(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/633 20060101AFI20220630BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
H01R13/633
H01R13/639 Z
(21)【出願番号】P 2020154836
(22)【出願日】2020-09-15
【審査請求日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】バールモント アーナウド
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-290923(JP,A)
【文献】国際公開第2007/059798(WO,A1)
【文献】特開平9-320690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/627 - 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象物(14)に取り外し可能に接続可能なコネクタ(10)であって、
前記コネクタ(10)を前記接続対象物(14)にロックするために、前記接続対象物(14)に係合可能に構成されたロックラッチ(27)をそれぞれ備え、前記ロックラッチ(27)が前記接続対象物(14)から解放される解放位置へ、互いに反対の方向に沿って作動可能な一対のロック部材(25,26)と、
外部からアクセスされて第1の方向に押圧され、前記一対のロック部材(25,26)を前記解放位置へ作動させる一つのプッシュボタン(4)と、
前記プッシュボタン(4)に加えられる押圧力を変換させて前記ロック部材の一方(25)を前記第1の方向に移動させ、前記ロック部材の他方(26)を前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動させる変換手段(43,5,48)と、
を備え
、
前記変換手段(43,5,48)は、前記コネクタ(10)のハウジング(3)に設けられ、前記プッシュボタン(4)と一体に形成されて前記ハウジング(3)の内面を前記第1の方向及び前記第2の方向へ摺動可能に構成された摺動部(42)と、前記プッシュボタン(4)と別に形成されて前記ハウジング(3)の内面を摺動することにより前記ハウジング(3)に組付けられる揺動部(5)と、を備え、
前記揺動部(5)は、前記摺動部(42)を介して変換された押圧力を受けるように形成された受け端部(51)を備え、受け端部(51)が押圧方向に沿って作動されて回転することで、前記ロック部材の他方(26)を前記第2の方向に移動させることを特徴とするコネクタ(10)。
【請求項2】
接続対象物(14)に取り外し可能に接続可能なコネクタ(10)であって、
前記コネクタ(10)を前記接続対象物(14)にロックするために、前記接続対象物(14)に係合可能に構成されたロックラッチ(27)をそれぞれ備え、前記ロックラッチ(27)が前記接続対象物(14)から解放される解放位置へ、互いに反対の方向に沿って作動可能な一対のロック部材(25,26)と、
外部からアクセスされて第1の方向に押圧され、前記一対のロック部材(25,26)を前記解放位置へ作動させる一つのプッシュボタン(4)と、
前記プッシュボタン(4)に加えられる押圧力を変換させて前記ロック部材の一方(25)を前記第1の方向に移動させ、前記ロック部材の他方(26)を前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動させる変換手段(43,5,48)と、
を備え、
前記変換手段(43,5,48)は、前記コネクタ(10)のハウジング(3)に設けられ、前記プッシュボタン(4)と一体に形成されて前記ハウジング(3)の内面を前記第1の方向及び前記第2の方向へ摺動可能に構成された摺動部(42)と、前記プッシュボタン(4)と別に形成されて前記ハウジング(3)の内面を摺動することにより前記ハウジング(3)に組付けられる揺動部(5)と、を備え、
前記揺動部(5)は、前記摺動部(42)を介して変換された押圧力を受けるように形成されたヒンジ部を備え、該ヒンジ部が押圧方向に沿って作動されて回転することで、前記ロック部材の他方(26)を前記第2の方向に移動させることを特徴とするコネクタ(10)。
【請求項3】
前記ハウジング(3)は、前記摺動部(42)を前記第1の方向及び前記第2の方向へガイドするガイド手段(34,35,45,46)を備えることを特徴とする請求項
1又は2に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続対象物に取り外し可能に接続可能なコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
EP3422488は、ロック手段を備えるコネクタを開示している。ロック手段によってコネクタを接続対象物に取り外し可能に接続することができる。ロック手段は、接続対象物に形成された貫通孔に係合可能な一対のロック部材を含む。コネクタを接続対象物から取り外すために、使用者は、一般的には、2本の指で、コネクタの互いに反対の側に設けられた一対のプッシュボタンを押す。プッシュボタンが押されると、プッシュボタンは対応するロック部材に当接し、これによりロック部材が変形して、やがてロック部材と接続対象物との係合が外れる。
【0003】
この種類のロック手段を備えるコネクタは、必要時にはいつでもコネクタの容易な取り外しが可能である一方で、使用中にはコネクタと接続対象物との接続が確実に維持されることが確保されるので、有用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、EP3422488のコネクタは、使用者がプッシュボタンを押す際に指を置くため、プッシュボタンの周囲に空間を必要とするので、コネクタの配置の点で制限がある。例えば、これらのコネクタが2列以上に配列され、隣接するコネクタのプッシュボタンが互いに対向する場合、隣接するコネクタ間に十分な空間が必要になる。また、この種類のコネクタは、プッシュボタンの周囲に利用可能な空間がまったくないか或いはほとんどないので、プッシュボタンが底壁や他の壁に直接設置された場合には適さない。
【0005】
上記に鑑み、本発明は、コネクタの柔軟な配置を可能とする解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、添付の請求項1及び対応する従属請求項に定義されるコネクタが提供される。
【0007】
具体的には、接続対象物に取り外し可能に接続可能なコネクタが提供され、前記コネクタを前記接続対象物にロックするために、前記接続対象物に係合可能に構成されたロックラッチをそれぞれ備え、前記ロックラッチが前記接続対象物から解放される解放位置へ、互いに反対の方向に沿って作動可能な一対のロック部材を備える。前記コネクタは、さらに、外部からアクセスされて第1の方向に押圧され、前記一対のロック部材を前記解放位置へ作動させる一つのプッシュボタンと、前記プッシュボタンに加えられる押圧力を変換させて前記ロック部材の一方を前記第1の方向に移動させ、前記ロック部材の他方を前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動させる変換手段と、を備える。
【0008】
前記変換手段は、回転可能に構成された揺動部を備えてもよい。
【0009】
前記変換手段は、ヒンジ部を備えてもよい。
【0010】
前記変換手段は、前記変換手段が弾性的に変形可能な弾性部を備えてもよい。
【0011】
前記変換手段は、前記コネクタのハウジングに設けられ、前記変換手段は、前記ハウジングの内面を前記第1の方向及び前記第2の方向へ摺動可能に構成された摺動部を備えてもよい。
【0012】
前記摺動部は、前記プッシュボタンと一体に形成されてもよい。
【0013】
前記ハウジングは、前記摺動部を前記第1の方向及び前記第2の方向へガイドするガイド手段を備えてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コネクタを接続対象物から離脱させる際に、一対のロック部材をそれぞれの解放位置に移動させるために、一つのプッシュボタンのみを必要とする。このため、一つのプッシュボタンの周囲に空間を設けるのみでよく、コネクタの配置により高い自由度を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施形態は、以下の添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】実施形態に係るコネクタを示す斜視図である。
【
図2A】一方の側から、第1の実施形態に係るコネクタを示す分解斜視図である。
【
図2B】
図2Aとは反対の側から、第1の実施形態に係るコネクタを示す分解斜視図である。
【
図3】
図1のコネクタが接続可能な接続対象物を示す斜視図である。
【
図5】コネクタのプッシュボタン、ロック部材及び揺動部を示す図である。
【
図7A】プッシュボタンが組付けられるハウジングを示す図である。
【
図7B】
図5のプッシュボタン及び揺動部をハウジング部と共に示す図である。
【
図8】プッシュボタン及び揺動部を示す断面図である。
【
図11】第2の実施形態に係るプッシュボタンを示す図である。
【
図12】第2の実施形態に係る揺動部を示す図である。
【
図13A】
図10Aに対応して、第2の実施形態に係るコネクタを示す断面図である。
【
図13B】
図10Bに対応して、第2の実施形態に係るコネクタを示す断面図である。
【
図13C】
図10Cに対応して、第2の実施形態に係るコネクタを示す断面図である。
【
図14】第3の実施形態に係るプッシュボタンを示す図である。
【
図15】
図8に対応して、ハウジング部に組付けられた
図14のプッシュボタンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~
図2Bは、第1の実施形態に係るコネクタ10を示している。この実施形態において、コネクタ10は、ケーブルコネクタとして構成され、
図1に示されるように、ケーブル12が接続可能である。コネクタ10は、コネクタモジュール2、ハウジング3、及びプッシュボタン4を含んでいる。
【0017】
コネクタモジュール2は、絶縁体として作用するハウジング3によって一般的に覆われている。ハウジング3は、共に組み立てられる第1ハウジング部31及び第2ハウジング部32によって形成されている。コネクタモジュール2それ自体は、一般には、内部に配置された様々な電気部品を保護するため、金属ケーシング状に形成されている。コネクタモジュール2は、接続対象物に嵌め込まれ、例えば、コネクタ10と接続対象物との間に、電気的又は光学的及び機械的な接続を構築する。
【0018】
コネクタモジュール2は、接続対象物からの意図しない離脱を防止するために、コネクタ10を接続対象物に固定するロック手段を備えている。
【0019】
コネクタモジュール2は、本体21、接続先端部22、及びケーブル受け部23を含んでいる。接続先端部22は、本体21からケーブル受け部23とは反対側へ延びている。
【0020】
接続対象物14の一例が
図3に示されている。接続対象物14は、例えば、回路基板16に実装される基板コネクタとして構成される。接続対象物14は、コネクタ10の接続先端部22を受け入れる凸部141を有している。接触素子142は、凸部141に設けられている。接触素子142は、接続先端部22の対応する凹部24により受け入れられる。コネクタ10の接続先端部22が、接続対象物14の凸部141の所定の位置に挿入されて配置されると、電気的又は光学的な接続が構築される。
【0021】
接続対象物14はまた、コネクタモジュール2の対応するロック部材25とともにロック手段として作用するロック開口143を有している。ロック開口143は、接続対象物14の外層に形成されている。
図3には表れていないが、他のロック開口が、ロック開口143とは反対側に形成され、コネクタモジュール2のロック部材26と相互に作用する。
【0022】
この実施形態において、コネクタ10及び接続対象物14は、それぞれケーブルコネクタ及び基板コネクタとして示されている。しかし、本発明は、これらの特別な構成に限定されるものではない。例えば、コネクタ10は、基板コネクタ又は他の公知なタイプのコネクタとして構成されてもよい。同様に、接続対象物14は、ケーブルコネクタ又は他の公知なタイプのコネクタとして構成されてもよい。
【0023】
図2A及び
図2Bを参照すると、ロック部材25及び26は、コネクタモジュール2の互いに反対側に沿って延びている。
図4は、ロック部材25,26の側面図を示している。ロック部材25及び26は互いに同じであるので、同じ説明がロック部材のいずれにも適用される。ロック部材25,26は、コネクタモジュール2の本体21に接続される基端251を有する長い部材である。ロック部材25,26は、段部254によって接続される主体部252及び先端部253を含んでいる。
【0024】
組み立てられた状態において、主体部252は、基端251からコネクタモジュール2の本体21に沿って、本体21から離間して延びている。先端部253は、接続先端部22に沿って接続先端部22の内側に延びている。先端部253は、接続先端部22によって覆われ、外側から視認できない(例えば、
図2A及び
図2B参照)。段部254は主体部252と先端部253に対してほぼ直角に延びている。
【0025】
ロック部材25,26は、先端部253にロックラッチ27を備えている。ロックラッチ27は、先端部253から外方向に突出している。ロックラッチ27は、接続先端部22から開口を通って突き出るように構成され、接続対象物14、特にロック開口143と係合可能に構成されている。ロックラッチ27は、先端に向かう先細形状を有し、接続先端部22が接続対象物14の凸部141へ挿入しやすいようになっている。
【0026】
ロック部材25及び26は、好ましくは、ロック部材25及び26の先端部253が接続先端部22の対応する内面に対して付勢されるように設けられている。あるいは言い換えると、ロック部材25及び26は、ロックラッチ27がロック開口143に係合するロック位置を維持するように付勢される。
【0027】
プッシュボタン4は、外部からアクセス可能に構成され、使用者によって押される。
図1から分かるように、プッシュボタン4は、ハウジング3から突出する操作部41を含んでいる。
【0028】
図5を参照すると、プッシュボタン4はまた、摺動部42、作動部43、及び当接部44を含んでいる。摺動部42は、操作部41が押される方向と同じ方向(以降、「押圧方向」と言う)に、ハウジング3の内面に対して摺動可能に構成されている。摺動部42に対応して、第2ハウジング部32には肉薄部33が形成され、摺動部42を摺動可能に保持する(例えば、
図7A参照)。
【0029】
作動部43は、操作部41の直下に設けられ、ロック部材25に対向している。作動部43は、ロック部材25に作用して、プッシュボタン4が押し下げられた時に、操作部41に加えられた押圧力をロック部材25に変換する。
【0030】
プッシュボタン4は、ガイド及びロック穴45及び/又はガイド片46を備えていてもよい。
図7Bに示されているように、ガイド孔45は、第2ハウジング部32に形成されたガイドペグ34を摺動可能に受け入れるように構成されている。ガイド片46は、第2ハウジング部32に形成された他のガイドペグ35と相互に関連するように構成されている。ガイド片46はまた、押圧方向に対して傾斜して延びて第2ハウジング部32に摺動可能に嵌め込まれる傾斜部461を有してもよい。部材のこれらの組合せは、押圧方向に沿ってプッシュボタン4をガイド又はプッシュボタンの4の動きを規制するガイド手段として作用する。プッシュボタン4はまた、押圧方向と反対の方向へ移動可能であって、押す力がプッシュボタン4に加えられるのを停止した時に初期位置に戻される。
【0031】
図8から分かるように、当接部44は、揺動部5の受け端部51に対向するように設けられている。揺動部5は、プッシュボタン4とは別に形成され、プッシュボタン4に加えられて摺動部42を介して変換された押圧力を受け端部51で受けるように形成されている。受け端部51には、当接部44に形成されたノッチによって受け入れられる突起511が形成されていてもよい。この突起511は、押圧方向に対して、プッシュボタン4と揺動部5との間を整列させるのを促進させる。
【0032】
揺動部5はまた、作動部52と、作動部52の反対側に設けられる当接片521と、を含んでいる。作動部52は、ロック部材25とは反対側に配置されたロック部材26に対向するように位置決めされている。当接片521は、第2ハウジング部32に形成された対応する凹部36に当接するように構成されている。また、作動部52は、第2ハウジング部32の制限段部37によって位置決めされている。当接片521、凹部36、作動部52、及び制限段部37の組合せによって、揺動部5は、第2ハウジング部32の内面を摺動することにより、第2ハウジング部32に組付けられる。
【0033】
図10A~10Cを参照して、ロック部材25及び26を解放位置に移動させる手順について説明する。
図10A~10Cはそれぞれ
図9のX-X断面図を示している。
【0034】
図10Aは、プッシュボタン4に押圧力が加わっていない状態を示している。この状態で、ロック部材25及び26はロック位置にあり、すなわち、ロックラッチ27がロック開口143に係合している。
【0035】
図10Bに示されているように、プッシュボタン4が押圧方向に押されると、プッシュボタン4の作動部43が作動され、ロック部材25を内側、すなわち、押圧方向に移動させる。また、摺動部42は第2ハウジング部32を押圧方向に摺動し、揺動部5の受け端部51を押し下げる。なお、揺動部5の変形は、第1ハウジング部31の反対側の内面から突出する制限突起38と共に、第2ハウジング部32の制限段部37によって防止される。
【0036】
制限段部37及び制限突起38の組合せによって揺動部5の動きが規制されるので、受け端部51が押圧方向に沿って作動されると、揺動部5は回転する。このように、プッシュボタン4の押圧方向への移動は、ロック部材26の押圧方向とは反対の方向への移動に変換される。一実施形態において、揺動部5は、受け端部51よりも作動部52に重心を持つように形成されている。この構成によって、揺動部5の回転が安定になり、その結果、受け端部51への押圧力が作動部52の内側への動きに安定的に変換される。
【0037】
プッシュボタン4がさらに押されてロック部材25及び26が互いに反対の方向に作動されると(
図10C参照)、ロック部材25及び26のロックラッチ27は、ロック開口143から離脱する。この状態で、コネクタ10は接続対象物14から離脱し、接続対象物14から引き離すことにより、接続対象物14から取り外すことができる。
【0038】
上記説明したコネクタ10によれば、コネクタ10の互いに反対側に設けられたロックラッチ27を接続対象物14から離脱させるために、一つのプッシュボタン4のみが必要とされる。この構成により、操作部41の反対側の周囲に空間を開ける必要がない。これは、特に、コネクタ10を設置するために使用できる空間が制限された場合に有利である。さらに、使用者は、接続を解除するために、一つのプッシュボタン4を押すことだけが必要であるから、取り外し操作が簡単になる。
【0039】
図11~
図13Cを参照して、第2実施形態に係るコネクタ10について説明する。
【0040】
この実施形態のコネクタは、上記のコネクタに対して、プッシュボタン4及び揺動部5の構成に関して異なっている。上記実施形態に関連して既に記載した共通の特徴は再度説明しない。
【0041】
図11は、この実施形態に係るプッシュボタン4を示している。プッシュボタン4は、当接部44の代わりに、摺動部42の端部に設けられた軸受け47を含んでいる。
【0042】
図12を参照すると、揺動部5は、受け端部51の代わりに軸53を含んでいる。
図13Aに示されているように、軸53はプッシュボタン4の軸受け47によって受け止められ、揺動部5が回転可能なヒンジ部を形成する。
【0043】
プッシュボタン4が押されると(
図13B)、摺動部42が第2ハウジング部32上を押圧方向に摺動する間、プッシュボタン4の作動部43が作動され、ロック部材2を内側又は押圧方向に移動させる。軸53と同様に軸受け47も押圧方向に作動される。揺動部5の動きは、ハウジング3の制限段部37と制限突起38によって規制されているので、プッシュボタン4がさらに押圧方向に移動すると、揺動部5が回転し、ロック部材26が内側又は押圧方向の反対方向に移動する。
【0044】
したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同じ技術的な利点が得られる。すなわち、コネクタ10を接続対象物14から離脱させるために、一つのプッシュボタン4のみが必要とされる。この構成により、操作部41の反対側の周囲に空間を確保する必要がない。さらに、取り外し操作が簡単である。
【0045】
図14及び15は、第3の実施形態に係るプッシュボタン4を示している。このプッシュボタン4は、第1及び第2の実施形態の構成と、揺動部5に対応する部材が存在しない点で異なっている。この実施形態では、プッシュボタン4は、その先端に、弾性部49によって摺動部42に接続された湾曲した作動部48を含んでいる。弾性部49は、複数のノッチを備え、容易に弾性変形しやすくなっている。
【0046】
第1及び第2の実施形態と同様に、湾曲した作動部48の動きが規制される。したがって、操作部41が使用者に押圧されて摺動部42が押圧方向へ作動されると、湾曲した作動部48は、弾性部49の弾性変形の結果として内側へ移動し、ロック部材26を解放位置へ移動させる。
【0047】
第1及び第2の実施形態と同様に、コネクタ10を接続対象物14から離脱させるために、一つのプッシュボタン4のみが必要とされる。このため、操作部41の反対側の周囲に空間が不要である。さらに、取り外し操作が簡単である。
【符号の説明】
【0048】
3 ハウジング
4 プッシュボタン
5 揺動部(変換手段)
10 コネクタ
14 接続対象物
25、26 ロック部材
27 ロックラッチ
34 ガイドペグ(ガイド手段)
35 ガイドペグ(ガイド手段)
42 摺動部
43 作動部(変換手段)
45 ガイド孔(ガイド手段)
46 ガイド片(ガイド手段)
47 軸受け(ヒンジ部)
48 湾曲した作動部(変換手段)
49 弾性部
53 軸(ヒンジ部)