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特許7097297極低温ストローおよび凍結保存された標本を識別するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】極低温ストローおよび凍結保存された標本を識別するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20220630BHJP
   G01N 1/42 20060101ALI20220630BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20220630BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20220630BHJP
   H01Q 1/40 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
G06K19/077 280
G06K19/077 216
G06K19/077 240
G06K19/077 296
G01N1/42
G06K19/07 200
G06K19/07 240
H01Q1/22 Z
H01Q1/40
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018533685
(86)(22)【出願日】2016-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2016082514
(87)【国際公開番号】W WO2017109153
(87)【国際公開日】2017-06-29
【審査請求日】2019-12-10
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-09
(31)【優先権主張番号】15202525.0
(32)【優先日】2015-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518219239
【氏名又は名称】ヴァイキング ジェネティクス エフエムビーエー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ピーダーセン,ガート フロランド
(72)【発明者】
【氏名】ミケルセン,ジャン フヴォルガアド
【合議体】
【審判長】田中 秀人
【審判官】須田 勝巳
【審判官】山崎 慎一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-114587(JP,A)
【文献】特開2011-041201(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/220507(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K19/077
G06K19/07
G01N 1/42
H01Q 1/22
H01Q 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数識別システムを含む極低温ストローであって、
前記無線周波数識別システムは、
- 情報を格納し、かつ、30MHz~3GHzの周波数範囲の無線周波数信号を生成するよう構成された、少なくとも1つの集積回路、および、
- 導電糸を含む少なくとも1つのアンテナを含み、
- 前記少なくとも1つのアンテナは極低温ストローの側壁に一体化(例えばモールド成型)され、前記極低温ストローの長手方向において延在し、
- 前記少なくとも1つのアンテナは前記少なくとも1つの集積回路に対して電磁的に、ワイヤレスで接続され、
前記極低温ストローは、密閉状態で摺動可能に前記極低温ストローの内部に係合する密閉要素をさらに含み、前記集積回路は前記密閉要素に埋め込まれている、極低温ストロー。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアンテナの第1部分は前記極低温ストローの側壁に一体化され、前記少なくとも1つのアンテナの第2部分は、実質的に前記極低温ストローの長手方向において前記極低温ストローの外側で上方に突出するよう構成されている、請求項1に記載の極低温ストロー。
【請求項3】
前記少なくとも1つの集積回路は、情報を格納し、かつ、300MHz~1GHzの周波数範囲の無線周波数信号を生成するよう構成されている、請求項1または2に記載の極低温ストロー。
【請求項4】
前記導電糸の厚さまたは直径は100μm未満、または90μm未満、または50μm未満、または20μm未満、または10μm未満、または5μm未満である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の極低温ストロー。
【請求項5】
情報を格納し、かつ、100MHz~10GHzの周波数範囲の無線周波数信号を生成するよう構成された、少なくとも2つの集積回路を含み、第1集積回路は極低温を含む第1温度範囲で動作するよう構成され、第2集積回路は室温20℃を含む第2温度範囲で動作するよう構成されている、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の極低温ストロー。
【請求項6】
前記第第1温度範囲および前記第2温度範囲は重なり合う、請求項に記載の極低温ストロー。
【請求項7】
前記システムの周囲の温度を測定するための温度センサと、前記測定された温度に基づいて前記集積回路のうちの一方の集積回路を有効化するよう構成されたスイッチと、をさらに含む、請求項5または6に記載の無線周波数識別システム。
【請求項8】
前記第1集積回路は少なくとも-50℃未満で動作するよう構成され、前記第2集積回路は少なくとも-50℃~125℃の範囲で動作するよう構成されている、請求項~請求項のいずれか1項に記載の極低温ストロー。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアンテナは、実質的に管状の極低温ストローの側壁に一体化され、前記少なくとも1つのアンテナは前記極低温ストローの長手方向において延在し、上方に突出する、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の極低温ストロー。
【請求項10】
前記少なくとも1つのアンテナは、実質的に剛性であり、および/または、前記極低温ストローの外側で剛性構造体(前記極低温ストローのハンドルまたはシャフトなど)により支持され、前記少なくとも1つのアンテナは、前記極低温ストローが液体窒素などの極低温流体内に配置され得るよう構成され、前記極低温ストローは前記極低温流体により覆われ、前記少なくとも1つのアンテナは前記極低温流体の表面の上方に突出する、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の極低温ストロー。
【請求項11】
前記極低温ストローは実質的に管状であり、1つの閉じられた丸みを帯びた側壁を含み、前記少なくとも1つのアンテナは前記側壁にキャスト成型され、前記丸みを帯びた側壁は0.5mm未満の厚さを有する、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の極低温ストロー。
【請求項12】
- 請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の複数の極低温ストロー、
- 前記極低温ストローへの問い合わせ無線周波数信号(単数または複数)を生成するよう構成されたRFID問い合わせユニット、および、前記極低温ストローの前記一体化された無線周波数識別システムからの信号を受信および識別するよう構成されたRFIDリーダ、
を含む、凍結保存された標本を識別するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、極低温ストロー(cryogenic straw)のための無線周波数識別システムに、および無線周波数識別システムを含む極低温ストローに、関する。
【背景技術】
【0002】
DNA物質および精子標本などの有機物質は、非常に低い格納温度で保存する必要がある。このことは、有機標本を液体窒素(沸点:-196℃)内に浸す極低温凍結により、長期にわたり行われてきた。非常に低い温度における極低温格納により、細胞の寿命が顕著に増加する。極低温の温度範囲は-150℃~絶対零度-273.15℃と定義される。なお絶対零度は、分子運動が理論的に可能な限り完全停止に近づく温度である。極低温で格納された標本の検査を実施する際、標本が極低温環境の外に置かれる時間は最小化されることが望ましい。
【0003】
生物学的標本は、個々のプラスチック・ストロー、すなわちガラス瓶(それぞれが一意的な印刷済みIDを有する)に保存され得る。次に、これらのガラス瓶は、通常は大量で、束ねられ、液体窒素が充填されたキャニスター内に浸される。個々のガラス瓶を追跡し続けるには膨大な手作業が必要となる。係る手作業では、ガラス瓶は、登録し、その後に記帳するために、一時的にキャニスターから取り出されなければならない。
【0004】
極低温ストローのためにRFIDを使用する概念が、様々な形で提案されてきた。EP2743865では、フェライトコアに巻き付けられたコイルにより形成されるアンテナを有するRFIDタグが提案されている。同特許では、係る組立体が1.4mmまでの寸法を有する容器内に嵌入されると記載されている。WO2014/001819でも、極低温ストローのためのRFIDタグを導入する課題が解決されている。この特許出願では、生物学的標本をストロー内に位置決めすることに干渉しないよう、ストローの周囲にスリーブが配置されることが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この先行技術文書は、極低温ストローのためのRFIDタグの使用を全般的に開示し、異なる機能的解決策を提供するものと考えられ得る。しかし、これらの解決策は、サイズ、コスト、および作動温度範囲において最適ではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、極低温ストローに、または極低温ストロー内の密閉要素に、一体化(例えばモールド成型またはキャスト成型)され得る組立体を提供することにより、極低温ストローに無線周波数タグを付加することに関する。極超短波(UHF)(通常は300MHz~3GHzの周波数範囲として定義され、100MHz~10GHzの範囲に拡張されることも可能である)または超短波(VHF)(通常は30MHz~300MHzの範囲として定義される)で動作させることにより、RFIDタグのアンテナは、例えば実質的に管状の極低温ストローの側壁に一体化され得る薄い導電糸として設計され得る。したがって第1の実施形態では、本開示に係るRFIDタグは、
- 情報を格納し、30MHz~10GHzの周波数範囲の、好適には300MHz~3GHzおよび/または30MHz~300MHzの周波数範囲の無線周波数信号を生成するよう構成された、少なくとも1つの集積回路と、
- 導電糸を含み、かつ、極低温ストローに一体化されるよう構成された、少なくとも1つのアンテナと、
を含む、極低温ストローのための無線周波数識別システムであり得る。
【0007】
以前から周知の、低い周波数(例えば125kHzまたは13MHz)で動作する解決策では、フェライトコアに巻き付けられたコイルが必要となるであろう。係るコイルは、例えば2mmの直径を有する細い極低温ストローに対して、かなりの空間を必要とする。それとは対照的に、本発明は好適には極超短波で動作する。これは、アンテナが薄い糸/棒状体として設計され得ることを意味する。好適な実施形態では、アンテナはストローの壁部にキャスト成型される。それにより安価、軽量、および堅牢な解決策が提供される。高域周波数を使用することは、より大きい帯域幅の使用が可能となるという利点を有する。より大きい帯域幅は、より高速な応答と、単位時間あたりのより高いデータ転送と、を与える。このことは、短い時間的期間内での大量の極低温ストローに対するIDの表示の読み取りを可能にする。さらに、このことは、アンテナが比較的長いリーチを有するということ、および、アンテナが薄く、かつ全般的に小さいサイズで作られ得ること、という利点を有する。好適には、アンテナは0.1mm未満の直径を有する導電糸/棒状体として実装される。代替的に、アンテナは、薄型シートまたは中空棒状体(好適には金属製)として実装され得る。アンテナは、極低温ストローの内側または外側に取り付けられるよう構成された薄膜の形状でも具体化され得る。一実施形態では、薄膜は20μm未満の厚さを、より好適には10μm未満の厚さを、さらに好適には5μm未満の厚さを、有する。全般的に、ストロー/棒状体/薄膜は10μmの厚さを有し得、さらに5μmの厚ささえ有し得る。好適には、薄膜は導電性物質(例えば金属物質など)から作られる。薄膜は、薄い側壁を有する中空円筒の形状と、薄膜が極低温ストローの外側上に装着されるよう極低温ストローの外径に実質的に等しい内径(代替的に、薄膜が極低温ストローの内側上に装着されるよう極低温ストローの内径に実質的に等しい外径)と、を有し得る。アンテナが極低温ストローの円筒形壁部にキャスト成型されことに対して代替的に、アンテナは極低温ストローの内側上にまたは外側上に配置されてもよい。好適には、アンテナは極低温ストローの長手方向において延在する。
【0008】
アンテナは、極低温ストローに組み込まれ得る。本開示に係る無線周波数識別システムの一実施形態では、アンテナは、極低温ストローに一体化されるよう極低温ストローに沿って延在し上方に突出しており、アンテナの第1部分が極低温ストローに一体化され、かつ、第2部分が実質的に極低温ストローの長手方向において極低温ストローの外側で上方に突出している。この解決策より、アンテナの一部が流体表面の上方で動作する一方で標本を極低温流体内に滞在させることが可能である。この文脈の上方では、極低温ストローが実質的に垂直姿勢で配置(すなわち、一方が下端部に、他方が上端部に、配置)され、アンテナが極低温ストローの上端部を越えて延在する構成が示された。この実施形態は、アンテナが液体窒素の表面の上方に突出するようアンテナが設計され得、それにより電波の送受信の状態が改善され得るという利点を有する。集積回路も、極低温ストローの内部に密閉係合するよう構成された密閉要素に一体化され得る。ここでは極低温ストローは、好適には下端部に密閉される。上方に突出するアンテナは、ハンドルまたはシャフトに取り付けられるかまたは一体化され得る。この組立体は、極低温ストローが極低温流体内に配置され得るよう構成される。それにより、極低温ストローは極低温流体に覆われ、少なくとも1つのアンテナは極低温流体の表面の上方に突出する。
【0009】
市販のRFIDタグが極低温から室温までの温度範囲を含まないため、本開示の極低温ストローのための無線周波数識別システムは、少なくとも2つの集積回路を使用して動作し得る。先行技術による解決策は通常、極低温で動作するよう設計されるが、例えば電子部品の温度特性により、室温では動作しないであろう。一実施形態では、極低温ストローのための本開示に係る無線周波数識別システムは、情報を格納し、かつ、30MHz~3GHzの周波数範囲の、または300MHz~3GHzの周波数範囲の、または100MHz~10GHzの周波数範囲の、無線周波数信号を生成するよう構成された、少なくとも2つの集積回路を含み、第1集積回路は極低温を含む第1温度範囲で動作するよう構成され、第2集積回路は室温20℃を含む第2温度範囲で動作するよう構成される。好適には、タグ情報、および、可能ならば他の情報が、いくつかのメモリセルに格納される。なおこれらのメモリセルは、異なる温度範囲で、好適には重なり合う温度範囲で、動作するよう構成される。好適には、第1温度範囲および第2温度範囲は、システムが全体的かつ連続的な温度範囲上で動作可能となるよう、重なり合う。この実施形態では、RFIDタグは、極低温流体内に置かれているとき、および、極低温流体から、例えば、室温に、取り出されたとき、の両方において、使用が可能である。
【0010】
本開示は、さらに、上述の一体化された無線周波数識別システムを含む極低温ストローに、および、一体化された無線周波数識別システムを有する複数の極低温ストローと、極低温ストローへの問い合わせ無線周波数信号(単数または複数)を生成するよう構成されたRFID問い合わせユニットと、極低温ストローの一体化された無線周波数識別システムからの信号を受信および識別するよう構成されたRFIDリーダと、を含む、凍結保存された標本を識別するためのシステムに、関する。好適には、極低温ストローは、容器(例えばキャニスターまたは極低温格納デュアー瓶など)内に格納されるよう適応され得る。なお係る容器は液体窒素で充填され得る。
【0011】
本発明のこれらの態様および他の態様は、本発明に関する以下の詳細な説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】密閉要素を有する授精用の極低温ストローを示す図である。
図2】2つのアンテナ部分を有し、かつ、一方のアンテナ部分が上方に突出する、極低温ストロー内における本開示に係る無線周波数識別システムの一実施形態を示す図である。
図3】本開示に係る無線周波数識別システムおよびリーダコイルの一実施形態を示す図である。
図4】本開示に係る無線周波数識別システムおよびリーダコイルの他の実施形態を示す図である。
図5】上方に突出するアンテナを有する本開示に係る無線周波数識別システムの一実施形態を示す図である。
図6】アンテナが極低温ストローにキャスト成型されている本開示に係る無線周波数識別システムの一実施形態を示す図である。
図7】異なる温度範囲で動作する2つの集積回路を有する本開示に係る無線周波数識別システムの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
定義
極低温とは、非常に低い温度の使用を要求すること、または、非常に低い温度の使用を伴うこと、を指す。温度目盛り上の何度で冷凍が終わり極低温が始まるかについては一般には厳密な定義はなされていないが、それはおよそ-150℃であると考えられる。
【0014】
極低温ストローまたは凍結保存ストローとは、標本(通常は、試験管内受精用の精子)を極低温格納するために使用される小型の格納装置である。本開示における極低温ストローは、この目的のための任意の容器に対して広範な従来の意味において使用される。通常、極低温ストローは実質的に管状であり、その形状において細い。
【0015】
無線周波数識別(RFID)は、物体に取り付けられたタグを自動的に識別および追跡する目的のために、データを伝達するための電磁場のワイヤレス使用を指す。これらのタグは、識別番号またはコードなどの電子的に格納された情報を含む。RFIDタグは、不揮発性メモリを、および、少なくとも1つのアンテナを通してRFIDリーダに対してワイヤレス通信するための手段を、含む。
【0016】
本発明の詳細な説明
本開示は、
- 情報を格納し、かつ、30MHz~10GHzの周波数範囲の、または100MHz~3GHzの周波数範囲の、または100MHz~1GHzの周波数範囲の、無線周波数信号を生成するよう構成された、少なくとも1つの集積回路と、
- 導電糸を含み、かつ、極低温ストローに、または、極低温ストローの内部に配置されるよう構成された密閉要素に、一体化されるよう構成された、少なくとも1つのアンテナと、
を含む極低温ストローのための無線周波数識別システムに関する。
【0017】
極超短波範囲で動作させることにより、非常に薄いアンテナ(好適には金属製の薄い導電糸であり得る)の使用が可能となる。なお係るアンテナは、極低温ストローに、または代替的に、極低温ストローの内部に配置された密閉要素に、埋め込まれ得る。一実施形態では、したがって、少なくとも1つの集積回路および少なくとも1つのアンテナは、例えば400MHz、800MHz、および2.45MHzをカバーする、デシメートル帯としても知られる300MHz~3GHzで動作するよう構成される。上述のように、この範囲はさらに100MHz~10GHzに拡張され得る。動作周波数範囲は、300MHhz~1GHzもしくは300MHz~900MHzであってもよく、または最も高い範囲2GHz~3GHzのみをカバーしてもよい。より低い周波数を使用して無線通信が可能である環境および状況では、少なくとも1つの集積回路および少なくとも1つのアンテナは、さらに30MHzで、および300MHzで、動作するよう構成され得る。
【0018】
RFIDシステムおよび極低温ストローの寸法および形状
極超短波周波数範囲において動作させることにより、非常に薄いアンテナが使用され得る。係るアンテナは極低温ストローに一体化(例えばキャスト成型など)され得る。アンテナ糸の厚さ(または、糸が実質的に円形の断面を有する場合には、直径)は、中空の極低温ストローの側壁において利用可能な空間に依存し得る。一般に、より厚いアンテナは、送受信に関して、より効率的であるが、状況に応じては、厚さが5μm未満ほどの糸も、作動可能および好適となり得る。アンテナは、代替的に、薄型シートまたは中空棒状体(好適には金属製)として実装され得る。極低温ストローの全直径が例えば2mmであるため、極低温ストローの側壁に配置されるアンテナ糸に対する好適な幅も、100μm未満、または90μm未満、または50μm未満、または20μm未満、または10μm未満になり得る。これらの実施形態は、より低い周波数で動作する既存の解決策よりも薄いと考えられる。
【0019】
導電糸として成形されたアンテナは、異なる形状およびサイズの範囲を有し得る。一実施形態では、糸の断面は実質的に円形である。糸の断面は、他の形状も取り得、例えば実質的に平坦な形状を有し得る。
【0020】
本開示は、さらに、アンテナおよび/または上述の一体化された無線周波数識別システムを含む極低温ストローに関する。極低温ストローの一実施形態は、少なくとも1つのアンテナを含む。この少なくとも1つのアンテナは、導電糸または棒状体を含み、極低温ストローの側壁に一体化(例えばモールド成型)される。極低温ストローは、情報を格納し、かつ、30MHz~3GHzの周波数範囲の、または100MHz~3GHzの周波数範囲の、無線周波数信号を生成するよう構成された、少なくとも1つの集積回路をさらに含み得る。極低温ストローは、本開示に係る一体化された無線周波数識別システムの任意の実施形態を含み得る。上述のように、一体化された無線周波数識別システムのアンテナは、好適には、極低温ストローに一体化(例えばキャスト成型)され、それにより軽量かつ安価な解決策が提供される。極低温ストローにキャスト成型された少なくとも1つのアンテナのいくつかの変形体が可能である。1つの事例が図6に示されており、図6には、アンテナ4がキャスト成型された側壁9を有する中空の極低温ストロー1が示されている。この実施形態では、集積回路3は密閉要素5に埋め込まれている。この事例では、集積回路3とアンテナ4との間には直接的な物理的ワイヤ接続は存在せず、代わって、集積回路3とアンテナ4との間の電磁的ワイヤレス通信が使用される。
【0021】
極低温ストローにおけるアンテナの一体化
一実施形態では、極低温ストローはポリマー・ストローから作られる。極低温ストローが作られ得る物質は、化学的に不活性で、生体適合性を有する。その物理的特性により、極低温ストローは、極低温ストローの格納条件により作られる極度に低い温度および圧力(その結果、液体および液体窒素は膨張する)に対する耐性を有することとなる。少なくとも1つのアンテナは極低温ストローに全体的にキャスト成型され得る。アンテナと集積回路との間に直接的接触が必ずしも存在しない係る解決策では、少なくとも1つのアンテナは、ポリマー物質を通して少なくとも1つの集積回路に電磁的、ワイヤレスに接続され得る。極低温ストローの典型的な形状は、1つの閉じられた丸みを帯びた側壁を含む、実質的に管状の中空形状である。なお、少なくとも1つのアンテナは側壁にキャスト成型される。側壁の幅は、側壁に一体化されるアンテナの好適なサイズを決定すると言われ得る。一実施形態では、アンテナは極低温ストローの側壁内に完全に密閉される。係る解決策では、集積回路は、例えば、極低温ストローを密閉するための密閉要素に、または、極低温ストロー内に永久的もしくは一時的に配置され得る任意の他の要素に、埋め込まれ得る。一実施形態では、集積回路は、好適には極低温ストローに格納された内容物/標本から集積回路が分離されるよう、極低温ストローの底部に配置され得る。集積回路は、極低温ストローの底部に配置されるよう適応されてもよく、および/または、極低温ストローに取り付けられるかもしくは一体化されるよう適応されてもよい。集積回路は、極低温ストローに取り付けられてもよく、または、部分的にもしくは完全に極低温ストローに組み込まれてもよい。
【0022】
代替的に、極低温ストローに設けられた穴(例えば極低温ストローの側壁に設けられた穴など)を通して、集積回路とアンテナとの間に物理的接続が存在してもよい。
【0023】
極低温ストローの多数の変形体が存在する。1つの解決策は密閉された下端部を有する。係る解決策では、極低温ストロー内に格納される内容物が極低温ストロー内に配置された後、密閉部が極低温ストローの上端部を密閉する。一実施形態では、密閉部が極低温ストローの内部に配置され、次に極低温ストローの下端部が切断されて極低温ストローの内容物が使用されるときに密閉部がプランジャとして使用され、密閉部(プランジャとして作用する)が極低温ストローの下端部に向かって移動し、それにより極低温ストローの中身が出る。この種の解決策では、少なくとも1つの集積回路は密閉要素に埋め込まれ得る。密閉部は、極低温ストローの内部に配置されているかぎり、好適には極低温ストローの側壁にキャスト成型されたアンテナに対してワイヤレス接続状態にあり得る。代替的に、少なくとも1つのアンテナを少なくとも1つの集積回路に接続する電気ワイヤ(例えば金属接続など)が存在し得る。その場合、側壁を通って集積回路に達する開口部が必要となる。係る実施形態では、電気ワイヤはリング形状であり得る。密閉要素を含む実施形態では、少なくとも1つのアンテナは、密閉要素に対して一体化され得、例えば図5で示されるように密閉要素かから突出し得る。無線周波数識別タグは、2つのアンテナも含み得る。なお図2において示されているように、一方のアンテナは極低温ストローの長手方向において下方に延在し、他方のアンテナは極低温ストローの長手方向において上方に延在する。
【0024】
極低温ストローは一定範囲のサイズで入手可能である。本開示に係る無線周波数識別タグは、一定範囲のサイズの極低温ストロー(例えば50mm~200mmの長さ、または30mm~200mmの長さ、または30mm~100mmの長さ、または100mm~150mmの長さ、または100mm~200mmの長さ、または50mm~300mmの長さ、または50mm~150mmの長さを有するストロー)に適応され得る。上述のように、極低温ストローの通常の直径は2mmであり得る。しかし本開示に係る無線周波数識別タグは、10mm未満の直径、または9mm未満の直径、または8mm未満の直径、または7mm未満の直径、または6mm未満の直径、または5mm未満の直径、または4mm未満の直径、または3mm未満の直径、または2mm未満の直径、または1mm未満の直径、または0.5mm未満の直径有する極低温ストローに対しても好適である。極低温ストローは通常、丸みを帯びた側壁を有し、係る側壁は、2mm未満の厚さ、または1mm未満の厚さ、または0.5mm未満の厚さ、0.4mm未満の厚さ、0.3mm未満の厚さ、0.2mm未満の厚さ、0.1mm未満の厚さを有し得る。
【0025】
一実施形態では、少なくとも1つのアンテナは、実質的に管状の極低温ストローの側壁に一体化されるよう構成される。なお少なくとも1つのアンテナは、極低温ストローの長手方向において延在し、上方に突出する。例えば図6において示されているようにアンテナが上方に突出する場合、結果的にアンテナは、極低温ストローの側壁の内部で部分的にのみ(すなわち、上方を除く全側面に対して)密閉され得る。この実施形態では、少なくとも1つの集積回路は、極低温ストローの上端部に一体化されてもよく、または極低温ストローの密閉要素に一体化されてもよい。
【0026】
突出
極低温ストローの外側に突出するアンテナの部分は、実質的に剛性であってもよく、および/または、極低温ストローの外側において剛性構造体(例えば極低温ストローのハンドルまたはシャフトなど)により支持されてもよい。少なくとも1つのアンテナは、極低温ストローが極低温流体(例えば液体窒素など)内に配置され得るよう構成され、極低温ストローは極低温流体により覆われ、少なくとも1つのアンテナは極低温流体の表面の上方に突出する。
【0027】
突出するアンテナを有する実施形態では、アンテナは、極低温ストローに一体化された少なくとも1つのアンテナの第1部分を含むと言われ得、少なくとも1つのアンテナの第2部分は、実質的に極低温ストローの長手方向において極低温ストローの外側で上方に突出するよう構成される。上方とは、極低温ストローを容器/瓶/キャニスターにおいて実質的に垂直姿勢で直立させたときの、極低温ストローの長手方向における上方と解釈され得る。好適には、アンテナの長さ、および極低温ストローの液体窒素内での配置は、アンテナの少なくとも1部分が液体窒素の表面の上方となるよう構成される。係る構成により、アンテナが完全に液体窒素内に浸される場合と比較して、信号通信状況はより良好となる。第1部分の長さは、少なくとも5mm、または少なくとも10mm、または少なくとも10mm、または少なくとも20mm、または少なくとも30mm、または少なくとも40mm、または少なくとも50mm、または少なくとも60mmであり得る。極低温ストローの外側で上方に突出する第2部分は、少なくとも5mm、または少なくとも10mm、または少なくとも10mm、または少なくとも20mm、または少なくとも30mm、または少なくとも40mm、または少なくとも50mm、または少なくとも60mm、または少なくとも100mm、または25mm~150mmの範囲であり得る。
【0028】
温度範囲
一実施形態では、極低温ストローのための本開示に係る無線周波数識別システムは、極低温のみをカバーするものではなく、室温を含む範囲もカバーする。これは、標本が極低温液体から取り出されたときにも標本が識別されなければならない場合、貴重となり得る。先行技術による解決策は通常、極低温で動作するよう設計されるが、例えば電子部品の温度特性により、室温では動作しないであろう。一実施形態では、極低温ストローのための本開示に係る無線周波数識別システムは、情報を格納し、かつ、30MHz~10GHzの周波数範囲の、または300MHz~1GHzの周波数範囲の、無線周波数信号を生成するよう構成された、少なくとも2つの集積回路を含み、第1集積回路は極低温を含む第1温度範囲で動作するよう構成され、第2集積回路は室温20℃を含む第2温度範囲で動作するよう構成される。第1温度範囲および第2温度範囲は、2つの範囲が1つのより広い範囲を構成するよう、重なり合い得る。
【0029】
2つのシステムの有効化および無効化を実施するにあたり、異なるアプローチが可能である。簡単な解決策は、2つのシステムを並列的に実行し、メモリセルを共有するか、または、両方が機能している温度においてメモリセルの内容をコピーすることである。係る解決策は、簡単ではあるが、干渉が導入され得る。代替的に、システムは、集積回路のうちのいずれが有効化されるかを選択するためのスイッチを含み得る。スイッチは、温度センサに基づき得るが、例えば、読み取りユニットまたは問い合わせユニットからのコマンドであり得る。一実施形態では、システムは、周囲の温度を測定するための温度センサと、測定された温度に基づいてこれらの集積回路のうちの一方の集積回路を有効化するよう構成されたスイッチと、を含む。
【0030】
図7では、より広い温度範囲をカバーするシステムがどのように構成され得るかが示されている。なお、このシステムは、より低い範囲で動作するよう構成された1つの無線周波数識別システム10と、より高い範囲で動作するよう構成された1つの無線周波数識別システム11と、を有する。システムは、別個のメモリセル12および13を使用してもよく、または同一のメモリセルを共有してもよい。一実施形態では、無線周波数識別システムは2つの別個のアンテナを有し、この場合、一方のアンテナは第1集積回路により使用され、第1アンテナに関連付けられ、第2集積回路は第2アンテナに関連付けられる。
【0031】
2つのシステムに対して好適な温度範囲は、極低温液体の実際の温度と、例えば、回路の所与の温度特性に対する信頼性に関する回路の要件と、に依存し得る。一実施形態では、第1集積回路は、-30℃未満、または-50℃未満、または-70℃未満、または-100℃未満、または-120℃未満、または-140℃未満、または-160℃未満、または-180℃未満、または-196℃未満、または-200℃未満で動作するよう構成され、その一方で、第2集積回路は、-50℃~125℃の範囲で、または-70℃~125℃の範囲で、または100℃~125℃の範囲で、または30℃~125℃の範囲で、またはこれらの組み合わせで動作するよう構成される。一実施形態では、第1回路は、少なくとも-50℃未満で動作し、第2回路は少なくとも-50℃より上で動作する。
【0032】
無線周波数識別システムに対する電力供給
本開示に係る無線周波数識別システムは、局所的なバッテリーによる電力供給は不必要である。好適には、システムはワイヤレス電力伝達により電力供給される。したがって、一実施形態では、システムは、電力の誘導結合、または共振誘導結合、または容量性結合、または電磁伝達を含み得る。代替的に、システムは、RFIDリーダの放出からのエネルギーから生成された後方散乱信号により電力供給され得る。
【0033】
RFID読み取りシステム
本開示は、
- 本発明に係る一体化された無線周波数識別システムを有する複数の極低温ストロー、
- 極低温ストローへの問い合わせ無線周波数信号(単数または複数)を生成するよう構成されたRFID問い合わせユニット、および、
- 極低温ストローの一体化された無線周波数識別システムからの信号を受信および識別するよう構成されたRFIDリーダ、
を含む、凍結保存された標本を識別するためのシステムに関する。
【0034】
読み取りユニットおよび問い合わせユニットは、複数の極低温ストローおよび極低温液体を保持する容器の内部に配置され得る。液体は液化天然ガス(LNG)であり得る。
【0035】
システムは、極低温ストローに一体化された無線周波数識別システムにより生成された無線周波数信号の復調および処理と、極低温ストローの識別に関する追加的なタスクの実行と、を実施するよう構成された処理ユニットをさらに含み得る。
【0036】
図面の詳細な説明
本発明について、添付の図面を参照して、以下でより詳細に説明する。これらの図面は例示的であり、本開示に係る無線周波数識別システムおよび極低温授精ストローの特徴の一部を例示することを意図するものであり、本開示の発明を限定するものと解釈すべきでない。
【0037】
図2図5では、アンテナが極低温ストローの側壁にキャスト成型され得ることが見られない。これらの実施形態のうちの各実施形態に対して、アンテナは管状の極低温ストローの側壁にキャスト成型され得る。
【0038】
図1では、識別システムを有さない、授精用の極低温ストロー100が示されている。なお極低温ストローは密閉要素101を有する。
【0039】
図2では、2つのアンテナ部分4aおよび4bを有する極低温ストロー1における本開示に係る無線周波数識別システム2が示されている。なお一方のアンテナ(4a)は上方に突出している。この事例では、集積回路3は、2つの部分を有する密閉要素5および電気的に絶縁された中間媒体6に埋め込まれている。
【0040】
図3では、本開示に係る無線周波数識別システム2およびリーダコイル7のさらなる実施形態が示されている。この実施形態では、システム2は、2つの部分を有する密閉要素5と電気的に絶縁された中間媒体6に埋め込まれた1つの集積回路3と、極低温ストローの長手方向において下方に延在する1つのアンテナ4と、を有する。上述のように、アンテナ4は極低温ストロー1の側壁に一体化(例えばキャスト成型)され得る。
【0041】
図4では、図3の本開示に係る無線周波数識別システム2が示されている。ここでは、アンテナの1部分は環状コイルの形状を有する。
【0042】
図5では、図3および図4の本開示に係る無線周波数識別システム2が示されている。ここでは、アンテナ4は極低温ストローの外側で上方に突出している。
【0043】
図6では本開示に係る無線周波数識別システム2の一実施形態が示されている。なお、アンテナ4は極低温ストロー1の側壁9にキャスト成型される。この事例では、集積回路3は、密閉状態で摺動可能に極低温ストロー1の内部に係合する密閉要素5に、埋め込まれている。集積回路3はアンテナ4にワイヤレス接続される。この事例では、アンテナ4は側壁9の内部で部分的に密閉される(上方を除く全方向で密閉される)。
【0044】
図7では、より低い範囲で動作するよう構成された1つの無線周波数識別システム10と、より高い範囲で動作するよう構成された1つの無線周波数識別システム11と、を有する本開示に係る無線周波数識別システム2が示されている。この事例では、システムは、別個のメモリセル12および13を有する。
【0045】
本発明のさらなる詳細
項目1
- 情報を格納し、かつ、100MHz~10GHzの周波数範囲の、または30MHz~10GHzの周波数範囲の、無線周波数信号を生成するよう構成された、少なくとも1つの集積回路と、
- 導電糸または中空棒状体を含む少なくとも1つのアンテナであって、極低温ストローに、または、極低温ストローの内部に配置されるよう構成された密閉要素に、一体化されるよう構成された、少なくとも1つのアンテナと、
を含む、極低温ストローのための無線周波数識別システム。
【0046】
項目2
アンテナは極低温ストローの側壁に組み込まれる(例えばモールド成型)よう適応されている、項目1に記載の無線周波数識別システム。
【0047】
項目3
集積回路は極低温ストローに組み込まれる(例えばモールド成型)よう、例えば極低温ストローの底部に、または、極低温ストローの側壁に組み込まれるよう、適応されている、項目1~項目2のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0048】
項目4
アンテナおよび集積回路は、極低温ストローに組み込まれたワイヤにより互いに接続されるよう、または、電磁的に接続されるよう、適応されている、項目3に記載の無線周波数識別システム。
【0049】
項目5
導電糸/棒状体の厚さまたは直径は100μm未満、または90μm未満、または50μm未満、または20μm未満、または10μm未満、または5μm未満である、項目1~項目4のいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0050】
項目6
少なくとも1つの集積回路は、情報を格納し、かつ、300MHz~3GHzの周波数範囲の、または300MHz~1GHzの周波数範囲の、または300MHz~900MHzの周波数範囲の、または2GHz~3GHzの周波数範囲の、または350MHz~2.5GHzの周波数範囲の、無線周波数信号を生成するよう構成されている、項目1~項目5のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0051】
項目7
導電糸/棒状体は、実質的に円形の断面を、または実質的に平坦な断面を有する、項目1~項目6のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0052】
項目8
少なくとも1つのアンテナは少なくとも1つの集積回路に対して電磁的に、ワイヤレスで接続されるよう、構成されている、項目1~項目7のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0053】
項目9
電気ワイヤ(例えば金属接続など)をさらに含み、前述の電気ワイヤは少なくとも1つのアンテナを少なくとも1つの集積回路に接続するよう構成されている、項目1~項目8のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0054】
項目10
少なくとも1つのアンテナの第1部分は極低温ストローに一体化されるよう構成され、少なくとも1つのアンテナの第2部分は、実質的に極低温ストローの長手方向において極低温ストローの外側で上方に突出するよう構成されている、項目1~項目9のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0055】
項目11
第1部分の長さは、少なくとも5mm、または少なくとも10mm、または少なくとも10mm、または少なくとも20mm、または少なくとも30mm、または少なくとも40mm、または少なくとも50mm、または少なくとも60mmである、項目10に記載の無線周波数識別システム。
【0056】
項目12
第2部分の長さは、少なくとも5mm、または少なくとも10mm、または少なくとも10mm、または少なくとも20mm、または少なくとも30mm、または少なくとも40mm、または少なくとも50mm、または少なくとも60mm、または少なくとも100mm、または25mm~150mmの範囲である、項目10~項目11のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0057】
項目13
情報を格納し、かつ、100MHz~10GHzの周波数範囲の無線周波数信号を生成するよう構成された、少なくとも2つの集積回路を含み、第1集積回路は極低温を含む第1温度範囲で動作するよう構成され、第2集積回路は室温20℃を含む第2温度範囲で動作するよう構成されている、項目1~項目12のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0058】
項目14
第第1温度範囲および第2温度範囲は重なり合う、項目13に記載の無線周波数識別システム。
【0059】
項目15
システムの周囲の温度を測定するための温度センサと、測定された温度に基づいて集積回路のうちの一方の集積回路を有効化するよう構成されたスイッチと、をさらに含む、項目13~項目14のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0060】
項目16
2つのアンテナを含み、アンテナのうちの一方のアンテナは、実質的に極低温ストローの長手方向において極低温ストローの外側で上方に突出する、項目1~項目15のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0061】
項目17
少なくとも2つのアンテナを含み、アンテナのうちの一方のアンテナは第1集積回路に接続され、他方のアンテナは第2集積回路に接続されている、項目16に記載の無線周波数識別システム。
【0062】
項目18
第1集積回路は、-30℃未満、または-50℃未満、または-70℃未満、または-100℃未満、または-120℃未満、または-140℃未満、または-160℃未満、または-180℃未満、または-196℃未満、または-200℃未満で動作するよう構成されている、項目1~項目17のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0063】
項目19
第2集積回路は、-50℃~125℃の範囲で、または-70℃~125℃の範囲で、または-100℃~125℃の範囲で、または-30℃~125℃の範囲で、動作するよう構成されている、項目1~項目18のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0064】
項目20
少なくとも1つのアンテナは、実質的に管状の極低温ストローの側壁に一体化されるよう構成され、少なくとも1つのアンテナは極低温ストローの長手方向において延在し、上方に突出する、項目1~項目19のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0065】
項目21
少なくとも1つの集積回路は極低温ストローの上端部に一体化される、項目1~項目20のうちのいずれか1項に記載の無線周波数識別システム。
【0066】
項目22
少なくとも1つのアンテナは、実質的に剛性であり、および/または、極低温ストローの外側で剛性構造体(極低温ストローのハンドルまたはシャフトなど)により支持され、少なくとも1つのアンテナは、極低温ストローが液体窒素などの極低温流体内に配置され得るよう構成され、極低温ストローは極低温流体により覆われ、少なくとも1つのアンテナは極低温流体の表面の上方に突出する、項目1~項目21のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0067】
項目23
システムはワイヤレス電力伝達により電力供給される、項目1~項目22のうちのいずれかに記載の無線周波数識別システム。
【0068】
項目24
システムは誘導結合、または共振誘導結合、または容量性結合を含む、項目23に記載の極低温ストロー。
【0069】
項目25
システムはRFIDリーダの放出からのエネルギーから生成された後方散乱信号により電力供給される、項目1~項目24のうちのいずれかに記載の極低温ストロー。
【0070】
項目26
項目1~項目25のうちのいずれかに記載の一体化された無線周波数識別システムを含む極低温ストロー。
【0071】
項目27
極低温ストローはポリマー物質から作られ、少なくとも1つのアンテナは極低温ストローにキャスト成型される、項目26に記載の極低温ストロー。
【0072】
項目28
極低温ストローは実質的に管状であり、1つの閉じられた丸みを帯びた側壁を含み、少なくとも1つのアンテナは側壁にキャスト成型される、項目26~項目27のうちのいずれかに記載の極低温ストロー。
【0073】
項目29
極低温ストローは実質的に円形の断面を有する、項目26~項目28のうちのいずれかに記載の極低温ストロー。
【0074】
項目30
極低温ストローは、50mm~200mmの長さ、または30mm~200mmの長さ、または30mm~100mmの長さ、または100mm~150mmの長さ、または100mm~200mmの長さ、または50mm~300mmの長さ、または50mm~150mmの長さを有する、項目26~項目29のうちのいずれかに記載の極低温ストロー。
【0075】
項目31
極低温ストローは、10mm未満の直径、または9mm未満の直径、または8mm未満の直径、または7mm未満の直径、または6mm未満の直径、または5mm未満の直径、または4mm未満の直径、または3mm未満の直径、または2mm未満の直径、または1mm未満の直径、または0.5mm未満の直径を有する、項目26~項目30のうちのいずれかに記載の極低温ストロー。
【0076】
項目32
丸みを帯びた側壁は、2mm未満の厚さ、または1mm未満の厚さ、または0.5mm未満の厚さ、0.4mm未満の厚さ、0.3mm未満の厚さ、0.2mm未満の厚さ、0.1mm未満の厚さを有する、項目26~項目31のうちのいずれかに記載の極低温ストロー。
【0077】
項目33
極低温ストローは一方の端部において密閉されている、項目26~項目32のうちのいずれかに記載の極低温ストロー。
【0078】
項目34
少なくとも1つの集積回路を含む密閉要素をさらに含み、少なくとも1つのアンテナは密閉要素から突出する、項目26~項目33のうちのいずれかに記載の極低温ストロー。
【0079】
項目35
極低温ストローは格納時には両方の端部において密閉されている、項目26~項目34のうちのいずれかに記載の極低温ストロー。
【0080】
項目36
- 一体化された無線周波数識別システムを有する項目26~項目35のうちのいずれかに記載の複数の極低温ストロー、
- 極低温ストローへの問い合わせ無線周波数信号(単数または複数)を生成するよう構成されたRFID問い合わせユニット、および、
- 極低温ストローの一体化された無線周波数識別システムからの信号を受信および識別するよう構成されたRFIDリーダ、
を含む、凍結保存された標本を識別するためのシステム。
【0081】
項目37
極低温ストローに一体化された無線周波数識別システムにより生成された無線周波数信号を復調および処理するよう構成された処理ユニットをさらに含む、項目36に記載の凍結保存された標本を識別するためのシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7