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特許7097320セグメント組立装置およびシールド掘進機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】セグメント組立装置およびシールド掘進機
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/40 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
E21D11/40 B
E21D11/40 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019042029
(22)【出願日】2019-03-07
(65)【公開番号】P2020143534
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】521478094
【氏名又は名称】地中空間開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】花岡 泰治
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-144528(JP,A)
【文献】特開平01-318700(JP,A)
【文献】実開平04-053898(JP,U)
【文献】特開平06-317097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘進方向と略直交する方向に延びるようにトンネル内に配置されたガイドレールと、
セグメントの把持部を含み、前記ガイドレールの周状の走行軌道上を走行する走行部とを備え、
前記ガイドレールは、第1ガイドレール部材と、前記第1ガイドレール部材から離間する位置と前記第1ガイドレール部材に接続される位置との間で、掘進方向と略直交する方向に移動可能な第2ガイドレール部材とを含む、セグメント組立装置。
【請求項2】
前記第2ガイドレール部材に設けられ、前記第1ガイドレール部材に対して前記第2ガイドレール部材を掘進方向と略直交する方向に移動させる第2ガイドレール部材移動機構をさらに備える、請求項1に記載のセグメント組立装置。
【請求項3】
前記第1ガイドレール部材は、掘進方向と略直交する方向に離間して、一対設けられており、
前記第2ガイドレール部材は、一端が前記第1ガイドレール部材の一方に接続される位置と、他端が前記第1ガイドレール部材の他方に接続される位置との間を、回動により移動し、または、直線状に移動するように構成されている、請求項1または2に記載のセグメント組立装置。
【請求項4】
前記第2ガイドレール部材は、回動により移動するように構成されており、
前記トンネルの掘進方向と直交する断面が非円形形状である場合において、前記第1ガイドレール部材は、前記トンネルの長手方向に沿って配置され、
前記第2ガイドレール部材は、前記トンネルの短手方向に沿って、回動により移動するように構成されている、請求項3に記載のセグメント組立装置。
【請求項5】
前記第1ガイドレール部材および前記第2ガイドレール部材の両方を支持するガイドレール支持部と、
前記掘進方向と略直交する方向に、前記ガイドレール支持部を移動させるガイドレール支持部移動機構とをさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のセグメント組立装置。
【請求項6】
土砂を掘削するカッタヘッドと、掘削に伴う土砂を輸送する排土装置と含む本体部と、
前記本体部に取り付けられるセグメント組立装置とを備え、
前記セグメント組立装置は、
掘進方向と略直交する方向に延びるようにトンネル内に配置されたガイドレールと、
セグメントの把持部を有し、前記ガイドレールの周状の走行軌道上を走行する走行部とを含み、
前記ガイドレールは、第1ガイドレール部材と、前記第1ガイドレール部材から離間する位置と前記第1ガイドレール部材に接続される位置との間で、掘進方向と略直交する方向に移動可能な第2ガイドレール部材とを有する、シールド掘進機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメント組立装置およびシールド掘進機に関し、特に、走行部が走行するガイドレールを備えるセグメント組立装置およびシールド掘進機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行部が走行するガイドレールを備えるシールド掘進機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、セグメント組立装置を備えたシールド掘進機が開示されている。セグメント組立装置は、掘進方向と略直交する方向に延びるようにトンネル内に配置されたレールと、レール上を走行する走行部とを有している。レールは、シールド掘進機本体に対して固定的に取り付けられている。レールは、掘進方向から見て、トンネルの内周面に沿った環状に形成されている。なお、トンネルは、楕円状の異形断面を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-144528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシールド掘進機では、掘進方向から見て、レールが楕円状の異形断面のトンネルの内周面に沿って環状に形成されていることから、レールが、トンネルの短手方向に沿って延びる部分において、比較的小さい曲率(急カーブ)になるという不都合がある。このため、曲率が小さくなる部分において、レール上を走行する走行部が円滑に移動できない場合があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、トンネル内において走行部を円滑に移動させることが可能なセグメント組立装置およびシールド掘進機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明のセグメント組立装置は、掘進方向と略直交する方向に延びるようにトンネル内に配置されたガイドレールと、セグメントの把持部を含み、ガイドレールの周状の走行軌道上を走行する走行部とを備え、ガイドレールは、第1ガイドレール部材と、第1ガイドレール部材から離間する位置と第1ガイドレール部材に接続される位置との間で、掘進方向と略直交する方向に移動可能な第2ガイドレール部材とを含む。
【0008】
この発明のセグメント組立装置では、上記のように、第1ガイドレール部材と、第1ガイドレール部材から離間する位置と第1ガイドレール部材に接続される位置との間で、掘進方向と略直交する方向に移動可能な第2ガイドレール部材とを設ける。これにより、第1ガイドレール部材に対して、第2ガイドレール部材(走行部を保持する第2ガイドレール部材)を移動させることができるので、比較的曲率が小さいトンネルの内周側や、長辺および短辺を有する矩形状に形成されたトンネルの内側などであっても、走行部を直接移動(走行)させることなく、走行部を保持する第2ガイドレール部材を移動させることにより、セグメントを設置することができる。したがって、従来のように曲率の小さな(急カーブの)固定的なガイドレール上で走行部を走行させる場合と比較して、トンネル内において走行部を円滑に移動させることができる。また、曲率が変化しないようにガイドレールを形成することもできる(第1ガイドレール部材と第2ガイドレール部材との曲率を合わせることもできる)ので、曲率の変わらないガイドレール上において、走行部を安定した状態で円滑に走行させることができる。
【0009】
上記セグメント組立装置において、好ましくは、第2ガイドレール部材に設けられ、第1ガイドレール部材に対して第2ガイドレール部材を掘進方向と略直交する方向に移動させる第2ガイドレール部材移動機構をさらに備える。このように構成すれば、セグメント組立装置が備える構成(第2ガイドレール部材移動機構)により、第1ガイドレール部材に対して第2ガイドレール部材を移動させて、トンネル内において走行部を円滑に移動させることを実現することができる。
【0010】
上記セグメント組立装置において、好ましくは、第1ガイドレール部材は、掘進方向と略直交する方向に離間して、一対設けられており、第2ガイドレール部材は、一端が第1ガイドレール部材の一方に接続される位置と、他端が第1ガイドレール部材の他方に接続される位置との間を、回動により移動し、または、直線状に移動するように構成されている。このように構成すれば、第2ガイドレール部材が回動する場合、第2ガイドレール部材が延びる方向を容易に変えることができるので、一方の第1ガイドレール部材および他方の第1ガイドレール部材の両方に滑らかに接続される位置に、第2ガイドレール部材を移動させることができる。また、第2ガイドレール部材が直線状に移動する場合、トンネルが所定方向に長い異形断面であっても、第2ガイドレール部材を所定方向に直線状に移動させて、セグメントを確実に設置することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、第2ガイドレール部材は、回動により移動するように構成されており、トンネルの掘進方向と直交する断面が非円形形状である場合において、第1ガイドレール部材は、トンネルの長手方向に沿って配置され、第2ガイドレール部材は、トンネルの短手方向に沿って、回動により移動するように構成されている。このように構成すれば、トンネルの比較的曲率が小さい部分の内周側において、トンネルの内周面に沿って、かつ、トンネルの内周面との距離を保ちながら第2ガイドレール部材(走行部)の回動により第2ガイドレール部材に保持された走行部を容易に移動させることができる。
【0012】
上記セグメント組立装置において、好ましくは、第1ガイドレール部材および第2ガイドレール部材の両方を支持するガイドレール支持部と、掘進方向と略直交する方向に、ガイドレール支持部を移動させるガイドレール支持部移動機構とをさらに備える。このように構成すれば、ガイドレール支持部移動機構により、ガイドレール支持部を介して、ガイドレール全体を移動させることができるので、走行部の把持部により把持しているセグメントを設置位置に移動させる機構を走行部自体に設けることなく、ガイドレール自体の移動によりセグメントを設置位置に移動させることができる。したがって、セグメントを設置位置に移動させるための機構を走行部自体に設けない分だけ、ガイドレール上を走行する走行部の大型化および構造の複雑化を抑制することができる。
【0013】
この発明のシールド掘進機は、土砂を掘削するカッタヘッドと、掘削に伴う土砂を輸送する排土装置と含む本体部と、本体部に取り付けられるセグメント組立装置とを備え、セグメント組立装置は、掘進方向と略直交する方向に延びるようにトンネル内に配置されたガイドレールと、セグメントの把持部を有し、ガイドレールの周状の走行軌道上を走行する走行部とを含み、ガイドレールは、第1ガイドレール部材と、第1ガイドレール部材から離間する位置と第1ガイドレール部材に接続される位置との間で、掘進方向と略直交する方向に移動可能な第2ガイドレール部材とを有する。
【0014】
この発明のシールド掘進機では、上記のように構成することによって、上記セグメント組立装置と同様に、トンネル内において走行部を円滑に移動させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、トンネル内において走行部を円滑に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態によるシールド掘進機の模式的な縦断面図である。
図2図1のセグメント組立装置を掘進方向後方側から見た図である。
図3図1に示したセグメント組立装置の拡大図である。
図4】第1実施形態によるセグメント組立装置の模式的な分解斜視図である。
図5図4に示したセグメント組立装置の各部の模式的な組立図である。
図6】第1実施形態によるセグメントを把持する方法について説明するための模式的な図である。
図7】第1実施形態によるセグメント組立装置の左右方向にセグメントの設置位置がある場合のセグメントの組み立て動作について説明するための図である。
図8】第1実施形態によるセグメント組立装置の上方向にセグメントの設置位置がある場合のセグメントの組み立て動作について説明するための図である。
図9】第2実施形態によるセグメント組立装置を掘進方向後方側から見た図である。
図10】第2実施形態によるセグメント組立装置の下方にセグメントの設置位置がある場合のセグメントの組み立て動作について説明するための図である。
図11】第2実施形態によるセグメント組立装置の左右方向にセグメントの設置位置がある場合のセグメントの組み立て動作について説明するための図である。
図12】第2実施形態によるセグメント組立装置の上方にセグメントの設置位置がある場合のセグメントの組み立て動作について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図1図8を参照して、本発明の第1実施形態によるシールド掘進機100について説明する。
【0019】
(シールド掘進機の全体構成)
図1に示すように、シールド掘進機100は、掘削面を構成するカッタヘッド11を有する本体部1と、掘進に伴う土砂または泥水を輸送する排土装置Hと、トンネル内面にセグメントSGを組み立てるセグメント組立装置2とを備えている。
【0020】
本体部1は、カッタヘッド11と、カッタヘッド11によって掘削された土砂が貯留されるチャンバ12と、セグメントSGを押圧して本体部1を推進させるシールドジャッキ13と、胴体14と、隔壁15とを含んでいる。
【0021】
排土装置Hは、チャンバ12内の土砂を排出するスクリュコンベアH1と、スクリュコンベアH1に下流側から接続されるポンプH2と、ポンプH2に下流側から接続される配管H3とを含んでいる。
【0022】
第1実施形態では、シールド掘進機100が、泥土圧式のシールド掘進機である例を示している。泥土圧式のシールド掘進機100では、カッタヘッド11により掘削された土砂と注入された作泥材とがチャンバ12内で混合され、掘削土砂が不透水性と塑性流動性とを持つ泥土に変換される。掘削土砂(泥土)は、チャンバ12内およびスクリュコンベアH1内に充満する。シールド掘進機100は、シールドジャッキ13によって推進することによって、掘削した土砂をチャンバ12内に充満させて加圧し、地山側の圧力(土圧および地下水圧)に対抗させる。シールド掘進機100は、掘進量と排土量とのバランスによって圧力の平衡を図りながら掘進方向(X1方向)に前進する。スクリュコンベアH1から排出される土砂は、排土装置Hを介して後方(X2方向)に輸送される。
【0023】
なお、各図において、前後方向をX方向で示し、掘進方向(前方)をX1方向で示し、後方をX2方向で示す。また、上下方向をZ方向で示し、上方をZ1方向で示し、下方をZ2方向で示す。また、前後方向および上下方向に直交する左右(横)方向をY方向で示す。また、Y方向のうち、坑内を掘進方向に沿って見た場合(後方側から前方側を見た場合)の右方向をY1方向で示し、左方向をY2方向で示す。また、以下では、特に断らない限り、「断面」とは前後方向(X方向)と略直交する断面Cを意味する。
【0024】
胴体14は、前胴部14aおよび後胴部14bから構成されている。前胴部14aは、推進力が付与されてカッタヘッド11により地山の掘進を行う部分であり、後胴部14bは、前胴部14aに伴って、トンネルのリング状の周壁部分を構成するセグメントSGを配列しながら進行する部分である。
【0025】
ここで、図2に示すように、第1実施形態のシールド掘進機100は、異形断面を有するシールド掘進機である。すなわち、本体部1は、X方向と直交する断面Cが非円形形状を有する。図2では、概して、上下方向に縦長の楕円形断面を有するトンネルを掘進する本体部1の例を示している。図2の例では、セグメント組立装置2は、長方形断面のトンネル内面に合わせて、セグメントSGを長方形のリング状に組み立てる。なお、非円形形状は、楕円形状に限られず、オーバル形状(角丸長方形)または長方形状(矩形状)や、六角形状などの多角形状であってもよい。図2では、セグメントリングを10個のセグメントSGにより構成している例を示しているが、1つのセグメントリングをいくつのセグメントSGで構成してもよい。
【0026】
図1に戻り、カッタヘッド11は、図示しない駆動源によって、掘進方向の回転軸回りに回転駆動される。カッタヘッド11によって削られた掘削土は、図示しない貫通孔を通ってカッタヘッド11の内部のチャンバ12に進入する。チャンバ12は、カッタヘッド11、前胴部14aおよび隔壁15によって囲まれた空間(作泥土室)である。
【0027】
シールドジャッキ13は、複数(図1では1つのみ図示)設けられており、胴体14の周方向に沿って配列されている。各シールドジャッキ13は、掘進方向に向けて、組み立てられたセグメントSGと対向するように設置されている。本体部1は、シールドジャッキ13を伸長させて既設のセグメントSGを掘進方向後方(X2方向)に押圧することにより、掘進方向への推進力(反作用力)を発生させる。
【0028】
スクリュコンベアH1は、チャンバ12に接続され、チャンバ12内の土砂を排出するように構成されている。スクリュコンベアH1は、一端で開口する取込口H1aが隔壁15を貫通してチャンバ12内に露出し、他端側の排出口H1bが隔壁15よりも後方側に設けられている。スクリュコンベアH1は、チャンバ12内の土砂を排出してチャンバ12内の圧力を調整する機能を有する。スクリュコンベアH1の排出口H1bは、配管H3が接続されたポンプH2の流入口に接続されている。すなわち、スクリュコンベアH1から排出される土砂は、そのままポンプH2の流入口に供給される。
【0029】
ここで、本体部1に外部から電力や制御信号などの配線類や作泥材・油圧装置用の作動油などの配管類Ca(以下、配線類・配管類Caと記す)、および、排土装置Hは、セグメント組立装置2との接触を回避するために、セグメント組立装置2の内側を通されるように構成されている。詳細については後述する。第1実施形態において、接触とは、配線類・配管類Caまたは排土装置Hが、セグメント組立装置2に物理的に触れることを意味する。なお、配管H3によりセグメント組立装置2の後方(X2方向)に運ばれた土砂は、ベルトコンベアBにより抗外に搬送される。また、配線類・配管類Caおよび排土装置Hは、本体部1に対して固定されている。
【0030】
(セグメント組立装置の構成)
図3に示すように、セグメント組立装置2は、スクリュコンベアH1の後方(前胴部14aの後端近傍)(X2方向)に配置されている。セグメント組立装置2は、掘進方向(X1方向)と直交する断面Cが非円形形状(異形形状)のトンネルの内周面に環状のセグメントリングを組み立てるように構成されている。セグメント組立装置2は、本体部1内の断面C(図2参照)でセグメントSGの把持部71を移動させて、セグメントSGを組み立てるように構成されている。
【0031】
図2に示したように縦横比の大きい(縦横比=1からの乖離が大きい)断面形状の場合、セグメント組立装置2は、X方向の中心軸回りの回転だけでは全てのセグメントSGを組み立てることが難しい。そこで、第1実施形態のセグメント組立装置2は、上記のように、把持部71を断面Cにおいて縦横(上下左右)に移動させることが可能に構成されている。つまり、把持部71は、Y方向およびZ方向(図2参照)に移動可能である。
【0032】
非円形形状(異形形状)の断面Cのセグメント組立装置としては種々のタイプがあるが、第1実施形態のセグメント組立装置2は、トンネルの断面Cよりも一回り小さいガイドレール62上で、把持部71を含む走行部7を走行させて、セグメントSGをトンネルの内周面に沿って移動させるタイプの組立装置である。
【0033】
ここで、第1実施形態のガイドレール62は、ガイドレール支持部61に対して固定される第1ガイドレール部材63と、第1ガイドレール部材63(ガイドレール支持部61)に対して、掘進方向(X1方向)と略直交する方向に移動可能な第2ガイドレール部材64とを含んでいる。なお、第2ガイドレール部材64は、第1ガイドレール部材63から離間する位置と第1ガイドレール部材63に接続される位置との間で移動可能に構成されている。すなわち、ガイドレール62は、少なくとも一部が分離して移動可能に構成されている。詳細については後述する。
【0034】
セグメント組立装置2は、ガイドレール支持部移動機構3と、固定ベース4と、横行軸ベース5と、ガイドレール62を含む被移動部6と、駆動制御部8(図3参照)とを備えている。なお、被移動部6は、セグメントSGの把持部71を含んでいる。
【0035】
固定ベース4は、本体部1に内周側から固定されている。横行軸ベース5は、ガイドレール支持部移動機構3を駆動源として昇降可能(上下方向(Z1方向およびZ2方向)に移動可能)なように、固定ベース4に対して取り付けられている。被移動部6は、ガイドレール支持部移動機構3を駆動源として左右方向(Y1方向およびY2方向)に移動可能なように、横行軸ベース5に対して取り付けられている。
【0036】
したがって、横行軸ベース5は、固定ベース4に対して上下方向(Z方向)に移動される。被移動部6は、固定ベース4に対して上下方向(Z方向)および左右方向(Y方向)に移動される。以下、セグメント組立装置2の各部の詳細な構成について説明する。
【0037】
〈移動機構の構成〉
図5に示すガイドレール支持部移動機構3は、被移動部6(後述するガイドレール62)を掘進方向X1方向と直交する方向に移動させるように構成されている。
【0038】
ガイドレール支持部移動機構3は、被移動部6(後述するガイドレール62)を上下方向(Z方向)に移動させる上下ガイドレール支持部移動機構31と、被移動部6(後述するガイドレール62)を左右方向(Y方向)に移動させる左右ガイドレール支持部移動機構32とを備えている。
【0039】
上下ガイドレール支持部移動機構31は、固定ベース4(後述する昇降軸ベース42)に設置される一対の昇降ジャッキ31aおよび一対の昇降ガイド軸31bを含んでいる。なお、昇降ガイド軸31bは上下方向(Z方向)に延びている。
【0040】
左右ガイドレール支持部移動機構32は、横行軸ベース5に設置される一対の横行ジャッキ32aおよび一対の横行ガイド軸32bを含んでいる。なお、横行ガイド軸32bは左右方向(Y方向)に延びている。
【0041】
昇降ジャッキ31aは、筒状の昇降ジャッキ本体部311と、昇降ジャッキ本体部311から進退移動する昇降ロッド部312とを有している。同様に、横行ジャッキ32aは、筒状の横行ジャッキ本体部321と、横行ジャッキ本体部321から進退移動する横行ロッド部322とを有している。ガイドレール支持部移動機構3の設置位置については後述する。
【0042】
ガイドレール支持部移動機構3は、被移動部6(被移動部6の後述するガイドレール支持部61の貫通穴61b)が配線類・配管類Caおよび排土装置Hに接触しない範囲で、被移動部6(ガイドレール支持部61)を移動させるように構成されている。また、ガイドレール支持部移動機構3は、貫通穴61bに、配線類・配管類Caおよび排土装置Hが通った状態で、ガイドレール支持部61を移動させるように構成されている。
【0043】
〈固定ベースの構成〉
図3に示すように、固定ベース4は、本体部1に固定されており、セグメント組立装置2全体を支持するように構成されている。すなわち、固定ベース4は、移動することがない。
【0044】
固定ベース4は、支持ベース41と、昇降軸ベース42とを含んでいる。
【0045】
支持ベース41は、本体部1に内周側から直接取り付けられる部分であり、上下方向(Z方向)に延びる複数の梁部材、および、左右方向(Y方向)に延びる複数の梁部材の組み合わせにより構成されている。支持ベース41を構成する複数の梁部材は、上下左右にバランスよく配置されている。支持ベース41を構成する複数の梁部材は、配線類・配管類Caおよび排土装置Hに接触することがないように、配線類・配管類Caおよび排土装置Hから離間した位置に配置されている。
【0046】
図5に示すように、昇降軸ベース42は、上下方向(Z方向)を長手方向とし、左右方向(Y方向)を短手方向とし、前後方向(X方向)を厚み方向とする矩形の平板形状を有している。昇降軸ベース42は、支持ベース41に対して後方側(X2方向側)から固定されている。
【0047】
昇降軸ベース42は、前後方向から見て、トンネルの略中央部に配置されている(図2参照)。昇降軸ベース42は、配線類・配管類Caおよび排土装置Hに対する接触を回避するために、内側に貫通穴42aを有している。
【0048】
昇降軸ベース42には、上下方向(Z方向)に延びる昇降ガイド軸31bを支持する昇降軸支持部42bが複数設けられている。
【0049】
昇降軸支持部42bは、昇降ガイド軸31bの上端部と、下端部と、上端部および下端部の中間部との3箇所に1つずつ(1つの昇降ガイド軸31bに対して合計3つ)設けられている。昇降軸支持部42bは、平板形状の昇降軸ベース42の後面から後方(X2方向)に突出する部分である。
【0050】
3つのうち中間部に設けられた昇降軸支持部42bには、昇降ジャッキ31aの昇降ジャッキ本体部311が左右方向(Y方向)の外側から固定されている。すなわち、昇降ジャッキ本体部311は、移動することがない。なお、昇降軸支持部42bは、一対の昇降ガイド軸31bを左右方向に離間させた状態で支持している(図4参照)。
【0051】
〈横行軸ベースの構成〉
図4に示す横行軸ベース5は、上記説明した昇降軸ベース42と概ね同様の構成を備えている。横行軸ベース5は、固定ベース4(昇降軸ベース42)の後方(Z2方向)に配置されている。横行軸ベース5は、固定ベース4(昇降軸ベース42)に対して上下方向(Z方向)に移動可能なように取り付けられている。横行軸ベース5は、昇降ガイド軸31bに沿って、上下方向(Z方向)のみに移動するように構成されている。横行軸ベース5は、被移動部6を支持するように構成されている。なお、図4および図5は、模式的な図面であり、各構成(被移動部6を含む)を簡略化して図示している。
【0052】
横行軸ベース5は、上下方向(Z方向)を長手方向とし、左右方向(Y方向)を短手方向とし、前後方向(X方向)を厚み方向とする矩形の平板形状を有している。なお、横行軸ベース5の上下方向の大きさは、昇降軸ベース42の上下方向の大きさよりも小さい。また、横行軸ベース5の左右方向(Y方向)の大きさは、昇降軸ベース42の左右方向の大きさよりも僅かに小さい、または、昇降軸ベース42の左右方向の大きさと略同じ大きさである。
【0053】
横行軸ベース5には、昇降ガイド軸31bに嵌合して、昇降ガイド軸31bにより上下方向への移動がガイドされる上下移動被ガイド部51が設けられている。
【0054】
上下移動被ガイド部51は、一方(Y2方向側)の昇降ガイド軸31b、および、他方(Y1方向側)の昇降ガイド軸31bに対して、それぞれ、2つずつ設けられている。一方(他方)の昇降ガイド軸31bに設けられた2つの上下移動被ガイド部51は、上下方向に所定距離を隔てて離間して配置されている。
【0055】
このうち(一方(他方)の昇降ガイド軸31bに設けられた2つの上下移動被ガイド部51のうち)、上方(Z1方向)の上下移動被ガイド部51には、昇降ジャッキ31aの昇降ロッド部312が左右方向の外側から固定されている。すなわち、昇降ロッド部312が固定された上下移動被ガイド部51は、昇降ジャッキ本体部311に対して上下方向に移動するように構成されている。したがって、上下移動被ガイド部51が上下方向に移動するのに伴い、横行軸ベース5も上下方向に移動する。なお、上下移動被ガイド部51は、平板形状の横行軸ベース5の前面から前方(X1方向)に突出する部分である。
【0056】
横行軸ベース5には、左右方向(Y方向)に延びる横行ガイド軸32bを支持する一対の横行軸支持部52が複数設けられている。
【0057】
横行軸支持部52は、横行ガイド軸32bの左端部と右端部との2箇所にそれぞれ1つずつ(1つの横行ガイド軸32bに対して合計2つ)設けられている。なお、横行軸支持部52は、平板形状の横行軸ベース5の後面から後方(X2方向)に突出する部分である。
【0058】
2つのうち左端部(Y2方向端部)に設けられた横行軸支持部52には、横行ジャッキ32aの横行ロッド部322が固定的に取り付けられている。すなわち、横行ロッド部322は、横行軸ベース5に対して移動することがない。なお、横行軸支持部52は、一対の横行ガイド軸32bをZ方向に離間させた状態で支持している。
【0059】
横行軸ベース5は、配線類・配管類Caおよび排土装置Hに対する接触を回避するために、内側に貫通穴53を有している。貫通穴53は、横行軸ベース5が上下方向に移動する際に、配線類・配管類Caおよび排土装置Hに接触することがないように、配線類・配管類Caおよび排土装置Hの配置領域よりも一回り大きく形成されている。
【0060】
〈被移動部の構成〉
図3に示すように、被移動部6は、ガイドレール支持部61と、ガイドレール62と、走行部7と、第2ガイドレール部材移動機構9とを備えている。
【0061】
ガイドレール62は、第1ガイドレール部材63と、第2ガイドレール部材64とを含んでいる。走行部7は、セグメントSGの把持部71を含んでいる。なお、ガイドレール62は、掘進方向(X1方向)と略直交する方向に延びるようにトンネル内に配置されている。
【0062】
ガイドレール支持部61は、ガイドレール支持部移動機構3により直接移動される構成であり、被移動部6の各部を支持する構成である。ガイドレール支持部61には、上記の通り、第1ガイドレール部材63が固定されている。また、ガイドレール支持部61には、第2ガイドレール部材移動機構9を介して第2ガイドレール部材64が設置されている。第2ガイドレール部材64は、第1ガイドレール部材63(ガイドレール支持部61)に対して、掘進方向に略直交する方向に移動可能な構成である。
【0063】
第1ガイドレール部材63は、掘進方向と略直交する方向に離間して、一対設けられている。詳細には、第1ガイドレール部材63は、左右方向の両側(Y方向の両側)に離間して、1つずつ一対設けられている。また、第2ガイドレール部材64は、上下方向の両側(Z方向の両側)に離間して、1つずつ一対設けられている。なお、左右方向および上下方向は、それぞれ、トンネルの短手方向および長手方向に相当する。
【0064】
第2ガイドレール部材移動機構9は、一対の第2ガイドレール部材64に対して1つずつ一対設けられている。以下、被移動部6の各部の詳細な構成について説明する。
【0065】
〈ガイドレール支持部の構成〉
ガイドレール支持部61は、横行軸ベース5の後方(X2方向)に配置されている。ガイドレール支持部61は、横行軸ベース5に取り付けられている。また、ガイドレール支持部61は、ガイドレール62(第1ガイドレール部材63および第2ガイドレール部材64の両方)を支持している。また、ガイドレール支持部61には、ガイドレール62を介して走行部7が取り付けられている。ガイドレール支持部61は、ガイドレール62を内周側から支持するとともに、配線類・配管類Caおよび排土装置Hを通す貫通穴61bを有している。
【0066】
ガイドレール支持部61は、横行ガイド軸32bに沿って、横行軸ベース5に対して、左右方向(Y方向)に移動するように構成されている。ガイドレール支持部61は、X方向から見て、概して、縦長の楕円形の平板形状を有している(図2参照)。
【0067】
図5に示すように、ガイドレール支持部61には、横行ガイド軸32bに嵌合して、横行ガイド軸32bに左右方向への移動がガイドされる左右移動被ガイド部61aが設けられている。
【0068】
左右移動被ガイド部61aは、一方(Z1方向側)の横行ガイド軸32b、および、他方(Z2方向側)の横行ガイド軸32bに対して、それぞれ、1つずつ設けられている。
【0069】
左右移動被ガイド部61aには、横行ジャッキ32aの横行ジャッキ本体部321が固定されている。すなわち、横行ジャッキ本体部321が固定された左右移動被ガイド部61aは、横行ロッド部322に対して左右方向に移動するように構成されている。したがって、左右移動被ガイド部61aが左右方向に移動するのに伴い、ガイドレール支持部61も左右方向に移動する。なお、左右移動被ガイド部61aは、平板形状のガイドレール支持部61の前面から前方(X1方向)に突出する部分である。
【0070】
ガイドレール支持部61は、配線類・配管類Caおよび排土装置Hに対する接触を回避するために、上記のように、内側に貫通穴61bを有している。貫通穴61bは、ガイドレール支持部61が上下方向および左右方向に移動する際に、配線類・配管類Caおよび排土装置Hに接触することがないように、配線類・配管類Caおよび排土装置Hの配置領域よりも一回り大きく形成されている。
【0071】
〈第1ガイドレール部材の構成〉
図2に示すように、第1ガイドレール部材63は、ガイドレール支持部61の楕円形の側面に固定されている。第1ガイドレール部材63は、トンネル断面Cの長手方向(Z方向)に沿って配置されている。第1ガイドレール部材63は、対向するトンネルの内周面に沿って湾曲している。
【0072】
第1ガイドレール部材63は、トンネルの内周面と略同じ曲率を有している。なお、トンネルが縦長の楕円形状であることから、第1ガイドレール部材63の曲率は、比較的大きい。すなわち、第1ガイドレール部材63は、比較的緩やかな湾曲形状を有している。
【0073】
第1ガイドレール部材63には、走行部7の後述する駆動モータ72に取り付けられたピニオンギア72aに噛み合う湾曲したラックLaが設けられている。ラックLaは、第1ガイドレール部材63と同様の湾曲形状を有しており、第1ガイドレール部材63に沿って配置されている。
【0074】
〈第2ガイドレール部材の構成〉
第2ガイドレール部材64は、上下方向(Z方向)において、一対の第1ガイドレール部材63の上方側および下方側に設けられている。第2ガイドレール部材64は、左右方向(Y方向)において、一対の第1ガイドレール部材63の間に配置されている。
【0075】
第2ガイドレール部材64は、第1ガイドレール部材63と略同じ曲率を有している。すなわち、第2ガイドレール部材64の曲率は、比較的大きい。ここで、仮に、一対の第1ガイドレール部材63の間を繋ぐように固定された第2ガイドレール部材を設けた場合、第2ガイドレール部材の曲率は、トンネルの短手方向の内周面に沿った形状となるため、比較的小さくなる。そこで、第1実施形態の第2ガイドレール部材64は、第1ガイドレール部材63に対して移動可能(回動可能)に構成されることにより、曲率が比較的大きくなるように構成されている。
【0076】
詳細には、第2ガイドレール部材64は、一端64a(Y2方向端部)が第1ガイドレール部材63の一方(Y2方向側の第1ガイドレール部材63)に接続される位置と、他端64b(Y1方向端部)が第1ガイドレール部材63の他方(Y1方向側の第1ガイドレール部材63)に接続される位置との間で、回動により移動するように構成されている。この際、第2ガイドレール部材64は、トンネル断面Cの短手方向(Y方向)に沿って、回動により移動するように構成されている。第2ガイドレール部材64は、第2ガイドレール部材移動機構9の後述する中心軸部材91を中心として回動するように構成されている。
【0077】
なお、第2ガイドレール部材64に保持されている状態(第2ガイドレール部材64上に位置する状態)で、第2ガイドレール部材64の一端64a(Y2方向端部)が第1ガイドレール部材63の一方に接続された場合、走行部7は、第2ガイドレール部材64上から一方の第1ガイドレール部材63上に移動することが可能となる。同様に、第2ガイドレール部材64に保持されている状態で、第2ガイドレール部材64の他端64b(Y1方向端部)が第1ガイドレール部材63の他方に接続された場合、走行部7は、第2ガイドレール部材64上から他方の第1ガイドレール部材63上に移動することが可能となる。
【0078】
第2ガイドレール部材64には、X方向から見て、扇形状を有する接続部64cが内周側から一体的に設けられている。接続部64cは、内周側の端部で中心軸部材91に固定的に取り付けられている。したがって、第2ガイドレール部材64は、中心軸部材91が回動した場合に、接続部64cを介して中心軸部材91と一体的に回動する。
【0079】
第1ガイドレール部材63と同様に、第2ガイドレール部材64には、走行部7の後述する駆動モータ72に取り付けられたピニオンギア72aに噛み合う湾曲したラックLaが設けられている。ラックLaは、第1ガイドレール部材63と相似形状を有しており、第1ガイドレール部材63に沿って配置されている。
【0080】
〈第2ガイドレール部材移動機構の構成〉
【0081】
第2ガイドレール部材移動機構9は、第2ガイドレール部材64に接続部64cを介して設けられている。第2ガイドレール部材移動機構9は、第1ガイドレール部材63に対して第2ガイドレール部材64を掘進方向(X1方向)と略直交する方向に移動させるように構成されている。
【0082】
第2ガイドレール部材移動機構9は、X方向に延びる中心軸部材91と、駆動モータ92と、中心軸部材91に駆動モータ92の駆動力を伝達するウォームギア93とを含んでいる。
【0083】
中心軸部材91は、ウォームギア93に噛み合うウォームホイールとしての機能を有している。中心軸部材91は、X1方向の端部でガイドレール支持部61に回動可能に支持されている。中心軸部材91のX2方向の端部には、接続部64cが固定されている。
【0084】
ウォームギア93および駆動モータ92は、中心軸部材91を挟み込むように中心軸部材91の両側に一対設けられている。
【0085】
第2ガイドレール部材移動機構9は、駆動モータ92を正転および逆転させることより、ウォームギア93および中心軸部材91を介して、第2ガイドレール部材64を一方の第1ガイドレール部材63側および他方の第1ガイドレール部材63側に移動(回動)させるように構成されている。
【0086】
なお、第2ガイドレール部材移動機構9は、走行部7を保持している第2ガイドレール部材64を回動させるように構成されていている。走行部7は、第2ガイドレール部材移動機構9に移動される際、第2ガイドレール部材64に対して第2ガイドレール部材64の中間位置に配置される。なお、第2ガイドレール部材移動機構9は、走行部7を保持していない第2ガイドレール部材64も回動可能に構成されている。
【0087】
〈走行部の構成〉
図2に示すように、走行部7は、ガイドレール62の周状の走行軌道上を走行するように構成されている。なお、走行部7の走行軌道は、掘進方向に略直交する方向に延びる楕円形状を有している。
【0088】
走行部7は、セグメントSGの把持部71と、駆動モータ72と、把持部71により把持しているセグメントSGの姿勢を微調整可能な傾き調整部73および位置調整部74とを含んでいる。
【0089】
また、走行部7は、ガイドレール62に直接支持される第1フレーム75と、位置調整部74により第1フレーム75に対して、前後方向に移動される第2フレーム76とを含んでいる。なお、把持部71および傾き調整部73は、ともに、第2フレーム76に設けられている。
【0090】
把持部71は、前後方向(X方向)において、ガイドレール62の略中間位置に1つのみ設けられている。また、把持部71は、トンネルの内周面に対向する位置に設けられている。すなわち、把持部71は、前後方向(X方向)から見て、走行部7の外周側の端部付近に設けられている。
【0091】
ここで、図6に示すように、第1実施形態で用いられるセグメントSGには、吊り金具K1を取り付けるためのホールSG0が内周面の中心に1つ設けられている。把持部71は、固定金具K2により吊り金具K1に固定されることによって、セグメントSGを把持するように構成されている。なお、固定金具K2は、手作業により把持部71に取り付けられる。
【0092】
図2に戻り、走行部7は、把持部71によりセグメントSGを把持する際に、ガイドレール62の下端(初期位置)に配置される。そして、フィーダー(図示せず)により、走行部7の直下にセグメントSGが搬送され、セグメントSGが把持されたら、フィーダーが退避する。なお、初期位置に走行部7を配置する場合、ガイドレール62は、坑内の上方側に配置される。
【0093】
駆動モータ72は、ガイドレール62に沿った方向に2つ設けられている。駆動モータ72には、ピニオンギア72aが回転可能に取り付けられている。
【0094】
ピニオンギア72aは、ガイドレール支持部61の環状のラックLaに外周側から噛み合っている。駆動モータ72は、ピニオンギア72aを回転させることにより、ガイドレール62に沿った方向に走行部7を移動させるように構成されている。
【0095】
傾き調整部73は、把持部71により把持しているセグメントSGの傾きを微調整するように構成されている。なお、傾き調整部73は、セグメントSGの傾きの微調整を、ガイドレール62上を走行する走行部7の走行順、および、ガイドレール支持部移動機構3のガイドレール62を移動させる順番にかかわらず、いかなる段階でも行うことが可能なように構成されている。
【0096】
傾き調整部73は、把持部71を取り囲むように、把持部71の周りに設けられた4つのジャッキ73aを有している(図6参照)。4つのジャッキ73aは、各々、セグメントSGのホールSG0(図6参照)の周りに先端が当接するように構成されている。そして、傾き調整部73は、4つのジャッキ73aの各長さを調整することにより、ホールSG0を中心とするセグメントSGの傾きを調整するように構成されている。すなわち、傾き調整部73は、セグメントSGのピッチングおよびヨーイングを調整可能に構成されている。
【0097】
位置調整部74は、把持部71により把持しているセグメントSGの掘進方向の位置を微調整するように構成されている。なお、位置調整部74は、セグメントSGの掘進方向の位置の微調整を、ガイドレール62上を走行する走行部7の走行順、および、ガイドレール支持部移動機構3のガイドレール62を移動させる順番にかかわらず、いかなる段階でも行うことが可能なように構成されている。
【0098】
前後方向において、第2フレーム76は、第1フレーム75と僅かな隙間を隔てて、第1フレーム75に挟まれるように配置されている。位置調整部74は、この隙間(第2フレーム76と第1フレーム75との間の僅かな隙間)の分だけ、把持部71(第1フレーム75)を移動させるように構成されている。具体的には、第2フレーム76は、図3に示す範囲L内で前後方向(X方向)に移動するように構成されている。
【0099】
なお、位置調整部74は、第2フレーム76の移動をガイドする、ガイド軸74aと、第2フレーム76の駆動させるジャッキ74bとを有している。
【0100】
(駆動制御部の構成)
図3に示す駆動制御部8は、セグメント組立装置2の駆動を制御するように構成されている。具体的には、駆動制御部8は、昇降ジャッキ31aおよび横行ジャッキ32aの油圧駆動部(図示せず)に駆動信号を送信して昇降ジャッキ31aおよび横行ジャッキ32aを駆動させるように構成されている。また、駆動制御部8は、傾き調整部73および位置調整部74の駆動を制御するように構成されている。また、駆動制御部8は、駆動モータ72を駆動させて走行部7の走行を制御するように構成されている。また、駆動制御部8は、第2ガイドレール部材移動機構9の駆動を制御するように構成されている。
【0101】
(セグメントの組立動作)
次に、図7および図8を参照して、セグメントSGの組立動作について説明する。なお、セグメントSGは、原則、下方側から上方側に順に積み上げる形で組み立てられる。そして、最後に、キーセグメントKSGを組み付けることで1つのセグメントリングが完成する。以下では、左右方向の所定の設置位置に1つのセグメントSGを設置する場合、および、上下方向の所定の設置位置に1つのセグメントSGを設置する場合について順に説明する。
【0102】
左右方向の所定の設置位置に1つのセグメントSGを設置する場合について説明する。まず、図7(A)に示すように、ガイドレール支持部61を坑内の上方側に配置するとともに、走行部7をガイドレール支持部61の下端(初期位置)に配置して、把持部71によりセグメントSGを把持する。この際、走行部7は、下方側(Z2方向側)の第2ガイドレール部材64上にある。
【0103】
そして、図7(B)に示すように、セグメントSGを左右方向の一方側(Y2方向側)に位置する所定の設置位置に移動させる場合、ガイドレール支持部移動機構3(図3参照)により、ガイドレール62を左右方向の他方側(Y1方向側)に移動(退避)させる。
【0104】
また、第2ガイドレール部材移動機構9により下方側の第2ガイドレール部材64を回動させて、第1ガイドレール部材63に接続する。すなわち、走行部7が第2ガイドレール部材64から第1ガイドレール部材63に移動可能なように、第2ガイドレール部材64と第1ガイドレール部材63とを連続させる。そして、二点鎖線で示すように、走行部7をセグメントSGの設置位置に対向する位置に移動させる。
【0105】
さらに、図7(C)に示すように、走行部7を左右方向の一方側に移動させた状態で、ガイドレール支持部移動機構3により、把持部71に把持されているセグメントSGが設置位置に移動するように、ガイドレール支持部61を移動させる。
【0106】
次に、上下方向の所定の設置位置に1つのセグメントSGを設置する場合について説明する。まず、図7(A)に示すように、初期位置で把持部71によりセグメントSGを把持する。
【0107】
そして、図8(A)に示すように、セグメントSGを上方に位置する所定の設置位置に移動させる場合、ガイドレール支持部移動機構3(図3参照)により、ガイドレール62を左右方向の一方側に移動(退避)させるとともに、上方に走行部7を配置可能なように、ガイドレール支持部61を移動させて上方にスペースを確保する。
【0108】
そして、二点鎖線で示すように、走行部7を第1ガイドレール部材63から上方側の第2ガイドレール部材64上に移動させる。
【0109】
そして、図8(B)に示すように、第2ガイドレール部材移動機構9により上方側の第2ガイドレール部材64を回動させて、走行部7をセグメントSGの設置位置に対向する位置に移動させる。
【0110】
さらに、図8(C)に示すように、走行部7を上方に移動させた状態で、ガイドレール支持部移動機構3により、把持部71に把持されているセグメントSGが設置位置に移動するように、ガイドレール支持部61を移動させる。
【0111】
なお、セグメントSGの設置前の所定段階で、傾き調整部73および位置調整部74により、把持しているセグメントSGの姿勢(傾きおよび掘進方向の位置)が微調整される。
【0112】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0113】
第1実施形態では、上記のように、第1ガイドレール部材63と、第1ガイドレール部材63から離間する位置と第1ガイドレール部材63に接続される位置との間で、掘進方向と略直交する方向に移動可能な第2ガイドレール部材64とを設ける。これにより、第1ガイドレール部材63に対して、第2ガイドレール部材64(走行部7を保持する第2ガイドレール部材64)を移動させることができるので、比較的曲率が小さいトンネルの内周側であっても、走行部7を直接移動(走行)させることなく、走行部7を保持する第2ガイドレール部材64を移動させることにより、セグメントSGを設置することができる。したがって、従来のように曲率の小さな(急カーブの)固定的なガイドレール62上で走行部7を走行させる場合と比較して、トンネル内において走行部7を円滑に移動させることができる。
【0114】
第1実施形態では、上記のように、第2ガイドレール部材64に設けられ、第1ガイドレール部材63に対して第2ガイドレール部材64を掘進方向と略直交する方向に移動させる第2ガイドレール部材移動機構9をさらに備える。これにより、セグメント組立装置2が備える構成(第2ガイドレール部材移動機構9)によって、第1ガイドレール部材63に対して第2ガイドレール部材64を移動させて、トンネル内において走行部7を円滑に移動させることを実現することができる。
【0115】
第1実施形態では、上記のように、第1ガイドレール部材63は、掘進方向と略直交する方向に離間して、一対設けられており、第2ガイドレール部材64は、一端64aが第1ガイドレール部材63の一方に接続される位置と、他端64bが第1ガイドレール部材63の他方に接続される位置との間を、回動により移動するように構成されている。これにより、回動によって、第2ガイドレール部材64が延びる方向を容易に変えることができるので、一方の第1ガイドレール部材63および他方の第1ガイドレール部材63の両方に滑らかに接続される位置に、第2ガイドレール部材64を移動させることができる。
【0116】
第1実施形態では、上記のように、第2ガイドレール部材64は、回動により移動するように構成されており、トンネルの掘進方向と直交する断面が非円形形状である場合において、第1ガイドレール部材63は、トンネル断面Cの長手方向に沿って配置され、第2ガイドレール部材64は、トンネル断面Cの短手方向に沿って、回動により移動するように構成されている。これにより、トンネルの比較的曲率が小さい部分の内周側において、トンネルの内周面に沿って、かつ、トンネルの内周面との距離を保ちながら第2ガイドレール部材64の回動により第2ガイドレール部材64に保持された走行部7を容易に移動させることができる。
【0117】
第1実施形態では、上記のように、第1ガイドレール部材63および第2ガイドレール部材64の両方を支持するガイドレール支持部61と、掘進方向と略直交する方向に、ガイドレール支持部61を移動させるガイドレール支持部移動機構3とをさらに備える。これにより、ガイドレール支持部移動機構3によって、ガイドレール支持部61を介して、ガイドレール62全体を移動させることができるので、走行部7の把持部71により把持しているセグメントSGを設置位置に移動させる機構を走行部7自体に設けることなく、ガイドレール62自体の移動によりセグメントSGを設置位置に移動させることができる。したがって、セグメントSGを設置位置に移動させるための機構を走行部7自体に設けない分だけ、ガイドレール62上を走行する走行部7の大型化および構造の複雑化を抑制することができる。
【0118】
[第2実施形態]
次に、図9図11を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第2ガイドレール部材64を回動により移動させた上記第1実施形態とは異なり、第2ガイドレール部材264を直線状に移動させる例について説明する。
【0119】
図9に示すように、第2実施形態のセグメント組立装置202は、被移動部206を備えている。なお、セグメント組立装置202は、被移動部206以外の構成については、上記第1実施形態と同様であるため説明および図示を省略する。
【0120】
被移動部206は、ガイドレール支持部61と、一対の第1ガイドレール部材263と、一対の第2ガイドレール部材264と、把持部71を含む走行部7と、第2ガイドレール部材移動機構209とを備えている。
【0121】
第1ガイドレール部材263および第2ガイドレール部材264は、ともに、約90度の円弧形状を有している。第1ガイドレール部材263と、第2ガイドレール部材264とは、略同一の形状を有している。
【0122】
一方の第1ガイドレール部材263は、ガイドレール支持部61の上端に固定されている。この上端の第1ガイドレール部材263は、上方に突出するように湾曲している。他方の第1ガイドレール部材263は、ガイドレール支持部61の下端に固定されている。この下端の第1ガイドレール部材263は、下方に突出するように湾曲している。
【0123】
上端の第1ガイドレール部材263と下端の第1ガイドレール部材263とは、上下方向に所定距離離間して配置されている。所定距離とは、少なくとも、配線類・配管類Caおよび排土装置Hを、一対の第1ガイドレール部材263の間に配置することが可能な距離である。
【0124】
第2ガイドレール部材264は、一対の第1ガイドレール部材263の間に配置されている。第2ガイドレール部材264は、上端が上側の第1ガイドレール部材263に接続される位置と、下端が下側の第1ガイドレール部材263に接続される位置と、一対の第1ガイドレール部材263の両方から離間した位置との間で移動可能に構成されている。すなわち、第2ガイドレール部材264は、一対の第1ガイドレール部材263の間で、上下方向に移動可能に構成されている。
【0125】
第2ガイドレール部材移動機構209は、上下方向に延びるジャッキ209aと、上下方向に延びるガイド部材209bとにより構成されている。すなわち、ガイド部材209bは、上下方向に直線状に延びる直線ガイド部材である。ジャッキ209aとガイド部材209bとは、横並びで(隣接して)配置されている。ジャッキ209aは、第2ガイドレール部材264をガイドレール支持部61に対して上下方向に直線状に移動させるように構成されている。また、ガイド部材209bは、ジャッキ209aにより第2ガイドレール部材264を上下方向に移動させる際に、第2ガイドレール部材264の移動をガイドするように構成されている。
【0126】
なお、第1ガイドレール部材263および第2ガイドレール部材264は、ガイドレール支持部移動機構3(図3参照)のみにより左右方向(Y方向)および上下方向(Z方向)に移動される。
【0127】
(セグメントの組立動作)
次に、図9図11を参照して、セグメントSGの組立動作について説明する。
【0128】
下方の所定の設置位置に1つのセグメントSGを設置する場合について説明する。まず、図9に示すように、ガイドレール支持部61を坑内の上方側に配置するとともに、走行部7をガイドレール支持部61の下端(初期位置)に配置して、把持部71によりセグメントSGを把持する。この際、走行部7は、下方側(Z2方向側)の第1ガイドレール部材263上にある。また、上下方向において、一対の第2ガイドレール部材264は、一対の第1ガイドレール部材263の中間の高さ位置に配置されている。
【0129】
そして、図10(A)に示すように、一対の第2ガイドレール部材264を、第2ガイドレール部材移動機構209により下方に移動して、下方側の第1ガイドレール部材263に接続させる。また、走行部7をセグメントSGの設置位置に対向する位置に移動させる。
【0130】
さらに、図10(B)に示すように、ガイドレール支持部移動機構3(図3参照)により、把持部71に把持されているセグメントSGが設置位置に移動するように、ガイドレール支持部61を移動させる。
【0131】
次に、左右方向の所定の設置位置に1つのセグメントSGを設置する場合について説明する。まず、図9に示すように、初期位置において、把持部71によりセグメントSGを把持する。
【0132】
そして、図11(A)に二点鎖線で示すように、走行部7を、第1ガイドレール部材263から第2ガイドレール部材264に移動させて、セグメントSGの設置位置に対向する位置に移動させる。
【0133】
さらに、図11(B)に示すように、走行部7を左右方向の一方側に移動させた状態で、ガイドレール支持部移動機構3(図3参照)により、把持部71に把持されているセグメントSGが設置位置に移動するように、ガイドレール支持部61を移動させる。
【0134】
なお、セグメントSGの設置前の所定段階で、傾き調整部73および位置調整部74により、把持しているセグメントSGの姿勢(傾きおよび掘進方向の位置)が微調整される。
【0135】
次に、上方の所定の設置位置に1つのセグメントSGを設置する場合について説明する。まず、図9に示すように、ガイドレール支持部61を坑内の上方側に配置するとともに、走行部7をガイドレール支持部61の下端(初期位置)に配置して、把持部71によりセグメントSGを把持する。この際、走行部7は、下方側(Z2方向側)の第1ガイドレール部材263上にある。また、上下方向において、一対の第2ガイドレール部材264は、一対の第1ガイドレール部材263の中間の高さ位置に配置されている。
【0136】
その状態から、第2ガイドレール部材264を下方に移動させ、下方側の第1ガイドレール部材263に接続させる。そして、図12(A)に二点鎖線で示すように、走行部7を、第1ガイドレール部材263から第2ガイドレール部材264に移動させる。
【0137】
そして、図12(B)に示すように、第2ガイドレール部材264を走行部7とともに上方に移動させる。なお、図12(B)は、第2ガイドレール部材264が、上方および下方の第1ガイドレール部材263の略中間位置を通過して上方に移動する途中の状態を示している。
【0138】
そして、図12(C)に示すように、上方の第1ガイドレール部材263に、第2ガイドレール部材264を下方から接続させて、二点鎖線で示すように、走行部7をセグメントSGの設置位置に対向する位置に移動させる。
【0139】
さらに、図12(D)に示すように、ガイドレール支持部移動機構3(図3参照)により、把持部71に把持されているセグメントSGが設置位置に移動するように、ガイドレール支持部61を移動させる。
【0140】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0141】
第2実施形態では、上記のように、第1ガイドレール部材263と、第1ガイドレール部材263から離間する位置と第1ガイドレール部材263に接続される位置との間で、掘進方向と略直交する方向に移動可能な第2ガイドレール部材264とを設ける。これにより、上記第1実施形態と同様に、トンネル内において走行部7を円滑に移動させることができる。また、曲率が変化しないようにガイドレール62を形成することができる(第1ガイドレール部材263と第2ガイドレール部材264との曲率を合わせることができる)ので、曲率の変わらないガイドレール62上において、走行部7を安定した状態で円滑に走行させることができる。
【0142】
第2実施形態では、上記のように、第1ガイドレール部材263は、掘進方向と略直交する方向に離間して、一対設けられており、第2ガイドレール部材264は、一端(Z1方向端部)が第1ガイドレール部材263の一方に接続される位置と、他端(Z2方向端部)が第1ガイドレール部材263の他方に接続される位置との間を、直線状に移動するように構成されている。これにより、トンネルが所定方向に長い異形断面であっても、第2ガイドレール部材264を所定方向に直線状に移動させて、セグメントSGを確実に設置することができる。
【0143】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0144】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、泥土圧式シールド掘進機に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明を、泥水式シールド掘進機に適用してもよい。
【0145】
また、上記第2実施形態では、第1ガイドレール部材を、ガイドレール支持部に固定した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ガイドレール部材を、ガイドレール支持部に対して移動可能に取り付けてもよい。この場合、たとえば、第1ガイドレール部材をジャッキやモータにより、ガイドレール支持部から上下方向に離間する方向に移動させるように構成してもよい。
【0146】
また、上記第1および第2実施形態では、ジャッキを利用して、ガイドレール支持部を移動させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、モータによりガイドレール支持部を移動させてもよい。
【0147】
また、上記第1および第2実施形態では、掘進方向と直交する断面が概して楕円形状のトンネルを掘進するシールド掘進機の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、掘進方向と直交する断面が概して矩形形状のトンネルを掘進するシールド掘進機であってもよい。また、掘進方向と直交する断面が円形状のトンネルを掘進するシールド掘進機であってもよい。
【0148】
また、上記実施形態では、走行部に、傾き調整部および位置調整部を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、走行部に、傾き調整部および位置調整部を設けなくてもよい。
【0149】
また、上記第1および第2実施形態では、本発明を密閉型(チャンバを形成する隔壁を備えるタイプ)のシールド掘進機に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明を開放型(チャンバを形成する隔壁を備えないタイプ)のシールド掘進機に適用してもよい。
【0150】
また、上記第1および第2実施形態では、配線類・配管類および排土装置とセグメント組立装置とが接触しないように、ガイドレール支持部の貫通穴に、配線類・配管類および排土装置が通った状態で、ガイドレール支持部を移動させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ガイドレール支持部を移動させる際に、配線類・配管類および排土装置とセグメント組立装置とが干渉してもよい。但し、この際の「干渉する」とは、配線類・配管類および排土装置が破損したり、その機能を阻害するような影響を及ぼす程度のものではない。
【0151】
また、上記第1および第2実施形態では、配線類・配管類および排土装置を、本体部に対して固定した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、配線類・配管類および排土装置を、本体部に対して移動可能に構成してもよい。これにより、配線類・配管類および排土装置とセグメント組立装置との接触を積極的に回避することができるとともに、被移動部をより大きく移動させることができる。
【0152】
また、上記第1実施形態では、第2ガイドレール部材移動機構が、駆動源として駆動モータを備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2ガイドレール部材移動機構が、駆動モータに代えて駆動源としてジャッキなどを備えていてもよい。
【0153】
また、上記第2実施形態では、第1ガイドレール部材と第2ガイドレール部材とを、略同一の形状とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ガイドレール部材と第2ガイドレール部材とを、異なる形状としてもよい。
【符号の説明】
【0154】
1 本体部
2、202 セグメント組立装置
3 ガイドレール支持部移動機構
7 走行部
9 第2ガイドレール部材移動機構
11 カッタヘッド
61 ガイドレール支持部
62 ガイドレール
63、263 第1ガイドレール部材
64、264 第2ガイドレール部材
64a 一端
64b 他端
71 把持部
100 シールド掘進機
H 排土装置
SG セグメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12