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  • 特許-発光ダイオードの駆動回路 図1
  • 特許-発光ダイオードの駆動回路 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】発光ダイオードの駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/00 20220101AFI20220630BHJP
【FI】
H05B45/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018044880
(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公開番号】P2019160538
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】517188747
【氏名又は名称】英光ライティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100146064
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 玲子
(72)【発明者】
【氏名】染谷 英太郎
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-333806(JP,A)
【文献】特表2013-508914(JP,A)
【文献】特開2005-151772(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104902651(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子と出力端子と調整端子とを有する3端子レギュレータ、
前記出力端子および前記調整端子とそれぞれ接続された一方端子および他方端子を有する第1抵抗器
前記出力端子と接続された一方端子を有する第2抵抗器
発光ダイオードと接続するためのコネクタ端子を有する第1コネクタ、
可変抵抗器と接続するためのコネクタ端子を有する第2コネクタを備え、
前記第2抵抗器の他方端子は、前記第1コネクタが有するコネクタ端子のうちの前記発光ダイオードのアノードと接続され得るコネクタ端子に接続され、
前記第1抵抗器の他方端子は、前記第2コネクタが有するコネクタ端子のうちの前記可変抵抗器の一方端子と接続され得るコネクタ端子に接続され、
前記第1コネクタが有するコネクタ端子のうちの前記発光ダイオードのカソードと接続され得るコネクタ端子と、前記第2コネクタが有するコネクタ端子のうちの前記可変抵抗器の他方端子と接続され得るコネクタ端子とが接続されている、発光ダイオードの駆動回路。
【請求項2】
前記第1コネクタが有するコネクタ端子のうちの前記発光ダイオードのカソードと接続され得るコネクタ端子と接続された一方端子、および、前記第2コネクタが有するコネクタ端子のうちの前記可変抵抗器の他方端子と接続され得るコネクタ端子と接続された他方端子を有する第3抵抗器を備え、当該第3抵抗器を介して前記第1コネクタが有するコネクタ端子のうちの前記発光ダイオードのカソードと接続され得るコネクタ端子と、前記第2コネクタが有するコネクタ端子のうちの前記可変抵抗器の他方端子と接続され得るコネクタ端子とが接続されている、請求項1記載の駆動回路。
【請求項3】
電源と接続するためのコネクタ端子と、基準電位面と接続するためのコネクタ端子とを有し、
前記入力端子は、前記電源と接続するためのコネクタ端子と接続され、
前記発光ダイオードのカソードと接続され得るコネクタ端子および前記第3抵抗器の一方端子は、前記基準電位面と接続するためのコネクタ端子と接続される、請求項2に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記発光ダイオードは複数存在し、
当該複数の発光ダイオードのアノードが前記第2抵抗器の他方端子に共通的に接続される、請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動回路。
【請求項5】
前記第2抵抗器および前記発光ダイオードの各々は複数存在し、
当該複数の第2抵抗器の一方端子は前記出力端子に共通的に接続され、
当該複数の第2抵抗器の他方端子は当該複数の発光ダイオードのアノードにそれぞれ接続される、請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動回路。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の駆動回路を備える、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオードの駆動回路に関し、特に、発光ダイオードを定電流駆動方式で駆動する、駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の駆動回路の一例が、特許文献1の図1に開示されている。特許文献1の図1によれば、駆動対象のLED1およびLDE2が直列接続される。LED1のアノードは、LED5および抵抗器R3を介して3端子レギュレータIC1の出力端子に接続されるとともに、直接的に3端子レギュレータIC1の調整端子に接続される。したがって、3端子レギュレータIC1の出力電圧をV(IC1)と定義し、LED5の順方向電圧をV(LED5)と定義し、LED1およびLED2を流れる電流をI3と定義すると、I3=V(IC1)-V(LED5)/R3の関係式が成り立つ。この結果、LED1およびLED2は、定電流で駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4911747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、抵抗器R3の抵抗値が固定的であるため、LED1,LED2およびLED5の発光量を使用時に調整することはできない。ここで、抵抗器R3として可変抵抗を用いれば、抵抗値に応じて発光量が変化するが、LEDの特性上、発光量を微調整することは困難である。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、発光量を使用時に微調整することができる、発光ダイオードの駆動回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る発光ダイオードの駆動回路(12:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、入力端子(Vin)と出力端子(Vout)と調整端子(ADJ)とを有する3端子レギュレータ(16)、出力端子および調整端子とそれぞれ接続された一方端子および他方端子を有する第1抵抗器(R1)、および出力端子と接続された一方端子を有する第2抵抗器(R2, R21~R23)を備え、発光ダイオード(L1~L3)のアノードは第2抵抗器の他方端子に接続され、可変抵抗器(VR1)の一方端子は第1抵抗器の他方端子に接続される。
【0007】
好ましくは、第2抵抗器の他方端子に接続された第1コネクタ端子(221)がさらに備えられ、発光ダイオードのアノードは第1コネクタ端子に接続される。
【0008】
好ましくは、第1抵抗器の他方端子に接続された第2コネクタ端子(201)がさらに備えられ、可変抵抗器の一方端子は第2コネクタ端子に接続される。
【0009】
好ましくは、発光ダイオードは複数存在し、当該複数の発光ダイオードのアノードが第2抵抗器の他方端子に共通的に接続される。
【0010】
好ましくは、第2抵抗器および発光ダイオードの各々は複数存在し、当該複数の第2抵抗器の一方端子は出力端子に共通的に接続され、当該複数の第2抵抗器の他方端子は当該複数の発光ダイオードのアノードにそれぞれ接続される。
【0011】
好ましくは、照明装置(10)は、上述の駆動回路を備える。
【発明の効果】
【0012】
出力端子と調整端子との間の電位差は第1抵抗器によって規定され、発光ダイオードを流れる電流値は当該電位差と第2抵抗器の抵抗値とによって規定される。一方、発光ダイオードのアノード電圧は、可変抵抗器の抵抗値に応じて変動する。これによって、発光ダイオードの発光量を使用時に微調整することができる。
【0013】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この実施例の照明装置の構成を示す回路図である。
図2図1に示す照明装置を構成する調光スイッチの外観を示す外観図である。
図3】他の実施例の照明装置の構成を示す回路図である。
図4】その他の実施例の照明装置の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照して、この実施例の照明装置10は、いわゆる有機EL照明装置であり、有機ELダイオード(有機発光ダイオード)L1を発光させる駆動回路12と、有機ELダイオードL1の発光量を微調整するためにユーザによって操作される調光スイッチ14とを備える。
【0016】
駆動回路12は、Vin端子(入力端子),Vout端子(出力端子)およびADJ端子(調整端子)が設けられた3端子レギュレータ(シリーズレギュレータ)16と、コネクタ18,20および22とを含む。Vin端子は、コネクタ18の一方端子181と接続される。Vout端子は、第1抵抗器R1を介してADJ端子およびコネクタ20の一方端子201と接続され、第2抵抗器R2を介してコネクタ22の一方端子221と接続される。コネクタ18の他方端子182は、コネクタ22の他方端子222と直接的に接続されるとともに、第3抵抗器R3を介してコネクタ20の他方端子202と接続される。
【0017】
なお、3端子レギュレータ16としては、たとえば、オン・セミコンダクター社製のLM317BD2TGが適用される。
【0018】
調光スイッチ14は、図2に示す外観を有し、スイッチSW1および可変抵抗器VR1を備える。スイッチSW1の一方端子は直流電源Vccと接続され、スイッチSW1の他方端子はコネクタ18の一方端子181と接続される。また、可変抵抗器VR1の一方端子はコネクタ20の一方端子201と接続され、可変抵抗器VR1の他方端子はコネクタ20の他方端子202と接続される。
【0019】
有機ELダイオードL1のアノードはコネクタ22の一方端子221と接続され、有機ELダイオードL1のカソードはコネクタ22の他方端子222と接続される。なお、コネクタ18の他方端子182は基準電位面と接続される。
【0020】
スイッチSW1は、図2に示すダイヤル14tの目盛りを“OFF”に合わせたときにオフされる。この状態からダイヤル14tを時計回り方向に回転させると、スイッチSW1がオンされ、可変抵抗器VR1の抵抗値が増大される。
【0021】
以上のように、3端子レギュレータ16は、Vin端子とVout端子とADJ端子とを有する。第1抵抗器R1の一方端子はVout端子と接続され、第1抵抗器R1の他方端子はADJ端子と接続される。第2抵抗器R2の一方端子はVout端子と接続され、第2抵抗器R2の他方端子は有機ELダイオードL1のアノードと接続される。可変抵抗器VR1の一方端子は、第1抵抗器R1の他方端子に接続される。
【0022】
したがって、Vout端子とADJ端子との間の電位差は第1抵抗器R1によって規定され、有機ELダイオードL1を流れる電流値は当該電位差と第2抵抗器R2の抵抗値とによって規定される。一方、有機ELダイオードL1のアノード電圧は、可変抵抗器VR1の抵抗値に応じて変動する。これによって、有機ELダイオードL1の発光量を使用時に微調整することができる。
【0023】
また、有機ELダイオードL1はコネクタ22を介して駆動回路12と接続され、可変抵抗器VR1はコネクタ20を介して駆動回路12と接続されるため、有機ELダイオードL1を外付けできるとともに、可変抵抗器VR1を備える調光スイッチ14を外付けできる。
【0024】
図3を参照して、他の実施例の照明装置10は、コネクタ24および26と有機ELダイオードL2およびL3が追加された点を除き、図1に示す照明装置10と同じである。したがって、共通の構成については共通の参照番号を付することで、重複した説明を省略する。
【0025】
図3によれば、有機ELダイオードL2のアノードおよびカソードは、コネクタ24の一方端子241および他方端子242にそれぞれ接続される。また、有機ELダイオードL3のアノードおよびカソードは、コネクタ26の一方端子261および他方端子262にそれぞれ接続される。
【0026】
したがって、コネクタ22の一方端子221に加えて、コネクタ24の一方端子241およびコネクタ26の一方端子261が、第2抵抗器R2の他方端子と接続される。換言すれば、第2抵抗器R2の他方端子には、有機ELダイオードL1~L3のアノードが共通的に接続される。
【0027】
一方、コネクタ24の他方端子242およびコネクタ26の他方端子262の各々は、コネクタ18の他方端子182と直接的に接続されるとともに、第3抵抗器R3を介してコネクタ20の他方端子202と接続される。さらに、第2抵抗器R2の抵抗値は、図1に示す第2抵抗器R2の抵抗値の1/3とされる。
【0028】
この結果、第2抵抗器R2を導通した電流は、コネクタ22~26の上流で3つに分岐した後に、有機ELダイオードL1~L3に供給される。この実施例においても、有機ELダイオードL1~L3のアノード電圧は可変抵抗器VR1の抵抗値に応じて変動するため、有機ELダイオードL1~L3の発光量を使用時に微調整することができる。
【0029】
図4を参照して、その他の実施例の照明装置10は、抵抗器R2の代わりに抵抗器R21~R23が設けられる点を除き、図3に示す照明装置10と同じである。したがって、共通の構成については共通の参照番号を付することで、重複した説明を省略する。
【0030】
図4によれば、抵抗器R21~R23の一方端子は、Vout端子に共通的に接続される。これに対して、抵抗器R21の他方端子はコネクタ22の一方端子221に接続され、抵抗器R22の他方端子はコネクタ24の一方端子241に接続され、抵抗器R23の他方端子はコネクタ26の一方端子261に接続される。つまり、抵抗器R21~R23の他方端子は、有機ELダイオードL1~L3のアノードにそれぞれ接続される。なお、第2抵抗器R21~R23の各々の抵抗値は、図1に示す第2抵抗器R2の抵抗値と一致する。
【0031】
この結果、有機ELダイオードL1を流れる電流値は、Vout端子とADJ端子との間の電位差と第2抵抗器R21の抵抗値とによって規定される。また、有機ELダイオードL2を流れる電流値は、Vout端子とADJ端子との間の電位差と第2抵抗器R22の抵抗値とによって規定される。さらに、有機ELダイオードL3を流れる電流値は、Vout端子とADJ端子との間の電位差と第2抵抗器R23の抵抗値とによって規定される。
【0032】
この実施例においても、有機ELダイオードL1~L3のアノード電圧は可変抵抗器VR1の抵抗値に応じて変動するため、有機ELダイオードL1~L3の発光量を使用時に微調整することができる。また、この実施例では、第2抵抗器R21~R23が有機ELダイオードL1~L3にそれぞれ割り当てられるため、或る有機ELダイオードの着脱に起因する他の有機ELダイオードの発光量の変動を抑えることができる。
【0033】
なお、上述の実施例では、有機ELダイオードを発光させることを想定している。しかし、この発明の駆動回路は、無機ELダイオード(無機発光ダイオード)の発光にも適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
10 …照明装置
12 …駆動回路
14 …調光スイッチ
16 …3端子レギュレータ
18~22 …コネクタ
R1 …第1抵抗器
R2,R21~R23 …第2抵抗器
R3 …第3抵抗器
VR1 …可変抵抗器
L1~L3 …有機ELダイオード
図1
図2
図3
図4