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特許7096912機械的変化を早期に検出するセンサシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】機械的変化を早期に検出するセンサシステム
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20220629BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
G08C17/00 Z
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2020564358
(86)(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 EP2019057630
(87)【国際公開番号】W WO2019219281
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-01-05
(31)【優先権主張番号】102018111998.4
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516098579
【氏名又は名称】マック ライズ ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Mack Rides GmbH & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリートベルガー アンドレアス
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0291802(US,A1)
【文献】特開平10-111267(JP,A)
【文献】特開昭60-209137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 13/00-99/00
G08C 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的変化、特に材料の疲労と摩耗を早期に検出するためのセンサシステム(1)であって、
受入領域(21)を有するセンサハウジング(2)と、
センサヘッド(4)と、
を有し、
前記センサヘッド(4)は、前記センサハウジング(2)の前記受入領域(21)に保持され、少なくとも部分的に前記センサハウジング(2)から突き出ており、
前記センサヘッド(4)は、少なくとも1つの測定導体(50)を備えた破損体(40)を含み、
前記少なくとも1つの測定導体(50)は、前記センサハウジング(2)内の少なくとも1つの測定電子回路(25)によって電気的に接続されており、
前記少なくとも1つの測定導体(50)の電気抵抗は、前記測定電子回路(25)によって検出可能である
センサシステム(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサシステム(1)であって、
前記破損体(40)が電気絶縁材料でできており、前記少なくとも1つの測定導体(50)が前記破損体(40)の中又は前記破損体(40)上に接触ループ(51)として配置されていることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のセンサシステム(1)であって、
前記測定導体(50)と前記測定電子回路(25)との間の少なくとも1つの電気接続(35)がプラグ接続であることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記センサヘッド(4)は、前記電気的接続(35)により前記センサハウジング(2)の前記受入領域(21)に形状を組み合わせること及び/又は力が加えられることで保持されることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記センサハウジング(2)と前記センサヘッド(4)との間の前記受入領域(21)にガイド(7)が設けられ、前記ガイド(7)が衝撃を減衰させる材料でできていることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記破損体(40)が脆性材料、好ましくはセラミック材料又はガラスでできていることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記破損体(40)が弾性材料、好ましくはゴム、特に硬質ゴムでできていることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記破損体(40)は、壁(41)を備えたアンプルを有し、前記壁(41)は、媒体(6)を有する容器を取り囲むことを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項9】
請求項8に記載のセンサシステム(1)であって、
前記少なくとも1つの測定導体(50)が前記壁(41)の中又は前記壁(41)上において延びていることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のセンサシステム(1)であって、
前記媒体(6)は導電性を有し、前記少なくとも1つの測定導体(50)は、第1の電極(52)及び第2の電極(53)から形成され、これらは、前記破損体(40)内で互いに離間して突出していることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記媒体(6)が液体及び/又は気体を含み、前記媒体(6)が視覚的及び/又は光学的及び/又は嗅覚的に知覚可能なマーカを有していることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項12】
請求項8乃至請求項11の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記媒体(6)が、注ぐことができる粒状又は塊状の混合物を含むことを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項13】
請求項8乃至請求項12の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記媒体(6)が前記センサヘッド(4)の中で加圧されていることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記センサヘッド(4)が実質的に円筒形状であり、前記センサヘッド(4)が前記受入領域(21)において前記センサハウジング(2)によって放射方向に部分的に囲まれていることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記センサハウジング(2)は、少なくとも1つの取付手段(30)を有し、前記少なくとも1つの取付手段(30)は、前記センサハウジング(2)を、少なくとも1つの監視すべき構成部品に取り付けるように構成されていることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項16】
請求項15に記載のセンサシステム(1)であって、
前記少なくとも1つの取付手段(30)が雄ねじを有することを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項17】
請求項1乃至請求項16の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記センサハウジング(2)は、アミューズメント乗り物の監視回路に接続されるように構成されたセンサケーブル接続部(26)を有することを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項18】
請求項1乃至請求項17の何れか一項に記載のセンサシステム(1)であって、
前記測定電子回路(25)が無線ユニット(28)を有し、前記無線ユニット(28)によって前記少なくとも1つの測定導体(50)の前記電気抵抗を無線で照会することができることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項19】
請求項18に記載のセンサシステム(1)であって、
前記無線ユニット(28)は、制御及び読み出しが可能なRFIDチップであることを特徴とするセンサシステム(1)。
【請求項20】
請求項1乃至請求項19の何れか一項に記載のセンサシステムのセンサヘッド(4)であって、
前記センサヘッド(4)が、少なくとも1つの測定導体(50)を備えた破損体(40)を有するセンサヘッド(4)。
【請求項21】
請求項20に記載のセンサヘッド(4)であって、
前記破損体(40)が電気絶縁材料でできており、前記少なくとも1つの測定導体(50)が接触ループ(51)として前記破損体(40)の中又は前記破損体(40)上に配置されていることを特徴とするセンサヘッド(4)。
【請求項22】
請求項20又は請求項21に記載のセンサヘッド(4)であって、
前記破損体(40)が脆性材料、好ましくはセラミック材料又はガラスでできているか、又は、前記破損体(40)が弾性材料、好ましくはゴム、特に硬質ゴムでできていることを特徴とするセンサヘッド(4)。
【請求項23】
請求項20乃至請求項22の何れか一項に記載のセンサヘッド(4)であって、
前記破損体(40)は、壁(41)を有し、前記壁(41)は、媒体(6)を取り囲むことを特徴とするセンサヘッド(4)。
【請求項24】
請求項20乃至請求項23の何れか一項に記載のセンサヘッド(4)であって、
前記媒体(6)は導電性を有し、前記少なくとも1つの測定導体(50)は、第1の電極(52)及び第2の電極(53)から形成され、これらは、アンプル(40)内で互いに離間して突出していることを特徴とするセンサヘッド(4)。
【請求項25】
請求項23又は請求項24に記載のセンサヘッド(4)であって、
前記媒体(6)が液体であり、前記媒体(6)が視覚的及び/又は光学的及び/又は嗅覚的に知覚可能なマーカを有していることを特徴とするセンサヘッド(4)。
【請求項26】
請求項1乃至請求項17の何れか一項に記載のセンサシステム(1)を有するアミューズメント乗り物。
【請求項27】
請求項18又は請求項19に記載のセンサシステム(1)を有するアミューズメント乗り物。
【請求項28】
請求項27に記載のアミューズメント乗り物であって、
前記センサシステム(1)の前記無線ユニット(28)と通信するように構成された少なくとも1つの無線読取装置が設けられていることを特徴とするアミューズメント乗り物。
【請求項29】
請求項26乃至請求項28の何れか一項に記載のアミューズメント乗り物であって、
前記破損体(40)から流れ出る媒体(6)を光学的に検出するように構成された少なくとも1つのカメラが設けられていることを特徴とするアミューズメント乗り物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴を有する、機械的変化を早期に検出するためのセンサシステムに関し、例えば乗り物の安全性を高めるのに役立つ。また、本発明は、センサシステムのための、請求項20に係るセンサヘッドと、そのようなセンサシステムを備えた請求項26に係るアミューズメント乗り物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、安全性を向上させるためのセンサシステムは、さまざまな構成で知られている。従来から知られているそのようなセンサシステムは、例えば、材料の摩耗又は疲労により発生する機械的変化を検出する。この目的で使用されるセンサは、アミューズメント乗り物の少なくとも1つの機械的負荷又は機械的変化を記録し、記録された値をデータベースに保存されている参照値と比較する。例えば、摩耗や疲労によって機械的負荷の変化が発生した場合、これらの変化はセンサによって早期に認識される。代替的に、そのようなセンサシステムは、第1の構成要素および冗長構成要素から形成されることができ、センサシステムは、冗長構成要素が負荷を引き継ぐ際に電気接点を開閉することによって第1の構成要素の故障を検出する。このようなセンサシステムは、たとえば特許文献1(DE 10 2014 114 338 A1)によって知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】DE 10 2014 114 338 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来技術の不利な点は、アミューズメント乗り物の安全性を高めるための既知のセンサシステムが、障害の状態を検出するために、例えばケーブルを介してアミューズメント乗り物の監視回路に接続されたセンサシステムに電圧を供給する電源を必要とすることであることが明らかになっている。特に、移動する車両、客室、フローティング体などを備えた、例えばジェットコースタ又はウォータライドなどのアミューズメント乗り物においては、先行技術から知られているセンサシステムでは、センサシステムの決められた機能を確実にし、検出された信号をアミューズメント乗り物の監視回路に伝送するために、しばしば電圧源を一緒に移動させる必要がある。アミューズメント乗り物の安全性を高めるためのこのようなセンサシステムは、コストがかかることが明らかになっており、車両、客室、またはフローティング体の重量も増加し、さらに不利になる。
【0005】
したがって、本発明の目的は、機械的変化、特に材料の疲労および摩耗を早期に検出するための、したがって、例えば、乗車の安全性を高めるためのセンサシステムを提供することであり、これにより、従来技術から知られているセンサシステムの欠点が排除される。特に、安全性を高めるセンサシステムは、電圧源に接続せずに駆動でき、特にアミューズメント乗り物で、材料に依存しない機械的変化を検出できる必要がある。
【0006】
例えば、アミューズメント乗り物の部品の大部分は通常、金属材料で作られているが、アミューズメント乗り物の大部分の部品又は全体がプラスチックや木材などの非金属材料で作られたアミューズメント乗り物もある。本発明のセンサシステムは、すべての材料において機械的変化を制限なしに検出するために使用可能である。
【0007】
センサシステムはまた、機械的変化、特に材料の疲労と摩耗の冗長な検出を可能にする必要があり、この冗長な検出は、さまざまな測定方法で検出され得る。これにより、アミューズメント乗り物で検出された機械的変化を互いに独立して検証できるため、誤った検出が減少し、全体としてアミューズメント乗り物の安全性の向上に貢献する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載のセンサシステム、請求項20に記載のセンサヘッド、及び請求項26の特徴を備えたアミューズメント乗り物によって達成される。従属する請求項は、本発明の有利な展開に関する。
【0009】
機械的変化を早期に検出するための本発明によるセンサシステムは、受入領域及びセンサヘッドを備えたセンサハウジングを含み、センサヘッドは、センサハウジングの受入領域に保持され、少なくとも部分的にセンサハウジングを越えて突出している。センサハウジングは、雄ネジを備えた回転対称の特殊鋼管として構成することができ、雄ネジは、より好ましくはメートルネジであり、センサハウジング内の受入領域は、同軸に形成された止まり穴のように構成される。さらに、センサヘッドは、測定導体を備えた少なくとも1つの破損体を備えている。破損体は、好ましくは、弾性体又は脆性体である。少なくとも1つの測定導体は、センサハウジングに配置された測定電子回路に電気的に接続され、センサハウジングに配置された測定電子回路は、センサヘッドの測定導体の電気抵抗を検出する。センサヘッドの破損体が、少なくとも一部の領域で受入領域から突き出ており、この領域で監視対象の部品で発生する機械的変化にむき出しの状態でさらされるように、センサヘッドとセンサハウジングの受入領域の大きさが互いに調整されている。監視対象の部品に機械的変化が生じた場合には、破損体が破壊又は変形し、測定導体の電気抵抗が変化すること、又は、測定導体の導電性が失われることにより、監視対象の部品の機械的変化を電気信号で検出することができる。この目的のために、測定電子回路は、好ましくは、両端で測定導体に接続されている。測定電子回路は、測定導体の両端との電気接続を介して電気抵抗の変化を検出することを可能にする。この目的のために、測定導体は測定体に結合されている。
【0010】
さらに、少なくとも1つの測定導体がRFID送信機/受信機システムに接続され、又は従来のフィードバック回路又は緊急停止回路に接続されるようにすることも可能である。
【0011】
本発明のさらに有利な実施形態では、センサヘッドの破損体が電気絶縁材料でできており、少なくとも1つの測定導体が破損体の中または破損体上で接触ループとして延びている。少なくとも1つの測定導体は、好ましくは、破損体上で配置され、成形され、又は嵌め込むことができ、破損体は、測定導体を機械的影響から保護し、測定導体と隣接する構成部品との間の短絡を防止する。
【0012】
さらに、少なくとも1つの測定導体は、媒体とは反対側を向いた壁の表面に配置することができ、好ましくは、保護層が、壁に設けられ、この保護層は、測定導体または接触ループを保護し、これらを電気的に絶縁して、さらに壁に固定する。
【0013】
さらに、電気材料の形の少なくとも1つの測定導体を、破損体上又はその壁の中に配置することができる。
【0014】
好ましくは、センサヘッドの少なくとも1つの測定導体とセンサハウジング内の測定電子回路との間の少なくとも1つの電気的接続が取り外し可能なプラグ接続である。これにより、センサヘッドを特に簡単な方法で交換でき、同時に、少なくとも1つの電気接続が確立される。少なくとも1つの電気接続は、好ましくは、センサハウジングの受入領域に配置される。センサヘッドの交換は、ユニットシステムによって実装することもできる。センサハウジングは標準的な構成部品とし、センサヘッドをそれぞれの場合に、意図された用途に適合する構成部品とすることができ、センサヘッドは、その寸法、すなわち、センサヘッドがセンサハウジングの受入領域から突出している程度、及び破損体の強度、選択された媒体を変えることができる。破損体の強度が高く構成されている程、監視対象の部品の検出される機械的変化は強くなければならない。
【0015】
センサヘッドは、電気接点で、形状が組み合わせること及び/又は力が加えられることでセンサハウジングの受入領域に保持されることがさらに好ましく、その結果、電気接点以外に、受入領域にセンサヘッドをロックするためのさらなる固定手段が必要ない。
【0016】
本発明のさらに有利な実施形態では、ガイドがセンサハウジングとセンサヘッドとの間の受入領域に設けられ、それによってセンサヘッドが振動機械的にセンサハウジングから切り離されるか、又は衝撃が減衰されるように支持されて保持される。ガイドは、エラストマ又はゴム弾性ポリマから形成されることが好ましく、ガイドは、センサヘッドにクランプ力を加えることがより好ましい。ガイドのクランプ力により、センサヘッドが受入開口部に保持される。ガイドは、硬度70ショアの衝撃減衰材料で形成されるのが特に好ましい。さらに、ガイドは、センサヘッドとセンサハウジングの機械的相互作用、例えばアミューズメント乗り物の監視対象の部品の振動による破損体の故障を防ぐ。
【0017】
また、破損体が脆性材料でできている場合にも有利である。特に、破損体がセラミック材料、ガラス又はガラスセラミックから作られている場合にも有利であることが判明している。特に、ガラスは機械的、電気的、化学的特性に優れており、このような破損体を備えたセンサヘッドもさまざまなサイズで安価に製造できるため、材料としてガラスが好ましい。ただし、破損体を構成する材料又は材料の組み合わせは、任意に選択可能である。例えば、プラスチックも使用できる。
【0018】
破損体は、好ましくは、弾性材料、例えばプラスチックで作ることができ、または特にゴム、硬質ゴムなどの弾性材料を使用することができる。
【0019】
破損体がアンプルとして構成され、媒体を囲む壁を有すると、さらに有利であることが判明している。壁は、破損体が入った容器を形成することができる。媒体は、例えば、光学的及び/又は視覚的及び/又は音響的及び/又は嗅覚的測定方法のための指標として使用することができる。これにより、監視対象の部品の機械的変化の光学的及び/又は視覚的及び/又は音響的及び/又は嗅覚的に早期検出が可能になる。本発明において、密閉された容器とは、初期状態、すなわち、破壊、又は変形していない状態で、封入された媒体を密閉、すなわち、拡散せずに保管するように構成される容器を意味すると理解される。さらに、本発明において、媒体はさらに、凝集の固体、液体または気体状態の任意のタイプで、流動性及び/又は注入性を有する媒体を意味すると理解され得る。固体状態の媒体は、粒状又は塊状の混合物を含む場合、注入性を有する。
【0020】
本発明の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの測定導体は、破損体又はアンプルの壁の中又は壁上に配置される。壁は測定導体を機械的影響から保護し、測定導体と隣接する部品との間の短絡を壁によって防ぐことができる。
【0021】
さらに、破損体又はアンプル内の媒体が導電性を有し、少なくとも1つの測定導体が少なくとも1つの第1の電極及び少なくとも1つの第2の電極から形成されると有利であると判明している。第1の電極及び第2の電極は、互いに離れて破損体内に配置され、媒体内に突出している。したがって、少なくとも1つの第1の電極と少なくとも1つの第2の電極との間の電気抵抗は、センサハウジング内の測定電子回路によって検出することができる。監視対象の部品の機械的変化により破損体が破壊された場合、媒体が破損体から流出し、少なくとも1つの第1電極と少なくとも1つの第2電極との間の電気抵抗が変化し、それにより部品の機械的変化を電気的に検出することができる。
【0022】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、破損体又はアンプル内の媒体は、液体及び/又は気体である。より好ましくは、破損体によって形成されたアンプル内の媒体は、光学的及び/又は視覚的及び/又は嗅覚的に知覚可能なマーカを備えており、破損体が破壊された場合、媒体と一緒に流出し、注ぎ出され、又は、大量に流れ出し、少なくとも1つの監視されるべき部品をマークする。マーカによるマーキングは、たとえばカメラを使用して視覚的に、または乗り物のサービスマンが視覚的に読み取るか、監視することができる。嗅覚の観点から、マーカは、サービスマンが感覚的に知覚できる臭いを放出し、又は動物、例えば昆虫の誘引剤として機能し、それがマーカとして機能し得る。隣接するセンサシステムの液体には、異なる光学的及び/又は視覚的及び/又は嗅覚的なマーカを提供することができ、隣接するセンサシステムの区別をすることができる。媒体には、化学反応を引き起こすように構成された化学添加物を含めることもでき、その結果、知覚の改善を達成することができる。このような化学添加剤は、例えば、イオン性流体であってもよい。媒体はさらに、非ニュートン流体又は熱流体を含むことができる。媒体はまた、例えば、煤煙ガス、煤煙粉末又は爆鳴気、又は、例えば、芳香剤等の臭気の強い添加物であり得、芳香剤は、例えば、快又は不快であると認識される精油が使用される。たとえば、通称「悪臭爆弾」として知られている硫化水素、または「ペッパースプレー」として知られている防御物質を使用することができる。
【0023】
さらに、本発明によれば、媒体は、全体的又は部分的に注ぐことができ、固体凝集状態の粒状又は塊状の混合物を含むことができる。媒体は、例えば、ガラス、セラミック、プラスチック、金属粒子及び/又は金属ビーズ及び/又は金属小板を含むことができる。この全体的又は部分的に注ぐことができる媒体は、反応を引き起こし得る。
【0024】
本発明のさらなる実施形態によれば、センサヘッド内の媒体は、センサヘッドへの特定の圧力又は力が少なくとも1つの測定導体に作用し、電気接続を切断又は開放することによって電気信号を生成するように構成することができる。特に、破損体が弾性材料でできており、センサヘッドの変形する際に、導電性媒体、特に、注ぐことが可能な媒体が測定導体との接触を引き起こすことが好適であり得る。特に、注ぐことが可能な媒体が小さな金属板を含むことが好適であり得る。
【0025】
さらにセンサヘッド内の媒体が加圧されていることが好適であることが判明している。媒体の加圧により、センサヘッドの最も細かい亀裂だけで、媒体がセンサヘッドから出て、光学的及び/又は視覚的に認識できるマークを残すことを確実にできる。センサヘッド内の媒体は、例えば、数パスカルから大気圧の数倍までの超過圧を有し得る。
【0026】
本発明によるセンサシステムのさらに好ましい実施形態は、センサシステムが、少なくとも1つの測定導体の電気抵抗又は少なくとも1つの測定導体の電気伝導度を照会することができる無線ユニットを有する。無線ユニットは、センサハウジング内の別個の電気部品として配置することも、測定電子回路に統合することもできる。無線ユニットは、アミューズメント乗り物の読取装置と通信するように構成されている。
【0027】
さらに、無線ユニットが、UHF周波数を介して制御及び読み出しが可能なRFIDチップである場合は特に好ましい。それぞれの無線ユニットは、照会時に読取装置に渡される一意の識別子を持っているため、監視対象の少なくとも1つの部品の機械的変化の検出をその部品に正確に割り当てることができる。RFIDチップは、読取装置の周波数によって起動され、短時間持続する固有の電流又は電圧を生成し、この電流又は電圧は、センサヘッドの測定導体を通過する。この電流又は電圧の通過により、特別のエネルギ源を搭載する必要なしに、測定導体の電気抵抗又は電気伝導度をチェックすることができる。読取装置は信号を受信し、さらに好適には、読取装置はアミューズメント乗り物の監視回路に統合される。エラーが検出された場合、エラー信号を生成することができ、例えば、アミューズメント乗り物の緊急停止を実行することができる。
【0028】
本発明のさらに好適な実施形態は、センサヘッド及び/又はセンサハウジングが本質的に円筒形状を有しており、センサヘッドが受入領域においてセンサハウジングによって放射状に部分的に囲まれている。特に、センサヘッドや破損体の放射状の形状により、特に簡単な製造が可能である。
【0029】
さらに、好適には、センサハウジングが、監視されるべき少なくとも1つの構成部品にセンサハウジングを固定するように構成された少なくとも1つの取付手段を有する。取付手段は、監視されるべき少なくとも1つの構成部品との形状の組み合わせによる接続及び/又は力を加えることによる接続を形成することができ、本発明の意味での材料による接続は、監視されるべき少なくとも1つの構成部品にセンサハウジングを固定するために同様に使用することができる。
【0030】
取付手段は、特に好ましくは、標準化された雄ネジとして、例えば、DIN 13に準拠したメートル法のISO細ネジとして構成される。これにより、センサシステムを、大きな労力なしに搭載及び配置することができる。
【0031】
センサハウジングは、さらに、アミューズメント乗り物の監視回路に接続するように構成されたセンサケーブル接続部を有することができる。監視回路は、例えば、フィードバック回路、非常停止回路等であってもよく、測定導体は、好ましくは、常閉接点として動作し得る。さらに、ケーブルの断線を認識して読み取ることも考えられる。特に、監視回路への有線接続と、無線ユニットによる無線監視と、媒体の起こりうる光学的及び/又は視覚的検出との組み合わせは、多重冗長性を形成することができ、この多重冗長性により監視されるべき少なくとも1つの構成部品の機械的変化の誤検出を減少させることができる。
【0032】
さらに、本発明は、センサヘッドに関するものであり、ここで、センサヘッドは、測定導体を備える破損体を有する。破損体は、好ましくは、破砕しやすい材料、好ましくはガラス又はセラミック、または変形しやすい材料、例えばゴムのいずれかで形成され、中が詰まった又は中空の容積体であり、さらに好ましくは、長手方向に沿って円筒状に形成され、一端において破損体脚部が形成され、他端において破損体頭部が形成されていることが好ましい。破損体脚部はセンサハウジングに結合するように構成されており、破損体頭部は、監視すべき少なくとも1つの部品の方向に少なくとも一部の領域で突き出るように構成されている。
【0033】
さらに、好適には、センサヘッドの測定導体が接触ループとして構成され、接触ループは、U字形の導電体から形成され、U字形の導電体は、本質的に破損体足部から破損体頭部まで往復するように破損体の中、壁の中、破損体上又は壁上に伸びる。導電体の自由端はそれぞれ、接点に接続されており、この接点は、電気接続によってセンサハウジング内の測定電子回路に電気的に接続されるように構成されている。
【0034】
本発明によれば、好適には、破損体が媒体を取り囲む壁を有する。媒体は、すでに詳細に説明したように、光学的及び/又は視覚的及び/又は音響的及び/又は嗅覚的な測定方法の指標として使用することができる。破損体の壁は、媒体を囲む容器を形成する。
【0035】
さらに、好適には、破損体又はアンプルに封入された媒体が導電性を有し、少なくとも1つの測定導体が少なくとも1つの第1の電極及び少なくとも1つの第2の電極から形成される。第1の電極と第2の電極は、破損体において互いに間隔を置いて配置され、媒体内に突出している。したがって、少なくとも1つの第1の電極と少なくとも1つの第2の電極との間の電気抵抗は、センサハウジング内の測定電子回路によって検出することができる。破損体が破壊されると、媒体が破損体から出て、少なくとも1つの第1の電極と少なくとも1つの第2の電極との間の電気的接続が遮断される。
【0036】
好適には、センサヘッド内の媒体がマーカを有している。マーカは、特に好ましくは、視覚的及び/又は光学的に検出可能な手段である。マーカは、媒体が蛍光性を有するものであることがより好ましい。
【0037】
センサヘッド又は破損体の媒体が加圧されている場合には、より好適であることが判明している。
【0038】
センサヘッドの別の実施形態では、測定電子回路及び/又は無線ユニットが、センサヘッドに接して、又はセンサヘッド内に配置されている。さらに、測定電子回路は、破損体又はアンプルの壁上又は壁の中に配置され得る。
【0039】
本発明の別の態様は、本発明による少なくとも1つのセンサシステムを備えたアミューズメント乗り物に関する。本発明によるセンサシステムは、アミューズメント乗り物の製造中に監視されるべき少なくとも1つの構成部品に取り付けられるか、若しくは、既存のアミューズメント乗り物の監視されるべき少なくとも1つの構成部品にケーブル接続の大きな労力なしに後付けされ得る。
【0040】
本発明の別の好適な実施形態では、アミューズメント乗り物の安全性を高めるためにセンサシステムの無線ユニットと通信するように構成された少なくとも1つの読取装置をアミューズメント乗り物が有する。読取装置は、例えば、ローラコースタの場合には、レールガイドに沿って配置され、その結果、読取装置は、車両が通過するときに、少なくとも1つの測定導体の電気抵抗又は少なくとも1つの測定導体の電気伝導率を、本発明の少なくとも1つのセンサで検出することができる。
【0041】
さらに、好適には、アミューズメント乗り物は、媒体の光学的検出が可能なカメラベースの監視システムを少なくとも1つ有する。監視システムは、より好ましくは、媒体の光学的検出のために適切な光波が生成され、それによって光波が媒体を励起して蛍光を発する放射源を有する。光源は、好ましくはUV(紫外線)光を放射し得る。
【発明の効果】
【0042】
本発明のセンサシステムでは、機械的変化、特に材料の疲労および摩耗を早期に検出し、したがって、例えば、乗車の安全性を高められる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】センサハウジング及びセンサハウジングの受入領域に挿入され、ガラスアンプルとして形成された破損体を有するセンサヘッドを備えた、本発明によるセンサシステムの第1の例示的実施形態の斜視図である。
図2図1によるセンサシステムの簡略断面図である。
図3】本発明によるセンサシステムの第2の例示的実施形態の斜視図である。
図4図3による例示的実施形態のさらなる斜視図である。
図5図1によるセンサシステムの概略的断面図である。
図6】センサヘッドのさらなる展開の概略的断面図である。
図7】アミューズメント乗り物の、レールで案内される車両への、図1に示す本発明によるセンサシステムの設置状況を概略的に示す図である。
図8図7に示すセンサシステムの設置状況の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明による本発明の2つの例示的な実施形態は、添付の図面を参照して以下に詳細に記載される。
【0045】
センサヘッド4を備えた本発明によるセンサシステム1の2つの好適な例示的実施形態およびセンサヘッド4のさらなる展開を、図1乃至図8を参照して以下に詳細に説明する。なお、機能的に同一の部品については同じ参照記号が与えられる。
【0046】
図1は、本発明によるセンサシステム1の第1の例示的な実施形態を示す図である。センサシステム1は、センサハウジング2及びセンサヘッド4を有し、センサハウジング2は、凹部として形成された受入領域21を有する中空の円筒形ハウジング本体20から形成されている。特に図2又は図5の断面図に示すように、ハウジング本体20は、長手方向軸3に対して同軸に形成され、同様に長手方向軸3に対して同軸に整列されている受入領域21を取り囲んでいる。
【0047】
センサハウジング2又はハウジング本体20は、図示される例示的実施形態では、細いねじM12xlとして構成される固定手段30を有し、これにより、センサハウジング2は、例えば、図7及び図8に示されるように、監視すべき少なくとも1つの構成要素に固定される。
【0048】
受入領域21は、ハウジング本体20の第1の端部の側に配置され、一方、センサケーブル接続部26は、ハウジング本体20の第2の端部の側に設けられる。センサケーブル接続部26により、例えば、アミューズメント乗り物の監視回路への電気的接続が確立され得る。
【0049】
センサヘッド4は、センサハウジング2の受入領域21上に配置されるか、又は凹部として構成された受入領域21に挿入され、ハウジング本体20の第1の端部から長手方向軸3に沿ってむき出しの状態で突き出している。
【0050】
センサヘッド4は、少なくとも1つの測定導体50を備えた破損体40を備え、破損体40は、アンプルとしてガラス材料から作製することができ、媒体6を囲む壁41を有することができる。あるいは、破損体40は、測定導体50を受け入れる中身の詰まったもの(図示せず)として構成することができる。
【0051】
破損体40内の媒体6は、任意の媒体、例えば、流動性の高い液体であり得る。さらに、この媒体は蛍光剤と混合することができる。
【0052】
示される例示的実施形態では、破損体40は、2つの測定導体50を有し、これらは、それぞれ、導電性U字型接触ループ51として構成されている。測定導体50又は接触ループ51は、壁41の外側、すなわち、破損体足部43と破損体頭部42との間で、媒体6とは反対の側で延びている。さらに、図1及び図2は、接触ループ51が破損体40のほぼ全長にわたって延びることを示している。
【0053】
ここで重要なのは、接触ループ51が、第1の端部の受入領域21又はセンサハウジング2からむき出しの状態で突出する特定の領域に沿って常に少なくとも部分的に延びることである。
【0054】
破損体足部43の領域において、破損体40は、接触ループ51ごとに2つの接点55を有し、これらは、測定導体50又は接触ループ51によって互いに電気的に接続されている。したがって、各測定導体50は、両端に接点55を有する。
【0055】
図2はまた、センサヘッド4が、長手方向軸3の周りに直径方向に(対蹠点に)配置された2つの接触ループ51を有することを示している。接触ループ51を保護するために、破損体40は、例えば、ガラス又はセラミックのような脆性材料で作られたコーティング44を備えている。あるいは、他の電気絶縁材料、特にプラスチック、ラッカなどをコーティング44に使用することもできる。
【0056】
センサハウジング2とセンサヘッド4との間の受入領域21には、ガイド7が設けられ、それによって、センサヘッド4は、受入領域21において衝撃減衰的に支持されるように保持される。さらに、ガイド7の寸法を適切に設定することにより、ガイド7は、センサヘッド4が受入領域21にロックされるクランプ装置23としても使用することができる。ガイド7は、好ましくは、ゴム弾性材料、例えば、約70ショアの硬度を有するエラストマ、ゴムまたはラテックス材料でできている。
【0057】
それぞれの接触ループ51は、接点55及び電気接続35によって測定電子回路25に接続されている(図5を参照)。測定電子回路25は、センサケーブル接続部26を少なくとも1つの測定導体50に接続している。測定電子回路25はまた、1つ又は複数の電気回路又は論理モジュールを有することができ、それにより、1つまたは複数の測定導体50を並列または直列に切り替えることができる。図5に示すように、測定電子回路25はまた、無線ユニット28を有することができる。
【0058】
測定電子回路25の基本的な機能は、少なくとも1つの測定導体50とセンサケーブル接続部26との間の電気接続を確立することであり、その結果、センサシステム1は、アミューズメント乗り物の監視回路を介して測定導体50の導電率又は電気抵抗を決定することができる。
【0059】
測定導体50と測定電子回路25との間の電気的接続は、プラグ接続(差し込み接続)によって実現することができ、これは、例えば、図5ではセンサハウジング2によって、図6ではセンサヘッド4によって行われる。
【0060】
図3に示される実施形態は、センサハウジング2の構成において図1及び図2に示される実施形態とは異なっている。センサハウジング2は、本質的に円筒形の本体であることは明らかであり、アミューズメント乗り物の、少なくとも1つの監視対象の部品に、例えば、接着、差し込み、又は他の何らかの方法で取り付けることができる。受入領域21は、センサハウジング2の第1の端部の端面によって形成され、センサハウジング2から4つの電気接続35が突出し、それぞれが測定導体50又は接触ループ51の一端に接続されるように調整される。
【0061】
センサヘッド4は、図1及び図2に示されるセンサヘッド4と本質的に類似して構成され、角が丸い破損体頭部42及び角が丸い破損体足部43を備えた円筒形の容器である。
【0062】
破損体40の形状は、任意に構成することができ、製造上の理由から、長手方向軸3の回転対称断面が好ましい。
【0063】
破損体40とは反対側のセンサシステム1の側面を図4に見ることができ、センサケーブル接続部26が4つの電気接続35を有し、各電気接続35が2つの接触ループ51のうちの1つの一端に接続されていることが明らかである。
【0064】
図5のセンサシステムの概略図は、センサハウジング2が無線ユニット28を有することができ、これにより、測定導体50の電気抵抗又は導電率をチェックすることができることを示している。
【0065】
図5に示される例示的な実施形態では、無線ユニット28は、無線で制御され、読取装置によって読み取られることができるRFIDチップである。RFIDチップには、一意的に識別できる識別番号又は識別子を有する。RFIDチップは、読取装置によって制御され、読み取られ、その結果、RFIDチップは、UHF周波数によって励起され、センサヘッド4の測定導体50を通過する電流を生成する。測定導体50の導電率の測定結果は、RFIDチップ28によって読取装置に転送され、読取装置は、例えば、アミューズメント乗り物の監視回路に接続されている。測定導体50の導電率に応じて、監視回路により、切り替え信号、緊急停止等を開始することができる。
【0066】
破損体40は、破損体足部43の領域に細長い破損体先端部45を有し、これは、センサハウジング2との間で力が加えられることによる結合及び/又は形状の組み合わせによる結合を生成するように構成されている。この目的のために、例えば、かご状スプリングをセンサハウジング2の受入領域21に形成してもよく、かご状スプリングは破損体先端部45をつかみ、それをしっかりとクランプし、それによりセンサヘッド4は受入領域21でセンサハウジング2に固定される。
【0067】
図6は、センサヘッド4のさらなる展開の概略的断面図を示している。センサヘッド4は、導電性の媒体6で満たされ、破損体40を形成するアンプルから作られている。センサヘッド4の少なくとも1つの測定導体50は、導電性の媒体6によって電気的に接続された第1の電極52及び第2の電極53から構成される。この目的のために、第1の電極52及び第2の電極53は、互いに分離され、アンプルの壁41内の媒体6内に間隔をあけて配置されて突出し、その結果、電流は、媒体内に突出するむき出しの電極52、53の端部の間を流れ得る。監視対象の構成部品に機械的変化が生じた場合、わずかな応力でも破損体40に亀裂が生じ、その亀裂を通して媒体が流出し、それによって第1の電極52と第2の電極53との間の電気的接続が遮断され得る。好適には、破損体40内の媒体6が加圧される。その結果、最も細かい亀裂によっても媒体6の流出が促進され、少なくとも1つの監視対象部品の機械的変化が早い段階で認識される。
【0068】
接触ループ51から形成される少なくとも1つの測定導体50と、第1の電極52、第2の電極53及び導電性媒体6によって形成される少なくとも1つの測定導体50との組み合わせが、本発明に従って提供され、測定の信頼性を高めることができる。
【0069】
アミューズメント乗り物80での、アミューズメント乗り物の安全性を高めるためのセンサシステム1の使用は、図7及び図8に示されている。
【0070】
図7及び図8は、レールによってガイドされるアミューズメント乗り物80、すなわちジェットコースタの部分断面図であり、図8に詳細に示されているように、2つのセンサシステム1が、レールによってガイドされる車両85のガイドを監視するために使用される。センサシステム1はそれぞれ、2つの隣接するガイドホイール90の間で、ガイドレール95に面する側にセンサヘッド4がセンサハウジング2からガイドレール95の方向にむき出しの状態で突出するように配置される。レールによってガイドされる車両85へのセンサシステム1の固定は、固定手段30と2つのねじ付きナット8との相互作用によって行われ、これにより、センサシステム1をレールによってガイドされる車両85上に正確に配置することができる。
【0071】
例えば、レールによってガイドされる車両85に機械的変化が生じた場合、センサヘッド4がガイドレール95と接触し、その結果、破損体40が破損又は破壊される。媒体6は、破損体40又はアンプルから流れ出て、隣接する構成部品に色付きのマーキングを残し得る。同時に、アンプル又は破損体40の壁41が破壊された場合、少なくとも1つの測定導体50が切断され、測定導体50又は接触ループ51の抵抗が無限大に近づき、すなわち測定導体50が切断のために導電しなくなる。測定導体50の遮断は電子的手段によって検出することができる一方、媒体6による着色されたマーキングは、カメラに基づいて、例えばUV光によって自動的に光学的に検出することができ、又はサービスマンの目視検査によって視覚的に検出することができる。
【0072】
したがって、本発明によれば、アミューズメント乗り物の安全性を高めるためのセンサシステム1及び異なる方法及び複数の冗長性で、監視されるべき少なくとも1つの構成部品の機械的変化を検出することができるアミューズメント乗り物が提供される。本発明によるセンサシステム1は、有線及び無線の両方で動作させることができ、特に監視されるべき少なくとも1つの構成部品の材料疲労及び摩耗などの機械的変化を検出する少なくとも2つの異なる測定メカニズムを可能にする。一方では、電気信号が常に生成され、他方では、機械的変化によって影響を受ける部品の視覚的及び/又は光学的に知覚可能な着色が達成される。
【0073】
本発明によるセンサシステムはまた、電気部品なしで動作することもでき、機械的変化、特に、例えば、破損体が壊れたときの蛍光液体によって材料の疲労及び摩耗が読み取られる。この場合、暗闇での読み取りも、UVライトなどの適切な読取装置を使用することで可能である。
【符号の説明】
【0074】
1…センサ
2…センサハウジング
4…センサヘッド
6…媒体
7…ガイド
8…ネジ付きナット
9…センサケーブル
20…ハウジング本体
21…受入領域
22…プラグ接点
23…クランプ装置
25…測定電子回路
26…センサケーブル接続部
28…RFIDチップ
30…取付手段
35…電気接続
40…破損体
41…壁
42…破損体頭部
43…破損体足部
44…コーティング
45…破損体先端部
50…測定導体
51…接触ループ
52…第1の電極
53…第2の電極
55…接点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8