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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20220701BHJP
   B65D 1/36 20060101ALI20220701BHJP
   B65D 25/04 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
B65D77/20 D
B65D77/20 C
B65D1/36
B65D25/04 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017045075
(22)【出願日】2017-03-09
(65)【公開番号】P2018144881
(43)【公開日】2018-09-20
【審査請求日】2020-02-06
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】込山 和馬
【合議体】
【審判長】藤原 直欣
【審判官】稲葉 大紀
【審判官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3052893(JP,U)
【文献】特開2016-37323(JP,A)
【文献】登録実用新案第3154610(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20
B65D 1/36
B65D 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体に係合する状態で当該容器本体に載置される中容器と、前記容器本体と前記中容器とを覆う蓋体と、を備えた包装用容器であって、
前記中容器は、被収容物を収容する凹状の収容空間を形成する内周壁及び底部と、前記内周壁を取り囲む外周壁と、を有し、
前記中容器における前記容器本体との係合部が、前記外周壁に形成され、
前記容器本体は、前記係合部と係合する被係合部を有し、
前記係合部と前記被係合部とが上下方向に重複する部分を有するように設けられ、
前記蓋体が前記容器本体に装着された状態での前記中容器の上端と前記蓋体の内面との間に、上下方向の隙間が形成され
前記隙間が、前記係合部と前記被係合部との上下方向の重複長さよりも小さく設定されている包装用容器。
【請求項2】
前記蓋体は、前記中容器及び前記容器本体を上方から覆う蓋体天井部と、前記蓋体天井部から上方に突出する突出部と、前記蓋体天井部の外縁から下方に突出して形成される蓋体側壁と、を有し、
前記隙間が、前記蓋体が前記容器本体に装着された状態での前記中容器の上端と前記蓋体における前記突出部の下面との間に形成され、前記係合部と前記被係合部との上下方向の重複長さよりも小さく設定されている請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記内周壁は、その内周の基端に、前記底部よりも下方に向けて凹んだ内周基端凹部を有している請求項1又は2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記底部が、前記係合部よりも上方に配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記蓋体が前記容器本体に装着された状態で、他の包装用容器を上方に段積みする際に、前記中容器の上端と前記蓋体の内面とが当接する請求項1から4のいずれか一項に記載の包装用容器。
【請求項6】
前記容器本体は、前記係合部と係合する被係合部を有し、
前記係合部と前記被係合部との係合が、外嵌合又は内嵌合である請求項1から5のいずれか一項に記載の包装用容器。
【請求項7】
前記容器本体は、被収容物を収容する容器側収容空間を複数に区画する区画壁を有し、
前記区画壁は、環状に形成されて前記容器本体の中央部側に設けられる環状区画壁を含み、
前記中容器が、前記環状区画壁の外縁よりも内側に収まる状態で当該環状区画壁に載置されている請求項1から6のいずれか一項に記載の包装用容器。
【請求項8】
前記外周壁が、下方に向かって外側に広がるテーパー状に形成されている請求項1から7のいずれか一項に記載の包装用容器。
【請求項9】
前記中容器は、透明である請求項1から8のいずれか一項に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体に係合する状態で当該容器本体に載置される中容器を備えた包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記の特許文献1には、被収容物としての食品を多く収容可能な包装用容器が開示されている。このような包装用容器は、例えば多人数の会食等で食品を提供するのに適している。特許文献1では、平面的な大きさを広げずに収容量を増やすため、容器本体2の仕切壁27の上端部に対して、被収容物を別途収容可能な内容器3(中容器)が係合するように構成されている。これにより特許文献1では、上下方向における収容空間の拡大が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-37323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、内容器3の底部31の中央に形成された係合溝33を、仕切壁27の上端部に係合させることで、容器本体2に対して内容器3が係合するように構成されている。しかしながら、係合溝33は内容器3の底部31の中央に形成されているため、当該係合溝33を仕切壁27に対して係合させる際に、係合溝33の位置を視認しにくく、それにより係合作業を行い難いという問題があった。更に、内容器3の係合時には、当該内容器3は底部31の中央で支持された状態となっているため、内容器3に収容されている食品の収容位置に偏りが生じた場合等には、安定性が良くないという問題があった。
【0005】
そこで、中容器の係合を容易にでき、且つ、係合状態の中容器を良好に安定させることが可能な包装用容器の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る包装用容器は、
容器本体と、前記容器本体に係合する状態で当該容器本体に載置される中容器と、前記容器本体と前記中容器とを覆う蓋体と、を備えた包装用容器であって、
前記中容器は、被収容物を収容する凹状の収容空間を形成する内周壁及び底部と、前記内周壁を取り囲む外周壁と、を有し、
前記中容器における前記容器本体との係合部が、前記外周壁に形成されている。
【0007】
本構成によれば、中容器における容器本体との係合部が、当該中容器の外周壁に形成されているため、係合部を視認しながら当該係合部を容器本体に対して係合することができる。従って、中容器の係合を容易にでき、例えば、中容器の収容空間に被収容物が収容された状態であっても容易に係合作業を行うことができる。また、係合部が外周壁に形成されているため、中容器の係合時では、当該中容器は外周壁の位置で支持された状態となっている。そのため、例えば、被収容物の収容位置に偏りが生じた場合であっても、中容器を良好に安定させることができる。
【0008】
1つの態様として、
前記底部が、前記係合部よりも上方に配置されていると好適である。
【0009】
本構成によれば、中容器における底部の下方に空間を形成することができる。よって、例えば、当該空間を、内周壁及び底部によって形成される収容空間とは別に、被収容物を収容する収容空間として利用することができる。また、この空間に被収容物を収容した場合には、底部の下面に被収容物が接触することを抑制できる。例えば、被収容物が食品である場合には、底部の下面の汚れ抑制になる。
【0010】
1つの態様として、
前記容器本体は、前記係合部と係合する被係合部を有し、
前記係合部と前記被係合部とが上下方向に重複する部分を有するように設けられ、
前記蓋体が前記容器本体に装着された状態での前記中容器の上端と前記蓋体の内面との間の上下方向の隙間が、前記係合部と前記被係合部との上下方向の重複長さよりも小さく設定されていると好適である。
【0011】
本構成によれば、蓋体が容器本体に装着された状態で中容器が容器本体に対して上方に移動した場合であっても、係合部が被係合部から完全に外れる前に中容器の上端が蓋体の内面に接触する。そのため、係合部と被係合部とが上下方向で重複した状態を常に維持することができる。従って、本構成によれば、蓋体が容器本体に装着された状態で中容器が容器本体から外れることを抑制できる。
【0012】
1つの態様として、
前記蓋体が前記容器本体に装着された状態で、前記中容器の上端と前記蓋体の内面とが当接すると好適である。
【0013】
本構成によれば、蓋体が容器本体に装着された状態で中容器が容器本体に対して上方に移動することを抑制することができ、その結果、中容器が容器本体から外れることを抑制できる。また、包装用容器を段積みする際に、上方に位置する包装用容器の容器本体が下方に位置する包装用容器の蓋体に載置された状態で、当該蓋体が下方に撓むことを抑制できる。従って、複数の包装用容器を安定性良く段積みすることができる。
【0014】
1つの態様として、
前記容器本体は、前記係合部と係合する被係合部を有し、
前記係合部と前記被係合部との係合が、外嵌合又は内嵌合であると好適である。
【0015】
本構成によれば、係合部と被係合部との係合が外嵌合である場合には、係合部と被係合部とを簡易な構造で嵌合させることができる。また、中容器を容器本体に取り付けた後に盛り付けをする場合、風等の影響によって中容器の姿勢が崩れないように、係合部をストッパーとして機能させることができる。従って、中容器への盛り付けの作業性を向上させることができる。また、係合部と被係合部との係合が内嵌合である場合には、係合部と被係合部とを強固に嵌合することができる。例えば、水分の多い食品を被収容物として係合部の内側の空間に収容する場合には、当該空間の密閉性を高くでき、その結果、汁漏れを抑制することができる。
【0016】
1つの態様として、
前記容器本体は、被収容物を収容する容器側収容空間を複数に区画する区画壁を有し、
前記区画壁は、環状に形成されて前記容器本体の中央部側に設けられる環状区画壁を含み、
前記中容器が、前記環状区画壁の外縁よりも内側に収まる状態で当該環状区画壁に載置されていると好適である。
【0017】
本構成によれば、環状区画壁の外側に中容器がはみ出すことを抑制することができる。例えば、環状区画壁の外側に容器側収容空間が配置されている場合には、容器側収容空間と中容器とが上下方向に見て重複することを抑制できる。従って、容器側収容空間に収容された被収容物を取り出す際に、中容器が障害物になることを抑制できる。
【0018】
1つの態様として、
前記外周壁が、下方に向かって外側に広がるテーパー状に形成されていると好適である。
【0019】
本構成によれば、外周壁に対して下方に向かって作用する外力を外側に分散させることができるため、当該外力に対する中容器の保形性を向上させることができる。例えば、包装用容器を段積みする際には、上方に位置する包装用容器の重量が、下方に位置する包装用容器の蓋体を介して、当該蓋体に対して下方から当接する外周壁に負荷を掛ける。このような場合であっても、外周壁は負荷を外側に分散することができ、その結果、中容器の形状を保持することができる。
【0020】
1つの態様として、
前記中容器は、透明であると好適である。
【0021】
本構成によれば、中容器の収容空間に収容された被収容物を、外周壁の外側から見ることができる。例えば、被収容物が食品である場合には、包装用容器全体として見栄えを良くすることができる。また、中容器の底部の下方に食品を収容する空間を形成した場合には、透明の中容器を通して当該空間に収容された食品も見ることができ、消費者に視覚的な満足感を与えることができる。
【0022】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】包装用容器の分解斜視図。
図2】包装用容器の正面図。
図3】容器本体及び中容器の要部拡大斜視図。
図4】包装用容器の要部拡大断面図。
図5】他の実施形態に係る包装用容器の要部拡大断面図。
図6】他の実施形態に係る包装用容器の要部拡大断面図。
図7】他の実施形態に係る中容器の斜視図。
図8】他の実施形態に係る包装用容器の要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施形態に係る包装用容器について図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、包装用容器1は、容器本体3と、容器本体3に係合する状態で当該容器本体3に載置される中容器5と、容器本体3と中容器5とを覆う蓋体7と、を備えている。
【0025】
容器本体3は、容器底部32と、容器底部32の外縁から立設された容器側壁31と、を有している。容器底部32と容器側壁31とにより囲まれた空間に、被収容物を収容する容器側収容空間36が形成されている。容器側収容空間36は、被収容物として、例えば、食品等を収容する。本実施形態では、調理済みの食品(以下、料理と言う)が、被収容物として容器側収容空間36に収容される。以下では、少なくとも2種以上の料理が収容されるオードブル用の包装用容器1を例に説明する。図1に示す例では、包装用容器1は、平面視で円形状に形成されている。
【0026】
図1に示すように、容器本体3は、被収容物を収容する容器側収容空間36を複数に区画する区画壁33を有している。本実施形態では、容器側収容空間36は、第一収容空間36Aと第二収容空間36Bとを有している。これら第一収容空間36Aと第二収容空間36Bとは、区画壁33によって区画されている。
【0027】
区画壁33は、容器底部32から立設されている。図1に示す例では、区画壁33は、環状に形成されて容器本体3の中央部側に設けられる環状区画壁34を含んでいる。ここでは、区画壁33は、上面が径方向に幅を有する環状に形成されている。本実施形態では、区画壁33は、環状区画壁34に加えて、環状区画壁34から放射線状に延びる複数の線状区画壁35を含んでいる。図1に示す例では、区画壁33は、1つの環状区画壁34と、5つの線状区画壁35と、を含んで構成されている。但し、環状区画壁34は1つに限らず、複数形成されていても良い。また、環状区画壁34は、容器本体3の内方を向く環状内周壁34Bと、容器本体3の外方を向くと共に環状内周壁34Bを外方から覆う環状外周壁34Aと、環状内周壁34Bの上端部と環状外周壁34Aの上端部とを連結する環状天井部34Dと、を有している。環状天井部34Dは、環状外周壁34Aとの境界部分に、区画壁外縁部34D1を有している。本実施形態では、区画壁外縁部34D1が、「環状区画壁の外縁」に相当する。なお、以下では、容器本体3の外縁部から中央部側に向かう方向を「内方」又は「内側」とし、反対に、中央部側から外縁部側に向かう方向を「外方」又は「外側」として説明する。
【0028】
第二収容空間36Bは、容器本体3の中央部側に設けられている。第二収容空間36Bは、容器底部32のうち容器本体3の中央部側に設けられた容器側第二底部32Bと、環状内周壁34Bと、により囲まれた空間によって構成されている。なお、前述のように、環状区画壁34が複数形成される場合には、第二収容空間36Bも複数設けられる。
【0029】
第一収容空間36Aは、第二収容空間36Bの周囲に設けられている。図1に示す例では、1つの第二収容空間36Bの周囲に、5つの第一収容空間36Aが設けられている。第一収容空間36Aは、容器底部32のうち容器側第二底部32Bの周囲に設けられた容器側第一底部32Aと、環状外周壁34Aと、複数の線状区画壁35(本例では2つ)と、容器側壁31と、により囲まれた空間によって構成されている。
【0030】
第一収容空間36A及び第二収容空間36Bに、同一の又は異なる種類の料理が収容されることで、食卓を豪華に飾ることができる。このような包装用容器1は、例えば、多人数で会食を行う場合に適している。
【0031】
図1図3に示すように、中容器5は、容器本体3に載置される。本実施形態では、中容器5は、区画壁外縁部34D1よりも内側に収まる状態で当該環状区画壁34に載置されている。図1に示すように、中容器5は、係合部53Bを有し、容器本体3は、係合部53Bと係合する被係合部34Cを有している。
【0032】
図1及び図3に示すように、被係合部34Cは、環状区画壁34の上側に形成されている。本実施形態では、被係合部34Cは、環状天井部34Dが形成される領域の一部に形成されており、より具体的には、環状天井部34Dにおける内側部分に形成されている(図4等参照)。図4に示す例では、被係合部34Cは、内方に向かうに従って下方に緩やかに傾斜する緩テーパー部34C1と、当該緩テーパー部34C1の内側端部から外方に折り返されて外方に向かうに従って下方に傾斜する被係合テーパー部34C4と、当該被係合テーパー部34C4に連続して形成されると共に外方に窪む被係合窪み部34C5と、を有している。
【0033】
本実施形態では、係合部53Bと被係合部34Cとの係合が、内嵌合である。図1及び図4に示すように、係合部53Bの下端が、上方から、被係合部34Cの緩テーパー部34C1によって被係合テーパー部34C4に案内され、その後、被係合窪み部34C5に係止する。係合部53Bの下端が被係合窪み部34C5に係止した状態で、被係合テーパー部34C4及び被係合窪み部34C5は、係合部53Bの下端を内方に押圧して当該係合部53Bの抜け止めとして機能する。このようにして、係合部53Bと被係合部34Cとが内嵌合する。これにより、係合部53Bと被係合部34Cとを強固に嵌合することができる。そして、係合部53B(被係合部34C)の内側の空間である第二収容空間36Bの密閉性を高くでき、例えば、水分の多い食品を被収容物として第二収容空間36Bに収容する場合には、汁漏れを抑制することができる。
【0034】
中容器5は、容器本体3の第二収容空間36Bを上方から覆うと共に、容器本体3に載置される。図1及び図3に示すように、中容器5は、被収容物を収容する凹状の収容空間57を形成する内周壁52及び底部51を有している。図4に示す例では、収容空間57は、中容器5が容器本体3に載置された状態で、第二収容空間36Bの上方に配置される上方収容空間57として構成されている。本実施形態では、中容器5は、透明である。これにより、中容器5が容器本体3に載置された状態で、上方収容空間57の下方に配置される第二収容空間36Bを外部から視認することができる。例えば、第二収容空間36Bに料理(食品)が収容されている場合には、この料理を外部から視認することができ、消費者に視覚的な満足感を与えることができる。よって、店頭では消費者の購買意欲を惹起し、家庭では食卓を見栄え良くすることができる。
【0035】
図3及び図4に示すように、中容器5は、開口部54と、開口部54の周囲を囲む開口縁部54Aと、を有している。開口部54は、上方収容空間57に連続して形成されている。被収容物は、開口部54を介して上方収容空間57に収容される。図3に示す例では、開口部54及び開口縁部54Aは、平面視で円形状に形成されている。これにより、中容器5の周囲のいずれの方向からでも、上方収容空間57に被収容物を収容することが容易となる。また、中容器5の周囲のいずれの方向からでも、上方収容空間57に収容された被収容物を容易に取り出すことができ、例えば、多人数で会食を行う場合などに適している。
【0036】
図3及び図4に示すように、中容器5は、内周壁52を取り囲む外周壁53を有している。本実施形態では、内周壁52は、内方を向くように構成されている。そして、外周壁53は、外方を向くように構成されている。内周壁52と外周壁53とは、中容器5の上端に形成された頂部56によって互いに連結されている。内周壁52は頂部56の内方に配置され、外周壁53は頂部56の外方に配置されている。図1に示す例では、内周壁52及び外周壁53は、平面視で円形状に形成されている。
【0037】
図4に示す例では、外周壁53が、下方に向かって外側に広がるテーパー状に形成されている。本実施形態では、外周壁53は、下方に向かって外側に広がる長テーパー部53Aを有している。また、内周壁52が、下方に向かって内側に広がるテーパー状に形成されている。本実施形態では、内周壁52は、長テーパー部53Aよりも短く形成されると共に下方に向かって内側に広がる短テーパー部52Aを有している。これらにより、外周壁53及び内周壁52に対して上方から外力が作用した場合の中容器5の保形性を向上させることができる。
【0038】
図3及び図4に示す例では、内周壁52は、内周壁52の基端において短テーパー部52Aに連続して形成された内周基端凹部52Bを有している。本実施形態では、内周基端凹部52Bは、下方に向けて凹んだ形状に形成されている。内周基端凹部52Bは、内周壁52に沿って環状に連続するように形成されている。これにより、内周壁52の基端部の強度を向上させることができる。また、例えば、上方収容空間57に、水分を含む食品を収容する場合には、食品から染み出た水分を内周基端凹部52Bに流すことができ、食品が水分に浸ることを抑制できる。その結果、上方収容空間57に収容された食品の食感や風味が損なわれることを抑制することができる。
【0039】
図1図4等に示すように、中容器5における容器本体3との係合部53Bが、外周壁53に形成されている。本実施形態では、係合部53Bが、外周壁53の全周に亘って形成されている。また、係合部53Bは、外周壁53の下端部に形成されている。図4に示す例では、係合部53Bは、長テーパー部53Aの下方に連続して形成されている。そして、係合部53Bは、長テーパー部53Aの基端から下方及び外方に膨出する係合膨出部53B3と、係合膨出部53B3に連続して形成されると共に上方に向かうに従って内方に狭まる係合テーパー部53B4と、係合テーパー部53B4から外方に折り返されて外方に延びる外フランジ部53B5と、を有している。
【0040】
本実施形態では、係合膨出部53B3が、上方から、被係合部34Cの緩テーパー部34C1によって被係合テーパー部34C4に案内され、その後、被係合窪み部34C5に係止する。係合膨出部53B3が被係合窪み部34C5に係止した状態で、係合膨出部53B3は、被係合テーパー部34C4及び被係合窪み部34C5によって内方に押圧される。そして、係合テーパー部53B4が、被係合テーパー部34C4に当接すると共に係合膨出部53B3の抜け止めとして機能する。よって、係合部53Bと被係合部34Cとを、より強固に嵌合させることができる。
【0041】
図4に示す例では、底部51が、係合部53Bよりも上方に配置されている。本実施形態では、底部51は、中容器5における内周壁52に連続して形成されており、係合部53Bは、中容器5における外周壁53に連続して形成されている。より具体的には、底部51は、内周壁52における短テーパー部52Aの基端側に形成されており、係合部53Bは、短テーパー部52Aよりも長く形成された外周壁53における長テーパー部53Aの基端側に形成されている。従って、中容器5は、底部51が係合部53Bよりも上方に位置する底上げ形状となっている。これにより、底部51の下方に配置された第二収容空間36Bの収容スペースを広くすることができる。また、例えば、第二収容空間36Bに料理が収容されている場合には、当該料理が底部51の下面に付着するのを抑制することができる。従って、底部51の下面の汚れ抑制にもなる。
【0042】
本実施形態では、中容器5と容器本体3とが係合した状態で、係合部53Bと被係合部34Cとが上下方向に重複する部分を有するように設けられている。図4に示す例では、上下方向の重複長さL2の範囲内で、係合部53Bと被係合部34Cとが重複している。なお、本実施形態では、重複長さL2は、被係合部34Cの上下方向の長さに設定されている。より具体的には、重複長さL2は、被係合部34Cにおける、緩テーパー部34C1の上端から被係合窪み部34C5の下端までの上下方向の長さに設定されている。
【0043】
図1及び図2に示すように、蓋体7は、中容器5が容器本体3に載置された状態で、これら中容器5及び容器本体3を覆う。蓋体7は、中容器5及び容器本体3を上方から覆う蓋体天井部72と、蓋体天井部72の外縁から下方に突出して形成されると共に、中容器5及び容器本体3を外方から覆う蓋体側壁71と、蓋体側壁71の下端に形成されて容器本体3の外周被係合部37と係合する外周係合部73と、を有している。蓋体7の形状は、容器本体3の形状に合わせて適宜変更することができる。本実施形態では、蓋体7は、平面視で円形状に形成されている。これにより、平面視で円形状に形成されている容器本体3に対して係合可能となっている。なお、蓋体7の形状は、中容器5の形状に左右されるものではない。
【0044】
図1及び図2に示す例では、蓋体7は、蓋体天井部72から上方に突出するズレ抑止部72Aを有している。また、図1に示すように、本実施形態では、容器本体3の容器側第二底部32Bは、この周囲に配置された複数の容器側第一底部32Aよりも上方に配置されている。従って、容器底部32は、全体的に、中央部側が上方に凹んだ形状となっている。例えば、蓋体7が容器本体3に装着された状態で、複数の包装用容器1が段積みされる場合には、上方に位置する包装用容器1の容器本体3が、下方に位置する包装用容器1の蓋体7に載置される。このとき、蓋体7のズレ抑止部72Aが、これよりも上方に位置する容器底部32に嵌まり込む。これにより、上下方向に段積みされた複数の包装用容器1の水平方向のズレを抑制することができ、複数の包装用容器1を安定性良く段積みすることができる。
【0045】
ここで、包装用容器1単体で見た場合に、容器本体3に対して中容器5が適切に係合していない場合や、適切に係合している状態であっても何らかの外力を受けた場合には、中容器5が容器本体3から外れることがある。蓋体7が容器本体3に装着された状態で、中容器5が容器本体3から外れると、上方収容空間57又はその下方の第二収容空間36Bから料理(被収容物)が飛び出して、複数の容器側収容空間36の間で異なる種類の料理が混ざることがある。このような事態は、蓋体7が容器本体3に装着された状態で、中容器5が容器本体3に対して上方に摺動して、係合部53Bが被係合部34Cを乗り越えることにより生じる。
【0046】
そこで本実施形態では、図4に示すように、蓋体7が容器本体3に装着された状態での中容器5の上端である頂部56と蓋体7の内面72Fとの間の上下方向の隙間L1が、係合部53Bと被係合部34Cとの上下方向の重複長さL2よりも小さく設定されている。なお、本例では、内面72Fは、蓋体天井部72の下面である。
【0047】
このような構成によれば、蓋体7が容器本体3に装着された状態で中容器5が容器本体3に対して上方に摺動した場合であっても、係合部53Bが被係合部34Cを完全に乗り越える(外れる)前に中容器5の頂部56が蓋体7の内面72Fに接触する。そのため、係合部53Bと被係合部34Cとが上下方向で重複した状態を常に維持することができ、蓋体7が容器本体3に装着された状態で中容器5が容器本体3から外れることを抑制できる。
【0048】
更に、本実施形態では、係合部53Bと被係合部34Cとの重複長さL2のうち、被係合テーパー部34C4の上端部から被係合窪み部34C5の下端部までの上下方向の長さが第二重複長さL2aに設定されている。そして、図4に示すように、隙間L1が、第二重複長さL2aよりも小さく設定されている。これにより、蓋体7が容器本体3に装着された状態で中容器5が容器本体3に対して上方に摺動した場合であっても、係合部53Bの係合膨出部53B3が被係合部34Cの被係合窪み部34C5から外れることがない。従って、蓋体7が容器本体3に装着された状態で中容器5が容器本体3からずれることを抑制でき、この場合には、当然に、中容器5が容器本体3から外れることを抑制できる。
【0049】
以上のように、包装用容器1は、中容器5における容器本体3との係合部53Bが、外周壁53に形成されている。そのため、係合部53Bを視認しながら当該係合部53Bを容器本体3に対して係合することができる。例えば、中容器5の上方収容空間57に料理が収容されている状態で、当該中容器5と容器本体3とを係合させる場合には、係合部53Bを視認しながらこれらを係合させることができる。従って、中容器5と容器本体3との係合に関して特に神経を使う必要がなく、例えば、上方収容空間57に収容された料理がこぼれないように気を遣いながら中容器5と容器本体3とを容易に係合させることができる。
【0050】
また、係合部53Bが外周壁53に形成されているため、中容器5と容器本体3との係合時には、中容器5は、当該中容器5における最も外側に配置された外周壁53の位置で支持された状態となっている。そのため、例えば、中容器5の第二収容空間36Bに収容された料理の収容位置に偏りが生じた場合であっても、中容器5を良好に安定させることができる。
【0051】
なお、本実施形態の包装用容器1(容器本体3、中容器5、及び蓋体7)は、例えば熱可塑性樹脂を原料とするシート材を用いて製造することができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等)、ポリスチレン系樹脂(耐衝撃性ポリスチレン系樹脂等)、及びポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート系樹脂や耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂等)等を採用することができる。シート材としては、発泡シート材又は非発泡シート材を用いることができ、さらに、これらにフィルム等を積層した積層シートを用いることもできる。包装用容器1は、上述した各種の熱可塑性樹脂シートを用いて、熱成形により成形することができる。熱成形の具体的手法としては、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、及び熱板成形法等の各種手法を採用可能である。
【0052】
〔第二実施形態〕
次に、包装用容器の第二実施形態について説明する。上記の第一実施形態では、中容器5の係合部53Bと容器本体3の被係合部34Cとの係合が、内嵌合である例について説明した。しかし、第二実施形態では、係合部53Bと被係合部34Cとの係合が、外嵌合である。以下、図5を参照して第二実施形態に係る包装用容器について説明する。なお、特に説明しない点については第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
図5に示す例では、被係合部34Cは、緩テーパー部34C1の外方に連続して形成されると共に、外方に突出する被係合突出部34C6を有している。本実施形態では、被係合突出部34C6は、緩テーパー部34C1の外周全周に亘って形成されている。
【0054】
図5に示す例では、係合部53Bは、被係合突出部34C6に引っ掛かって係合する係合引掛部53B6を有している。係合引掛部53B6は、中容器5の外周壁53の下端部において、外方に湾曲するフック状に形成されている。係合引掛部53B6が内方に力を作用させている状態で、被係合突出部34C6に外方から引っ掛かることによって、中容器5の係合部53Bと容器本体3の被係合部34Cとが外嵌合する。
【0055】
第二実施形態によれば、係合部53Bと被係合部34Cとを簡易な構造で嵌合させることができる。また、中容器5を容器本体3に取り付けた後に盛り付けをする場合、風等の影響によって中容器5の姿勢が崩れないように、係合部53Bをストッパーとして機能させることができる。従って、中容器5への盛り付けの作業性を向上させることができる。
【0056】
〔第三実施形態〕
次に、包装用容器の第三実施形態について説明する。上記の各実施形態では、中容器5の係合部53Bと容器本体3の被係合部34Cとが、内嵌合又は外嵌合する例について説明した。しかし、第三実施形態では、係合部53Bと被係合部34Cとが嵌合しない状態で、中容器5が容器本体3に載置される。以下、図6を参照して第三実施形態に係る包装用容器について説明する。なお、特に説明しない点については第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0057】
図6に示す例では、被係合部34Cは、環状区画壁34の上端に形成されて内方に向かうに従って下方に緩やかに傾斜する緩テーパー部34C1と、緩テーパー部34C1の内側に連続して形成されて内方に向かうに従って下方に急傾斜する急テーパー部34C2と、急テーパー部34C2の内側に連続して形成されると共に内方に張り出す内側張出部34C3と、を有している。
【0058】
本実施形態では、係合部53Bの下端が内側張出部34C3に載置されることにより、係合部53Bと被係合部34Cとが係合する。図6に示すように、係合部53Bの下端が、上方から、被係合部34Cの緩テーパー部34C1及び急テーパー部34C2によって内側張出部34C3に案内され、その後、当該内側張出部34C3に載置される。係合部53Bの下端が内側張出部34C3に載置された状態で、急テーパー部34C2は、係合部53Bの下端を内方に押圧して当該係合部53Bの抜け止めとして機能する。このようにして、係合部53Bと被係合部34Cとが係合する。
【0059】
図6に示すように、係合部53Bは、長テーパー部53Aの基端から外方に張り出す外側張出部53B1と、外側張出部53B1の外縁に連続して形成されると共に、外方に向かうに従って下方に傾斜する外周基端テーパー部53B2と、を有している。
【0060】
本実施形態では、外周基端テーパー部53B2が、上方から、被係合部34Cの緩テーパー部34C1及び急テーパー部34C2によって内側張出部34C3に案内され、その後、当該内側張出部34C3に載置される。外周基端テーパー部53B2が内側張出部34C3に載置された状態で、外周基端テーパー部53B2は、急テーパー部34C2によって内方に押圧されて抜け止めされる。
【0061】
本実施形態では、第二重複長さL2aは、被係合部34Cにおける急テーパー部34C2の上端部から内側張出部C3までの上下方向の長さに設定されている。そして、第三実施形態においても、第一実施形態と同様に、蓋体7が容器本体3に装着された状態での中容器5の上端である頂部56と蓋体7の内面72Fとの間の上下方向の隙間L1が、第二重複長さL2aよりも小さく設定されている。これにより、係合部53Bと被係合部34Cとが嵌合しない状態で、中容器5が容器本体3に載置される第三実施形態においても、蓋体7が容器本体3に装着された状態で中容器5が容器本体3からずれることを抑制でき、この場合には、当然に、中容器5が容器本体3から外れることを抑制できる。
【0062】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の第一及び第二実施形態では、中容器5の係合部53Bと容器本体3の被係合部34Cとの係合が、内嵌合又は外嵌合である例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。中容器5の係合部53Bと容器本体3の被係合部34Cとの係合が、内嵌合及び外嵌合の両方からなる「内外嵌合」であっても良い。
【0063】
(2)上記の第三実施形態では、図6に示すように、係合部53Bの下端部が、被係合部34Cの内側張出部34C3に載置されている例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。係合部53Bの下端部は、被係合部34Cにおける他の部分に載置されていても良い。このような具体例を図8に示す。図8に示す例では、被係合部34Cが、緩テーパー部34C1の頂点部分から外方に向かうに従って下方に傾斜する外側テーパー部34C7と、この外側テーパー部34C7に連続して形成されて外方に張り出す外側載置部34C8と、を有している。そして、係合部53Bの下端部が外側載置部34C8に載置された状態で、中容器5が容器本体3に取り付けられる。この場合には、図8に示すように、重複長さL2は、外側テーパー部34C7の上下方向の長さに設定される。
【0064】
(3)上記の実施形態では、蓋体7が容器本体3に装着された状態で、中容器5の上端である頂部56と蓋体7の内面72Fとの間に上下方向の隙間L1が存在する例について説明した(図4参照)。しかし、本発明はこのような例に限定されない。蓋体7が容器本体3に装着された状態で、中容器5の上端である頂部56と蓋体7の内面72Fとが当接する(言い換えれば、隙間L1が0(ゼロ)となる)ように構成されていても良い。
【0065】
ここで、複数の包装用容器1を段積みする際には、上方に位置する包装用容器1の重みによって下方に位置する包装用容器1の蓋体7が下方に撓むことがある。段積みする包装用容器1の数が多くなるほど、重みが増して蓋体7の撓み量も大きくなる。そして、この状態で、蓋体7の外縁では、蓋体7の外周係合部73が容器本体3の外周被係合部37から外れる方向に、力が作用する。その結果、蓋体7が容器本体3から外れて、中容器5及び容器本体3から被収容物がこぼれる可能性がある。上記構成によれば、中容器5の頂部56と蓋体7の内面72Fとが当接するため、蓋体7が容器本体3に装着された状態で中容器5が容器本体3に対して上方に摺動することを抑制することができ、その結果、中容器5が容器本体3から外れることを抑制できる。
【0066】
(4)上記の実施形態では、中容器5の外周壁53の長テーパー部53Aが、平滑な外面を有するように形成されている例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。図7に示すように、長テーパー部53Aは、下方に沿って延びる複数のリブ部53Cを有して構成されていても良い。これにより、外周壁53の強度を向上させることができる。なお、図7に示す例では、リブ部53Cが、外周壁53の全周に亘って形成されているが、リブ部53Cは、外周壁53の一部の領域にだけ形成されていても良い。
【0067】
(5)上記の実施形態では、環状区画壁34は、容器本体3の中央部に設けられている例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。環状区画壁34は、容器本体3の中央部から偏心した位置に設けられていても良い。また、環状区画壁34は、少なくとも環状に形成されれば、円形状に限らず、平面視で楕円状や多角形状等であっても良い。
【0068】
(6)上記の実施形態では、中容器5の係合部53Bが、外周壁53の全周に亘って形成されている例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。係合部53Bは、外周壁53の一部の領域に形成されていても良い。例えば、係合部53Bは、環状の外周壁53に対して180°間隔で2つ形成されていても良いし、90°間隔で4つ形成されていても良い。
【0069】
(7)上記の実施形態では、中容器5の内周壁52及び外周壁53が、平面視で円形状に形成されている例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。内周壁52及び外周壁53は、平面視で楕円状や多角形状等に形成されていても良い。
【0070】
(8)上記の実施形態では、中容器5に関して、底部51が係合部53Bよりも上方に配置されている例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。底部51は、上下方向において係合部53Bと同じ位置に配置されていても良いし、係合部53Bよりも下方に配置されていても良い。
【0071】
(9)上記の実施形態では、中容器5が透明である例について説明した。しかし、本発明はこのような例に限定されない。中容器5は、不透明であっても良い。例えば、中容器5は、半透明であっても良いし、表面に模様や色が付されていても良い。
【0072】
(10)なお、前述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本開示に係る技術は、容器本体に係合する状態で当該容器本体に載置される中容器を備えた包装用容器に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 :包装用容器
3 :容器本体
5 :中容器
7 :蓋体
33 :区画壁
34 :環状区画壁
34C :被係合部
34D :環状天井部
34D1 :区画壁外縁部(環状区画壁の外縁)
35 :線状区画壁
36 :容器側収容空間
36A :第一収容空間
36B :第二収容空間
51 :底部
52 :内周壁
53 :外周壁
53B :係合部
56 :頂部(中容器の上端)
57 :上方収容空間(収容空間)
72F :内面(蓋体の内面)
L1 :隙間(中容器の上端と蓋体の内面との間の上下方向の隙間)
L2 :重複長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8