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  • 特許-凍結飲料用組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】凍結飲料用組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/52 20060101AFI20220630BHJP
   A23L 33/175 20160101ALI20220630BHJP
   A23L 33/125 20160101ALI20220630BHJP
   A23G 9/52 20060101ALI20220630BHJP
   A23G 9/34 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
A23L2/52
A23L33/175
A23L33/125
A23L2/00 F
A23G9/52
A23G9/34
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021129047
(22)【出願日】2021-08-05
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】P 2021038562
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021080847
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトの掲載日 令和3年5月18日 (2)ウェブサイトのアドレス https://www.taisho.co.jp/company/news/2021/20210518000771.html (3)公開者 大正製薬株式会社 (4)販売した物の内容 大正製薬株式会社が、儘田大、山地麻里江、森戸暁久、加藤敬太、山田啓史及び横田悠天が発明した凍結飲料用組成物(リポビタンアイススラリー for Sports)について公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)発売日 令和3年6月1日 (2)販売場所 全国販売 (3)公開者 大正製薬株式会社 (4)販売した物の内容 大正製薬株式会社が、儘田大、山地麻里江、森戸暁久、加藤敬太、山田啓史及び横田悠天が発明した凍結飲料用組成物(リポビタンアイススラリー for Sports)を卸した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】特許業務法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】儘田 大
(72)【発明者】
【氏名】山地 麻里江
(72)【発明者】
【氏名】森戸 暁久
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敬太
(72)【発明者】
【氏名】山田 啓史
(72)【発明者】
【氏名】横田 悠天
【審査官】小路 杏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/004923(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/52
A23L 33/175
A23L 33/125
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)~(c);
(a)グリシン
(b)グリセリン
(c)糖類(グリセリンを除く) 5.0w/w%以上
を含有することを特徴とする、凍結飲料用組成物。
【請求項2】
成分(a)グリシンの配合量が0.1~25.0w/w%である、請求項1に記載の凍結飲料用組成物。
【請求項3】
成分(b)グリセリンの配合量が0.5~30.0w/w%である、請求項1または2に記載の凍結飲料用組成物。
【請求項4】
成分(c)糖類(グリセリンを除く)が、(c1)砂糖、ブドウ糖、トレハロース、イソマルツロース及び、デキストリンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む、請求項1~3のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
【請求項5】
アルコールの配合量が1.0w/w%未満の非アルコール性凍結飲料用組成物である、請求項1~4のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
【請求項6】
成分(c)糖類(グリセリンを除く)が(c2)増粘多糖類を含有する、請求項1~5のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
【請求項7】
常温でのpHが2.0~7.0である、請求項1~6のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
【請求項8】
凍結飲料が、フローズン飲料、シャーベット飲料、アイススムージー、又はアイススラリーである請求項1~7のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
【請求項9】
熱中症対策用である、請求項1~8のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
【請求項10】
運動時に摂取される、請求項1~9のいずれかに記載の凍結飲料用組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の凍結飲料用組成物を容器に充填してなる容器詰飲料。
【請求項12】
5.0w/w%以上の糖類(グリセリンを除く)を含有する凍結飲料用組成物に、グリシン及びグリセリンを添加することを特徴とする飲用時の冷却効果向上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結飲料用組成物に関し、好適な一態様としては、常温流通可能で、冷凍した後半解凍させて、あるいは半冷凍してシャーベット状として飲用可能な容器詰め非アルコール性凍結飲料用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、常温で流通可能で、シャーベット状又は氷塊状に凍結させた飲料を解凍しながら飲用できる、いわゆる凍結飲料(フローズン飲料やシャーベット飲料、アイススムージー、アイススラリーなどとも言われる)が知られている。市場に流通している製品としては、アルコール性飲料及び非アルコール性飲料のいずれも存在し、例えば、アルコール濃度5%の「氷結(登録商標)アイススムージー」や清涼飲料水のコカ・コーラ(登録商標)フローズン、ポカリスエットアイススラリーなどが市販されている。これらはいずれも袋状の容器に充填されており、冷凍凍結したものを飲用時に適度に解凍し、また手でもみほぐすなどして柔らかくして容器の口部から押しだすもしくは吸い出して飲用できるものである。
【0003】
これらは、飲用することで冷感を得るための手段や、暑熱環境下におけるスポーツ時などにおいて、飲用することで身体内部から冷却し、深部体温を下げて熱中症を予防するための手段等として、近年需要が高くなっている。
【0004】
グリシンはアミノ酸の一種で、カルボキシル基が結合した炭素(α-炭素)にアミノ基が直結しているα-アミノ酸の中では、唯一D-、L-の立体異性がなく、非極性側鎖アミノ酸に分類されるアミノ酸である。また、グリシンは人間の体内で作ることのできる非必須アミノ酸に分類され、様々な身体機能に関わり、特に血液中での酸素を運ぶ機能に関係するポルフィリンや筋肉運動に必要なクレアチン、抗酸化物質のグルタチオンや核酸のプリン体を構成する物質としても知られている。さらに、グリシンは3gの摂取により、末梢血流を増加させ熱放散を促すことで、深部体温(直腸内温度)を低下させることが知られている(非特許文献1)。
【0005】
グリセリンは糖アルコールの一種で、別名グリセロールとしても知られる物質である。グリセリンは体内で解糖系にて代謝されて、筋肉の収縮や生命活動におけるエネルギーの貯蔵や供給に関わるATP(アデノシン三リン酸)を産生することや、糖新生によりエネルギー源となるグルコースを産生するため、体内で重要な働きを果たす物質である。さらに、グリセリンは、水とともに摂取することにより、水のみを摂取した際と比較して、尿の生成が減少することが知られている(非特許文献2)。また、運動前に摂取することにより、体液貯留量を上昇させ、脱水予防の効果があることが知られている(非特許文献3)。
【0006】
今までに凍結飲料に関する技術については、複数の技術が報告されている。
ぶどう糖、麦芽糖、デキストリン、及び糖アルコールから選ばれる1種以上の糖類と、ペクチン、及び大豆多糖類の両者を含む多糖類系安定剤とを含有し、糖類の配合量A(重量%)、ペクチンの配合量B(重量%)、大豆多糖類の配合量C(重量%)が所定の関係式で示される条件を満足し、0~30℃で液状化可能であり、かつ0℃未満で凍結可能であるシャーベット状飲料用組成物に関する技術が開示されている(特許文献1)。
【0007】
また、ぶどう糖、麦芽糖、デキストリン、及びオリゴから選ばれる1種以上の澱粉糖を含む糖類を含有し、糖類のDE値A%、飲料の可溶性固形分B%、液温26℃における飲料の粘度CmPa・sが所定の関係式で示される条件を満足し、0~30℃で液状化可能であり、かつ0℃未満で凍結可能であるシャーベット状飲料用組成物に関する技術が開示されている(特許文献2)。
【0008】
さらに、ショ糖及び/又はトレハロースを含み、pHが2.0~4.0である、シャーベット状飲料用飲料に関する技術が開示されている(特許文献3)。
【0009】
特許文献1~3に開示された技術は、糖類や多糖類系安定剤などの指定された原料の含有量および、それらを含む組成物の性状について関係式を用いて詳細に規定することや、糖類の配合およびその糖類のDE値、可溶性固形物や粘度といったそれらを含む組成物の物性について関係式を用いて詳細に規定すること、指定された原料を含有し、pHを規定された範囲に規定することにより、凍結飲料の飲用時の風味や食感、シャーベット性状などを良好なものとしているが、いずれも凍結飲料の凝固点降下を緩和する組成や方法に関する技術ではなく、飲用時の冷却効果を高める組成に関する技術でもない。
【0010】
また、アルコール度数が1.5~8.5%であり、アルコールの影響を除いた場合のBrixが15.0~25.0%であることを特徴とするアルコール性のシャーベット状飲料用組成物に関する技術が開示されている(特許文献4)。
【0011】
さらに、アルコール濃度が1容量%以上、18容量%以下であり、糖アルコールを含有するソフトアイス状凍結アルコール性飲料に関する技術が開示されている(特許文献5)。
【0012】
これらの特許文献4~5に開示された技術は、アルコール度数およびアルコールを除いた場合のBrixを規定された範囲内にすることや、アルコールの使用量を一定容量まで減らし、糖アルコールを使用することにより、凍結硬度が低いソフトアイス状の凍結アルコール性飲料を提供することを可能としているが、いずれも凍結飲料の凝固点降下を緩和する組成や方法に関する技術ではなく、飲用時の冷却効果を高める組成に関する技術でもない。
【0013】
また、キャップ付きの口部を有する可撓性袋状容器に、糖類とゲル化剤を含有し、糖度10~24度に調整された溶液を充填し冷凍庫で凍結し、飲用時に適度に解凍することにより流動性を生じさせ、袋状容器の口部から押しだすもしくは吸い出して飲用する冷菓が報告されている(特許文献6)。しかし、この技術においても、凝固点降下の緩和や飲用時の冷却効果についての検討はなされていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【文献】Sleep and Biological Rhythms 2007; 5: 126-131
【文献】International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism、 2007、 17、 390-408
【文献】International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism、 2020、 30、 83-98
【特許文献】
【0015】
【文献】特開2007-330216号公報
【文献】特開2008-11835号公報
【文献】特開2010-259335号公報
【文献】特開2015-171332号公報
【文献】特開平10-117763号公報
【文献】特開2015-159790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
市場に常温で流通可能な凍結飲料は、販売店舗にてあらかじめ凍結して販売している場合もあるが、店舗によっては常温で販売している場合もある。常温で販売している場合は、生活者はあらかじめ凍結飲料をシャーベット状又は氷塊状に凍結させた後に、半解凍した状態で飲用するか、半凍結させた状態で飲用することになるが、いずれの場合においても、冷蔵庫の冷凍室などで凍結する必要がある。
【0017】
一般的な電気冷蔵庫の冷凍室は、日本工業規格(JIS C 9607)にて性能が定められており、それぞれの性能によって、設定される温度が異なる。例えば、ワンスター室は-6℃±1℃、ツースター室は-12℃±1℃、スリースター室およびフォースター室は-18℃±1℃が温度設定の目安となっている。さらに、冷凍室内の温度は、冷凍室の開閉頻度や使用状況によっても変化し、冷凍室を開けている時間が長ければ長いほど、冷凍室外の暖かい空気と触れる時間が長くなるため、冷凍室内の温度は上昇すると考えられる。
【0018】
したがって、冷凍室内の温度は、性能によって異なるだけでなく、通常の使用時においても常に一定とは限らないため、凍結飲料を凍結後に半解凍、もしくは半凍結させて飲用するためには、凍結飲料の凝固点はなるべく高い温度であることが望ましい。
【0019】
ここで、凍結させる際に生じる現象の一つとして、凝固点降下が知られている。凝固点降下とは、溶質を溶媒に溶解した際に、凝固点が低下する現象であり、例えば、不純物を含まない純水は通常0℃で凍結するが、水に食塩を溶解させた食塩水や水に砂糖を溶解させた砂糖水は、0℃で凍結せず、0℃以下の低い温度まで液体として存在する。この現象では、凝固点の低下した程度を示す凝固点降下度は、溶媒固有の凝固点降下定数と溶液の質量モル濃度に比例するため、理論上、凝固点を算出することも可能であり、溶質の質量が多ければ多いほど、とくに、分子量の小さい溶質を多量に配合した溶液の場合、凝固点が低くなると考えられる。凍結飲料を設計する上で、溶質である糖類を配合して固形物含量やBrixを高くすることは一般的であり、シャーベット状の滑らかな食感や、もみほぐしたときの柔軟性を付与するために、一定量の溶質を含むことが必要であるが、ゆえに凝固点降下を引き起こしやすく、凍結させにくいことが課題である。
【0020】
また、凍結飲料を飲用することで得られる身体内部から冷却し深部体温を下げる冷却効果は、その効果が高ければ高いほど、体温を下げるという機能面上、好ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、一定量の糖類を含む凍結飲料用組成物に、グリシンとグリセリンとを組み合わせて配合すると、いずれか単独または2成分を併用した場合と比べ、凝固点降下が緩和され、凍結させやすくなること、さらに飲用時の冷却効果がより高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
かかる知見により得られた本発明の態様は次のとおりである。
(1)次の成分(a)~(c);
(a)グリシン
(b)グリセリン
(c)糖類(グリセリンを除く) 5.0w/w%以上
を含有することを特徴とする、凍結飲料用組成物、
(2)成分(a)グリシンの配合量が0.1~25.0w/w%である、(1)に記載の凍結飲料用組成物、
(3)成分(b)グリセリンの配合量が0.5~30.0w/w%である、(1)または(2)に記載の凍結飲料用組成物、
(4)(c)糖類(グリセリンを除く)が、(c1)砂糖、ブドウ糖、トレハロース、イソマルツロース及び、デキストリンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む、(1)~(3)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(5)アルコールの配合量が1.0w/w%未満の非アルコール性凍結飲料用組成物である、(1)~(4)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(6)(c)糖類(グリセリンを除く)が(c2)増粘多糖類を含有する、(1)~(5)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(7)常温でのpHが2.0~7.0である、(1)~(6)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(8)凍結飲料が、フローズン飲料、シャーベット飲料、アイススムージー、又はアイススラリーである(1)~(7)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(9)熱中症対策用である、(1)~(8)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(10)運動時に摂取される、(1)~(9)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物、
(11)(1)~(10)のいずれかに記載の凍結飲料用組成物を容器に充填してなる容器詰飲料、
(12)5.0w/w%以上の糖類(グリセリンを除く)を含有する凍結飲料用組成物に、グリシン及びグリセリンを添加することを特徴とする飲用時の冷却効果向上方法。
(13)5.0w/w%以上の糖類(グリセリンを除く)を含有する凍結飲料用組成物に、グリシン及びグリセリンを添加することを特徴とする凝固点降下緩和方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明の凍結飲料用組成物は、一定量の溶質を含有し、シャーベット状態での柔軟性や滑らかな食感を有しながら、凝固点降下が緩和され、凍結させやすいものであるとともに、飲用時の冷却効果に優れ、深部体温を効果的に低下させることで熱中症等を有効に予防し得るものである。また一般的に凍結飲料を解凍してから飲み始めの方が味が濃く、飲み終わりにかけて薄くなることが知られ、その風味差は凝固点降下度が大きい方が強くなるところ、本発明において凝固点降下を緩和することにより、飲用時の風味差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】試験例1における組成物1投与群と対照群の直腸温度(深部体温)の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明における成分(a)グリシンとは、 食品、医薬部外品、医薬品などに通常使用されるグリシンで、飲料に用いることができるものであれば、特に限定されない。本発明の凍結飲料用組成物中のグリシンの含有量は特に制限されるものではないが、凝固点降下緩和及び飲用時の冷却効果向上等の観点から、0.1w/w%~25.0w/w%が好ましく、0.5w/w%~20.0w/w%がより好ましく、0.5w/w%~10.0w/w%がさらに好ましい。
【0025】
本発明における成分(b)グリセリンとは、食品、医薬部外品、医薬品などに通常使用されるグリセリンで、飲料に用いることができるものであれば、特に限定されない。また、本発明の凍結飲料用組成物中のグリセリンの含有量は特に制限されるものではないが、凝固点降下緩和及び飲用時の冷却効果向上等の観点から、0.5w/w%~30.0w/w%が好ましく、0.5w/w%~20.0w/w%がさらに好ましい。
【0026】
本発明における成分(c)糖類(グリセリンを除く)とは、食品、医薬部外品、医薬品などに通常使用される糖類(グリセリンを除く)で、飲料に用いることができるものであれば、特に限定されない。例えば、ブドウ糖、果糖、ガラクトース等の単糖類、砂糖(ショ糖)、ラクトース、トレハロース、マルトース、イソマルツロース(パラチノース(登録商標))等の二糖類、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴等の糖アルコール、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、タラガム、アルギン酸、寒天、ヒアルロン酸、ペクチン等の増粘多糖類やデキストリン等が挙げられる。これらのうち、凝固点降下緩和及び飲用時の冷却効果向上等の観点から、(c1)単糖類、二糖類、糖アルコール、及びデキストリンからなる群から選ばれる少なくとも1種、(c2)増粘多糖類などが好適である。(c1)として具体的には、砂糖、ブドウ糖、トレハロース、パラチノース、デキストリンよりなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。(c2)として具体的には、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、タラガム、アルギン酸、寒天、ヒアルロン酸及びペクチン等よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また(c1)及び(c2)とを組み合わせて用いることが好ましい。本発明における糖類(グリセリンを除く)の含有量(複数含まれる場合はその合計量)は、風味、食感、シャーベット状としたときの物性や、凝固点降下緩和及び飲用時の冷却効果向上等の点から、本発明の凍結飲料用組成物中5.0w/w%以上であり、上限は、凍結飲料用組成物に配合できる量の範疇であれば、制限されないが、飲料組成物中に5.0w/w%~50.0w/w%が好ましく、5.0w/w%~40.0w/w%がさらに好ましい。
【0027】
また、本発明の増粘多糖類の含有量は、増粘多糖類以外の糖類と併用する場合、半解凍時の性状や容器からの出しやすさを担保するという観点から凍結飲料用組成物中0.01~5.0w/w%が好ましく、特に0.01~3.0w/w%が好ましい。
【0028】
本発明の凍結飲料用組成物は、アルコール性飲料及び非アルコール性飲料のいずれでもよいが、非アルコール性凍結飲料用組成物であることが好ましい。非アルコール性凍結飲料用組成物であれば、大人から子供まで幅広い年代の人々に提供可能である。また、特に、暑熱環境下における身体冷却を目的(例えば、熱中症対策用)として飲用する際には、アルコール摂取に伴う利尿作用に起因する脱水などを引き起こす可能性があるため、アルコール非配合が望ましい。本発明の非アルコール性凍結飲料用組成物の態様では、アルコールが配合されていないか、原料由来の微量のアルコールであれば含んでいてもよい。本発明の非アルコール性凍結飲料用組成物の態様におけるアルコールの含有量は、1.0w/w%未満が好ましく、0.5w/w%未満がより好ましく、0.1w/w%未満が更に好ましく、0w/w%が最も好ましい。
【0029】
本発明の凍結飲料用組成物は、容器に充填した形態で、常温で流通させることが可能であり、冷凍凍結したものを飲用時に半解凍するか、半凍結してシャーベット状として飲用することができる。シャーベット状とした本発明の凍結飲料用組成物は、氷が微細なため流動性を有し、袋状の容器の口部から容易に押し出すもしくは吸い出すことができる。シャーベット状とは、微細な氷結晶と液体が混ざった状態であり、流動性のある状態となっていることをいう。このようなシャーべット状の凍結飲料用組成物として、例えばフローズン飲料、シャーベット飲料、アイススムージー、又はアイススラリーが挙げられる。
【0030】
本発明の凍結飲料用組成物は、単に冷凍凍結した後半解凍する(凍結後自然解凍、加熱又は手で揉みほぐすなど)、あるいは半凍結するだけでシャーベット状になるものであり、容器の外からもみほぐすなどして飲みやすくすることが可能である。本発明の凍結飲料用組成物を充填する容器としては、口部を有する可撓性袋状容器、T-パウチ容器、スティックパウチ、PETボトル等を用いることができる。また、キャップ付きの口部を有する可撓性袋状容器が好ましい。
【0031】
本発明の凍結飲料用組成物のpHは、甘味の抑制という点で、常温で好ましくは2.0~7.0であり、微生物の繁殖を抑える観点から、さらに好ましくは、pH2.0~5.0である。上記のpHにするためのpH調整剤としては、食品、医薬部外品、医薬品などに通常使用されるpH調整剤を使用することができる。例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸等の有機酸及びそれらの塩類、リン酸、塩酸等の無機酸およびそれらの塩類、水酸化ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。風味の観点から、好ましくは、クエン酸、リンゴ酸、リン酸である。
本発明の凍結飲料用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分として、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類又はその塩類、植物抽出物、乳酸菌等の成分を適宜に含有させることができる。さらに、本発明の凍結飲料用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、抗酸化剤、着色料、香料、矯味剤、界面活性剤、増粘剤、安定剤、保存料、甘味料、酸味料等の添加剤を適宜配合することもできる。
【0032】
本発明において熱中症対策とは、熱中症の発症の予防、又は熱中症の症状軽減を意味する。また、本発明の運動時とは、運動競技だけでなく、日常生活における作業や運動、走行、自転車こぎなども含まれる。本発明の凍結飲料用組成物が熱中症対策用であることや運動時に摂取されることは、製品名、製品の本体、容器又は包装への表示、あるいは商品に関するポスターやテレビCM、店頭POP、説明会などでの説明などにより判断することができる。
【0033】
本発明の凍結飲料用組成物は、常法により製造することができ、その方法は特に限定されるものではない。通常、各成分を量りとり、適量の精製水にて溶解、撹拌した後、必要に応じてpHを調整し、さらに精製水を加えて容量調整し、必要に応じてろ過、殺菌処理を施し、容器に充填することにより得られる。好ましくは、原料の全部又は一部を90~130℃で1秒~5分間殺菌し、さらに10~40℃程度に冷却して製造するのがよい。殺菌には通常の殺菌機を用いればよく、例えば、プレート式殺菌機、チューブラー式殺菌機、ジャケット付きタンク等を使用することができる。また、冷却には通常の冷却機を用いればよく、例えば、熱交換プレート、チューブラー式冷却機、ジャケット付きタンク等を使用することができる。
【実施例
【0034】
以下に、実施例等を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。以下では特に断らない限り「%」は「w/w%」を意味する。なお、以下の実施例、比較例では、グァーガムはユニテックフーズ(株)社製、クエン酸は食品添加物クエン酸一水和物、グリシンは食品添加物グリシン(含量100.0%のもの)、グリセリンは食品添加物グリセリン(含量99.9%のもの)、砂糖は大日本明治製糖(株)製、ブドウ糖は昭和産業(株)製、トレハロースは(株)林原製、パラチノースは三井製糖(株)製、デキストリンは松谷化学工業(株)のパインデックス(登録商標)#2(DE値11)を用いた。
【0035】
(実施例1~実施例16)
下記表1~5に記載の処方(実施例1~16及び比較例1~28)を次の方法に従い、凍結飲料用組成物を調製した。
全量の40%程度の精製水に、グァーガムと糖類(砂糖、ブドウ糖、トレハロース、パラチノース、デキストリン)を必要に応じてあらかじめ混合したものを、撹拌しながら添加し、さらにクエン酸を添加し、水浴を用いて90℃まで加熱したのち、40℃程度まで放冷した。その後、下記の表1~5に示したそれぞれの処方となるように、必要に応じて、グリシン、グリセリンを添加し、精製水にて重量合わせを行い、調合液を得た。これらの調合液を、透明スタンドパウチ(ヤマトマテリアル(株)、品名:Ibis 100-SP)に100gずつ充填し、キャップを閉めた後に恒温槽を用いて、80℃で25分間殺菌したのち、放冷して、凍結飲料用組成物を得た。
【0036】
<凝固点の測定>
凝固点の測定はそれぞれの評価項目ごとに、以下に記載する方法にて、実施した。なお、温度は、-50~200℃の範囲で小数点以下第1位まで読み取ることが可能なデジタル温度計にて、小数点以下第1位まで読み取った。また、室温による影響を限りなく少なくするため、評価の実施する場所の温度は空調などで一定となるように制御しておいた。
【0037】
凝固点の測定は、「JIS K0065-1992:化学製品の凝固点測定方法」を参考に、以下の方法に従い、実施した。
5℃に設定した冷蔵庫で冷却した凍結飲料用組成物(実施例1~16及び比較例1~28)を、100mlビーカーに30g量りとり、同ビーカー内にスターラーバーを入れた。凍結飲料用組成物の入ったビーカーを、スターラー上に設置したアイスバスに入れ、あらかじめ-40~-20℃に冷却しておいた不凍液(商品名:ナイブライン(登録商標)Z1、メーカー:MORESCO)をビーカー内の液面以上となるようにアイスバス内に流し入れたのち、速やかに、常に60~80rpmとなるようにビーカー内の凍結飲料用組成物を撹拌した。このとき、小数点以下第1位まで読み取ることが可能なデジタル温度計にてビーカー内の凍結飲料用組成物の温度を確認できるようにしておいた。徐々にビーカー内の凍結飲料用組成物の温度が低下していき、凍結飲料用組成物中に結晶が析出したタイミングで撹拌を停止した。撹拌を停止した際に、特に温度上昇がない場合には、静止した温度を読み取り、その温度を凍結飲料用組成物の凝固点とした。一方で、撹拌を停止した際に温度上昇がある場合には、温度上昇後の最高温度を読み取り、その温度を凍結飲料用組成物の凝固点とした。実施例1、2,4~10、比較例1~3、5~15、28に関してはこの測定を3回繰り返し、凝固点の平均値を表中に記載し、それら以外の実施例および比較例に関してはこの測定を1回実施し、凝固点を表中に記載した。なお、平均値は小数点以下第2位を四捨五入し、小数点以下第1位までとした。
【0038】
凝固点の測定結果を表1~5に示した。さらに、表2~5には、本発明の効果を確認するために各試験例の凝固点の測定結果から算出した凝固点の低下と、凝固点(算出値)についても示した。
【0039】
【表1】
【0040】
凍結飲料用組成物中に砂糖とともにグリセリンを配合すると凝固点降下を生じ、砂糖のみを配合した場合と比べ凝固点が低くなったが(比較例1と比較例2~4の比較、比較例5と比較例6の比較)、さらにグリシンを配合しても凝固点が低くなることはなく、同等か凝固点はより高くなることが認められた(実施例1と比較例2、実施例2と比較例3、実施例3と比較例4、実施例4と比較例6)。したがって、砂糖とともにグリシンとグリセリンを配合することで、凝固点降下が緩和されることが示された。
【0041】
【表2】
【0042】
実施例5に関して、凝固点(測定値)と比較例5、6、10から算出した凝固点(算出値)を比較すると、凝固点(測定値)のほうが高い温度となった。同様にして、実施例6~9に関して、それぞれ凝固点(測定値)と凝固点(算出値)を比較すると、いずれも凝固点(測定値)のほうが高い温度となった(実施例6と比較例5、6、11、実施例7と比較例5、7、10、実施例8と比較例5、8、10、実施例9と比較例5、9、10)。したがって、グリシンおよびグリセリンの量によらず、砂糖とともにグリシンとグリセリンを配合すると、凝固点降下が緩和され、砂糖とグリシン2成分の併用または砂糖とグリセリン2成分の併用から予測される凝固点と比べ、実際の凝固点降下は抑制されることが確認された。
【0043】
【表3】
【0044】
実施例10に関して、凝固点(測定値)と比較例12~14から算出した凝固点(算出値)を比較すると、凝固点(測定値)のほうが高い温度となった。したがって、砂糖の量が多くとも、砂糖にグリシンとグリセリンをともに配合すると、凝固点降下が緩和されることが明らかになった。
【0045】
【表4】
【0046】
実施例2に関して、凝固点(測定値)と比較例1、3、15から算出した凝固点(算出値)を比較すると、凝固点(測定値)のほうが高い温度となった。これは、表1で凝固点が下がらなかったことと相違がなかった。
同様にして、実施例11~14に関して、凝固点(測定値)と算出した凝固点(算出値)を比較すると、凝固点(測定値)のほうが高い温度となった(実施例11と比較例16~18、実施例12と比較例19~21、実施例13と比較例22~24、実施例14と比較例25~27)。
したがって、糖類の種類によらず、糖類とともにグリシンとグリセリンを配合することで凝固点降下が緩和されることが確認された。
【0047】
【表5】
【0048】
実施例15に関して、凝固点(測定値)と実施例13と比較例1、28から算出した凝固点(算出値)を比較すると、凝固点(測定値)のほうが高くなった。
同様にして、実施例16に関して、凝固点(測定値)と実施例14と比較例1、28から算出した凝固点(算出値)を比較すると、凝固点(測定値)のほうが高くなった。
したがって、糖類の種類および組み合わせの有無によらず、グリシンとグリセリンを配合することで、凝固点降下が緩和されることが確認された。
【0049】
<温度低下及び冷却効果の算出>
温度低下及び冷却効果の算出は、以下の方法に従い、実施した。なお、温度は、-50~200℃の範囲で小数点以下第1位まで読み取ることが可能なデジタル温度計にて、小数点以下第1位まで読み取った。また、室温による影響を限りなく少なくするため、評価の実施する場所の温度は空調などで一定となるように制御しておいた。
【0050】
-20℃に設定した冷凍庫で凍結した凍結飲料用組成物(実施例4、6~9及び比較例5、9、11)を、室温にて立てた状態で静置した。
あらかじめ30~40℃に設定した精製水を100mlビーカーに60g量り取り、同ビーカー内にスターラーバーを入れ、スターラー上に設置した。このとき、小数点以下第1位まで読み取ることが可能なデジタル温度計にてビーカー内の温度を確認できるようにしておいた。
凍結した凍結飲料用組成物が徐々に解凍され、揉めるタイミングになった状態で、凍結飲料用組成物が均一になるように揉みほぐし、容器から押し出したシャーベット状の凍結飲料用組成物をバランスディッシュに速やかに30g秤量した。秤量したシャーベット状の凍結飲料用組成物は、速やかに、あらかじめ精製水を入れておいた100mlビーカーにすべて流し入れ、150rpmとなるようにビーカー内の溶液(精製水+シャーベット状の凍結飲料用組成物)を撹拌した。その際、シャーベット状の凍結飲料用組成物を流し入れる直前のビーカー内の精製水の温度を測定し、シャーベット状の凍結飲料用組成物投入前の精製水温度Aとした。徐々に凍結飲料用組成物が融解し、ビーカー内の溶液(精製水+シャーベット状の凍結飲料用組成物)の温度が低下していき、シャーベット状の凍結飲料用組成物が完全に融解したタイミングで撹拌を停止し、液面から1cmほど、ビーカーの端から1cmほどのところの温度を測定し、その温度をシャーベット状の凍結飲料用組成物の完全融解後の溶液温度Bとした。シャーベット状の凍結飲料用組成物投入前の精製水温度Aとシャーベット状の凍結飲料用組成物完全融解後の溶液温度Bの差を算出し、低下した温度を温度低下(A-B)とした。
【0051】
次に凍結飲料用組成物の全量C、全ての溶質の和(全溶質D)から、全量Cと全溶質Dの差を算出し、氷の量(C-D)を算出した。
そして、冷却効果は(A-B)/(C-D)×100として算出した。なお、算出値が高いほど、冷却効果が高いことを意味する。
【0052】
実施例4、6~9及び比較例5、9、11の凍結飲料用組成物の温度低下及び冷却効果の算出結果を表6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】
砂糖とともにグリセリンを配合すると冷却効果は変化しないが、砂糖とともにグリシンを配合すると冷却効果は低下した(比較例5と比較例9、比較例5と比較例11)。一方で、砂糖とともにグリセリンとグリシンを配合すると、冷却効果は向上した(実施例4、6、7、8、9と比較例5)。
したがって、砂糖とともにグリセリンとグリシンを配合することで、冷却効果が向上し、機能として優れた凍結飲料用組成物の提供が可能となることが確認された。
<製剤例>
以下表7に、本発明の凍結飲料用組成物の製剤例を挙げる。
【0055】
【表7】
【0056】
試験例1:熱中症対策効果の評価
(被試験サンプルの調製)
次の方法に従い、下記表8に記載の処方で、凍結飲料用組成物(実施例17及び比較例29)を調製した。
被試験サンプルは、各組成物を専用の装置 (株式会社エフ・エム・アイ;Big Biz1) に投入し、撹拌および冷却することでシャーベット状になるよう作製した。
【0057】
【表8】
【0058】
(試験方法)
7週齢のWistarラット(日本チャールス・リバー株式会社)を実施例17投与群、比較例29投与群の2群に分け、それぞれ6匹ずつ使用した。各群のラットは入荷後、標準飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)および殺菌水を自由に摂取させ、馴化させた後に使用した。評価項目は、暑熱負荷(38℃、 RH 50±20%、 60分間)前後の深部体温(直腸温度)の変化とした。直腸温度は暑熱負荷の前後にそれぞれ測定した。実施例17投与群には、暑熱負荷の直前に実施例17を30 mL/kgの用量で経口投与した。比較例29投与群には、暑熱負荷の直前に比較例29を30 mL/kgの用量で経口投与した。暑熱負荷は人工気象器(NK式人工気象器BIOTRON LPH300(株式会社日本医化器械製作所))を用いて行った。直腸温度は体腔挿入型温度プローブを直腸内に挿入し、データロガー(高精度8CHデータロガー(日機装サーモ株式会社))を用いて測定した。暑熱負荷前の直腸温度を基準値とし、暑熱負荷終了後における直腸温度上昇量を求め、各群の平均値及び標準誤差を算出した。結果を図1に示す。
【0059】
図1のとおり、実施例17投与群は比較例29投与群と比較して、暑熱負荷による直腸温度の上昇が有意に抑制されることが示された。この結果から、グリシン、グリセリンおよび糖の組み合わせは、暑熱負荷による深部体温の上昇を抑制する作用を有することが明らかとなった。
【0060】
深部体温の過度な上昇は熱中症の病態の増悪や、運動時のパフォーマンスの低下につながることから、本試験例にて示されたグリシン、グリセリンおよび糖の組み合わせの服用または摂取により生じる深部体温の上昇の抑制は、熱中症の対策および運動パフォーマンスの向上に有用であると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の好適な一態様として、常温流通可能で、冷凍して半解凍、あるいは半凍結してシャーベット状として飲用する、容器詰め非アルコール性凍結飲料用組成物において、家庭用の冷凍庫などで凍結させやすく、また、冷却効果が向上した凍結飲料用組成物の提供が可能となった。本発明の凍結飲料用組成物は、熱中症対策用又は運動時に摂取される凍結飲料用組成物として有用である。

【要約】      (修正有)
【課題】凝固点降下が抑制されて凍結しやすく、飲用時の冷却効果に優れる凍結飲料用組成物を提供すること。
【解決手段】次の成分(a)~(c);
(a)グリシン
(b)グリセリン
(c)糖類(グリセリンを除く)5.0w/w%以上
を含有することを特徴とする、凍結飲料用組成物。
【選択図】図1
図1