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特許7097449フィルムおよびカプセル用のカラギーナンベースの組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】フィルムおよびカプセル用のカラギーナンベースの組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/36 20060101AFI20220630BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220630BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220630BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220630BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20220630BHJP
   A61K 9/66 20060101ALI20220630BHJP
   C08L 3/02 20060101ALI20220630BHJP
   C08L 1/08 20060101ALI20220630BHJP
   C08K 5/053 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
A61K47/36
A61K9/48
A61K47/10
A61K47/26
A61K9/70
A61K9/66
C08L3/02
C08L1/08
C08K5/053
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020537462
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2018084233
(87)【国際公開番号】W WO2019137717
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】62/615,460
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/170,120
(32)【優先日】2018-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507323868
【氏名又は名称】シーピー ケルコ エイピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100167623
【弁理士】
【氏名又は名称】塚中 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ウォーム
(72)【発明者】
【氏名】イェンツ エスキル トルドセ
【審査官】井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-126470(JP,A)
【文献】特表2003-504326(JP,A)
【文献】特開2017-039724(JP,A)
【文献】国際公開第2011/105534(WO,A1)
【文献】特開2008-088111(JP,A)
【文献】特表2007-526210(JP,A)
【文献】国際公開第2012/070577(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K、C08L、C08K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の:
4重量%以下のカリウム含量を有するカラギーナンであり、および次の:
(i)1.5重量%のカラギーナンを含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液の75℃にて25から45cPまでの範囲における粘度、および/または
(ii)1.5重量%のカラギーナンを含有する水溶液の75℃にて35から60cPまでの範囲における粘度
によって特徴付けられるもの;
スターチ;
可塑剤;および
水;
を含み、カラギーナンには、イオタカラギーナンが含まれる、組成物。
【請求項2】
カラギーナンは、
0.5から2重量%までのカリウム;
3重量%以下のカルシウム;および
2重量%以下のマグネシウム
を含有する、請求項1の組成物。
【請求項3】
スターチには、ポテトスターチ、アルファ化修飾コーンスターチ、アルファ化酸希釈化修飾コーンスターチ、酸修飾ヒドロキシプロピル化コーンスターチ、フラッシュ乾燥酸修飾自然コーンデントスターチ、ヒドロキシプロピル化酸修飾タピオカスターチ、修飾コーンスターチ、修飾高アミロースコーンスターチ、またはそれらの任意の組合せが含まれ、
可塑剤には、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの任意の組合せが含まれる、請求項1の組成物。
【請求項4】
可塑剤には、グリセリンおよび/またはソルビトールが含まれる、請求項1の組成物。
【請求項5】
組成物は30から60重量%までの水を含有する、請求項1の組成物。
【請求項6】
組成物はゼロより大から1重量%以下までの緩衝剤をさらに含有する、請求項1の組成物。
【請求項7】
スターチ:カラギーナンの重量比は1.5:1から5:1までの範囲にある、請求項1の組成物。
【請求項8】
組成物は4ら9重量%までのカラギーナンを含有する、請求項1の組成物。
【請求項9】
組成物は、17から37重量%までの可塑剤を含有する請求項1の組成物。
【請求項10】
組成物は10から32重量%までのスターチを含有する、請求項1の組成物。
【請求項11】
組成物には、着色剤、保存剤、崩壊剤、香味料、またはそれらの任意の組合せから選ばれる添加剤がさらに含まれる、請求項1の組成物。
【請求項12】
組成物は融合温度(TFを25℃から62℃までの範囲において有する、請求項1の組成物。
【請求項13】
組成物は圧力フリーのロータリーダイ装置にてカプセルを生産するために構成される、請求項1の組成物。
【請求項14】
請求項1の組成物を含む製造品。
【請求項15】
請求項1の組成物を含むフィルム。
【請求項16】
フィルムは平均厚さを0.5mmから3mmまでの範囲において有する、請求項15のフィルム。
【請求項17】
フィルムはドライベースで:
10から15重量%までのカラギーナン;
40から60重量%までの可塑剤;および
25から50重量%までのスターチ
を含有する、請求項15のフィルム。
【請求項18】
次の:
請求項1の組成物が含まれるシェル;および
充填物質
を含む、カプセル。
【請求項19】
シェルは、ドライベースで:
10から15重量%までのカラギーナン;
40から60重量%までの可塑剤;および
25から50重量%までのスターチ
を含有し、
充填物質は、液体または固体である、請求項18のカプセル。
【請求項20】
水をカプセルから除去するための、および/またはカプセルの剛性を高めるための方法であって、請求項18のカプセルをアルコール化合物と接触させることを含む、方法。
【請求項21】
次の:
3重量%以下のカリウム含量および0.7重量%以下のカルシウム含量を有するカラギーナンであり、および次の:
(i)1.5重量%のカラギーナンを含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液の75℃にて10から55cPまでの範囲における粘度、および/または
(ii)1.5重量%のカラギーナンを含有する水溶液の75℃にて30から80cPまでの範囲における粘度によって特徴付けられるもの;
スターチ;
可塑剤;および

を含み、
カラギーナンには、イオタカラギーナンが含まれる、組成物。
【請求項22】
組成物は、
4ら9重量%までのカラギーナン;
17から37重量%までの可塑剤;および
10から32重量%までのスターチ
を含有し、
カラギーナンは、
2重量%以下のカリウム;
0.2重量%以下のカルシウム;および
0.2重量%以下のマグネシウム
を含有する、請求項21の組成物。
【請求項23】
組成物は、
ゼロより大から1重量%以下までの緩衝剤;および
着色剤、保存剤、崩壊剤、香味料、またはそれらの任意の組合せから選ばれる添加剤
をさらに含む、請求項22の組成物。
【請求項24】
フィルムはドライベースで:
10から15重量%までのカラギーナン;
40から60重量%までの可塑剤;および
25から50重量%までのスターチ
を含有する、請求項21の組成物を含むフィルム。
【請求項25】
請求項21の組成物を含むシェルであり、ドライベースで:
10から15重量%までのカラギーナン;
40から60重量%までの可塑剤;および
25から50重量%までのスターチ
を含有するもの;および
充填物質
を含む、カプセル。
【請求項26】
水をカプセルから除去するための、および/またはカプセルの剛性を高めるための方法であって、請求項25のカプセルをアルコール化合物と接触させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への参照】
【0001】
この出願は、2018年1月10日付け出願の米国仮出願第62/615,460号、および2018年10月25日付け出願の米国出願第16/170,120号の利益を主張し、それらの開示を参照することによってそれらの全体においてここに組み込む。
本発明の分野
【0002】
本発明は、カラギーナン、スターチ、可塑剤、および水を含有する組成物に、ならびにカラギーナンベースの組成物から調製されるフィルム、カプセル、および他の製造品に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の背景
ソフトゼラチンカプセルは、固形および液状物質、例えば、栄養または製剤生産物などのようなものを経口投与用に、カプセル化するために普通に使用される。ゼラチンカプセル化のための典型的な方法および装置は国際公開WO98/42294において記載される。しかしながら、カプセルを形成するためにゼラチンを使用することには、高コスト、しばしば不十分な供給、および架橋する傾向を含む不利益がある。
【0004】
それゆえ、哺乳動物ゼラチンの挙動および特徴を模擬すること、およびゼラチンの短所を克服しながらソフトカプセルを効率的に生産するために使用することができる組成物が必要である。したがって、本発明が主に対象とするのはこれらの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概略
この概略は、概念の選定を簡略化した形態において導入するために提供され、それは詳細な記載において以下にさらに説明する。この概略は、主張する主題の必要なまたは不可欠な特長を識別することを目的としない。また、この概略は、主張する主題の範囲を制限するために使用することを意図するものでもない。
【0006】
カラギーナン、スターチ、可塑剤、水、および随意の緩衝剤が含まれる組成物を、ここに開示および記載する。カラギーナンは、約4重量%以下のカリウム含量を有することができ、および約10から約55cPまでの粘度によって特徴付けることができる。カラギーナンはまた、カリウム含量を約0.5から約2重量%までの範囲において有することができ、および約25から約45cPまでの粘度によって特徴付けることができる。この粘度は1.5重量%のカラギーナンを75℃にて含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液の粘度である。さらに、カラギーナンは1.5重量%のカラギーナンを75℃にて含有する水溶液(塩化ナトリウムなし)の粘度によってさらに特徴付けることができ、それは典型的に約30から約80cPまで、または約35から約80cPまでの範囲内に入る。
【0007】
概して、カラギーナンには、イオタカラギーナンが含まれることができ、および組成物は約2.5から約10重量%までのカラギーナン、または約4から約9重量%までのカラギーナン(またはドライベースにて約8から約17重量%までのカラギーナン)を含有することができる。組成物において、スターチはしばしばカラギーナンの量よりも多く存在し;例として、スターチ:カラギーナンの重量比は、約1.5:1から約5:1までに及ぶことができる。
【0008】
また、カラギーナン組成物を含有する製造品、例えば、フィルムまたはカプセルなどのようなものもここに開示する。
【0009】
前述の概略および以下の詳細な記載はどちらも例を提供し、および説明的なだけである。したがって、前述の概略および以下の詳細な記載は制限的であると考えるべきでない。さらに、特長または変形をここに記載するものに加えて提供し得る。例えば、一定の態様は、詳細な記載において説明する様々な特長の組合せおよびサブコンビネーションに向けられ得る。
【0010】
定義
ここで使用する用語をより一層明確に規定するために、以下の定義を提供する。別なふうに指し示さない限り、以下の規定がこの開示に適用可能である。ある用語をこの開示において使用するがここで具体的に規定していない場合、IUPAC Compendium of Chemical Terminology(IUPAC化学用語集)、第2版(1997)からの規定は、その規定がここで適用される任意の他の開示または規定と矛盾せず、またはその規定が適用される任意の主張を不明確または不可能にしない限り適用することができる。参照によりここに組み込む任意の文書によって提供される任意の規定または慣用法がここで提供する規定または慣用法と矛盾する限りにおいて(To the extent that)、ここに提供する規定または慣用法が支配する。
【0011】
ここでは、特定の態様内で、異なる特長の組合せを想定することができるように、主題の特長を説明する。ここに開示するどの態様およびどの特長についても、ここに記載する設計、組成物、プロセス、または方法に有害な影響を及ぼさないすべての組合せが企図され、特定の組合せの明示的な説明の有無にかかわらず交換することができる。したがって、明示的に別なふうに挙げない限り、ここに開示する任意の態様または特長は、本開示と一致する発明の設計、組成物、プロセス、または方法を説明するために組み合わせることができる。
【0012】
組成物および方法は様々な構成要素またはステップを「含むこと(comprising)」に関してここで説明する一方で、本組成物および方法はまた、別なふうに述べない限り、様々な構成要素またはステップから「本質的に構成する(consist essentially of)」または「構成する」こともできる。
【0013】
「a」、「an」、および「the」という用語は、別なふうに明記しない限り、複数の代替物、例えば、少なくとも一を含むことを意図する。
【0014】
概して、元素のグループは、Chemical and Engineering News(ケミカル・アンド・エンジニアリング・ニュース)、63(5)、27、1985において発行された元素の周期表のバージョンにて指し示される番号付けスキームを使用して指し示す。いくらかの場合においては、元素のグループは、グループに割り当てられた共通名;例えば、グループ1の元素についてアルカリ金属、グループ2の元素についてはアルカリ土類金属、などを使用して指し示すことができる。
【0015】
ここに記載するものと類似または等価な任意の方法および材料を本発明の実践またはテストにおいて使用することができるが、典型的な方法および材料をここに説明する。
【0016】
ここに言及するすべての出版物および特許は、例えば、出版物において記載する構成および方法論を説明および開示する目的について参照することによってここに組み込まれ、それらは目下記載する発明に関連して使用されるかもしれない。
【0017】
いくつかのタイプの範囲を本発明において開示する。いずれかのタイプの範囲を開示または主張するとき、その意図は、そのような範囲が範囲のエンドポイント、ならびにそこに含まれるすべてのサブ範囲(部分的な範囲などとも言う)およびサブ範囲の組合せを含め、合理的に包含することができるであろう各可能な数を個別に開示または主張することにある。代表的な例として、カラギーナンの粘度はこの発明の様々な態様において一定の範囲にあることができる。カラギーナンの粘度(1.5重量%のカラギーナンを含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液において75℃にて測定)が約10から約55cPまでの範囲にあるとの開示によって、その意図は、粘度が範囲内の任意の粘度であることができ、および例えば、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、または約55cPに等しいことができることを挙げることにある。さらに、粘度は約10から約55cPまでの任意の範囲(例えば、約25から約45cPまで)内であることができ、およびこれにはまた、約10および約55cPの間の範囲の任意の組合せが含まれる(例えば、粘度は約10から約20cPまでまたは約25から約40cPまでの範囲にあることができる)。さらに、「約」の特定の値を開示するすべての場合において、そのときその値はそれ自体を開示する。それゆえ、約10から約55cPまでの粘度範囲の開示はまた、10から55cPまで(例えば、25から45cPまで)の粘度範囲も開示し、およびこれにはまた、10および55cPの間の範囲の任意の組合せが含まれる(例えば、粘度は10から20cPまでまたは25から40cPまでの範囲にあることができる)。同様に、ここに開示する他のすべての範囲はこの例と同様に解釈されるべきである。
【0018】
「約」という用語は、量、サイズ、薬剤処方、パラメータ、および他の分量ならびに特性が正確でなく、および正確である必要はないことを意味するが、必要に応じて、公差(tolerances、許容誤差などとも言う)、変換係数、四捨五入、測定誤差、およびその他同種類のものなど、ならびに本技術において熟練の者(当業者などとも言う)に知られる他の要因を反映して、より一層大きいか、またはより一層小さいものを含め、近似であり得る。大抵、量、サイズ、薬剤処方、パラメータもしくは他の分量または特性は、「約」または「おおよそ」であり、そのようであると明示的に述べられているかどうかにかかわらない。「約」という用語にはまた、特定の初期混合物からもたらされる組成物についての異なる平衡条件のために異なる量が包含される。「約」という用語によって修飾されるかどうかにかかわらず、請求の範囲には、分量と等価のものが含まれる。「約」という用語は報告した数値の10%以内、なるべくなら報告した数値の5%以内を意味することができる。
【0019】
本発明の詳細な記載
ここに開示するのは、カラギーナン、スターチ、可塑剤、水、および随意の緩衝剤を含有する組成物である。カラギーナンは、約4重量%以下(約4重量%より少なくまたはそれに等しいとも言う)(または約0.5から約3重量%まで)のカリウム含量を有することができ、および約10から約55cPまで、または約25から約45cPまでの(1.5重量%のカラギーナンを含有する0.1Mの塩化ナトリウム水溶液において75℃にて測定するような)粘度によって特徴付け、および/または約30から約80cPまで、または約35から約80cPまでの(1.5重量%のカラギーナンを含有する水溶液において75℃にて測定するような)粘度によって特徴付けることができる。多くの場合、組成物には、組成物の合計重量に基づき約2.5から約10重量%までのカラギーナン、または約4から約9重量%までのカラギーナン(またはドライベース(乾性基準とも言う)で約8から約17重量%までのカラギーナン)に及ぶ量においてイオタカラギーナンが含まれることがある。
【0020】
有益なことに、これらの組成物はフィルムまたはカプセルに変換することができ、および伝統的なゼラチンベースのカプセル製剤(capsule formulations)についての「ドロップイン」置換(“drop in” replacements)として使用することができ、カプセル形成装置または操作パラメータを変える必要はない。それゆえ、有益なことに、本開示の組成物およびフィルムは、ソフトカプセルを生産するために標準的な圧力フリーのロータリーダイ装置(圧力をかけない回転ダイ装置、無圧回転ダイ装置などとも言う)にて処理することができる。
カラギーナンベースの組成物
【0021】
ここで開示し、および記載する組成物は、カラギーナン、スターチ、可塑剤、および水を含むことができる。そのようなカラギーナンベースの組成物は圧力フリーロータリーダイ装置にてカプセルを生産するために構成することができる。カラギーナンは、比較的低いカリウム含量を有することができ(例は、約4重量%以下)、および圧力フリーロータリーダイ装置にてカプセルを生産するために構成される粘度によって特徴付けることができる(例は、1.5重量%のカラギーナンを含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液について75℃にて約10から約55cPまでの粘度、および/または1.5重量%のカラギーナンを含有する水溶液について75℃にて約30から約80cPまでの粘度)。そのようなカラギーナンベースの組成物はまた、以下に提供され、および任意の組合せにおいて任意の特徴または特性を有することができる。
【0022】
カラギーナンには、イオタカラギーナンが含まれ(またはそれから本質的になる、またはそれからからなる)ことができる。カラギーナンにはまた、カッパカラギーナンが含まれ(または本質的にそれからなる、またはそれからなる)こともできる。それゆえ、ここに開示する組成物はイオタカラギーナン;あるいはまた、カッパカラギーナン;またはあるいは、イオタカラギーナンおよびカッパカラギーナンの混合物または組合せを含むことができる。
【0023】
概して、カラギーナンは、比較的低いカリウム含量を有し、それは典型的には、約4重量%以下である。以下の理論によって縛られることは望まないが、より一層高いカリウム含量-例えば、4重量%を超えるなどのようなもの-を有するカラギーナンは、高すぎる融合温度(fusion temperatures)(および溶融温度(melt temperatures)およびゲル温度;以下でさらに考察するもの)を有する組成物をもたらし、および組成物がゼラチンベースのカプセル製剤について「ドロップイン」置換として使用されるのを妨げると考えられる。それゆえ、カラギーナンの適切なカリウム含量には、制限されないが、約3.5重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下、約1.3重量%以下、約1重量%以下、または約0.5重量%以下が含まれることがある。カリウム含量についての他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0024】
例として、および理論によって縛られることは望まないが、また、カリウムの最小レベル、例えば、0.5重量%などのようなものは、スターチ、可塑剤、および水との一貫したまたは均一な組成物(例えば、ランプ(塊りとも言う)を伴わない)を生産するために有益であることができると考えられる。したがって、カラギーナンのカリウム含量について例示的で、および非制限的な範囲には、約0.5から約4重量%まで、約0.5から約3.5重量%まで、約0.5から約3重量%まで、約0.5から約2重量%まで、約0.5から約1.5重量%まで、約1から約1.5重量%まで、または約1.2から約1.3重量%までが含まれることがある。
【0025】
カラギーナンには典型的に、カルシウムおよびマグネシウムの双方が低レベルにしか含まれない。それに制限されないが、カラギーナンのカルシウム含量は、しばしば、約3重量%以下、約1.5重量%以下、約0.7重量%以下、約0.2重量%以下、約0.05重量%以下、または約0.02重量%以下であることができる。同様に、カラギーナンのマグネシウム含量は、しばしば、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.7重量%以下、約0.2重量%以下、約0.08重量%以下、または約0.03重量%以下であることができる。カルシウム含量およびマグネシウム含量について他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0026】
カラギーナンの粘度は典型的に、カラギーナンベースの組成物が圧力フリーのロータリーダイ装置にてカプセルを生産することができるように選定され、それはしばしばゼラチンベースの調剤物(formulations)を処理するものである。理論によって縛られることは望まないが、高粘度カラギーナン(例は、1.5重量%のカラギーナンを含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液について75℃にて約55-60cPを超える粘度、および/または1.5重量%のカラギーナンを含有する水溶液について75℃にて約85-100cPを超える粘度)は、圧力フリーのロータリーダイ装置にて機能しない調剤物をもたらすと考えられる。
【0027】
大抵は、カラギーナンの粘度は、約10から約55cPまで、約10から約50cPまで、約12から約45cPまで、約12から約40cPまで、または約18から約33cPまでの範囲内に入ることができる。この粘度は、1.5重量%カラギーナンを含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液の75℃での粘度である。しかしながら、以下の理論によって縛られることは望まないが、カラギーナンの粘度が低すぎる場合、スターチ、可塑剤、および水との一貫したまたは均一な(例は、ランプのない)組成物を形成することは困難であることがあると考えられる。さらに、低粘度(例は、より一層低い分子量)を補償するには、圧力フリーのカプセル形成に適する組成物を形成するために、増加した量のカラギーナンが必要になり得る。したがって、そのような状況において、カラギーナンの粘度は、しばしば約20から約55cPまで、約22から約50cPまで、約25から約45cPまで、約25から約40cPまで、または約32から約33cPまでの範囲内に入る。1.5重量%のカラギーナンを含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液の75℃での粘度について、他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0028】
さらにまたはあるいは、カラギーナンの粘度は、約30から約80cPまで、約35から約80cPまで、約30から約75cPまで、約35から約75cPまで、約30から約60cPまで、約35から約60cPまで、約30から約50cPまで、約35から約50cPまで、または約39から約44cPまで、およびその他同種類のものなどの範囲内に入ることができる。この粘度は、1.5重量%のカラギーナンを含有する水溶液(塩化ナトリウムなし)の75℃での粘度である。1.5重量%のカラギーナンを含有する水溶液の75℃での粘度について他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0029】
カラギーナンベースの組成物は、カラギーナンの任意の適切な量、例えば、約2.5から約10重量%まで、約4から約9重量%まで、約5から約9重量%まで、約4.5から約8.5重量%まで、約5から約8.5重量%まで、約5.5から約8.5重量%まで、約6.5から約7.5重量%まで、または約6.8から約7.1重量%までのカラギーナンなどのようなものを含むことができる。これらの重量パーセントは組成物の合計重量に基づく。別の言い方をすると、組成物においてカラギーナンの量は、ドライベースで、典型的には、約8から約17重量%まで、約9から約16重量%まで、約10から約15重量%まで、約11から約14重量%まで、または約12から約14重量%までのカラギーナンに及ぶことができる。これらの重量パーセントは、水を除き、組成物の合計重量に基づく。組成物においてカラギーナンの量について他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0030】
任意の適切なスターチ成分をここに開示する組成物において使用することができ、それにより、フィルム、カプセル、および他の製造品を組成物から形成することができる。使用することができるスターチ物質の例示的および非制限的な例には、ポテトスターチ(ジャガイモでんぷんとも言う)、アルファ化修飾コーンスターチ(pre-gelatinized modified corn starch、プレゼラチン化修飾トウモロコシでんぷんとも言う)、アルファ化酸希釈化修飾コーンスターチ(pre-gelatinized acid thinned modified corn starch)、酸修飾ヒドロキシプロピル化コーンスターチ、フラッシュ乾燥(気流乾燥とも言う)酸修飾自然コーンデントスターチ(flash dried acid modified native com dent starch)、ヒドロキシプロピル化酸修飾タピオカスターチ、修飾コーンスターチ、修飾高アミロースコーンスターチ、およびその他同種類のものなど、ならびにそれらの任意の組合せが含まれることがある。
【0031】
「スターチ」成分には、例として、化学修飾スターチ、例えば、ヒドロキシプロピル化スターチ、酸希釈化スターチ、およびその他同種類のものなどのようなものが包含される。様々な商業上入手し得るスターチを、開示した組成物においてスターチ成分として使用することができ、および代表的な例には、制限されないが、PURE-COTE(ピュア-コート)B760およびB790(酸修飾ヒドロキシプロピル化コーンスターチ)、PURE-COTE B793(アルファ化修飾コーンスターチ)、PURE-COTE B795(アルファ化修飾コーンスターチ)、およびPURE-DENT(ピュア-デント)B890(修飾コーンスターチ)が含まれ、それらはGrain Processing Corporation(グレイン・プロセシング・コーポレーション)から入手可能である。
【0032】
カラギーナンベースの組成物には、スターチの任意の適切な量、例えば、約10から約32重量%まで、約12から約32重量%まで、約14から約30重量%まで、約15から約28重量%まで、約17から約25重量%まで、または約21から約22重量%までのスターチなどのようなものが含まれることがある。これらの重量パーセントは組成物の合計重量に基づく。別の言い方をすれば、スターチの量は組成物において、ドライベースで、典型的には、約20から約55重量%まで、約25から約50重量%まで、約22から約46重量%まで、約28から約48重量%まで、約33から約43重量%まで、または約38から約41重量%までのスターチに及ぶことができる。これらの重量パーセントは、水を除き、組成物の合計重量に基づく。組成物においてスターチの量について他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0033】
必須ではないが、組成物においてスターチの量は大抵、組成物においてカラギーナンの量よりも多い。そのような場合、スターチ:カラギーナンの重量比は、約1:1から約6:1まで、約1.5:1から約6:1まで、約1:1から約5:1まで、約1.5:1から約5:1まで、約2:1から約6:1まで、約2:1から約5:1まで、または約2.5:1から約3.5:1までの範囲内に入ることができる。組成物においてスターチ:カラギーナンの重量比について他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0034】
スターチ成分と同様に、任意の適切な可塑剤成分はここに開示する組成物において使用することができ、それで、フィルム、カプセル、および他の製造品を組成物から形成することができる。使用することができる可塑剤物質の例示的および非制限的な例には、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその他同種類のものなど、ならびにそれらの任意の組合せが含まれることがある。この発明の特定の態様では、可塑剤には、グリセリンおよび/またはソルビトールが含まれることができ、これらの物質の相対量は、フィルム、カプセル、または他の製造品の望ましい硬度(hardness)または堅さ(stiffness)に基づいて選定される。
【0035】
カラギーナンベースの組成物には、任意の適切な量の可塑剤、例えば、約17から約37重量%まで、約18から約36重量%まで、約20から約35重量%まで、約20から約34重量%まで、約22から約32重量%まで、または約24から約28重量%までの可塑剤などのようなものが含まれることがある。これらの重量パーセントは組成物の合計重量に基づく。別の言い方をすれば、組成物において可塑剤の量は、ドライベースで、典型的には、約30から約70重量%まで、約35から約65重量%まで、約40から約60重量%まで、約42から約58重量%まで、約45から約55重量%まで、または約46から約50重量%までの可塑剤に及ぶことができる。これらの重量パーセントは、水を除き、組成物の合計重量に基づく。組成物において可塑剤の量について他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0036】
「ウェット(湿性とも言う)」のカラギーナンベースの組成物において水の量は、特に制限されないが、大抵は、約30から約60重量%まで、約35から約55重量%まで、約40から約55重量%まで、約35重量%から約50重量%まで、約40から約50重量%まで、または約44から約46重量%までに及ぶことができる。これらの重量パーセントは組成物の合計重量に基づく。本技術において熟練の者(当業者とも言う)が難なく認識するであろうように、「ドライ(乾性とも言う)」のカラギーナンベースの組成物において依然として水が存在し(例は、フィルムまたはカプセル)、および保持される水の量は、多くの場合、2-14重量%の範囲または3-8重量%の範囲にあることができる。組成物において水の量について他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0037】
成分量を「ドライベース(乾性基準とも言う)」での重量パーセントにおいて挙げる組成物(またはフィルム、またはカプセル)は、まるで水が存在しないかのように組成物を反映させることを意図する。そのようなものは残留水を除去するために組成(またはフィルム、またはカプセル)を乾燥および/または脱湿することによって決定することができる。
【0038】
必要に応じて、本組成物は緩衝剤をさらに含むことができ、その目的は、カラギーナンベースの組成物のpHを調整または制御すること、および/またはそれから生産される任意の物品(例は、フィルムまたはカプセル)の安定性を改善することであることができる。任意の適切な緩衝剤、例えば、水酸化物、炭酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩、またはそれらの混合物およびそれらの塩(例は、ナトリウムまたはカリウム)などのようなものを使用することができる。存在するとき、緩衝剤の量はカラギーナンベースの組成物において、ゼロよりも多いが、約1重量%以下、約0.5重量%以下、または約0.3重量%以下の量であることができる。これらの重量パーセントは組成物の合計重量に基づく。本組成物において緩衝剤の量について他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0039】
他の原料または添加剤、例えば、着色剤(colorant)、保存剤(preservative)、崩壊剤(disintegrant)、香味料(flavorant、風味剤などとも言う)、およびその他同種類のものなどのようなものを、カラギーナンベースの組成物において使用することができる。これらの他の原料または添加剤の一よりも多くの組合せを、ここに開示する組成物において使用することができる。
【0040】
それらに制限されないが、カラギーナンベースの組成物は、典型的には、約30℃から約90℃まで、約55℃から約90℃まで、約30℃から約66℃まで、約55℃から約75℃まで、約60℃から約75℃まで、または約55℃から約70℃まで、およびその他同種類のものなどの範囲内に入る溶融温度(TM)を有することができる。同様に、本組成物のゲル温度(TG)は特に制限されないが、しばしば、約20℃から約58℃まで、約30℃から約40℃まで、約32℃から約40℃まで、または約30℃から約38℃まで、およびその他同種類のものなどの範囲に入る。溶融温度(TM)およびゲル温度(TG)について他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0041】
ここに開示するカラギーナンベースの組成物は、それらを圧力フリーのロータリーダイ装置での(カプセルの作成における)使用に適するようにさせ、および/または慣習的なゼラチンベースのカプセル製剤に置き換わるのに適切にさせる融合温度(TF)またはシーリング温度を有する。例として、カラギーナンベースの組成物の融合温度(TF)またはシーリング温度は、しばしば、約25℃から約62℃まで、約25℃から約50℃まで、約30℃から約45℃まで、約35℃から約48℃まで、または約48℃から約60℃まで、およびその他同種類のものなどの範囲にあることができる。融合温度(TF)について他の適切な範囲はこの開示から難なく明らかである。
【0042】
製造品
製造品は、この発明のカラギーナンベースの組成物から形成することができ、および/またはそれを含むことができ、その典型的な特性、成分、および特徴をここに記載する。
【0043】
製造品はフィルム(例は、ドライフィルム)であることができる。それゆえ、フィルムはここに記載の任意のカラギーナンベースの組成物から形成することができ、および/またはそれらを含むことができる。フィルムは、任意の適切な平均厚さを例えば、約0.5mmから約3mmまで、約0.7から約1.7mmまで、または約0.75から約1.5mmまでの範囲などのようなものにおいて有することができるが、それらに制限されない。さらに、フィルムは、ここに開示するように、圧力フリーのロータリーダイ装置にてカプセルを生産するために構成することができる。
【0044】
また、ここに開示する任意の組成物から形成され、および/またはそれらを含むカプセルもここで包含される。例えば、ここで企図されるカプセルは、任意の開示したカラギーナンベースの組成物を含むシェル(例は、ドライシェル)、および充填物質(fill material)を含むことができる。シェルは充填物質を封入またはカプセル化する。充填物質は特に限定されない。それゆえ、充填物質は液体または固体であることができる。カラギーナンベースのカプセルはゼラチンベースのカプセルを置き換えるために構成することができる。
【0045】
カラギーナンベースのカプセルの形成後、カプセルは慣習的に、熱を使用して乾燥させることができる。タンブル(回転式とも言う)乾燥機を使用することができ、および概して、充填装置/ダイを出るウェットカプセルはタンブル乾燥機に直接運ぶことができる。典型的なタンブル乾燥機はウェットカプセルにおいて存在する約25重量%の水を除去することができるが、それに制限されない。一旦カプセルがタンブル乾燥機を離れると、それらは(積み重ね可能な)乾燥トレイ上に広げられ、次いで加熱されたトンネルまたは乾燥室において配置することができ、そこで空気が既知の温度および低湿度を伴い予め定める速度にて流れ、それによってカプセルが乾燥する。通常、2段階の乾燥プロセスは、カプセルでの含水量にもよるが、24時間以上続けることができる。それゆえ、カプセル乾燥プロセスは全体的なカプセル製造コストを著しく増加させる可能性がある。他のオプションには、脱湿器および冷蔵技術が含まれる。
【0046】
この発明の態様と一致して、カラギーナンベースのカプセルは、水の少なくとも一部をカプセルから除去し、および/またはカプセルの剛性(rigidity)(堅さまたは硬度)を高めるために、アルコール化合物により処理(または接触)することができる。任意の適切なアルコール化合物を使用することができ、および処理または接触は時間および温度条件の任意の適切な組合せについて実行することができる。有益なことに、カプセルの剛性は著しく向上させることができ、およびカプセルの慣習的な乾燥および冷却を介して達成されるものよりもさらに増加させることができる。したがって、熱を使用する慣習的な乾燥およびその後の冷却は、カプセル生産プロセスから排除することができる。
【0047】
アルコール処理プロセスは、イオタカラギーナンを含有するカプセルについてここで説明し、それは、低いカリウム含量、および一定の粘度特性によって特徴付けられる。しかしながら、このアルコール処理はそれらに制限されず、および任意の量および任意のタイプのカラギーナン、例として、カッパカラギーナンを含有するカプセルに適用可能である。
【0048】
様々なアルコール化合物は、線状もしくは分枝状、または第一級アルコール、第二級アルコール、もしくは第三級アルコールにかかわらず、カプセルを処理するために使用することができる。典型的に、アルコール化合物には、ヒドロカルビルアルコールが含まれることができるが、このことは必要条件ではない。例として、アルコール化合物には、アルキルアルコール、シクロアルキルアルコール、アリールアルコール、アリールアルキルアルコール、およびその他同種類のものなど、ならびにそれらの組合せが含まれることがある。
【0049】
アルコール化合物において炭素原子の数は特に制限されないが、いくらかの態様では、アルコール化合物には、C1ないしC32アルコール;あるいは、C1ないしC18アルコール;あるいは、C1ないしC12アルコール;あるいは、C1ないしC8アルコール;あるいは、C1ないしC4アルコール;あるいは、C2ないしC12アルコール;またはあるいは、C2ないしC6アルコールが含まれることがある。適切なアルコール化合物(例は、モノオール化合物)の代表的および非制限的な例には、以下が含まれることがあり:メタノール、エタノール、プロパノール(例は、イソプロパノール、n-プロパノール)、ブタノール(例は、n-ブタノール、イソブタノール)、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ヘキサデカノール、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコール、およびその他同種類のものなど、ならびにそれらの組合せである。一態様では、アルコール化合物には、メタノール、エタノール、プロパノール(例は、イソプロパノール、n-プロパノール)、ブタノール(例は、n-ブタノール、イソブタノール)、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ヘキサデカノール、およびその他同種類のものなど、またはそれらの組合せが含まれることがある。別の態様では、アルコール化合物には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、およびその他同種類のものなど、またはそれらの組合せが含まれることがある。さらに別の態様では、アルコール化合物には、メタノール;あるいは、エタノール;あるいは、イソプロパノール;またはあるいは、n-プロパノールが含まれることがある。
【0050】
しばしば、濃縮アルコールを使用することができ、またはアルコールは水で希釈される。しかし、水はカプセルから除去することが望ましいので、水の添加は典型的に、カプセルおよびアルコール化合物の接触の間回避される。アルコール処理は任意の適切な温度にて行うことができるが、多くの場合、約10℃から約40℃まで;あるいは、約10℃から約30℃まで;あるいは、約15℃から約30℃まで;またはあるいは、約20℃から約25℃までに及ぶ。アルコール処理の持続時間は特に制限されず、およびカプセルの含水量および望ましいカプセルの剛性しだいであることができる。例示的な処理時間は、約15分から約96時間まで、約30分から約72時間まで、約30分から約48時間まで、または約1時間から約24時間まで、等々に及ぶ。
【0051】
アルコール化合物によるカプセルの処理は、任意の適切な技術および装置を使用して行うことができる。例として、カプセルを容器またはタンク中に置き、および次いで容器またはタンクにおいてカプセルのレベルを超えるのに足りるアルコール化合物により満たすことができる。随意に、カプセルおよびアルコール化合物の間の接触を増加させるために、容器またはタンクにおいてかき混ぜを提供することができる。あるいはまた、カプセルを固定またはパック床配置(packed bed arrangement)において置くことができ、およびアルコール化合物をカプセルの床を通して流すことによって、アルコール化合物をカプセルと接触させることができる。本技術において熟練の者によって認識されるであろうように、他の適切な技術および装置を採用することができ、およびそのような技術および装置はここで包含される。
【実施例
【0052】
本発明は、以下の例によってさらに例示され、それらは決して、この発明の範囲に制限を課すものとして解釈されるべきではない。ここでの説明を読んだ後、本発明の精神または添付の請求の範囲の射程から離れることなく、それらの様々な他の態様、修飾、および等価なものは、本技術において通常の技量の者に対して、それら自体示唆され得る。
【0053】
カラギーナンの粘度は、1.5重量%のカラギーナンを含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液において、75℃にて、溶液でのすべての成分の重量に基づき定めた。この粘度は、Spindle #1(スピンドル#1)を60rpmで使用し、および六回転後に粘度を定めるBrookfield LVF(ブルックフィールドLVF)(Brookfield Engineering Laboratories, Inc.(ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ社))粘度計を使用して測定した。
【0054】
さらに、カラギーナンの粘度は、1.5重量%のカラギーナンを含有する水溶液について、75℃にて定めた。この粘度は、適切なスピンドルを30rpmで使用し、および30秒後に粘度を定めるBrookfield LVFまたはLVT(Brookfield Engineering Laboratories, Inc.)粘度計を使用して測定した。
【0055】
カラギーナンのカリウム、カルシウム、およびマグネシウム含量(重量%にて)は、硝酸および塩酸の混合物において消化するサンプルのICP-MS分析によって定めた。
【0056】
カラギーナンベースの組成物の溶融温度(TM)およびゲル温度(TG)は、以下のように定めることができる。ゲル化温度は、組成物が冷却されるときに溶融タンクにおいて温度を観察すること(watching)によって視覚的に定めることができる。ゲル化温度は組成物がもはや流動しない温度である。融点(melting temperature、融解温度とも言う)は、組成物のゲル化されたサンプルを採取すること、およびそれが流れ始めるまでそれをソースパンにおいて加熱することによって視覚的に定めた。組成物が流れ始めた温度は融点である。
【0057】
カラギーナンベースの組成物の融合温度(TF)は、2.8rpm(ダイロールの)および0.1-0.4kg/cm2の範囲においてダイロール圧力にて作動する圧力フリーのロータリーダイマシンで定めた。フィルムの厚さは0.6-1.4mmの範囲にあった。融合温度(TF)は、圧力フリーのロータリーダイマシンのウェッジ(くさびとも言う)において温度を測定することによって定めた。漏出なくカプセルを作ることができるとき、そのウェッジ温度を融合温度と規定した。
例1A-3A
【0058】
カラギーナン物質
【0059】
例1A-3Aのイオタカラギーナン物質の特性を表Iにおいて概説する。とりわけ(Notably)、イオタカラギーナンは、広範囲の粘度(分子量)およびカリウム含量にわたった。
【0060】
例1Aのイオタカラギーナンは、欧州特許EP 1115748 B1において記載する抽出手順によって生産し、および中和および精密ろ過の後、米国特許第8,404,289号において記載するイオン交換手順にかけた。例2Aのイオタカラギーナンは、伝統的に抽出し、および次いで、米国特許第8,404,289号に従って処理した。例3Aのイオタカラギーナンは、EP1115748に従って生産した。これらの特許刊行物はその全体において参照によってここに組み込む。
例1B-3B
【0061】
カプセル製剤およびカプセルの生産
【0062】
表IIに概説するように、例1B-3Bのそれぞれのカラギーナンベースの組成物を生産するために、イオタカラギーナン1A-3Aのサンプルを使用した。組成物は、最初にリン酸水素ナトリウム緩衝塩(buffer salt)を水に加えることによって調製した。塩が十分に溶解したとき、溶液をタンクに移し、続いてスターチ成分を加え、および10分間混合する。個別に、カラギーナンおよびグリセリンを10分間混合した(あるいはまた、カラギーナンをスターチの一部分とドライブレンドし、およびドライブレンドをグリセリンと10分間混合することができる)。得られるスラリーをタンク中に注ぎ、続いて90℃で1.5-2時間混合する。真空をタンクに適用し、泡が排除されるまで物質のオーバーフローを回避しながら、脱気ステップを続ける。タンク温度は90℃に維持した。得られる組成物を圧力フリーのスプレッダーボックスを備えたロータリーダイマシンに供給した。カプセルの生産用に有用な融合(シーリング)温度を定めるために、ロータリーダイマシンのウェッジの温度を25-62℃の範囲内に調整した。フィルムの厚さは0.6-1.4mmの範囲にあった。
【0063】
予想外に、例1B(カラギーナン1Aを使用)は最高を達成し、25-62℃の範囲を包含する融合またはシーリング温度にて優れたソフトカプセルが生産される。優れたカプセルは融合またはシーリング温度にて、例えば、32-45℃の範囲において生産した。
【0064】
例2B(カラギーナン2Aを使用)は、カラギーナンおよびグリセリンの組合せ中にいくらかのランプ(塊りとも言う)形成をもたらした。ただし、これらのランプは溶解タンクにおいて90℃への加熱ステップ中に排除された。グリセリンへの添加に先立ち、カラギーナンをいくらかのスターチとあらかじめブレンドすること(Pre-blending)も、ランプ形成を排除した。予想外に、例1Bと同じ範囲において融合またはシーリング温度により優れたカプセルを作成した。
【0065】
例3B(カラギーナン3Aを使用)はカプセルにうまく変換できなかった。カラギーナン3Aのより一層高い粘度が圧力フリーのスプレッダーボックスにおいて組成物の不適切な分布をもたらしたと考えられる。さらに、およびおそらくカラギーナンのより一層高いカリウム含量のために、カプセルの融合/シーリングが望ましい温度範囲において達成できなかった。
例4B-6B
【0066】
カプセル製剤およびカプセルの生産
【0067】
表IIIに概説するように、例4B-6Bのカラギーナンベースの組成物を生産するために、イオタカラギーナン1Aのサンプルを使用した。本組成物は、最初にリン酸水素ナトリウム緩衝塩を水に加えることによって調製した。塩が十分に溶解したとき、溶液をタンクに移し、続いてスターチ成分を加え、および10分間混合する。個別に、カラギーナンおよび可塑剤を10分間混合した(あるいはまた、カラギーナンをスターチの一部分とドライブレンドし、およびドライブレンドを可塑剤と10分間混合することができる)。得られるスラリーをタンク中に注ぎ、続いて90℃にて1.5-2時間混合する。真空をタンクに適用し、泡が排除されるまで物質のオーバーフローを回避しながら、脱気ステップを続ける。タンク温度は90℃に維持した。得られる組成物を圧力フリーのスプレッダーボックスを備えるロータリーダイマシンに供給した。カプセル生産用に有用な融合(シーリング)温度を定めるために、ロータリーダイマシンのウェッジの温度を48-60℃の範囲内に調整した。フィルムの厚さは0.6-1.4mmの範囲にあった。
【0068】
予想外に、例4B-6B(カラギーナン1Aを使用)は、48-60℃の範囲を包含する融合またはシーリング温度にて優れたソフトカプセルを生産した;カプセルは優れた物理的特性および全体的な外観を有した。48℃未満の温度はテストしなかったが、48℃での性能に基づいて、おそらく25-35℃ほどの、著しくより一層低い融合またはシーリング温度が好首尾に使用できたと考えられる。
【0069】
有益なことに、カラギーナン組成物の可塑剤成分として使用するグリセリンおよびソルビトールの相対量に関係なく、優れたソフトカプセルを生産した。驚くべきことに、グリセリンおよびソルビトールの相対量もカプセルの硬度または堅さに影響を及ぼし、ソルビトールの相対量において増加(およびグリセリンの相対量において減少)を伴い、カプセルの硬度または堅さでの増加をもたらすことが見いだされた。それゆえ、カプセルの硬度または堅さを調節するために、必要に応じて、任意の特定の最終用途について、グリセリン:ソルビトールの比率を使用することができる。
例7B-9B
【0070】
カプセル製剤およびカプセルの生産
【0071】
表IVに概説するように、例7B-9Bのカラギーナンベースの組成物を生産するために、イオタカラギーナン1Aのサンプルを使用した。本組成物は、最初にリン酸水素ナトリウム緩衝塩を水に加えることによって調製した。塩が十分に溶解したとき、溶液をタンクに移し、続いてスターチ成分を加え、および10分間混合する。個別に、カラギーナンおよび可塑剤を10分間混合した(あるいはまた、カラギーナンをスターチの一部分とドライブレンドし、およびドライブレンドを可塑剤と10分間混合することができる)。得られるスラリーをタンク中に注ぎ、続いて90℃で1.5-2時間混合する。真空をタンクに適用し、泡が排除されるまで物質のオーバーフローを回避しながら、脱気ステップを続ける。タンク温度を90℃に維持した。得られる組成物を圧力フリーのスプレッダーボックスを備えたロータリーダイマシンに供給した。ロータリーダイマシンのウェッジの温度は、48-60℃の範囲内に調整した。25mmの長さおよび8mmの直径を有するカプセルを生産した。
【0072】
室温(20-25℃)にて、および乾燥せずに、得られるウェットカプセル(長さ25mm、直径8mm)を次いで100%イソプロパノールにおいて様々な時間処理し、しかる後それぞれのカプセルの剛性を測定した。カプセルを100-mLのBlue Cap(ブルー・キャップ)フラスコにて置き、および望ましい時間の間100%イソプロパノールで覆い、および各処理後、カプセルをフラスコから取り出し、およびアルコールをきれいに拭き取った(wiped clean of)。剛性を測定するために、カプセルを結晶皿(直径70mm、高さ40mm)の底部に置き、および次いでテクスチャーアナライザー(TA.TX plus Texture Analyzer(TA.TXプラス・テクスチャー・アナライザー)、1インチピストン、0.5mm毎秒、3mm浸透)を用いて変形させた。ピストンは全体のカプセルを覆った。カプセルの剛性は、カプセルを1mm、2mm、または3mmだけ変形させるのに必要な力(グラムにおいて)として測定した。剛性を測定して後、カプセルをフラスコに戻し、および次の処理時間の間イソプロパノールにより覆った。
【0073】
表Vはイソプロパノールにより処理した例7Bのカプセル(グリセリン)の剛性を概説し、表VIはイソプロパノールにより処理した例8Bのカプセル(ソルビトール)の剛性を概説し、および表VIIはイソプロパノールにより処理した例9Bのカプセル(2:1グリセリン:ソルビトール)の剛性を概説する。時間ゼロから、グリセリンおよびソルビトールの相対量がカプセルの硬度または堅さ(剛性)に影響を与えたことは明らかであり、すべてソルビトール(可塑剤として)により生産されるカプセルが最高の剛性である。
【0074】
表Vおよび表VIIにおいて示すように、すべてグリセリン(可塑剤として)またはグリセリンおよびソルビトールの混合物(可塑剤として)を含有するカプセルについて、ウェットカプセルをイソプロパノールにおいて数時間から数日までの範囲に及ぶ時間の間処理することによって、カプセルの剛性が著しく高まった。さらに、カプセルの剛性はイソプロパノール処理時間とともに増加した。表VIに示すように、すべてソルビトール(可塑剤として)を含有するカプセルについて、カプセルの剛性も高めることができるが、カプセルの破損を防ぐために処理時間は短く(例は、1時間以下)する必要がある。
【0075】
表VIIIはエタノール(96%)により処理した例7Bのカプセル(グリセリン)の剛性を概説し、表IXは40℃にて脱水/乾燥した例7Bのカプセル(グリセリン)の剛性を概説し、表Xはエタノールで処理した例9Bのカプセル(2:1グリセリン:ソルビトール)の剛性を概説し、および表XIは40℃にて脱水/乾燥した例9Bカプセル(2:1グリセリン:ソルビトール)の剛性を概説する。これらの表から、エタノール処理はイソプロパノールと同じくらい効果的であると考えられるが、エタノールを使用すると、カプセルの剛性についての定常状態はより一層早く到達した。どちらのアルコールでも、剛性が、概して、40℃にて熱を使用した脱水(乾燥)と比較してアルコール処理についてより一層高かった。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
注:1スターチはGrain Processing CorporationからのPURE-COTE B790であった。
2カプセルを例3Bにより生産できなかった。
【0078】
【表3】
注:1スターチはGrain Processing CorporationからのPURE-COTE B790であった。
【0079】
【表4】
注:1スターチはGrain Processing CorporationからのPURE-COTE B790であった。
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
【表10】
【0086】
【表11】
【0087】
本発明を多数の態様、実施形態、および特定の例を参照して上述する。上記の詳細な説明に照らして多くの変形がそれら自体本技術において熟練する者に示唆されるであろう。そのような明白な変形はすべて、添付の請求の範囲の十分に意図された範囲内にある。本発明の他の態様、実施形態、および/または特長は、制限されないが、以下を含むことができる(それらは「comprising(含む)」と記載するが、代替的に「consist essentially of(から本質的になる)」または「consist of(からなる)」ことができる)。以下:
【0088】
(1)組成物で、カラギーナン、スターチ、可塑剤、および水を含み、そこでカラギーナンは、約4重量%以下のカリウム含量を有し、および(i)1.5重量%のカラギーナンを含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液の75℃にて約10から約55cPまでの粘度によって、および/または(ii)1.5重量%のカラギーナンを含有する水溶液について75℃にて約30から約80cPまでの粘度によって特徴付けられる。
【0089】
(2)組成物で、(1)において規定され、そこでカラギーナンのカリウム含量は、任意の適切な範囲に、またはここに開示する任意の範囲、例は、約3重量%以下、約1.3重量%以下、約0.5から約3重量%まで、または約0.5から約2重量%までにある。
【0090】
(3)組成物で、(1)または(2)において規定され、そこで1.5重量%のカラギーナンを含有する0.1M塩化ナトリウム水溶液の粘度が75℃にて、任意の適切な範囲に、またはここに開示する任意の範囲、例は、約10から約50cPまで、約12から約45cPまで、約25から約45cPまで、または約18から約33cPまでにあり;および/または1.5重量%のカラギーナンを含有する水溶液(塩化ナトリウムなしで)の粘度が75℃にて、任意の適切な範囲に、またはここに開示する任意の範囲、例は、約30から約80cPまで、約35から約80cPまで、約35から約60まで、約35から約50cPまで、または約39から約44cPまでにある。
【0091】
(4)組成物で、(1)-(3)のいずれか一において規定され、そこでカラギーナンには、イオタカラギーナンが含まれる。
【0092】
(5)組成物で、(1)-(4)のいずれか一において規定され、そこでカラギーナンには、カッパカラギーナンが含まれる。
【0093】
(6)組成物で、(1)-(5)のいずれか一において規定され、そこでカラギーナンはカルシウムの任意の適切な量、またはここに開示する任意の範囲における量、例は、約3重量%以下、約1.5重量%以下、約0.7重量%以下、または約0.02重量%以下を含む。
【0094】
(7)組成物で、(1)-(6)のいずれか一において規定され、そこでカラギーナンはマグネシウムの任意の適切な量、またはここに開示する任意の範囲における量、例は、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.7重量%以下、または約0.03重量%以下を含む。
【0095】
(8)組成物で、(1)-(7)のいずれか一において規定され、そこでスターチには、任意の適切なスターチ、またはここに開示する任意のスターチ、例は、ポテトスターチ、アルファ化修飾コーンスターチ、アルファ化酸希釈化修飾コーンスターチ、酸修飾ヒドロキシプロピル化コーンスターチ、フラッシュ乾燥酸修飾自然コーンデントスターチ、ヒドロキシプロピル化酸修飾タピオカスターチ、修飾コーンスターチ、修飾高アミロースコーンスターチ、またはそれらの任意の組合せが含まれる。
【0096】
(9)組成物で、(1)-(8)のいずれか一において規定され、そこで可塑剤には、任意の適切な可塑剤、またはここに開示する任意の可塑剤、例は、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの任意の組合せが含まれる。
【0097】
(10)組成物で、(1)-(9)のいずれか一において規定され、そこで組成物は、ある量の水を任意の適切な範囲において、またはここに開示する任意の範囲、例は、約30から約60重量%まで、約35から約55重量%まで、約40から約50重量%まで、または約44から約46重量%までにおいて含有する。
【0098】
(11)組成物で、(1)-(10)のいずれか一において規定され、そこで組成物には、緩衝剤がさらに含まれる。
【0099】
(12)組成物で、(11)において規定され、そこで組成物は、緩衝剤の任意の適切な量、またはここに開示する任意の範囲、例は、約1重量%以下、約0.5重量%以下、または約0.3重量%以下においての量を含有する。
【0100】
(13)組成物で、(1)-(12)のいずれか一において規定され、そこでスターチ:カラギーナンの重量比は任意の適切な重量比、またはここに開示する任意の範囲、例は、約1:1から約6:1まで、約1:1から約5:1まで、約1.5:1から約5:1まで、または約2:1から約5:1までにおいての重量比である。
【0101】
(14)組成物で、(1)-(13)のいずれか一において規定され、そこで組成物は、ある量のカラギーナンを任意の適切な範囲において、またはここに開示する任意の範囲、例は、約2.5から約10重量%まで、約4から約9重量%まで、約5から約9重量%まで、約5.5から約8.5重量%まで、または約6.8から約7.1重量%までにおいて含有する。
【0102】
(15)組成物で、(1)-(14)のいずれか一において規定され、そこで組成物は、ある量のカラギーナンを任意の適切な範囲において、またはここに開示する任意の範囲、例は、約8から約17重量%まで、約10から約15重量%まで、約11から約14重量%まで、または約12から約14重量%までにおいてドライベースにて含有する。
【0103】
(16)組成物で、(1)-(15)のいずれか一において規定され、そこで組成物は、ある量の可塑剤を任意の適切な範囲において、またはここに開示する任意の範囲、例は、約17から約37重量%まで、約20から約35重量%まで、約22から約32重量%まで、または約24から約28重量%までにおいて含有する。
【0104】
(17)組成物で、(1)-(16)のいずれか一において規定され、そこで組成物は、ある量の可塑剤を任意の適切な範囲において、またはここに開示する任意の範囲、例は、約30から約70重量%まで、約40から約60重量%まで、約45から約55重量%まで、または約46から約50重量%までにおいてドライベースにて含有する。
【0105】
(18)組成物で、(1)-(17)のいずれか一において規定され、そこで組成物は、ある量のスターチを任意の適切な範囲において、またはここに開示する任意の範囲、例は、約10から約32重量%まで、約14から約30重量%まで、約17から約25重量%まで、または約21から約22重量%までにおいて含有する。
【0106】
(19)組成物で、(1)-(18)のいずれか一において規定され、そこで組成物は、ある量のスターチを任意の適切な範囲において、またはここに開示する任意の範囲、例は、約20から約55重量%まで、約25から約50重量%まで、約33から約43重量%まで、または約38から約41重量%までにおいてドライベースにて含有する。
【0107】
(20)組成物で、(1)-(19)のいずれか一において規定され、そこで組成物には、任意の適切な添加剤、またはここに開示する任意の添加剤、例は、着色剤、保存剤、崩壊剤、香味料、またはそれらの任意の組合せがさらに含まれる。
【0108】
(21)組成物で、(1)-(20)のいずれか一において規定され、そこで組成物は、溶融温度(TM)を任意の適切な範囲において、またはここに開示する任意の範囲、例は、約30℃から約90℃まで、約55℃から約90℃まで、約60℃から約75℃まで、または約55℃から約70℃までにおいて有する。
【0109】
(22)組成物で、(1)-(21)のいずれか一において規定され、そこで組成物は、融合温度(TF)を任意の適切な範囲において、またはここに開示する任意の範囲、例は、約25℃から約62℃まで、約25℃から約50℃まで、約30℃から約45℃まで、または約35℃から約48℃までにおいて有する。
【0110】
(23)組成物で、(1)-(22)のいずれか一において規定され、そこで組成物は、ゲル温度(TG)を任意の適切な範囲において、またはここに開示する任意の範囲、例は、約20℃から約58℃まで、約30℃から約40℃まで、約32℃から約40℃まで、または約30℃から約38℃までにおいて有する。
【0111】
(24)製造品で、(1)-(23)のいずれか一において規定する組成物を含む(またはそれから形成される)。
【0112】
(25)フィルムで、(1)-(23)のいずれか一において規定する組成物を含む(またはそれから形成される)。
【0113】
(26)フィルムで、(25)において規定され、そこでフィルムは、任意の適切な平均厚さ、またはここに開示する任意の範囲、例は、約0.5mmから約3mmまで、または約0.75から約1.5mmまでにおける平均厚さを有する。
【0114】
(27)フィルムで、(25)または(26)において規定され、そこでフィルム(または組成物)は圧力フリーのロータリーダイ装置にてカプセルを生産するために構成される。
【0115】
(28)カプセルで、次の:
(1)-(23)のいずれか一において規定する組成物を含む(またはそれから形成される)シェル、および充填物質を含む。
【0116】
(29)カプセルで、(28)において規定され、そこで充填物質は液体である。
【0117】
(30)カプセルで、(28)において規定され、そこで充填物質は固体である。
【0118】
(31)カプセルで、(28)-(30)のいずれか一において規定され、そこでカプセルはゼラチンベースのカプセルを置き換えるために構成される。
【0119】
(32)方法で、カプセルから水を除去するためのおよび/またはカプセルの剛性を増加させるためのもので、方法は(28)-(31)のいずれか一に規定するカプセルをアルコール化合物と接触させることを含む。
【0120】
(33)方法で、(32)において規定され、そこでアルコール化合物には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、またはそれらの任意の組合せが含まれる。