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特許7096884材料除去作業を実施するための組成物及びその形成方法
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  • 特許-材料除去作業を実施するための組成物及びその形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】材料除去作業を実施するための組成物及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/14 20060101AFI20220629BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20220629BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20220629BHJP
   C09G 1/02 20060101ALI20220629BHJP
   C01B 33/18 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
C09K3/14 550Z
H01L21/304 622D
H01L21/304 622B
B24B37/00 H
C09K3/14 550D
C09G1/02
C01B33/18 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020520049
(86)(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 US2018056728
(87)【国際公開番号】W WO2019083847
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-04-07
(31)【優先権主張番号】62/576,937
(32)【優先日】2017-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593150863
【氏名又は名称】サン-ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】SAINT-GOBAIN CERAMICS AND PLASTICS, INC.
【住所又は居所原語表記】One New Bond Street, Worcester, MA 01615, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シネス、イアン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ボッティリエーリ、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ワード、ダグラス イー.
(72)【発明者】
【氏名】ナハス、ナビル
(72)【発明者】
【氏名】ハンプデン - スミス、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ロバレ、スティーブン エル.
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-530713(JP,A)
【文献】特表2009-518852(JP,A)
【文献】特表平11-511509(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0019128(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/14
H01L 21/304
B24B 37/00
C09G 1/02
C01B 33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を含む担体と、
前記担体中に含まれる研磨粒子と、
前記担体中に含まれる促進剤であって、完全に溶解されており、遊離フッ化物(F)アニオンを含む、促進剤と、
前記担体中に飽和濃度で含まれる緩衝液であって、M、N、M、又はそれらの任意の組合せから選択される化合物を含む、緩衝液とを含む、組成物であって、
Mは金属元素又は金属化合物を表し;Nは非金属元素を表し;a、b、及びxは1~6であり、前記緩衝液は前記促進剤とは異なり、
ASTM規格E1148に従って、前記促進剤は少なくとも50g/Lの溶解度を有し、前記緩衝液は10g/L未満の溶解度を有し、
前記促進剤はKFを含み、前記緩衝液はKBF を含む、組成物。
【請求項2】
液体を含む担体と、
前記担体中に含まれる研磨粒子であって、シリカを含む研磨粒子と、
前記担体中に含まれる促進剤であって、完全に溶解されており、少なくとも0.002Mかつ1.0M以下の範囲内の量で存在する遊離フッ化物イオン(F1-)を含み、少なくとも50g/Lの溶解度を有する促進剤と、
前記担体中に飽和濃度で含まれる緩衝液であって、Mを含む緩衝液とを含む、組成物であって、
Mは金属元素であり、Nは非金属元素であり、a、b、xは1~6であり、前記緩衝液は10g/L未満の溶解度を有し、
前記促進剤はKFを含み、前記緩衝液はKBF を含む、組成物。
【請求項3】
シリカを含む研磨粒子と、
遊離フッ化物アニオンを含む促進剤と、
、N、M、M、N、M、MBr、NBr、MBr、M(SO、N(SO、M(SO、M、N、M、M(SiO、N(SiO、M(SiO、M(PO、N(PO、M(PO、M(NO、N(NO、M(NO、M(CO、N(CO、M(CO、又はそれらの任意の組合せの群から選択される化合物を含む緩衝液とを含む、組成物を含む研磨スラリーであって、
Mは金属元素又は金属化合物を表し;Nは非金属元素を表し;a、b、及びxは1~6であり、前記緩衝液は前記促進剤とは異なり、
前記研磨スラリーがジルコニア研磨試験に従って、少なくとも8.0ミクロン/時の平均材料除去速度(MMR)でジルコニア含有材料を研磨するように適合され
前記促進剤はKFを含み、前記緩衝液はKBF を含む、研磨スラリー。
【請求項4】
前記担体が水を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
前記担体が、前記組成物の総重量に対して少なくとも45重量%の量で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記研磨粒子がシリカを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記促進剤が、aF、RbF、NiF、ZnF、CoF、又はそれらの任意の組合せから選択される化合物を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項8】
前記緩衝液が、aBF、NHBF、KPF、NaPF、CaF、MgF、NaAlF、FeF、LiF、MnF、AlF、又はそれらの任意の組合せから選択される化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記促進剤が少なくとも0.002M~1.0M以下の濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記緩衝液が、ASTM規格E1148に従って、10g/L未満の水への溶解度を有する、請求項3に記載の研磨スラリー。
【請求項11】
前記促進剤が、ASTM規格E1148に従って、10g/Lより大きい溶解度を有する、請求項3に記載の研磨スラリー。
【請求項12】
前記組成物がシリカ、水、KF、及びKBFから本質的になる、請求項1又は2に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、組成物、より詳細には、粒子材料、促進剤、及び緩衝液を含む乾燥粉末組成物及び/又はスラリーに関する。
【背景技術】
【0002】
材料除去作業で使用するための組成物は知られている。そのような研磨組成物は、研磨粒子の集合体が本体又は基板に付着している固定研磨組成物を含んでもよい。あるいは、特定の研磨組成物は、遊離研磨剤を含むことができ、研磨粒子は、本体又は基板に付着していないが、スラリー又は混合物として液体担体内に含有される。材料除去作業の種類に応じて、固定研磨剤又は遊離研磨剤の使用を選択してもよい。
【0003】
従来の研磨スラリーは、例えば、化学機械的平坦化(CMP)における材料(例えば、ガラス、金属など)の研磨に最もよく使用される。典型的なCMPプロセスでは、基板(例えば、ウェーハ)は、移動研磨パッド、例えばプラテンに取り付けられた回転研磨パッドと接触して配置される。典型的には、研磨剤及び化学反応性混合物であるCMPスラリーは、基板のCMP処理中にパッドに供給される。典型的には、金属CMPスラリーは、酸化性の水性媒体中に懸濁したシリカ又はアルミナなどの研磨材料を含有する。基板に対するスラリーの相対的な動きは、基板に対するパッドの動きの影響により、平坦化される基板膜と化学的及び機械的に相互作用することにより、平坦化(研磨)プロセスを支援する。基板上の所望の膜が除去されるまでこの方法で研磨が続けられ、通常の目的は基板を効果的に平坦化することである。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、組成物は、液体を含む担体と、担体中に含有される研磨粒子と、担体中に含有される促進剤であって、ヨウ化物(I)、臭化物(Br)、フッ化物(F)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl)、シリカート(SiO 4-)、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO )、カーボナート(CO 2-)、ペルクロラート(ClO )、又はそれらの任意の組合せの群から選択される少なくとも1つの遊離アニオンを含む促進剤と、M、N、M、M、N、M、MBr、NBr、MBr、Ma(SO、N(SO、MaN(SO、M、N、M、M(SiO、N(SiO、M(SiO、M(PO、N(PO、M(PO、M(NO、N(NO、M(NO、M(CO、N(CO、M(CO、又はそれらの任意の組合せから選択される化合物を含む緩衝液と、を含む組成物であって、Mは金属元素又は金属化合物を表し;Nは非金属元素を表し;a、b、及びxは1~6であり、緩衝液は促進剤とは異なる。
【0005】
別の態様によれば、組成物は、液体を含む担体と、担体中に含有される研磨粒子であってシリカを含む研磨粒子と、担体中に含有される促進剤であって、0.002M~1.0Mの濃度で存在するアニオンを含む促進剤と、担体中に含有される緩衝液であって、ASTM規格E1148に従って10g/L未満の溶解度を有する緩衝液と、を含む。
【0006】
さらに別の態様では、組成物は、液体を含む担体と、担体中に含有される研磨粒子であってシリカを含む研磨粒子と、担体中に含有される促進剤であって、少なくとも0.002Mかつ1.0M以下の範囲内の量で存在するフッ化物(F1-)を含む促進剤と、担体中に含有される緩衝液であってMを含む緩衝液と、を含む組成物であって、緩衝液は10g/L未満の溶解度を有する。
【0007】
別の態様の場合、組成物は、液体を含む担体と、担体中に含有される研磨粒子であってシリカを含む研磨粒子と、担体中に含有される促進剤であって、ASTM規格E1148に従って10g/Lより大きい溶解度を有する化合物から形成されたアニオンを含む、促進剤と、担体中に含有される緩衝液であって、ASTM規格E1148に従って10g/L未満の溶解度を有する、緩衝液とを含む。
【0008】
別の態様の場合、組成物は、シリカを含む研磨粒子と、ASTM規格E1148に従って少なくとも10g/Lの溶解度を含む促進剤化合物と、ASTM規格E1148に従って10g/L未満の溶解度を有する緩衝液と、を含む組成物であって、少なくとも1.02の溶解度比(S/S)を有し、Sは促進剤の溶解度を表し、Sは緩衝液の溶解度を表す。
【0009】
別の態様では、組成物は、研磨粒子、ヨウ化物(I1-)、臭化物(Br1-)、フッ化物(F1-)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl1-)、シリカート(SiO 4-)、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO 1-)、カーボナート(CO 2-)、ペルクロラート(ClO 1-)、又はそれらの組合せの群から選択される少なくとも1つの種を含む促進剤化合物、及びM、N、M、M、N、M、MBr、NBr、MBr、Ma(SO、N(SO、MaN(SO、M、N、M、M(SiO、N(SiO、M(SiO、M(PO、N(PO、M(PO、M(NO、N(NO、M(NO、M(CO、N(CO、M(CO、又はそれらの任意の組合せから選択される化合物から選択される緩衝液を含み、Mは金属元素又は金属化合物を表し;Nは非金属元素を表し;a、b、及びxは1~6であり、緩衝液は促進剤とは異なる。
【0010】
別の態様の場合、組成物は、液体を含む担体と、担体中に含有される研磨粒子と、担体中に含有される促進剤であって、ヨウ化物(I1-)、臭化物(Br1-)、フッ化物(F1-)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl1-)、シリカート(SiO 4-)、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO 1-)、カーボナート(CO 2-)、ペルクロラート(ClO 1-)、又はそれらの組合せの群から選択される少なくとも1つの遊離アニオンを含む、促進剤と、ジヒドロキシベンゼンジスルホン酸、2-ヒドロキシエチルグリシン、エチレンジアミン四酢酸、デフェロキサミン、ジエチレントリアミン五酢酸、エチドロン酸、二ナトリウム-4,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスルホナート、ニトリロ三酢酸、又はそれらの任意の組合せの群から選択される少なくとも1つの組成物を含むキレート剤と、を含む。
【0011】
さらに別の態様では、ジルコニア含有材料を研磨するように構成された研磨スラリーは、液体を含む担体と、担体中に含有される研磨粒子とを含み、スラリーは、ジルコニア研磨試験に従って、少なくとも8.0ミクロン/時の平均材料除去速度及び20オングストローム以下の表面粗さ(Ra)を有することができる。
【0012】
添付の図面を参照することにより、本開示をよりよく理解することができ、その多数の特徴及び利点が当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態による異なるスラリー組成物の材料除去速度を示すグラフを含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下は、材料除去作業を実施するために構成された組成物に関する。例えば、組成物又はスラリーは、研磨などの材料除去作業に使用できる。より詳細には、組成物又はスラリーは、無機材料の加工物での材料除去作業に使用され得る。いくつかの好適な無機材料には、セラミック材料が含まれ得る。無機材料は、非晶質、単結晶、多結晶、又はそれらの組合せであり得る。特定の一実施形態によれば、本明細書の実施形態の組成物又はスラリーは、例えば、アルミナ、イットリア、ジルコニア、セリアなどを含む無機酸化物化合物を含むが、これらに限定されない本体を含む装飾セラミック本体の仕上げ及び研磨に好適であり得る。特定の一実施形態では、加工物は、ジルコニア、例えば、過半量のジルコニアを含み得る。金属、顔料、ホウ化物、炭化物、窒化物などを含むがこれらに限定されない他の無機材料が、ジルコニアを含む加工物内に存在し得ることが理解されよう。特定の例では、加工物はジルコニアから本質的になり得る。
【0015】
一態様によれば、乾燥粉末組成物などの組成物が形成され得る。乾燥粉末組成物は、粉末又は粒子状材料のみで形成できる。材料は、後で液体担体に入れてスラリーを形成し得るが、乾燥粉末組成物は液体担体を含まない。一態様では、乾燥粉末組成物は、研磨粒子、促進剤化合物、及び緩衝液を含むことができる。本明細書で使用する場合、緩衝液は、担体中に飽和濃度で使用され、担体で部分的に解離することができるが、液体では促進剤よりも低い溶解度を有する化合物に関する。緩衝液の存在は、緩衝液ではなく促進剤を使用するスラリー組成物の材料除去速度と比較して、スラリー組成物の材料除去速度をさらに高めることができる。本開示の緩衝液は、スラリー組成物のpHに必ずしも影響を与える又は調節するわけではない。
【0016】
研磨粒子は、酸化物、炭化物、ホウ化物、窒化物、オキシホウ化物、オキシ炭化物、シリカ、シリカートなどの1つ以上の無機化合物を含んでもよい。特定の一実施形態では、研磨粒子は、シリカ又はシリカート(例えば、アルミノシリカート)を含むことができる。特定の一例では、研磨粒子は、過半量のシリカ(例えば、50%を超えるシリカ)を含むことができる。さらに別の実施形態では、研磨粒子は、シリカから本質的になることができる。シリカは、非晶質又は結晶質(例えば、単結晶又は多結晶)であってもよい。有意量の非晶質相シリカを含むことができる非晶質シリカのいくつかの好適な例は、コロイドシリカ、ヒュームドシリカ、シリカフューム、溶融シリカ、又はそれらの任意の組合せであり得る。結晶質シリカのいくつかの好適な例には、石英、トリディマイト、クリストバライト、又はそれらの任意の組合せが含まれ得る。
【0017】
特定の例では、研磨粒子は、例えば、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、セリア、チタニア、イットリア、希土類酸化物、アルミノシリカート、遷移金属酸化物、又はそれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されない1重量%未満の特定の種を含むことができる。特定の一実施形態の場合、研磨粒子は、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、セリア、チタニア、イットリア、希土類酸化物、アルミノシリカート、遷移金属酸化物、又はそれらの任意の組合せを含まなくてもよい。
【0018】
別の実施形態では、研磨粒子は、研磨材料としての使用を促進できる特定の密度を有することができる。例えば、研磨粒子の密度は、少なくとも90%理論密度、又は少なくとも95%理論密度、又は少なくとも90%理論密度、又は少なくとも99%理論密度であってもよい。
【0019】
別の非限定的な実施形態では、研磨粒子は、少なくとも2.3g/cm、又は少なくとも2.4g/cm、又は少なくとも2.5g/cmなどの密度を有し得る。さらに非限定的な一実施形態では、研磨粒子は、7.0g/cm以下、例えば、6.8g/cm以下、又は6.5g/cm3以下、又は6.0g/cm以下、又は5.5g/cm以下、又は5.0g/cm以下、又は4.5g/cm以下、又は4.0g/cm以下、又は3.0g/cm以下、又は2.9g/cm以下、又は2.8g/cm以下、又は2.7g/cm以下の密度を有することができる。研磨粒子の密度が、例えば、少なくとも2.3g/cmかつ7.0g/cm以下の密度を含む、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。特定の態様では、研磨粒子の密度は、少なくとも2.3g/cmかつ4.5g/cm以下であり得る。
【0020】
研磨粒子は、研磨プロセスを含む材料除去作業で使用するための組成物中の研磨粒子の使用を促進し得る特定の粒径分布を有し得る。例えば、研磨粒子は、20ミクロン以下、例えば、18ミクロン以下、又は15ミクロン以下、又は12ミクロン以下、又は10ミクロン以下、又は8ミクロン以下、又は6ミクロン以下、又は4ミクロン以下、又は2ミクロン以下、又は1000nm以下、例えば、900nm以下、又は800nm以下、又は700nm以下、又は600nm以下、又は500nm以下、又は400nm以下、又は300nm以下、又は200nm以下、又は100nm以下、又は80nm以下、又は60nm以下、又は40nm以下、又は20nm以下の平均粒径(D50)を有し得る。さらに、非限定的な一実施形態では、研磨粒子は、少なくとも10nm、例えば、少なくとも20nm、又は少なくとも40nm、又は少なくとも60nm、又は少なくとも80nm、又は少なくとも100nm、又は少なくとも200nm、又は少なくとも300nm、又は少なくとも400nm、又は少なくとも500nm、又は少なくとも600nm、又は少なくとも700nm、又は少なくとも800nm、又は少なくとも1000nm、又は少なくとも2ミクロン、又は少なくとも3ミクロン、又は少なくとも4ミクロン、又は少なくとも6ミクロン、又は少なくとも8ミクロン、又は少なくとも10ミクロン、又は少なくとも12ミクロン、又は少なくとも14ミクロン、又は少なくとも16ミクロンの平均粒径(D50)を有し得る。研磨粒子が、例えば、20ミクロン以下かつ少なくとも10nmを含む範囲内を含む、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の平均粒径(D50)を有し得ることが理解されよう。
【0021】
研磨粒子の粒径分布は、組成物及び/又はスラリーの改善された性能を促進し得るD90-D10範囲値によってさらに定義され得る。D90は、分布内の90%の粒径を含む粒径値を表すことができ、分布内の粒子の10%未満がD90値より大きいサイズを有する。D10は、分布内の10%の粒子のみがD10粒径値より小さい粒径値を表すことができる。D90-D10範囲値は、D90値とD10値との間の粒径分布の幅を示す。一実施形態によれば、D90-D10値の範囲は、20ミクロン以下、例えば、18ミクロン以下、又は16ミクロン以下、又は14ミクロン以下、又は12ミクロン以下、又は10ミクロン以下、又は8ミクロン以下、又は6ミクロン以下、又は4ミクロン以下、又は2ミクロン以下、又は1ミクロン(1000nm)以下、又は900nm以下、又は800nm以下、又は700nm以下、又は600nm以下、又は500nm以下、又は400nm以下、又は300nm以下、又は200nm以下、又は100nm以下、又は80nm以下、又は60nm以下、又は40nm以下、又は20nm以下、又は10nm以下であり得る。さらに、別の非限定的な実施形態では、D90-D10範囲値は、少なくとも5nm、例えば、少なくとも10nm、又は少なくとも20nm、又は少なくとも40nm、又は少なくとも60nm、又は少なくとも80nm、又は少なくとも100nm、又は少なくとも200nm、又は少なくとも300nm、又は少なくとも400nm、又は少なくとも500nm、又は少なくとも600nm、又は少なくとも700nm、又は少なくとも800nm、又は少なくとも900nm、又は少なくとも1000nm、又は少なくとも2ミクロン、又は少なくとも3ミクロン、又は少なくとも4ミクロン、又は少なくとも5ミクロン、又は少なくとも6ミクロン、又は少なくとも8ミクロン、又は少なくとも10ミクロン、又は少なくとも12ミクロン、又は少なくとも14ミクロン、又は少なくとも16ミクロンであってはならない。D90-D10範囲値が、例えば、少なくとも5nm~20ミクロン以下の範囲内を含む、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0022】
一態様では、乾燥粉末組成物は、改善された材料除去作業を促進し得る特定量の研磨粒子を有することができる。例えば、研磨粒子は、乾燥粉末組成物の総重量の少なくとも50重量%、例えば、少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも92重量%、又は少なくとも94重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも96重量%の量で存在し得る。さらに、非限定的な一実施形態では、研磨粒子は、乾燥粉末組成物の総重量の99.9重量%以下、例えば、99重量%以下、又は98重量%以下、又は97重量%以下、又は96重量%以下、又は95重量%以下、又は94重量%以下、又は93重量%以下、又は92重量%以下、又は91重量%以下、又は90重量%以下、又は85重量%以下の量で存在し得る。研磨粒子が、例えば、少なくとも50重量%かつ99.9重量%以下の範囲内を含む、上記の最小パーセンテージ及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内の量で存在できることが理解されよう。
【0023】
乾燥粉末組成物は、乾燥粉末形態での化合物を含み得る促進剤化合物を含むことができる。促進剤化合物は、乾燥粉末組成物が液体担体と組み合わされると、担体内で解離するように構成されてもよい。さらに、促進剤化合物は、研磨プロセスで使用される場合、改善された材料除去能力を促進するのに好適な特定の化学的性質を有し得る。特に、促進剤は、担体中でイオン種を形成し得る1つ以上の種を含んでもよく、そのようなイオン種(例えば、アニオン)は、材料除去作業中に加工物との化学的相互作用を促進し、したがって材料除去作業を改善し得る。一実施形態では、促進剤化合物は、ヨウ化物(I)、臭化物(Br)、フッ化物(F)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl)、シリカート(SiO )、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO )、カーボナート(CO 2-)、ペルクロラート(ClO )、又はそれらの任意の組合せの群からの少なくとも1つの種を含むことができる。
【0024】
さらに別の態様では、特定の理論に縛られることを望むことなく、促進剤は、上記の種のうちの1つのみを含むことができる。より特定の実施形態では、促進剤化合物は、担体中で解離してフッ化物イオン(F1-)又はフッ化物を含むイオン化合物を形成するように構成することができる。
【0025】
特定の例では、促進剤化合物は、促進剤化合物が、担体内で完全に解離又は実質的に解離し得る(すなわち、促進剤化合物の少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%が解離する)ように、特に高い溶解度を有する材料を含み得る。例えば、一実施形態では、促進剤化合物は、ASTM規格E1148に従って、10g/Lを超える溶解度を有することができる。さらに他の例では、促進剤化合物の溶解度は、より大きくなり得、例えば、少なくとも10.2g/L、又は少なくとも10.5g/L、又は少なくとも11g/L、又は少なくとも12g/L、又は少なくとも14g/L、又は少なくとも16g/L、又は少なくとも18g/L、又は少なくとも20g/L、又は少なくとも25g/L、又は少なくとも30g/L、又は少なくとも40g/L、又は少なくとも50g/L、又は少なくとも60g/L、又は少なくとも70g/L、又は少なくとも80g/L、又は少なくとも90g/L、又は少なくとも100g/L、又は少なくとも200g/L、又は少なくとも300g/L、又は少なくとも400g/L、又は少なくとも500g/L、又は少なくとも600g/L、又は少なくとも700g/L、又は少なくとも800g/L、又は少なくとも900g/L、又は少なくとも1000g/Lであり得る。さらに、非限定的な一実施形態では、促進剤化合物は、10,000g/L以下、例えば、9000g/L以下、又は8000g/L以下、又は7000g/L以下、又は6000g/L以下、又は5000g/L以下、又は4000g/L以下、又は3000g/L以下、又は2000g/L以下、又は1000g/L以下、又は900g/L以下、又は800g/L以下、又は700g/L以下、又は600g/L以下、又は500g/L以下、又は400g/L以下、又は300g/L以下、又は200g/L以下、又は100g/L以下、又は90g/L以下、又は80g/L以下、又は70g/L以下、又は60g/L以下、又は50g/L以下の溶解度を有することができる。促進剤化合物が、例えば、少なくとも10g/L以上かつ10,000g/L以下の範囲内を含む、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の溶解度を有し得ることが理解されよう。
【0026】
さらに別の態様では、促進化合物は、第1族元素、第2族元素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第6族元素、第7族元素、第8族元素、第9族元素、第10族元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、又はそれらの任意の組合せからの少なくとも1つの種を含み得る。本明細書における元素族への言及は、iupac.org/cms/wp-content/uploads/2015/07/IUPAC_Periodic_Table-28Nov16.pdfで入手可能な2016年によるIUPACによって元素周期表で提供されるような族への言及であることが理解されよう。
【0027】
さらにより特定の例では、促進剤化合物のカチオンは、H、Li、Na、K、Cs、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、NH 、Ag、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Pb2+、Hg、Hg2+、Al3+、Cr2+、Cr3+、Cr4+、Cr6+、又はそれらの任意の組合せであり得る。
【0028】
特定の実施形態では、促進剤は、KF、NaF、RbF、NiF、ZnF、CoF、又はそれらの任意の組合せの群から選択される化合物を含むことができる。より特定の態様では、促進剤はKFであり得る。
【0029】
別の実施形態では、乾燥粉末組成物は、改善された材料除去作業を促進し得る特定量の促進剤化合物を有することができる。例えば、促進剤化合物は、乾燥粉末組成物の総重量の少なくとも0.15重量%、例えば、少なくとも0.2重量%、又は少なくとも0.3重量%、又は少なくとも0.5重量%、又は少なくとも0.8重量%、又は少なくとも1重量%、又は少なくとも2重量%、又は少なくとも3重量%、又は少なくとも5重量%、又は少なくとも7重量%、又は少なくとも10重量%の量で存在し得る。さらに、非限定的な一実施形態では、促進剤化合物は、乾燥粉末組成物の総重量に対して30重量%以下、例えば、28重量%以下、又は25重量%以下、又は20重量%以下、又は18重量%以下、又は15重量%以下、又は12重量%以下、又は10重量%以下、又は8重量%以下、又は6重量%以下、又は5重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は2重量%以下、又は1重量%以下、又は0.8重量%以下、又は0.6重量%以下、又は0.5重量%以下、又は0.4重量%以下、又は0.3重量%以下の量で存在し得る。促進剤化合物が、例えば、少なくとも0.15重量%かつ30重量%以下の範囲を含む、上記の最小パーセンテージ及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内の量で存在できることが理解されよう。
【0030】
本明細書に記載されるように、乾燥粉末組成物は、緩衝液をさらに含み得る。緩衝液は、改善された材料除去作業を促進できる化合物を含み得る。より詳細には、緩衝液は、特定の条件下で解離し得る化合物を含み得る。緩衝液の解離から生じる種は、加工物との化学的相互作用を促進し、材料除去作業を改善し得る。解離を促進できる特定の好適な条件には、担体中の閾値濃度以下への特定の種(例えば、イオン)の濃度の低下、及び/又はエネルギー(例えば、熱、圧力)の組成物への適用を含むことができる。例えば、特定の例では、特定の加速イオン種の含有量が担体から除去されると、緩衝液が解離する場合がある。他の例では、組成物(すなわち、スラリー)の温度が上昇し、かつ/又は組成物に圧力が加えられると、材料除去作業中に緩衝液が解離する場合がある。緩衝液は、加工物との化学的相互作用を促進し、好適な材料除去作業を促進できる組成物中の望ましい種の特定の最小含有量を維持するために使用されてもよい。
【0031】
実施形態によれば、緩衝液は、M、N、M、M、N、M、MBr、NBr、MBr、Ma(SO、N(SO、MaN(SO、M、N、M、M(SiO、N(SiO、M(SiO、M(PO、N(PO、M(PO、M(NO、N(NO、M(NO、M(CO、N(CO、M(CO、又はそれらの任意の組合せの群から選択される化合物を含むことができ、Mは金属元素又は金属化合物を表し;Nは非金属元素を表し;a、b、及びxは1~6である。特定の例では、Mは、第1族元素、第2族元素、遷移金属元素、希土類元素、又はそれらの任意の組合せの群から選択される少なくとも1つの金属元素又は金属化合物を表し得る。より詳細には、Mは、Li、Na、K、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ag、Mn、Co、Ni、Cu、Pb、Hg、Al、Cr、Fe、又はそれらの任意の組合せの群からの金属元素又は化合物を表し得る。
【0032】
別の実施形態では、Nは、第12族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、又はそれらの任意の組合せの群からの少なくとも1つの非金属元素又は非金属化合物を表し得る。特定の実施形態によれば、Nは、H、NH 、Hg、Al、Cr、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、N、P、又はそれらの任意の組合せの群からの少なくとも1つの非金属元素又は非金属化合物を表し得る。
【0033】
特定の一実施形態では、緩衝液は、KBF、NaBF、NHBF、KPF、NaPF、CaF、MgF、NaAlF、FeF、LiF、MnF、AlF、又はそれらの任意の組合せの群から選択される化合物を含むことができる。より特定の実施形態では、緩衝液は、KBF、NaBF、NHBF、KPF、NaPF、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。より詳細には、特定の例では、緩衝液はKBFを含んでもよく、より詳細には、緩衝液はKBFから本質的になり得る。
【0034】
一態様では、乾燥粉末は、促進剤KFとして、及び緩衝液KBFとして含むことができる。特定の態様では、乾燥粉末は、シリカ、KF、及びKBFから本質的になり得る。
【0035】
緩衝液は、緩衝液の解離が制御されるように、担体内で特定の溶解度を有し得る。より詳細には、緩衝液は、促進化合物の溶解度未満であり得る溶解度を有し得る。そのような例では、担体中の緩衝液の溶解度及び解離は、担体中の促進剤の解離に対して制御することができる。一実施形態によれば、緩衝液は、ASTM規格E1148に従って、10g/L未満の溶解度を有することができる。さらに他の実施形態では、緩衝液は、9.5g/L以下、例えば、9.2g/L以下、又は9g/L以下、又は8.5g/L以下、又は8g/L以下、又は7.5g/L以下、又は7g/L以下、又は6.5g/L以下、又は6g/L以下、又は5.5g/L以下、又は5g/L以下、又は4.5g/L以下、又は4g/L以下、又は3.5g/L以下、又は3g/L以下、又は2.5g/L以下、又は2g/L以下、又は1.5g/L以下、又は1g/L以下、又は0.5g/L以下、又は0.1g/L以下、又は0.05g/L以下の溶解度を有し得る。さらに非限定的な一実施形態では、緩衝液は、少なくとも0.001g/Lかつ10.0g/L以下、例えば、少なくとも0.005g/L、又は少なくとも0.01g/L、又は少なくとも0.05g/L、又は少なくとも0.1g/L、又は少なくとも0.5g/L、又は少なくとも1g/L、又は少なくとも1.5g/L、又は少なくとも2g/L、又は少なくとも2.5g/L、又は少なくとも3g/L、又は少なくとも3.5g/L、又は少なくとも4g/L、又は少なくとも4.5g/L、又は少なくとも5g/L、又は少なくとも5.5g/L、又は少なくとも6g/L、又は少なくとも6.5g/L、又は少なくとも7g/L、又は少なくとも7.5g/L、又は少なくとも8g/L、又は少なくとも8.5g/L、又は少なくとも9g/Lかつ10.0g/L以下の溶解度を有することができる。緩衝液が、例えば、少なくとも0.001g/L~10g/L以下の範囲内の溶解度を含む、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の溶解度を有し得ることが理解されよう。
【0036】
緩衝液は、緩衝液の成分の制御された解離を促進する材料であり得る。特定の例では、緩衝液の解離が特定の期間にわたって所与の速度で放出できるように、解離は特定の期間にわたって制御され得る。特定の例では、使用中に制御された速度で緩衝液を分離できる。そのような例では、スラリーの使用に関連する1つ以上の環境要因は、緩衝液の制御された徐放能力を促進し得る。さらに、緩衝液は、材料除去作業中に緩衝液の制御された解離を促進し得るコーティングなどの1つ以上の成分を含み得る。
【0037】
別の実施形態では、乾燥粉末組成物は、改善された材料除去作業を促進し得る特定量の緩衝液を有することができる。例えば、緩衝液は、乾燥粉末組成物の総重量の少なくとも0.15重量%、例えば、少なくとも0.2重量%、又は少なくとも0.3重量%、又は少なくとも0.5重量%、又は少なくとも0.8重量%、又は少なくとも1重量%、又は少なくとも2重量%、又は少なくとも3重量%、又は少なくとも5重量%、又は少なくとも7重量%、又は少なくとも10重量%、又は少なくとも12重量%、又は少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%の量で存在し得る。さらに、非限定的な一実施形態では、緩衝液は、乾燥粉末組成物の総重量の30重量%以下、例えば、28重量%以下、又は25重量%以下、又は20重量%以下、又は18重量%以下、又は15重量%以下、又は12重量%以下、又は10重量%以下、又は8重量%以下、又は6重量%以下、又は5重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は2重量%以下、又は1重量%以下、又は0.8重量%以下、又は0.6重量%以下、又は0.5重量%以下、又は0.4重量%以下、又は0.3重量%以下の量で存在し得る。緩衝液が、例えば、少なくとも0.15重量%かつ30重量%以下の範囲内を含む、上記の最小パーセンテージ及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内の量で存在できることが理解されよう。
【0038】
別の態様では、緩衝液は、促進剤化合物中に含有される種と同じ種を含み得る化合物であり得る。より詳細には、緩衝液は、担体中で解離するように構成された種、及び促進剤アニオン種と同じ緩衝液アニオン種を含む化合物であり得、促進剤アニオン種は、担体中の促進剤化合物の解離時に促進剤化合物から形成される。例えば、一実施形態では、促進剤化合物は、担体中の促進剤化合物の解離時に遊離フッ化物アニオンを形成するように構成されるフッ化物含有化合物を含むことができる。そのような例では、緩衝液は、フッ化物含有化合物も含む化合物であり得、特定の条件下で解離して担体中に遊離フッ化物アニオンを形成し得る。
【0039】
さらに別の実施形態では、緩衝液は、促進剤化合物内に含有される種とは異なる種を含む化合物であり得る。より詳細には、緩衝液は、担体中の緩衝液の解離時にアニオン種を形成するように構成された少なくとも1つの種を含む化合物であり得、そのようなアニオン種は、担体中の促進剤の解離から形成されたアニオン種とは異なり得る。例えば、促進剤は、フッ化物含有塩を含み得、その結果、促進剤が解離すると担体内でフッ化物アニオンが形成され、緩衝液は、緩衝液が液体担体内で解離すると臭化物アニオンを形成するように構成される臭化物含有塩を含み得る。
【0040】
乾燥粉末組成物が、添加剤の形態で他の化合物を含み得ることが理解されよう。例えば、特定の任意の添加剤には、酸化剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、又はそれらの任意の組合せが含まれ得る。酸化剤のいくつかの好適な例には、過酸化物(例えば、H)、過硫化物(例えば、H)、ペルクロラート(例えば、KClO)、ペルヨーダート(例えば、KIO)、ペルブロマート(例えば、KBrO)、ペルマンガナート(例えば、KMnO)、クロマート(例えば、KCrO)、硝酸セリウムアンモニウム(例えば、(NHCe(NO)、フェロシアン化物(例えば、KFe(CN))、又はそれらの任意の組合せが含まれ得る。分散剤のいくつかの好適な例には、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリナフタレンスルホン酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、リグノスルホン酸ナトリウムが含まれる。界面活性剤のいくつかの好適な例には、オレイン酸、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデカンチオール、オレイルアミン、ドデシル硫酸ナトリウム、ヒドロキシルホスホノ酢酸、又はそれらの任意の組合せが含まれ得る。潤滑剤のいくつかの好適な例には、フルオロ界面活性剤、ステアリン酸亜鉛、二酸化マンガン、二硫化モリブデン、アルミノシリカート、有機シリコーンコポリマー、又はそれらの任意の組合せが含まれ得る。
【0041】
別の実施形態によれば、乾燥粉末組成物は、酸化剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、又はそれらの粉砕などのいかなる添加剤も含まなくてもよい。特定の一実施形態では、組成物は、研磨粒子、促進剤、及び緩衝液のみを含んでもよい。
【0042】
乾燥粉末組成物を形成した後、それは顧客に出荷されてもよく、顧客はスラリーの形態で研磨組成物を作るために液体担体を添加してもよい。しかしながら、他の例では、乾燥粉末組成物は、顧客に送られる前に液体担体内に分散させることができる。液体担体のいくつかの好適な例には、極性又は無極性の液体材料が含まれ得る。一実施形態では、担体は水を含むことができ、水から本質的になり得、より詳細には、脱イオン水から本質的になり得る。
【0043】
組成物は、スラリー組成物の好適な形成を促進するために、特定量の担体を含んでもよい。例えば、担体は、担体、研磨粒子、促進剤、緩衝液、及び任意の添加剤を含む組成物の総重量に対して少なくとも45重量%の量で存在できる。他の例では、担体の含有量は、より大きくなり得、例えば、組成物の総重量に対して少なくとも50重量%、例えば、少なくとも55重量%、又は60重量%、又は少なくとも65重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%であり得る。さらに別の非限定的な実施形態では、担体は、組成物の総重量に対して97重量%以下、例えば、95重量%以下、又は90重量%以下、又は85重量%以下、又は80重量%以下、又は75重量%以下、又は70重量%以下の量で存在し得る。担体の含有量は、上記の最小パーセンテージ及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内にあり得ることが理解されよう。
【0044】
組成物は、スラリー組成物の好適な形成を促進するために特定量の研磨粒子を含んでもよい。例えば、研磨粒子は、担体、研磨粒子、促進剤、緩衝液、及び任意の添加剤を含む組成物の総重量に対して少なくとも2重量%の量で存在し得る。他の例では、研磨粒子の含有量は、より大きくなり得、例えば、組成物の総重量に対して少なくとも5重量%、例えば、少なくとも10重量%、又は15重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%、又は少なくとも35重量%であり得る。さらに別の非限定的な実施形態では、研磨粒子は、組成物の総重量に対して80重量%以下、例えば、60重量%以下、50重量%以下、又は40重量%以下、又は30重量%以下、又は25重量%以下、又は20重量%以下の量で存在し得る。研磨粒子の含有量は、上記の最小パーセンテージ及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0045】
担体を乾燥粉末組成物に添加すると、促進剤化合物の少なくとも一部が解離し、少なくとも1つの遊離促進剤カチオン種及び1つの遊離促進剤アニオン種を形成し得る。特定の例では、促進剤化合物から形成される遊離イオン種のみがスラリー組成物中にあり、スラリー組成物が促進剤化合物のいかなる未溶解微粒子も含有しなくてよいように、促進剤化合物全体が解離する場合がある。一実施形態によれば、促進剤は、ヨウ化物(I1-)、臭化物(Br1-)、フッ化物(F1-)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl1-)、シリカート(SiO 4-)、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO 1-)、カーボナート(CO 2-)、水酸化物(OH1-)、ペルクロラート(ClO 1-)、又は任意のそれらの組合せの群から選択される少なくとも1つの遊離アニオンを含むことができる。より特定の実施形態では、促進剤アニオンは、フッ化物(F1-)から本質的になることができる。
【0046】
促進剤は、材料除去作業中のスラリー組成物の改善された性能を促進し得る特定の濃度で存在し得る。特に、促進剤は、液体担体において特定のモル濃度を有する遊離アニオンであり得る。例えば、促進剤は、少なくとも0.003モル/リットル(M)、又は少なくとも0.004M、又は少なくとも0.005M、又は少なくとも0.006M、又は少なくとも0.007M、又は少なくとも0.008M、又は少なくとも0.009M、又は少なくとも0.01M、又は少なくとも0.02M、又は少なくとも0.03M、又は少なくとも0.04M、又は少なくとも0.05M、又は少なくとも0.06M、又は少なくとも0.07M、又は少なくとも0.08M、又は少なくとも0.09M、又は少なくとも0.1M、又は少なくとも0.2M、又は少なくとも0.3M、又は少なくとも0.4M、又は少なくとも0.5M、又は少なくとも0.6M、又は少なくとも0.7M、又は少なくとも0.8M、又は少なくとも0.9Mの濃度で存在し得る。さらに、非限定的な一実施形態では、促進剤は、1.0M以下、又は0.9M以下、又は0.8M以下、又は0.7M以下、又は0.6M以下、又は0.5M以下、又は0.4M以下、又は0.3M以下、又は0.2M以下、又は0.1M以下、又は0.09M以下、又は0.08M以下、又は0.07M以下、又は0.06M以下、又は0.05M以下、又は0.04M以下、又は0.03M以下、又は0.02M以下、又は0.01M以下、又は0.009M以下、又は0.008M以下、又は0.007M以下、又は0.006M以下、又は0.005M以下、又は0.004M以下、又は0.003M以下の濃度で存在し得る。促進剤が、例えば、少なくとも0.002M~1.0M以下の範囲内を含む、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の濃度で存在できることが理解されよう。
【0047】
促進剤種(すなわち、アニオン種)は、本明細書に記載の特定の溶解度を有する促進剤化合物から形成することができる。したがって、促進剤は、本明細書の実施形態に記載されているように、乾燥粉末促進剤化合物の溶解度を有する化合物から形成することができる。
【0048】
本明細書に記載されているように、促進剤化合物は、液体担体中で解離し、液体担体内でカチオン種とアニオン種とに分離することができる。したがって、液体担体を含むスラリー組成物は、第1族元素、第2族元素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第6族元素、第7族元素、第8族元素、第9族元素、第10族元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つのカチオン種(すなわち、元素若しくは化合物)を含むことができる。より特定の例では、スラリー組成物は、H、Li、Na、K、Cs、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、NH 、Ag、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Pb2+、Hg、Hg2+、Al3+、Cr2+、Cr3+、Cr4+、Cr6+、又はそれらの任意の組合せの群から選択された担体内にカチオン種を含んでもよい。
【0049】
カチオン種は、スラリー組成物内に特定の濃度で存在し得る。例えば、カチオン種は、少なくとも0.003M、又は少なくとも0.004M、又は少なくとも0.005M、又は少なくとも0.006M、又は少なくとも0.007M、又は少なくとも0.008M、又は少なくとも0.009M、又は少なくとも0.01M、又は少なくとも0.02M、又は少なくとも0.03M、又は少なくとも0.04M、又は少なくとも0.05M、又は少なくとも0.06M、又は少なくとも0.07M、又は少なくとも0.08M、又は少なくとも0.09M、又は少なくとも0.1M、又は少なくとも0.2M、又は少なくとも0.3M、又は少なくとも0.4M、又は少なくとも0.5M、又は少なくとも0.6M、又は少なくとも0.7M、又は少なくとも0.8M、又は少なくとも0.9Mの濃度で存在し得る。さらに、非限定的な一実施形態では、カチオン種は、1.0M以下、又は0.9M以下、又は0.8M以下、又は0.7M以下、又は0.6M以下、又は0.5M以下、又は0.4M以下、又は0.3M以下、又は0.2M以下、又は0.1M以下、又は0.09M以下、又は0.08M以下、又は0.07M以下、又は0.06M以下、又は0.05M以下、又は0.04M以下、又は0.03M以下、又は0.02M以下、又は0.01M以下、又は0.009M以下、又は0.008M以下、又は0.007M以下、又は0.006M以下、又は0.005M以下、又は0.004M以下、又は0.003M以下の濃度で存在し得る。カチオン種が、例えば、少なくとも0.002M~1.0M以下の範囲内を含む、上記の最小値及び最小値のいずれかを含む範囲内の濃度で存在できることが理解されよう。
【0050】
緩衝液が液体担体に組み込まれると、緩衝液の少なくとも一部が解離する場合がある。しかしながら、有意量の緩衝液は、化合物として維持される場合があり、液体担体内で解離しない場合がある。
【0051】
特に、緩衝液は、特定の条件が達成又は遭遇した後に解離するように構成できる。特定の例では、緩衝液は、液体担体内で促進剤種などの特定の最小濃度のアニオン種を維持して、材料除去作業中に加工物との化学的相互作用を促進するように構成できる。一実施形態によれば、スラリーは、スラリー組成物の総含有量に対して少なくとも0.01重量%の緩衝液、例えば、少なくとも0.05重量%、又は少なくとも0.08重量%、又は少なくとも0.1重量%、又は少なくとも0.15重量%、又は少なくとも0.2重量%、又は少なくとも0.25重量%、又は少なくとも0.3重量%、又は少なくとも0.35重量%、又は少なくとも0.4重量%、又は少なくとも0.45重量%、又は少なくとも0.5重量%、又は少なくとも0.55重量%、又は少なくとも0.6重量%、又は少なくとも0.65重量%、又は少なくとも0.7重量%、又は少なくとも0.75重量%、又は少なくとも0.8重量%、又は少なくとも0.85重量%、又は少なくとも0.9重量%、又は少なくとも1重量%、又は少なくとも1.5重量%、又は少なくとも2重量%、又は少なくとも2.5重量%、又は少なくとも3重量%、又は少なくとも3.5重量%、又は少なくとも4重量%、又は少なくとも4.5重量%、又は少なくとも5重量%、又は少なくとも5.5重量%、又は少なくとも6重量%、又は少なくとも6.5重量%、又は少なくとも7重量%、又は少なくとも8重量%、又は少なくとも8.5重量%、又は少なくとも9重量%を含むことができる。さらに、非限定的な一実施形態では、スラリー組成物中の緩衝液の量は、スラリー組成物の総重量に対して10重量%以下、例えば、9重量%以下、又は8重量%以下、又は7重量%以下、又は6重量%以下、又は5重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は2重量%以下、又は1重量%以下、又は0.9重量%以下、又は0.8重量%以下、又は0.6重量%以下、又は0.4重量%以下、又は0.2重量%以下、又は0.1重量%以下であり得る。緩衝液の含有量が、例えば、少なくとも0.01重量%~10重量%以下の範囲内を含む、上記の最小パーセンテージ及び最大パーセンテージのいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0052】
さらに別の実施形態では、担体及び乾燥粉末組成物を含むスラリー組成物は、改善された材料除去作業を促進することができる特定のpHを有し得る。例えば、スラリー組成物は、少なくとも8、例えば、少なくとも9、又は少なくとも10、又は少なくとも11のpHを有し得る。さらに他の実施形態では、スラリーのpHは、12以下、例えば、11以下、又は10以下、又は9以下であり得る。スラリー組成物のpHが、例えば、少なくとも8かつ12以下の範囲内のpHを含む、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0053】
一実施形態によれば、スラリー組成物は、酸化剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、又はそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の任意の添加剤のいずれか1つを含み得る。さらに、別の非限定的な実施形態では、組成物は、少なくとも酸化剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、又はそれらの任意の組合せを含むいかなる任意の添加剤も含まなくてもよい。スラリー組成物は、液体担体、研磨粒子、促進剤、及び緩衝液のみを含み得る。特定の実施形態では、スラリーは、研磨シリカ粒子、水、KF、及びKBFから本質的になり得る。
【0054】
別の実施形態によれば、スラリー組成物は、本明細書に記載されるジルコニア研磨試験に従って少なくとも8.0μm/時の平均材料除去速度を有するように構成され得る。別の実施形態では、スラリー組成物の平均材料除去速度は、少なくとも8.3μm/時、例えば、少なくとも8.5μm/時、又は少なくとも8.7μm/時、又は少なくとも9μm/時、又は少なくとも9.3μm/時、又は少なくとも9.5μm/時、又は少なくとも9.7μm/時、又は少なくとも10μm/時であり得る。さらに、別の実施形態では、スラリー組成物の平均材料除去速度は、ジルコニア研磨試験に従って30μm/時以下、例えば、20μm/時以下、又は15μm/時以下、又は12μm/時以下であり得る。スラリー組成物が、例えば、少なくとも8.0μm/時で30μm/時以下、又は少なくとも8.5μm/時~15μm/時以下の平均材料除去速度を含む、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の平均材料除去速度を有し得ることが理解されよう。
【0055】
さらに別の実施形態では、スラリー組成物は、ジルコニア研磨試験に従って特定の表面粗さ(Ra)係数を有するとして特徴付けられ得る。例えば、スラリー組成物は、20Å未満、例えば、19Å以下、又は18Å以下、又は17Å以下、又は16Å以下、又は15Å以下、又は12Å以下、又は10Å以下、又は8Å以下、又は6Å以下、又は4Å以下、又は2Å以下の表面粗さ係数を有することができる。さらに、非限定的な一実施形態では、スラリー組成物は、ジルコニア研磨試験に従って、少なくとも0.5Å、例えば、少なくとも0.8Å、又は少なくとも1Å、又は少なくとも2Å、又は少なくとも3Å、又は少なくとも5Å、又は少なくとも8Å、又は少なくとも10Å、又は少なくとも12Å、又は少なくとも15Åの表面粗さ係数を有することができる。表面仕上げが、例えば、20Å以上かつ少なくとも0.5Åを含む、上記の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内であり得ることが理解されよう。
【0056】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。それらの態様及び実施形態のいくつかは、本明細書に記載されている。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様及び実施形態が例示にすぎず、本発明の範囲を限定しないことを理解するであろう。実施形態は、以下に列挙されるような実施形態のうちのいずれか1つ以上に従い得る。
【0057】
<実施形態>
実施形態1.組成物であって、
液体を含む担体;
担体中に含有される研磨粒子;
担体中に含有される促進剤であって、ヨウ化物(I)、臭化物(Br)、フッ化物(F)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl)、シリカート(SiO 4-)、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO )、カーボナート(CO 2-)、ペルクロラート(ClO )、又はそれらの任意の組合せの群から選択される少なくとも1つの遊離アニオンを含む、促進剤;及び
担体中に飽和濃度で含有される緩衝液であって、M、N、M、M、N、M、MBr、NBr、MBr、Ma(SO、N(SO、MaN(SO、M、N、M、M(SiO、N(SiO、M(SiO、M(PO、N(PO、M(PO、M(NO、N(NO、M(NO、M(CO、N(CO、M(CO、又はそれらの任意の組合せから選択される化合物を含む、緩衝液を含み、Mが金属元素又は金属化合物を表し;Nが非金属元素を表し;a、b、及びxが1~6であり、緩衝液が促進剤とは異なる、組成物。
【0058】
実施形態2.組成物であって、
液体を含む担体;
担体中に含有される研磨粒子;
担体中に含有される促進剤であって、0.002M~1.0Mの濃度で存在する遊離アニオンを含む、促進剤;及び
担体中に含有される緩衝液であって、ASTM規格E1148に従って、10g/L未満の溶解度を有する、緩衝液を含む、組成物。
【0059】
実施形態3.組成物であって、
液体を含む担体;
シリカを含む、担体中に含有される研磨粒子;
担体中に含有される促進剤であって、少なくとも0.002Mかつ1.0M以下の範囲内の量で存在する遊離フッ化物イオン(F1-)を含む、促進剤;
を含む、担体中に含有される緩衝液を含み、Mが金属元素であり、Nが非金属元素であり、a、b、xが1~6であり、緩衝液が10g/L未満の溶解度を有する、組成物。
【0060】
実施形態4.組成物であって、
液体を含む担体;
シリカを含む、担体中に含有される研磨粒子;
担体中に含有される促進剤であって、ASTM規格E1148に従って、10g/Lより大きい溶解度を有する化合物から形成されたアニオンを含む、促進剤;
担体中に含有される緩衝液であって、ASTM規格E1148に従って、10g/L未満の溶解度を有する、緩衝液を含む、組成物。
【0061】
実施形態5.担体が水を含み、担体が水から本質的になり、担体が脱イオン水から本質的になる、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0062】
実施形態6.担体が組成物の総重量に対して少なくとも45重量%、又は少なくとも50重量%、又は少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも65重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%の量で存在する、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0063】
実施形態7.担体が、組成物の総重量に対して97重量%以下、又は95重量%以下、又は90重量%以下、又は85重量%以下、又は80重量%以下、又は75重量%以下、又は70重量%以下の量で存在する、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0064】
実施形態8.研磨粒子が20ミクロン以下かつ少なくとも10nmの平均粒径(D50)を含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0065】
実施形態9.研磨粒子が、少なくとも5nm~20ミクロン以下のD90-D10範囲値を含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0066】
実施形態10.研磨粒子が、溶融シリカ、コロイドシリカ、石英、ヒュームドシリカ、シリカフューム、又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0067】
実施形態11.研磨粒子が過半量のシリカを含み、研磨粒子がシリカから本質的になる、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0068】
実施形態12.研磨粒子が1重量%未満のアルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、セリア、チタニア、イットリア、希土類元素、アルミノシリカート、遷移金属元素、酸化鉄、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0069】
実施形態13.研磨粒子が、少なくとも90%の理論密度、又は少なくとも95%の理論密度、又は少なくとも98%の理論密度、又は少なくとも99%の理論密度を含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0070】
実施形態14.研磨粒子が少なくとも2.3g/cm、又は少なくとも2.4g/cm、又は少なくとも2.5g/cmの密度を含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0071】
実施形態15.研磨粒子が4.5g/cm以下、又は4.0g/cm以下、又は3.5g/cm3以下、又は3g/cm以下、又は2.9g/cm以下、又は2.8g/cm以下、又は2.7g/cm以下の密度を含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0072】
実施形態16.促進剤が、液体中で遊離アニオンを形成できる少なくとも1つの化合物を含み、遊離アニオンがヨウ化物(I1-)、臭化物(Br1-)、フッ化物(F1-)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl1-)、シリカート(SiO 4-)、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO 1-)、カーボナート(CO 2-)、ペルクロラート(ClO 1-)、又はそれらの任意の組合せの群から選択される、実施形態2及び4のいずれか1つの組成物。
【0073】
実施形態17.促進剤がヨウ化物(I1-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0074】
実施形態18.促進剤が臭化物(Br1-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0075】
実施形態19.促進剤がフッ化物(F1-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0076】
実施形態20.促進剤がサルファート(SO 2-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0077】
実施形態21.促進剤が硫化物(S2-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0078】
実施形態22.促進剤がサルファイト(SO 2-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0079】
実施形態23.促進剤が塩化物(Cl1-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0080】
実施形態24.促進剤がシリカート(SiO 4-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0081】
実施形態25.促進剤がホスファート(PO 3-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0082】
実施形態26.促進剤がニトラート(NO 1-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0083】
実施形態27.促進剤がカーボナート(CO 2-)を含む、実施形態1及び16のいずれか1つの組成物。
【0084】
実施形態28.促進剤が少なくとも0.002M~1.0M以下の濃度で存在する、実施形態1及び4のいずれか1つの組成物。
【0085】
実施形態29.促進剤が、少なくとも0.003M、又は少なくとも0.004M、又は少なくとも0.005M、又は少なくとも0.006M、又は少なくとも0.007M、又は少なくとも0.008M、又は少なくとも0.009M、又は少なくとも0.01M、又は少なくとも0.02M、又は少なくとも0.03M、又は少なくとも0.04M、又は少なくとも0.05M、又は少なくとも0.06M、又は少なくとも0.07M、又は少なくとも0.08M、又は少なくとも0.09M、又は少なくとも0.1M、又は少なくとも0.2M、又は少なくとも0.3M、又は少なくとも0.4M、又は少なくとも0.5M、又は少なくとも0.6M、又は少なくとも0.7M、又は少なくとも0.8M、又は少なくとも0.9Mの濃度で存在する、実施形態2、3、及び28のいずれか1つの組成物。
【0086】
実施形態30.促進剤が、0.9M以下、又は0.8M以下、又は0.7M以下、又は0.6M以下、又は0.5M以下、又は0.4M以下、又は0.3M以下、又は0.2M以下、又は0.1M以下、又は0.09M以下、又は0.08M以下、又は0.07M以下、又は0.06M以下、又は0.05M以下、又は0.04M以下、又は0.03M以下、又は0.02M以下、又は0.01M以下、又は0.009M以下、又は0.008M以下、又は0.007M以下、又は0.006M以下、又は0.005M以下、又は0.004M以下、又は0.003M以下の濃度で存在する、実施形態2、3、及び28のいずれか1つの組成物。
【0087】
実施形態31.促進剤が、ASTM規格E1148に従って、10g/Lより大きい、又は少なくとも10.2g/L、又は少なくとも10.5g/L、又は少なくとも11g/L、又は少なくとも12g/L、又は少なくとも14g/L、又は少なくとも16g/L、又は少なくとも18g/L、又は少なくとも20g/L、又は少なくとも25g/L、又は少なくとも30g/L、又は少なくとも40g/L、又は少なくとも50g/L、又は少なくとも60g/L、又は少なくとも70g/L、又は少なくとも80g/L、又は少なくとも90g/L、又は少なくとも100g/L、又は少なくとも200g/L、又は少なくとも300g/L、又は少なくとも400g/L、又は少なくとも500g/L、又は少なくとも600g/L、又は少なくとも700g/L、又は少なくとも800g/L、又は少なくとも900g/L、又は少なくとも1000g/Lの溶解度を有する化合物から形成された遊離アニオンを含む、実施形態1、2、及び3のいずれか1つの組成物。
【0088】
実施形態32.促進剤が、10,000g/L以下、又は9000g/L以下、又は8000g/L以下、又は7000g/L以下、又は6000g/L以下、又は5000g/L以下、又は4000g/L以下、又は3000g/L以下、又は2000g/L以下、又は1000g/L以下、又は900g/L以下、又は800g/L以下、又は700g/L以下、又は600g/L以下、又は500g/L以下、又は400g/L以下、又は300g/L以下、又は200g/L以下、又は100g/L以下、又は90g/L以下、又は80g/L以下、又は70g/L以下、又は60g/L以下、又は50g/L以下の溶解度を有する化合物から形成された遊離アニオンを含む、実施形態2、3、及び30のいずれか1つの組成物。
【0089】
実施形態33.促進剤が、第1族元素、第2族要素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第6族元素、第7族元素、第8族元素、第9族元素、第10族元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、又はそれらの任意の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの種を含む元素又は化合物を含む少なくとも1つの遊離カチオンを含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0090】
実施形態34.促進剤が担体内に含有される少なくとも1つの遊離カチオンを含み、カチオンがH、Li、Na、K、Cs、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、NH 、Ag、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Pb2+、Hg、Hg2+、Al3+、Cr2+、Cr3+、Cr4+、Cr6+、又はそれらの任意の組合せの群から選択される、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0091】
実施形態35.担体内に含有される遊離カチオンが少なくとも0.002Mかつ1.0M以下の範囲内の濃度で存在する、実施形態33又は34の組成物。
【0092】
実施形態36.促進剤が、KF、NaF、RbF、NiF、ZnF、CoF、又はそれらの任意の組合せから選択される化合物を含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0093】
実施形態37.緩衝液が、M、N、M、M、N、M、MBr、NBr、MBr、M(SO、N(SO、M(SO、M、N、M、M(SiO、N(SiO、M(SiO、M(PO、N(PO、M(PO、M(NO、N(NO、M(NO、M(CO、N(CO、M(CO、又はそれらの任意の組合せの群から選択される化合物を含み、Mが金属元素又は金属化合物を表し;Nが非金属元素を表し;a、b、及びxが1~6であり、緩衝液が促進剤とは異なる、実施形態2及び4のいずれか1つの組成物。
【0094】
実施形態38.促進剤及び緩衝液が同じ種類のアニオンを含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれかの組成物。
【0095】
実施形態39.促進剤及び緩衝液がフッ化物(F)又はアニオンを含むフッ化物を含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれかの組成物。
【0096】
実施形態40.Mが、第1族元素、第2族元素、遷移金属元素、希土類元素、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの金属元素を表す、実施形態1、3、及び37のいずれか1つの組成物。
【0097】
実施形態41.Mが、Li、Na、K、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ag、Mn、Co、Ni、Cu、Pb、Hg、Al、Cr、Fe、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの金属元素又は金属化合物を表す、実施形態1、3、及び37のいずれか1つの組成物。
【0098】
実施形態42.Nが、第13族元素、第14族元素、第15族元素、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの非金属元素又は化合物を表す、実施形態1、3、及び37のいずれか1つの組成物。
【0099】
実施形態43.NがH、B、C、Si、Ge、N、P、又はそれらの任意の組合せの群から選択される少なくとも1つの非金属元素を表す、実施形態1、3、及び37のいずれか1つの組成物。
【0100】
実施形態44.緩衝液がKBF、NaBF、NHBF、KPF、NaPF、CaF、MgF、NaAlF、FeF、LiF、MnF2、AlF、又はそれらの任意の組合せから選択される化合物を含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0101】
実施形態45.緩衝液がKBF、NaBF、NHBF、KPF、NaPF、又はそれらの任意の組合せから選択される化合物を含む、実施形態44の組成物。
【0102】
実施形態46.緩衝液がKBFを含む、実施形態45の組成物。
【0103】
実施形態47.促進剤がKFを含み、緩衝液がKBFを含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれかの組成物。
【0104】
実施形態48.シリカ粒子、水、KF、及びKBFから本質的になる、実施形態1、2、3、及び4のいずれかの組成物。
【0105】
実施形態49.緩衝液が、ASTM規格E1148に従って、10g/L未満の溶解度を含む、実施形態1の組成物。
【0106】
実施形態50.緩衝液が、ASTM規格E1148に従って、9.8g/L以下、又は9.5g/L以下、又は9.2g/L以下、又は9g/L以下、又は8.5g/L以下、又は8g/L以下、又は7.5g/L以下、又は7g/L以下、又は6.5g/L以下、又は6g/L以下、又は5.5g/L以下、又は5g/L以下、又は4.5g/L以下、又は4g/L以下、又は3.5g/L以下、又は3g/L以下、又は2.5g/L以下、又は2g/L以下、又は1.5g/L以下、又は1g/L以下、又は0.5g/L以下、又は0.1g/L以下、又は0.05g/L以下の溶解度を含む、実施形態2、3、4、及び49のいずれか1つの組成物。
【0107】
実施形態51.緩衝液が、少なくとも0.001g/L、又は少なくとも0.005g/L、又は少なくとも0.01g/L、又は少なくとも0.05g/L、又は少なくとも0.1g/L、又は少なくとも0.5g/L、又は少なくとも1g/L、又は少なくとも1.5g/L、又は少なくとも2g/L、又は少なくとも2.5g/L、又は少なくとも3g/L、又は少なくとも3.5g/L、又は少なくとも4g/L、又は少なくとも4.5g/L、又は少なくとも5g/L、又は少なくとも5.5g/L、又は少なくとも6g/L、又は少なくとも6.5g/L、又は少なくとも7g/L、又は少なくとも7.5g/L、又は少なくとも8g/L、又は少なくとも8.5g/L、又は少なくとも9g/Lの溶解度を含む、実施形態2、3、4、及び49のいずれか1つの組成物。
【0108】
実施形態52.緩衝液が、少なくとも0.01重量%かつ10重量%以下の範囲内の量で存在する、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0109】
実施形態53.緩衝液の溶解度が、促進剤が生成される促進剤化合物の溶解度未満である、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0110】
実施形態54.少なくとも8、又は少なくとも9、又は少なくとも10、又は少なくとも11のpHをさらに含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0111】
実施形態55.12以下、又は11以下、又は10以下、又は9以下のpHをさらに含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0112】
実施形態56.少なくとも8かつ12以下のpHをさらに含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0113】
実施形態57.酸化剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0114】
実施形態58.組成物が、酸化剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを含まない、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0115】
実施形態59.組成物がポリマーを含む有機化合物を含まない、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0116】
実施形態60.ジルコニア研磨試験に従って、少なくとも8.0ミクロン/時の平均材料除去速度をさらに含む、実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つの組成物。
【0117】
実施形態61.20オングストローム未満の表面粗さ係数をさらに含む、実施形態60の組成物。
【0118】
実施形態62.組成物であって、
研磨粒子;
ASTM規格E1148に従って、少なくとも10g/Lの溶解度を含む促進剤化合物;
ASTM規格E1148に従って、10g/L未満の溶解度を有する緩衝液;及び
少なくとも1.02の溶解度比(S/S)を含み、Sが促進剤の溶解度を表し、Sが緩衝液の溶解度を表す、組成物。
【0119】
実施形態63.組成物であって、
研磨粒子;
ヨウ化物(I1-)、臭化物(Br1-)、フッ化物(F1-)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl1-)、シリカート(SiO 4-)、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO 1-)、カーボナート(CO 2-)、又はペルクロラート(ClO 1-)の群から選択される少なくとも1つのアニオンを含む促進剤化合物;及び
、N、M、M、N、M、MBr、NBr、MBr、Ma(SO、N(SO、MaN(SO、M、N、M、M(SiO、N(SiO、M(SiO、M(PO、N(PO、M(PO、M(NO、N(NO、M(NO、M(CO、N(CO、M(CO、又はそれらの任意の組合せの群から選択される化合物を含む緩衝液を含み、Mが金属元素又は金属化合物を表し;Nが非金属元素を表し;a、b、及びxが1~6であり、緩衝液が促進剤とは異なる、組成物。
【0120】
実施形態64.研磨粒子が、20ミクロン以下かつ少なくとも10nmの平均粒径(D50)を含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0121】
実施形態65.研磨粒子が、少なくとも5nm~20ミクロン以下のD90-D10範囲を含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0122】
実施形態66.研磨粒子が、溶融シリカ、コロイドシリカ、石英、ヒュームドシリカ、シリカフューム、又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0123】
実施形態67.研磨粒子が過半量のシリカを含み、研磨粒子がシリカから本質的になる、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0124】
実施形態68.研磨粒子が1重量%未満のアルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、セリア、チタニア、イットリア、希土類元素、アルミノシリカート、遷移金属元素、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0125】
実施形態69.研磨粒子が少なくとも90%理論密度、又は少なくとも95%理論密度、又は少なくとも98%理論密度、又は少なくとも99%理論密度の密度を含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0126】
実施形態70.研磨粒子が少なくとも2.3g/cm、又は少なくとも2.4g/cm、又は少なくとも2.5g/cmの密度を含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0127】
実施形態71.研磨粒子が4.5g/cm以下、又は4.0g/cm以下、又は3.5g/cm以下、又は3g/cm以下、又は2.9g/cm以下、又は2.8g/cm以下、又は2.7g/cm以下の密度を含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0128】
実施形態72.促進剤化合物が、ヨウ化物(I1-)、臭化物(Br1-)、フッ化物(F1-)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl1-)、シリカート(SiO 4-)、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO 1-)、カーボナート(CO 2-)、ペルクロラート(ClO 1-)、又はそれらの任意の組合せの群から選択される少なくとも1つのアニオンを含む、実施形態62の組成物。
【0129】
実施形態73.促進剤化合物がヨウ化物(I1-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0130】
実施形態74.促進剤化合物が臭化物(Br1-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0131】
実施形態75.促進剤化合物がフッ化物(F1-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0132】
実施形態76.促進剤化合物がサルファート(SO 2-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0133】
実施形態77.促進剤化合物がサルファイド(S2-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0134】
実施形態78.促進剤化合物がサルファイト(SO 2-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0135】
実施形態79.促進剤化合物が塩化物(Cl1-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0136】
実施形態80.促進剤化合物がシリカート(SiO 4-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0137】
実施形態81.促進剤化合物がホスファート(PO 3-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0138】
実施形態82.促進剤化合物がニトラート(NO 1-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0139】
実施形態83.促進剤化合物がカーボナート(CO 2-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0140】
実施形態84.促進剤化合物がペルクロラート(ClO 1-)を含む、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0141】
実施形態85.促進剤化合物が、組成物の総重量に対して少なくとも0.15重量%~15重量%以下の量で存在する、実施形態63及び72のいずれか1つの組成物。
【0142】
実施形態86.促進剤化合物が、ASTM規格E1148に従って、10g/Lより大きい、又は少なくとも10.2g/L、又は少なくとも10.5g/L、又は少なくとも11g/L、又は少なくとも12g/L、又は少なくとも14g/L、又は少なくとも16g/L、又は少なくとも18g/L、又は少なくとも20g/L、又は少なくとも25g/L、又は少なくとも30g/L、又は少なくとも40g/L、又は少なくとも50g/L、又は少なくとも60g/L、又は少なくとも70g/L、又は少なくとも80g/L、又は少なくとも90g/L、又は少なくとも100g/L、又は少なくとも200g/L、又は少なくとも300g/L、又は少なくとも400g/L、又は少なくとも500g/L、又は少なくとも600g/L、又は少なくとも700g/L、又は少なくとも800g/L、又は少なくとも900g/L、又は少なくとも1000g/Lの溶解度を含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0143】
実施形態87.促進剤化合物が、10,000g/L以下、又は9000g/L以下、又は8000g/L以下、又は7000g/L以下、又は6000g/L以下、又は5000g/L以下、又は4000g/L以下、又は3000g/L以下、又は2000g/L以下、又は1000g/L以下、又は900g/L以下、又は800g/L以下、又は700g/L以下、又は600g/L以下、又は500g/L以下、又は400g/L以下、又は300g/L以下、又は200g/L以下、又は100g/L以下、又は90g/L以下、又は80g/L以下、又は70g/L以下、又は60g/L以下、又は50g/L以下の溶解度を含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0144】
実施形態88.促進化合物が、第1族元素、第2族元素、第3族元素、第4族元素、第5族元素、第6族元素、第7族元素、第8族元素、第9族元素、第10族元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、又はそれらの任意の組合せからの少なくとも1つの種を含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0145】
実施形態89.促進剤化合物が、H、Li、Na、K、Cs、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、NH 、Ag、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Pb2+、Hg、Hg2+、Al3+、Cr2+、Cr3+、Cr4+、Cr6+、又はそれらの任意の組合せから選択されるカチオンを含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0146】
実施形態90.促進剤化合物がKF、NaF、RbF、NiF、ZnF、CoF、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0147】
実施形態91.緩衝液が、M、N、M、M、N、M、MBr、NBr、MBr、Ma(SO、N(SO、MaN(SO、M、N、M、M(SiO、N(SiO、M(SiO、M(PO、N(PO、M(PO、M(NO、N(NO、M(NO、M(CO、N(CO、M(CO、又はそれらの任意の組合せの群から選択される化合物を含み、Mが金属元素又は金属化合物を表し;Nが非金属元素を表し;a、b、及びxが1~6であり、緩衝液が促進剤化合物とは異なる、実施形態62の組成物。
【0148】
実施形態92.Mが、第1族元素、第2族元素、遷移金属元素、希土類元素、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの金属元素又は化合物を表す、実施形態63及び91のいずれか1つの組成物。
【0149】
実施形態93.MがLi、Na、K、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ag、Mn、Co、Ni、Cu、Pb、Hg、Al、Cr、Fe、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの金属元素を表す、実施形態63及び91のいずれか1つの組成物。
【0150】
実施形態94.Nが、第12族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、又はそれらの任意の組合せから選択される少なくとも1つの非金属元素を表す、実施形態63及び91のいずれか1つの組成物。
【0151】
実施形態95.Nが、H、B、C、Si、N、P、又はそれらの任意の組合せから選択される少なくとも1つの非金属元素を表す、実施形態63及び91のいずれか1つの組成物。
【0152】
実施形態96.緩衝液がKBF、NaBF、NHBF、KPF、NaPF、CaF、MgF、NaAlF、FeF、LiF、MnF、AlF、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態63及び91のいずれか1つの組成物。
【0153】
実施形態97.緩衝液がKBF、NaBF、NHBF、KPF、NaPFの群から選択される化合物を含む、実施形態96の組成物。
【0154】
実施形態98.緩衝液がKBFを含む、実施形態97の組成物。
【0155】
実施形態99.促進剤がKFを含み、緩衝液がKBFを含む、実施形態62~98のいずれかの組成物。
【0156】
実施形態100.シリカ、KF、及びKBFから本質的になる、実施形態62~99のいずれかの組成物。
【0157】
実施形態101.緩衝液が、ASTM規格E1148に従って、10g/L未満の溶解度を含む、実施形態63に記載の組成物。
【0158】
実施形態102.緩衝液が、ASTM規格E1148に従って、9.8g/L以下、又は9.5g/L以下、又は9.2g/L以下、又は9g/L以下、又は8.5g/L以下、又は8g/L以下、又は7.5g/L以下、又は7g/L以下、又は6.5g/L以下、又は6g/L以下、又は5.5g/L以下、又は5g/L以下、又は4.5g/L以下、又は4g/L以下、又は3.5g/L以下、又は3g/L以下、又は2.5g/L以下、又は2g/L以下、又は1.5g/L以下、又は1g/L以下、又は0.5g/L以下、又は0.1g/L以下、又は0.05g/L以下の溶解度を含む、実施形態62及び101のいずれか1つの組成物。
【0159】
実施形態103.緩衝液が、少なくとも0.001g/L、又は少なくとも0.005g/L、又は少なくとも0.01g/L、又は少なくとも0.05g/L、又は少なくとも0.1g/L、又は少なくとも0.5g/L、又は少なくとも1g/L、又は少なくとも1.5g/L、又は少なくとも2g/L、又は少なくとも2.5g/L、又は少なくとも3g/L、又は少なくとも3.5g/L、又は少なくとも4g/L、又は少なくとも4.5g/L、又は少なくとも5g/L、又は少なくとも5.5g/L、又は少なくとも6g/L、又は少なくとも6.5g/L、又は少なくとも7g/L、又は少なくとも7.5g/L、又は少なくとも8g/L、又は少なくとも8.5g/L、又は少なくとも9g/Lの溶解度を含む、実施形態62及び101のいずれか1つの組成物。
【0160】
実施形態104.緩衝液が、少なくとも0.15重量%かつ30重量%以下の範囲内の量で存在する、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0161】
実施形態105.緩衝液が、促進剤化合物中に含有されるアニオン種と同じアニオン種を含む化合物を含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0162】
実施形態106.緩衝液が、促進剤化合物中に含有されるアニオン種とは異なるアニオン種を含む化合物を含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0163】
実施形態107.緩衝液の溶解度が、促進剤が生成される促進剤化合物の溶解度未満である、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0164】
実施形態108.酸化剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、又はそれらの任意の組合せからなる群より選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0165】
実施形態109.組成物が、酸化剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、又はそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを含まない、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0166】
実施形態110.組成物がポリマーを含む有機材料を含まない、実施形態62及び63のいずれか1つの組成物。
【0167】
実施形態111.組成物であって、
液体を含む担体;
担体中に含有される研磨粒子;
担体中に飽和濃度で含有される促進剤であって、ヨウ化物(I1-)、臭化物(Br1-)、フッ化物(F1-)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl1-)、シリカート(SiO 4-)、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO 1-)、カーボナート(CO 2-)、ペルクロラート(ClO 1-)、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの遊離アニオンを含む、促進剤;及び
ジヒドロキシベンゼンジスルホン酸、2-ヒドロキシエチルグリシン、エチレンジアミン四酢酸、デフェロキサミン、ジエチレントリアミン五酢酸、エチドロン酸、二ナトリウム-4,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスルホナート、ニトリロ三酢酸、又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの組成物を含むキレート剤を含む、組成物。
【0168】
実施形態112.ジルコニア含有材料を研磨するように構成された研磨スラリーであって、
液体を含む担体;
担体中に含有される研磨粒子;
少なくとも8.0ミクロン/時の平均材料除去速度及びジルコニア研磨試験に従って、20オングストローム以下の表面粗さ(Ra)係数を含む、研磨スラリー。
【0169】
実施形態113.担体中に含有される促進剤をさらに含み、促進剤が、ヨウ化物(I1-)、臭化物(Br1-)、フッ化物(F1-)、サルファート(SO 2-)、硫化物(S2-)、サルファイト(SO 2-)、塩化物(Cl1-)、シリカート(SiO 4-)、ホスファート(PO 3-)、ニトラート(NO 1-)、カーボナート(CO 2-)、ペルクロラート(ClO 1-)、又はそれらの任意の組合せからなる群より選択される少なくとも1つのアニオンを含む、実施形態112の研磨スラリー。
【0170】
実施形態114.担体中に含有される緩衝液をさらに含み、緩衝液が、担体中に含有される緩衝液からなる群から選択される化合物を含み、緩衝液が、M、N、M、M、N、M、MBr、NBr、MBr、Ma(SO、N(SO、MaN(SO、M、N、M、M(SiO、N(SiO、M(SiO、M(PO、N(PO、M(PO、M(NO、N(NO、M(NO、M(CO、N(CO、M(CO、又はそれらの任意の組合せの群から選択される化合物を含み、Mが金属元素又は金属化合物を表し;Nが非金属元素を表し;a、b、及びxが1~6であり、緩衝液が促進剤とは異なる、実施形態112の研磨スラリー。
【0171】
実施形態115.担体中に含有される促進剤をさらに含み、促進剤が0.002M~1.0Mの濃度で存在するアニオンを含む、実施形態112の研磨スラリー。
【0172】
実施形態116.担体中に含有される緩衝液をさらに含み、緩衝液がASTM規格E1148に従って、10g/L未満の溶解度を有する、実施形態112の研磨スラリー。
【0173】
実施形態117:担体中に含有される促進剤であって、
少なくとも0.002Mかつ1.0M以下の範囲内の量で存在するフッ化物(F1-)を含む、促進剤;及び
を含む、担体中に含有される緩衝液をさらに含み、緩衝液が10g/L未満の溶解度を有する、実施形態112の研磨スラリー。
【0174】
実施形態118:担体中に含有される促進剤であって、ASTM規格E1148に従って、10g/Lより大きい溶解度を有する化合物から形成されたアニオンを含む、促進剤;及び
担体中に含有される緩衝液であって、ASTM規格E1148に従って、10g/L未満の溶解度を有する、緩衝液をさらに含む、実施形態112の研磨スラリー。
【実施例
【0175】
[例1]
第1の研磨スラリー組成物(サンプルS1)を形成し、100nmのD50及び109nmのD90-D10範囲値を有する25重量%のコロイドシリカを含んでいた。スラリー組成物は、さらに75重量%の水を含んでいた。スラリー組成物は、任意の添加剤を含んでいなかった。スラリー組成物のpHは、KOHの添加により約10.5に調整した。
【0176】
第2の研磨スラリー組成物を形成した(サンプルS2)。乾燥粉末組成物を最初に形成し、100nmのD50及び109nmのD90-D10範囲値を有する98.06重量%のコロイドシリカ研磨粒子及び促進剤化合物として1.94重量%のフッ化カリウム(KF)を含んでいた。乾燥粉末組成物を形成した後、乾燥粉末組成物を液体担体として脱イオン水と組合せて、スラリー組成物を形成した。スラリー組成物は、24.88重量%のシリカ研磨粒子及び0.49重量%のKFを含んでいた。スラリー組成物は、任意の添加剤を含んでいなかった。スラリー組成物のpHは、KOHの添加により約10.5に調整した。
【0177】
第3の研磨組成物を形成した(サンプルS3)。乾燥粉末組成物を最初に形成し、サンプルS1及びS2で使用された93.95重量%のコロイドシリカ、及び4.04重量%のKBFを含んでいた。乾燥粉末組成物を形成した後、乾燥粉末組成物を液体担体として脱イオン水と組合せて、スラリー組成物を形成した。スラリー組成物は、24.65重量%のシリカ研磨粒子及び1.06重量%のKBFを含み、さらなる添加剤は含んでいなかった。スラリー組成物のpHは、KOHの添加により約10.5に調整した。
【0178】
サンプルS1、S2、及びS3で使用したのと同じ種類の94.11重量%のコロイドシリカ研磨粒子、促進剤化合物として1.86重量%のフッ化カリウム(KF)、及び緩衝液として4.04重量%のKBFを含む乾燥粉末組成物を最初に形成することにより、第4の研磨スラリー組成物を形成した(サンプルS4)。乾燥粉末組成物を形成した後、乾燥粉末組成物を液体担体として脱イオン水と組合せて、スラリー組成物を形成した。スラリー組成物は、24.61重量%のシリカ、1.06重量%の緩衝液(KBF)、及び0.49重量%のKFを含んでいた。スラリー組成物のpHは、KOHの添加により約10.5に調整した。
【0179】
サンプルS1、S2、S3、及びS4のスラリー組成物を、ジルコニアウェーハでジルコニア研磨試験を実施することによって比較した(以下の説明を参照)。試験結果を表1及び図1に示す。KF及びKBFを含むスラリー組成物S4は、サンプルS1、S2、及びS3と比較して、著しく改善された材料除去速度(MMR)を有していたことが分かる。シリカスラリー(S1)に添加剤を添加しない場合と比較して、KFのみ(S2)を添加してもMRRは増加せず、KBF4のみ(S3)を添加しても、MRRの改善はわずかであった。水及びシリカを含有するスラリー組成物S1と比較したサンプルS4のMMR増加は、43%であった。
【表1】
【0180】
サンプルS4は、さらに11.3Å(サンプルS1)及び11.9Å(サンプルS2)と比較して、研磨されたジルコニアウェーハの表面粗さが9.9Åで最も低くなった。表1も参照されたい。
【0181】
[例2]
スラリー組成物S5及びS6は、使用されるコロイドシリカ研磨粒子が74.5nmのD50サイズ及び25nmのD90-D10範囲値を有したことを除いて、例1と同じ手順及び組成物に従って調製した。スラリー組成物S5は、水のみに加えてシリカを含有し、サンプルS6は、水、シリカ、KF、及びKBFを含有した。
【0182】
スラリー組成物S5及びS6は、例1のジルコニア研磨試験を実施することにより比較した。結果を表2に示す。シリカ、KF、及びKBF4の組合せを含むサンプルS6は、サンプルS5(シリカのみ)と比較して、著しく改善された材料除去速度を実証したことが分かる。水及びシリカのみを含有するスラリー組成物(S5)と比較したサンプルS6の材料除去速度の増加は、59%であった。
【0183】
[例3]
スラリー組成物S7及びS8は、使用されたコロイドシリカ研磨粒子が、79.6nmのD50サイズ及び0.03nmのD90-D10範囲値を有したことを除いて、サンプルS1~S4について例1と同じ手順及び組成物に従って調製した。
【0184】
スラリー組成物S7には水及びシリカのみが含有され、サンプルS8には水、シリカ、KF、及びKBF4が含有された。
【0185】
スラリー組成物S7及びS8は、例1のジルコニア研磨試験を実施することにより比較した。結果を表2に要約する。シリカ、KF、及びKBF4の組合せを含むサンプルS8は、サンプルS7(シリカのみ)と比較して、著しく改善された材料除去速度を実証したことが分かる。水及びシリカのみを含有するスラリー組成物(S7)と比較したサンプルS8の材料除去速度の増加は、33%であった。
【表2】
【0186】
研磨スラリーの材料除去速度を測定するためのジルコニア研磨試験。
【0187】
ジルコニア研磨試験は、直径2インチの多結晶イットリア安定化ZrOウェーハで実施した。約250~750Åの開始平均表面粗さを有する8つのウェーハを、36インチSpeedfam GPAW研磨機のテンプレートに置いた。新しいEminess Suba 600 XY溝付き研磨パッドを使用して、ウェーハの研磨を実施した。ウェーハは、60RPMのプラテン回転速度で、5.0psiの下向きの研磨圧力で処理した。スラリー流量を55mL/分に設定し、研磨プロセスを開始する前に5秒間研磨パッドの中心に加えた。研磨機トラフからの排水は、トラフから排水されたスラリーが容器に戻されてスラリーがパッドにポンプで送られるように、スラリーを再循環するように設定した。容器中のスラリーは、軸流タービンインペラーで連続的に撹拌した。スラリーの総体積は2ガロンであった。ウェーハは、合計で180分の処理時間で、60分間隔で3回処理した。研磨プロセス中のパッド温度は、22~25℃に維持した。処理後、ウェーハは、キムワイプ及び水道水を使用して洗浄して、圧縮空気を使用して乾燥した。
【0188】
材料除去速度(MRR)は、研磨前後のウェーハの質量の変化によって決定する。前後のウェーハの質量の変化を研磨に費やした時間(つまり、60分)で割って、平均材料除去速度を計算する。ウェーハの質量は、ベンチトップスケールを使用して測定する。ウェーハの表面粗さは、Zygo NewView 3D光学表面プロファイラー及びZygo Mxソフトウェアを使用して決定する。この装置は、表面粗さ測定ごとにウェーハの0.17x0.17mm領域をマッピングする。ウェーハごとに5回の測定をした。8つのウェーハすべての測定値を平均して、スラリー組成物の平均表面粗さ係数(Ra)を計算する。
【0189】
上記で開示された主題は、制限ではなく例示と見なされるべきであり、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲内に入るすべてのそのような修正、拡張、及び他の実施形態を網羅することを意図している。したがって、法律で許される最大限の範囲で、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物の最も広い許容可能な解釈によって決定されるものであり、前述の詳細な説明によって制限又は制限されないものとする。
【0190】
開示の要約は、特許法を遵守するために提供され、特許請求の範囲又は意味を解釈又は制限するために使用されないという理解とともに提出される。さらに、前述の詳細な説明では、開示を合理化する目的で、様々な特徴を一緒にグループ化するか、又は単一の実施形態で説明することがある。この開示は、請求された実施形態が各請求項で明示的に列挙されたよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が反映するように、発明の主題は、開示された実施形態のいずれかのすべての特徴よりも少ない特徴に向けられ得る。したがって、以下の特許請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、個別に請求される主題を定義するものとして独立している。
図1