(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】エアロゾル供給装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20220630BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20220630BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20220630BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/51
(21)【出願番号】P 2020552749
(86)(22)【出願日】2019-03-27
(86)【国際出願番号】 EP2019057780
(87)【国際公開番号】W WO2019185745
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-10-29
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】マロニー、パトリック
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0214645(US,A1)
【文献】国際公開第2018/019543(WO,A1)
【文献】特開平10-321454(JP,A)
【文献】特開2012-007942(JP,A)
【文献】国際公開第2016/005530(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/178930(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/187695(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成材を含む取り外し可能な消耗品からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル供給装置であって、この装置は
、
電源と、
受け部と、
センサと、
エアロゾル発生素子と、を含み、
前記センサ及びエアロゾル発生素子は電源から受け取った電力に応答して作動するように構成され
ている、エアロゾル供給デバイスと、
受け部と係合するために取り外し可能であり、
エアロゾル形成材及びマーカーを含む取り外し可能な消耗品とを含み、
前記エアロゾル発生素子はエアロゾル形成材をエアロゾル化するように構成されており、及びセンサは取り外し可能な消耗品が受け部と係合した際にマーカーを検知するように構成されており、
取り外し可能な消耗品は、少なくとも第1アライメント機能部を有する外方輪郭を画定し、受け部は第1アライメント機能部に対応する少なくとも第2アライメント機能部を含む内方輪郭を画定し、
第1および第2アライメント機能部は、受け部と係合した際に取り外し可能な消耗品の向きを1つの向きに限定するように構成され、これにより
、エアロゾル形成材がエアロゾル発生素子と位置合わせされ及びマーカーがセンサと位置合わせされるようになっているエアロゾル供給装置。
【請求項2】
エアロゾル発生素子はヒーターを含むことを特徴とする請求項
1記載のエアロゾル供給装置。
【請求項3】
エアロゾル形成材は取り外し可能な消耗品の外方輪郭の少なくとも一部を画定することを特徴とする請求項1
又は2記載のエアロゾル供給装置。
【請求項4】
エアロゾル形成材は第1アライメント機能部の少なくとも一部を画定することを特徴とする請求項1乃至
3いずれか1項記載のエアロゾル供給装置。
【請求項5】
受け部が挿入軸を画定し、第1および第2アライメント機能部はその挿入軸を中心に半径方向に配置されていることを特徴とする請求項1乃至
4いずれか1項記載のエアロゾル供給装置。
【請求項6】
消耗品は長手方向軸を画定し、この長手方向軸の方向に第1および第2部分を含み、第1部分は前記軸に直交する第1の断面を有し、第2部分は前記軸に直交する第2の断面を有し、第1の断面と第2の断面は、共に第1アライメント機能部を画定することを特徴とする請求項1乃至
5いずれか1項記載のエアロゾル供給装置。
【請求項7】
第1の断面が第2の断面の外周と異なる長さの外周を有する、
第1の断面が第2の断面とは異なり、長手方向軸を中心に配向されている、および
第1の断面が第2の断面の面積とは異なる面積を有する、の内の少なくとも1つであり、第1の断面は前記長手方向軸に対して第2の断面からずれていることを特徴とする請求項
6記載のエアロゾル供給装置。
【請求項8】
取り外し可能な消耗品の外方輪郭は第1の非対称形状を画定し、これにより第1アライメント機能部を画定し、受け部の内方輪郭が第2の非対称形状を画定し、これにより第2アライメント機能部を画定することを特徴とする請求項1乃至
7いずれか1項記載のエアロゾル供給装置。
【請求項9】
エアロゾル形成材はタバコを含むことを特徴とする請求項1乃至
8いずれか1項記載のエアロゾル供給装置。
【請求項10】
エアロゾル形成材はゲルを含むことを特徴とする請求項1乃至
9いずれか1項記載のエアロゾル供給装置。
【請求項11】
エアロゾル
形成材を含み、エアロゾル
形成材をエアロゾル化するエアロゾル供給デバイスと
共に使用されるように構成された取り外し可能な消耗品であって、前記デバイスは電源から受け取った電力に応答して作動するように構成された
センサとエアロゾル発生素子とを含み、
取り外し可能な消耗品は前記デバイスの受け部と係合するように構成され、取り外し可能な消耗品は、
エアロゾル形成材とマーカーを含み、
取り外し可能な消耗品は第1アライメント機能部を有する外方輪郭を画定し、第1アライメント機能部はこれに対応する受け部の第2アライメント機能部と協働するように構成され、
第1アライメント機能部は、
受け部と係合した際に取り外し可能な消耗品の向きを1つの向きに限定するように構成されており、それにより、使用時に取り外し可能な消耗品が受け部と係合し、エアロゾル形成材がエアロゾル発生素子と位置合わせされた時にエアロゾル形成材がエアロゾル発生素子によってエアロゾル化されるように構成され、及び取り外し可能な消耗品が受け部と係合し、マーカーがセンサと位置合わせされた時にマーカーはセンサによって検知されるように構成されている、取り外し可能な消耗品。
【請求項12】
エアロゾル発生素子はヒーターであることを特徴とする請求項
11記載の取り外し可能な消耗品。
【請求項13】
エアロゾル形成材は取り外し可能な消耗品の外方輪郭の少なくとも一部を画定することを特徴とする請求項
11又は12記載の取り外し可能な消耗品。
【請求項14】
エアロゾル形成材は第1アライメント機能部の少なくとも一部を画定することを特徴とする請求項
11乃至
13いずれか1項記載の取り外し可能な消耗品。
【請求項15】
取り外し可能な消耗品は、軸を画定し、第1アライメント機能部は軸を中心に半径方向に配置されていることを特徴とする請求項
11乃至
14いずれか1項記載の取り外し可能な消耗品。
【請求項16】
取り外し可能な消耗品は長手方向軸を画定し、その長手方向軸の方向に第1および第2部分を含み、第1部分は前記軸に直交する第1の断面を有し、第2部分は前記軸に直交する第2の断面を有し、第1の断面と第2の断面は、共に第1アライメント機能部を画定することを特徴とする請求項
11乃至
15いずれか1項記載の取り外し可能な消耗品。
【請求項17】
第1の断面が第2の断面の外周と異なる長さの外周を有する、
第1の断面が第2の断面とは異なり、長手方向軸を中心に配向されている、および
第1の断面が第2の断面の面積とは異なる面積を有する、の内の少なくとも1つであり、
第1の断面は前記長手方向軸に対して第2の断面からずれていることを特徴とする請求項
16記載の取り外し可能な消耗品。
【請求項18】
取り外し可能な消耗品の外方輪郭は第1の非対称形状を画定し、これにより第1アライメント機能部を画定することを特徴とする請求項
11乃至
17いずれか1項記載の取り外し可能な消耗品。
【請求項19】
エアロゾル形成材はタバコを含むことを特徴とする請求項
11乃至
18いずれか1項記載の取り外し可能な消耗品。
【請求項20】
エアロゾル形成材はゲルを含むことを特徴とする請求項
11乃至
19いずれか1項記載の取り外し可能な消耗品。
【請求項21】
消耗品は少なくとも1つの目視可能な印を含み、この目視可能な印は、消耗品が受け部内に挿入されると、目視可能な印がユーザーに見えるまたは消耗品が受け部内に正しく挿入されたことを知らせるためにユーザーの視界から
隠れるように消耗品に配置されることを特徴とする請求項
11乃至
20いずれか1項記載の取り外し可能な消耗品。
【請求項22】
エアロゾル形成材
及びマーカーを含む取り外し可能な消耗品からエアロゾルを発生させるエアロゾル供給デバイスであって、
電源と、
取り外し可能な消耗品と係合するように構成された受け部と、
電源から受け取った電力に応じて作動するように構成された
エアロゾル発生素子とを含み、
エアロゾル発生素子は取り外し可能な消耗品が受け部と係合した時にエアロゾル形成材をエアロゾル化するように構成され、
センサは取り外し可能な消耗品が受け部と係合した時にマーカーを検知するように構成され、
受け部は少なくとも第1アライメント機能部を有する内方輪郭を画定し、取り外し可能な消耗品は第1アライメント機能部に対応する少なくとも第2アライメント機能部を含む外方輪郭を画定し、
第1および第2アライメント機能部は、受け部と係合した際に取り外し可能な消耗品の向きを1つの向きに限定するように構成され、それにより、
取り外し可能な消耗品が受け部と係合した際に
エアロゾル形成材がエアロゾル発生素子と位置合わせされ、及びマーカーがセンサと位置合わせされるようになっているエアロゾル供給デバイス。
【請求項23】
エアロゾル形成材を含む取り外し可能な消耗品からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル供給装置であって、請求項22に記載のエアロゾル供給デバイスと請求項11乃至21いずれか1記載の取り外し可能な消耗品を含むエアロゾル供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル供給装置およびエアロゾル供給デバイスと使用する取り外し可能な消耗品に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコ、シガーなどの喫煙品は、使用時にタバコを燃やし、煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創ることによってこれら喫煙品に代わるものが提供されている。そのような製品としてはその材料を燃焼させずに加熱によって化合物を放出する加熱装置が挙げられる。基材は、タバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。
【発明の概要】
【0003】
第1の例ではエアロゾル形成材を含む取り外し可能な消耗品からエアロゾルを発生させるエアロゾル供給装置が提供される。この装置はエアロゾル供給デバイスと取り外し可能な消耗品とを含む。エアロゾル供給デバイスは、電源と、受け部と、電源から受け取った電力に応答して作動するように構成された第1部材とを含む。取り出し可能な消耗品は受け部と係合するためのものであり、取り外し可能な消耗品は、第1部材と相互作用するように構成された第2部材を含む。取り外し可能な消耗品は、少なくとも第1アライメント機能部を有する外方輪郭を画定し、受け部は第1アライメント機能部に対応する少なくとも第2アライメント機能部を含む内方輪郭を画定し、第1および第2アライメント機能部は、消耗品が受け部と係合した際に第2部材が第1部材に位置合わせされるように受け部と係合した際に取り外し可能な消耗品の向きを一つの向きに限定するように構成されている。
【0004】
第2の例ではエアロゾル発生材を含み、エアロゾル発生材をエアロゾル化するためにエアロゾル供給デバイスと使用されるように構成された取り外し可能な消耗品が提供される。エアロゾル供給デバイスは電源から受け取った電力に応答して作動するように構成された第1部材を含む。取り外し可能な消耗品は、エアロゾル供給デバイスの受け部と係合し、第1部材と相互作用するように構成された第2部材を含む。取り外し可能な消耗品は、第1アライメント機能部を有する外方輪郭を画定し、第1アライメント機能部はこれに対応する受け部の第2アライメント機能部と協働するように構成され、第1アライメント機能部は、使用時に取り外し可能な消耗品の第2部材がデバイスの第1部材と位置合わせされ、それと相互作用するように受け部と係合した際に取り外し可能な消耗品の向きを1つの向きに限定するように構成されている。
【0005】
第3の例ではエアロゾル形成材を含む取り外し可能な消耗品からエアロゾルを発生させるエアロゾル供給デバイスが提供される。このデバイスは、電源と、取り外し可能な消耗品と係合するように構成された受け部と、電源から受け取った電力に応じて作動するように構成された第1部材とを含む。第1部材は取り外し可能な消耗品の第2部材と相互作用するに構成されている。受け部は、少なくとも第1アライメント機能部を有する内方輪郭を画定し、取り外し可能な消耗品は、第1アライメント機能部に対応する少なくとも第2アライメント機能部を含む外方輪郭を画定する。第1および第2アライメント機能部は、受け部と係合した際に取り外し可能な消耗品の向きを1つの向きに限定するように構成され、これにより消耗品が受け部と係合した際に第2部材がデバイスの第1部材と位置合わせされるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付図面を参照して本発明の実施態様をあくまで例示を目的として説明する。
【
図1】エアロゾル供給デバイスの一例の斜視図である。
【
図2】
図1に例示したエアロゾル供給デバイスの上面図である。
【
図3】
図1に例示したエアロゾル供給デバイスの断面図である。
【
図4】第2の例のエアロゾル供給デバイスと第2の例の取り外し可能な消耗品の上面図である。
【
図5】第3の例のエアロゾル供給デバイスと第3の例の取り外し可能な消耗品の上面図である。
【
図6】第4の例のエアロゾル供給デバイスと第4の例の取り外し可能な消耗品の上面図である。
【
図7】第5の例のエアロゾル供給デバイスと第5の例の取り外し可能な消耗品の上面図である。
【
図8】第6の例の取り外し可能な消耗品を示している。
【
図9】
図8の消耗品を収容するように構成された第6の例のエアロゾル供給デバイスの断面図である。および
【
図10】別の例のエアロゾル供給デバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1を参照すると例示的なエアロゾル供給デバイス100が示されている。大筋においてデバイス100は、交換可能な消耗品を加熱してデバイス100のユーザーによって吸い込まれるエアロゾルまたは他の吸引可能な媒体を発生させるために使用してもよい。
図1は交換可能な消耗品が無いデバイス100を示している。
図2は装置100の上面を示している。
【0008】
図1および2ではこの例のデバイス100はハウジング102を含む。ハウジング102は一端に開口部104を有し、これはエアロゾル形成材を含む交換可能な消耗品を収容するように構成されている。エアロゾル形成材は、例えばタバコまたはニコチンおよび/または風味剤を含むまたは含まない他の非タバコ製品であってもよい。本明細書を通して用語「香味」及び「香味料」は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、蒸気またはエアロゾル発生剤またはグリセリン、プロピレングリコール、トリアセチンまたはジエチエレングリコールなどの湿潤剤を含んでもよい。交換可能な消耗品は、それがハウジング102の受け部またはチェンバー内に収容されるように開口部104内に完全にまたは部分的に挿入されてもよい。使用時、エアロゾル発生素子が、ユーザーが吸い込むためのエアロゾルを形成するエアロゾル発生材をエアロゾル化するために配置されている。この例ではエアロゾル発生素子は、交換可能な消耗品を使用時に加熱するために配されたヒーターであるが、当然のことながらエアロゾルを発生させるようになっている他のエアロゾル発生素子を他の例では同等に使用することができる。このような集合体は消耗品が入っていないときに開口部104を覆う蓋またはキャップ106を含んでもよい。
図1および2ではキャップ106は開いている状態に示されているが、キャップ106は消耗品が取り除かれると閉じる位置にスライドされる。
【0009】
デバイス100は調整素子108をさらに含んでもよい。この例の調整素子108は、ボタンまたはスイッチであり、ユーザーが調整素子108を作動させると、デバイスのスイッチが入る。
【0010】
図3は
図1に示したようなデバイス100および交換可能な消耗品110を含む例示的な装置200の断面を示している。この例では交換可能な消耗品110は、デバイス100の開口部104内に挿入されている。デバイス100は、受け部または加熱チェンバー112を有し、これは使用時に加熱される消耗品110を収容している。挿入すると、消耗品110は受け部と係合する。デバイス100は、交換可能な消耗品110が受け部112内に収容されると、交換可能な消耗品110を加熱するように構成された1つ以上のヒーター120を含む。従って、消耗品110は、加熱時にエアロゾルを発生させるヒーター120と相互作用するエアロゾル形成材110aなどの部材を含む。交換可能な消耗品110は、梱包材および/または1つ以上のフィルターなどの1つ以上の他の部材も含んでよい。一部の例示的デバイス100では消耗品は、以下に詳しく説明するデバイス100の部品によって検知されるように構成されたマーカー110bなどの別の部材を含む。
【0011】
この例の消耗品110は長尺であるが、あらゆる好適な形状であってもよい。取り外し可能な消耗品110の一端は、ユーザーが使用時に消耗品を介してエアロゾルを吸引できるようにハウジング102の開口部104を介してデバイス100から外に突出している。他の例では消耗品110は、デバイス100から突出しないように加熱チェンバー112内に完全に収容される。そのような場合、ユーザーは開口部104から直接または開口部の周囲でハウジング102に接続されるマウスピースを介してエアロゾルを吸い込む。
【0012】
デバイス100は電子/電力チェンバー114をさらに有し、これはこの例では電気制御回路116および電源118を含む。電気制御回路116は、取り外し可能な消耗品の加熱を制御するために構成、配置されたマイクロプロセッサ装置などのコントローラを含んでもよい。一部の例では制御回路は、以下にさらに説明するように取り外し可能な消耗品110を特定するためにセンサ122から信号を受け取るようにも構成されている。電気制御回路116は、調整素子108から信号を受け取り、それに応じてヒーター120を始動させてもよい。別例としてデバイス100は、ユーザーがデバイス100を介して吸引した際にヒーター120を自動的に始動させるために制御回路116に信号を送る機能を含んでもよい。デバイス100内の電子部品は、破線で示すように1つ以上のワイヤ124を介して電気的に接続されている。
【0013】
電源118は電気として供給するエネルギーを蓄える。それは充電可能なバッテリーまたは充電不可のバッテリーなどのバッテリーであってもよい。好適なバッテリーの例としては、例えばリチウムイオンバッテリー、ニッケルバッテリー(ニッケル-カドミウムバッテリーなどの)、アルカリバッテリーなどが挙げられる。バッテリー118は、交換可能な消耗品110を加熱し、それによりエアロゾルを発生させる必要があるときに電力を供給するために1つ以上のヒーター120に電気的に連結されている。従って、ヒーター120は、電源118から受け取った電力に応答して作動するように構成された部品である。同様にセンサ122も電源118から受け取った電力に応答して作動するように構成された部品である。
【0014】
ヒーター120は、例えばニクロム抵抗性ヒーター、セラミックヒーターなどを含む電気抵抗性ヒーターであってもよい。ヒーター120は、誘導ヒーター(チェンバー112内にあるまたはチェンバー112を形成するサセプタまたは消耗品110のサセプタの構成を含む)であってもよい。他の加熱装置を使用してもよい。
【0015】
デバイス100において取り外し可能な消耗品110の向きを受け部112と係合する際に1つの向きに限定できるようにすることが望まれる場合がある。これによりエアロゾル形成材が確実にヒーター120と正しく位置合わせされる。一例ではエアロゾル形成材110aの一部またはすべてが取り外し可能な消耗品110内に均一に配分または配置されなくてもよく、
図3の例ではエアロゾル形成材110aは取り外し可能な消耗品110の一方の側に近く配置されている。さらに一部の例ではヒーター120は受け部112内のすべての領域を均一に加熱しなくてもよい。例えば、
図3の例ではヒーター120は受け部112の一部に隣接して設けられている。エアロゾル形成材110aが確実にエアロゾル形成材の最適な加熱または少なくとも良好な加熱のために配されるように取り外し可能な消耗品110がどのように配向されるかを調整することが望ましい。例えば、エアロゾル形成材とヒーター120との間の良好な熱交換は、これら2つが位置合わせされた際に行われ、エアロゾル形成材からエアロゾルを発生させるのに必要とされる総電力を減らすことができる。
【0016】
これとは別にまたはこれに加えてデバイス100において特定の取り外し可能な消耗品110がユーザーによってデバイス100内に挿入されたことを特定できるまたは認識できるようにすることも望ましい。例えば、実際には特に加熱装置および電気制御回路116によって供される加熱制御を含むデバイス100全体は、特定の種類の取り外し可能な消耗品110(例えば、1つ以上のサイズで形状の特定のエアロゾル形成材など)に対して最適化される場合がある。従って、装置は、(著しく)異なる特性を有する取り外し可能な消耗品110と使用するのはデバイス100にとって望ましくない。従って、デバイス100がデバイス100内に挿入された特定の取り外し可能な消耗品110または少なくとも一般的な種類の取り外し可能な消耗品110を特定することができるまたは認識することができれば、それは偽造または他の本物ではない取り外し可能な消耗品110がデバイス100に使用されるのを妨げるまたは少なくとも減少させるのに役立つ。
【0017】
従って、デバイス100は、取り外し可能な消耗品110上または内のマーカー110bなどの対応する部品を検知するためのセンサ122などの部品を含んでもよい。従って、マーカー110bはセンサ122と相互作用するように構成されている。センサ122は、制御回路116および電源118に接続され、従って、電源118から受け取った電力に応答して作動する。検知すると信号がセンサ122から制御回路116へと送られ、その消耗品の種類が特定される。一部の例では制御回路116は消耗品110が認識された場合にのみヒーター120を作動させ、消耗品110を特定しない場合にはヒーター120を作動させない。他の例ではしかしながら、消耗品に関係なく作動する。一部の例では消耗品に関するデータ(エアロゾル形成材の種類または型などの)がマーカーが検知されたらデバイスのメモリ内に記憶される。マーカーは一部の例ではバーコードであってもよく、コード化されたデータはマーカーから読み出されてもよい。このデータの表示もメモリ内に記憶させてもよい。
【0018】
デバイス100は、取り外し可能な消耗品110が認識されなかったことをユーザーに表示するように構成されてもよい。これとは別にまたはこれに加えてデバイス100は、例えば第1の種類の取り外し可能な消耗品110を認識した際に第1の加熱パターンに従い、第2の取り外し可能な消耗品110を認識した際に第2の異なる加熱パターンに従うように構成されてもよい(そして必要であれば他の種類の取り外し可能な消耗品110のさらなる加熱パターンを提供してもよい)。これら加熱パターンは、例えばエアロゾル形成材110aの熱の送出量、種々の加熱サイクルのタイミング、エアロゾル形成材110aのどの部分を最初に加熱するかなど多くの点で異なってもよい。これにより同じデバイス100をユーザーに必要とされる最小限の相互作用で異なる種類の取り外し可能な消耗品110に使用することができる。デバイス100が消耗品110を識別できないまたは消耗品110が明白に識別されない場合、デバイス100は消耗品110を加熱しないように構成されてもよい。
【0019】
一部の例ではセンサ122はデバイス100内の特定の位置に配置される。例えば、センサ122は受け部112内に配置されてもよく、限定された検知範囲を有してもよい。同様にマーカー110bは、取り外し可能な消耗品110上または内の特定の位置に配置されてもよく、消耗品110の特定の領域または容積を占めてもよい。ユーザーが消耗品110を受け部内に挿入した際に確実にマーカー110bが検知されるようにするためにデバイス100は、取り外し可能な消耗品110の向きを受け部112と係合した際に1つの向きに限定できるようにするのが望ましい。これにより確実にマーカー110bはそれが検知されるように正しくセンサ122と位置合わせされる。マーカーとセンサが位置合わせされるように消耗品の向きを限定することは、デバイス100内に複数のセンサを配置せずに1つのセンサ122だけが必要であると言うことを意味し、これはデバイス100の製造コストだけでなく重量および電力を減少させることができる。加えてまたはこれとは別に消耗品上または内に設けられるマーカーを小さくするこができる。
【0020】
その結果、少なくともこれらの理由でデバイス100の部品が確実に取り外し可能な消耗品110の部品と位置合わせされ、相互作用するように消耗品110の向きを制御することが望ましい。このことを実行するために取り外し可能な消耗品がアライメント機能部(または複数のアライメント機能部)を有する外方輪郭を画定し、受け部が対応するアライメント機能部(または複数のアライメント機能部)を含む内方輪郭を画定するエアロゾル供給装置が提供される。従って、消耗品の外方輪郭が受け部の内方輪郭内に受けられると、アライメント機能部は、取り外し可能な消耗品が受け部と係合した際に取り外し可能な消耗品の向きを1つの向きに限定し、消耗品の1つ以上の部品がデバイスの1つ以上の対応する部品と確実に位置合わせされる。種々のアライメント機能部の例を
図4~9を参照して説明する。
【0021】
図4は例示的なエアロゾル供給デバイス400の上面図と例示的な取り外し可能な消耗品410の斜視図である。エアロゾル供給デバイス400は、
図3を参照して説明したように電源から受けた電力に応答して作動するように構成されたヒーターまたはセンサなどの部品を含む。その部品は消耗品の部品と相互作用するように構成されている。例えば、ヒーターはエアロゾル形成材と相互作用するように構成されてもよく、あるいはセンサは消耗品410上または内のマーカーと相互作用するように構成してもよい。
【0022】
この例の消耗品は近位端410aおよび遠位端410bを含む。近位端410aは、使用時にユーザーの口内に直接受けられてもよく、あるいは使用時にユーザーの口近くに置かれてもよい。従って、遠位端410bは近位端の前にデバイスの受け部内に挿入される。近位端410aは、その端部が近位端410aであることを示す視覚的な表示、例えば異なる色またはパターン化された面を供する1つ以上の特徴を含んでもよい。一部の例では近位端410aはフィルターを含む。
【0023】
デバイス400の受け部内の消耗品の向きを制限するために消耗品は、消耗品410によって画定された長手方向軸452を中心とした回転対称性(場合によっては第1次の回転対称性とも言われる)の無い端部面450を有する。これは消耗品410にその外方輪郭または外面にデバイス400の受け部の内方輪郭または内面と係合するアライメント機能部を設けることによって実行される。
図4において、アライメント機能部は消耗品410の長さに沿って形成された平坦面454によって設けられている。従って、端部面450は一部が取り除かれた円形に似た断面領域を有する。
【0024】
デバイス400の受け部412には対応するアライメント機能部を有する同様に形成された内方輪郭が設けられている。例えば
図4において、受け部は、直線状の平坦なセクション456aおよび丸みを帯びたセクション456bを有する内方輪郭を含む。平坦なセクション456aは、消耗品410の対応する平坦なセクション454を収容し、係合するように構成されている。従って、受け部412の平坦なセクション456aおよび消耗品410の平坦な面454は、取り外し可能な消耗品の向きを限定するアライメント機能部であると言える。ユーザーはアライメント機能部によって消耗品を異なる向きに配向することができない。従って消耗品の部品は、消耗品が受け部と係合した際にデバイスの部品と位置合わせすることができる。
【0025】
さらに受け部412内の消耗品の向きを限定するために消耗品410は、確実に遠位端410bが挿入される前に近位端410aが受け部412に挿入できないように構成されており、近位端410aは消耗品の残りの部分(即ち、消耗品の遠位端410bと中央部分)と異なる形状/寸法を有してもよい。例えば
図4において、近位端410aは、消耗品110の遠位端410bと中央部分より僅かに大きな直径を有し、受け部412の内径より僅かに大きい。その結果、消耗品が遠位端410bから最初に受け部412に挿入されると、近位端410aがデバイス400のハウジング上に突出する(
図3に示したのと同じように)。別の実行例では近位端410aは完全な円筒状であってもよい(即ち、アライメント機能部454は消耗品410の近位部に沿って延びていない)。
【0026】
1つの例では消耗品は長尺のロッドである。そのような消耗品は、例えば
図4に示した外方輪郭の形状にタバコを形成することによって設けてもよい。従って、1つの例ではエアロゾル形成材は、消耗品の外方輪郭またはその少なくとも一部を画定するように形成される。そのような構造は消耗品を所望の形状に製するための簡単且つ効果的な手段を提供する。例えば、タバコは簡単に種々の形状に形成、圧縮、切断または成型することができる。一部の例では紙などの追加の材料からなる薄層がエアロゾル形成材に巻かれる。エアロゾル形成材が外面にまたは外面付近にあることでエアロゾル形成材をデバイス内でより効率的にヒーターで加熱することができる。同様にマーカーを消耗品の外面に加えてもよく、あるいはエアロゾル形成材またはフィルター内に埋め込んでもよい。
【0027】
特定の例ではエアロゾル形成材はアライメント機能部も画定する。従って、エアロゾル形成材の一部が向きを限定するように形成されている場合、アライメント機能部は非エアロゾル形成材によってではなく、エアロゾル形成材自体で設けられてもよい。この構造は比較的安価なアライメント機能部の製造方法を提供することができる。さらに上述したようにタバコなどの特定のエアロゾル形成材は、簡単に異なる形状に形成することができる。一部の例では紙などの追加の材料からなる薄層がエアロゾル形成材に巻かれる。しかしながら、他の例では取り外し可能な消耗品の他の非エアロゾル形成材がアライメント機能部を画定する。
【0028】
図5は別の例示的エアロゾル供給デバイス500および別の例示的取り外し可能な消耗品510の上面図である。消耗品510は、実質的に
図4に説明したものと類似しているが、消耗品の形状はほぼ円筒状ではなく、多くの外面を有する。外面はほぼ角柱形状を画定してもよい。
【0029】
この例の消耗品510は、近位端510aおよび遠位端510bを含む。近位端510aは、その端部が近位端510aであることを視覚的に示す1つ以上の特徴(図示せず)を含んでもよい。
【0030】
デバイス500の受け部内の消耗品の向きを制限するために消耗品は消耗品510によって画定された長手方向軸552を中心とした回転対称性の無い端部面550を有する。さらにこの例では消耗品510の外方輪郭は非対称外部断面形状を有し、これによりアライメント機能部を画定している。従って、消耗品は、
図4とは異なり、断面の幾何学的な質量中心を介して延びた軸に直交する線を中心に対称ではない。消耗品510の外方輪郭はデバイス500の受け部512の内方輪郭と係合するように構成され、従って、受け部512の内方輪郭も非対称の内部断面形状を含む。
図5において消耗品510のアライメント機能部は、消耗品510の長さに沿って形成された平坦な面554によって提供される。従って、端部面550は、一部が取り除かれ、この例では角が切り落とされた方形に似た断面領域を有する。
図5に示すように三角形形状の領域が消耗品から「切り落とされて」いる。三角形の一方の側の「切り落とし」側部は、他方の「切り落とし」側部より短く、その結果非対称の外部断面形状になっている。一部の例では切り落とし部分によって画定された三角形は、三辺全ての長さが異なる不等辺三角形であってもよい。
【0031】
デバイス500の受け部512には対応するアライメント機能部を有する同様な形の内方輪郭が設けられている。例えば
図5において受け部は一部が切り落とされた方形に似た内部領域を画定する内方輪郭を含む。内方輪郭の面556は、消耗品510の対応する平坦な面554を収容し、これと係合するように構成されている。従って、受け部512の表面556および消耗品510の表面554は、取り外し可能な消耗品の向きを限定するアライメント機能部であると言える。従って、消耗品の部品は、消耗品が受け部と係合した際にデバイスの部品と位置合わせすることができる。
【0032】
1つの例では消耗品は長尺であり、消耗品の一部が取り除かれた直方体にほぼ対応する外方輪郭を有する。そのような消耗品は、例えば
図5に示した外方輪郭の形状のプラスチック、ホイル、板紙などの非エアロゾル形成基板材料を形成および/または接合することによって供される。消耗品は消耗品510を通る空気流路を供する空気入り口と空気出口を含んでもよい。タバコまたはゲルなどのエアロゾル形成材は空気流路に沿って消耗品内に位置してもよい。例えば、ニコチンを含むゲルを基材の内面に堆積させてもよい。従って、1つの例では取り外し可能な消耗品の非エアロゾル形成部材はアライメント機能部を画定する。
【0033】
図6は別の例示的なエアロゾル供給デバイス600および別の例示的な取り外し可能な消耗品610の上面図である。消耗品610は、実質的に
図4に示したものと類似しているが、アライメント機能部は消耗品61の外面に形成された突起によって設けられている。
【0034】
この例の消耗品610は、ほぼ円筒状であり、近位端610aおよび遠位端610bを含む。近位端610aは、その端部が近位端610aであることを視覚的に示す1つ以上の特徴(図示せず)を含んでもよい。
【0035】
デバイス600の受け部612内の消耗品の向きを制限するために消耗品は、消耗品610によって画定された長手方向軸652を中心とした回転対称性の無い端部面650を有する。消耗品610は消耗品610の長さに沿って形成された突起654または隆起部を含み、この突起は長手方向軸652に平行であり、これによりアライメント機能部を画定している。消耗品610の外方輪郭はデバイス600の受け部612の内方輪郭と係合するように構成されている。一部の例では突起は、消耗品の全長に沿って形成されてなく、例えば消耗品の長さの一部のみに沿って延びている。
【0036】
デバイス600の受け部612には対応するアライメント機能部を有する同様に形成された内方輪郭が設けられている。例えば
図6では受け部は消耗品610の突起654を収容する寸法の凹部656を有する内方輪郭を含む。従って、受け部612の凹部656と消耗品610の突起654は、取り外し可能な消耗品の向きを限定する「錠と鍵」型の構造を有するアライメント機能部であると言える。従って、消耗品の部品は、消耗品が受け部と係合した際にデバイスの部品と位置合わせすることができる。
【0037】
一部の例では消耗品610の外方輪郭の一部660は、プラスチックなどの非エアロゾル形成基板材料によって設けられ、消耗品の一部658は、タバコなどのエアロゾル形成材によって設けられている。この例ではアライメント機能部654を形成する部分660は基板材料であり、アライメント機能部を形成しない部分658はエアロゾル形成材である。一般的には基板材料はエアロゾル形成材より硬質であり、従ってそのような構造によりより頑丈なアライメント機能部が提供される。しかしながら、他の例ではアライメント機能部654を形成する部分660がエアロゾル形成材であってもよく、部分658が基板材料であってもよい。
【0038】
図7は別の例示的なエアロゾル供給デバイス700および別の例示的な取り外し可能な消耗品710の上面図である。消耗品710は、実質的に
図6に説明したものと類似しているが、アライメント機能部は、消耗品710の外面に形成された凹部754によって提供されている。
【0039】
この例の消耗品710は、近位端710aおよび遠位端710bを含む。近位端710aは、その端部が近位端710aであることを視覚的に示す1つ以上の特徴(図示せず)を含んでもよい。
【0040】
デバイス700の受け部712内の消耗品の向きを制限するために消耗品は、消耗品710によって画定された長手方向軸752を中心にした回転対称性の無い端部面750を有する。消耗品710は、2つの平行な突起部の間に消耗品710の長さに沿って形成された凹部754を含み、凹部754と突起部は長手方向軸752に平行に配置されている。従って、凹部がアライメント機能部を画定する。消耗品710の外方輪郭はデバイス700の受け部712の内方輪郭と係合するように構成されている。
【0041】
デバイス700の受け部712には対応するアライメント機能部を有する類似の形状の内方輪郭が設けられている。例えば
図7では受け部は、消耗品710の凹部754内に受けられる寸法の突起756を有する内方輪郭を含む。従って、受け部712の突起756と消耗品710の凹部754は、取り外し可能な消耗品の向きを限定する「錠と鍵」型の構造を有するアライメント機能部であると言ってもよい。消耗品の部品は、従って消耗品が受け部と係合した際にデバイスの部品と位置合わせすることができる。
【0042】
一部の例では 凹部754は端部面750の縁部に中間点からオフセットしている。同様に突起756も受け部712の内方壁面の中間点からオフセットしている。これは取り外し可能な消耗品の外方輪郭が非対称の形状を画定し、受け部の内方輪郭が非対称の形状を画定していることを意味する。
【0043】
図8は別の例の取り外し可能な消耗品810を示している。この例の消耗品810は第1の部分862と第2の部分864とを含む。この例ではこれらの部分862、864は両方とも円筒状であるが、一方または両方の部分をあらゆる形状にしてもよい。第1の部分862は近位端を形成し、第2の部分864は遠位端を形成している。消耗品810は長手方向軸852を画定シート、第1および第2の部分862、864は軸852の方向に沿って配置されている。
【0044】
第1の部分862は第1の外周を有する第1端部面866を有する。第1の外周は第1端部面866の第1の領域を囲んでいる。同様に第2の部分864は第1の外周と異なる第2の外周縁部を有する第2端部面868を有し、第2の外周縁部は第2端部面868の第2の領域を囲み、第2の領域は第1の領域より小さい。第1端部面866、第1の外周、第2端部面868および第2の外周は長手方向軸852に直交して配置されいている。この例では第1の部分862と第2の部分864は一体に形成されているが、他の例ではそれらは別個に形成され、その後接合されてもよい。従って、第1の部分は長手方向軸に対して直交する第1の断面を有し、第2の部分は長手方向軸に対して直交する第2の断面を有する。従って、第1の断面と第2の断面は、共にアライメント機能部を画定する。
【0045】
図8の例ではデバイスの受け部内での消耗品の向きを制限するために第2の部分864は、第1の部分862の中央軸(即ち、第1部分によって画定された長手方向軸)からオフセットまたは、ずれている。従って、全体として消耗品には長手方向軸852を中心とした回転対称性が無い。従って、半径方向にオフセットした第2の部分868は、アライメント機能部を画定する。従って、消耗品810はアライメント機能部を有する外方輪郭を有する。消耗品810の外方輪郭は、
図9に示すようにデバイス800の受け部812の内方輪郭と係合するように構成されている。
【0046】
一部の例ではアライメント機能部は、追加またはこれとは別に第2の部分の第2の断面の外周と異なる長さの外周を有する第1の部分の第1の断面によって画定することができる。例えば、第1および第2の部分の断面は異なる形および/または大きさであってもよい。一部の例ではアライメント機能部は、追加またはこれとは別に第2の断面とは異なり、長手方向軸を中心に配向される第1の断面によって画定することができる。例えば、第1および第2の部分の断面は異なっても同じでもよいが、一方がアライメント機能部を画定するために長手方向軸を中心に回転させてもよい。一部の例ではアライメント機能部は、追加またはこれとは別に第2の断面の面積と異なる面積を有する第1の断面によって画定することができる。
【0047】
図9は交換可能な消耗品810を含む一例のデバイス800の断面を示している。デバイス800の受け部812には消耗品810の向きを限定する対応するアライメント機能部を有する同様に形成された内方輪郭が設けられている。受け部812は第1の部分862を収容するように構成された第1チェンバー870と第2の部分864を収容するように構成された第2チェンバー872とを含む。消耗品810と同じように第2チェンバーは第1チェンバーによって画定された長手方向軸からずれている。従って、消耗品810は、消耗品810が正しく配向されたときだけデバイスに収容することができる。これにより消耗品の部品はデバイスの部品と確実に位置合わせされる。
【0048】
一部の例では第2の部分864はエアロゾル形成材を含まない。
【0049】
図4~9で説明した例のそれぞれにおいて消耗品のアライメント機能部は、長手方向軸などの消耗品によって画定された軸を中心に半径方の位置に配置される。同様に
図4~9で説明した例では受け部は挿入軸を画定し、これに沿ってユーザーによって取り外し可能な消耗品が挿入される。従って、受け部の対応するアライメント機能部も挿入軸の周囲で半径方向の位置に配置される。
【0050】
図4~9で説明した例のそれぞれにおいて1つ以上の特定の目視可能な印またはマーカー117が消耗品にあってもよい。例えば、線、形またはロゴが消耗品の外面の特定の位置に配置されてもよい。1つの例では印は消耗品がデバイス内に適切に挿入された場合ハウジングによって覆い隠されてもよい。従って、その印が挿入した後も見えたままの場合、消耗品は完全におよび/または適切に挿入されていないことになる。従って、印は消耗品が正しく挿入されたかどうかを判断するためのユーザー用の手段を提供する。
【0051】
別の例では デバイスのハウジングは、その外面に窓、隙間または開口部を含んでもよい。
図10はそのような例としてのエアロゾル供給デバイス1000を示している。デバイス1000と消耗品1010は、さらに
図1~9を参照して説明した機能のいずれかを含んでもよい。窓、隙間または開口部1015は、ユーザーが消耗品が正しく挿入されたかどうかを確認できるように消耗品1010の目視可能な印1017がユーザーに見えるようにする。例えば、消耗品1010が挿入され、正しく位置合わせされたときだけ、目視可能な印が窓1015を介して見えるようになる。消耗品が正しく挿入されていない場合、印1017は窓1015から垂直方向または回転方向にずれており、従って、見えないまたは一部しか見えない。これによりユーザーは消耗品を再度位置合わせし、消耗品が確実に正しく位置合わせされるようにする。1つの特定の例では窓、隙間または開口部はハウジング1002の上部の切り欠きであってもよい。例えば、
図10に示すようにハウジング1002によって画定された貫通孔ではなく、U字状の切り欠きがハウジングの上縁部から延びてもよい。
【0052】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れた装置およびシステムを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。