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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】光走査装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20220630BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20220630BHJP
   B41J 2/47 20060101ALI20220630BHJP
   H04N 1/113 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
G02B26/10 F
G03G15/04 111
B41J2/47 101D
H04N1/113
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018106248
(22)【出願日】2018-06-01
(65)【公開番号】P2019211570
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】栗林 廉
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-076506(JP,A)
【文献】国際公開第2017/018211(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10
G03G 15/04
B41J 2/47
H04N 1/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、
前記複数の光源から出射された光束を偏向させる偏向器と、
前記偏向器によって偏向された複数の光束を透過させて所定の光学特性を与える第1の結像光学素子と、
前記第1の結像光学素子を介して出射される複数の光束をそれぞれ透過させて対応する被走査面に導く複数の第2の結像光学素子と、を備え、
前記複数の第2の結像光学素子が、前記第1の結像光学素子の光軸と交差するとともに前記被走査面を走査する方向と交差する方向に沿って異なる光軸方向の厚みを有し、
前記複数の光源から前記偏向器に入射して偏向された前記複数の光束のうち第1の光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置が、前記偏向器による偏向方向に沿った前記第1の結像光学素子の光軸との間の入射角が前記第1の光束の入射角より大きい第2の光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置より、前記光軸に沿って前記被走査面に近い位置となるように、前記複数の第2の結像光学素子を前記光軸および前記走査する方向と交差する方向にずらして配置した、
光走査装置。
【請求項2】
複数の光源と、
前記複数の光源から出射された光束を偏向させる偏向器と、
前記偏向器によって偏向された複数の光束を透過させて所定の光学特性を与える第1の結像光学素子と、
前記第1の結像光学素子を介して出射される複数の光束をそれぞれ透過させて対応する被走査面に導く複数の第2の結像光学素子と、を備え、
前記複数の光源から前記偏向器に入射して偏向された前記複数の光束のうち第1の光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置が、前記偏向器による偏向方向に沿った前記第1の結像光学素子の光軸との間の入射角が前記第1の光束の入射角より大きい第2の光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置より、前記光軸に沿って前記被走査面に近い位置となるように、前記複数の第2の結像光学素子を前記光軸に対して傾斜させて配置した、
光走査装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光走査装置と、
前記被走査面をそれぞれ有して前記複数の光源に対応して設けた複数の像担持体と、
前記光走査装置が出射した光束により前記被走査面を走査することで当該被走査面に形成される潜像を用いて記録媒体に画像を形成する画像記録部と、を備える、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光を偏向させて被走査面を走査する光走査装置、及びこの光走査装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、例えば、4つの感光体ドラム(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を水平方向に並設した4連タンデム式のカラー複写機が知られている。このカラー複写機は、例えば、2つ目の感光体ドラムと3つ目の感光体ドラムの間に1つのポリゴンミラーを有する。
【0003】
また、このカラー複写機は、色分解された各色の画像信号に基づくレーザ光をそれぞれポリゴンミラーに向けて出射する4つの光源を有する。4つの光源は、例えば、ポリゴンミラーを中心として、2つずつ左右に分かれて配置される。4つの光源は、各色の感光体ドラムの表面(被走査面)にそれぞれ色毎のレーザ光を照射し、予め所定の電位に帯電された各色の感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する。
【0004】
さらに、このカラー複写機は、ポリゴンミラーと各色の感光体ドラムとの間で各色のレーザ光を導光するための複数の反射鏡を有する。複数の反射鏡は、ポリゴンミラーとともに走査光学系を構成する。走査光学系は、左側の2つの感光体ドラムの表面を走査する走査光学系と、右側の2つの感光体ドラムの表面を走査する走査光学系を含む。
【0005】
左側の走査光学系は、左側の2つの光源から出射されたレーザ光をポリゴンミラーの同一の反射面で反射して主走査方向に偏向し、複数の反射鏡を介して当該レーザ光を導光して、左側の2つの感光体ドラムの表面を走査する。また、右側の走査光学系は、右側の2つの光源から出射されたレーザ光をポリゴンミラーの他の同一の反射面で反射して主走査方向に偏向し、複数の反射鏡を介して当該レーザ光を導光して、右側の2つの感光体ドラムの表面を走査する。
【0006】
つまり、左側の2つの光源から出射された各レーザ光は、ポリゴンミラーの同一の反射面で反射される。反射されたレーザ光は、ポリゴンミラーの回転によって主走査方向に偏向され、各色の走査光学系を経て、左側の2つの感光体ドラムへそれぞれ導かれる。同様に、右側の2つの光源から出射されたレーザ光は、ポリゴンミラーの他の同一の反射面で反射される。反射されたレーザ光は、ポリゴンミラーの回転によって主走査方向に偏向され、各色の走査光学系を経て、右側の他の2つの感光体ドラムへそれぞれ導かれる。
【0007】
左右それぞれ2つの光源から出射されるレーザ光は、例えば、主走査方向において、開き角を有してポリゴンミラーに入射する。例えば、特許文献1の装置では、各光源から出射したレーザ光を、ポリゴンミラーに対して副走査方向に角度を持たせずに入射させている。このため、特許文献1の装置では、面の出入り誤差による光路変化の影響を受けにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2008-122706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の装置は、副走査方向に角度を持たせないで2つのレーザ光をポリゴンミラーの同一の反射面に入射させるため、光源及び走査光学系が副走査方向に重なるように配置される。このためポリゴンミラーの同一の反射面の上下幅、すなわち、ポリゴンミラーの副走査方向の厚さが必要となる。ポリゴンミラーの厚さが増すと重量も増加する。しかし、ポリゴンミラーは、高速回転をするため、なるべく軽量化されることが望ましい。ポリゴンミラーの構造的な加工による軽量化も難しい。
【0010】
よって、ポリゴンミラーの構造を変えることなく被走査面における走査位置のずれを補正することができる光走査装置及び画像形成装置の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態に係る光走査装置は、複数の光源と、複数の光源から出射された光束を偏向させる偏向器と、偏向器によって偏向された複数の光束を透過させて所定の光学特性を与える第1の結像光学素子と、第1の結像光学素子を介して出射される複数の光束をそれぞれ透過させて対応する被走査面に導く複数の第2の結像光学素子と、を備えている。複数の第2の結像光学素子は、第1の結像光学素子の光軸と交差するとともに被走査面を走査する方向と交差する方向に沿って異なる光軸方向の厚みを有する。複数の光源から偏向器に入射して偏向された複数の光束のうち第1の光束を透過させる第2の結像光学素子への光束入射位置が、偏向器による偏向方向に沿った第1の結像光学素子の光軸との間の入射角が第1の光束の入射角より大きい第2の光束を透過させる第2の結像光学素子への光束入射位置より、光軸に沿って被走査面に近い位置となるように、複数の第2の結像光学素子を光軸および走査する方向と交差する方向にずらして配置した。
実施形態に係る光走査装置は、複数の光源と、複数の光源から出射された光束を偏向させる偏向器と、偏向器によって偏向された複数の光束を透過させて所定の光学特性を与える第1の結像光学素子と、第1の結像光学素子を介して出射される複数の光束をそれぞれ透過させて対応する被走査面に導く複数の第2の結像光学素子と、を備えている。複数の光源から偏向器に入射して偏向された複数の光束のうち第1の光束を透過させる第2の結像光学素子への光束入射位置が、偏向器による偏向方向に沿った第1の結像光学素子の光軸との間の入射角が第1の光束の入射角より大きい第2の光束を透過させる第2の結像光学素子への光束入射位置より、光軸に沿って被走査面に近い位置となるように、複数の第2の結像光学素子を光軸に対して傾斜させて配置した。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。
図2図2は、図1の画像形成装置の感光体ドラムの周りの装置構成を示す概略図である。
図3図3は、図1の画像形成装置の制御系のブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る露光ユニットを示す概略図である。
図5図5は、図4の露光ユニットの光学系を平面状に展開した光線図である。
図6図6は、図5の要部を部分的に拡大した部分拡大図である。
図7図7は、図6の構造を側方から見た概略図である。
図8図8は、図5の要部を部分的に拡大した部分拡大図である。
図9図9は、図8の要部をさらに拡大した部分拡大図である。
図10図10は、図8の構造を側方から見た概略図である。
図11図11は、図4の要部を部分的に拡大した部分拡大図である。
図12図12は、図11の2つのfθレンズの主走査方向のプラス側の端部近くを部分的に拡大して上方から見た部分拡大図である。
図13図13は、図11の2つのfθレンズの主走査方向のマイナス側の端部近くを部分的に拡大して上方から見た部分拡大図である。
図14図14は、第2の実施形態に係る露光ユニットの要部を部分的に拡大して示す部分拡大図である。
図15図15は、第3の実施形態に係る露光ユニットの要部を部分的に拡大して示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置の実施形態に係るカラー複写機100は、本体1の上部に原稿載置用の透明な原稿台ガラス2を備えている。原稿台ガラス2の上方には、原稿台ガラス2の上面を覆うように片開きのカバー3が取り付けられている。原稿台ガラス2の下面側の本体1内には、キャリッジ4が配置されている。キャリッジ4は、内部に露光ランプ5と反射ミラー6を収納している。キャリッジ4の近傍には、反射ミラー7、8と、変倍用レンズブロック9と、CCD(Charge Coupled Device)10と、が配置されている。
【0014】
キャリッジ4は、原稿台ガラス2の下面に沿って往復動可能に設けられている。露光ランプ5は、キャリッジ4の往動に伴い、原稿台ガラス2上に置かれた原稿に光を照射する。原稿から反射された光は、反射ミラー6、7、8及び変倍用レンズブロック9を経て、CCD10に入射される。CCD10は、原稿からの反射光を光電変換して画像信号を出力する。
【0015】
原稿台ガラス2の近傍には、動作条件設定用のコントロールパネル11が設けられている。コントロールパネル11は、タッチパネル式の液晶表示部12を有する。
【0016】
CCD10が出力した画像信号は、露光ユニット20(光走査装置)に入力される。露光ユニット20は、CCD10から入力された画像信号を、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色成分に分解する。後述する4つの光源L1、L2、L3、L4は、各色成分に分解した画像信号に応じたレーザ光B1、B2、B3、B4をそれぞれ出射する。各色のレーザ光とは、イエローの画像信号に応じたレーザ光B1、マゼンタの画像信号に応じたレーザ光B2、シアンの画像信号に応じたレーザ光B3及び、ブラックの画像信号に応じたレーザ光B4である。
【0017】
レーザ光B1は、イエロー用に独立して設けた所定の走査光学系を介して、イエロー用の像担持体である感光体ドラム21の表面に照射される。同様に、レーザ光B2は、マゼンタ用の所定の走査光学系を介して、マゼンタ用の感光体ドラム22の表面に照射される。また、レーザ光B3は、シアン用の所定の走査光学系を介して、シアン用の感光体ドラム23の表面に照射される。さらに、レーザ光B4は、ブラック用の所定の走査光学系を介して、ブラック用の感光体ドラム24の表面に照射される。各感光体ドラム21、22、23、24の表面は、それぞれレーザ光B1、B2、B3、B4が照射されて走査される被走査面である。
【0018】
感光体ドラム21、22、23、24は、この順番で、一定間隔でほぼ水平方向に図示左から右方向へ並んで設けられている。感光体ドラム21、22、23、24の回転軸は、互いに平行に等ピッチで水平方向に並んで配置されている。
【0019】
これら感光体ドラム21、22、23、24の上方には、中間転写ベルト30が配置されている。中間転写ベルト30は、ドライブローラ31及び従動ローラ32に掛け回されて無端状に張設されている。中間転写ベルト30は、感光体ドラム21、22、23、24の表面に接触して配置されている。中間転写ベルト30は、ドライブローラ31から動力を受けて、感光体ドラム21、22、23、24と同じ周速で、図1で反時計回り方向に回転する。
【0020】
中間転写ベルト30の内側には、1次転写ローラ41、42、43、44が配置されている。1次転写ローラ41、42、43、44は、それぞれ、中間転写ベルト30を間に挟んで感光体ドラム21、22、23、24に対向する位置に配置されている。1次転写ローラ41、42、43、44は、それぞれ感光体ドラム21、22、23、24との間で転写電圧を生じさせて、感光体ドラム21、22、23、24の表面に形成された各色の現像剤像を中間転写ベルト30上に重ねて転写する。
【0021】
レジストレーションセンサ30a、30bは、ブラック用の感光体ドラム24の下流側で、中間転写ベルト30に対向する位置に配置されている。レジストレーションセンサ30a、30bは、中間転写ベルト30の幅方向に離間して配置されている。レジストレーションセンサ30a、30bは、それぞれ、中間転写ベルト30に形成した図示しない各色のレジストパターンを検出して、各色の画像の位置ずれを検出する。
【0022】
ここで、図2を参照して、イエロー用の感光体ドラム21の周りに配置した装置構成について説明する。
感光体ドラム21の周囲には、クリーナ21a、除電ランプ21b、帯電ユニット21c及び、現像ユニット21dが、図示時計回りの順で配置されている。クリーナ21aは、感光体ドラム21の表面に残留した現像剤を除去する。除電ランプ21bは、感光体ドラム21の表面に残留した電荷を除去する。帯電ユニット21cは、感光体ドラム21の表面に所定の静電荷を帯電させる。
【0023】
帯電ユニット21cにより帯電された感光体ドラム21の表面には、露光ユニット20が発するレーザ光B1が照射される。レーザ光B1は、予め所定電位に帯電された感光体ドラム21の表面にイエローの画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニット21dは、感光体ドラム21の表面にイエローの現像剤Dを供給することにより、感光体ドラム21の表面の静電潜像を現像して、イエローの現像剤像を形成する。
【0024】
他の感光体ドラム22、23、24の周りに配置した装置構成も、上述したイエロー用の感光体ドラム21の周りに配置した装置構成と同様である。このため、他の感光体ドラム22、23、24の周りに配置した装置構成についての詳細な説明は省略する。感光体ドラム22、23、24の表面には、マゼンタ・シアン・ブラックの現像剤Dがそれぞれ供給されて、各色の現像剤像が形成される。
【0025】
図1に示すように、カラー複写機100は、露光ユニット20の下方に複数の給紙カセット50を備えている。これらの給紙カセット50は、互いに異なるサイズの用紙Pを多数枚収容する。これらの給紙カセット50の取り出し口には、ピックアップローラ51及び給紙ローラ52が設けられている。
【0026】
ピックアップローラ51は、対応する給紙カセット50内の用紙Pに接して回転し、用紙Pを1枚ずつ取り出す。給紙ローラ52は、ピックアップローラ51により取り出した用紙Pを搬送路53へ送り込む。搬送路53は、レジストローラ54、従動ローラ32、定着ユニット60、及び排紙ローラ55を経由して、排紙口56まで延設されている。排紙口56は、排紙トレイ57に臨む。
【0027】
中間転写ベルト30及び搬送路53を挟んで従動ローラ32と対向する位置には、2次転写ローラ33が配置されている。2次転写ローラ33は、中間転写ベルト30に重ねて形成されている各色の現像剤像を、レジストローラ54を介して送り込まれる用紙Pに転写する。すなわち、2次転写ローラ33は、中間転写ベルト30、ドライブローラ31、従動ローラ32、1次転写ローラ41、42、43、44と共に、転写手段として機能する。
【0028】
カラー複写機100は、搬送路53の終端からレジストローラ54の上流側まで延びた搬送路70を有する。この搬送路70は、用紙Pの表裏を反転して搬送路53に戻す反転搬送路として機能する。この搬送路70には、給紙ローラ71、72、73が設けられている。
【0029】
本体1の側壁には、手差しトレイ74が着脱自在に取り付けられている。この手差しトレイ74には、搬送路75の一端が接続されている。搬送路75の他端は、レジストローラ54の上流側で搬送路53に接続されている。手差しトレイ74の搬送路75側の端部には、ピックアップローラ76が設けられている。ピックアップローラ76とレジストローラ54の間の搬送路75上には、給紙ローラ77が配置されている。ピックアップローラ76は、手差しトレイ74上の用紙を1枚ずつ取り出す。給紙ローラ77は、ピックアップローラ76により取り出した用紙をレジストローラ54へ供給する。
【0030】
定着ユニット60は、ヒートローラ61及び加圧ローラ62を有する。この定着ユニット60は、搬送される用紙Pをヒートローラ61で例えば100℃で加熱して、加圧ローラ62で加圧することにより、用紙Pに転写されている現像剤像を用紙Pに定着させる。
【0031】
次に、図3を参照して、カラー複写機100の制御回路について説明する。
カラー複写機100の制御回路は、カラー複写機100の動作を制御するCPU80を有する。CPU80には、コントロールパネル11、ROM81、RAM82、ハードディスクドライブ(HDD)83、スキャニングユニット84、画像処理ユニット85、及びプロセスユニット86が接続されている。
【0032】
コントロールパネル11は、タッチパネル式の液晶表示部12の他に、図示しないテンキー、スタートキー、画像形成モード設定用のコピーキー、画像読取モード設定用のスキャンキーなどを有する。ROM81は、制御用の各種プログラムを記憶している。RAM82は、各種データを一時的に記憶する。ハードディスクドライブ83は、画像データを記憶する。
【0033】
スキャニングユニット84は、前述したキャリッジ4、露光ランプ5、反射ミラー6、7、8、変倍用レンズブロック9及び、CCD10を含む。スキャニングユニット84は、原稿台ガラス2上に置かれた原稿の画像を光学的に走査して読み取る。画像処理ユニット85は、スキャニングユニット84が読み取った画像を適宜に処理する。
【0034】
プロセスユニット86は、露光ユニット20、感光体ドラム21、22、23、24、各感光体ドラム周りの図2に示す装置構成、中間転写ベルト30、ドライブローラ31、従動ローラ32、1次転写ローラ41、42、43、44、2次転写ローラ33、搬送路53、定着ユニット60、搬送路70などを有する。プロセスユニット86は、画像処理ユニット85が処理した画像を用紙P上に形成する。
【0035】
以下、主に図4乃至図7を参照して、露光ユニット20について詳細に説明する。図4に示すように、露光ユニット20は、4つの感光体ドラム21、22、23、24の図示下方に離間対向して配置されている。
【0036】
露光ユニット20は、図5および図6に示すように、正多角柱状のポリゴンミラー91(偏向器)を有する。本実施形態では、ポリゴンミラー91は、正七角形の各辺に配置した7つの反射面91aを有する正七角柱状に形成されている。ポリゴンミラー91は、7つの反射面91aと平行な回転軸を中心に回転可能に設けられている。これら7つの反射面91aは、ポリゴンミラー91の回転方向CCWに沿って連続しており、ポリゴンミラー91の外周面を構成している。ポリゴンミラー91は、正多角柱状であればよく、反射面91aの数は7つに限らず、任意に設定可能である。
【0037】
また、露光ユニット20は、ポリゴンミラー91を主走査方向(図5の矢印方向)に所定の速度で回転させるモータ92を有する。本実施形態では、モータ92は、図4および図7に示すように、ポリゴンミラー91と同軸に設けられている。例えば、ポリゴンミラー91は、モータ92の回転軸に一体に取り付けられている。しかし、モータ92は、ポリゴンミラー91と同軸に配置する必要はなく、一体に設ける必要もない。
【0038】
露光ユニット20は、この他に、光源L1、L2、L3、L4、および複数の光学素子を有する。複数の光学素子は、光源L1、L2、L3、L4から出射した4色のレーザ光B1、B2、B3、B4を導光する。複数の光学素子は、4色のレーザ光B1、B2、B3、B4をそれぞれ対応する感光体ドラム21、22、23、24の表面(被走査面)へ導光する独立した4つの光路を形成する。本実施形態では、4色の光路を2組2色の光路に分けて、各組の光路を構成する複数の光学素子をポリゴンミラー91を中心として左右に分けて配置した。
【0039】
すなわち、本実施形態では、ポリゴンミラー91は、図4において図示左から2番目の感光体ドラム22と3番目の感光体ドラム23の間に配置されている。言い換えると、ポリゴンミラー91の図示左側にイエロー用の感光体ドラム21及びマゼンタ用の感光体ドラム22が配置され、図示右側にシアン用の感光体ドラム23及びブラック用の感光体ドラム24が配置されている。ポリゴンミラー91は、その回転軸が各感光体ドラム21、22、23、24の回転軸と直交する姿勢(本実施形態では鉛直方向に延びた姿勢)で配置されている。
【0040】
つまり、露光ユニット20は、単一のポリゴンミラー91を間に挟んで、その両側(図示左右側)にそれぞれ複数の光学素子を含む2つの走査光学系101、102を有する。2つの走査光学系101、102は、ポリゴンミラー91の回転軸を含む感光体ドラム21、22、23、24の回転中心と平行な面に対し、光学的に左右対称な構造を有する。ポリゴンミラー91は、走査光学系101、102のそれぞれに含まれる。
【0041】
図示左側の走査光学系101は、それぞれ、2つの感光体ドラム21、22の表面に向けてレーザ光B1、B2を出射する光源L1、L2を有する。各光源L1、L2は、例えばレーザダイオードにより構成されており、色分解されたイエローの画像信号に応じたレーザ光B1、及びマゼンタの画像信号に応じたレーザ光B2をそれぞれ出射する。
【0042】
走査光学系101は、光源L1、L2から出射されたレーザ光B1、B2をポリゴンミラー91の同じ反射面91aで反射して、ポリゴンミラー91の回転により、回転方向CCW(図5における反時計回り方向)に沿った主走査方向に偏向し、2つの感光体ドラム21、22の表面をそれぞれ走査する。
【0043】
同様に、図示右側の走査光学系102は、それぞれ、2つの感光体ドラム23、24の表面に向けてレーザ光B3、B4を出射する光源L3、L4を有する。走査光学系102は、光源L3、L4から出射されたレーザ光B3、B4をポリゴンミラー91の他の同一の反射面91aで反射して、ポリゴンミラー91の回転により、回転方向CCWに沿った主走査方向に偏向し、2つの感光体ドラム23、24の表面をそれぞれ走査する。
【0044】
ここで、図示左側の走査光学系101について詳しく説明する。
ポリゴンミラー91は、光源L1、L2(第1、第2の光源)から出射したレーザ光B1、B2(第1、第2の光束)を同じ反射面91aで反射しつつ回転する。これにより、それぞれ所定の位置に配置された2つの像面、すなわち対応する感光体ドラム21、22の表面を所定の線速度で主走査方向に走査する。このとき、感光体ドラム21、22を副走査方向に回転させることにより、各色の画像信号に応じた静電潜像が感光体ドラム21、22の表面に形成される。
【0045】
走査光学系101における2つの光源L1、L2は、図5および図6に示すように、上方から見て、ポリゴンミラー91の回転方向CCW(図示矢印方向)に沿って異なる角度位置に配置されている。つまり、2つの光源L1、L2は、ポリゴンミラー91から見てレーザ光B1、B2の入射する方向が、開き角θを有して配置されている。具体的には、本実施形態では、2つの光源のうち光源L1を、ポリゴンミラー91の回転方向CCWに沿った下流側に配置し、光源L2を、回転方向CCWに沿った上流側に配置している。
【0046】
また、本実施形態では、図7に示すように、2つの光源L1、L2は、ポリゴンミラー91の回転軸と平行な方向にわずかにずれて配置される。このため、光源L1及び光源L2から出射されたレーザ光B1、B2がポリゴンミラー91の同一の反射面91aで反射される位置が、回転軸と平行な方向でわずかに異なっている。
【0047】
光源L1、L2とポリゴンミラー91の間のそれぞれの光路上には、偏向前光学系110Y、110Mが配置されている。偏向前光学系110Y、110Mは、走査光学系101に含まれる。2つの光源L1、L2がポリゴンミラー91に対向する角度位置を異ならせたことで、それぞれのレーザ光B1、B2の光路上に独立した偏向前光学系110Y、110Mを重なりを持たせずに設けることができる。
【0048】
各光源L1、L2に対応した2組の偏向前光学系110Y、110Mは、有限焦点レンズ111Y、111M、絞り112Y、112M、及び、シリンダレンズ113Y、113Mをそれぞれ含んでいる。有限焦点レンズ111Y、111Mは、各光源L1、L2から出射されたレーザ光B1、B2に所定の集束性を与える。絞り112Y、112Mは、有限焦点レンズ111Y、111Mを通過したレーザ光B1、B2に任意の断面ビーム形状を与える。シリンダレンズ113Y、113Mは、絞り112Y、112Mを通過したレーザ光B1、B2に対して副走査方向に関してさらに所定の集束性を与える。
【0049】
偏向前光学系110Y、110Mは、各光源L1、L2から出射されたレーザ光B1、B2の断面ビーム形状を所定の形状に整えて、ポリゴンミラー91の反射面91aに導く。偏向前光学系110Y、110Mの光軸(光線進行方向)とポリゴンミラー91の回転軸91bは直交する。
【0050】
ポリゴンミラー91の反射面91aで反射されたレーザ光B1、B2を感光体ドラム21、22の表面に向けて導光する偏向後光学系120は、図5に示すように、fθレンズ121、122を有する。偏向後光学系120は、走査光学系101に含まれる。偏向後光学系120は、ポリゴンミラー91と像面、すなわち感光体ドラム21、22の表面との間に配置される。
【0051】
ポリゴンミラー91に近い上流側のfθレンズ121(第1の結像光学素子)は、レーザ光B1、B2の光路上に1つだけ設けられている。これに対し、感光体ドラム21、22に近い下流側のfθレンズ122は、図5では1枚として図示しているが、本実施形態では、fθレンズ122は後述するように各色に1枚ずつ独立して設けられている。
【0052】
fθレンズ121、122は、ポリゴンミラー91により偏向(走査)されたレーザ光B1、B2の像面上における形状及び位置を最適化する2枚組み結像レンズである。本実施形態では、ポリゴンミラー91に近い上流側にfθレンズ121を配置し、像面に近い下流側に各色用のfθレンズ122(1221、1222)を配置した。下流側のfθレンズ122は、それぞれ、後述する第3のカバーガラス133の近傍に位置する。
【0053】
偏向後光学系120は、fθレンズ121、122を通過したレーザ光B1、B2の水平同期を整合させるために、一方のレーザ光B1の走査開始側の端部(走査位置AA)で、その一部を検知する水平同期用の光検出器123を含む。
【0054】
図5ではレーザ光B1を平面状に展開して図示してあるが、fθレンズ122から光検出器123に向かう光路上にはレーザ光B1を光検出器123に向けて折り返す折り返しミラー124が設けられている。さらに、折り返しミラー124と光検出器123との間には、折り返しミラー124により光検出器123に向けて反射されたレーザ光B1を光検出器123の検出面上に案内する光路補正素子125などが配置されている。
【0055】
また、偏向後光学系120は、図4に示すように、fθレンズ121を透過したレーザ光B1、B2を各感光体ドラム21、22に向けて折り返す複数の折返しミラー126YM、127Y、127M、128Yを有する。折返しミラー126YM、127Y、128Yは、レーザ光B1を感光体ドラム21の表面に向けて反射する。また、折返しミラー126YM、127Mは、レーザ光B2を感光体ドラム22の表面に向けて反射する。但し、図5においては、レーザ光B1、B2を重ねた状態で図示しているため、折返しミラー126YM、127Y、127M、128Yの図示を省略している。
【0056】
偏向前光学系110とポリゴンミラー91の間には第1のカバーガラス131が設けられている。ポリゴンミラー91と偏向後光学系120の間には第2のカバーガラス132が設けられている。ポリゴンミラー91が回転する際の風切音対策として、ポリゴンミラー91を箱で囲った時に、第1のカバーガラス131がレーザ光の入口をカバーし、第2のカバーガラス132がレーザ光の出口をカバーする。
【0057】
さらに、fθレンズ122と感光体ドラム21、22の間には第3のカバーガラス133がそれぞれ設けられている。第3のカバーガラス133は、露光ユニット20の筐体からレーザ光B1、B2が出射されるレーザ光B1B2の出口をカバーしている。
【0058】
次に、図示右側の走査光学系102についても簡単に説明する。
ポリゴンミラー91は、光源L3、L4から出射したレーザ光B3、B4をポリゴンミラー91の同じ反射面91aで反射しつつ回転する。これにより、ポリゴンミラー91は、それぞれ所定の位置に配置された2つの像面、すなわち対応する感光体ドラム23、24の表面を所定の線速度で主走査方向に走査する。このとき、感光体ドラム23、24を副走査方向に回転させることにより、予め所定電位に帯電させた感光体ドラム23、24の表面に各色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。
【0059】
走査光学系102の2つの光源L3、L4は、上述した走査光学系101の光源L1、L2と同様に、ポリゴンミラー91の回転方向CCWに沿って異なる角度位置に配置されている。本実施形態では、2つの光源のうち光源L3を、ポリゴンミラー91の回転方向CCWに沿った上流側に配置し、光源L4を、回転方向CCWに沿った下流側に配置した。また、2つの光源L3、L4は、ポリゴンミラー91の回転軸91bと平行な方向にわずかにずれて配置されている。
【0060】
光源L3、L4とポリゴンミラー91の間には、それぞれ、偏向前光学系110C、110Kが配置されている。また、ポリゴンミラー91と像面、すなわち感光体ドラム23、24の表面との間には、偏向後光学系120が配置されている。これら偏向前光学系110C、110K及び偏向後光学系120は、上述した走査光学系101の偏向前光学系110Y、110M、及び偏向後光学系120と略同じ構造を有し、光学的に左右対称にレイアウトされている。このため、ここでは、図示右側の走査光学系102の偏向前光学系110C、110K、及び偏向後光学系120についての説明を省略する。
【0061】
なお、ここでは、ポリゴンミラー91により各レーザ光B1、B2、B3、B4が偏向(走査)される方向(感光体ドラム21、22、23、24の回転軸方向)を「主走査方向」と定義し、偏向器であるポリゴンミラー91の回転軸方向を「副走査方向」と定義する。従って、主走査方向は、各光学系の光軸方向及びポリゴンミラー91の回転軸方向のそれぞれに対して垂直な方向である。
【0062】
本実施形態では、走査光学系101と走査光学系102をポリゴンミラー91を間に挟んで左右両側に設けているため、ポリゴンミラー91を一定方向に回転した場合、走査光学系101による感光体ドラム21、22の走査方向と走査光学系102による感光体ドラム23、24の走査方向が逆になる。具体的には、図5において、ポリゴンミラー91を中心として光源L1、L2、L3、L4を描いた側(紙面上側)をプラス側と仮定し、反対側(紙面下側)をマイナス側と仮定した場合、走査光学系101は、矢印Sで示すプラス側からマイナス側へ像面を走査し、走査光学系102は、矢印Tで示すマイナス側からプラス側へ像面を走査する。
【0063】
走査光学系101と走査光学系102でレーザ光B1、B2、B3、B4の主走査方向の書出しタイミングを揃えるために、水平同期用の光検出器123を各走査光学系101、102の主走査方向の上流側にそれぞれ配置している。このため、本実施形態では、図5に示すように、走査光学系101では画像領域のプラス側で主走査方向上流の走査位置AAに水平同期用の光検出器123を配置し、走査光学系102では画像領域のマイナス側で主走査方向上流の走査位置ABに水平同期用の光検出器123を配置している。
【0064】
図8は、走査光学系101の2つの光源L1、L2からそれぞれ出射されて、ポリゴンミラー91の同じ反射面91aで反射された後、感光体ドラム21、22の表面に照射されるレーザ光B1、B2の光跡を示す光線図である。図8では、説明を分かり易くするため、ポリゴンミラー91で反射した後のレーザ光B1、B2を重ねて図示した。しかし、光源L1、L2からポリゴンミラー91に入射するレーザ光B1、B2の主走査方向に沿った入射角が異なるため、レーザ光B1、B2は、感光体ドラム21、22の表面を同じタイミングで主走査方向に走査する訳ではない。図8では、レーザ光B1を一点鎖線で示し、レーザ光B2を二点鎖線で示した。また、図8では、fθレンズ121の光軸Cを破線で図示した。
【0065】
ここでは、被走査面としての像面、すなわち感光体ドラム21の表面における主走査方向の中心を通る軸とfθレンズ121の光軸Cが一致するものと仮定する。ポリゴンミラー91は、光軸Cを中心に、主走査方向プラス側にθ1、マイナス側にθ1’の振り角でレーザ光B1を偏向させる。同様に、ポリゴンミラー91は、感光体ドラム22の表面における主走査方向の中心を通る光軸を中心に、主走査方向プラス側にθ2、マイナス側にθ2’の振り角でレーザ光B2を偏向させる。このとき、レーザ光B1、B2を偏向するポリゴンミラー91の回転軸91bに同じ回転角度を与えて偏向した場合、θ1=θ2およびθ1’=θ2’が成り立つ。
【0066】
本実施形態の走査光学系101においては、上述したように、光源L1、L2からポリゴンミラー91の反射面91aに入射するレーザ光B1、B2の主走査方向に沿った入射角が異なる。ここで言う入射角は、光軸Cに対するレーザ光B1、B2の角度である。このため、本実施形態によると、この入射角の差(すなわち開き角θ)に起因して、θ1-θ1’の振り角で主走査方向に偏向させたレーザ光B1が感光体ドラム21の表面に照射される領域の主走査方向の長さと、θ2-θ2’の振り角で主走査方向に偏向させたレーザ光B2が感光体ドラム22の表面に照射される領域の主走査方向の長さが、わずかに異なることが分かっている。
【0067】
以下、入射角の差に起因した像面における主走査方向の倍率ずれのメカニズムについて説明する。
ポリゴンミラー91は、CCW方向に回転し、主走査方向に沿った入射角の異なるレーザ光B1、B2を同じ反射面91aで反射させ、それぞれ、感光体ドラム21、22の表面に照射する。このため、一方のレーザ光B1を感光体ドラム21に照射することができる反射面91aの回転角度範囲と、他方のレーザ光B2を感光体ドラム22に照射することができる反射面91aの回転角度範囲は、入射角の差分だけ主走査方向にずれを有することになる。
【0068】
例えば、図9に示すように、光源L1から出射されたレーザ光B1は、第1の角度位置R1に回転した反射面91aで振り角θ1方向に反射される。これに対し、光源L2から出射されたレーザ光B2は、上述した第1の角度位置R1とは異なる第2の角度位置R2に回転した反射面91aで振り角θ1方向(B1と同じ方向)に反射される。
【0069】
また、レーザ光B1は、第3の角度位置R3に回転した反射面91aで感光体ドラム21の主走査方向の中心に向かう光軸方向に反射される。これに対し、レーザ光B2は、第3の角度位置R3とは異なる第4の角度位置R4に回転した反射面91aで感光体ドラム22の主走査方向の中心に向かう光軸方向(B1と同じ方向)に反射される。
【0070】
同様に、レーザ光B1は、第5の角度位置R5に回転した反射面91aで振り角θ1’方向に反射される。これに対し、レーザ光B2は、第5の角度位置R5とは異なる第6の角度位置R6に回転した反射面91aで振り角θ1’方向(B1と同じ方向)に反射される。
【0071】
ポリゴンミラー91は図示矢印CCW方向に回転するため、反射面91aは、第2の角度位置R2、第1の角度位置R1、第4の角度位置R4、第3の角度位置R3、第6の角度位置R6、第5の角度位置R5の順に角度を変えて回転する。これにより、主走査方向に沿って入射角の異なる2つのレーザ光B1、B2を同じ反射面91aで同じ方向(それぞれの感光体ドラム21、22に向かう光軸方向)に反射させて同じ振り角で主走査方向に偏向させることができる。
【0072】
例えば、図9に示すように、第1の角度位置R1に配置した反射面91aで反射した振り角θ1方向のレーザ光B1と第3の角度位置R3に配置した反射面91aで反射した光軸方向のレーザ光B1との交点をP1とする。また、第2の角度位置R2に配置した反射面91aで反射した振り角θ1方向のレーザ光B2と第4の角度位置R4に配置した反射面91aで反射した光軸方向のレーザ光B2との交点をP2とする。この場合、交点P1は、感光体ドラム21に向かう光軸方向に沿って交点P2より像面側に位置する。
【0073】
レーザ光B1、B2は、同じ振り角で感光体ドラム21、22の表面に照射されるため、交点P1と交点P2との間の光軸方向の差(ΔZ)は、像面において主走査方向の倍率ずれとして現れる。見方を変えると、交点P1、P2が光軸方向に上述したΔZのずれを有する場合、反射面91aで反射したレーザ光B1は反射面91aで反射したレーザ光B2より内側を通ることになる。つまり、この場合、レーザ光B1が感光体ドラム21の表面に照射される図示しないスポットの主走査方向の長さは、レーザ光B2が感光体ドラム22の表面に照射されるスポットの主走査方向の長さより短くなる。
【0074】
ポリゴンミラー91に対して光源L1、L2を設計通りの配置位置にレイアウトすれば、ポリゴンミラー91で反射された各レーザ光B1、B2の光軸Cに沿った主走査方向の中心線は互いに重なるとともに光軸Cとも重なる。しかし、例えば、ポリゴンミラー91と光源L1、L2の相対位置に設計値からのずれを生じると、図9に示すように、ポリゴンミラー91で反射したレーザ光B1、B2の中心線が互いに主走査方向にずれる場合がある。
【0075】
この場合、例えば、中心線の主走査方向のずれ(ΔX)が大きくなると、各レーザ光B1、B2の像面におけるスポットの主走査方向のずれも大きくなる。また、ずれΔXの方向が逆になると、スポットのずれも逆になる。本実施形態では、図9に示すように、ポリゴンミラー91で反射したレーザ光B1の中心線がレーザ光B2の中心線に対して主走査方向のマイナス側にΔXのずれを有する。
【0076】
次に、上述した主走査方向の倍率ずれを補正する方法について、いくつかの実施形態を例に挙げて説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によると、このような主走査方向の倍率ずれを補正するため、レーザ光B1、B2に対応してそれぞれ設けた2つのfθレンズ122の光軸方向に沿った取り付け位置を調整した。
【0077】
上述したように、2つの光源L1、L2は、主走査方向のみならず副走査方向にもわずかにずれて配置されている(図7参照)。例えば、ポリゴンミラー91に近い上流側のfθレンズ121を基準に考えると、レーザ光B1の光軸は、図10に示すように、fθレンズ121の光軸Cから副走査方向の一側(図示下側)にY1だけ離れた位置を通る。また、同様に、レーザ光B2の光軸は、fθレンズ121の光軸Cから副走査方向の他側(図示上側)にY2だけ離れた位置を通る。レーザ光B1、B2の光軸は、それぞれ、fθレンズ121の光軸Cと平行である。なお、Y1とY2は必ずしも同じ距離にはならない。
【0078】
上述したように、レーザ光B1、B2は、ポリゴンミラー91の反射面91aで反射される前に、シリンダレンズ113Y、113Mによって副走査方向の集光性が与えられている。このため、反射面91aで反射した後のレーザ光B1、B2は、光束の幅が広がり、拡散光となる。しかし、レーザ光B1、B2の光軸は、上記のように、互いに平行を維持しており、ポリゴンミラー91の回転軸91bと直交する。
【0079】
このように、レーザ光B1、B2が互いに平行を維持した拡散光のまま導光されると、レーザ光B1、B2を各感光体ドラム21、22へ導くためにレーザ光B1、B2を分離する位置でレーザ光B1、B2の間に一定の距離を与えることができなくなる。つまり、それぞれのレーザ光B1、B2の光路上に独立して折返しミラーを配置するためにはレーザ光B1、B2の間に副走査方向に沿って一定の間隔を与える必要がある。このため、fθレンズ121は、それぞれ拡散した2つの平行光を副走査方向に集光させる光学特性を有する。
【0080】
図10に示すように、ポリゴンミラー91の反射面91aで反射されて拡散されたレーザ光B1、B2は、副走査方向にずれた位置を通ってfθレンズ121を通過する。このとき、fθレンズ121が副走査方向における正の光学パワーを有するため、レーザ光B1は図10で上方に屈曲され、レーザ光B2は図10で下方に屈曲される。
【0081】
このようにレーザ光B1、B2を副走査方向に互いに近付く方向に屈曲させることにより、レーザ光B1、B2が焦点位置(図10では図示せず)で交差する。この場合、焦点位置は、fθレンズ121とfθレンズ122の間にある。
【0082】
そして、焦点位置を通過したレーザ光B1、B2は、副走査方向に互いに離れる方向に導光される。これにより、レーザ光B1、B2の間に副走査方向に沿った距離が与えられ、それぞれ独立して配置した折返しミラーにより各レーザ光B1、B2を異なる方向に導光することができるようになる。
【0083】
図11に示すように、感光体ドラム21、22に近い下流側のfθレンズ122は、2つのfθレンズ1221、1222(第2の結像光学素子)を有する。fθレンズ1221は、レーザ光B1を選択的に透過させる位置に配置される。fθレンズ1222は、fθレンズ1221と別体に設けられ、レーザ光B2を選択的に透過させる位置に配置される。なお、2つのfθレンズ1221、1222は、それぞれ独立して所定位置に位置決めして固定することができる。
【0084】
ここでは、fθレンズ1221にレーザ光B1が入射する入射面1221aとfθレンズ121からレーザ光B1が出射されるfθレンズ121の出射面との間の距離をZ3と定義した。fθレンズ1221の入射面1221aは、ポリゴンミラー91側に突出して湾曲している。このため、距離Z3は、入射面1221aの頂点とfθレンズ121の出射面との間の距離とした。
【0085】
また、fθレンズ1221の光軸とfθレンズ121の光軸Cとの間の副走査方向に沿った距離をY3と定義した。fθレンズ1221を透過させるレーザ光B1が上述したようにfθレンズ121の作用によって副走査方向に屈曲されて、レーザ光B2と交差しているため、レーザ光B1は、fθレンズ121の光軸Cより図示上方を通る。
【0086】
一方、fθレンズ1222にレーザ光B2が入射する入射面1222aとfθレンズ121からレーザ光B1が出射されるfθレンズ121の出射面との間の距離をZ4と定義した。fθレンズ1222の入射面1222aも、ポリゴンミラー91側に突出して湾曲している。このため、距離Z4は、入射面1222aの頂点とfθレンズ121の出射面との間の距離とした。
【0087】
また、fθレンズ1222の光軸とfθレンズ121の光軸Cとの間の副走査方向に沿った距離をY4と定義した。fθレンズ1222を透過させるレーザ光B2が上述したようにfθレンズ121の作用によって副走査方向に屈曲されて、レーザ光B1と交差しているため、レーザ光B2は、fθレンズ121の光軸Cより図示下方を通る。
【0088】
なお、上述したように、fθレンズ121を通るレーザ光B1の光軸とfθレンズ121の光軸Cとの間の副走査方向の距離Y1と、fθレンズ121を通るレーザ光B2の光軸とfθレンズ121の光軸Cとの間の副走査方向の距離Y2と、が必ずしも同じにならないため、Y3とY4も同じになるとは限らない。しかし、2つのfθレンズ1221、1222の主走査方向に沿った位置は同じである。
【0089】
本実施形態では、図11に示すように、Z3をZ4よりわずかに長くして、レーザ光B1を透過させるfθレンズ1221をfθレンズ1222より像面に近い位置に配置した。2つのfθレンズ1221、1222をこのような位置関係で配置すると、図12および図13に示すように、2つのfθレンズ1221、1222を透過した後のレーザ光B1、B2の像面におけるスポットの主走査方向に沿った倍率を合せることができる。
【0090】
図12は、下流側のfθレンズ122(1221、1222)の主走査方向のプラス側の端部近くをポリゴンミラー91の回転軸方向から見た図であり、図13は、下流側のfθレンズ122の主走査方向のマイナス側の端部近くをポリゴンミラー91の回転軸方向から見た図である。
【0091】
fθレンズ122は、ポリゴンミラー91の回転によって主走査方向に偏向されたレーザ光B1、B2を透過するとき、図示のように主走査方向の内側にレーザ光B1、B2を屈曲させる。このため、2つのfθレンズ1221、1222の光軸方向の位置を図示のようにずらすと、レーザ光B1、B2が屈曲する位置が光軸方向にずれ、レーザ光B1、B2の主走査方向の倍率ずれが補正される。
【0092】
つまり、本実施形態では、ポリゴンミラー91の回転方向CCWに沿って下流側に配置した光源L1から出射したレーザ光B1が、回転方向CCWに沿って上流側に配置した光源L2から出射したレーザ光B2より主走査方向の内側を通ってfθレンズ122に入射する。このため、レーザ光B2を光軸方向の上流側でレーザ光B1より先に屈折させることにより、レーザ光B1、B2の主走査方向の倍率を揃えることができる。
【0093】
以上のように、本実施形態では、像面に近い下流側のfθレンズ1221、1222のうち、ポリゴンミラー91の回転方向に沿った下流側の光源L1から出射するレーザ光B1を透過させるfθレンズ1221に対する光束入射位置を、回転方向の上流側の光源L2から出射するレーザ光B2を透過させるfθレンズ1222に対する光束入射位置より、像面に近い光軸方向の下流側に配置した。このため、本実施形態によると、ポリゴンミラー91の構造を変えることなく、簡単な構成により、像面におけるスポットの主走査方向の倍率ずれを補正することができる。
【0094】
(第2の実施形態)
以下、図14を参照して、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、2つのfθレンズ1221、1222への光束入射位置を、上述した第1の実施形態のように光軸Cに沿ってずらす代わりに、副走査方向にずらした。これ以外の構成は、上述した第1の実施形態と略同じであるため、上述した第1の実施形態と同様に機能する構成に関する説明は省略する。
【0095】
fθレンズ1221、1222は、上述したように、その入射面1221a、1222aが光源L1、L2側に向けて外方に突出するように湾曲している。このため、fθレンズ1221、1222の光軸方向に沿った厚みは副走査方向でわずかに異なる。つまり、厚みの薄い部分をレーザ光B1、B2が通過する距離より、厚い部分を通過する距離の方がわずかに長くなる。
【0096】
fθレンズ1221、1222は、副走査方向の中央より両端に近付くにつれて光軸方向の厚みが薄くなっている。このため、本実施形態では、fθレンズ1221の薄い部分をレーザ光B1が透過するように、fθレンズ1221の光軸とfθレンズ121の光軸Cとの間の距離Y5を設定した。また、本実施形態では、fθレンズ1222の厚い部分、すなわち副走査方向の中心をレーザ光B2が透過するように、fθレンズ1222の光軸とfθレンズ121の光軸Cとの間の距離Y6を設定した。この結果、本実施形態では、Y5<Y6となった。
【0097】
そして、本実施形態では、図14に示すように、fθレンズ121の出射面とfθレンズ1221の入射面1221aとの間の距離をZ5に設定し、fθレンズ121の出射面とfθレンズ1222の入射面1222aとの間の距離も同じZ5に設定した。これにより、レーザ光B1がfθレンズ1221に入射する光束入射位置で、fθレンズ1221の入射面1221aを、レーザ光B2がfθレンズ1222に入射する入射面1222aより、像面側に近付けた。
【0098】
これにより、上述した第1の実施形態と同様に、レーザ光B1が感光体ドラム21の表面に形成するスポットの主走査方向の倍率と、レーザ光B1と異なる入射角でポリゴンミラー91に入射するレーザ光B2が感光体ドラム22の表面に形成するスポットの主走査方向の倍率と、を合せることができ、像面における主走査方向の倍率ずれを補正することができる。
【0099】
(第3の実施形態)
次に、図15を参照して、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、2つのfθレンズ1221、1222の配置位置を、上述した第1の実施形態のように光軸C方向にずらしたり、上述した第2の実施形態のように副走査方向にずらしたりする代わりに、主走査方向に沿った軸を中心に同じ方向に回転させて傾斜させた。これ以外の構成は、上述した第1の実施形態と略同じであるため、同様に機能する構成に関する説明を省略する。
【0100】
本実施形態では、fθレンズ121の出射面から光軸C方向に同じ距離(Z7)だけ離間した位置に入射面1221a、1222aの頂点が配置される位置に、2つのfθレンズ1221、1222を配置した。また、本実施形態では、fθレンズ121の光軸Cから副走査方向に同じ距離(Y7)だけ離れた位置に各fθレンズ1221、1222の入射面1221a、1222aの頂点を配置した。そして、この頂点を中心にfθレンズ1221、1222を同じ角度(α7)で同じ方向に傾けた。
【0101】
その結果、図15に示すように、レーザ光B1がfθレンズ1221に入射する光束入射位置で、fθレンズ1221の入射面1221aを、レーザ光B2がfθレンズ1222に入射する入射面1222aより、光軸Cに沿って像面側に近付けた。
【0102】
このため、本実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、レーザ光B1が感光体ドラム21の表面に形成するスポットの主走査方向の倍率と、レーザ光B1と異なる入射角でポリゴンミラー91に入射するレーザ光B2が感光体ドラム22の表面に形成するスポットの主走査方向の倍率と、を合せることができ、像面における主走査方向の倍率ずれを補正することができる。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0104】
例えば、上述した実施形態では、ポリゴンミラー91を間に挟んで各色の感光体ドラム21、22、23、24や光源L1、L2、L3、L4を2組ずつ左右に分けて配置したが、全ての色の感光体ドラムや光源をポリゴンミラー91の片側に配置してもよい。この場合、共通のfθレンズ121の下流側に4つのfθレンズ122を設けて、各光源から出射するレーザ光B1、B2、B3、B4の入射角の違いに基づいて、各fθレンズ122の光軸方向の位置や副走査方向の位置をずらせばよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
複数の光源と、
前記複数の光源から出射された光束を偏向させる偏向器と、
前記偏向器によって偏向された複数の光束を透過させて所定の光学特性を与える第1の結像光学素子と、
前記第1の結像光学素子を介して出射される複数の光束をそれぞれ透過させて対応する被走査面に導く複数の第2の結像光学素子と、を備え、
前記複数の光源から前記偏向器に入射して偏向された前記複数の光束のうち第1の光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置が、前記偏向器による偏向方向に沿った前記第1の結像光学素子の光軸との間の入射角が前記第1の光束の入射角より大きい第2の光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置より、前記光軸に沿って前記被走査面に近い位置となるように、前記複数の第2の結像光学素子を配置した、
光走査装置。
[2]
前記複数の光源が、第1の光源、および前記偏向器による偏向方向に沿った前記入射角が前記第1の光源から出射された光束の入射角より大きい光束を出射する第2の光源を含み、
前記第1の光源から出射されて前記偏向器によって偏向された光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置が、前記第2の光源から出射されて前記偏向器によって偏向された光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置より、前記光軸に沿って前記被走査面に近い位置となるように、前記2つの第2の結像光学素子を前記光軸に沿ってずらして配置した、
[1]の光走査装置。
[3]
前記複数の第2の結像光学素子が、前記光軸と交差するとともに前記被走査面を走査する方向と交差する方向に沿って異なる光軸方向の厚みを有し、
前記複数の光源から前記偏向器に入射して偏向された前記複数の光束のうち第1の光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置が、前記偏向器による偏向方向に沿った前記第1の結像光学素子の光軸との間の入射角が前記第1の光束の入射角より大きい第2の光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置より、前記光軸に沿って前記被走査面に近い位置となるように、前記複数の第2の結像光学素子を前記光軸および前記走査する方向と交差する方向にずらして配置した、
[1]の光走査装置。
[4]
前記複数の光源から前記偏向器に入射して偏向された前記複数の光束のうち第1の光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置が、前記偏向器による偏向方向に沿った前記第1の結像光学素子の光軸との間の入射角が前記第1の光束の入射角より大きい第2の光束を透過させる前記第2の結像光学素子への光束入射位置より、前記光軸に沿って前記被走査面に近い位置となるように、前記複数の第2の結像光学素子を前記光軸に対して傾斜させて配置した、
[1]の光走査装置。
[5]
[1]乃至[4]のいずれかに記載の光走査装置と、
前記被走査面をそれぞれ有して前記複数の光源に対応して設けた複数の像担持体と、
前記光走査装置が出射した光束により前記被走査面を走査することで当該被走査面に形成される潜像を用いて記録媒体に画像を形成する画像記録部と、を備える、
画像形成装置。
【符号の説明】
【0105】
20…露光ユニット、21、22、23、24…感光体ドラム、91…ポリゴンミラー、91a…反射面、100…カラー複写機、101、102…走査光学系、110Y、110M、110C、110K…偏向前光学系、120…偏向後光学系、121…fθレンズ、122…fθレンズ、1221、1222…fθレンズ、B1、B2、B3、B4…レーザ光、L1、L2、L3、L4…光源。
図1
図2
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図4
図5
図6
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図10
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図12
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図14
図15