(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/262 20060101AFI20220630BHJP
A47H 13/00 20060101ALI20220630BHJP
A47H 23/04 20060101ALI20220630BHJP
E06B 9/36 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
E06B9/262
A47H13/00
A47H23/04
E06B9/36 F
(21)【出願番号】P 2018129451
(22)【出願日】2018-07-06
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】中島 勝輝
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3031990(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0178153(US,A1)
【文献】特開2002-070458(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0904173(KR,B1)
【文献】独国特許出願公開第102007002815(DE,A1)
【文献】米国特許第03851699(US,A)
【文献】特開2008-045318(JP,A)
【文献】特表2018-509190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/26- 9/327
E06B 9/36
A47H 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠の上面又は天井を含む固定面に固定した支持レール、前記支持レールの長手方向に沿って走行可能な複数の移送手段、及び、遮蔽部材の上端部に配置され、前記移送手段に形成したフック部に吊り下げ可能な複数のハンガー手段を備えた遮蔽装置であって、
上端部を前記ハンガー手段に連結した複数の第1遮蔽部材と、
上端部の一端部側を一の前記ハンガー手段に連結すると共に、上端部の他端部側を隣接する前記ハンガー手段に連結した一つ以上の第2遮蔽部材と、を備え、
前記支持レールの端部に配置される前記ハンガー手段は、前記第2遮蔽部材を前記第1遮蔽部材
よりも前記端部側に配置すると共に、
前記端部に配置される前記ハンガー手段と該ハンガー手段に隣り合って配置される前記ハンガー手段との間において前記第2遮蔽部材を室内側に配置し、且つ、隣り合って配置される前記第1遮蔽部材
における前記端部側とは反対側において前記第2遮蔽部材を前記ハンガー手段に連結している、遮蔽装置。
【請求項2】
隣り合って配置される二つの前記ハンガー手段に連結される複数の前記第2遮蔽部材を備え、
端部に配置される前記ハンガー手段を除く前記ハンガー手段において、前記第1遮蔽部材に対する前記第2遮蔽部材の配列を、同じ配列となるように配置している、請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項3】
複数の前記ハンガー手段に連結される一つの前記第2遮蔽部材を備え、
全ての前記ハンガー手段において、前記第1遮蔽部材に対する前記第2遮蔽部材の配列を、交互となるように配置している、請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項4】
前記ハンガー手段は、
前記第1遮蔽部材の上端部に配置された第1ハンガーと、
前記第2遮蔽部材の上端部に配置された第2ハンガーと、を備え、
前記第1ハンガーに対して、前記第2ハンガーをこれらの側面同士がスライド移動することで、前記第1ハンガーと前記第2ハンガーを係合可能と
している、請求項1~3のいずれかに記載の遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽装置に関する。特に、複数の帯板状の遮蔽部材を鉛直方向に吊り下げた遮蔽装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラインドなどの遮蔽装置は、一般に、窓の内側又は外側に配置されるか、室内空間の間仕切りとして配置されている。ブラインドなどの遮蔽装置は、窓の内側又は外側に配置した場合、外から室内が見えないように窓を覆い隠すことができ、太陽光又は風を遮ることができる。縦型ブラインドは、ストリップ又はルーバーと呼ばれる細長い複数の帯板状の遮蔽部材を吊るしている。又、縦型ブラインドは、操作ロッド又は回転操作棒を操作することで、複数の遮蔽部材の傾斜角度を一斉に調整できる。これにより、縦型ブラインドは、外界の光の採り入れを任意に調整できると共に、室外からの熱の入射や室外からの視線をカットできる。
【0003】
縦型ブラインドは、支持レールとしてのC形チャンネル状のヘッドレールを窓枠の上部又は天井面に取り付けている。ヘッドレールは、複数のキャリアを内部に配置している。そして、遮蔽部材は、キャリアから垂下されたキャリアフックに着脱自在に吊り下げられている。又、ヘッドレールは、ブラケットと呼ばれる支持金具で、ヘッドレールを二点以上支持すると共に、ブラケットを窓枠の上面又は天井に固定することで、縦型ブラインドを窓近傍に配置できる。
【0004】
ところで、傾動可能な遮光性を有する遮蔽部材(ストリップ)と、シーア(sheer)と呼ばれる透けるほど薄い織物とを組み合わせ、互いに隣接する遮光性を有する遮蔽部材の間から、室内に向けて連続したドレープをシーアが形成することで、立体感又は奥行き感を演出できる縦型ブラインドが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図22は、従来技術によるブラインドの構成を示す斜視図である。
図23は、従来技術によるブラインドの構成を示す平面図である。なお、本願の
図22と
図23は、特許文献1の
図1と
図2に相当している。
【0007】
図22又は
図23を参照すると、従来技術によるブラインド(以下、遮蔽装置という)9は、一つ以上の単位カーテン(以下、ベーンという)9vを備えている。ベーン9vは、遮光性を有する帯板状の遮蔽部材(以下、ストリップという)Laと、比較的光を透過するシーアLsと、を含んでいる。そして、ストリップLaは、接着、溶接、縫合、又はその他の手段によって、シーアLsの一方の端部に接合されている。このように、ベーン9vは、ストリップLaとシーアLsを一体に構成している(
図22参照)。
【0008】
又、
図22を参照すると、ベーン9vは、補強板BpをシーアLsの他方の端部の上部に取り付けている。補強板Bpは、堅牢なポリエステルフィルムなどからなることが好ましい。接着剤を用いて、補強板BpをシーアLsの他方の端部の上部に接合している。ストリップLaと補強板Bpは、シーアLsの一方の面に接合している。
図22に示すように、シーアLsの中央部に湾曲したドレープ形成することで、ストリップLaと補強板Bpを対向配置できる。
【0009】
図23を参照すると、遮蔽装置9は、支持レールとしてのC形チャンネル状のヘッドレール91を備えている。ヘッドレール91を窓枠の上部又は天井面に取り付けることで、窓に対向して、複数のベーン9vをヘッドレール91から吊り下げることができる。
【0010】
図22又は
図23を参照すると、ヘッドレール91は、複数の傾動可能なフック9fを吊り下げている。なお、
図23では、フック9fは、円として図示している。フック9fは、遮光性を有するストリップLaを吊り下げている。シーアLsの一方の端部は、ストリップLaを介して、フック9fに吊り下げられている。シーアLsの他方の端部は、補強板Bpを介して、隣接するフック9fに吊り下げられている。
【0011】
図23を参照すると、シーアLsの他方の端部の端縁Eeは、フック9fに近づいた状態で配置されている。
図22又は
図23を参照すると、遮蔽装置9は、互いに隣接する遮光性を有するストリップLaの間から、室内に向けて連続したドレープをシーアLsが形成することで、立体感又は奥行き感を演出できる。
【0012】
図22を参照すると、ベーン9vは、一対の長穴90h・90hを上端部に開口している。フック9fは、長穴90hに係合できる。フック9fは、内部にスロットを有する一対のアーム91f・92fを含んでいる。一方のアーム91fは、スロットに向かって突出した突出部93fを含み、他方のアーム92fは、スロットに向かって突出した突出部94fを含んでいる。突出部93fと突出部94fは、それらの一部が傾斜した状態で配置されている。
【0013】
図22を参照して、ストリップLa又は補強板Bpをフック9fのスロットに導入すると、ストリップLa又は補強板Bpは、それらの長穴90hが突出部93fと突出部94fの対向部によって捕獲できる。これにより、ベーン9vの両端部を吊り下げることができる。
【0014】
図22又は
図23を参照すると、特許文献1による縦型ブラインド9は、遮光性を有するストリップと、比較的光を透過するシーアとからなる一体化された複合部材で、ベーンを構成することで、各ベーンを閉じたときには、一定の遮蔽機能を有しながら、シーアが相互に接触し連続的なドレープを形成するため、優れた意匠を実現することができる。
【0015】
しかしながら、
図23に示した例では、ストリップLaと補強板Bpが相反する向きに向うように、ベーン9vの中央部を湾曲させている
と認められる。
この場合、図23に示した状態から、複数のフック9fを一斉に反時計方向に回動すると、すなわち、ストリップLaの側部が互いに重なり合って、窓を覆い隠すことができる。そして、室内側から観ると、ストリップLaの表面にシーアLsが連続して覆っているが、一端部側のベーン9vは、ストリップLaが室内側に露出するので、意匠性を損ねるという問題がある。又、
図22に示される構造のベーン9vが連続する垂直(縦型)ブラインド、及び図23に示される垂直(縦型)ブラインドにおけるヘッドレール91の他端部側のベーン9vにおいては、ストリップLaが他端側に配置されない構造となっており、ヘッドレール91の長手方向の幅に対してストリップLaで遮蔽できる幅が短くなるので、窓を十分に覆い隠すことができないという問題がある。
【0016】
一方、ストリップの露出を極力防止するために、シーアをストリップの周囲に巻き付けるようにした例が開示されているが、この方法によれば組み立てが煩雑になるという問題がある。
【0017】
ストリップがベーンの端部に露出することなく、比較的光を透過するシーアで覆うことのでき、かつストリップにより窓を十分に覆い隠すことのできる、遮蔽性及び意匠性に優れた遮蔽装置が求められている。そして、以上のことが本技術の課題といってよい。
【0018】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、遮光性を有する第1遮蔽部材が比較的光を透過する第2遮蔽部材の端部に露出することなく、比較的光を透過する第2遮蔽部材で覆うことができ、かつ第1遮蔽部材により窓を十分に覆い隠すことのできる、遮蔽性及び意匠性に優れた遮蔽装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者は、支持レールの端部に配置されるハンガー手段には、比較的光を透過する第2遮蔽部材を遮光性を有する第1遮蔽部材の外側に配置することで、第1遮蔽部材が第2遮蔽部材の端部に露出することなく、第2遮蔽部材で覆うことができると考え、これに基づいて、以下のような新たな遮蔽装置を発明するに至った。
【0020】
(1)本発明による遮蔽装置は、窓枠の上面又は天井を含む固定面に固定した支持レール、前記支持レールの長手方向に沿って走行可能な複数の移送手段、及び、遮蔽部材の上端部に配置され、前記移送手段に形成したフック部に吊り下げ可能な複数のハンガー手段を備えた遮蔽装置であって、上端部を前記ハンガー手段に連結した複数の第1遮蔽部材と、上端部の一端部側を一の前記ハンガー手段に連結すると共に、上端部の他端部側を隣接する前記ハンガー手段に連結した一つ以上の第2遮蔽部材と、を備え、前記支持レールの端部に配置される前記ハンガー手段は、前記第2遮蔽部材を前記第1遮蔽部材の外側に配置すると共に、端部に配置される前記ハンガー手段と該ハンガー手段に隣り合って配置される前記ハンガー手段との間において前記第2遮蔽部材を室内側に配置し、且つ、隣り合って配置される前記第1遮蔽部材の外側において前記第2遮蔽部材を前記ハンガー手段に連結している。
【0021】
(2)隣り合って配置される二つの前記ハンガー手段に連結される複数の前記第2遮蔽部材を備え、端部に配置される前記ハンガー手段を除く前記ハンガー手段において、前記第1遮蔽部材に対する前記第2遮蔽部材の配列を、同じ配列となるように配置していることが好ましい。
【0022】
(3)複数の前記ハンガー手段に連結される一つの前記第2遮蔽部材を備え、全ての前記ハンガー手段において、前記第1遮蔽部材に対する前記第2遮蔽部材の配列を、交互となるように配置していることが好ましい。
【0023】
(4)前記ハンガー手段は、前記第1遮蔽部材の上端部に配置された第1ハンガーと、前記第2遮蔽部材の上端部に配置された第2ハンガーと、を備え、前記第1ハンガーに対して、前記第2ハンガーをこれらの側面同士がスライド移動することで、前記第1ハンガーと前記第2ハンガーを係合可能とし、前記第1ハンガーに対する前記第2ハンガーの係合位置を変更可能にしていることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明による遮蔽装置によれば、支持レールの端部において、遮光性を有するルーバーの配置を半透明生地よりもレールの内側に配置でき、外観上ルーバーが直視されることが回避され、かつルーバーにより窓を十分に覆い隠すことができ、遮蔽性及び意匠性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態による遮蔽装置の構成を示す正面図であり、
図1(A)は、複数の第1遮蔽部材を展開した状態図、
図1(B)は、複数の第1遮蔽部材を閉鎖した状態図である。
【
図2】第1実施形態による遮蔽装置の構成を示す正面図であり、複数の第1遮蔽部材を片側に畳み込んで集合した状態図である。
【
図3】第1実施形態による遮蔽装置の要部を拡大した縦断面図であり、
図3(A)は、展開した状態の第1遮蔽部材を第1遮蔽部材側から観た状態図、
図3(B)は、展開した状態の第2遮蔽部材を第2遮蔽部材側から観た状態図である。
【
図4】第1実施形態による遮蔽装置の縦断面図であり、
図4(A)は、第1ハンガー及び第2ハンガーをフック部に取り付ける前の状態図、
図4(B)は、第1ハンガーをフック部に取り付けた状態図、
図4(C)は、第2ハンガーを第1ハンガーに重ねた状態でフック部に更に取り付けた状態図である。
【
図5】第1実施形態による遮蔽装置の端部での縦断面図であり、
図5(A)は、第1ハンガー及び第2ハンガーをフック部に取り付ける前の状態図、
図5(B)は、第1ハンガーをフック部に取り付けた状態図、
図5(C)は、第2ハンガーを第1ハンガーに対向した状態でフック部に更に取り付けた状態図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるルーバーフックの構成を示す正面図であり、
図6(A)は、第1ルーバーフックと第2ルーバーフックが係合する前の状態図、
図6(B)は、第1ルーバーフックと第2ルーバーフックの側面同士がスライドする前の状態図、
図6(C)は、第1ルーバーフックと第2ルーバーフックが係合した状態図、
図6(D)は、
図6(C)を背面側から観た第1ルーバーフックと第2ルーバーフックが係合した状態図である。
【
図7】前記実施形態によるルーバーフックの構成を示す斜視図であり、第1ルーバーフックと第2ルーバーフックが係合する前の状態図である。
【
図8】前記実施形態によるルーバーフックの構成を示す斜視図であり、
図8(A)は、一つの第2ルーバーフックを第1ルーバーフックに係合した状態図、
図8(B)は、二つの第2ルーバーフックを第1ルーバーフックに係合した状態図である。
【
図9】前記実施形態によるルーバーフックの構成を示す斜視図であり、
図9(A)は、第1ルーバーフックと第2ルーバーフックが係合する前の状態図、
図9(B)は、第1ルーバーフックと第2ルーバーフックが係合した状態図である。
【
図10】前記実施形態によるルーバーフックの構成を示す平面図であり、
図10(A)は、一つの第2ルーバーフックを第1ルーバーフックに係合した状態図、
図10(B)は、二つの第2ルーバーフックを第1ルーバーフックに係合した状態図である。
【
図11】第1実施形態による遮蔽装置に備わる第1遮蔽部材及び第2遮蔽部材の構成を示す斜視図であり、
図11(A)は、第1遮蔽部材と第2遮蔽部材を重ね合わせる前の状態図、
図11(B)は、第1遮蔽部材を第2遮蔽部材の一方の端部に重ね合わせた状態図である。
【
図12】第1実施形態によるルーバーフックの構成を示す斜視図であり、連設した複数のルーバーフックを一端部側から観た状態図である。
【
図13】第1実施形態によるルーバーフックの構成を示す斜視図であり、連設した複数のルーバーフックを他端部側から観た状態図である。
【
図14】第1実施形態による遮蔽装置の構成を示す平面図であり、複数のルーバーフックを展開した状態図である。
【
図15】第1実施形態による遮蔽装置の構成を示す平面図であり、複数のルーバーフックを閉鎖した状態図である。
【
図16】第1実施形態による遮蔽装置の概略構成を示す平面図であり、複数の第1遮蔽部材を展開した状態図である。
【
図17】第1実施形態による遮蔽装置の概略構成を示す平面図であり、複数の第1遮蔽部材を閉鎖した状態図である。
【
図18】本発明の第2実施形態による遮蔽装置の概略構成を示す平面図であり、複数の第1遮蔽部材を展開した状態図である。
【
図19】第2実施形態による遮蔽装置の概略構成を示す平面図であり、複数の第1遮蔽部材を閉鎖した状態図である。
【
図20】本発明の第3実施形態による遮蔽装置の概略構成を示す平面図であり、複数の第1遮蔽部材を展開した状態図である。
【
図21】第3実施形態による遮蔽装置の概略構成を示す平面図であり、複数の第1遮蔽部材を閉鎖した状態図である。
【
図22】従来技術によるブラインドの構成を示す斜視図である。
【
図23】従来技術によるブラインドの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[第1実施形態]
(遮蔽装置の構成)
最初に、本発明の第1実施形態による遮蔽装置の構成を説明する。
【0027】
なお、本発明による遮蔽装置は、縦型ブラインドとして説明するが、本発明による遮蔽装置は、縦型ブラインドに限定されない。風・雨・光・埃・視界などを選択的に遮断又は透過できる遮蔽装置であり、間仕切りやカーテンなども本発明に含まれる。
【0028】
(全体構成)
図1から
図5を参照すると、本発明の第1実施形態による遮蔽装置10は、支持レールとしてのC形チャンネル状のヘッドレール91と移送手段となる複数のキャリア92を備えている。ヘッドレール91は、複数のブラケット91bを介して(
図3参照)、窓枠の上部又は天井面に取り付けできる。複数のキャリア92は、ヘッドレール91の内部に配列されている(
図1又は
図2参照)。キャリア92は、ヘッドレール91の長手方向に沿って、走行できる。
【0029】
図3を参照すると、キャリア92は、一対のローラ92r・92rを両端部に回転自在に支持している。一対のローラ92r・92rは、ヘッドレール91の内壁に対向配置した一対の案内レール91r・91rに載置されている。ローラ92rは、案内レール91r上を転動できる。
【0030】
図3を参照すると、遮蔽装置10は、キャリアフック8、第1ハンガーとなる第1ルーバーフック1、及び、第2ハンガーとなる第2ルーバーフック2を更に備えている。キャリア92は、鉛直方向に延びる挿通軸穴(図示せず)を有している。この挿通軸穴には、キャリアフック8の軸部8aが摩擦伝動可能に回転自在に連結している。キャリアフック8は、片持ち状に形成したフック部8bを基端部(下端部)に有している。
【0031】
図3(A)を参照すると、フック部8bには、第1ルーバーフック1を介して、第1遮蔽部材1Laを吊り下げている。又、
図3(B)を参照すると、フック部8bには、第2ルーバーフック2を介して、第2遮蔽部材2Lsを吊り下げている。キャリア92の内部に設けたルーバー回転機構を駆動すると、第1遮蔽部材1Laと第2遮蔽部材2Lsを鉛直軸線周りに正転又は反転できる。
【0032】
図1から
図3を参照すると、ヘッドレール91は、複数のキャリア92を移動させるキャリア移動機構を内部に配置している。又、ヘッドレール91は、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laと、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsを回動させるルーバー回転機構を内部に配置している。
【0033】
図1又は
図2を参照すると、キャリア移動機構は、コントロールユニット92cと開閉コード921を含んでいる。又、キャリア移動機構は、可撓性を有する複数の牽引テープ93を含んでいる(
図3参照)。
【0034】
図1又は
図2を参照すると、コントロールユニット92cは、ヘッドレール91の他端部に配置されている。開閉コード921は、コントロールユニット92cから垂下している。又、開閉コード921の一端は、ヘッドレール91の他端部からヘッドレール内の前後方向における前方側において各キャリア92を挿通している。更に、開閉コード921の一端は、先頭のキャリア(マスタキャリア)92を係留している。開閉コード921の他端は、ヘッドレール91の他端部からヘッドレール内の前後方向における後方側において各キャリア92を挿通し、ヘッドレールの一端部において折り返し(転回し)ている。更に、開閉コード921の他端は、先頭のキャリア(マスタキャリア)92を係留することで、開閉コード921はループを形成している。
【0035】
図2に示した状態から、外部に配置されたループ状の開閉コード921の一方を引くと、先頭のキャリア92がヘッドレール91の一端部側に向って牽引されると共に、各キャリア92間を係留する牽引テープ93を介して、各キャリア92が牽引される。そして、各キャリア92の間隔を広げることができる。先頭のキャリア92が最も一端部に移動した状態では、複数のキャリア92を等間隔で配置することもできる(
図1参照)。
【0036】
一方、
図1に示した状態から、外部に配置されたループ状の開閉コード921の他方を引くと、先頭のキャリア92が開閉コード921に牽引され、各キャリア92が押されることで、先頭のキャリア92を含む複数のキャリア92をヘッドレール91の他方の端部に畳み込んで集合できる(
図2参照)。
【0037】
図1又は
図2を参照すると、ルーバー回転機構は、操作ロッド922と長尺のチルトロッド923を含んでいる。操作ロッド922は、コントロールユニット92cから垂下している。キャリア92は、チルトロッド923と回転自在に連結している。又、キャリア92は、チルトロッド923とスライド自在に連結している。操作ロッド922を軸回りに回転すると、操作ロッド922の端部に固定した第1傘歯車(図示せず)と、チルトロッド923の端部に固定した第2傘歯車(図示せず)が噛み合うことで、操作ロッド922の回転をチルトロッド923に伝動できる。そして、キャリア92は、チルトロッド923の軸回りの回転をキャリアフック96に伝動する回転伝動機構を内部に備えている。
【0038】
図3を参照すると、回転伝動機構は、ウォーム924、ウォームホイール925、及び、伝動スリーブ(図示せず)を含んでいる。ウォーム924は、その内周がチルトロッド923とスライド自在に連結している。又、ウォーム924は、その内周がチルトロッド923の外周と噛み合っている。ウォームホイール925は、ウォーム924と噛み合っている。ウォームホイール925は、ウォーム924の水平軸回りの回転を垂直軸回りの回転に変換できる。このように、ウォーム924とウォームホイール925は、一組の歯車軸の延在方向が食い違う「ウォームギア」を構成している。
【0039】
図3を参照すると、伝動スリーブ(図示せず)は、ウォームホイール925の回転をキャリアフック8に伝動できる。伝動スリーブ(図示せず)は、キャリアフック8の軸部8aとウォームホイール925の軸部の内周との間に嵌装されている。ウォームホイール925が軸回りに回転されると、伝動スリーブ(図示せず)は、ウォームホイール925の回転を摩擦伝動可能に、キャリアフック8に伝動できる。
【0040】
図1から
図3を参照すると、操作ロッド922を操作して回転させると、チルトロッド923→ウォーム924→ウォームホイール925→伝動スリーブの経路を経て、操作ロッド922の回転をキャリアフック8に伝動できる。一方、キャリアフック8の軸回りの回転が規制されると、キャリアフック8の軸部8aに対して、ウォームホイール925の軸部が空転する構成になっている。これにより、キャリアフック8の回転範囲が正逆転の約180度の範囲に制限されている。
【0041】
又、
図1又は
図2を参照すると、ヘッドレール91は、一組のロッドサポート911・912を内部に備えている。一組のロッドサポート911・912は、チルトロッド923とスライド自在に連結している。又、一組のロッドサポート911・912は、ヘッドレール91の内壁とスライド自在に連結している。
【0042】
図1を参照して、ロッドサポート911とロッドサポート912は、図示しない磁石でそれらの側面同士を吸着している。又、ロッドサポート911と先頭のキャリア92は、図示しない磁石と被磁性体でそれらの側面同士を吸着している。
【0043】
図1に示した状態から、外部に配置されたループ状の開閉コード921の他方を引くと、先頭のキャリア92は、一組のロッドサポート911・912を吸着した状態で、他端部側に移動する。一組のロッドサポート911・912が移動する過程では、ヘッドレール91の内壁から突出したピン(図示せず)に、ロッドサポート912が当接することで、ロッドサポート911とロッドサポート912の吸着状態が解除される。
【0044】
更に、ロッドサポート911と先頭のキャリア92が移動する過程では、ヘッドレール91の内壁から突出したピン(図示せず)に、ロッドサポート911が当接することで、ロッドサポート911と先頭のキャリア92の吸着状態が解除される。そして、チルトロッド923の中間部を一組のロッドサポート911・912で支持できる。このように、一組のロッドサポート911・912は、チルトロッド923の中間部を支持できるので、チルトロッド923の撓みを抑制できる。
【0045】
図3(A)を参照すると、第1遮蔽部材1Laは、その上端部を折り返して形成したループ部Lpを有している。第1ルーバーフック1は、第1遮蔽部材1Laのループ部Lpの内部に挿入できる。そして、第1ルーバーフック1は、第1遮蔽部材1Laのループ部Lpの上部に切り欠いた切り欠きを介して、第1遮蔽部材1Laを吊り下げることができる。
【0046】
同様に、
図3(B)を参照すると、第2遮蔽部材2Lsは、その上端部を折り返して形成したループ部Lpを有している。第2ルーバーフック2は、第2遮蔽部材2Lsのループ部Lpの内部に挿入できる。そして、第2ルーバーフック2は、第2遮蔽部材2Lsを吊り下げることができる。
【0047】
(ルーバーフックの構成)
次に、本発明の一実施形態によるルーバーフックの構成を説明する。
図6から
図10を参照すると、本発明の一実施形態によるハンガー手段となるルーバーフックHaは、第1ハンガーとなる第1ルーバーフック1と第2ハンガーとなる一つ以上の第2ルーバーフック2を備えている。
【0048】
図6から
図10を参照すると、第1ルーバーフック1及び第2ルーバーフック2は、帯板状に形成している。第1ルーバーフック1は、係止穴1hを中央部に開口している。キャリアフック8のフック部8bを係止穴1hに導入することで、第1ルーバーフック1をキャリアフック8に吊り下げることができる(
図3(A)参照)。
【0049】
一方、
図6から
図10を参照すると、第2ルーバーフック2は、その上端縁から切り欠いた逃げ部2eを中央部に形成している。後述するように、第1ルーバーフック1と第2ルーバーフック2の側面同士を近接した状態では、逃げ部2eは、キャリアフック8のフック部8bを逃げることができる(
図4又は
図5参照)。
【0050】
図6から
図10を参照すると、第1ルーバーフック1は、軸部1sを一方の端部に設けている。軸部1sは、第1ルーバーフック1の一方の側面Sfから突出している(
図9(A)参照)。又、第1ルーバーフック1は、角柱状の係合軸1kを他方の端部に設けている。係合軸1kは、第1ルーバーフック1の一方の側面Sfから突出している(
図9(A)参照)。
【0051】
一方、
図6(A)又は
図7を参照すると、第2ルーバーフック2は、円形の軸受部2hを一方の端部に開口している。又、第2ルーバーフック2は、板厚面から切り欠いた鉤部2cを他方の端部に形成している。
【0052】
図6から
図10を参照すると、軸部1sは、軸受部2hと回動自在に嵌合できる。そして、軸部1sが軸受部2hに軸支されることで第1ルーバーフック1と第2ルーバーフック2の相対回動を可能にしている。なお、軸部1sは、第2ルーバーフック2を抜け止めするための半円弧状の突起111を先端部に形成している(
図7から
図10参照)。
【0053】
図6から
図10を参照すると、係合軸1kは、鉤部2cと係合できる。
図6(B)に示すように、第2ルーバーフック2が第1ルーバーフック1よりも上方に位置するように、第1ルーバーフック1の軸部1sが第2ルーバーフック2の軸受部2hに軸支された状態から、第1ルーバーフック1に対して、第2ルーバーフック2を時計方向に回動すると、鉤部2cを係合軸1kに近づけることができる。
【0054】
図6(B)に示した状態から、第1ルーバーフック1に対して、第2ルーバーフック2を時計方向に更に回動すると、鉤部2cに係合軸1kが導入され、第1ルーバーフック1と第2ルーバーフック2を係合できる(
図6(C)又は
図6(D)参照)。
【0055】
図6(B)に示した状態から
図6(C)又は
図6(D)に示した状態に至る過程では、ルーバーフックHaは、第1ルーバーフック1に対して、第2ルーバーフック2をこれらの側面同士がスライド移動することで、第1ルーバーフック1と第2ルーバーフック2を係合可能としている。
【0056】
なお、実施形態によるルーバーフックHaは、第1ルーバーフック1の一方の側面Sfから軸部1sと係合軸1kを突出しているが(
図9(A)参照)、第2ルーバーフック2の他方の側面Srから軸部1sと係合軸1kを突出し、第1ルーバーフック1には、軸受部2hと鉤部2cを形成してもよく、第1ルーバーフック1と第2ルーバーフック2の相対回動を可能にできる。
【0057】
図8(B)又は
図10(B)を参照すると、ルーバーフックHaは、第1ルーバーフック1の軸部1sに係合する二つの第2ルーバーフック2・2で構成している。これにより、第1遮蔽部材1La及び第2遮蔽部材2Lsに新たな遮蔽部材を追加でき、遮蔽部材のバリエーションを豊かにできる。なお、第1ルーバーフック1に一つ目の第2ルーバーフック2を係合させた状態で、2つ目の第2ルーバーフック2を係合させるにあたり、一つ目の第2ルーバーフック2が嵌合の邪魔にならないように、第1ルーバーフック1の半円弧状の突起111と第2ルーバーフック2の軸受部2hのそれぞれの当接部分をテーパー面とすることで、2つの目の第2ルーバーフック2を挿入しやすくなるようにしてもよい。
【0058】
(ルーバーフックの作用)
次に、実施形態によるルーバーフックHaの作用及び効果を説明する。
図6から
図10を参照すると、ルーバーフックHaは、第1ルーバーフック1と第2ルーバーフック2を、軸部1sと軸受部2hによって軸支された状態で相対回動可能としたことで、第1ルーバーフック1と第2ルーバーフック2の位置決めがなされ、両者の係合作業が容易である。
【0059】
更に、
図6を参照すると、ルーバーフックHaは、第2ルーバーフック2を第1ルーバーフック1に一方の端部が軸支された状態で回動させ、両者を重ね合わせると2つのルーバーフックの他方の端部同士が係合する構造とすることで、両者の係合作業がよりいっそう容易となる。
【0060】
又、
図6又は
図7を参照すると、ルーバーフックHaは、第1ルーバーフック1と第2ルーバーフック2の係合が、係合軸1kと鉤部2cによって行われることで、回動方向の動きで両者を係合させることができる。
【0061】
又、ルーバーフックHaは、キャリアフック8に吊り下げられた状態にある第1ルーバーフック1に第2ルーバーフック2を係合可能とすることで、両者を係合させることで、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laをキャリア92に吊り下げた状態で(
図4(B)又は
図5(B)参照)、後から、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsを吊り下げることができるようになり(
図4又は
図5参照)、施工性が向上する。
【0062】
又、
図4又は
図5を参照して、ルーバーフックHaは、第1ルーバーフック1に予め第2ルーバーフック2を係合させ、一体化した状態でキャリアフック8に吊り下げるようにしてもよい。
【0063】
(第1遮蔽部材及び第2遮蔽部材の構成)
次に、第1実施形態による第1遮蔽部材1La及び第2遮蔽部材2Lsの構成を説明する。
図11から
図13を参照すると、第1実施形態による遮蔽装置10は、上端部を第1ルーバーフック1に連結した複数の第1遮蔽部材1Laを備えている。又、遮蔽装置10は、一つ以上の単位カーテン(以下、ベーンという)1vを備えている。
【0064】
図11を参照すると、ベーン1vは、第2遮蔽部材2Lsの上端部の一端部Le側を第2ルーバーフック2に連結している。又、ベーン1vは、第2遮蔽部材2Lsの上端部の他端部Re側を第2ルーバーフック2に連結している。つまり、第1実施形態では、第2遮蔽部材2Lsは、隣り合って配置される二つのルーバーフックHa(第2ルーバーフック2)に連結されてベーン1vを構成している。
【0065】
図12又は
図14を参照すると、ベーン1vの一端部Le側は、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1を介して、第2ルーバーフック2がキャリアフック8に吊り下げられている。又、ベーン1vの他端部Re側は、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1を介して、第2ルーバーフック2がキャリアフック8に吊り下げられている(
図4又は
図5参照)。
【0066】
図12又は
図14を参照すると、ヘッドレール91の一端部Leでは(
図1又は
図2参照)、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1をキャリアフック8に係合した後に、第1遮蔽部材1Laに対して第2遮蔽部材2Lsが外側(一端部Le側)になるように、ベーン1vの一端部側に取り付けた第2ルーバーフック2を第1ルーバーフック1に係合している(
図5参照)。
【0067】
図13又は
図14を参照すると、ヘッドレール91の他端部Reでは(
図1又は
図2参照)、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1をキャリアフック8に係合した後に、第1遮蔽部材1Laに対して第2遮蔽部材2Lsが外側(他端部Re側)になるように、ベーン1vの他端部側に取り付けた第2ルーバーフック2を第1ルーバーフック1に係合している(
図4参照)。
【0068】
図12から
図14を参照すると、ヘッドレール91の一端部Leと他端部Reを除く、ヘッドレール91の中間部では(
図1又は
図2参照)、一つの第1ルーバーフック1に対して二つの第2ルーバーフック2を係合している(
図8(B)又は
図10(B)参照)。又、ベーン1vの上端部の両端部には、一組の第2ルーバーフック2・2を取り付けている。そして、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1をキャリアフック8に係合した後に(
図4参照)、ベーン1vの他端部Re側に取り付けた第2ルーバーフック2を第1ルーバーフック1の他端部Re側に係合している。更に、ベーン1vの他端部Re側を吊り下げた第2ルーバーフック2を介して、ベーン1vの一端部Le側に取り付けた第2ルーバーフック2を第1ルーバーフック1の他端部Re側に係合している。
第1実施形態では、複数のベーン1v(第2遮蔽部材2Ls)は、一端部と他端部との間がルーバーフックHaに対して室内側に位置するよう配置される。
【0069】
(遮蔽装置の作用)
次に、第1実施形態による遮蔽装置10の作用及び効果を説明する。
図1又は
図14及び
図16を参照すると、複数の遮光性を有する第1遮蔽部材1Laを展開した状態では、遮蔽装置10は、互いに隣接する第1遮蔽部材1Laの間から、室内に向けて連続したドレープを比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsが形成することで、立体感又は奥行き感を演出できる。
【0070】
図12又は
図14を参照すると、第1実施形態による遮蔽装置10は、ヘッドレール91の一端部Leに配置されたルーバーフックHaには、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laの外側に、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsを配置している。
【0071】
又、
図11から
図17を参照すると、第1実施形態による遮蔽装置10は、ヘッドレール91の端部に配置され、隣接し合う一組のルーバーフックHa・Haには、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsを、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laに対して相反する側に配置している。
【0072】
図13を参照すると、第1実施形態による遮蔽装置10は、ヘッドレール91の他端部Reに配置されたルーバーフックHaには、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laの外側に、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsを配置している。
【0073】
図12から
図14を参照すると、ヘッドレール91の一端部Leと他端部Reを除く、ヘッドレール91の中間部のルーバーフックHaには、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1の他端部Re側に、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsの他端部Re側を吊り下げた第2ルーバーフック2、及び一端部Le側を吊り下げた第2ルーバーフック2を、この順で係合している(
図8(B)又は
図10(B)参照)。
【0074】
図1又は
図14及び
図16に示した状態から、操作ロッド922を操作して(
図1参照)、複数のキャリアフック8を一斉に平面視反時計方向に回動すると、
図2又は
図15及び
図17に示すように、複数の第1遮蔽部材1Laの端部同士が互いに重なり合って、ヘッドレール91の全長に亘って閉鎖している。
【0075】
図2又は
図15及び
図17に示した状態では、複数の比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsが第1遮蔽部材1Laを覆っており、かつ、ヘッドレール91の一端部Leでは、第1遮蔽部材1Laを直視することが回避されている。これにより、遮蔽装置10の意匠性を向上できる。
【0076】
図1又は
図14及び
図16に示した状態から、操作ロッド922を操作して(
図1参照)、複数のキャリアフック8を一斉に平面視時計方向に回動すると、
図2又は
図15及び
図17に示した方向と反対方向に、複数のルーバーフックHaを回動できる。そして、ヘッドレール91の他端部Reでは、第1遮蔽部材1Laを直視することを回避できる(
図13又は
図17参照)。
【0077】
図12から
図17を参照すると、第1実施形態による遮蔽装置10は、ヘッドレール91の一端部Leと他端部Reを除く、ヘッドレール91の中間部のルーバーフックHaには、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1に対して、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsの他端部Re側又は一端部Le側を吊り下げた二つの第2ルーバーフック2・2を係合している。このように、ヘッドレール91の一端部Leと他端部Reを除く中間部のルーバーフックHaは、同じ配列が繰り返されることで、遮蔽装置10の設置作業の容易性を確保できるというメリットがある。
【0078】
[第2実施形態]
(遮蔽装置の構成)
次に、本発明の第2実施形態による遮蔽装置の構成を説明する。
図18又は
図19を参照すると、第2実施形態による遮蔽装置20では、ルーバーフックHaは、第1ルーバーフック1と一つの第2ルーバーフック2を備えている(
図6又は
図7及び
図9参照)。そして、第1ルーバーフック1には、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laが吊り下げられている(
図3(A)参照)。又、第2ルーバーフック2には、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lcが吊り下げられている。
【0079】
図18又は
図19を参照すると、第2遮蔽部材2Lcは、幅方向に連続している。第2遮蔽部材2Lcは、実質的にレースカーテンで構成している。第2ルーバーフック2は、連続した第2遮蔽部材2Lcを分散支持している。言い換えれば、第2実施形態による遮蔽装置20では、複数の第2ルーバーフック2により一枚の第2遮蔽部材2Lcを吊り下げている。
【0080】
図18を参照して、複数のルーバーフックHaを展開した状態では、第2遮蔽部材2Lcは、室内側と室外側に向けて、交互に凸状に湾曲している。複数のルーバーフックHaを展開した状態では、第2遮蔽部材2Lcを介して、室内側から外部を透けて見ることができる。
図19を参照すると、複数のルーバーフックHaを閉鎖した状態では、複数の第1遮蔽部材1Laで室内を遮蔽できる。
【0081】
図18又は
図19を参照すると、ヘッドレール91の一端部Leでは(
図1又は
図2参照)、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1をキャリアフック8に係合した後に(
図5(B)参照)、第1遮蔽部材1Laに対して第2遮蔽部材2Lcが外側(一端部Le側)になるように、第2遮蔽部材2Lcを取り付けた第2ルーバーフック2を第1ルーバーフック1に係合している。
【0082】
図18又は
図19を参照すると、ヘッドレール91の他端部Reでは(
図1又は
図2参照)、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1をキャリアフック8に係合した後に(
図4(B)参照)、第1遮蔽部材1Laに対して第2遮蔽部材2Lcが外側(他端部Re側)になるように、第2遮蔽部材2Lcを取り付けた第2ルーバーフック2を第1ルーバーフック1に係合している。
【0083】
図18又は
図19を参照すると、第2実施形態による遮蔽装置20は、ヘッドレール91の一端部Leに配置されたルーバーフックHaには、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laの外側に、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lcを配置している。
【0084】
又、
図18又は
図19を参照すると、第1実施形態による遮蔽装置10は、ヘッドレール91の他端部Reに配置されたルーバーフックHaには、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laの外側に、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lcを配置している。
【0085】
図18又は
図19を参照すると、ヘッドレール91の一端部Leと他端部Reを除く、ヘッドレール91の中間部においても(
図1又は
図2参照)、一つの第1ルーバーフック1に対して一つの第2ルーバーフック2を係合している(
図8(A)又は
図10(A)参照)。
より具体的には、ヘッドレール91の一端部Leに配置されたルーバーフックHaに隣り合うルーバーフックHaでは、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1における他端部Re側に、室内に向けて湾曲した第2遮蔽部材2Lcを吊り下げた第2ルーバーフック2が係合している。又、更に他端部Re側に隣り合って配置されたルーバーフックHaでは、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1における一端部Le側に、室外に向けて湾曲した第2遮蔽部材2Lcを吊り下げた第2ルーバーフック2が係合している。
このように、第2実施形態では、隣り合って配置されたルーバーフックHaにおいて、第1ルーバーフック1に対して第2ルーバーフック2が係合される側が交互に入れ替わるように複数のルーバーフックHaが配列される。第2実施形態では、遮蔽装置10は、偶数個のルーバーフックHaにより構成される。
【0086】
(遮蔽装置の作用)
次に、第2実施形態による遮蔽装置20の作用及び効果を説明する。
図18を参照すると、複数の遮光性を有する第1遮蔽部材1Laを展開した状態では、遮蔽装置20は、互いに隣接する第1遮蔽部材1Laの間から、室内側及び室外側に交互に湾曲するように形成されたドレープを比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lcが形成することで、立体感又は奥行き感を演出できる。
【0087】
図18又は
図19を参照すると、第2実施形態による遮蔽装置20は、ヘッドレール91の一端部Le側に配置されたルーバーフックHaには、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laの外側に、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lcを配置している。
【0088】
又、
図18又は
図19を参照すると、第2実施形態による遮蔽装置20は、隣り合って配置されたルーバーフックHaにおいて、第1ルーバーフック1に対して第2ルーバーフック2が係合される側が交互に入れ替わるように複数のルーバーフックHaが配列される。第2実施形態では、遮蔽装置20は、偶数個のルーバーフックHaにより構成される。
【0089】
図18に示した状態から、操作ロッド922を操作して(
図1参照)、複数のキャリアフック8を一斉に平面視反時計方向に回動すると、
図19に示すように、複数の第1遮蔽部材1Laの端部同士が互いに重なり合って、閉鎖している。
【0090】
図19に示した状態では、複数の比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lcが第1遮蔽部材1Laを覆っており、かつ、ヘッドレール91の一端部Leでは、第1遮蔽部材1Laを直視することが回避されている。これにより、遮蔽装置10の意匠性を向上できる。
【0091】
図18に示した状態から、操作ロッド922を操作して(
図1参照)、複数のキャリアフック8を一斉に平面視時計方向に回動すると、
図19に示した方向と反対方向に、複数のルーバーフックHaを回動できる。そして、ヘッドレール91の他端部Reでは、第1遮蔽部材1Laを直視することを回避できる(
図19参照)。
【0092】
図18又は
図19を参照すると、第2実施形態による遮蔽装置20は、第1実施形態による遮蔽装置10と同様な効果を奏する。
【0093】
[第3実施形態]
(遮蔽装置の構成)
次に、本発明の第3実施形態による遮蔽装置の構成を説明する。
図20又は
図21を参照すると、第3実施形態による遮蔽装置30は、上端部を第1ルーバーフック1に連結した複数の第1遮蔽部材1Laを備えている。又、遮蔽装置30は、第1実施形態と同じように、複数のベーン1vを備えている。
【0094】
図20を参照すると、ベーン1vは、第2遮蔽部材2Lsの上端部の一端部Le側を第2ルーバーフック2に連結している。又、ベーン1vは、第2遮蔽部材2Lsの上端部の他端部側を第2ルーバーフック2に連結している。
【0095】
図20を参照すると、ベーン1vの一端部Le側は、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1を介して、第2ルーバーフック2がキャリアフック8に吊り下げられている。又、ベーン1vの他端部Re側は、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1を介して、第2ルーバーフック2がキャリアフック8に吊り下げられている(
図4又は
図5参照)。
【0096】
図20又は
図21を参照すると、ヘッドレール91の一端部Leでは(
図1又は
図2参照)、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1をキャリアフック8に係合した後に、第1遮蔽部材1Laに対して第2遮蔽部材2Lsが外側(一端部Le側)になるように、ベーン1vの一端部側に取り付けた第2ルーバーフック2を第1ルーバーフック1に係合している(
図5参照)。
【0097】
図20又は
図21を参照すると、ヘッドレール91の他端部Reでは(
図1又は
図2参照)、第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1をキャリアフック8に係合した後に、第1遮蔽部材1Laに対して第2遮蔽部材2Lsが外側(他端部Re側)になるように、ベーン1vの他端部側に取り付けた第2ルーバーフック2を第1ルーバーフック1に係合している(
図4参照)。
【0098】
図20又は
図21を参照すると、ヘッドレール91の一端部Leと他端部Reを除く、ヘッドレール91の中間部では(
図1又は
図2参照)、一つの第1ルーバーフック1に対して二つの第2ルーバーフック2を係合している(
図8(B)又は
図10(B)参照)。又、ベーン1vの上端部の両端部には、一組の第2ルーバーフック2・2を取り付けている。
【0099】
図16と
図20を対比すると、第1実施形態による遮蔽装置10は、ヘッドレール91の一端部Leと他端部Reを除く中間部のルーバーフックHaには、同じ配列が繰り返されている。一方、第3実施形態による遮蔽装置10は、ヘッドレール91の一端部Leと他端部Reを除く中間部のルーバーフックHaにおいて、第1ルーバーフック1に対して、ベーン1vの両端部を吊り下げた二つの第2ルーバーフック2・2が係合される側が交互となるように、複数のルーバーフックHaを配列しているという構成の違いがある。
【0100】
(遮蔽装置の作用)
次に、第3実施形態による遮蔽装置30の作用及び効果を説明する。
図20を参照すると、複数の遮光性を有する第1遮蔽部材1Laを展開した状態では、遮蔽装置30は、互いに隣接する第1遮蔽部材1Laの間から、室内に向けて連続したドレープを比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsが形成することで、立体感又は奥行き感を演出できる。
【0101】
図20又は
図21を参照すると、第3実施形態による遮蔽装置30は、ヘッドレール91の一端部Leに配置されたルーバーフックHaには、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laの外側に、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsを配置している。
【0102】
図20を参照すると、第3実施形態による遮蔽装置30は、ヘッドレール91の他端部Reに配置されたルーバーフックHaには、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laの外側に、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsを配置している。
【0103】
図20を参照すると、ヘッドレール91の一端部Leと他端部Reを除く、ヘッドレール91の中間部のルーバーフックHaには、遮光性を有する第1遮蔽部材1Laを吊り下げた第1ルーバーフック1に対して、比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsの他端部Re側又は一端部Le側を吊り下げた二つの第2ルーバーフック2・2を係合している(
図8(B)又は
図10(B)参照)。
【0104】
図20に示した状態から、操作ロッド922を操作して(
図1参照)、複数のキャリアフック8を一斉に平面視反時計方向に回動すると、
図21に示すように、複数の第1遮蔽部材1Laの端部同士が互いに重なり合って、閉鎖している。
【0105】
図21に示した状態では、複数の比較的光を透過する第2遮蔽部材2Lsが第1遮蔽部材1Laを覆っており、かつ、ヘッドレール91の一端部Leでは、第1遮蔽部材1Laを直視することが回避されている。これにより、遮蔽装置30の意匠性を向上できる。
【0106】
図20に示した状態から、操作ロッド922を操作して(
図1参照)、複数のキャリアフック8を一斉に平面視時計方向に回動すると、
図21に示した方向と反対方向に、複数のルーバーフックHaを回動できる。そして、ヘッドレール91の他端部Reでは、第1遮蔽部材1Laを直視することを回避できる(
図21参照)。
【0107】
このように、第3実施形態による遮蔽装置30は、第1実施形態による遮蔽装置10と同様な効果を奏する。
【0108】
本発明による遮蔽装置は、ハンガー手段となるルーバーフックと遮蔽部材を別体で構成した実施形態を開示したが、遮蔽部材の上端部をルーバーフックに接合し、ルーバーフックと遮蔽部材を一体で構成することもできる。
【符号の説明】
【0109】
1 第1ルーバーフック(第1ハンガー)
2 第2ルーバーフック(第2ハンガー)
8b フック部
10・20・30 遮蔽装置
91 ヘッドレール(支持レール)
92 キャリア(移送手段)
Ha・Ha 一組のルーバーフック(ハンガー手段)
1La 第1遮蔽部材
2Ls・2Lc 第2遮蔽部材