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特許7097276床の開口部の断熱構造および床下点検方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】床の開口部の断熱構造および床下点検方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/08 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
E04F19/08 103A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018187020
(22)【出願日】2018-10-02
(65)【公開番号】P2020056208
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000133319
【氏名又は名称】株式会社ダイケン
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤川 克信
(72)【発明者】
【氏名】下部 泰明
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-122306(JP,A)
【文献】特開2016-160595(JP,A)
【文献】特開2008-240384(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0065028(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床の開口部の断熱構造であって、
床の裏側に、開口部を囲む床枠が設けられ、
床枠の内面に、複数の辺を有する枠状の断熱部材が設けられ、
断熱部材の下端部は床枠の下端部よりも下方に突出し、
断熱部材は上下に分割可能な断熱部材本体と分割断熱体とを有し、
断熱部材本体は床枠に取付けられ、
分割断熱体は、断熱部材本体の少なくともいずれか一辺の下端部に着脱自在であって、下方に移動させることにより断熱部材本体から離脱可能であり、
分割断熱体を断熱部材本体から離脱した場合、床枠の下端部から断熱部材本体の下端部までの突出量は、分割断熱体の離脱部分が離脱部分以外の部分よりも小さいことを特徴とする床の開口部の断熱構造。
【請求項2】
分割断熱体は隣接する他の辺の断熱部材本体の端部を有していることを特徴とする請求項1に記載の床の開口部の断熱構造。
【請求項3】
分割断熱体を着脱方向に案内する案内手段が分割断熱体と断熱部材本体とに設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の床の開口部の断熱構造。
【請求項4】
分割断熱体は断熱部材本体に接合する第1接合面を有し、
断熱部材本体は分割断熱体に接合する第2接合面を有し、
第1接合面に凸部が形成され、
第2接合面に凹部が形成され、
分割断熱体を断熱部材本体に取り付けた場合、凸部が断熱部材本体の下方から凹部に嵌合することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の床の開口部の断熱構造。
【請求項5】
上記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の開口部の断熱構造を有する床の床下点検方法であって、
人が床の開口部に入った状態で、断熱部材の分割断熱体を下方に移動して断熱部材本体から離脱し、
床の開口部内から断熱部材の分割断熱体の離脱部分の下方を通って床下に進入し、床下を点検することを特徴とする床下点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床の開口部、例えば点検口や床下収納庫の収納口等の断熱構造および床下点検方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の断熱構造としては、例えば図15図16に示すように、床101の裏側に根太102が設けられ、根太102の下端部に支持部材103が設けられ、支持部材103の内面に断熱部材104が設けられているものがある。
【0003】
支持部材103は、平面視において、いずれか一辺が開放された「コ」の字形に配置された3本のフレームである。断熱部材104は、床101の開口部105を取り囲む四角枠状の部材であり、支持部材103に取付けられる固定側断熱部材106と、固定側断熱部材106から分割された可動側断熱部材107とを有している。
【0004】
図16に示すように、固定側断熱部材106は、平面視において、一辺が開放された「コ」の字形の部材である。可動側断熱部材107は、固定側断熱部材106に着脱自在であり、開口部105の中心側に向けて水平方向108に移動させることにより、固定側断熱部材106から離脱可能である。尚、可動側断熱部材107の外側には支持部材103は設けられていない。
【0005】
これによると、図16の仮想線で示すように、可動側断熱部材107を、開口部105の中心側に向けて水平方向108に移動し、固定側断熱部材106から離脱させることにより、支持部材103および断熱部材104からなる断熱構造が無い箇所が形成されるので、人が点検のために開口部105から床下に入る際の障害にはならない。
【0006】
点検後、可動側断熱部材107を、開口部105の中心側から水平方向108に移動し、固定側断熱部材106に取付けることにより、図16の実線で示すように断熱部材104が四角枠状に形成される。
【0007】
尚、上記のような床の開口部の断熱構造は例えば下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第5619588号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら上記の従来形式では、床下の点検作業を行うために、人が開口部105に入った状態で、可動側断熱部材107を固定側断熱部材106から離脱させる際、図16の仮想線で示すように、開口部105内の自らの身体が可動側断熱部材107を開口部105の中心側に向けて水平方向108に移動する作業の邪魔になり、床下の点検作業がやり辛いといった問題がある。
【0010】
本発明は、床下の点検作業を行う際、人が床の開口部に入った状態で、断熱部材の分割断熱体を断熱部材本体から容易に離脱させることが可能な床の開口部の断熱構造および床下点検方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本第1発明は、床の開口部の断熱構造であって、
床の裏側に、開口部を囲む床枠が設けられ、
床枠の内面に、複数の辺を有する枠状の断熱部材が設けられ、
断熱部材の下端部は床枠の下端部よりも下方に突出し、
断熱部材は上下に分割可能な断熱部材本体と分割断熱体とを有し、
断熱部材本体は床枠に取付けられ、
分割断熱体は、断熱部材本体の少なくともいずれか一辺の下端部に着脱自在であって、下方に移動させることにより断熱部材本体から離脱可能であり、
分割断熱体を断熱部材本体から離脱した場合、床枠の下端部から断熱部材本体の下端部までの突出量は、分割断熱体の離脱部分が離脱部分以外の部分よりも小さいものである。
【0012】
これによると、床下の点検作業を行う際、人が床の開口部に入った状態で、断熱部材の分割断熱体を断熱部材本体から離脱する。この時、分割断熱体を断熱部材本体から下方に移動することにより、分割断熱体を断熱部材本体から離脱することができるため、開口部内の自らの身体が分割断熱体の離脱作業の邪魔になることはなく、分割断熱体の離脱作業を容易に行うことができる。
【0013】
上記のようにして分割断熱体を断熱部材本体から離脱した後、人は、身体を屈めた姿勢で、床の開口部内から断熱部材の分割断熱体の離脱部分の下方を通って床下に進入することができる。この際、床枠の下端部から断熱部材本体の下端部までの突出量は、分割断熱体の離脱部分が離脱部分以外の部分よりも小さくなっている。このため、床下の基礎(コンクリートや地面等)から分割断熱体の離脱部分における断熱部材本体の下端部までの高さが床下の基礎から分割断熱体の離脱部分以外の部分における断熱部材本体の下端部までの高さよりも高くなる。これにより、人が分割断熱体の離脱部分における断熱部材本体の下端部に衝突して断熱部材本体を損傷させることを防止することができる。
【0014】
本第2発明における床の開口部の断熱構造は、分割断熱体は隣接する他の辺の断熱部材本体の端部を有しているものである。
【0015】
これによると、断熱部材の分割断熱体を断熱部材本体から離脱した際、隣接する他の辺の断熱部材本体の端部も分割断熱体と共に断熱部材本体から離脱する。このため、分割断熱体の離脱部分の範囲が拡張され、人が分割断熱体の離脱部分における断熱部材本体の下端部に衝突して断熱部材本体を損傷させることを広範囲で防止することができる。
【0016】
本第3発明における床の開口部の断熱構造は、分割断熱体を着脱方向に案内する案内手段が分割断熱体と断熱部材本体とに設けられているものである。
【0017】
これによると、分割断熱体は案内手段によって案内されて断熱部材本体に着脱されるため、着脱作業時において、分割断熱体が断熱部材本体に対してずれることはなく、分割断熱体の着脱が容易且つ正確に行える。
【0018】
本第4発明における床の開口部の断熱構造は、分割断熱体は断熱部材本体に接合する第1接合面を有し、
断熱部材本体は分割断熱体に接合する第2接合面を有し、
第1接合面に凸部が形成され、
第2接合面に凹部が形成され、
分割断熱体を断熱部材本体に取り付けた場合、凸部が断熱部材本体の下方から凹部に嵌合するものである。
【0019】
これによると、分割断熱体を断熱部材本体に取り付けた場合、凸部が凹部に嵌合するため、分割断熱体が不用意に断熱部材本体から脱落するのを防止することができる。また、凸部は、断熱部材本体に形成されておらず、分割断熱体に形成されているため、分割断熱体を断熱部材本体から離脱した後、人は、床の開口部内から、凸部に引っ掛かることなく、断熱部材の分割断熱体の離脱部分の下方を通って床下に進入することができる。これにより、凸部の損傷を防止することができる。
【0020】
本第5発明は、上記第1発明から第4発明のいずれか1項に記載の開口部の断熱構造を有する床の床下点検方法であって、
人が床の開口部に入った状態で、断熱部材の分割断熱体を下方に移動して断熱部材本体から離脱し、
床の開口部内から断熱部材の分割断熱体の離脱部分の下方を通って床下に進入し、床下を点検するものである。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によると、床下の点検作業を行う際、人が床の開口部に入った状態で、断熱部材の分割断熱体を断熱部材本体から容易に離脱させることが可能である。また、人が床の開口部内から断熱部材の分割断熱体の離脱部分の下方を通って床下に進入する際、分割断熱体の離脱部分における断熱部材本体の下端部に衝突して断熱部材本体を損傷させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施の形態における床の開口部の断面図であり、断熱部材の分割断熱体を断熱部材本体に装着した状態を示す。
図2】同、床の開口部の断面図であり、断熱部材の分割断熱体を断熱部材本体から離脱した状態を示す。
図3】同、床の開口部に設けられる断熱部材の上方斜視図であり、分割断熱体を断熱部材本体に装着した状態を示す。
図4】同、床の開口部に設けられる断熱部材の下方斜視図であり、分割断熱体を断熱部材本体に装着した状態を示す。
図5】同、床の開口部に設けられる断熱部材の上方斜視図であり、分割断熱体を断熱部材本体から離脱した状態を示す。
図6】同、床の開口部に設けられる断熱部材の下方斜視図であり、分割断熱体を断熱部材本体から離脱した状態を示す。
図7】同、床の開口部に設けられる断熱部材の正面図であり、分割断熱体を断熱部材本体に装着した状態を示す。
図8】同、床の開口部に設けられる断熱部材の正面図であり、分割断熱体を断熱部材本体から離脱した状態を示す。
図9】同、床の開口部に設けられる断熱部材の側面図であり、分割断熱体を断熱部材本体に装着した状態を示す。
図10】同、床の開口部に設けられる断熱部材の側面図であり、分割断熱体を断熱部材本体から離脱した状態を示す。
図11】同、床の開口部を用いた床下点検方法の手順を説明する図である。
図12】同、床の開口部を用いた床下点検方法の手順を説明する図である。
図13】同、床の開口部を用いた床下点検方法の手順を説明する図である。
図14】本発明の第2の実施の形態における床の開口部の断面図であり、断熱部材の分割断熱体を断熱部材本体に装着した状態を示す。
図15】従来の床の開口部の断面図である。
図16】同、床の開口部に設けられる断熱部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1図2に示すように、1は床2に形成された四角形の開口部であり、開口部1は例えば点検口として用いられる。
【0025】
床2には、開口部1を開閉する四角板状の蓋3が設けられている。また、床2の裏側には、開口部1を囲む床枠5が設けられている。床枠5は四角形の枠であり、床枠5の少なくともいずれか一辺には根太が利用されている。床枠5の内周面には、断熱部材6が設けられている。
【0026】
図3に示すように、断熱部材6は、ビーズ法ポリスチレンフォームで製作されており、四つの辺8~11を有する四角枠形状の部材である。尚、図1に示すように、断熱部材6の下端部は床枠5の下端部よりも下方に突出している。
【0027】
図3図10に示すように、断熱部材6は上下に分割可能な断熱部材本体14と分割断熱体15とを有している。断熱部材本体14は、四角枠形状であり、図2に示すように複数本のタッピンねじ7(締結具の一例)によって床枠5に取付けられている。
【0028】
分割断熱体15は、断熱部材本体14の一辺8の下端部に着脱自在であって、下方に移動させることにより断熱部材本体14から離脱可能である。
【0029】
ここで、図2に示すように、分割断熱体15を断熱部材本体14から離脱した状態で、分割断熱体15の離脱部分17における、床枠5の下端部から断熱部材本体14の下端部までの突出量をAとし、離脱部分17以外の部分における、床枠5の下端部から断熱部材本体14の下端部までの突出量をBとする。この場合、突出量Aは突出量Bよりも小さくなる。
【0030】
また、図5図6に示すように、分割断熱体15は、隣接する他の二辺9,10の断熱部材本体14の端部19を、両端に有している。これにより、分割断熱体15を断熱部材本体14から離脱した際、断熱部材本体14の二辺9,10の端部が分割断熱体15と一体に断熱部材本体14から離脱する。
【0031】
また、分割断熱体15を着脱方向21(上下方向)に案内する案内手段22が断熱部材本体14と分割断熱体15とに設けられている。案内手段22は案内突部23と案内溝部24とを有し、案内突部23は、分割断熱体15の両端部に、上下方向にわたり形成されている。また、案内溝部24は、断熱部材本体14の相対向する二辺9,10の端部に、上下方向にわたり形成されている。分割断熱体15を断熱部材本体14に着脱する際、案内突部23は着脱方向21において案内溝部24に挿脱自在である。
【0032】
また、分割断熱体15は、断熱部材本体14の一辺8に接合する第1接合面26を、上端に有している。さらに、断熱部材本体14の一辺8は、分割断熱体15に接合する第2接合面27を、下端に有している。
【0033】
第1接合面26には、複数の円形の凸部29が形成されている。また、第2接合面27には、複数の円形の凹部30(孔)が形成されている。図1図7図9に示すように、分割断熱体15を断熱部材本体14に取り付けた場合、凸部29が断熱部材本体14の下方から凹部30に嵌合する。
【0034】
図1に示すように、断熱部材6の内側で且つ蓋3の下方には、断熱蓋35が断熱部材6に支持されて設けられている。断熱蓋35は、ビーズ法ポリスチレンフォームで製作された四角形状の蓋であり、断熱部材6から上方へ離脱可能である。尚、図11に示すように、床2は基礎4(コンクリートや地面等)の上方に設けられている。
【0035】
上記のような開口部1の断熱構造を有する床2の床下点検方法を以下に説明する。
【0036】
先ず、図11に示すように、蓋3を床2から取り外して開口部1を開く。次に、断熱蓋35を、持ち上げて断熱部材6の上方へ離脱させ、開口部1から取り出す。その後、図2図12に示すように、人37が開口部1内に入り、断熱部材6の分割断熱体15を断熱部材本体14から離脱する。この時、分割断熱体15を断熱部材本体14から下方に移動することにより、分割断熱体15を断熱部材本体14から離脱することができるため、開口部1内の自らの身体が分割断熱体15の離脱作業の邪魔(障害)になることはなく、分割断熱体15の離脱作業を容易に行うことができる。
【0037】
また、上記のように分割断熱体15を断熱部材本体14から離脱する際、案内突部23が案内溝部24内を下降するため、分割断熱体15は確実に下方へ案内されて移動する。
【0038】
上記のようにして分割断熱体15を断熱部材本体14から離脱した後、図13に示すように、人37は、身体を屈めた姿勢で、開口部1内から断熱部材6の分割断熱体15の離脱部分17の下方を通って床下36に進入し、床下36を点検する。
【0039】
この際、図2に示すように、床枠5の下端部から断熱部材本体14の下端部までの突出量A,Bは突出量Aが突出量Bよりも小さいため、図13に示すように、床下36の基礎4から分割断熱体15の離脱部分17における断熱部材本体14の下端部までの高さH1が基礎4から分割断熱体15の離脱部分17以外の部分における断熱部材本体14の下端部までの高さH2よりも高くなる。
【0040】
これにより、人37が分割断熱体15の離脱部分17における断熱部材本体14の下端部Cに衝突して断熱部材本体14を損傷させることを防止することができる。
【0041】
また、上記のように分割断熱体15を断熱部材本体14から離脱した際、図5図6に示すように、隣接する他の二辺9,10の断熱部材本体14の端部19も分割断熱体15と共に断熱部材本体14から離脱する。このため、分割断熱体15の離脱部分17の範囲が拡張され、人37が離脱部分17における断熱部材本体14の下端部Cに衝突して断熱部材本体14を損傷させることを広範囲で防止することができる。
【0042】
さらに、凸部29は、断熱部材本体14に形成されておらず、分割断熱体15に形成されているため、図13に示すように、人37は、身体を屈めた姿勢で、凸部29に引っ掛かることなく、離脱部分17の下方を通って床下36に進入することができる。これにより、凸部29の損傷を防止することができる。
【0043】
床下36を点検した後、人37は、身体を屈めた姿勢で、床下36から断熱部材6の分割断熱体15の離脱部分17の下方を通って開口部1内に戻る。その後、分割断熱体15を上方に移動して断熱部材本体14に取り付ける。
【0044】
この際、案内突部23が案内溝部24に挿入されて案内溝部24内を上昇するため、分割断熱体15は確実に上方へ案内されて移動する。
【0045】
上記のようにして分割断熱体15を断熱部材本体14に取り付けた場合、図1図7図9に示すように、凸部29が凹部30に嵌合するため、分割断熱体15が不用意に断熱部材本体14から脱落するのを防止することができる。
【0046】
また、上記のように分割断熱体15を断熱部材本体14に着脱する際、分割断熱体15は案内突部23と案内溝部24とによって着脱方向21(上下方向)に案内されるため、着脱作業時において、分割断熱体15が断熱部材本体14に対してずれることはなく、分割断熱体15の着脱が容易且つ正確に行える。
【0047】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では開口部1を点検口として用いているが、第2の実施の形態では、図14に示すように、開口部1を床下収納庫の収納口として用いてもよい。この場合、蓋3の下方に収納ボックス45が設置されている。収納ボックス45の上端部は断熱部材6の内側に入り込んでおり、断熱蓋35が収納ボックス45の上端部の内側に着脱自在に支持される。蓋3を床2から離脱し、断熱蓋35を収納ボックス45から取り外した状態で、収納ボックス45を開口部1から床2の上方へ取り出すことができる。
【0048】
これによると、蓋3と断熱蓋35とを取り外して開口部1を開き、収納ボックス45を開口部1から床2の上方へ取り出した後、上記第1の実施の形態と同様な方法で床下36を点検することができる。
【0049】
上記各実施の形態では、図3図4に示すように、分割断熱体15は、断熱部材6の一辺8の下部を構成しているが、いずれか二辺(例えば二辺8,9或いは二辺8,11等)の下部又はいずれか三辺(例えば三辺8,9,10等)の下部或いは四辺8~11(全辺)の下部を構成するものであってもよい。
【0050】
上記各実施の形態では、断熱部材6を四角枠形状に形成しているが、四角形に限定されるものではなく、四角形以外の多角形であってもよい。
【0051】
上記各実施の形態では、図5図6に示すように、案内突部23を分割断熱体15に形成し、案内溝部24を断熱部材本体14に形成しているが、案内突部23を断熱部材本体14に形成し、案内溝部24を分割断熱体15に形成してもよい。
【0052】
上記各実施の形態では、凸部29を分割断熱体15に形成し、凹部30を断熱部材本体14に形成しているが、凸部29を断熱部材本体14に形成し、凹部30を分割断熱体15に形成してもよい。
【0053】
上記各実施の形態では、凸部29と凹部30をそれぞれ円形に形成しているが、円形に限定されるものではなく、例えば多角形等であってもよい。
【0054】
上記各実施の形態では、床枠5の少なくともいずれか一辺に根太を利用しているが、根太を利用していない床枠5を用いてもよい。
【0055】
上記各実施の形態では、断熱部材6および断熱蓋35の材質として、ビーズ法ポリスチレンフォームを用いているが、発泡スチロール或いはこれら以外の最適な材質を用いてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 開口部
2 床
5 床枠
6 断熱部材
8~11 辺
14 断熱部材本体
15 分割断熱体
17 離脱部分
19 断熱部材本体の端部
22 案内手段
26 第1接合面
27 第2接合面
29 凸部
30 凹部
36 床下
A,B 突出量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16