(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】遮断器制御モジュール
(51)【国際特許分類】
H02H 3/087 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
H02H3/087
(21)【出願番号】P 2020554301
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(86)【国際出願番号】 KR2019001283
(87)【国際公開番号】W WO2019212125
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2020-10-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0049817
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】カン、スン-ヘ
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-127026(JP,A)
【文献】米国特許第06178077(US,B1)
【文献】特開2016-103427(JP,A)
【文献】特開2011-010393(JP,A)
【文献】特開2013-181822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送配電線路の電流の流れを遮断するか、前記電流の流れ方向が転換されるようにスイッ
チングする、複数の半導体スイッチング部;
前記複数の半導体スイッチング部
のそれぞれにトリップ信号を伝送して、前記
複数の半導体スイッチング部
のそれぞれのターン-オン又はターン-オフ動作を制御する制御部;及び、
複数の絶縁型信号伝送素子部を含み、
前記複数の絶縁型信号伝送素子部は、前記複数の半導体スイッチング部と前記制御部が絶縁されるように、前記複数の半導体スイッチング部
のそれぞれと前記制御部との間に構成さ
れ、
前記複数の絶縁型信号伝送素子部のそれぞれは、前記制御部か
ら前記トリップ信号を
受信して、前記複数の半導体スイッチング部
の対応する半導体スイッチング部に
受信したトリップ信号をそれぞれ伝送する
ように構成され、
前記複数の絶縁型信号伝送素子部の前記それぞれは、複数のフォトカプラー又は少なくとも一つのアイソレーターを含み、
前記複数の絶縁型信号伝送素子部の前記それぞれは、前記制御部から前記トリップ信号を受信して、前記複数のフォトカプラー又は前記少なくとも一つのアイソレーターを使用して、前記複数の半導体スイッチング部の前記それぞれに前記トリップ信号を伝送し、
前記複数のフォトカプラー又は前記少なくとも一つのアイソレーターは、前記送配電線路に流れる電流量に対応する検出信号を、前記複数の半導体スイッチング部の前記それぞれに伝送する、
遮断器制御モジュール。
【請求項2】
前記複数の半導体スイッチング部のうち、第1の半導体スイッチング部は、
前記送配電線路に直列構造で構成されて、前記制御部からのトリップ信号に応じて、タ
ーン-オン又はターン-オフされる第1のスイッチング素子;及び、
前記第1のスイッチング素子と並列構造で前記送配電線路に構成されて、前記第1のス
イッチング素子のターン-オフ時、前記送配電線路の電流が流れるようにする第1のダイ
オード素子を含み、
前記複数の半導体スイッチング部のうち、第2の半導体スイッチング部は、
前記第1のスイッチング素子と直列に、前記送配電線路に構成されて、前記制御部から
のトリップ信号に応じて、ターン-オン又はターン-オフされる第2のスイッチング素子
;及び、
前記第1のダイオード素子とは反対向き方向に、前記第2のスイッチング素子に並列に
構成されて、前記第2のスイッチング素子のターン-オフ時、前記送配電線路の電流が流
れるようにする第2のダイオード素子を含む、
請求項1に記載の遮断器制御モジュール。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1及び第2のスイッチング素子にトリップ信号を伝送して、前記第1及び第2の
スイッチング素子をターン-オフさせることにより、前記送配電線路の電流の流れを遮断
させるか、
前記第1のスイッチング素子は、ターン-オンさせるものの、前記第2のスイッチング
素子にだけトリップ信号を伝送して、前記第2のスイッチング素子をターン-オフさせる
ことにより、前記送配電線路の電流が逆方向に流れるように制御し、
前記第2のスイッチング素子は、ターン-オンさせるものの、前記第1のスイッチング
素子にだけトリップ信号を伝送して、前記第1のスイッチング素子をターン-オフさせる
ことにより、前記送配電線路の電流が順方向に流れるように制御する、
請求項2に記載の遮断器制御モジュール。
【請求項4】
前記送配電線路に、前記複数の半導体スイッチング部と直列に構成されて、
前記制御部の制御によって、前記送配電線路を遮断する少なくとも一つの遮断スイッチ
;
前記送配電線路に、前記複数の半導体スイッチング部と直列に構成された少なくとも一
つのインダクタンス;
前記送配電線路に、前記複数の半導体スイッチング部と直列に構成された少なくとも一
つの過電流防止ヒューズ;及び、
前記送配電線路に直列に連結された前記複数の半導体スイッチング部のうち、第2の半
導体スイッチング部の入力端又は出力端に構成されて、前記第2の半導体スイッチング部
の入力端又は出力端に流れる電流量をリアルタイムで検出し、
前記検出済み電流量に対応する検出信号を前記制御部に伝送する、第1の電流量検出部
をさらに含む、
請求項1に記載の遮断器制御モジュール。
【請求項5】
前記第1の電流量検出部は、
前記送配電線路と予め設定された間隔を空けて構成された孔センサーを用いて、
前記送配電線路の電磁場を検出し、前記検出済み電磁場に対応する電流及び電圧値を前
記制御部に伝送する、
請求項
4に記載の遮断器制御モジュール。
【請求項6】
前記送配電線路に直列に連結された前記複数の半導体スイッチング部のうち、第1の半
導体スイッチング部の入力端又は出力端に構成されて、前記第1の半導体スイッチング部
の入力端又は出力端に流れる電流量をリアルタイムで検出し、
前記検出済み電流量に対応する検出信号を前記制御部に伝送する、第2の電流量検出部
をさらに含む、
請求項
4に記載の遮断器制御モジュール。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第1の電流量検出部からの電流量検出信号、及び前記第2の電流量検出部からの電
流量検出信号を互いに比較し、
前記比較済み差電圧の大きさが、予め設定された基準電圧値の範囲より大きいか小さく
なれば、前記複数の半導体スイッチング部に、同時にトリップ信号を伝送して、前記
送配電線路の電流の流れを遮断させる、
請求項
6に記載の遮断器制御モジュール。
【請求項8】
前記送配電線路に直列に連結された前記複数の半導体スイッチング部のうち、第2の半
導体スイッチング部の入力端又は出力端と並列に、グラウンド電圧源の間に構成されて、
前記第2の半導体スイッチング部の入力端又は出力端にサージ電圧が発生すれば、前記サ
ージ電圧をグラウンド電圧にショートさせる第1のショートサーキット回路部;
前記送配電線路に直列に連結された前記複数の半導体スイッチング部とは並列に構成さ
れて、前記複数の半導体スイッチング部の両端にサージ電圧が発生すれば、前記サージ電
圧をグラウンド電圧にショートさせる第2のショートサーキット回路部;及び、
前記送配電線路に直列に連結された前記複数の半導体スイッチング部のうち、第1の半
導体スイッチング部の入力端又は出力端と並列に、グラウンド電圧源の間に構成されて、
前記第1の半導体スイッチング部の入力端又は出力端にサージ電圧が発生すれば、サージ
電圧をショートさせる第3のショートサーキット回路部をさらに含む、
請求項
4に記載の遮断器制御モジュール。
【請求項9】
前記第1のショートサーキット回路部と並列に構成されて、前記第2の半導体スイッチ
ング部の入力端又は出力端の電圧を検出して、前記第2の半導体スイッチング部の入力端
又は出力端の電圧値を、前記制御部に供給する第1の電圧検出部;及び、
前記第3のショートサーキット回路部と並列構造で構成されて、前記第1の半導体スイ
ッチング部の入力端又は出力端の電圧を検出して、前記第1の半導体スイッチング部の入
力端又は出力端の電圧値を、前記制御部に供給する第2の電圧検出部をさらに含む、
請求項
8に記載の遮断器制御モジュール。
【請求項10】
前記制御部は、
第1の電圧検出部から検出された、前記第2の半導体スイッチング部の入力端又は出力
端の電圧値、及び第2の電圧検出部から検出された、前記第1の半導体スイッチング部の
入力端又は出力端の電圧値を比較し、
前記比較済み差電圧の大きさが、予め設定された基準電圧値の範囲より大きいか小さく
なれば、前記複数の半導体スイッチング部に、同時にトリップ信号を伝送して、前記
送配電線路の電流の流れを遮断させる、
請求項
9に記載の遮断器制御モジュール。
【請求項11】
前記第1の電圧検出部と前記制御部が絶縁されるように、前記第1の電圧検出部と前記
制御部との間に構成されて、前記第1の電圧検出部から検出された前記第2の半導体スイ
ッチング部の入力端又は出力端の電圧値を、前記制御部に伝送する、第1の絶縁型信号伝
送部;及び、
前記第2の電圧検出部と前記制御部が絶縁されるように、前記第2の電圧検出部と前記
制御部の間に構成されて、前記第2の電圧検出部から検出された前記第1の半導体スイッ
チング部の入力端又は出力端の電圧値を、前記制御部に伝送する、第2の絶縁型信号伝送
部を含む、
請求項
9に記載の遮断器制御モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統や送配電線路の故障電流を遮断する遮断器制御モジュールに関し、詳細には、電子式半導体スイッチング構造を適用して、アークによる事故のリスクを減らし、遮断器を制御するための制御回路が絶縁状態で維持されるようにして、安全性と信頼性を高めることのできる遮断器制御モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統や送電及び配電線路等における故障が発生する場合、故障線路と電気的に連結された電力機器及び設備を保護するために、直流遮断器等で故障電流を遮断することになる。例えば、送電及び配電線路にサージ電圧等の過電圧/過電流が発生すれば、これをモニタリングする制御器や継電器等は、トリップ信号を故障線路の遮断器に供給して、故障電流の流れる故障線路を遮断することになる。
【0003】
しかし、前述した従来の方式により故障線路の遮断スイッチを直接遮断する場合は、故障線路の両端の間に電気的アークが発生するようになる。このようなアーク発生時は、電気的な遮断効果が減ることになり、遮断回数が増えるほど、遮断スイッチらが焼損する等の問題があった。
【0004】
このため、最近は、送電及び配電線路を遮断するための遮断器を開発するとき、反応速度に優れながらも、欠陥発生時も周辺線路の被害を最小限にすることができる電力用半導体スイッチを活用して、遮断器を設計している。
【0005】
前述したように、故障線路の電流遮断時、直接に遮断スイッチらを制御して、故障線路が遮断されるようにすれば、電気的アークが発生するようになる。よって、電力用半導体スイッチで故障線路を先に遮断した後、遮断スイッチらを遮断すれば、アークが発生するリスクを減らせるようになる。
【0006】
しかし、電力用半導体スイッチらは、送電及び配電線路に構成された状態で、別途制御器や計測器から直接にトリップ信号を受けるため、送電及び配電線路にサージ電圧、過電圧、過電流等が発生したとき、制御器や計測器にまで電気的な影響を受けるようになる問題があった。このように、制御器や計測器が直接に過電圧/過電流の影響を受けるようになれば、その安全性と信頼性は、著しく低下するしかなかった。
【0007】
また、従来に送電及び配電線路の電流をセンシングするためのセンシング方法は、送電及び配電線路のバスバーに直接に抵抗等の電流センシング素子を構成して、電流量を検出した。このように、電流量を検出する過程でも、送電及び配電線路にサージ電圧等が発生したとき、制御器や計測器にまでその電気的な影響を受けるようになるため、遮断器を始め、遮断器を制御する構成にまで全て電気的リスクにさらすしかなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決するためのものであって、電力系統や送電及び配電線路の故障電流を遮断するとき、電子式半導体スイッチング構造を用いて、故障線路を先に遮断するようにする。このため、本発明では、アークによる事故のリスクを減らせる遮断器制御モジュールを提供することにその目的がある。
【0009】
また、故障電流が流れる故障線路と遮断器を制御する制御回路が絶縁されるようにして、制御回路の安全性と信頼性を高められる遮断器制御モジュールを提供することにその目的がある。
【課題を解決しようとする手段】
【0010】
前述したような目的を達成するために、本発明の実施形態による遮断器制御モジュールは、送配電線路の電流の流れを遮断するか、前記電流の流れ方向が転換されるようにスイッチングする複数の半導体スイッチング部、複数の半導体スイッチング部それぞれにトリップ信号を伝送して、各半導体スイッチング部のターン-オン又はターン-オフ動作を制御する制御部、及び複数の半導体スイッチング部と制御部が絶縁されるように、複数の半導体スイッチング部と制御部との間に構成されて、制御部からのトリップ信号を複数の半導体スイッチング部にそれぞれ伝送する複数の絶縁型信号伝送素子部、とを含む。
【0011】
複数の半導体スイッチング部のうち、第1の半導体スイッチング部は、送配電線路に直列構造で構成されて、制御部からのトリップ信号に応じてターン-オン又はターン-オフされる第1のスイッチング素子、及び第1のスイッチング素子と並列構造から送配電線路に構成されて、第1のスイッチング素子のターン-オフ時、送配電線路の電流が流れるようにする第1のダイオード素子、とを含み、複数の半導体スイッチング部のうち、第2の半導体スイッチング部は、第1のスイッチング素子と直列に送配電線路に構成されて、制御部からのトリップ信号に応じてターン-オン又はターン-オフされる第2のスイッチング素子、及び第1のダイオード素子とは反対向き方向に第2のスイッチング素子に並列に構成されて、第2のスイッチング素子のターン-オフ時、送配電線路の電流が流れるようにする第2のダイオード素子、とを含む。
【0012】
制御部は、第1及び第2のスイッチング素子にトリップ信号を伝送して、第1及び第2のスイッチング素子をターン-オフさせることにより、送配電線路の電流の流れを遮断するか、第1のスイッチング素子は、ターン-オンさせるものの、第2のスイッチング素子にだけトリップ信号を伝送して、第2のスイッチング素子をターン-オフさせることにより、送配電線路の電流が逆方向に流れるように制御し、第2のスイッチング素子は、ターン-オンさせるものの、第1のスイッチング素子にだけトリップ信号を伝送して、第1のスイッチング素子をターン-オフさせることにより、送配電線路の電流が順方向に流れるように制御する。
【0013】
複数の絶縁型信号伝送素子部は、複数のフォトカプラー又は少なくとも一つのアイソレーターを含み、複数のフォトカプラー又は少なくとも一つのアイソレーターを用いて、制御部からのトリップ信号を前記複数の半導体スイッチング部にそれぞれ伝送する。
【0014】
複数の絶縁型信号伝送素子部は、複数のフォトカプラー又は少なくとも一つのアイソレーターを含み、複数のフォトカプラー又は少なくとも一つのアイソレーターは、送配電線路に流れる電流量に対応する検出信号を複数の半導体スイッチング部にそれぞれ伝送する。
【0015】
本発明における遮断器制御モジュールは、送配電線路に複数の半導体スイッチング部と直列に構成されて、制御部の制御によって送配電線路を遮断する少なくとも一つの遮断スイッチ、送配電線路に複数の半導体スイッチング部と直列に構成された少なくとも一つのインダクタンス、送配電線路に複数の半導体スイッチング部と直列に構成された少なくとも一つの過電流防止ヒューズ、及び送配電線路に直列に連結された複数の半導体スイッチング部のうち、第2の半導体スイッチング部の入力端又は出力端から構成されて、第2の半導体スイッチング部の入力端又は出力端に流れる電流量をリアルタイムで検出し、検出済み電流量に対応する検出信号を制御部に伝送する第1の電流量検出部をさらに含む。
【0016】
第1の電流量検出部は、送配電線路と予め設定された間隔を空けて構成された孔センサーを用いて、送配電線路の電磁場を検出し、検出済み電磁場に対応する電流及び電圧値を制御部に伝送する。
【0017】
送配電線路に直列に連結された複数の半導体スイッチング部のうち、第1の半導体スイッチング部の入力端又は出力端に構成されて、第1の半導体スイッチング部の入力端又は出力端に流れる電流量をリアルタイムで検出し、検出済み電流量に対応する検出信号を制御部に伝送する第2の電流量検出部をさらに含む。
【0018】
制御部は、第1の電流量検出部からの電流量検出信号、及び前記第2の電流量検出部からの電流量検出信号を互いに比較し、比較済み差電圧の大きさが、予め設定された基準電圧値の範囲より大きいか小なくなれば、複数の半導体スイッチング部に、同時にトリップ信号を伝送して、配電線路の電流の流れを遮断させる。
【0019】
本発明における遮断器制御モジュールは、送配電線路に直列に連結された複数の半導体スイッチング部のうち、第2の半導体スイッチング部の入力端又は出力端と並列に、グラウンド電圧源の間に構成されて、第2の半導体スイッチング部の入力端又は出力端にサージ電圧が発生すれば、サージ電圧をグラウンド電圧にショートさせる第1のショートサーキット回路部、送配電線路に直列に連結された複数の半導体スイッチング部とは並列に構成されて、複数の半導体スイッチング部の両端にサージ電圧が発生すれば、サージ電圧をグラウンド電圧にショートさせる第2のショートサーキット回路部、及び送配電線路に直列に連結された複数の半導体スイッチング部のうち、第1の半導体スイッチング部の入力端又は出力端と並列に、グラウンド電圧源の間に構成されて、第1の半導体スイッチング部の入力端又は出力端にサージ電圧が発生すれば、サージ電圧をショートさせる第3のショートサーキット回路部をさらに含む。
【0020】
本発明における遮断器制御モジュールは、第1のショートサーキット回路部と並列に構成されて、第2の半導体スイッチング部の入力端又は出力端の電圧を検出して、第2の半導体スイッチング部の入力端又は出力端の電圧値を制御部に供給する第1の電圧検出部、及び第3のショートサーキット回路部と並列構造で構成されて、第1の半導体スイッチング部の入力端又は出力端の電圧を検出して、第1の半導体スイッチング部の入力端又は出力端の電圧値を制御部に供給する第2の電圧検出部をさらに含む。
【0021】
制御部は、第1の電圧検出部から検出された第2の半導体スイッチング部の入力端又は出力端の電圧値、及び第2の電圧検出部から検出された第1の半導体スイッチング部の入力端又は出力端の電圧値を比較し、比較済み差電圧の大きさが予め設定された基準電圧値の範囲より大きいか小なくなれば、複数の半導体スイッチング部に、同時にトリップ信号を伝送して、配電線路の電流の流れを遮断させる。
【0022】
本発明における遮断器制御モジュールは、第1の電圧検出部と制御部が絶縁されるように、第1の電圧検出部と前記制御部との間に構成されて、第1の電圧検出部から検出された前記第2の半導体スイッチング部の入力端又は出力端の電圧値を制御部に伝送する第1の絶縁型信号伝送部、及び第2の電圧検出部と制御部が絶縁されるように、第2の電圧検出部と制御部との間に構成されて、第2の電圧検出部から検出された第1の半導体スイッチング部の入力端又は出力端の電圧値を制御部に伝送する第2の絶縁型信号伝送部をさらに含む。
【発明の効果】
【0023】
上記のように多様な技術特徴を有する本発明の遮断器制御モジュールは、電力系統や送電及び配電線路の故障電流を遮断するとき、電子式半導体スイッチング構造を用いて、故障線路を先に遮断させることにより、アークによる事故のリスクを減らせる効果がある。
【0024】
また、本発明の遮断器制御モジュールは、故障電流が流れる故障線路と遮断器の制御回路が絶縁されるようにして、電気的な衝撃による安全性と信頼性を高められる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態による遮断器制御モジュールの構成を示した構成図。
【
図2】
図1に示された遮断器制御モジュールの電流の流れ方向を制御する方法を説明するための構成図。
【
図3】
図1及び
図2に示された第1の絶縁型信号伝送素子部の構成を具体的に示した構成図。
【
図4】
図1及び
図2に示された第1の電流量検出部の構成を具体的に示した構成図。
【
図5】本発明の第2実施形態による遮断器制御モジュールの構成を示した構成図。
【
図6】本発明の第3実施形態による遮断器制御モジュールの構成を示した構成図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにおいて、本発明に係る公知の技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説する。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すことに使われる。
【0027】
以下では、本発明の遮断器制御モジュールについてさらに詳説する。
【0028】
図1は、本発明の第1実施形態による遮断器制御モジュールの構成を示した構成図である。
【0029】
図1に示された遮断器制御モジュールは、複数の半導体スイッチング部110、120、制御部100、複数の絶縁型信号伝送素子部130、140、少なくとも一つの遮断スイッチ101、102、少なくとも一つのインダクタンス160、少なくとも一つの過電流防止ヒューズ170、及び第1の電流量検出部150、とを含む。
【0030】
具体的には、複数の半導体スイッチング部110、120は、電力系統や送電及び配電線路にそれぞれ構成される。かかる半導体スイッチング部110、120は、電力用半導体スイッチング素子を用いて、送電及び配電線路の電流の流れを遮断するか、送電及び配電線路の電流の流れ方向が転換されるようにスイッチングする。
【0031】
このために、複数の半導体スイッチング部110、120のうち、第1の半導体スイッチング部110は、送配電線路に直列構造で構成されて、制御部100からのトリップ信号に応じてターン-オン又はターン-オフされる第1のスイッチング素子(ST1)、及び第1のスイッチング素子(ST1)と並列構造で構成されて、第1のスイッチング素子(ST1)のターン-オフ時、送配電線路の電流が流れるようにする第1のダイオード素子(D1)を含む。
【0032】
複数の半導体スイッチング部110、120のうち、第2の半導体スイッチング部120は、第1のスイッチング素子(ST1)と直列に送配電線路に構成されて、制御部100からのトリップ信号に応じてターン-オン又はターン-オフされる第2のスイッチング素子(ST2)、及び第1のダイオード素子(D1)とは反対向き方向に第2のスイッチング素子(ST2)に並列に構成されて、第2のスイッチング素子(ST2)のターン-オフ時、送配電線路の電流が流れるようにする第2のダイオード素子(D2)、とを含む。
【0033】
複数の半導体スイッチング部110、120は、ターン-オン時、電流の流れによって順方向である場合、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect transistor)の性質を有し、逆方向である場合、ダイオード(Diode)の性質を全て有する素子に用いることもできる。この場合は、一つの素子で具現可能である。
【0034】
制御部100は、少なくとも一つのMCU(Micro Controller Unit)やCPU(Central Processing Unit)等を用いて、送配電線路の電流の流れの状態によって、各半導体スイッチング部110、120のスイッチング動作を制御する。
【0035】
制御部100は、第1の電流量検出部150等を通じて検出及び入力された送配電線路の電流量を、予め設定された基準電流量と比較し、その比較結果によって、送配電線路の故障有無を判断する。ここで、送配電線路の故障判断は、送配船線路にサージ電圧が印可されるか、過電圧又は過電流等が発生する場合を故障と判断及び定義することができる。
【0036】
このため、制御部100は、送配電線路の故障判断時、絶縁型信号伝送素子部130、140を通じて、各々の半導体スイッチング部110、120にトリップ信号を伝送することにより、各半導体スイッチング部110、120のターン-オン又はターン-オフ動作を制御する。
【0037】
制御部100において、複数の半導体スイッチング部110、120にいずれもトリップ信号を伝送する場合は、複数の半導体スイッチング部110、120がいずれもターン-オフされて、送配電線路の電流の流れが遮断される。
【0038】
送配電線路の故障判断時、制御部100は、送配電線路に構成された少なくとも一つの遮断スイッチ101、102を先にターン-オフさせて、直接に送配電線路の電流の流れを遮断することもできる。しかし、各々の遮断スイッチ101、102は、機械スイッチであるため、遮断スイッチ101、102を直ちにターン-オフさせる場合、高電圧によるアークが発生したりもして、遮断回数が多い程、焼損リスクが大きくなる。
【0039】
このため、制御部100は、送配電線路の故障判断時、絶縁型信号伝送素子部130、140を通じて、各々の半導体スイッチング部110、120にトリップ信号を伝送することにより、先に各半導体スイッチング部110、120をターン-オフさせる。その後、送配電線路の遮断スイッチ101、102で送配電線路を遮断することにより、アーク発生によるリスクを減らして、安全性を高めるようになる。
【0040】
複数の絶縁型信号伝送素子部130、140は、複数の半導体スイッチング部110、120と前記制御部100が絶縁されるように、複数の半導体スイッチング部110、120と制御部100との間に構成される。
【0041】
各々の絶縁型信号伝送素子部130、140は、制御部100からターン-オンスイッチング信号及びトリップ信号が供給されると、供給されたターン-オンスイッチング信号やトリップ信号を各々の半導体スイッチング部110、120に伝送する。
【0042】
各々の絶縁型信号伝送素子部130、140は、絶縁型信号伝送素子として少なくとも一つの両方向デジタルアイソレーター、及び複数のフォトカプラーのうち、少なくとも一つの素子を含むところ、送配電線路に直接接続された各半導体スイッチング部110、120と制御部100が絶縁されるようにする。
【0043】
各半導体スイッチング部110、120と制御部100が絶縁状態を維持する場合、送配電線路にサージ電圧や過電圧又は過電流が発生する場合も、制御部100には、その電気的な影響を最小限にすることができる。
【0044】
一方、各々の絶縁型信号伝送素子部130、140は、送配電線路に流れる電流量、例えば、各半導体スイッチング部110、120の入力端又は出力端に流れる電流量に対応する検出信号を制御部100に伝送したりもする。すなわち、各々の絶縁型信号伝送素子部130、140は、制御部100からターン-オンスイッチング信号及びトリップ信号を、各々の半導体スイッチング部110、120に伝送するとともに、各半導体スイッチング部110、120の入力端又は出力端に流れる電流量を検出し、検出済み電流量に対応する検出信号を制御部100に伝送する。かかる各々の絶縁型信号伝送素子部130、140に対する構成と動作については、以下に添付の図面を参照して、さらに具体的に説明する。
【0045】
少なくとも一つの遮断スイッチ101、102は、送配電線路に複数の半導体スイッチング部110、120と直列に構成される。少なくとも一つの遮断スイッチ101、102は、各半導体スイッチング部110、120の入力端又は出力端に直列に構成されうるし、制御部100から遮断信号(例えば、ターン-オフ信号)が入力されると、送配電線路を遮断することになる。
【0046】
少なくとも一つのインダクタンス160は、送配電線路に複数の半導体スイッチング部110、120と直列に構成されて、制御部100における送配電線路の電流変化と逆起電力の比率を検出するために用いられる。
【0047】
少なくとも一つの過電流防止ヒューズ170も、送配電線路に複数の半導体スイッチング部110、120と直列に構成され、過電流発生時、送配電線路が自動に短絡されるようにする。
【0048】
第1の電流量検出部150は、送配電線路に直列に連結された複数の半導体スイッチング部110、120のうち、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端に構成されてもよい。かかる第1の電流量検出部150は、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端に流れる電流量をリアルタイムで検出し、検出済み電流量に対応する検出信号を制御部100に伝送する。このため、制御部100は、第1の電流量検出部150を通じて検出及び入力された送配電線路の電流量を、予め設定された基準電流量と比較し、その比較結果によって、送配電線路の故障有無を判断することができるようになる。
【0049】
図2は、
図1に示された遮断器制御モジュールの電流の流れ方向を制御する方法を説明するための構成図である。
【0050】
図2に示されたように、第1の半導体スイッチング部110の第1のスイッチング素子(ST1)は、送配電線路に直列構造で構成されて、制御部100からのターン-オンスイッチング信号及びトリップ信号に応じてターン-オン又はターン-オフされる。
【0051】
このとき、第1のダイオード素子(D1)は、第1のスイッチング素子(ST1)と並列構造で構成されるため、第1のスイッチング素子(ST1)のターン-オフ時は、第1のダイオード素子(D1)の方向に従って、送配電線路に逆方向(B矢印方向)に電流が流れるようにする。
【0052】
第2の半導体スイッチング部120の第2のスイッチング素子(ST2)は、第1のスイッチング素子(ST1)と直列に送配電線路に構成されて、制御部100からのターン-オンスイッチング信号及びトリップ信号に応じてターン-オン又はターン-オフされる。
【0053】
第2のダイオード素子(D2)は、第1のダイオード素子(D1)とは反対向き方向に第2のスイッチング素子(ST2)と並列に構成される。このため、第2のスイッチング素子(ST2)のターン-オフ時は、第2のダイオード素子(D2)の方向に従って、送配電線路に順方向(A矢印方向)に電流が流れるようにする。
【0054】
かかる構成により、制御部100は、第1及び第2のスイッチング素子(ST1、ST2)にいずれもトリップ信号を伝送し、第1及び第2のスイッチング素子(ST1、ST2)をターン-オフさせることにより、送配電線路の電流の流れを遮断させることができる。
【0055】
制御部100は、第1のスイッチング素子(ST1)をターン-オンスイッチング信号にターン-オンさせるものの、第2のスイッチング素子(ST2)にだけトリップ信号を伝送して、第2のスイッチング素子(ST2)をターン-オフさせることにより、送配電線路の電流が逆方向(B矢印方向)に流れるように制御することができる。
【0056】
これと違って、制御部100は、第2のスイッチング素子(ST2)をターン-オンスイッチング信号にターン-オンさせるものの、第1のスイッチング素子(ST1)にだけトリップ信号を伝送して、第1のスイッチング素子(ST1)をターン-オフさせることにより、送配電線路の電流が順方向(A矢印方向)に流れるように制御することができる。
【0057】
図3は、
図1及び
図2に示された第1の絶縁型信号伝送素子部の構成を具体的に示した構成図である。
【0058】
具体的には、
図3(a)は、第1の絶縁型信号伝送素子部130に絶縁型信号伝送素子で両方向デジタルアイソレーター131が構成された例を示した図面である。
【0059】
両方向デジタルアイソレーター131は、送配電線路に直接接続された第1の半導体スイッチング部110と制御部100が絶縁されるようにする。そして、両方向デジタルアイソレーター131は、絶縁状態で、制御部100からターン-オンスイッチング信号やトリップ信号(S_130)が供給されると、供給されたターン-オンスイッチング信号やトリップ信号(S_130)を第1の半導体スイッチング部110に伝送する。
【0060】
また、
図3(a)の両方向デジタルアイソレーター131は、送配電線路に流れる電流量、例えば、第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端に流れる電流量に対応する検出信号(S_1)を制御部100に伝送したりもする。
【0061】
図面に示していないが、第2の絶縁型信号伝送素子部140も、絶縁型信号伝送素子で両方向デジタルアイソレーター131が構成されてもよい。この場合、第2の絶縁型信号伝送素子部140の両方向デジタルアイソレーター131も、送配電線路に直接接続された第2の半導体スイッチング部120と制御部100が絶縁されるようにする。そして、制御部100からターン-オンスイッチング信号やトリップ信号が供給されると、供給されたターン-オンスイッチング信号やトリップ信号を第2の半導体スイッチング部120に伝送する。そして、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端に流れる電流量に対応する検出信号を制御部100に伝送したりもする。
【0062】
次に、
図3(b)は、第1の絶縁型信号伝送素子部130に絶縁型信号伝送素子で複数のフォトカプラー141が両方向に構成された例を示した図面である。
【0063】
両方向に構成された複数のフォトカプラー141は、送配電線路に直接接続された第1の半導体スイッチング部110と制御部100が絶縁されるようにする。そして、両方向に構成された複数のフォトカプラー141は、絶縁状態で、制御部100からターン-オンスイッチング信号やトリップ信号(S_130)が供給されると、供給されたターン-オンスイッチング信号やトリップ信号(S_130)を第1の半導体スイッチング部110に伝送する。
【0064】
また、両方向に構成された複数のフォトカプラー141は、第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端に流れる電流量に対応する検出信号(S_1)を制御部100に伝送したりもする。
【0065】
図面に示していないが、第2の絶縁型信号伝送素子部140も、絶縁型信号伝送素子で複数のフォトカプラー141が両方向に構成されてもよい。この場合、第2の絶縁型信号伝送素子部140に両方向に構成された複数のフォトカプラー141も、送配電線路に直接接続された第2の半導体スイッチング部120と制御部100が絶縁されるようにする。そして、制御部100からターン-オンスイッチング信号やトリップ信号が供給されると、供給されたターン-オンスイッチング信号やトリップ信号を第2の半導体スイッチング部120に伝送する。そして、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端に流れる電流量に対応する検出信号を制御部100に伝送したりもする。
【0066】
かかる第1及び第2の絶縁型信号伝送素子部130、140の構成によって、制御部100は、第1及び第2の絶縁型信号伝送素子部130、140を通じて、第1及び第2の半導体スイッチング部110、120の両端電流量による検出信号らを入力されることができる。ここで、第1及び第2の半導体スイッチング部110、120の両端電流量による検出信号らを、第1及び第2の絶縁型信号伝送素子部130、140の特性によって電圧値として入力されるようになる。
【0067】
このため、制御部100は、第1及び第2の半導体スイッチング部110、120の両端電流量による検出信号らを互いに比較し、比較済み差電圧の大きさが予め設定された基準電圧値の範囲より大きいか小さくなれば、複数の半導体スイッチング部110、120に、同時にトリップ信号を伝送して、送配電線路の電流の流れを遮断させることができる。
【0068】
図4は、
図1及び
図2に示された第1の電流量検出部の構成を具体的に示した構成図である。
【0069】
図4に示された第1の電流量検出部150は、送配電線路に直列に連結された複数の半導体スイッチング部110、120のうち、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端に構成されてもよい。かかる第1の電流量検出部150は、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端に流れる電流量をリアルタイムで検出し、検出済み電流量に対応する検出信号を制御部100に伝送する。
【0070】
このために、
図4のように、第1の電流量検出部150は、送配電線路のバスバー400と予め設定された間隔を空けて間接に構成された孔センサー300を用いて、送配電線路の電磁場を検出し、検出済み電磁場に対応する電流及び電圧値を制御部100に伝送することができる。このように、孔センサー300を用いて、送配電線路のバスバーと、予め設定された間隔を空けて間接に電流量を検出することになれば、別途絶縁素子を用いることなく、送配電線路と絶縁状態を維持するため、制御部100の安全性を高められるようになる。そして、制御部100は、第1の電流量検出部150を通じて間接に検出された送配電線路の電流量を、予め設定された基準電流量と比較し、その比較結果によって、送配電線路の故障有無を安定して判断することができる。
【0071】
図5は、本発明の第2実施形態による遮断器制御モジュールの構成を示した構成図である。
【0072】
図5に示された遮断器制御モジュールは、送配電線路に直列に連結された複数の半導体スイッチング部110、120のうち、第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端に構成された第2の電流量検出部152をさらに含む。
【0073】
第2の電流量検出部152は、第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端に流れる電流量をリアルタイムで検出し、検出済み電流量に対応する検出信号を制御部100に伝送する。
【0074】
第2の電流量検出部152も、送配電線路のバスバーと予め設定された間隔を空けて間接に構成された孔センサー300を用いて、第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端の電磁場を検出し、検出済み電磁場に対応する電流及び電圧値を制御部100に伝送することができる。
【0075】
このため、制御部100は、第1の電流量検出部150からの電流量検出信号、及び前記第2の電流量検出部152からの電流量検出信号を互いに比較し、比較済み差電圧の大きさが、予め設定された基準電圧値の範囲より大きいか小さくなれば、複数の半導体スイッチング部110、120に、同時にトリップ信号を伝送して、送配電線路の電流の流れを遮断させることができる。
【0076】
図6は、本発明の第3実施形態による遮断器制御モジュールの構成を示した構成図である。
【0077】
図6に示されたように、遮断器制御モジュールは、第1のショートサーキット回路部209、第2のショートサーキット回路部210、第3のショートサーキット回路部211、第1の電圧検出部(SV1)、及び第2の電圧検出部(SV2)をさらに含む。
【0078】
ここで、第1のショートサーキット回路部209は、送配電線路に直列に連結された複数の半導体スイッチング部110、120のうち、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端と並列に、グラウンド電圧源の間に構成される。第1のショートサーキット回路部209は、金属酸化物バリスタ(Metal Oxide Varistor)を含む。このため、第1のショートサーキット回路部209は、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端にサージ電圧が発生すると、サージ電圧をグラウンド電圧にショートさせて、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端の電圧を安定化する。
【0079】
第2のショートサーキット回路部210は、送配電線路に直列に連結された第1及び第2の半導体スイッチング部110、120とは並列に構成される。かかる第2のショートサーキット回路部210は、第1及び第2の半導体スイッチング部110、120の両端にサージ電圧が発生すると、サージ電圧をグラウンド電圧にショートさせて、第1及び第2の半導体スイッチング部110、120の両端電圧を安定化する。
【0080】
第3のショートサーキット回路部211は、送配電線路に直列に連結された複数の半導体スイッチング部110、120のうち、第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端と並列に、グラウンド電圧源の間に構成される。かかる第3のショートサーキット回路部211は、第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端にサージ電圧が発生すると、サージ電圧をショートさせて、第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端の電圧を安定化する。
【0081】
第1の電圧検出部(SV1)は、第1のショートサーキット回路部209と並列構造で構成される。かかる第1の電圧検出部(SV1)は、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端の電圧を検出して、第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端の電圧値を制御部100に供給する。
【0082】
本発明の遮断器制御モジュールに構成された第1及び第2の絶縁型信号伝送素子部130、140と、第1及び第2の電流量検出部は、送配電線路の電流量を検出して、電流量に対応する検出信号や電圧値を制御部100に供給するため、送配電線路の電圧を検出する回路が必要である。
【0083】
このため、第1の電圧検出部(SV1)は、複数の抵抗熱から構成されて、抵抗熱による分配電圧値を制御部100に供給する。
【0084】
第2の電圧検出部(SV2)の場合は、第3のショートサーキット回路部211と並列構造で構成される。このため、第2の電圧検出部(SV2)は、第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端の電圧を検出して、第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端の電圧値を制御部100に供給する。第2の電圧検出部(SV2)も、複数の抵抗熱から構成されて、抵抗熱による分配電圧値を制御部100に供給する。
【0085】
第1及び第2の電圧検出部(SV1、SV2)の構成によって、制御部100は、第1の電圧検出部(SV1)から検出された第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端の電圧値、及び第2の電圧検出部(SV2)から検出された第1の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端の電圧値を互いに比較することができる。そして、制御部100は、比較された差電圧の大きさが、予め設定された基準電圧値の範囲より大きいか小さくなれば、複数の半導体スイッチング部110、120に、同時にトリップ信号を伝送して、配電線路の電流の流れを遮断させることができる。
【0086】
一方、
図6に示されたように、本発明の遮断器制御モジュールは、制御部100が送配電線路と絶縁状態を維持するようにするための構成であって、第1の絶縁型信号伝送部251及び第2の絶縁型信号伝送部250をさらに含めたりもする。
【0087】
具体的には、第1の絶縁型信号伝送部251は、第1の電圧検出部(SV1)と制御部100が絶縁されるように、第1の電圧検出部(SV1)と前記制御部100との間に構成される。かかる第1の絶縁型信号伝送部251は、第1の電圧検出部(SV1)から検出された第2の半導体スイッチング部120の入力端又は出力端の電圧値を制御部100に伝送する。
【0088】
第2の絶縁型信号伝送部250は、第2の電圧検出部(SV2)と制御部100が絶縁されるように、第2の電圧検出部(SV2)と制御部100との間に構成される。かかる第2の絶縁型信号伝送部250は、第2の電圧検出部(SV2)から検出された第1の半導体スイッチング部110の入力端又は出力端の電圧値を制御部100に伝送する。ここで、第1及び第2の絶縁型信号伝送部251、250は、少なくとも一つのアイソレーターやフォトカプラーから構成されて、第1及び第2の電圧検出部(SV1、SV2)と制御部100が絶縁されるようにすることができる。
【0089】
制御部100は、第1及び第2の絶縁型信号伝送部251、250を通じて、第1及び第2の電圧検出部(SV1、SV2)からそれぞれ検出された電圧値を受信することができる。このため、制御部100は、第1及び第2の電圧検出部(SV1、SV2)からそれぞれ検出された電圧値を互いに比較し、比較済み差電圧の大きさが、予め設定された基準電圧値の範囲より大きいか小さくなれば、複数の半導体スイッチング部110、120を制御して、送配電線路の電流の流れを遮断させることができる。
【0090】
以上にて前述したように、本発明の遮断器制御モジュールは、電力系統や送電及び配電線路の故障電流を遮断するとき、電子式半導体スイッチング構造を用いて故障線路を先に遮断させることにより、アークによる事故のリスクを減らせるようになる。
【0091】
また、本発明の遮断器制御モジュールは、故障電流が流れる故障線路と遮断器の制御回路が絶縁されるようにして、電気的な衝撃による安全性と信頼性を高めることができる。
【0092】
前述した本発明は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって本発明の技術的思想を脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるため、前述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではない。