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特許7096893単一分子のための一本鎖環状DNA鋳型の作製
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】単一分子のための一本鎖環状DNA鋳型の作製
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6869 20180101AFI20220629BHJP
   C12Q 1/6855 20180101ALI20220629BHJP
   C12Q 1/6806 20180101ALI20220629BHJP
   C40B 40/06 20060101ALI20220629BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20220629BHJP
【FI】
C12Q1/6869 Z ZNA
C12Q1/6855 Z
C12Q1/6806 Z
C40B40/06
C12N15/09 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020541684
(86)(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2019052764
(87)【国際公開番号】W WO2019149958
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-09-01
(31)【優先権主張番号】62/626,589
(32)【優先日】2018-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(73)【特許権者】
【識別番号】511109814
【氏名又は名称】カパ バイオシステムズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(72)【発明者】
【氏名】ヘイーズ,アシュリー
(72)【発明者】
【氏名】ラニク,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ダンネバウム,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】マルジュリドン,セベリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】バーデンホースト,ダリーン
(72)【発明者】
【氏名】スラッバート,エティエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ベリー,マイケル・スチュアート
【審査官】玉井 真人
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-532028(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0280538(US,A1)
【文献】特表2016-527896(JP,A)
【文献】特表2015-521472(JP,A)
【文献】特表2014-504880(JP,A)
【文献】特表2013-516993(JP,A)
【文献】特表2017-528138(JP,A)
【文献】特開2002-209594(JP,A)
【文献】特表2003-527087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本鎖標的核酸の各鎖を別々に配列決定する方法であって、
a)反応混合物において、二本鎖標的核酸をアダプターに連結して、アダプター付加標的核酸を形成するステップであって、ここで、前記アダプターがプライマー結合部位を含むものである、前記ステップ;
b)前記アダプター付加標的核酸を、前記プライマー結合部位に相補的な一対のプライマーで増幅し、それによりアンプリコンを形成するステップであって、ここで、前記一対のプライマーのうちの1つのプライマーがエキソヌクレアーゼによる消化速度に影響する修飾ヌクレオチドを含むものであり、前記修飾ヌクレオチドが5’-リン酸化末端ヌクレオチドであり、前記エキソヌクレアーゼがラムダエキソヌクレアーゼである、前記ステップ;
c)前記反応混合物をエキソヌクレアーゼと接触させ、それにより反応混合物から前記アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第1の相補鎖を除去するステップ;
d)ポリヌクレオチドキナーゼによって前記アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖に5’-リン酸を付加し、前記アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖を環化して、一本鎖環を形成するステップ;
e)配列決定プライマーを前記一本鎖環にアニーリングするステップ;および
f)プライマーを伸長し、それにより標的核酸の1つの鎖を配列決定するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記アダプターへの連結がライゲーションによるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ライゲーションが、前記標的核酸と前記アダプターの付着末端を連結することによるものである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アダプターが、二本鎖部分と一本鎖部分とを含むものである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記アダプターが少なくとも1つのバーコードを含むものである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記アダプターが少なくとも1つのプライマー結合部位を含むものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップd)の後に、第2のエキソヌクレアーゼ消化ステップをさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記環化がスプリントライゲーションによるものである、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
配列決定プライマー結合部位がアダプター内にある、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップc)の前に、反応混合物を、グリコシラーゼおよび/またはエンドヌクレアーゼと接触させることをさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
試料中の二本鎖標的核酸から一本鎖核酸のライブラリーを作製する方法であって、
a)反応混合物において、二本鎖標的核酸をアダプターに連結して、アダプター付加標的核酸を形成するステップであって、ここで、前記アダプターがプライマー結合部位を含むものである、前記ステップ;
b)前記アダプター付加標的核酸を、前記プライマー結合部位に相補的な一対のプライマーで増幅し、それによりアンプリコンを形成するステップであって、ここで、前記一対のプライマーのうちの1つのプライマーがエキソヌクレアーゼによる消化速度に影響する修飾ヌクレオチドを含むものであり、前記修飾ヌクレオチドが5’-リン酸化末端ヌクレオチドであり、前記エキソヌクレアーゼがラムダエキソヌクレアーゼである、前記ステップ;
c)前記反応混合物をエキソヌクレアーゼと接触させ、それにより反応混合物から前記アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第1の相補鎖を除去するステップ;および
d)ポリヌクレオチドキナーゼによって前記アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖に5’-リン酸を付加し、前記アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖を環化して、一本鎖環を形成し、それにより一本鎖環状標的核酸のライブラリーを形成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項12】
二本鎖標的核酸の各鎖を別々に配列決定する方法であって、
a)反応混合物において、標的核酸を一対の標的特異的プライマーで増幅し、それによりアンプリコンを形成するステップであって、ここで、前記一対のプライマーのうちの1つのプライマーが、エキソヌクレアーゼによる消化を阻害する修飾ヌクレオチドを含むものであり、前記修飾ヌクレオチドが5’-リン酸化末端ヌクレオチドであり、前記エキソヌクレアーゼがラムダエキソヌクレアーゼである、前記ステップ;
b)前記反応混合物をエキソヌクレアーゼと接触させ、それにより反応混合物からアンプリコンの2つの相補鎖のうちの第1の相補鎖を除去するステップ;
c)ポリヌクレオチドキナーゼによって前記アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖に5’-リン酸を付加し、前記アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖を環化して、一本鎖環を形成するステップ;
d)配列決定プライマーを前記一本鎖環にアニーリングするステップ;および
e)前記プライマーを伸長し、それにより標的核酸の1つの鎖を配列決定するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項13】
試料中の二本鎖標的核酸から一本鎖核酸のライブラリーを作製する方法であって、
a)反応混合物において、一対の標的特異的プライマーで標的核酸を増幅し、それによりアンプリコンを形成するステップであって、ここで、前記一対のプライマーのうちの1つのプライマーがエキソヌクレアーゼによる消化速度に影響する修飾ヌクレオチドを含むものであり、前記修飾ヌクレオチドが5’-リン酸化末端ヌクレオチドであり、前記エキソヌクレアーゼがラムダエキソヌクレアーゼである、前記ステップ;
b)前記反応混合物をエキソヌクレアーゼと接触させ、それにより反応混合物からアンプリコンの2つの相補鎖のうちの第1の相補鎖を除去するステップ;および
c)ポリヌクレオチドキナーゼによって前記アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖に5’-リン酸を付加し、前記アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖を環化して、一本鎖環を形成し、それにより一本鎖環状標的核酸のライブラリーを形成するステップ;
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸分析の分野に関し、より詳しくは、核酸配列決定のための鋳型の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノポア配列決定を含む単一分子核酸配列決定は、その技術のエラー率が高いことから、一般にはコンセンサスの構築を必要とする。単一の長いポリメラーゼの読み取りで標的配列を複数回読み取ることができる環状二本鎖鋳型を作製するライブラリーの調製方法がある。米国特許第7,302,146号および同第8,153,375号を参照されたい。線状核酸は、増幅ならびにその後の検出および定量化のために環状形態に変換することができる。米国特許第RE 44265号を参照されたい。単一分子リアルタイム(SMRT)技術(Pacific Biosciences、Menlo Park、Cal.)を使用してプラットフォームで配列決定する場合、ポリメラーゼはライブラリー分子を読み取り、ライブラリー分子の交互のセンスコピーとアンチセンスコピーからなる連続的読み取り(ポリメラーゼ読み取り)を生成する。技術的な適用または他の制約により、元の二本鎖分子のDNA鎖の1つだけが読み取られる場合がある。本発明は、標的配列の一本鎖だけを含有する環状ライブラリーを作製し配列決定する方法である。本方法は、以下で詳細に記載する複数の有利な点を有する。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、本発明は、二本鎖標的核酸の各鎖を別々に配列決定する方法であって、反応混合物において、二本鎖標的核酸をアダプターに連結して、アダプター付加標的核酸を形成するステップであって、アダプターがプライマー結合部位を含む、ステップと;アダプター付加標的核酸を、プライマー結合部位に相補的な一対のプライマーで増幅し、それによりアンプリコンを形成するステップであって、一対のプライマーのうちの1つのプライマーがエキソヌクレアーゼによる消化速度に影響する修飾ヌクレオチドを含む、ステップと;反応混合物をエキソヌクレアーゼと接触させ、それにより反応混合物からアンプリコンの2つの相補鎖のうちの第1の相補鎖を除去するステップと;アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖を環化して、一本鎖環を形成するステップと;配列決定プライマーを一本鎖環にアニーリングするステップと;プライマーを伸長し、それにより標的核酸の1つの鎖を配列決定するステップとを含む方法である。アダプターは、ライゲーションによって、例えば、標的核酸とアダプターの付着末端を連結することによって連結することができる。アダプターは、二本鎖部分と、アダプターの同一のまたは別個のアーム上に位置され得、少なくとも1つのバーコードと少なくとも1つのプライマー結合部位の2つの非アニーリング部分を含む一本鎖部分とを含むことができる。配列決定プライマー結合部位は、アダプター内にあってもよい。修飾ヌクレオチドは、ラムダエキソヌクレアーゼを有する5’-リン酸化末端ヌクレオチドであってもよい。修飾ヌクレオチドは、ホスホロチオエート基をT5またはT7エキソヌクレアーゼとともに含むことができる。本方法は、環化ステップの後に、第2のエキソヌクレアーゼ消化ステップをさらに含み得る。第2のエキソヌクレアーゼは、二本鎖特異的エキソヌクレアーゼと一本鎖特異的エキソヌクレアーゼ、例えば、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、T5エキソヌクレアーゼ、およびエキソヌクレアーゼVIIの組合せであってもよい。
【0004】
環化は、ライゲーション、例えば、スプリントライゲーションまたは一本鎖ライゲーションなどによって生じ得る。本方法は、例えば、固体担体に結合した標的特異的プローブを介した捕捉による、標的濃縮ステップをさらに含むことができる。本方法は、反応混合物を、グリコシラーゼおよびエンドヌクレアーゼから選択されるDNA損傷特異的薬剤と接触させるステップをさらに含んでいてもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、本発明は、試料中の二本鎖標的核酸から一本鎖核酸のライブラリーを作製する方法であって、反応混合物において、二本鎖標的核酸をアダプターに連結して、アダプター付加標的核酸を形成するステップであって、アダプターがプライマー結合部位を含む、ステップと;アダプター付加標的核酸を、プライマー結合部位に相補的な一対のプライマーで増幅し、それによりアンプリコンを形成するステップであって、一対のプライマーのうちの1つのプライマーがエキソヌクレアーゼによる消化速度に影響する修飾ヌクレオチドを含む、ステップと;反応混合物をエキソヌクレアーゼと接触させ、それにより反応混合物からアンプリコンの2つの相補鎖のうちの第1の相補鎖を除去するステップと;アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖を環化して、一本鎖環を形成し、それにより一本鎖環状標的核酸のライブラリーを形成するステップとを含む方法である。
【0006】
いくつかの実施形態では、本発明は、試料中の標的核酸のライブラリーの配列を決定する方法であって、上記で概説した一本鎖環状標的核酸のライブラリーを形成するステップと;各一本鎖環のプライマー結合部位にプライマーをアニーリングするステップと;プライマーを伸長し、それによりライブラリーを配列決定するステップとを含む方法である。
【0007】
いくつかの実施形態では、本発明は、二本鎖標的核酸の各鎖を別々に配列決定する方法であって、反応混合物において、標的核酸を一対の標的特異的プライマーで増幅し、それによりアンプリコンを形成するステップであって、一対のプライマーのうちの1つのプライマーが、エキソヌクレアーゼによる消化を阻害する修飾ヌクレオチドを含む、ステップと;反応混合物をエキソヌクレアーゼと接触させ、それにより反応混合物からアンプリコンの2つの相補鎖のうちの第1の相補鎖を除去するステップと;アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖を環化して、一本鎖環を形成するステップと;配列決定プライマーを一本鎖環にアニーリングするステップと;プライマーを伸長し、それにより標的核酸の1つの鎖を配列決定するステップとを含む方法である。
【0008】
いくつかの実施形態では、本発明は、試料中の二本鎖標的核酸から一本鎖核酸のライブラリーを作製する方法であって、反応混合物において、一対の標的特異的プライマーで標的核酸を増幅し、それによりアンプリコンを形成するステップであって、一対のプライマーのうちの1つのプライマーがエキソヌクレアーゼによる消化速度に影響する修飾ヌクレオチドを含む、ステップと;反応混合物をエキソヌクレアーゼと接触させ、それにより反応混合物からアンプリコンの2つの相補鎖のうちの第1の相補鎖を除去するステップと;アンプリコンの2つの相補鎖のうちの第2の相補鎖を環化して、一本鎖環を形成し、それにより一本鎖環状標的核酸のライブラリーを形成するステップとを含む方法である。
【0009】
いくつかの実施形態では、本発明は、試料中の標的核酸のライブラリーの配列を決定する方法であって、上記で概説した方法により一本鎖環状標的核酸のライブラリーを形成するステップと;各一本鎖環のプライマー結合部位にプライマーをアニーリングするステップと;プライマーを伸長し、それによりライブラリーの各標的核酸の1つの鎖を配列決定するステップとを含む方法である。
【0010】
いくつかの実施形態では、本発明は、二本鎖標的核酸の各鎖を別々に配列決定する方法であって、反応混合物において、二本鎖標的核酸をアダプターに連結して、アダプター付加標的核酸を形成するステップであって、アダプターがプライマー結合部位を含む、ステップと;アダプター付加標的核酸を、プライマー結合部位に相補的な一対のプライマーで増幅し、それによりアンプリコンを形成するステップであって、一対のプライマーのうちの1つのプライマーが捕捉部分のリガンドを含む、ステップと;アンプリコンの2つの鎖を分離するステップと;反応混合物を捕捉部分と接触させ、それによりアンプリコンの2つの鎖のうちの第1の鎖を捕捉させるステップと;アンプリコンの鎖を環化して、一本鎖環を形成するステップと;配列決定プライマーを一本鎖環にアニーリングするステップと;プライマーを伸長し、それにより標的核酸の1つの鎖を配列決定するステップとを含む方法である。本方法は、一本鎖結合(SSB)タンパク質、Ct DNA、アルカリ、グリセロール、尿素、DMSOおよびホルムアミドから選択される鎖分離促進剤の使用をさらに含んでいてもよい。捕捉された一本鎖は保持することができ、遊離一本鎖は除去され得る。または、捕捉された一本鎖が除去され、遊離一本鎖が保持されていてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、本発明は、試料中の二本鎖標的核酸から一本鎖核酸のライブラリーを作製する方法であって、反応混合物において、二本鎖標的核酸をアダプターに連結し、アダプター付加標的核酸を形成するステップであって、アダプターがプライマー結合部位を含む、ステップと;プライマー結合部位に相補的な一対のプライマーでアダプター付加標的核酸を増幅し、それによりアンプリコンを形成するステップであって、一対のプライマーのうちの1つのプライマーが捕捉部分のリガンドを含む、ステップと;アンプリコンの2つの鎖を分離するステップと;反応混合物を捕捉部分と接触させ、それによりアンプリコンの2つの相補鎖のうちの第1の相補鎖を捕捉するステップと;アンプリコンの相補鎖を環化して一本鎖環を形成し、それにより一本鎖環状標的核酸のライブラリーを形成するステップとを含む方法である。
【0012】
いくつかの実施形態において、本発明は、試料中の標的核酸のライブラリーの配列を決定する方法であって、上記で概説した方法によって一本鎖環状標的核酸のライブラリーを形成するステップと;各一本鎖環のプライマー結合部位にプライマーをアニーリングするステップと;プライマーを伸長させ、それによりライブラリー内の各標的核酸の1つの鎖を配列決定するステップとを含む方法である。
【0013】
いくつかの実施形態では、本発明は、二本鎖標的核酸の1つの鎖を優先的に配列決定する方法であって、反応混合物において、二本鎖標的核酸をアダプターに連結し、アダプター付加標的核酸を形成するステップであって、アダプターがプライマー結合部位を含む、ステップと;プライマー結合部位に相補的な一対のプライマーでアダプター付加標的核酸を増幅するステップであって、一対が、制限量の制限プライマーおよび過剰量の過剰プライマーを含む、ステップと;伸長産物を環化して一本鎖環を形成するステップと;配列決定プライマーを一本鎖環にアニーリングするステップと;プライマーを伸長し、それにより標的核酸の1つの鎖を優先的に配列決定するステップとを含む方法である。過剰プライマーは、エキソヌクレアーゼによる消化速度に影響する修飾ヌクレオチドを含んでいてもよく、さらに、反応混合物をエキソヌクレアーゼと接触させ、それにより反応混合物から制限プライマーの伸長産物を除去することを含む。いくつかの実施形態では、過剰なプライマーは、過剰プライマーの伸長産物を捕捉および保持するための親和性捕捉部分のリガンドを含むことができる。いくつかの実施形態では、制限プライマーは、制限プライマーの伸長産物を捕捉および除去するための親和性捕捉部分のリガンドを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】環状一本鎖核酸のライブラリーを作製する方法の第1の実施形態のワークフローを示す(方法1)。
図2】PCRステップを含む、環状一本鎖核酸のライブラリーを作製する方法の第2の実施形態のワークフローを示す(方法2)。
図3】Y型アダプターの図である。(A)は、アダプターのアーム間で分かれたプライマー結合部位(下線部)の部分を持つアダプターを示す。(B)は、アダプターの1つのアームに存在する全プライマー結合部位(下線部)を持つアダプターを示す。配列は、配列番号5~8に対応する。
図4】対照ライブラリーの配列決定の結果を示す。
図5】方法1を使用して作製したライブラリーの配列決定の結果を示す。
図6】ナノポアアダプターを用いて方法1を使用して作製したライブラリーの配列決定の結果を示す。
図7】T7エキソヌクレアーゼを用いて方法2を使用して作製されたライブラリーの配列決定の結果を示す。
図8】ラムダエキソヌクレアーゼを用いて方法2を使用して作製されたライブラリーの配列決定の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
以下の定義は、本開示の理解に役立つ。
【0016】
用語「試料」とは、標的核酸を含有するか、または含有すると推定される任意の組成物を意味する。これは個体から単離された組織または体液、例えば、皮膚、血漿、血清、髄液、リンパ液、滑液、尿、涙、血液細胞、臓器および腫瘍の試料、ならびにまた、ホルマリン固定したパラフィン包埋組織(FFPET)およびそれらから単離した核酸を含む個体から採取された細胞から確立されたin vitro培養物の試料を含む。また試料は、無細胞材料、例えば、無細胞DNA(cfDNA)または循環腫瘍DNA(ctDNA)を含有する無細胞血液画分などを含み得る。
【0017】
用語「核酸」とは、DNA、RNAおよびそれらの下位分類、例えば、cDNA、mRNAなどを含むヌクレオチド(例えば、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチド、天然と非天然の両方)のポリマーを意味する。核酸は、一本鎖または二本鎖であってもよく、一般的には5’-3’ホスホジエステル結合を含有するが、ある場合には、ヌクレオチド類似体は他の結合を有していてもよい。核酸は、天然起源の塩基(アデノシン、グアノシン、シトシン、ウラシルおよびチミジン)、ならびに非天然の塩基を含み得る。非天然の塩基のいくつかの例は、例えば、Seelaら (1999) Helv. Chim. Acta 82:1640に記載されているものを含む。非天然の塩基は、特定の機能、例えば、核酸二本鎖の安定性の増加、ヌクレアーゼ消化の阻害、またはプライマー伸長もしくは鎖重合の遮断を有し得る。
【0018】
用語の「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は同義的に使用される。ポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖核酸である。オリゴヌクレオチドは、短いポリヌクレオチドを説明するために時々使用される用語である。オリゴヌクレオチドは、当技術分野で公知の任意の適切な方法、例えば、Narangら (1979) Meth. Enzymol. 68:90~99;Brownら (1979) Meth. Enzymol. 68:109~151;Beaucageら (1981) Tetrahedron Lett. 22:1859~1862;Matteucciら (1981) J. Am. Chem. Soc. 103:3185~3191に記載されている直接化学合成を含む方法によって調製される。
【0019】
用語「プライマー」とは、標的核酸中の配列(「プライマー結合部位」)とハイブリダイズして、核酸の相補鎖に沿った合成開始点として、このような合成に適した条件下で作用することができる一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。
【0020】
用語「アダプター」とは、別の配列に、その配列にさらなる特性を導入するために付加され得るヌクレオチド配列を意味する。アダプターは、典型的には、一本鎖もしくは二本鎖であることができるか、または一本鎖部分および二本鎖部分の両方を有し得るオリゴヌクレオチドである。
【0021】
用語「ライゲーション」とは、1分子の5’-リン酸基が別の分子の3’-ヒドロキシル基と反応する、2つの核酸鎖を連結する縮合反応を意味する。ライゲーションは、典型的には、リガーゼまたはトポイソメラーゼによって触媒される酵素反応である。ライゲーションは、2つの一本鎖を連結して1つの一本鎖分子を生成することができる。またライゲーションは、それぞれ二本鎖分子に属する2つの鎖を連結し、それによって2つの二本鎖分子を連結することもできる。またライゲーションは、二本鎖分子の両鎖を別の二本鎖分子の両鎖に連結し、それによって2つの二本鎖分子を連結することもできる。またライゲーションは、二本鎖分子内の鎖の2つの末端を連結し、それによって二本鎖分子中のニックを修復することもできる。
【0022】
用語「バーコード」とは、検出および同定され得る核酸配列を意味する。バーコードは、様々な核酸に組み込むことができる。バーコードは、十分に長く、例えば2、5、20ヌクレオチドであり、その結果、試料中で、バーコードを組み込んだ核酸はバーコードに従って区別またはグループ分けすることができる。
【0023】
用語「多重識別子」または「MID」は、標的核酸の供給源(例えば、その核酸が由来する試料)を同定するバーコードを意味する。同じ試料由来のすべての、または実質的にすべての標的核酸は、同じMIDを共有する。異なる供給源または試料由来の標的核酸が、混合され、同時に配列決定することができる。MIDを使用して、その配列の読み取りは、その標的核酸が生じた個々の試料に割り当てることができる。
【0024】
用語「ユニーク分子識別子」または「UID」は、それが結合している核酸を同定するバーコードを意味する。同じ試料由来のすべての、または実質的にすべての標的核酸は、異なるUIDを有する。同じ元の標的核酸に由来するすべての、または実質的にすべての後代(例えばアンプリコン)は、同じUIDを共有する。
【0025】
用語「ユニバーサルプライマー」および「ユニバーサルプライミング結合部位」または「ユニバーサルプライミング部位」とは、プライマー、および異なる標的核酸中に(典型的にはin vitroで付加されることにより)存在するプライマー結合部位を意味する。ユニバーサルプライミング部位は、アダプターを使用して、または5’部分にユニバーサルプライミング部位を有する標的特異的(非ユニバーサル)プライマーを使用して、複数の標的核酸に付加される。ユニバーサルプライマーは、ユニバーサルプライミング部位に結合し、そこからのプライマー伸長を導くことができる。
【0026】
より一般的には、用語「ユニバーサル」とは、任意の標的核酸に付加され、標的核酸配列に関係なくその機能を実行し得る核酸分子(例えば、プライマーまたは他のオリゴヌクレオチド)を意味する。ユニバーサル分子は、補体に、例えば、ユニバーサルプライマーをユニバーサルプライマー結合部位に、またはユニバーサル環化オリゴヌクレオチドをユニバーサルプライマー配列にハイブリダイズさせることによってその機能を実行することができる。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語の「標的配列」、「標的核酸」または「標的」とは、検出または分析される試料中の核酸配列の一部を意味する。用語の標的は、標的配列のすべてのバリアント、例えば、1つまたは複数の変異体バリアントおよび野生型バリアントを含む。
【0028】
用語「増幅」とは、標的核酸の追加のコピーを作製するプロセスを意味する。増幅は、複数のサイクル、例えば、指数関数的な増幅の複数のサイクルを有することができる。増幅は、(標的核酸の単一コピーを作製して)ただ1つのサイクルのみを有していてもよい。コピーは、追加の配列、例えば、増幅に使用されるプライマーに存在する配列を有していてもよい。また増幅は、ただ1つの鎖のみ(線形増幅)または優先的に1つの鎖(非対称PCR)のコピーも生成することができる。
【0029】
用語「配列決定」とは、標的核酸中のヌクレオチドの配列を決定する任意の方法を意味する。
【0030】
単一分子配列決定では、一部にはこの技術の高エラー率を軽減するために、典型的には、複数の読み取りからコンセンサス配列を構築する。いくつかの方法では、コンセンサスは、同じ鋳型分子、特に環状分子の複数の読み取りから構築される。配列決定ライブラリーを調製する方法は、標的分子のライブラリーを環状鋳型のライブラリーに変換する。そのような方法の1つは、二本鎖の標的分子のいずれかの末端に結合されたヘアピンアダプターを使用する。米国特許第7,302,146号および同第8,153,375号を参照されたい。配列決定中、ポリメラーゼはライブラリー分子を連続的に読み取り、アダプター配列が間に挟まった、ライブラリー分子の交互のセンスコピーおよびアンチセンスコピーからなる連続的な読み取りを生成する。ポリメラーゼ読み取りがサブ読み取りに分割された後、サブ読み取りを使用して環状コンセンサス配列と呼ばれる高精度コンセンサス配列を生成する。いくつかの適用においては、二本鎖分子の各鎖を別々に読み取ることが望ましい場合がある。本発明は、ライブラリー挿入物をそれぞれ含有する一本鎖環からなるライブラリーを生成し、配列決定する方法である。
【0031】
本発明は、試料中の標的核酸を検出することを含む。いくつかの実施形態では、試料は、対象または患者に由来する。いくつかの実施形態では、試料は、例えば生検によって、対象または患者に由来する固形組織または固形腫瘍の断片を含み得る。また試料は、体液(例えば、尿、痰、血清、血漿もしくはリンパ、唾液、汗、涙、脳脊髄液、羊水、滑液、心膜液、腹膜液、胸膜液、嚢胞液、胆汁、胃液、腸液、および/または糞便試料)を含んでいてもよい。試料は、腫瘍細胞が存在し得る全血画分または血液画分を含み得る。いくつかの実施形態では、試料、特に液体試料は、無細胞材料、例えば、無細胞腫瘍DNAまたは腫瘍RNAを含む無細胞DNAまたはRNAを含み得る。本発明は、まれで少量の標的を分析するのに特に適している。いくつかの実施形態では、試料は、無細胞試料、例えば、無細胞腫瘍DNAまたは腫瘍RNAが存在する無細胞血液由来の試料である。他の実施形態では、試料は、培養した試料、例えば、感染因子または感染因子に由来する核酸を含有するか、または含有することが疑われる培養物または培養上清である。いくつかの実施形態では、感染因子は、細菌、原生動物、ウイルスまたはマイコプラズマである。
【0032】
標的核酸は、試料中に存在し得る目的の核酸である。いくつかの実施形態では、標的核酸は、遺伝子または遺伝子断片である。他の実施形態では、標的核酸は、遺伝的バリアント、例えば、一塩基多型またはバリアント(SNPもしくはSNV)を含む多型、または、例えば遺伝子融合を生じる遺伝的再配列を含有する。いくつかの実施形態では、標的核酸はバイオマーカーを含む。他の実施形態では、標的核酸は、特定の生物に特徴的であり、例えば、病原性生物、または病原性生物の特徴、例えば、薬物感受性もしくは薬物耐性の同定に役立つ。さらに他の実施形態では、標的核酸は、ヒト対象に特徴的であり、例えば、対象に特有のHLAまたはKIR遺伝子型を確定するHLAまたはKIR配列である。さらに他の実施形態では、試料中のすべての配列は、例えば、ショットガンゲノム配列決定における標的核酸である。
【0033】
本発明の実施形態では、二本鎖標的核酸は、本発明の鋳型構造に変換される。いくつかの実施形態では、標的核酸は、一本鎖形状(例えば、mRNA、マイクロRNA、ウイルスRNAを含むRNA;または一本鎖ウイルスDNA)で天然に存在する。一本鎖標的核酸は、二本鎖形態に変換され、請求項の方法のさらなるステップを可能にする。
【0034】
より長い標的核酸は断片化され得るが、いくつかの適用においては、より長い標的核酸が、より長い読み取りを達成するために所望され得る。いくつかの実施形態では、標的核酸は、自然に断片化され、例えば、循環無細胞DNA(cfDNA)または化学的に分解されたDNA、例えば保存された試料で確認されるDNAなどである。他の実施形態では、標的核酸は、例えば、超音波処理などの物理的手段によって、またはエンドヌクレアーゼ消化、例えば、制限消化によって、in vitroで断片化される。
【0035】
いくつかの実施形態では、本発明は、標的濃縮ステップを含む。濃縮は、1つまたは複数の標的特異的プローブを介して標的配列を捕捉することによるものであってもよい。試料中の核酸を変性させ、一本鎖の標的特異的プローブと接触させることができる。プローブは、親和性捕捉部分のリガンドを含んでいてもよく、その結果、ハイブリダイゼーション複合体が形成された後、それらが親和性捕捉部分を提供することにより捕捉される。いくつかの実施形態では、親和性捕捉部分はアビジンまたはストレプトアビジンであり、リガンドはビオチンである。いくつかの実施形態では、その部分は固体担体に結合される。以下でさらに詳細に説明するように、固体担体は、超常磁性球状ポリマー粒子、例えば、DYNABEADS(商標)磁気ビーズまたは磁気ガラス粒子などを含んでいてもよい。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、アダプター分子は標的核酸に連結される。ライゲーションは、平滑末端ライゲーションまたはより効果的な付着末端ライゲーションであり得る。標的核酸またはアダプターは、鎖をフィリングすることを含む「末端修復」によって、すなわち、DNAポリメラーゼによって3’末端を伸長して5’-オーバーハングを除去することにより平滑末端にすることができる。いくつかの実施形態では、平滑末端アダプターおよび標的核酸は、例えばDNAポリメラーゼまたはターミナルトランスフェラーゼによる、アダプターの3’末端への単一ヌクレオチドの付加および標的核酸の3’末端への単一相補的ヌクレオチドの付加によって、付着性にされ得る。さらに他の実施形態では、アダプターおよび標的核酸は、制限エンドヌクレアーゼを用いた消化によって付着末端(オーバーハング)を獲得し得る。後者の選択肢は、制限酵素認識部位を含有することが知られている公知の標的配列にとってより有利である。いくつかの実施形態では、他の酵素的ステップがライゲーションを達成するために必要とされ得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドキナーゼを使用して、標的核酸分子およびアダプター分子に5’-リン酸を付加することができる。
【0037】
例えばライゲーションによってアダプターが標的核酸の配列と無関係に付加される実施形態では、試料中の標的核酸は、各末端で同じアダプター分子を受け取る。得られるアダプター付加標的核酸の鎖を識別するために、アダプターはY構造を有していてもよい、例えば、米国特許第8053192号、同第8182989号および同第8822150号を参照されたい。(図3
【0038】
いくつかの実施形態では、アダプターは、プライマー結合部位、例えば、増幅プライマー結合部位または配列決定プライマー結合部位を含む。プライマー結合部位は、アダプター上において連続していてもよい(図3の(B)図)。いくつかの実施形態では、配列決定の特異性を高めるために(すなわち、環化分子のみが配列決定される)、配列決定プライマー結合部位は、図3の(A)図に示すように、アダプターアーム上において不連続であってもよく、その結果、機能的プライマー結合部位は、環状分子中においてアダプターのアーム同士が連結される場合に、アダプター付加標的核酸の環化の際にのみ形成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、アダプター分子は、in vitroで合成された人工配列である。他の実施形態では、アダプター分子は、in vitroで合成された天然に存在する配列である。さらに他の実施形態では、アダプター分子は、単離された天然に存在する分子である。
【0040】
いくつかの実施形態では、本発明は、標的核酸を増幅するステップを含む方法である。増幅は、指数関数的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、1つの鎖のみの線形増幅、またはオリゴヌクレオチドプライマーを利用する任意の他の方法によるものであり得る。様々なPCR条件は、PCR Strategies (M. A. Innis, D. H. Gelfand,およびJ. J. Sninsky編, 1995, Academic Press, San Diego, CA)(Chapter 14); PCR Protocols : A Guide to Methods and Applications (M. A. Innis, D. H. Gelfand, J. J. Sninsky, およびT. J. White編, Academic Press, NY, 1990)に記載されている。
【0041】
いくつかの実施形態では、増幅は、上記のように、標的配列にコンジュゲートされるアダプターに存在するユニバーサルプライマー結合部位を利用する。他の実施形態では、遺伝子特異的(標的特異的)プライマーまたはプライマー対が使用される。いくつかの実施形態では、プライマーは、例えばバーコードまたは配列決定プライマー結合部位などのアダプター配列を含む5’-オーバーハングを含む。そのようなプライマーの使用により、本発明の方法におけるアダプターライゲーションのステップが省略される。
【0042】
いくつかの実施形態では、増幅は、例えば、Gyllensten U.B.およびErlich H.A. (1988) Generation of single-stranded DNA by the polymerase chain reaction and its application to direct sequencing of the HLA-DQA locus, PNAS, 85:7652において説明されているように、2つの鎖のうちの1つの鎖を過剰に生成する非対称PCRを含む。その実施形態では、一対のプライマーは、過剰量で存在する過剰プライマーと制限量で存在する制限プライマーからなる。得られる増幅は、過剰プライマーの伸長産物を表す鎖を優先的に含む。本発明の方法が非対称PCRのステップを含む場合、得られる一本鎖環は、過剰プライマーの伸長産物である1つの鎖を優先的に含む。1つの鎖の反応をさらに濃縮するために、本明細書に記載したエキソヌクレアーゼ消化のステップを使用することができる。詳細には、過剰プライマーはエキソヌクレアーゼ耐性修飾を含んでいてもよく、その結果、環化の前に、制限プライマーの伸長産物がエキソヌクレアーゼ消化により除去され得る。あるいは、過剰なプライマーは親和性捕捉部分のリガンドを含んでいてもよく、その結果、過剰プライマーの伸長産物が親和性捕捉部分を使用して捕捉され、さらなる分析のために保持され得る。さらに別の代替案において、制限プライマーは親和性捕捉部分のリガンドを含んでいてもよく、その結果、制限プライマーの伸長産物は親和性捕捉部分を使用して捕捉され、除去することができ、一方、過剰プライマーの産物はさらなる分析のために反応混合物中に保持される。
【0043】
いくつかの実施形態では、本発明は、標的核酸へのバーコードの導入を含む。個々の分子の配列決定は、典型的には、例えば、米国特許第7,393,665号、同第8,168,385号、同第8,481,292号、同第8,685,678号および同第8,722,368号に記載されているような分子バーコードを必要とする。ユニーク分子バーコードは、典型的にはin vitro操作の最も早いステップ中に、試料、例えば患者の試料中のそれぞれの分子に付加される短い人工配列である。バーコードは、分子およびその後代をマークする。ユニーク分子バーコード(UID)は、複数の用途を有する。バーコードは、試料中の個別のそれぞれの核酸分子を追跡して、例えば、生検を行うことなく、がんを検出およびモニターするために、患者の血液中の循環腫瘍DNA(ctDNA)分子の存在および量を評価することができる。米国特許出願第14/209,807号および同第14/774,518号を参照されたい。ユニーク分子バーコードは、配列決定のエラー修正に使用することもできる。単一の標的分子の全後代が同じバーコードでマークされ、バーコード付けされたファミリーを形成する。バーコード付けされたファミリーのすべてのメンバーにより共有されてはいない配列のバリエーションは、アーチファクトであって、真の変異ではないものとして廃棄される。ファミリー全体が元の試料中の単一分子を表すため、バーコードは位置的重複除去および標的定量化にも使用することができる。同文献を参照されたい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態では、アダプターは、1つまたは複数のバーコードを含む。バーコードは、試料が混合(多重化)されている試料の供給源を同定するために使用される多重試料ID(MID)であり得る。またバーコードは、元の各分子とその後代を同定するために使用されるUIDとしても機能し得る。バーコードはまた、UIDとMIDの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、単一のバーコードがUIDとMIDの両方として使用される。
【0045】
いくつかの実施形態では、各バーコードは、所定の配列を含む。他の実施形態では、バーコードは、ランダム配列を含む。バーコードは、1~20ヌクレオチド長であり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、本方法は、アダプター付加標的核酸の鎖を分離するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、分離された鎖の両方が、下流の分析、例えば、配列決定のために保持される。2つの鎖は、物理的手段、すなわち、アルカリ変性または熱変性によって分離することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、鎖は、例えば、ヌクレアーゼによる1つの鎖の選択的分解によって、酵素的に分離される。いくつかの実施形態では、エキソヌクレアーゼは、5’→3’活性を有する。有利には、1つの鎖のみがエキソヌクレアーゼ消化を受けやすくすることができ、一方、第2の鎖はエキソヌクレアーゼから保護され、いずれの特性も鎖中に存在する修飾ヌクレオチドによって付与される。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは5’-リン酸化末端ヌクレオチドであり、エキソヌクレアーゼは5’-リン酸化鎖を消化するラムダエキソヌクレアーゼであるが、非リン酸化鎖はその後のステップのために保持される。他の実施形態では、修飾ヌクレオチドはホスホロチオエート基を含み、エキソヌクレアーゼは、非修飾鎖を消化するT5およびT7エキソヌクレアーゼから選択されるが、修飾鎖は、その後のステップのために保持される。
【0048】
他の実施形態では、1つの鎖は、親和性捕捉を介して保持のためにマークされる。例えば、増幅プライマーの一方は、鎖が親和性捕捉部分によって(例えばストレプトアビジンを介して)捕捉され保持されるが、相補鎖は廃棄することができる親和性リガンド(例えばビオチン)を含み得る。いくつかの実施形態では、親和性捕捉は、固体担体に結合した親和性分子(例えばストレプトアビジン)を利用する。固体担体は、溶液中の懸濁(例えば、ガラスビーズ、磁気ビーズ、ポリマービーズもしくは他の同様の粒子)、または固相担体(例えば、シリコンウエハー、ガラススライドなど)が可能であり得る。液相担体の例としては、超常磁性球状ポリマー粒子、例えば、DYNABEADS(商標)磁気ビーズ、または米国特許第656568号、同第6274386号、同第7371830号、同第6870047号、同第6255477号、同第6746874号および同第6258531号に記載されているような磁気ガラス粒子が挙げられる。
【0049】
いくつかの実施形態では、鎖分離は、一本鎖結合タンパク質、例えば、細菌SSB、低複雑度DNA Ct DNA(反復配列に富んだDNA)、またはアルカリ、グリセロール、尿素、DMSOもしくはホルムアミドなどの化学物質から選択される様々な薬剤によって増強される。
【0050】
本方法は、一本鎖核酸を環化するステップをさらに含む。ライゲーションのステップは、核酸の5’-リン酸基と3’-OH基の間の反応を触媒することが可能なリガーゼを利用する。いくつかの実施形態では、リガーゼは、鋳型非依存性ライゲーションが可能なDNAまたはRNAリガーゼ、例えば、国際公開第2010094040号パンフレットに記載されているウイルスリガーゼなどである。さらに、非酵素試薬を使用して、例えば、米国特許出願公開第20140193860号に記載されているように、プライマー伸長産物の5’-リン酸とアダプターの3’-OHの間にホスホジエステル結合を形成することができる。いくつかの実施形態では、リガーゼは、熱安定性一本鎖RNAまたはDNAリガーゼ、例えば、サーモファージリガーゼまたはその誘導体、例えば、Circligase(商標)およびCircligase(商標)II(Epicentre Tech.、Madison、Wisc.)である。いくつかの実施形態では、スプリントを使用して、二本鎖リガーゼ、例えば、T4リガーゼ活性を可能にする。スプリントオリゴヌクレオチドは、ヘッドトゥーテールで配置されたアダプターの両方の鎖に相補的である。
【0051】
いくつかの実施形態では、本発明は、反応混合物から線状(非環状)核酸を除去し、環状核酸を濃縮するエキソヌクレアーゼ消化のステップを含む。線状核酸は、環化されていない標的核酸鎖、未使用のプライマーおよびアダプターを含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、エキソヌクレアーゼは、一本鎖特異的エキソヌクレアーゼ、二本鎖特異的エキソヌクレアーゼまたはそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、エキソヌクレアーゼは3’→5’活性を有する。エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIIIおよびエキソヌクレアーゼVIIのうちの1つまたは複数であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の配列決定の準備ができた環状一本鎖標的核酸のライブラリーを作製する方法、およびその方法によって得られるライブラリーである。詳細には、ライブラリーは、試料中に存在する核酸に由来する環状一本鎖の収集物を含む。ライブラリーの一本鎖環状分子は、アダプター配列と連結した標的配列を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、本発明は、核酸配列決定によって試料中の標的核酸を検出することを含む。試料中のすべての核酸を含む複数の核酸は、本発明の鋳型構造に変換され、配列決定され得る。いくつかの実施形態では、一本鎖環状分子のライブラリーは、核酸配列決定に供することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、本方法は、配列決定読み取りの質および長さを改善するために、損傷または分解された標的を除去するステップをさらに含む。このステップは、そのような損傷した標的核酸を分解するために、ウラシルDNA N-グリコシラーゼ(UNGまたはUDG)、APヌクレアーゼ、および8-オキソグアニンDNAグリコシラーゼとしても知られているFpg(ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ)の1つまたは複数と反応混合物とを接触させることを含み得る。
【0056】
上記のように、アダプターまたは標的特異的プライマーは、各鎖の配列決定読み取りを開始することができる配列決定プライマー結合部位を含み得る。
【0057】
配列決定は、当技術分野で公知の任意の方法で実施することができる。特に有利であるのは、環状標的核酸を読み取ることができるハイスループット単一分子配列決定である。そのような技術の例としては、SMRT(Pacific Biosciences、Menlo Park、Cal.)を利用するPacific BioSciencesプラットフォーム、またはナノポアテクノロジーを利用するプラットフォーム、例えば、Oxford Nanopore Technologies (Oxford、UK)もしくはRoche Sequencing Solutions (Roche Genia、Santa Clara、Cal.)によって製造されたようなもの、および合成による配列決定を含むか否かを問わない任意の他の現在存在するDNA配列決定技術または今後のDNA配列決定技術が挙げられる。配列決定のステップでは、プラットフォーム特異的配列決定プライマーを利用することができる。これらのプライマーの結合部位は、本明細書に記載の本発明の方法において、すなわち、第2のアダプターまたは増幅プライマーの一部であることにより導入され得る。
【0058】
分析およびエラー修正
いくつかの実施形態では、配列決定のステップは、配列アライニングのステップを含む配列解析を含む。いくつかの実施形態では、アライニングを使用して、複数の配列、例えば、同じバーコード(UID)を有する複数からのコンセンサス配列を決定する。いくつかの実施形態では、バーコード(UID)を使用して、すべてが同一のバーコード(UID)を有する複数の配列からコンセンサスを決定する。他の実施形態では、バーコード(UID)を使用してアーチファクトを排除し、すなわち、同一のバーコード(UID)を有する一部の配列中に存在するがすべての配列中に存在するわけではないバリエーションを排除する。PCRエラーまたは配列決定エラーに起因するそのようなアーチファクトを排除することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、試料中の各配列の数は、試料中の各バーコード(UID)を有する配列の相対的な数を定量化することにより定量化することができる。各UIDは、元の試料中の単一分子を表し、各配列バリアントに関連した異なるUIDをカウントすることによって、元の試料中の各配列の割合を決定することができる。当業者は、コンセンサス配列を決定するのに必要な配列読み取りの数を決定することができる。いくつかの実施形態では、適切な数は、正確な定量的結果に必要なUIDあたりの読み取り(「配列深度」)である。いくつかの実施形態では、所望の深度は、UIDあたり5~50の読み取りである。
【0060】
図1に示すように、本方法の一実施形態は、アダプター、例えばY型アダプターを標的分子または標的分子のライブラリーに連結することを含む。アダプターは、試料ID(SID)またはユニーク分子ID(UID)などのバーコードおよび配列決定プライマー結合部位を含み得る。さらに、アダプター分子の5’-末端がリン酸化されてライゲーションのステップが可能になる。次のステップにおいて、鎖は分離され、物理的(温度)手段または化学的(アルカリ)手段のいずれかにより一本鎖形状で維持される。一本鎖の状態は、一本鎖結合タンパク質、例えば細菌SSBなどの一本鎖安定化剤の存在によってさらに増強され得る。また鎖は、エキソヌクレアーゼで一方の鎖を除去することによって分離することもできる。次のステップにおいて、一本鎖は、一本鎖リガーゼ、または一本鎖の5’-リン酸および3’-OHを連結することができる類似した試薬の助けを借りて、自己連結(環化)される。いくつかの実施形態では、スプリントを使用して、二本鎖リガーゼ、例えば、T4リガーゼ活性を可能にする。直鎖状コンカテマー、過剰アダプター、または不必要な標的核酸などの望ましくない副産物は、例えば、遊離の5’および3’-末端を有することにより影響を受けやすいエキソヌクレアーゼ消化によって除去される。エキソヌクレアーゼVIIとエキソヌクレアーゼIIIの組合せを使用してもよい。得られる環状一本鎖標的核酸または環状一本鎖標的核酸のライブラリーは、配列決定プライマーをアダプター配列のプライマー結合部位にアニーリングすることによって配列決定される。
【0061】
図2に示すように、本方法の一実施形態は、アダプター、例えばY型アダプターを標的分子または標的分子のライブラリーに連結することを含む。アダプターは、試料ID(SID)またはユニーク分子ID(UID)などのバーコードおよびプライマー結合部位を含み得る。次のステップにおいて、連結されたアダプター付加標的分子またはアダプター付加標的分子のライブラリーは、プライマー結合部位に相補的なユニバーサルプライマーを使用して増幅される。プライマーは、ライゲーションのステップを可能にするためにリン酸化5’末端を含む。次のステップにおいて、鎖は分離され、物理的(温度)手段または化学的(アルカリ)手段のいずれかにより一本鎖形状で維持される。一本鎖の状態は、一本鎖結合タンパク質、例えば細菌SSBなどの一本鎖安定化剤の存在によってさらに増強され得る。また鎖は、エキソヌクレアーゼで一方の鎖を除去することによって分離することもできる。プライマーの1つは、プライマーおよびプライマー伸長産物(すなわち、アンプリコン鎖)のエキソヌクレアーゼ消化を阻止する修飾を含み得る。あるいは、プライマーのうちの1つは、プライマーおよびアンプリコン鎖のエキソヌクレアーゼ消化を可能にする修飾を含み得る。次のステップにおいて、残りの一本鎖は、一本鎖リガーゼ、または一本鎖の5’-リン酸および3’-OHを連結することができる類似した試薬の助けを借りて、またはスプリントオリゴヌクレオチドにより促進される二本鎖リガーゼを用いて自己連結(環化)される。直鎖状コンカテマー、過剰アダプター、またはアダプターを欠いている標的核酸などの望ましくない副産物は、例えば、遊離の5’および3’-末端を有することにより影響を受けやすいエキソヌクレアーゼ消化によって除去される。得られる環状一本鎖標的核酸または環状一本鎖標的核酸のライブラリーは、配列決定プライマーをアダプター配列のプライマー結合部位にアニーリングすることにより配列決定される。
【実施例
【0062】
実施例1.環状一本鎖非増幅ライブラリーの調製および配列決定。
配列決定ライブラリーは、図1に示す方法に従って、500ngまたは1ugの大腸菌(E. coli)ゲノムDNAから調製した。ライブラリーは、Pacific BioSciences RSII配列決定プラットフォームに特異的なアダプターを含んでいた。エキソヌクレアーゼ耐性の(おそらくは環状)物質は、Bioanalyzer RNA picoアッセイを使用して分析した。最終的なライブラリー収量は、開始DNA質量の10~20%であった。
【0063】
得られたライブラリーをPacific BioSciences RSIIプラットフォーム(Pacific BioSciences、Menlo Park、Cal.)で配列決定した。結果を図4および図5に示す。
【0064】
図1に記載の一本鎖環状ライブラリーに加えて、2つのタイプの対照を調製した:1)ヘアピンアダプターを使用して調製した従来の二本鎖ライブラリー;および2)図1の方法により調製したライブラリーであるが、変性ステップをスキップし、それにより対照1と同様の二本鎖環状鋳型を再形成する。すべてのライブラリーは、Pacific Biosciences RSIIプラットフォームで配列決定した。予想通りに、対照は約80%の二本鎖DNAと1%未満の一本鎖DNAを含んでいたが(図4)、本発明の方法に従って調製したライブラリーの約40%は1つの鎖のみを含んでいた。(図5)。
【0065】
ナノポアベースの配列決定プラットフォーム(Roche Genia)に特異的なアダプターを含むライブラリーを使用して、実験を繰り返した。ライブラリーをRSIIで配列決定したところ、30%(SSBあり)および61%(SSBなし)が一本鎖であったことが示された。対照ライブラリーには、1%未満の一本鎖DNAが含まれていた。(図6)。
【0066】
実施例2.環状一本鎖PCR増幅ライブラリーの調製および配列決定。
配列決定ライブラリーは、図2に示す方法に従って、500ngまたは1ugの大腸菌ゲノムDNAから調製した。ライブラリーは、Pacific BioSciences RSII配列決定プラットフォームに特異的なアダプターを含んでいた。アダプター付加核酸は、表1のプライマー対のうちの一対で増幅した。
【0067】
【表1】
【0068】
配列番号2を4つのホスホチオエートヌクレオチドに組み込み、プライマー伸長から生じる鎖にT7エキソヌクレアーゼ耐性を付与した。配列番号4を5’-リン酸に組み込み、プライマー伸長から生じる鎖に対するラムダエキソヌクレアーゼによる消化を促進させた。増幅産物は、(プライマーに応じて)T7エキソヌクレアーゼまたはラムダエキソヌクレアーゼのいずれかで処理した。DNA収量を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
得られるライブラリーをRSIIプラットフォームで配列決定した。結果を図7(T7エキソヌクレアーゼ)および図8(ラムダエキソヌクレアーゼ)に示す。
【0071】
実施例1と実施例2を組み合わせた結果を表3にまとめる。
【0072】
【表3】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
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