロニク
(72)【発明者】
【氏名】ヌファー,リュック
(72)【発明者】
【氏名】シェーン,ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】ブラック,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ダール,ウィレム
(72)【発明者】
【氏名】ダレ ノガレ,シロ
(72)【発明者】
【氏名】プラトナー,カート
【審査官】井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-125750(JP,A)
【文献】国際公開第2005/024123(WO,A2)
【文献】特開昭50-002025(JP,A)
【文献】特表2004-521973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 1/00 - 69/10
D06P 1/18
D06P 3/82
D06P 5/30
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)式(1)で表される少なくとも1つの青色又は黒色染色の分散染料、及び
(B)
式(2)又は式(3)で表される少なくとも1つ
の染料
を含む着色剤混合物。
【化1】
(式中、R
1は水素原子又はハロゲン原子を表し、R
2及びR
3はそれぞ
れ独立
して、
3-メトキシプロピル基、フェニル基、トリル基又は2-フェニルエチル基を表す。)
【化2】
(式中、Xは-O-、-S-又は-NHCO-を表し、R
2
及びR
3
は上記で定義された通りであり、R
5
は-CF
3
又は-CNを表す。)
【請求項2】
成分(A)として式(1)で表される染料を含み、R
1が水素原子を表す、請求項1に記載の着色剤混合物。
【請求項3】
成分(B)として式(201)で表される染料を含む、請求項
1に記載の着色剤混合物。
【化3】
【請求項4】
成分(B)として式(301)で表される染料を含む、請求項
1に記載の着色剤混合物。
【化4】
【請求項5】
成分(A)及び(B)を合わせた総質量に基づいて、成分(A)を30質量%乃至99質量%及び成分(B)を1質量%乃至70質量%含む、請求項1乃至請求項
4のいずれか一項に記載の着色剤混合物。
【請求項6】
CO、PES又はCO/PESブレンド繊維材料を染色又は捺染するための方法であって
、請求項1に記載の着色剤混合物が、前記材料に適用されるか、又はそれに組み込まれる方法。
【請求項7】
前記着色剤混合物はスクリーン捺染により適用される、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記染料がインクジェット捺染により適用される、請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記繊維材料を、水、150℃以上の沸点を有する水溶性有機溶媒及び請求項1に記載の分散着色剤混合物を用いて、任意の順序で処理することを特徴とする請求項
6に記載の方法。
【請求項10】
第一工程において繊維材料を、150℃以上の沸点を有する水溶性有機溶剤で処理し、次いで請求項1に記載の分散着色剤混合物を含有する水性インクで捺染することを特徴とする、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
請求項
6に記載の方法により染色又は捺染されたCO、PES又はCO/PESブレンド繊維材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの青色又は黒色の分散染料と、少なくとも1つの黄色、オレンジ色、若しくは赤色の分散染料、溶剤染料、建染染料又は顔料とを含む着色剤混合物に関する、さらにセルロース及びセルロースブレンド繊維材料並びにポリエステル及びポリエステルブレンド繊維材料、特に織物材料を染色又は捺染する際のその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン捺染やインクジェット捺染のような捺染技術は、主に布地にデザインを施すために、織物産業において以前から使用されてきた。
綿(CO)及びリネンのようなセルロース繊維は通常、反応性染料を用いて捺染されるが、ポリエステル(PES)のような合成繊維材料の捺染は、通常、分散染料の適用によって行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
PES/COブレンドを捺染するための効率的な方法を開発するために、多くの試みがなされてきた。
通常、反応性染料は分散染料と組み合わされる。
しかし、このような着色剤混合物の使用にはいくつかの欠点を伴い、この方法で2本の繊維で同じ色合いと色深度を得るのはほとんど不可能である。
代わりに、PES/COブレンド、さらにはCOでさえも、顔料及びバインダーを用いて捺染できる。
しかし、扱いにくいことと摩擦堅牢性が低いことは、この技術の大きな欠点である。
従って、反応性染料及び分散性染料の組合せなしで機能し、良好な洗濯堅牢性、光堅牢性、摩擦堅牢性、色強度及び光沢並びに扱いやすい捺染物を提供する、濃紺と黒の色合いを与えるCO及びPES/COブレンドの捺染方法用の新しい染料及び着色剤混合物が特に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
染料混合物中の2種以上の染料の適合性は、前記染料が類似の取り込み挙動と蓄積特性を示すことを必要とする。この条件が満たされない場合、染色物はシミと一般的に不十分な均一性に悩まされる。
【発明の効果】
【0005】
驚くべきことに、ジアゾ成分としてのベンゾイソチアゾールとカップリング成分としての特定の2,6-アミノ置換3-シアノ-4-メチルピリジンに基づくアゾ染料は、任意の黄色、オレンジ色若しくは赤色の分散染料、溶剤染料、建染染料又は顔料と組み合わせることができることができ、結果として綿、ポリエステル及びPES/COブレンドで、優れた洗濯堅牢性と優れた光堅牢性の結果を示す均一な染色物を提供することを見出した。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、
(A)式(1)で表される少なくとも1つの青色又は黒色染色の分散染料、及び
(B)少なくとも1つの黄色、オレンジ色、若しくは赤色染色の分散染料、溶剤染料、建染染料又は顔料
を含む着色剤混合物に関する。
【化1】
(式中、R
1は水素原子又はハロゲン原子を表し、R
2及びR
3はそれぞれ他の水素とは独立に、
非置換又はヒドロキシ基、シアノ基、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換された炭素原子数1乃至8のアルキル基、
-(CH
2)
n-O-(CH
2)
mR
4(ここでR
4は水素原子又は炭素原子数1乃至8のアルキル基を表し、nは2乃至6の数を表し、mは0乃至6の数を表す。)、
非置換又はヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、炭素原子数1乃至8のアルキル基、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基、若しくはハロゲン原子で置換された炭素原子数5乃至24のアリール基、又は
非置換又はヒドロキシ基、シアノ基、炭素原子数1乃至4のアルキル基、炭素原子数1乃至8のアルコキシ基、若しくはハロゲン原子で置換された炭素原子数6乃至30のアラルキル基を表す。)
【0007】
ジアゾ化成分としてのベンズイソチアゾール及びカップリング成分としての2,6-アミノ置換3-シアノ-4-メチルピリジンに基づくアゾ染料は、例えば、米国特許第4,650,860号から知られている。
【0008】
アルキル基を意味する式(1)中のいかなる基も直鎖又は分岐したアルキル基であり得る。
【0009】
アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、i-オクチル基、n-デシル基及びn-ドデシル基が挙げられる。
【0010】
炭素原子数1乃至12のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基、ネオペントキシ基、n-ヘキソキシ基、n-オクトキシ基、i-オクトキシ基、n-デコキシ基又はn-ドデコキシ基であり得る。
【0011】
適切なアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、メシチル基、イシチル基、2-ヒドロキシフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、2-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2-アミノフェニル基、3-アミノフェニル基、4-アミノフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、ナフチル基及びフェナントリル基である。
【0012】
適切な炭素原子数6乃至30のアラルキル基の例としては、ベンジル基、2-フェニルエチル基、トリルメチル基、メシチルメチル基及び4-クロロフェニルメチル基である。
【0013】
ハロゲン原子を意味するいかなる基も、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であり得、特に塩素原子又は臭素原子であり得る。
【0014】
R1が水素原子を示す式(1)で表されるアゾ染料を含む混合物が好ましい。
【0015】
同様に、成分(A)として式(1)の染料を含む着色剤混合物が好ましく、ここで、R2及びR3の少なくとも1つは、非置換又は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、炭素原子数1乃至8のアルキル基、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換された炭素原子数6乃至24のアリール基を表す。
【0016】
R2及びR3が3-メトキシプロピル基、フェニル基、トリル基又は2-フェニルエチル基である、式(1)のアゾ染料を含む混合物がさらに好ましい。
【0017】
式(103)及び(104)の染料が特に好ましい。
【化2】
【0018】
式(1)の染料は、例えば、米国特許第4,650,860号に記載されているように、関連するジアゾニウム塩とそれぞれのカップリング成分との通常のカップリング反応によって、公知の方法に従って調製することができる。
【0019】
式(1)の染料を調製するためのカップリング成分は、一般に、米国特許第3,853,895号に従って、2,6-ジクロロ-3-シアノ-4-メチルピリジンを化合物R2-NH2と最初に反応させ、次いでR3-NH2と反応させることにより調製され、ここでR2及びR3は上記で定義したとおりである。R2及びR3が同一でない場合には、通常2つの異なる異性体の混合物が生じる。得られたカップリング成分混合物から、個々のカップリング成分は、その後のクロマトグラフィー分離により得ることができる。
【0020】
しかし、得られた染料の使用指向性に関しては、異性体カップリング成分を分離する必要はないが、混合物としてジアゾニウム塩と反応させることができ、これにより、単一成分と比較して有害な影響を及ぼさない染料の混合物を提供する。
【0021】
従って、2,6-ジクロロ-3-シアノ-4-メチルピリジンとR2-NH2及びR3-NH2との反応から生じる異性体カップリング成分、並びにそれから得られる染料混合物は通常分離されない。
【0022】
成分(B)として適用することができる分散染料、溶剤染料、建染染料及び顔料は、当該技術分野において同様に公知である。
【0023】
好適な例は、以下の化合物である:C.I.ディスパースイエロー42、C.I.ディスパースイエロー114、C.I.ディスパースイエロー246、C.I.ディスパース
イエロー251、C.I.ディスパースオレンジ157、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー3、C.I.ソルベントイエロー7、C.I.ソルベントイエロー12、C.I.ソルベントイエロー16、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー16、C.I.ソルベントイエロー18、C.I.ソルベントイエロー28、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.ソルベントイエロー43、C.I.ソルベントイエロー44、C.I.ソルベントイエロー56、C.I.ソルベントイエロー72、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイエロー98、C.I.ソルベントイエロー114、C.I.ソルベントイエロー116、C.I.ソルベントイエロー117、C.I.ソルベントイエロー130、C.I.ソルベントイエロー131、C.I.ソルベントイエロー133、C.I.ソルベントイエロー135、C.I.ソルベントイエロー141、C.I.ソルベントイエロー145、C.I.ソルベントイエロー157、C.I.ソルベントイエロー160:1、C.I.ソルベントイエロー162、C.I.ソルベントイエロー163、C.I.ソルベントイエロー167、C.I.ソルベントイエロー176、C.I.ソルベントイエロー181、C.I.ソルベントイエロー182、C.I.ソルベントイエロー183、C.I.ソルベントイエロー184、C.I.ソルベントイエロー185、C.I.ソルベントイエロー187、C.I.ソルベントイエロー189、C.I.ソルベントオレンジ7、C.I.ソルベントオレンジ60、C.I.ソルベントオレンジ63、C.I.ソルベントオレンジ86、C.I.ソルベントオレンジ102、C.I.ソルベントオレンジ105、C.I.ソルベントオレンジ113、C.I.ソルベントオレンジ116、C.I.バットブルー1、C.I.ソルベントオレンジ86、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー4、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー6、C.I.ピグメントイエロー9、C.I.ピグメントイエロー10、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー105、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー130、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー165、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントイエロー173、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー182、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー193、C.I.ピグメントイエロー194、C.I.ピグメントイエロー199、C.I.ピグメントイエロー202、C.I.ピグメントイエロー203、C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ2、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ22、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ62、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ67、C.I.ピグメントオレンジ69、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、1,5-ジフェノキシ-9,10-アントラセンジオン及び1,8-ジフェノキシ-9,10-アントラセンジオン。
【0024】
好ましくは、本発明による着色剤混合物は、成分(B)として、式(2)又は(3)の染料を含有する。
【化3】
(式中、Xは-O-、-S-又は-NHCO-を表し、R
2及びR
3は上記に定義された通りであり、R
5は-CF
3又は-CNを表す。)
【0025】
特に好ましいのは、成分(B)として式(201)又は式(301)の染料を含んでなる着色剤混合物である。
【化4】
【0026】
本発明による着色剤混合物は、例えば、個々の染料を一緒に混合することによって調製することができる。混合手順は、例えば、適切なミル、例えばボールミル又はピンミル、並びに混練機中又はミキサー中で行われる。本発明による着色剤混合物は、例えば、必要に応じて適切な分散剤の存在下で、染浴又は捺染媒体に着色剤を直接分散させることにより調製することもできる。
【0027】
個々の分散染料の量は、得られる色合いによって決まる。本発明による着色剤混合物は、成分(A)及び(B)を合わせた総質量に基づいて、成分(A)を30質量%乃至99
質量%及び成分(B)を1質量%乃至70質量%意図的に含有し、好ましくは成分(A)を35質量%乃至95質量%及び成分(B)を5質量%乃至65質量%含有し、より好ましくは成分(A)を40質量%乃至85質量%及び成分(B)を15質量%乃至60質量%含有し、並びに特に、成分(A)を45質量%乃至80質量%及び成分(B)を20質量%乃至55質量%含有する。
【0028】
式(1)
【化5】
(式中、R
1は水素原子又はハロゲン原子を表し、R
2及びR
3はそれぞれ他の水素とは独立に、
非置換又はヒドロキシ基、シアノ基、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換された炭素原子数1乃至8のアルキル基、
-(CH
2)
n-O-(CH
2)
mR
4(ここでR
4は水素原子又は炭素原子数1乃至8のアルキル基を表し、nは2乃至6の数を表し、mは0乃至6の数を表す。)、
非置換又はヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、炭素原子数1乃至8のアルキル基、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基、若しくはハロゲン原子で置換された炭素原子数5乃至24のアリール基を表すが、
ただし、基R
2及びR
3の少なくとも1つはトリル基を表す。)で表される分散染料は新規であり、従って、本発明のさらなる目的を構成する。
【0029】
本発明による着色剤及び着色剤混合物は、セルロース(CEL)又はPES若しくはPES/CELブレンド繊維材料、特に織物材料を染色又は捺染するために使用することができる。
【0030】
従って、本発明はさらに、上記定義の成分(A)及び(B)を含有する着色剤混合物が前記材料に適用されるか、又はそれに組み込まれる、セルロース又はセルロースブレンド繊維材料の染色又は捺染方法に関する。
【0031】
本発明による着色剤及び着色剤混合物は、サーモゾル法に従った染色、排気法による染色、及び捺染方法に適している。
【0032】
本発明による着色剤及び着色剤混合物の繊維材料への適用は、公知の染色方法に従って実施することができる。例えば、綿又は綿/PESブレンド繊維材料は、慣用の陰イオン性又は非イオン性分散剤及び任意で慣用の膨潤剤(担体)の存在下、80℃乃至140℃の温度で、水性分散液から排気法で染色することができる。
【0033】
本発明による染料及び着色剤混合物は、有利には、国際公開第2005/024123号に記載された方法ならびに欧州特許出願第17153435.7号に記載された方法において適用することができる。
【0034】
従って、本発明はさらに、セルロース又はセルロースブレンド繊維材料を染色又は捺染するための方法であって、繊維材料が、水、150℃以上の沸点を有する水溶性有機溶媒及び上記の着色剤混合物で任意の順序に処理されることを特徴とする方法に関する。
【0035】
この方法の好ましい実施形態において、繊維材料は、第1工程で、150℃以上の沸点を有する水溶性有機溶媒で処理され、続いて上記で定義された着色剤混合物を含む水性インクで捺染される。
【0036】
このような方法において、前記繊維材料は、種々の加工形態、例えば繊維、糸若しくは不織布、織布又は編物の形態であることができる。
【0037】
本発明による着色剤は、使用前に着色剤調製物に変換することが有利である。この目的のために、着色剤は、その粒径が平均して0.10ミクロン乃至10ミクロンであるように粉砕される。粉砕はビーズ及び分散剤の存在下で行うことができる。例えば、乾燥した着色剤又は湿った圧搾固形物を分散剤と一緒に粉砕するか、又は分散剤と一緒にペースト状に混練し、その後、真空中で又は微粒子化により任意に乾燥させる。乾燥粉末に水を添加した後、又は液体分散液を使用した後、得られた調製物を使用して、捺染ペースト及び染浴を調製するために使用することができる。
【0038】
捺染のために、慣用の増粘剤、例えば変性又は非変性天然生成物、例えばアルギン酸塩、ブリティッシュガム、アラビアゴム、クリスタルガム、イナゴマメ粉、トラガント、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン又は合成生成物、例えばポリアクリルアミド、ポリアクリル酸若しくはそれらのコポリマー、若しくはポリビニルアルコールが使用される。
【0039】
本発明による式(1)の染料は、記録システムで使用するための着色剤としても好適である。このような記録システムは、例えば、紙又は織物捺染用の市販のインクジェットプリンター、又は万年筆若しくはボールペン等の筆記用具、特にインクジェットプリンターである。その目的のために、本発明による染料は、最初に記録システムでの使用に適した形態にされる。好適な形態は、例えば、本発明による染料を着色剤として含む水性インクである。インクは、染料をナノメートル範囲の適切な粒径に粉砕し、必要に応じて適切な分散剤と組み合わせて、所望の量の水及び任意に共溶媒で個々の成分を一緒に混合することにより、慣用の方法で調製することができる。
【0040】
本発明による着色剤は、前記材料、特にCO、PES及びCO/PESブレンド材料に、良好な使用堅牢性、例えば光に対する堅牢性、熱硬化に対する堅牢性、プリーツに対する堅牢性、塩素に対する堅牢性、及び湿潤堅牢性;例えば水に対する堅牢性、摩擦に対する堅牢性、汗及び洗濯に対する堅牢性を有するレベルの色合いを付与する;完成した染色物は、摩擦に対する良好な堅牢性によってさらに特徴付けられる。洗濯に対する良好な堅牢性、摩擦に対する堅牢性、染色物の優れた耐光性及び非常に扱いやすい点が特に強調されるべきである。
【0041】
本発明はさらに、本発明による染料の上述の使用及びセルロース又はセルロースブレンド繊維材料、特に織物材料を染色又は捺染する方法に関するものであり、この方法では、本発明による染料を前記材料に適用するか、又はそれらの中に組み込む。前記繊維材料は、好ましくは、織物CO、PES又はCO/PES材料である。本発明による方法により処理することができるさらなる生地及び好ましい方法の条件は、本発明による染料の使用についてのより詳細な説明において、上記に見出すことができる。
【0042】
好ましくは、式(1)の染料は、スクリーン捺染又はインクジェット捺染により、CO、PES又はCO/PESブレンド繊維材料に適用される。
【0043】
インクジェット捺染法の場合、インクの個々の液滴は、制御された方法でノズルから生地上に噴霧される。その目的で使用されるのは、主に連続インクジェット方式とドロップオンデマンド方式である。連続インクジェット方式の場合、液滴は連続的に生成され、捺染作業に必要のない液滴は容器内に排出され、再利用される。一方、ドロップオンデマンド方式の場合、液滴は必要に応じて生成され、捺染に使用される;つまり、捺染作業に必要な場合にのみ液滴が生成される。液滴の生成は、例えば、ピエゾインクジェットヘッドによって、又は熱エネルギー(バブルジェット)によって行うことができる。ピエゾインクジェットヘッドによる捺染及び連続インクジェット方式による捺染が好ましい。
【0044】
従って、本発明はまた、本発明による式(1)の染料を含む水性インク、及び種々の生地、特に織物繊維材料を捺染するためのインクジェット捺染法におけるこのようなインクの使用に関し、上記の定義及び優先度は染料、インク及び生地に適用される。
【0045】
本発明はまた、CO、PES又はCO/PESブレンド繊維材料、好ましくは、前記方法により染色又は捺染されたCO、PES又はCO/PES繊維材料に関する。
本発明による染料はさらに、最新の再生方式、例えば熱転写捺染に適している。
【0046】
以下の実施例は、本発明を説明するのに役立つ。特に明記しない限り、その中の部は質量部であり、パーセンテージは質量パーセンテージである。温度は摂氏で示される。質量部と体積部との関係は、グラムと立方センチメートルとの関係と同じである。
【実施例】
【0047】
I.実施例の調製
I.1 式(101)の染料
【化6】
5℃乃至10℃に維持された硫酸(96%)174部に、水20部を10分間かけて添加した。次いで、10℃乃至20℃で20分間かけて、3-アミノ-5-ニトロ-2,1-ベンゾイソチアゾール21.5部を反応混合物に加えた。10℃乃至15℃で3時間撹拌した後、反応混合物を0℃乃至5℃に冷却し、ニトロシル硫酸(40%)36.4部を45分かけて添加した。この反応混合物(A)を5℃乃至7℃で4.5時間撹拌した。一方、酢酸(100%)200部に、2,6-ビス-(3-メトキシプロピルアミノ)-3-シアノ-4-メチルピリジン21.1部を室温で10分間かけて加え、その後硫酸7.5部を加え、続いて氷/水混合物35部を加え、混合物を5分間撹拌した。5℃乃至7℃に冷却した後、先の反応混合物(A)252部を45分間かけて添加した。同時に、酢酸200部及び水35部を添加し、温度を5℃乃至7℃に維持した。そのようにして得られた反応混合物を0℃乃至5℃に冷却し、反応温度を0℃乃至5℃に維持しながら、水酸化ナトリウム溶液(4N)300部を2時間かけて加えた。反応混合物を0℃乃至5℃でさらに3時間撹拌し、次いで撹拌しながら温度をゆっくりと20℃に上げ、その後、水酸化
ナトリウム溶液(4N)300部を20℃乃至25℃で2時間かけて加えた。反応混合物を濾過し、水で洗浄すると、粗濾過固形物191部が得られた。
【0048】
I.2 式(102)の染料
【化7】
5℃乃至10℃に維持された硫酸(96%)174部に、水20部を10分間かけて添加した。次いで、10℃乃至20℃で20分間かけて、3-アミノ-5-ニトロ-2,1-ベンゾイソチアゾール21.5部を反応混合物に加えた。10℃乃至15℃で3時間撹拌した後、反応混合物を0℃乃至5℃に冷却し、ニトロシル硫酸(40%)36.4部を45分かけて添加した。この反応混合物(A)を5℃乃至7℃で4.5時間撹拌した。一方、酢酸(100%)200部に、2,6-ビス-(p-トリルアミノ)-3-シアノ-4-メチルピリジン23.8部を室温で10分間かけて加え、その後硫酸7.5部を加え、続いて氷/水混合物35部を加え、混合物を5分間撹拌した。5℃乃至7℃に冷却した後、先の反応混合物(A)252部を45分間かけて添加した。同時に、酢酸200部及び水35部を添加し、温度を5℃乃至7℃に維持した。そのようにして得られた反応混合物を0℃乃至5℃に冷却し、反応温度を0℃乃至5℃に維持しながら、水酸化ナトリウム溶液(4N)300部を2時間かけて加えた。反応混合物を0℃乃至5℃でさらに3時間撹拌し、次いで撹拌しながら温度をゆっくりと20℃に上げ、その後、水酸化ナトリウム溶液(4N)300部を20℃乃至25℃で2時間かけて加えた。反応混合物を濾過し、水で洗浄すると、粗濾過固形物162部が得られた。
示差走査熱量測定:分解>220℃
λ
max=639nm(λ
max=吸収極大波長、DMFで測定)
元素分析: 理論値 実測値
C 62.9% 62.3%
H 4.1% 4.2%
N 21.0% 20.0%
S 6.0% 5.9%
1H-NMR(CDCl
3,250MHz):δ=9.035(s,1H),8.22(d,1H),7.78(d,1H),7.62-7.16(m,8H),2.83(s,3H),2.42(s,3H),2.41(s,3H)
【0049】
I.3 式(103)及び式(104)の染料
【化8】
2,6-ビス-(3-メトキシプロピルアミノ)-3-シアノ-4-メチルピリジンの代わりにカップリング成分として2-フェニルアミノ-6-(2-フェニルエチルアミノ)-3-シアノ-4-メチルピリジン及び2-(2-フェニルエチルアミノ)-6-フェニルアミノ-3-シアノ-4-メチルピリジンの混合物を使用することにより実施例I.1を繰り返した。
【0050】
λmax=598nm(λmax=吸収極大波長、DMFで測定)
【0051】
元素分析: 理論値 実測値
C 62.9% 62.7%
H 4.1% 4.1%
N 21.0% 20.6%
S 6.0% 6.0%
【0052】
実施例I.3乃至191
実施例I.1に記載されているように、以下の染料は、類似の方法で調製することができる。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0053】
II.適用例
適用例では、以下の染料が使用される:
【化9】
【0054】
国際公開第2005/024123号に記載された方法は、本発明による分散染料を使用して実施され、こうして得られた捺染布は、非常に良好な光堅牢性、洗濯堅牢性及び摩擦堅牢性を示す。分散液の配合は、染料の特性に応じて可変であり、当業者が適宜変更することができる。
【0055】
実施例II.1
綿/ポリエステル布地(参照番号.7-3014,CO/PES 33/67、定着、漂白、マーセル法で処理、208g/m2、30/30テックス)は、200g/Lのマクロゴール(MACROGOL)400EF(PEG、平均分子量Mw=400、ブレンタグ社から提供)、40g/Lのプレパジェット ユニ(PREPAJET UNI)(インクジェット補助剤、ポリアクリル酸誘導体、ハンツマン社から提供)、及び1g/Lのアルバッテクス(ALBATEX)AR(レベリング剤、ハンツマン社から提供)を含有する水性製剤とともに、70%乃至85%の取り込み速度で、室温で充填した。80℃乃至100℃で10分間乾燥した後、このように調製した布地を、
3.3質量%の式(101)の分散染料、
6.1質量%の式(201)の分散染料、
1.6質量%の式(401)の分散染料、
15質量%のグリセロール(85%)、
16.7質量%の市販の水溶性分散剤の混合物及び
57.3質量%の脱イオン水
を含有する水性インクを用いてインクジェットで捺染した。
80℃乃至100℃で10分間乾燥させた後、捺染された布地を200℃で90秒間定着した。冷却後、捺染した布地を冷たい軟水ですすぎ、最後に1g/Lの市販の界面活性剤の溶液で洗浄し、すすぎ、乾燥した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0056】
実施例II.2
実施例II.1に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、綿布地(参照番号1-3011、漂白CO-クレトン、135g/m2、30/30テックス)に適用した。
綿/ポリエステルと同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0057】
実施例II.3
ポリエステル布地(参照番号.5-3208、定着、90g/m2)に、後続のインクジェット印刷用の標準手順で、プレパジェット ユニ(PREPAJET UNI)(インクジェット補助剤、ポリアクリル酸誘導体、ハンツマン社から提供)に基づく水性製剤を充填した。このようにして調製した布地を、実施例II.1及び実施例II.2で使用したものと同じインクジェットインクを用いてインクジェットで捺染した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0058】
実施例II.4
実施例II.1に記載した手順と同じ手順を、
4.3質量%の式(102)の分散染料、
2.7質量%の式(201)の分散染料、
20.2質量%のグリセロール(85%)、
6.3質量%の市販の水溶性分散剤の混合物、
0.2質量%の市販の界面活性剤、及び
66.3質量%の脱イオン水
を含有する水性インクを使用して適用した。
80℃乃至100℃で10分間乾燥させた後、捺染された布地を200℃で90秒間定着した。冷却後、捺染した布地を冷たい軟水ですすぎ、最後に1g/Lの市販の界面活性剤の溶液で洗浄し、すすぎ、乾燥した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0059】
実施例II.5
実施例II.4に記載されている手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、綿布地(参照番号1-3011、漂白CO-クレトン、135g/m2、30/30テックス)に適用した。
綿/ポリエステルと同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0060】
実施例II.6
標準スクリーン捺染ペースト(平台又は回転)は、国際公開第2005/024123号に記載された方法と類似する方法に従って適用される。定着及び洗浄条件は、実施例II.1乃至II.5に記載したものと類似する。粘度は、関連する平台及び回転スクリーン印刷法に適合される。
84.9質量%の脱イオン水、
10.0質量%のマクロゴール400EF、
5.0質量%の市販増粘剤及び
0.1質量%の還元抑制剤
を含有する原料ペーストP1を調製した。
綿/ポリエステル布地(参照番号.7-3014,CO/PES 33/67、定着、漂白、マーセル法で処理、208g/m2、30/30テックス)を、
84.5質量%の原料ペーストP1、
式(201)の分散染料17.7%を含む7.6質量%の分散液、
式(101)の分散染料15%を含む6.7質量%の分散液及び
式(401)の分散染料19.2%を含む1.2質量%の分散液
を含有する捺染ペーストを用いて室温でスクリーン印刷した。
80℃乃至100℃で10分間乾燥させた後、捺染された布地を200℃で90秒間定着した。冷却後、捺染した布地を冷たい軟水ですすぎ、最後に1g/Lの市販の界面活性剤の溶液で洗浄し、すすぎ、乾燥した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0061】
実施例II.7
実施例II.6に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、綿布地(参照番号1-3011、漂白CO-クレトン、135g/m2、30/30テックス)に適用した。
綿/ポリエステルと同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0062】
実施例II.8
実施例II.6又は実施例II.7に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、PES布地(参照番号5-3208、定着、90g/m2)に適用し、マクロゴール400EFを全く含まないPES捺染用の標準原料ペーストを使用した
。
綿/ポリエステル及び綿と同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0063】
実施例II.9
実施例II.6に記載した手順と同じ手順を、
85.2質量%の原料ペーストP1、
式(301)の分散染料15%を含む3.4質量%の分散液、
式(101)の分散染料15%を含む5.3質量%の分散液、
式(401)の分散染料19.2%を含む5.3重量%の分散液及び
0.8質量%の脱イオン水を含有する捺染ペーストを使用して適用した。
80℃乃至100℃で10分間乾燥させた後、捺染された布地を200℃で90秒間定着した。冷却後、捺染した布地を冷たい軟水ですすぎ、最後に1g/Lの市販の界面活性剤の溶液で洗浄し、すすぎ、乾燥した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0064】
実施例II.10
実施例II.9に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、綿布地(参照番号1-3011、漂白CO-クレトン、135g/m2、30/30テックス)に適用した。
綿/ポリエステルと同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0065】
実施例II.11
実施例II.9又は実施例II.10に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、PES布地(参照番号5-3208、定着、90g/m2)に適用し、マクロゴール400EFを全く含まないPES捺染用の標準原料ペーストを使用した。
綿/ポリエステル及び綿と同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0066】
実施例II.12
実施例II.6に記載した手順と同じ手順を、
85.4質量%の原料ペーストP1、
式(201)の分散染料17.7%を含む1.3質量%の分散液及び
式(102)の分散染料15%を含む13.3質量%の分散液
を含有する捺染ペーストを使用して適用した。
80℃乃至100℃で10分間乾燥させた後、捺染された布地を200℃で90秒間定
着した。冷却後、捺染した布地を冷たい軟水ですすぎ、最後に1g/Lの市販の界面活性剤の溶液で洗浄し、すすぎ、乾燥した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0067】
実施例II.13
実施例II.12に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、綿布(参照番号1-3011、漂白CO-クレトン、135g/m2、30/30テックス)に適用した。
綿/ポリエステルと同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0068】
実施例II.14
実施例II.12又は実施例II.13に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、PES布地(参照番号5-3208、定着、90g/m2)に適用し、マクロゴール400EFを全く含まないPES捺染用の標準原料ペーストを使用した。
綿/ポリエステル及び綿と同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0069】
実施例II.15
実施例II.6に記載した手順と同じ手順を、
85.2質量%の原料ペーストP1、
式(301)の分散染料15%を含む1.5質量%の分散液及び
式(102)の分散染料15%を含む13.3質量%の分散液
を含有する捺染ペーストを使用して適用した。
80℃乃至100℃で10分間乾燥させた後、捺染された布地を200℃で90秒間定着した。冷却後、捺染した布地を冷たい軟水ですすぎ、最後に1g/Lの市販の界面活性剤の溶液で洗浄し、すすぎ、乾燥した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0070】
実施例II.16
実施例II.15に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、綿布地(参照番号1-3011、漂白CO-クレトン、135g/m2、30/30テックス)に適用した。
綿/ポリエステルと同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱
蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0071】
実施例II.17
実施例II.15又は実施例II.16に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、PES布地(参照番号5-3208、定着、90g/m2)に適用し、マクロゴール400EFを全く含まないPES捺染用の標準原料ペーストを使用した。
綿/ポリエステル及び綿と同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0072】
実施例II.18
実施例II.6に記載した手順と同じ手順を、
80.7質量%の原料ペーストP1、
式(201)の分散染料22.6%を含む1.3質量%の分散液及び
式(102)の分散染料15%を含む18質量%の分散液
を含有する捺染ペーストを使用して適用した。
80℃乃至100℃で10分間乾燥させた後、捺染された布地を200℃で90秒間固定した。冷却後、捺染した布地を冷たい軟水ですすぎ、最後に1g/Lの市販の界面活性剤の溶液で洗浄し、すすぎ、乾燥した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0073】
実施例II.19
実施例II.18に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、綿布地(参照番号1-3011、漂白CO-クレトン、135g/m2、30/30テックス)に適用した。
綿/ポリエステルと同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0074】
実施例II.20
実施例II.18又は実施例II.19に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、PES布地(参照番号5-3208、定着、90g/m2)に適用し、マクロゴール400EFを全く含まないPES捺染用の標準原料ペーストを使用した。
綿/ポリエステル及び綿と同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0075】
実施例II.21
実施例II.6に記載されている手順と同じ手順を、異なる品質の綿/ポリエステル布
地(参照番号7-3011、CO/PES 35/65)を使用して適用し、式(201)の分散染料、式(103)の分散染料及び式(104)の分散染料を含む捺染ペーストを使用して適用した。
80℃乃至100℃で10分間乾燥させた後、捺染された布地を200℃で90秒間定着した。冷却後、捺染した布地を冷たい軟水ですすぎ、最後に1g/Lの市販の界面活性剤の溶液で洗浄し、すすぎ、乾燥した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0076】
実施例II.22
実施例II.21に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、綿布地(参照番号1-3011、漂白CO-クレトン、135g/m2、30/30テックス)に適用した。
綿/ポリエステルと同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0077】
実施例II.23
実施例II.21又は実施例II.22に記載されている手順と同じ手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、PES布地(参照番号5-3208、定着、90g/m2)に適用し、マクロゴール400EFを全く含まないPES捺染用の標準原料ペーストを使用した。
綿/ポリエステル及び綿と同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0078】
実施例II.24
実施例II.1に記載した手順と同じ手順を、異なる品質の綿/ポリエステル布地(参照番号7-3011、CO/PES 35/65)を使用して適用し、
3.41質量%の式(201)の分散染料、
2.59質量%の式(103)及び式(104)の分散染料の混合物、
25.50質量%のグリセロール(85%)、
6.06質量%の市販の水溶性分散剤の混合物、
2.96質量%のポリエチレングリコール、
1質量%の市販の界面活性剤、
0.23質量%の市販の殺菌剤及び
58.25質量%の脱イオン水
を含有する水性インクを使用して適用した。
80℃乃至100℃で10分間乾燥させた後、捺染された布地を200℃で90秒間定着した。冷却後、捺染した布地を冷たい軟水ですすぎ、最後に1g/Lの市販の界面活性剤の溶液で洗浄し、すすぎ、乾燥した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱
蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0079】
実施例II.25
実施例II.24に記載されている手順を、綿/ポリエステル布地の代わりに、綿布地(参照番号1-3011、漂白CO-クレトン、135g/m2、30/30テックス)に適用した。
綿/ポリエステルと同様に、綿/ポリエステル布地では、優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性及び光堅牢性を有する非常に高い色強度を有する非常に濃い黒色捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0080】
実施例II.26
実施例II.3に記載した手順と同じ手順を、実施例II.24に記載した水性インクを使用して適用した。
優れたオールラウンドな堅牢性、特に洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、及び光堅牢性を有する、高い色強度の濃い黒色の捺染物が得られた。
乾燥した捺染物をより低温で定着時間を長くして定着させる場合、又は180℃の過熱蒸気で8分間定着させる場合も、類似の結果と特性が得られた。
【0081】