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特許7096871路面状態推定装置及びそれを用いた路面状態推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】路面状態推定装置及びそれを用いた路面状態推定方法
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/00 20060101AFI20220629BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
G01W1/00 J
B60C19/00 H
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020167783
(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公開番号】P2021060401
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2020-10-02
(31)【優先権主張番号】10-2019-0122275
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514040088
【氏名又は名称】ハンコック タイヤ アンド テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HANKOOK TIRE & TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】286,Pangyo-ro,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do,13494,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ホ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン テ
(72)【発明者】
【氏名】サイード タヘリ
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-093922(JP,A)
【文献】特開2011-203017(JP,A)
【文献】特開2019-081531(JP,A)
【文献】特開2018-004417(JP,A)
【文献】特開2019-020302(JP,A)
【文献】特開2017-081380(JP,A)
【文献】国際公開第2016/088548(WO,A1)
【文献】特開2015-038516(JP,A)
【文献】特開2009-274639(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0282227(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00 -19/12 、
G01W 1/00 - 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤに装着されるセンサモジュールと、
前記センサモジュールによって測定されたセンシング情報を受信するレシーバモジュールと、
前記レシーバモジュールによって受信されたセンシング情報を分析して、路面の状態を推定するためのパラメータを抽出するプロセッシングモジュールと、
前記プロセッシングモジュールにより抽出された前記パラメータを用いて路面の状態を推定する推定モジュールと、を備え、
前記センシング情報は、タイヤの加速度を含み、
前記プロセッシングモジュールは、
加速度の波形グラフを使用して加速度の振動特性を分析して前記パラメータを抽出し、
前記加速度の波形グラフから前記タイヤの接地領域、接地前の領域、接地後の領域及び全体領域を抽出し、
前記接地領域、接地前の領域、接地後の領域及び全体領域に対する周波数分析を通じてパラメータを抽出するように設けられ、
高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して関心のある周波数領域を選択し、前記関心のある周波数領域内で計算された信号エネルギーをマシンラーニングに入力される前記パラメータとして決定することを特徴とする、
タイヤの路面状態推定装置。
【請求項2】
前記センサモジュールは、前記タイヤの内部表面のトレッド部の中央に形成されることを特徴とする、
請求項1に記載のタイヤの路面状態推定装置。
【請求項3】
前記センサモジュールは、
前記タイヤの円周方向、及び半径方向の加速度を測定するように設けられた加速度センサと、
前記タイヤの内部圧力を測定するように設けられた圧力センサと、を含むことを特徴とする、
請求項2に記載のタイヤの路面状態推定装置。
【請求項4】
前記プロセッシングモジュールは、
前記加速度の波形グラフから半径方向加速度のグラフの微分値の最小値と最大値との間を接地領域として抽出することを特徴とする、
請求項に記載のタイヤの路面状態推定装置。
【請求項5】
前記プロセッシングモジュールは、
前記加速度の波形グラフから円周方向加速度のグラフの最小値と最大値との間を接地領域として抽出することを特徴とする、
請求項に記載のタイヤの路面状態推定装置。
【請求項6】
前記信号エネルギーは、次式によって計算されることを特徴とする、
請求項に記載のタイヤの路面状態推定装置。
(yは信号エネルギー、f1は関心のある周波数領域の開始点、f2は関心のある周波数領域の終了点、X(f)は関心のある周波数領域内でのパワースペクトル密度)
【請求項7】
前記信号エネルギーは、
前記タイヤの円周方向加速度のグラフ及び半径方向加速度のグラフからそれぞれ抽出された前記接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び領域全体に対して計算され、計算された値は、前記マシンラーニングに入力されるパラメータに含まれることを特徴とする、
請求項に記載のタイヤの路面状態推定装置。
【請求項8】
前記高周波領域では周波数帯域が1.5kHz~4.5kHzであることを特徴とする、
請求項に記載のタイヤの路面状態推定装置。
【請求項9】
前記関心のある周波数領域は、
高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して、各路面間の違いを見分けることができると判定された領域であることを特徴とする、
請求項に記載のタイヤの路面状態推定装置。
【請求項10】
前記推定モジュールは、
前記プロセッシングモジュールにより抽出された複数の前記パラメータに、タイヤの空気圧、タイヤ支持荷重、走行速度をさらに含めて路面の状態を推定するように設けられたことを特徴とする、
請求項に記載のタイヤの路面状態推定装置。
【請求項11】
前記推定モジュールから推定された路面の状態をユーザーに示すように設けられたディスプレイモジュールをさらに含むことを特徴とする、
請求項1に記載のタイヤの路面状態推定装置。
【請求項12】
前記推定モジュールから推定された路面の状態を提供されるように設けられたECUモジュールをさらに含み、
前記ECUモジュールは、前記路面の状態に応じて車両を制御するように設けられたことを特徴とする、
請求項1に記載のタイヤの路面状態推定装置。
【請求項13】
請求項1によるタイヤの路面状態推定装置を用いた路面状態推定方法であって、
a)前記タイヤの加速度を測定する段階と、
b)測定された前記加速度を前記プロセッシングモジュールに提供する段階と、
c)提供された前記加速度を分析して路面の状態を推定するためのパラメータを抽出する段階と、
d)抽出された前記パラメータを用いて路面の状態を推定する段階と、を備え、
前記c)段階は、
c1)タイヤが1回転する間の加速度の波形グラフを得る段階と、
c2)前記加速度の波形グラフから前記タイヤの接地領域を抽出する段階と、
c3)前記接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び全体領域の高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して関心のある周波数領域を選択する段階と、
c4)選択された前記関心のある周波数領域内での信号エネルギーを計算する段階と、
c5)計算された前記信号エネルギーをパラメータとして抽出する段階と、を含むことを特徴とする、
タイヤの路面状態推定装置を用いた路面状態推定方法。
【請求項14】
前記d)段階以降には、
推定された前記路面の状態をユーザーにディスプレイし、前記路面の状態に対応して車両を制御する段階をさらに含むことを特徴とする、
請求項13に記載のタイヤの路面状態推定装置を用いた路面状態推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面状態推定装置及びそれを用いた路面状態推定方法に関し、より詳細には、天気などの外部環境の変化にもかかわらず路面の状態を正確に推定するための路面状態推定装置及びそれを用いた路面状態推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤは、車両の部品の中で路面と接触する唯一のエレメントであり、車両の旋回力、駆動力、制動力を発生させて車両の走行を可能にするため、車両の走行性能と安全性に関連して非常に重要な役割を果たしている。
【0003】
タイヤと路面との間で発生する駆動力、制動力及び旋回力は、タイヤの特性とともに、路面の種類及び状態に相当な影響を受ける。
【0004】
したがって、車両のリアルタイム路面状態を推定して、車両のECUに情報を提供することができればABS、ADASなどの車両制御の性能向上を期待することができる。
【0005】
また、このような情報は、車両のダッシュボードなどを介して運転者に注意を与えて各路面に適切な運転を誘導することができる。例えば、濡れた路面の検出時、運転者はハイドロプレーニング(水膜現象)などを回避するために、車両の速度を減らすはずである。
【0006】
このような路面状態の推定方法として車両に装着されたカメラなどを用いて路面を撮影し、イメージ処理を用いて路面を推定する方法がある。しかし、濡れた路面や雪道では、カメラのレンズが汚染されてイメージの解像力が低下することができ、暗い夜には光学的路面認識が困難になることができる。
【0007】
また、付加的なカメラ装着は、車両コストの上昇及び車両のオンボードセンサネットワークの複雑性をもたらすことができる。
【0008】
路面の状態推定は、車両の動力学的モデルとオンボードセンサで測定される車両の走行状態情報から間接的に推定される場合もあり、このような推定方法は、車両制御のために広く使用されている。しかし、このような方法は、間接的な推定過程で誤差が累積される場合があり、路面とタイヤとの間にある程度以上のスリップが発生してこそ推定が可能となるという欠点がある。
【0009】
米国特許第9170102号明細書は、タイヤ内部に付着された加速度センサから測定された加速度の波形の特性を用いて多様な路面の状態を分類している。この発明は、雪道、雨道、乾いた路面、氷上などを区分する方法及びデバイスについて提案しており、雪道の状態もcompacted snow(圧雪)、deeply sherbet like snow(深層シャーベット上雪路)、shallowly shebert like snow(浅層シャーベット上雪路)などで細かく分析可能である。
【0010】
しかし、米国特許第9170102号は、路面上にある物質が覆いかぶさっているか否かを判定するために、例えば、濡れた路面や乾いた路面を区別するために、路面の温度とタイヤから発生するノイズをさらに計測しなければならない。
【0011】
これらの路面温度センサ及びサウンドレコーディングセンサは、車両に追加装着されてセンサネットワークの複雑性及びセンサのコスト増加の要因となる。また、実施形態として提示した推定結果の正確度は、wet(ウェット)、icy(アイシー)、sherbert(シャーベット)などの路面状態において57~86%程度で高くない。路面推定結果が車両制御などに有効に使用されるためには、90%以上程度の正確度が要求される。
【0012】
米国特許出願公開第2018/0222458号明細書は、多様な走行速度においてタイヤの加速度センサの接地領域を抽出することができる方法を開示している。タイヤ内部で計測された加速度センサは、走行速度によって影響を受けるため、特定の速度で接地領域を分離するアルゴリズムは、他の走行速度で効果的に接地領域を抽出し難い。したがって速度の効果を含む接地領域の分離アルゴリズムが提案されており、このように分離された接地領域の加速度信号の振動エネルギーを用いて摩擦係数が高い路面及び低い路面を分離している。
【0013】
しかし、このような方法は、タイヤの接地領域に加えて接地前後の振動特性が路面推定アルゴリズムに含まれていないため、正確な推定が不可能である。また、単にアスファルト路面との低い摩擦係数で路面分離するだけでは詳しい路面情報をECUに提供することができない。
【0014】
したがって、より正確に路面の状態を推定することができる技術が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】米国特許第9170102号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/0222458号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、天気などの外部環境の変化にもかかわらず路面の状態を正確に推定するための路面状態推定装置及びそれを用いた路面状態推定方法を提供することにある。
【0017】
本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に限定されず、言及されていないもう1つの技術的課題は、下の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記のような目的を達成するための本発明の構成は、タイヤに装着されるセンサモジュールと、前記センサモジュールによって測定されたセンシング情報を受信するレシーバモジュールと、前記レシーバモジュールによって受信されたセンシング情報を分析して路面の状態を推定するためのパラメータを抽出するプロセッシングモジュールと、前記プロセッシングモジュールによって抽出された前記パラメータを用いて路面の状態を推定する推定モジュールと、を備え、前記センシング情報は、タイヤの加速度を含むことを特徴とするタイヤの路面状態推定装置を提供する。
【0019】
本発明の実施形態において、前記センサモジュールは、前記タイヤの内部表面のトレッド部の中央に形成されることを特徴とする。
【0020】
本発明の実施形態において、前記センサモジュールは、前記タイヤの円周方向、及び半径方向の加速度を測定するように設けられた加速度センサ、並びに前記タイヤの内部圧力を測定するように設けられた圧力センサを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の実施形態において、前記プロセッシングモジュールは、加速度の波形グラフを介して加速度の振動特性を分析して前記パラメータを抽出することを特徴とする。
【0022】
本発明の実施形態において、前記プロセッシングモジュールは、前記加速度の波形グラフから前記タイヤの接地領域を抽出し、前記接地領域に対する周波数分析を通じてパラメータを抽出するように設けられたことを特徴とする。
【0023】
本発明の実施形態において、前記プロセッシングモジュールは、前記加速度の波形グラフから半径方向加速度のグラフにおける微分値の最小値と最大値との間を接地領域として抽出することを特徴とする。
【0024】
本発明の実施形態において、前記プロセッシングモジュールは、前記加速度の波形グラフでは、円周方向加速度のグラフにおける最小値と最大値との間を接地領域として抽出することを特徴とする。
【0025】
本発明の実施形態において、前記プロセッシングモジュールは、高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して関心のある周波数領域を選択し、前記関心のある周波数領域内で計算された信号エネルギーをマシンラーニングに入力される前記パラメータとして決定することを特徴とする。
【0026】
本発明の実施形態において、前記信号エネルギーは、次式によって計算されることを特徴とする。
【0027】
(yは信号エネルギー、f1は関心のある周波数領域の開始点、f2は関心のある周波数領域の終了点、X(f)は、関心のある周波数領域内でのパワースペクトル密度)
【0028】
本発明の実施形態において、前記信号エネルギーは、前記タイヤの円周方向加速度のグラフ及び半径方向加速度のグラフから、それぞれ抽出された前記接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び領域全体に対して計算され、計算された値は、前記マシンラーニングに入力されるパラメータに含まれることを特徴とする。
【0029】
本発明の実施形態において、前記高周波領域では、周波数帯域が1.5kHz~4.5kHzであることを特徴とする。
【0030】
本発明の実施形態において、前記関心のある周波数領域は、高周波領域のパワーースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して、各路面間の違いを見分けることができると判定された領域であることを特徴とする。
【0031】
本発明の実施形態において、前記推定モジュールは、前記プロセッシングモジュールにより抽出された複数の前記パラメータに、タイヤの空気圧、タイヤ支持荷重、走行速度をさらに含めて路面の状態を推定するように設けられたことを特徴とする。
【0032】
本発明の実施形態において、前記推定モジュールから推定された路面の状態をユーザーに示すように設けられたディスプレイモジュールをさらに含むことを特徴とする。
【0033】
本発明の実施形態において、前記推定モジュールから推定された路面の状態を提供されるように設けられたECUモジュールをさらに含み、前記ECUモジュールは、前記路面の状態に応じて車両を制御するように設けられたことを特徴とする。
【0034】
上記のような目的を達成するための本発明の構成は、タイヤの路面状態推定装置を用いた路面状態推定方法であって、a)前記タイヤの加速度を測定する段階と、b)測定された前記加速度を前記プロセッシングモジュールに提供する段階と、c)提供された前記加速度を分析して路面の状態を推定するためのパラメータを抽出する段階と、d)抽出された前記パラメータを用いて路面の状態を推定する段階と、を備えることを特徴とするタイヤの路面状態推定装置を用いた路面状態推定方法を提供する。
【0035】
本発明の実施形態において、前記c)段階は、c1)タイヤが1回転する間の加速度の波形グラフを得る段階と、c2)前記加速度の波形グラフから前記タイヤの接地領域を抽出する段階と、c3)前記接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び全体領域に対して高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して関心のある周波数領域を選択する段階と、c4)選択された前記関心のある周波数領域内での信号エネルギーを計算する段階と、c5)計算された前記信号エネルギーをパラメータとして抽出する段階と、を備えることを特徴とする。
【0036】
本発明の実施形態において、前記d)段階以降には、推定された前記路面の状態をユーザーにディスプレイし、前記路面状態に対応して車両を制御する段階をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
上記のような構成による本発明の効果は、運転者に雨道、雪道などを警告してこれに備える運転を可能にする。
【0038】
ABS制動の場合、現在の方法は、初期制動時に車輪スリップの発生速さと発生程度に基づいて、路面の摩擦係数を推定して適正なslip ratio(スリップ比率)を決定する。しかし、このような過程を介して適正なslip ratioを推定するのに若干の遅延が発生し、これは制動距離の増加をもたらす。しかし、本発明は、ECUに路面の種類を提供すれば、ABSアルゴリズムの初期推定を短縮することができ、約5%程度の制動距離の減縮が可能である。
【0039】
また、各車両がテレマティックスに連結されていれば、先行車両の情報を共有し、路面の状態に対して事前に認知して防御運転が可能である。また、車両と道路交通公社などの関連機関が連結されていれば、機関では道路状況マップなどをリアルタイムで提供することができる。
【0040】
また、自律走行車両に対しても路面の状態を事前に知っていればステアリング、制動、ブレーキングの入力に対して適切な入力を決定してフィードバック制御のフィードバック過程を最小化して安定性を増大することができる。
【0041】
また、本発明は、タイヤの内部にセンサを付着して走行中のタイヤの動力学的特性を測定し、測定された波形の特性分析を通じて路面の状態を推定する。これにより、本発明は、タイヤと路面との間のスリップが発生していない通常の走行状態でも路面の推定が可能であり、タイヤ内部のセンシング値を直接利用するため、既存の間接推定方式の誤差の累積を最小限に抑え、推定の正確度を向上させることができる。
つまり、信号を別の接触領域に分離し、各領域では比較的特性を抽出することにより、信号を全体的に利用するときに比べソーターの解像度を向上させることができる。
【0042】
また、本発明では、測定される加速度信号はタイヤの接地と接地前後に分けられてその特性が抽出されてマシンラーニング技法の入力パラメータとして使用され、タイヤの内部に付着された加速度センサの計測値だけを用いて正確に多様な路面の種類を推定することがことができる。
【0043】
本発明の効果は、上記した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の一実施形態による路面状態推定装置の構成例示図である。
図2】本発明の一実施形態によるセンサモジュールの装着位置を示す例示図である。
図3】本発明の一実施形態によるタイヤの1回転に伴う接地位置を示す例示図及び加速度の波形グラフである。
図4】本発明の一実施形態による路面の状態に応じた円周方向の加速度のグラフである。
図5】本発明の一実施形態による半径方向加速度のグラフの接地領域を示す例示図である。
図6】本発明の一実施形態による周波数分析方法を示すグラフである。
図7】本発明の一実施形態による関心のある周波数領域及び信号エネルギーを示すグラフである。
図8】本発明の一実施形態による推定モジュールのニューラルネットワークモデルの構造を示す例示図である。
図9】本発明の一実施形態による路面状態推定装置及びそれを用いた路面状態推定方法のフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態によるパラメータを抽出する段階のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下では、添付した図面を参照して本発明を説明することにする。しかし、本発明は、多様で異なる形態に実施され、したがってここで説明する実施形態に限定されるものではない。そして、図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通して類似した部分については類似の符号を付した。
【0046】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続、接触、結合)」されているとするとき、これは「直接的に連結」されている場合だけではなく、その中間に他の部材を間に置いて、「間接的に連結」されている場合も含む。なお、ある部分があるコンポーネントを「含む」とするとき、これは特に反対される記載がない限り、他のコンポーネントを除外するのではなく、他のコンポーネントをさらに備えることができるというのを意味する。
【0047】
本明細書で使用された用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示していると判定されない限り、複数の表現を含む。本明細書では、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、コンポーネント、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つ以上の他の特徴、数字、段階、動作、コンポーネント、部品又はこれらを組み合わせたものの存在若しくは付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0048】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明することにする。
【0049】
図1は、本発明の一実施形態による路面状態推定装置の構成の例示図である。
【0050】
図1に示したように、タイヤの路面状態推定装置100は、センサモジュール110と、レシーバモジュール120と、プロセッシングモジュール130と、推定モジュール140と、ディスプレイモジュール150と、ECUモジュール160と、を備える。
【0051】
図2は、本発明の一実施形態によるセンサモジュールの装着位置を示す例示図である。
【0052】
図2をさらに参照すると、前記センサモジュール110は、タイヤの内部に装着されたTMS(Tire mounted sensor)であり得る。前記センサモジュール110は、タイヤの内部表面に直接装着されるため、加速度を測定して走行中のタイヤの変形及び振動の情報を取得することができる。
【0053】
特に、前記センサモジュール110は、内部表面のトレッド部10の中央に形成され、加速度センサ111及び圧力センサ112を含み得る。
【0054】
前記加速度センサ111は、前記タイヤの円周方向、及び半径方向の加速度の総計2軸に対する加速度を測定するように設けられる。
【0055】
そして、前記圧力センサ112は、前記タイヤの内部圧力を測定するように設けられる。
【0056】
このように設けられた前記センサモジュール110は、タイヤの変形及び振動に対するセンシング情報を測定することができる。
【0057】
また、前記センサモジュール110は、トレッド部10の中央に形成されて車輪のスリップアングルやキャンバーアングルが加速度測定に与える影響を最小限に抑えることもできる。
【0058】
前記レシーバモジュール120は、前記センサモジュール110によって測定されたセンシング情報を受信するように設けられる。
【0059】
具体的には、前記センサモジュール110は、測定された加速度とタイヤ内部の圧力を送信機から無線で送信し、これは車両システムの内部に位置したレシーバモジュール120に受信される。
【0060】
ここで、無線送信方式は、RF、BLEなどの方式が採用され得る。
【0061】
前記レシーバモジュール120に受信された加速度信号は、タイヤの振動及び変形に関する情報を有しており、このような情報は、路面の種類に応じてその特性が異なるようになる。
【0062】
前記プロセッシングモジュール130は、前記レシーバモジュール120によって受信された前記センシング情報を分析して、路面の状態を推定するためのパラメータを抽出するように設けられる。
【0063】
ここで、前記パラメータは、乾いた路面、濡れた路面、氷の道、雪道などで測定された加速度の振動特性に対する分析に基づいて、路面の推定モデルに使用される変数を指すことができる。
【0064】
前記プロセッシングモジュール130は、前記センサモジュール110から測定された2軸の加速度に対する加速度の波形グラフを介して加速度の振動特性を分析して前記パラメータを抽出するように設けられる。ここで、加速度の波形グラフは、前記2軸のそれぞれに対する時間による加速度の変化を示したグラフである。
【0065】
図3は、本発明の一実施形態によるタイヤの1回転に伴う接地位置を示す例示図と加速度の波形グラフである。
【0066】
図3を参照すると、前記プロセッシングモジュール130は、前記加速度の波形グラフから前記タイヤの接地領域を抽出し、前記接地領域に対する周波数分析を通じてパラメータを抽出することができる。
【0067】
図3に示すように、タイヤが接地され始める地点であるb点と、接地中のc点、接地が終わるd点において加速度の変化が急激に行われることを確認することができる。
【0068】
具体的には、加速度の波形は、接地領域b~dにおいてタイヤ形状の不連続性のために、最大値又は最小値を有する。そして、z方向(半径方向)の加速度の場合、接地内では、加速度がほぼ0に収束され、接地外では、タイヤの遠心力加速度に該当する値を有する。
【0069】
したがって、前記プロセッシングモジュール130は、前記加速度の波形グラフから、半径方向加速度のグラフの微分値の最小値と最大値との間を接地領域として抽出することができる。
【0070】
また、前記プロセッシングモジュール130は、前記加速度の波形グラフから、円周方向加速度のグラフの最小値と最大値との間を接地領域として抽出することができる。
【0071】
このように、前記プロセッシングモジュール130は、前記タイヤの接地領域を前記加速度の波形グラフから導き出すように設けられる。
【0072】
図4は、本発明の一実施形態による路面の状態に応じた円周方向の加速度のグラフである。
【0073】
図4をさらに参照すると、多様な路面から計測されたタイヤ周方向の加速度の波形を確認することができ、路面の種類に応じて振動特性が変わる。図4の(a)に図示されたように、乾いた路面は、図4の(b)に図示された濡れた路面に比べ、全体的に振動エネルギーが低いことが分かり、特に接地領域の前後に高いエネルギーが観察される。
【0074】
また、図4の(c)に図示されたように、氷板の氷の道では、接地領域の後半部より接地領域の前半部で振動エネルギーが高く、図4の(d)に図示された雪道は、接地領域の後半部で接地領域の前半部に比べて振動エネルギーが高い。
【0075】
このように加速度の振動特性は、各路面に応じて変化するため、路面推定のための適切な特徴パラメータを加速度波形から抽出することができることが分かる。
【0076】
このようなパラメータは、マシンラーニングを用いてデータモデルを開発するのに使用される。また、加速度信号を各セクション別にして、すなわち接地前、接地内、接地後に分けて特徴パラメータを抽出すれば、より高い精度の推定が可能である。
【0077】
図5は、本発明の一実施形態による半径方向加速度のグラフの接地領域を示す例示図である。
【0078】
図5をさらに参照すると、半径方向加速度の微分値を用いて接地領域を抽出したことを確認することができる。加速度信号の微分値は、接地始点と終点において最小値、最大値を有するため、この点を抽出することにより、接地領域を区分することができる。
【0079】
また、図示していないが、本発明は、接地領域の区分のためにタイヤ周方向の加速度を利用することも含む。
【0080】
そして、前記プロセッシングモジュール130は、加速度接地領域の区分のために低周波通過フィルタを用いて高周波ノイズが除去された信号を利用することが好ましい。
【0081】
図6は、本発明の一実施形態による周波数分析方法を示したグラフである。
【0082】
図6を参照すると、前記プロセッシングモジュール130は、時間による加速度を示す加速度の波形グラフを用いて接地領域を区分してから、周波数分析を用いて路面に応じた差異を代えることができる特定のパラメータを抽出するように設けられる。
【0083】
具体的には、信号の周波数分析のために主に使用される方法は、FFT分析を用いるものであるが、タイヤ内部から計測された加速度は、図6の(a)に図示されたように、多様なノイズを含んでいる。したがって、前記プロセッシングモジュール130は、図6の(b)に示されたようにノイズが比較的少ないWelchi’s(ウェルチ)方法を用いて周波数分析を遂行するように設けられる。
【0084】
前記図6のグラフは、周波数に応じたパワースペクトル密度(power spectrum density)の変化を示したものであり、乾いた路面と濡れた路面を比較している。
【0085】
このように、前記プロセッシングモジュール130は、高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して関心のある周波数領域を選択し、前記関心のある周波数領域内で計算された信号エネルギーをマシンラーニングに入力される前記パラメータとして決定するように設けられる。
【0086】
ここで、前記高周波領域は周波数帯域が1.5kHz~4.5kHzであり得る。
【0087】
そして、前記関心のある周波数領域は、高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して、各路面間の違いを見分けることができると判定される領域を指すことができる。
【0088】
図7は、本発明の一実施形態による関心のある周波数領域と信号エネルギーを示したグラフである。
【0089】
図7を参照してさらに説明すると、前記プロセッシングモジュール130は、高周波領域のパワースペクトル密度を路面別に分析して、路面間の差異を克明に示す関心のある周波数領域を選択しており、図7においてハイライトされた領域に表示されている。
【0090】
このような関心のある周波数領域から信号エネルギーが計算されてマシンラーニングの入力パラメータとして定義され、信号エネルギーの計算式は次の通りである。
【0091】
【数1】
ここで、yは信号エネルギーであり、f1は関心のある周波数領域の開始点であり、f2は関心のある周波数範囲の終了点であり、X(f)は、関心のある周波数領域内でのパワースペクトル密度である。
【0092】
前記信号エネルギーは、前記タイヤ周方向加速度のグラフ及び半径方向加速度のグラフからそれぞれ抽出された前記接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び領域全体に対して計算され、計算された値は前記マシンラーニングに入力されるパラメータとなることができる。
【0093】
つまり、前記パラメータは、タイヤ半径方向の加速度のグラフから抽出される接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び領域全体に対して計算された信号エネルギー、並びにタイヤ周方向加速度のグラフから抽出される接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び領域全体に対して計算された信号エネルギーを含む少なくとも8箇以上の値であり得る。
【0094】
このように、抽出されたパラメータは、路面状態に応じて区別させてくれる特徴の違いを極大化して示すため、路面の状態をより正確に測定することができる。
【0095】
前記推定モジュール140は、前記プロセッシングモジュール130によって抽出された前記パラメータを用いて路面の状態を推定するように設けられる。
【0096】
ここで、前記推定モジュール140は、前記プロセッシングモジュール130によって抽出された複数の前記パラメータに加えて、タイヤの空気圧、タイヤの支持荷重、走行速度をさらに含めて路面の状態を推定するように設けられる。
【0097】
図8は、本発明の一実施形態による推定モジュールのニューラルネットワークモデルの構造を示した例示図である。
【0098】
図8をさらに参照すると、前記推定モジュール140は、抽出された8つのパラメータと3つの試験条件をパラメータにしたマシンラーニングを用いて、路面の状態を推定するように設けられる。
【0099】
一実施形態として、前記推定モジュール140は、図8に図示されたニューラルネットワークを用いたモデルの構造からなる。
【0100】
具体的には、入力パラメータは、タイヤの空気圧、タイヤが支持する荷重、走行速度などの試験条件、及び8つの加速度の特定のパラメータとして総計11個であり、出力は4つの推定された路面の状態である。
【0101】
ニューラルネットワークは、3つの隠れ層を有し、各層は30個のニューロンで構成され得る。タイヤに加わる荷重は、加速度信号から推定された接地の長さと荷重により推定が可能であり、圧力は圧力センサ112の測定値が使用される。車両の走行速度は、車両のCAN/Bus連結を介して確保可能であり、追加のGPSセンサを装着して速度を収集することもできる。
【0102】
このようなニューラルネットワークモデルを用いて、路面の状態を推定する前記推定モジュール140は、約5000個のデータの個数を用いてテストを行った。つまり、5000回の車輪の回転をしながら、80%のデータは、マシンラーニングに使われ、20%のデータは、路面の状態推定のテストに使われた。
【0103】
このような方法で推定された結果の正確度は、現在の実施形態では92%を達成した。過適合の可否を確認するために、10フォールドを利用したcross validatioin(交差検証)を行った。10個のケースについて正確度は、類似のレベルで開発されたデータモデルに過適合の問題がないことを確認した。
【0104】
ここで、前記推定モジュール140が路面状態を推定する方法は、ニューラルネットワークを用いたモデル構造だけに限定されず、decision tree(決定木)、random forest(ランダムフォレスト)などの多様なマシンラーニングアルゴリズムが使用され得る。
【0105】
すなわち、前記推定モジュール140は、路面の状態を推定することができるマシンラーニングアルゴリズムを用いた方法をすべて含み得る。
【0106】
このように、前記推定モジュール140は、前記プロセッシングモジュール130によって抽出されたパラメータを用いて各路面の状態に応じたパラメータの変化をマシンランニングし、マシンラーニングにより学習されたデータに基づいて、新しいパラメータが入力されたとき、これに伴う路面の状態を推定するように設けられる。
【0107】
前記ディスプレイモジュール150は、車両のダッシュボードなどに設けられ、前記推定モジュール140から推定された路面の状態をユーザーに示すように設けられる。このように設けられた前記ディスプレイモジュール150は、運転者に雨道、雪道などを警告し、これに備える運転をするようにすることができる。
【0108】
前記ECUモジュール160は、前記推定モジュール140から推定された路面の状態を提供されるように設けられ、前記路面の状態に応じて車両を制御するように設けられる。
【0109】
ABS制動の場合、現在の方法は、初期制動時に車輪のスリップの発生速さと発生程度に基づいて、路面の摩擦係数を推定し、適正なslip ratio(スリップ比率)を決定する。しかし、このようなプロセスを介して適正なslip ratioを推定するのに若干の遅延が発生し、これは制動距離の増加をもたらす。しかし、本発明は、ECUモジュール160に路面の種類を提供すれば、ABSアルゴリズムの初期推定を短縮することができ、約5%程度の制動距離の減縮が可能である。
【0110】
また、各車両がテレマティックスに連結されていれば、先行車両の情報を共有して路面の状態を事前に認知して防御運転が可能である。また、車両と道路交通公社などの関連機関が連結されていれば、機関では、道路状況マップなどをリアルタイムで提供することができる。
【0111】
また、自律走行車両に対しても路面の状態を事前に知っていればステアリング、制動、ブレーキングの入力に対して適切な入力を決定し、フィードバック制御のフィードバック過程を最小化して安定性を増大することができる。
【0112】
また、本発明は、タイヤ内部にセンサモジュール110を付着して走行中のタイヤの動力学的特性を測定し、測定された波形の特性分析を通じて路面の状態を推定する。これにより、本発明は、タイヤと路面との間のスリップが発生していない通常の走行状態でも路面の推定が可能であり、タイヤ内部のセンシング値を直接利用するため、既存の間接推定方式の誤差の累積を最小限に抑えて推定の正確度を向上させることができる。
【0113】
また、本発明では、測定される加速度信号はタイヤの接地と接地前後に分けられてその特性が抽出されて、マシンラーニングの技法の入力パラメータとして使用され、タイヤの内部に付着された加速度センサ111の計測値だけを用いて正確に多様な路面の種類を推定することができる。
【0114】
図9は、本発明の一実施形態による路面状態推定装置及びそれを用いた路面状態推定方法のフローチャートである。
【0115】
図9を参照すると、タイヤの路面状態推定装置を用いた路面状態推定方法は、まず、前記タイヤの加速度を測定するS10段階を遂行することができる。
【0116】
前記タイヤの加速度を測定するS10段階では、前記センサモジュール110が、前記タイヤの加速度を測定するように設けられる。
【0117】
前記タイヤの加速度を測定するS10段階において、前記センサモジュール110は、前記タイヤの円周方向、及び半径方向の加速度の総計2軸に対する加速度を測定することができる。
【0118】
前記タイヤの加速度を測定するS10段階以降には、測定された前記加速度を前記プロセッシングモジュールに提供するS20段階を遂行することができる。
【0119】
測定された前記加速度を前記プロセッシングモジュールに提供するS20段階では、前記レシーバモジュール120が前記センサモジュール110によって測定された加速度を、前記プロセッシングモジュール130に提供するように設けられる。
【0120】
測定された前記加速度を前記プロセッシングモジュールに提供するS20段階以降には、提供された前記加速度を分析して路面の状態を推定するためのパラメータを抽出するS30段階を遂行することができる。
【0121】
図10は、本発明の一実施形態によるパラメータを抽出する段階のフローチャートである。
【0122】
図10を参照すると、提供された前記加速度を分析して路面の状態を推定するためのパラメータを抽出するS30段階は、まず、タイヤが1回転する間の加速度の波形グラフを得るS31段階を遂行することができる。
【0123】
タイヤが1回転する間の加速度の波形グラフを得るS31段階以降には、前記加速度の波形グラフから前記タイヤの接地領域を抽出するS32段階を遂行することができる。
【0124】
前記加速度の波形グラフから前記タイヤの接地領域を抽出するS32段階において、前記プロセッシングモジュール130は、前記加速度の波形グラフから半径方向加速度のグラフの微分値の最小値と最大値との間を接地領域として抽出することができる。また、前記プロセッシングモジュール130は、前記加速度の波形グラフから円周方向加速度のグラフの最小値と最大値との間を接地領域として抽出することができる。
【0125】
前記加速度の波形グラフから前記タイヤの接地領域を抽出するS32段階以降には、前記接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び全体領域に対して高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して関心のある周波数領域を選択するS33段階を遂行することができる。
【0126】
前記接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び全体領域に対して高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して関心のある周波数領域を選択するS33段階において、前記プロセッシングモジュール130は、高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して関心のある周波数領域を選択することができる。ここで、前記高周波領域では、周波数帯域が1.5kHz~4.5kHzであり得る。そして、前記関心のある周波数領域は、高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して、各路面間の違いを見分けることができると判定される領域を指すことができる。
【0127】
前記接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び全体領域の高周波領域のパワースペクトル密度(power spectrum density)を路面別に分析して関心のある周波数領域を選択するS33段階以降には、選択された前記関心のある周波数領域内での信号エネルギーを計算するS34段階を遂行することができる。
【0128】
選択された前記関心のある周波数領域内での信号エネルギーを計算するS34段階において、前記信号エネルギーは、前記タイヤの円周方向加速度のグラフと半径方向加速度のグラフからそれぞれ抽出された前記接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び領域全体に対して計算され、計算された値は前記マシンラーニングに入力されるパラメータとなることができる。
【0129】
選択された前記関心のある周波数領域内での信号エネルギーを計算するS34段階以降には、計算された前記信号エネルギーをパラメータとして抽出するS35段階を遂行することができる。
【0130】
計算された前記信号エネルギーをパラメータとして抽出するS35段階において、前記パラメータは、タイヤの半径方向加速度のグラフから抽出される接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び領域全体に対して計算された信号エネルギー、並びにタイヤ周方向加速度のグラフから抽出される接地領域内、接地前の領域、接地後の領域及び領域全体に対して計算された信号エネルギーを含む少なくとも8個以上の値であり得る。
【0131】
このように設けられた前記加速度を分析して、路面の状態を推定するためのパラメータを抽出するS30段階以降には、抽出された前記パラメータを用いて路面の状態を推定するS40段階を遂行することができる。
【0132】
抽出された前記パラメータを用いて路面の状態を推定するS40段階において、前記推定モジュール140は、前記プロセッシングモジュール130によって抽出されたパラメータを用いて各路面状態に応じたパラメータの変化をマシンラーニングし、マシンラーニングにより学習されたデータに基づいて、新しいパラメータが入力されたとき、これに伴う路面の状態を推定するように設けられる。
【0133】
抽出された前記パラメータを用いて路面の状態を推定するS40段階以降には、推定された前記路面の状態をユーザーにディスプレイし、前記路面の状態に対応して車両を制御するS50段階を遂行することができる。
【0134】
推定された前記路面の状態をユーザーにディスプレイし、前記路面の状態に対応して車両を制御するS50段階において、前記ディスプレイモジュール150は、車両のダッシュボードなどに設けられ、前記推定モジュール140から推定された路面の状態をユーザーに示すように設けられる。このように設けられた前記ディスプレイモジュール150は、運転者に雨道、雪道を警告して、これに備える運転をするようにする。
【0135】
また、推定された前記路面の状態をユーザーにディスプレイし、前記路面の状態に対応して車両を制御するS50段階において、前記ECUモジュール160は、前記推定モジュール140から推定された路面の状態を提供されるように設けられ、前記路面の状態に応じて車両を制御するように設けられる。
【0136】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的特徴を変更せず、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解できるだろう。したがって、以上で記述した実施形態は、すべての様相において、例としてのものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。例えば、単一形で説明されている各コンポーネントは、分散されて実施されることもあり、同様に分散されたものと説明されているコンポーネントも結合された形態で実施されることがある。
【0137】
本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導き出されるすべての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0138】
100:タイヤの路面状態推定装置
110:センサモジュール
111:加速度センサ
112:圧力センサ
120:レシーバモジュール
130:プロセッシングモジュール
140:推定モジュール
150:ディスプレイモジュール
160:ECUモジュール



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10