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特許7097567発光装置およびその製造方法、ならびにプロジェクター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】発光装置およびその製造方法、ならびにプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/18 20210101AFI20220701BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20220701BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
H01S5/18 ZNM
G03B21/14 A
G03B21/00 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018034450
(22)【出願日】2018-02-28
(65)【公開番号】P2019149503
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】502350504
【氏名又は名称】学校法人上智学院
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】野田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】岸野 克巳
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-033181(JP,A)
【文献】特開2006-352148(JP,A)
【文献】特表2010-514207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00- 5/50
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体に設けられた積層体と、
を有し、
前記積層体は、
第1柱状部と、
前記第1柱状部よりも小さい径を有する第2柱状部と、
を有し、
前記第1柱状部は、前記基体と前記第2柱状部との間に設けられ、
前記第1柱状部は、
第1半導体層と、
前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられ、光を発生させることが可能な発光層と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記基体と前記発光層との間に設けられ、
前記第2柱状部は、前記第1半導体層と導電型の異なる第3半導体層を有し、
隣り合う前記第1柱状部の間、および隣り合う前記第2柱状部の間には、光伝搬層が設けられ、
前記第1柱状部および前記第2柱状部は、柱状部を構成し、
前記光伝搬層の屈折率は、前記柱状部の屈折率よりも低い、発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記光伝搬層は、
隣り合う前記第1柱状部の前記第1半導体層の間に設けられた第1層と、
隣り合う前記第1柱状部の前記発光層の間に設けられた第2層と、
を有し、
前記第2層の屈折率は、前記第1層の屈折率よりも高い、発光装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第2層と前記基体との間の距離は、前記発光層と前記基体との間の距離よりも小さい、発光装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記光伝搬層は、隣り合う前記第2柱状部の前記第3半導体層の間に設けられた第3層を有し、
前記第3層の屈折率は、前記第2層の屈折率よりも低い、発光装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記発光層は、波長λの光を発生させ、
前記第2柱状部は、ピッチPで配列され、
Nを整数とすると、前記波長λおよび前記ピッチPは、
P=N×(λ/2)
の関係を満たす、発光装置。
【請求項6】
基体に、第1半導体層、光を発生させることが可能な発光層、および前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層を、この順で形成して、複数の第1柱状構造体を形成する工程と、
隣り合う前記第1柱状構造体の間に、第1層を形成する工程と、
隣り合う前記第1柱状構造体の間および前記第1柱状構造体の端面に、第2層を形成する工程と、
前記第2層をエッチバックして、前記端面の一部を露出させる工程と、
エッチバックされた前記第2層をマスクとして、露出された前記端面の一部に、前記第1半導体層と導電型の異なる第3半導体層を形成して、第2柱状構造体を形成する工程と、
隣り合う前記第2柱状構造体の間に、第3層を形成する工程と、
を含み、
前記第1柱状構造体を形成する工程では、
前記端面が、ファセット面となるように前記第1柱状構造体を形成し、
前記第2柱状構造体を形成する工程では、
前記第2柱状構造体の径が前記第1柱状構造体の径よりも小さくなるように、前記第2柱状構造体を形成し、
前記第1層、前記第2層、および前記第3層は、光伝搬層を構成し、
前記第1柱状構造体および前記第2柱状構造体は、柱状部を構成し、
前記光伝搬層の屈折率は、前記柱状部の屈折率よりも低い、発光装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光装置を有する、プロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置およびその製造方法、ならびにプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザーは、高輝度の次世代光源として期待されている。中でも、ナノ構造体(ナノコラム)を適用した半導体レーザーは、ナノ構造体によるフォトニック結晶の効果によって、狭放射角で高出力の発光が実現できると期待されている。このような半導体レーザーは、例えば、プロジェクターの光源として適用される。
【0003】
例えば特許文献1には、Si基板(基体)と、Si基板の上方に設けられたn型層(第1半導体層)と、n型層上に設けられた活性層(発光層)と、活性層上に設けられたp型層(第2半導体層)と、を有するGaNナノコラム(柱状部)を含む化合物半導体素子が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-166567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような発光装置では、柱状部を構成する各層の材料の選択肢は、限られるため、発光層と第2半導体層との屈折率の差がとり難く、発光層で発生した光が基体側とは反対側へ漏れてしまう場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置の一態様は、
基体と、
前記基体に設けられた積層体と、
を有し、
前記積層体は、
第1柱状部と、
前記第1柱状部よりも小さい径を有する第2柱状部と、
を有し、
前記第1柱状部は、前記基体と前記第2柱状部との間に設けられ、
前記第1柱状部は、
第1半導体層と、
前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられ、光を発生させることが可能な発光層と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記基体と前記発光層との間に設けられ、
前記第2柱状部は、前記第1半導体層と導電型の異なる第3半導体層を有する。
【0007】
前記発光装置の一態様において、
隣り合う前記第1柱状部の間、および隣り合う前記第2柱状部の間には、光伝搬層が設けられていてもよい。
【0008】
前記発光装置の一態様において、
前記光伝搬層は、
隣り合う前記第1柱状部の前記第1半導体層の間に設けられた第1層と、
隣り合う前記第1柱状部の前記発光層の間に設けられた第2層と、
を有し、
前記第2層の屈折率は、前記第1層の屈折率よりも高くてもよい。
【0009】
前記発光装置の一態様において、
前記第2層と前記基体との間の距離は、前記発光層と前記基体との間の距離よりも小さくてもよい。
【0010】
前記発光装置の一態様において、
前記光伝搬層は、隣り合う前記第2柱状部の前記第3半導体層の間に設けられた第3層を有し、
前記第3層の屈折率は、前記第2層の屈折率よりも低くてもよい。
【0011】
前記発光装置の一態様において、
前記発光層は、波長λの光を発生させ、
前記第2柱状部は、ピッチPで配列され、
Nを整数とすると、前記波長λおよび前記ピッチPは、
P=N×(λ/2)
の関係を満たしてもよい。
【0012】
本発明に係る発光装置の製造方法の一態様は、
基体に、第1半導体層、光を発生させることが可能な発光層、および前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層を、この順で形成して、複数の第1柱状構造体を形成する工程と、
隣り合う前記第1柱状構造体の間および前記第1柱状構造体の端面に、光伝搬層を形成する工程と、
前記光伝搬層をエッチバックして、前記端面の一部を露出させる工程と、
エッチバックされた前記光伝搬層をマスクとして、露出された前記端面の一部に、前記第1半導体層と導電型の異なる第3半導体層を形成して、第2柱状構造体を形成する工程と、
を含み、
前記第1柱状構造体を形成する工程では、
前記端面が、ファセット面となるように前記第1柱状構造体を形成し、
前記第2柱状構造体を形成する工程では、
前記第2柱状構造体の径が前記第1柱状構造体の径よりも小さくなるように、前記第2柱状構造体を形成する。
【0013】
本発明に係るプロジェクターの一態様は、
前記発光装置の一態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
図2】本実施形態に係る発光装置の柱状部を模式的に示す断面図。
図3】実効屈折率を説明するための図。
図4】実効屈折率を説明するための図。
図5】本実施形態に係る発光装置の製造方法を説明するためのフローチャート。
図6】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図7】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図8】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図9】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図10】本実施形態の変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
図11】SEMによる観察像。
図12】SEMによる観察像。
図13】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0016】
1. 発光装置
まず、本実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る発光装置100を模式的に示す断面図である。
【0017】
発光装置100は、図1に示すように、基体10と、積層体20と、第1電極50と、第2電極52と、を有している。
【0018】
基体10は、例えば、板状の形状を有している。基体10は、例えば、Si基板、GaN基板、サファイア基板などである。基体10は、上面10aを有している。上面10aは、例えば、平坦な面である。
【0019】
積層体20は、基体10に(基体10上に)設けられている。積層体20は、バッファー層22と、柱状部30と、光伝搬層40と、を有している。
【0020】
なお、本発明において、「上」とは、積層体20の積層方向(以下、単に「積層方向」ともいう)において、柱状部30の発光層34からみて基体10から遠ざかる方向のことであり、「下」とは、積層方向において、発光層34からみて基体10に近づく方向のことである。
【0021】
また、本発明において、「積層体20の積層方向」とは、柱状部30の第1半導体層32と発光層34との積層方向(図示の例では上下方向)のことである。
【0022】
バッファー層22は、基体10上に設けられている。バッファー層22は、例えば、n型のGaN層(具体的にはSiがドープされたn型のGaN層)などである。なお、図示の例では、バッファー層22上には、柱状部30を形成するためのマスク層60が設けられている。マスク層は、例えば、酸化シリコン層、酸化窒化シリコン層、酸化アルミニウム層、酸化ハフニウム層、チタン、酸化チタン層、酸化ジルコニウム層、窒化シリコン層や、これらの積層膜などである。
【0023】
柱状部30は、バッファー層22上に設けられている。柱状部30の平面形状(積層方向から見た形状)は、例えば、六角形等の多角形、円などである。柱状部30の径は、例えば、nmオーダーであり、具体的には10nm以上500nm以下である。柱状部30は、例えば、ナノコラム、ナノワイヤー、ナノロッド、ナノピラーとも呼ばれる。柱状部30の積層方向の大きさは、例えば、0.1μm以上5μm以下である。
【0024】
なお、本発明において、「径」とは、柱状部30の平面形状が円の場合は、直径であり
、柱状部30の平面形状が多角形の場合は、該多角形を内部に含む最小の円(最小包含円)の直径である。
【0025】
柱状部30は、複数設けられている。複数の柱状部30は、互いに離間している。隣り合う柱状部30の間隔は、例えば、1nm以上500nm以下である。複数の柱状部30は、平面視において(積層方向からみて)、所定の方向に所定のピッチで配列されている。複数の柱状部30は、平面視において、例えば、三角格子状、四角格子状、などに配置されている。複数の柱状部30は、フォトニック結晶の効果を発現することができる。
【0026】
ここで、図2は、柱状部30を模式的に示す断面図である。柱状部30は、図1および図2に示すように、第1柱状部30aと、第2柱状部30bと、を有している。第1柱状部30aは、例えば、バッファー層22上に設けられている。第1柱状部30aは、基体10と第2柱状部30bとの間に設けられている。
【0027】
第2柱状部30bは、第1柱状部30a上に設けられている。第2柱状部30bの径D2は、第1柱状部30aの径D1が小さい。そのため、柱状部30は、段状の形状を有している。
【0028】
第1柱状部30aは、第1半導体層32と、発光層34と、第2半導体層36と、を有している。図示の例では、第1柱状部30aは、第1半導体層32と、発光層34と、第2半導体層36の第1部分37と、を有している。
【0029】
第1半導体層32は、バッファー層22上に設けられている。第1半導体層32は、発光層34と基体10との間に設けられている。第1半導体層32は、例えば、Siがドープされたn型のGaN層である。
【0030】
発光層34は、第1半導体層32上に設けられている。発光層34は、第1半導体層32と第2半導体層36との間に設けられている。発光層34は、例えば、GaN層とInGaN層とから構成された量子井戸構造を有している。発光層34を構成するGaN層およびInGaN層の数は、特に限定されない。発光層34は、電流が注入されることで光を発生させることが可能な層である。
【0031】
第2半導体層36の第1部分37は、発光層34上に設けられている。第2半導体層36は、第1半導体層32と導電型の異なる層である。第2半導体層36は、例えば、Mgがドープされたp型のGaN層である。
【0032】
第2柱状部30bは、第3半導体層39を有している。図示の例では、第2柱状部30bは、第2半導体層36の第2部分38と、第3半導体層39と、を有している。
【0033】
第2半導体層36の第2部分38は、第1部分37上に設けられている。図示の例では、第2部分38は、三角形の断面形状を有している。第2半導体層36の上面36aは、図1に示すように、例えば、ファセット面であり、基体10の上面10aに対して傾斜している。具体的には、上面36aは、上面36aの中心に向かうにつれて上面10aとの間の距離が大きくなるように、傾斜している。図示の例では、上面36aは、第2層44と接している第1領域136と、第3半導体層39と接している第2領域236と、を有している。同様に、第1半導体層32、発光層34、および第3半導体層39の上面は、例えば、ファセット面である。
【0034】
第3半導体層39は、第2半導体層36上に設けられている。第3半導体層39は、第1半導体層32と導電型の異なる層である。第3半導体層39の材質は、例えば、第2半
導体層36と同じである。半導体層32,36,39は、発光層34に光を閉じ込める(発光層34から光が漏れることを抑制する)機能を有するクラッド層である。
【0035】
積層体20の第2柱状部30bが設けられた部分における平面方向(積層方向と直交する方向)の平均屈折率(第1平均屈折率)は、積層体20の第1柱状部30aの第2半導体層36が設けられた部分における平面方向の平均屈折率(第2平均屈折率)よりも低い。
【0036】
ここで、「平面方向の平均屈折率」とは、積層方向の所定の位置において、積層方向と直交する方向の平均屈折率であり、例えば、積層体20の柱状部30が設けられた部分の平面方向の平均屈折率をnAVEとすると、nAVEは、下記式(1)として表される。
【0037】
【数1】
【0038】
ただし、上記式(1)において、εは、柱状部30の誘電率であり、第1平均屈折率および第2平均屈折率の場合は、第2半導体層36または第3半導体層39の屈折率である。εは、光伝搬層40の誘電率である。φは、積層方向の所定の位置において、平面方向における積層体20の断面積をSとし、平面方向における柱状部30の断面積の総和をSとすると、比S/Sである。
【0039】
第2柱状部30bは、所定の方向に、ピッチPで配列されている。発光層34は、波長λの光を発生する場合、Nを整数とすると、波長λおよびピッチPは、下記式(2)の関係を満たす。
【0040】
P=N×(λ/2) ・・・ (2)
【0041】
ピッチPは、例えば、所定の方向において、隣り合う第2部分38の中心間の距離である。同様に、第1柱状部30は、例えば、所定の方向にピッチPで配列され、上記式(2)の関係を満たす。
【0042】
光伝搬層40は、図1に示すように、隣り合う柱状部30の間に設けられている。光伝搬層40は、隣り合う第1柱状部30aの間、および隣り合う第2柱状部30bの間に設けられている。光伝搬層40は、マスク層60上に設けられている。光伝搬層40の屈折率は、例えば、柱状部30の屈折率よりも低い。発光層34で発生した光は、光伝搬層40を伝搬することが可能である。光伝搬層40は、例えば、第1層42と、第2層44と、第3層46と、を有している。
【0043】
第1層42は、マスク層60上に設けられている。第1層42は、基体10と第2層44との間に設けられている。図示の例では、第1層42は、隣り合う第1柱状部30aの第1半導体層32の間に設けられている。
【0044】
第1層42は、例えば、酸化シリコン層(例えばSiO層)、酸化窒化シリコン層(例えばSiON層)、酸化アルミニウム層(例えばAl層)、酸化ハフニウム層(例えばHfO層)などである。
【0045】
第2層44は、第1層42上に設けられている。第2層44は、第1層42と第3層46との間に設けられている。図示の例では、第2層44は、隣り合う第1柱状部30aの
発光層34の間に設けられている。さらに、第2層44は、隣り合う第1柱状部30aの第2半導体層36の間に設けられている。
【0046】
第2層44と基体10との間の距離L1は、例えば、発光層34と基体10との間の距離L2よりも小さい。距離L1は、第2層44と基体10との間の最短距離である。距離L2は、発光層34と基体10との間の最短距離である。
【0047】
第2層44の屈折率は、第1層42の屈折率よりも高い。第2層44は、例えば、酸化チタン層(例えばTiO層)、酸化ジルコニウム層(例えばZrO層)、窒化シリコン層(例えばSiN層)などである。
【0048】
第3層46は、第2層44上に設けられている。図示の例では、第3層46は、隣り合う第2柱状部30bの第3半導体層39の間に設けられている。
【0049】
第3層46の屈折率は、第2層44の屈折率よりも低い。第3層46の屈折率は、第1層42の屈折率と同じであってもよい。第3層46の材質は、例えば、第1層42と同じである。
【0050】
発光装置100では、p型の第3半導体層39および第2半導体層36、不純物がドーピングされていない発光層34、ならびにn型の第1半導体層32により、pinダイオードが構成される。半導体層32,36,39は、発光層34よりもバンドギャップが大きい層である。発光装置100では、第1電極50と第2電極52との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると(電流を注入すると)、発光層34において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。発光層34において発生した光は、半導体層32,36,39により平面方向に光伝搬層40を通って伝搬して、複数の柱状部30によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成し、発光層34において利得を受けてレーザー発振する。そして、発光装置100は、+1次回折光および-1次回折光をレーザー光として、積層方向に(第2電極52側および基体10側に)出射する。
【0051】
なお、図示はしないが、基体10とバッファー層22との間、または基体10の下に反射層が設けられていてもよい。該反射層は、例えば、DBR(Distributed Bragg Reflector)層である。該反射層によって、発光層34において発生した光を反射させることができ、発光装置100は、第2電極52側からのみ光を出射することができる。
【0052】
第1電極50は、バッファー層22上に設けられている。バッファー層22は、第1電極50とオーミックコンタクトしていてもよい。第1電極50は、第1半導体層32と電気的に接続されている。図示の例では、第1電極50は、バッファー層22を介して、第1半導体層32と電気的に接続されている。第1電極50は、発光層34に電流を注入するための一方の電極である。第1電極50としては、例えば、バッファー層22側から、Ti層、Al層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。なお、基体10が導電性を有する場合には、図示はしないが、第1電極50は、基体10の下に設けられていてもよい。
【0053】
第2電極52は、第3半導体層39上に設けられている。図示の例では、第2電極52は、さらに、光伝搬層40上に設けられている。第3半導体層39は、第2電極52とオーミックコンタクトしていてもよい。第2電極52は、半導体層36,39と電気的に接続されている。第2電極52は、発光層34に電流を注入するための他方の電極である。第2電極52としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いる。
【0054】
発光装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0055】
発光装置100では、積層体20は、第1柱状部30aと、第1柱状部30aよりも小さい径を有する第2柱状部30bと、を有し、第1柱状部30aは、基体10と第2柱状部30bとの間に設けられ、第1柱状部30aは、第1半導体層32と、第2半導体層36と、発光層34と、を有し、第2柱状部30bは、第3半導体層39を有する。そのため、発光装置100では、第2柱状部30bの径が第1柱状部30aの径以上の場合に比べて、積層体20の第2柱状部30bが設けられた部分における平面方向の平均屈折率(第2平均屈折率)を、積層体20の第1柱状部30aの第2半導体層36が設けられた部分における平面方向の平均屈折率(第1平均屈折率)よりも低くすることができる。したがって、発光装置100では、発光層34で発生した光は、積層方向において発光層34に閉じこもり易くなり、上方(基体10側とは反対側、第2電極52側)への光の漏れ量を低減することができる。その結果、発光装置100では、発光層34で発生した光が第2電極52で吸収されることを抑制することができる。
【0056】
さらに、発光装置100では、第2柱状部30bの径D2が第1柱状部30aの径D1より小さいため、例えば、p型半導体層(例えば半導体層36,39からなる層)全体が上方に向けて徐々に径が小さくなるテーパー形状である場合に比べて、p型半導体層における平面方向の平均屈折率が上方に向けて急激に変化する。したがって、発光装置100では、発光層34で発生した光は、より、積層方向において発光層34に閉じこもり易くなり、上方への光の漏れ量を低減することができる。
【0057】
以上により、発光装置100では、発光層34で発生した光は、積層方向において発光層34に閉じこもり易くなり、上方(基体10側とは反対側、第2電極52側)への光の漏れ量を低減することができる。したがって、発光装置100では、発光層34で発生した光が第2電極52で吸収されることを抑制することができる。
【0058】
発光装置100では、隣り合う第1柱状部30aの間、および隣り合う第2柱状部30bの間には、光伝搬層40が設けられている。そのため、発光装置100では、発光層34で発生した光は、光伝搬層40を伝搬することができる。
【0059】
発光装置100では、光伝搬層40は、隣り合う第1柱状部30aの第1半導体層32の間に設けられた第1層42と、隣り合う第1柱状部30aの発光層34の間に設けられた第2層44と、有し、第2層44の屈折率は、第1層42の屈折率よりも高い。そのため、発光装置100では、例えば第2層44の屈折率が第1層42の屈折率以下の場合に比べて、積層体20の第2層44が設けられている部分における平面方向の平均屈折率を、積層体20の第1層42が設けられている部分における平面方向の平均屈折率よりも高くすることができる。これにより、発光装置100では、発光層34で発生した光は、積層方向において発光層34に閉じこもり易くなり、基体10側への光の漏れ量を低減することができる。
【0060】
発光装置100では、第2層44と基体10との間の距離L1は、発光層34と基体10との間の距離L2よりも小さい。そのため、発光装置100では、発光層34の側面を、より確実に第2層44によって覆うことができる。
【0061】
発光装置100では、光伝搬層40は、隣り合う第2柱状部30bの第3半導体層39の間に設けられた第3層46を有し、第3層46の屈折率は、第2層44の屈折率よりも低い。そのため、発光装置100では、第3層46の屈折率が第2層44の屈折率以上の場合に比べて、第2平均屈折率を、第1平均屈折率よりも、より低くすることができる。
【0062】
さらに、発光装置100では、第2柱状部30bの径は、第1柱状部30aの径よりも小さいため、例えば、図3に示すように、第2柱状部30bを平面方向に伝搬する光において、第2柱状部30bの実効屈折率と、第3層46の実効屈折率と、の差Δnを大きくすることができる。そのため、発光装置100では、フォトニック結晶の効果を向上させることができる。
【0063】
例えば、図4に示すように、第2柱状部1030bの径が第1柱状部の径と同じである場合は、第2柱状部1030bの実効屈折率は、第3層1046の実効屈折率の影響を受け易く、図3に示した場合に比べて、差Δnが小さくなる。
【0064】
なお、図3は、第2柱状部30bの径が第1柱状部30aの径よりも小さい場合に、第2柱状部30bを平面方向に伝搬する光における実効屈折率を説明するための図である。図4は、第2柱状部1030bの径が第1柱状部の径と同じ場合に、第2柱状部1030bを平面方向に伝搬する光における実効屈折率を説明するための図である。図3では、第2柱状部30bの中心の位置を二点破線で示している。図4では、第2柱状部1030bの中心の位置を二点破線で示している。
【0065】
発光装置100では、上記式(2)の関係を満たす。そのため、発光装置100では、第2柱状部30bを平面方向に伝搬する光において、フォトニック結晶の効果を向上させることができる。さらに、発光装置100では、第2柱状部30bの径は、第1柱状部30aの径よりも小さいため、図3に示すように、差Δnを大きくすることができる。したがって、発光装置100では、第2柱状部30bを平面方向に伝搬する光において、フォトニック結晶の効果を、より向上させることができる。
【0066】
なお、上記では、発光層に電流を注入することにより発光させる発光装置について説明したが、本発明に係る発光装置は、発光層に光を照射して発光させる光励起型の発光装置でもよい。この場合、第1電極および第2電極は、設けられていなくてもよい。また、第3層は、設けられていなくてもよい。
【0067】
2. 発光装置の製造方法
次に、本実施形態に係る発光装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る発光装置100の製造方法を説明するためのフローチャートである。図6図9は、本実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0068】
図6に示すように、基体10上に、バッファー層22を形成する(ステップS1)。具体的には、基体10上に、バッファー層22をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。
【0069】
次に、バッファー層22上に、マスク層60を形成する(ステップS2)。マスク層60は、MOCVD法やMBE法などによる成膜、およびパターニング(フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によるパターニング)によって形成される。
【0070】
次に、バッファー層22上に(バッファー層22を介して基体10に)、第1半導体層32、発光層34、および第2半導体層36を、この順で形成して、複数の第1柱状構造体3aを形成する(ステップS3)。具体的には、マスク層60をマスクとしてバッファー層22上に、第1半導体層32、発光層34、および第2半導体層36を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法などが挙げられる。
【0071】
第1柱状構造体3aを形成する工程では、第1柱状構造体3aの上面(端面)がファセット面となるように第1柱状構造体3aを形成する。図示の例では、第1柱状構造体3aの上面は、第2半導体層36の上面36aである。MOCVD法またはMBE法で、第1半導体層32、発光層34、および第2半導体層36を成長させると、第1半導体層32の上面、発光層34の上面、および第2半導体層36の上面36aをファセット面にすることができる。
【0072】
図7に示すように、隣り合う第1柱状構造体3aの間および第1柱状構造体3aの上面(端面)36aに、光伝搬層43を形成する(ステップS4)。光伝搬層43は、第1柱状構造体3aの側方および上方に形成される。光伝搬層43は、第1層42と、第2層44と、を有している。具体的には、まず、バッファー層22上に、第1層42を形成する。次に、第1層42上および第1柱状構造体3a上に、第2層44を形成する。第1層42は、例えば、スピンコート法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって形成される。
【0073】
図8に示すように、第2層44をエッチバックして、上面36aの一部(第2領域236)を露出させる(ステップS5)。上面36aは、上面10aに対して傾斜したファセット面であるため、第1領域136が第2層44に覆われた状態で、第2領域236のみ露出させることができる。
【0074】
図9に示すように、エッチバックされた第2層44をマスクとして、露出された第2領域236に、第3半導体層39を形成して、第2柱状構造体3bを形成する(ステップS6)。具体的には、第2層44をマスクとして、第3半導体層39エピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法などが挙げられる。
【0075】
第2柱状構造体3bを形成する工程では、第2柱状構造体3bの径D4が第1柱状構造体3aの径D3よりも小さくなるように、第2柱状構造体3bを形成する。第1柱状構造体3aの径D3は、第1柱状構造体3aの最大の径である。第2柱状構造体3bの径D4は、第2柱状構造体3bの最大の径である。本工程により、第1柱状構造体3aおよび第2柱状構造体3bを有する柱状部30を形成することができる。
【0076】
図1に示すように、隣り合う第2柱状構造体3bの間に、第3層46を形成して光伝搬層40を形成する(ステップS7)。第1層42は、例えば、スピンコート法、CVD法などによって形成される。本工程により、積層体20を形成することができる。
【0077】
次に、柱状部30上および光伝搬層40上に、第2電極52を形成する(ステップS8)。第2電極52は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法により形成される。
【0078】
次に、光伝搬層40およびマスク層60をパターニングしてバッファー層22を露出させた後、バッファー層22上に、第1電極50を形成する(ステップS9)。第1電極50は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法により形成される。なお、第1電極50の形成する工程と、第2電極52を形成する工程と、の順番は、限定されない。
【0079】
以上の工程により、発光装置100を製造することができる。
【0080】
発光装置100の製造方法は、例えば、以下の特長を有する。
【0081】
発光装置100の製造方法では、光伝搬層43をエッチバックして、上面36aの第2
領域236を露出させる工程と、エッチバックされた光伝搬層43をマスクとして、露出された第2領域236に第2柱状構造体3bを形成する工程と、有し、第2柱状構造体3bを形成する工程では、第2柱状構造体3bの径D4が第1柱状構造体3aの径D3よりも小さくなるように、第2柱状構造体3bを形成する。そのため、発光層34で発生した光が、積層方向において発光層34に閉じこもり易くなり、上方(基体10側とは反対側、第2電極52側)への光の漏れ量を低減することができる発光装置100を製造方法することができる。
【0082】
さらに、発光装置100の製造方法では、光伝搬層43をマスク(選択成長膜)として機能させて、第2柱状構造体3bを、第1柱状構造体3aに対してセルフアライン(自己整合)で形成することができる。
【0083】
さらに、発光装置100の製造方法では、基体10に、第1半導体層32、発光層34、および第2半導体層36を、この順で形成して、複数の第1柱状構造体3aを形成する工程を有する。そのため、第1半導体層32、発光層34、および第2半導体層36を1つの装置で連続的に形成することができる。これにより、発光特性に大きな影響を与える、第1半導体層32と発光層34との界面、および発光層34と第2半導体層36との界面が、酸化されたり、これらの界面に不純物が付着したりすることを抑制することができる。
【0084】
3. 発光装置の変形例
次に、本実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図10は、本実施形態の変形例に係る発光装置200を模式的に示す断面図である。以下、本実施形態の変形例に係る発光装置200において、上述した本実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0085】
上述した発光装置100では、第3半導体層39の材質は、第2半導体層36と同じであった。これに対し、発光装置200では、図10に示すように、第3半導体層39の材質は、第2半導体層36と異なる。
【0086】
発光装置200では、第2半導体層36は、例えば、Mgがドープされたp型のAlGaN層およびGaN層から構成された超格子構造を有している。または、第2半導体層36は、Mgがドープされたp型のAlGaN層である。第3半導体層39は、例えば、Mgがドープされたp型のGaN層である。第2半導体層36および第3半導体層39が、このような材質であるため、第3半導体層39は、上方に向けて徐々に径が小さくなるテーパー形状を有している。
【0087】
発光装置200は、導電層210を有している。導電層210は、第3半導体層39の表面に設けられている。さらに、導電層210は、第2層44上に設けられている。導電層210は、例えば、Au層、Ni層、または、第3半導体層39側から、Ni層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。導電層210の厚さは、例えば、10nm以下である。
【0088】
第3層46は、導電層210上に設けられている。図示の例では、第3半導体層39の先端は、第3層46によりも上方に突出している。
【0089】
発光装置200では、発光装置100に比べて、第3半導体層39の先端が鋭い突起状である。そのため、第2電極52の厚くしないと、第3半導体層39の先端が第2電極52よりも上方に突出する場合があるが、第3層46によって、第2電極52を厚くしなく
ても、第3半導体層39の先端が第2電極52よりも上方に突出しないようにすることができる。
【0090】
発光装置200の製造方法では、第3層46を形成する前に、第3半導体層39の表面および第2層44上に、導電層210を形成する。導電層210は、例えば、スパッタ法により形成される。次に、第3層46を、導電層210を覆うように、第3半導体層39の上方および側方に形成した後、エッチバックによって第3層46をエッチングし、導電層210の一部を露出させる。次に、導電層210上に第3層46を形成する。次に、第3層46上に、第2電極52を形成する。
【0091】
ここで、図11および図12は、発光装置200に対応する柱状部の走査型電子顕微鏡(Scannig Electron Microscope:SEM)による観察像である。図12は、柱状部の断面の観察像である。
【0092】
図12において、「32」は、発光装置200の第1半導体層32に対応する部分であり、n型のGaN層である。「34」は、発光装置200の発光層34に対応する部分であり、GaN層とInGaN層とから構成された量子井戸構造を有している。「36」は、発光装置200の第2半導体層36に対応する部分であり、p型のAlGaN層およびGaN層から構成された超格子構造を有している。「39」は、発光装置200の第3半導体層39に対応する部分であり、p型のGaN層である。
【0093】
4. プロジェクター
次に、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。図13は、本実施形態に係るプロジェクター900を模式的に示す図である。
【0094】
本発明に係るプロジェクターは、本発明に係る発光装置を有している。以下では、本発明に係る発光装置として発光装置100を有するプロジェクター900について説明する。
【0095】
プロジェクター900は、筐体(図示せず)と、筐体内に備えられている赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ出射する赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bと、を有している。赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bの各々は、例えば、複数の発光装置100を積層方向と直交する方向にアレイ状に配置させ、複数の発光装置100において基体10を共通基板としたものである。光源100R,100G,100Bの各々を構成する発光装置100の数は、特に限定されない。なお、便宜上、図13では、プロジェクター900を構成する筐体を省略し、さらに光源100R,100G,100Bを簡略化している。
【0096】
プロジェクター900は、さらに、筐体内に備えられているレンズアレイ902R,902G,902B、透過型の液晶ライトバルブ(光変調装置)904R,904G,904B、および投射レンズ(投射装置)908を有している。
【0097】
光源100R,100G,100Bから出射された光は、各レンズアレイ902R,902G,902Bに入射する。光源100R,100G,100Bから出射された光は、レンズアレイ902R,902G,902Bによって、集光され、例えば重畳(一部重畳)されることができる。これにより、均一性よく液晶ライトバルブ904R,904G,904Bを照射することができる。
【0098】
各レンズアレイ902R,902G,902Bによって集光された光は、各液晶ライトバルブ904R,904G,904Bに入射する。各液晶ライトバルブ904R,904
G,904Bは、入射した光をそれぞれ画像情報に応じて変調する。そして、投射レンズ908は、液晶ライトバルブ904R,904G,904Bによって形成された像(画像)を拡大してスクリーン(表示面)910に投射する。
【0099】
また、プロジェクター900は、液晶ライトバルブ904R,904G,904Bから出射された光を合成して投射レンズ908に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)906を、有することができる。
【0100】
各液晶ライトバルブ904R,904G,904Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム906に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射光学系である投射レンズ908によりスクリーン910上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0101】
なお、光源100R,100G,100Bは、光源100R,100G,100Bを構成する発光装置100を映像の画素として画像情報に応じて制御する(変調する)ことで、液晶ライトバルブ904R,904G,904Bを用いずに、直接的に映像を形成してもよい。そして、投射レンズ908は、光源100R,100G,100Bによって形成された映像を、拡大してスクリーン910に投射してもよい。
【0102】
また、上記の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro Mirror Device)が挙げられる。また、投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0103】
また、光源100R,100G,100Bを、光源100R,100G,100Bからの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクター)の光源装置にも適用することが可能である。
【0104】
本発明に係る発光装置の用途は、上述した実施形態に限定されず、プロジェクター以外にも、屋内外の照明、ディスプレイのバックライト、レーザープリンター、スキャナー、車載用ライト、光を用いるセンシング機器、通信機器等の光源としても用いることが可能である。
【0105】
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
【0106】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0107】
3a…第1柱状構造体、3b…第2柱状構造体、10…基体、10a…上面、20…積層
体、22…バッファー層、30…柱状部、30a…第1柱状部、30b…第2柱状部、32…第1半導体層、34…発光層、36…第2半導体層、36a…上面、37…第1部分、38…第2部分、39…第3半導体層、40…光伝搬層、42…第1層、44…第2層、46…第3層、50…第1電極、52…第2電極、60…マスク層、100…発光装置、100R,100G,100B…光源、136…第1領域、200…発光装置、210…導電層、236…第2領域、900…プロジェクター、902R,902G,902B…レンズアレイ、904R,904G,904B…液晶ライトバルブ、906…クロスダイクロイックプリズム、908…投射レンズ、910…スクリーン、1030b…第2柱状部、1046…第3層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13