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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】エレベータの乗場表示装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/02 20060101AFI20220630BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
B66B3/02 K
B66B3/00 H
B66B3/00 K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021049642
(22)【出願日】2021-03-24
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】濱口 萌子
(72)【発明者】
【氏名】北村 美和子
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特公平08-025698(JP,B2)
【文献】特開昭61-169466(JP,A)
【文献】特開平09-077399(JP,A)
【文献】特開平08-034573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00-3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗場に設置されるエレベータの乗場表示装置であって、
かごの停止予定階を示す停止予定階情報を表示する停止予定階表示部と、
前記停止予定階表示部に設けられ、前記乗場表示装置が設置された操作階で上昇及び下降の両方の乗場呼びが操作されたときに、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを示す上下移動情報を表示する上下移動情報表示部と、を備え
前記上下移動情報は、前記停止予定階情報を表示する色であり、
前記上下移動情報表示部は、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときの前記停止予定階情報を表示する色と、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときの前記停止予定階情報を表示する色と、が異なっている、エレベータの乗場表示装置。
【請求項2】
操作階への停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを異なる色で報知する操作部及び報知装置の少なくとも一方を備えた乗場に設置され、
前記上下移動情報表示部が表示する前記停止予定階情報を表示する色が、前記操作部の色及び前記報知装置の色の少なくとも一方と一致している、請求項に記載のエレベータの乗場表示装置。
【請求項3】
エレベータの乗場に設置されるエレベータの乗場表示装置であって、
かごの停止予定階を示す停止予定階情報を表示する停止予定階表示部と、
前記停止予定階表示部に設けられ、前記乗場表示装置が設置された操作階で上昇及び下降の両方の乗場呼びが操作されたときに、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを示す上下移動情報を表示する上下移動情報表示部と、を備え、
前記上下移動情報は、前記停止予定階情報と同じ位置において前記停止予定階情報と交互に表示されるマークである、エレベータの乗場表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの乗場で停止予定階を表示する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの乗場に設置され、かごの運転に関する情報を表示する乗場表示装置が知られている(特許文献1)。この表示装置は、図6に示すように、かごが現時点で停止している階床等を示す現在位置と、かごが今後停止する予定の階床を示す今後の停止予定階と、かごが今後上昇するか下降するかを示す運転方向と、を表示する。また、この表示装置は、かごの現在位置やかごの今後の停止予定階を数字で表示する。さらに、この表示装置は、かごの今後の運転方向を、かごの現在位置やかごの今後の停止予定階の間に設けられた矢印で表示する。乗場でかごを待つ利用者は、この表示装置で表示された情報に基づいて、かごの到着までの待ち時間を推測することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公平8-25698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、利用者がかごを待つ乗場において、上昇及び下降両方の乗場呼びが操作されると、表示装置はこの両方の乗場呼びに対応する情報を表示する。例えば、6階から下降中のかごに対して、4階の乗場で上昇及び下降両方の乗場呼びが操作されると、表示装置は、かごの今後の停止予定階(4階)を示す「4」を二か所表示する。この場合、乗場(4階)に到着したかごの次の運転方向は、二か所の「4」の表示と併せて、この表示に並ぶ矢印やかごの今後の停止予定階から推測する必要があり、判別しづらい。そのため、今後下降するかごが到着した際に、上層階への移動を希望している利用者が、この下降するかごに誤って乗車してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、かごの運転方向の表示の判別性を向上させたエレベータの乗場表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエレベータの乗場表示装置は、エレベータの乗場に設置されるエレベータの乗場表示装置であって、かごの停止予定階を示す停止予定階情報を表示する停止予定階表示部と、前記停止予定階表示部に設けられ、前記乗場表示装置が設置された操作階で上昇及び下降の両方の乗場呼びが操作されたときに、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを示す上下移動情報を表示する上下移動情報表示部と、を備える。
【0007】
かかる構成によれば、上下移動情報が操作階への次回の停止後の操作階を基準としたかごの上下動を示しているため、乗場に滞在する利用者が、到着したかごの運転方向を容易に判別することができる。
【0008】
前記乗場表示装置では、前記上下移動情報は、前記停止予定階情報を表示する色であり、前記上下移動情報表示部は、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときの前記停止予定階情報を表示する色と、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときの前記停止予定階情報を表示する色と、が異なっていてもよい。
【0009】
かかる構成によれば、停止予定階情報を表示する色により、乗場に滞在する利用者に対してかごの運転方向について注意喚起することができる。
【0010】
前記乗場表示装置では、前記上下移動情報は、前記停止予定階情報に並んで表示されるマークであり、前記上下移動情報表示部は、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときの前記停止予定階情報に並んで表示されるマークと、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときの前記停止予定階情報に並んで表示されるマークと、が異なっていてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、停止予定階情報に並んで表示されるマークにより、乗場に滞在する利用者に対してかごの運転方向について注意喚起することができる。
【0012】
前記乗場表示装置は、操作階への停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを異なる色で報知する操作部及び報知装置の少なくとも一方を備えた乗場に設置され、前記上下移動情報表示部が表示する前記停止予定階情報を表示する色が、前記操作部の色及び前記報知装置の色の少なくとも一方と一致していてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、かごの停止予定階を示す文字や数字を表示する色と操作部の色や報知装置の色とが一致しているため、乗場に滞在する利用者がかごの運転方向をより判別しやすい。
【0014】
前記乗場表示装置は、操作階への停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを異なるマークで報知する操作部及び報知装置の少なくとも一方を備えた乗場に設置され、前記上下移動情報表示部は、前記停止予定階情報に並んで表示されるマークと、前記操作部に設けられているマーク及び前記報知装置に設けられているマークの少なくとも一方とが、一致していてもよい。
【0015】
かかる構成によれば、上下移動情報のマークと操作部や報知装置に設けられているマークとが一致しているため、乗場に滞在する利用者がかごの運転方向をより判別しやすい。
【発明の効果】
【0016】
以上より、本発明によれば、かごの運転方向の表示の判別性を向上させたエレベータの乗場表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態に係るエレベータの乗場表示装置の模式図である。
図2図2は、変形例に係る乗場表示装置の模式図である。
図3図3は、変形例に係る乗場表示装置の模式図である。
図4図4は、変形例に係る乗場表示装置の模式図である。
図5図5は、変形例に係る乗場表示装置の模式図である。
図6図6は、従来の乗場表示装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図1を参照しつつ説明する。本実施形態に係るエレベータの乗場表示装置は、エレベータの乗場に設置されるエレベータの乗場表示装置である。エレベータは、建物内を複数の階床(フロア)に跨って上下方向に延びる昇降路と、昇降路を昇降するかごと、を備える。この乗場表示装置は、各階床にかご一台に対して一台設置されている。なお、乗場に複数のかごが停止する場合には、一台の乗場表示装置に複数のかごの情報を一括して表示してもよい。
【0019】
乗場表示装置1は、図1に示すように、かごの停止予定階を示す停止予定階情報を表示する停止予定階表示部2を備える。また、乗場表示装置1は、上下移動情報表示部3を備える。該上下移動情報表示部3は、停止予定階表示部2に設けられ、乗場表示装置1が設置された操作階で上昇及び下降の両方の乗場呼びが操作されたときに、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを示す上下移動情報を表示する。
【0020】
停止予定階表示部2は、例えば、液晶ディスプレイである。なお、停止予定階表示部2は、LED表示パネル等であってもよい。また、停止予定階表示部2は、停止予定階情報に加えて、停止予定階情報について説明するための説明情報(例えば、「今後の停止予定階」との文字列)を常時表示してもよい。
【0021】
本実施形態では、乗場表示装置1は、2階の乗場に設けられている。また、本実施形態では、操作階である2階の乗場において上昇及び下降の乗場呼びの両方が登録されており、さらに、かごは、現在位置が8階であり、上昇して11階に停止した後、下降して操作階(2階)へ停止し、操作階への停止後に下降して1階に停止した後、上昇して停止階(2階)に再び停止する場合について説明する。
【0022】
また、本実施形態では、乗場には、乗場表示装置1とともに、操作階への停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを異なる色で報知する操作部4が設置されている。操作部4は、例えば、かご呼び釦等である。操作部4は、上昇かご呼び釦40と下降かご呼び釦41と、を含む。上昇かご呼び釦40は、第一の色(例えば、赤色)で上昇を示す情報が表示された釦である。下降かご呼び釦41は、第一の色と異なる第二の色(例えば、青色)で下降を示す情報が表示された釦である。
【0023】
停止予定階情報は、例えば、かごの停止予定階を示す文字及び数字の少なくとも一方である。本実施形態では、停止予定階表示部2は、停止予定階情報として、8階を示す「8」、11階を示す「11」、2階を示す「2」、1階を示す「1」を表示している。なお、停止予定階情報は、操作階(例えば、2階)に到着した際の当該操作階の階層を示す情報(例えば2階を示す「2」)も含む。
【0024】
また、本実施形態では、停止予定階表示部2は、登録されたかごの停止予定階のうち操作階までのかごの停止予定階を表示しているが、登録されたかごの停止予定階の全部を表示してもよい。例えば、停止予定階表示部2が図1に示す停止予定階情報を表示した状態で、さらに、5階の乗場において上昇の乗場呼びが登録された場合、停止予定階表示部2は、5階を示す「5」を表示してもよい。
【0025】
上下移動情報表示部3は、本実施形態では、停止予定階表示部2に含まれている。また、上下移動情報は、例えば、停止予定階情報を表示する色である。
【0026】
上下移動情報表示部3は、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときの停止予定階情報を表示する色(例えば、赤色)と、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときの停止予定階情報を表示する色(例えば、青色)と、が異なっている。本実施形態では、上下移動情報表示部3は、操作階を示す停止予定階情報(例えば、「2」)を表示する色(例えば、赤色や青色)と、操作階と異なる停止階を示す停止予定階情報(例えば、「8」、「11」、「1」)を表示する色(例えば、白色)とが、異なっている。
【0027】
なお、本実施形態では、上下移動情報表示部3は、上昇及び下降の乗場呼びの両方が登録されたときに、上下移動情報を表示する。また、本実施形態では、上昇及び下降の乗場呼びの一方のみが登録された時点では、上下移動情報表示部3は、上下移動情報を表示しない。なお、上昇及び下降の乗場呼びの一方のみが登録された時点で、上下移動情報表示部3が、上下移動情報を表示してもよい。
【0028】
具体的に、本実施形態では、操作階において下降の乗場呼びのみが登録されたときに、操作階と異なる停止階を示す停止予定階情報(例えば、「8」、「11」等)と同じ色(例えば、白色)で、操作階を示す停止予定階情報(例えば、「2」)が表示され、さらに、操作階において上昇の乗場呼びが登録されたときに、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときの停止予定階情報を表示する色(例えば、赤色)と、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときの停止予定階情報を表示する色(例えば、青色)と、が異なる。なお、操作階において下降の乗場呼びのみが登録されたときに、操作階と異なる停止階を示す停止予定階情報(例えば、「8」、「11」等)を表示する色と異なる色(例えば、青色)で、操作階を示す停止予定階情報(例えば、「2」)が表示されてもよい。
【0029】
本実施形態では、上下移動情報表示部3は、停止予定階情報を表示する色と、操作部4の色とが一致する。具体的には、停止予定階情報の色は、上昇を示す場合には上昇かご呼び釦40の色である第一の色(例えば、赤色)であり、下降を示す場合には下降かご呼び釦41の色である第二の色(例えば、青色)であり、上昇かご呼び釦40の第一の色(例えば、赤色)、及び、下降かご呼び釦41の第二の色(例えば、青色)と一致している。
【0030】
以上の乗場表示装置1によれば、上下移動情報表示部3が表示する上下移動情報が、操作階への次回の停止後の操作階を基準としたかごの上下動を示しているため、乗場に滞在する利用者が、到着したかごの運転方向を容易に判別することができる。
【0031】
また、本実施形態の乗場表示装置1によれば、停止予定階情報(例えば、階床を示す数字)を表示する色により、乗場に滞在する利用者に対してかごの運転方向について注意喚起することができる。
【0032】
さらに、本実施形態の乗場表示装置1によれば、上下移動情報表示部3において、停止予定階情報を表示する色と、操作部4の色とが一致しているため、乗場に滞在する利用者がかごの運転方向をより判別しやすい。
【0033】
なお、本発明の乗場表示装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0034】
例えば、上記実施形態の乗場表示装置1では、上下移動情報が停止予定階情報を表示する色であったが、停止予定階情報に並んで表示されるマークであってもよい。また、並んで表示されるとは、停止予定階情報の近傍で表示されることのみならず、停止予定階情報と重ねて表示されることや、停止予定階情報と同じ位置において停止予定階情報と交互に表示されること、なども含む概念である。
【0035】
乗場には、図2に示すように、乗場表示装置1とともに、操作階への停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを異なるマークで報知する操作部4が設置されていてもよい。マークは、例えば、幾何学形状、イラスト等である。
【0036】
本実施形態では、操作部4の上昇かご呼び釦40及び下降かご呼び釦41は、形状が異なる釦である。具体的には、上昇かご呼び釦40は、四角形状の釦であり、下降かご呼び釦41は、円形状の釦である。
【0037】
上下移動情報表示部3は、操作階を示す停止階予定情報の近傍に配置されている。より具体的に、上下移動情報は、操作階である2階を示す停止階予定情報「2」の近傍に配置されている。本実施形態では、上下移動情報は、上昇に対応する四角形状のマーク、及び、下降に対応する円形状のマークである。
【0038】
このように、上下移動情報表示部3は、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときの停止予定情報に並んで表示されるマークと、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときの停止予定情報に並んで表示されるマークと、が異なっている。また、上下移動情報表示部3は、停止予定階情報に並んで表示されるマークと、操作部4に設けられているマーク(例えば、上昇かご呼び釦40及び下降かご呼び釦41の形状)と一致させる。
【0039】
この構成によれば、上下移動情報表示部3は、停止予定階情報(例えば、階床を示す数字)に並んで表示されるマークにより、乗場に滞在する利用者に対してかごの運転方向について注意喚起することができる。さらに、停止予定階情報と並んで表示されるマークと操作部4に設けられているマーク(例えば、上昇かご呼び釦40及び下降かご呼び釦41の形状)とが一致しているため、乗場に滞在する利用者がかごの運転方向をより判別しやすい。
【0040】
また、乗場には、図3に示すように、乗場表示装置1とともに、上昇と下降とで異なるマークが描かれた操作部4が設置されていてもよい。例えば、上昇かご呼び釦40及び下降かご呼び釦41には、異なるマークが描かれている。具体的には、上昇かご呼び釦40は、太陽のマークが描かれた釦であり、下降かご呼び釦41には、雲のマークが描かれた釦である。
【0041】
本実施形態では、上下移動情報は、操作部4に描かれたマークと一致するマーク、具体的には、上昇に対応する太陽のマーク、及び、下降に対応する雲のマークである。この構成であれば、停止予定階情報と並んで表示されるマークと操作部4に設けられているマーク(例えば、上昇かご呼び釦40及び下降かご呼び釦41に描かれたマーク)とが一致しているため、乗場に滞在する利用者がかごの運転方向をより判別しやすい。
【0042】
なお、乗場には、乗場表示装置1とともに、操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを異なる色で報知する報知装置が設置されていてもよい。報知装置は、例えば、ホールランタン、ドアシルに設けられたランプや乗場扉や乗場の床に映像を投影する投影装置(具体的には、乗場の天井からプロジェクターで映像を乗場ドアや乗場の床に投影する投影装置)等である。この場合、上下移動情報表示部3は、停止予定階情報を表示する色を、報知装置の色(例えば、ホールランタン等の点灯色や投影装置が投影する映像の色等)と一致させてもよい。かかる構成によれば、かごの停止予定階を示す文字や数字を表示する色と報知装置の色とが一致しているため、乗場に滞在する利用者がかごの運転方向をより判別しやすい。
【0043】
また、乗場には、乗場表示装置1とともに、操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを異なるマークで報知する報知装置が設置されていてもよい。この場合、上下移動情報表示部3は、停止予定階情報と並んで表示されるマークを、報知装置に設けられているマーク(例えば、ホールランタン等に描かれたマークや、ホールランタン等の形状、投影装置が投影する映像に含まれるマーク等)と一致させる。このような構成によれば、停止予定階情報と並んで表示されるマークと報知装置とが一致しているため、乗場に滞在する利用者がかごの運転方向をより判別しやすい。
【0044】
なお、上下移動情報は、停止予定階情報を表示する色、及び、停止予定階情報に並んで表示されるマークの両方であってもよい。この場合、上下移動情報表示部3は、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときの停止予定階情報を表示する色と、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときの停止予定階情報を表示する色と、が異なるとともに、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときの停止予定階情報に並んで表示されるマークと、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときの停止予定階情報に並んで表示されるマークと、が異なることが考えられる。
【0045】
この場合、乗場には、乗場表示装置1は、操作階への停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを異なる色で報知する操作部又は報知装置、及び、操作階への停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを異なるマークで報知する操作部又は報知装置を備えた乗場に設置されてもよい。さらに、上下移動情報表示部3は、停止予定階情報を表示する色、及び、停止予定階情報に並んで表示されるマークの両方を、操作部の色や操作部に設けられているマーク又は報知装置の色や報知装置に設けられているマークと一致させてもよい。
【0046】
上記実施形態等では、上下移動情報表示部3は、停止予定階情報を表示する色や停止予定階情報に並んで表示されるマークと、操作部4の色やマークとが一致していた。しかしながら、上下移動情報表示部3は、図4に示すように、操作部4等の色と関係なく、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときの停止予定階情報を表示する色と、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときの停止予定階情報を表示する色と、が異なってもよい。同様に、上下移動情報表示部3は、図5に示すように、操作部4に設けられているマークと関係なく、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときの停止予定階情報に並んで表示されるマークと、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときの停止予定階情報に並んで表示されるマークと、が異なってもよい。この構成では、上下移動情報は、異なる方向を示す矢印(例えば、上昇を示す上向き矢印、又は、下降を示す下向き矢印)である。
【0047】
なお、上下移動情報は、停止予定階情報を表示する色や停止予定階情報に並んで表示されるマーク以外に、停止予定階情報の動き等であってもよい。例えば、上下移動情報は、停止予定階情報の数字や文字自体が、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するときには上方に動き、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが下降するときには下方に動くものであってもよい。
【0048】
このような構成であっても、上下移動情報が操作階への次回の停止後に操作階を基準としたかごの上下動を示しているため、乗場に滞在する利用者が、到着したかごの運転方向を容易に判別することができる。
【0049】
なお、停止予定階表示部2は、かごが停止可能な全階床を表示した上で、停止階に対応する階床にマークを付して、今後の停止予定階を示してもよい。具体的に、停止予定階表示部2は、かごが停止可能な全階床に関する情報と、停止予定階情報として全階床に関する情報のうち停止予定階に対応する情報に隣接して設けられるマークと、を表示してもよい。この場合であっても、上下移動情報表示部3は、停止予定階情報(全階床に関する情報のうち停止予定階に対応する情報に隣接して設けられるマーク)を表示する色を変化させたり、停止予定階情報に並んで異なる操作階への次回の停止後に操作階を基準としたかごの上下動に対応するマークを表示させたりすることで、操作階への次回の停止後に操作階を基準としたかごの上下動を示すことができる。
【0050】
また、乗場表示装置1は、かごが走行中の場合、先頭の数字(例えば、図1の「8」が表示された箇所)が、かごが走行している付近の階床を表示してもよい。さらに、乗場表示装置1は、かごの現在位置や、かごが走行している付近の階床を表示する表示装置を、停止予定階表示部3を備える表示装置と別体で設けてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…乗場表示装置、2…停止予定階表示部、3…上下移動情報表示部、4…操作部、5…乗場、40…上昇かご呼び釦、41…下降かご呼び釦
【要約】
【課題】かごの運転方向の表示の判別性を向上させたエレベータの乗場表示装置を提供する。
【解決手段】本発明は、エレベータの乗場に設置されるエレベータの乗場表示装置であって、かごの停止予定階を示す停止予定階情報を表示する停止予定階表示部と、前記停止予定階表示部に設けられ、前記乗場表示装置が設置された操作階で上昇及び下降の両方の乗場呼びが操作されたときに、操作階への次回の停止後に操作階を基準としてかごが上昇するか下降するかを示す上下移動情報を表示する上下移動情報表示部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6