(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】水栓用多方分岐カプラ
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20220630BHJP
E03C 1/086 20060101ALI20220630BHJP
F16K 27/00 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
E03C1/042 B
E03C1/086
F16K27/00 C
(21)【出願番号】P 2021003563
(22)【出願日】2021-01-13
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】507134297
【氏名又は名称】源美股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】羅順南
(72)【発明者】
【氏名】黄偉凱
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0050432(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0376879(US,A1)
【文献】特開2002-227261(JP,A)
【文献】特開平09-112738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/04-1/10
F16K 11/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓に組み付け可能であり、且つ複数の水管を接続可能な水栓用多方分岐カプラであって、
本体(1)、連結部(2)、第1接続部(3)、第2接続部(4)
、散水部(5)及び制御部(6)を含み、
前記本体(1)の真正面に前記制御部(6)が設けられ、前記本体(1)の両側に第2端(12)及び第3端(13)がそれぞれ延伸しており、前記第2端(12)と第3端(13)に前記第1接続部(3)と第2接続部(4)がそれぞれ組み付けられ、
前記制御部(6)の本体(1)における配置位置は、第1接続部(3)と第2接続部(4)に対応する中間位置と定義され、
前記第1接続部(3)は、アセンブリとして第1回転部材(31)と第2回転部材(32)を含み、前記第1回転部材(31)が本体(1)の第2端(12)に枢結されることで、前記第1回転部材(31)は前記第2端(12)の位置で360度の軸回転が可能であり、
前記第1回転部材(31)が第2回転部材(32)に枢結されることで、前記第2回転部材(32)は第1回転部材(31)に対し180度の軸回転が可能であり、
前記第2接続部(4)は、アセンブリとして第3回転部材(41)と第4回転部材(42)を含み、前記第3回転部材(41)は本体(1)の第3端(13)に枢結され、前記第3回転部材(41)は前記第3端(13)の位置で360度の枢動が可能であり、
前記第3回転部材(41)が第4回転部材(42)に枢結されることで、前記第4回転部材(42)は第3回転部材(41)に対し180度の軸回転が可能であ
り、
前記本体(1)のうち前記第2端(12)と前記第3端(13)の間には、第1端(11)、第4端(14)及び第5端(15)がそれぞれ延伸しており、
前記第1端(11)、第2端(12)、第3端(13)及び第4端(14)は、入水路(11a)、第1水路(12a)、第2水路(13a)、第3水路(14a)及び第4水路(14b)をそれぞれ順に有し、
前記制御部(6)は前記第5端(15)に組み付けられ、
前記第5端には分水部(15a)が設けられており、
前記分水部(15a)には、第1吐水口(151a)、第2吐水口(151b)、第3吐水口(151c)、第4吐水口(151d)が延伸形成されており、
前記第1端(11)から延伸する外径には第2環状溝(11b)が形成されており、
前記第1吐水口(151a)は第4水路(14b)に対応しており、前記第2吐水口(151b)、第3吐水口(151c)、第4吐水口(151d)は、それぞれ第1水路(12a)、第2水路(13a)、第3水路(14a)と順に連通しており、
前記入水路(11a)は前記連結部(2)に接続され、前記第1水路(12a)は前記第1接続部(3)と連通し、前記第2水路(13a)は前記第2接続部(4)と連通し、前記第3水路(14a)及び第4水路(14b)は前記散水部(5)と連通し、
前記制御部(6)は操作部材(61)と弁部材(63)を含み、前記操作部材(61)に組み付けられる前記弁部材(63)には弁孔(631)が設けられており、
前記弁部材(63)の弁孔(631)は前記分水部(15a)の端面に適合し、且つ、前記弁孔(631)は選択的に前記第1吐水口(151a)又は第2吐水口(151b)又は第3吐水口(151c)又は第4吐水口(151d)に対応可能であり、
操作部材(61)を回動させることで、弁部材(63)の弁孔(631)が選択的に第1吐水口(151a)又は第2吐水口(151b)又は第3吐水口(151c)又は第4吐水口(151d)に対応するよう制御可能であり、これにより、水流が第3水路(14a)又は第4水路(14b)に向かって流れ、散水部(5)に到達して吐水するよう分配するか、水流が第1水路(12a)に進入して第1接続部(3)に向かって流れるよう切り替えるか、水流が第2水路(13a)へと流動し、第2接続部(4)に向かって流れて吐水するよう切り替える水栓用多方分岐カプラ。
【請求項2】
前記第1回転部材(31)には第1軸回転部材(31a)が延設されており、前記第1軸回転部材(31a)が前記本体(1)に枢結されることで、前記第1回転部材(31)は前記本体(1)の位置で360度の軸回転が可能であり、
前記第3回転部材(41)には第2軸回転部材(41a)が延設されており、前記第2軸回転部材(41a)が本体(1)に枢結されることで、前記第3回転部材(41)は前記本体(1)の位置で360度の軸回転が可能である請求項1に記載の水栓用多方分岐カプラ。
【請求項3】
前記連結部(2)は、前記本体(1)のうち前記第1接続部(3)と前記第2接続部(4)が接続される位置の上方に位置する請求項1に記載の水栓用多方分岐カプラ。
【請求項4】
前記連結部(2)は、水栓に組み付けるとの目的から、非破壊的に解除することが可能であり
、何の工具も用いることなく手動で解除される請求項1に記載の水栓用多方分岐カプラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓の吐水口に組み付けられるカプラに関する。このようなカプラには、複数の吐水路と、吐水路を切り替え可能な制御部が設けられている。前記制御部は、選択された吐水路への切り替えに用いられる。
【背景技術】
【0002】
本発明と同一の出願人による以前の三方分岐カプラ(特許文献1)の構造は、本体、連結部、第1吐出部、第2吐出部及び制御部を有している。前記連結部は水栓の吐水部分に連結される。また、前記第1吐出部と対向する一端が制御部となっている。前記第1吐出部は、パイプ部材、軸回転部材、第1回転部材、第2回転部材及び継手を含む。前記継手は、第1回転部材を介して第2回転部材に組み合わされて、180度の軸回転及び揺動が可能である。また、前記継手にホースを接続したあとに吐水が可能となる。しかし、前記連結部は本体における上方の一端に設けられており、前記第1吐出部と制御部はそれぞれ本体の両側端に対応するよう設けられている。即ち、連結部を水栓に連結したあと、前記第1吐出部と制御部は本体の正面方向における両側辺に対応することになる。そのため、使用者は制御部を操作して水路を切り替える場合、本体の側辺から制御部を操作せねばならない。このことから、使用者は制御部を操作する際に一方の側辺から目視する必要があり、操作しにくいとの欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の制御部の設置方向では操作しにくいとの点を改良することを目的とする。また、他の目的として、自在に軸回転可能な吐水継手を追加することで、多方向にホースを接続しやすくするとの機能を提供する。
【0005】
従って、本発明の特徴は、吐水路からの放出を切り替え可能とする制御部の設置位置及び自在に軸回転可能な複数の回転部材を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水栓に連結可能なカプラに関する。前記カプラは、複数の水管を外付けするための複数の吐水路を有している。また、本体、連結部、第1接続部、第2接続部、散水部及び制御部を含む。
【0007】
前記本体の両側には、第1端、第2端、第3端及び第4端がそれぞれ延伸しており、前記第2端と第3端に前記第1接続部と第2接続部がそれぞれ組み付けられる。前記本体は、入水路、第1水路、第2水路、第3水路、第4水路、分水部を有している。前記入水路は前記連結部と連通し、前記第1水路は前記第1接続部と連通し、前記第2水路は前記第2接続部と連通し、前記第3水路及び第4水路は前記散水部と連通する。
【0008】
前記連結部は水栓に連結される。
【0009】
前記第1接続部は、第1パイプ部材、第1軸回転部材、第1回転部材、第2回転部材を含む。前記第2回転部材には第1継手が固定接続される。
【0010】
前記第2接続部は、第2パイプ部材、第2軸回転部材、第3回転部材、第4回転部材を含む。前記第4回転部材には第2継手が接続される。
【0011】
前記散水部は前記本体の第4端に然るべく緊密に固定接続され、スペーサー及び吐水トレイを含む。前記スペーサーには第1案内口と第2案内口が設けられている。前記散水部の吐水トレイは第1吐出孔と第2吐出孔に分けられる。前記第1吐出孔はスペーサーの第1案内口に対応しており、前記第2吐出孔はスペーサーの第2案内口に対応している。前記スペーサーは前記吐水トレイに然るべく適合するよう装入される。また、前記スペーサーの第1案内口は前記第3水路に対応し、前記第2案内口は第4水路に対応する。
【0012】
前記制御部は、弁部材と操作部材を含む。
【0013】
前記第1回転部材は、本体の第1水路に接続されて本体に対し360度の軸回転が可能である。また、前記第1回転部材は第2回転部材に枢結により組み合わされる。前記第2回転部材は、第1回転部材に対して180度の回転及び揺動が可能である。また、前記継手にホースを接続したあとに吐水が可能となる。
【0014】
前記第3回転部材は、本体の第2水路に枢結されて本体に対し360度の軸回転が可能である。また、前記第3回転部材は第4回転部材に枢結により組み合わされる。前記第4回転部材は、第3回転部材に対して180度の回転及び揺動が可能である。また、前記継手にホースを接続したあとに吐水が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
上記の組付構造によれば、制御部を回転操作することで、弁部材によって水流を入水路から散水部に流動させて吐水するよう選択的に切り替え可能である。或いは、制御部を回転操作することで、水流を入水路から第1接続部又は第2接続部に向かって流動させるよう切り替え可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図5】
図5は、本発明の弁孔が第1吐水口に対応する場合の実施断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の弁孔が第1吐水口に対応したあと、水が散水部の第2吐出孔に到達して吐出される場合の実施断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の弁孔が第4吐水口に対応する場合の実施断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の弁孔が第3吐水口に対応する場合の実施断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の弁孔が第2吐水口に対応する場合の実施断面図である。
【
図15】
図15は、本発明における第1接続部と第2接続部の軸回転の実施状態を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明における第1接続部と第2接続部の軸回転後の方向についての実施
図1である。
【
図17】
図17は、本発明における第1接続部と第2接続部の軸回転後の方向についての実施
図2である。
【
図18】
図18は、本発明における第1接続部と第2接続部の軸回転後の方向についての実施
図3である。
【
図19】
図19は、本発明を水栓に組み付けた場合の壁面との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を十分に理解するために、以下に、好ましい実施例を挙げるとともに、図面を組み合わせて詳細に説明する。また、本発明における好ましい実施例の図面を組み合わせて以下の通り更に説明することで、本発明の関連技術を熟知する者は、本明細書の記載に基づいて実施することが可能となる。且つ、以下の説明は本発明の技術範囲を限定するためのものではない。
【0018】
図1~
図5及び
図15を参照すると、本発明は、本体1、連結部2、第1接続部3、第2接続部4及び散水部5、制御部6を含む。
【0019】
前記本体1には、第1端11、第2端12、第3端13、第4端14及び第5端15が延伸形成されている。前記第1端11、第2端12、第3端13及び第4端14は、入水路11a、第1水路12a、第2水路13a、第3水路14a及び第4水路14bをそれぞれ順に含む。前記入水路11a、第1水路12a、第2水路13a、第3水路14a、第4水路14bは互いに分離している。つまり、前記第1端11、第2端12、第3端13及び第4端14にはそれぞれ独立した水路が設けられており、各独立水路は互いに連通しないと定義する。また、前記第5端15には分水部15aが設けられている。前記分水部15aには、第1吐水口151a、第2吐水口151b、第3吐水口151c、第4吐水口151dが延伸形成されている。前記第1吐水口151a、第2吐水口151b、第3吐水口151c、第4吐水口151dは、それぞれ前記第1端11、第2端12、第3端13及び第4端14の各独立水路と連通する。前記第1吐水口151a、第2吐水口151b、第3吐水口151c及び第4吐水口151dには止水リング152がそれぞれ覆設されている。また、前記第1端11から延伸する外径には第2環状溝11bが形成されている。前記第1吐水口151aは第4水路14bに対応しており、前記第2吐水口151b、第3吐水口151c、第4吐水口151dは、それぞれ第1水路12a、第2水路13a、第3水路14aと順に然るべく連通している。
【0020】
前記入水路11aは前記連結部2に接続され、前記第1水路12aは前記第1接続部3に接続され、前記第2水路13aは前記第2接続部4に接続され、前記第3水路14aと前記第4水路14bは前記散水部5に接続される。
【0021】
前記連結部2は水栓Aに連結するためのものであり、アセンブリとして、連結ヘッド21、ブッシュ部22、位置規制リング23を含む。前記ブッシュ部22の内径には第1環状溝22aが形成されており、前記連結ヘッド21を前記ブッシュ部22の上縁にしっかりと結合することで一体的なアセンブリが構成される。前記位置規制リング23は開口を有する環状体である。そのため、前記位置規制リング23は、外側に展開及び縮小可能な開放型の弾性を有する環状体となり得る。前記位置規制リング23は前記本体1の第1端11における第2環状溝11bに嵌設され、続いて、前記ブッシュ部22が本体1の第1端11の外径に然るべく覆設される。前記位置規制リング23の弾性特性を利用して、前記ブッシュ部22は前記本体1の第1端11に対し離脱しないよう組み付けが維持される。しかし、ブッシュ部22は第1端11において軸回転は可能なため、前記連結ヘッド21に水栓Aを組み付ける際に相対的に枢動して緊締することが可能である。また、前記連結部2は、水栓に組み付けるとの目的から非破壊的に解除することが可能であり、最適には、何の工具も用いることなく手動で解除する。更に、前記連結部2はその他の組付構造を含み、例えば係止構造やネジによる緊締構造によって水栓Aに接続及び固定される。
【0022】
前記第1接続部3は、アセンブリとして、第1回転部材31と第2回転部材32を含む。前記第1回転部材31には第1軸回転部材31aが延設されている。前記第1軸回転部材31aは、第1止水リング311及び第2止水リング312に篏合されたあと前記第2端12に枢結される。前記第1軸回転部材31aは、前記第2端12の位置で360度の軸回転が可能である。前記第2回転部材32は、一端に第1軸管322が延設されるとともに、延伸する他端に第1継手321が設けられている。前記第1継手321の外側には水管を接続可能である。前記第1軸管322は、第3止水リング323に篏合されたあと前記第1回転部材31に然るべく枢結される。これにより、前記第2回転部材32は第1回転部材31において180度の軸回転が可能となる。前記第1軸回転部材31a、第1回転部材31、第2回転部材32及び第1継手321はいずれも然るべく互いに連通する経路を有しており、これらを組み合わせることで第2経路33aが形成される。前記第2経路33aは、本体1の第1水路12aと然るべく連通する。
【0023】
前記第2接続部4は、第3回転部材41と第4回転部材42を含む。前記第3回転部材41には第2軸回転部材41aが延設されている。第2軸回転部材41aは、第4止水リング411及び第5止水リング412に篏合されたあと前記第3端13に枢結される。前記第2軸回転部材41aは、第3端13の位置で360度の軸回転が可能である。前記第4回転部材42は、一端に第2軸管422が延設されるとともに、延伸する他端に第2継手421が設けられている。前記第2継手421の外側には水管を接続可能である。前記第2軸管422は、第6止水リング423に篏合されたあと前記第3回転部材41に然るべく枢結される。これにより、前記第4回転部材42は第3回転部材41において180度の軸回転が可能となる。前記第2軸回転部材41a、第3回転部材41、第4回転部材42及び第2継手421はいずれも然るべく互いに連通する経路を有しており、これらを組み合わせることで第3経路43aが形成される。前記第3経路43aは、本体1の第2水路13aと然るべく連通する。
【0024】
前記散水部5はスペーサー52と吐水トレイ51を含む。前記スペーサー52には第1案内口521と第2案内口522が設けられている。前記第1案内口521はスペーサーの中心位置に設けられている。前記第2案内口522は2つであり、且つ第1案内口521の両側に設置される。前記散水部5の吐水トレイ51は第1吐出孔511と第2吐出孔512に分けられる。前記第1吐出孔511はスペーサー52の第1案内口521に対応しており、前記第2吐出孔512はスペーサー52の第2案内口522に対応している。前記スペーサー52が前記吐水トレイ51に然るべく適合するよう装入されることで散水部5が組み立てられる。また、前記散水部5は前記本体1の第4端14に然るべく緊密に固定接続される。前記スペーサー52の第1案内口521は前記第3水路14aに対応しており、前記第2案内口522は第4水路14bに対応し、前記第2案内口522は少なくとも1つである。
【0025】
前記制御部6は、操作部材61、蓋体62、弁部材63を含む。前記操作部材61にはスリーブ部611と結合部612が設けられている。また、前記スリーブ部611には密封部材614が組み付けられる。前記蓋体62には軸孔623と溝621が設けられており、当接ピン622にバネが組み付けられたあと、当接ピン622の一端が前記溝621内に装入される。前記弁部材63は円形のトレイ63aであり、前記トレイ63aには弁孔631が設けられている。前記トレイ63aの円心部分には柱体63bが延伸形成されている。前記柱体63bの一部には環状溝633が設けられており、前記環状溝633にオイルシール634が嵌設される。また、前記操作部材61のうち前記蓋体62に対応する面には複数の凹部613が環状に配列されている。前記当接ピン622の他段がいずれかの凹部613に対し選択可能に然るべく嵌合されることで、前記操作部材61の回動後における一時的な位置決め機能が付与される。
【0026】
前記弁部材63のトレイ63aは、前記第5端15に装入されて前記分水部15aの端面に然るべく適合する。且つ、トレイ63aの弁孔631は、選択的に前記分水部15aの前記第1吐水口151a又は第2吐水口151b又は第3吐水口151c又は第4吐水口151dに対応可能である。前記柱体63bは、前記蓋体62の軸孔623に然るべく挿設されたあと、前記操作部材61の結合部612に然るべく固定接続される。これにより、前記弁部材63は前記操作部材61に然るべく接続されたあと、前記蓋体62上で軸回転可能となる。前記蓋体62の外縁部分は本体の第5端15の外径に然るべく緊密に結合される。なお、その場合の密封方式は超音波接合とすればよい。
【0027】
続いて、本発明の制御部6で水流の方向を分配操作する実施例を示す
図2、
図3及び
図6~
図9を参照する。まず、前記連結部2を水栓Aに連結し、前記連結ヘッド21を回動させて水栓Aに緊締する。次に、水流を開放すると、水流が入水路11aから分水部15aに向かって流れる。その後、操作部材61を回動させて弁部材63の弁孔631を選択的に第2吐水口151b又は第3吐水口151cに対応させることで、
図12及び
図14に示すように、水流が第1水路12aに進入して第1接続部3に向かって流れるよう切り替えるか、水流が第2水路13aへと流動して第2接続部4に向かって流れるよう切り替える。或いは、操作部材61を回動させて弁部材63の弁孔631を選択的に第4吐水口151dに対応させることで、
図9及び
図10に示すように、水流が第3水路14aに向かって流れ、散水部5の第1案内口521に到達するとともに、第1吐出孔511から垂直の柱状に吐水するよう分配する。或いは、操作部材61を回動させて弁部材63の弁孔631を選択的に第1吐水口151aに対応させることで、
図5及び
図8に示す実施状態のように、水流が第4水路14bに向かって流れ、散水部5の第2案内口522に到達するとともに、第2吐出孔512から放射状に吐水するよう分配する。
【0028】
本発明の利点は次の通りである。
【0029】
1.
図2及び
図19を参照すると、前記本体1の真正面には前記制御部6が設けられている。前記制御部6の両側には第1接続部3と第2接続部4がそれぞれ配置されており、前記散水部5が前記制御部6の下方に配設されている。つまり、前記制御部6の配置位置は、第1接続部3と第2接続部4の双方に対応する中間位置と定義する。また、前記連結部2は、前記本体1のうち前記第1接続部3と第2接続部4が然るべく接続される位置の上方に位置する。そのため、
図19を参照すると、前記連結部2を水栓Aに連結すると、前記本体1の裏面が壁面Bに密着し、本発明の制御部6が本体1の前方において操作者の正面に対峙する。よって、操作者は、はっきりと目視しながら制御部6の操作部材61を容易に回動させられるため、水流の分配方向を切り替えやすい。
【0030】
2.本発明は、自在に回転可能な第1接続部3と第2接続部4を有している。そのため、
図15~
図18に示すように、使用者は、外側に水管を接続する際に第1接続部3と第2接続部4の組み付け方向を任意に変更することが可能である。前記第1接続部3と第2接続部4は、それぞれ本体1の両側に然るべく枢結されており、且つそれぞれが実施状態として360度の軸回転を実行可能である。また、前記第2回転部材32は第1回転部材31において180度の軸回転が可能であり、前記第4回転部材42は第3回転部材41において180度の軸回転が可能である。
【0031】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の実施範囲を限定するためのものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲に基づき行われる等価の変形及び補足は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
1 本体
2 連結部
3 第1接続部
4 第2接続部
5 散水部
6 制御部
11 第1端
12 第2端
13 第3端
14 第4端
15 第5端
11a 入水路
12a 第1水路
13a 第2水路
14a 第3水路
14b 第4水路
15a 分水部
151a 第1吐水口
151b 第2吐水口
151c 第3吐水口
151d 第4吐水口
152 止水リング
11b 第2環状溝
A 水栓
21 連結ヘッド
22 ブッシュ部
23 位置規制リング
22a 第1環状溝
31a 第1軸回転部材
31 第1回転部材
32 第2回転部材
321 第1継手
311 第1止水リング
312 第2止水リング
322 第1軸管
321 第2組付部
323 第3止水リング
33a 第2経路
41a 第2軸回転部材
41 第3回転部材
42 第4回転部材
411 第4止水リング
412 第5止水リング
422 第2軸管
423 第6止水リング
43 第2継手
43a 第3経路
52 スペーサー
521 第1案内口
522 第2案内口
511 第1吐出孔
512 第2吐出孔
51 吐水トレイ
61 操作部材
62 蓋体
611 スリーブ部
612 結合部
613 凹部
614 密封部材
623 軸孔
621 溝
622 当接ピン
63 弁部材
63a トレイ
631 弁孔
63b 柱体
633 環状溝
634 オイルシール
B 壁面
【要約】 (修正有)
【課題】制御部の設置方向では操作しにくいとの点を改し、また、自在に軸回転可能な吐水継手を追加することで、多方向にホースを接続しやすくする水栓用多方分岐カプラを提供する。
【解決手段】水栓に連結可能な水栓用多方分岐カプラであって、本体1、連結部2、第1接続部3、第2接続部4及び散水部5、制御部6が設けられており、制御部6によって、第1接続部3又は第2接続部4又は散水部5への選択的分水機能を切り替える。
【選択図】
図1