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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】容器蓋クランプエッジの加工金型
(51)【国際特許分類】
   D21J 3/00 20060101AFI20220630BHJP
   B31D 5/02 20170101ALI20220630BHJP
【FI】
D21J3/00
B31D5/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021541725
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 CN2020072600
(87)【国際公開番号】W WO2020151579
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】201920091249.6
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521318664
【氏名又は名称】連東株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江峰
【審査官】岩田 行剛
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-513781(JP,A)
【文献】特表2012-525276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21J 3/00- 3/12
B31D 5/02
B65D 43/00-43/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプモールディング製品を圧縮して容器蓋のクランプエッジを形成する加工金型であって、
雌型と、雄型と、全体加工金型内に設置される弾性材料と、容器蓋とを含み、雄型と雌型の形状は良くマッチングし合い、前記雄型はベースと可動スライドブロックを含み、弾性材料は雄型の可動スライドブロックとベースとの間に固定設置され、雌型上には凹溝がリング状に設置され、雌型上には可動押し板が設置され
前記可動スライドブロックは、前記雌型の押付け動作及び開放動作の方向にスライド可能であり、
前記凹溝が設置されている位置は、前記弾性材料が前記可動スライドブロックの作用で膨張したときに、膨張した前記弾性材料が前記容器蓋を押し込んでクランプエッジを形成させる位置である、
ことを特徴とする容器蓋のクランプエッの加工金型。
【請求項2】
前記弾性材料の設置高さはベースの凹溝に対応し、前記弾性材料の厚さは凹溝の厚さより大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の容器蓋のクランプエッの加工金型。
【請求項3】
パルプモールディング製品を圧縮して容器蓋のクランプエッジを形成する加工金型であって、
雌型と、雄型と、全体加工金型内に設置される弾性材料と、容器蓋とを含み、雄型と雌型の形状は良くマッチングし合い、前記雄型はベースエジェクタ機構含み、雌型内にはさらに蓋板が設置され、前記弾性材料は蓋板と雌型との間に固定設置され
前記雄型のベース上には凹溝がリング状に設置され、
前記蓋板は、前記雄型と前記雌型とがマッチングして雌型の押し付けによる圧力を加えられたときに、当該圧力を前記弾性材料に加える方向に移動可能であり、
前記凹溝が設置されている位置は、弾性材料が前記蓋板と前記雌型とから圧力を受けて膨張したときに、膨張した前記弾性材料が前記容器蓋の外壁を押し付けてクランプエッジを形成させる位置である、
ことを特徴とする容器蓋のクランプエッの加工金型。
【請求項4】
前記弾性材料の設置高さはベースの凹溝に対応し、厚さは凹溝の厚さより大きい、ことを特徴とする請求項3に記載の容器蓋のクランプエッの加工金型。
【請求項5】
前記金型は常温の方式で直接使用するか、或いは加熱板方式で加熱して使用する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の容器蓋のクランプエッの加工金型。
【請求項6】
前記金型を加熱して使用する場合、前記弾性材料は高温に耐えるシリカゲールまたは ペルフルオロポリエーテルゴムを使用する、ことを特徴とする請求項5に記載の容器蓋のクランプエッの加工金型。
【請求項7】
金型を加熱板で加熱して、濡れた状態の容器蓋を加工する場合、常温の下ですでに熱間成形後の容器蓋を直接加工する、ことを特徴とする請求項5に記載の容器蓋のクランプエッの加工金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実用新案は、容器蓋クランプエッジの加工金型に関し、パルプモールディング分野に属する。
【背景技術】
【0002】
現在の社会消費中、使い捨て紙製容器が大量に使用されているが、それに附帯される容器の蓋はそのすべてがプラスチック製蓋であり、その使用量が多いため、大量の環境汚染の原因となる。紙質容器の蓋はボール紙成形技術で製作できないため、立体造形工程を有するパルプモールディング技術を用いて生産するしかないが、濡れたベース紙が上から下へと熱間金型によって押出し乾燥される時に、金型の側壁は直接ネガティブ角度の裏に凹む構造を製作できないため、パルプモールディングによる容器蓋はカップ口を良く封じることができなくて、プラスチック製品を取って代わることができない。特許200910157668.6の植物繊維モールディング容器蓋の逆フック溝製作方法によれば、三種の方法によって実現される。つまり、機械式スライドブロック圧縮、ロール圧縮およびエアバッグ圧縮である。機械式スライドブロック圧縮とロール圧縮はいずれも強制圧縮・引張であり、パルプ繊維に極めて大きな損傷を与え、逆フック溝部位の繊維組織粗鬆の原因となり、容器蓋側壁のクランプエッジ位置の強さが破壊され、蓋自体の強さに影響があるだけでなく、蓋と容器との密封性にも影響があり、さらに容器蓋の開閉回数に影響を与え、簡単に1、2回開閉すると、クランプエッジはカップ口を効果的に密封することができなくなる。エアバッグ圧縮は大面積の圧縮に有効であるかも知れないが、容器蓋上の細い隙間と凹溝にとってはあまり効かなく、エアバッグの側壁が圧力に耐えなくて、破裂し易く、壁の厚みが圧力に耐えると、紙カップの側壁を狭い凹溝中にうまく押し入れることができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】中国実用新案登録第209619754U号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存技術に存在する欠点を鑑みて、本考案は、容器蓋クランプエッジの加工金型を提供して、弾性材料が圧力を受けて膨張変形することによって、パルプモールディング製品を圧縮してクランプエッジを形成するが、このような方法で製作される容器蓋のクランプエッジ部位の本体強さが高くなり、密封が厳密になり、複数回開閉しても効果が変わらない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、パルプモールディング製品を圧縮して容器蓋のクランプエッジを形成する加工金型に関する。本発明の金型は、雌型と、雄型と、全体加工金型内に設置される弾性材料と、容器蓋とを含み、前記容器蓋は雄型の上部に置かれ、雄型と雌型の形状は良くマッチングし合う。
さらに、前記雄型はベースと可動スライドブロックを含む。
さらに、前記弾性材料は雄型の可動スライドブロックとベースとの間に固定設置される。
さらに、雌型上には凹溝がリング状に設置され、雌型上には可動押し板が設置される。
可動スライドブロックは、前記雌型の押付け動作及び開放動作の方向にスライド可能であり、
凹溝が設置されている位置は、弾性材料が可動スライドブロックの作用で膨張したときに、膨張によって容器蓋を押し込んで、容器蓋にクランプエッジを形成させる位置である。
【0006】
さらに、前記弾性材料の設置高さは雌型がマッチングされる時の凹溝の位置に対応する。
前記弾性材料の厚さは凹溝の厚さより大きい。
【0007】
また、本発明のパルプモールディング製品を圧縮して容器蓋のクランプエッジを形成する加工金型を、雄型がベースとエジェクタ機構をさらに含み、雌型内にはさらに蓋板が設置される構成とすることができる。
前記弾性材料は蓋板と雌型との間に固定設置される。
雄型のベース上には凹溝がリング状に設置される。
蓋板は、雄型と雌型とがマッチングして雌型の押し付けによる圧力を加えられたときに、当該圧力を弾性材料に加える方向に移動可能である。
凹溝が設置されている位置は、弾性材料が蓋板と雌型とから圧力を受けて膨張したときに、膨張によって容器蓋の外壁を押し付けてクランプエッジを形成させる位置である。
【0008】
雄型のベース上には凹溝がリング状に設置される。
弾性材料の設置高さはベースの凹溝に対応し、厚さは凹溝の厚さより大きい。
【0009】
前記容器蓋のクランプエッジ加工方法は、具体的に2種の方式がある。
【0010】
第1種方式による容器蓋クランプエッジの加工方法:弾性材料a(3)が圧力を受けて膨張変形することによって、パルプモールディング製品を圧縮してクランプエッジを形成し、パルプモールディング容器蓋a(5)と完全にマッチングする雌型a(1)上において、容器蓋a(5)に対応する側壁上には凹溝a(2)が設置され、雌型a(1)上には可動押し板(7)があり、弾性材料a(3)は雄型のベースa(6)上に固定設置されるが、クランプエッジの加工方法は以下のとおりである。容器蓋a(5)を雄型の可動スライドブロック(4)上にスリーブ設置し、雌型a(1)を下向きに押付け、先ず可動スライドブロックa(4)と接触させ、且つ共に下向きに押付け、弾性材料a(3)に作用し、弾性材料a(3)は力を受けて膨張し、パルプ容器壁を雌型a(1)の凹溝a(2)内に押し込んで、クランプエッジを形成させ、その後、雌型a(1)を持ち挙げるが、雌型a(1)の圧力が消えるにつれ、弾性材料a(3)の弾性も撤回され、容器蓋a(5)は、雌型a(1)と共に上昇し、この時、可動押し板(7)が容器蓋を押し開き、容器蓋a(5)が雌型a(1)を離れて、雄型の可動スライドブロック(4)上に落とされるが、それを取って、新しい蓋を入れることによって、次の加工プロセスに入る。
【0011】
第2種方式による容器蓋クランプエッジの加工方法:弾性材料b(10)が圧力を受けて膨張変形することによって、パルプモールディング製品を圧縮してクランプエッジを形成し、パルプモールディング容器蓋b(14)内壁とマッチングするベースb(11)上において、雄型のベースb上には凹溝b(9)がリング状に設置されるが、加工方法は以下のとおりである。パルプモールディングの熱間成形後の製品を雄型のベースb(11)上に置き、その後、パルプモールディング容器蓋b(14)の外形とマッチングする雌型b(8)を伝動シリンダーを通じて下に押し付け、雌型b(8)上の凹溝b(9)と対応する位置には、一定厚さの弾性材料b(10)が設置されるが、弾性材料b(10)の外形は中空円リング状であり、その内径は容器蓋の外壁にクランプエッジが加工される前の寸法より小さく、弾性材料b(10)は蓋板(13)によって雌型b(8)上に固定され、上下型がマッチングされ、且つ下向きに圧力を加えると、その圧力は蓋板(13)とベースb(11)を通じて弾性材料b(10)上に加えられ、弾性材料b(10)は圧力を受けて膨張し、容器蓋b(14)外壁を押し付けて凹溝b(9)向きに移動するしかできず、パルプ容器の外壁にて外側は突き出され、裏側は凹むクランプエッジを形成させ、圧力を撤回すると、弾性材料b(10)は原の状態に戻り、雌型b(8)が移動されると、この時、雄型のエジェクタ機構がパルプモールディング容器蓋b(14)を強制的に押し出して、完成品を作り出す。
【0012】
方式1と方式2中の金型は常温の下で使用できるだけでなく、加熱板や加熱棒などを付加して、電気加熱またはオイル熱伝導方式で金型を加熱して温度を上げて使用することもできる。
【0013】
方式1と方式2において、金型を加熱して使用する場合、対応する弾性材料は高温に耐えるシリカゲールまたは ペルフルオロポリエーテルなど材質のゴムを使用する。
【0014】
金型を高温の下で使用する目的は、パルプモルディングの濡れたベース紙の水分を乾燥して熱間圧力成形を行うと同時にクランプエッジを圧出し、プロセスを簡略化し、原価を節減するためである。勿論、すでに熱間成形されたパルプモールディング製品であれば、常温の下でクランプエッジを圧出することもできる。
【発明の効果】
【0015】
先行技術に比べての有益な効果
高温に耐える弾性材料を使って、パルプモールディング完成品に対する熱間定型を行うとと同時に、ワンストップでクランプエッジ付き完成品を製作することは、以下長所がある。その一は、弾性材料で作られたクランプエッジは構造的強さが高く、繊維に損傷を来さない。その二は、二回加工の必要がないため、時間が節約でき、原価が節減でき、金型1セットをも節約でき、単独にクランプエッジを再製作する金型を無くすことができる。弾性材料を使って、再び容器蓋に対してクランプエッジを圧出する場合、容器蓋内壁に対する力の伝達が均一に加えるので、容器蓋が受ける力が均一であり、成形が均質に行なわれ、繊維が受ける損傷が小さく、自体の強さが下がらないため、製品の密閉性を保証すると同時に、耐用期間を延ばす目的を達成することもでき、弾性加工容器蓋の開閉回数は30回にも達することができ、生活上の実際需要を十分満足することができる。弾性材料は加工が簡単であり、設置が易しく、圧力を調節するだけでストロークの調節が簡単且つ便利に行なわれるので、製造原価や日常メンテナンスの面から言って、いずれも機械式スライドブロックに比べてはるかに低い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は金型に常温方式を使用した時の第1種構造の略図である。
図2図2図1の分解構造図である。
図3図3は金型に常温方式を使用した時の第2種構造の略図である。
図4図4図3の分解構造図である。
図5図5は金型に加熱方式を使用する時の第1種構造の略図である。
図6図6図5の分解構造図である。
図7図7は金型に加熱方式を使用する時の第2種構造の略図である。
図8図8図7の分解構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面中の符号の説明
1-雌型a、2-凹溝a、3-弾性材料a、4-可動スライドブロック、5-容器蓋a、6-ベースa、7-可動押し板、8-雌型b、9-凹溝b、10-弾性材料b、11-ベースb、12-可動エジェクタ機構、13-蓋板、14-容器蓋b、15-加熱板。
【0018】
具体的な実施の方式
以下図面と実施例に結合して、容器蓋クランプエッジの加工金型および方法について詳しく説明するものとする。
【0019】
実施例1
容器蓋のクランプエッの加工金型であって、雌型a(1)と、雄型と、全体加工金型内に設置される弾性材料a(3)と、容器蓋a(5)とを含み、前記容器蓋a(5)は雄型の上部に置かれ、雄型上には雄型の形状と良くマッチングし合う雌型(1)が設置される。
【0020】
さらに、前記雄型はベースa(6)と可動スライドブロック(4)を含む。
さらに、前記弾性材料a(3)は雄型の可動スライドブロック(4)とベースa(6)との間に固定設置される。
【0021】
さらに、雌型(1)上には凹溝a(2)がリング状に設置され、雌型a(1)上には可動押し板(7)が設置される。
【0022】
さらに、前記弾性材料a(3)の設置高さは雌型a(1)がマッチングされる時の凹溝a(2)の位置に対応する。前記弾性材料a(3)の厚さは凹溝a(2)の厚さより大きい。
容器蓋a(5)を雄型の可動スライドブロック(4)上にスリーブ設置し、雌型a(1)を下向きに押付け、先ず可動スライドブロック(4)と接触させ、且つ共に下向きに押付け、弾性材料a(3)に作用し、弾性材料a(3)は力を受けて膨張し、パルプ容器壁を雌型a(1)の凹溝(2)内に押し込んで、クランプエッジを形成させ、その後、雌型a(1)を持ち挙げるが、雌型a(1)の圧力が消えるにつれ、弾性材料a(3)の弾性も撤回され、容器蓋a(5)は、雌型a(1)と共に上昇し、この時、可動押し板(7)が容器蓋a(5)を押し開き、容器蓋a(5)が雌型a(1)を離れて、雄型の可動スライドブロック(4)上に落とされるが、それを取って、新しい蓋を入れることによって、次の加工プロセスに入る。
【0023】
前記実施例1の弾性材料の押付方式は、裏から外へと押し付けられるプロセスである。
【0024】
実施例2
容器蓋のクランプエッの加工金型であって、雌型b(8)と、雄型と、全体加工金型内に設置される弾性材料b(10)と、容器蓋b(14)とを含み、前記容器蓋b(14)は雄型の上部に置かれ、雄型上には雄型の形状と良くマッチングし合う雌型b(8)が設置される。
【0025】
前記雄型はベースb(11)とエジェクタ機構(12)をさらに含むことができ、金型内にはさらに蓋板(13)が設置される。
【0026】
前記弾性材料b(10)は蓋板(13)と雌型b(8)との間に固定設置される。
雄型のベースb(11)上には凹溝b(9)がリング状に設置される。
弾性材料(10)の設置高さはベースの凹溝に対応し、厚さは凹溝の厚さより大きい。
【0027】
パルプモールディングの熱間成形後の製品を雄型のベースb(11)上に置き、その後、パルプモールディング容器蓋の外形とマッチングする雌型b(8)を伝動シリンダーを通じて下に押し付け、雌型b(8)上の凹溝b(9)と対応する位置には、一定厚さの弾性材料b(10)が設置されるが、弾性材料b(10)の外形は中空円リング状であり、その内径は容器蓋b(14)の外壁にクランプエッジが加工される前の寸法より小さく、弾性材料b(10)は蓋板(13)によって雌型(8)上に固定され、雄型と雌型がマッチングされ、且つ圧力を加えると、その圧力は蓋板(13)とベースb(11)を通じて弾性材料b(10)上に加えられ、弾性材料b(10)は圧力を受けて膨張し、容器蓋b(14)外壁を押し付けて凹溝b(9)向きに移動するしかできず、パルプ容器蓋(14)の外壁にて裏側は凹むクランプエッジを形成させ、圧力を撤回すると、弾性材料b(10)は原の状態に戻り、雌型b(8)が移動されると、この時、雄型のエジェクタ機構(12)がパルプモールディング容器蓋b(14)を強制的に押し出して、完成品を作り出す。
【0028】
前記実施例2の弾性材料の押付方式は、外から裏へと押し付けられるプロセスである。
【0029】
実施例3
容器蓋のクランプエッの加工金型であって、雌型a(1)と、雄型と、全体加工金型内に設置される弾性材料a(3)と、容器蓋a(5)とを含み、前記容器蓋a(5)は雄型の上部に置かれ、雄型上には雄型の形状と良くマッチングし合う雌型(1)が設置される。
【0030】
さらに、前記雄型はベースa(6)と可動スライドブロック(4)を含む。
さらに、前記弾性材料a(3)は雄型の可動スライドブロック(4)とベースa(6)との間に固定設置される。
【0031】
さらに、雌型(1)上には凹溝a(2)がリング状に設置され、雌型a(1)上には可動押し板(7)が設置される。
【0032】
さらに、前記弾性材料a(3)の設置高さは雌型a(1)がマッチングされる時の凹溝a(2)の位置に対応する。前記弾性材料a(3)の厚さは凹溝a(2)の厚さより大きい。
さらに、雌型a(1)の上部とベースa(6)の下部にはそれぞれ加熱板(15)が設置される。
【0033】
実施例4
容器蓋のクランプエッの加工金型であって、雌型b(8)と、雄型と、全体加工金型内に設置される弾性材料b(10)と、容器蓋b(14)とを含み、前記容器蓋b(14)は雄型の上部に置かれ、雄型上には雄型の形状と良くマッチングし合う雌型b(8)が設置される。
【0034】
前記雄型はベースb(11)とエジェクタ機構(12)をさらに含むことができ、金型内にはさらに蓋板(13)が設置される。
前記弾性材料b(10)は蓋板(13)と雌型b(8)との間に固定設置される。
雄型のベースb(11)上には凹溝b(9)がリング状に設置される。
弾性材料(10)の設置高さはベースの凹溝に対応し、厚さは凹溝の厚さより大きい。
さらに、雌型b(8)の上部とベースb(11)にはそれぞれ加熱板(15)が設置される。
【0035】
実施形態は以上のとおりであるが、これらに限らず、円形の容器蓋を製作できるだけでなく、四角形などその他の容器蓋も製作できる。また、圧力の大きさと圧力保持時間を調節することによって、最大クランプエッジ深さの範囲内で、クランプエッジのきつさを調節することができる。
【0036】
未加工容器蓋をスライドブロック加工容器蓋と弾性材料加工一次加工および二次加工容器蓋に対するスタディック(静的)平面圧縮崩壊試験を行なったが、その結果は以下表のとおりである。
【0037】
【表1】
【0038】
上記表から見れば、未加工容器蓋側壁の支持力または耐圧程度は弾性材料一次加工容器蓋と同じくて最も高い、ということはこれらはいずいれもワンストップで熱間圧力定型によって製作された訳で、繊維組織が破壊されておらず、強度が最も大きい。これに対し、機械加工容器蓋側壁は繊維組織が機械的な強制破断と引張の影響を受けて、その耐圧能力は未加工容器蓋の40%しかない。弾性材料二次加工容器蓋の耐圧能力は未加工容器蓋と弾性材料一次加工容器蓋に比べて低いが、機械加工容器蓋に比べるとはるかに高くて、2.2倍にも達する。これは弾性材料二次加工が容器蓋側壁の繊維に対する損傷が機械加工方式に比べてはるかに低いということを表明する。
【0039】
弾性材料二次加工は弾性材料が圧縮されると、先端が隙間がある所に膨張するが、容器蓋側壁に加える圧力が均一であり、1つのポイントに集中されず、全体の先端が弧状に膨張するので、容器蓋の側壁にとって、比較的大きな面積が力を受けて、1つのポイントに対する集中的な損傷が発生し難く、容器蓋側壁の構造的強さに対してあまり大きな影響がないということを説明する。
【0040】
もっと重要なのは、クランプエッジ自体の強さは容器蓋が密封がしっかりしているか、反復に開閉できるかどうかのポイントとなり、加工方式によってクランプエッジ部位にがカップ口に対する拘束能力も大きく違って来る。機械方式による強制圧縮・引張はパルプ繊維に対する破壊が極めて大きく、ボール紙が一旦折れると、折れた部位の繊維が破断されてしまい、強さが大きく下がる。機械方式によって加工されたクランプエッジは、見た目には裏凹み構造が形成されているものの、当該部位の繊維が破断、疎開されて、構造的強さがを喪失してしまうので、2-3回開閉すると、カップ口に対する拘束力が大きく下がり、効かなくなる。
【0041】
上記各種加工方式によって加工された容器蓋に対して、模擬使用試験を行った。
同じく4gの直径が90mmである容器蓋を取り、95℃のお湯を入れたカップ口上に被せる。2分後、それぞれ10回ずつ開閉し、その後、同じくスタディック(静的)平面圧縮崩壊試験を行なったが、その結果は以下表のとおりである。
【0042】
【表2】
【0043】
これから見れば、熱い蒸気の浸漬によって、機械加工による容器蓋の傷付いた側壁はすでにいかなる支持力もなくなり、つまり、機械加工方式によって製作された容器蓋は、実際使用中、ただ2、3回だけ開閉すると、プランプエッジはカップ口に対する拘束力をうしなってしまい、実際の生活中使えなくなる。同じ条件の下で、弾性加工容器蓋の開閉回数は30回にも達し、生活中の実際需要を十分満足することができる。
以下は機械加工による容器蓋と弾性材料によって加工された容器蓋との開閉回数を比較した試験であり、その基準は複数回開閉した後、依然としてコーヒーを一杯入れたカップを持ち挙げられることである。
【0044】
【表3】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8