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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】信号発信装置
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20220701BHJP
   G01S 1/68 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
G08C15/00 G
G01S1/68
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017252054
(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2019117570
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】317006258
【氏名又は名称】オプテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】御影池 太朗
(72)【発明者】
【氏名】入江 欣介
(72)【発明者】
【氏名】藤原 正幸
(72)【発明者】
【氏名】池内 章浩
(72)【発明者】
【氏名】池田 学恭
(72)【発明者】
【氏名】高島 佳一
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-519102(JP,A)
【文献】特開2015-233204(JP,A)
【文献】特開2017-163184(JP,A)
【文献】特開2016-162017(JP,A)
【文献】特開2013-030825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00
G01S 1/68
H04W 84/10-84/16
H04W 88/00-88/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メンテナンスが必要な外部装置から当該外部装置のメンテナンスに関するメンテナンス情報を取得する取得部と、
近距離無線通信により、自機の設置場所の属性を判別させるための識別情報、および前記メンテナンス情報を含む信号を繰り返し送信する送信部と、を備え
前記外部装置は、人を検知してドアを開く自動ドアを含む自動ドアシステムであり、
前記メンテナンス情報は、前記自動ドアの通過人数を含む、信号発信装置。
【請求項2】
前記メンテナンス情報を複数の情報に分割し、分割した情報のそれぞれを複数の前記信号に含ませる信号処理部を備え、
前記送信部は、分割された前記メンテナンス情報を含む前記信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の信号発信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号を用いた情報収集システムに含まれる信号発信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、BLE(Bluetooth Low Energy)を用いてビーコン信号を発信し、広告やクーポン等の情報のプッシュ通知を行う広告配信システム等、ビーコン信号を用いるビジネスモデルが注目されている。BLEは、Bluetooth(登録商標)と比較して消費電力が低く、コイン電池、ボタン電池等を使用して、長期間、利用することができる。また、ビーコン信号発信機は、場所を選ばずに設置することができる。このため、BLEによりビーコン信号を発信することを用いたシステムは、需要も多い。
【0003】
例えば、非特許文献1には、BLEを用いたクーポン発券システムが開示されている。非特許文献1に開示されたシステムでは、BLEによる通信が可能なビーコン発信機を店舗に設置し、ビーコン発信機から発信されたBLEアドバタイズ信号を、BLEによる通信が可能なスマートホンが受信している。そして、スマートホンは、BLEアドバタイズ信号に含まれるID情報をサーバに送信し、サーバから当該店舗に関するクーポンを取得している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“iBeaconとは?”[online][平成29年11月24日検索]、インターネット〈URL:http://smartphone-ec.net/ibeacon/system.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した通り、BLEを用いてビーコン信号を発信するBLEモジュールを備えたシステムは需要も多く、様々な用途に用いることができる。上記非特許文献1では、ビーコン信号を受信したスマートホンにクーポンを配信するシステムが記載されているが、可能な用途は、これに限られるものではない。
【0006】
ビーコン発信機は、様々なところに設置可能であり、さらにビーコン信号は周期的に発信される。また、ビーコン信号の受信に特別な操作は必要なく、ビーコン信号の到達範囲に存在さえすれば受信することができる。
【0007】
しかし、上述した従来技術ではこのようなビーコン信号の特性を十分に生かし切っていない。
【0008】
本発明の一態様は、上述したようなビーコン信号の特性をふまえ、容易に機器等からの情報を適切に発信できる信号発信装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る信号発信装置は、外部装置における特定情報を取得する取得部と、近距離無線通信により、自機の設置場所の属性を判別させるための識別情報を含む第1信号を繰り返し送信するとともに、前記特定情報を含む第2信号を送信するか、または、前記第2信号として、自機の設置場所の属性を判別させるための識別情報、および外部装置からの特定情報を含む信号を繰り返し送信する送信部と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
識別情報を繰り返し送信する信号発信装置は、位置ビーコンとして活用できる。位置ビーコンは様々な場所へ設置することが可能であり、需要が多い。そして、前記の構成によれば、当該信号発信装置を利用して外部装置の特定情報を発信する。
【0011】
これにより、近距離無線通信の到達範囲に存在さえすれば、容易に特定情報を受信することができる。
【0012】
また、発信された特定情報は、例えば携帯通信端末を介してネットワークに送信することができる。よって、ネットワークに繋がっていない外部装置からの特定情報を、ネットワークへ送ることができる。また、携帯通信端末は近距離無線通信の到達範囲に多数存在する可能性が高いため、ネットワークに繋がっていない外部装置からの特定情報を確実にネットワークに送信することができる。
【0013】
本発明の一態様に係る信号発信装置では、前記第1信号を受信した携帯通信端末から近距離無線通信により送信されてくる受信確認信号を受信する受信部を備え、前記送信部は、前記受信確認信号を受信した後に前記第2信号を送信するものであってもよい。
【0014】
前記の構成によれば、受信確認信号を確認後、特定情報を送信する。これにより、受信確認信号を送信してきた携帯通信端末のみに特定情報を送信する。そして、受信確認信号の送信を特定のアプリケーションの機能とすれば、当該特定のアプリケーションをインストールした携帯通信端末が、近距離無線通信の到達範囲に存在する場合に限り、特定情報を送信することができる。
【0015】
本発明の一態様に係る信号発信装置では、前記特定情報を複数の情報に分割し、分割した情報のそれぞれを複数の前記第2信号に含ませる信号処理部を備え、前記送信部は、分割された前記特定情報を含む前記第2信号を送信するものであってもよい。
【0016】
前記の構成によれば、特定情報の情報量が、単一の第2信号に含めることができる情報量を超えていたとしても、送信することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、近距離無線通信の到達範囲に存在さえすれば、容易に特定情報を受信することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る情報収集システムの全体概要を示す図である。
図2】上記情報収集システムに含まれる自動ドアシステムの要部構成を示すブロック図である。
図3】上記情報収集システムに含まれる携帯通信端末Aの要部構成示すブロック図である。
図4】上記情報収集システムに含まれる携帯通信端末Bの要部構成を示すブロック図である。
図5】(a)~(c)は、上記自動ドアシステムから送信されるビーコン信号の構造例を示す図である。
図6】メンテナンス情報を複数個に分けて送信する場合の第2信号の構造例を示す図である。
図7】上記携帯通信端末Aから送信されるデータの例を示す図である。
図8】上記情報収集システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図9】上記情報収集システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図10】(a)~(f)は、メンテナンス情報の利用例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔全体概要〕
まず、図1を参照して、本実施形態に係る情報収集システム100の全体概要について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る情報収集システム100は、自動ドアシステム40、1または複数の携帯通信端末A10、携帯通信端末B20、携帯通信端末C30、広告配信サーバ(第2サーバ)50、自動ドア管理サーバ(第1サーバ)60、および遠隔管理装置70を含み、携帯通信端末A10、携帯通信端末B20、および携帯通信端末C30と、広告配信サーバ50および自動ドア管理サーバ60とがネットワーク80により通信可能に接続されている。
【0020】
なお、携帯通信端末A10、携帯通信端末B20、および携帯通信端末C30は、全て含まれていなくてもよく、例えば、携帯通信端末A10のみが含まれる構成であってもよいし、携帯通信端末A10と携帯通信端末B20とが含まれる構成であってもよいし、携帯通信端末A10と携帯通信端末C30とが含まれる構成であってもよい。
【0021】
自動ドアシステム40は、人を検知してドアを開く自動ドアを含むシステムである。自動ドアシステム40の詳細については後述する。
【0022】
携帯通信端末A10は、自動ドアシステム40の近傍に存在する携帯通信端末であり、所持者が自動ドアシステム40の近傍を通過することにより、自動ドアシステム40からの信号を受信する。そして、受信した信号に含まれる情報を、ネットワーク80を介して広告配信サーバ50、自動ドア管理サーバ60に送信する。携帯通信端末A10の詳細については後述する。
【0023】
携帯通信端末B20は、自動ドアシステム40のオーナ、施主等が所持する携帯通信端末であり、所持者が携帯通信端末B20に対し操作を行うことにより自動ドアシステム40から信号を受信する。そして、受信した信号に含まれる情報を、ネットワーク80を介して自動ドア管理サーバ60に送信する。携帯通信端末B20の詳細については後述する。
【0024】
携帯通信端末C30は、自動ドアシステム40の施工者、ドア業者等が所持する携帯通信端末であり、自動ドアシステム40の設定等に用いられる。
【0025】
なお、携帯通信端末A10、携帯通信端末B20、および携帯通信端末C30は全て同じ機能を有する携帯通信端末であってよく、用途に応じて、携帯通信端末A10にもなり得るし、携帯通信端末B20にもなり得るし、携帯通信端末C30にもなり得る。また、携帯通信端末としての通常の機能(音声通話、メールの送受信、Webページの閲覧、アプリケーションの実行等)については公知の技術で可能であるので、ここではその説明を省略する。
【0026】
広告配信サーバ50は、ネットワーク80を介して、携帯通信端末A10と接続されており、例えば、携帯通信端末A10から通知された識別情報に応じた広告、クーポン、お得情報等(特典情報)を携帯通信端末A10に送信する。なお、識別情報とは自動ドアシステム40から発信される信号に含まれる情報である。識別情報の詳細については後述する。
【0027】
自動ドア管理サーバ60は、携帯通信端末A10または携帯通信端末B20から送信されたメンテナンス情報(特定情報)を格納することにより、自動ドアシステム40を管理するための情報を管理する。メンテナンス情報とは、自動ドアシステム40で検出した各種情報であり、例えば、通過人数、開閉回数、衝撃の有無・時間、振動の有無、ドア駆動部の負荷、周囲の温度、湿度等である。
【0028】
遠隔管理装置70は、自動ドア管理サーバ60に格納されているメンテナンス情報を用いて、自動ドアシステム40を管理するための装置である。
【0029】
ネットワーク80は、接続された機器における情報の送受信を可能とするものであり、例えばインターネット等が含まれる。
【0030】
本実施形態に係る情報収集システム100では、自動ドアシステム40で検出したメンテナンス情報を、自動ドアシステム40から発信するビーコン信号に含めて、携帯通信端末A10に送信し、携帯通信端末A10は、受信したメンテナンス情報を自動ドア管理サーバ60に送信する。なお、自動ドアシステム40で検出したメンテナンス情報を携帯通信端末B20に送信し、携帯通信端末B20が受信したメンテナンス情報を自動ドア管理サーバ60に送信する構成もあり得る。
【0031】
携帯通信端末A10は、上述したように、自動ドアシステム40の近傍に存在する通信端末であり、当該携帯通信端末A10の所持者が自動ドアシステム40近傍を通過したときに、自動ドアシステム40から信号を受信し、信号に含まれるメンテナンス情報を自動ドア管理サーバ60に送信する。これにより、ネットワークに接続されていない自動ドアシステム40のメンテナンス情報を自動ドア管理サーバ60に容易に送信することができる。
【0032】
なお、携帯通信端末A10からメンテナンス情報を送信する際の通信データ量は、所持者に割り当てられている通信許容量として計量されてもよいし、されなくてもよい。仮に、所持者に割り当てられている通信許容量として計量されないのであれば、例えば、メンテナンス情報の送信分の通信データ量を、それ以外の通信データ量と分けて計量し、通信会社側でメンテナンス情報の送信分の通信データ量を所持者に割り当てられている通信許容量として計量しないことにより実現できる。
【0033】
〔自動ドアシステムの構成〕
次に、図2を参照して、自動ドアシステム40の要部構成について説明する。図2は、自動ドアシステム40の要部構成を示すブロック図である。図2に示すように、自動ドアシステム40はBLEモジュール(信号発信装置)410、各種センサ部420、ドアシステム設定部430、ドアセンサ部440、およびドア制御部450を含み、CAN通信網400により、これらが通信可能に接続されている。
【0034】
CAN通信網400とは、CAN(Controller Area Network)により接続された装置が相互に通信可能な通信網である。
【0035】
BLEモジュール410は、近距離無線通信の1つであるBLE(Bluetooth Low Energy)を用いて信号を送信可能なモジュールであり、送信信号生成部(取得部、信号処理部)411、要求信号受信部(受信部)412、および信号発信部(送信部)413を含む。BLEモジュール410から送信される信号は、所定の周期で発信される信号であってよく、例えばビーコン(beacon)信号である。なお、BLE以外の近距離無線通信を用いてビーコン信号を送信する構成であってもよい。BLEモジュール410から送信されるビーコン信号のデータ構造の詳細については後述する。
【0036】
また、本実施形態では、到達距離が数十メートル程度の無線通信(いわゆる、無線PANと呼ばれる通信)を近距離無線通信とよび、それおり到達範囲が長い無線通信(いわゆる、無線LAN、無線MAN、無線WANと呼ばれる通信)を中長距離無線通信と呼ぶ。例えば、近距離無線通信としては、上述したBLEが挙げられ、さらに、ANT、ANT+が挙げられる。また、中長距離無線通信としては、IEEEE802.11規格の無線LAN、W-CDMA、LTE、LTE-Advanced等が挙げられる。なお、以下では、近距離無線通信としてBLEを想定し、中長距離無線通信として無線LANおよびLTEを想定する。
【0037】
送信信号生成部411は、BLEモジュール410から送信する信号を生成する。より詳細には、送信信号生成部411は、周期的に送信するビーコン信号、メンテナンス情報用ビーコン信号(メンテナンス用通知信号を含む)、設定情報用ビーコン信号(設定情報用通知信号を含む)を生成する。メンテナンス用通知信号とは、メンテナンス情報を送信可能な自機の存在を周辺機器に伝える信号である。つまり、メンテナンス用通知信号とは、要求があればメンテナンス情報を要求があった機器に送信する旨の信号である。同様に、設定情報用通知信号とは、設定情報を送信可能な時期の存在を周辺機器に伝える信号である。
【0038】
要求信号受信部412は、携帯通信端末A10からの要求により、BLEモジュール410から送信する信号を拡張する。例えば、要求信号受信部412は、メンテナンス用ビーコン信号に対する要求(返答要求)を携帯通信端末A10から受信すると、メンテナンス用ビーコン信号の空パケットにメンテナンス情報を格納したビーコン信号に拡張する。
【0039】
信号発信部413は、送信信号生成部411が生成した信号、および要求信号受信部412が拡張した信号を発信する。より詳細には、信号発信部413は、自機の設置場所の属性を判別させるための識別情報、および外部装置からの特定情報の要求を求める要求有無情報を含むメンテナンス用ビーコン信号(第1信号)を繰り返し送信する。また、信号発信部413は、メンテナンス用ビーコン信号が拡張された、つまりメンテナンス情報が格納されたビーコン信号(第2信号)を発信する。
【0040】
なお、信号発信部413は、メンテナンス用ビーコン信号ではなく、メンテナンス情報を含むビーコン信号(第2信号)を繰り返し送信する構成であってもよい。
【0041】
各種センサ部420は、メンテナンス情報を検出するための各種センサを含む。各種センサ部420に含まれるセンサとしては、例えば、温度センサ、湿度センサ、振動センサ、衝撃センサ、開閉センサ、ドア駆動部460の負荷状況を検出するための負荷センサ等が挙げられる。
【0042】
ドアシステム設定部430は、自動ドアシステム40の設定を行う。設定内容としては、後述するドアセンサ部440の感度、検出領域、ドアの静止時間、ドアの開閉速度、トルク等が挙げられる。
【0043】
ドアセンサ部440は、人を検知したときにドア部470を開くためのセンサである。
【0044】
ドア制御部450は、後述するドア駆動部460を制御する。ドア駆動部460は、ドア制御部450の制御により駆動することによりドア部470を開閉する。ドア部470はドアである。ドアは、引き戸式であってもよいし、回転式であってもよいし、開き戸式であってもよい。
【0045】
なお、上記では、CAN通信網400を用いる構成として説明したが、自動ドアシステム40はこれに限られるものではない。制御部を備え、当該制御部が自動ドアシステム40全体を統括して制御することにより、メンテナンス情報の検出、送信等を行う構成であってもよい。
【0046】
また、自動ドアシステム40におけるBLEモジュール410以外の構成が本発明における外部装置に相当する。
【0047】
〔携帯通信端末Aの構成〕
次に、図3を参照して、携帯通信端末A10の要部構成について説明する。図3は、携帯通信端末A10の要部構成示すブロック図である。図3に示すように、携帯通信端末A10は、BLEモジュール(受信部)101、無線LANモジュール(通信部)102、LTEモジュール(通信部)103、プロセッサー104、メモリ105、およびタッチパネルディスプレイ106を含む。
【0048】
BLEモジュール101は、自動ドアシステムのBLEモジュール410から送信されたビーコン信号を受信するとともに、受信したビーコン信号に応じてBLEモジュール410に対して返答信号を送信する。
【0049】
無線LANモジュール102は、ネットワーク80を介して広告配信サーバ50および自動ドア管理サーバ60との通信を行う。この通信において、ネットワーク80は、無線LANおよびインターネットによって構成される。
【0050】
LTEモジュール103も無線LANモジュール102と同様に、ネットワーク80を介して広告配信サーバ50および自動ドア管理サーバ60との通信を行う。ただし、この通信においては、ネットワーク80は、LTE通信網およびインターネットによって構成される。
【0051】
プロセッサー104は、後述する処理を含め、携帯通信端末A10における各種情報処理および制御を司り、メモリ105はそのために必要なデータや各種プログラムを記憶する。
【0052】
タッチパネルディスプレイ106は、ユーザによる操作入力をタッチパネルによって受け付けるとともに、ディスプレイによる画像表示を行う。
【0053】
携帯通信端末A10には、BLE信号処理プログラムが組み込まれた特定のアプリケーションがインストールされている。この特定のアプリケーションは、多くのユーザがインストールしているものが望ましく、例えば利用者の多いSNS系アプリケーションや、移動体通信事業者がプリインストールするアプリケーション等が好適である。そして、BLE信号処理プログラム(信号処理プログラム)は、バックグラウンドで実行されることにより、プロセッサー104においてBLE信号処理部110を構成する。
【0054】
BLE信号処理部110は、メンテナンス情報要求部110a、メンテナンス情報送信部(特定情報送信部)110b、およびビーコン情報送信部(識別情報送信部)110cを含む。
【0055】
メンテナンス情報要求部110aは、BLEモジュール101において受信したビーコン信号にメンテナンス用通知信号が含まれる場合、当該信号に対する返答要求を自動ドアシステム40に送信する。
【0056】
当該返答要求に対する応答として自動ドアシステム40から送信されたビーコン信号にメンテナンス情報が含まれていれば、そのビーコン信号に含まれたメンテナンス情報は、メンテナンス情報送信部110bによって取得される。そして、メンテナンス情報送信部110bは、取得したメンテナンス情報を含んだ送信データを、無線LANモジュール102またはLTEモジュール103を介し、ネットワーク80を通じて自動ドア管理サーバ60へ送信する。送信するデータの具体的な構造は後述する。
【0057】
ビーコン情報送信部110cは、BLEモジュール101において受信したビーコン信号に含まれたビーコン情報、すなわち識別情報であるUUID(Universally Unique IDentifier)、Major値、およびMinor値と、信号強度の情報であるRSSIとを取得し、これらを含んだ送信データを、無線LANモジュール102またはLTEモジュール103を介し、ネットワーク80を通じて広告配信サーバ50へ送信する。
【0058】
また、プロセッサー104には、上記特定のアプリケーション、またはその他のアプリケーションが実行されることにより、特典情報受信部111が構成される。
【0059】
特典情報受信部111は、広告配信サーバ50から、ネットワーク80を通じ、無線LANモジュール102またはLTEモジュール103を介して、クーポン、広告、お得情報等を受信し、タッチパネルディスプレイ106に表示させる。なお、特典情報受信部111は、クーポン、広告、お得情報等がアップロードされたWebページのアドレスを受信し、携帯通信端末A10から当該アドレスにアクセスすることにより、クーポン、広告、お得情報等がタッチパネルディスプレイ106に表示されるようになっていてもよい。
【0060】
以上のように、携帯通信端末A10は、特定のアプリケーションがインストールされている場合に上述した処理を実行するので、携帯通信端末A10のユーザが認識することなく、メンテナンス情報の送信に自端末が用いられてしまうということを防止することができる。
【0061】
また、特定のアプリケーションは、携帯通信端末A10のユーザにメリット、インセンティブを与えるようなものであってもよい。これにより、携帯通信端末A10のユーザが当該アプリケーションをインストールする可能性が高まり、確実に自動ドアシステム40のメンテナンス情報を自動ドア管理サーバ60に送信することが可能となる。
【0062】
なお、特定のアプリケーションがインストールされてない場合であっても、メンテナンス情報の送信する構成であってもよい。
【0063】
〔携帯通信端末Bの構成〕
次に、図4を参照して携帯通信端末B20の要部構成について説明する。図4は、携帯通信端末B20の要部構成を示すブロック図である。図4に示すように、携帯通信端末B20は、BLEモジュール201、無線LANモジュール202、LTEモジュール203、プロセッサー204、メモリ205、およびタッチパネルディスプレイ206を含む。
【0064】
BLEモジュール201は、自動ドアシステムのBLEモジュール410から送信されたビーコン信号を受信するとともに、受信したビーコン信号に応じてBLEモジュール410に対して返答信号を送信する。
【0065】
無線LANモジュール202は、ネットワーク80を介して自動ドア管理サーバ60との通信を行う。この通信において、ネットワーク80は、無線LANおよびインターネットによって構成される。
【0066】
LTEモジュール203も無線LANモジュール202と同様に、ネットワーク80を介して自動ドア管理サーバ60との通信を行う。ただし、この通信においては、ネットワーク80は、LTE通信網およびインターネットによって構成される。
【0067】
プロセッサー204は、後述する処理を含め、携帯通信端末B20における各種情報処理および制御を司り、メモリ205はそのために必要なデータや各種プログラムを記憶する。
【0068】
タッチパネルディスプレイ206は、ユーザによる操作入力をタッチパネルによって受け付けるとともに、ディスプレイによる画像表示を行う。
【0069】
上述したように、携帯通信端末B20は、自動ドアシステム40の施主、オーナが所持する携帯通信端末である。よって、携帯通信端末B20には、自動ドアシステム40に対する操作処理およびモニタリング処理を行う管理プログラムが組み込まれた管理アプリ―ケーションがインストールされている。そして、管理プログラムが実行されることにより、プロセッサー204においてモニタリング/操作処理部211を構成する。モニタリング/操作処理部211は、操作部211aおよびモニタリング情報要求部211bを含む。さらに、管理プログラムには、携帯通信端末A10で説明したBLE信号処理プログラムが組み込まれている。BLE信号処理プログラムは、バックグラウンドで実行されることにより、プロセッサー204においてBLE信号処理部210を構成する。
【0070】
操作部211aは、タッチパネルディスプレイ206を介して受け付けた操作内容を、BLEモジュール201を介して自動ドアシステム40に送信することにより、自動ドアシステム40に対する操作を行う。
【0071】
モニタリング情報要求部211bは、BLEモジュール201を介して自動ドアシステム40に対しモニタリング情報を要求および取得し、取得したモニタリング情報をタッチパネルディスプレイ206に表示する。ここで、モニタリング情報とは、通信異常情報、設定異常情報、環境情報(周辺温度、湿度等)、通電情報、起動情報(開閉回数、開時刻等)である。
【0072】
操作部211aおよびモニタリング情報要求部211bによる携帯通信端末B20と自動ドアシステム40とのデータの送受信は、まず、携帯通信端末B20と自動ドアシステム40との間でBluetooth(登録商標)によるペアリングを行い、その後に、データの送受信を行う。
【0073】
BLE信号処理部210は、メンテナンス情報要求部210a、およびメンテナンス情報送信部210bを含む。
【0074】
メンテナンス情報要求部210aは、BLEモジュール201において受信したビーコン信号にメンテナンス用通知信号が含まれる場合、当該信号に対する返答要求を自動ドアシステム40に送信する。
【0075】
当該返答要求に対する応答として自動ドアシステム40から送信されたビーコン信号にメンテナンス情報が含まれていれば、そのビーコン信号に含まれたメンテナンス情報は、メンテナンス情報送信部210bによって取得される。そして、メンテナンス情報送信部210bは、取得したメンテナンス情報を含んだ送信データを、無線LANモジュール202またはLTEモジュール203を介し、ネットワーク80を通じて自動ドア管理サーバ60へ送信する。
【0076】
なお、携帯通信端末B20において、携帯通信端末A10と同様にビーコン情報送信部210cを備え、広告配信サーバ50と送受信を行うことにより、クーポン、広告、お得情報等を取得する構成であってもよい。
【0077】
以上のように、携帯通信端末B20では、自動ドアシステム40に対する操作およびモニタリングを行う管理アプリケーションを用いることにより、自動ドアシステム40に対する管理が可能となるとともに、メンテナンス情報を自動ドアシステム40から取得し、自動ドア管理サーバ60に送信することができる。また、メンテナンス情報の取得、および送信は、管理アプリケーションによる管理プログラムのバックグラウンドで動作する。よって、管理アプリケーションが起動されていなくてもメンテナンス情報の取得、および送信を行うことができる。
【0078】
なお、メンテナンス情報の送信に必要なデータ通信量を他の通信の通信量と別に計量する計量部(通信量計量部)を備えていてもよい。これにより、メンテナンス情報の送信に必要なデータ通信量について、通常の通信量とは異なる対応をとることができる。
【0079】
〔ビーコン信号のデータ構造例〕
次に、図5を参照して、自動ドアシステム40のBLEモジュール410から発信されるビーコン信号の詳細について説明する。図5の(a)~(c)は、自動ドアシステム40から発信されるビーコン信号のデータ構造例を示す図である。
【0080】
まず、図5の(a)に、自動ドアシステム40が通常、発信しているビーコン信号のデータ構造例を示す。図5の(a)に示すように、自動ドアシステム40のBLEモジュール410は、ビーコン信号として第1信号を周期的に発信している。第1信号は、UUID(Universally Unique IDentifier)、Major値、Minor値、RSSI、空パケットで構成されている。UUIDはBLEモジュールを識別するための識別子であり、Major値、およびMinor値は、さらに細かな情報(場所、位置)を示すものである。また、RSSIは信号強度を取得するための情報である。したがって、UUID、Major値、およびMinor値を総称して識別情報と呼ぶことができる。また、識別情報は、自BLEモジュール410の設置場所の属性を判別させるための情報ということもできる。識別情報を受信した側は、当該識別情報から対応するBLEモジュール410がどこに存在するか、またはどんな店舗に設置されているか等を判別することができるためである。例えば、識別情報を受信した側に、識別情報と場所情報等とを対応付けたテーブルが用意されていれば、当該テーブルを参照することにより、識別情報を受信した側で、当該識別情報を発信したBLEモジュール410がどこに設置されたものであるかを判別することができる。
【0081】
上述したように、BLEモジュール410から送信されるビーコン信号は、送信信号生成部411で生成され、信号発信部413から発信される。したがって、送信信号生成部411は、通常送信するビーコン信号として第1信号を生成している。
【0082】
次に、図5の(b)に、メンテナンス用ビーコン信号、およびメンテナンス情報を含むビーコン信号の構成を示す。図5の(b)では、メンテナンス用ビーコン信号を第1’信号、メンテナンス情報を含むビーコン信号を第2信号と記載している。図5の(b)に示すように、メンテナンス用ビーコン信号は、UUID、Major値、Minor値、RSSI、メンテナンス用通知信号、および空パケットから構成されている。
そして、「メンテナンス用通知信号」に対する返答要求を受信すると、要求信号受信部412は、メンテナンス用ビーコン信号をメンテナンス情報が格納されたビーコン信号(第2信号)に拡張する。そして、信号発信部413は拡張された第2信号を送信する。
【0083】
次に、図5の(c)に、設定情報用ビーコン信号、および設定情報を含むビーコン信号の構成を示す。図5の(c)では、設定情報用ビーコン信号を第1”信号、設定情報を含むビーコン信号を第3信号と記載している。図5の(c)に示すように、設定情報用ビーコン信号は、UUID、Major値、Minor値、RSSI、設定情報用通知信号、および空パケットから構成されている。そして、「設定情報用通知信号」に対する返答要求を受信すると、要求信号受信部412は、設定情報用ビーコン信号を設定情報が格納されたビーコン信号(第3信号)に拡張する。そして、信号発信部413は拡張された第3信号を送信する。設定情報とは、自動ドアシステム40に設定されている情報であり、例えば、ドアセンサ部440の感度、検知領域、ドア部470の開時間等である。
【0084】
なお、第2信号に含まれるメンテナンス情報を複数個に分けて送信する構成であってもよい。この場合について、図6を参照して説明する。図6は、メンテナンス情報を複数個に分けて送信する場合の第2信号の構成を示す図である。図6に示すように、メンテナンス情報を複数個に分ける場合、周期的に送信する第2信号において、例えば、最初の第2信号にメンテナンス情報Aを格納し、2番目の第2信号にメンテナンス情報Bを格納し、3番目の第2信号にメンテナンス情報Cを格納する。これにより、メンテナンス情報が、1つの第2信号に格納することができない程、大きなデータ量であったとしても、適切にメンテナンス情報を携帯通信端末A10に送信することができる。
【0085】
〔携帯通信端末から送信されるデータ例〕
次に、図7を参照して携帯通信端末A10から送信されるデータについて説明する。図7は、携帯通信端末A10から送信されるデータを示す図である。ここでは、携帯通信端末A10から、ユーザの指示データ、ビーコン信号の識別情報、およびメンテナンス情報を送信する場合の例を示す。ここで、ユーザの指示データとは、ユーザが携帯通信端末A10を用いて何らかの処理を行っている場合に、ユーザの操作により送信されるデータのことであり、例えば、データのアップロードするときのアップロードデータ、メールを送信するときのメールデータ等のことである。
【0086】
上記のように、携帯通信端末A10からは3つのデータが送信されることが考えられる。そして、これら3つのデータのうち、ユーザの指示データはユーザに指示された先へ、ビーコン信号の識別情報は広告配信サーバ50へ、メンテナンス情報は自動ドア管理サーバ60へ送信される。
【0087】
〔携帯通信端末Aを含むシステムにおける処理の流れ〕
次に、図8を参照して、携帯通信端末A10を含む情報収集システム100において、メンテナンス情報を収集する処理の流れを説明する。図8は、情報収集システム100における処理の流れを示すシーケンス図である。図8に示すように、まず、自動ドアシステム40は、ビーコン信号として第1’信号を周期的に送信している(S101)。そして、携帯通信端末A10の所持者が自動ドアシステム40に接近し、ビーコン信号が届く範囲に入ると、携帯通信端末A10は自動ドアシステム40から発信された第1’信号受信する(S201でYES)。第1’信号を受信した携帯通信端末A10は、メンテナンス情報要求部110aが自動ドアシステム40に対しメンテナンス情報の要求(返答要求、受信確認信号)を行う(S202)。
【0088】
メンテナンス情報の要求を受信した自動ドアシステム40のBLEモジュール410は、第1’信号を拡張した、メンテナンス情報を含む第2信号を発信する(S102)。
【0089】
第2信号を受信した携帯通信端末A10は、第2信号の識別情報(UUID、Major値、Minor値)およびメンテナンス情報を含む送信データを生成する(S204)。そして、BLE信号処理部110のビーコン情報送信部110cは、第2信号の識別情報を広告配信サーバ50へ送信し、メンテナンス情報送信部110bはメンテナンス情報を自動ドア管理サーバ60へ送信する(S205)。
【0090】
識別情報を受信した広告配信サーバ50は、対応する情報(クーポン、広告、お得情報等)を生成し(S301)、携帯通信端末A10へ送信する。
【0091】
以上が、情報収集システム100における処理の流れである。このように、本実施形態では、インターネット等のネットワークと接続されていない自動ドアシステム40のメンテナンス情報を、ネットワークと接続されている携帯通信端末A10を介して自動ドア管理サーバ60に送信することができる。また、携帯通信端末A10は、自動ドアシステム40の近傍に存在する携帯通信端末であればよく、自動ドアシステム40の近傍には多数の携帯通信端末A10が存在すると考えられるため、確実にメンテナンス情報を自動ドア管理サーバ60に送信することができる。
【0092】
〔携帯通信端末Bを含むシステムにおける処理の流れ〕
次に、図9を参照して、携帯通信端末B20を含む情報収集システム100における処理の流れを説明する。図9は、携帯通信端末B20を含む情報収集システム100における処理の流れを示すシーケンス図である。図9に示すように、携帯通信端末B20を介してメンテナンス情報を送信する場合、まず、携帯通信端末B20のメンテナンス情報要求部210aは、自動ドアシステム40に対しメンテナンス情報を要求する(S211)。
メンテナンス情報の要求を受信した自動ドアシステム40は、メンテナンス情報を携帯通信端末B20に送信する(S111)。そして、メンテナンス情報を受信した携帯通信端末B20は、メンテナンス情報を含む送信データを生成し(S212)、自動ドア管理サーバ60に送信する(S213)。
【0093】
〔メンテナンス情報例〕
次に、図10を参照して、メンテナンス情報の利用例について説明する。図10の(a)~(f)はメンテナンス情報の利用例を説明するための図である。上述したように、メンテナンス情報としては、例えば、通過人数、開閉回数、衝撃の有無、時間、振動の有無、ドア駆動部の負荷、周囲の温度、湿度等が挙げられる。
【0094】
図10の(a)に示すように、メンテナンス情報として通過人数を用いることにより、時間帯別の通過人数を認識することができる。図10の(a)に示す例では、12時と18時の通過人数が多いことが分かる。これを用いることにより、例えば、自動ドアシステム40の点検等を行う場合に、通過人数の少ない時間帯に行う等の対応をとることができる。
【0095】
また、図10の(b)、(c)に示すように、メンテナンス情報として開閉回数を用いることにより、日付別の開閉回数、累計の開閉回数を認識することができる。開閉回数が増えるほど、自動ドアシステム40における部品等の消耗度が高まるため、開閉回数を認識することにより、部品の交換等を適切なタイミングで実施することができる。なお、図10の(b)は、戸車の交換のタイミング例を示しており、図10の(c)は、ベルト交換のタイミング例を示している。
【0096】
また、図10の(d)に示すように、メンテナンス情報として振動、衝撃等のレベルを用いることにより、時間帯別の衝撃、振動レベルを認識することができる。図10の(d)に示す例では、8時半に大きな衝撃を受けたことが分かる。これを用いることにより、例えば、地震による影響を受けた、人や物がぶつかった等の認識を行うことができ、素早いメンテナンスにつなげることができる。
【0097】
また、図10の(e)に示すように、メンテナンス情報としてドア駆動部460(ドアエンジン)の負荷状態を用いることにより、時間帯別の負荷度合を認識することができる。図10の(e)に示す例では、8時半にドア駆動部460に大きな負荷がかかったことが分かる。これを用いることにより、適切なメンテナンスにつなげることができる。
【0098】
また、図10の(f)に示すように、
メンテナンス情報として自動ドアシステム40周辺の温度および湿度を用いることにより、時間帯別の温度および湿度を認識することができる。図10の(e)に示す例では、12時から14時頃まで、温度および湿度が高かったことが分かる。これを用いることにより、自動ドアシステム40の耐用条件等を適切に設定することができる。
【0099】
〔変形例〕
なお、上述した実施形態では外部装置として自動ドアシステム40を例に挙げて説明した。本発明はこれに限られるものではなく、ネットワークに接続されてない装置であって、自装置に関する情報をネットワークに送信することが有用な装置であればどのような装置に対しても適用できる。例えば、外部装置は、電気・ガス・水道等のメータ装置であってもよいし、キュービクル等の高圧電気受電装置であってもよいし、自動販売機であってもよい。
【0100】
例えば、外部装置が、電気・ガス・水道等のメータ装置である場合、メンテナンス情報に対応するものとして、メータ値が挙げられる。メータ値をビーコン信号に含めて送信することにより、メータ装置自体がネットワークに接続されていない場合であっても、ネットワークに接続された管理装置側でメータ値を取得することができる。これにより、メータ値の検針にかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0101】
また、外部装置が高圧電気受電設備である場合、メンテナンス情報に対応するものとして、当該設備の温度、漏電の有無等が挙げられる。さらに、外部装置が自動販売機である場合、メンテナンス情報に対応するものとして、在庫情報、周辺温度等が挙げられる。
【0102】
〔変形例2〕
上述した実施形態では、携帯通信端末を介在させることによりネットワーク80を介してメンテナンス情報を送信する構成を説明した。しかし、本発明に係るBLEモジュール410の用途はこれに限られるものではない。
【0103】
ビーコン信号は、受信する側の装置(受信装置)がビーコン信号の到達範囲に存在さえすれば、受信できる。よって、受信装置を所持者が自動ドアシステム40の近傍を通過するのみでメンテナンス情報を取得することができる。
【0104】
例えば、受信装置としては、BLEモジュール410からのビーコン信号を受信し、それに含まれるメンテナンス情報を抽出し、メンテナンスに必要な処理(メンテナンス情報の蓄積や所持者に対するメンテナンス情報の表示等)を自機内で完結するものが考えられる。そのような受信装置については、所持者が、ビル内を巡回するだけで、ビルに備えられている全ての自動ドアシステム40のメンテナンス情報を取得することができる。これにより、各自動ドアシステム40において個別にメンテナンス情報を取得するための特定の作業(通信線を接続して情報を取り出す等)を行うことなく容易にメンテナンス情報を取得することができる。
【0105】
〔ソフトウェアによる実現例〕
自動ドアシステム40が制御ブロックを備える場合における当該制御ブロック、携帯通信端末A10および携帯通信端末B20の制御ブロック(BLE信号処理部110、メンテナンス情報要求部110a、メンテナンス情報送信部110b、ビーコン情報送信部110c、特典情報受信部111、モニタリング/操作処理部211、BLE信号処理部210、メンテナンス情報要求部210a、メンテナンス情報送信部210b、操作部211a、モニタリング情報要求部211b)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0106】
後者の場合、自動ドアシステム40、携帯通信端末A10、および携帯通信端末B20は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサーを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサーが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサーとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0107】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
10 携帯通信端末A(携帯通信端末)
20 携帯通信端末B(携帯通信端末)
30 携帯通信端末C(携帯通信端末)
40 自動ドアシステム
50 広告配信サーバ
60 自動ドア管理サーバ
70 遠隔管理装置
80 ネットワーク
100 情報収集システム
101 BLEモジュール
102 無線LANモジュール
103 LTEモジュール
104 プロセッサー
105 メモリ
106 タッチパネルディスプレイ
110 BLE信号処理部
110a メンテナンス情報要求部
110b メンテナンス情報送信部
110c ビーコン情報送信部
111 特典情報受信部
201 BLEモジュール
202 無線LANモジュール
203 LTEモジュール
204 プロセッサー
205 メモリ
206 タッチパネルディスプレイ
210 BLE信号処理部
210a メンテナンス情報要求部
210b メンテナンス情報送信部
211 モニタリング/操作処理部
211a 操作部
211b モニタリング情報要求部
400 CAN通信網
410 BLEモジュール(信号発信装置)
411 送信信号生成部(取得部、信号処理部)
412 要求信号受信部(受信部)
413 信号発信部(送信部)
420 各種センサ部
430 ドアシステム設定部
440 ドアセンサ部
450 ドア制御部
460 ドア駆動部
470 ドア部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10