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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】波からエネルギーを得る装置
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/22 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
F03B13/22
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018564886
(86)(22)【出願日】2017-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 SE2017050623
(87)【国際公開番号】W WO2017217919
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】1650826-9
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518323950
【氏名又は名称】ノーヴィゲ アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショルドハンメル,ヤン
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-502111(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0001431(US,A1)
【文献】特開平08-218999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波力エネルギー変換器の種類がポイントアブソーバである、波からエネルギーを得る装置であって、浮動プラットフォーム(2)と、それに接続されたシリンダ(1)と、海底で係留装置(10)に接続されるように設けられたピストンロッド(6)を有するピストン(5)とを備え、少なくとも1つの水圧管(13)が、その下端部で前記ピストン(5)の下方の前記シリンダ(1)の下方部分と流体接続され、前記少なくとも1つの水圧管(13)は、前記シリンダ(1)に沿って設けられ、上端部における開口部を有し、前記開口部は、前記シリンダ(1)の上方に配置された水タービン(4)に面しており、前記水タービン(4)は発電機(15)に接続されており、前記シリンダ(1)は、下方部分に、少なくとも1つの開口部を有し、前記少なくとも1つの開口部には、前記シリンダ(1)が下方に移動して前記ピストン(5)が前記シリンダ(1)に対して上方に移動する際に、水が前記シリンダ(1)の前記下方部分に入ることができるように構成された一方向弁(22)が設けられ、
前記シリンダは、上方部分に、前記シリンダ(1)が上方に移動して前記ピストン(5)が前記シリンダ(1)に対して下方に移動する際に、水が前記シリンダ(1)の前記上方部分に入ることができるように構成された、少なくとも1つの開口部(19)を有し、少なくとも1つの水圧管(13)の上方の開口部は、当該少なくとも1つの水圧管(13)から流出する水の圧力と速度を制御するように設けられた、1つ以上の制御可能なノズルを備えている、装置。
【請求項2】
前記シリンダ(1)は、スイベル軸継手(3)を介して前記浮動プラットフォーム(2)に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シリンダ(1)の前記上方部分及び/又は前記下方部分において、前記少なくとも1つの開口部(19)が、スクリーン(20、21)を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記シリンダ(1)と前記少なくとも1つの水圧管(13)との間の前記流体接続が、前記シリンダ(1)から前記少なくとも1つの水圧管(13)に水が流れることが出来るように設けられた少なくとも1つの一方向弁(11)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記シリンダ(1)の両側に少なくとも2つの水圧管(13)が設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記水タービン(4)が、回転の水平軸に設けられ、前記少なくとも2つの水圧管(13)の上方開口部は、異なる高さで設けられ、前記水タービン(4)の第1の側の少なくとも1つの第1の開口部が、前記水タービンの上部のバケットに面し、前記水タービンの第2の側の少なくとも1つの第2の開口部が、前記水タービンの底部のバケットに面するか、または前記水タービン(4)の第1の側の少なくとも1つの第1の開口部が、前記水タービンの底部のバケットに面し、前記水タービンの第2の側の少なくとも1つの第2の開口部が、前記水タービンの上部のバケットに面する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記水タービン(4)が、回転の垂直軸に設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの水圧管(13)は、その上方開口部にスピアバルブ(12)のようなカットオフ/オン機能を有する弁を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの水圧管(13)が、その上方開口部に圧力弁を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記圧力弁は、特定の圧力が得られた際に、開くように構成されている請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記水タービン(4)がペルトンタービンである、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記水タービン(4)と前記発電機(15)との間に継手(16)が設けられている、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記水タービン(4)と前記発電機(15)との間にフライホイール(14)が設けられている、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイントアブソーバ型の波力エネルギー変換器(WEC)に使用される動力取り出しシステムに関する。浮動プラットフォーム/浮標/持上装置は、いくつかのデザイン、形状、およびサイズのものであってよい。以下、これを浮動プラットフォームと呼ぶ。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギーを抽出する可能性として海洋波の巨大な力は周知である。空気に対する水の重量は830/1であり、これは、はるかに小さいエリアで、風力と同じかそれ以上の効果が抽出され得ることを示している。これは、平均風速が波の縦波速度よりも高い場合でも同様である。
【0003】
既存の波力発電システムのコスト/効率の最良の数値は、現在、風力より約80%高い。存在する波力変換器は、最大約30~300KWの単位当たりの平均電力を与える。この組み合わせは、商業投資家の間で非常に適度な利益を明示する。一部の投資家と開発者は、これらの他のシステムを経済的に実行可能にしようとして痛い目に遭ってきた。根本的に誤った理論はもとより、厳しい天候での構造的および信頼性の問題、部品の多い複雑なシステム、コストの上昇のために、それらは、再三再四、満足を得る結果に達してきていない。わずか100MWを出すシステムには、依然として計画、設置、取り扱い時間および監視が必要である。より強力な実行ユニットは、これらの面では比例してMW当たりのコストが大幅に低くなり、それは主としてMW当たりで必要とされるマン・アワーと設備が相対的に少ないためである。これが、風力発電ユニットが1MW定格出力から8MW定格出力に増大した理由である。
【0004】
他の波力発電システムが非常に低い電力出力を与え得る理由は2つあると思われる。第一に、多くの従来知られているシステムは海底への取り付け具を有していない。次に、それらは、ポイントアブソーバで有し得るラッチ効果(latching effect)なしで、重力とニュートンの法則のみに基づいて電力出力しなければならない。ラッチソリューションを有する従来知られているポイントアブソーバは小さすぎ、複雑で高価な機械と組み合わせられ、風力よりも経済的に効率が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、化石燃料費と全体として競争できるため、CO2排出量の削減に向けた大きな成果となるコンセプトを提供することである。世界の最も良い状態とは、エネルギー生産会社が同様のコストでこのシステムと石炭エネルギープラントを置き換えることができ、それによって人類にとってこの非常に重要な課題に大規模に貢献できることを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、ポイントアブソーバタイプの波力エネルギー変換器の、波からエネルギーを得るための装置が提供される。この装置は、浮動プラットフォームと、それに接続されたシリンダと、海底で係留装置に接続されたピストンロッドを有するピストンとを備える。少なくとも1つの水圧管は、その下端部が、ピストンの下方のシリンダの下方部分に流体接続されている。少なくとも1つの水圧管は、シリンダに沿って設けられ、上端部に開口部を有し、これは、少なくとも1つの水圧管内で上方に汲み上げられた水が、シリンダの上方に配置され発電機と接続されている水タービンに当たるように配置されている。水圧管は、好ましくは比較的直線状であり、管または大きなパイプとしてシリンダに沿っているが、他の形状を有し、例えばシリンダの周りに巻かれていてもよい。
【0007】
一実施形態によれば、シリンダは、スイベル軸継手を介して浮動プラットフォームに接続されている。スイベルは、1つまたは複数の軸を中心に回転することができる。一実施形態によれば、ピストンはシリンダ内の中間位置から上下に移動可能である。好ましくは、シリンダは、その上方部分および下方部分にそれぞれ周囲の水と流体接続する少なくとも1つの開口部を有する。
【0008】
一実施形態によれば、周囲の水と流体接続する少なくとも1つの開口部には、シリンダが下方に移動してピストンがシリンダに対して上方に移動する間にシリンダの下方部分に水を入れる一方向弁が設けられる。
【0009】
一実施形態によれば、周囲の水と流体接続する少なくとも1つの開口部には、スクリーンまたはフィルタが設けられる。
【0010】
一実施形態によれば、シリンダと少なくとも1つの水圧管との間の流体接続は、水がシリンダから水圧管へ流れることを可能にする少なくとも1つの一方向弁を含む。
【0011】
一実施形態によれば、少なくとも2つの水圧管がシリンダの両側に設けられている。好ましくは、少なくとも2つの水圧管の上方開口部は、異なるレベル(高さ)で設けられ、そのため、水タービンの第1の側の少なくとも1つの第1の開口部からの水が、水タービンの上部のバケットに当たり、水タービンの第2の側の少なくとも1つの第2の開口部からの水が、水タービンの底部のバケットに当たるか、または、水タービンの第1の側の少なくとも1つの第1の開口部からの水が、水タービンの底部のバケットに当たり、水タービンの第2の側の少なくとも1つの第2の開口部からの水が、水タービンの上部のバケットに当たる。一実施形態によれば、1つまたは複数の水圧管が、垂直軸ハイドロタービン(平らに配置されたランナホイール)に接続され、タービンは水の逃げ場がある状態で、シリンダの上に直接配置される。ハイドロタービンは、1から数個のノズルだけでなく、1から数個のランナを有することができる。この実施形態では、発電機は、ハイドロタービンの上に直接配置されてもよい。
【0012】
一実施形態によれば、少なくとも1つの水圧管は、その上方開口部にスピアバルブを有する。従って、水圧管の上方開口部からの水の流れおよび圧力を調節することが可能である。スピアバルブ以外の調整可能なノズルも可能である。固定サイズのノズルまたはオリフィスも、特に小型で安価な設備について、一つの選択肢であるが、効率が低下する結果を招く。
【0013】
一実施形態によれば、少なくとも1つの水圧管は、その上方開口部に圧力弁を有する。好ましくは、この弁は、水圧管中の水を排出させる、決定された圧力で開く。一方向型の圧力弁を有することが好ましい。
【0014】
一実施形態によれば、水タービンはペルトンタービンである。一実施形態によれば、水タービンと発電機との間に継手が設けられる。好ましくは、水タービンと発電機との間にフライホイールが設けられる。発電機が上に取り付けられた垂直軸ハイドロタービンの場合、一実施形態は、下方ランナホイールの真下の1つのフライホイールと、発電機の上の1つのフライホイールとを有する。
【0015】
一実施形態によれば、浮動プラットフォームは、民間利用については少なくとも1メートル×20cmである。商業展開では、今日の材料では最大140メートルの長さと4000トン超の持ち上げ力のサイズが可能である。これは時間とともに増加するであろう。
【0016】
要するに、本発明は、ピストンロッドが海底に立つ重りに取り付けられ、シリンダが浮動プラットフォームに取り付けられ、加圧水がタービンまで上向きに流れて発電機を駆動する、シリンダポンプとして説明することができる。水の流れは、タービンに面する1つまたは複数のノズルと同様に、シリンダ上の一方向弁を介して調節され、圧力を調節し、続いてタービンに当たる水の速度を調節する。圧力は、上昇段階で0~200バール、理想的には20~100バールの範囲であり、下降段階ではほぼゼロに減少し得る。それは、50から数百メートルの範囲の滝を有する水力発電所に類似した規模で、水圧管/管内の水を加圧し、その後に水タービンを運転するので、逆さまの滝と考えることが可能である。(10バールは100メートルの滝にほぼ等しい。)
【0017】
この原理はどんな大きさでも機能するので、本発明は0.5mのシリンダの長さから適切であり、実際には夏のキャビンの外の湾で使用することができる。同様に、原理が同じであるため、4000トンを持ち上げる、60メートル以上の深さで40メートルのシリンダの長さも考えられる。海底への取り付け具は、重り、または海底構造に穿設された装置であってもよい。シリンダ、水圧管およびピストンの材料は、いくつかの材料、複合材料であってもよいが、好ましい材料であってもよい。浮動プラットフォームごとに1つまたは複数のシリンダを使用できる。シリンダは、固定されているか、可撓性継手によってプラットフォームに取り付けられていてもよく、後者が好ましく、長く大きい波の動きに合わせることができる。一方向弁およびノズルは、水流の方向および/または固定圧力設定で開閉することができるが、センサを介して電気的に制御することも、コンピュータ制御することもできる。
【0018】
水タービンは理想的にはペルトンタービンであるが、このコンセプトは他の水タービンにも当てはまる。タービンホイールのサイズ、ならびにランナホイール、バケット、ノズル/スピアバルブ、および制御システムの数は様々であり得る。フライホイールが望ましいが、必須ではない。これは、フライホイールのサイズと同様に、発電機のタイプ、グリッド電圧およびサイズに加えて、同じエリアに設置されたユニットの数に依存する。発電機および制御システムは、システム、ユーザー、およびグリッド接続のサイズに応じて変化する。電力変換器を備えた可変速誘導発電機が適切な選択肢の1つである。ピストンロッドは、例えば、より大きなメンテナンス/サービスのために設置および分離の両方に有利な糸またはクラムシェルの解決策によって、中空ストラット内の係留重りに接続される。システムの汚染を避けるために、様々な水開口部の周りにフィルタまたはスクリーンがある。
【0019】
浮動プラットフォームのレイアウト、サイズ、シリンダが浮動プラットフォームに柔軟に取り付けられているのかまたは固定して取り付けられているのかによって、水タービンと発電機との間のプロペラシャフト(フライホイールがある場合はフライホイールを介して)が望ましいが、必須ではない。プロペラシャフトはスプライン継手も有し得る。
【0020】
プラットフォームは、好ましくは、海底の係留ラインとアンカーによっておおよその位置に保持すべきであるが、唯一の取り付け具としてシリンダとピストンロッドと共に機能する。他の既存のシステムとは対照的に、本発明のコンセプトは、より大きな浮動プラットフォームと組み合わせると、今日のより新しい複合材料を用いて、より一般的なシステムの90倍であり、最高の性能を発揮する競合品の何倍もの、単位当たり9MWまでの驚異的な平均性能値を生じることができる。
【0021】
世界最大の洋上風力発電ユニットは、最も経済的で、220メートルの高さを持ち、165メートルのタービン直径を持ち、最大で平均3.3MWの出力を生じる。総重量は約6000トンで、そのうちの1900トンは海上140メートルに基礎がある。同様の性能を有する本発明によるシステムは、重量が約1700トンであり、そのうちの1500トンは単純な海底重り、チェーンおよびアンカーからなる。風力発電所の一部であるプラットフォームと機械からわずか220トンがもたらされる。風力発電ユニットを設置することは、本発明のシステムよりも非常に複雑である。高さは風力よりもはるかに低いので、このコンセプトは、風力が地球の湾曲になるために必要な52kmよりはるかに短い7kmの距離で、海岸から見えなくなる。これは、それらが通常位置している土地からしばしば30~50kmの距離にあることを説明している。このコンセプトが将来的に設置と削除が非常に簡単になるという事実と相まって、許容される場所の数ははるかに優れた規模である。プラットフォームを他の船に対してより見えるようにするために、スプレー噴水を上に配置することができ、これは、作動させるために加圧水のごく一部しか必要としない。コンセプトが海岸近くにあってもよいので、この追加によって近隣の人びとの間で人気が増す可能性は非常に高い。出力を示すデッキ上の視覚可能なゲージも人気を高める。このサイズの風力発電ユニットの設置コストは約200MSEKである。より大きい浮動プラットフォームと組み合わされた本発明のシステムのコストは、生産されたMW当たりのコストに関連して計算された上述の風力発電ユニットの60~35%であると推定される。サイズの増加に伴い、コストの割合が低下する。この数値は定格出力と比べるとさらに有利である。ランニングコストは、多くとも、生産されたMW当たりの風力と同様でなければならない。
【0022】
前記の説明は、これを進展させることの重要性を示すとともに、今日入手可能な他のものに関する違いを示すことを目的としている。
【0023】
本発明は、図面を参照して例示的な実施形態を用いてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】浮動プラットフォームと組み合わされた、本発明の装置の一実施形態を、波に対向するプラットフォームの長辺を示す図で示している。
図2】プラットフォームと組み合わせた図1の本発明の装置を、プラットフォームの短辺を示す図で示している。
図3】上からスイベル装置の実施形態を示す。
図4】ピストンロッドの下方部分と係留重りへのその接続部の実施形態を示す。
図5】ピストンロッドの下方部分および係留重りへのその接続部の実施形態を、ピストンロッドとU継手との間のストラットを追加して示す。
図6】係留装置に対する接続およびワイヤロープウインチを用いた設置原理を示す。この図は、図4の表示から90度回転されている。
図7】複合プラットフォームの短辺からの本発明の実施形態を示す。
図8】ピストンロッドの下方部分、および別のタイプ(種類)の係留装置へのその接続部の実施形態を示す。
図9】長辺から見た、図7の本発明の実施形態の係留装置の別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面の全ての例示は、本発明の選択された実施形態を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。本発明は、ポイントアブソーバタイプの波力エネルギー変換器(WEC)に使用されるパワーテークオフ装置に関する。図1および図2には、浮動プラットフォーム2に取り付けられたシリンダ1を有する実施形態が示されており、浮動プラットフォーム2は固定されているか、または好ましくはフリースイベル装置3に吊り下げられている。図3も参照のこと。スイベル3は、1つまたは複数の軸で動作することができる。シリンダ1の長さは、高波および時折巨大な波があるエリアの場合、1/2メートルから、最大で40メートル超であってよい。非常に偶発的な巨大な波が考慮されるならば、シリンダ1の直径は、好ましくは長さの約1/10~1/15であるべきであるが、他の比率でも同様に完全に機能するであろう。後者は浮動面積に依存する。一般的なルールとして、巨大な波は通常の波の高さの10倍までであり得、これは、実生活では、大西洋の海岸線において、利用可能なストロークの長さは各方向15メートル、合計30メートルでなければならないことを意味している。そうすると、シリンダの全長は35~40メートルでなければならない。ピストンロッドの長さは、同様の長さ、またはさらに水中深くの長さである。図から分かるように、浮動面積は、水タービン4に圧送される水の圧力を増加させるためにシリンダ面積の何倍もの大きさである。従って、比率が大きいほど、より大きな圧力が達成され得る。この比率は、特定の場所での波の高さだけでなく、特定の設置のために選択された特定のタービンへの流量および圧力の最適な組み合わせに依存する。
【0026】
シリンダ1、ピストン5、ピストンロッド6およびストラット8の材料は、例えば補強繊維を含む金属またはポリマー複合材料のようないくつかの選択肢のものであり得る。サンドイッチ複合材は、重量に対して非常に強くて薄く、塩水で腐食したり破壊されたりすることがなく、様々な形状および強度で生産しやすく、価格にも優れているため、優れた代替品である。軽量化により設置も簡単である。シリンダ1の上方には、好ましくはペルトン型または類似の原理の水タービン4が取り付けられている。ペルトンタービンは、水で作業することができ、比較的広い圧力範囲と流量範囲で優れた性能を発揮できるという利点がある。通常の水力発電所の寿命は30年超である。塩水で使用するためには、タービン4のバケットおよび他の部分の孔食を避けるために、わずかに異なる等級のステンレス鋼を使用すべきである。2%モリブデンを添加するのが一般的な方法である。さもなければ、市販のタービンコンセプトを使用してもよい。タービン4をシリンダ1の真上に取り付ける理由は、寿命がより制限された可撓性管を有するのを避け、電力損失を低減するために水圧の力を直接使用することである。従って、水圧管は硬い。シリンダ1の内部には、好ましくは選択されたシリンダ材料で動作するのに適したピストンリングを有する、ピストン5が存在する。上下のストロークは、ほとんどの場合、2~4秒ごとに方向を変え、さらに毎秒0.5~1.5メートルの速度になるので、ピストンリングは完全にシールする必要はない。これは、水の体積と速度がわずかな圧縮漏れの影響をほとんど受けないためである。ピストン5は、シリンダ1の下端部において、ブッシング7内を摺動する、ピストンロッド6に接続されている。このブッシング7の目的は、ピストンロッドをシリンダ1の中心に安定して保持することである。ピストンロッド6は、下端部が中空ストラット8に、またはU継手29の上方部分に直接、接続されている。ピストンロッド6は、図4および図5のように、トレッド31およびロックナット30で、または図1および図2に示すクラムシェルのコンセプトによって、ストラット8またはU継手29にロックされる。合流し、大きなボルトで締め付けられるフランジは、別の選択肢である。ストラット8およびトレッド31が使用される場合、図5に示されるように、U継手29の上方部分内に入る。詳細については後述する。関連する場所の深さおよびU継手に合わせることができる限り、他の解決策も可能である。
【0027】
ピストンロッド6またはストラット8は、海底に立つ係留重り10に接続されているが、代わりにねじまたはロッドを海底岩石に穿孔して接合することもできる。可撓性のU継手23が重り10とストラット8との間に取り付けられている。U継手の原理は、任意のソケットレンチセットまたは自動車のプロペラシャフトと同じである。
【0028】
プラットフォーム1が波と共に上方に移動すると、シリンダ1はそれと共に移動し、ピストン5は静止している。ピストン5の周りの水塊も静止している。移動する唯一の水は、シリンダ1の下方部分の少なくとも1つの一方向弁11から圧縮されて絞り出される水だけでなく、少なくとも1つの開口部19を通るシリンダ1の上方部分の主に水平の補水(refill)である。換言すれば、圧倒的多数の水が周囲の水と関連してまだ静止しているため、この作業ではわずかなエネルギーしか消費されないことを意味する。1つまたは複数の一方向弁11があり得る。加圧水は少なくとも1つの一方向弁11を通って少なくとも1つの水圧管13内に、またその中を上方に流れ、図示の実施形態ではシリンダ1の外方の両側でシリンダ1に平行に配置された2つの水圧管がある。シリンダの内部に少なくとも1つの水圧管13を配置することも考えられるが、ピストン5を再設計しなければならない。少なくとも1つのスピアバルブ12または類似のカットオフ/オン機能を有する別の弁が、場合によっては別個の圧力弁と組み合わせて、水圧管13の上方開口部に配置され、これらは特定の圧力が得られたときに開く。従って、水は高速でスピアバルブ13から流出し、水タービン4のバケットに当たり、タービンを最適速度で駆動する。バケットに当たる水の圧力と流れを制御するスピアバルブは、通常の使用時よりも動きの数が多くなるため、わずかに強化する必要がある。スピアバルブの直前の別個の圧力弁は、標準的なスピアバルブから磨耗を取り除くための選択肢となり得る。タービンは、特に複数のノズルを有する場合には、スピアバルブの代わりに固定ノズルで動作することができ、従って、加圧水をタービンの周りに設けられた入口ダクトに入れるために別個の圧力弁を使用する。
【0029】
特定の実施形態によれば、一方向弁と組み合わされた小型電気水ポンプ26は、水圧管上の最高点で一定の水供給を供給することができる。供給ライン27は、水圧管に沿って海面下まで延びてもよい。水タービンに向かう上方開口部のスピアバルブおよび/または圧力弁が完全に気密に閉鎖しないので、電気水ポンプは、戻りストローク中にエアポケットが形成されるのを避ける。水タービン4は発電機15に接続されている。接続部は、好ましくは、プロペラシャフト16であってもよい。オプションのフライホイール14は、水タービン4と発電機15との間に配置することができる。水圧管13から来る水の最適圧力は、浮動プラットフォーム2のサイズおよび持ち上げ力、波高および波の速度、シリンダ直径ならびにフライホイール14および発電機15内の抵抗に依存する。各ヒーブ運動中に高い力でタービン4に圧力が加わるので、発電機15は、フライホイール14によって減衰されても、かなり急な加速力を受けることになる。これは、風力発電用途の解決法と同様に、タービン4と発電機15との間のねじりまたはトルク結合によって減衰することができる。プラットフォーム2がシリンダ1とは異なるパターンで動いているので、発電機15への柔軟な接続が必要である。これは、両端部または端部付近にU継手17を有する、プロペラシャフト16によって行われる。好ましくは、中間領域にスプライン18が設けられている。このようにして、U継手17は、矩形のプラットフォーム2の長辺に当たる波の頻繁かつ大きな動きを処理し、波がプラットフォームを短辺から動かすときにスプライン18が小さな動きを処理する。U継手17の角度が増加すると、回転速度が1回転ごとにわずかに変化するという効果がある。発電機15はこれにより、風力発電用途に使用されるコンセプトと同様に、プロペラシャフトに関連してねじりまたはトルク結合により、早期に摩耗することがある。発電機15は、好ましくは、プラットフォーム2の下方セクションに配置されるべきである。十分な余裕および余分な重量が考慮されれば、タービンに直接取り付けられた発電機15を取り付けることも可能である。スイベル装置3のひずみは、持ち上げ抵抗のために非常に大きいので、発電機の余分な重量は小さな衝撃を与える。
【0030】
この解決策の1つの選択肢は、垂直軸ハイドロタービン4´(平坦に配置されたランナホイール)を使用することであり、タービンはシリンダ1の上に直接配置されるが、水の逃げ場がある。図7を参照のこと。ハイドロタービン4´は、1から数個のノズルだけでなく、1から数個のランナを有していてもよい。この実施形態では、発電機15は、ハイドロタービン4´の上に直接配置することができる。この構成では、発電機15の上のものと同様に、下方ランナホイールの真下のフライホイール14が実用的な解決策となり得る。
【0031】
プラットフォームが上昇すると、シリンダ1の上方セクションに水を補充する必要がある。これは上方部分の大きな開口部19を介して行われる。魚および他の海生生物、ならびに海洋に浮遊する屑を避けるために、フィルタまたはスクリーン20がこれらの開口部の外側に設置される。マスキングするフィルタ20のサイズは、ローカルエリアによって異なる。示されたフィルタ領域は水の速度を遅くするので、フィルタ20は図示のものよりも大きくなる可能性が最も高い。これによって、開口部の外側に設けられたよりケージ状の装置は、より小さな穴を可能にするが、表面サイズの増大により十分な水の流れを可能にし、再びシリンダ内に入る破片の量を少なくする。一方向フラッパ弁は追加オプションであり、そのため、外側に吹き出す際にフィルタがない。穴19の位置は、シリンダ1内で比較的高くなっている。その位置は、波高の95%超ほどが穴19の影響を受けないようにすべきである。まれな時間に波がピストンを通過させると、効率はこの領域でのみ失われるが、通常の性能は下で利用可能になる。
【0032】
プラットフォーム2が波の谷に向かって沈下するとき、水は、シリンダ1の下方部分で補充されなければならない。これは、最初に水が少なくとも1つのフィルタまたはスクリーン21を通過し、次いで少なくとも1つの一方向弁22を通過することによって行われる。1つまたは複数の一方向弁22があり得る。全ての一方向弁には、流れの方向が小さな矢印で示されている。また、ここでは、フィルタ21は、図示されたものよりもサイズが大きくてもよく、すなわち、スクリーンの総面積が大きく、水を減速させず、これによって、より小さなサイズのマスキングを可能にする。これは、基本的には、マスキングがスピアバルブ開口部よりも小さい限り、シリンダ内に入ってくる屑がスピアバルブオリフィスを通って吹き飛ばされることを意味する。あらゆるサイズの大部分の非有機汚染物質は、通常、表面上に浮いているか、または底に沈んでいる。つまり、典型的には20~40メートルの深さでは、主にシリンダ1または水圧管13の内部に長く閉じ込められない有機物質がある。シリンダ1およびプラットフォーム2の外側は、防汚塗料によってコーティングすることができる。シリンダの暗い内部は、成長する多くの有機生命体を引き付けることはない。この分野の有能なコンサルタントは、有機生命体がより軽い領域に引き付けられるので、これがわずかな問題または中程度の問題であると述べている。セラミックコーティングによる処理は、シリンダ壁に引き付けられる生物の減少に有利に、さらに積極的に寄与する。それにもかかわらず、ピストンは、シリンダ壁上で成長する残留物を除去するための上方および下方スクレーピングリングを有していてもよい。通常の操作におけるストロークの長さは最大長よりはるかに短くなるため、上方および下方領域の残留物を間隔を空けて掃除する必要があり得る。これは、継手23を解放し、ピストンを全長にわたって上下に動かすことによって行うことができる。ダイバーがこれを手動で行うことは、例えば高圧水による、1つの選択肢でもある。第3の選択肢は、小さな高さであるが同じ直径の追加のスクレープピストンを、下方および上方領域に取り付け、時にはそれらを中心に向かって移動させることである。第4の選択肢は、移動可能な高圧水ノズルまたはロボットであり、ダイバーまたは船内の遠隔制御装置によって外部から操縦される。
【0033】
プラットフォーム2が下方に沈むと、ピストン上方の水は、比較的小さな抵抗で大きな開口部19を通って逃げる。この外向きの吹き出しは、フィルタ19/20を屑および残留物から清浄に保つことに寄与する。
【0034】
シリンダ1の下方セクションおよび水圧管13の上部セクションの両方に過圧逃がし弁24を設けることが可能である。図3に示すように、スイベル装置3は、ボートコンパスまたはジャイロと同じ原理を有する。プラットフォーム2には、図1に示す壁25を有するウェットルームがある。ウェットルーム25の壁にはベアリング付きの大きなボルトが取り付けられる。これらはフレーム3Aにボルト留めされ、フレーム3Aは次に一方向に自由に回転する。フレーム3Aとシリンダ1との間にもボルトおよびベアリング3Cが取り付けられる。ベアリングはボルトの両側または片側にあってよいが、原理は同じである。このようにして、シリンダ1は、前後に、また横に自由に移動することができる。スイベル3は、図面に示された解決策に従って提供されてもよいが、プラットフォーム2に接続された、シリンダの各側における1つのベアリングと共に十分機能することができ、1つの軸においてのみ移動の自由を与える。
【0035】
ウェットルームは、シリンダ1の外側の開放された領域によって、バケットに当たる水流からの排水を有する。プロペラシャフトがウェットルームの壁25を通過する場所からプラットフォーム2内にいくらかの水が漏れることがあるので、この領域では排水ポンプおよび場合によってはビルジポンプが好ましい。ポンプと壁25との間のプロペラシャフト上に直接取り付けられた円形の偏向板/ディスク40は、最初に水しぶきの大部分を停止する。板/ディスク29の背後にある、共通の下方出口を有する3つの壁28が順番に、プラットフォーム2の内部に入る水をさらに最小限にする。重力と、水スプレーの結果としての湾曲のために、水しぶきはしばしば3つの壁のうちの1つに当たる。
【0036】
設置に関連する領域の水深が変化するため、ピストンロッドまたはストラットまたはその両方の長さを可変にする必要がある。場所の深さは、好ましくは、関連する領域で最も高く、起こり得る巨大な波の1.3倍超であるべきである。なぜなら、砕波を傷つけないようにするためであり、代わりに水はその場所でいわゆる深水波特徴を有するためである。50メートル以上は、大西洋の海岸線の保守的な数字になる。
【0037】
ピストンロッド6の長さを調整するための可撓性のシステムを有することが好ましく、目標は、ピストン5を、低波/平均波高のほぼ中央の位置に有することである。これはいくつかの方法で行うことができる。1つは、利用可能な異なるピストンロッド6の長さを選択し、U継手23の上方部分29内にピストンロッドを直接取り付けることによるものである。図4を参照のこと。このコンセプトでは、ピストンロッド6のねじ山付き下端部31がU継手の上方部分29に入る。ロックナット30は、トレッドを摩耗しないように位置を静止した状態に保持する。別の選択肢は、ピストンロッド6とU継手23の上方部分29との間に、図1図2、および図5のようにストラット8を有することである。この解決策では、例えば1つのみまたは2つの長さのピストンロッド6を有するが、異なる長さのストラット8が選択される。ピストンロッド6およびストラット8のねじ31は、所望の長さに正確にさらに調整するために数メートルであってもよい。この選択肢では、ピストンロッド6がストラット8の所望の位置にねじ込まれ、ロックナット30で締め付けられる。ストラット8およびU継手23の上方部分29にも同じ原理が適用される。U継手23は、結果として、図4よりも図5で大きな直径になる。
【0038】
両方の選択肢において、U継手23の下方部分32は、実際的な方法で係留重り10に取り付けられる。上記の全ての部品は、最終位置に牽引される前に設置されることが好ましいであろう。その場所では、波のために若干の動きがあるが、プラットフォーム2を、短い方の端部を波に向けて置くことによって大きく助けられる。ダイバーは、デッキクルーと接触して、U継手23の下方部分32をブロック33内に配置する。図6を参照のこと。ワイヤ34は、下方部分29を貫通し、端部にロッキングナット35を有する。(代わりに、ナット35は、ワイヤの周りに一緒にプレスされた2つの円錐形の半分であってもよく、ブロック33の嵌合円錐内に配置されてもよい。)ナット35およびワイヤ34は、設置後に取り外される。案内ブラケット36は、その中にワイヤホールを有し、下方部分29をその最終位置に向かって案内する。手動ワイヤロープウインチ37がワイヤを引っ張るために使用される。波の中での上下のわずかな動きは、部品を一緒に配置するのにさらに役立つ。下方部分29とブロック33との間の嵌合はきつくなる。おおよその位置では、円錐形のボルト38が最終的な固定設定のために定位置に打ち込まれる。ロックナット39は、ボルト38が確実に定位置に留まるようにする。図4および図6は、それぞれ、他方に対して90度である。
【0039】
上記は、システムを実際に接続して設置するための2つの選択肢である。例えば、クラムシェル、フレキシブルジョイント、プーリーなどの他の解決策、ならびに海底係留装置からのストラットのような垂直のタワーを備えた上述の解決策が可能である。図示のようにストラット8とU継手23を省略し、代わりにU継手23の上方部分29をピストンロッドの下部に直接一体化してもよい。U継手23の下部32は、より少ない部品しか持たないようにブロック33に直接一体化することもできる。特許の原理は同じである。1つの選択肢は、海底係留装置を下の円形ボール29のように形作り、継手23を省略し、代わりにわずかな回転を前後に海底自体に向けて生じさせることである。このために地面として、穴を作りやすい海底のみを使用する代わりに、丸い係留装置が前後に転がる、コンクリートまたは金属床30が、可能な解決策であろう。
【0040】
より深い水深では、延長のためにストラット8を使用しても、ピストンロッド6の座屈が懸念される。これは、係留装置10´から上方に延びている別個のより厚い、より頑丈なロッドを有し、それにより継手23をより適切なレベルに高めることによって、避けることができる。この下方ロッドは、例えば三脚28のような様々な形状を有することができる。図8を参照のこと。この効果は、下から上に向かって塔のような構造を使用して、海底をより低い深さまで上昇させることをシミュレートすることである。このようにして、もし必要ならば、全ての設置深さにピストンロッド6の同じ長さと幅を使用することができる。しかし、主な利点は、コンセプトが日本のように水深の非常に深い外国に設置され得ることである。図8において、3つの脚は28A、28Bおよび28Cとして示されている。それらは上から見たときに三角形の位置に設けられている。係留装置10´は海底に置かれる。建設現場から最終的な場所まで牽引する場合、深さと抗力が考慮される。1つの選択肢は、シリンダ1およびシステムをプラットフォームの上に平らに載せた状態で運搬し、クレーン付き船がそれを適所に持ち上げることである。
【0041】
もう1つの選択肢は、例えば輸送のために途中までシリンダを持ち上げ、その後、搭載クレーンを使用してシリンダを所定の位置に下ろすことである。
【0042】
第3の選択肢は、下から設置する場所で、シリンダ1を水中に浮かせることである。ペルトンタービンは、水力と電気の接続に関する実用性に応じて、水中にあってもなくてもよい。
【0043】
システムを作動させる電気は、発電機から取ることができ、変換器を介してバッテリに導かれ、システムに供給することができる。あるいは、小さく単純な風力発電ユニットは、海上風がゼロの期間がかなり短いので、バッテリに十分な電力を供給することもできる。
【0044】
任意の技術的なシステムでは、部品の故障またはせん断の危険がある。上述の過圧弁24の他に、より多くの安全構成要素が設置されていてもよく、または設置されるべきである。これらは、爆発性のカートリッジまたは弱い点を含み、ピストン焼付の場合にはピストンロッド6またはスイベル装置3を壊す可能性がある。いくつかの係留チェーンに同様の解決策を適用して、プラットフォームをその位置から横方向に移動させることができ、それによりせん断または部品が引っ掛かった場合に必要以上に部品が衝突するのを回避することができる。同様に、過圧弁24を介して圧力をダンプする制御機能は、バー圧力の最大値を超えないようにするか、或る定義された機能不全の場合に圧力を完全にダンプする。火災抑制システムおよびビルジポンプに接続された警告センサも同様に関連する。全ての選択肢を列挙することなく、船積みおよび航空のような同様の保守的な設定が、特にこのプラットフォームと動力取り出しのコンセプトのより大きく高価なバージョンでは、必要である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9