(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/28 20120101AFI20220630BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
G06Q20/28
G07G1/12 321P
(21)【出願番号】P 2019067877
(22)【出願日】2019-03-29
(62)【分割の表示】P 2019007035の分割
【原出願日】2019-01-18
【審査請求日】2022-01-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518375683
【氏名又は名称】株式会社UPSIDER
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宮城 徹
(72)【発明者】
【氏名】水野 智規
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-153262(JP,A)
【文献】特開2002-366864(JP,A)
【文献】特開2017-037591(JP,A)
【文献】特開2002-015139(JP,A)
【文献】特開2008-217462(JP,A)
【文献】特開2016-042235(JP,A)
【文献】JRでもPiTaPaでポストペイ!開始までにチャージ残高の確認と払い戻しや使い切る方法をチェック,[online],2018年10月28日,[令和4年5月2日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20181028134737/https://koiukoto.com/2747.htm>
【文献】ポストペイ交通 ICカードの即時発行に関する研究 ~交通 IC カードの複数通貨決済への対応について~ ,[online],2013年02月14日,p.36-78,113-116,[令和4年5月2日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20130214175412/https://www.mlit.go.jp/pri/houkoku/gaiyou/pdf/kkk69.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、決済に用いられるカードの使用を管理するもので、
通信部と、記憶部と、演算部とを備え、
前記通信部は、決済端末から決済情報を受信可能に構成され、ここで前記決済情報とは、ユーザが1度の決済において前記カードを使用した金額を有する情報で、
前記記憶部は、残高情報と後払い情報とを関連付けて一元的に管理しており、ここで、
前記残高情報とは、前記カードにチャージされ且つ法定通貨に準ずるポイントの残高であるプリペイド方式の残高を有する情報で、
前記後払い情報とは、前記決済情報に示される金額の決済に基づき更新されうる残り限度額を有する情報で、
前記演算部は、
前記通信部が前記決済情報を受信すると、前記記憶部に記憶された前記残高情報及び前記後払い情報に示される前記残り限度額の少なくとも一方を減算するように更新することで前記決済情報に示される金額の決済を行うように構成されており、
前記決済情報に示される金額の決済について、前記残高情報と前記残り限度額とのうち、前記残り限度額を優先して減算するように構成されて
おり、
前記演算部は、前記決済情報に示される金額が、前記後払い情報の前記残り限度額の値を超える場合、前記決済情報に示される金額から前記残り限度額の値を減算した値を導出し、導出された値を前記残高情報の値から減算する、情報処理装置。
【請求項2】
前記演算部は、前記残り限度額を優先して減算することとして、
前記決済情報に示される金額の決済について、前記後払い情報の前記残り限度額の値が0になるまで、前記残高情報の値と前記残り限度額の値とのうち前記残り限度額の値を減算する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記演算部は、前記決済情報に示される金額が、しきい値を超えるか否かを判定し、ここで前記しきい値は前記残高情報の値に前記残り限度額の値を加えたものであり、
前記決済情報に示される金額が前記しきい値を超える場合には前記決済情報に示される金額の決済を却下し、
前記決済情報に示される金額が前記しきい値を超える場合に、当該しきい値から前記決済情報に示される金額を減算した値を新たな前記しきい値とするよう前記残高情報の値と前記残り限度額の値とのうち少なくとも一方を更新する、請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記カードは、前記ユーザの勤務先におけるグループごとに発行されるものであり、
前記グループごとに前記カードを発行することにより、前記記憶部において、前記グループごとの前記カードによる決済の利用状況を管理する、請求項1から
3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決済情報は、さらに前記ユーザの決済事項を有する情報で、
前記記憶部は、予め規定された決済ルール情報を記憶し、
前記演算部は、前記通信部が前記決済情報を受信すると、前記決済情報に含まれる前記決済事項と、前記記憶部に記憶された前記決済ルール情報とを比較し、前記決済ルール情報に前記決済事項が含まれない場合には、却下情報を生成可能に構成され、ここで却下情報とは、前記カードを用いて前記決済事項に係る決済を実行できない旨を示す情報で、
前記通信部は、前記却下情報を前記決済端末に送信可能に構成される、
請求項1から
4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
決済に用いられるカードの使用を情報処理装置が管理する方法であって、
前記情報処理装置は、
通信部と、記憶部と、演算部とを備え、
前記通信部は、決済端末から決済情報を受信可能に構成され、ここで前記決済情報とは、ユーザが1度の決済において前記カードを使用した金額を有する情報で、
前記記憶部は、残高情報と後払い情報とを関連付けて一元的に管理しており、ここで、
前記残高情報とは、前記カードにチャージされ且つ法定通貨に準ずるポイントの残高であるプリペイド方式の残高を有する情報で、
前記後払い情報とは、前記決済情報に示される金額の決済に基づき更新されうる残り限度額を有する情報で、
前記方法は、
前記演算部が、
前記通信部が前記決済情報を受信すると、前記記憶部に記憶された前記残高情報及び前記後払い情報に示される前記残り限度額の少なくとも一方を減算するように更新することで前記決済情報に示される金額の決済を行うステップを実行することを含み、
前記決済を行うステップにおいて、前記決済情報に示される金額の決済について、前記残高情報と前記残り限度額とのうち、前記残り限度額を優先して減算
し、
前記決済情報に示される金額が、前記後払い情報の前記残り限度額の値を超える場合、前記決済情報に示される金額から前記残り限度額の値を減算した値を導出し、導出された値を前記残高情報の値から減算する、方法。
【請求項7】
プログラムであって、決済に用いられるカードの使用をコンピュータに管理させるもので、
前記コンピュータに、通信機能と、記憶機能と、演算機能とを実行させ、
前記通信機能によれば、決済端末から決済情報を受信させ、ここで前記決済情報とは、ユーザが1度の決済において前記カードを使用した金額を有する情報で、
前記記憶機能によれば、残高情報と後払い情報とを関連付けて一元的に管理させ、ここで、
前記残高情報とは、前記カードにチャージされ且つ法定通貨に準ずるポイントの残高であるプリペイド方式の残高を有する情報で、
前記後払い情報とは、前記決済情報に示される金額の決済に基づき更新されうる残り限度額を有する情報で、
前記演算機能によれば、
前記通信機能により、前記決済情報を受信すると、前記記憶機能により管理される前記残高情報及び前記後払い情報に示される前記残り限度額の少なくとも一方を減算するように更新することで前記決済情報に示される金額の決済を行わせ、
前記決済情報に示される金額の決済について、前記残高情報と前記残り限度額とのうち、前記残り限度額を優先して減算させ
、
前記決済情報に示される金額が、前記後払い情報の前記残り限度額の値を超える場合、前記決済情報に示される金額から前記残り限度額の値を減算した値を導出し、導出された値を前記残高情報の値から減算させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、システム、及びプログラムであって、プリペイドカードの使用を管理するものに関する。
【背景技術】
【0002】
法定通貨に準ずるプリペイドカード(交通系電子マネー等)が普及してきている。プリペイドカードとは、カードに法定通貨に準ずる金額を予めチャージし、かかるプリペイドカードの加盟店舗において決済を行うと、チャージされたポイントが決済額分減額されるものである。物理的にカードが存在する形態のみならず、スマートフォンのアプリケーションとしても実施されうる。また、このようなプリペイドカードは、加盟店舗に現金を支払うことによって、又はユーザの銀行口座と紐付いた専用のウェブサイトからチャージを行うことができる。このようなプリペイドカードの使用を管理する管理装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、企業が従業員にこのようなプリペイドカードを配布することで、当該企業の経費処理を簡易化することが考えられる。クレジットカードのように従業員個人への与信管理が不要であるという利点があるものの、予め必要なチャージ額を見積もってチャージしておく必要があるという不便さもある。特に、チャージという性質上、高額を事前にチャージすることは行われにくく、例えば数万円といった高額な決済には不向きと考えられる。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、高額な決済処理に対しても使い勝手がよいプリペイドカードを実現可能な情報処理装置、システム、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、情報処理装置であって、プリペイドカードの使用を管理するもので、通信部と、記憶部と、演算部とを備え、前記通信部は、決済端末から決済情報を受信可能に構成され、ここで前記決済情報とは、ユーザが1度の決済において前記プリペイドカードを使用した金額を有する情報で、前記記憶部は、残高情報と後払い情報とを前記ユーザに紐づけて記憶し、ここで、前記残高情報とは、前記プリペイドカードにチャージされ且つ法定通貨に準ずるポイントの残高を有する情報で、前記後払い情報とは、前記ユーザの決済において前記ユーザ以外の者が前記ポイントを後払い可能な限度額を有する情報で、前記演算部は、前記通信部が前記決済情報を受信すると、前記決済情報の値がしきい値を超えるか否かを判定可能に構成され、ここで前記しきい値とは、前記残高情報の値に前記後払い情報の値を加えた値で、前記決済情報の値が前記しきい値を超えない場合、前記しきい値から前記決済情報の値を減算した値が新たな前記しきい値となるように、前記記憶部に記憶された前記残高情報及び前記後払い情報の少なくとも一方を更新するように構成され、前記通信部は、さらに、後払い精算情報を外部に送信可能に構成され、ここで前記後払い精算情報とは、前記ユーザ以外の者が立替えた前記ポイントに相当する金額を事後的に前記ユーザに請求する旨を示す情報である、情報処理装置が提供される。
【0007】
本発明に係る情報処理装置によれば、プリペイドカードのポイントの残高と別にそのポイントをユーザ以外の第三者によって立替可能な額が設定されており、高額な決済処理に対しても一時的に第三者が立替えることで、使い勝手がよいプリペイドカードを実現し、このようなプリペイドカードを管理することができる、という有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】システムで管理されるプリペイドカードを用いた決済の流れ(例1)。
【
図6】システムで管理されるプリペイドカードを用いた決済の流れ(例2)。
【
図7】システムで管理されるプリペイドカードを用いた決済の流れ(例3)。
【
図8】システムで管理されるプリペイドカードを用いた決済の流れ(その他)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組合せ可能である。特に、本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組合せることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
1.全体構成
第1節では、本実施形態に係るシステム1の全体構成を説明する。
図1は、実施形態に係るシステム1の概要図である。システム1は、決済端末2と、情報処理装置3と、第三機関サーバ4とを備え、これらが電気通信回線(ネットワーク)を介して接続されたシステムである。システム1は、プリペイドカードCの使用を管理するために用いられるものである。
【0012】
特に、本実施形態に係るシステム1によって管理されるプリペイドカードCは、ユーザU以外の第三者(例えば、ユーザUの勤務先や当該勤務先と契約した他の会社等)が一時的に決済金額に必要なポイントの一部を立替えることができることを特徴とする。つまり、規定の金額までは決済時において即座に第三者がユーザUのプリペイドカードCのアカウントに決済額と同額のポイントをチャージし、これによって決済がなされる。立替えられたポイントに相当する金額は、事後的にユーザUに請求される。以下、このようなシステム1の各構成要素についてさらに詳述する。
【0013】
1.1 決済端末2
図2は、決済端末2の構成概要を示す機能ブロック図である。決済端末2は、店舗に設置されるもので、ユーザUが提示したプリペイドカードCでの決済を行うための端末である。具体的には、決済端末2は、通信部21と、記憶部22と、演算部23とを有し、これらの構成要素が通信バス20を介して電気的に接続されている。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0014】
<通信部21>
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。特に、ユーザUが店舗においてプリペイドカードCを用いた決済を所望する場合において、プリペイドカードCを決済端末2に読み込ませると、決済端末2における通信部21は、決済情報IF0を後述の情報処理装置3に送信可能に構成される。ここで決済情報IF0とは、ユーザUが1度の決済においてプリペイドカードCを使用した金額を少なくとも有する情報である。また、後述の情報処理装置3から当該プリペイドカードCによる決済が承認されたこと又は承認が下りず決済が却下されたことを示す承認可否情報IF3を受信可能に構成される。
【0015】
<記憶部22>
記憶部22は、[発明を実施するための形態]冒頭の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部22は、演算部23によって実行される決済端末2に係る種々のプログラム等を記憶している。例えば、記憶部22は、ユーザUのプリペイドカードCの決済に関する決済情報IF0を情報処理装置3に送信させるプログラムを記憶している。
【0016】
<演算部23>
演算部23は、決済端末2に関連する全体動作の処理・制御を行う。演算部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。演算部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、決済端末2に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部22に記憶されている)による情報処理がハードウェア(演算部23)によって具体的に実現されることで、具体的な機能が実行されうる。例えば、演算部23は、ユーザUのプリペイドカードCの決済に関する決済情報IF0を情報処理装置3に送信させる機能を実現しうる。なお、
図2においては、単一の演算部23として表記されているが、実際はこれに限るものではなく、機能ごとに複数の演算部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0017】
1.2 情報処理装置3
図3は、情報処理装置3の構成概要を示す機能ブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、演算部33とを有し、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0018】
<通信部31>
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。特に、決済端末2から前述の決済情報IF0を受信可能に構成されるとともに、決済端末2に承認可否情報IF3を送信可能に構成されるとよい。さらに通信部31は、後払い精算情報IF4を外部のサーバや端末に送信可能に構成される(詳細は後述)。
【0019】
<記憶部32>
記憶部32は、[発明を実施するための形態]冒頭の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、決済情報IF0と、残高情報IF1と、後払い情報IF2と、承認可否情報IF3と、後払い精算情報IF4とをユーザUを表すIDに紐づけて記憶する。
【0020】
記憶部32は、次の記載するような様々なプログラムを記憶する。例えば、記憶部32は、演算部33における後払い可能額決定部330に、ユーザUの勤務先情報IF5又はユーザUに関する口座情報IF6に基づいて後払い情報IF2の値を決定させるプログラムを記憶する。記憶部32は、演算部33における利用承認部331に、ユーザUの決済を承認又は不承認と決定させるプログラムをさらに記憶する。記憶部32は、演算部33における決済部332に、プリペイドカードCによる決済を実行させるプログラムをさらに記憶する。記憶部32は、演算部33における精算額確定部333に、ユーザU以外の第三者が立替えたプリペイドカードCのポイントに相当する金額を事後的にユーザUに請求する通知を発行させるプログラムをさらに記憶する。
【0021】
<演算部33>
演算部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。演算部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。演算部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(演算部33)によって具体的に実現されることで、後払い可能額決定部330、利用承認部331、決済部332、及び精算額確定部333として実行されうる。以下、後払い可能額決定部330、利用承認部331、決済部332、及び精算額確定部333についてさらに詳述する。
【0022】
[後払い可能額決定部330]
後払い可能額決定部330は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(演算部33)によって具体的に実現されているものである。後払い可能額決定部330は、ユーザUがプリペイドカードCを発行する際又は任意のタイミングにおいて、後払い情報IF2として後払い可能な金額(上限)をユーザUに関する口座情報IF6に基づいて決定又は変更可能に構成される。ここで、ユーザUに関する口座情報IF6は、ユーザU個人が有する口座の情報でもよいが、ユーザUが所属する勤務先の法人口座の情報でもよい。
【0023】
ところで、プリペイドカードCとは異なる例として、クレジットカードでは、これを発行するカード会社が、カード所有者個人(ユーザU)の与信をチェックする必要があるが、本実施形態に係るシステム1が管理するものは、あくまでもプリペイドカードCであるため、ユーザU個人の与信チェックは不要である。仮に立替えを行う者がユーザUの勤務先であれば、ユーザUと勤務先との給与の天引き等として取り扱えばよく、また、勤務先と提携している第三機関であれば当該勤務先との信頼・契約があれば事足りる。換言すると、後払い可能額決定部330は、ユーザUの勤務先情報IF5(勤務先の信用)によって本プリペイドカードCの発行可否の決定又は、後払い情報IF2の値を決定若しくは変更可能に構成されることに留意されたい。
【0024】
[利用承認部331]
利用承認部331は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(演算部33)によって具体的に実現されているものである。利用承認部331は、ユーザUがプリペイドカードCを用いた決済を行おうとした際に、決済端末2から送信された決済情報IF0に基づき、かかる決済を承認するか否かを決定する。ここで決済情報IF0とは、ユーザUが1度の決済においてプリペイドカードCを使用した金額を有する情報である。具体的には、利用承認部331は、決済情報IF0の値がしきい値Tを超えるか否かを判定する。ここでしきい値Tとは、プリペイドカードCにチャージされたポイントの残高を示す残高情報IF1の値に、ユーザU以外の者がポイントを立替え可能な残り限度額を示す後払い情報IF2の値を加えた値で、決済情報IF0の値がしきい値Tを超えない場合に当該決済の承認がなされる。逆に、決済情報IF0の値がしきい値Tを超える場合には当該決済が却下される。通信部31は、承認の結果を承認可否情報IF3としてユーザUがプリペイドカードCを使用した店舗の決済端末2に送信する。
【0025】
[決済部332]
決済部332は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(演算部33)によって具体的に実現されているものである。決済部332は、決済情報IF0の値がしきい値Tを超えない場合(利用承認部331によって承認された場合)、しきい値Tから決済情報IF0の値を減算した値が新たなしきい値Tとなるように、記憶部32に記憶された残高情報IF1及び後払い情報IF2の少なくとも一方を更新する。特に具体的には、次のような処理を行って決済を実行する。
【0026】
~決済情報IF0の値が後払い情報IF2の値を超える場合~
(a)決済情報IF0の値から後払い情報IF2の値を引いた値を導出する。
(b)残高情報IF1の値から(a)で導出した値を減算する。
(c)後払い情報IF2の値を0にする。
【0027】
換言すると、利用承認部331は、通信部31が決済情報IF0を受信すると、決済情報IF0の値がしきい値Tを超えるか否かを判定可能に構成され、ここでしきい値Tとは、残高情報IF1の値に後払い情報IF2の値を加えた値で、決済部332は、決済情報IF0の値がしきい値Tを超えない場合、決済情報IF0の値から後払い情報IF2の値を引いた値を残高情報IF1の値から減算するとともに後払い情報IF2の値を0にすることで、記憶部32に記憶された残高情報IF1及び後払い情報IF2を更新するように構成される。
【0028】
~決済情報IF0の値が後払い情報IF2の値を超えない場合~
(d)後払い情報IF2の値から決済情報IF0の値を減算する。
【0029】
換言すると、利用承認部331は、決済情報IF0の値が後払い情報IF2の値を超えるか否かを判定し、超えない場合は、決済部332は、後払い情報IF2の値から決済情報IF0の値を減算して、記憶部32に記憶された後払い情報IF2を更新するように構成される。
【0030】
[精算額確定部333]
精算額確定部333は、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(演算部33)によって具体的に実現されているものである。前述の通り、決済部332によって決済が承認されると、決済情報IF0の値(決済金額)の一部又は全部が後払い情報IF2の値まで立替えられる。精算額確定部333は、後払い精算情報IF4を生成可能に構成される。ここで後払い精算情報IF4とは、決済部332の決済処理において、ユーザU以外の者によって立替えられたポイントに相当する金額又は当該金額を事後的に前記ユーザに請求する旨を示す情報である。
【0031】
そして、精算額確定部333は、通信部31を介して、後払い精算情報IF4を必要に応じて外部のサーバや端末に送信させる。例えばユーザUが有する端末(パソコン、タブレット、スマートホン等)について考えると、ユーザUは、自身が有する端末によってEメールを利用したアラートとして後払い精算情報IF4を受信することができる。あるいは、ユーザUは、自身が有する端末を用いて、専用ウェブサイト等を経由して後払い精算情報IF4を閲覧することができる。また、後払い精算情報IF4を後述の第三機関サーバ4に送信することで、当該第三機関に属するユーザUに関する口座又は法定通貨に準ずるポイントのアカウント(以後、口座等と称する)から、立替えられたポイントに相当する金額を口座振替可能に実施してもよい。
【0032】
1.3 第三機関サーバ4
図4は、第三機関サーバ4の構成概要を示す機能ブロック図である。第三機関サーバ4は、例えば銀行等の金融機関や法定通貨に準ずるポイントを提供するプロバイダが管理するサーバで、第三機関サーバ4は、例えばユーザUに関する口座等を示す口座情報IF6を管理可能に構成されている。具体的には、第三機関サーバ4は、通信部41と、記憶部42と、精算処理部43とを有し、これらの構成要素が通信バス40を介して電気的に接続されている。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0033】
<通信部41>
通信部41は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。特に、通信部41は、プリペイドカードCの後払い情報IF2の値を決定するために必要な、勤務先情報IF5及び口座情報IF6を情報処理装置3に送信可能に構成される。また、通信部41は、所定期間内に立替えられたポイントに相当する金額を示す後払い精算情報IF4を情報処理装置3より受信可能に構成される。
【0034】
<記憶部42>
記憶部42は、[発明を実施するための形態]冒頭の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部42は、後述の精算処理部43によって実行されるプログラム等を記憶している。
【0035】
<精算処理部43>
精算処理部43は、ソフトウェア(記憶部42に記憶されている)による情報処理がハードウェア(不図示の演算部)によって具体的に実現されているものである。ここで、不図示の演算部は、第三機関サーバに関連する全体動作の処理・制御を行うもので、第三機関サーバ4内にあってもよいし別体で存在していてもよい。不図示の演算部は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。不図示の演算部は、記憶部42に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、精算処理機能を実現しうる。具体的には、精算処理部43は、ユーザUに関する口座等からユーザ以外の者が立替えたポイントに相当する金額を減算し、当該金額をユーザ以外の者の口座等に加算する処理を実行可能に構成される。
【0036】
2.決済方法
第2節では、前述したシステム1で管理されるプリペイドカードCを用いた決済方法について説明する。
図5~
図7は、かかる場合の例1~例3をそれぞれ示している。それぞれの図において、ステップS01~ステップS03は、プリペイドカードCにおける後払い情報IF2の値が決まるまでの流れを示し、ステップS11~ステップS13は、プリペイドカードCを用いた決済承認可否、並びに残高情報IF1及び後払い情報IF2の値の更新の流れを示し、ステップS21~23は、所定期間(例えば1ヶ月)ユーザU以外の第三者によって立替えられたポイントの合計に相当する金額の精算の流れを示している。
【0037】
[後払い可能額の決定]
(ステップS01)
図5~
図7に示されるように、情報処理装置3における演算部33(後払い可能額決定部330)が第三機関サーバ4から勤務先情報IF5又は口座情報IF6(例えばユーザUの勤務先の法人口座)を取得する(ステップS02に続く)。
【0038】
(ステップS02)
続いて、情報処理装置3における演算部33(後払い可能額決定部330)が勤務先情報IF5又は口座情報IF6に基づいて、ユーザUのプリペイドカードCにおける後払い情報IF2の値(後払い可能な限度額)を決定する。なお、かかる決定は、任意のタイミングにおいて可能で、プリペイドカードCそのものを初めて発行するときだけではなく、ユーザUやユーザUの勤務先が望むタイミングで金額を変更させることもできる(ステップS03に続く)。
【0039】
(ステップS03)
続いて、ユーザUは、決定された後払い情報IF2の値を自身が有する端末を介して閲覧することができる。あるいは、情報処理装置3における通信部31から、Eメール等を介して決定された後払い情報IF2をアラートするように実施してもよい。
【0040】
[決済承認可否等]
(ステップS11)
図5~
図7に示されるように、ユーザUがプリペイドカードCを用いて店舗で決済を行おうとすると、店舗における決済端末2から情報処理装置3に対して決済情報IF0が送信される(ステップS12に続く)。
【0041】
(ステップS12)
続いて、情報処理装置3が決済情報IF0を受信すると、情報処理装置3における演算部33(利用承認部331)は、決済情報IF0の値(購入金額)が残高情報IF1の値と後払い情報IF2の値との和(しきい値T)を超えないか否かを判定する。ここで超えない場合は、承認に係る承認可否情報IF3を決済端末2に送信する(
図5及び
図6/ステップS13に続く)。逆に超える場合は、却下に係る承認可否情報IF3を決済端末2に送信する(
図7)。なお、却下された場合は、店舗における決済端末2を介してユーザUがポイントのチャージを現金等でその場で行えることが好ましい。
【0042】
かかる承認に関して、情報処理装置3における記憶部32に残高情報IF1と後払い情報IF2とが同一のデータベースとして記憶されていることで、直接チャージされた残高ポイントの管理と後払い可能なポイントの管理とが一元的になされており、承認にかかる時間は、非常に短時間であることに留意されたい。
【0043】
(ステップS13)
続いて、決済部332が、決済を実行する。すなわち決済部332は、残高情報IF1及び後払い情報IF2の値の少なくとも一方を更新する。まず、決済情報IF0の値が後払い情報IF2の値以下である場合を考える。例えば、決済情報IF0の値が10,000(円)、残高情報IF1の値が10,000(円)、後払い情報IF2の値が40,000(円)ならば、かかる決済によって、後払い情報IF2の値は、現在の後払い情報IF2の値から決済情報IF0の値を減算した30,000(円)に更新される。また、残高情報IF1の値は10,000(円)のままである(
図5)。次に、決済情報IF0の値が後払い情報IF2の値を超える場合を考える。例えば、決済情報IF0の値が48,000(円)、残高情報IF1の値が10,000(円)、後払い情報IF2の値が40,000(円)ならば、かかる決済によって、後払い情報IF2の値は、0(円)に更新され、残高情報IF1の値は、不足分8,000(円)が減算され、2,000(円)に更新される(
図6)。
【0044】
[後払い額の精算]
(ステップS21)
ステップS11~ステップS13のような決済を繰り返し、所定期間が経過すると、ユーザU以外の者に立替えられたポイントに相当する金額合計の精算が行われる。まず、情報処理装置3における演算部33(精算額確定部333)がユーザUに今期立替えられたポイントの累積値を通知するため、後払い精算情報IF4をユーザUに送信する。これはユーザU側から所定ウェブサイトの閲覧等により自発的に確認可能に実施してもよい。
【0045】
(ステップS22)
同様に、情報処理装置3における演算部33(精算額確定部333)が第三機関に今期立替えらえたポイントの累積値を通知するため、後払い精算情報IF4を第三機関サーバ4に送信する。
【0046】
(ステップS23)
続いて、第三機関サーバ4における精算処理部43は、ユーザUに関する口座等からユーザ以外の者が立替えたポイントに相当する金額を減算し、当該金額をユーザ以外の者の口座等に加算する処理を実行する。なお、銀行等の第三機関による口座振替はあくまでもポイント精算の一例であり、例えば、ポイントを立替えている第三者がユーザUの勤務先そのものであるならば、ユーザUの給与天引きという形で精算を実施してもよい。
【0047】
3.その他
本実施形態に係るシステム1を以下のような態様によって実施してもよい。
【0048】
第一に、勤務先がプリペイドカードCの使用用途をユーザUに制限するように実施してもよい。本実施形態に係るシステム1が管理するプリペイドカードCについては、勤務先が従業員に配布することを想定しているため、経費精算等に用いるならばその用途を限定させることができる。
【0049】
より具体的な流れを
図8に示している。ここでは、決済情報IF0がユーザUの決済事項を有する情報であるものとして、情報処理装置3における記憶部32は、予め規定された決済のルールを示す決済ルール情報IF7を記憶している。そして、ユーザUが決済を実行時、通信部31が決済情報IF0を受信すると、演算部33(利用承認部331)は、決済情報IF0に含まれる決済事項と、記憶部32に記憶された決済ルール情報IF7とを比較し、決済ルール情報IF7にその決済事項が含まれない場合には、却下に係る承認可否情報IF3(特許請求の範囲における「却下情報」の一例)を生成し、通信部31がこれを決済端末2に送信する(
図8のステップS12’参照)。
【0050】
第二に、勤務先が実施しているプロジェクト、部署、部活動等の限定されたグループごとにプリペイドカードCを発行してもよい。例えばプロジェクトごとにプリペイドカードCを発行し、前述した使用用途の限定を行うことにより、どのプロジェクトにどれだけの経費がかかっているかという仕分けを容易に実施することが可能となる。
【0051】
第三に、本実施形態に係るシステム1では、後払い情報IF2の値が0になってから残高情報IF1の更新がなされるもの、すなわち後払い情報IF2の値が優先的に更新されるものとして説明したが、残高情報IF1の値を優先的に更新するように実施してもよい。具体的には、残高情報IF1の値を優先的に減算し、残高情報IF1の値が0を下回る場合(チャージされたポイントが不足している場合)に限り、後払い情報IF2の値を更新(第三者に立替えを実行させる)するように実施してもよい。かかる場合、利用承認部331は、決済情報IF0の値が残高情報IF1の値を超えるか否かを判定し、超える場合は、決済情報IF0の値から残高情報IF1の値を引いた値を後払い情報IF2の値から減算するとともに残高情報IF1の値を0にすることで、記憶部32に記憶された残高情報IF1及び後払い情報IF2を更新し、超えない場合は、残高情報IF1の値から決済情報IF0の値を減算して、記憶部32に記憶された残高情報IF1を更新する。
【0052】
4.結言
以上のように本実施形態によれば、高額な決済処理に対しても使い勝手がよいプリペイドカードCを実現可能な情報処理装置3を実施することができる。
【0053】
かかる情報処理装置3は、プリペイドカードCの使用を管理するもので、通信部31と、記憶部32と、演算部33とを備え、前記通信部31は、決済端末2から決済情報IF0を受信可能に構成され、ここで前記決済情報IF0とは、ユーザUが1度の決済において前記プリペイドカードCを使用した金額を有する情報で、前記記憶部32は、残高情報IF1と後払い情報IF2とを前記ユーザUに紐づけて記憶し、ここで、前記残高情報IF1とは、前記プリペイドカードCにチャージされ且つ法定通貨に準ずるポイントの残高を有する情報で、前記後払い情報IF2とは、前記ユーザUの決済において前記ユーザU以外の者が前記ポイントを立替え可能な限度額を有する情報で、前記演算部33は、前記通信部31が前記決済情報IF0を受信すると、前記決済情報IF0の値がしきい値Tを超えるか否かを判定可能に構成され、ここで前記しきい値Tとは、前記残高情報IF1の値に前記後払い情報IF2の値を加えた値で、前記決済情報IF0の値が前記しきい値Tを超えない場合、前記しきい値Tから前記決済情報IF0の値を減算した値が新たな前記しきい値Tとなるように、前記記憶部32に記憶された前記残高情報IF1及び前記後払い情報IF2の少なくとも一方を更新するように構成され、前記記憶部32に記憶された前記残高情報IF1及び前記後払い情報IF2を更新するように構成され、前記通信部31は、さらに、後払い精算情報IF4を外部に送信可能に構成され、ここで前記後払い精算情報IF4とは、前記ユーザU以外の者が立替えた前記ポイントに相当する金額を事後的に前記ユーザUに請求する旨を示す情報である。
【0054】
また、高額な決済処理に対しても使い勝手がよいプリペイドカードCを実現可能なシステム1を実施することができる。
【0055】
かかるシステム1は、プリペイドカードCの使用を管理するもので、決済端末2と、情報処理装置3と、第三機関サーバ4とを備え、これらが電気通信回線を介して互いに通信可能に接続され、前記決済端末2は、決済情報IF0を前記情報処理装置3に送信可能に構成され、ここで前記決済情報IF0とは、ユーザUが1度の決済において前記プリペイドカードCを使用した金額を有する情報で、前記情報処理装置3は、前述に記載の通りで、前記第三機関サーバ4は、記憶部42と精算処理部43とを備え、前記第三機関サーバ4の前記記憶部42は、口座情報IF6を記憶し、ここで前記口座情報IF6とは、前記ユーザUに関する口座の残高を有する情報で、前記精算処理部43は、前記情報処理装置3から受信した前記後払い精算情報IF4に基づいて、前記記憶部42に記憶された前記ユーザUに関する口座又は法定通貨に準ずるポイントのアカウントから前記ユーザU以外の者が立替えた前記ポイントに相当する金額を減算する処理を実行可能に構成される。
【0056】
また、高額な決済処理に対しても使い勝手がよいプリペイドカードCを実現可能な情報処理装置3をハードウェアとして実施するためのソフトウェアを、プログラムとして実施することもできる。そして、このようなプログラムを、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供してもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供してもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させて、クライアント端末で各機能を実施可能な、いわゆるクラウド・コンピューティングを実施してもよい。
【0057】
かかるプログラムは、プリペイドカードCの使用をコンピュータ(情報処理装置3)に管理させるもので、前記コンピュータに、通信機能と、記憶機能と、演算機能とを実行させ、前記通信機能によれば、決済端末2から決済情報IF0を受信させ、ここで前記決済情報IF0とは、ユーザUが1度の決済において前記プリペイドカードCを使用した金額を有する情報で、前記記憶機能によれば、残高情報IF1と後払い情報IF2とを前記ユーザUに紐づけて記憶させ、ここで、前記残高情報IF1とは、前記プリペイドカードCにチャージされ且つ法定通貨に準ずるポイントの残高を有する情報で、前記後払い情報IF2とは、前記ユーザUの決済において前記ユーザU以外の者が前記ポイントを立替え可能な限度額を有する情報で、前記演算機能によれば、前記決済情報IF0の値がしきい値Tを超えるか否かを判定させ、ここで前記しきい値Tとは、前記残高情報IF1の値に前記後払い情報IF2の値を加えた値で、前記決済情報IF0の値が前記しきい値Tを超えない場合、前記しきい値Tから前記決済情報IF0の値を減算した値が新たな前記しきい値Tとなるように、前記残高情報IF1及び前記後払い情報IF2の少なくとも一方を更新させ、前記通信機能によれば、さらに、後払い精算情報IF4を外部に送信させ、ここで前記後払い精算情報IF4とは、前記ユーザU以外の者が立替えた前記ポイントに相当する金額を事後的に前記ユーザUに請求する旨を示す情報である。
【0058】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0059】
1 :システム
2 :決済端末
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :演算部
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :演算部
330 :後払い可能額決定部
331 :利用承認部
332 :決済部
333 :精算額確定部
4 :第三機関サーバ
40 :通信バス
41 :通信部
42 :記憶部
43 :精算処理部
C :プリペイドカード
IF0 :決済情報
IF1 :残高情報
IF2 :後払い情報
IF3 :承認可否情報
IF4 :後払い精算情報
IF5 :勤務先情報
IF6 :口座情報
IF7 :決済ルール情報
T :しきい値
U :ユーザ