(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315Z
(21)【出願番号】P 2020060375
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2021-04-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】馬場 俊宏
【審査官】辻野 安人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-010567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当り抽選の結果に基づき変動ゲームを実行し、前記当り抽選にて当りに当選すると、当りの変動ゲームの終了後に当り遊技を付与可能な遊技機において、
変動ゲームの実行の保留を示す保留情報を表示する保留表示部と、
画像を表示可能な第1画像表示部と、
画像を表示可能な第2画像表示部と、
画像を表示可能な第3画像表示部と、
画像を表示可能な第4画像表示部と、
前記第1画像表示部、前記第2画像表示部、前記第3画像表示部、及び前記第4画像表示部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
変動ゲームの実行の保留を示す第1特定画像を前記第3画像表示部に表示可能に制御するとともに、変動ゲームの実行を示す第2特定画像を前記第4画像表示部に表示可能に制御し、
前記第1画像表示部における特殊演出の表示に応じて前記第2画像表示部に特殊演出を表示させた後、又は前記第2画像表示部における特殊演出の表示に応じて前記第1画像表示部に特殊演出を表示させた後に、前記第3画像表示部における第1特定画像、又は前記第4画像表示部における第2特定画像の表示態様を変化させる制御を行うことができ、
前記第3画像表示部における第1特定画像と前記第4画像表示部における第2特定画像とは視認し易さが異な
り、
前記第3画像表示部に前記第1特定画像が表示されており、当該第1特定画像の表示態様が前記第1画像表示部及び前記第2画像表示部における特殊演出の表示に応じて変化された後であっても、新たな変動ゲームの実行の保留に応じて前記第3画像表示部に前記第1特定画像が表示されたとき、当該第1特定画像の表示態様を、前記第1画像表示部及び前記第2画像表示部における特殊演出の表示に応じて変化させる制御を行うことができ、
前記第3画像表示部に前記第1特定画像が表示されており、当該第1特定画像の表示態様が前記第1画像表示部及び前記第2画像表示部における特殊演出の表示に応じて変化された後であっても、当該第1特定画像が前記第4画像表示部に前記第2特定画像として表示されたとき、当該第2特定画像の表示態様を、前記第1画像表示部及び前記第2画像表示部における特殊演出の表示に応じて変化させる制御を行うことができる遊技機。
【請求項2】
前記特殊演出は、特殊画像の表示によって実行され、
前記特殊演出の開始時から、前記特殊画像の表示によって、前記第1特定画像及び前記第2特定画像のうち表示態様が変化され得る画像を認識可能であり、
前記特殊画像の表示位置が変化することによって、前記特殊演出の開始時よりも、前記第1特定画像及び前記第2特定画像のうち表示態様が変化され得る画像を認識し易くなる請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第3画像表示部は、実行が保留されている4回の変動ゲームのそれぞれを示すように、4つの前記第1特定画像を表示するときがあり、当該4つの第1特定画像が前記第4画像表示部と前記第3画像表示部とが並ぶ方向に沿ってまとめて変位することに応じて、当該4つの第1特定画像のうち、実行が保留されている所定の変動ゲームに対応する第1特定画像、前記所定の変動ゲームの次に保留されている変動ゲームに対応する第1特定画像、及び、前記次に保留されている変動ゲームの次に保留されている変動ゲームに対応する第1特定画像の何れかの表示態様が変化し得る請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、変動ゲームの保留条件が成立すると、その変動ゲームの実行を保留可能であるとともに、実行が保留された変動ゲームや実行中である変動ゲームを示す画像(以下、特定画像と示す)の表示態様を変化させることが行われている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機では、特定画像の表示態様を変化させる演出が実行されるものの、さらに演出効果を高め、興趣を向上させることが期待されている。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、当り抽選の結果に基づき変動ゲームを実行し、前記当り抽選にて当りに当選すると、当りの変動ゲームの終了後に当り遊技を付与可能な遊技機において、変動ゲームの実行の保留を示す保留情報を表示する保留表示部と、画像を表示可能な第1画像表示部と、画像を表示可能な第2画像表示部と、画像を表示可能な第3画像表示部と、画像を表示可能な第4画像表示部と、前記第1画像表示部、前記第2画像表示部、前記第3画像表示部、及び前記第4画像表示部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、変動ゲームの実行の保留を示す第1特定画像を前記第3画像表示部に表示可能に制御するとともに、変動ゲームの実行を示す第2特定画像を前記第4画像表示部に表示可能に制御し、前記第1画像表示部における特殊演出の表示に応じて前記第2画像表示部に特殊演出を表示させた後、又は前記第2画像表示部における特殊演出の表示に応じて前記第1画像表示部に特殊演出を表示させた後に、前記第3画像表示部における第1特定画像、又は前記第4画像表示部における第2特定画像の表示態様を変化させる制御を行うことができ、前記第3画像表示部における第1特定画像と前記第4画像表示部における第2特定画像とは視認し易さが異なり、前記第3画像表示部に前記第1特定画像が表示されており、当該第1特定画像の表示態様が前記第1画像表示部及び前記第2画像表示部における特殊演出の表示に応じて変化された後であっても、新たな変動ゲームの実行の保留に応じて前記第3画像表示部に前記第1特定画像が表示されたとき、当該第1特定画像の表示態様を、前記第1画像表示部及び前記第2画像表示部における特殊演出の表示に応じて変化させる制御を行うことができ、前記第3画像表示部に前記第1特定画像が表示されており、当該第1特定画像の表示態様が前記第1画像表示部及び前記第2画像表示部における特殊演出の表示に応じて変化された後であっても、当該第1特定画像が前記第4画像表示部に前記第2特定画像として表示されたとき、当該第2特定画像の表示態様を、前記第1画像表示部及び前記第2画像表示部における特殊演出の表示に応じて変化させる制御を行うことができることを要旨とする。
【0006】
上記遊技機について、前記特殊演出は、特殊画像の表示によって実行され、前記特殊演出の開始時から、前記特殊画像の表示によって、前記第1特定画像及び前記第2特定画像のうち表示態様が変化され得る画像を認識可能であり、前記特殊画像の表示位置が変化することによって、前記特殊演出の開始時よりも、前記第1特定画像及び前記第2特定画像のうち表示態様が変化され得る画像を認識し易くなるとよい。
上記遊技機について、前記第3画像表示部は、実行が保留されている4回の変動ゲームのそれぞれを示すように、4つの前記第1特定画像を表示するときがあり、当該4つの第1特定画像が前記第4画像表示部と前記第3画像表示部とが並ぶ方向に沿ってまとめて変位することに応じて、当該4つの第1特定画像のうち、実行が保留されている所定の変動ゲームに対応する第1特定画像、前記所定の変動ゲームの次に保留されている変動ゲームに対応する第1特定画像、及び、前記次に保留されている変動ゲームの次に保留されている変動ゲームに対応する第1特定画像の何れかの表示態様が変化し得るとよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】メイン演出表示装置、第1サブ演出表示装置、第2サブ演出表示装置、及び第3サブ演出表示装置の動作を説明するための模式図。
【
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【
図4】(a)~(f)は、変化示唆演出の流れを説明するための説明図。
【
図5】(a)~(d)は、変化示唆演出の流れを説明するための説明図。
【
図6】(a)~(f)は、変化示唆演出の流れを説明するための説明図。
【
図7】(a)~(d)は、変化示唆演出の流れを説明するための説明図。
【
図8】(a)~(d)は、変化示唆演出の流れを説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0010】
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を備える。搭載枠11bには、後述する遊技盤YBが組み付けられる。
【0011】
パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出という)を実行可能である。所定の音声は、楽曲、及び効果音等である。パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、内蔵された発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出という)を実行可能である。パチンコ遊技機10は、遊技球を発射するときに操作される発射ハンドルHDを備える。
【0012】
遊技盤YBの前面には、正面視で略円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技領域YBaの略中央には、表示窓口YBbが形成されている。遊技領域YBaの左方には、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球を遊技領域YBaへ案内する発射通路YBcが形成されている。
【0013】
遊技盤YBは、第1特別図柄表示装置19aを備える。第1特別図柄表示装置19aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームという)を実行可能である。遊技盤YBは、第2特別図柄表示装置19bを備える。第2特別図柄表示装置19bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームという)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄と、が少なくともある。パチンコ遊技機10は、始動条件の成立を契機とした大当り抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技を付与可能に構成されている。大当り抽選は、当り抽選の一例であり、大当り遊技は、当り遊技の一例である。
【0014】
遊技盤YBは、第1保留表示装置19cを備える。第1保留表示装置19cは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数という)を特定可能な情報を表示する。遊技盤YBは、第2保留表示装置19dを備える。第2保留表示装置19dは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数という)を特定可能な情報を表示する。保留表示装置19c,19dは、特別ゲームの実行の保留を示す保留情報を表示する保留表示部の一例である。
【0015】
遊技盤YBは、普通図柄表示装置19eを備える。普通図柄表示装置19eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、普通当り抽選の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、が少なくともある。本実施形態では、内部抽選(普通図柄の当り抽選)に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。遊技盤YBは、普通保留表示部(不図示)を備えてもよい。普通保留表示部は、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。また、遊技盤YBは、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
【0016】
パチンコ遊技機10は、画像を表示可能な画像表示部の一例である複数の演出表示装置を含む演出表示装置群EHを備える。演出表示装置群EHには、第1画像表示部の一例であるメイン演出表示装置MHと、第2画像表示部の一例である第1サブ演出表示装置SH1と、第3画像表示部の一例である第2サブ演出表示装置SH2と、第4画像表示部の一例である第3サブ演出表示装置SH3と、が含まれる。メイン演出表示装置MHは、表示窓口YBbと同程度の大きさの表示領域GHm1を有する比較的大型の液晶装置である。一方、第1サブ演出表示装置SH1の表示領域GHs1、第2サブ演出表示装置SH2の表示領域GHs2、及び第3サブ演出表示装置SH3の表示領域GHs3は、何れもメイン演出表示装置MHの表示領域GHm1に比して狭い。本実施形態の一例において、サブ演出表示装置SH1~SH3は、何れも液晶装置である。
【0017】
図2に示すように、メイン演出表示装置MHは、変位不能に固定されている。一方、サブ演出表示装置SH1~SH3は、所定の方向に沿って変位可能に構成されている。具体的に、第1サブ演出表示装置SH1は、原位置P0aと、演出位置P1aと、の間で変位可能に支持されている。原位置P0aは、第1サブ演出表示装置SH1が表示窓口YBbの上縁部に沿って配置される位置である。演出位置P1aは、原位置P0aを基準として下方へ変位した位置であり、第1サブ演出表示装置SH1が正面視における表示窓口YBb(メイン演出表示装置MHの表示領域GHm1)の中央寄りに配置される位置である。遊技盤YBは、第1サブ演出表示装置SH1を変位させる手段として、第1ステッピングモータSM1を備える。
【0018】
第2サブ演出表示装置SH2は、原位置P0bと、演出位置P1bと、演出位置P2bと、の間で変位可能に支持されている。原位置P0bは、第2サブ演出表示装置SH2が表示窓口YBbの下縁部に沿って配置される位置である。演出位置P1bは、原位置P0bを基準として左方へ変位した位置であり、演出位置P2bは、原位置P0bを基準として右方へ変位した位置である。つまり、第2サブ演出表示装置SH2は、第1サブ演出表示装置SH1の変位方向(上下方向)と交差する方向(左右方向)に沿って変位可能である。遊技盤YBは、第2サブ演出表示装置SH2を変位させる手段として、第2ステッピングモータSM2を備える。
【0019】
第3サブ演出表示装置SH3は、原位置P0cと、演出位置P1cと、の間で変位可能に支持されている。原位置P0cは、第3サブ演出表示装置SH3が表示窓口YBbの下縁部に沿って配置される位置であって、第2サブ演出表示装置SH2よりも左寄りに配置される位置である。演出位置P1cは、原位置P0cを基準として左方へ変位した位置である。つまり、第3サブ演出表示装置SH3は、第1サブ演出表示装置SH1の変位方向(上下方向)と交差する方向(左右方向)に沿って変位可能である。遊技盤YBは、第3サブ演出表示装置SH3を変位させる手段として、第3ステッピングモータSM3を備える。
【0020】
メイン演出表示装置MH、及びサブ演出表示装置SH1~SH3では、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出という)を実行可能である。例えば、メイン演出表示装置MHにおける表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームという)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。例えば、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0021】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す場合がある。演出ゲームは、リーチ演出を含むときがある。リーチ演出は、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを停止表示させる演出である。一例として、リーチは、左右の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、中図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出に比して大当り期待度が高いスーパーリーチ演出と、が含まれる。
【0022】
また、本実施形態において、サブ演出表示装置SH1~SH3は、原位置から演出位置へと変位する演出(以下、可動演出という)を単独で、又は表示演出と組み合わせて実行可能である。可動演出を含んで構成される演出の詳細については後述する。本実施形態において、演出表示装置群EH、及びスピーカSP、装飾ランプLAは、それぞれ演出を実行可能な演出装置となり、演出装置群ESを構成する。
【0023】
図1に示すように、遊技領域YBaには、遊技球が入球可能な複数の入賞口(入球口)が形成されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、が少なくともある。第1始動口12は、第1特別ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第1始動口12は、演出表示装置群EHの下方にあり、常時、遊技球を入球させることができるように開口している。遊技盤YBは、第1始動口12へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備える(
図3参照)。第2始動口13は、第2特別ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第2始動口13は、第1始動口12の右方にある。第2始動口13は、扉状であることを一例とする開閉片を備えており、後述する普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖されている。そして、第2始動口13は、普通当り抽選に当選して普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤YBは、第2始動口13を開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(
図3参照)。また、遊技盤YBは、第2始動口13へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備える(
図3参照)。第2始動口13は、所謂「普通電動役物」である。
【0024】
大入賞口14は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。大入賞口14は、演出表示装置群EHの右下方にある。大入賞口14は、扉状であることを一例とする開閉片を備えており、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。大入賞口14は、大当り抽選にて大当りに当選して大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤YBは、大入賞口14を開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(
図3参照)。また、遊技盤YBは、大入賞口14へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備える(
図3参照)。
【0025】
遊技領域YBaには、ゲート17が配設されている。ゲート17は、遊技領域YBaの右方領域であって、第2始動口13、及び大入賞口14の上方にある。ゲート17には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口17aを有する。ゲート口17aには、入球し、通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4が配設されている(
図3参照)。ゲート17は、普通ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。ゲート17は、遊技球が入球しても賞球の払出条件が成立しない。遊技領域YBaの最下方には、第1始動口12、第2始動口13、及び大入賞口14の何れにも入賞しなかった遊技球を機外に排出するためのアウト口18が形成されている。
【0026】
パチンコ遊技機10において、遊技者は、発射ハンドルHDの操作により、遊技球の発射強度を調整し、表示窓口YBbより左方にある左方領域、及び表示窓口YBbより右方にある右方領域に遊技球を打ち分ける。例えば、発射強度を強めに調整して遊技球を発射した場合(以下、右打ちという)、遊技球は、右方領域に流下案内され易く、第2始動口13、大入賞口14、又はゲート17へ入球する可能性がある。右打ちは、遊技球を右方領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度又は最大強度よりも若干弱い強度に調整して行う。一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、左打ちという)、遊技球は、左方領域に流下案内され易く、第1始動口12へ入球する可能性がある。左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないため、発射させた遊技球が右方領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。本実施形態では、右打ちした場合、第1始動口12へ遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。遊技部品は、右打ちしたときに第1始動口12への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちしたときに比して、第1始動口12へ入球し難いように配置されていてもよい。
【0027】
本実施形態における「左方領域」は、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線よりも左側に位置する領域である。本実施形態における「右方領域」は、遊技盤YBを正面視したときに前記中心線よりも右側に位置する領域である。発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球は、遊技領域YBaの左側にある発射通路YBcに案内され、遊技領域YBaに到達する。このため、左方領域は、発射通路YBc寄りの領域でもあり、右方領域は、発射通路YBcから離れた領域でもある。左方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域YBaの中央に位置する演出表示装置群EHの左側を通り、遊技領域YBaの最下方に位置するアウト口18へ向かう。一方、右方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域YBaの中央に位置する演出表示装置群EHの右側を通り、アウト口18へ向かう。
【0028】
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口14を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口14は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0029】
次に、パチンコ遊技機10に搭載された各種の機能について説明する。
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能という)を搭載している。
確率変動機能は、大当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率という)を変動させるための機能である。即ち、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0030】
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、普通電動役物である第2始動口13への入賞を補助することにより、ベース(遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合)を変動させるための機能である。即ち、パチンコ遊技機10は、ベースが異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低ベース状態と、入球補助機能が作動する高ベース状態と、を備える。本実施形態における高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動口13へ入球する確率が高い。高ベース状態では、遊技球が第2始動口13へ入球する確率が高まり、第2始動口13への遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、所謂「非電サポ状態」である。
【0031】
例えば、高ベース状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことによって実現できる。第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口13の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口13の開放回数を低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口13の1回の開放時間を低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高ベース状態は、次に説明する第4の制御を組み合わせて実現してもよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低ベース状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
【0032】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって遊技状態が規定される。以下の説明では、低確率状態、且つ低ベース状態である遊技状態を「低確低ベース状態」と示し、高確率状態、且つ低ベース状態である遊技状態を「高確低ベース状態」と示す。また、低確率状態、且つ高ベース状態である遊技状態を「低確高ベース状態」と示し、高確率状態、且つ高ベース状態である遊技状態を「高確高ベース状態」と示す。
【0033】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主基板40と、副基板50と、を備える。主基板40と、副基板50とは、主基板40から副基板50へと一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。主基板40は、所定の処理を実行し、副基板50へ制御信号を出力する。副基板50は、主基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0034】
主基板40について詳しく説明する。
主基板40は、主制御CPU41と、主制御ROM42と、主制御RWM43と、を備える。主制御CPU41は、主制御プログラムを実行することにより、所定の処理として、遊技の進行に関する処理を実行する。主制御ROM42は、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。主制御ROM42は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせが停止表示される変動内容となる。主制御RWM43は、主制御CPU41の処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM43が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。主基板40は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路44を備える。主基板40は、主制御CPU41による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されていてもよい。
【0035】
主基板40は、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4と接続されている。主制御CPU41は、各センサSE1~SE6が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。主基板40は、複数の表示装置19a~19eと接続されている。主制御CPU41は、複数の表示装置19a~19eの表示内容を制御可能である。主基板40は、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主制御CPU41は、第2始動口13、及び大入賞口14の開放態様を制御可能である。
【0036】
次に、副基板50について説明する。
副基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、を備える。副制御CPU51は、副制御プログラムを実行することにより、所定の処理として、演出に関する処理を行う。副制御ROM52は、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動演出に用いる可動演出データなどを記憶している。副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。副基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。副基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0037】
副基板50は、メイン演出表示装置MHと接続されている。副制御CPU51は、メイン演出表示装置MHの表示内容を制御可能である。副基板50は、サブ演出表示装置SH1~SH3と接続されている。副制御CPU51は、サブ演出表示装置SH1~SH3の表示内容を各別に制御可能である。副基板50は、ステッピングモータSM1~SM3と接続されている。副制御CPU51は、ステッピングモータSM1~SM3の動作を制御することにより、それぞれサブ演出表示装置SH1~SH3を各別に変位させることができる。副基板50は、第1画像表示部の一例であるメイン演出表示装置MH、第2画像表示部の一例である第1サブ演出表示装置SH1、第3画像表示部の一例である第2サブ演出表示装置SH2、及び第4画像表示部の一例である第3サブ演出表示装置SH3を制御する制御部の一例となる。
【0038】
次に、主制御CPU41が行う各種の処理について説明する。
主制御CPU41は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
【0039】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU41は、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口12へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1始動口12へ入賞した場合、主制御CPU41は、主制御RWM43に記憶されている第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41は、第1保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU41は、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置19cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると成立する。また、主制御CPU41は、更新後の第1保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第1保留数コマンドという)を副基板50へ出力する。
【0040】
次に、主制御CPU41は、乱数回路44が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM43に記憶させる。例えば、乱数は、大当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM43に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0041】
主制御CPU41は、実行を保留した特別ゲーム(本実施形態では第1特別ゲーム)の変動内容を特定可能な制御コマンド(以下、先読みコマンドと示す)を副基板50へ出力する。本実施形態の一例において、先読みコマンドは、特別ゲームが大当りとなるか否かを特定可能な情報である。主制御CPU41は、乱数回路44から取得した当り乱数の値が後述する大当り抽選に当選することとなる値であるか否かを判定することにより、実行を保留した変動ゲームが大当りとなるか否かを特定する。副基板50(副制御CPU51)は、先読みコマンドを入力することにより、始動口への入球に基づいて実行が保留された変動ゲームの変動内容を特定可能である。
【0042】
主制御CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM43に記憶させた場合、第1始動口12へ遊技球が入賞していない場合、及び、第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口13へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第2始動口13へ入賞している場合、主制御CPU41は、主制御RWM43に記憶されている第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41は、第2保留数を1加算して更新する。主制御CPU41は、更新後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示装置19dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると成立する。また、主制御CPU41は、更新後の第2保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第2保留数コマンドという)を副基板50へ出力する。
【0043】
次に、主制御CPU41は、主基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM43に記憶させる。主制御CPU41は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM43に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM43に記憶させた場合、第2始動口13へ遊技球が入賞していない場合、及び、第2保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41は、特別図柄入力処理を終了する。
【0044】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU41は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU41は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU41は、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、主制御CPU41は、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0045】
第1保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU41は、第1保留数を1減算して更新する。主制御CPU41は、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置19cを制御する。主制御CPU41は、更新後の第1保留数を特定可能な第1保留数コマンドを副基板50へ出力する。次に、主制御CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM43から取得する。続けて、主制御CPU41は、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う。主制御CPU41は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0046】
大当りに当選した場合、主制御CPU41は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU41は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。主制御CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0047】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU41は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU41は、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。はずれ変動処理において、主制御CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチあり、又はリーチ無しのはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0048】
第2保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU41は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU41は、第2保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。また、主制御CPU41は、更新後の第2保留数を特定可能な第2保留数コマンドを副基板50へ出力することとなる。
【0049】
主制御CPU41は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを副基板50へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0050】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。また、主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副基板50に出力する。
【0051】
一方、主制御CPU41は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。また、主制御CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副基板50に出力する。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、主制御CPU41が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することによって、始動口への遊技球の入球を契機に当り抽選を行うように構成されている。
【0052】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU41は、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU41は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU41は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0053】
最初に、主制御CPU41は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副基板50に出力する。主制御CPU41は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU41は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口14を開状態とする。主制御CPU41は、カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口14を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU41は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU41は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副基板50に出力する。主制御CPU41は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副基板50に出力する。主制御CPU41は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU41は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副基板50に出力する構成であってもよい。
【0054】
次に、確率状態を移行させる確率移行処理について説明する。
主制御CPU41は、第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM43に高確フラグをセットする。即ち、主制御CPU41は、高確率状態に制御する。一方、主制御CPU41は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM43に高確フラグをセットしない。即ち、主制御CPU41は、低確率状態に制御する。主制御CPU41は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU41は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0055】
次に、入球率状態及び変動時間状態を移行させる処理について説明する。
主制御CPU41は、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、主制御RWM43に作動フラグをセットする。即ち、主制御CPU41は、高ベース状態に制御する。主制御CPU41は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RWM43に記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU41は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RWM43に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU41は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低ベース状態に制御する。主制御CPU41は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU41は、大当り遊技中、低ベース状態に制御する。
【0056】
次に、副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置群ESを制御する。
【0057】
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、特別ゲームに対応する演出ゲームを実行するようにメイン演出表示装置MHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
【0058】
また、副制御CPU51は、リーチ演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。一例として、リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。リーチ条件には、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、所定のリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、大当りの図柄組合せを構成する演出図柄をリーチの演出図柄として決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
【0059】
そして、副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように、メイン演出表示装置MHを制御する。即ち、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させる。副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せの停止表示を確定させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0060】
パチンコ遊技機10は、変動ゲームの実行に関連して、各種の演出を実行可能に構成されている。以下、パチンコ遊技機10において実行可能な演出について説明する。
図2に示すように、第2サブ演出表示装置SH2では、変動ゲームの実行の保留を示す第1特定画像の一例として、実行が保留されている変動ゲームに対応させて保留アイコンiが表示される。表示領域GHs2には、保留アイコンiを表示する位置(以下、アイコン表示位置Hと示す)として、第1保留数=1に対応するアイコン表示位置H1と、第1保留数=2に対応するアイコン表示位置H2と、第1保留数=3に対応するアイコン表示位置H3と、第1保留数=4に対応するアイコン表示位置H4と、が定められている。アイコン表示位置H1、アイコン表示位置H2、アイコン表示位置H3、及びアイコン表示位置H4は、左方から右方へ向かってこの順に並んでいる。例えば、保留アイコンiがアイコン表示位置H3に表示されている場合、当該保留アイコンiによって、実行が保留されている変動ゲームのうち、3回目の変動ゲームが示される。アイコン表示位置H1~H4は、保留アイコンiを表示するための領域としても把握できる。本実施形態において、保留アイコンiを第2サブ演出表示装置SH2に表示可能とする制御は、副基板50の副制御CPU51が行う。
【0061】
第3サブ演出表示装置SH3では、変動ゲームの実行を示す第2特定画像の一例として、実行されている変動ゲームに対応させて変動アイコンIが表示される。以下の説明では、実行中である変動ゲームについて、保留数=0に対応する変動ゲームと示すときがある。第3サブ演出表示装置SH3の表示領域GHs3には、変動アイコンIを表示するアイコン表示位置Hとして、第1保留数=0に対応するアイコン表示位置H0が定められている。保留アイコンi及び変動アイコンIは、変動ゲームを示す特定画像の一例である。本実施形態において、変動アイコンIを第3サブ演出表示装置SH3に表示可能とする制御は、副基板50の副制御CPU51が行う。
【0062】
ここで、アイコン表示位置H1~H4にて表示可能な保留アイコンiは、アイコン表示位置H0にて表示可能な変動アイコンIに比して、画像として表示される面積が狭く小さい。また、第3サブ演出表示装置SH3には、1つの変動アイコンIが表示され得る一方、第2サブ演出表示装置SH2には、最大で4つの保留アイコンiが表示され得る。そして、第3サブ演出表示装置SH3において、1つの変動アイコンIに割り当てられる表示領域の面積は、第2サブ演出表示装置SH2において、1つの保留アイコンiに割り当てられる表示領域の面積に比して広い。なお、ここでいう「1つのアイコンに割り当てられる表示領域の面積」とは、ある演出表示装置の表示領域の全体面積を、当該演出表示装置にて表示可能なアイコンの上限個数で除算して算出される面積であって、アイコンI,iの画像が占有する面積と、アイコンI,iの画像が占有しない面積と、を含む意図である。このような構成により、本実施形態では、第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンiと、第3サブ演出表示装置SH3における変動アイコンIと、は視認し易さが異なる。本実施形態の一例によれば、変動アイコンIは、保留アイコンiに比して視認性が高い。
【0063】
第2サブ演出表示装置SH2では、第1始動口12への入球に基づいて第1特別ゲームの実行が保留されると、アイコン表示位置H1~H4のうち、更新後の第1保留数に対応するアイコン表示位置Hにおいて、保留アイコンiが追加されるように表示される。第1特別ゲームの開始に伴って、第1保留数が1減少すると、アイコン表示位置Hnに表示されていた保留アイコンiがアイコン表示位置Hn-1へとシフトするように表示(以下、シフト表示という)される。ここで、nは、1~4の自然数である。このとき、第2サブ演出表示装置SH2のアイコン表示位置H1に表示されていた保留アイコンiは、表示態様が維持されたまま、第3サブ演出表示装置SH3のアイコン表示位置H0へと、変動アイコンIとしてシフト表示される。即ち、保留中である変動ゲームの実行が開始されるとき、第2サブ演出表示装置SH2から第3サブ演出表示装置SH3へと、複数の演出表示装置を跨いでシフト表示される。したがって、例えば、アイコン表示位置H4に保留アイコンiが表示された場合、当該保留アイコンiは、第1特別ゲームの開始毎に、アイコン表示位置H4→H3→H2→H1→H0の順にシフト表示される。
【0064】
アイコンI,iの表示態様には、複数段階の表示態様がある。本実施形態の一例において、アイコンI,iの表示態様には、白い球体を模した画像である第1表示態様と、青い球体を模した画像である第2表示態様と、赤い球体を模した画像である第3表示態様と、がある。アイコンI,iの表示態様が第1表示態様<第2表示態様<第3表示態様である順に、変動アイコンIが示す実行中の変動ゲーム、又は保留アイコンiが示す保留中の変動ゲームにおける大当り期待度が高くなる。以下の説明では、アイコンI,iの表示態様を、第1表示態様以外の表示態様に変化させる演出を「アイコン変化演出」と示す場合がある。
【0065】
図4~
図8に示すように、パチンコ遊技機10は、アイコンI,iの表示態様が変化するか否かを示唆する演出(以下、変化示唆演出という)を実行可能に構成されている。なお、
図4~
図8では、原位置P0cに位置する第3サブ演出表示装置SH3について、第2サブ演出表示装置SH2から左方に離間した位置に描かれているが、実際には
図2に示すように、第2サブ演出表示装置SH2の一部と前後方向に重なる。副基板50の副制御CPU51は、所定のタイミングが到来すると変化示唆演出の演出パターンを決定し、当該決定した演出パターンに基づいてメイン演出表示装置MH、及びサブ演出表示装置SH1~SH3を制御することによって、変化示唆演出を実行させるようになっている。
【0066】
最初に、変化示唆演出の演出パターンについて説明する。
変化示唆演出の演出パターンは、第1系統と、第2系統と、に分類される。第1系統の演出パターンに基づく変化示唆演出では、メイン演出表示装置MH→第1サブ演出表示装置SH1の順に所定の演出が展開し、最終的にアイコンI,iの表示態様が変化し得る。一方、第2系統の演出パターンに基づく変化示唆演出では、第1サブ演出表示装置SH1→メイン演出表示装置MHの順に所定の演出が展開し、最終的にアイコンI,iの表示態様が変化し得る。第1系統の演出パターンには、保留アイコンiを対象として示唆を行う演出パターンE1Aと、変動アイコンIを対象として示唆を行う演出パターンE1Bと、がある。本実施形態において、演出パターンE1A,E1Bには、演出表示装置の可動を含まない。また、第1系統の演出パターンには、最終的にアイコンI,iの表示態様が変化しないガセの演出パターンEG1も含まれる。
【0067】
図4に示すように、ガセの演出パターンEG1では、(a)→「ガセ」の順に示すように、演出が進行される。一例として、
図4を参照し、(a)キャラクタGk及び爆弾Gbmがメイン演出表示装置MHに表示され、そのままキャラクタGk及び爆弾Gbmが非表示とされて終了する。
【0068】
演出パターンE1Aでは、(a)→(b)→(c)→(d)の順に示すように演出が進行される。一例として、
図4を参照し、(a)キャラクタGk及び爆弾Gbmがメイン演出表示装置MHに表示され、(b)爆弾Gbmが移動して爆発する様子が第1サブ演出表示装置SH1に表示される。続けて、(c)保留アイコンiが変化することを示唆する情報として「保留変化!」の文字列Gmが第1サブ演出表示装置SH1に表示され、(d)第2サブ演出表示装置SH2において保留アイコンiの表示態様が変化する。
【0069】
演出パターンE1Bでは、(a)→(b)→(e)→(f)の順に示すように演出が進行される。一例として、(a)キャラクタGk及び爆弾Gbmがメイン演出表示装置MHに表示され、(b)爆弾Gbmが移動して爆発する様子が第1サブ演出表示装置SH1に表示される。続けて、(c)変動アイコンIが変化することを示唆する情報として「チャンスUP」の文字列Gmが第1サブ演出表示装置SH1に表示され、(d)第3サブ演出表示装置SH3において変動アイコンIの表示態様が変化する。
【0070】
第1系統の演出パターンE1A,E1Bにおいて、キャラクタGk及び爆弾Gbmを表示する演出は、メイン演出表示装置MHにおける特殊演出の一例となり、所定の文字列Gmを表示する演出は、第1サブ演出表示装置SH1における特殊演出の一例となる。つまり、副制御CPU51は、メイン演出表示装置MHにおける特殊演出の表示に応じて第1サブ演出表示装置SH1に特殊演出を表示させた後、第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンi、又は第3サブ演出表示装置SH3における変動アイコンIの表示態様を変化させる制御を行うことができる。
【0071】
第2系統の演出パターンには、保留アイコンiを対象として示唆を行う演出パターンE2Aと、変動アイコンIを対象として示唆を行う演出パターンE2Bと、がある。さらに、演出パターンE2Aには、サブ演出表示装置の可動を含まない演出パターンE2A1と、サブ演出表示装置の可動を含む演出パターンE2A2~E2A4と、ガセの演出パターンEG2と、がある。演出パターンE2Bには、サブ演出表示装置の可動を含まない演出パターンE2B1と、サブ演出表示装置の可動を含む演出パターンE2B2と、ガセの演出パターンEG3,EG4と、がある。
【0072】
図5に示すように、ガセの演出パターンEG2では、(a)→「ガセ」の順に示すように、演出が進行される。一例として、
図5を参照し、(a)弓矢Gb(矢Gaをつがえた弓Gy)が第1サブ演出表示装置SH1に表示され、そのまま弓矢Gbが非表示とされて終了する。
【0073】
演出パターンE2A1では、(a)→(c)→(d)の順に示すように演出が進行される。一例として、
図5を参照し、(a)弓矢Gbが第1サブ演出表示装置SH1に表示され、(c)弓Gyから放たれた矢Gaが飛翔して保留アイコンiに命中する様子がメイン演出表示装置MHに表示され、(d)第3サブ演出表示装置SH3において保留アイコンiの表示態様が変化する。ここで、表示態様が変化する保留アイコンiは、図中に破線を用いて示すように、射線上にあったアイコン表示位置H(例えばアイコン表示位置H3)に表示されている保留アイコンiである。
【0074】
図5及び
図6に示すように、演出パターンE2A2では、
図5における(a)→(b)の順で演出が進行し、さらに
図6における(a)→(b)の順で演出が進行する。一例として、
図5を参照し、(a)弓矢Gbが第1サブ演出表示装置SH1に表示され、(b)第1サブ演出表示装置SH1が演出位置P1aへと変位する。続けて、
図6を参照し、(a)弓Gyから放たれた矢Gaが飛翔して保留アイコンiに命中する様子がメイン演出表示装置MHに表示され、(b)第3サブ演出表示装置SH3において保留アイコンiの表示態様が変化する。ここで、表示態様が変化する保留アイコンiは、図中に破線を用いて示すように、射線上にあったアイコン表示位置H(一例としてアイコン表示位置H3)に表示されている保留アイコンiである。本実施形態において、第1サブ演出表示装置SH1の演出位置P1aへの変位は、第2サブ演出表示装置SH2との距離が短くなる変位であり、また、第3サブ演出表示装置SH3との距離が短くなる変位でもある。
【0075】
演出パターンE2A3では、
図5における(a)→(b)の順で演出が進行し、さらに
図6における(c)→(d)の順で演出が進行する。一例として、
図5を参照し、(a)弓矢Gbが第1サブ演出表示装置SH1に表示され、(b)第1サブ演出表示装置SH1が演出位置P1aへ変位する。続けて、
図6を参照し、(c)弓Gyから放たれた矢Gaが保留アイコンiに向けて飛翔する様子がメイン演出表示装置MHに表示され、これとともに第2サブ演出表示装置SH2が演出位置P1bへ変位し、(d)矢Gaが保留アイコンiに命中し、第2サブ演出表示装置SH2において保留アイコンiの表示態様が変化する。ここで、表示態様が変化する保留アイコンiは、図中に破線を用いて示すように、もともと射線上にあったアイコン表示位置H(例えばアイコン表示位置H3)とは異なる右隣のアイコン表示位置H(例えばアイコン表示位置H4)に表示されている保留アイコンiである。また、第2サブ演出表示装置SH2が演出位置P1bへ変位することに伴って、当該第2サブ演出表示装置SH2に表示されている保留アイコンiも変位する。つまり、第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンiが変位することに関連して当該第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンiの表示態様が変化し得る。
【0076】
演出パターンE2A4では、
図5における(a)→(b)の順で演出が進行し、さらに
図6における(e)→(f)の順で演出が進行する。一例として、
図5を参照し、(a)弓矢Gbが第1サブ演出表示装置SH1に表示され、(b)第1サブ演出表示装置SH1が演出位置P1aへ変位する。続けて、
図6を参照し、(e)弓Gyから放たれた矢Gaが保留アイコンiに向けて飛翔する様子がメイン演出表示装置MHに表示され、これとともに第2サブ演出表示装置SH2が演出位置P2bへ変位し、(f)矢Gaが保留アイコンiに命中し、第2サブ演出表示装置SH2において保留アイコンiの表示態様が変化する。ここで、表示態様が変化する保留アイコンiは、図中に破線を用いて示すように、もともと射線上にあったアイコン表示位置H(例えばアイコン表示位置H3)とは異なる左隣のアイコン表示位置H(例えばアイコン表示位置H2)に表示されている保留アイコンiである。また、第2サブ演出表示装置SH2が演出位置P2bへ変位することに伴って、当該第2サブ演出表示装置SH2に表示されている保留アイコンiも変位することとなる。つまり、第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンiが変位することに関連して当該第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンiの表示態様が変化し得る。
【0077】
図7に示すように、ガセの演出パターンEG3では、(a)→「ガセ」の順に示すように、演出が進行される。一例として、
図7を参照し、(a)弓矢Gbが第1サブ演出表示装置SH1に表示され、そのまま弓矢Gbが非表示とされて終了する。
【0078】
演出パターンE2B1では、(a)→(c)→(d)の順に示すように演出が進行される。一例として、
図7を参照し、(a)弓矢Gbが第1サブ演出表示装置SH1に表示され、(c)弓Gyから放たれた矢Gaが飛翔して変動アイコンIに命中する様子がメイン演出表示装置MHに表示され、(d)第3サブ演出表示装置SH3において変動アイコンIの表示態様が変化する。
【0079】
図7及び
図8に示すように、演出パターンE2B2では、
図7における(a)→(b)の順で演出が進行し、さらに
図8における(a)→(b)の順で演出が進行する。一例として、
図7を参照し、(a)弓矢Gbが第1サブ演出表示装置SH1に表示され、(b)第1サブ演出表示装置SH1が演出位置P1aへ変位する。続けて、
図8を参照し、(a)弓Gyから放たれた矢Gaが変動アイコンIに向けて飛翔する様子がメイン演出表示装置MHに表示され、これとともに第3サブ演出表示装置SH3が原位置P0cから演出位置P1c側へ僅かに変位してから戻るように変位され、(b)第3サブ演出表示装置SH3において変動アイコンIの表示態様が変化する。ここで、第3サブ演出表示装置SH3が変位することに伴って、当該第3サブ演出表示装置SH3に表示されている変動アイコンIも変位することとなる。つまり、第3サブ演出表示装置SH3における変動アイコンIが変位することに関連して当該第3サブ演出表示装置SH3における変動アイコンIの表示態様が変化し得る。
【0080】
演出パターンEG4では、
図7における(a)→(b)の順で演出が進行し、さらに
図8における(c)→(d)の順で演出が進行する。一例として、
図7を参照し、(a)弓矢Gbが第1サブ演出表示装置SH1に表示され、(b)第1サブ演出表示装置SH1が演出位置P1aへ変位する。続けて、
図8を参照し、(c)弓Gyから放たれた矢Gaが飛翔する様子がメイン演出表示装置MHに表示されるが、これとともに第2サブ演出表示装置SH2が演出位置P1cへ変位して矢Gaが命中せず、(d)第3サブ演出表示装置SH3において変動アイコンIの表示態様が変化しない。
【0081】
第2系統の演出パターンE2A1~E2A4,E2B1,E2B2において、弓矢Gbを表示する演出は、第1サブ演出表示装置SH1における特殊演出の一例となり、矢Gaが飛翔する様子を表示する演出は、メイン演出表示装置MHにおける特殊演出の一例となる。つまり、副制御CPU51は、第1サブ演出表示装置SH1における特殊演出の表示に応じてメイン演出表示装置MHに特殊演出を表示させた後、第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンi、又は第3サブ演出表示装置SH3における変動アイコンIの表示態様を変化させる制御を行うことができる。そして、変化示唆演出において、第1サブ演出表示装置SH1を変位させる制御は、当該第1サブ演出表示装置SH1に弓矢Gbを表示する特殊演出の表示に関連して行われることとなる。
【0082】
次に、変化示唆演出を実行させるための演出処理について説明する。
最初に、第1演出処理について説明する。
本実施形態において、副制御CPU51は、第1始動口12へ遊技球が入球し、第1特別ゲームの実行が保留されると、第1保留数コマンド、及び先読みコマンドを入力することとなる。副制御CPU51は、第1保留数コマンドに基づいて第1保留数を特定する。副制御CPU51は、アイコン表示位置H1~H4のうち、特定した第1保留数に対応したアイコン表示位置Hに、新たに保留された第1特別ゲームを示す保留アイコンiを表示させる。
【0083】
副制御CPU51は、先読みコマンドに基づいて特定した第1特別ゲームの変動内容を示す情報(以下、保留情報という)を副制御RWM53に記憶させる。保留情報は、当該保留情報に対応する第1特別ゲームの変動内容として、大当りとなるか否かを特定可能である。副制御CPU51は、保留情報を記憶させると、当該保留情報に対応する第1特別ゲームが終了する迄の間、副制御RWM53に記憶させておく。副制御CPU51は、副制御RWM53に記憶されている保留情報を参照することによって、保留中の第1特別ゲームの変動内容を特定可能である。保留情報は、先読みコマンドの値そのものであってもよいし、先読みコマンドに基づいて生成する情報であってもよい。
【0084】
副制御CPU51は、先読みコマンドを入力すると、アイコン変化演出を実行中、又はアイコン変化演出を待機中であるか否かを判定する。ここで、「アイコン変化演出を実行中」とは、第1表示態様とは異なる表示態様にて何れかのアイコンI,iを表示中であることを意味し、「アイコン変化演出を待機中」とは、何れかのアイコンI,iについて、その表示態様を変化させることを決定済みであるが、未だ第1表示態様にてアイコンI,iを表示中であることを意味する。副制御CPU51は、副制御RWM53に実行フラグが記憶されているか否かに基づいて、アイコン変化演出を実行中であるか否かを特定する。副制御CPU51は、副制御RWM53に待機フラグが記憶されているか否かに基づいて、アイコン変化演出を待機中であるか否かを特定する。アイコン変化演出を実行中、又はアイコン変化演出を待機中である場合、副制御CPU51は、新たに保留された第1特別ゲームを対象としたアイコン変化演出の非実行を決定する。つまり、副制御CPU51は、変化示唆演出の非実行を決定する。
【0085】
アイコン変化演出を実行中ではなく、且つアイコン変化演出を待機中ではない場合、副制御CPU51は、新たに保留された第1特別ゲームより前から保留中である第1特別ゲームの全てがはずれであるか否かを判定する。副制御CPU51は、保留中の第1特別ゲームが全てはずれではない場合(大当りの第1特別ゲームを保留中である場合)、アイコン変化演出の非実行を決定する。つまり、副制御CPU51は、変化示唆演出の非実行を決定する。
【0086】
一方、副制御CPU51は、保留中の第1特別ゲームが全てはずれである場合(大当りの第1特別ゲームを保留中ではない場合)、先読みコマンドとともに入力した第1保留数コマンドから特定可能な第1保留数が2以上であるか否かを判定する。つまり、副制御CPU51は、新たに実行が保留された第1特別ゲームを含め、複数回の第1特別ゲームを保留中であるか否かを判定する。副制御CPU51は、第1保留数が2以上ではないとき、アイコン変化演出の非実行を決定する。つまり、副制御CPU51は、変化示唆演出の非実行を決定する。
【0087】
一方、副制御CPU51は、第1保留数が2以上である場合、新たに保留された第1特別ゲームを対象としてアイコン変化演出を実行させるか否か、及び変化先となる保留アイコンiの表示態様を、所定の乱数を用いた第1変化抽選によって決定する。副制御CPU51は、第1表示態様(つまりアイコン変化演出なし)<第2表示態様<第3表示態様の順に、先読みコマンドに基づいて大当りを特定したときの決定割合と、はずれを特定したときの決定割合とを合算した全体に占める大当りのときの決定割合が高くなるように第1変化抽選を行う。副制御CPU51は、アイコン変化演出の実行を決定すると、待機フラグ、アイコン変化演出の実行対象である第1特別ゲーム示す情報(以下、対象特定カウンタという)、及び変化先となる表示態様を示す情報(以下、変化先フラグという)を副制御RWM53に記憶させる。
【0088】
例えば、対象特定カウンタには、アイコン変化演出の実行が決定された場合、先読みコマンドとともに入力した第1保留数コマンドから特定可能な第1保留数を示す値が設定される。後述のように、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、対象特定カウンタの値を1減少した第1保留数を示す値に更新する。このような構成によれば、副制御CPU51は、対象特定カウンタの値を参照することによって、何れの第1保留数に対応する保留アイコンiを対象とし、アイコン変化演出、及び変化示唆演出を実行すればよいのかを特定可能である。
【0089】
次に、第2演出処理について説明する。
副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、アイコン表示位置Hnに表示されていた保留アイコンiがアイコン表示位置Hn-1にシフト表示されるように、第2サブ演出表示装置SH2、及び第3サブ演出表示装置SH3を制御する。副制御CPU51は、シフト表示をさせるときには、保留アイコンiの表示態様を維持する。副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、対象特定カウンタの値を1減少した第1保留数を示す値に更新する。
【0090】
副制御CPU51は、待機フラグが記憶されているか否かに基づいて、アイコン変化演出の待機中であるか否かを判定する。アイコン変化演出の待機中である場合、副制御CPU51は、変化示唆演出の演出パターンのうち、選択可能条件が成立している演出パターンの中から何れかの演出パターンを所定の抽選によって決定する。
【0091】
具体的に、副制御CPU51は、対象特定カウンタから特定可能な第1保留数Ctと、変動開始コマンドとともに入力した第1保留数コマンドから特定可能な第1保留数Cnと、の関係が「Ct<Cn」の関係にある場合、演出パターンE1A,E2A1~E2A4の中から演出パターンを決定する。副制御CPU51は、第1保留数Ctと、第1保留数Cnと、の関係が「Ct≦Cn」の関係にある場合、演出パターンE1A,E2A1~E2A3の中から演出パターンを決定する。そして、副制御CPU51は、決定した演出パターンに基づいて、上述したような流れに沿って変化示唆演出、及びアイコン変化演出を実行するように、メイン演出表示装置MH、及びサブ演出表示装置SH1~SH3を制御する。
【0092】
例えば、
図5及び
図6に示すように、副制御CPU51は、演出パターンE2A1~E2A4の何れかを決定した場合、第1サブ演出表示装置SH1に弓矢Gbを表示させる。このとき、副制御CPU51は、演出パターンE2A1,E2A2であれば、第1サブ演出表示装置SH1が原位置P0a、又は演出位置P1aにある間において、原位置P0bに第2サブ演出表示装置SH2が位置すると仮定し、第1保留数Ctに対応するアイコン表示位置Hに射線が向き続けるように弓矢Gbを表示させる表示制御を行う。副制御CPU51は、第1サブ演出表示装置SH1が原位置P0a→演出位置P1aのように変位している間においても、弓矢Gbを同様に表示させる。これにより、遊技者は、表示態様が変化される可能性がある保留アイコンiを認識可能となる。また、演出パターンE2A3であれば、第1保留数Ctを第1保留数Ct-1に読み替えた前記表示制御を行う。演出パターンE2A4であれば、第1保留数Ctを第1保留数Ct+1に読み替えた前記表示制御を行う。
【0093】
副制御CPU51は、演出パターンE2A1,E2A2の何れかを決定している場合、第2サブ演出表示装置SH2を変位させない。一方、副制御CPU51は、演出パターンE2A3を決定している場合、放たれた矢Gaが飛翔する様子をメイン演出表示装置MHに表示させるときに、第2サブ演出表示装置SH2を演出位置P1bへ変位させる。また、副制御CPU51は、演出パターンE2A4を決定している場合、放たれた矢Gaが飛翔する様子をメイン演出表示装置MHに表示させるときに、第2サブ演出表示装置SH2を演出位置P2bへ変位させる。これにより、恰も第2サブ演出表示装置SH2の動作によって、アイコン変化演出の対象である保留アイコンiがすり替えられたかのような演出が実現される。そして、副制御CPU51は、保留アイコンiの表示態様を変化させると、待機フラグを消去するとともに、実行フラグを副制御RWM53に記憶させる。
【0094】
アイコン変化演出を待機中ではない場合、副制御CPU51は、実行フラグが記憶されているか否かに基づいて、アイコン変化演出を実行中であるか否かを判定する。副制御CPU51は、アイコン変化演出を非実行中である場合、実行が開始された今回の第1特別ゲームを対象としてアイコン変化演出を実行させるか否か、及び変化先となる保留アイコンiの表示態様を、所定の乱数を用いた第2変化抽選によって決定する。副制御CPU51は、第1表示態様(つまりアイコン変化演出なし)<第2表示態様<第3表示態様の順に、変動開始コマンドに基づいて大当りを特定したときの決定割合と、はずれを特定したときの決定割合とを合算した全体に占める大当りのときの決定割合が高くなるように第1変化抽選を行う。また、副制御CPU51は、第1演出処理(第1変化抽選)においてアイコン変化演出の実行を決定する確率に比して、第2演出処理(第2変化抽選)においてアイコン変化演出の実行を決定する確率が高くなるように、各変化抽選を行う。つまり、本実施形態において、第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンiと、第3サブ演出表示装置SH3における変動アイコンIと、は異なる確率で表示態様が変化されうる。
【0095】
副制御CPU51は、アイコン変化演出の実行を決定すると、変化示唆演出の演出パターンのうち、選択可能条件が成立している演出パターンの中から何れかの演出パターンを所定の抽選によって決定する。具体的に、副制御CPU51は、演出パターンE1B,E2B1,E2B2の中から演出パターンを決定する。そして、副制御CPU51は、決定した演出パターンに基づいて、上述したような流れに沿って変化示唆演出、及びアイコン変化演出を実行するように、メイン演出表示装置MH、及びサブ演出表示装置SH1~SH3を制御する。
【0096】
図7及び
図8に示すように、副制御CPU51は、演出パターンE2B1,E2B2の何れかを決定した場合、第1サブ演出表示装置SH1に弓矢Gbを表示させる。このとき、副制御CPU51は、第1サブ演出表示装置SH1が原位置P0a、又は演出位置P1aにある間において、原位置P0cに第3サブ演出表示装置SH3が位置すると仮定し、アイコン表示位置H0に射線が向き続けるように弓矢Gbを表示させる表示制御を行う。副制御CPU51は、第1サブ演出表示装置SH1が原位置P0a→演出位置P1aのように変位している間においても、弓矢Gbを同様に表示させる。これにより、遊技者は、変動アイコンIの表示態様が変化される可能性のあることを認識可能となる。副制御CPU51は、演出パターンE2B2を決定している場合、放たれた矢Gaが飛翔する様子をメイン演出表示装置MHに表示させるときに、原位置P0cから演出位置P1c側へ僅かに変位してから戻るように第3サブ演出表示装置SH3を制御する。これにより、恰も第3サブ演出表示装置SH3の動作によって、アイコン変化演出の対象である変動アイコンIが矢Gaを避け損ねたかのような演出が実現される。
【0097】
副制御CPU51は、アイコン変化演出を待機中ではなく、アイコン変化演出を実行中ではなく、且つ、今回の第1特別ゲームを対象としたアイコン変化演出の非実行を決定した場合、ガセの変化示唆演出を実行させるか否かを所定の抽選によって決定する。副制御CPU51は、ガセの変化示唆演出の実行を決定した場合、ガセの演出パターンEG1~EG4の中から何れかの演出パターンを所定の抽選によって決定する。そして、副制御CPU51は、決定した演出パターンに基づいて、上述したような流れに沿ってガセの変化示唆演出を実行するように、メイン演出表示装置MH、及びサブ演出表示装置SH1~SH3を制御する。
【0098】
図5~
図8に示すように、副制御CPU51は、演出パターンEG2~EG4を決定した場合、第1サブ演出表示装置SH1に弓矢Gbを表示させる。演出パターンEG2であれば、副制御CPU51は、第1サブ演出表示装置SH1が原位置P0aにある間において、原位置P0bに第2サブ演出表示装置SH2が位置すると仮定し、第1保留数Ctに対応するアイコン表示位置Hに射線が向き続けるように弓矢Gbを表示させる表示制御を行う。演出パターンEG3であれば、副制御CPU51は、第1サブ演出表示装置SH1が原位置P0aにある間において、原位置P0cに第3サブ演出表示装置SH3が位置すると仮定し、アイコン表示位置H0に射線が向き続けるように弓矢Gbを表示させる表示制御を行う。
【0099】
また、演出パターンEG4であれば、副制御CPU51は、第1サブ演出表示装置SH1が原位置P0a、又は演出位置P1aにある間において、原位置P0cに第3サブ演出表示装置SH3が位置すると仮定し、アイコン表示位置H0に射線が向き続けるように弓矢Gbを表示させる表示制御を行う。副制御CPU51は、第1サブ演出表示装置SH1が原位置P0a→演出位置P1aのように変位している間においても、弓矢Gbを同様に表示させる。そして、副制御CPU51は、演出パターンEG4を決定している場合、放たれた矢Gaが飛翔する様子をメイン演出表示装置MHに表示させるときに、第3サブ演出表示装置SH3を演出位置P1cへ変位させる。これにより、恰も第3サブ演出表示装置SH3の動作によって、アイコン変化演出の対象である保留アイコンiが避けたかのような演出が実現される。
【0100】
以下、本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、変動ゲームの実行の保留を示す保留アイコンiが第2サブ演出表示装置SH2に表示可能に制御され、変動ゲームの実行を示す変動アイコンIが第3サブ演出表示装置SH3に表示可能に制御される。これとともに、メイン演出表示装置MH、及び第1サブ演出表示装置SH1に表示される特殊演出の表示に応じて、各アイコンI,iの表示態様を変化させる制御が行われる。このため、各演出表示装置MH,SH1における画像の表示により、第2サブ演出表示装置SH2、及び第3サブ演出表示装置SH3に表示されるアイコンI,iの表示態様を変化させることができ、演出効果を向上させることによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0101】
(2)本実施形態によれば、第2サブ演出表示装置SH2、及び第3サブ演出表示装置SH3におけるアイコンI,iの視認性が異なるから、アイコンI,iに対するメリハリをつけた注目度を生み出し、より効果的に遊技者の興趣を向上できる。
【0102】
(3)本実施形態によれば、第1サブ演出表示装置SH1における特殊演出の表示に応じて、第1サブ演出表示装置SH1が変位するから、特殊演出の表示に関連して行われるアイコンI,iの表示態様の変化に対する注目度を好適に高め得る。
【0103】
(4)本実施形態によれば、第1サブ演出表示装置SH1が第2サブ演出表示装置SH2又は第3サブ演出表示装置SH3へ近接するように変位することと関連してアイコンI,iの表示態様が変化する。よって、アイコンI,iの表示態様の変化に対する注目度をさらに高め得る。
【0104】
(5)本実施形態によれば、第2サブ演出表示装置SH2の変位に関連して、当該第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンiの表示態様が変化する。よって、保留アイコンiに対して注目させたうえで表示態様を変化させることが可能になる。
【0105】
(6)本実施形態によれば、第3サブ演出表示装置SH3の変位に関連して、当該第3サブ演出表示装置SH3における変動アイコンIの表示態様が変化する。よって、変動アイコンIに対して注目させたうえで表示態様を変化させることが可能になる。
【0106】
(7)本実施形態によれば、第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンiと、第3サブ演出表示装置SH3における変動アイコンIとは異なる確率で表示態様が変化されうることから、表示態様の変化に対する期待感を異ならせ、遊技者の興趣をさらに向上できる。
【0107】
(8)特に、本実施形態によれば、アイコンは、第2サブ演出表示装置SH2に表示されているときよりも、第3サブ演出表示装置SH3に表示されているときのほうが、高確率で表示態様が変化され得る。このため、第1特別ゲームが保留中であるときに、保留アイコンiの表示態様が変化しなかったとしても、変動アイコンIとして表示態様が変化することに対する期待感を持たせることができる。
【0108】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、アイコンI,iの視認性は、画像としての表示面積の大小、1の演出表示装置にて表示可能な個数の多寡、及び1のアイコンに割り当てられる表示領域の面積の大小という観点によって異ならされたが、これに限らない。例えば、アイコンI,iの視認性は、これらの3つの観点のうち、任意に選択できる1又は複数の観点によって異なっていてもよい。また、アイコンI,iの視認性は、アイコンを表示する演出表示装置の配設位置という観点によって異なっていてもよい。例えば、アイコンI,iの視認性は、画像としての表示面積が同じであっても、これらアイコンを表示する演出表示装置を上下方向及び左右方向における遊技盤YBの中心に近付けるほど高くできる。アイコンI,iの視認性は、これらアイコンと共に表示する画像の有無や種類という観点によって異なっていてもよい。例えば、アイコンI,iの視認性は、画像としての表示面積が同じであっても、アイコンを装飾する画像(一例として台座や枠)と共に表示するときのほうが、アイコンを装飾する画像を表示しないときに比して高くできる。アイコンI,iの視認性は、演出表示装置の表示領域における表示位置という観点によって異なっていてもよい。例えば、アイコンI,iの視認性は、画像としての表示面積が同じであっても、同じ演出表示装置の表示領域のうち外側部分よりも中央側部分に表示されるほうが高い。なお、本実施形態、及び本変更例において、保留アイコンi及び変動アイコンIの視認性は、保留アイコンiのほうが高くてもよく、変動アイコンIのほうが高くてもよい。
【0109】
・本実施形態において、アイコンI,iの表示態様は、同じ球体で段階ごとに色が異なっていた。これに限らず、アイコンI,iの表示態様は、画像としての形状が段階ごとに異なっていてもよい。例えば、アイコンI,iの表示態様を構成する「形状」は、三角、四角、及び星形であってもよく、パチンコ遊技機10のモチーフに関係したキャラクタ又はアイテムであってもよい。また、アイコンI,iの表示態様は、色や形状に代えて、又は加えて、段階ごとに模様が異なっていてもよい。例えば、アイコンI,iは、模様として虎柄や虹模様が付されていてもよい。このように、アイコンI,iの表示態様の変化は、色の変化に限らず、形状、模様、大きさ、点滅の有無、及び表示位置などのうち任意に選択できる1又は複数の変化によるものであればよい。
【0110】
・本実施形態において、副制御CPU51は、第1演出処理(第1変化抽選)においてアイコン変化演出の実行を決定する確率に比して、第2演出処理(第2変化抽選)においてアイコン変化演出の実行を決定する確率が低くなるように各変化抽選を行ってもよい。
【0111】
・本実施形態において、副制御CPU51は、第1演出処理(第1変化抽選)においてアイコン変化演出の実行を決定する確率に比して、第2演出処理(第2変化抽選)においてアイコン変化演出の実行を決定する確率が同じ、又は略同じになるように、各変化抽選を行ってもよい。つまり、本変更例において、第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンiと、第3サブ演出表示装置SH3における変動アイコンIと、は同じ確率(又は略同じ確率)で表示態様が変化されうる。本変更例によれば、第2サブ演出表示装置SH2における保留アイコンiと、第3サブ演出表示装置SH3における変動アイコンIとは同じ確率(又は略同じ確率)で表示態様が変化されうることから、表示態様の変化に対する期待感を一定とし、安定して遊技者の興趣を向上できる。
【0112】
・本実施形態において、第1系統の演出パターンにおいても、第2系統の演出パターンと同様に、サブ演出表示装置SH1~SH3のうち任意に選択できる1又は複数の演出表示装置を変位させてもよい。例えば、メイン演出表示装置MHにおいて特殊演出を実行し、第1サブ演出表示装置SH1を変位させて、又は変位させないで、第1サブ演出表示装置SH1にて特殊演出を実行するように変更してもよい。
【0113】
・本実施形態において、特殊演出は、その態様を適宜に変更してもよい。例えば、メイン演出表示装置MHにおいて草花を表示し、当該草花の果実を第1サブ演出表示装置SH1に表示してもよい。
【0114】
・本実施形態において、変化示唆演出(特殊演出)は、発光演出、及び音声演出の一方又は両方を伴う演出であってもよい。
・本実施形態において、第2サブ演出表示装置SH2には、低ベース状態であるときには第1特別ゲームを示す保留アイコンiを表示し、高ベース状態であるときには第2特別ゲームを示す保留アイコンiを表示する構成であってもよい。本変更例において、高ベース状態では、第2特別ゲームを対象として変化示唆演出、及びアイコン変化演出を実行するように変更してもよい。また、第2サブ演出表示装置SH2には、第1特別ゲームを示す保留アイコンi、及び第2特別ゲームを示す保留アイコンiの両方を表示してもよい。
【0115】
・本実施形態において、既にアイコン変化演出を実行中であっても、新たに保留された変動ゲームを対象として変化示唆演出、及びアイコン変化演出を実行可能に変更してもよい。また、既に表示態様が変化済みであるアイコンI,iの表示態様がさらに変化し得るように、保留中または実行中である同じ変動ゲームを対象とし、複数回の変化示唆演出(ガセであってもよい)、及びアイコン変化演出を実行可能に変更してもよい。本変更例によれば、保留アイコンiであるときに変化示唆演出を経て表示態様が変化し、さらにアイコンIとなってからも変化示唆演出を経て表示態様が変化し得る。
【0116】
・本実施形態において、アイコンI,iの表示態様は、2段階でもよく、4段階以上であってもよい。また、大当り確定の表示態様があってもよい。
・本実施形態において、アイコンI,iは、変化示唆演出を経ないで表示態様が変化されるときがあってもよい。例えば、変動ゲームの実行が保留され、保留アイコンiが表示されるときに、当初から第1表示態様とは異なる表示態様にて表示されてもよく、変動ゲームの開始に際してシフト表示されると同時に表示態様が変化する構成であってもよい。
【0117】
・本実施形態において、サブ演出表示装置SH1~SH3のうち任意に選択できる1又は複数のサブ演出表示装置について、変化示唆演出において変位しない構成であってもよい。また、メイン演出表示装置MHは、変化示唆演出において変位可能な構成であってもよい。
【0118】
・本実施形態において、サブ演出表示装置SH1~SH3のうち任意に選択できる1又は複数のサブ表示装置について、演出ゲームを表示するように変更してもよい。
・本実施形態において、サブ演出表示装置SH1~SH3のうち任意に選択できる1又は複数の演出表示装置について、配設位置、変位方向、及び演出位置の数を変更してもよい。また、メイン演出表示装置MHは、配設位置を変更してもよく、変位可能な構成であってもよい。
【0119】
・本実施形態において、メイン演出表示装置MH、及びサブ演出表示装置SH1~SH3の何れを第1画像表示部として機能させてもよく、何れを第2画像表示部として機能させてもよく、何れを第3画像表示部として機能させてもよく、何れを第4画像表示部として機能させてもよい。メイン演出表示装置MH、及びサブ演出表示装置SH1~SH3は、それぞれ複数の表示装置を組み合わせて構成されていてもよい。
【0120】
・本実施形態において、メイン演出表示装置MH、及びサブ演出表示装置SH1~SH3のうち任意に選択できる1又は複数の演出表示装置は、外枠11aに配設されていてもよい。
【0121】
・本実施形態において、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。また、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0122】
・本実施形態において、特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低ベース状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0123】
・本実施形態において、パチンコ遊技機10として、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することによって大当り遊技が生起される。
【0124】
・本実施形態において、主制御CPU41、主制御ROM42、主制御RWM43、及び乱数回路44は、ワンチップマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。
・本実施形態において、遊技盤YBの具体的な構成は任意に変更してもよい。
【0125】
・本実施形態において、副基板50をサブ統括制御基板とし、副基板50とは別に演出表示装置群EHを専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLAを専門に制御する発光制御基板、スピーカSPを専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板に主基板40の主制御CPU41及び副基板50の副制御CPU51を搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
【0126】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記第3画像表示部における第1特定画像が変位することに関連して当該第3画像表示部における第1特定画像の表示態様が変化し得るとよい。
【0127】
(2)前記第4画像表示部における第2特定画像が変位することに関連して当該第4画像表示部における第2特定画像の表示態様が変化し得るとよい。
【符号の説明】
【0128】
10…パチンコ遊技機、19c…第1保留表示部、19d…第2保留表示部、20…演出表示装置群、40…主基板、41…主制御CPU、50…副基板、51…副制御CPU、I…変動アイコン、i…保留アイコン、MH…メイン演出表示装置、SH1…第1サブ演出表示装置、SH2…第2サブ演出表示装置、SH3…第3サブ演出表示装置。