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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】クランプ用具及びクランプ
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/12 20060101AFI20220630BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20220630BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20220630BHJP
   E01D 22/00 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
F16B2/12 B
F16B5/02 U
F16B5/06 Q
E01D22/00 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021058795
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2021188743
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2021-05-07
(31)【優先権主張番号】P 2020092722
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000107044
【氏名又は名称】ショーボンド建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【弁理士】
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】芦澤 常幸
(72)【発明者】
【氏名】久永 和則
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-173483(JP,U)
【文献】実開昭56-037709(JP,U)
【文献】特開2008-075869(JP,A)
【文献】実公昭51-022495(JP,Y2)
【文献】特開2020-000469(JP,A)
【文献】特開2006-282291(JP,A)
【文献】独国実用新案第29820789(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 1/00-11/02
B66C 1/00- 3/20
E04G 1/00- 7/34
27/00
F16B 2/00- 2/26
5/00- 5/12
E01D 22/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を挟んで固定するクランプに用いられ、クランプ本体部に形成される受け部と、前記クランプ本体部に設けられるとともに前記受け部と離間する押圧部と、の間に設けられるクランプ用具であって、
互いに離間して配置される一対の金属板部と、
一対の前記金属板部が設けられる弾性部材と、
を備え
前記弾性部材は、一方の前記金属板部が設けられる第1領域と、他方の前記金属板部が設けられる第2領域と、前記第1領域と前記第2領域とを繋ぐ繋ぎ領域と、を有すること
を特徴とするクランプ用具。
【請求項2】
前記弾性部材を前記クランプ本体部に固定するための固定機構を備えること
を特徴とする請求項1記載のクランプ用具。
【請求項3】
前記固定機構は、前記クランプ本体部を巻き付けるためのバンド部を有すること
を特徴とする請求項2記載のクランプ用具。
【請求項4】
前記固定機構は、前記バンド部と前記クランプ本体部とを接合する接合部材を有すること
を特徴とする請求項3記載のクランプ用具。
【請求項5】
前記固定機構は、前記クランプ本体部に形成されるクランプ孔に挿通して固定するものであること
を特徴とする請求項2記載のクランプ用具。
【請求項6】
前記固定機構は、前記弾性部材に固定された磁石であること
を特徴とする請求項2記載のクランプ用具。
【請求項7】
前記繋ぎ領域の幅は、前記第1領域の幅及び前記第2領域の幅の何れか一方又は両方よりも小さいこと
を特徴とする請求項1~6の何れか1項記載のクランプ用具。
【請求項8】
前記第1領域と前記第2領域とが向かい合った状態を保持するための保持部を更に備え、
前記保持部は、弾性体であること
を特徴とする請求項1~7の何れか1項記載のクランプ用具。
【請求項9】
前記弾性部材は、前記金属板部が収容される収容部を有し、
前記収容部は、前記金属板部の主面に対向する位置に開口部を有すること
を特徴とする請求項1~の何れか1項記載のクランプ用具。
【請求項10】
対象物を挟んで固定するクランプに用いられるクランプ用具であって、
互いに離間して配置される一対の金属板部と、
一対の前記金属板部が設けられる弾性部材と、
を備え、
前記弾性部材は、前記金属板部が収容される収容部を有し、
前記収容部は、前記収容部に前記金属板部を収容自在とするための収容口部を有すること
を特徴とするクランプ用具。
【請求項11】
対象物を挟んで固定するクランプであって、
受け部が形成されるクランプ本体部と、
前記クランプ本体部に設けられるとともに前記受け部と離間する押圧部と、前記受け部と、の間に設けられるクランプ用具と、を備え、
前記クランプ用具は、
互いに離間して配置される一対の金属板部と、
一対の前記金属板部が設けられる弾性部材と、を有し、
一対の前記金属板部は、互いに向かい合って配置され
前記弾性部材は、一方の前記金属板部が設けられる第1領域と、他方の前記金属板部が設けられる第2領域と、前記第1領域と前記第2領域とを繋ぐ繋ぎ領域と、を有すること
を特徴とするクランプ。
【請求項12】
対象物を挟んで固定するクランプであって、
クランプ本体部と、前記クランプ本体部に設けられるクランプ用具と、を備え、
前記クランプ用具は、
互いに離間して配置される一対の金属板部と、
一対の前記金属板部が設けられる弾性部材と、を有し、
一対の前記金属板部は、互いに向かい合って配置され
前記弾性部材は、前記金属板部が収容される収容部を有し、
前記収容部は、前記収容部に前記金属板部を収容自在とするための収容口部を有すること
を特徴とするクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプ用具及びクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁下に補修作業用の吊り足場を仮設する場合、橋梁の桁に所定の間隔を空けてコ形クランプを取り付け、それぞれのコ形クランプに吊り下げたチェーンにより足場板を支持する方法が採られる。
【0003】
特許文献1には、クランプと、長さ調整吊り具と、チェン吊下げ具とから成り、クランプは、コ形本体と、このコ形本体に嵌合した水平板部を前記コ形本体の下辺部上に締結する締結ねじとから成り、長さ調整吊り具は、前記クランプのコ形本体下辺部に前記チェン吊下げ具を吊り下げるもので、螺軸部とこれに相対回転自在に螺嵌する長さ調整用の長ナットとを備えている、仮設工事用吊下げ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-293910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の開示技術では、クランプと締結ネジが橋桁のエッジ部であるフランジを直接挟んで固定するものである。このため、クランプをフランジに固定した際に、フランジに施された塗装が剥がれる等フランジに傷がついてしまう。これにより、塗装が剥がれた部分を改めて塗装する等の傷がついた箇所を補修する必要があるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、対象物をクランプにより固定した際に、対象物に傷が発生するのを抑制することが可能となるクランプ用具及びクランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明に係るクランプ用具は、対象物を挟んで固定するクランプに用いられ、クランプ本体部に形成される受け部と、前記クランプ本体部に設けられるとともに前記受け部と離間する押圧部と、の間に設けられるクランプ用具であって、互いに離間して配置される一対の金属板部と、一対の前記金属板部が設けられる弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、一方の前記金属板部が設けられる第1領域と、他方の前記金属板部が設けられる第2領域と、前記第1領域と前記第2領域とを繋ぐ繋ぎ領域と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るクランプ用具は、対象物を挟んで固定するクランプに用いられるクランプ用具であって、互いに離間して配置される一対の金属板部と、一対の前記金属板部が設けられる弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記金属板部が収容される収容部を有し、前記収容部は、前記収容部に前記金属板部を収容自在とするための収容口部を有すること、を特徴とする。
【0008】
発明に係るクランプは、対象物を挟んで固定するクランプであって、受け部が形成されるクランプ本体部と、前記クランプ本体部に設けられるとともに前記受け部と離間する押圧部と、前記受け部と、の間に設けられるクランプ用具と、を備え、前記クランプ用具は、互いに離間して配置される一対の金属板部と、一対の前記金属板部が設けられる弾性部材と、を有し、一対の前記金属板部は、互いに向かい合って配置され、前記弾性部材は、一方の前記金属板部が設けられる第1領域と、他方の前記金属板部が設けられる第2領域と、前記第1領域と前記第2領域とを繋ぐ繋ぎ領域と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るクランプは、対象物を挟んで固定するクランプであって、クランプ本体部と、前記クランプ本体部に設けられるクランプ用具と、を備え、前記クランプ用具は、互いに離間して配置される一対の金属板部と、一対の前記金属板部が設けられる弾性部材と、を有し、一対の前記金属板部は、互いに向かい合って配置され、前記弾性部材は、前記金属板部が収容される収容部を有し、前記収容部は、前記収容部に前記金属板部を収容自在とするための収容口部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、対象物をクランプにより固定した際に、対象物に傷が発生するのを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、フランジ部に固定した第1実施形態に係るクランプの一例を示す側面図である。
図2図2は、第1実施形態に係るクランプの一例を示す正面図である。
図3図3(a)は、第1実施形態に係るクランプに用いられるクランプ用具の展開図を示し、図3(b)は、図3(a)の3A-3A断面図である。
図4図4は、フランジ部に固定した第1実施形態に係るクランプの一例を拡大して示す側面図である。
図5図5(a)は、第2実施形態に係るクランプに用いられるクランプ用具の展開図を示し、図5(b)は、図5(a)の5A-5A断面図である。
図6図6は、フランジ部に固定した第2実施形態に係るクランプの一例を拡大して示す側面図である。
図7図7(a)は、第3実施形態に係るクランプに用いられるクランプ用具の展開図を示し、図7(b)は、図7(a)の7A-7A断面図である。
図8図8は、フランジ部に固定した第3実施形態に係るクランプの一例を拡大して示す側面図である。
図9図9(a)は、第4実施形態に係るクランプに用いられるクランプ用具の展開図を示し、図9(b)は、図9(a)の9A-9A断面図である。
図10図10(a)は、第5実施形態に係るクランプに用いられるクランプ用具1の展開図を示し、図10(b)は、図10(a)の10A-10A断面図である。
図11図11は、フランジ部に固定した第5実施形態に係るクランプの一例を拡大して示す側面図である。
図12図12(a)は、第6実施形態に係るクランプに用いられるクランプ用具1の展開図を示し、図12(b)は、図12(a)の12A-12A断面図である。
図13図13は、フランジ部に固定した第6実施形態に係るクランプの一例を拡大して示す側面図である。
図14図14は、第7実施形態に係るクランプに用いられるクランプ用具の側面図を示す。
図15図15は、フランジ部に固定する前の第7実施形態に係るクランプの一例を拡大して示す側面図である。
図16図16は、フランジ部に固定した第7実施形態に係るクランプの一例を拡大して示す側面図である。
図17図17は、第8実施形態に係るクランプに用いられるクランプ用具の展開図を示す。
図18図18は、フランジ部に固定する前の第9実施形態に係るクランプの一例を拡大して示す側面図である。
図19図19は、フランジ部に固定した第9実施形態に係るクランプの一例を拡大して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用したクランプ用具及びクランプを実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、フランジ部92に固定した第1実施形態に係るクランプ100の一例を示す側面図である。図2は、第1実施形態に係るクランプ100の一例を示す正面図である。図3(a)は、第1実施形態に係るクランプ100に用いられるクランプ用具1の展開図を示し、図3(b)は、図3(a)の3A-3A断面図である。図4は、フランジ部92に固定した第1実施形態に係るクランプ100の一例を拡大して示す側面図である。
【0013】
クランプ100は、対象物を挟んで固定するものである。クランプ100は、例えば橋梁の補修工事等に用いられ、H形鋼等の橋桁を挟んで固定するものである。クランプ100は、吊り下げ装置98が設けられ、吊り下げ装置98を介して足場板99を支持するものとなる。
【0014】
クランプ100は、クランプ本体部110と、締結用ボルト120と、を備える。クランプ本体部110は、コの字形状に形成され、受け部111と、受け部111に対向して配置される対向部112と、受け部111と対向部112とを繋ぐ繋ぎ部113と、を有する。繋ぎ部113には、クランプ孔114が形成される。
【0015】
クランプ100は、クランプ本体部110の受け部111と、クランプ本体部110の対向部112を貫通螺合する締結用ボルト120とにより、橋桁としてのH形鋼91におけるフランジ部92を挟んで固定する。締結用ボルト120の先端側には、締結用ボルト120よりも径大な押圧部121が設けられる。
【0016】
クランプ100は、更に受け部111と締結用ボルト120との間に設けられるクランプ用具1、を備える。
【0017】
クランプ用具1は、一対の金属板部11、12と、弾性部材2と、固定機構31と、を備える。
【0018】
一対の金属板部11、12は、弾性部材2に設けられる。金属板部11、12としては、例えば、ZAM(登録商標)鋼板等の所定のメッキ処理が施された金属製の板材が用いられてもよい。
【0019】
弾性部材2は、ゴムや樹脂等の弾性体が用いられ、板状に形成される。弾性部材2は、一方の金属板部11と他方の金属板部12が所定の間隔を空けて離間して配置され、板状の主面に設けられる。弾性部材2は、金属板部11が設けられる第1領域27と、金属板部12が設けられる第2領域28と、第1領域27と第2領域28とを繋ぐ繋ぎ領域29とを有する。弾性部材2の第1領域27は、金属板部11が接着剤等のずれ止め機構により固定される。弾性部材2の第2領域28は、金属板部11が接着剤等のずれ止め機構により固定される。
【0020】
固定機構31は、弾性部材2をクランプ100のクランプ本体部110に固定するためのものである。固定機構31は、2つのバンド部35、36と、接合部材32と、を有する。
【0021】
2つのバンド部35、36は、弾性部材2と同様の材質が用いられ、弾性部材2に一体化されて形成される。バンド部35、36は、クランプ用具1を展開したときに、金属板部11と金属板部12とが離間する第1方向Xに直交する第2方向Yに向けて、それぞれ繋ぎ領域29から延びて形成される。このため、クランプ用具1を展開したときの形状は、略十字形に形成される。それぞれのバンド部35、36には、貫通孔37、38が形成される。
【0022】
なお、図示は省略するが、固定機構31は、第2方向Yにバンド部35及びバンド部36の何れか一方が延びて形成されていてもよい。このとき、クランプ用具1を展開したときの形状は略T字形に形成されることとなる。また、クランプ用具1では、バンド部35及びバンド部36の両方が省略されてもよい。
【0023】
接合部材32は、クランプ本体部110におけるクランプ孔114と、弾性部材2におけるバンド部35、36の貫通孔37、38と、に貫通される接合用ボルト33と、接合用ボルト33に螺合される接合用ナット34とを有する。
【0024】
なお、クランプ本体部110と、弾性部材2とを固定するための固定機構31としては、クランプ本体部110と、弾性部材2とを接着して固定する接着剤が用いられてもよい。
【0025】
なお、クランプ本体部110と、弾性部材2とを固定するための固定機構31としては、バンド部35とバンド部36とを面ファスナー等により固定してもよい。このときであっても、固定機構31は、クランプ本体部110と、弾性部材2とを固定することができる。
【0026】
クランプ用具1をクランプ本体部110に固定するには、各々のバンド部35、36をクランプ本体部110の繋ぎ部113に巻き付け、各々のバンド部35、36に形成された貫通孔37、38を重ね合わせて、これら貫通孔37、38とクランプ本体部110の繋ぎ部113のクランプ孔114とに、接合用ボルト33を貫通させて、接合用ボルト33に接合用ナット34を螺合させて、固定する。このとき、第1領域27と受け部111との間に一方の金属板部11が配置され、第2領域28と締結用ボルト120との間に他方の金属板部12が配置されることとなる。
【0027】
そして、フランジ部92にクランプ100を固定するには、フランジ部92の両側に第1領域27と第2領域28とにより配置し、締結用ボルト120を締結する。これにより、受け部111と締結用ボルト120とにより、フランジ部92を押圧して、フランジ部92にクランプ100を固定することができる。このとき、一方の金属板部11とフランジ部92との間に弾性部材2における第1領域27が配置され、他方の金属板部12とフランジ部92との間に弾性部材2における第2領域28が配置されることとなる。
【0028】
本実施形態によれば、対象物であるフランジ部92を挟んで固定するクランプ100に用いられるクランプ用具1であって、互いに離間して配置される一対の金属板部11、12と、一対の金属板部11、12が設けられる弾性部材2と、を備える。
【0029】
これにより、締結用ボルト120を締結してクランプ100をフランジ部92に固定する際に、一方の金属板部11を弾性部材2と受け部111との間に配置し、他方の金属板部12が弾性部材2と締結用ボルト120との間に配置することができる。このため、受け部111と締結用ボルト120とによる押圧力を、一対の金属板部11、12により分散させることができる。そして、一方の金属板部11とフランジ部92との間に弾性部材2における第1領域27が配置され、他方の金属板部12とフランジ部92との間に弾性部材2における第2領域28が配置されることとなる。よって、弾性体である第1領域27と第2領域28とによりフランジ部92が保護されて、フランジ部92に施された塗装が剥がれたりする等のフランジ部92に傷がつくのを抑制することが可能となる。
【0030】
また、本実施形態によれば、一対の金属板部11、12が設けられる弾性部材2を備える。これにより、一対の金属板部11が設けられる第1領域27と、他方の金属板部12が設けられる第2領域28とが、弾性部材2における繋ぎ領域29を介して繋がった態様となる。このため、締結用ボルト120を締結してクランプ100をフランジ部92に固定する際に、押圧力が作用して一対の金属板部11、12の距離が近づいたとしても、一対の金属板部11、12に追従するように弾性部材2(繋ぎ領域29)が弾性変形することができる。このため、フランジ部92にクランプ100を確実に固定することができ、フランジ部92からクランプ100が脱落するのを抑制することが可能となる。
【0031】
本実施形態によれば、弾性部材2をクランプ100に固定するための固定機構31を更に備える。これにより、クランプ用具1がクランプ100から脱落するのを防止することが可能となる。
【0032】
更に、本実施形態によれば、固定機構31は、クランプ本体部110を巻き付けるためのバンド部35、36を有する。これにより、一方の金属板部11とフランジ部92との間の第1領域27、及び、他方の金属板部12とフランジ部92との間の第2領域28、の少なくとも何れか一方が、仮に一対の金属板部11、12から脱落したとしても、バンド部35、36がクランプ本体部110に巻き付けられているため、弾性部材2がクランプ本体部110から脱落するのを防止することが可能となる。
【0033】
更に、本実施形態によれば、固定機構31は、バンド部35、36とクランプ本体部110とを接合する接合部材32を有する。これにより、クランプ本体部110と弾性部材2とが強固に接合されることとなる。このため、弾性部材2がクランプ本体部110から脱落するのをより効果的に防止することが可能となる。
【0034】
本実施形態によれば、コの字形状のクランプ本体部110の受け部111と、クランプ本体部110に螺合貫通される締結用ボルト120とにより対象物であるフランジ部92を挟んで固定するクランプ100であって、受け部111と締結用ボルト120との間に設けられるクランプ用具1、を備え、クランプ用具1は、互いに離間して配置される一対の金属板部11、12と、一対の金属板部11、12が設けられる弾性部材2と、を有し、一方の金属板部11は、弾性部材2と受け部111との間に配置され、他方の金属板部12は、弾性部材2と締結用ボルト120との間に配置される。
【0035】
このため、受け部111と締結用ボルト120とによる押圧力を、一対の金属板部11、12により分散させることができる。そして、一方の金属板部11とフランジ部92との間に弾性部材2における第1領域27が配置され、他方の金属板部12とフランジ部92との間に弾性部材2における第2領域28が配置されることとなる。よって、弾性体である第1領域27と第2領域28とによりフランジ部92が保護されて、フランジ部92に施された塗装が剥がれたりする等のフランジ部92に傷がつくのを抑制することが可能となる。
【0036】
また、本実施形態によれば、一対の金属板部11、12が設けられる弾性部材2を備える。これにより、一対の金属板部11、12が弾性部材2(繋ぎ領域29)を介して繋がった態様となる。このため、締結用ボルト120を締結してクランプ100をフランジ部92に固定する際に、押圧力が作用して一対の金属板部11、12の距離が近づいたとしても、一対の金属板部11、12に追従するように弾性部材2が弾性変形することができる。このため、フランジ部92にクランプ100を確実に固定することができ、フランジ部92からクランプ100が脱落するのを抑制することが可能となる。
【0037】
本実施形態によれば、弾性部材2をクランプ100に固定するための固定機構31を更に備える。これにより、クランプ用具1がクランプ100から脱落するのを防止することが可能となる。
【0038】
また、本実施形態によれば、金属板部12を締結用ボルト120に、直接接触させることができる。これにより、締結用ボルト120を締結してクランプ100をフランジ部92に固定する際に、締結用ボルト120を他方の金属板部12に食い込ませることができる。このため、受け部111と締結用ボルト120との押圧力を、一対の金属板部11、12に確実に伝達させることができ、クランプ100をフランジ部92に強固に固定することが可能となる。
【0039】
次に、第2実施形態に係るクランプ100について、説明する。第2実施形態に係るクランプ100は、ずれ止め機構401、402を更に有する点で、第1実施形態と相違する。図5(a)は、第2実施形態に係るクランプ100に用いられるクランプ用具1の展開図を示し、図5(b)は、図5(a)の5A-5A断面図である。図6は、フランジ部92に固定した第2実施形態に係るクランプ100の一例を拡大して示す側面図である。
【0040】
クランプ用具1は、弾性部材2の第1領域27に、金属板部11が第1領域27に対してずれるのを防止するためのずれ止め機構401と、弾性部材2の第2領域28に、金属板部12が第2領域28に対してずれるのを防止するためのずれ止め機構402と、を有する。ずれ止め機構401、402は、金属板部11を収容してずれるのを防止する収容部41と、金属板部11を収容してずれるのを防止する収容部42と、を有する。収容部41、42は、金属板部11、12の主面に対向する位置に、開口部43、44を有する。収容部41の外周部48は、金属板部11の周囲を囲うように弾性部材2の第1領域27に固定される。収容部42の外周部49は、金属板部12の周囲を囲うように弾性部材2の第2領域28に固定される。収容部41、42は、弾性部材2と同様の材質が用いられ、弾性部材2に一体化されて形成される。開口部43、44の外径は、締結用ボルト120の押圧部121よりも径大に形成される。
【0041】
本実施形態によれば、金属板部11が第1領域27に対してずれるのを防止するためのずれ止め機構401と、金属板部12が第2領域28に対してずれるのを防止するためのずれ止め機構402と、を有する。これにより、金属板部11、12が第1領域27、第2領域28に対してずれるのを防止することができる。このため、弾性体である第1領域27と第2領域28とによりフランジ部92が保護されて、フランジ部92に施された塗装が剥がれたりする等のフランジ部92に傷がつくのをより抑制することが可能となる。
【0042】
本実施形態によれば、金属板部11、12が収容される収容部41、42を有し、収容部41、42は、金属板部11、12の主面に対向する位置に、開口部43、44を有する。これにより、金属板部12を締結用ボルト120に、直接接触させることができる。このため、締結用ボルト120を締結してクランプ100をフランジ部92に固定する際に、締結用ボルト120を他方の金属板部12に食い込ませることができる。このため、受け部111と締結用ボルト120との押圧力を、一対の金属板部11、12に確実に伝達させることができる。このため、クランプ100をフランジ部92に強固に固定することが可能となる。
【0043】
更に、本実施形態によれば、金属板部11、12が収容される収容部41、42を有し、収容部41の外周部48は、金属板部11の周囲を囲うように弾性部材2の第1領域27に固定され、収容部42の外周部49は、金属板部12の周囲を囲うように弾性部材2の第2領域28に固定される。これにより、収容部41、42に収容された金属板部11、12が、収容部41、42から脱落するのを防止することができる。
【0044】
次に、第3実施形態に係るクランプ100について、説明する。第3実施形態に係るクランプ100は、ずれ止め機構401、402を更に有する点で、第1実施形態と相違する。図7(a)は、第3実施形態に係るクランプ100に用いられるクランプ用具1の展開図を示し、図7(b)は、図7(a)の7A-7A断面図である。図8は、フランジ部92に固定した第3実施形態に係るクランプ100の一例を拡大して示す側面図である。
【0045】
クランプ用具1は、弾性部材2の第1領域27に、金属板部11が第1領域27に対してずれるのを防止するためのずれ止め機構401と、弾性部材2の第2領域28に、金属板部12が第2領域28に対してずれるのを防止するためのずれ止め機構402と、を有する。ずれ止め機構401、402は、金属板部11を収容してずれるのを防止する収容部41と、金属板部12を収容してずれるのを防止する収容部42と、を有する。収容部41、42は、弾性部材2と同様の材質が用いられ、弾性部材2に一体化されて形成される。
【0046】
収容部41の外周部48は、金属板部11の周囲を囲うように弾性部材2の第1領域27に固定される。また、収容部42の外周部49は、金属板部12の周囲を囲うように弾性部材2の第2領域28に固定される。
【0047】
本実施形態によれば、弾性部材2の第1領域27と第2領域28とに、金属板部11、12が完全に被覆されるように収容される収容部41、42を有する。これにより、金属板部11、12が露出されないため、金属板部11、12を水等の腐食因子から保護することができ、金属板部11、12が腐食するのを抑制することが可能となる。また、仮に一対の金属板部11、12が腐食等した場合であっても、錆汁等が収容部41、42の外側に流出するのを防止することが可能となる。
【0048】
更に、本実施形態によれば、金属板部11、12が収容される収容部41、42を有し、収容部41の外周部48は、金属板部11の周囲を囲うように弾性部材2の第1領域27に固定され、収容部42の外周部49は、金属板部12の周囲を囲うように弾性部材2の第2領域28に固定される。これにより、収容部41、42に収容された金属板部11、12が、収容部41、42から脱落するのを防止することができる。
【0049】
次に、第4実施形態に係るクランプ100について、説明する。第4実施形態に係るクランプ100は、ずれ止め機構401、402を更に有する点で、第1実施形態と相違する。図9(a)は、第4実施形態に係るクランプ100に用いられるクランプ用具1の展開図を示し、図9(b)は、図9(a)の9A-9A断面図である。
【0050】
クランプ用具1は、弾性部材2の第1領域27に、金属板部11が第1領域27に対してずれるのを防止するためのずれ止め機構401と、弾性部材2の第2領域28に、金属板部12が第2領域28に対してずれるのを防止するためのずれ止め機構402と、を有する。ずれ止め機構401、402は、金属板部11を収容してずれるのを防止する収容部41と、金属板部12を収容してずれるのを防止する収容部42と、を有する。収容部41は、金属板部11、12を収容自在とするための収容口部45、46を有する。収容部41、42は、弾性部材2と同様の材質が用いられ、弾性部材2に一体化されて形成される。
【0051】
本実施形態によれば、弾性部材2の第1領域27と第2領域28とに、金属板部11、12が収容される収容部41、42を有し、収容部41、42は、金属板部11、12を収容自在とするための収容口部45、46を有する。これにより、収容部41、42に金属板部11、12を収容自在とすることができる。このため、劣化した金属板部11、12を交換する作業を容易に行うことが可能となる。
【0052】
次に、第5実施形態に係るクランプ100について、説明する。図10(a)は、第5実施形態に係るクランプ100に用いられるクランプ用具1の展開図を示し、図10(b)は、図10(a)の10A-10A断面図である。図11は、フランジ部92に固定した第5実施形態に係るクランプ100の一例を拡大して示す側面図である。
【0053】
クランプ用具1は、弾性部材2の第1領域27に、金属板部11が第1領域27に対してずれるのを防止するためのずれ止め機構401と、弾性部材2の第2領域28に、金属板部12が第2領域28に対してずれるのを防止するためのずれ止め機構402と、を有する。ずれ止め機構401、402は、金属板部11を第1領域27と挟んでずれるのを防止する挟持部51と、金属板部12を挟んでずれるのを防止する挟持部52と、を有する。挟持部51、52は、弾性部材2と同様の材質が用いられ、弾性部材2に一体化されて形成される。
【0054】
挟持部51は、断面L字状に形成され、第1領域27における金属板部11が設けられる面から突出される突出部51aと、突出部51aの突出方向とは異なる方向に延びる曲がり部51bとを有する。挟持部51は、曲がり部51bと第1領域27とにより金属板部11を挟んで固定するものとなる。
【0055】
挟持部52は、断面L字状に形成され、第2領域28における金属板部12が設けられる面から突出される突出部52aと、突出部52aの突出方向とは異なる方向に延びる曲がり部52bとを有する。挟持部52は、曲がり部52bと第2領域28とにより金属板部12を挟んで固定するものとなる。
【0056】
弾性部材2は、第1領域27に、金属板部11が設けられる面から突出される係止部21と、第2領域28に、金属板部12が設けられる面から突出される係止部22と、を有する。
【0057】
係止部21は、円柱状等の形状に形成されて突出される縮径部21aと、縮径部21aよりも径大に形成される拡径部21bとを有する。係止部21は、金属板部11に貫通されて係止される。係止部21は、金属板部11に形成される貫通孔13に縮径部21aが配置され、拡径部21bにより係止される。
【0058】
係止部22は、円柱状等の形状に形成されて突出される縮径部22aと、縮径部22aよりも径大に形成される拡径部22bとを有する。係止部22は、金属板部12に貫通されて係止される。係止部22は、金属板部12に形成される貫通孔14に縮径部22aが配置され、拡径部22bにより係止される。
【0059】
弾性部材2は、ガイド部61、62とを有する。ガイド部61、62は、弾性部材2の金属板部11が設けられる面とは反対側の面から突出されて形成される。ガイド部61は、弾性部材2の金属板部11が設けられる面とは反対側の面に対して垂直に延びるガイド面61aを有する。ガイド部62は、弾性部材2の金属板部12が設けられる面とは反対側の面に対して垂直に延びるガイド面62aを有する。図11に示すように、ガイド部61のガイド面61aと、ガイド部62のガイド面62aとは、フランジ部92の端面に当接される。
【0060】
弾性部材2は、第1領域27に、金属板部11が設けられる面とは反対側の面から突出される固定機構71を有する。固定機構71は、外形が円柱状に形成され、孔72が形成される。固定機構71は、先端部と基端部とに拡径されて形成される拡径部73と、基端部と先端部の間にくびれて形成されるくびれ部74と、を有する。図11に示すように、固定機構71は、繋ぎ部113を貫通して、拡径部73がクランプ孔114に係止され、クランプ孔114にくびれ部74が篏合されて固定される。そして、固定機構71をクランプ孔114に貫通した際に、弾性体である繋ぎ領域29が変形されるものとなる。
【0061】
なお、固定機構71は、くびれ部74が省略されてもよい。このとき、固定機構71は、拡径部73がクランプ孔114に係止される。
【0062】
本実施形態によれば、金属板部11、12を挟んで固定する挟持部51、52を有する。これにより、金属板部11、12が第1領域27、第2領域28に対してずれるのをより強固に防止することができる。このため、弾性体である第1領域27と第2領域28とによりフランジ部92が保護されて、フランジ部92に施された塗装が剥がれたりする等のフランジ部92に傷がつくのをより抑制することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態によれば、金属板部11、12を挟んで固定する挟持部51、52を有する。これにより、金属板部12を締結用ボルト120に、直接接触させることができる。このため、締結用ボルト120を締結してクランプ100をフランジ部92に固定する際に、締結用ボルト120を他方の金属板部12に食い込ませることができる。このため、受け部111と締結用ボルト120との押圧力を、一対の金属板部11、12に確実に伝達させることができる。このため、クランプ100をフランジ部92に強固に固定することが可能となる。
【0064】
本実施形態によれば、金属板部11、12を係止する係止部21、22を有する。これにより、金属板部11、12が第1領域27、第2領域28に対してずれるのをより強固に防止することができる。このため、弾性体である第1領域27と第2領域28とによりフランジ部92が保護されて、フランジ部92に施された塗装が剥がれたりする等のフランジ部92に傷がつくのをより抑制することが可能となる。
【0065】
本実施形態によれば、弾性部材2は、弾性部材2の金属板部11、12が設けられる面とは反対側の面から突出されて形成されるガイド部61、62を有する。これにより、フランジ部92の端部へガイド部61、62を沿わせるように弾性部材2を設置することで、容易に位置を定めることができる。このため、クランプ用具1をより容易にクランプ100に固定することが可能となる。
【0066】
本実施形態によれば、固定機構71は、クランプ孔114に貫通して固定される。これにより、固定機構71を差し込むだけで、クランプ孔114に固定することができるため、クランプ本体部110と弾性部材2とが強固かつ容易に接合されることとなる。このため、弾性部材2がクランプ本体部110から脱落するのをより効果的に防止することが可能となる。
【0067】
締結用ボルト120を締結してクランプ100をフランジ部92に固定する際、フランジ部92の厚みやクランプ100の種類に応じて、フランジ部92とクランプ孔114の位置関係が異なる場合もある。本実施形態によれば、繋ぎ領域29が弾性体であるため、図11に示すように、固定機構71をクランプ孔114に貫通して固定したとき、繋ぎ領域29を変形させることができる。繋ぎ領域29の変形対応代が大きく取れる構造となるため、フランジ部92とクランプ孔114の位置関係によらず、クランプ用具1をクランプ100に固定することが可能となる。
【0068】
本実施形態によれば、固定機構71は、先端部に拡径されて形成される拡径部73を有する。これにより、クランプ孔114に拡径部73を係止させることができるため、クランプ本体部110と弾性部材2とがより強固かつ容易に接合されることとなる。このため、弾性部材2がクランプ本体部110から脱落するのをより効果的に防止することが可能となる。
【0069】
本実施形態によれば、固定機構71は、くびれて形成されるくびれ部74を有する。これにより、くびれ部74がクランプ孔114に篏合されて固定されるため、クランプ本体部110と弾性部材2とがより強固かつ容易に接合されることとなる。このため、弾性部材2がクランプ本体部110から脱落するのをより効果的に防止することが可能となる。
【0070】
次に、第6実施形態に係るクランプ100について、説明する。図12(a)は、第6実施形態に係るクランプ100に用いられるクランプ用具1の展開図を示し、図12(b)は、図12(a)の12A-12A断面図である。図13は、フランジ部92に固定した第6実施形態に係るクランプ100の一例を拡大して示す側面図である。
【0071】
第6実施形態に係るクランプ100では、弾性部材2をクランプ100に固定するための固定機構8を備え、固定機構8は、磁石81、82である。
【0072】
磁石81、82は、外形が例えば円形状等に形成され、板状である。磁石81、82は、弾性部材2に接着剤等により固定される。磁石81、82は、金属板部11、12に形成される貫通孔13、14に嵌め込まれる。磁石81、82は、金属板部11、12と略同じ厚みで形成されるが、金属板部11、12よりもその厚みが薄くてもよい。磁石81、82は、弾性部材2の第1領域27に形成される貫通孔27aと、第2領域28に形成される貫通孔28aに対向して配置される。磁石81、82の外径は、貫通孔27a、28aの外径よりも大きく形成される。
【0073】
図13に示すように、磁石82は、受け部111に対向して配置され、受け部111に磁力により固定される。磁石81は、押圧部121に対向して配置され、磁石81の外径は、押圧部121の外径よりも小さい。
【0074】
本実施形態によれば、固定機構8は、弾性部材2に固定される磁石81、82である。これにより、締結用ボルト120を締結してクランプ100をフランジ部92に固定する際に、金属製の受け部111に磁石82が固定され、金属製の押圧部121に磁石81が固定される。このため、クランプ本体部110とクランプ用具1とを確実に固定することができる。その結果、クランプ用具1が脱落するのを防止することが可能となる。
【0075】
本実施形態によれば、磁石82は、弾性部材2の第1領域27に形成される貫通孔27aに対向して配置され磁石81は、第2領域28に形成される貫通孔28aに対向して配置される。これにより、クランプ用具1をフランジ部92に設置したとき、磁石81、82の磁力が貫通孔27a、28aを介してフランジ部92に伝達され、クランプ用具1とフランジ部92との固定をより強固に行うことが可能となる。
【0076】
本実施形態によれば、磁石81の外径は、押圧部121の外径よりも小さい。これにより、締結用ボルト120を締結してクランプ100をフランジ部92に固定する際に、押圧部121が弾性部材2に接触させることができる。このため、締結用ボルト120を締結してクランプ100をフランジ部92に固定する際に、締結用ボルト120を他方の金属板部12に食い込ませることができる。その結果、クランプ100をフランジ部92に強固に固定することが可能となる。
【0077】
次に、第7実施形態に係るクランプ100について、説明する。図14は、第7実施形態に係るクランプ100に用いられるクランプ用具1の側面図を示す。図15は、フランジ部92に固定する前の第7実施形態に係るクランプ100の一例を拡大して示す側面図である。図16は、フランジ部92に固定した第7実施形態に係るクランプ100の一例を拡大して示す側面図である。
【0078】
第7実施形態に係るクランプ100では、第1領域27と第2領域28とを向かい合った状態に保持するための保持部201を備える。保持部201は、ゴムや樹脂等の弾性体が用いられ、板状に形成される。第1領域27と第2領域28とは、保持部201により所定の間隔に保持されている。弾性部材2は、U字状に折り返された繋ぎ領域29を有する。
【0079】
図15に示すように、第1領域27と第2領域28とは、フランジ部92の厚みよりも広い間隔で保持部201に保持されている。このとき、第2領域28がフランジ部92の上面に載置される。そして、図16に示すように、締結用ボルト120を締結すると、繋ぎ領域29と保持部201とに押圧力が作用して弾性変形し、一対の第1領域27と第2領域28の距離が近づき、第1領域27と第2領域28とがフランジ部92に接触される。更に締結用ボルト120を締結し、押圧部121と受け部111とが金属板部11、12を押圧することで、フランジ部92にクランプ100を確実に固定することができる。
【0080】
本実施形態によれば、第1領域27と第2領域28とを向かい合った状態に保持するための保持部201を更に備える。これにより、保持部201により第1領域27と第2領域28とを向かい合った状態に保持されるため、締結用ボルト120を締結する前の状態において、第2領域28をフランジ部92の上面に載置しておくことができる。このため、作業者がクランプ用具1をフランジ部92に仮置きすることができる。その結果、フランジ部92にクランプ100を確実に固定する作業の施工効率を向上させることができる。
【0081】
次に、第8実施形態に係るクランプ100について、説明する。図17は、第8実施形態に係るクランプ100に用いられるクランプ用具1の展開図を示す。
【0082】
第8実施形態に係るクランプ100では、弾性部材2は、第1領域27と第2領域28と繋ぎ領域29とを有し、固定機構31は、クランプ本体部110を巻き付けるためのバンド部35、36を有する。
【0083】
繋ぎ領域29は、第1方向Xの第1領域27側において、第2方向Yの両端が切り欠かれた切欠き29aを有する。また、繋ぎ領域29は、第1方向Xの第2領域28側において、第2方向Yの両端が切り欠かれた切欠き29bを有する。ここで、第1領域27の第2方向Yの長さ(幅)L1とし、第2領域28の第2方向Yの長さ(幅)L2とし、繋ぎ領域29の第2方向Yの長さ(幅)L3とする。繋ぎ領域29の幅L3は、第1領域27の幅L1及び第2領域28の幅L2よりも小さい。なお、繋ぎ領域29の幅L3は、第1領域27の幅L1及び第2領域28の幅L2の何れか一方よりも小さくてもよい。
【0084】
本実施形態によれば、繋ぎ領域29の幅L3は、第1領域27の幅L1及び第2領域28の幅L2の何れか一方又は両方よりも小さい。これにより、繋ぎ領域29を折り返して第1領域27と第2領域28とを向かい合わせる際に、その折り返し作業を容易に行うことができる。また、バンド部35、36を巻き付けてクランプ100に固定する際に、繋ぎ領域29の伸縮を容易に行うことができる。このため、バンド部35、36に作用する引張力を低減することが可能となる。
【0085】
次に、第9実施形態に係るクランプ100について、説明する。図18は、フランジ部92に固定する前の第9実施形態に係るクランプ100の一例を拡大して示す側面図である。図19は、フランジ部92に固定した第9実施形態に係るクランプ100の一例を拡大して示す側面図である。
【0086】
第9実施形態に係るクランプ100では、第1領域27と第2領域28とを向かい合った状態に保持するための保持部202を備える。保持部202は、ゴムや樹脂等の弾性体が用いられ、環状に形成される。保持部202は、第1領域27の金属板部11が設けられる面から突出される爪部203と、第2領域28の金属板部12が設けられる面から突出される爪部204と、に掛け止められる。保持部202は、爪部203、204に対して着脱自在である。第1領域27と第2領域28とは、保持部202により所定の間隔に保持されている。保持部202は、爪部203及び爪部204に対して分離可能に構成される。なお、保持部202は、爪部203又は爪部204の何れか一方に一体化されていてもよい。保持部202は、一部が弾性部材2に一体化され、一部とは異なる他部が爪部203に掛け止められるものであってもよい。保持部202は、第1領域27と第2領域28とが向かい合った状態に保持するものであればよく、第1領域27と第2領域28とを繋ぐものであってもよい。
【0087】
図18に示すように、第1領域27と第2領域28とは、フランジ部92の厚みよりも広い間隔で保持部202に保持されている。このとき、第2領域28がフランジ部92の上面に載置される。そして、図19に示すように、締結用ボルト120を締結し、押圧部121と受け部111とが金属板部11、12を押圧することで、フランジ部92にクランプ100を確実に固定することができる。
【0088】
本実施形態によれば、第1領域27と第2領域28とを向かい合った状態に保持するための保持部202を更に備える。これにより、保持部202により第1領域27と第2領域28とを向かい合った状態に保持されるため、締結用ボルト120を締結する前の状態において、第2領域28をフランジ部92の上面に載置しておくことができる。このため、作業者がクランプ用具1をフランジ部92に仮置きすることができる。その結果、フランジ部92にクランプ100を確実に固定する作業の施工効率を向上させることができる。
【0089】
本実施形態によれば、第1領域27の金属板部11が設けられる面から突出される爪部203と、第2領域28の金属板部12が設けられる面から突出される爪部204と、に掛け止められるとともに、爪部203、204に対して着脱自在の保持部202を有する。これにより、クランプ用具1を運搬する際には、保持部202を爪部203、204から外しておくことで、弾性部材2を展開したまま運搬することができる。そして、施工する際に、爪部203、204に保持部202を掛け止めることができる。このため、クランプ用具1の運搬性が向上する。
【0090】
本実施形態によれば、保持部202は、環状に形成され、一部が弾性部材2に一体化され、他部が爪部203に掛け止められる。これにより、保持部202を爪部203から外しておくことで、弾性部材2を展開したまま運搬することができる。このため、クランプ用具1の運搬性が向上する。加えて、保持部202は、弾性部材2に一体化されるため、保持部202が弾性部材2から脱落するのを防止することができる。このため、施工作業を容易に行うことが可能となる。
【0091】
上述した各実施形態においては、固定機構31、固定機構71、固定機構8は適宜省略することもできる。
【0092】
以上、この発明の実施形態のいくつかを説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、これらの実施形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。さらに、この発明は、上記いくつかの実施形態の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記いくつかの実施形態のそれぞれは、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
100 :クランプ
110 :クランプ本体部
111 :受け部
112 :対向部
113 :繋ぎ部
114 :クランプ孔
120 :締結用ボルト
121 :押圧部
1 :クランプ用具
11 :金属板部
13 :貫通孔
12 :金属板部
14 :貫通孔
2 :弾性部材
21 :係止部
21a :縮径部
21b :拡径部
22 :係止部
22a :縮径部
22b :拡径部
27 :第1領域
27a :貫通孔
28 :第2領域
28a :貫通孔
29 :繋ぎ領域
29a :切欠部
29b :切欠部
31 :固定機構
32 :接合部材
33 :接合用ボルト
34 :接合用ナット
35 :バンド部
36 :バンド部
37 :貫通孔
38 :貫通孔
41 :収容部
42 :収容部
43 :開口部
44 :開口部
45 :収容口部
46 :収容口部
48 :外周部
49 :外周部
51 :挟持部
51a :突出部
51b :曲がり部
52 :挟持部
52a :突出部
52b :曲がり部
61 :ガイド部
61a :ガイド面
62 :ガイド部
62a :ガイド面
71 :固定機構
72 :孔
73 :拡径部
74 :くびれ部
8 :固定機構
81 :磁石
82 :磁石
201 :保持部
91 :H形鋼
92 :フランジ部
98 :吊り下げ装置
99 :足場板
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