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特許7097497配送される無線電力を最大化するために近接場充電パッドのアンテナ区域を選択的に活性化する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】配送される無線電力を最大化するために近接場充電パッドのアンテナ区域を選択的に活性化する方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/90 20160101AFI20220630BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20220630BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20220630BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20220630BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/40
H02J50/20
H02J50/80
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021164504
(22)【出願日】2021-10-06
(62)【分割の表示】P 2021093415の分割
【原出願日】2017-12-12
(65)【公開番号】P2022003865
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】15/833,790
(32)【優先日】2017-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/433,227
(32)【優先日】2016-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/424,552
(32)【優先日】2017-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/541,581
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514160238
【氏名又は名称】エナージャス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン,シーザー
(72)【発明者】
【氏名】ホッセイニ,アリスター
(72)【発明者】
【氏名】リーブマン,マイケル,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ボッソ,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,ディーパック
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-511908(JP,A)
【文献】特表2013-500693(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0099757(US,A1)
【文献】特開2010-104098(JP,A)
【文献】特開2006-178910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波(RF)送電器の動作を管理するための集積回路であって、
DC/RF電力変換用のRF下位セクションであって、前記集積回路に供給された入力電流を1つ又は複数のRF送電信号に変換するように構成される、RF下位セクションと、
権限を与えられた無線電力受信器のみが前記RF送電器から無線で配送される電力を受信することができることを保証するように構成される暗号化モジュールと、
前記集積回路と前記集積回路の外側にある少なくとも1つの電力増幅器とを結合するように構成される第1のインターフェースと、
前記第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースであって、前記集積回路と前記集積回路の外側にある無線通信部品とを結合するように構成される第2のインターフェースと、を含み、
前記集積回路は、
前記第2のインターフェースを介し、前記集積回路により制御される前記RF送電器の送信範囲内に無線電力受信器が存在するという指標を受信し、
前記指標を受信することに応答して、かつ、前記暗号化モジュールを使用して前記無線電力受信器が前記RF送電器から無線で配送される電力を受信する権限が与えられていると判断された後に、前記第1のインターフェースを介し、前記1つ又は複数のRF送電信号を前記少なくとも1つの電力増幅器へと提供する、
ように構成される、
集積回路。
【請求項2】
前記集積回路は、温度監視回路と通信するCPU下位システムをさらに含み、前記CPU下位システムは、前記温度監視回路からの温度データに基づいて、前記高周波送電器が閾値温度未満の温度で動作しているかどうかを判断するように構成される、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記CPU下位システムは、前記温度監視回路からの温度データが、前記RF送電器が前記閾値温度未満の温度で動作していることを示すまでは、前記RF送電器の動作を一時的に中断するようにさらに構成される、請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記集積回路は、前記1つ又は複数のRF送電信号を最初にビーム形成集積回路に提供することなく、前記1つ又は複数のRF送電信号を前記少なくとも1つの電力増幅器に直接提供するように構成される、請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電力増幅器は少なくとも1つのアンテナに結合され、前記少なくとも1つのアンテナは、前記少なくとも1つの電力増幅器から前記1つ又は複数のRF送電信号を受信し、RFエネルギーを前記無線電力受信器に放射するように構成され、前記RFエネルギーは、前記無線電力受信器において利用可能電力に変換される、請求項4に記載の集積回路。
【請求項6】
前記RF下位セクションはRF局部発振器を含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
前記RF局部発振器は、前記集積回路のCPU下位システムからの命令に基づき、所望の周波数で前記1つ又は複数のRF送電信号を生成するように構成される、請求項6に記載の集積回路。
【請求項8】
前記1つ又は複数のRF送電信号は複数のRF送電信号を含み、
前記集積回路は前記複数のRF送電信号をビーム形成集積回路に提供するように構成され、前記ビーム形成集積回路は前記複数のRF送電信号を位相シフトするように構成される、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項9】
前記複数のRF送電信号は、前記ビーム形成集積回路によって位相シフトされた後に、前記少なくとも1つの電力増幅器に提供される、請求項8に記載の集積回路。
【請求項10】
前記少なくとも1つの電力増幅器は複数のアンテナに結合され、
前記ビーム形成集積回路による前記位相シフトは、前記複数のアンテナによって送られたRF送電信号が同相で前記無線電力受信器に到達することを保証するために使用される、
請求項9に記載の集積回路。
【請求項11】
前記暗号化モジュールは、前記RF送電器の外側にある装置との通信交換を保証するようにさらに構成される、請求項1に記載の集積回路。
【請求項12】
前記RF送電器における反射電力量を判断するように構成される電力検出器をさらに含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項13】
前記無線通信部品は、複数の無線電力受信器から通信信号を受信するように構成され、1又は複数のBluetooth又はWi-Fiを含む無線通信プロトコルを使用するように構成される、請求項1に記載の集積回路。
【請求項14】
前記第1及び第2のインターフェースはデジタルインターフェースである、請求項1に記載の集積回路。
【請求項15】
前記集積回路はDC/DC電力変換器をさらに含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項16】
高周波(RF)送電器であって、
アンテナと、
前記アンテナに結合される電力増幅器と、
前記RF送電器の動作を管理するための集積回路であって、請求項1~15のいずれかに従って構成される集積回路と、
を含む、RF送電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
[0001] 本明細書における実施形態は、一般的には無線送電システムにおいて使用されるアンテナ、ソフトウェア、及び装置に関し、より具体的にはその上の任意の位置において電子装置を効率的に充電するための適応型負荷を有する近接場RF充電パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 従来の充電パッドは、装置を充電するために使用される磁場を生成するために誘導コイルを利用する。ユーザは通常、充電パッド上の特定の位置に装置を置かなければならず、したがって装置の充電を遮断又は終了することなく装置をパッド上の様々な位置へ移動することができない。多くのユーザは自身の装置の充電を開始するためのパッド上の正確な位置に装置を配置することができない可能性があるため、このことは多くのユーザにとって苛立たしい体験になる。
【0003】
[0003] 従来の充電パッドはまた、複数の異なる集積回路にわたって分散される部品を利用する。このような構成は、これらの充電パッドをそのユーザによって望まれるものより遅く動作させる処理遅延を生じる(例えば、無線充電と無線充電中になされる調整とに長い時間かかる)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[0004] したがって、上に同定された問題に対処する無線充電システム(例えばRF充電パッド)の必要性がある。この目的を達成するために、単一集積回路上に効率的に配置される部品を含むRF充電パッドについてここでは説明する。ここで、単一集積回路は、RF充電パッドの表面上に位置する受信装置への無線電力の送信に使用するための効率的アンテナ区域を見つけ出すために、アンテナ区域(例えば、グループにまとめられるRF充電パッドの1つ又は複数のアンテナ又はユニットセルアンテナ:本明細書ではアンテナグループとも呼ぶ)を選択的又は連続的に活性化することによりRF充電パッドのアンテナを管理する。このようなシステム及びその使用方法は、従来の充電パッドに伴うユーザ不満足を解消するのを助ける。例えば、アンテナ区域を選択的に活性化する一方で転送されたエネルギーを監視することにより、このようなシステム及びその使用方法は、装置がRF充電パッド上に置かれ得る任意の時点及び任意の位置においてエネルギー転送が最大化されることを保証することにより、浪費されるRF送電をなくすのを助け、したがって、効率的に受信されない可能性がある無駄な送信をなくす。
【0005】
[0005] 以下に続く説明では、様々なアンテナ区域を含むRF充電パッドについて言及される。この説明の目的のために、アンテナ区域はRF充電パッドの1つ又は複数の送信アンテナを含み、各アンテナ区域は、どのアンテナ区域が無線電力を受信器へ最も効率的に転送することができるかを判断するために各アンテナ区域の選択的活性化を可能にする制御集積回路(例えばRF送電器集積回路160(図1A~1B))により個々にアドレス指定可能であり得る。RF充電パッドはまた、本明細書では相互交換可能に近接場充電パッド又はより単純には充電パッドと呼ばれる。
【0006】
[0006] (A1)いくつかの実施形態では、方法は、無線通信部品(例えば通信部品204、図1A)、それぞれが少なくとも1つのアンテナ素子(例えば、例示的アンテナ区域を図1Bに示す)をそれぞれ含む複数のアンテナ区域、及び1つ又は複数のプロセッサ(例えばCPU202、図1B図2A)を含む近接場充電パッドにおいて行われる。本方法は、無線電力受信器が近接場充電パッドの閾値距離内に存在しているということを無線通信部品を介し検出することと、無線電力受信器が近接場充電パッドの閾値距離内に存在しているということを検出することに応答して、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたかどうかを判断することとを含む。本方法はさらに、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたということを判断することに従って、複数のアンテナ区域のうちの少なくとも1つの特定のアンテナ区域によりそれぞれの試験送電信号の送信に関連付けられる特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすという判断がなされるまで、第1の組の伝送特性を有するそれぞれの試験送電信号を複数のアンテナ区域内に含まれるそれぞれのアンテナ素子により選択的に送信することを含む。特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすということを1つ又は複数のプロセッサが判断すると、本方法はさらに、少なくとも1つの特定のアンテナ区域を使用して複数の追加の送電信号を無線電力受信器へ送信することであって、複数の追加の送電信号の各追加の送電信号は第1の組とは異なる第2の組の伝送特性を有して送信される、ことを含む。
【0007】
[0007] (A2)A1の方法のいくつかの実施形態では、無線電力受信器が近接場充電パッドの表面上に置かれたかどうかを判断することは(i)複数のアンテナ区域の各アンテナ区域を使用して試験送電信号を送信すること、(ii)試験送電信号を送信しながら近接場充電パッドにおける反射電力量を監視すること、(iii)反射電力量が装置検出閾値を満たすと無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたということを判断することとを含む。
【0008】
[0008] (A3)A2の方法のいくつかの実施形態では、反射電力量は複数のアンテナ区域の各アンテナ区域において測定される。
【0009】
[0009] (A4)A2~A3の方法のいくつかの実施形態では、装置検出閾値は近接場充電パッドの較正プロセス中に規定される。
【0010】
[0010] (A5)A4の方法のいくつかの実施形態では、装置検出閾値は、無線電力受信器と結合されるあるタイプの装置に固有であり、近接場充電パッドの近傍の無線電力受信器を検出した後に1つ又は複数のプロセッサにより選択される(例えば、無線電力受信器は情報のパケットを近接場充電パッドへ送信し、この情報のパケットは無線電力受信器と結合される装置のタイプを識別する情報を含む)。
【0011】
[0011] (A6)A1~A5の方法のいくつかの実施形態では、それぞれの試験送電信号を選択的に送信することは複数のアンテナ区域の各アンテナ区域を使用して行われる。加えて、本方法はさらに、複数のアンテナ区域の少なくとも1つの特定のアンテナ区域によりそれぞれの試験送電信号の送信に関連付けられる電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすという判断が行われる前に(i)各アンテナ区域による送信に基づき各それぞれのアンテナ区域によるそれぞれの試験送電信号の送信に関連付けられるそれぞれの電力配送パラメータを更新することと、(ii)無線電力を無線電力受信器へ送信するために、それらの関連付けられたそれぞれの電力配送パラメータに基づき、少なくとも1つの特定のアンテナ区域を含む2つ以上のアンテナ区域を選択することとを含む。
【0012】
[0012] (A7)A6の方法のいくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1の組の伝送特性を有する追加の試験送電信号を送信するために2つ以上のアンテナ区域のそれぞれを使用することを含む。さらに、特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすという判断は、特定のアンテナ区域が2つ以上のアンテナ区域の他のアンテナ区域と比較して無線電力を無線電力受信器へより効率的に送信しているということを特定の電力配送パラメータが示しているということを判断することを含む。
【0013】
[0013] (A8)A6~A7の方法のいくつかの実施形態では、特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすという判断はまた、第1の閾値電力量が少なくとも1つの特定のアンテナ区域により無線電力受信器へ転送されるということを特定の電力配送パラメータが示すということと、少なくとも1つの特定のアンテナ区域は第1の閾値電力量が無線電力受信器へ転送されるということを示すそれぞれの電力配送パラメータを有する2つ以上のアンテナ区域のうちのただ一つのアンテナ区域であるということとを判断することを含む。
【0014】
[0014] (A9)A6~A8の方法のいくつかの実施形態では、特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすという判断はまた(i)いかなるアンテナ区域も第1の閾値電力量を無線電力受信器へ転送していないということと、(ii)2つ以上のアンテナ区域の追加のアンテナ区域に関連付けられた追加の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすということとを判断する。加えて、特定の電力配送パラメータは、特定のアンテナ区域により無線電力受信器へ転送される第1の電力量が第2の閾値電力量より大きく且つ第1の閾値電力量未満であるということを示し、追加の電力配送パラメータは、追加のアンテナ区域により無線電力受信器へ転送される第2の電力量が第2の閾値電力量より大きく且つ第1の閾値電力量未満であるということを示す。
【0015】
[0015] (A10)A9の方法のいくつかの実施形態では、特定のアンテナグループと追加のアンテナグループとの両方は無線電力受信器へ電力を供給するために追加の複数の送電信号を同時に送信するために使用される。
【0016】
[0016] (A11)A1~A10の方法のいくつかの実施形態では、電力配送パラメータを判断するために使用される情報が、近接場充電パッドの無線通信部品を介し無線電力受信器により近接場充電パッドへ提供される。
【0017】
[0017] (A12)A1~A11の方法のいくつかの実施形態では、第2の組の伝送特性は、特定のアンテナグループにより無線電力受信器へ転送される電力の量を増加するために第1の組の伝送特性内の少なくとも1つの特性を調整することにより判断される。
【0018】
[0018] (A13)A12の方法のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの調整された特性は周波数又はインピーダンス値である。
【0019】
[0019] (A14)A1~A13の方法のいくつかの実施形態では、追加の複数の送電信号を送信する間に、近接場充電パッドにより無線電力受信器へ無線で配送される電力のレベルを判断するために使用される無線電力受信器から受信される情報に基づき第2の組の伝送特性内の少なくとも1つの特性を調整する。
【0020】
[0020] (A15)A1~A14の方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは近接場充電パッドの動作を制御するために使用される単一集積回路の部品である。例えば、ここで説明される方法のいかなるものも、図1Bに示す高周波(RF)送電器集積回路160の例などの単一集積回路により管理される。
【0021】
[0021] (A16)A1~A15の方法のいくつかの実施形態では、各それぞれの電力配送メトリックは、複数のアンテナグループのそれぞれのアンテナグループによるそれぞれの試験送電信号の送信に基づき無線電力受信器により受信される電力量に対応する。
【0022】
[0022] (A17)A1~A16の方法のいくつかの実施形態では、本方法はさらに、試験送電信号を送信する前に、無線電力受信器が近接場充電パッドから無線で配送される電力を受信する権限を与えられるということを判断することを含む。
【0023】
[0023] (A18)別の態様では、近接場充電パッドが提供される。いくつかの実施形態では、近接場充電パッドは、無線通信部品、それぞれが少なくとも1つのアンテナ素子をそれぞれ含む複数のアンテナ区域、1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数のプロセッサにより実行されると近接場充電パッドにA1~A17のいずれか一項に記載の方法を行わせる1つ又は複数のプログラムを格納するメモリを含む。
【0024】
[0024] (A19)さらに別の態様では、近接場充電パッドが提供され、近接場充電はA1~A17のいずれか一項に記載の方法を行う手段を含む。
【0025】
[0025] (A20)さらに別の態様では、非一時的コンピュータ可読格納媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読格納媒体は、1つ又は複数のプロセッサ/コアを有する近接場充電パッド(無線通信部品と、それぞれが少なくとも1つのアンテナ素子をそれぞれ含む複数のアンテナ区域とを含む)により実行されると近接場充電パッドにA1~A17のいずれか一項に記載の方法を行わせる実行可能命令を格納する。
【0026】
[0026] 上述のように、無線電力の送信を管理するための部品であってそのすべてが単一集積回路上に集積化される部品を含む送信器チップの必要性もある。このような送信器チップ及びその使用方法は、従来の充電パッドに伴うユーザ不満足を解消するのを助ける。すべての部品(図1A、1Bを参照して以下にさらに詳細に論述される)を単一チップ上に含むことにより、このような送信器チップは送信器チップにおける動作をより効率的且つ迅速に(そしてとより低遅延でもって)管理することができ、これにより、これらの送信器チップにより管理される充電パッドに伴うユーザ満足感を改善するのを助ける。
【0027】
[0027] (B1)いくつかの実施形態では、送信器チップは、(i)集積回路の動作を制御するように構成された処理ユニット、(ii)処理ユニットに作動可能に結合された電力変換器であって入力電流を高周波エネルギーに変換するように構成された電力変換器、(iii)処理ユニットに作動可能に結合された波形発生器であって高周波エネルギーを使用することにより複数の送電信号を生成するように構成された波形発生器、(iv)集積回路と集積回路の外側にある複数の電力増幅器とを結合する第1のインターフェース、及び(v)第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースであって集積回路と無線通信部品とを結合する第2のインターフェースを含む。処理ユニットはまた、(i)送信器チップにより制御される近接場充電パッドの送信範囲内に無線電力受信器が存在するという指標を第2のインターフェースを介し受信し、(ii)指標を受信することに応答して、第1のインターフェースを介し、複数の送電信号のうちの少なくとも一部を複数の電力増幅器の少なくとも1つへ提供するように構成される。
【0028】
[0028] (B2)B1の送信器チップのいくつかの実施形態では、処理ユニットは、CPU、ROM、RAM、及び暗号化部(例えば、CPU下位システム(サブシステム)170、図1B)を含む。
【0029】
[0029] (B3)B1~B1のいずれか一項に記載の送信器チップのいくつかの実施形態では、入力電流は直流である。代替的に、いくつかの実施形態では、入力電流は交流である。これらの実施形態では、電力変換器は高周波DC/DCコンバータ又は高周波AC/AC変換器である。
【0030】
[0030] (B4)B1~B1のいずれか一項に記載の送信器チップのいくつかの実施形態では、無線通信部品は、近接場充電パッドの表面上に置かれる装置から通信信号を受信するように構成されるBluetooth又はWi-Fi無線である。
【0031】
[0031] 上述の問題に対処するのを助け、これにより、ユーザの必要性を満たす充電パッドを提供するために、上述のアンテナ区域は、充電パッドが充電パッドの上の任意の位置に置かれる装置を充電することができるようにエネルギー送信特性(例えばそれぞれのアンテナ素子の導電線のインピーダンス及び周波数)を調整することができる適応型アンテナ素子を含み得る(例えば、RF充電パッド100のアンテナ区域290(図1B)はそれぞれ、図3A図6E及び図8を参照して以下に説明されるアンテナ120のうちの1つ又は複数を含み得る)。
【0032】
[0032] いくつかの実施形態によると、本明細書で説明される高周波(RF)充電パッドのアンテナ区域は、電子装置のRF受信器へRF信号を送信するための1つ又は複数のプロセッサと通信する1つ又は複数のアンテナ素子を含み得る。いくつかの実施形態では、各それぞれのアンテナ素子は、(i)蛇行線パターンを形成する導電線、(ii)1つ又は複数のプロセッサにより制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における第1の端子、(iii)導電線の第2の端部における第1の端子とは異なる第2の端子であって、少なくとも1つのプロセッサにより制御され、第2の端子におけるインピーダンス値を修正することを可能にする部品と結合される第2の端子を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、1つ又は複数のアンテナ素子から電子装置のRF受信器へ転送されるエネルギーの量を最適化するために周波数及び/又はインピーダンス値を適応的に調整するように構成される。
【0033】
[0033] 充電パッドがその上の任意の位置に置かれる装置を充電することができるように、エネルギー送信特性(例えばそれぞれのアンテナ素子の導電線のインピーダンス及び周波数)を調整することができる適応型アンテナ素子を含む無線充電システム(例えばRF充電パッド)の必要性がある。いくつかの実施形態では、これらの充電パッドは、送信アンテナ素子(本明細書ではRFアンテナ素子又はアンテナ素子とも呼ぶ)から、充電される電子装置の受信器へ転送されるエネルギーを監視する1つ又は複数のプロセッサを含み、1つ又は複数のプロセッサは、充電パッド上の任意の位置におけるエネルギー転送を最大化するようにエネルギー送信特性を最適化する。いくつかの実施形態はまた、受信器において受信された電力を1つ又は複数のプロセッサへ報告するためのフィードバックループを含み得る。
【0034】
[0034] (C1)いくつかの実施形態によると、高周波(RF)充電パッドが提供される。RF充電パッドは、RF充電パッドから電子装置のRF受信器へ転送されるエネルギーの量を監視するための少なくとも1つのプロセッサを含む。RF充電パッドはまた、電子装置のRF受信器へRF信号を送信するための1つ又は複数のプロセッサと通信する1つ又は複数のアンテナ素子を含む。いくつかの実施形態では、各それぞれのアンテナ素子は、(i)蛇行線パターンを形成する導電線、(ii)1つ又は複数のプロセッサにより制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における第1の端子、及び(iii)導電線の第2の端部における第1の端子とは異なる第2の端子であって、少なくとも1つのプロセッサにより制御され、第2の端子におけるインピーダンス値を修正することを可能にする部品と結合される第2の端子を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、1つ又は複数のアンテナ素子から電子装置のRF受信器へ転送されるエネルギーの量を最適化するために周波数及び/又はインピーダンス値を適応的に調整するように構成される。
【0035】
[0035] (C2)いくつかの実施形態によると、高周波(RF)送電を介し電子装置を充電するために使用される方法も提供される。本方法は、少なくとも1つのRFアンテナを含む送信器を提供することを含む。本方法はまた、少なくとも1つのRFアンテナを介し1つ又は複数のRF信号を送信することと、1つ又は複数のRF信号を介し少なくとも1つのRFアンテナからRF受信器へ転送されるエネルギーの量を監視することとを含む。本方法は追加的に、少なくとも1つのRFアンテナからRF受信器へ転送されるエネルギーの量を最適化するために送信器の特性を適応的に調整することを含む。いくつかの実施形態では、特性は、(i)1つ又は複数のRF信号の周波数、(ii)送信器のインピーダンス、並びに(iii)(i)及び(ii)の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRFアンテナはRFアンテナのアレイの一部分である。
【0036】
[0036] (C3)いくつかの実施形態によると、高周波(RF)充電パッドが提供される。RF充電パッドは、RF充電パッドから電子装置のRF受信器へ転送されるエネルギーの量を監視するための1つ又は複数のプロセッサを含む。RF充電パッドはまた、電子装置のRF受信器へRF信号を送信するための1つ又は複数のプロセッサと通信するように構成された1つ又は複数の送信アンテナ素子を含む。いくつかの実施形態では、各それぞれのアンテナ素子は、(i)蛇行線パターンを形成する導電線、(ii)1つ又は複数のプロセッサにより制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における入力端子、及び(iii)導電線の複数の位置における、入力端子とは異なり且つ互いに異なる複数の適応型負荷端子であって、複数の適応型負荷端子の各それぞれの適応型負荷端子は、1つ又は複数のプロセッサにより制御されるように構成されそれぞれの適応型負荷端子におけるそれぞれのインピーダンス値を修正することを可能にするように構成されたそれぞれの部品と結合される、複数の適応型負荷端子を含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、1つ又は複数の送信アンテナ素子から電子装置のRF受信器へ転送されるエネルギーの量を最適化するために複数の適応型負荷端子のうちの1つ又は複数において周波数とそれぞれのインピーダンス値のうちの少なくとも1つを適応的に調整するように構成される。
【0037】
[0037] (C4)いくつかの実施形態によると、高周波(RF)送電を介し電子装置を充電するために使用される方法も提供される。本方法は、1つ又は複数のRFアンテナを含む送信器を含む充電パッドを提供することを含む。いくつかの実施形態では、各RFアンテナは、(i)蛇行線パターンを形成する導電線、(ii)1つ又は複数のプロセッサにより制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における入力端子、及び(iii)導電線の複数の位置における、入力端子とは異なり且つ互いに異なる複数の適応型負荷端子であって、複数の適応型負荷端子の各それぞれの適応型負荷端子は、1つ又は複数のプロセッサにより制御されそれぞれの適応型負荷端子におけるそれぞれのインピーダンス値を修正することを可能にするそれぞれの部品と結合される、複数の適応型負荷端子を含む。本方法はまた、1つ又は複数のRFアンテナを介し、1つ又は複数のRF信号を送信することと、1つ又は複数のRF信号を介し少なくとも1つ又は複数のRFアンテナからRF受信器へ転送されるエネルギーの量を監視することとを含む。本方法は追加的に、1つ又は複数のRFアンテナからRF受信器へ転送されるエネルギーの量を最適化するために送信器の1つ又は複数のプロセッサを使用して送信器の特性を適応的に調整することを含む。いくつかの実施形態では、特性は、(i)1つ又は複数のRF信号の周波数、(ii)送信器のインピーダンス、並びに(iii)(i)及び(ii)の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、送信器のインピーダンスは、送信器の1つ又は複数のプロセッサを使用することにより、1つ又は複数のRFアンテナの複数の適応型負荷端子のうちのそれぞれの1つ又は複数の端子において適応的に調整される。
【0038】
[0038] (C5)いくつかの実施形態によると、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、1つ又は複数の送信アンテナ素子を含む高周波(RF)充電パッドへ結合される1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、RF充電パッドから電子装置のRF受信器へ転送されるエネルギーの量を監視させ、そしてRF信号を電子装置のRF受信器へ送信するための1つ又は複数の送信アンテナ素子と通信させる実行可能命令を含む。いくつかの実施形態では、それぞれの送信アンテナ素子は、蛇行線パターンを形成する導電線、1つ又は複数のプロセッサにより制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における入力端子、及び導電線の複数の位置における、入力端子とは異なり且つ互いに異なる複数の適応型負荷端子であって、複数の適応型負荷端子の各それぞれの適応型負荷端子は、1つ又は複数のプロセッサにより制御されるように構成されるとともに各それぞれの適応型負荷端子におけるそれぞれのインピーダンス値を修正することを可能にするように構成されるそれぞれの部品と結合される、複数の適応型負荷端子を含む。1つ又は複数のプロセッサはさらに、1つ又は複数の送信アンテナ素子から電子装置のRF受信器へ転送されるエネルギーの量を最適化するために複数の適応型負荷端子のうちの1つ又は複数において周波数とそれぞれのインピーダンス値のうちの少なくとも1つを適応的に調整する。
【0039】
[0039] (C6)C1~G5のいずれか一項のいくつかの実施形態では、周波数は第1の周波数帯内にあり、1つ又は複数の送信アンテナ素子の少なくとも1つは、1つ又は複数のプロセッサによる少なくとも1つの送信アンテナ素子の複数の適応型負荷端子の1つ又は複数の端子におけるそれぞれのインピーダンス値への適応調整に基づき第2の周波数帯で動作するように構成される。
【0040】
[0040] (C7)C1~G6のいずれか一項のいくつかの実施形態では、RF充電パッドは、1つ又は複数のプロセッサと結合される入力回路であって導電線の第1の端部における入力端子へ電流を供給するように構成される入力回路を含み、1つ又は複数のプロセッサは、入力回路に当該周波数とは異なる新しい周波数を有する電流を生成するように指示することにより当該周波数を適応的に調整するように構成される。
【0041】
[0041] (C8)C1~G7のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、所定の増分を使用することにより判断される複数の異なる周波数を有する電流を生成させるように給電素子に指示することにより周波数を適応的に調整するように構成される。
【0042】
[0042] (C9)C1~G8のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の送信アンテナ素子のうちの少なくとも1つの送信アンテナ素子のそれぞれの導電線は、当該周波数及び/又は新しい周波数を有するRF信号を少なくとも1つの送信アンテナ素子が効率的に送信することを可能にするそれぞれの蛇行線パターンを有し、それぞれの蛇行線パターンを有するそれぞれの導電線の少なくとも2つの隣接セグメントは互いに異なる幾何学的寸法を有し、それぞれの導電線は、少なくとも1つの送信アンテナ素子が当該周波数及び/又は新しい周波数を有するRF信号を送信するように構成される場合は同じままである長さを有する。
【0043】
[0043] (C10)C1~G9のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の送信アンテナ素子のうちの少なくとも1つの送信アンテナ素子は、入力端子を含む第1のセグメントと第2のセグメントとを有し、少なくとも1つの送信アンテナ素子は、第1のセグメントが第2のセグメントと結合されていない間は当該周波数で動作し、第1のセグメントが第2のセグメントと結合されている間は新しい周波数で動作するように構成され、1つ又は複数のプロセッサは、給電素子に当該周波数とは異なる新しい周波数を有する電流を生成するように指示することと併せて第1のセグメントと第2のセグメントを結合するように構成される。
【0044】
[0044] (C11)C1~G10のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、第1の送信アンテナ素子を第1の周波数帯で動作させるために周波数及び/又は1つ又は複数の送信アンテナ素子のうちの第1の送信アンテナ素子に関連付けられたそれぞれのインピーダンス値を適応的に調整し、第2の送信アンテナ素子を第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯で動作させるために周波数及び/又は1つ又は複数の送信アンテナ素子のうちの第2の送信アンテナ素子に関連付けられたそれぞれのインピーダンス値を適応的に調整するように構成される。
【0045】
[0045] (C12)C1~G11のいずれか一項のいくつかの実施形態では、電子装置はRF充電パッドの上面と接触して又はその近くに置かれる。
【0046】
[0046] (C13)C1~G12のいずれか一項のいくつかの実施形態では、それぞれの部品は、それぞれの適応型負荷端子を開放状態と短絡状態との間で切り替えるためのそれぞれの適応型負荷端子と結合される機械式リレーであり、インピーダンス値は、開放回路と短絡回路との間で切り替えるために機械式リレーを開放又は短絡することによりそれぞれの送信アンテナ素子のそれぞれの適応型負荷端子においてそれぞれ適応的に調整される。
【0047】
[0047] (C14)C1~G13のいずれか一項のいくつかの実施形態では、それぞれの部品は特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)であり、それぞれのインピーダンス値はASICによりある範囲の値内へ適応的に調整される。
【0048】
[0048] (C15)C1~G14のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、電子装置のRF受信器へ転送されるエネルギーの極大量を判断するために、周波数と、複数の適応型負荷端子のうちの1つ又は複数におけるそれぞれのインピーダンス値とを適応的に調整することにより周波数及び/又はそれぞれのインピーダンス値を適応的に調整し、そして最大量のエネルギーが判断されると、RF受信器へ転送される最大量のエネルギーを生じたそれぞれのインピーダンス値を使用することにより1つ又は複数の送信アンテナ素子のそれぞれにそれぞれの周波数でRF信号をそれぞれ送信させるように構成される。
【0049】
[0049] (C16)C1~G15のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサはRF受信器へ転送されるエネルギーの量を、電子装置から受信される情報であってRF信号からRF受信器において受信されるエネルギーを識別する情報に少なくとも部分的に基づき監視する。
【0050】
[0050] (C17)C1~G16のいずれか一項のいくつかの実施形態では、受信されたエネルギーを識別する電子装置から受信された情報は無線通信プロトコルを使用することにより送信される。
【0051】
[0051] (C18)C1~G17のいずれか一項のいくつかの実施形態では、無線通信プロトコルはBluetoothローエネルギー(BLE:Bluetooth low energy)である。
【0052】
[0052] (C19)C1~G18のいずれか一項のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、それぞれの適応型負荷端子において検出されるエネルギーの量に少なくとも部分的に基づき、転送されるエネルギーの量を監視する。
【0053】
[0053] したがって、本明細書で説明される原理に従って構成される無線充電システムは、RF充電パッド上の任意の位置に置かれる電子装置を充電することができ、エネルギー転送が絶えず最適化されることを保証することによりエネルギーを浪費することを回避することができる。
【0054】
[0054] 加えて、本明細書で説明される原理に従って構成される無線充電システムは、同じ充電送信器上の様々な周波数又は周波数帯においてチューニングされる様々な電子装置を充電することができる。いくつかの実施形態では、単一アンテナ素子を有する送信器は同時に又は異なる時間に複数の周波数又は周波数帯において動作し得る。いくつかの実施形態では、複数のアンテナ素子を有する送信器は同時に複数の周波数又は周波数帯において動作し得る。これは、受信装置内に含まれるアンテナのタイプとサイズのより大きな柔軟性を可能にする。
【0055】
[0055] 上述の様々な実施形態は本明細書で説明される任意の他の実施形態と組み合わせられ得るということに留意されたい。本明細書において説明される特徴と利点はすべてが包括的であるというわけではない。特に、添付図面、明細書、及び特許請求の範囲に照らして多くの追加機能と利点が当業者には明らかになる。また、本明細書で使用される言語は読み易さと教示的目的のために主として選択されたものであって、本発明の主題を束縛又は制限するように意図されていないということに留意すべきである。
【0056】
図面の簡単な説明
[0056] 本開示がより詳細に理解され得るように、そのうちのいくつかが添付図面に示される様々な実施形態の特徴を参照してより具体的な説明がなされ得る。しかし、添付図面は、本開示の適切な特徴を単に示しており、したがって制限するものと見なされてはならず、本明細書は他の効果的な特徴を認め得る。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1A】[0057]いくつかの実施形態によるRF無線送電システムのブロック図である。
図1B】[0058]いくつかの実施形態によるRF送電器集積回路及びアンテナ区域を含む例示的RF充電パッドの部品を示すブロック図である。
図2A】[0059]いくつかの実施形態による例示的RF充電パッドを示すブロック図である。
図2B】[0060]いくつかの実施形態による例示的受信装置を示すブロック図である。
図3A】[0061]いくつかの実施形態によるRF充電パッドの高位ブロック図である。
図3B】[0062]いくつかの実施形態によるRF充電パッドの一部を示す高位ブロック図である。
図3C】[0062]いくつかの実施形態によるRF充電パッドの一部を示す高位ブロック図である。
図3D】[0063]いくつかの実施形態によるRF信号を送信しているアンテナ素子のセクション内のエネルギー流れを示す単純化回路のブロック図である。
図4】[0064]いくつかの実施形態による2つの端子を有する送信アンテナ素子の概略図である。
図5】[0065]高周波(RF)送電を介し電子装置を充電する方法のフローチャートである。
図6A】[0066]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図6B】[0066]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図6C】[0066]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図6D】[0066]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図6E】[0066]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図7A】[0067]いくつかの実施形態によるRF受信器のアンテナ素子の概略図である。
図7B】[0067]いくつかの実施形態によるRF受信器のアンテナ素子の概略図である。
図7C】[0067]いくつかの実施形態によるRF受信器のアンテナ素子の概略図である。
図7D】[0067]いくつかの実施形態によるRF受信器のアンテナ素子の概略図である。
図8】[0068]いくつかの実施形態による複数の送信アンテナ素子(又はユニットセル)を有するRF充電パッドの概略図である。
図9A】[0069]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する方法900を示す流れ図である。
図9B】[0069]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する方法900を示す流れ図である。
図10】[0070]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化するプロセスを示す概要である。
図11A】[0071]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する様々な態様を示す流れ図である。
図11B】[0071]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する様々な態様を示す流れ図である。
図11C】[0071]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する様々な態様を示す流れ図である。
図11D】[0071]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する様々な態様を示す流れ図である。
図11E】[0071]いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する様々な態様を示す流れ図である。
図12】[0072]いくつかの実施形態によるRF充電パッドの複数の適応型負荷を有する送信アンテナ素子の概略図である。
図13】[0073]いくつかの実施形態による複数の適応型負荷を有する少なくとも1つのRFアンテナを使用することにより高周波(RF)送電を介し電子装置を充電する方法のフローチャートである。
図14A】[0074]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図14B】[0074]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図14C】[0074]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図14D】[0074]いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。
図15】[0075]いくつかの実施形態によるアンテナ素子の長さを調整することにより複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の例示的構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
[0076] 慣習に従って、添付図面に示される様々な特徴は原寸に比例して描かれないことがある。したがって、様々な特徴の寸法は明瞭性のために任意に拡張又は縮小され得る。加えて、添付図面うちのいくつかは所与のシステム、方法、又は装置の部品のすべてを描写しないことがある。最後に、同様な参照符号が本明細書及び図面を通じて同様な特徴を表すために使用され得る。
【0059】
実施形態の説明
[0077] その例が添付図面に示される実施形態を次に詳細に参照する。以下の詳細な説明では、様々な説明される実施形態を十分に理解するために多くの具体的詳細が記載される。しかし、様々な説明される実施形態がこれらの特定の詳細無しに実行され得るということは当業者により明らかになる。他の例では、周知の方法、手順、部品、回路及びネットワークは実施形態の態様を不必要に曖昧にしないように詳細に説明されなかった。
【0060】
[0078] 図1Aは、いくつかの実施形態によるRF無線送電システムのブロック図である。いくつかの実施形態では、RF無線送電システム150はRF充電パッド(本明細書では近接場(NF:near-field)充電パッド100又はRF充電パッド100とも呼ばれる)を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100はRF送電器集積回路160(以下にさらに詳細に説明する)を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、図2Aを参照してより詳細に論述される1つ又は複数の通信部品204(例えばWi-Fi無線又はBluetooth無線などの無線通信部品)を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100はまた、外部TXアンテナアレイ210(例えば、図2Aのアンテナ210)を駆動する際に1つ又は複数の電力増幅器ユニット108-1,...108-nの動作を制御するために1つ又は複数の電力増幅器ユニット108-1,...108-nへ接続する。いくつかの実施形態では、RF電力は、RF無線送電システムがTXアンテナアレイ210を介しRF電力を1つ又は複数の無線受信装置へ送信することを可能にするように切り替え回路を介しRF充電パッド100において制御及び変調される。例示的電力増幅器ユニットが図3Aを参照して以下にさらに詳細に論述される。
【0061】
[0079] いくつかの実施形態では、通信部品(群)204がRF充電パッド100と1つ又は複数の通信ネットワーク間の通信を可能にする。いくつかの実施形態では、通信部品(群)204は、多様なカスタム又は標準無線プロトコル(例えばIEEE802.15.4、Wi-Fi、ZigBee、6LoWPAN、Thread、Z-Wave、Bluetooth Smart、ISA100.11a、WirelessHART、MiWiなど)、カスタム又は標準有線プロトコル(例えばEthernet、HomePlugなど)、及び/又は本文書の出願日の時点で未だ開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の好適な通信プロトコルのうちの任意のものを使用することにより、データ通信することができる。
【0062】
[0080] 図1Bは、いくつかの実施形態によるRF送電器集積回路160(「集積回路」)のブロック図である。いくつかの実施形態では、集積回路160は、CPU下位システム170、外部装置制御インターフェース、DC/RF電力変換器のRF下位セクション、及びバス又は相互接続ファブリックブロック171などの相互接続部品を介し相互接続するアナログ及びデジタル制御インターフェースを含む。いくつかの実施形態では、CPU下位システム170は、CPU下位システムランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)174(例えばメモリ206、図2A)内にロードされる又はFLASHから直接実行されるCPU実行可能コードを含む外部FLASHへデジタル制御インターフェース(例えばICポート)を介しブートする装置プログラムのための関連読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only-Memory)172を有するマイクロプロセッサユニット(CPU)202を含む。いくつかの実施形態では、CPU下位システム170はまた、RF充電パッド100から無線で配送される電力を受信しようとする無線電力受信器などの外部装置との通信交換を認証及び保証するために暗号化モジュール又はブロック176を含む。
【0063】
[0081] いくつかの実施形態では、CPU(図2Aのメモリ206内に示され以下に説明されるものなど)上で走る実行可能命令は、RF充電パッド100の動作を管理するために、そして制御インターフェース(例えばSPI制御インターフェース175、及びRF送電器集積回路160内に含まれる他のアナログ及びデジタルインターフェース)を介し外部装置を制御するために使用される。いくつかの実施形態では、CPU下位システムはまた、RF局部発振器(LO:local oscillator)177及びRF送信器(TX:transmitter)178を含むRF送電器集積回路160のRF下位セクションの動作を管理する。いくつかの実施形態では、RF LO 177は、CPU下位システム170からの命令に基づき調整され、これにより様々な所望の周波数の動作へ設定され、一方、TXは、実現可能RF電力レベルを生成するために所望によりRF出力を変換、増幅、変調する。
【0064】
[0082] いくつかの実施形態では、RF送電器集積回路160は実現可能RF電力レベルを(例えばRF TX 178を介し)任意選択的ビーム形成集積回路(IC:integrated circuit)109へ提供し、任意選択的ビーム形成集積回路(IC)109は次に、位相シフトされた信号を1つ又は複数の電力増幅器108へ提供する。いくつかの実施形態では、ビーム形成IC109は、特定の無線電力受信器へ送信される電力が最大化される(例えば、送電信号が特定の無線電力受信器において同相で到達する)ことを保証するために特定の無線電力受信器へ2つ以上のアンテナ210(例えば、各アンテナ210は異なるアンテナ区域290に関連付けられてもよいし、それぞれが単一アンテナ区域290に属してもよい)を使用することにより送信される送電信号が適切な特性(例えば位相)でもって送信されるということを保証するために使用される。いくつかの実施形態では、ビーム形成IC109はRF送電器IC160の一部を形成する。
【0065】
[0083] いくつかの実施形態では、RF送電器集積回路160は、実現可能RF電力レベルを1つ又は複数の電力増幅器108へ(例えばRF TX 178を介し)直接提供し、したがって位相シフトが必要とされなければ(送電信号を無線電力受信器へ送信するために単一アンテナ210だけが使用されるときなど)ビーム形成IC109を使用しない(すなわち、ビーム形成ICをバイパスする)。
【0066】
[0084] 次に、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電力増幅器108は、RF充電パッド100から無線で配送される電力を受信する権限を与えられた無線電力受信器への送信のためのRF信号をアンテナ区域290へ提供する。いくつかの実施形態では、各アンテナ区域290はそれぞれのPA108と結合される(例えば、アンテナ区域290-1はPA108-1と結合され、アンテナ区域290-NはPA108Nと結合される)。いくつかの実施形態では、複数のアンテナ区域がそれぞれ同じ一組のPA108と結合される(例えば、すべてのPA108が各アンテナ区域290と結合される)。アンテナ区域290に対するPA108の様々な配置及び結合は、無線電力を無線電力受信器へ送信するために使用するのに最も効効率的なアンテナ区域290を判断するためにRF充電パッド100が様々なアンテナ区域を連続的又は選択的に活性化することを可能にする(図9A~9B、図10及び図11A-11Eを参照して以下にさらに詳細に説明されるように)。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電力増幅器108はまた、PA108によりRF充電パッド100のアンテナ区域へ提供される出力電力をCPU202が測定することを可能にするためにCPU下位システム170と通信する。
【0067】
[0085] 図1Bはまた、いくつかの実施形態では、RF充電パッド100のアンテナ区域290が1つ又は複数のアンテナ210ANを含み得るということを示す。いくつかの実施形態では、複数のアンテナ区域の各アンテナ区域は1つ又は複数のアンテナ210を含む(例えば、アンテナ区域290-1は1つのアンテナ210-Aを含み、アンテナ区域290Nは複数のアンテナ210を含む)。いくつかの実施形態では、アンテナ区域のそれぞれに含まれるアンテナの数は、RF充電パッド100上の無線電力受信器の位置などの様々なパラメータに基づき動的に規定される。いくつかの実施形態では、アンテナ区域は、以下にさらに詳細に説明される蛇行線アンテナのうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの実施形態では、各アンテナ区域290は、様々なタイプのアンテナ(例えば蛇行線アンテナ及びループアンテナ)を含み得、一方、他の実施形態では、各アンテナ区域290は同じタイプの単一アンテナを含み得(例えば、すべてのアンテナ区域290が1つの蛇行線アンテナを含む)、一方、さらに他の実施形態では、アンテナ区域は、同じタイプの単一アンテナを含むいくつかのアンテナ区域と、様々なタイプのアンテナを含むいくつかのアンテナ区域とを含み得る。アンテナ区域はまた、以下にさらに詳細に説明される。
【0068】
[0086] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100はまた「RF充電パッド100が許容可能温度範囲内に留まる」ということを保証するためにCPU下位システム170と通信する温度監視回路を含み得る。例えば、RF充電パッド100が閾値温度に達したという判断がなされれば、RF充電パッド100の動作はRF充電パッド100が閾値温度を下回るまで一時的に中断され得る。
【0069】
[0087] RF送電器回路160の示された部品(図1B)を単一チップ上に含むことにより、このような送信器チップは送信器チップにおける動作をより効率的及び迅速に(そしてより低い遅延でもって)管理することができ、これにより、これらの送信器チップにより管理される充電パッドに伴うユーザ満足感を改善するのを助ける。例えば、RF送電器回路160は、構築するのがより安価であり、より小さな物理的フットプリントを有し、設置するのがより簡単である。さらに、そして図2Aを参照して以下にさらに詳細に説明されるように、RF送電器回路160はまた、権限を与えられた受信器だけがRF充電パッド100(図1B)から無線で配送される電力を受信することができるということを保証するために、セキュア素子モジュール282(図2B)又は受信器104と併せて使用されるセキュア素子モジュール234(例えば図1Bに示す暗号化ブロック176内に含まれる)を含み得る。
【0070】
[0088] 図2Aは、いくつかの実施形態によるRF充電パッド100のいくつかの部品を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、RF送電器IC160(そして、その中に含まれる図1A~1Bを参照し上に説明したものなどの部品)、メモリ206(CPU下位システム170の一部である非揮発性メモリ206などRF送電器IC160の一部として含まれ得る)、及びこれらの部品(時に、チップセットと呼ばれる)を相互接続するための1つ又は複数の通信バス208を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は1つ又は複数のセンサ212(以下に論述される)を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、1つ又は複数の指示灯、サウンドカード、スピーカ、テキスト情報及びエラーコードを表示するための小型ディスプレイなどの1つ又は複数の出力装置を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、RF充電パッド100の位置を判断するためのGPS(全地球測位衛星:global positioning satellite)又は他の地理的位置受信器などの位置検出装置を含む。
【0071】
[0089] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサ212は、1つ又は複数の熱放射センサ、環境温度センサ、湿度センサ、IRセンサ、占有(occupancy)センサ(例えばRFIDセンサ)、環境光センサ、動き検出器、加速度計、及び/又はジャイロスコープを含む。
【0072】
[0090] メモリ206は、DRAM、SRAM、DDR SRAM、又は他のランダムアクセス固体メモリ装置などの高速ランダムアクセスメモリを含み、そして任意選択的に、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、1つ又は複数の光ディスク記憶装置、1つ又は複数のフラッシュメモリ装置、又は1つ又は複数の他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリを含む。メモリ206(又は代替的にメモリ206内の不揮発性メモリ)は非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。いくつかの実施形態では、メモリ206(又はメモリ206の非一時的コンピュータ可読記憶媒体)は、以下のプログラム、モジュール、及びデータ構造、又はその下位集合又は上位集合を格納する:
・様々な基本システムサービスを扱うための手順とハードウェア依存タスクを行うための手順とを含む動作論理、
・無線通信部品(群)204と協力して遠隔装置(例えばリモートセンサ、送信器、受信器、サーバ、マッピングメモリなど)と結合及び/又は通信するための通信モジュール218、
・例えばRF充電パッド100の近傍の物体の有無、速度、及び/又は位置決めを判断するためにセンサデータを(例えばセンサ212と協力して)取得及び処理するためのセンサモジュール220、
・送電信号を生成する(限定しないが、所与の位置にエネルギーのポケットを形成することを含む)及び送信する(例えばアンテナ区域290及びそれぞれに含まれるアンテナ210と協力して)ための電力波生成モジュール222。電力波生成モジュール222はまた、個々のアンテナ区域により、送電信号を送信するために使用される伝送特性を修正するために使用され得る、
・限定しないが以下のものを含むデータベース224:
・1つ又は複数のセンサ(例えば、センサ212及び/又は1つ又は複数のリモートセンサ)により受信、検出、及び/又は送信されるデータを格納及び管理するためのセンサ情報226、
・RF充電パッド100及び/又は1つ又は複数の遠隔装置の動作セッティングを格納するための装置セッティング228、
・1つ又は複数のプロトコルのプロトコル情報を格納及び管理するための通信プロトコル情報230(例えばZigBee、Z-Waveなどのカスタム又は標準無線プロトコル、及び/又はイーサーネットなどのカスタム又は標準有線プロトコル)、
・マッピングデータを格納及び管理する(例えば1つ又は複数の送信フィールドをマッピングする)ためのマッピングデータ232、
・無線で配送された電力をRF充電パッド100から受信する権限を無線電力受信器が与えられるかどうかを判断するためのセキュア素子モジュール234、
・様々な無線電力受信器へ電力を無線で配送するためにどのアンテナ区域又は区域群が使用されなければならないかを判断するために、試験送電信号を送信するプロセスと様々なアンテナ区域とを連携させるためのアンテナ区域選択及びチューニングモジュール237(図9A~9B、図100、及び図11A~11Eを参照して以下にさらに詳細に説明されように)。
【0073】
[0091] 上記識別された素子(例えば、RF充電パッド100のメモリ206内に格納されるモジュール)のそれぞれは、前述のメモリ装置のうちの1つ又は複数内に任意選択的に格納され、上述の機能(群)を行うための一組の命令に対応する。様々な実施形態では、上記識別されたモジュール又はプログラム(例えば命令の組)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、又はモジュールとして実現される必要は無く、したがって、これらのモジュールの様々な下位集合が任意選択的に組み合わせられる又はそうでなければ再配置される。いくつかの実施形態では、メモリ206は上に識別されたモジュール及びデータ構造の下位集合を任意選択的に格納する。
【0074】
[0092] 図2Bは、いくつかの実施形態による代表的受信装置104(時に、受信器、電力受信器又は無線電力受信器と呼ばれる)を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、受信装置104は、1つ又は複数の処理ユニット(例えばCPU、ASIC、FPGA、マイクロプロセッサなど)252、1つ又は複数の通信部品254、メモリ256、アンテナ(群)260、電力収集回路259、及びこれらの部品(時に、チップセットと呼ばれる)を相互接続するための1つ又は複数の通信バス258を含む。いくつかの実施形態では、受信装置104は、図2Aを参照して上に説明した1つ又は複数のセンサ212などの1つ又は複数のセンサ262を含む。いくつかの実施形態では、受信装置104は、電力収集回路259を介し収集されるエネルギーを格納するためのエネルギー貯蔵装置261を含む。様々な実施形態では、エネルギー貯蔵装置261は、1つ又は複数の電池、1つ又は複数のキャパシタ、1つ又は複数のインダクタなどを含む。
【0075】
[0093] いくつかの実施形態では、電力収集回路259は1つ又は複数の整流回路及び/又は1つ又は複数の電力変換器を含む。いくつかの実施形態では、電力収集回路259は、電力波からのエネルギー及び/又はエネルギーポケットからのエネルギーを電気エネルギー(例えば電気)へ変換するように構成された1つ又は複数の部品(例えば電力変換器)を含む。いくつかの実施形態では、電力収集回路259はさらに、ラップトップ又は電話などの結合された電子装置へ電力を供給するように構成される。いくつかの実施形態では、結合された電子装置へ電力を供給することは、電気エネルギーをAC形式からDC形式(例えば電子装置により使用可能な)へ変換することを含む。
【0076】
[0094] いくつかの実施形態では、アンテナ(群)260は以下にさらに詳細に説明される蛇行線アンテナのうちの1つ又は複数を含む。
【0077】
[0095] いくつかの実施形態では、受信装置104は、1つ又は複数の指示灯、サウンドカード、スピーカ、テキスト情報及びエラーコードを表示するための小型ディスプレイなどの1つ又は複数の出力装置を含む。いくつかの実施形態では、受信装置104は、受信装置103の位置を判断するためのGPS(全地球測位衛星)又は他の地理的位置受信器などの位置検出装置を含む。
【0078】
[0096] 様々な実施形態では、1つ又は複数のセンサ262は、1つ又は複数の熱放射センサ、環境温度センサ、湿度センサ、IRセンサ、占有センサ(例えばRFIDセンサ)、環境光センサ、動き検出器、加速度計、及び/又はジャイロスコープを含む。
【0079】
[0097] 通信部品(群)254は受信器104と1つ又は複数の通信ネットワーク間の通信を使用可能にする。いくつかの実施形態では、通信部品(群)254は、多様なカスタム又は標準無線プロトコル(例えばIEEE 802.15.4、Wi-Fi、ZigBee、6LoWPAN、Thread、Z-Wave、Bluetooth Smart、ISA100.11a、WirelessHART、MiWiなど)、カスタム又は標準規格有線プロトコル(例えばEthernet、HomePlugなど)のうちの任意のもの及び/又は本文書の出願日の時点で未だ開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の好適な通信プロトコルを使用することにより、データ通信することができる。
【0080】
[0098] 通信部品(群)254は例えば、多様なカスタム又は標準無線プロトコル(例えばIEEE 802.15.4、Wi-Fi、ZigBee、6LoWPAN、Thread、Z-Wave、Bluetooth Smart、ISA100.11a、WirelessHART、MiWiなど)、及び/又は多様なカスタム又は標準有線プロトコル(例えばEthernet、HomePlugなど)のうちの任意のもの、又は本文書の出願日の時点で未だ開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の好適な通信プロトコルを使用することによりデータ通信することができるハードウェアを含む。
【0081】
[0099] メモリ256は、DRAM、SRAM、DDR SRAM、又は他のランダムアクセス固体メモリ装置などの高速ランダムアクセスメモリを含み、任意選択的に、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、1つ又は複数の光ディスク記憶装置、1つ又は複数のフラッシュメモリ装置、又は1つ又は複数の他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリを含む。メモリ256又は代替的にメモリ256内の不揮発性メモリは非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。いくつかの実施形態では、メモリ256(又はメモリ256の非一時的コンピュータ可読記憶媒体)は、以下のプログラム、モジュール、及びデータ構造、又はその下位集合又は上位集合を格納する:
・様々な基本システムサービスを扱うための手順とハードウェア依存タスクを行うための手順とを含む動作論理266、
・通信部品(群)254と協力して遠隔装置(例えばリモートセンサ、送信器、受信器、サーバ、マッピングメモリなど)と結合及び/又は通信するための通信モジュール268、
・例えば受信器103、RF充電パッド100、又は受信器103の近傍の物体の有無、速度、及び/又は位置決めを判断するためにセンサデータを(例えばセンサ262と協力して)取得及び処理するためのセンサモジュール270、
・電力波からのエネルギー及び/又はエネルギーポケットからのエネルギーを(例えば、アンテナ(群)260及び/又は電力収集回路259と協力して)受信し、エネルギーを(例えば直流へ)任意選択的に変換し(例えば電力収集回路259と協力して)、結合された電子装置へエネルギーを転送し、エネルギーを任意選択的に格納する(例えばエネルギー貯蔵装置261と協力して)ための無線電力受信モジュール272、
・限定しないが以下のものを含むデータベース274:
・1つ又は複数のセンサ(例えば、センサ262及び/又は1つ又は複数のリモートセンサ)により受信、検出、及び/又は送信されるデータを格納及び管理するためのセンサ情報276、
・受信器103、結合された電子装置278、及び/又は1つ又は複数の遠隔装置の動作セッティングを格納するための装置セッティング、
・1つ又は複数のプロトコルのプロトコル情報を格納及び管理するための通信プロトコル情報280(例えばZigBee、Z-Waveなどのカスタム又は標準無線プロトコル、及び/又はイーサーネットなどのカスタム又は標準有線プロトコル)、
・識別情報をRF充電パッド100へ提供するためのセキュア素子モジュール282(例えば、RF充電パッド100は、無線電力受信器104が無線で配送された電力を受信する権限を与えられるべきかどうかを判断するために識別情報を使用する)。
【0082】
[0100] 上に識別された素子(例えば、受信器104のメモリ256内に格納されたモジュール)のそれぞれは、前述のメモリ装置のうちの1つ又は複数のメモリ装置内に任意選択的に格納され、上述の機能を行うための一組の命令に対応する。上記識別されたモジュール又はプログラム(例えば命令の組)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、又はモジュールとして実装される必要は無く、したがって、これらのモジュールの様々な下位集合が任意選択的に組み合わせられる、又はそうでなければ様々な実施形態で再配置される。いくつかの実施形態では、メモリ256は任意選択的に、上に識別されたモジュール及びデータ構造の下位集合を格納する。さらに、メモリ256は任意選択的に、接続装置の装置タイプ(例えば受信器104と結合される電子装置の装置タイプ)を識別するためのモジュールを識別するなどの上に述べなかった追加のモジュール及びデータ構造を格納する。
【0083】
[0101] 次に図3A図8へ移ると、RF充電パッド100の様々なアンテナにおいてインピーダンス値(例えば負荷ピック)を修正するための部品を含むRF充電パッド100の実施形態が示され、蛇行線パターンを形成する導電線を含むアンテナの説明もまたこれらの図を参照して提供される。
【0084】
[0102] 図3Aに示すように、いくつかの実施形態は、RF充電パッド100の様々なアンテナにおけるインピーダンス値を修正することを可能にする負荷ピック106を含むRF充電パッド100を含む。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、それぞれが第1の端部におけるそれぞれの電力増幅器切り替え回路103と第2の端部におけるそれぞれの適応型負荷端子102とにより給電される1つ又は複数のアンテナ素子を含む(1つ又は複数のアンテナ素子の追加の詳細及び説明は図3B~3Cを参照して以下に提供される)。
【0085】
[0103] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100はまた、中央処理ユニット110(本明細書ではプロセッサ110とも呼ばれる)を含む(又はそれと通信する)。いくつかの実施形態では、プロセッサ110は、図1Bに示されRF送電器集積回路160の部品として含まれるCPU202などのRF充電パッド100の動作を管理する責任を負う単一集積回路の部品である。いくつかの実施形態では、プロセッサ110は、(例えば、様々なインピーダンス値を生成するために特定用途向け集積回路(ASIC)又は可変抵抗器であり得る負荷ピック又は適応型負荷106と通信することにより)RF信号周波数を制御するとともに適応型負荷端子102のそれぞれにおけるインピーダンス値を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、負荷ピック106は、開放又は短絡された状態のいずれかに置かれる電気機械スイッチである。
【0086】
[0104] いくつかの実施形態では、電子装置(例えば、ストリーミングメディア装置又はプロジェクタの筐体内に集積化され得る充電パッド100の上に置かれるリモコンなどの内部又は外部接続部品として受信器104を含む装置)は、電池を充電する及び/又は電子装置を直接給電するための充電パッド100の1つ又は複数のRFアンテナ素子から受信器104へ転送されるエネルギーを使用する。
【0087】
[0105] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、(図3Aの電力増幅器(PA)108から)電力を受信するための2つ以上の入力端子と2つ以上の出力又は適応型負荷端子102とにより構成される。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100の特定の区域(例えば、充電される電子装置(内部又は外部接続RF受信器104を有する)が、充電パッド上に置かれる場所の下に位置するアンテナ素子を含む区域)における適応型負荷端子102が、受信器104により受信される電力を最大化するために最適化される。例えば、内部又は外部接続RF受信器104を有する電子装置が特定の区域105(特定の区域105は一組のアンテナ素子を含む)内のパッド100上に置かれたという指標が受信されると、CPU110は、RF受信器104へ転送される電力を最大化するために一組のアンテナ素子を適合化する。一組のアンテナ素子を適合化することは、CPU110が、負荷ピック106に、一組のアンテナ素子に関連付けられる適応型負荷端子102の様々なインピーダンス値を試みるように命令することを含み得る。例えば、アンテナ素子における特定の導電線のインピーダンス値はZ=A+jBの複素数値により与えられる(ここで、Aはインピーダンス値の実部であり、Bは虚部である、例えば0+j0、1000+j0、0+50j、25+j75など)、そして負荷ピックは、一組のアンテナ素子からRF受信器104へ転送されるエネルギーの量を最大化するためにインピーダンス値を調整する。いくつかの実施形態では、一組のアンテナ素子を適合化することはまた、又は代替的に、最大量のエネルギーがRF受信器104へ転送される周波数が見出されるまで様々な周波数におけるRF信号をCPU110が一組のアンテナ素子に送信させることを含む。いくつかの実施形態では、インピーダンス値及び/又は一組のアンテナ素子が送信する周波数を調整することは、RF受信器104へ転送されるエネルギーの量に対する変更を生じさせる。このようにして、RF受信器104へ転送されるエネルギーの量が、最大化され(例えば、パッド100のアンテナ素子により受信器104へ送信されるエネルギーの少なくとも75%を転送するために、いくつかの実施形態では、インピーダンス値及び/周波数を調整することは、送信されるエネルギーの最大98%が受信器104により受信され得るようにする)、RF受信器104が置かれる可能性があるパッド100上の任意の特定の点において受信され得る。
【0088】
[0106] いくつかの実施形態では、電力増幅器108を含む入力回路は追加的に、入力信号の周波数を変更し得る装置、又は同時に複数の周波数で動作し得る発振器又は周波数変調器などの装置を含み得る。
【0089】
[0107] いくつかの実施形態では、CPU110は、RF受信器104へ転送されるエネルギーの量が所定の閾値を横切る(例えば、送信されたエネルギーの75%以上(最大98%など)が受信される)と、最大量のエネルギーがRF受信器104へ転送されているということを判断する、又は、多くのインピーダンス及び/又は周波数値により送信を試験し、次に、RF受信器104へ転送される最大エネルギーを生じるインピーダンス及び周波数の組み合わせを選択することにより(以下の適応化方式を参照して説明されるように)、最大量のエネルギーがRF受信器104へ転送されているということを判断する。
【0090】
[0108] いくつかの実施形態では、周波数とインピーダンスとのどの組み合わせがRF受信器104への最大エネルギー転送を生じるかを判断するために、インピーダンス値及び/又は充電パッド100のRFアンテナ(群)120から発射されるRF信号の周波数を適応的に調整する適応化方式が採用される。例えば、充電パッド100へ接続されるプロセッサ110は、より良い性能のために適応的に最適化することを試みるために、RF充電パッド100の所与の場所(例えば、RF信号を送信するための1つ又は複数のRFアンテナ素子を含むRF充電パッド100の図3Aの区域105などの区域又は領域)において様々な周波数(すなわち、許容された動作周波数範囲又は範囲群内の)を試みる。例えば、単純な最適化が、各負荷端子をアースに対し開放/切り離す又は閉じる/短絡するかのいずれかを行い(いくつかの実施形態では、これらの状態間を切り替えるためにリレーが使用される)、また、区域内のRFアンテナに様々な周波数で送信させ得る。いくつかの実施形態では、リレー状態(開放又は短絡された)と周波数との組み合わせ毎に、受信器104へ転送されるエネルギーは、監視され、そして他の組み合わせを使用する際に転送されるエネルギーと比較される。受信器104への最大エネルギー転送を生じる組み合わせが、選択され、そして1つ又は複数のRF信号を受信器104へ送信し続けるために使用される。いくつかの実施形態では、上述の適応化方式は、RF充電パッド100により受信器104へ転送されるエネルギーの量を最大化するのを助けるために、図9A~9B、図10図11A~11Eを参照して以下に説明される方法の一部として行われる。
【0091】
[0109] 別の例として、ISM帯内の5つの周波数が高周波を送信するためにパッド100により利用され、負荷ピック106が開放状態と短絡状態との間で切り替わるための電気機械式リレーであれば、適応化方式を採用することは、アンテナ素子120毎に又はアンテナ素子群120の区域に関し周波数とインピーダンス値との10個の組み合わせを試みることと、最良性能を生じる(すなわち、受信器104において受信される最大電力、又はパッド100からRF受信器104へ転送される最大電力を生じる)組み合わせを選択することとを含むだろう。
【0092】
[0110] 工業、科学、及び医療無線バンド(ISM帯)は、通信よりむしろ科学、医療、及び工業要件に向けられた高周波(RF)エネルギーの使用のために国際的に予約された無線帯のグループ又は無線スペクトルの一部を指す。いくつかの実施形態では、すべてのISM帯(例えば40MHz、900MHz、2.4GHz、5.8GHz、24GHz、60GHz、122GHz及び245GHz)が適応化方式の一部として採用され得る。1つの具体例として、充電パッド100が5.8GHz帯において動作していれば、適応化方式を採用することは、RF信号を送信することと次に所定の増分で周波数を調整することとを含むだろう(例えば50MHz増分、したがって5.75GHz、5.755GHz、5.76GHz等々の周波数)。いくつかの実施形態では、所定の増分は、5、10、15、20、50MHz増分又は任意の他の好適な増分であり得る。
【0093】
[0111] いくつかの実施形態では、パッド100のアンテナ素子120は2つの異なる周波数帯(例えば915MHzの中心周波数を有する第1の周波数帯と5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯)において動作するように構成され得る。これらの実施形態では、適応化方式を採用することは、RF信号を送信することと、次に第1の周波数帯の第1の閾値に到達するまで第1の所定の増分で周波数を調整することと、次に、第2の周波数帯の第2の閾値に到達するまで第2の所定の増分(第1の所定の増分と同じであっても同じでなくてもよい)で周波数を調整することとを含む。例えば、アンテナ素子120は、(第1の周波数帯内の)902MHz、915MHz、928MHZで、そして次に(第2の周波数帯内の)5.795GHz、5.8GHz、5.805GHzで送信するように構成され得る。複数の周波数で動作することができるアンテナ素子に関するさらなる詳細は図14A~14D、図15を参照して以下に提供される。
【0094】
[0112] 次に図3B~3Cへ移ると、いくつかの実施形態によるRF充電パッドの一部を示す高位ブロック図が示される。
【0095】
[0113] 図3Bは、単一TXアンテナ120(すべてが図3Aに示す充電パッド100を形成するこのようなアンテナ120のアレイを含むアンテナ区域の一部であり得る)の概略図を示す。いくつかの実施形態では、TXアンテナ120はTXアンテナ素子120とも呼ばれる。いくつかの環境では、RF受信ユニット/アンテナ(RX)(又は内部又は外部接続部品として受信ユニット104を含む装置)が、TXアンテナ120(図3Bに示すように蛇行線配置を形成する導電線を含む)を含むパッド100の一部の上に置かれる。
【0096】
[0114] いくつかの実施形態では、受信器104は、単一TXアンテナ120の金属導電線へのダイレクトコンタクトを有しなく、TXアンテナ120へ単に結合される(すなわち近接場区域内で)。
【0097】
[0115] いくつかの実施形態では、TXアンテナ120は図3Bの121(図3Aの端子102のうちのそれぞれの1つであり得る)及び123(図3AのPA切り替え回路103のうちのそれぞれの1つへ接続され得る)のラベル付きの2つ以上の端子(又はポート)を有する。いくつかの実施形態では、電力源(電力増幅器又はPAからの)は端子123へ接続され、適応型負荷(例えば電気機械スイッチ又はASIC)は端子121へ接続される。いくつかの実施形態では、適応型負荷は、一般的には実部と虚部との両方を有し得る複素インピーダンスとして形成される(すなわち、複素適応型負荷は、能動装置(例えばトランジスタで作られる集積回路又はチップ)又はインダクタ/キャパシタ及び抵抗器により形成される受動装置を使用して形成され得る)。いくつかの実施形態では、複素インピーダンスは上に論述したように式Z=A+jB(例えば、0+j0,100+j0,0+50jなど)により与えられる。
【0098】
[0116] いくつかの実施形態では、受信器104もまた第3の端子と見なされ得る。浪費エネルギーをなくすために、受信器104は、端子123から端子121方向に移動する誘起電力の最大量(例えば98%など75%以上)を吸収するように構成されるべきである。いくつかの実施形態では、プロセッサ110はフィードバックループを介し受信器104へ接続される(例えば、メッセージを交換するためにBluetoothローエネルギー(BLE)によるなど短距離通信プロトコルを使用することにより)。いくつかの代替実施態様では、送信器における受信器からCPUへのフィードバックループは、別個の通信プロトコル及び/又は異なる周波数帯を使用するのではなくむしろパッド100により送信される送電信号と同じ周波数帯を利用し得る。
【0099】
[0117] いくつかの実施形態では、フィードバックループ及び交換されるメッセージは、受信されるエネルギーの量を示すために使用され得る、又は、代替的に又は追加的に、受信されるエネルギーの量を前の測定結果と比較した増加又は減少を示し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ110は、ある時点で受信器104により受信されるエネルギーの量を監視し、端子123から端子121へ転送される電力を最大化するために適応型負荷を制御/最適化する。いくつかの実施形態では、転送されるエネルギーの量を監視することは、(i)ある時点で受信器104により受信されるエネルギーの量を示す情報を受信器104(又は受信器104が位置する電子装置の部品)から受信することと、(ii)端子121における導電線内に留まる(受信器104により吸収されてしまうのではなく)エネルギーの量を監視することとのうちの1つ又は両方を含む。いくつかの実施形態では、これらの監視技術の両方が利用される。一方、他の実施形態では、これらの監視技術の一方又は他方が利用される。
【0100】
[0118] いくつかの実施形態では、受信器104(すなわち内部又は外部接続部品として受信器104を含む電子装置)は、充電パッド100(すなわち、それぞれのアンテナ素子120上の蛇行パターンを形成する導電線を部分的又は完全に覆う)の上の任意の位置に置かれ得、プロセッサ110は、転送されるエネルギーの量を監視し、受信器104へ転送されるエネルギーを最大化するために必要な調整(例えば、インピーダンス及び/又は周波数に対する)を行い続けることになる。
【0101】
[0119] アンテナ素子120とその中に含まれる充電パッド100との動作を示すのを助けるために、図3Bに示す送信アンテナ素子120は次の2つのセクションに分割される:1)セクション125はアンテナ素子120の端子123で始まり、受信器104の端部へ伸びる、2)セクション127は送信アンテナ素子120の残りと端子121とにより形成される。これらのブロックは図3Cに関し以下により詳細に説明される。セクション125、127は、説明の目的のために使用される機能表現であり、アンテナ素子を別個のセクションに区分化する特定の実装形態を指定するようには意図されていないということを理解すべきである。
【0102】
[0120] 次に図3Cに移ると、TXアンテナ120のブロック図が示される。いくつかの実施形態では、セクション125、127を分割する点から始まり適応型負荷106(例えば端子121)へのTXアンテナ120の接続で終わる実効インピーダンス値(Zeffective)は、TXアンテナ120上の受信器104の位置と、端子121において適応型負荷106により提供される選択された負荷とに基づき変化することになる。いくつかの実施形態では、選択された負荷は、端子123と受信器104間で転送されるエネルギーが最大値に達し(例えば、パッド100のアンテナ素子により送信されたエネルギーの75%以上(98%など)がRF受信器104により受信され)、一方、端子123から端子121へのエネルギー転送がまた最小値のままである(例えば、パッド100のアンテナ素子により送信されるエネルギーの25%未満(2%程度も含む)が、RF受信器104により受信されなく、端子121に到達して終わる又は後方反射されて終わる)やり方でZeffectiveをチューニングするように適応型負荷106(図3Aのプロセッサ110と協力して)により最適化される。
【0103】
[0121] 電気機械スイッチ(例えば機械式リレー)が開放状態と短絡状態との間で切り替わるために使用される実施形態では、スイッチを特定のアンテナ素子120の開放状態から短絡状態(例えば、接地面へ短絡される)へ移動することは、それぞれの端子121における当該特定のアンテナ素子120のインピーダンス値Zeffectiveを0に近い値まで降下させる(又は、短絡状態から開放状態へ切り替えることは無限大に近い値近くまでインピーダンス値をジャンプさせる)。いくつかの実施形態では、図3Aを参照して上に論述された周波数適応化方式は、RF受信器(例えば、図3A~3Cの受信器104)へ転送されるエネルギーを最大化するためにインピーダンス値とRF信号周波数との様々な組み合わせを試験するために採用される。いくつかの実施形態では、集積回路(IC又はチップ)が適応型負荷106として電気機械スイッチの代わりに使用され得る。このような実施形態では、適応型負荷106は、ある範囲の値(0と無限大間など)に沿ってインピーダンス値を調整するように構成される。いくつかの実施形態では、ICは、ICのファームウェア(及び/又はICの動作を制御するCPU110上で実行するファームウェア)により制御される適応型/再構成可能RF能動及び/又は受動素子(例えばトランジスタ及び伝送線路)により形成され得る。いくつかの実施形態では、ICにより生成され、ファームウェアを介しそしてフィードバックループ(図3Aを参照して上に論述された)からの情報に基づき制御されるインピーダンスは、スミスチャートから選択される任意の負荷値をカバーするように変更され得る(又は、ICは、スミスチャートからの値の一部をカバーするいくつかの負荷を生成するように設計され得る)。いくつかの実施形態では、このICはパッド100の動作全体を管理するために使用されるRF送電器集積回路160(図1B)とは異なる。この他のICはまた、RF送電器集積回路160と通信して、回路160がインピーダンス値に対する調整を制御することを可能にする。スミスチャートは、サンプリングされ得、プロセッサ110によりアクセス可能なメモリ内に(例えば参照テーブルとして)格納され得る、プロセッサ110は、試験すべき様々なインピーダンス値を判断するために、格納されたスミスチャートを使用して参照を行い得る。例えば、集積回路は、受信器104へ転送されるエネルギーを最適化する値の組み合わせを見つけ出すために、様々なRF伝送周波数と組み合わせて試験すべきインピーダンス値の所定数の複素数値(例えば、5j~10j,100+0j,又は0+50j)を選択するように構成され得る(最大化されたエネルギー転送の例は上に論述された)。
【0104】
[0122] いくつかの他の実施形態では、1つの適応型負荷106を有する図1Bの2つ以上のアンテナ素子120を有する送信器又は充電パッドが2つ以上の異なる周波数帯内でそれぞれに同時に動作するように構成され得る。例えば、第1のアンテナ素子は第1の周波数又は周波数帯において動作し、第2のアンテナ素子は第2の周波数又は周波数帯において動作し、第3のアンテナ素子は第3の周波数又は周波数帯において動作し、第4のアンテナ素子は第4の周波数又は周波数帯において動作し、4つの周波数帯は互いに異なる。したがって、2つ以上のアンテナ素子120を有する送信器がマルチバンド送信器として使用され得る。
【0105】
[0123] 図3Dは、いくつかの実施形態によるRF信号を送信しているアンテナ素子のセクション内のエネルギー流れを示す単純化回路のブロック図である。図3D内の部分1及び部分2への参照は図3B、3Cに示したセクションを指し、特に、部分1はセクション125に対応し、部分2はセクション127に対応する。
【0106】
[0124] 図3Dに示すように、送信アンテナ素子120の実効インピーダンス(Zeffective)は、受信器104の後ろにある導電線の一部(いくつかの実施形態では、以下にさらに詳細に論述されるように蛇行線パターンを形成する)と適応型負荷(図3B、3Cにおけるセクション127としてラベル付けされた)とにより形成される。いくつかの実施形態では、最適化することにより、負荷ZeffectiveはPAから受信器104へ転送されるエネルギーが最大化されるようにチューニングされ、導電線内に留まるエネルギーは適応型負荷に到達する時までに最小化される(上に論述したように)。
【0107】
[0125] 図4はいくつかの実施形態による2つの端子を有するアンテナ素子の概略図である。図4に示すように、アンテナ素子120の入力すなわち第1の端子(上記図3B~3Dを参照し端子123としても説明した)が電力増幅器108へ接続され、出力すなわち第2の端子(上記図3B~3Dを参照し端子121として説明した)は、適応型負荷を構成することを可能にする負荷ピック106と接続される。別の言い方をすれば、いくつかの実施形態では、アンテナ素子120は第1の端子から電力増幅器108により給電され、アンテナ素子120はまた、適応型負荷(例えば、短絡状態と開放状態との間で切り替わる機械式リレー)における第2の端子において終端される。
【0108】
[0126] いくつかの実施形態では、充電パッド100(図3A)は、蛇行線パターンを形成する導電線を有する単一層又は多層銅アンテナ素子120で作られる。いくつかの実施形態では、これらの層のそれぞれは、その層のうちの1つ(例えば最下層)として頑強接地面を有する。頑強接地面の一例が、示され、そして図4に示す送信アンテナ素子用にラベル付けされる。
【0109】
[0127] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100(及びその中に含まれる個々のアンテナ素子120)は、プロジェクタ、ラップトップ、又は(ネットワークストリーミングメディアプレーヤ(例えば、ストリーミングテレビ番組及び他のコンテンツを視るためのテレビへ接続されるROKU装置)などの)デジタルメディアプレーヤなどの民生電子装置内に埋め込まれる。例えば、RF充電パッド100を民生電子装置内に埋め込むことにより、ユーザは、プロジェクタ又はストリーミングメディアプレーヤのリモコンなどの周辺装置をプロジェクタ又はストリーミングメディアプレーヤの上に単純に置くことができ(例えば、プロジェクタ又はストリーミングメディアプレーヤのリモコンはそれぞれの受信器104(図7A~7Dに示される受信器104の例示的構造など)を含む)、その中に含まれる充電パッド100は、リモコンに内部又は外部に接続される受信器104へエネルギーを送信することができるようになり、このエネルギーはリモコンの充電のために受信器104により収集される。
【0110】
[0128] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、充電されるべき装置が置かれるスタンドアロン充電装置としてUSBドングル内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、アンテナ素子120は、充電されるべき装置が、USBドングルと接触する様々な位置に置かれ得るようにUSBドングルの上面、側面及び/又は底面近くに置かれ得る(例えば、充電されているヘッドホンは、USBドングルの上、その下に位置する、又はUSBドングルの上に張り出す可能性があり、埋め込まれたRF充電パッド100からRF送信を受信することが依然としてできるだろう)。
【0111】
[0129] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は、机、椅子、調理台などの家具に一体化され、これにより一体化されたRF充電パッド100を含む表面の上に容易にRF充電パッド100を置くことによりユーザが自身の装置(例えば、内部又は外部接続部品としてそれぞれの受信器104を含む装置)を容易に充電することを可能にする。
【0112】
[0130] 次に図5に移ると、高周波(RF)送電を介し電子装置を充電する方法500のフローチャートが提供される。当初、1つ又は複数のRF信号又は波を送信するための少なくとも1つのRFアンテナ(すなわちRF電磁波を送信することができるように設計されたアンテナ)(例えば、図3B~3D及び図4のアンテナ素子120)を含む送信器が提供される(502)。いくつかの実施形態では、RFアンテナ素子のアレイ120が、単一面内に互いに隣接して、積層で、又はこれらの組み合わせで配置され、こうしてRF充電パッド100を形成する。いくつかの実施形態では、RFアンテナ素子120はそれぞれ、アンテナ入力端子(例えば図4を参照して上に論述された第1の端子123)とアンテナ出力端子(例えば図4を参照して上に論述された第2の端子121)とを含む。
【0113】
[0131] いくつかの実施形態では、受信器(例えば、図3A~3Dの受信器104)もまた提供される(504)。受信器はまた、RF信号310を受信するための1つ又は複数のRFアンテナを含む。いくつかの実施形態では、受信器は、内部又は外部接続部品として受信器104を含む装置を充電するために1つ又は複数のRF信号を利用可能電力に変換する(318)少なくとも1つのレクテナを含む。使用中、受信器104は、少なくとも1つのアンテナの近接場高周波距離内に置かれる(506)。例えば、受信器は、少なくとも1つのRFアンテナの上に、又は少なくとも1つのRFアンテナに隣接する表面(充電パッド100の表面など)の上に置かれ得る。
【0114】
[0132] 1つ又は複数のRF信号が次に少なくとも1つのRFアンテナを介し送信される(508)。次に、本システムは、1つ又は複数のRF信号を介し少なくとも1つのアンテナからRF受信器へ転送されるエネルギーの量を判断するために監視される(512/514)(上に論述されたように)。いくつかの実施形態では、この監視すること(512)は送信器において発生し、一方、他の実施形態では、監視すること(514)は、バックチャネルを介しデータを送信器へ送り返す受信器において発生する(例えばWi-Fi又はBluetoothを使用することにより無線データ接続全体にわたって)。いくつかの実施形態では、送信器及び受信器はバックチャネルを介しメッセージを交換し、これらのメッセージは、工程516においてなされる調整を通知するために送信及び/又は受信されるエネルギーを示し得る。
【0115】
[0133] いくつかの実施形態では、送信器の特性が、少なくとも1つのRFアンテナから受信器へ転送されるエネルギーの量を最適化することを試みるために工程516において適応的に調整される。いくつかの実施形態では、この特性は1つ又は複数のRF信号の周波数及び/又は送信器のインピーダンスである。いくつかの実施形態では、送信器のインピーダンスは調整可能負荷のインピーダンスである。またいくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサもまた、適応型負荷のインピーダンスを制御するように構成される。インピーダンス及び周波数の調整に関するさらなる詳細及び例は上に提供された。
【0116】
[0134] いくつかの実施形態では、送信器は、電源へ電気的に結合されるように構成された電力入力と、アンテナへ送信される少なくとも1つの電気信号を制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(例えば、図3A~3Bのプロセッサ110)とを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサはまた、アンテナへ送信される少なくとも1つの信号の周波数を制御するように構成される。
【0117】
[0135] いくつかの実施形態では、送信器はさらに、電力入力とアンテナ入力端子間で電気的に結合された電力増幅器(例えば、図3A、3B、3D及び図4のPA108)を含む。いくつかの実施形態はまた、アンテナ出力端子(例えば、図3A~3C及び図4の端子121)へ電気的に結合された適応型負荷を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのアンテナからRF受信器へ転送されるエネルギーの監視された量に基づき適応型負荷のインピーダンスを動的に調節する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサはアンテナへ送信される少なくとも1つの信号の周波数を同時に制御する。
【0118】
[0136] いくつかの実施形態では、送信器の各RFアンテナは、蛇行線パターンを形成する導電線と、1つ又は複数のプロセッサにより制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における第1の端子(例えば端子123)と、導電線の第2の端部における第1の端子とは異なる第2の端子(例えば端子121)であって、1つ又は複数のプロセッサにより制御される部品(例えば適応型負荷106)へ結合され、導電線のインピーダンス値を修正することを可能にする第2の端子とを含む。いくつかの実施形態では、導電線は多層基板の第1のアンテナ層の上に又はその層内に配置される。またいくつかの実施形態では、第2のアンテナは、多層基板の第2のアンテナ層の上に又はその層内に配置される。最後に、いくつかの実施形態はまた、多層基板の接地面層の上に又はその層内に配置される接地面を提供する。
【0119】
[0137] いくつかの実施形態では、図5を参照して上に説明した方法は、図9A~9B、図10図11A~11Eを参照して以下に説明される方法と連携して行われる。例えば、インピーダンス値を修正/調整する動作は、無線電力を受信器へ送信するためにどのアンテナ区域(「判断されたアンテナ区域」)を使用すべきかを判断した後に行われ、そして次に、判断されたアンテナ区域におけるインピーダンス値は、判断されたアンテナ区域内のアンテナにより最大電力量が受信器へ無線で転送されるということを保証するように調整される。
【0120】
[0138] 図6A~6Eは、いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。図6A~6Eに示すように、RF充電パッド100(図3A)は様々な構造を使用して作られるアンテナ素子120を含み得る。
【0121】
[0139] 例えば、図6A~6Bは、それぞれが蛇行線パターンに形成された導電線を含む複数層を含むアンテナ素子120の構造の例を示す。各それぞれの層における導電線は、多層アンテナ素子120内の他の導電線に対し同じ(図6B)幅又は異なる(図6A)幅(又は長さ、又はトレース寸法、又はパターン、又は各トレース間隔など)を有し得る。いくつかの実施形態では、蛇行線パターンは、パッド100(又は個々のアンテナ素子120)の様々な位置において可変長及び/又は幅で設計され得、蛇行線パターンは、個々のアンテナ素子120又はパッド100の2つ以上の基板上に印刷され得る。蛇行線パターンのこれらの構成はより多くの自由度を可能にし、したがって、個々のアンテナ素子120及びRF充電パッド100のより広い動作帯域幅及び/又は結合範囲を可能にするより複雑なアンテナ構造が構築され得る。
【0122】
[0140] 追加の例示的構造が図6C~6Eに提供される。図6Cは、スライドカバレッジ(sliding coverage)も有する蛇行線パターンを形成する導電線の複数層を含むアンテナ素子120の構造の例を示す(いくつかの実施形態では、それぞれの蛇行線パターンは、それぞれの基板の第1の蛇行線パターンの一部だけが異なる基板の第2の蛇行線パターンと重なる相異なる基板内に置かれ得(すなわちスライドカバレッジ)、この構成は、アンテナ構造の幅全体にわたってカバレッジを拡大するのを助ける)。図6Dは、蛇行線パターン内の各折り返し点で相異なる長さを有する導電線を含むアンテナ素子120の構造の例を示す(いくつかの実施形態では、各折り返し点で相異なる長さを使用することは、アンテナ素子120の結合範囲を拡大するのを助ける及び/又はRF充電パッド100の動作帯域幅を増すのを助ける)。図6Eは、2つの隣接蛇行線パターンを形成する導電線を含むアンテナ素子120の構造の例を示す(いくつかの実施形態では、2つの隣接蛇行線パターンを形成する導電線を有することが、アンテナ素子120の幅を拡大するのを助ける)。これらの例のすべては非限定的であり、任意数の組み合わせ及び多層構造が、上述の例構造を使用することにより可能である。
【0123】
[0141] 図7A~7Dは、いくつかの実施形態によるRF受信器のアンテナ素子の概略図である。特に、図7A~7Dは、(i)図7A(単極受信器)及び図7B(二極受信器)に示す蛇行線パターンを形成する導電線を有する受信器(導電線は頑強接地面又は反射器により裏付けされてもよいし、されなくてもよい)を含むRF受信器(例えば、図3A~3D及び図4の受信器104)の構造の例を示す。図7C~7Dは、二極と蛇行線パターンを形成する導電線とを有するRF受信器の構造の追加例を示す。図7A~7Dに示す構造のそれぞれは、それぞれのRF受信器の様々な結合範囲、結合配向、及び/又は帯域を提供するために使用され得る。非限定的例として、図7Aに示すアンテナ素子が受信器において使用される場合、パッド100と一方向にだけ結合する非常に小さな受信器が設計/構築され得る。別の非限定的な例として、図7B~7Dに示すアンテナ素子が受信器において使用される場合、受信器はパッド100と任意の配向で結合され得る。
【0124】
[0142] 同一出願人の米国特許出願第15/269,729号もまた、アンテナ素子の蛇行線パターンの追加例及び説明(例えば、図2A~2D、図3、4、5、7、8及び図9A~9Bに示され明細書内に記載されるもの)、及び蛇行線パターンを有するアンテナ素子を含む電力転送システムの機能の説明(例えば段落[0022]~[0034]及び図1A~1B)を提供し、したがって、この同一出願人の開示は、本明細書に提供される蛇行線パターンを有するアンテナ素子(受信器と送信器の両方又はそれらの組み合せの)の説明を補う。
【0125】
[0143] 図8は、いくつかの実施形態による、RF充電/送信パッドを形成する複数の送信アンテナ素子(又はユニットセル)を有するRF充電パッドの概略図である。いくつかの実施形態では、RF充電パッド100は隣接アンテナ素子120のアレイとして形成される(電池間の距離が最良カバレッジのために最適化され得る)。いくつかの実施形態では、受信器が隣接アンテナ素子120間の領域/間隙内に置かれる場合、エネルギー転送を最適化する試み(例えば図3Aを参照して上に論述された適応化方式による)は許容可能閾値レベルを越えるエネルギー転送の増加(例えば75%以上)を生じない可能性がある。したがって、これらの環境では、隣接アンテナ素子は両方とも、RF充電パッドの表面上に及び隣接アンテナ素子120間のある位置に置かれた受信器へ追加のエネルギーを転送するようにRF波を同時に全電力で送信するように構成され得る。
【0126】
[0144] いくつかの実施形態による1つの可能な構成として、ポート(又は端子)グループ#1は電力を供給し、ポート(又は端子)グループ#2、#3は適応型負荷(例えば短絡回路状態と開回路状態との間で移動する電気機械式リレー)を提供する。好適な構成の別の例として、ポート(又は端子)グループ#1、#2、#3はまた(同時に、又は必要に応じ一度に1つのグループが切り替えられて)電力増幅器を介し電力を充電パッド100へ供給するために使用され得る。
【0127】
[0145] いくつかの実施形態では、RF充電パッド100の各送信アンテナ素子120は、上に詳細に説明したように、適応型負荷を支援するために給電(PA)端子及び1つ又は複数の端子により制御される別個のアンテナ区域を形成する。いくつかの実施形態では、受信器からのフィードバックが、受信器が置かれるアンテナ区域を判断するのを助け、この判断が当該区域を活性化する。受信器が2つ以上の区域間に(例えば隣接アンテナ素子120間にある領域/間隙に)置かれる環境では、追加の隣接区域が、受信器への十分なエネルギーの転送を保証するために活性化される可能性がある。無線電力を受信器へ送信するために使用すべき区域を判断することに関する追加の詳細は、図9A~9B、図10及び図11A~11Eを参照して以下に提供される。
【0128】
[0146] 図9A~9Bは、いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナ区域を選択的に活性化する(例えば、それに関連するアンテナを活性化する)方法900を示す流れ図である。方法900の動作は、近接場充電パッド(例えば、図1B及び図2AのRF充電パッド100)により又はその1つ又は複数の部品(例えば、図1A~1B及び図2Aを参照して上に説明したもの)により行われる。いくつかの実施形態では、方法900は、コンピュータメモリ又はコンピュータ可読記憶媒体(例えば、図2AのRF充電パッド100のメモリ206)内に格納される命令に対応する。
【0129】
[0147] 近接場充電パッドは、1つ又は複数のプロセッサ(例えば図1BのCPU202)、無線通信部品(例えば図1A及び図2Aの通信部品(群)204)、及びそれぞれが少なくとも1つのアンテナ素子(例えば図2Aのアンテナ210うちの1つ(図3A~6Eを参照して説明したアンテナ120のうちの1つであり得る)をそれぞれ含む複数のアンテナ区域(例えば図1Bのアンテナ区域290-1、290-N)を含む(902)。いくつかの実施形態では、近接場充電パッドは、それぞれのアンテナ区域内にそれぞれが含まれる異なるアンテナ(又は、本明細書ではアンテナ素子とも呼ぶアンテナを含むユニットセル)を含む。例えば、図1Bに示すように、アンテナ区域290-1はアンテナ210-Aを含む。別の例では、図1Bにも示すように、アンテナ区域290-Nは複数のアンテナを含む。アンテナ区域は、近接場充電パッドが複数のアンテナ区域又はグループを含み、各それぞれの区域/グループが異なるアンテナ素子のうちの少なくとも1つ(例えば少なくとも1つのアンテナ210)を含むように、アンテナグループとも呼ばれ得る。アンテナ区域が任意数のアンテナを含み得るということと、特定のアンテナ区域に関連付けられたアンテナの数が修正又は調整され得るということと(例えば、以下にさらに詳細に論述されるように、近接場充電パッド100の動作を管理する責任を負うRF送電器集積回路160のCPU下位システム170は、様々な時点において各アンテナ区域を動的に規定するということ)に注意すべきである。いくつかの実施形態では、各アンテナ区域は同数のアンテナ含む。
【0130】
[0148] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、近接場充電パッドの動作を制御するために使用される単一集積回路(例えば図1BのRF送電器集積回路160)の部品である。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ(近接場充電パッドが埋め込まれている装置の1つ又は複数のプロセッサなど)及び/又は近接場充電パッドの無線通信部品は近接場充電パッドの外側にある。いくつかの実施形態では、無線通信部品は無線送受信器(例えば無線電力受信器と通信信号を交換するためのBluetooth無線、Wi-Fi無線など)である。
【0131】
[0149] いくつかの実施形態では、本方法は、近接場充電パッドの較正プロセス中に1つ又は複数の装置検出閾値を規定すること(904)を含む。いくつかの例では、較正プロセスは、近接場充電パッドを製造した後に行われ、近接場充電パッド上に様々なタイプの装置(例えばスマートフォン、タブレット、ラップトップ、接続装置など)を置くことと、試験送電信号を様々なタイプの装置へ送信する間にアンテナ区域において検出される最小量の反射電力を測定することとを含む。いくつかの例では、第1の装置固有閾値は、最小量の反射電力の5%以下に対応する値において規定される。いくつかの実施形態では、第2の装置固有閾値はまた、1つのアンテナ区域も第1の閾値を満たすことができなければ(例えば無線電力受信器はアンテナ区域間の境界に位置するので)、第2のより高い閾値が、電力を無線電力受信器へ送信するために使用すべき2つ以上のアンテナ区域を見つけ出すために使用され得るように(以下にさらに詳細に論述されるように)、規定される。いくつかの実施形態では、複数の第1及び第2の装置固有検出閾値は様々なタイプの装置のタイプ毎に規定され、これらの複数の第1及び第2の装置固有検出閾値は、RF送電器集積回路160に関連付けられるメモリ(例えば図2Aのメモリ206)内に格納され得る。
【0132】
[0157] 方法900はまた、無線電力受信器が近接場充電パッドの閾値距離内に存在しているということを無線通信部品を介し検出すること(906)を含む。いくつかの例では、この検出は近接場充電パッドがオンされた(例えば、電源を入れられた)後に発生し得る。これらの例では、近接場充電パッドは、無線電力受信器がNF充電パッド100の閾値距離内に存在しているかどうかを判断するために(例えば、NF充電パッド100から離れた閾値距離内(例えば1~1.5メートル内)に位置する無線電力受信器を走査するために)近接場充電パッド周囲の領域を走査する。近接場充電パッドは、無線電力受信器に関連付けられた無線通信部品(例えば図2Bの通信部品254)により同報通信される信号の走査を行うために無線通信部品(例えばBluetooth無線など図2Aの通信部品(群)204)を使用し得る。いくつかの実施形態では、装置検出閾値は、近接場充電パッドの閾値距離内の無線電力受信器を検出した後に1つ又は複数のプロセッサにより(上に論述された複数の第1及び第2の装置検出閾値の中から)選択される。例えば、無線電力受信器の無線通信部品は、装置のタイプを識別する情報(この情報を含むBluetooth又はBluetoothローエネルギー広告信号など)を近接場充電パッドへ提供するために使用される。いくつかの実施形態では、エネルギーを節約して近接場充電パッド及びその部品の寿命を延ばすために、無線電力は、無線電力受信器が近接場充電パッドの閾値距離内で検出されるまで送信されない(そして本明細書で論述される装置検出及びアンテナ選択ンアルゴリズムは開始されない)。
【0133】
[0151] いくつかの実施形態では、検出すること(906)はまた、無線電力受信器が近接場充電パッドから無線で配送される電力を受信する権限を与えられることを保証するために権限ハンドシェークを(例えば、図2A図2Bのセキュア素子モジュール234、282を使用することにより)行うことを含み、本方法は「無線電力受信器がそのように権限を与えられた」ということを判断する場合に限り動作908へ進む。このようにして、近接場充電パッドは、権限を与えられた無線電力受信器だけが無線で配送された電力を受信することができるということといかなる装置も近接場充電パッドにより送信される電力を食い物にする(leech)ことができないということとを保証する。
【0134】
[0152] 方法900はさらに、「無線電力受信器が近接場充電パッドの閾値距離内に存在する」ということを検出することに応答して、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたかどうかを判断すること(912)を含む。いくつかの実施形態では、これは、複数のアンテナ区域の各アンテナ区域を使用して試験送電信号を送信すること(908)と、試験送電信号を送信しながら近接場充電パッドにおける反射電力量を監視すること(910)とにより達成される。
【0135】
[0153] いくつかの実施形態では、反射電力量が装置検出閾値を満足しなければ(例えば、反射電力量が試験送電信号により送信された電力の20%より大きければ)、無線電力受信器が近接場充電パッドの表面上に置かれていないという判断が行われる(912において「いいえ」)。この判断に従って、近接場充電パッドは、工程914において複数のアンテナ区域の各アンテナ区域を使用して試験送電信号を送信し続ける(すなわち、工程908へ進む)。いくつかの実施形態では、908、910における動作は、装置検出閾値が満足されたということが判断されるまで行われる。
【0136】
[0154] いくつかの実施形態では、反射電力量は複数のアンテナ区域の各アンテナ区域において測定される(例えば、各アンテナ区域は、図1Bに示されるものようにそれぞれのADC/DAC/電力検出器に関連付けられ得)一方、他の実施形態では、反射電力量はRF送電器集積回路160の単一部品(例えばADC/DAC/電力検出器)を使用することにより測定され得る。反射電力量が装置検出閾値を満たすと(912の「はい」)、無線電力受信器は近接場充電パッド上に置かれたと判断される。例えば、反射電力量は、反射電力量が試験送電信号により送信される電力の量の20%以下であると装置検出閾値を満足し得る。このような結果は、試験送電信号により送信される十分な電力量が無線電力受信器により吸収/捕捉されたということを示す。
【0137】
[0155] いくつかの実施形態では、他のタイプのセンサ(例えば図2Aのセンサ212)が、いつ無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたかを判断するのを助けるために近接場充電パッド内に含まれる又はその充電パッドと通信する。例えば、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の光センサ(例えば光がパッドの一部から阻止されると、これは、無線電力受信器がパッド上に置かれたという指標を提供し得る)、1つ又は複数の振動センサ(例えば振動がパッドにおいて検出されると、これは、無線電力受信器がパッド上に置かれたという指標を提供し得る)、1つ又は複数の歪みゲージ(例えば、パッドの表面における歪みレベルが増加すると、これは、無線電力受信器が表面上に置かれたという指標を提供し得る)、1つ又は複数の熱センサ(例えば、パッドの表面における温度が上昇すると、これは無線電力受信器が表面上に置かれたという指標を提供し得る)、及び/又は1つ又は複数の重量センサ(例えばパッドの表面上で測定された重量の量が増加すると、これは無線電力受信器が表面上に置かれたという指標を提供し得る)がこの判断を行うのを助けるために利用される。
【0138】
[0156] いくつかの実施形態では、試験送電信号を送信する前に、本方法は、無線電力受信器が近接場充電パッドから無線で配送される電力を受信する権限を与えられるということを判断することを含む。例えば、図2A~2Bに示すように、無線電力受信器104及び近接場充電パッド100は、この権限付与プロセスを行うために使用されるセキュア素子モジュール282、234をそれぞれ含み得、これにより、権限を与えられた受信器だけが近接場充電パッドから無線で配送された電力を受信することができるということを保証する。
【0139】
[0157] 方法900はさらに、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたということを判断することに従って、第1の組の伝送特性を有するそれぞれの試験送電信号を複数のアンテナ区域内に含まれるそれぞれのアンテナ素子により選択的に送信すること(916)を含む。いくつかの実施形態では、選択的に又は順次送信することは、複数のアンテナ区域の各アンテナ区域を使用すること(918)により行われる。選択的に又は順次送信することは、個々のアンテナ区域に関連付けられた1つ又は複数のアンテナに試験送電信号を一度に送信させるためにアンテナ区域を選択的に活性化するプロセスを指す。
【0140】
[0158] 次に図9Bを参照すると、方法900はさらに、複数のアンテナ区域の少なくとも1つの特定のアンテナ区域による(916及び/又は918における連続的又は選択的送信動作中の)それぞれの試験送電信号の送信に関連付けられる特定の給電パラメータが電力配送判断基準を満たすかどうか(例えば、閾値を越える電力量が少なくとも1つの特定のアンテナ区域により無線電力受信器へ転送されるということを特定の電力配送パラメータが示すかどうか)を判断すること(920)を含む。いくつかの実施形態では、各それぞれの電力配送パラメータは、複数のアンテナグループのそれぞれのアンテナグループによるそれぞれの試験送電信号の送信に基づき無線電力受信器により受信される電力の量に対応する。
【0141】
[0159] 特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすということを1つ又は複数のプロセッサが判断すると(920の「はい」)、本方法はさらに、少なくとも1つの特定のアンテナ区域を使用することにより複数の追加の送電信号を無線電力受信器へ送信すること(922)を含み、ここでは、複数の追加の送電信号の各追加の送電信号は第1の組とは異なる第2の組の伝送特性を有して送信される。いくつかの実施形態では、第2の組の伝送特性は、特定のアンテナグループにより無線電力受信器へ転送される電力の量を増加するために第1の組の伝送特性内の少なくとも1つの特性を調整することにより判断される。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの調整された特性は周波数又はインピーダンス値である(そして、周波数及びインピーダンス値は上に論述された適応化方式を使用することにより調整され得る)。
【0142】
[0160] 上に論述された試験送電信号は、無線電力を無線電力受信器へ配送するためにどのアンテナ区域を使用すべきかを判断するのを助けるために使用される。いくつかの実施形態では、これらの試験送電信号は、無線電力受信器又はそれと関連付けられた装置へ電力を供給する又はそれを充電するために無線電力受信器により使用されない。その代りに、複数の追加の送電信号が、電力又は無線電力受信器へ電力を供給する又はそれを充電するために使用される。このようにして、近接場充電パッドは、複数の追加の送電信号を送信するのに好適なアンテナ区域が見つけ出されるまで、装置検出段階中(例えば試験送電信号を送信している間)に資源を節約することができる。したがって、方法900は、試験信号(すなわち第1の組の伝送特性を有する試験送電信号)を使用することにより無線電力受信器の位置を見つけ出すことができ、次に、近接場充電パッド上の無線電力受信器の位置を所与として送電信号を提供するのに最も適したアンテナ区域からのアンテナを使用することにより送信することができる。図10を参照して以下にさらに詳細に論述されるように、このプロセスは、アンテナ区域の粗探索(例えば、粗探索は動作908~918を含み得る)と密探索とを含み得る(例えば、密探索は動作920~934を含み得る)。
【0143】
[0161] いくつかの実施形態では、電力制御プロセス(図11E)がまた、選択されたアンテナ区域を使用することにより無線電力受信器へ配送される電力のレベルを最適化するのを助けるために使用される(例えば、電力制御は、方法900中に選択されたアンテナ区域を使用することにより無線電力の送信をチューニングするために動作922、930、又は934の後に行われ得る)。電力制御プロセスの一部として、近接場充電パッドは、追加の複数の送電信号を送信する間に、近接場充電パッドにより無線電力受信器へ無線で配送される電力のレベルを判断するために使用される無線電力受信器から受信される情報に基づき第2の組の伝送特性内の少なくとも1つの特性を調整する。
【0144】
[0162] 動作920に戻ると、916(そして任意選択的に918)における連続的又は選択的送信動作中の試験送電信号の送信に関連付けられる電力配送パラメータのいずれも電力配送判断基準を満足しないということを判断すること(920の「いいえ」)に応答して、方法900はさらに、関連付けられたそれぞれの電力配送パラメータに基づき2つ以上のアンテナ区域(本明細書では又2+アンテナ区域として交換可能に参照される)を選択すること(924)を含む。これは、無線電力受信器がいかなる特定のアンテナ区域にわたる中心にも来ないと生じ得る(例えば、受信器は2つ以上のアンテナ区域にわたって存在し得る)。例えば、最大電力量をそれぞれの電力配送パラメータに基づき916(そして、任意選択的に918)において連続的又は選択的送信動作中に無線電力受信器へ転送した2つ以上のアンテナ区域が動作924において選択される。このようにして、いくつかの実施形態では、最も効率的なアンテナ区域の密探索は、他のアンテナ区域の電力配送パラメータより高い電力配送パラメータとのそれぞれの関連性に基づき電力を916/918において動作中に無線電力受信器へ最も効率的に送信した2つ以上のアンテナ区域を選択することにより開始される。これらの実施形態では、それぞれの電力配送パラメータはアンテナ区域毎に監視され得(動作916/918と連携して)、次に、これらの電力配送パラメータ同士は、無線電力の送信に使用する2つ以上のアンテナ区域として複数のアンテナ区域のどれを選択すべきかを判断するために比較される。
【0145】
[0163] 2つ以上のアンテナ区域を選択した後、本方法はさらに、(i)前の送信に基づき(例えば、無線電力受信器により受信された電力のレベルに関する無線電力受信器から受信されたフィードバックに基づき、又は送信後の各アンテナグループにおいて測定された反射電力量に基づき)、試験送電信号の少なくとも1つの特性(例えば周波数、インピーダンス、振幅、段階、利得など)を修正することにより試験送電信号を更新すること、及び(ii)2つ以上のアンテナ区域のそれぞれを使用して、更新された試験送電信号を送信すること(926)を含む。
【0146】
[0164] 方法900はさらに、2つ以上のアンテナ区域のうちの1つの区域により更新されたそれぞれの試験送電信号の送信に関連付けられる特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすかどうかを判断すること(928)を含む。2つ以上のアンテナ区域のうちの1つの区域により更新されたそれぞれの試験送電信号の送信に関連付けられる特定の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすということを判断すること(928の「はい」)に応答して、方法900はさらに、2つ以上のアンテナ区域のうちの1つの区域を使用することにより複数の追加の送電信号を無線電力受信器へ送信すること(930)を含み、ここでは、複数の追加の送電信号の各追加の送電信号は第1の組とは異なる第2の組の伝送特性を有して送信される。複数の追加の送電信号は電力を無線電力受信器(又は無線電力受信器と結合される電子装置)へ無線で配送するために使用される。
【0147】
[0165] いくつかの実施形態では、特定の電力配送パラメータが動作920、928において電力配送判断基準を満たすという判断は、「第1の閾値電力量が無線電力受信器へ転送されるということをそれぞれの電力配送パラメータ(少なくとも1つの特定の区域及び/又は2つ以上のアンテナ区域のうちの1つの区域に関連付けられた)が示す」ということを判断することを含み得る。このような判断が動作928において行われれば、これは、「区域は、第1の閾値電力量が動作926と併せて区域により無線電力受信器へ転送されるということを示すそれぞれの電力配送パラメータを有する2つ以上のアンテナ区域のうちのただ一つのアンテナ区域である」ということを示す。
【0148】
[0166] いくつかの実施形態では、電力の第1の閾値量は無線電力受信器により受信される電力量に対応する(いくつかの環境では、電力の第1の閾値量は代替的に、近接場充電パッドにおいて検出される反射電力量に対応する可能性がある)。上に論述したように、いくつかの実施形態では、較正プロセスは、近接場充電パッドを製造した後に行われ、様々なタイプの装置(例えば、それぞれが無線電力受信器と結合されるスマートフォン、タブレット、ラップトップ、接続装置など)を近接場充電パッド上に置くことと、次に、アンテナグループによる試験信号の様々なタイプの装置への送信後に受信器(又はそれに結合する装置)において受信される最大電力量を測定することとを含む。いくつかの例では、第1の閾値は、最大量の受信電力のある割合に対応する値で規定される(例えば、特定のアンテナ区域により送信される電力の約85%以上が受信器により受信される)。
【0149】
[0167] 上に説明したように、較正プロセスの具現化中、1つのアンテナ区域も第1の閾値を満たすことができなければ(例えば、無線電力受信器がアンテナグループ間の境界に位置し得るので)、第2の閾値がまた、無線電力を無線電力受信器へ送信する2つ以上のアンテナ区域を見つけ出すために利用され得るように(以下に論述されるように)、規定される。この第2の閾値は、較正プロセス中に測定される反射電力の最大量の別の割合(例えば65%)であり得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2の閾値は、較正プロセスを経験する装置の装置毎のそれぞれの装置固有第1及び第2の閾値として判断される。
【0150】
[0168] いくつかの実施形態では、方法900は(i)2つ以上のアンテナ区域のいずれのアンテナ区域も第1の閾値電力量を無線電力受信器へ転送していないということと、(ii)2つ以上のアンテナ区域の追加のアンテナ区域に関連付けられた追加の電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たすということとを判断すること(928の「いいえ」)を含む。例えば、それぞれの電力配送パラメータは、2つ以上の区域の1つの区域により無線電力受信器へ転送される第1の電力量が第2の閾値電力量より大きく且つ第1の閾値電力量未満あるということを示し、追加の電力配送パラメータはまた、追加のアンテナ区域により無線電力受信器へ転送される第2の電力量が第2の閾値電力量より大きく且つ第1の閾値電力量未満であるということを示す。換言すれば、2つ以上のアンテナ区域のいずれのアンテナ区域も、第1の閾値電力量を満たすために十分な電力を無線電力受信器へ転送することができなければ、本方法は、第2の下側閾値電力量を満たすために十分な電力をアンテナグループのうちの2つが無線電力受信器へ転送したかどうかを判断することに進む。例えば、無線電力受信器は2つのアンテナグループ間の境界に位置し得るので、1つのアンテナグループも第1の閾値を満たすことができないが、これらの2つのアンテナグループは第2の閾値電力量を個々に満たすことができる可能性がある。
【0151】
[0169] 2つ以上のアンテナ区域により更新された試験送電信号の送信に関連付けられる電力配送パラメータが電力配送判断基準を満たす(932の「はい」)ということを近接場充電パッドの1つ又は複数のプロセッサが判断すると、本方法はさらに、2つ以上のアンテナ区域を使用して複数の追加の送電信号を無線電力受信器へ送信すること(934)を含む。このような状況は無線電力受信器が2つの隣接アンテナ区域間に置かれると生じ得る。いくつかの実施形態では、2つ以上のアンテナ区域がそれぞれ、電力を無線電力受信器へ提供するために追加の複数の送電信号を同時に送信する。
【0152】
[0170] 図9Bにも示すように、2つ以上の区域が、電力配送判断基準を満たす電力配送パラメータを有しなければ(932の「いいえ」)、方法900は、無線電力を受信器へ効率的に転送する可能性のあるいかなるアンテナ区域も見つけ出されなかったので、受信器(すなわち、再び、異なる受信器)の探索を開始するために動作906へ戻る。いくつかの実施形態では、方法900は代替的に、様々な特性を有する試験送電信号を送信し始め、次に、2つ以上のアンテナ区域が電力配送判断基準を満たすために十分な無線電力を受信器へ配送することをそれらの特性が許容することができるかどうかどうかを判断するために動作924へ戻り得る。いくつかの実施形態では、方法900は動作924へ所定回数(例えば2回)戻り、2つ以上の区域が、電力配送判断基準を満たす電力配送パラメータを依然として有しなければ、本方法はこの時点で、新しい受信器を探索し始めるために動作906へ戻る。
【0153】
[0171] いくつかの実施形態では、電力を受信器へ無線で配送する(例えば動作922、930、934において)ために使用すべきアンテナ区域を成功裡に見つけ出した後、方法900は新しい受信器を探索し始めるために動作906へ戻る。近接場充電パッドは、いくつかの実施形態では、無線電力を複数の受信器へ任意の特定の時点で同時に配送することができ、したがって、方法900全体を再び繰り返すことは、無線電力をこれらの複数の受信器のそれぞれへ送信するためにどのアンテナ区域を使用すべきかを近接場充電パッドが適切に判断し得るようにする。
【0154】
[0172] いくつかの実施形態では、近接場充電パッドのアンテナ区域のアンテナ区域毎のそれぞれの電力配送パラメータを判断するために使用される情報は、近接場充電パッドの無線通信部品を介し無線電力受信器により近接場充電パッドへ提供される(例えば、受信器は、上に論述された試験送電信号から受信器により受信される電力の量を判断するために使用される情報を送信する)。いくつかの実施形態では、この情報は近接場充電パッドの無線通信部品と無線電力受信器との間の接続を介し送信され、この接続は、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたということを判断すると確立される。
【0155】
[0173] 加えて、いくつかの実施形態では、近接場充電パッドはアンテナ区域を動的に生成又は規定する。例えば、図1Bを参照すると、近接場充電パッドは、単一アンテナ210-Aを含むように第1のアンテナ区域290-1を規定し得、2つ以上のアンテナ210を含むように別のアンテナ区域290-Nを規定し得る。いくつかの実施形態では、上に論述された方法900の様々な段階で、アンテナ区域は再規定され得る。例えば、電力配送判断基準を満たす電力配送パラメータを2つ以上のアンテナ区域が有しないという判断に従って(932の「いいえ」)、近接場充電パッドは、それぞれが複数のアンテナを含むようにアンテナ区域を再規定し得る(各アンテナ区域に単一アンテナを含ませる代わりに)。このようにして、方法900は、近接場充電パッド上に置かれた受信器へ無線電力を送信するために使用され得る適切なアンテナ区域が見つけ出されるということを保証するのを助けるためにアンテナ区域を動的に規定することができる。
【0156】
[0174] 図10は、いくつかの実施形態による近接場充電パッド内の1つ又は複数のアンテナグループを選択的に活性化するプロセス1000を示す概要である。プロセス1000における動作のいくつかは図9A~9Bの方法900を参照して上に説明した動作に対応する又はそれを補完する。図10に示すように、プロセス1000は、近接場充電パッド(例えばRF充電パッド100、図1A~1B、図2A)が近接場充電パッドの範囲内のそしてその後近接場充電パッド上の無線電力受信器(例えば無線電力受信器104、図12B)を検出すること(1002)で始まる(動作1002は図9Aの動作906から動作912の「はい」までに対応する)。プロセス1000はさらに、粗探索を行うこと(1004)、密探索を行うこと(1006)、そして電力制御ルーチンを実行すること(1008)を含む。プロセス1000内の各工程は、図11A~11Eを参照して以下にさらに詳細に説明される。プロセス1000は、いくつかの実施形態では、近接場充電パッドが近接場充電パッド上のそしてその後近接場充電パッドの範囲内の無線電力受信器を検出すること(1002)で始まるということに注意すべきである。
【0157】
[0175] 図11Aは、近接場充電パッドの範囲内のそしてその後近接場充電パッド上(又は、いくつかの実施形態では、近接場充電パッド上のそしてその後近接場充電パッドの範囲の)の無線電力受信器を検出するためのプロセス1002を詳述するフローチャートである。プロセス1002は、近接場充電パッドを使用可能にする(1102)こと(すなわち、近接場充電パッドの電源をオンすること)を含む。その後、近接場充電パッドは、無線電力受信器を走査し(1104)、受信信号強度指標(RSSI)に少なくとも部分的に基づき近接場充電パッドの範囲内の無線電力受信器を検出する(1106)。RSSIを取得するために、近接場充電パッドは、無線電力受信器に関連付けられた無線通信部品により同報通信される信号(例えばBluetooth広告信号)を走査するために無線通信部品(例えばBluetooth無線などの通信部品(群)204、図2A)を使用し得る。近接場充電パッドの範囲内の無線電力受信器を検出することは、方法900の動作906を参照して上にさらに詳細に論述された。
【0158】
[0176] 次に、近接場充電パッドは近接場充電パッド上の無線電力受信器を検出する(1108)。いくつかの実施形態では、近接場充電パッドは、無線電力受信器が近接場充電パッド上に置かれたということを判断するまでは無線電力受信器は近接場充電パッド上にあるということを動作908~914を参照して上に論述されたプロセスを使用して確定する。いくつかの実施形態では、動作(1108)は動作(1102)の前に発生する。
【0159】
[0177] 続いて、近接場充電パッドは、近接場充電パッド上で無線電力受信器を検出することに応答して無線電力受信器との通信チャネルを確定する(1110)。
【0160】
[0178] 次に図11Bへ移ると、本方法は、近接場充電パッドが粗探索(1004)を行うプロセス1004へ進む。粗探索1004を行う際、近接場充電パッドはアンテナ区域(例えばアンテナ区域290-1、図1B)の電力を使用可能にする(1122)ことで始まる。いくつかの実施形態では、アンテナ区域の電力を使用可能にすることは、第1の組の伝送特性(例えば位相、利得、方向、振幅、偏極、及び/又は周波数)を有する試験送電信号を、アンテナ区域内に含まれるアンテナ素子により送信することを含む。試験送電信号を送信することは、方法900の工程916~918を参照して上にさらに詳細に論述された。
【0161】
[0179] 粗探索1004を続けることにより、近接場充電パッドは無線電力受信器により受信される電力量(「報告された電力」)を記録する(1124)。いくつかの実施形態では、報告された電力は、動作1110において確定された通信チャネルを介し無線電力受信器により近接場充電パッドへ伝達される。
【0162】
[0180] 近接場充電パッドは、近接場充電パッドのために規定されたすべてのアンテナ区域に関し上記工程(1122)、(1124)を繰り返す(1126)。その後、いくつかの実施形態では、近接場充電パッドは、報告された電力(例えば環境に依存して2つ又は3つの区域又はそれより大きい又は少ない数の区域)と設定された閾値(例えば電力配送判断基準)とに基づき一組のアンテナ区域を選択する(1128)。論述を簡単にするために、一組のアンテナ区域内の各アンテナ区域(例えばアンテナ区域290-1、図1B)は単一アンテナ210を含む。しかし、一組のアンテナ区域を選択する代わりに、近接場充電パッドはまた、複数のアンテナ210を含む単一アンテナ区域を選択する可能性があるということを理解すべきである。例えば、図1Bに示すように、アンテナ区域290-Nは複数のアンテナ210を含む。加えて、一組のアンテナ区域内の各アンテナ区域もまた、環境に依存して複数のアンテナを含む可能性がある。
【0163】
[0181] 次に図11Cへ移ると、報告された電力に基づき一組のアンテナ区域を選択した後、近接場充電パッドは密探索プロセスを行う(1006)。いくつかの実施形態では、密探索1006は、どのアンテナ区域(群)が電力を無線電力受信器へ無線で配送するのに最も適するかを近接場充電パッド上の無線電力受信器の位置に基づき判断するために使用される。密探索を行う(1006)際、近接場充電パッドは、粗探索を使用することにより選択された一組のアンテナ区域から少なくとも1つのアンテナ区域を選択し(1132)、そして少なくとも1つのアンテナ区域に関して、近接場充電パッドは、利用可能周波数及び/又はインピーダンス全体にわたって掃引する(1134)(すなわち少なくとも1つのアンテナ区域により送電信号の送信をチュ-ニングする)。その後、近接場充電パッドは、無線電力受信器により報告される受信された電力の量を最大化することを生じるそれらの特性を記録する(1136)。いくつかの実施形態では、動作1134、1136は一組のアンテナ区域内のアンテナ区域毎に繰り返され(1138)、近接場充電パッドは、最大電力量を無線電力受信器へ配送するアンテナ区域(Z1)を選択する(1140)。加えて、近接場充電パッドはまた、無線電力受信器への最大電力量の配送を実現するためにアンテナ区域Z1による周波数(及び他の伝送特性)並びにリレー位置を記録する。
【0164】
[0182] いくつかの環境又は状況では、アンテナ区域Z1により無線電力受信器へ配送される電力の量は電力の閾値量を満足しない。これらの環境又は状況では、近接場充電パッドは図11Dに示される隣接区域探索を行う(1007)。いくつかの実施形態では、隣接区域探索1007は、無線電力受信器へ配送される電力の量を増加するために活性化され得る選択されたアンテナ区域Z1の1つ又は複数の隣接区域を識別するために使用される。例えば、これは、無線電力受信器が近接場充電パッドの隣接アンテナ区域間の境界に位置する(例えば2つのアンテナ区域、3つのアンテナ区域、又は4つのアンテナ区域間の交差部に位置する)と、発生し得る。隣接区域探索を行う(1007)際、近接場充電パッドは選択されたアンテナ区域Z1の隣接アンテナ区域(ZA)を識別する(1142)。いくつかの実施形態では、隣接区域(ZA)を識別することは最大5つの隣接区域を識別することを含む。
【0165】
[0183] 次に、近接場充電パッドは、選択されたアンテナ区域Z1と各識別された隣接区域とを対にし(1144)、すべてのアンテナチューニング組み合わせにわたって掃引し(1146)、すべての利用可能周波数(そして恐らく他の伝送特性)にわたって掃引する(1148)。その後、近接場充電パッドは、隣接区域(ZA)の中からアンテナ区域の組み合わせを選択する(1150)。例えば、近接場充電パッドは、「選択されたアンテナ区域Z1が、これらのアンテナ区域のいずれかが無線電力受信器へ個々に配送することができるものより高い電力量を無線電力受信器へ配送する」ということを判断し得る。別の例では、近接場充電パッドは、選択されたアンテナ区域Z1及び2つ(又は3つ)の他の隣接区域が最大電力量を無線電力受信器へ配送するということを判断し得る。所望の組み合わせのアンテナ区域を選択する際、近接場充電パッドは、無線電力受信器へ配送される最大電力量を生成するために使用される伝送特性を記録する。密探索及び隣接区域探索を行うこともまた、方法900の工程924~932を参照して上により詳細に論述された。
【0166】
[0184] 密探索1006(及び必要に応じ隣接区域探索1007)を行った後、近接場充電パッドはその例が図11Eに示される電力制御ルーチン(1008)を実行する。いくつかの実施形態では、電力制御ルーチンは、無線電力受信器と近接場充電パッドとの両方が無線電力受信器へ配送されている電力の量を連続的に監視することを可能にする。このようにして、無線送電に対する調整は無線電力受信器から受信されたフィードバックに基づきなされ得る。例えば、配送された電力が設定閾値未満であれば、無線電力受信器は近接場充電パッドから電力増加を要求し得る。図11Eは、受信器へ配送される無線電力の量の増加又は低減を受信器に要求させ得るように使用され得る様々な動作と、配送される無線電力の量の増加又は低減の受信器の要求に応答して、受信器へ配送される無線電力の量を何時増加又は低減するべきかを判断するために近接場充電パッドにより実行されるプロセスとを示す。
【0167】
[0185] 上述のアンテナ素子120(例えば図1Bを参照)はまた、それぞれのアンテナ素子120に沿った様々な場所へ結合される複数の適応型負荷端子(例えば複数の適応型負荷端子121)を有するように構成され得る。複数の適応型負荷端子を有するアンテナ素子120の例は図12を参照して以下に提供される。図12は、いくつかの実施形態による、RF充電パッドの複数の適応型負荷(図3図8を参照して上に説明したようなこのようなアンテナのアレイの一部であり得る)を有する送信アンテナ素子(ユニットセル)を示す概略図である。いくつかの実施形態では、RF充電パッド1200は1つ又は複数のアンテナ素子1201(図3B図4図6A~6E、図7A~7D、及び図8に示すようなアンテナ素子の任意のものであり得る)を含む。各アンテナ素子1201は、電力増幅器1208へ又はアンテナ素子1201の第1の端部におけるそれぞれの電力源へ接続され得るそれぞれの電力増幅器(PA)切り替え回路1208(図3AのPA切り替え回路103のそれぞれの1つものであり得る)により給電される。
【0168】
[0186] いくつかの実施形態では、電力増幅器1208を含む入力回路は追加的に、入力信号の周波数を変更し得る装置又は同時に複数の周波数で動作し得る装置(発振器又は周波数変調器など)を含み得る。
【0169】
[0187] いくつかの実施形態では、RF充電パッド1200の各アンテナ素子1201は、それぞれのアンテナ素子1201内の複数の場所に複数のそれぞれの適応型負荷端子1202(例えば1202a,1202b,1202c,...1202n)を含む。いくつかの実施形態では、アンテナ素子1201は蛇行線パターン(図3図4図6~8を参照して上に論述したような)を形成する導電線を含む。いくつかの実施形態では、アンテナ素子1201の複数の適応型負荷端子1202の各適応型負荷端子は、図12に示すようにアンテナ素子1201の導電性蛇行線上の様々な場所に配置される。
【0170】
[0188] いくつかの実施形態では、蛇行線アンテナ素子1201は、1平面内に複数の曲がり角を有する導電線を含む。いくつかの実施形態では、複数の曲がり角は、図12のアンテナ素子1201に示すような方形曲がり角であり得る。いくつかの実施形態では、複数の曲がり角は先の丸い曲がり角であり得る。導電線はまた、可変幅のセグメント(例えば、第1の幅を有するセグメント1206、第1の幅未満である第2の幅を有する短い長さのセグメント1207)を有し得る。いくつかの実施形態では、適応型負荷端子1202aの少なくとも1つは短長セグメント(例えば短長セグメント1207)のうちの1つに配置され、別の適応型負荷端子は第1の幅を有するセグメント1206のうちの1つのどこかに配置される。いくつかの実施形態では、適応型負荷端子1202の少なくとも1つは、例えば幅セグメント上のどこか(例えば蛇行線アンテナ素子1201の幅セグメントの中央)に配置される又は接続される。いくつかの実施形態では、最後の適応型負荷端子1202nは導電線の第2の端部(図3図4図6~8を参照して上に説明したアンテナ素子1201の入力端子1203における第1の端と反対側)に配置される。いくつかの実施形態では、ある設計及び最適化では、適応型負荷端子は蛇行線アンテナ素子1201の第2の端部に必ずしも配置されないが、アンテナ素子1201の任意の位置に配置され得る。
【0171】
[0189] いくつかの実施形態では、RF充電パッド1200もまた、中央処理ユニット1210(本明細書ではプロセッサ1210とも呼ばれる)を含む(又は、それと通信する)。いくつかの実施形態では、プロセッサ1210は、例えば適応型負荷端子1202の各適応型負荷端子の複数の負荷ピック又は適応型負荷1212(例えば1212a,1212b,1212c,...1212n)と通信することにより、RF信号周波数を制御するようにそして適応型負荷端子1202のそれぞれにおけるインピーダンス値を制御するように構成される(図3A、3Bの負荷ピック又は適応型負荷106を参照して上に論述したように)。
【0172】
[0190] いくつかの実施形態では、電子装置(例えばストリーミングメディア装置又はプロジェクタの筐体内に一体化され得る充電パッド1200の上に置かれるリモコンなどの内部又は外部接続部品として受信器1204を含む装置)は、電池を充電する及び/又は電子装置を直接給電するために充電パッド1200の1つ又は複数のRFアンテナ素子1201から受信器1204へ転送されるエネルギーを使用する。
【0173】
[0191] いくつかの実施形態では、アンテナ素子1201の特定の区域(例えば、充電される電子装置(内部又は外部接続RF受信器1204を有する)が充電パッド上に置かれる場所の下に位置するアンテナ素子1201上の区域)又は選択された位置における適応型負荷端子1202が、受信器1204により受信される電力を最大化するために最適化される。例えば、CPU1210は、内部又は外部接続RF受信器1204を有する電子装置がアンテナ素子1201上の特定の区域内のパッド1200上に置かれたという指標を受信すると、RF受信器1204へ転送される電力を最大化するために、RF適応端子1202へそれぞれ結合される複数の適応型負荷1212(例えば適応型負荷1212a,1212b,1212c,...1212n)を適合化し得る。一組の適応型負荷1212を適合化することは、「CPU1210が、適応型負荷のうちの1つ又は複数の適応型負荷に、アンテナ素子1201の様々な位置へ結合される適応型負荷端子1202のうちの1つ又は複数の適応型負荷端子の様々なインピーダンス値を試みるように命令する」ことを含み得る。適応型負荷の適合化に関する追加の詳細は、上に提供されたので、簡潔性のために、本明細書では繰り返さない。
【0174】
[0192] アンテナ素子1201の導電線の特定の位置/部分における実効インピーダンス値(Zeffective)は、多くの変数により影響されるので、アンテナ素子1201上の様々な場所へ結合される適応型負荷端子1212の構成を調整することにより操作され得る。いくつかの実施形態では、セクション1225(アンテナ素子1201の端子1203で始まり受信器1204の端まで伸びる)とセクション1227(送信アンテナ素子1201の残りと端末1202nとにより形成される)とを分割する点から始まりTXアンテナ1201の適応型負荷1212nへの接続(例えば端子1202n)において終了する実効インピーダンス値(Zeffective)は、TXアンテナ1201上の受信器1204の位置に基づきそしてセクション1227内の様々な位置において適応型負荷1212により提供される一組の選択された負荷に基づき変化することになる。いくつかの実施形態では、選択された負荷は、次のようなやり方でZeffectiveをチューニングするために適応型負荷1212(プロセッサ1210と協力して)により最適化される:端子1203と受信器1204間で転送されるエネルギーが最大値に達し(例えば、パッド1200のアンテナ素子により送信されるエネルギーの75%以上(98%など)がRF受信器1204により受信され)、一方、エネルギー転送がまた、端子1203から端子1202nまで最小値のままであり得る(例えば、パッド1200のアンテナ素子により送信されたエネルギーの25%未満(2%程度も含む)が、RF受信器1204により受信されなく、セクション1227内に位置する端子まで到達して終わる又は後方反射されて終わる)。
【0175】
[0193] いくつかの実施形態では、複数の適応型負荷1212の選択されたいくつかの適応型負荷1212は、アンテナ素子1201のインピーダンス及び/又は周波数を調整するためにアンテナ素子1201上で使用される(プロセッサにより1210)。一例では、図12を参照すると、適応型負荷端子1202a、1202cだけが特定の時点に適応型負荷1212a、1212cへそれぞれ接続され、一方、適応型負荷端子1202b、1202nは特定の時点に切り離される。別の例では、図12を参照すると、適応型負荷端子1202a、1202nだけが特定の時点に適応型負荷1212a、1212nへそれぞれ接続され、一方、適応型負荷端子1202b、1202cは特定の時点に切り離される。いくつかの実施形態では、適応型負荷端子1202のすべてが特定の時点にそれぞれの適応型負荷1212へ接続される。いくつかの実施形態では、適応型負荷端子1202のいずれも特定の時点にそれぞれの適応型負荷1212へ接続されない。いくつかの実施形態では、選択された適応型負荷端子1212へ接続される適応型負荷1212のそれぞれのインピーダンス値はエネルギー転送を最適化するために個々に調整される。
【0176】
[0194] 蛇行線アンテナがマルチバンド動作用に最適化される実施形態では、単一アンテナ素子内の複数の適応型負荷構成がまた、上の図3Bにおいて説明したように単一アンテナ素子内の単一適応型負荷構成と比較してより広い周波数帯調整を可能にする。単一アンテナ素子内の複数の適応型負荷構成はさらに、単一アンテナ素子上の複数の周波数帯動作を強化する。例えば、複数の適応型負荷端子を有する単一アンテナ素子1201は、1つの適応型負荷端子により構成される当該アンテナ素子より広い周波数帯で動作することができる。
【0177】
[0195] いくつかの実施形態では、一組の適応型負荷1212を調整することはまた、又は代替的に、最大量のエネルギーがRF受信器1204へ転送される周波数が見出されるまで様々な周波数でRF信号をCPU1210が一組のアンテナ素子に送信させることを含む。いくつかの実施形態では、例えば、アンテナ素子のうちの1つが第1の周波数でRF信号を送信し、アンテナ素子の別のものは第1の周波数とは異なる第2の周波数でRF信号を送信する。いくつかの実施形態では、インピーダンス値及び/又は一組のアンテナ素子が送信する周波数を調整することは、RF受信器1204へ転送されるエネルギーの量に対する変更を生じる。このようにして、最大化されるRF受信器1204へ転送されるエネルギーの量(例えば、パッド1200のアンテナ素子により受信器1204へ送信されるエネルギーの少なくとも75%を転送するために、そしていくつかの実施形態では、インピーダンス値及び/周波数を調整することが、送信されるエネルギーの最大98%が受信器1204により受信され得るようにする)は、RF受信器1204が置かれる可能性があるパッド1200上の任意の特定の点において受信され得る。
【0178】
[0196] いくつかの実施形態では、CPU1210は、RF受信器1204へ転送されるエネルギーの量が所定の閾値を横切る(例えば、送信されたエネルギーの75%以上(最大98%など)が受信される)と、又は、多くのインピーダンス及び/又は周波数値により送信を試験し、次に、RF受信器1204へ転送される最大エネルギーを生じるインピーダンス及び周波数の組み合わせを選択することにより(上の図3A~3Dの適応化方式を参照しても説明されたように)、最大量のエネルギーがRF受信器1204へ転送されていると判断する。いくつかの実施形態では、プロセッサ1210はフィードバックループを介し受信器1204へ接続される(例えば、メッセージを交換するためにBluetoothローエネルギー(BLE)、Wi-Fi、ZigBee、赤外線ビーム、近接電磁界などの無線通信プロトコルを使用してメッセージを交換することにより)。いくつかの実施形態では、適応化方式は、RF受信器1204へ転送されるエネルギーを最大化するために適応型インピーダンス負荷1212のインピーダンス値とRF周波数との様々な組み合わせを試験するために採用される。このような実施形態では、適応型負荷1212のそれぞれはある範囲の値(0~無限大間でなど)に沿ってインピーダンス値を調整するように構成される。いくつかの実施形態では、適応化方式は、1つ又は複数のRF受信器がアンテナ素子1201のうちの1つの上に置かれる場合に採用される。
【0179】
[0197] いくつかの実施形態では、周波数とインピーダンスとのどの組み合わせがRF受信器1204への最大エネルギー転送を生じるかを判断するために、インピーダンス値及び/又は充電パッド1200のRFアンテナ1201から発射されるRF信号の周波数を適応的に調整する適応化方式が採用される。例えば、充電パッド1200へ接続されるプロセッサ1210は、アンテナ素子1201の様々な位置において様々な選択された組の適応型負荷1212を使用することにより(例えばいくつかの適応型負荷1212がより良い性能のために適応的に最適化することを試みることを可能又は無効化することにより)様々な周波数(すなわち許容された動作周波数範囲又は範囲内の)を試みる。例えば、単純な最適化が、各負荷端子をアースに対し開放する/切り離す又は閉じる/短絡するかのいずれかを行い(いくつかの実施形態では、これらの状態間を切り替えるためにリレーが使用される)、また、RFアンテナ素子1201を様々な周波数で送信させ得る。いくつかの実施形態では、リレー状態(開放又は短絡された)と周波数との組み合わせ毎に、受信器1204へ転送されるエネルギーは、監視され、そして他の組み合わせを使用する際に転送されるエネルギーと比較される。受信器1204への最大エネルギー転送を生じる組み合わせが、選択され、そして1つ又は複数のアンテナ素子1201を使用して1つ又は複数のRF信号を受信器1204へ送信し続けるために使用される。
【0180】
[0198] いくつかの実施形態では、パッド1200の複数の適応型負荷1212を有する単一アンテナ素子1201は、2つ以上の異なる周波数帯(上述のISM帯など)(例えば915MHzの中心周波数を有する第1の周波数帯と5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯)において動作するように構成され得る。これらの実施形態では、適応化方式を採用することは、RF信号を送信し、次に第1の周波数帯の第1の閾値に到達するまで第1の所定の増分で周波数を調整することと、次に、第2の周波数帯の第2の閾値に到達するまで第2の所定の増分(第1の所定の増分と同じであっても同じでなくてもよい)で周波数を調整することとを含み得る。いくつかの実施形態では、単一アンテナ素子は1つ又は複数の周波数帯内の複数の異なる周波数で動作し得る。例えば、単一アンテナ素子1201は、902MHz、915MHz、928MHZ(第1の周波数帯内の)において、そして次に5.795GHz、5.8GHz、5.805GHz(第2の周波数帯内の)において送信するように構成され得る。単一アンテナ素子1201は、マルチバンドアンテナとして2つ以上の周波数帯において動作し得る。少なくとも1つのアンテナ素子1201を有する送信器がマルチバンド送信器として使用され得る。
【0181】
[0199] いくつかの実施形態では、それぞれが複数の適応型負荷1212を有する複数のアンテナ素子1201は、特定の送信パッドが同時に2つ以上の異なる周波数帯においてそれぞれ動作することを可能にするように特定の送信パッド内で構成され得る。例えば、特定の送信パッドの第1のアンテナ素子1201は第1の周波数又は周波数帯において動作し、特定の送信パッドの第2のアンテナ素子1201は第2の周波数又は周波数帯において動作し、特定の送信パッドの第3のアンテナ素子1201は第3の周波数又は周波数帯において動作し、特定の送信パッドの第4のアンテナ素子1201は第4の周波数又は周波数帯において動作し、4つの周波数帯は互いに異なる。このようにして、特定の送信パッドは複数の異なる周波数帯において動作するように構成される。
【0182】
[0200] いくつかの実施形態では、本明細書で説明される送信器は、1つの周波数又は周波数帯において無線電力を送信し、別の周波数又は周波数帯においてデータを送信しこのデータを受信器と交換し得る。
【0183】
[0201] 様々な周波数で動作する様々なアンテナ素子は、小型装置がより高い周波数により充電され、大型装置が同じ充電パッド上でより低い周波数により充電されると、エネルギー転送効率を最大化し得る。例えば、移動式電話などのより高い電力量を必要とする装置はまた、より大きなアンテナを含むためにより多くの空間を有し得、したがって900MHzのより低い周波数を好適な周波数帯にする。比較として、イヤホンなどの小型装置は、小電力量を必要とし、したがってより長いアンテナに利用可能なより小さい空間も有し得、したがって2.4又は5.8GHzのより高い周波数を好適な周波数帯にする。この構成は、受信装置内に含まれるアンテナのタイプ及びサイズのより大きな柔軟性を可能にする。
【0184】
[0202] 次に図13に移ると、いくつかの実施形態に従って、複数の適応型負荷を有する少なくとも1つのRFアンテナを使用することにより高周波(RF)送電を介し電子装置を充電する方法1300のフローチャートが提供される。当初、1つ又は複数のRF信号又は波を送信するための少なくとも1つのRFアンテナ(例えば、図3図8をさらに含む上の図12に関して説明したアンテナ素子1201)(すなわちRF電磁波を送信するように設計され送信することができるアンテナ)を含む送信器を含む充電パッドが工程1302において提供される。いくつかの実施形態では、RFアンテナ素子のアレイ1201が、単一面内に互いに隣接して、積層で、又はこれらの組み合わせで配置され、こうしてRF充電パッド1200(図6A~6E、図7A~7D及び図8を参照して説明したような)を形成する。いくつかの実施形態では、RFアンテナ素子1201はそれぞれ、アンテナ入力端子(例えば図12を参照して上に論述された第1の端子1203)及び複数のアンテナ出力端子(例えば図12を参照して上に論述された複数の適応型負荷端子1202)を含む。いくつかの実施形態では、アンテナ素子1201は蛇行線配置を形成する導電線(図3~4及び図6~12に示すような)を含む。複数の適応型負荷端子1202はアンテナ素子1201の導電線の様々な場所に配置される。
【0185】
[0203] いくつかの実施形態では、送信器はさらに、電力入力とアンテナ入力端子間に電気的に結合された電力増幅器(例えば、図12のPA1208)を含む。いくつかの実施形態はまた、複数のアンテナ出力端子へ電気的に結合されたそれぞれの適応型負荷1212a,1212b,1212c,...1212n(例えば、図12の適応型負荷端子1202)を含む。いくつかの実施形態では、送信器は、電源へ電気的に結合されるように構成された電力入力と、アンテナへ送信される少なくとも1つの電気信号を制御するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(例えば、図12のプロセッサ1210、図3A~3Bのプロセッサ110)とを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサはまた、アンテナへ送信される少なくとも1つの信号の周波数及び/又は振幅を制御するように構成される。
【0186】
[0204] いくつかの実施形態では、送信器の各RFアンテナは、蛇行線パターンを形成する導電線と、1つ又は複数のプロセッサにより制御される周波数で導電線を貫流する電流を受信するための導電線の第1の端部における第1の端子(例えば端子1203)と、導電線の複数の場所において第1の端子とは異なる複数の適応型負荷端子(例えば端子1202)であって、1つ又は複数のプロセッサにより制御されるそれぞれの部品(例えば図12の適応型負荷1212)へ結合され、導電線のインピーダンス値を修正することを可能にする、複数の適応型負荷端子とを含む。いくつかの実施形態では、導電線は多層基板の第1のアンテナ層の上に又はその層内に配置される。またいくつかの実施形態では、第2のアンテナは、多層基板の第2のアンテナ層の上に又はその層内に配置される。最後に、いくつかの実施形態はまた、多層基板の接地面層の上に又はその層内に配置される接地面を提供する。
【0187】
[0205] いくつかの実施形態では、受信器(例えば図12を参照した受信器1204)もまた提供される(図3も参照して説明したように)。受信器はまた、RF信号を受信するための1つ又は複数のRFアンテナを含む。いくつかの実施形態では、受信器は、1つ又は複数のRF信号を、内部又は外部接続部品として受信器1204を含む装置を充電するために利用可能な電力に変換する少なくとも1つのレクテナを含む(図5を参照した工程504、506、510、514、518も参照)。使用中、受信器1204は、送信器又は充電パッドの少なくとも1つのアンテナの近接場高周波距離内に置かれる。例えば、受信器は、少なくとも1つのRFアンテナ1201の上に、又は少なくとも1つのRFアンテナ1201に隣接する表面(充電パッド1200の表面など)の上に置かれ得る。
【0188】
[0206] 工程1304において、次に、1つ又は複数のRF信号が少なくとも1つのRFアンテナ1201を介し送信される。
【0189】
[0207] 次に、本システムは、1つ又は複数のRF信号を介し少なくとも1つのアンテナ1201から1つ又は複数のRF受信器へ転送されるエネルギーの量を判断するために工程1306において監視される(上に論述されたように)。いくつかの実施形態では、この監視すること(1306)は送信器において発生し、一方、他の実施形態では、監視すること(1306)は、バックチャネルを介しデータを送信器へ送り返す受信器において発生する(例えばWi-Fi又はBluetoothを使用することにより無線データ接続全体にわたって)。いくつかの実施形態では、送信器及び受信器はバックチャネルを介しメッセージを交換し、これらのメッセージは、工程1308においてなされた調整を通知するために、送信及び/又は受信されるエネルギーを示し得る。
【0190】
[0208] いくつかの実施形態では、工程1308では、送信器の特性が、少なくとも1つのRFアンテナ1201から受信器へ転送されるエネルギーの量を最適化することを試みるように適応的に調整される。いくつかの実施形態では、この特性は1つ又は複数のRF信号の周波数及び/又は送信器のインピーダンスである。いくつかの実施形態では、送信器のインピーダンスは調整可能負荷のインピーダンスである。またいくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサがまた、選択された一組の複数の適応型負荷1212のインピーダンスを制御するように構成される。インピーダンス及び周波数の調整に関するさらなる詳細及び例は上に提供された。
【0191】
[0209] いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサ(例えば図12のCPU1210)が、少なくとも1つのアンテナ1201からRF受信器へ転送されるエネルギーの監視された量に基づき適応型負荷のインピーダンスを動的に調節する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、アンテナへ送信される少なくとも1つの信号の周波数を同時に制御する。
【0192】
[0210] いくつかの実施形態では、パッド1200の複数の適応型負荷1212を有する単一アンテナ素子1201は、同時に又は相異なる時間に2つ以上の異なる周波数帯(上述のISM帯など)(例えば915MHzの中心周波数を有する第1の周波数帯と5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯)において動作するように1つ又は複数のプロセッサにより動的に調整され得る。これらの実施形態では、適応化方式を採用することは、RF信号を送信し、次に第1の周波数帯の第1の閾値に到達するまで第1の所定の増分で周波数を調整することと、次に、第2の周波数帯の第2の閾値に到達するまで第2の所定の増分(第1の所定の増分と同じであっても同じでなくてもよい)で周波数を調整することとを含む。例えば、単一アンテナ素子1201は、902MHz、915MHz、928MHZ(第1の周波数帯内の)において、そして次に5.795GHz、5.8GHz、5.805GHz(第2の周波数帯内の)において送信するように構成され得る。単一アンテナ素子1201はマルチバンドアンテナとして2つ以上の周波数帯において動作し得る。少なくとも1つのアンテナ素子1201を有する送信器がマルチバンド送信器として使用され得る。
【0193】
[0211] いくつかの実施形態では、充電パッド又は送信器は、図12において説明したような複数の適応型負荷を有するアンテナ素子1201のうちの1つ又は複数のアンテナ素子と、図3A~3Dに説明したような1つの適応型負荷を有する1つ又は複数のアンテナ素子120とを含み得る。
【0194】
[0212] 図14A~14Dは、いくつかの実施形態によるRF充電パッド内の複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の様々な構成を示す概略図である。図14A~14Dに示すように、RF充電パッド100(図3A~3B)又はRF充電パッド1200(図12)は、可変物理的寸法を有する導電線素子を有するように構成されたアンテナ素子120(図3B)又は1201(図12)を含み得る。
【0195】
[0213] 例えば、図14A~14Dは、アンテナ素子の様々な部分において様々な蛇行線パターンに形成された導電線をそれぞれが含むアンテナ素子の構造の例を示す。アンテナ素子の様々な部分又は場所における導電線は、アンテナ素子内の他の導電線とは異なる幾何学的寸法(幅、長さ、又はトレース寸法、又はパターン、各トレース間隔など)を有し得る。いくつかの実施形態では、蛇行線パターンは、パッド(又は個々のアンテナ素子)の様々な位置において可変長及び/又は幅で設計され得る。蛇行線パターンのこれらの構成はより多くの自由度を可能にし、したがって、個々のアンテナ素子及びRF充電パッドのより広い動作帯域幅及び/又は結合範囲を可能にする、より複雑なアンテナ構造が構築され得る。
【0196】
[0214] いくつかの実施形態では、本明細書で説明されたアンテナ素子120、1201は、図14A~14Dに示された形状のうちの任意のものを有し得る。いくつかの実施形態では、図14A~14Dに示すアンテナ素子のそれぞれは、導電線の一端に入力端子(図1Bの123又は図12の1203)を、そして導電線の別の端又は複数の場所に上述のような適応型負荷(図1Bの106又は図12の1212a-n)を有する少なくとも1つの適応型負荷端子(図1Bの121又は図12の1202a-n)を有する。
【0197】
[0215] いくつかの実施形態では、図14A~14Dに示すアンテナ素子のそれぞれは2つ以上の異なる周波数で又は2つ以上の異なる周波数帯で動作し得る。例えば、単一アンテナ素子は、どの周波数がアンテナ素子のそれぞれの入力端子において提供されるかに依存して、第1の時点に915MHzの中心周波数を有する第1の周波数帯でそして第2の時点に5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯で動作し得る。さらに、図14A~14Dに示す蛇行線パターンの形状はアンテナ素子が複数の異なる周波数で効率的に動作することを可能にするように最適化される。
【0198】
[0216] いくつかの実施形態では、図14A~14Dに示すアンテナ素子のそれぞれは、重畳され得る3つ以上の異なる周波数を入力端子が供給されると、同時に2つ以上の異なる周波数又は2つ以上の異なる周波数帯において動作し得る。例えば、単一アンテナ素子は、915MHzの第1の中心周波数を有する周波数帯と5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯との両方が導電線の入力端子において提供されると915MHzの中心周波数を有する第1の周波数帯と5.8GHzの中心周波数を有する第2の周波数帯とにおいて同時に動作し得る。さらに別の例では、単一アンテナ素子は1つ又は複数の周波数帯内の複数の異なる周波数で動作し得る。
【0199】
[0217] いくつかの実施形態では、アンテナ素子の動作周波数は、受信器アンテナ寸法、周波数、又は受信器負荷、及び充電パッド上の適応型負荷に従って、上に説明したように1つ又は複数のプロセッサ(図3A~3Bの110又は図12の1210)により適応的に調整され得る。
【0200】
[0218] いくつかの実施形態では、導電線の様々な部分において様々な蛇行パターンを有する図14A~14Dに示すアンテナ素子のそれぞれは、より対称的な蛇行線構造(例えば図3B図4図6A~6B又は図8)と比較して複数の周波数でより効率的に動作し得る。例えば、導電線の様々な部分において様々な蛇行パターンを有する図14A~14Dに示すアンテナ素子の様々な動作周波数におけるエネルギー転送効率は、より対照的な対称蛇行線構造素子より少なくとも約5%、いくつかの例では少なくとも60%だけ改善され得る。例えば、より対照的な蛇行線構造アンテナ素子は、より対照的な蛇行線構造アンテナ素子が設計された周波数以外の新しい周波数で動作する一方で、送信されたエネルギーの60%以下を受信装置へ転送することができる可能性がある(例えば、より対照的な蛇行線構造アンテナ素子が900MHzで動作するように設計され、次に5.8GHzの周波数を有する信号を送信すれば、より対照的な蛇行線構造アンテナ素子は60%のエネルギー転送効率を実現することができる可能性がある)。対照的に、様々な蛇行パターンを有するアンテナ素子(例えば図14A~14Dに示すもの)は、様々な周波数で動作する一方で80%以上のエネルギー転送効率を実現することができる可能性がある。このようにして、図14A~14Dに示すアンテナ素子の設計は、単一アンテナ素子が様々な周波数でより効率的な動作を実現することができるということを保証する。
【0201】
[0219] 図15は、いくつかの実施形態によるアンテナ素子の長さを調整することにより複数の周波数又は周波数帯において動作し得る個々のアンテナ素子の例示的構成を示す図である。
【0202】
[0220] 図15に示すようないくつかの実施形態では、RF充電パッド1500の1つ又は複数の送信アンテナ素子の少なくとも1つの送信アンテナ素子1502(図3~8と図13~14に説明したような)は、第1の導電性セグメント1504(アンテナ素子120、1201の上に説明したものうちの任意のものなどの蛇行導電線の第1の部分)と、第2の導電性セグメント1506(アンテナ素子120、1201の上に説明したものうちの任意のものなどの蛇行導電線の第2の部分)とを有する。いくつかの実施形態では、第1の導電性セグメントは入力端子(図3Bの123又は図12の1203)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信アンテナ素子1502は、第1の導電性セグメント1504が第2の導電性セグメント1506と結合されていない間は第1の周波数(例えば2.4GHz)において動作するように構成される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信アンテナ素子1502は、第1の導電性セグメントが第2の導電性セグメントと結合されている間は、第1の周波数とは異なる第2の周波数(例えば900MHz)において動作するように構成される。
【0203】
[0221] いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ(図3A~3Bの110又は図12の1210)は、給電素子(図3A~3Bでは108としてそして図12では1208として説明したような)に第1の周波数(例えば2.4GHz)とは異なる第2の周波数(例えば900MHz)を有する電流を生成するように指示することと連携して第1のセグメントと第2のセグメントとの結合を引き起こすように構成され、これによりアンテナ素子1502が第2の周波数でより効率的に動作することを可能にする。1つ又は複数のプロセッサはまた、給電素子に第2の周波数の代わりに第1の周波数を有する電流を生成するように指示することと連携して、第1の導電性セグメントからの第2の導電性セグメントの減結合を引き起こすように構成され得、これによりアンテナ素子1502が再び第1の周波数でより効率的に動作することを可能にする。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、受信器(例えばRX104又は1204)から受信された情報(受信器が動作するように構成された周波数を識別する)に基づきこれらの導電性セグメントの結合(又は減結合)を引き起こすべきかどうかを判断するように構成される(例えばより長い受信アンテナを有する大型装置に関し、この周波数は900MHzであり得、一方小型受信アンテナを有する小型装置に関し、この周波数は2.4GHzであり得る)。
【0204】
[0222] いくつかの実施形態では、図15で説明した結合は、2つの接続点の間又は2つの異なるセグメントの間に位置する導電線をバイパスする一方で単一アンテナ素子1502の2つの異なるセグメント同士を直接接続することにより実施され得る。いくつかの実施形態では、結合は、アンテナ素子1502の3つ以上の異なるセグメント間で実施され得る。単一蛇行線アンテナ素子1502の様々な部分又はセグメント同士の結合は、アンテナ素子1502の導電線のサイズ又は長さを実効的に変更し、したがって単一アンテナ素子1502が様々な周波数で動作することを可能にし得る。単一アンテナ素子1502はまた、マルチバンドアンテナとして2つ以上の周波数帯において動作し得る。
【0205】
[0223] これらの例のすべては非限定的であり、任意数の組み合わせ及び多層構造が、上述の例構造を使用することにより可能である。
【0206】
[0224] 当業者が本開示を読みながら容易に理解するように、別の実施形態もまた様々な実施形態において組み合わされる又はそうでなければ再配置される図1~15の実施形態を含む上記実施形態の様々な下位集合を含む。
【0207】
[0225] 本明細書における本発明の説明に使用される用語は、特定の実施態様を説明することだけを目的とするものであり、本発明を制限するようには意図されていない。本発明の説明と添付の特許請求の範囲において使用されるように、文脈が明示しない限り単数形の定冠詞と不定冠詞は複数形も同様に含むように意図されている。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連リストアイテムのうちの1つ又は複数のリストアイテムの全ての可能な組み合わせに言及し且つ包含するということも理解されることになる。用語「含む」は、本明細書で使用される場合、記載された機能、工程、動作、素子、及び/又は部品の存在を明示するが、1つ又は複数の他の機能、工程、動作、素子、部品、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除するものではないということもさらに理解されることになる。
【0208】
[0226] 第1、第2などの用語は様々な素子を説明するために本明細書で使用されるが、これらの素子はこれらの用語により限定されるべきではないということも理解されることになる。これらの用語は1つの素子を別の素子から区別するためにだけ使用される。例えば、「第1の領域」のすべての発生が一貫して改称され且つ第2の領域のすべての発生が一貫して改称される限り、本明細書の意味を変更することなく、第1の領域は第2の領域と称せられる可能性があり、同様に第2の領域は第1の領域と称せられる可能性がある。第1の領域と第2の領域は両方とも領域であるが同じ領域ではない。
【0209】
[0227] これまでの説明は、説明を目的として、特定の実施形態を参照して行われた。しかし、上記例示的論述は、網羅的であること、あるいは本発明を開示された正確な形式に限定することを意図するものではない。上記教示を考慮することにより多くの修正と変形が可能である。実施形態は、本発明の原理及び実用化について最も良く説明するために、そしてこれにより当業者が、本発明と、企図される特定の使用に適するような様々な修正を有する様々な実施形態とを最も良く利用できるようにするために、選択され説明された。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15