(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】オーキシン除草剤混合物
(51)【国際特許分類】
A01N 37/40 20060101AFI20220629BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20220629BHJP
A01N 57/20 20060101ALI20220629BHJP
A01N 59/02 20060101ALI20220629BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
A01N37/40
A01N25/00 101
A01N57/20 L
A01N59/02 Z
A01P13/00
(21)【出願番号】P 2019568767
(86)(22)【出願日】2018-06-13
(86)【国際出願番号】 US2018037190
(87)【国際公開番号】W WO2018231891
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-01
(32)【優先日】2017-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501231613
【氏名又は名称】モンサント テクノロジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ダブリュー・ヘミングハウス
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・ジェイ・クロプフ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ティ・ホィテック
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0272116(US,A1)
【文献】特表2013-525360(JP,A)
【文献】特表2013-520461(JP,A)
【文献】特表2010-519302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/00- 65/48
A01P 1/00- 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカチオンを含む塩の形態のオーキシン除草剤と、
前記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分と、
(a)式Ia:
【化1】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である前記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化2】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである前記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化3】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である前記ホスホニウムカチオン、及び
それらの混合物
からなる群より選択される第2のカチオンを含むアジュバントと
を含む除草剤組成物であって、
該除草剤組成物は、酸当量(a.e.)基準で、少なくともリットル当り240グラムの濃度で前記オーキシン除草剤を含む除草剤濃縮物の形態であり、
前記農薬成分が、グルホシネートアンモニウム塩、硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、
尿素硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、イセチオン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、及びそれらの混合物から成る群から選択されるアンモニウムイオン源を含む、前記除草剤組成物。
【請求項2】
第2のカチオンが、式Ia
【化10】
[式中
R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立してC
3-C
12ヒドロカルビルであり、R
4がC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3およびR
4の炭素原子の総数が少なくとも13である。]
の第四級アンモニウムカチオンを含む、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
第2のカチオンが、式IIa
【化11】
[Aは5員または6員複素環であり;R
5はC
1~C
20アルキルであり;R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである。]の窒素複素環カチオンを含む、
請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
第2のカチオンが、式IIIa
【化12】
[R
7、R
8およびR
9がそれぞれ独立してC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10がC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9およびR
10の炭素原子の総数が少なくとも13である。]
のホスホニウムカチオンを含む、
請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
カチオンを含む塩の形態のオーキシン除草剤と、
前記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分と
を混合することを含み、ここで、該農薬成分が、グルホシネートアンモニウム塩、硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、
尿素硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、イセチオン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、及びそれらの混合物から成る群から選択されるアンモニウムイオン源を含み、
前記カチオンが、
(a)式Ia:
【化13】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である前記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化14】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである前記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化15】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、
R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である前記ホスホニウムカチオン、及び
それらの混合物
からなる群より選択される、除草剤混合物の製造方法。
【請求項6】
塩の形態のオーキシン除草剤と、
グルホシネートアンモニウム塩、硫酸アンモニウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される農薬(agrochemical)成分と、
水酸化テトラブチルアンモニウムおよび水酸化トリブチルメチルアンモニウムから成る群から選択される第四級アンモニウム塩を含むアジュバントと
を混合することを含み、
前記オーキシン除草剤の第四級アンモニウム塩に対するモル比が
2:1~10:1である、除草剤タンク混合物の製造方法。
【請求項7】
前記オーキシン除草剤の前記アジュバントに対するモル比が、2:1~10:1である、
請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
第1のカチオンが、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジグリコールアンモニウム、ジメチルアンモニウムおよびそれらの混合物からなる群より選択される、
請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記オーキシン除草剤が、ジカンバ、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB)、ジクロロプロップ、2-メチル-4-クロロフェノキシ酢酸(MCPA)、4-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)ブタン酸(MCPB)、4-クロロフェノキシ酢酸、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)、アミノピラリド、クロピラリド、フルロキシピル、トリクロピル、メコプロップ、ピクロラム、キンクロラック、アミノシクロピラクロル、及び
それらの混合物からなる群より選択される、
請求項1~4、7及び8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記オーキシン除草剤が、ジカンバ、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB)、ジクロロプロップ、2-メチル-4-クロロフェノキシ酢酸(MCPA)、4-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)ブタン酸(MCPB)、4-クロロフェノキシ酢酸、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)、アミノピラリド、クロピラリド、フルロキシピル、トリクロピル、メコプロップ、ピクロラム、キンクロラック、アミノシクロピラクロル、及び
それらの混合物からなる群より選択される、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項11】
グリホサート、グルホシネート、アトラジン、アセトクロル、ホメサフェン、フルミオキサジン、ラクトフェン、スルフェントラゾン、メトリブジン、クレトジム、セトキシジム、メトラクロル、アラクロル、フェノキサプロップ、フルアジホップ、ハロキシホップメチル、パラコート、トリアルコキシジム、ならびにそれらの塩及び混合物からなる群より選択される共除草剤を更に含む、
請求項1~4及び7~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記除草剤混合物又は除草剤タンク混合物が、グリホサート、グルホシネート、アトラジン、アセトクロル、ホメサフェン、フルミオキサジン、ラクトフェン、スルフェントラゾン、メトリブジン、クレトジム、セトキシジム、メトラクロル、アラクロル、フェノキサプロップ、フルアジホップ、ハロキシホップメチル、パラコート、トリアルコキシジム、ならびにそれらの塩及び混合物からなる群より選択される共除草剤を更に含む、請求項5、6及び10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
Aが置換されたイミダゾール環、置換されたピリジン環および置換されたピロリジン環から成る群から選択される、請求項3に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オーキシン除草剤の塩(例えばジカンバ塩)とアジュバントとを含む除草剤混合物、かかる除草剤混合物の製造方法、及び望ましくない植物を枯殺するまたは防除するためのかかる除草剤混合物の散布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジカンバなどのオーキシン除草剤は、望ましくない植物の防除に効果的且つ非常に有益であることが証明されている。一般に、オーキシン除草剤は、天然のオーキシン植物成長調節因子を模倣するまたは該成長調節因子のように作用する。オーキシン除草剤は、細胞壁の可塑性及び核酸代謝に影響を与えるように思われ、これらが結果として制御されない細胞分裂及び成長を引き起こすことができる。オーキシン除草剤によって引き起こされる傷害の症状としては、茎及び葉柄の上偏生長屈曲及びねじれ、巻き葉及びカップ状葉、ならびに異常な葉の形状及び葉脈が挙げられる。
【0003】
オーキシン除草剤には、時として対象区域外への移動を伴う場合がある。ある種の散布条件下では、オーキシン除草剤は大気中に揮発し、散布区域から接触による害が発生する可能性のある隣接する作物または非標的植物へと移動する場合がある。作物の損傷の一般的な症状としては、カップ状葉、奇形葉、葉の壊死、頂芽の枯死、及び/または成熟の遅延が挙げられる。
【0004】
したがって、オーキシン除草剤の揮発性を低下させる、経済的で利便性のある解決策が引き続き求められている。既存の除草剤の生産または製剤化プロセスに対して費用のかかる改変を必要としない解決策が有益となる。更に、従来のオーキシン除草剤製剤(例えば濃縮物)と共に用いることができ、オーキシン除草剤を含有する除草剤散布混合物(例えばタンク混合物)の調製中に現場で実施できる解決策が有利となる。
【0005】
更に、特定の種類の農薬(agrochemicals)と混合すると、オーキシン除草剤(例えばジカンバ)が揮発性の増加を示す場合があることが認められている。したがって、これらの農薬(agrochemicals)の存在に起因するオーキシンの揮発性に対する悪影響を低減または抑制する、経済的で利便性のある解決策が引き続き求められている。
【0006】
本明細書に開示される1種または複数種の除草剤混合物及び方法により、これらの及び/または他の利点を提供することができる。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、オーキシン除草剤の塩(例えばジカンバ塩)とアジュバントとを含む除草剤混合物、かかる除草剤混合物の製造方法、及び望ましくない植物を枯殺するまたは防除するためのかかる除草剤混合物の散布方法に関する。
【0008】
本発明の様々な態様は、
オーキシン除草剤の酸(例えばジカンバ酸)と、
第1のカチオンを含む中和用塩基と、
(a)式I:
【化1】
の第四級アンモニウム塩であって、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウム塩、
(b)式II:
【化2】
の窒素複素環を含有する塩であって、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環を含有する塩、
(c)式III:
【化3】
のホスホニウム塩であって、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウム塩、及び
それらの混合物
からなる群より選択される、第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む、オーキシン除草剤の塩(例えばジカンバ)を含む除草剤濃縮物組成物の製造方法を対象とする。
【0009】
本発明の更なる態様は除草剤タンク混合物の製造方法を対象とする。一方法は、
オーキシン除草剤(例えばジカンバ)であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分と、
上記及び本明細書の他所で規定される、第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む。別の方法は、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
グルホシネートアンモニウム塩を含む農薬(agrochemical)成分と、
上記及び本明細書の他所で規定される、第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む。更なる方法は、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
グリホサートアンモニウム塩を含む農薬(agrochemical)成分と、
上記及び本明細書の他所で規定される、第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む。更に別の方法は、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
硫酸アンモニウムを含む農薬(agrochemical)成分と、
上記及び本明細書の他所で規定される、第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む。これらの及び他の方法においては、上記アジュバントは水酸化テトラブチルアンモニウムを含んでいてもよく、上記オーキシン除草剤の水酸化テトラブチルアンモニウムに対するモル比は約2:1~約10:1である。種々の他の方法は、
オーキシン除草剤であって、カチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含み、且つアンモニウムイオン源を含む農薬(agrochemical)成分と
を混合することを含み、
上記カチオンは、
(a)式Ia:
【化4】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化5】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化6】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン、及び
それらの混合物
からなる群より選択される。
【0010】
本発明の他の態様は、種々の除草剤組成物を対象とする。一組成物は、
オーキシン除草剤(例えばジカンバ)であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分と、
(a)式Ia:
【化7】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化8】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化9】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン、及び
それらの混合物
からなる群より選択される第2のカチオンを含むアジュバントと
を含み、
酸当量(a.e.)基準で、少なくともリットル当り240グラムの濃度で上記オーキシン除草剤を含む。更なる組成物は、
第1のカチオン及び第1のオーキシン除草剤のアニオンを含む第1のオーキシン除草剤の塩(例えば第1のジカンバ塩)、ならびに第2のカチオン及び第2のオーキシン除草剤のアニオンを含む第2のオーキシン除草剤の塩(例えば第2のジカンバ塩)を含む第1の成分と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分と
を含み、
第2のカチオンは上記及び本明細書の他所で規定される。別の組成物は、
オーキシン除草剤(例えばジカンバ)であって、カチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含み、且つアンモニウムイオン源を含む農薬(agrochemical)成分と
を含み、
上記カチオンは、
(a)式Ia:
【化10】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化11】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化12】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン、及び
それらの混合物
からなる群より選択される。
【0011】
本発明の態様は、オーキシン除草剤(例えばジカンバ)を含む除草剤混合物の植物の葉への散布後の、上記オーキシン除草剤の対象区域外への移動の低減方法を始めとするその他の方法も含む。上記方法は、必要な場合に、本明細書に記載の除草剤組成物または混合物を水で希釈して散布混合物を形成することと、除草剤として有効な量の上記散布混合物を上記植物の葉に散布することとを含む。別の方法としては、雑草もしくは望ましくない植生の枯殺または防除方法であって、必要な場合に、本明細書に記載の除草剤組成物または混合物を水で希釈して散布混合物を形成することと、除草剤として有効な量の上記散布混合物を上記雑草または望ましくない植生の葉に散布することとを含む、上記方法が挙げられる。
【0012】
他の目的及び特徴は、本明細書の以下において、一部は明らかになり、一部は示される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】組成物の物理的安定性を評価するために、調製後に撮影された当該組成物の画像である。
【0014】
【
図2】組成物の物理的安定性を評価するために、調製後に撮影された当該組成物の画像である。
【0015】
【
図3】組成物の物理的安定性を評価するために、調製の3日後に撮影された当該組成物の画像である。
【0016】
【
図4】組成物の物理的安定性を評価するために、調製の3日後に撮影された当該組成物の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に記載の水酸化物塩を含むアジュバントを、オーキシン除草剤の塩(例えばジカンバ塩)を含む除草剤混合物中に導入することにより、ジカンバなどのオーキシン除草剤の揮発性を大幅に低下させることができることが見出された。本明細書に記載の方法及び組成物が、上記オーキシン除草剤の揮発性を高める1種または複数種の化合物(例えばアンモニウムイオン)の存在下であってさえも、上記オーキシン除草剤の揮発性を抑制するまたは低下させるのに有効であることは驚くべきことである。
【0018】
例えば、本明細書では、
オーキシン除草剤であって、上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分と、
アジュバントと
を混合することを含む除草剤混合物の製造方法が提供される。
【0019】
様々な実施形態において、上記アジュバントは、
(a)式I:
【化13】
の第四級アンモニウム塩であって、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウム塩と、
(b)式II:
【化14】
の窒素複素環を含有する塩であって、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環を含有する塩と、
(c)式III:
【化15】
のホスホニウム塩であって、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウム塩と
からなる群より選択される水酸化物塩を含む。式I、II、及びIIIの水酸化物塩は組み合わせで用いられてもよい。
【0020】
式Iの第四級アンモニウム塩において、R1、R2、及びR3はそれぞれ、C3~C12アルキルまたはアルケニルであってよい。R4は、C3~C12ヒドロカルビル、例えばC3~C12アルキルまたはアルケニルであってよい。あるいは、R4はベンジルであってもよい。R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立に、C3~C12アルキルであることが好ましい。
【0021】
R1、R2、R3、及びR4の炭素原子の総数は少なくとも13である。R1、R2、R3、及びR4の炭素原子の総数は、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18であることが好ましい。例えば、R1、R2、R3、及びR4の炭素原子の総数は、13~約30、13~約25、13~約20、または13~約18の範囲であってよい。
【0022】
R1、R2、及びR3の代表的なアルキル基としては、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシルが挙げられる。R4の代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシルが挙げられる。R1、R2、及びR3の好ましいアルキル基としては、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルが挙げられる。R4の好ましいアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルが挙げられる。特定の実施形態において、R4はメチルである。
【0023】
様々な実施形態において、R1、R2、R3、及びR4の少なくとも2は同一の置換基を有する(例えば、R1及びR2はそれぞれブチルである)。いくつかの実施形態において、R1、R2、及びR3はそれぞれ同一の置換基を有する(例えば、R1、R2、及びR3はそれぞれブチルである)。特定の実施形態において、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ同一の置換基を有する(例えば、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれブチルである)。
【0024】
式Iの第四級アンモニウム塩の好ましい種としては、水酸化トリブチルメチルアンモニウム及び水酸化テトラブチルアンモニウムが挙げられる。
【0025】
式IIの窒素複素環を含有する塩において、環Aは、好ましくは、置換イミダゾール環、置換ピリジン環、または置換ピロリジン環である。R5は、好ましくはC1~C12アルキルである。好ましい実施形態において、式IIの塩は、水酸化1-ブチル-1-メチルピロリジニウム、水酸化1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、水酸化1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、水酸化1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム、及び水酸化セチルピリジニウムからなる群より選択される。
【0026】
式IIIのホスホニウム塩において、R7、R8、及びR9はそれぞれ、C3~C12アルキルまたはアルケニルであってよい。R10は、C3~C12ヒドロカルビル、例えばC3~C12アルキルまたはアルケニルであってよい。他の実施形態において、R10はベンジルである。R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立に、C3~C12アルキルであることが好ましい。
【0027】
R7、R8、R9、及びR10の炭素原子の総数は少なくとも13である。R7、R8、R9、及びR10の炭素原子の総数は、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18であることが好ましい。例えば、R7、R8、R9、及びR10の炭素原子の総数は、13~約30、13~約25、13~約20、または13~約18の範囲であってよい。
【0028】
R7、R8、及びR9の代表的なアルキル基としては、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシルが挙げられる。R10の代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシルが挙げられる。R7、R8、及びR9の好ましいアルキル基としては、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルが挙げられる。R10の好ましいアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルが挙げられる。
【0029】
式IIIのホスホニウム塩の好ましい種としては、水酸化トリブチルメチルホスホニウム及び水酸化テトラブチルホスホニウムが挙げられる。
【0030】
アジュバントの量
本明細書に記載の1または複数の利点、特に上記オーキシン除草剤の揮発性の低下は、場合において、比較的小さな比率の上記アジュバントの添加により達成することができることが見出された。
【0031】
したがって、好ましい実施形態において、上記除草剤混合物は、オーキシン除草剤に対して、モル基準で等量以下の上記アジュバントを含む。例えば、上記オーキシン除草剤の上記アジュバントに対するモル比は、1:1より大きい、例えば、少なくとも約1.25:1、少なくとも約1.5:1、少なくとも約1.75:1、少なくとも約2:1、少なくとも約2.5:1、少なくとも約3:1、少なくとも約4:1、または少なくとも約5:1であってよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、上記オーキシン除草剤の上記アジュバントに対するモル比は、20:1以下、10:1以下、8:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下、または2:1以下である。上記オーキシン除草剤の上記アジュバントに対するモル比は、上記に列挙した最小値と最大値との任意の組み合わせによって規定される範囲内に入っていてもよい。
【0033】
例えば、上記オーキシン除草剤の上記アジュバントに対するモル比は、モル基準で約1:1~約10:1、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、または約1:1~約2:1の範囲であってよい。いくつかの実施形態において、上記オーキシン除草剤の上記アジュバントに対するモル比は、約2:1~約10:1、約2:1~約8:1、約2:1~約5:1、約2:1~約4:1、または約2:1~約3:1の範囲であってよい。
【0034】
オーキシン除草剤及びその塩
オーキシン除草剤としては、例えば、3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB)、ジクロロプロップ、2-メチル-4-クロロフェノキシ酢酸(MCPA)、4-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)ブタン酸(MCPB)、4-クロロフェノキシ酢酸、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)、アミノピラリド、クロピラリド、フルロキシピル、トリクロピル、メコプロップ、ピクロラム、キンクロラック、アミノシクロピラクロル、及びそれらの混合物が挙げられる。これらの除草剤の塩としては、一般に、例えば、アルカリ金属塩及びアミン塩とも呼ばれる有機アンモニウム塩が挙げられる。オーキシン除草剤の特定の塩は、ナトリウム、カリウム、ジグリコールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミン、及びそれらの混合物を含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、上記オーキシン除草剤は2,4-Dを含む。様々な実施形態において、上記オーキシン除草剤はジカンバを含む。いくつかの好ましいジカンバ塩は、ジグリコールアミン塩、モノエタノールアミン塩、カリウム塩、及びそれらの混合物からなる群より選択される。例えば、本組成物はジカンバのモノエタノールアミン塩を含んでいてもよい。更なる例として、本組成物はジカンバのジグリコールアミン塩を含んでいてもよい。なおも更なる例として、本組成物はジカンバのカリウム塩を含んでいてもよい。更に別の例として、本組成物はジカンバのナトリウム塩を含んでいてもよい。
【0036】
オーキシン除草剤の他の塩としては、米国特許出願公開第2012/0184434号に記載されるものなどのポリアミン塩が挙げられ、上記公開特許の全開示は、全ての関連する目的のために参照により本明細書に援用される。US2012/0184434に記載される塩は、ジカンバ及びその他のオーキシン除草剤などのアニオン性農薬(pesticide)と、
式(A):
【化16】
のカチオン性ポリアミンであって、式中、R
14、R
15、R
17、R
19、及びR
20は独立に、Hもしくは、任意選択でOHにより置換されていてもよいC
1~C
6アルキルであり、R
16及びR
18は独立にC
2~C
4アルキレンであり、XはOHもしくはNR
19R
20であり、nは1~20である上記ポリアミン、または
式(B):
【化17】
のカチオン性ポリアミンであって、式中、R
21及びR
22は独立に、HもしくはC
1~C
6アルキルであり、R
23はC
1~C
12アルキレンであり、R
24は、脂肪族C
5~C
8環系であり、該環中に窒素を含むか、もしくは少なくとも1単位のNR
21R
22で置換されているかのいずれかの上記環系である上記ポリアミン
を含む。これらのカチオン性ポリアミンの例としては、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)-N-イソプロパノールアミン、N’-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ビス(3-アミノプロピル)メチルアミン、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N,N-ジイソプロパノールアミン、Ν,Ν,Ν’-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、アミノプロピルモノメチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、アミノプロピルモノメチルエタノールアミン、及びアミノエチルエタノールアミンが挙げられる。したがって、いくつかの実施形態において、本組成物は、上記の式AまたはBのカチオン性ポリアミンを含むオーキシン除草剤の塩(例えばオーキシン除草剤の塩)を含む。
【0037】
農薬(agrochemical)成分
ジカンバなどのオーキシン除草剤は、特定の種類の農薬(agrochemicals)と混合され、特定の条件下で散布されると、揮発性の増加を示す場合があることが認められている。ジカンバなどのオーキシン除草剤の揮発を助長することが認められている農薬(agrochemicals)としては、例えば、アンモニウムイオンを含む農薬(agrochemicals)、第一級または第二級有機アミンを含む農薬(agrochemicals)、及び(例えば、当該組成物のpHを低下させることにより)酸性化剤として作用する農薬(agrochemicals)が挙げられる。
【0038】
本明細書に記載のアジュバントは、ジカンバなどのオーキシン除草剤の揮発性を、当該オーキシン除草剤の揮発を助長するような農薬(agrochemical)成分の存在下であってさえも、抑制するまたは低下させるのに有効であることが見出された。したがって、本明細書に記載の混合物及び組成物は、上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分を含んでいてもよい。本明細書では、除草剤製剤中において農薬(agrochemical)が上記オーキシン除草剤の揮発を助長する能力は、実施例2及び‘‘A Method to Determine the Relative Volatility of Auxin Herbicide Formulations’’ in ASTM publication STP1587 entitled ‘‘Pesticide Formulation and Delivery Systems: 35th Volume, Pesticide Formulations, Adjuvants, and Spray Characterization in 2014, published 2016(参照により本明細書に援用される)に記載のhumidome試験を始めとする、但しこれに限定されない、当業者に公知の技法を用いて容易に測定することができる。
【0039】
例えば、ジカンバなどのオーキシン除草剤のアンモニウムイオンを含む成分との混合物は、当該オーキシン除草剤の揮発を助長し、それによりオーキシン除草剤の揮発性に伴う問題を悪化させることが知られている。アンモニウムイオンを含む除草剤混合物の一般的な成分としては、例えば、共除草剤のアンモニウム塩(例えば、グリホサートアンモニウム塩またはグルホシネートアンモニウム塩)、硫酸アンモニウム及び他の肥料などの農業添加剤、及び無機アンモニウム含有水調整剤が挙げられる。
【0040】
したがって、本明細書に記載の混合物及び組成物は、アンモニウムイオン源を含む農薬(agrochemical)を含んでいてもよい。本明細書に記載のアジュバントは、アンモニウムイオン(すなわちNH4
+イオン)を含む成分の存在下であってさえも、オーキシン除草剤の揮発性を抑制するまたは低下させるのに有効であることが見出された。このことは、農業においてアンモニウムイオンを含む多種多様な成分が通常使用され、これらの成分が一般に除草剤を含むタンク混合物中に導入されることから、大きな利点を意味する。
【0041】
本明細書に記載のオーキシン除草剤混合物及び組成物中に存在していてもよいアンモニウムイオンを含む農薬(agrochemicals)の非限定的な例としては、グリホサートアンモニウム塩及びグルホシネートアンモニウム塩を含む、但しこれらに限定されないアンモニウム含有共除草剤、ならびに、硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、イセチオン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、及びそれらの混合物を含む、但しこれらに限定されない肥料及びアンモニウム含有水調整剤などのアンモニウム含有農業添加剤が挙げられる。
【0042】
第一級または第二級有機アミンを含む農薬(agrochemicals)の非限定的な例としては、グリホサート及びグルホシネートの有機アミン塩を含む、但しこれらに限定されない、本明細書に記載の種々の共除草剤の有機アミン塩が挙げられる。例えば、上記農薬(agrochemical)成分は、モノエタノールアミン塩、n-プロピルアミン塩、イソプロピルアミン塩、エチルアミン塩、ジメチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ヘキサメチレンジアミン塩、及びトリメチルスルホニウム塩、ならびにそれらの混合物からなる群より選択されるグリホサート塩またはグルホシネート塩を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、上記農薬(agrochemical)成分はグリホサートのイソプロピルアミン塩を含む。別の実施形態において、上記農薬(agrochemical)成分はグリホサートのジメチルアミン塩を含む。
【0043】
酸性化剤として作用する農薬(agrochemicals)の非限定的な例としては、グリホサートカリウム塩、グリホサートナトリウム塩、グルホシネートカリウム塩、及びグルホシネートナトリウム塩などのグリホサート及びグルホシネートのアルカリ塩;クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、ジメチルグルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、タルトロン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12-ドデカン二酸、1,13-トリデカン二酸、グルタミン酸、フタル酸、イソフタル酸、乳酸、テレフタル酸などのポリカルボン酸及びヒドロキシル酸、またはこれらの酸のいずれかの無水物、エステル、アミド、ハロゲン化物、塩、もしくは前駆体;ならびに脂肪酸またはそれらの農学的に許容される塩、特にC8~C12の飽和の、直鎖または分枝鎖脂肪酸(例えば、ペラルゴン酸の、水溶性で農学的に許容される塩)が挙げられる。
【0044】
特定の農薬(agrochemical)(例えば、除草剤のアンモニウム塩または水調整剤)に応じて、本除草剤混合物または組成物中の濃度は大幅に変化してもよい。上記除草剤混合物中の上記農薬(agrochemical)成分の濃度は、一般的には少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約1重量%、または少なくとも約5重量%である。
【0045】
いくつかの実施形態において、本除草剤混合物または組成物中の、アンモニウムイオン及び/または第一級もしくは第二級有機アミンのオーキシン除草剤に対するモル比は、少なくとも約0.01:1、少なくとも約0.05:1、少なくとも約0.1:1、少なくとも約0.2:1、少なくとも約0.3:1、少なくとも約0.4:1、少なくとも約0.5:1、少なくとも約0.6:1、少なくとも約0.7:1、少なくとも約0.8:1、少なくとも約0.9:1、少なくとも約1:1、少なくとも約1.5:1、または少なくとも約2:1である。いくつかの実施形態において、本除草剤混合物または組成物中の、アンモニウムイオンのオーキシン除草剤に対するモル比は、100:1以下、50:1以下、40:1以下、30:1以下、20:1以下、10:1以下、または5:1以下である。本除草剤混合物または組成物中の、アンモニウムイオンのオーキシン除草剤に対するモル比は、上記に列挙した最小値と最大値との任意の組み合わせによって規定される範囲内に入っていてもよい。
【0046】
共除草剤
上記のように、様々な実施形態において、上記農薬(agrochemical)成分は共除草剤を含む。いくつかの実施形態において、上記共除草剤は、本明細書に記載のジカンバなどのオーキシン除草剤の揮発を助長する農薬(agrochemical)である。他の実施形態において、上記共除草剤は、本明細書に記載のジカンバなどの上記オーキシン除草剤の揮発を助長する農薬(agrochemical)ではない。
【0047】
共除草剤としては、例えば、1種または複数種の更なるオーキシン除草剤、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害剤;アセト乳酸シンターゼ(ALS)またはアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)阻害剤;光化学系II阻害剤;光化学系I阻害剤;プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPOまたはプロトックス)阻害剤;カロテノイド生合成阻害剤;エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸(EPSP)シンターゼ阻害剤;グルタミンシンテターゼ阻害剤;ジヒドロプテロエートシンテターゼ阻害剤;有糸分裂阻害剤;4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(4-HPPD)阻害剤;オーキシン輸送阻害剤;核酸阻害剤;これらの除草剤の農業上許容される塩、エステル、及びその他の誘導体;それらのラセミ混合物及び分割異性体;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0048】
好適な共除草剤の具体例としては、アセトクロル;アシフルオルフェン;アラクロル;アトラジン;アザフェニジン;ビフェノックス;ブタクロル;ブタフェナシル;カルフェントラゾンエチル;ジウロン;ジチオピル;フルフェンピルエチル;フルミクロラックペンチル;フルミオキサジン;フルオログリコフェン;フルチアセットメチル;ホメサフェン、N-(ホスホノメチル)グリシン(グリホサート);DL-ホスフィノトリシン(グルホシネート);イマゼタピル;ラクトフェン;メタゾクロル;メトラクロル(及びS-メトラクロル);メトリブジン;オキサジアルギル;オキサジアゾン;オキシフルオルフェン;プレチラクロール;プロパクロル;プロピソクロル;ピラフィフェンエチル;スルフェントラゾン;テニルクロル;それらの農業上許容される塩、エステル、及びその他の誘導体;それらのラセミ混合物及び分割異性体;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
いくつかの実施形態において、上記共除草剤は、例えば、アメトリン、アミカルバゾン、アトラジン、ベンタゾン、ブロマシル、ブロモキシニル、クロロトルロン、シアナジン、デスメディファム、デスメトリン、ジメフロン、ジウロン、フルオメツロン、ヘキサジノン、イオキシニル、イソプロツロン、リヌロン、メタミトロン、メチベンズロン、メトクスロン、メトリブジン、モノリニュロン、フェンメディファム、プロメトン、プロメトリン、プロパニル、ピラゾン、ピリデート、シズロン、シマジン、シメトリン、テブチウロン、テルバシル、テルブメトン、テルブチラジン、及びトリエタジン、それらの塩及びエステル、ならびにそれらの混合物から選択される光化学系II阻害剤である。別の実施形態において、上記共除草剤は、例えば、メソトリオン、イソキサフルトール、ベンゾフェナップ、ピラゾリネート(pyrazolynate)、ピラゾキシフェン、スルコトリオン、テンボトリオン、及びトロプラメゾンから選択される4-HPPD阻害剤である。
【0050】
いくつかの実施形態において、上記共除草剤は、ブトロキシジム、クレトジム、シクロキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム、プロホキシジム、ハロキシホップ、プロパキザホップ及びクロジナホップのC1~4アルキルならびにプロパルギルエステル、シハロホップ、ジクロホップ、フェノキサプロップ、フルアジホップ、フルアジホップ-P、ハロキシホップ、キザロホップ及びキザロホップ-P(例えば、キザロホップエチルまたはキザロホップ-P-エチル、クロジナホッププロパルギル、シハロホップブチル、ジクロホップメチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ-P-ブチル、ハロキシホップメチル、ハロキシホップ-R-メチル)から選択されるグラミニサイド(graminicide)である。
【0051】
いくつかの好ましい共除草剤としては、例えば、N-(ホスホノメチル)グリシン(グリホサート)、DL-ホスフィノトリシン(グルホシネート)、アトラジン、アセトクロル、ホメサフェン、フルミオキサジン、ラクトフェン、スルフェントラゾン、メトリブジン、クレトジム、セトキシジム、メトラクロル、アラクロル、フェノキサプロップ、フルアジホップ、ハロキシホップメチル、パラコート、トリアルコキシジム、これらの除草剤のいずれかの農業上許容される塩またはその他の誘導体、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0052】
いくつかの実施形態において、上記共除草剤は更なるオーキシン除草剤を含む。本明細書で述べたように、オーキシン除草剤としては、ジカンバ、2,4-D、2,4-DB、ジクロロプロップ、MCPA、MCPB、4-クロロフェノキシ酢酸、2,4,5-T、アミノピラリド、クロピラリド、フルロキシピル、トリクロピル、メコプロップ、ピクロラム、キンクロラック;アミノシクロピラクロル、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0053】
ジカンバなどのオーキシン除草剤の揮発性は、場合により、共除草剤、特に溶液中で当該オーキシン除草剤よりも酸性の強い(すなわち、遊離プロトンを与える潜在的能力を有する)共除草剤と混合した場合に、増加することが認められている。例えば、pKaまたは第1のpKaが約5未満である共除草剤は、混合した場合に、いくつかのジカンバ製剤の揮発性を増加させることが認められている。第1のpKaが約5未満である共除草剤としては、例えば、グリホサート及びグルホシネートが挙げられる。それにもかかわらず、ジカンバとこれらの共除草剤とを含有する除草剤混合物は望まれており、その理由は、該混合物の有効性と、ジカンバと特定の共除草剤(例えばグリホサート)の両方に対して耐性のあるトランスジェニック作物の育成にある。したがって、様々な好ましい実施形態において、上記共除草剤は、グリホサート、グルホシネート、それらの農業上許容される塩、エステル、または他の誘導体、及びそれらの混合物からなる群より選択される。
【0054】
いくつかの実施形態において、上記共除草剤は1種または複数種のグリホサートの塩を含む。グリホサート塩としては、一塩基性、二塩基性、または三塩基性の塩が挙げられ、グリホサートのアンモニウム(例えば、モノ、ジ、またはトリアンモニウム)塩、アルカリ金属(例えば、カリウムまたはナトリウム)塩、スルホニウム(例えば、モノ、ジ、またはトリメチルスルホニウム)塩、及び有機アンモニウム塩が挙げられる。一般にアミン塩と呼ばれる有機アンモニウム塩は、脂肪族または芳香族アミン塩を含んでいてもよく、第一級、第二級、第三級、または第四級アミン塩を含んでいてもよい。かかる有機アミン塩の代表的且つ非限定的な例としては、グリホサートのイソプロピルアミン塩、n-プロピルアミン塩、エチルアミン塩、ジメチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、及びヘキサメチレンジアミン塩が挙げられる。したがって、いくつかの実施形態において、上記グリホサート塩は、カリウム塩、モノアンモニウム塩、ジアンモニウム塩、ナトリウム塩、モノエタノールアミン塩、n-プロピルアミン塩、イソプロピルアミン塩、エチルアミン塩、ジメチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ヘキサメチレンジアミン塩、トリメチルスルホニウム塩、及びそれらの混合物(例えば、カリウム塩、モノエタノールアミン塩、イソプロピルアミン塩、及びそれらの混合物)からなる群より選択される。例えば、いくつかの実施形態において、上記共除草剤はイソプロピルアミン塩の形態のグリホサートを含む。
【0055】
上記グリホサートのアルカリ塩は、グリホサート濃縮物組成物において高い除草剤負荷を達成するのに特に好適であることが見出された。したがって、いくつかの実施形態において、上記共除草剤はアルカリ塩(例えば、カリウム塩及び/またはナトリウム塩)を含むグリホサート塩を含む。いくつかの実施形態において、上記共除草剤はカリウム塩の形態のグリホサートを含む。
【0056】
モノカルボン酸、またはそれらの塩
本明細書に記載の除草剤混合物または組成物は、オーキシン除草剤の揮発性を始めとする、農薬(pesticide)の潜在的な揮発性を抑制するまたは低下させるための他の添加剤を更に含んでいてもよい。例えば、米国出願公開第US2014/0128264号及び第US2015/0264924号(参照により本明細書に援用される)に記載されるように、農薬(pesticide)の潜在的な揮発性を抑制するまたは低下させるための添加剤としては、モノカルボン酸またはそれらの塩(例えば、酢酸及び/またはその農業上許容される塩)が挙げられる。代表的なモノカルボン酸及びモノカルボン酸塩は一般に、例えば、非置換もしくは置換された、直鎖もしくは分枝鎖アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルなどのC1~C20アルキル);非置換もしくは置換された、直鎖もしくは分枝鎖アルケニル(例えば、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニルなどのC2~C20アルケニル);非置換もしくは置換されたアリール(例えば、フェニル、ヒドロキシフェニルなど);または非置換もしくは置換されたアリールアルキル(例えばベンジル)から選択される炭化水素あるいは非置換炭化水素を含む。特に、上記モノカルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及び安息香酸からなる群より選択されてもよい。上記モノカルボン酸塩は、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、及び安息香酸塩からなる群より選択されてもよい。上記モノカルボン酸塩としては、例えば、ナトリウム及びカリウムから選択されるアルカリ金属塩を挙げることができる。好ましいモノカルボン酸塩としては酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムが挙げられる。
【0057】
上記農薬(pesticide)(例えばオーキシン除草剤)の上記モノカルボン酸、またはそのモノカルボン酸塩に対するモル比は、一般的には約1:10~約10:1、約1:5~約5:1、約3:1~約1:3、または約2:1~約1:2(例えば、約1:1)である。
【0058】
本発明の様々な除草剤濃縮物組成物において、モノカルボン酸及び/またはその塩の濃度は、当該濃縮物組成物の約0.25重量%~約25重量%、約1重量%~約20重量%、約2重量%~約15重量%、約2重量%~約10重量%、または約5重量%~約15重量%であってよい。
【0059】
界面活性剤
本除草剤組成物または混合物は、上記オーキシン除草剤及び/または任意選択の共除草剤の除草剤としての有効性を向上させるために、1種または複数種の界面活性剤を更に含んでいてもよい。界面活性剤を本除草剤混合物中に含有させて、除草剤の当該植物の葉への保持、取り込み、及び移行を容易にし、それによって除草剤としての有効性を向上させてもよい。全除草剤の界面活性剤に対する重量比(a.e.)は一般に、約1:1~約20:1、約2:1~約10:1、または約3:1~約8:1の範囲である。
【0060】
本除草剤組成物または混合物の界面活性剤の一部または全ては、本明細書に記載のアジュバント組成物から供給されてもよい。上記界面活性剤の一部または全ては、単独の界面活性剤組成物、オーキシン除草剤濃縮物もしくはその希釈物、及び/または共除草剤濃縮物もしくはその希釈物(共除草剤が添加される場合)から導入されてもよい。
【0061】
上記界面活性剤は、当技術分野で公知の1種または複数種の界面活性剤を含んでいてもよい。本発明で使用するための公知の界面活性剤としては、アルコキシル化第三級エーテルアミン、アルコキシル化第四級エーテルアミン、アルコキシル化エーテルアミンオキシド、アルコキシル化第三級アミン、アルコキシル化第四級アミン、アルコキシル化ポリアミン、硫酸エステル、スルホン酸塩、リン酸エステル、アルキル多糖、アルコキシル化アルコール、アミドアルキルアミン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0062】
アルコキシル化第三級エーテルアミン界面活性剤の例としては、TOMAH E-14-2(ビス-(2-ヒドロキシエチル)イソデシルオキシプロピルアミン)、TOMAH E-14-5(ポリ(5)オキシエチレンイソデシルオキシプロピルアミン)、TOMAH E-17-2、TOMAH E-17-5(ポリ(5)オキシエチレンイソトリデシルオキシプロピルアミン)、TOMAH E-19-2、TOMAH E-18-2、TOMAH E-18-5(ポリ(5)オキシエチレンオクタデシルアミン)、TOMAH E-18-15、TOMAH E-19-2(ビス-(2-ヒドロキシエチル)直鎖アルキルオキシプロピルアミン)、TOMAH E-S-2、TOMAH E-S-15、TOMAH E-T-2(ビス-(2-ヒドロキシエチル)牛脂アミン)、TOMAH E-T-5(ポリ(5)オキシエチレン牛脂アミン)、及びTOMAH E-T-15(ポリ(15)オキシエチレン牛脂アミン)などのTOMAH Eシリーズ界面活性剤のいずれかが挙げられ、これらの全てはAir Products and Chemicals, Inc.より入手可能である。本明細書に記載の除草剤混合物及び組成物で使用するための特定のアルコキシル化第四級エーテルアミン界面活性剤としては、例えば、TOMAH Q-14-2、TOMAH Q-17-2、TOMAH Q-17-5、TOMAH Q-18-2、TOMAH Q-S、TOMAH Q-S-80、TOMAH Q-D-T、TOMAH Q-DT-HG、TOMAH Q-C-15、及びTOMAH Q-ST-50が挙げられ、これらの全てはAir Products and Chemicals, Inc.より入手可能である。
【0063】
アルコキシル化エーテルアミンオキシド界面活性剤の例としては、TOMAH AO-14-2、TOMAH AO-728、TOMAH AO-17-7、TOMAH AO-405、及びTOMAH AO-455などのTOMAH AOシリーズの界面活性剤が挙げられ、これらの全てはAir Products and Chemicals, Inc.より入手可能である。アルコキシル化第三級アミンオキシド界面活性剤としては、例えば、AROMOX C/12、AROMOX C/12W、AROMOX DMC、AROMOX DM16、AROMOX DMHT、AROMOX T/12 DEGを含むAROMOXシリーズの界面活性剤が挙げられ、これらの全てはAkzo Nobelより入手可能である。
【0064】
アルコキシル化第三級アミン界面活性剤としては、例えば、ETHOMEEN T/12、ETHOMEEN T/20、ETHOMEEN T/25、ETHOMEEN T/30、ETHOMEEN T/60、ETHOMEEN C/12、ETHOMEEN C/15、及びETHOMEEN C/25が挙げられ、これらの全てはAkzo Nobelより入手可能である。アルコキシル化第四級アミン界面活性剤としては、例えば、ETHOQUAD T/12、ETHOQUAD T/20、ETHOQUAD T/25、ETHOQUAD C/12、ETHOQUAD C/15、及びETHOQUAD C/25が挙げられ、これらの全てはAkzo Nobelより入手可能である。
【0065】
アルコキシル化ポリアミン界面活性剤としては、例えば、平均で2EO~20EO、例えば、4.8EO、10EO、または13.4EOを含有するADOGEN 560(N-ヤシ油プロピレンジアミン)のエトキシレート;平均で2EO~20EO、例えば、13EOを含有するADOGEN 570(N-牛脂プロピレンジアミン)のエトキシレート;及び平均で3EO~20EO、例えば14.9EOを含有するADOGEN 670(N-牛脂プロピレントリアミン)のエトキシレートが挙げられ、これらの全てはWitco Corp.より入手可能である。本発明で使用するための他のポリアミン界面活性剤としては、Triamine C、Triamine OV、Triamine T、Triamine YT、Triameen Y12D、Triameen Y12D-30、Tetrameen OV、Tetrameen T3が挙げられ、これらの全てはAkzo Nobelより入手可能である。
【0066】
硫酸エステル界面活性剤としては、例えば、ノニルフェノールエトキシレート硫酸エステルナトリウム(4EO)、ノニルフェノールエトキシレート硫酸エステルナトリウム(10EO)、WITCOLATE 1247H、WITCOLATE 7093、WITCOLATE 7259、WITCOLATE 1276、WITCOLATE LES-60A、WITCOLATE LES-60C、WITCOLATE 1050、WITCOLATE WAQ、WITCOLATE D-51-51、及びWITCOLATE D-51-53が挙げられ、これらの全てはWitco Corp.より入手可能である。スルホン酸塩界面活性剤としては、例えば、WITCONATE 93S、WITCONATE NAS-8、WITCONATE AOS、WITCONATE 60T、及びWITCONATE 605が挙げられ、これらの全てはWitco Corp.より入手可能である。
【0067】
アルコキシル化アルコール界面活性剤のリン酸エステルとしては、例えば、WitcoCorp.より入手可能なEMPHOS CS-121、EMPHOS PS-400、及びWITCONATE D-51-29が挙げられる。他の例としては、Akzo Nobelより入手可能なPHOSPHOLANシリーズ界面活性剤が挙げられる。
【0068】
アルキル多糖も更に別の好適な種類の界面活性剤である。アルキル多糖界面活性剤の例としては、BASFより入手可能なAGNIQUE PG8107-G(AGRIMUL PG 2067)などのアルキルポリグルコシド(APG)界面活性剤が挙げられる。他の代表的なアルキル多糖界面活性剤としては、APG 225、APG 325、APG 425、APG 625、GLUCOPON 600、PLANTAREN 600、PLANTAREN 1200、PLANTAREN 1300、PLANTAREN 2000、AGRIMUL PG 2076、AGRIMUL PG 2067、AGRIMUL PG 2072、AGRIMUL PG 2069、AGRIMUL PG 2062、AGRIMUL PG 2065、及びBEROL AG 6202が挙げられる。
【0069】
アルコキシル化アルコール界面活性剤としては、例えば、EMULGIN L、PROCOL LA-15(Protameen製);BRIJ 35、BRIJ 56、BRIJ 76、BRIJ 78、BRIJ 97、BRIJ 98(Sigma Chemical Co.製);NEODOL 25-12及びNEODOL 45-13(Shell製);HETOXOL CA-10、HETOXOL CA-20、HETOXOL CS-9、HETOXOL CS-15、HETOXOL CS-20、HETOXOL CS-25、HETOXOL CS-30、PLURAFAC A38及びPLURAFAC LF700(BASF製);ST-8303(Cognis製);AROSURF 66 E10及びAROSURF 66 E20(Witco/Crompton製);エトキシ化(9.4EO)牛脂、プロポキシ化(4.4EO)牛脂、及びアルコキシル化(5~16EO及び2~5PO)牛脂(Witco/Crompton製)が挙げられる。他の例としては、Huntsman Chemical Co.製のSURFONIC NP95及びSURFONIC LF-Xシリーズ、ならびにDow製のTERGITOLシリーズがある。
【0070】
いくつかの場合において、本除草剤組成物または混合物の安定性を向上させるために、1種または複数種のアミドアルキルアミン界面活性剤を含有させてもよい。APA界面活性剤の例としては、ARMEEN APA 2、ARMEEN APA 6、ARMEEN APA 8、ARMEEN APA 10、ARMEEN APA 12、ACAR 7051、ACAR 7059、及びADSEE C80W(Akzo Nobel)が挙げられる。
【0071】
更なる成分
本除草剤組成物または混合物は、当業者に公知のその他の従来のアジュバントまたは賦形剤を更に含んでいてもよい。したがって、本除草剤組成物または混合物は、泡調節剤、防腐剤または抗菌剤、不凍剤、溶解度向上剤、色素、及び増粘剤から選択される、但しこれらに限定されない、1種または複数種の更なる成分を更に含んでいてもよい。
【0072】
本除草剤組成物または混合物はドリフト抑制剤を更に含んでいてもよい。本発明の実施に好適なドリフト抑制剤は当業者に公知であり、該ドリフト抑制剤としては、Van Diest Supply Co.より入手可能なGARDIAN、GARDIAN PLUS、DRI-GARD、及びPRO-ONE XL;Loveland Products,Inc.より入手可能なCOMPADRE;Wilbur-Ellis Companyより入手可能なBRONC MAX EDT、BRONC PLUS DRY EDT、EDT CONCENTRATE、及びIN-PLACE;Helena Chemical Co.より入手可能なSTRIKE ZONE DF;Precision Laboratories, LLCより入手可能なINTACT及びINTACT XTRA;ならびにSolvay Groupより入手可能なAGRHO DR 2000及びAGRHO DEP 775が挙げられる。好適なドリフト抑制剤としては、例えば、グアー系(例えば、グアーガムまたは誘導体化されたグアーガムを含有する)ドリフト抑制剤が挙げられる。種々のドリフト抑制製品は、ドリフト抑制剤(複数可)との組み合わせで、1種または複数種の水調整剤も含有していてよい。
【0073】
オーキシン除草剤及び水酸化物塩アジュバントを含む組成物
上述のように、本明細書に記載の除草剤混合物は、ジカンバなどのオーキシン除草剤の揮発性を、当該オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む成分の存在下であってさえも、抑制するまたは低下させるのに有効である。かかる組成物は、高濃度のオーキシン除草剤及び/または高濃度の共除草剤の存在下であってさえも、揮発性の低下及び安定性の改善を示すことができることも見出された。
【0074】
したがって、本明細書では、
オーキシン除草剤(例えばジカンバ)であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分と、
(a)式Ia:
【化18】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化19】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化20】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン
からなる群より選択されるカチオンを含むアジュバントと
を含む除草剤組成物が提供される。式Ia、IIa、及びIIIaのカチオンは組み合わせで用いられてもよい。
【0075】
式Iaのアンモニウムカチオンにおいて、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ、式I中のR1、R2、R3、及びR4に関して上述したように選択することができる。式Ilaの窒素複素環カチオンにおいて、R5、R6、及びAは、式II中のR5、R6、及びAに関して上述したように選択することができる。式IIIaのアンモニウムカチオンにおいて、R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ、式III中のR7、R8、R9、及びR10に関して上述したように選択することができる。
【0076】
式Iaの第四級アンモニウムカチオンの好ましい種としては、トリブチルメチルアンモニウム及びテトラブチルアンモニウムが挙げられる。
【0077】
式IIaの窒素複素環カチオンの好ましい種としては、1-ブチル-1-メチルピロリジニウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム、及びセチルピリジニウムが挙げられる。
【0078】
式IIIaのホスホニウムカチオンの好ましい種としては、トリブチルメチルホスホニウム及びテトラブチルホスホニウムが挙げられる。
【0079】
例えば、本明細書では、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
グリホサートアンモニウム塩を含む農薬(agrochemical)成分と、
上記のカチオンを含むアジュバントと
含む除草剤組成物が提供される。
【0080】
本明細書では、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
グルホシネートアンモニウム塩を含む農薬(agrochemical)成分と、
上記のカチオンを含むアジュバントと
含む除草剤組成物も提供される。
【0081】
本明細書では、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
硫酸アンモニウムを含む農薬(agrochemical)成分と、
上記のカチオンを含むアジュバントと
含む除草剤組成物も提供される。
【0082】
いくつかの実施形態において、本組成物は、本明細書に記載の除草剤濃縮物であり、酸当量(a.e.)基準で、少なくともリットル当り50グラムの濃度でオーキシン除草剤を含む。他の実施形態において、本組成物は、望ましくない植物への散布に好適な除草剤散布混合物である。
【0083】
本除草剤組成物は、例えば、上記の方法により調製することができる。
【0084】
本除草剤組成物は、上記で詳細に説明した塩の形態のオーキシン除草剤を含んでいてもよい。本除草剤組成物は、上記で詳細に説明した農薬(agrochemical)成分も含んでいてよい。例えば、上記農薬(agrochemical)成分は、1種または複数種の共除草剤、界面活性剤、上記オーキシン除草剤の揮発を助長する農薬(agrochemicals)(例えばアンモニウムイオン)、または上記で詳細に説明した更なる成分を含んでいてもよい。
【0085】
本除草剤組成物は、好ましくは、上記オーキシン除草剤に対して、モル基準で等量以下の上記アジュバントを含み、オーキシン除草剤の上記カチオンアジュバントに対するモル比は、一般に上記のように選択することができる。
【0086】
本明細書では、
オーキシン除草剤(例えばジカンバ)であって、カチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含み、且つ本明細書に記載されるアンモニウムイオン源を含む農薬(agrochemical)成分と
を含み、
上記カチオンは、
(a)式Ia:
【化21】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化22】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化23】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン、及びそれらの混合物からなる群より選択される除草剤組成物も提供される。本除草剤組成物は上記に詳細に説明した1種または複数種の農薬(agrochemical)成分を含んでいてもよい。
【0087】
除草剤濃度
本明細書に記載の除草剤組成物は、除草剤濃縮物の形態であってもよく、酸当量(a.e.)基準で、少なくともリットル当り約50グラムの濃度で上記オーキシン除草剤を含んでいてもよい。例えば、本組成物または混合物は、少なくともリットル当り約75グラムa.e.、少なくともリットル当り約100グラムa.e.、少なくともリットル当り約120グラムa.e.、少なくともリットル当り約140グラムa.e.、少なくともリットル当り約160グラムa.e.、少なくともリットル当り約180グラムa.e.、少なくともリットル当り約200グラムa.e.、少なくともリットル当り約220グラムa.e.、少なくともリットル当り約240グラムa.e.、少なくともリットル当り約280グラムa.e.、少なくともリットル当り約300グラムa.e.、少なくともリットル当り約320グラムa.e.、少なくともリットル当り約360グラムa.e.、少なくともリットル当り約400グラムa.e.、少なくともリットル当り約420グラムa.e.、少なくともリットル当り約450グラムa.e.、または少なくともリットル当り約500グラムa.e.の濃度でオーキシン除草剤(例えばジカンバ)を含んでいてもよい。
【0088】
本明細書に記載の除草剤組成物は水性除草剤濃縮液の形態であってよい。あるいは、本明細書に記載の除草剤組成物は固体除草剤濃縮物の形態であってもよい。
【0089】
本除草剤組成物が共除草剤を含む除草剤濃縮物の形態である場合、全除草剤の濃度は、酸当量(a.e.)基準で、少なくともリットル当り約240グラムであってよい。例えば、全除草剤の濃度は、少なくともリットル当り約280グラムa.e.、少なくともリットル当り約300グラムa.e.、少なくともリットル当り約320グラムa.e.、少なくともリットル当り約360グラムa.e.、少なくともリットル当り約400グラムa.e.、少なくともリットル当り約420グラムa.e.、少なくともリットル当り約450ググラムa.e.、または少なくともリットル当り約500グラムa.e.であってよい。
【0090】
あるいは、本明細書に記載の除草剤組成物は、散布混合物の形態であってもよく、約0.25重量%a.e.~約6重量%a.e.、約0.25重量%a.e.~約4重量%a.e.、または約0.5重量%a.e.~約2重量%a.e.の濃度でオーキシン除草剤(例えばジカンバ)を含んでいてもよい。これらの実施形態において、上記任意選択の共除草剤の濃度は、一般的には約0.5重量%a.e.~約8重量%a.e.、約1重量%a.e.~約6重量%a.e.、または約1重量%a.e.~約4重量%a.e.である。
【0091】
共除草剤が存在する場合、本明細書に記載の除草剤組成物及び混合物は、一般に、オーキシン除草剤に対して、酸当量基準で、等しい比率のまたは過剰の上記共除草剤を含む。例えば、共除草剤のオーキシン除草剤に対する酸当量重量比は、約1:1~約5:1、約1:1~約3:1、約1.5:1~約3:1、約1.5:1~約2.5:1、または約1.5:1~約2:1の範囲であってよい。いくつかの実施形態において、共除草剤のオーキシン除草剤(例えばジカンバ)に対する酸当量重量比は、約1.5:1、約2:1、または約3:1である。
【0092】
除草剤濃縮物組成物の製造方法
上述のように、本発明は本明細書に記載の除草剤濃縮物組成物の製造方法も提供する。
【0093】
例えば、本明細書では、オーキシン除草剤(例えばジカンバ)を含む除草剤濃縮物組成物の製造方法であって、
上記オーキシン除草剤の酸(例えばジカンバ酸)と、
第1のカチオンを含む中和用塩基と、
第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む上記製造方法が提供される。
【0094】
本除草剤濃縮物組成物は、本明細書に記載の濃度(例えば、少なくともリットル当り約50グラムa.e.の濃度)で上記オーキシン除草剤を含んでいてもよい。
【0095】
第1のカチオンは、上記オーキシン除草剤の酸と上記中和用塩基との反応が上述のオーキシン除草剤の塩を生成するように、上記に概括的に説明したように選択することができる。好適な第1のカチオンの非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジグリコールアンモニウム、及びジメチルアンモニウムが挙げられる。例えば、第1のカチオンはモノエタノールアンモニウムであってよい。あるいは、第1のカチオンはカリウムであってよい。更なる例として、第1のカチオンはジメチルアンモニウムであってよい。更なる例として、第1のカチオンはジグリコールアンモニウムであってよい。
【0096】
当業者であれば、第1のカチオンを含む好適な中和用塩基を選択することができる。好適な中和用塩基の非限定的な例としては、第1のカチオンを含む水酸化物塩及びハロゲン化物塩が挙げられる。
【0097】
上記中和用塩基は、上記オーキシン除草剤の酸の全てまたは一部のみを中和するのに十分な量で添加してもよい。例えば、上記中和用塩基は、モル基準で、上記オーキシン除草剤の酸の、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%を中和するのに十分な量で加えてもよい。いくつかの実施形態において、上記中和用塩基は、上記オーキシン除草剤酸の実質的に全てを中和するのに十分な量で添加される。他の実施形態において、上記中和用塩基は、モル基準で、上記オーキシン除草剤の酸の、約10%以下、約20%以下、約30%以下、約40%以下、約50%以下、約60%以下、約70%以下、約80%以下、約90%以下、または約95%以下を中和するのに十分な量で添加される。
【0098】
上記オーキシン除草剤の酸、中和用塩基、及びアジュバントは任意の順序で混合することができる。例えば、上記オーキシン除草剤の酸をまず上記中和用塩基と混合し、続いてアジュバントを混合してもよい。あるいは、上記オーキシン除草剤の酸をまず上記アジュバントと混合し、続いて上記中和用塩基を混合してもよい。
【0099】
本除草剤組成物は、上記で詳細に説明した農薬(agrochemical)成分も含んでいてよい。例えば、上記農薬(agrochemical)成分は、1種または複数種の共除草剤、界面活性剤、上記オーキシン除草剤の揮発を助長する農薬(agrochemicals)(例えばアンモニウムイオン)、または上記で詳細に説明した更なる成分を含んでいてもよい。
【0100】
除草剤散布混合物の製造方法
様々な実施形態において、本方法は、上記オーキシン除草剤、上記農薬(agrochemical)成分、及び本明細書に記載のアジュバントを、水などの液体媒体中で混合することを含む。様々な実施形態において、本除草剤混合物には1種または複数種の界面活性剤が含まれる。本除草剤混合物は種々の濃縮物から製造してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、本除草剤混合物は、上記オーキシン除草剤及び任意選択の共除草剤を含むプレミックス濃縮物組成物を上記アジュバント組成物と混合することにより製造される濃縮物組成物である。散布混合物は上記濃縮組成物を所望により水または他の溶媒で希釈することにより製造することができる。本明細書に記載の濃縮物組成物はいずれも、製造プロセスの前、最中、または後に水または他の溶媒で希釈することができる。
【0101】
本明細書では、
オーキシン除草剤であって、カチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含み、且つ本明細書に記載されるアンモニウムイオン源を含む農薬(agrochemical)成分と
を混合することを含み、
上記カチオンは、
(a)式Ia:
【化24】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化25】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化26】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン、及び
それらの混合物
からなる群より選択される、除草剤タンク混合物の製造方法も提供される。
【0102】
オーキシン除草剤の塩の混合物を含む組成物
本明細書では、
第1のカチオンを含む第1のオーキシン除草剤の塩(例えば第1のジカンバ塩)と、
第2のカチオンを含む第2のオーキシン除草剤の塩(例えば第2のジカンバ塩)と、
アンモニウムイオンを含む更なる成分と
を含み、
第2のカチオンは、
(a)式Ia:
【化27】
の第四級アンモニウムカチオンであって、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化28】
の窒素複素環カチオンであって、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化29】
のホスホニウムカチオンであって、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン
からなる群より選択される除草剤組成物も提供される。いくつかの実施形態において、第1のカチオンは、少なくとも一部が、オーキシン除草剤の酸と塩基(例えば、水酸化物塩を含む上記アジュバント)との反応に由来してもよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、本組成物は、酸当量(a.e.)基準で、少なくともリットル当り240グラムの濃度で上記オーキシン除草剤を含む。
【0104】
式Iaのアンモニウムカチオンにおいて、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ、式I中のR1、R2、R3、及びR4に関して上述したように選択することができる。式Ilaの窒素複素環カチオンにおいて、R5、R6、及びAは、式II中のR5、R6、及びAに関して上述したように選択することができる。式IIIaのアンモニウムカチオンにおいて、R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ、式III中のR7、R8、R9、及びR10に関して上述したように選択することができる。
【0105】
式Iaの第四級アンモニウムカチオンの好ましい種としては、トリブチルメチルアンモニウム及びテトラブチルアンモニウムが挙げられる。
【0106】
式IIaの窒素複素環の好ましい種としては、1-ブチル-1-メチルピロリジニウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム、及びセチルピリジニウムが挙げられる。
【0107】
式IIIaのホスホニウムカチオンの好ましい種としては、トリブチルメチルホスホニウム及びテトラブチルホスホニウムが挙げられる。
【0108】
好ましい実施形態において、第2のオーキシン除草剤の塩は、トリブチルメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルホスホニウム、及びテトラブチルホスホニウムからなる群より選択される。
【0109】
一般に、第2のオーキシン除草剤の塩は、除草剤混合物の製造方法に関して上記で議論したオーキシンの塩を始めとする、当技術分野で公知の農学的に許容される任意の塩を含んでいてもよい。例えば、第2のオーキシン除草剤の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、イソプロピルアミン塩、ジグリコールアミン塩、またはジメチルアミン塩を含んでいてもよい。
【0110】
好ましい実施形態において、第2のカチオンはテトラブチルアンモニウムであり、第1のカチオンは、カリウム、ナトリウム、モノエタノールアミン、及びジグリコールアミンからなる群より選択される。例えば、いくつかの実施形態において、第2のカチオンはテトラブチルアンモニウムであり、第1のカチオンはカリウムまたはナトリウムである。他の実施形態において、第2のカチオンはテトラブチルアンモニウムであり、第1のカチオンはジグリコールアミンである。
【0111】
本除草剤組成物は、1種または複数種の共除草剤、界面活性剤、アンモニウムイオンを含む成分、または上記で詳細に説明した更なる成分を含んでいてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態において、本除草剤組成物は、モル基準で、第1のカチオンに対してそれ以下の比率の第2のカチオンを含む。本除草剤組成物は、モル基準で、第1のカチオンに対して等しい比率の第2のカチオンを含むことがより好ましい。例えば、第2のカチオンの第1のカチオンに対するモル比は、約1:10~約10:1、約1:4~約4:1、約1:3~約3:1、または約1:2~約2:1の範囲であってよい。いくつかの実施形態において、第2のカチオンの第1のカチオンに対するモル比は、約1:1である。
【0113】
散布方法
本明細書に記載の組成物、方法、及び混合物は、オーキシン除草剤(例えばジカンバ)の揮発性を低下させるのに有効である。したがって、本明細書では、除草剤混合物の散布後のオーキシン除草剤の対象区域外への移動の低減方法が提供される。本方法は、オーキシン除草剤(例えばジカンバ)と、上述の式I、II、及びIIIの1種または複数種の塩を含むアジュバントとを含む除草剤混合物を、1種または複数種の植物の葉に散布することを含む。
【0114】
本明細書に記載の方法によれば、本除草剤混合物は、当技術分野で公知の方法により、噴霧散布混合物として望ましくない植物の葉に散布することができる。本散布混合物は、商業的に許容可能な雑草防除率を与えるのに十分な散布率で、1種または複数種の植物の葉に散布される。植物種及び育成条件に応じて、商業的に許容される雑草防除率を達成するために必要な期間は、1週間といった短期間から、3週間、4週間、または30日間といった長期間であってよい。上記散布率は通常、処理する単位面積当たりの除草剤の量、例えばヘクタール当たりのグラム酸当量(g a.e./ha)として表され、当業者であればこれを容易に決定することができる。
【0115】
本明細書に記載の組成物及び方法は、特定の除草剤耐性形質を有するトランスジェニック植物への散布に特に適している。例えば、ジカンバ塩を含む本明細書に記載の散布混合物は、ジカンバ耐性形質を有するトランスジェニック作物を含む作物の畑で及び/または該畑に隣接して生育するジカンバ感受性植物の葉に散布するのに特に適することとなる。更に、ジカンバと、グリホサートもしくはグルホシネート(またはそれらの塩)を含む共除草剤とを含む本明細書に記載の散布混合物は、ジカンバ耐性形質及びグリホサートまたはグルホシネート耐性形質をそれぞれ重ねて有するトランスジェニック作物を含む作物の畑で及び/または該畑に隣接して生育する、オーキシン感受性植物及び上記共除草剤に対して感受性の植物の葉に散布するのに特に適することとなる。
【0116】
本明細書に記載の散布混合物を、オーキシン感受性作物またはオーキシン除草剤耐性形質をもたない作物の植え付けの約2~約3週間前といった、当該作物の植え付け前に散布してもよい。トウモロコシなどのオーキシン除草剤に対して感受性のない作物、またはオーキシン耐性形質と共除草剤耐性形質とを有する作物には、一般的に植え付け前の制限はない。本散布混合物を、かかる作物の植え付けの直前、植え付けの際、またはかかる作物の発芽後に散布して、上記作物の畑においてオーキシン感受性の雑草及び共除草剤感受性の雑草を防除することができる。
【実施例】
【0117】
以下の非限定的な実施例は、本発明を更に説明するために記載するものである。
【0118】
実施例1:溶液濃縮物の調製
ジカンバテトラブチルアンモニウム(TBA)塩(64g)及びジカンバテトラブチルホスホニウム(TBP)塩(67g)を秤量し、4オンスのガラス瓶に入れた。それぞれに、最終的な質量が100gとなるまで水を加えた。得られた濃縮物を、磁気撹拌子を用いて、全ての固体物質が均一に分散するまで撹拌し、透明な橙色の濃縮物を得た。
【0119】
ジカンバTBA塩とジカンバTBP塩とを含有する更なる濃縮物を調製した。但し、これらの混合物においては、水を加える前に、分散剤(EMULPON CO-360)または界面活性剤(AGNIQUE PG 8107-U)を、それぞれ5重量%の最終質量まで加えた。得られた上記界面活性剤を含む濃縮物は、界面活性剤を含まない濃縮物と同様の外観であった。上記分散剤を含む上記濃縮物は褐色且つ透明であった。
【0120】
実施例2:humidomeによる検討
グリホサートとジカンバとを含む組成物を、以下の手順を用いて調製した。グリホサート成分を秤量して水に溶解し、続いてジカンバ成分を添加した。それぞれの組成物において、ジカンバの最終濃度は1.2重量%a.e.、グリホサートの最終濃度は2.4重量%a.e.であった。それぞれの組成物のグリホサート成分は、Monsanto Co.より入手可能なグリホサートアンモニウム塩製品であるCONTROLMAX、またはこれもMonsanto Co.より入手可能なグリホサートカリウム塩製品であるPOWERMAXのいずれかであった。分散剤(EMULPON CO-360)または界面活性剤(AGNIQUE PG 8107-U)を、下記の表に示す選択した組成物に添加した。硫酸アンモニウム(AMS)も表に示す選択した組成物に添加した。AMSを含有する組成物においては、まずAMSを10%のAMS濃縮水溶液から添加し、次にグリホサートを添加し、次いで水、最後にジカンバを加えた。
【0121】
選択した組成物のpHを表1に示すように調整した。これらの組成物を上述のように調製し、次いで硫酸または水酸化アンモニウムのいずれかを用いてpHを記載した値に調整した。
【0122】
概して、上記組成物はわずかに濁っており、分散剤を含有する製剤は半透明性が低く、界面活性剤を含む製剤はより透明であった。グリホサートをジカンバTBP塩との組み合わせで含有する組成物はある程度の凝集及び/または沈殿を示した。
【0123】
それぞれの組成物からのジカンバの揮発性を、‘‘A Method to Determine the Relative Volatility of Auxin Herbicide Formulations’’ in ASTM publication STP1587 entitled ‘‘Pesticide Formulation and Delivery Systems: 35th Volume, Pesticide Formulations, Adjuvants, and Spray Characterization in 2014, published 2016(参照により本明細書に援用される)に記載の手順により測定した。概括的な手順を以下に簡単に説明する。
【0124】
Hummert Internationalより入手したhumidome(humidomeの部品番号は14-3850-2、1020フラットトレイの部品番号は11-3050-1)を、一方の端部上の上から約5cmの所に直径2.2cmの孔を開け、ポリウレタンフォーム(PUF)フィルタが入ったガラス製の空気サンプリング管(外径22mm)を挿入できるように改良した。上記サンプリング管をhumidomeの隔壁の両側でVITON O-リングを用いて固定した。humidomeの外側の空気サンプリング管に、サンプリングの直前に真空マニホールドに接続された配管を取り付けた。
【0125】
humidomeの下部のフラットトレイに、1リットルのふるいにかけた乾燥または湿潤50/50土壌(50%のRedi-Earth及び50%のUS 10 Field Soil)を約1cmの深さまで充填した。トラック噴霧器を用いて、エーカー当り10ガロン(GPA)、1.0lb/A a.e.のジカンバ散布率で組成物を各humidomeの土壌に散布した。
【0126】
土壌上の上記オーキシン除草剤製剤が入ったフラットトレイの底をhumidomeの蓋で覆い、この蓋を留め具で固定した。生育チャンバを35℃及び40%の相対湿度(RH)に設定した。上記構築したhumidomeを温度及び湿度を制御した環境に置き、空気サンプリングラインを通じて真空マニホールドに接続した。24時間にわたって毎分2リットル(LPM)の速度で、上記humidome及びPUFを通して空気を吸引し、その時点で空気のサンプリングを停止した。次いで、上記humidomeを上記制御された環境から取り出し、上記PUFフィルタを取り外した。上記PUFフィルタを20mLのメタノールで抽出し、当技術分野で公知のLC-MS法を用いて、この溶液のオーキシン除草剤濃度を分析した。
【0127】
humidomeによる検討の結果を下記の表1に示す。これらの結果は、CLARITY(BASFより入手可能なジカンバジグリコールアミン塩)とCONTROLMAX(グリホサートアンモニウム塩)とのタンク混合物の散布から測定した揮発性に対する揮発性の低下率として記載される。
【表1】
【0128】
実施例3:物理的安定性の評価
組成物を実施例2に従って調製した。グリホサート成分を供給するためにPOWERMAX(グリホサートカリウム塩)を用いた。一連の組成物のジカンバ濃度は1.2重量%a.e.であり、グリホサート濃度は2.4重量%a.e.であった。別の一連の組成物のジカンバ濃度は0.6重量%a.e.であり、グリホサート濃度は1.2重量%a.e.であった。これらの組成物の物理的安定性を評価した。
【0129】
上記組成物の画像を、調製直後(
図1及び2)ならびに室温で3日間静置した後(
図3及び4)に撮影した。これらの組成物は、画像を3日目に撮影する前に撹拌しなかったことに留意されたい。概して、グリホサートカリウム塩及びジカンバTBA塩の濃度がより低い組成物は、より高い物理的安定性を示した。
【0130】
実施例4:揮発性の抑制
テトラブチルアンモニウム(TBA)とジカンバとの組み合わせを含有する組成物を、ジカンバナトリウム塩と塩化テトラブチルアンモニウムとを混合することにより、イン・シチュで作製した。この組成物にCONTROLMAX(グリホサートアンモニウム塩)も添加した。ジカンバTBA塩(事前に調製及び単離)と、CONTROLMAXと、NaCl(上記のイン・シチュ反応の副生成物)とを混合することにより第2の組成物を調製した。これらの組成物を、実施例2に記載のhumidomeの手順に従って揮発性試験に供した。
【0131】
上記揮発性試験の結果を下記の表2に示す。これらの結果は、CLARITY(ジカンバジグリコールアミン塩)とCONTROLMAX(グリホサートアンモニウム塩)とのタンク混合物の散布から測定した揮発性に対する揮発性の低下率として記載される。
【0132】
イン・シチュのジカンバTBA塩は、単離した物質から調製した組成物と比較して、揮発性の抑制のわずかな低下を示したが、なおも全体として優れた抑制をもたらした。以前の仮説では、ジカンバとアジュバントとの混合物は製剤化する前に単離する必要があり、このことによって製造プロセスの煩雑さが大幅に増加すると推測されたことから、この知見は重要である。
【表2】
【0133】
実施例5:揮発性の抑制に対するカチオン特性の影響
種々のアンモニウムカチオンを揮発性の抑制について評価した。これらの実験では、当該カチオンによってもたらされる揮発性の抑制に対する、当該アンモニウムカチオンにおける置換度(すなわち、第一級、第三級、第四級)及び疎水性(含有炭素)の影響を調査した。
【0134】
これらの実験の結果を表3に示す。これらの結果は、より大きな疎水性(すなわち、より多くの炭素原子)を有するカチオンが、概してより優れた揮発性の抑制を示すことを表している。また、類似の疎水性を有するカチオンについては、置換度が高いほどより大きな揮発性の抑制がもたらされる(すなわち、第四級>第3級>第1級)。更に、理論に拘束されるものではないが、揮発性の有意な低下を達成するためには、最小限の炭素鎖長が必要となる可能性がある。例えば、トリプロピルアンモニウムは有意な抑制を示さないが、トリブチルアンモニウムはこれを示す。更に、炭素原子の総数(例えば、トリブチルメチルアンモニウム、13炭素原子)は、十分な揮発性の抑制を行うために必要な最小限度である可能性がある。
【表3】
【0135】
実施例6:ジカンバTBA塩タンク混合物の揮発性抑制
製剤化したジカンバTBA塩を含む組成物の、POWERMAX(グリホサートカリウム塩)、CONTROLMAX(グリホサートアンモニウム塩)、LIBERTY(Bayer CropScienceより入手可能なグルホシネートアンモニウム塩)、及び硫酸アンモニウム(AMS)を含む種々のタンク混合物の相手との、揮発性の抑制の相性を評価した。これらの組成物を、CLARITY(ジカンバジグリコールアミン塩)及びPOWERMAX(グリホサートカリウム塩)またはCONTROLMAX(グリホサートアンモニウム塩)のいずれかを含む比較組成物と共に、実施例2に記載のhumidomeの手順に従って揮発性試験に供した。それらの結果を表4に示す。ジカンバTBA塩を含有する上記組成物は、CLARITYを含有する組成物と比較して大幅に低い揮発性を示した。
【表4】
【0136】
実施例7:TBAを含むジカンバ製剤の揮発性の検討
ジカンバ成分とグリホサート成分とを含有する種々の組成物を調製した。それぞれの組成物において、ジカンバの最終濃度は1.2重量%a.e.であり、グリホサートの最終濃度は2.4重量%a.e.であった。それぞれの組成物のグリホサート成分は、CONTROLMAX(グリホサートアンモニウム塩)またはPOWERMAX(グリホサートカリウム塩)のいずれかであった。上記ジカンバ成分は、ジカンバモノエタノールアミン塩とジカンバTBA塩との混合物、またはジカンバジグリコールアミン塩とジカンバTBA塩との混合物を含有していた。これらの組成物を、実施例2に記載のhumidomeの手順に従って揮発性試験に供した。それらの結果を表5に示す。ジカンバTBA塩を含有する組成物は、CLARITYとCONTROLMAXとを含有する組成物と比較して、大幅に低い揮発性を示した。これらの結果はまた、ジカンバの量に対して準化学量論的な量のTBAを用いて、有意な揮発性の低下を達成することができることも示している。
【表5】
【0137】
次に、TBA含有組成物を濃縮物として製剤化する試みを行った。0.5:0.5:1のモル比のMEA/DGA:ジカンバ:TBAを含有する製剤を、45重量%a.eのジカンバを、1:1のモル比のジカンバMEA塩:ジカンバTBA塩と共に含有する溶液濃縮物、及び43wt%a.e.のジカンバを、1:1のモル比のジカンバDGA塩:ジカンバTBA塩と共に含有する溶液濃縮物として作製した。これらの組成物の希釈物をそれぞれPOWERMAXまたはCONTROLMAXと混合し、実施例2に記載のhumidomeの手順に従って揮発性試験に供した。CLARITY(ジカンバジグリコールアミン塩)とCONTROLMAX(グリホサートアンモニウム塩)とのタンク混合物の散布から測定した揮発性と比較して、両方の製剤はそれぞれ95%及び96%の揮発性抑制率を示した。
【0138】
実施形態
更に例証するために、更なる非限定的な本開示の実施形態を以下に示す。
【0139】
例えば、実施形態A1は、
オーキシン除草剤の酸と、
第1のカチオンを含む中和用塩基と、
(a)式I:
【化30】
の第四級アンモニウム塩であって、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウム塩、
(b)式II:
【化31】
の窒素複素環を含有する塩であって、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環を含有する塩、
(c)式III:
【化32】
のホスホニウム塩であって、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウム塩、及び
それらの混合物
からなる群より選択される、第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む、オーキシン除草剤を含む除草剤濃縮物組成物の製造方法である。
【0140】
実施形態A2は、上記中和用塩基が、モル基準で、上記オーキシン除草剤の酸の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%を中和するのに十分な量で添加される、実施形態A1に記載の方法である。
【0141】
実施形態A3は、上記中和用塩基が、上記オーキシン除草剤の酸の実質的に全てを中和するのに十分な量で添加される、実施形態A1に記載の方法である。
【0142】
実施形態A4は、上記中和用塩基が、モル基準で、上記オーキシン除草剤の酸の約10%以下、約20%以下、約30%以下、約40%以下、約50%以下、約60%以下、約70%以下、約80%以下、約90%以下、もしくは約95%以下を中和するのに十分な量で添加される、実施形態A1またはA2に記載の方法である。
【0143】
実施形態A5は、上記除草剤濃縮物組成物が、上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分を更に含む、実施形態A1~A4のいずれか1に記載の方法である。
【0144】
実施形態A6は、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分と、
(a)式I:
【化33】
の第四級アンモニウム塩であり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウム塩、
(b)式II:
【化34】
の窒素複素環を含有する塩であり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環を含有する塩、
(c)式III:
【化35】
のホスホニウム塩であり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウム塩、及び
それらの混合物
からなる群より選択される、第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む、除草剤タンク混合物の製造方法である。
【0145】
実施形態A7は、上記農薬(agrochemical)成分がアンモニウムイオン源を含む、実施形態A5またはA6に記載の方法である。
【0146】
実施形態A8は、上記農薬(agrochemical)成分が、アンモニウム含有除草剤及びアンモニウム含有農業添加剤からなる群より選択されるアンモニウム化合物を含む、実施形態A5~A7のいずれか1に記載の方法である。
【0147】
実施形態A9は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートアンモニウム塩を含む、実施形態A5~A8のいずれか1に記載の方法である。
【0148】
実施形態A10は、上記農薬(agrochemical)成分がグルホシネートアンモニウム塩を含む、実施形態A5~A9のいずれか1に記載の方法である。
【0149】
実施形態A11は、上記農薬(agrochemical)成分がアンモニウム含有肥料またはアンモニウム含有水調整剤を含む、実施形態A5~A10のいずれか1に記載の方法である。
【0150】
実施形態A12は、上記農薬(agrochemical)成分が、硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、イセチオン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム化合物を含む、実施形態A5~A11のいずれか1に記載の方法である。
【0151】
実施形態A13は、上記農薬(agrochemical)成分が硫酸アンモニウムを含む、実施形態A5~A12のいずれか1に記載の方法である。
【0152】
実施形態A14は、上記農薬(agrochemical)成分が、第一級アンモニウムイオンまたは第二級アンモニウムイオンを含む、実施形態A5~A13のいずれか1に記載の方法である。
【0153】
実施形態A15は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートまたはグルホシネートの有機アミン塩を含む、実施形態A5~A14のいずれか1に記載の方法である。
【0154】
実施形態A16は、上記農薬(agrochemical)成分が、モノエタノールアミン塩、n-プロピルアミン塩、イソプロピルアミン塩、エチルアミン塩、ジメチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ヘキサメチレンジアミン塩、及びトリメチルスルホニウム塩、ならびにそれらの混合物からなる群より選択されるグリホサート塩を含む、実施形態A5~A15のいずれか1に記載の方法である。
【0155】
実施形態A17は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートのイソプロピルアミン塩を含む、実施形態A5~A16のいずれか1に記載の方法である。
【0156】
実施形態A18は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートのジメチルアミン塩を含む、実施形態A5~A17のいずれか1に記載の方法である。
【0157】
実施形態A19は、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
グルホシネートアンモニウム塩を含む農薬(agrochemical)成分と、
(a)式I:
【化36】
の第四級アンモニウム塩であり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウム塩、
(b)式II:
【化37】
の窒素複素環を含有する塩であり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環を含有する塩、
(c)式III:
【化38】
のホスホニウム塩であり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウム塩、及び
それらの混合物
からなる群より選択される、第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む、除草剤タンク混合物の製造方法である。
【0158】
実施形態A20は、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
グルホサートアンモニウム塩を含む農薬(agrochemical)成分と、
(a)式I:
【化39】
の第四級アンモニウム塩であり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウム塩、
(b)式II:
【化40】
の窒素複素環を含有する塩であり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環を含有する塩、
(c)式III:
【化41】
のホスホニウム塩であり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウム塩、及び
それらの混合物
からなる群より選択される、第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む、除草剤タンク混合物の製造方法である。
【0159】
実施形態A21は、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
硫酸アンモニウムを含む農薬(agrochemical)成分と、
(a)式I:
【化42】
の第四級アンモニウム塩であり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウム塩、
(b)式II:
【化43】
の窒素複素環を含有する塩であり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環を含有する塩、
(c)式III:
【化44】
のホスホニウム塩であり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウム塩、及び
それらの混合物
からなる群より選択される、第2のカチオンを含む水酸化物塩を含むアジュバントと
を混合することを含む、除草剤タンク混合物の製造方法である。
【0160】
実施形態A22は、上記アジュバントが、式I:
【化45】
の第四級アンモニウム塩であって、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立に、C
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウム塩を含む、実施形態A1~A21のいずれか1に記載の方法である。
【0161】
実施形態A23は、R1、R2、及びR3がそれぞれ独立に、C3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A1~A22のいずれか1に記載の方法である。
【0162】
実施形態A24は、R4がC3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A1~A23のいずれか1に記載の方法である。
【0163】
実施形態A25は、R4がベンジルである、実施形態A1~A24のいずれか1に記載の方法である。
【0164】
実施形態A26は、R1、R2、R3、及びR4がそれぞれ独立に、C3~C12アルキルである、実施形態A1~A25のいずれか1に記載の方法である。
【0165】
実施形態A27は、R1、R2、R3、及びR4の炭素原子の総数が、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18である、実施形態A1~A26のいずれか1に記載の方法である。
【0166】
実施形態A28は、R1、R2、R3、及びR4の炭素原子の総数が、13~約30、13~約25、13~約20、または13~約18である、実施形態A1~A26のいずれか1に記載の方法である。
【0167】
実施形態A29は、上記アジュバントが、水酸化トリブチルメチルアンモニウム及び水酸化テトラブチルアンモニウムからなる群より選択される第四級アンモニウム塩を含む、実施形態A1~A28のいずれか1に記載の方法である。
【0168】
実施形態A30は、上記アジュバントが水酸化テトラブチルアンモニウムを含む、実施形態A1~A29のいずれか1に記載の方法である。
【0169】
実施形態A31は、上記アジュバントが、式II:
【化46】
の窒素複素環を含有する塩であって、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環を含有する塩を含む、実施形態A1~A30のいずれか1に記載の方法である。
【0170】
実施形態A32は、Aが、置換イミダゾール環、置換ピリジン環、及び置換ピロリジン環からなる群より選択される、実施形態A1~A31のいずれか1に記載の方法である。
【0171】
実施形態A33は、Aが置換イミダゾール環である、実施形態A1~A32のいずれか1に記載の方法である。
【0172】
実施形態A34は、Aが置換ピリジン環である、実施形態A1~A33のいずれか1に記載の方法である。
【0173】
実施形態A35は、Aが置換ピロリジン環である、実施形態A1~A34のいずれか1に記載の方法である。
【0174】
実施形態A36は、R5がC1~C12アルキルである、実施形態A1~A35のいずれか1に記載の方法である。
【0175】
実施形態A37は、上記アジュバントが、水酸化1-ブチル-1-メチルピロリジニウム、水酸化1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、水酸化1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、水酸化1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム、及び水酸化セチルピリジニウムからなる群より選択される塩を含む、実施形態A1~A36のいずれか1に記載の方法である。
【0176】
実施形態A38は、上記アジュバントが、式III:
【化47】
のホスホニウム塩であって、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウム塩を含む、実施形態A1~A37のいずれか1に記載の方法である。
【0177】
実施形態A39は、R7、R8、及びR9がそれぞれ独立に、C3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A1~A38のいずれか1に記載の方法である。
【0178】
実施形態A40は、R10がC3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A1~A39のいずれか1に記載の方法である。
【0179】
実施形態A41は、R10がベンジルである、実施形態A1~A40のいずれか1に記載の方法である。
【0180】
実施形態A42は、R7、R8、R9、及びR10がそれぞれ独立にC3~C12アルキルである、実施形態A1~A41のいずれか1に記載の方法である。
【0181】
実施形態A43は、R7、R8、R9、及びR10の炭素原子の総数が少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18である、実施形態A1~A42のいずれか1に記載の方法である。
【0182】
実施形態A44は、R7、R8、R9、及びR10の炭素原子の総数が、13~約30、13~約25、13~約20、または13~約18である、実施形態A1~A42のいずれか1に記載の方法である。
【0183】
実施形態A45は、上記アジュバントが、水酸化トリブチルメチルホスホニウム及び水酸化テトラブチルホスホニウムからなる群より選択されるホスホニウム塩を含む、実施形態A1~A44のいずれか1に記載の方法である。
【0184】
実施形態A46は、上記アジュバントが水酸化テトラブチルホスホニウムを含む、実施形態A1~A45のいずれか1に記載の方法である。
【0185】
実施形態A47は、
オーキシン除草剤であって、上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
グルホシネートアンモニウム塩と、
水酸化テトラブチルアンモニウムを含むアジュバントと
を混合することを含み、
上記オーキシン除草剤の水酸化テトラブチルアンモニウムに対するモル比が約2:1~約10:1である、除草剤タンク混合物の製造方法である。
【0186】
実施形態A48は、
オーキシン除草剤であって、上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
グリホサートアンモニウム塩と、
水酸化テトラブチルアンモニウムを含むアジュバントと
を混合することを含み、
上記オーキシン除草剤の水酸化テトラブチルアンモニウムに対するモル比が約2:1~約10:1である、除草剤タンク混合物の製造方法である。
【0187】
実施形態A49は、
オーキシン除草剤であって、上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
硫酸アンモニウムと、
水酸化テトラブチルアンモニウムを含むアジュバントと
を混合することを含み、
上記オーキシン除草剤の水酸化テトラブチルアンモニウムに対するモル比が約2:1~約10:1である、除草剤タンク混合物の製造方法である。
【0188】
実施形態A50は、実施形態A1~A49のいずれか1に記載の方法によって製造された除草剤組成物または混合物である。
【0189】
実施形態A51は、
オーキシン除草剤であって、第1のカチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分と、
(a)式Ia:
【化48】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化49】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化50】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン、及び
それらの混合物
からなる群より選択される第2のカチオンを含むアジュバントと
を含み、
酸当量(a.e.)基準で、少なくともリットル当り240グラムの濃度で上記オーキシン除草剤を含む除草剤組成物である。
【0190】
実施形態A52は、上記アジュバントが、式Ia:
【化51】
の第四級アンモニウムカチオンであって、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立に、C
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオンを含む、実施形態A51の組成物である。
【0191】
実施形態A53は、R1、R2、及びR3がそれぞれ独立に、C3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A51またはA52に記載の組成物である。
【0192】
実施形態A54は、R4がC3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A51~A53のいずれか1に記載の組成物である。
【0193】
実施形態A55は、R4がベンジルである、実施形態A51~A54のいずれか1に記載の組成物である。
【0194】
実施形態A56は、R1、R2、R3、及びR4がそれぞれ独立に、C3~C12アルキルである、実施形態A51~A55のいずれか1に記載の組成物である。
【0195】
実施形態A57は、R1、R2、R3、及びR4の炭素原子の総数が、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18である、実施形態A51~A56のいずれか1に記載の組成物である。
【0196】
実施形態A58は、R1、R2、R3、及びR4の炭素原子の総数が、13~約30、13~約25、13~約20、または13~約18である、実施形態A51~A56のいずれか1に記載の組成物である。
【0197】
実施形態A59は、上記アジュバントが、トリブチルメチルアンモニウム及びテトラブチルアンモニウムからなる群より選択される第四級アンモニウムカチオンを含む、実施形態A51~A58のいずれか1に記載の組成物である。
【0198】
実施形態A60は、上記アジュバントがテトラブチルアンモニウムカチオンを含む、実施形態A51~A59のいずれか1に記載の組成物である。
【0199】
実施形態A61は、上記アジュバントが、式IIa:
【化52】
の窒素複素環カチオンであって、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオンを含む、実施形態A51~A60のいずれか1に記載の組成物である。
【0200】
実施形態A62は、Aが、置換イミダゾール環、置換ピリジン環、及び置換ピロリジン環からなる群より選択される、実施形態A51~A61のいずれか1に記載の組成物である。
【0201】
実施形態A63は、Aが置換イミダゾール環である、実施形態A51~A62のいずれか1に記載の組成物である。
【0202】
実施形態A64は、Aが置換ピリジン環である、実施形態A51~A63のいずれか1に記載の組成物である。
【0203】
実施形態A65は、Aが置換ピロリジン環である、実施形態A51~A64のいずれか1に記載の組成物である。
【0204】
実施形態A66は、R5がC1~C12アルキルである、実施形態A51~A65のいずれか1に記載の組成物である。
【0205】
実施形態A67は、上記アジュバントが、1-ブチル-1-メチルピロリジニウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム、及びセチルピリジニウムからなる群より選択される窒素複素環カチオンを含む、実施形態A51~A66のいずれか1に記載の組成物である。
【0206】
実施形態A68は、上記アジュバントが、式IIIa:
【化53】
のホスホニウムカチオンであって、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオンを含む、実施形態A51~A67のいずれか1に記載の組成物である。
【0207】
実施形態A69は、R7、R8、及びR9がそれぞれ独立に、C3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A51~A68のいずれか1に記載の組成物である。
【0208】
実施形態A70は、R10がC3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A51~A69のいずれか1に記載の組成物である。
【0209】
実施形態A71は、R10がベンジルである、実施形態A51~A70のいずれか1に記載の組成物である。
【0210】
実施形態A72は、R7、R8、R9、及びR10がそれぞれ独立に、C3~C12アルキルである、実施形態A51~A71のいずれか1に記載の組成物である。
【0211】
実施形態A73は、R7、R8、R9、及びR10の炭素原子の総数が少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18である、実施形態A51~A72のいずれか1に記載の組成物である。
【0212】
実施形態A74は、R7、R8、R9、及びR10の炭素原子の総数が、13~約30、13~約25、13~約20、または13~約18である、実施形態A51~A72のいずれか1に記載の組成物である。
【0213】
実施形態A75は、上記アジュバントが、トリブチルメチルホスホニウム及びテトラブチルホスホニウムからなる群より選択されるホスホニウムカチオンを含む、実施形態A51~A74のいずれか1に記載の組成物である。
【0214】
実施形態A76は、上記アジュバントがテトラブチルホスホニウムカチオンを含む、実施形態A51~A75のいずれか1に記載の組成物である。
【0215】
実施形態A77は、上記農薬(agrochemical)成分がアンモニウムイオン源を含む、実施形態A51~A76のいずれか1に記載の組成物である。
【0216】
実施形態A78は、上記農薬(agrochemical)成分が、アンモニウム含有除草剤及びアンモニウム含有農業添加剤からなる群より選択されるアンモニウム化合物を含む、実施形態A51~A77のいずれか1に記載の組成物である。
【0217】
実施形態A79は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートアンモニウム塩を含む、実施形態A51~A78のいずれか1に記載の組成物である。
【0218】
実施形態A80は、上記農薬(agrochemical)成分がグルホシネートアンモニウム塩を含む、実施形態A51~A79のいずれか1に記載の組成物である。
【0219】
実施形態A81は、上記農薬(agrochemical)成分がアンモニウム含有肥料またはアンモニウム含有水調整剤を含む、実施形態A51~A80のいずれか1に記載の組成物である。
【0220】
実施形態A82は、上記農薬(agrochemical)成分が、硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、イセチオン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム化合物を含む、実施形態A51~A81のいずれか1に記載の組成物である。
【0221】
実施形態A83は、上記農薬(agrochemical)成分が硫酸アンモニウムを含む、実施形態A51~A82のいずれか1に記載の組成物である。
【0222】
実施形態A84は、上記農薬(agrochemical)成分が、第一級アンモニウムイオンまたは第二級アンモニウムイオンを含む、実施形態A51~A83のいずれか1に記載の組成物である。
【0223】
実施形態A85は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートまたはグルホシネートの有機アミン塩を含む、実施形態A51~A84のいずれか1に記載の組成物である。
【0224】
実施形態A86は、上記農薬(agrochemical)成分が、モノエタノールアミン塩、n-プロピルアミン塩、イソプロピルアミン塩、エチルアミン塩、ジメチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ヘキサメチレンジアミン塩、及びトリメチルスルホニウム塩、ならびにそれらの混合物からなる群より選択されるグリホサート塩を含む、実施形態A51~A85のいずれか1に記載の組成物である。
【0225】
実施形態A87は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートのイソプロピルアミン塩を含む、実施形態A51~A86のいずれか1に記載の組成物である。
【0226】
実施形態A88は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートのジメチルアミン塩を含む、実施形態A51~A87のいずれか1に記載の組成物である。
【0227】
実施形態A89は、上記農薬(agrochemical)成分が共除草剤を含む、実施形態A50~A88のいずれか1に記載の組成物である。
【0228】
実施形態A90は、上記共除草剤が溶液中で上記オーキシン除草剤よりも酸性が強い、実施形態A89に記載の組成物である。
【0229】
実施形態A91は、上記共除草剤のpKaが約5未満である、実施形態A89またはA90に記載の組成物である。
【0230】
実施形態A92は、上記共除草剤が、グリホサート、グルホシネート、アトラジン、アセトクロル、ホメサフェン、フルミオキサジン、ラクトフェン、スルフェントラゾン、メトリブジン、クレトジム、セトキシジム、メトラクロル、アラクロル、フェノキサプロップ、フルアジホップ、ハロキシホップメチル、パラコート、トリアルコキシジム、ならびにそれらの塩及び混合物からなる群より選択される、実施形態A89に記載の組成物である。
【0231】
実施形態A93は、上記共除草剤がグリホサートの塩を含む、実施形態A89~A92のいずれか1に記載の組成物である。
【0232】
実施形態A94は、上記グリホサート塩が、カリウム塩、モノアンモニウム塩、ジアンモニウム塩、ナトリウム塩、モノエタノールアミン塩、n-プロピルアミン塩、イソプロピルアミン塩、エチルアミン塩、ジメチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ヘキサメチレンジアミン塩、及びトリメチルスルホニウム塩、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される、実施形態A93に記載の組成物である。
【0233】
実施形態A95は、上記グリホサート塩が、カリウム塩、モノエタノールアミン塩、イソプロピルアミン塩、及びそれらの混合物からなる群より選択される、実施形態A94に記載の組成物である。
【0234】
実施形態A96は、pHが、約4~約5.5、約4.25~約5.5、約4.5~約5.5、約4.75~約5.5、約5~約5.5、または約4~約5である、実施形態A50~A95のいずれか1に記載の組成物である。
【0235】
実施形態A97は、界面活性剤成分を更に含む、実施形態A50~A96のいずれか1に記載の組成物である。
【0236】
実施形態A98は、上記界面活性剤成分が、アルコキシル化第三級エーテルアミン、アルコキシル化第四級エーテルアミン、アルコキシル化エーテルアミンオキシド、アルコキシル化第三級アミン、アルコキシル化第四級アミン、アルコキシル化ポリアミン、硫酸エステル、スルホン酸塩、リン酸エステル、アルキル多糖、アルコキシル化アルコール、アミドアルキルアミン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される1種または複数種の界面活性剤を含む、実施形態A97の組成物である。
【0237】
実施形態A99は、泡調節剤、防腐剤または抗菌剤、不凍剤、溶解度向上剤、色素、及び増粘剤からなる群より選択される1種または複数種の更なる成分を更に含む、実施形態A50~A98のいずれか1に記載の組成物である。
【0238】
実施形態A100は、水性除草剤濃縮物の形態である、実施形態A50~A99のいずれか1に記載の組成物である。
【0239】
実施形態A101は、少なくともリットル当り約50グラムa.e.、少なくともリットル当り約75グラムa.e.、少なくともリットル当り約100グラムa.e.、少なくともリットル当り約120グラムa.e.、少なくともリットル当り約140グラムa.e.、少なくともリットル当り約160グラムa.e.、少なくともリットル当り約180グラムa.e.、少なくともリットル当り約200グラムa.e.、少なくともリットル当り約220グラムa.e.、少なくともリットル当り約240グラムa.e.、少なくともリットル当り約280グラムa.e.、少なくともリットル当り約300グラムa.e.、少なくともリットル当り約320グラムa.e.、少なくともリットル当り約360グラムa.e.、少なくともリットル当り約400グラムa.e.、少なくともリットル当り約420グラムa.e.、少なくともリットル当り約450グラムa.e.、または少なくともリットル当り約500グラムa.e.の濃度で上記オーキシン除草剤を含む、実施形態A100に記載の組成物である。
【0240】
実施形態A102は、共除草剤を含み、全除草剤の濃度が、少なくともリットル当り約240グラムa.e.、少なくともリットル当り約280グラムa.e.、少なくともリットル当り約300グラムa.e.、少なくともリットル当り約320グラムa.e.、少なくともリットル当り約360グラムa.e.、少なくともリットル当り約400グラムa.e.、少なくともリットル当り約420グラムa.e.、少なくともリットル当り約450グラムa.e.、または少なくともリットル当り約500グラムa.e.である、実施形態A100またはA101に記載の組成物である。
【0241】
実施形態A103は、共除草剤を含み、共除草剤の上記オーキシン除草剤に対する酸当量重量比が、約1:1~約5:1、約1:1~約3:1、約1.5:1~約3:1、約1.5:1~約2.5:1、または約1.5:1~約2:1である、実施形態A50~A102のいずれか1に記載の組成物である。
【0242】
実施形態A104は、共除草剤を含み、共除草剤の上記オーキシン除草剤に対する酸当量重量比が、約1.5:1、約2:1、または約3:1である、実施形態A50~A102のいずれか1に記載の組成物である。
【0243】
実施形態A105は、上記除草剤混合物または組成物が、上記オーキシン除草剤に対して、モル基準で等量以下の上記アジュバントを含む、実施形態A1~A104のいずれか1に記載の方法または組成物である。
【0244】
実施形態A106は、上記オーキシン除草剤の上記アジュバントに対するモル比が、約1:1~約10:1、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、または約1:1~約2:1である、実施形態A105に記載の方法または組成物である。
【0245】
実施形態A107は、上記オーキシン除草剤の上記アジュバントに対するモル比が、約2:1~約10:1、約2:1~約8:1、約2:1~約5:1、約2:1~約4:1、または約2:1~約3:1である、実施形態A106に記載の方法または組成物である。
【0246】
実施形態A108は、第1のカチオンが、アルカリ金属、第一級アミン、及び第二級アミンからなる群より選択される、実施形態A1~A107のいずれか1に記載の方法または組成物である。
【0247】
実施形態A109は、第1のカチオンが、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジグリコールアンモニウム、及びジメチルアンモニウムからなる群より選択される、実施形態A1~A108のいずれか1に記載の方法または組成物である。
【0248】
実施形態A110は、第1のカチオンがモノエタノールアンモニウムである、実施形態A1~A109のいずれか1に記載の方法または組成物である。
【0249】
実施形態A111は、第1のカチオンがカリウムまたはナトリウムである、実施形態A1~A110のいずれか1に記載の方法または組成物である。
【0250】
実施形態A112は、第1のカチオンがジグリコールアンモニウムである、実施形態A1~A111のいずれか1に記載の方法または組成物である。
【0251】
実施形態A113は、オーキシン除草剤を含む除草剤混合物の植物の葉への散布後の、上記オーキシン除草剤の対象区域外への移動の低減方法であって、
必要な場合に、実施形態A50~A112のいずれか1に記載の組成物または混合物を水で希釈して散布混合物を形成することと、
除草剤として有効な量の上記散布混合物を上記植物の葉に散布することと
を含む、上記方法である。
【0252】
実施形態A114は、雑草もしくは望ましくない植生の枯殺または防除方法であって、
必要な場合に、実施形態A50~A112のいずれか1に記載の組成物もしくは混合物を水で希釈して散布混合物を形成することと、
除草剤として有効な量の上記散布混合物を上記雑草もしくは望ましくない植生の葉に散布することと
を含む、上記方法である。
【0253】
実施形態A115は、上記散布混合物が、約0.25重量%a.e.~約6重量%a.e.、約0.25重量%a.e.~約4重量%a.e.、もしくは約0.5重量%a.e.~約2重量%a.e.の濃度で上記オーキシン除草剤を含む、実施形態A113またはA114に記載の方法である。
【0254】
実施形態A116は、上記散布混合物が共除草剤を含み、上記共除草剤の濃度が、約0.5重量%a.e.~約8重量%a.e.、約1重量%a.e.~約6重量%a.e.、または約1重量%a.e.~約4重量%a.e.である、実施形態A113またはA114に記載の方法である。
【0255】
実施形態A117は、
オーキシン除草剤であって、カチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含み、且つアンモニウムイオン源を含む農薬(agrochemical)成分と
を混合することを含み、
上記カチオンが、
(a)式Ia:
【化54】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化55】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化56】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン、及び
それらの混合物
からなる群より選択される、除草剤タンク混合物の製造方法である。
【0256】
実施形態A118は、上記農薬(agrochemical)成分が、アンモニウム含有除草剤、アンモニウム含有農業添加剤、またはそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム化合物を含む、実施形態A117に記載の方法である。
【0257】
実施形態A119は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートアンモニウム塩を含む、実施形態A117またはA118に記載の方法である。
【0258】
実施形態A120は、上記農薬(agrochemical)成分がグルホシネートアンモニウム塩を含む、実施形態A117~A119のいずれか1に記載の方法である。
【0259】
実施形態A121は、上記農薬(agrochemical)成分がアンモニウム含有肥料またはアンモニウム含有水調整剤を含む、実施形態A117~A120のいずれか1に記載の方法である。
【0260】
実施形態A122は、上記農薬(agrochemical)成分が、硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、イセチオン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム化合物を含む、実施形態A117~A121のいずれか1に記載の方法である。
【0261】
実施形態A123は、上記農薬(agrochemical)成分が硫酸アンモニウムを含む、実施形態A117~A122のいずれか1に記載の方法である。
【0262】
実施形態A124は、
オーキシン除草剤であって、カチオンを含む上記除草剤の塩の形態の上記除草剤と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含み、且つアンモニウムイオン源を含む農薬(agrochemical)成分と
を含み、
上記カチオンが、
(a)式Ia:
【化57】
の第四級アンモニウムカチオンであり、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化58】
の窒素複素環カチオンであり、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化59】
のホスホニウムカチオンであり、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン、及び
それらの混合物
からなる群より選択される除草剤組成物である。
【0263】
実施形態A125は、上記農薬(agrochemical)成分が、アンモニウム含有除草剤、アンモニウム含有農業添加剤、またはそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム化合物を含む、実施形態A124に記載の組成物である。
【0264】
実施形態A126は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートアンモニウム塩を含む、実施形態A124またはA125に記載の組成物である。
【0265】
実施形態A127は、上記農薬(agrochemical)成分がグルホシネートアンモニウム塩を含む、実施形態A124~A126のいずれか1に記載の組成物である。
【0266】
実施形態A128は、上記農薬(agrochemical)成分がアンモニウム含有肥料またはアンモニウム含有水調整剤を含む、実施形態A124~A127のいずれか1に記載の組成物である。
【0267】
実施形態A129は、上記農薬(agrochemical)成分が、硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、イセチオン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム化合物を含む、実施形態A124~A128のいずれか1に記載の組成物である。
【0268】
実施形態A130は、上記農薬(agrochemical)成分が硫酸アンモニウムを含む、実施形態A124~A129のいずれか1に記載の組成物である。
【0269】
実施形態A131は、
第1のカチオンを含む第1のオーキシン除草剤の塩、及び第2のカチオンを含む第2のオーキシン除草剤の塩を含む第1の成分と、
上記オーキシン除草剤の揮発を助長する1種または複数種の農薬(agrochemicals)を含む農薬(agrochemical)成分と
を含み、
第2のカチオンが、
(a)式Ia:
【化60】
の第四級アンモニウムカチオンであって、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオン、
(b)式IIa:
【化61】
の窒素複素環カチオンであって、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオン、
(c)式IIIa:
【化62】
のホスホニウムカチオンであって、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオン、及び
それらの混合物
からなる群より選択される除草剤組成物である。
【0270】
実施形態A132は、上記アジュバントが、式Ia:
【化63】
の第四級アンモニウムカチオンであって、式中、R
1、R
2、及びR
3はそれぞれ独立に、C
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
4はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
1、R
2、R
3、及びR
4の炭素原子の総数は少なくとも13である上記第四級アンモニウムカチオンを含む、実施形態A131の組成物である。
【0271】
実施形態A133は、R1、R2、及びR3がそれぞれ独立に、C3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A131またはA132に記載の組成物である。
【0272】
実施形態A134は、R4がC3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A131~A133のいずれか1に記載の組成物である。
【0273】
実施形態A135は、R4がベンジルである、実施形態A131~A134のいずれか1に記載の組成物である。
【0274】
実施形態A136は、R1、R2、R3、及びR4がそれぞれ独立に、C3~C12アルキルである、実施形態A131~A135のいずれか1に記載の組成物である。
【0275】
実施形態A137は、R1、R2、R3、及びR4の炭素原子の総数が、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18である、実施形態A131~A136のいずれか1に記載の組成物である。
【0276】
実施形態A138は、R1、R2、R3、及びR4の炭素原子の総数が、13~約30、13~約25、13~約20、または13~約18である、実施形態A131~A137のいずれか1に記載の組成物である。
【0277】
実施形態A139は、上記アジュバントが、トリブチルメチルアンモニウム及びテトラブチルアンモニウムからなる群より選択される第四級アンモニウムカチオンを含む、実施形態A131~A138のいずれか1に記載の組成物である。
【0278】
実施形態A140は、上記アジュバントがテトラブチルアンモニウムカチオンを含む、実施形態A131~A139のいずれか1に記載の組成物である。
【0279】
実施形態A141は、上記アジュバントが、式IIa:
【化64】
の窒素複素環カチオンであって、式中、Aは5員または6員複素環であり、R
5はC
1~C
20アルキルであり、R
6は水素またはC
1~C
6アルキルである上記窒素複素環カチオンを含む、実施形態A131~A140のいずれか1に記載の組成物である。
【0280】
実施形態A142は、Aが、置換イミダゾール環、置換ピリジン環、及び置換ピロリジン環からなる群より選択される、実施形態A131~A141のいずれか1に記載の組成物である。
【0281】
実施形態A143は、Aが置換イミダゾール環である、実施形態A131~A142のいずれか1に記載の組成物である。
【0282】
実施形態A144は、Aが置換ピリジン環である、実施形態A131~A143のいずれか1に記載の組成物である。
【0283】
実施形態A145は、Aが置換ピロリジン環である、実施形態A131~A144のいずれか1に記載の組成物である。
【0284】
実施形態A146は、R5がC1~C12アルキルである、実施形態A131~A145のいずれか1に記載の組成物である。
【0285】
実施形態A147は、上記アジュバントが、1-ブチル-1-メチルピロリジニウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム、及びセチルピリジニウムからなる群より選択される窒素複素環カチオンを含む、実施形態A131~A146のいずれか1に記載の組成物である。
【0286】
実施形態A148は、上記アジュバントが、式IIIa:
【化65】
のホスホニウムカチオンであって、式中、R
7、R
8、及びR
9はそれぞれ独立にC
3~C
12ヒドロカルビルであり、R
10はC
1~C
12ヒドロカルビルであり、R
7、R
8、R
9、及びR
10の炭素原子の総数は少なくとも13である上記ホスホニウムカチオンを含む、実施形態A131~A147のいずれか1に記載の組成物である。
【0287】
実施形態A149は、R7、R8、及びR9がそれぞれ独立に、C3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A131~A148のいずれか1に記載の組成物である。
【0288】
実施形態A150は、R10がC3~C12アルキル及びC3~C12アルケニルからなる群より選択される、実施形態A131~A149のいずれか1に記載の組成物である。
【0289】
実施形態A151は、R10がベンジルである、実施形態A131~A150のいずれか1に記載の組成物である。
【0290】
実施形態A152は、R7、R8、R9、及びR10がそれぞれ独立に、C3~C12アルキルである、実施形態A131~A151のいずれか1に記載の組成物である。
【0291】
実施形態A153は、R7、R8、R9、及びR10の炭素原子の総数が少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18である、実施形態A131~A152のいずれか1に記載の組成物である。
【0292】
実施形態A154は、R7、R8、R9、及びR10の炭素原子の総数が、13~約30、13~約25、13~約20、または13~約18である、実施形態A131~A153のいずれか1に記載の組成物である。
【0293】
実施形態A155は、上記アジュバントが、トリブチルメチルホスホニウム及びテトラブチルホスホニウムからなる群より選択されるホスホニウムカチオンを含む、実施形態A131~A154のいずれか1に記載の組成物である。
【0294】
実施形態A156は、上記アジュバントがテトラブチルホスホニウムカチオンを含む、実施形態A131~A155のいずれか1に記載の組成物である。
【0295】
実施形態A157は、上記農薬(agrochemical)成分がアンモニウムイオン源を含む、実施形態A131~A156のいずれか1に記載の組成物である。
【0296】
実施形態A158は、上記農薬(agrochemical)成分が、アンモニウム含有除草剤及びアンモニウム含有農業添加剤からなる群より選択されるアンモニウム化合物を含む、実施形態A131~A157のいずれか1に記載の組成物である。
【0297】
実施形態A159は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートアンモニウム塩を含む、実施形態A131~A158のいずれか1に記載の組成物である。
【0298】
実施形態A160は、上記農薬(agrochemical)成分がグルホシネートアンモニウム塩を含む、実施形態A131~A159のいずれか1に記載の組成物である。
【0299】
実施形態A161は、上記農薬(agrochemical)成分がアンモニウム含有肥料またはアンモニウム含有水調整剤を含む、実施形態A131~A160のいずれか1に記載の組成物である。
【0300】
実施形態A162は、上記農薬(agrochemical)成分が、硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、イセチオン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム化合物を含む、実施形態A131~A161のいずれか1に記載の組成物である。
【0301】
実施形態A163は、上記農薬(agrochemical)成分が硫酸アンモニウムを含む、実施形態A131~A162のいずれか1に記載の組成物である。
【0302】
実施形態A164は、上記農薬(agrochemical)成分が、第一級アンモニウムイオンまたは第二級アンモニウムイオンを含む、実施形態A131~A163のいずれか1に記載の組成物である。
【0303】
実施形態A165は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートまたはグルホシネートの有機アミン塩を含む、実施形態A131~A164のいずれか1に記載の組成物である。
【0304】
実施形態A166は、上記農薬(agrochemical)成分が、モノエタノールアミン塩、n-プロピルアミン塩、イソプロピルアミン塩、エチルアミン塩、ジメチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ヘキサメチレンジアミン塩、及びトリメチルスルホニウム塩、ならびにそれらの混合物からなる群より選択されるグリホサート塩を含む、実施形態A131~A165のいずれか1に記載の組成物である。
【0305】
実施形態A167は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートのイソプロピルアミン塩を含む、実施形態A131~A166のいずれか1に記載の組成物である。
【0306】
実施形態A168は、上記農薬(agrochemical)成分がグリホサートのジメチルアミン塩を含む、実施形態A131~A167のいずれか1に記載の組成物である。
【0307】
実施形態A169は、上記農薬(agrochemical)成分が共除草剤を含む、実施形態A131~A168のいずれか1に記載の組成物である。
【0308】
実施形態A170は、上記共除草剤が溶液中で上記オーキシン除草剤よりも酸性が強い、実施形態A169に記載の組成物である。
【0309】
実施形態A171は、上記共除草剤のpKaが約5未満である、実施形態A169またはA170に記載の組成物である。
【0310】
実施形態A172は、上記共除草剤が、グリホサート、グルホシネート、アトラジン、アセトクロル、ホメサフェン、フルミオキサジン、ラクトフェン、スルフェントラゾン、メトリブジン、クレトジム、セトキシジム、メトラクロル、アラクロル、フェノキサプロップ、フルアジホップ、ハロキシホップメチル、パラコート、トリアルコキシジム、ならびにそれらの塩及び混合物からなる群より選択される、実施形態A169に記載の組成物である。
【0311】
実施形態A173は、上記共除草剤がグリホサートの塩を含む、実施形態A169~A172のいずれか1に記載の組成物である。
【0312】
実施形態A174は、上記グリホサート塩が、カリウム塩、モノアンモニウム塩、ジアンモニウム塩、ナトリウム塩、モノエタノールアミン塩、n-プロピルアミン塩、イソプロピルアミン塩、エチルアミン塩、ジメチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ヘキサメチレンジアミン塩、及びトリメチルスルホニウム塩、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される、実施形態A173に記載の組成物である。
【0313】
実施形態A175は、上記グリホサート塩が、カリウム塩、モノエタノールアミン塩、イソプロピルアミン塩、及びそれらの混合物からなる群より選択される、実施形態A174に記載の組成物である。
【0314】
実施形態A176は、pHが、約4~約5.5、約4.25~約5.5、約4.5~約5.5、約4.75~約5.5、約5~約5.5、または約4~約5である、実施形態A131~A175のいずれか1に記載の組成物である。
【0315】
実施形態A177は、界面活性剤成分を更に含む、実施形態A131~A176のいずれか1に記載の組成物である。
【0316】
実施形態A178は、上記界面活性剤成分が、アルコキシル化第三級エーテルアミン、アルコキシル化第四級エーテルアミン、アルコキシル化エーテルアミンオキシド、アルコキシル化第三級アミン、アルコキシル化第四級アミン、アルコキシル化ポリアミン、硫酸エステル、スルホン酸塩、リン酸エステル、アルキル多糖、アルコキシル化アルコール、アミドアルキルアミン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される1種または複数種の界面活性剤を含む、実施形態A177に記載の組成物である。
【0317】
実施形態A179は、泡調節剤、防腐剤または抗菌剤、不凍剤、溶解度向上剤、色素、及び増粘剤からなる群より選択される1種または複数種の更なる成分を更に含む、実施形態A131~A178のいずれか1に記載の組成物である。
【0318】
実施形態A180は、水性除草剤濃縮物の形態である、実施形態A131~A179のいずれか1に記載の組成物である。
【0319】
実施形態A181は、少なくともリットル当り約50グラムa.e.、少なくともリットル当り約75グラムa.e.、少なくともリットル当り約100グラムa.e.、少なくともリットル当り約120グラムa.e.、少なくともリットル当り約140グラムa.e.、少なくともリットル当り約160グラムa.e.、少なくともリットル当り約180グラムa.e.、少なくともリットル当り約200グラムa.e.、少なくともリットル当り約220グラムa.e.、少なくともリットル当り約240グラムa.e.、少なくともリットル当り約280グラムa.e.、少なくともリットル当り約300グラムa.e.、少なくともリットル当り約320グラムa.e.、少なくともリットル当り約360グラムa.e.、少なくともリットル当り約400グラムa.e.、少なくともリットル当り約420グラムa.e.、少なくともリットル当り約450グラムa.e.、または少なくともリットル当り約500グラムa.e.の濃度で上記オーキシン除草剤を含む、実施形態A180に記載の組成物である。
【0320】
実施形態A182は、共除草剤を含み、全除草剤の濃度が、少なくともリットル当り約240グラムa.e.、少なくともリットル当り約280グラムa.e.、少なくともリットル当り約300グラムa.e.、少なくともリットル当り約320グラムa.e.、少なくともリットル当り約360グラムa.e.、少なくともリットル当り約400グラムa.e.、少なくともリットル当り約420グラムa.e.、少なくともリットル当り約450グラムa.e.、または少なくともリットル当り約500グラムa.e.である、実施形態A180またはA181に記載の組成物である。
【0321】
実施形態A183は、共除草剤を含み、共除草剤の上記オーキシン除草剤に対する酸当量重量比が、約1:1~約5:1、約1:1~約3:1、約1.5:1~約3:1、約1.5:1~約2.5:1、または約1.5:1~約2:1である、実施形態A131~A182のいずれか1に記載の組成物である。
【0322】
実施形態A184は、共除草剤を含み、共除草剤の上記オーキシン除草剤に対する酸当量重量比が、約1.5:1、約2:1、または約3:1である、実施形態A131~A183のいずれか1に記載の組成物である。
【0323】
実施形態A185は、第1のカチオンが、アルカリ金属、第一級アミン、及び第二級アミンからなる群より選択される、実施形態A131~A184のいずれか1に記載の組成物である。
【0324】
実施形態A186は、第1のカチオンが、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジグリコールアンモニウム、及びジメチルアンモニウムからなる群より選択される、実施形態A131~A185のいずれか1に記載の組成物である。
【0325】
実施形態A187は、第1のカチオンがモノエタノールアンモニウムである、実施形態A131~A186のいずれか1に記載の組成物である。
【0326】
実施形態A188は、第1のカチオンがカリウムまたはナトリウムである、実施形態A131~A187のいずれか1に記載の組成物である。
【0327】
実施形態A189は、第1のカチオンがジグリコールアンモニウムである、実施形態A131~A188のいずれか1に記載の組成物である。
【0328】
実施形態A190は、上記オーキシン除草剤が、ジカンバ、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB)、ジクロロプロップ、2-メチル-4-クロロフェノキシ酢酸(MCPA)、4-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)ブタン酸(MCPB)、4-クロロフェノキシ酢酸、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)、アミノピラリド、クロピラリド、フルロキシピル、トリクロピル、メコプロップ、ピクロラム、キンクロラック、アミノシクロピラクロル、及びそれらの混合物からなる群より選択される、実施形態A1~A189のいずれか1に記載の方法または組成物である。
【0329】
実施形態A191は、上記オーキシン除草剤がジカンバを含む、実施形態A1~A190のいずれか1に記載の方法または組成物である。
【0330】
実施形態A192は、上記オーキシン除草剤が2,4-Dを含む、実施形態A1~A191のいずれか1に記載の方法または組成物である。
【0331】
本発明の要素または本発明の好ましい実施形態(複数可)を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、1または複数の当該要素が存在することを意味することを意図する。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」は非排他的であることを意図し、記載された要素以外の更なる要素が存在してもよいことを意味する。
【0332】
上記に鑑みれば、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が得られることが理解されよう。
【0333】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の組成物及び方法に種々の変更を加えることができることから、上記の説明に含まれる全ての事項は、限定的な意味ではなく例示として解釈されるべきものである。