(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】窓装置
(51)【国際特許分類】
E06B 1/12 20060101AFI20220701BHJP
E06B 1/36 20060101ALI20220701BHJP
E04B 2/56 20060101ALI20220701BHJP
E06B 3/04 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
E06B1/12 Z
E06B1/36 Z
E04B2/56 621H
E06B3/04
(21)【出願番号】P 2018224097
(22)【出願日】2018-11-29
【審査請求日】2021-09-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000155207
【氏名又は名称】株式会社明工
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山川 光弘
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 真嗣
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-105907(JP,A)
【文献】特開2005-163849(JP,A)
【文献】実開昭52-110706(JP,U)
【文献】特開2002-13229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/12
E06B 1/36
E04B 2/56
E06B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光板の四周を囲むように中空状のフレームを設けた窓装置であって、
前記四周のフレームのうち隣り合う窓装置に突き合わせられて互いに連結される連結側フレームの長手方向途中部位に連結ブロックが収容されており、
突き合わせられる連結側フレームのうちの一方に収容された連結ブロックには、当該連結ブロックが収容された前記連結側フレームの窓内周側を構成する内周壁に設けられた固着具挿通孔を介して挿入された固着具の頭部を保持する頭部保持部が設けられ、突き合わせられる連結側フレームのうちの他方に収容された連結ブロックには、突き合わせられた各連結側フレームの窓外周側を構成する外周壁を貫通した前記固着具の軸部が係止される被係止部が設けられていることを特徴とする窓装置。
【請求項2】
請求項1において、
互いに突き合わせられる連結側フレームに収容された連結ブロックには、これら連結ブロック同士の連結が見込方向両側の固着具によってなされるように前記頭部保持部及び前記被係止部が設けられていることを特徴とする窓装置。
【請求項3】
請求項2において、
互いに突き合わせられる連結側フレームのうちの一方の連結側フレームに収容された連結ブロックの見込方向第1側部位に前記頭部保持部が設けられ、かつ見込方向第2側部位に前記被係止部が設けられており、他方の連結側フレームに収容された連結ブロックの見込方向第1側部位に前記被係止部が設けられ、かつ見込方向第2側部位に前記頭部保持部が設けられていることを特徴とする窓装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記連結ブロックの頭部保持部には、前記固着具の頭部の連結側フレーム長手方向両側に位置するように、かつ前記連結側フレームの対向する中空部内面間に亘って延びるようにガイド壁が設けられていることを特徴とする窓装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記連結ブロックの被係止部は、前記固着具の軸部を構成する雄ねじ部にねじ合わされるナット部材の雌ねじ穴であることを特徴とする窓装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記連結ブロックには、前記連結側フレームの中空部内面において開口するように設けられた嵌合凹部に嵌め合わされる嵌合突起が設けられていることを特徴とする窓装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項において、
前記固着具挿通孔を覆うキャップ部材を備えていることを特徴とする窓装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項において、
互いに突き合わせられる連結側フレームのうちの一方の連結側フレームの外周壁には、他方側に向けて突出し全長に亘って延びる突条が設けられており、他方の連結側フレームの外周壁には、前記突条が係合する凹溝が全長に亘って延びるように設けられていることを特徴とする窓装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項において、
前記四周のフレームのうち前記連結側フレームに対向するフレームにも前記連結ブロックが収容されていることを特徴とする窓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の窓部材などのパネル状の部材を隣り合わせて連結する構造が知られている。
例えば、下記特許文献1には、左右に隣接した一方の窓部の縦枠と他方の窓部の縦枠とを、これらの見付面に跨るように設けられる方立によって連結する構造とされた連窓が開示されている。
また、下記特許文献2には、隣り合うパネルの四角柱形状の縦枠材のそれぞれの上端開口に挿入される支持部材を備え、縦枠材同士を結合する部材結合装置が開示されている。この部材結合装置は、支持部材に、縦枠材の上端部の結合面に設けられた縦長楕円形状のボルト挿通口に連通する開口より斜め上方へ延びて貫通するボルト挿通孔と、開口より斜め下方へ延び、内面にめねじ処理が施されたナット要素と、を設けた構成とされている。また、この部材結合装置は、一方の縦枠材の上端開口からその支持部材のボルト挿通口を介して他方の縦枠材の支持部材のナット要素に傾斜ボルトを挿入・締結することでパネル同士を結合させる構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-63800号公報
【文献】特開2005-163849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された連窓では、隣り合う窓部の縦枠の見付面において方立が目立ち易くなるという問題があった。
また、上記特許文献2に記載された部材結合装置では、縦枠の上端側に締結時に作業スペースが必要となるため、開口部等に設置した状態では結合し難く、更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、見栄えを向上させながらも、設置する際の作業性を向上し得る窓装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る窓装置は、透光板の四周を囲むように中空状のフレームを設けた窓装置であって、前記四周のフレームのうち隣り合う窓装置に突き合わせられて互いに連結される連結側フレームの長手方向途中部位に連結ブロックが収容されており、突き合わせられる連結側フレームのうちの一方に収容された連結ブロックには、当該連結ブロックが収容された前記連結側フレームの窓内周側を構成する内周壁に設けられた固着具挿通孔を介して挿入された固着具の頭部を保持する頭部保持部が設けられ、突き合わせられる連結側フレームのうちの他方に収容された連結ブロックには、突き合わせられた各連結側フレームの窓外周側を構成する外周壁を貫通した前記固着具の軸部が係止される被係止部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る窓装置は、上述のような構成としたことで、見栄えの向上が可能で、かつ設置する際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る窓装置の一例を模式的に示し、
図3(a)におけるX-X線矢視に対応させた一部破断概略横断面図である。
【
図2】
図3(a)におけるY-Y線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。
【
図3】(a)は、同窓装置を設置した状態を模式的に示す概略正面図、(b)は、
図1に対応させた同窓装置の一部破断概略横断面図である。
【
図5】
図4におけるZ部に対応させた一部破断概略斜視図である。
【
図7】(a)、(b)は、同窓装置が備える連結ブロックの一例を模式的に示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、本実施形態に係る窓装置を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1~
図7は、本実施形態に係る窓装置の一例を模式的に示す図である。
【0010】
本実施形態に係る窓装置1は、
図1~
図3に示すように、透光板10の四周を囲むように中空状のフレーム11,12,14,14を設けた構成とされている。
この窓装置1は、住居や店舗等の建物の壁を貫通するように設けられた開口部2に設置される。この窓装置1が設置される開口部2は、建物の内外を区画する外壁を貫通するように設けられたものでもよいが、本実施形態では、建物内を区画する間仕切壁を貫通するように設けられたものとしている。つまり、窓装置1を室内窓としている。
【0011】
開口部2は、間仕切壁の高さ方向途中部位に設けられたものでもよい。また、開口部2は、床から間仕切壁の高さ方向途中部位または天井に至るように設けられたものでもよく、間仕切壁の高さ方向途中部位から天井に至るように設けられたものでもよい。また、開口部2は、対向する壁面間の全体に亘って設けられたものでもよい。また、開口部2は、建物内を区画する間仕切壁に限られず、袖壁等を貫通するように設けられたものでもよい。また、開口部2の内周面を構成する天面2a、底面2b及び開口幅方向両側の内側面2c,2cは、種々の構成とされた窓下地の下地面でもよく、また、方形状に枠組みされた窓枠の見込面でもよい。また、天面2a、底面2b及び開口幅方向両側の内側面2c,2cのうちの少なくとも一つを窓枠の見込面としてもよい。なお、窓装置1が設置される開口部2としては、四周が囲まれたものに限られず、一方側が開放されたものでもよく、その他、種々の構成とされたものでもよい。窓装置1は、腰高窓状に設けられる構成に限られず、床際や天井際に設けられる構成でもよく、また、間仕切壁状や袖壁状に設けられる構成でもよい。
【0012】
窓装置1は、
図1及び
図3(a)に示すように、四周のフレーム11,12,14,14を構成する上部フレーム11と下部フレーム12と開口幅方向両側の側部フレーム14,14とを備えている。また、窓装置1は、これら四周のフレーム11,12,14,14のうち隣り合う窓装置1に突き合わせられて互いに連結される連結側フレーム14Aの長手方向途中部位に収容された連結ブロック20を備えている。本実施形態では、一方の側部フレーム14を連結側フレーム14Aとしている。また、本実施形態では、この連結側フレーム14Aに対向する側部フレーム14(端部フレーム14B)にも連結ブロック20を収容させた構成としている。なお、連結ブロック20の具体的構成については後述する。
また、本実施形態では、これら四周のフレーム11,12,14,14内を区画する中間フレーム13を設けた構成としている。また、中間フレーム13を、四周のフレーム11,12,14,14内を上下に区画するように開口幅方向に延びるように設けた構成としている。また、この中間フレーム13の上下両側に固定的に透光板10,10を設けた構成としている。つまり、本実施形態では、窓装置1は、開閉不能とされた固定窓(FIX窓)とされている。
【0013】
透光板10は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂系材料や、ガラス等の透光性材料から形成されている。この透光板10は、略無色透明とされたものに限られず、有色透明とされたものや半透明とされたものでもよい。この透光板10としては、例えば、透明材料に着色剤が添加されて有色透明とされたものや、樹脂フィルム等が積層されて有色透明とされたものでもよい。また、この透光板10としては、スモークガラス状やすりガラス状とされたものでもよく、チェッカー状やモール状、アクア状、レイン状、かすみ状等の種々の模様が施された装飾透光板としてもよく、その他、種々の構成とされたものでもよい。
【0014】
四周のフレーム11,12,14,14及び中間フレーム13には、
図1及び
図2に示すように、透光板10の四周端部を受け入れる受入溝11a,12a,13a,13a,15a,15aが設けられている。また、これら受入溝11a,12a,13a,13a,15a,15aには、透光板10の四周端部を保持するガスケット(グレイジングガスケット)17,17,17,17が嵌め込まれている。このようなガスケット17としては、断面略C字状とされたいわゆるグレイジングチャンネルや見込方向(透光板10の厚さ方向)に分離されたグレイジングビードでもよい。
また、本実施形態では、
図3(a)に示すように、上下方向両側の上部フレーム11及び下部フレーム12と、開口幅方向両側の側部フレーム14,14と、をいわゆる縦勝ち状に接合した構成としている。つまり、上部フレーム11及び下部フレーム12の長手方向の各端面と、各側部フレーム14,14の上端部及び下端部の互いに向き合う内側面(窓内周面)と、を突き合わせて接合した構成としている。これら四周のフレーム11,12,14,14及び中間フレーム13の接合態様の一例については後述する。
【0015】
上部フレーム11は、開口幅方向に長尺状とされ、
図2に示すように、長手方向に見て概ね方形状とされている。この上部フレーム11の上下方向に向く上面(窓外周面)及び下面(窓内周面)並びに見込方向に向く両側面は、略平坦面状とされている。
また、この上部フレーム11の長さ寸法は、開口幅方向両側の側部フレーム14,14間の寸法に応じた寸法とされている。また、この上部フレーム11の上下方向に沿う寸法(見付寸法)及び見込寸法は、見栄え上や強度上の観点や、透光板10を安定的に保持する観点、当該窓装置1の固定性等の観点等から適宜の寸法としてもよい。本実施形態では、上部フレーム11の上下方向に沿う寸法を、上部フレーム11の見込寸法よりも小としている。この上部フレーム11の上下方向に沿う寸法は、例えば、10mm~40mm程度としてもよい。また、この上部フレーム11の見込寸法は、例えば、30mm~60mm程度としてもよい。
【0016】
この上部フレーム11の受入溝11aは、上部フレーム11の窓内周側において下方側に向けて開口するように設けられている。この受入溝11aは、上部フレーム11の全長に亘って設けられている。また、受入溝11aは、上部フレーム11の見込方向略中央部に設けられている。図例では、この受入溝11aの溝幅方向両側を区画する両側の溝壁面の開口側部位に、互いに対向する方向に向けて突出し、ガスケット17の抜け止めとなる抜止片部を設けた例を示している。
また、上部フレーム11の受入溝11aの見込方向両側には、全長に亘って貫通するように中空部が設けられている。換言すれば、上部フレーム11の受入溝11aの見込方向両側部位を、中空筒状としている。また、受入溝11aを、上部フレーム11の窓内周側を構成する内周壁(下壁)に設けた構成としている。
【0017】
また、この上部フレーム11には、
図2及び
図6に示すように、側部フレーム14の上端部を接合する固着具9が止着される止着部11bが設けられている。図例では、上部フレーム11の内周壁の上面(中空部内面)側の見込方向両側のそれぞれに止着部11b,11bを設けた例を示している。これら止着部11b,11bは、上部フレーム11の略全長に亘って延びるように設けられたものでもよい。
また、上部フレーム11に、当該上部フレーム11を固定対象に固定する固着具3が挿通される挿通孔11c,11dを設けた構成としている。図例では、上部フレーム11の内周壁を貫通させるように内周側挿通孔11cを設け、上部フレーム11の窓外周側を構成する外周壁(上壁)を貫通させるように外周側挿通孔11dを設けた例を示している。また、図例では、この外周側挿通孔11dが設けられた外周壁の下面(中空部内面)を、見込方向中央側から見込方向外側に向かうに従い上方側となるように傾斜する傾斜面状とした例を示している。また、このように傾斜面状とされた外周壁の内面に対して略直交方向となるように外周側挿通孔11dを設けた例を示している。
【0018】
内周側挿通孔11cは、固着具3の頭部の挿通が可能なように内径が頭部の外径よりも大とされている。外周側挿通孔11dは、固着具3の軸部の挿通が可能でかつ頭部の挿通が不能なように内径が軸部の外径よりも大とされ、かつ頭部の外径よりも小とされている。
また、これら内周側挿通孔11cと外周側挿通孔11dとは、固着具3の軸方向で略一致した位置となるように設けられている。これら内周側挿通孔11c及び外周側挿通孔11dは、上部フレーム11の長手方向に間隔を空けて複数箇所(図例では、2箇所)に設けられたものでもよい。また、図例では、これら内周側挿通孔11c及び外周側挿通孔11dを、上部フレーム11の受入溝11aの見込方向一方側部位に設けた例を示している。
また、内周側挿通孔11cを覆うキャップ部材18を設けた構成としている。このような構成とすれば、上部フレーム11の中空部内や固着具3の頭部、内周側挿通孔11cをキャップ部材18によって覆い隠すことができ、見栄えを向上させることができる。このキャップ部材18には、内周側挿通孔11bよりも大径状の覆い部と内周側挿通孔11cに圧入状に嵌め込まれる嵌込部とが設けられている。また、図例では、上部フレーム11に、窓外周側において上方側に向けて開口する凹溝を全長に亘って設けた例を示している。
【0019】
下部フレーム12は、開口幅方向に長尺状とされ、長手方向に見て概ね方形状とされている。本実施形態では、この下部フレーム12を、上部フレーム11と同寸同形状、つまり、同一部材としている。つまりは、この下部フレーム12には、上記同様な受入溝12a、止着部12b,12b、内周側挿通孔12c、外周側挿通孔12d、凹溝12e及びキャップ部材18が設けられている。なお、下部フレーム12の各部は、上部フレーム11において説明したそれぞれの構成の上下方向を逆として把握すればよいため、以下では、詳細な説明を省略する。
受入溝12aは、下部フレーム12の窓内周側において上方側に向けて開口するように、かつ下部フレーム12の全長に亘って設けられている。
止着部12b,12bは、下部フレーム12の窓内周側を構成する内周壁(上壁)の下面(中空部内面)側の見込方向両側のそれぞれに設けられている。
【0020】
内周側挿通孔12cは、下部フレーム12の内周壁を貫通するように設けられている。
外周側挿通孔12dは、上面(中空部内面)が見込方向中央側から見込方向外側に向かうに従い下方側となるように傾斜する傾斜面状とされた下部フレーム12の外周壁(下壁)の内面に対して略直交方向となるように設けられている。
凹溝12eは、下部フレーム12の窓外周側において下方側に向けて開口するように、かつ下部フレーム12の全長に亘って設けられている。この凹溝12eは、受入溝12aと同様、略平坦面状とされた下部フレーム12の外周壁の見込方向略中央部に位置するように設けられている。また、この凹溝12eは、溝長手方向に見て、略方形溝状とされている。この凹溝12eの上下方向に沿う深さ寸法及び見込方向に沿う溝幅寸法は、後記する下側ガイド8の受け入れが可能なように適宜の寸法とすればよい。
【0021】
中間フレーム13は、開口幅方向に長尺状とされ、長手方向に見て概ね方形状とされている。この中間フレーム13の上下方向(見付方向)に向く上面及び下面並びに見込方向に向く両側面は、略平坦面状とされている。この中間フレーム13の見付寸法及び見込寸法は、見栄え上や強度上の観点や、透光板10を安定的に保持する観点等から適宜の寸法としてもよい。図例では、この中間フレーム13の見付寸法及び見込寸法を、上部フレーム11及び下部フレーム12の見付寸法及び見込寸法と略同寸法とした例を示している。
また、この中間フレーム13には、上下方向両側において開口するように受入溝13a,13aが全長に亘って設けられている。これら受入溝13a,13aは、上記同様、見込方向略中央部に設けられている。また、上記同様、これら受入溝13a,13aの溝幅方向両側を区画する両側の溝壁面の開口側部位に抜止片部を設けた例を示している。
【0022】
また、これら受入溝13a,13aの溝底を構成する部位同士を接続する壁部を設け、この壁部の見込方向両側に、全長に亘って貫通するように中空部を設けた構成としている。
また、この中間フレーム13に、上記同様の止着部13b,13bを設けた例を示している。図例では、中間フレーム13の上面側を構成する上壁の下面(中空部内面)側の見込方向両側のそれぞれに止着部13b,13bを設けた例を示している。なお、図例では、1本の中間フレーム13を設けた例を示しているが、複数本の中間フレーム13を設けた構成としてもよい。また、開口幅方向に延びる中間フレーム13に代えてまたは加えて上下方向に延びる中間フレームを設けた構成としてもよい。また、中間フレーム13としては、四周のフレーム11,12,14,14とによって透光板10の四周を保持する構成とされたものに限られず、透光板10の少なくとも厚さ方向一方面に沿うように固定される格子子状材としてもよい。
【0023】
開口幅方向両側の側部フレーム14,14は、
図3及び
図6に示すように、上下方向に長尺状とされ、長手方向に見て概ね方形状とされている。これら側部フレーム14,14の開口幅方向に向く両側面及び見込方向に向く両側面は、概ね平坦面状とされている。また、本実施形態では、これら両側の側部フレーム14,14を、互いに同寸同形状、つまり、同一部材としている。また、これら両側の側部フレーム14,14は、長手方向に貫通するように中空部が設けられた中空筒状とされている。これら両側の側部フレーム14,14の開口幅方向に沿う寸法(見付寸法)及び見込寸法は、上記同様、見栄え上や強度上の観点や、透光板10を安定的に保持する観点等から適宜の寸法としてもよい。図例では、これら両側の側部フレーム14,14の見付寸法及び見込寸法を、上部フレーム11及び下部フレーム12の見付寸法及び見込寸法と略同寸法とした例を示している。
【0024】
これら側部フレーム14,14の上端部、長手方向途中部位(図例では略中央部位)及び下端部には、上部フレーム11、中間フレーム13及び下部フレーム12の止着部11b,13b,12bに止着される固着具9が挿通される挿通孔が設けられている。この挿通孔は、詳細な図示は省略しているが、各側部フレーム14,14の内周壁15及び外周壁16を貫通するように設けられている。また、図例では、各側部フレーム14,14の上端部、略中央部位及び下端部のそれぞれにおける見込方向両側に挿通孔を設けた例を示している。なお、側部フレーム14,14と上部フレーム11、中間フレーム13及び下部フレーム12との接合は、このような態様に限られず、適宜の接合金具等を介して接合する態様としてもよく、その他、種々の接合態様に採用が可能である。また、これら側部フレーム14,14の下端部には、後記する下側ガイド8を受け入れる当該窓装置1の下端部の凹溝を下部フレーム12の凹溝12eとによって構成する凹所が設けられている。
【0025】
また、これら両側の側部フレーム14,14の受入溝15a,15aは、窓内周側を構成する内周壁15,15に設けられている。また、これら受入溝15a,15aは、上記同様、各側部フレーム14,14のそれぞれに全長に亘って設けられている。また、これら受入溝15a,15aは、各側部フレーム14,14の見込方向略中央部に設けられている。また、上記同様、これら受入溝15a,15aの溝幅方向両側を区画する両側の溝壁面の開口側部位に抜止片部を設けた例を示している。
また、内周壁15,15に、固着具挿通孔15b,15bを設けた構成としている。本実施形態では、各側部フレーム14,14の内周壁15,15に、フレーム長手方向に間隔を空けて複数(図例では2つ)の固着具挿通孔15b,15bを設けた構成としている。図例では、各側部フレーム14,14の内周壁15,15における上部フレーム11と中間フレーム13との間及び中間フレーム13と下部フレーム12との間のそれぞれに固着具挿通孔15b,15bを設けた例を示している。
【0026】
また、各側部フレーム14,14の内周壁15,15の受入溝15a,15aよりも見込方向一方側部位において開口するように固着具挿通孔15b,15bを設け、受入溝15a,15aよりも見込方向他方側部位には固着具挿通孔を設けていない構成としている。また、一方の側部フレーム14の見込方向第1側部位に固着具挿通孔15b,15bを設け、他方の側部フレーム14の見込方向第2側部位(見込方向第1側部位とは見込方向で異なる側の部位)に固着具挿通孔15b,15bを設けた構成としている。これら固着具挿通孔15b,15bは、固着具4の頭部5の挿通が可能なように内径が頭部5の外径よりも大とされている。
【0027】
また、本実施形態では、これら側部フレーム14,14の固着具挿通孔15b,15bを覆うキャップ部材18,18を設けた構成としている。このような構成とすれば、各側部フレーム14,14の中空部内や固着具4の頭部5、固着具挿通孔15bをキャップ部材18によって覆い隠すことができ、見栄えを向上させることができる。図例では、固着具挿通孔15bを覆うキャップ部材18を、上記した上部フレーム11及び下部フレーム12の内周側挿通孔11c,12cを覆うキャップ部材18,18と同寸同形状、つまり、同一部材としている。なお、内周側挿通孔11c,12c及び固着具挿通孔15bを覆うキャップ部材18としては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の構成とされたものの採用が可能である。
【0028】
また、本実施形態では、互いに突き合わせられる連結側フレーム14A,14Aのうちの一方の連結側フレーム14Aの窓外周側を構成する外周壁16に、他方側に向けて突出し全長に亘って延びる突条16bを設けた構成としている。また、他方の連結側フレーム14Aの外周壁16に、一方の連結側フレーム14Aの突条16bに係合する凹溝16cを全長に亘って延びるように設けた構成としている。このような構成とすれば、互いに隣り合う窓装置1,1の一方の連結側フレーム14Aの突条16bと他方の連結側フレーム14Aの凹溝16cとを係合させることで、互いに突き合わせられる連結側フレーム14A,14Aの見込方向における位置決めを容易に行うことができる。また、互いに突き合わせられる連結側フレーム14A,14A間における隙間を生じ難くすることができる。
【0029】
本実施形態では、連結側フレーム14A及び連結側とは異なる側の端部フレーム14Bを構成する両側の側部フレーム14,14を同一部材としているので、これら側部フレーム14,14のそれぞれに突条16b及び凹溝16cを設けた構成としている。つまり、一方の側部フレーム14の見込方向第1側部位に突条16b、見込方向第2側部位に凹溝16cを設け、他方の側部フレーム14の見込方向第1側部位に凹溝16c、見込方向第2側部位に突条16bを設けた構成としている。つまりは、隣り合う窓装置1,1の連結側フレーム14A,14A同士を突き合わせた状態では、見込方向の2箇所において突条16bと凹溝16cとが係合する構成としている。
【0030】
また、各側部フレーム14,14の外周壁16,16に、見込方向中央部から等距離となるように突条16b,16b及び凹溝16c,16cを設けた構成としている。これら突条16b及び凹溝16cの見込方向に沿う寸法及び開口幅方向に沿う寸法は、位置決め性や隙間を生じ難くする観点等から適宜の寸法としてもよく、例えば、0.5mm~2mm程度としてもよい。
また、
図5に示すように、側部フレーム14の外周壁16の見込方向両側の縁部に、面取部を設けた構成としている。このような構成とすれば、隣り合う窓装置1,1を連結して連結側フレーム14A,14A同士を突き合わせた状態における見付面の段差を目立ち難くすることができる。
【0031】
また、本実施形態では、側部フレーム14,14のうちの開口部2の内側面2c側となる端部フレーム14Bの外周壁16に、内側面2cに当接されるシール材(パッキン)19を収容する側部溝16dを設けた構成としている。本実施形態では、両側の側部フレーム14,14の外周壁16,16の見込方向両側に、開口幅方向(窓幅方向)外側に向けて開口する側部溝16d,16dを設けた構成としている。また、端部フレーム14Bの側部溝16d,16dのそれぞれにシール材19,19を設け、連結側フレーム14Aの側部溝16d,16dには、シール材19,19を設けていない構成としている。
これら側部溝16d,16dは、各側部フレーム14,14の全長に亘って延びるように設けられており、突条16b及び凹溝16cが設けられた見込方向中央側部位の見込方向両側に設けられている。また、これら側部溝16d,16dの溝幅や溝深さは、シール材19,19の収容が可能なように適宜の寸法とすればよい。
【0032】
シール材19は、
図3(b)に示すように、内側面2cに当接されていない自然状態では、側部溝16dから窓幅方向外側に向けて突出する構成とされている。図例では、シール材19は、側部溝16dの溝底に固定される固定片部と、該固定片部の見込方向一端部から窓幅方向外側に向けて延びるように設けられ、内側面2cへの当接を伴って溝底側に折り畳まれるように変形する弾性片部と、を備えた構成とされている。なお、図例では、シール材19の固定片部及び弾性片部を同材料から形成されたものとした例を示しているが、硬質の固定片部と軟質の弾性片部とを、例えば、二色成形(異材質成形)等によって形成した構成とされたものでもよい。また、図例では、側部フレーム14(端部フレーム14B)の見込方向中央側が弾性片部の自由端側となるようにシール材19を固定した例を示しているが、このような態様に限られない。また、このシール材19は、当該窓装置1の施工現場において開口部2の内側面2c側となる端部フレーム14Bの側部溝16dの溝底に適宜の粘着材や接着剤等によって固定されるものでもよい。また、シール材19としては、図例のような片持状に弾性片部を設けた構成とされたものに限られず、種々の構成とされたものの採用が可能である。
【0033】
互いに突き合わせられる連結側フレーム14A,14Aのそれぞれに収容され、互いに連結される連結ブロック20,20は、
図4及び
図5に示すように、互いに略同高さに位置するように設けられている。一方の連結側フレーム14Aに収容された連結ブロック20には、当該連結ブロック20が収容された連結側フレーム14Aの内周壁15の固着具挿通孔15bを介して挿入された固着具4の頭部5を保持する頭部保持部21が設けられている。また、他方の連結側フレーム14Aに収容された連結ブロック20には、突き合わせられた各連結側フレーム14A,14Aの外周壁16を貫通した固着具4の軸部を構成する雄ねじ部6が係止される被係止部を構成する雌ねじ穴27が設けられている。
【0034】
上記のような構成とすれば、隣り合う窓装置1,1の連結側フレーム14A,14A同士を突き合わせた状態で、それぞれに収容された連結ブロック20,20同士を固着具4によって締結して連結させることができる。これにより、隣り合う窓装置1,1同士を連結する方立が見付面において露出するようなものと比べて、見栄えを向上させることができる。また、一方の窓装置1の連結側フレーム14Aの固着具挿通孔15bを介して挿入された固着具4の頭部5をこの窓装置1の連結ブロック20の頭部保持部21に保持させ、雄ねじ部6を他方の窓装置1の連結ブロック20の雌ねじ穴27に係止させることができる。これにより、窓装置1を開口部2内に設置した状態で連結することができ、開口部2に設置する前に連結する必要があるものと比べて、設置する際の作業性を向上させることができる。また、固着具4を挿入する側の連結ブロック20に固着具4の頭部5を保持させることができる。これにより、例えば、連結側フレーム14A,14Aの外周壁16,16同士をビス等によって直接的に締結するものと比べて、締結する際における意図しない固着具4の連結側フレーム14A内への落下等を抑制することができる。また、固着具4の頭部5が連結側フレーム14A内に位置することとなるので、連結側フレーム14Aの表面において頭部5が露出するようなものと比べて、見栄えを向上させることができる。
【0035】
また、本実施形態では、互いに突き合わせられる連結側フレーム14A,14Aの連結ブロック20,20に、連結ブロック20,20同士の連結が見込方向両側の固着具4,4によってなされるように頭部保持部21,21及び雌ねじ穴27,27を設けている。このような構成とすれば、見込方向一方側のみの固着具4によって連結する構成とされたものと比べて、見込方向両側の固着具4によって連結強度を向上させることができる。
また、本実施形態では、互いに突き合わせられる連結側フレーム14A,14Aのうちの一方の連結側フレーム14Aに収容された連結ブロック20の見込方向第1側部位に頭部保持部21を設け、かつ見込方向第2側部位に雌ねじ穴27を設けた構成としている。また、他方の連結側フレーム14Aに収容された連結ブロック20の見込方向第1側部位に雌ねじ穴27を設け、かつ見込方向第2側部位に頭部保持部21を設けた構成としている。このような構成とすれば、一方の連結側フレーム14Aの見込方向第1側部位に固着具挿通孔15bが設けられ、他方の連結側フレーム14Aの見込方向第2側部位に固着具挿通孔15bが設けられることとなる。これにより、透光板10が透視性の良好な透明であるような場合にも、突き合わせられた連結側フレーム14A,14Aの見込面(窓内周側に向く面)に同数の固着具挿通孔15b(キャップ部材18)が設けられたような外観を呈することができる。
【0036】
また、本実施形態では、連結側フレーム14Aに、長手方向に間隔を空けて複数(図例では2つ)の連結ブロック20を収容させた構成としている。このような構成とすれば、互いに突き合わせられる連結側フレーム14A,14Aの長手方向の複数箇所を連結ブロック20によって連結することができ、連結強度を向上させることができる。
また、本実施形態では、両側の側部フレーム14,14のそれぞれに連結ブロック20,20を収容させた構成としている。このような構成とすれば、三枚以上の窓装置1を隣り合わせて連結することもできる。
【0037】
また、本実施形態では、同寸同形状とされた連結ブロック20,20を、両側の側部フレーム14,14のそれぞれに一方が他方に対して側部フレーム長手方向に沿う軸回りに180度回転させた状態となるように収容させた構成としている。また、当該窓装置1を、側部フレーム長手方向に沿う軸回りに略2回対称状となるような構成としている。このような構成とすれば、可動窓部材が設けられて開閉方向が規定されているような場合等を除いては、複数枚の窓装置1を隣り合わせて連結する際に、表裏を問わずに施工するようなこともできる。なお、窓装置1が側部フレーム長手方向に沿う軸回りに略2回対称状とは、当該窓装置1を表裏反転させて設置可能な構成であればよい。例えば、上部フレーム11及び下部フレーム12の内周側挿通孔11c,12c及び外周側挿通孔11d,12dは、2回対称状に設けられていないが、このようなものでもよい。また、各連結ブロック20は同一部材であるため、以下では、一つを例にとって連結ブロック20の具体的構成について説明する。
【0038】
連結ブロック20は、
図6に示すように、側部フレーム長手方向に沿う寸法が側部フレーム14の長さ寸法よりも小とされている。この連結ブロック20の側部フレーム長手方向に沿う寸法は、連結強度や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよく、例えば、20mm~50mm程度としてもよく、図例では、側部フレーム14の見付寸法と概ね同寸法とした例を示している。
また、この連結ブロック20は、
図3(b)に示すように、側部フレーム長手方向に見て、側部フレーム14の中空部の形状に応じた外郭形状とされている。図例では、連結ブロック20の窓幅方向内側の見込方向中央側部位に、受入溝15aを区画する部位を受け入れる凹所を設けた例を示している。また、連結ブロック20の窓幅方向外側の見込方向両側部位に、側部溝16d,16dを区画する部位を受け入れる凹所を設けた例を示している。換言すれば、連結ブロック20の窓幅方向外側の見込方向中央側部位に、窓幅方向外側に向けて突出する突部を設けた例を示している。
【0039】
この連結ブロック20の頭部保持部21及び雌ねじ穴27は、側部フレーム14内に挿入された状態で、受入溝15aの見込方向両側に位置するように配される構成とされている。
本実施形態では、連結ブロック20の頭部保持部21に、固着具4の頭部5の側部フレーム長手方向両側に位置するように、かつ側部フレーム14の対向する中空部内面間に亘って延びるようにガイド壁22,22を設けた構成としている(
図7(b)参照)。このような構成とすれば、固着具4を両側のガイド壁22,22に沿わせるようにして挿入することができ、作業性をより向上させることができる。図例では、頭部保持部21に、窓幅方向内側及び見込方向外側に向けて開口し、固着具4の頭部5を受け入れる凹所を区画するように、上下両側のガイド壁22,22と見込方向中央側のガイド壁23と底壁24とを設けた構成としている。
【0040】
これらガイド壁22,22,23の窓幅方向内側の端部は、側部フレーム14の内周壁15に当接または近接するように設けられている。連結ブロック20は、これらガイド壁22,22,23によって区画された凹所が側部フレーム14の固着具挿通孔15bに一致する位置となるように側部フレーム14内に設けられている。なお、固着具4の頭部5の三方を囲むようにガイド壁22,22,23を設けた態様に代えて、全周に亘って囲むようにガイド壁を設けた構成としてもよい。また、側部フレーム長手方向両側のみにガイド壁22,22を設けた構成としてもよく、更には、側部フレーム長手方向一方側のみにガイド壁22を設けた構成としてもよい。好ましくは、少なくとも頭部5の下方側に位置するようにガイド壁22を設けた構成としてもよい。
【0041】
頭部保持部21の底壁24は、側部フレーム14の外周壁16に当接または近接するように設けられている。この底壁24には、固着具4の雄ねじ部6が挿通される挿通孔24aが設けられている。この挿通孔24aの内径は、固着具4の頭部5の外径よりも小とされている。側部フレーム14における頭部保持部21が配された側の外周壁16には、固着具4の雄ねじ部6が挿通される挿通孔16eが設けられている。この挿通孔16eは、固着具挿通孔15bに一致する位置となるように設けられている。つまり、側部フレーム14の固着具挿通孔15b及び挿通孔16e並びに頭部保持部21の挿通孔24aは、固着具4の軸方向に見て重なり合う位置となるように設けられている。図例では、側部フレーム14の見込方向一方側の側部溝16dの溝底を貫通させるように挿通孔16eを設けた例を示している。
なお、頭部保持部21としては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0042】
雌ねじ穴27は、
図3(b)及び
図5に示すように、連結ブロック20に保持されたナット部材26に設けられている。このような構成とすれば、被係止部を固着具の尖頭状の雄ねじ部がねじ込まれる止着部としたものと比べて、連結強度を向上させることができ、また、再締結する際にも連結強度が低下するようなことを抑制することができる。
ナット部材26は、連結ブロック20のナット保持部25に設けられた凹所状の差込部25bに差し込まれて保持されている(
図7(a)も参照)。図例では、板ナット状とされたナット部材26が差し込まれる差込部25bを、見込方向外側に向けて開口させるように設けた構成としている。
【0043】
また、ナット保持部25の窓幅方向外側部位に、ナット部材26の雌ねじ穴27に一致する位置となるように、固着具4の雄ねじ部6が挿通される挿通孔25aを設けた構成としている。また、ナット保持部25に、ナット部材26の雌ねじ穴27を貫通するようにねじ合わされた固着具4の雄ねじ部6の先端側を受け入れる凹所を設けた構成としている。側部フレーム14におけるナット保持部25が配された側の外周壁16には、固着具4の雄ねじ部6が挿通される挿通孔16eが設けられている。この挿通孔16eは、ナット保持部25の挿通孔25a及びナット部材26の雌ねじ穴27と固着具4の軸方向に見て重なり合う位置となるように設けられている。図例では、側部フレーム14の見込方向他方側の側部溝16dの溝底を貫通させるように挿通孔16eを設けた例を示している。つまり、側部フレーム14の見込方向両側のそれぞれに挿通孔16e,16eを設けた構成としている(
図4及び
図6も参照)。また、隣り合う窓装置1,1の連結側フレーム14A,14Aを突き合わせた状態では、一方の連結側フレーム14Aの固着具挿通孔15b及び挿通孔16e並びに頭部保持部21の挿通孔24aと他方の連結側フレーム14Aの挿通孔16e並びにナット保持部25の挿通孔25a及びナット部材26の雌ねじ穴27とが、固着具4の軸方向に見て重なり合う位置となるように設けられている。
なお、ナット保持部25としては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0044】
また、本実施形態では、連結ブロック20に、側部フレーム14の中空部内面において開口するように設けられた嵌合凹部16aに嵌め合わされる嵌合突起28を設けた構成としている。このような構成とすれば、側部フレーム14の嵌合凹部16aに連結ブロック20の嵌合突起28を嵌め合わせることで、側部フレーム14の長手方向途中部位に配される連結ブロック20の側部フレーム長手方向における位置決めを容易に行うことができる。
また、連結ブロック20の嵌合突起28を、見込方向略中央部位に窓幅方向外側に向けて突出させるように設けた構成としている(
図7(a)も参照)。図例では、この嵌合突起28を、略円柱状とした例を示している。また、この嵌合突起28は、片持ち状に連結ブロック20の中央部位に連結された基端側部位の弾性変形を伴って窓幅方向内側に向けて没入可能な構成とされている。
【0045】
側部フレーム14の嵌合凹部16aは、外周壁16の見込方向中央側部位を貫通するように設けられている。図例では、上記した見込方向両側の挿通孔16e,16eと略同高さに位置するように嵌合凹部16aを設けた例を示している。連結ブロック20の嵌合突起28は、この嵌合凹部16aに嵌め込まれた状態で、外周壁16の外側面から突出しないように設けられている。なお、嵌合凹部16aは、貫通孔に限られず、有底穴状とされたものでもよい。また、連結ブロック20の嵌合突起28及びこれが嵌め込まれる側部フレーム14の嵌合凹部16aとしては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の変形が可能である。
また、これら連結ブロック20,20は、金属系材料や合成樹脂系材料から形成されたものとしてもよい。
【0046】
また、上記した四周フレーム11,12,14,14及び中間フレーム13は、金属系材料や合成樹脂系材料から形成されたものとしてもよい。金属系材料としては、アルミニウムやステンレス等が挙げられる。また、合成樹脂系材料としては、塩化ビニル樹脂や、その他、種々の樹脂の採用が可能であり、また、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含んだいわゆる繊維強化樹脂でもよい。
また、これら四周フレーム11,12,14,14及び中間フレーム13は、押出成形等によってそれぞれ全長に亘って略一様な断面形状とされたものでもよい。
また、これら四周フレーム11,12,14,14及び中間フレーム13の表面は、塗装や化粧シートの貼着等によって適宜の表面化粧処理が施された化粧面としてもよい。例えば、これら四周フレーム11,12,14,14及び中間フレーム13の表面を、アイアン調の黒色系やマット調の白色系の表面仕上処理が施されたものとしてもよい。
【0047】
次に、上記のような構成とされた窓装置1の施工構造の一例について説明する。
本例では、
図2に示すように、窓装置1の上下両側を仮保持する上側ガイド7及び下側ガイド8を設けた構成としている。
上側ガイド7は、開口部2の開口幅方向に延びるように設けられ、窓装置1の上端部を受け入れる凹所を区画する形状とされている。この上側ガイド7は、開口部2の天面2aに沿うように固定される固定片部7aと、この固定片部7aの見込方向両端部から下方側に向けて突出するように設けられた保持片部7c,7cと、を備えている。これら保持片部7c,7c間に、窓装置1の上端部が差し込まれて仮保持される。図例では、固定片部7aに、当該上側ガイド7を固定する固着具3が挿通される挿通孔7bを設けた例を示している。
【0048】
下側ガイド8は、開口部2の開口幅方向に延びるように設けられ、窓装置1の下端部に設けられた凹溝12eに挿入される突部を構成する。この下側ガイド8は、上下方向に厚さ方向を沿わせ、開口部2の底面2bに沿うように配される帯板状とされている。この下側ガイド8には、当該下側ガイド8を固定する固着具3が挿通される挿通孔8aが設けられている。
この下側ガイド8及び上側ガイド7は、窓装置1の上端部を上側ガイド7の凹所に受け入れさせた状態で、窓装置1の下端部の凹溝12eに下側ガイド8を受け入れさせてけんどん状に窓装置1を建て付け可能なように設けられている。このような構成とすれば、これら上側ガイド7及び下側ガイド8に窓装置1を仮保持させた状態で、上部フレーム11及び下部フレーム12を固着具3,3によって開口部2に固定することができる。なお、上側ガイド7及び下側ガイド8は、上記同様な金属系材料または合成樹脂系材料から形成されたものでもよい。また、上側ガイド7及び下側ガイド8の形状は、図例のようなものに限られず、適宜、変形が可能である。
【0049】
また、図例では、二枚の窓装置1,1を隣り合わせて開口部2に設置した例を示している。
図1に示すように、これら二枚の窓装置1,1の連結側フレーム14A,14A同士は、それぞれに収容された連結ブロック20,20同士を固着具4,4によって締結して連結されている。このように連結された状態では、連結側フレーム14A,14Aの外周壁16,16の突条16bと凹溝16cとが互いに係合し、また、外周壁16,16の見込方向両側縁部同士が互いに当接または近接される。
また、これら二枚の窓装置1,1の端部フレーム14B,14Bに設けられたシール材19,19が開口部2の内側面2c,2cにそれぞれ当接される。
なお、窓装置1の施工構造としては、上記のような構成に限られず、三枚以上を隣り合わせて設けた構成としてもよく、その他、種々の変形が可能である。また、上記のような上側ガイド7及び下側ガイド8を用いて設置する態様に限られない。
【0050】
また、本実施形態では、窓装置1を、四周のフレーム11,12,14,14内に固定的に透光板10を設けて固定窓(FIX窓)とした例を示しているが、このような態様に限られない。四周のフレーム11,12,14,14内に一枚の可動窓部材または中間(横や縦)フレームで区画された複数区画のうちの少なくとも一区画に可動窓部材を開閉自在に保持させた構成としてもよい。
また、本実施形態では、両側の側部フレーム14,14のそれぞれに同寸同形状の連結ブロック20,20を側部フレーム長手方向に沿う軸回りに互いに180度反転させた状態で設けた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、一方の側部フレーム14の連結ブロック20の見込方向両側または一方側に頭部保持部21のみを設け、他方の側部フレーム14の連結ブロック20の見込方向両側または一方側に雌ねじ穴(被係止部)27を設けたような態様等としてもよい。
【0051】
また、本実施形態では、両側の側部フレーム14,14に連結ブロック20,20を設けた例を示しているが、上記のように二枚の窓装置1,1を連結する場合には、連結側となる連結側フレーム14Aのみに連結ブロック20を設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、側部フレーム14に連結ブロック20を設けた例を示しているが、上部フレーム11及び下部フレーム12の両方または一方に連結ブロック20を設けた構成としてもよい。つまり、複数枚の窓装置を開口幅方向に連結可能とした態様に代えて、上下方向に連結可能とした態様としてもよい。本実施形態に係る窓装置1の各部材及び各部の構成は、上記したような構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 窓装置
10 透光板
11 上部フレーム(フレーム)
12 下部フレーム(フレーム)
14 側部フレーム(フレーム)
14A 連結側フレーム
15 内周壁
15b 固着具挿通孔
16 外周壁
16a 嵌合凹部
16b 突条
16c 凹溝
18 キャップ部材
20 連結ブロック
21 頭部保持部
22 ガイド壁
26 ナット部材
27 雌ねじ穴(被係止部)
28 嵌合突起
4 固着具
5 頭部
6 雄ねじ部(軸部)