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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】匍匐害虫捕獲器
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/14 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
A01M1/14 L
A01M1/14 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018060633
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2019170203
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000112853
【氏名又は名称】フマキラー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中原 良成
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 智基
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-149577(JP,U)
【文献】実開昭61-060682(JP,U)
【文献】実開昭63-101080(JP,U)
【文献】実開昭50-083271(JP,U)
【文献】実開平01-024982(JP,U)
【文献】米国特許第05572825(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
匍匐害虫を導入する容器を備え、該容器に導入した匍匐害虫を捕獲する匍匐害虫捕獲器において、
上記容器は、1枚の板材が折り曲げられて構成されており、
平面視で上記容器の中央部を挟むように位置する第1端壁部及び第2端壁部に、匍匐害虫を該容器の内部に導入するための第1導入口及び第2導入口がそれぞれ形成され、
上記容器の上壁部の内面における上記第1導入口と上記第2導入口の間の部分と、上記容器の底壁部の内面における上記第1導入口と上記第2導入口の間の部分とは、匍匐害虫を付着させて捕獲する粘着剤によって接着され、
上記粘着剤は、上記容器の上記上壁部の内面に設けられ、
上記容器の上記上壁部は、上記底壁部との接着部が最も下に位置するように曲がっており、
上記容器における上記第1端壁部から上記第2端壁部まで延びる側壁部には、上記上壁部の上記底壁部との接着部に対応する部分に、開口部が形成されていることを特徴とする匍匐害虫捕獲器。
【請求項2】
匍匐害虫を導入する容器を備え、該容器に導入した匍匐害虫を捕獲する匍匐害虫捕獲器において、
上記容器は、1枚の板材が折り曲げられて構成されており、
平面視で上記容器の中央部を挟むように位置する第1端壁部及び第2端壁部に、匍匐害虫を該容器の内部に導入するための第1導入口及び第2導入口がそれぞれ形成され、
上記容器の上壁部の内面における上記第1導入口と上記第2導入口の間の部分と、上記容器の底壁部の内面における上記第1導入口と上記第2導入口の間の部分とは、匍匐害虫を付着させて捕獲する粘着剤によって接着され、
上記容器の上記底壁部は、上記上壁部との接着部が最も上に位置するように曲がっていることを特徴とする匍匐害虫捕獲器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の匍匐害虫捕獲器において、
上記匍匐害虫捕獲器は、匍匐害虫を誘引する誘引剤を含む誘引部材をさらに備え、
上記誘引部材は、上記容器の上記上壁部における上記底壁部との接着部よりも上記第1導入口側に位置するとともに、上記容器の上記上壁部における上記底壁部との接着部よりも上記第2導入口側に位置するように形成されていることを特徴とする匍匐害虫捕獲器。
【請求項4】
請求項に記載の匍匐害虫捕獲器において、
上記誘引部材は、上記粘着剤に接着していることを特徴とする匍匐害虫捕獲器。
【請求項5】
請求項からのいずれか1つに記載の匍匐害虫捕獲器において、
上記粘着剤は、上記容器の上記上壁部の上記第1導入口側から上記第2導入口側まで連続して設けられていることを特徴とする匍匐害虫捕獲器。
【請求項6】
請求項に記載の匍匐害虫捕獲器において、
上記粘着剤は、上記容器の上記底壁部の内面に設けられていることを特徴とする匍匐害虫捕獲器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばゴキブリ等の匍匐害虫を捕獲する匍匐害虫捕獲器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般家庭等ではゴキブリを捕獲するゴキブリ捕獲器が使用されている。ゴキブリ捕獲器は例えば床面等に設置しておき、床面を歩行するゴキブリを、ゴキブリ捕獲器に形成されている導入口から内部に導入し、内部に設けられている粘着剤により捕獲することができるように構成されている(例えば、特許文献1~5参照)。
【0003】
特許文献1のゴキブリ捕獲器は、小箱状の容器を複数段積み重ねて構成されており、各容器の内部の底面は水平方向に延びており、その底面に粘着剤が設けられている。
【0004】
特許文献2のゴキブリ捕獲器は、底板部が水平方向に延びる一方、上板部は容器の奥側へ行くほど下に位置するように傾斜している。上板部の内面に粘着剤が設けられている。
【0005】
特許文献3のゴキブリ捕獲器は、底板部が水平方向に延びる一方、上板部はその長手方向一方側の端部から中央部に近づくほど下に位置するように傾斜し、また長手方向他方側の端部から中央部に近づくほど下に位置するように傾斜している。上板部の内面における長手方向一方側と他方側にそれぞれ粘着剤が設けられており、容器の一方側から侵入可能な空間と、他方側から侵入可能な空間とが並設されている。
【0006】
特許文献4のゴキブリ捕獲器は、底板部が水平方向に延びる一方、上板部は底板部と略平行に延びる部分と、底板部に対して傾斜する部分とを有している。上板部の内面に粘着剤が設けられている。
【0007】
特許文献5のゴキブリ捕獲器は、底板部が水平方向に延びており、この底板部と上板部との間に山型に形成された中間板を設けている。底板部の上面と、中間板の上面に粘着剤が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第4392698号公報
【文献】特開2006-136296号公報
【文献】実開昭49-112768号公報
【文献】特許第2694338号公報
【文献】特開平6-327389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、市販されているゴキブリ捕獲器の多くは、特許文献1~5のように容器の内面に、ゴキブリを捕獲するための粘着剤を設けた構造となっているが、特に特許文献3のようにゴキブリが容器の一方側から侵入可能な空間と、他方側から侵入可能な空間とを1つの容器に設ける場合がある。これにより、1つの容器に複数の狭い空間を形成することができるので、狭い空間へ侵入しようとするゴキブリの習性を利用した捕獲能力の向上を図ることができると考えられる。
【0010】
ところが、特許文献3のゴキブリ捕獲器は、一対の側壁を有する容器に、上壁部となるように折り曲げられたシートを固定することによって構成されており、部品点数が多くなってしまう。また、組み立て時に、シートを容器に固定する作業は煩雑であると考えられる。
【0011】
以上のことはゴキブリ捕獲器に限られるものではなく、他の匍匐害虫を捕獲する捕獲器についても同様に生じ得る問題である。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、匍匐害虫が容器の一方側から侵入可能な空間と、他方側から侵入可能な空間とを1つの容器に設ける場合に、容器を簡単に得ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明では、容器の上壁部と底壁部とを部分的に接着することにより、1つの容器に複数の導入用空間を設けることができるようにした。
【0014】
第1の発明は、匍匐害虫を導入する容器を備え、該容器に導入した匍匐害虫を捕獲する匍匐害虫捕獲器において、上記容器は、1枚の板材が折り曲げられて構成されており、平面視で上記容器の中央部を挟むように位置する第1端壁部及び第2端壁部に、匍匐害虫を該容器の内部に導入するための第1導入口及び第2導入口がそれぞれ形成され、上記容器の上壁部の内面における上記第1導入口と上記第2導入口の間の部分と、上記容器の底壁部の内面における上記第1導入口と上記第2導入口の間の部分とは、、匍匐害虫を付着させて捕獲する粘着剤によって接着され、上記粘着剤は、上記容器の上記上壁部の内面に設けられ、上記容器の上記上壁部は、上記底壁部との接着部が最も下に位置するように曲がっており、上記容器における上記第1端壁部から上記第2端壁部まで延びる側壁部には、上記上壁部の上記底壁部との接着部に対応する部分に、開口部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、1枚の板材を折り曲げることによって容器が構成されるので、部品点数が少なくて済む。そして、この容器の上壁部と底壁部とを接着することにより、容器の内部には、第1導入口に連通する空間と、第2導入口に連通する空間とが形成されるので、狭い空間へ侵入しようとする匍匐害虫の習性を利用した捕獲能力の向上を図ることができる。第1導入口に連通する空間と、第2導入口に連通する空間とを形成する際には、上壁部と底壁部とを接着すればよいだけなので、組立作業は簡単である。
【0016】
また、捕獲用の粘着剤を利用して容器の上壁部と底壁部とを接着することが可能になるので、容器の上壁部と底壁部とを接着するためだけの接着剤が不要になる。
【0017】
また、容器の上壁部の内面に粘着剤が配置されることになるので、容器に導入された匍匐害虫が例えばゴキブリである場合には、羽根または背部が粘着剤に付着することになる。従って、脚を付着させる場合に比べて粘着剤との接触面積が広くなり、一旦捕獲した後に逃げ出してしまうゴキブリの数を減らすことが可能になる。
【0018】
また、上記容器の上記上壁部は、上記底壁部との接着部が最も下に位置するように曲がっていることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、第1導入口から容器の奥へ行くほど上下方向の寸法が短くなるので、粘着剤と匍匐害虫との距離が短くなり、匍匐害虫を粘着剤に確実に付着させることができる。第2導入口から導入した匍匐害虫も同様である。
【0020】
また、上記匍匐害虫捕獲器は、匍匐害虫を誘引する誘引剤を含む誘引部材をさらに備え、上記誘引部材は、上記容器の上記上壁部における上記底壁部との接着部よりも上記第1導入口側に位置するとともに、上記容器の上記上壁部における上記底壁部との接着部よりも上記第2導入口側に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、誘引部材から放散される誘引成分が第1導入口側及び第2導入口側に流れるようになるので、誘引部材の数を少なくしながら、両導入口への誘引効果が十分に得られる。
【0022】
また、上記誘引部材は、上記粘着剤に接着していることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、誘引部材を粘着剤によって容器に接着することができるようになるので、誘引部材を接着するためだけの接着剤が不要になる。
【0024】
また、上記容器における上記第1端壁部から上記第2端壁部まで延びる側壁部には、上記上壁部の上記底壁部との接着部に対応する部分に、開口部が形成されていることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、容器の上壁部を、底壁部との接着部が最も下に位置するように曲げる際に、側壁部の対応する部分に開口部が形成されていることで、側壁部が屈曲し易くなり、その結果、上壁部が容易に曲がるようになる。
【0026】
また、上記粘着剤は、上記容器の上記上壁部の上記第1導入口側から上記第2導入口側まで連続して設けられていることを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、粘着剤が広範囲に設けられることになるので、匍匐害虫の捕獲能力が向上するとともに、容器の上壁部と底壁部とを接着させる作業が簡単になる。
【0028】
また、上記容器の上記底壁部は、上記上壁部との接着部が最も上に位置するように曲がっていることを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、容器の底壁部が傾斜するようになるので、例えば傾斜面を登る習性を持った匍匐害虫が容器の奥側へ導入され易くなる。
【0030】
また、上記粘着剤は、上記容器の上記底壁部の内面に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
第1の発明によれば、1枚の板材を折り曲げることによって容器を構成することができるので、部品点数を少なくすることができる。そして、容器の上壁部の内面における第1導入口と第2導入口の間の部分と、容器の底壁部の内面における第1導入口と第2導入口の間の部分とを接着することによって第1導入口に連通する空間と、第2導入口に連通する空間とを形成することができるので、狭い空間へ侵入しようとする匍匐害虫の習性を利用した捕獲能力の向上を図る場合に匍匐害虫捕獲器の組立作業を簡単にすることができる。
【0032】
また、匍匐害虫を付着させて捕獲する粘着剤によって容器の上壁部と底壁部とを接着することができるので、上壁部と底壁部とを接着するためだけの接着剤を不要にすることができる。
【0033】
また、匍匐害虫がゴキブリである場合に捕獲後に逃げ出してしまう個体を減少させることができる。
【0034】
また、容器の上壁部は、底壁部との接着部が最も下に位置するように曲がっているので、導入した匍匐害虫を粘着剤に確実に付着させることができる。
【0035】
また、誘引部材から放散される誘引成分が第1導入口側及び第2導入口側に流れるようになるので、誘引部材の数を少なくしながら、両導入口への誘引効果を十分に得ることができる。
【0036】
また、誘引部材を接着するためだけの接着剤を不要にすることができる。
【0037】
また、容器の上壁部を容易に曲げることができるので、匍匐害虫捕獲器の組立作業をより一層簡単にすることができる。
【0038】
また、広範囲に設けた粘着剤によって匍匐害虫の捕獲能力を高めながら、上壁部と底壁部とを簡単に接着することができる。
【0039】
また、容器の底壁部が傾斜するようになるので、例えば傾斜面を登る習性を持った匍匐害虫が容器の奥側へ導入され易くなり、捕獲能力を向上させることができる。
【0040】
また、容器の底壁部を歩行する匍匐害虫を粘着剤によって捕獲できるとともに、その粘着剤によって容器の上壁部と底壁部とを接着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の実施形態1に係る匍匐害虫捕獲器を上方から見た斜視図である。
図2】匍匐害虫捕獲器の側面図である。
図3図1のIII-III線断面図である。
図4】使用状態にある図3相当図である。
図5】匍匐害虫捕獲器の容器となる板材を展開した状態の斜視図である。
図6】匍匐害虫捕獲器の容器となる板材を折り曲げる途中を示す斜視図である。
図7】容器の上壁部と底壁部とを接着する前の状態を示す斜視図である。
図8】容器の上壁部と底壁部とを接着する前の状態を示す側面図である。
図9図7におけるIX-IX線断面図である。
図10】本発明の実施形態2に係る匍匐害虫捕獲器を上方から見た斜視図である。
図11】実施形態2に係る匍匐害虫捕獲器の側面図である。
図12図10におけるXII-XII線断面図である。
図13】使用状態にある図12相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0043】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る匍匐害虫捕獲器1を上方から見た斜視図であり、図2は匍匐害虫捕獲器1の側面図である。この匍匐害虫捕獲器1は、匍匐害虫を捕獲するための器具である。匍匐害虫捕獲器1で捕獲する対象となる匍匐害虫としては、例えばゴキブリを挙げることができるが、ゴキブリに限られるものではなく、床や地面を歩行する様々な害虫であってもよい。ゴキブリには、クロゴキブリ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリ等が含まれるとともに、各々、オス、メス、卵鞘を持ったメス、幼虫等が含まれる。匍匐害虫捕獲器1は、匍匐害虫を導入する容器2と、図3に示す粘着剤3と、誘引部材4とを少なくとも備えており、該容器2に導入した匍匐害虫を粘着剤3によって捕獲することができるように構成されている。粘着剤3は、容器2の内部に設けられている。また、誘引部材4は容器2の内部に収容されている。誘引部材4によって容器2の内部に誘引された匍匐害虫を粘着剤3によって捕獲することができる他、誘引されなくても容器2の内部に導入された匍匐害虫を粘着剤3によって捕獲することができる。
【0044】
尚、この実施形態の説明では、各図に示すように匍匐害虫捕獲器1の前側及び後側を定義し、前側から見たときに右となる側を右側、左となる側を左側と定義するが、これは説明の便宜を図るためだけであり、実際の使用時の姿勢や運搬時の姿勢、製造時の姿勢を限定するものではない。例えば、匍匐害虫捕獲器1の前側が、使用者から向かって右や左、後に位置するように匍匐害虫捕獲器1を設置したり、匍匐害虫捕獲器1の前側が上や下に位置するように匍匐害虫捕獲器1を設置することもできる。
【0045】
また、図3に示すように、匍匐害虫捕獲器1は、一般家庭や事務所、各種工場等の床面(設置面)200に載置して使用することができる他、図示しないが地面に直接載置して使用することもできる。また、例えば、家具と壁の隙間や電化製品と壁の隙間等、匍匐害虫が歩行しそうな場所に設置することもできる。また、壁に沿わせて設置することや、家具や電化製品の上に設置して使用することもできる。
【0046】
(容器2の構成)
容器2は、例えばボール紙等の厚紙からなる1枚の板材100(図5、6に示す)が折り曲げられて構成されている。板材100は、厚紙や、厚紙に印刷層が設けられた部材以外にも例えば樹脂材等で構成されていてもよいが、組み立てた状態で長期間(短くても数週間から数ヶ月)に亘って形状を維持することができる形状維持性を備えた部材で構成するのが好ましい。
【0047】
図1図3に示すように、容器2は、底壁部10と、上壁部11と、左側壁部12と、右側壁部13と、前端壁部(第1端壁部)14と、後端壁部(第2端壁部)15とを備えている。図2に示すように、前端壁部14は容器2の前端部に位置する一方、後端壁部15は容器2の後端部に位置している。容器2の平面視では、当該容器2の前後方向中央部を挟むように前端壁部14と後端壁部15とが位置することになる。前端壁部14及び後端壁部15の左右方向の寸法は略等しく設定されているが、異なる寸法にすることもできる。
【0048】
図2図3に示すように、前端壁部14は上側へ行くほど後に位置するように傾斜している。図1に示すように、この前端壁部14の全体に、匍匐害虫を該容器2の内部に導入するための前側導入口(第1導入口)14aが形成されている。前端壁部14の上端部が下端部よりも後に位置しているので、前側導入口14aは、斜め上方に向いて開口することになる。前側導入口14aの上縁部は、容器2の上壁部11の前端部近傍に位置しており、左右方向に直線状に延びている。また、前側導入口14aの下縁部は、容器2の底壁部10の前端部近傍に位置しており、左右方向に直線状に延びている。また、前側導入口14aの右縁部及び左縁部は、それぞれ右側壁部12の前縁部近傍及び左側壁部13の前縁部近傍に位置しており、上下方向に直線状に延びている。
【0049】
図2図3に示すように、後端壁部15は上側へ行くほど前に位置するように傾斜している。この後端壁部15の全体に、匍匐害虫を該容器2の内部に導入するための後側導入口(第2導入口)15aが形成されている。後端壁部15の上端部が下端部よりも前に位置しているので、後側導入口15aは、斜め上方に向いて開口することになる。後側導入口15aの上縁部は、容器2の上壁部11の後端部近傍に位置しており、左右方向に直線状に延びている。また、後側導入口15aの下縁部は、容器2の底壁部10の後端部近傍に位置しており、左右方向に直線状に延びている。また、後側導入口15aの右縁部及び左縁部は、それぞれ右側壁部12の後縁部近傍及び左側壁部13の後縁部近傍に位置しており、上下方向に直線状に延びている。
【0050】
尚、前側導入口14a及び後側導入口15aの形状は長方形に限られるものではなく、例えば、長円形、台形等であってもよい。また、図示しないが、前側壁部14に複数の前側導入口を形成してもよいし、後端壁部15に複数の後側導入口を形成してもよい。この場合、複数の前側導入口が前側壁部14の上下に並ぶように形成することや、左右に並ぶように形成することができ、また複数の後側導入口が後側壁部15の上下に並ぶように形成することや、左右に並ぶように形成することができる。前側導入口14a及び後側導入口15aの形状は互いに異なっていてもよい。
【0051】
図1に示すように、容器2の前端部には、前側返し部16が設けられている。前側返し部16は、前端壁部14の上端部に連なるとともに、該上端部から後側へ向かって斜め下方へ延びる上側返し部16aと、前端壁部14の左端部に連なるとともに、該左端部から後側へ向かって延びる左側返し部16bと、前端壁部14の右端部に連なるとともに、該右端部から後側へ向かって延びる右側返し部16cとで構成されている。
【0052】
容器2の後端部には、後側返し部17が設けられている。図5及び図6に示すように、後側返し部17は、後端壁部15の上端部に連なるとともに、該上端部から前側へ向かって斜め下方へ延びる上側返し部17aと、後端壁部15の左端部に連なるとともに、該左端部から前側へ向かって延びる左側返し部17bと、後端壁部15の右端部に連なるとともに、該右端部から前側へ向かって延びる右側返し部17cとで構成されている。
【0053】
前側返し部16及び後側返し部17は必須のものではないが、容器2の上に登った匍匐害虫が、前側導入口14aや後側導入口15aに対して上方から侵入しようとした際に脚が粘着剤3に触れることを阻止できるので、警戒心を抱かせることを抑制する効果を期待できる。また、導入空間R1、R2内に異物が侵入することを抑制する効果や、ユーザーの指が誤って粘着剤3に触れてしまうことを抑制する効果も期待できる。また、図示しないが、前側返し部16及び後側返し部17の代わり、または前側返し部16及び後側返し部17と共に容器2の前端部及び後端部に該容器2の外方へ突出する庇部を設けてもよい。
【0054】
左側壁部12は容器2の左端部に位置する一方、右側壁部13は容器2の右端部に位置している。容器2の平面視では、当該容器2の左右方向中央部を挟むように左端壁部12と右端壁部13とが位置することになる。左側壁部12及び右側壁部13の前後方向の寸法は略等しく設定されているが、異なる寸法にすることもできる。左側壁部12及び右側壁部13の前後方向の各寸法は、前端壁部14及び後端壁部15の左右方向の各寸法よりも長く設定されている。これにより、前端壁部14及び後端壁部15は、容器2の長手方向両端壁部となる。
【0055】
左側壁部12は、前端壁部14から後端壁部15まで延びる壁部である。左側壁部12の前後方向中央部は、後述する上壁部11の底壁部10との接着部に対応する部分であり、この部分には、左側開口部12aが形成されている。左側開口部12aは、前後方向の寸法が上下方向の寸法よりも長くなるように形成されている。左側開口部12aの下縁部は、底壁部10の左縁部に位置しており、前後方向に延びている。左側開口部12aの下縁部には、容器2の左側へ向けて延出する左側延出板部12bが形成されている。左側開口部12aの上縁部は、左側壁部12の上端部よりも下に位置している。左側壁部12に左側開口部12aを形成することで、左側壁部12が屈曲し易くなる。
【0056】
また、右側壁部13も前端壁部14から後端壁部15まで延びる壁部である。右側壁部13の前後方向中央部は、後述する上壁部11の底壁部10との接着部に対応する部分であり、この部分には、右側開口部13a(図3に示す)が形成されている。右側開口部13aは左側開口部12aと同様な形状とされている。右側開口部13aの下縁部には、容器2の右側へ向けて延出する右側延出板部13bが形成されている。右側壁部13に右側開口部13aを形成することで、右側壁部13が屈曲し易くなる。
【0057】
尚、左側開口部12a及び右側開口部13aは省略してもよい。また左側開口部12a及び右側開口部13aは複数設けてもよい。
【0058】
図3に示すように、底壁部10には、誘引部材4が挿入される挿入孔10aが形成されている。挿入孔10aは、底壁部10の前後方向中央部かつ左右方向中央部に位置している。底壁部10の挿入孔10aに挿入された誘引部材4は一部が底壁部10よりも下方へ突出するように配置される。このため、匍匐害虫捕獲器1を床面200に設置した状態では、底壁部10における前後方向中央部が床面200から上方へ離れた状態になる。一方、底壁部10の前端部及び後端部とその近傍部位は、匍匐害虫捕獲器1を床面200に設置した状態で当該床面200に接触するように配置される。従って、底壁部10は、前後方向中央部が最も高く、前端部に向かって次第に低くなるように傾斜するとともに、後端部に向かって次第に低くなるように傾斜する。
【0059】
尚、誘引部材4の全体を容器2の内部に収容するような形態とすることもでき、この場合は、誘引部材4が底壁部10から下方へ突出しないので、底壁部10を平板状にすることができる。
【0060】
上壁部11は、前後方向の寸法が底壁部10の前後方向の寸法よりも短くなるように形成されている。上壁部11の内面における前側導入口14aと後側導入口15aとの間の部分と、底壁部10の内面における前側導入口14aと後側導入口15aの間の部分とは接着されている。すなわち、上壁部11の前後方向中央部11aは、底壁部10の前後方向中央部に接着される接着部とされており、上壁部11における前後方向中央部11aが最も下に位置するように上壁部11が曲がっている。上壁部11の内面(下面)には、匍匐害虫を付着させて捕獲する粘着剤3が、当該上壁部11の前側導入口14a側から後側導入口15a側まで連続して設けられている。上壁部11の前後方向中央部11aの高さは、その内面に設けられている粘着剤3が底壁部10の前後方向中央部に接触するように設定されている。これにより、容器2の上壁部11の内面と、底壁部10の内面とが粘着剤3によって接着されることになる。
【0061】
容器2の上壁部11の内面と、底壁部10の内面とを接着することにより、 容器2の内部には、上壁部11の前後方向中央部11aよりも前側の空間(前側導入空間)R1と、上壁部11の前後方向中央部11aよりも後側の空間(後側導入空間)R2とが形成されることになる。前側導入空間R1と後側導入空間R2とは一部が連通していてもよいし、前側導入空間R1と後側導入空間R2との間を完全に遮断するようにしてもよい。前側導入空間R1と後側導入空間R2との一部を連通させる場合には、粘着剤3による上壁部11及び底壁部10の接着を部分的なものとすればよい。前側導入空間R1は第1空間ということができ、後側導入空間R2は第2空間ということができ、両空間R1、R2は匍匐害虫が導入される空間であるとともに、匍匐害虫を捕獲するための空間でもある。
【0062】
前側導入空間R1の前端部は前側導入口14aと連通しており、この前側導入口14aを介して容器2の外部に開放される。また、前側導入空間R1の左側及び右側は、それぞれ左側開口部12a及び右側開口部13aと連通しており、左側開口部12a及び右側開口部13aを介して容器2の外部に開放される。
【0063】
後側導入空間R2の後端部は後側導入口15aと連通しており、この後側導入口15aを介して容器2の外部に開放される。また、後側導入空間R2の左側及び右側は、それぞれ左側開口部12a及び右側開口部13aと連通しており、左側開口部12a及び右側開口部13aを介して容器2の外部に開放される。
【0064】
上壁部11が上述したように曲がっているので、上壁部11の中央部11aよりも前側部分は、前端部に近づけば近づくほど上に位置するように傾斜し、また上壁部11の中央部11aよりも後側部分は、後端部に近づけば近づくほど上に位置するように傾斜することになる。従って、上壁部11と底壁部10との離間寸法は、容器2の前端部及び後端部において最も長くなり、容器2の前後方向中央部に近づけば近づくほど短くなる。言い換えると、前側導入空間R1の上下方向の寸法は、当該前側導入空間R1の奥側(容器2の後側)へ行くほど短くなり、また、後側導入空間R2の上下方向の寸法は、当該後側導入空間R2の奥側(容器2の前側)へ行くほど短くなる。これにより、前側導入空間R1及び後側導入空間R2の両方で、奥側へ行くほど粘着剤3と匍匐害虫との距離が短くなるので、匍匐害虫を粘着剤3に確実に付着させることができる。
【0065】
(粘着剤3の構成)
粘着剤3は、従来から匍匐害虫を捕獲する場合に使用されているものを用いることができる。この実施形態では、上壁部11の前端部近傍から後端部近傍まで連続し、かつ、上壁部11の左端部近傍から右端部近傍まで連続して粘着剤3が設けられているが、これに限らず、上壁部11の前後方向に不連続に設けてもよいし、上壁部11の左右方向に不連続に設けてもよい。
【0066】
粘着剤3には、図示しないが剥離紙が設けられている。剥離紙は使用開始前に粘着剤3から剥離する。
【0067】
(誘引部材4の構成)
図3及び図6に示すように、誘引部材4は、誘引剤容器4aと、フランジ部4bと、該誘引剤容器4aに収容される誘引剤4cとを備えている。誘引剤4cは、従来から周知の匍匐害虫を誘引するための薬剤等を挙げることができ、例えば液体であってもよいし、粉状または粒状の薬剤であってもよいし、餌等であってもよい。液体の場合は、誘引剤容器4aに収容された吸収材に誘引剤4cを染み込ませておけばよい。誘引剤容器4aは、例えば硬質樹脂製とすることができ、この実施形態では、誘引成分が揮散するように上方に向かって開放されている。誘引剤4cが粒剤の場合、誘引剤容器4aの代わりに、通気性を有する袋等を利用することができる。また、粒状や粉状の誘引剤を誘引部材とすることもできる。
【0068】
フランジ部4bは、誘引剤容器4aの上端部から該誘引剤容器4aの外部へ向けて水平方向に延出している。図3に示すように、誘引剤容器4aは、底壁部10の挿入孔10aに挿入可能な大きさとされる一方、フランジ部4bは、挿入孔10aよりも大きく形成されている。これにより、フランジ部4bが底壁部10の挿入孔10aの周縁部に引っ掛かるようになり、底壁部10の挿入孔10aから容器2の外部へ出ないようになる。
【0069】
誘引部材4は、容器2の上壁部11における底壁部10との接着部11aよりも前側導入口14a側に位置するとともに、容器2の上壁部11における底壁部10との接着部11aよりも後側導入口15a側に位置するように形成されている。これにより、誘引部材4から放散される誘引成分が前側導入口14a側及び後側導入口15a側に流れるようになるので、誘引部材4の数を少なくしながら、両導入口14a、15aへの誘引効果が十分に得られる。
【0070】
(板材100の構成)
図5及び図6に示すように、板材100は、底壁部10、右側壁部13、上壁部11、左側壁部12、前端壁部14及び後端壁部15が連なった形状とされている。さらに、板材100には前側返し部16及び後側返し部17も連なっており、容器2を構成する各部が一体になっている。板材100における上壁部11に上記粘着剤3が塗工機(図示せず)によって塗布されている。また、板材100における挿入孔10aの近傍には、切れ込み部10bが設けられている。この切れ込み部10bには、板材100に設けられている差し込み部101が差し込まれて保持されるようになっている。
【0071】
(匍匐害虫捕獲器1の製造方法)
次に、上記のように構成された匍匐害虫捕獲器1の製造方法について説明する。まず、図5に示すような板材100を得る。その後、図6に示すように、各部を折り曲げるとともに、誘引部材4を底壁部10の挿入孔10aに挿入する。そして、切れ込み部10bに差し込み部101を差し込むと、図7図9に示すように、匍匐害虫捕獲器1の中間製造品が得られる。この中間製造品は、最終製品となる手前のものであり、図9に示すように、上壁部11と底壁部10とが接着されていない。
【0072】
組立作業者は、この中間製造品を得た後、上壁部11の前後方向中央部11aを底壁部10側へ押さえることによって上壁部11を曲げる。このとき、左側壁部12及び右側壁部13を、上下方向中間部が容器2の外方へ向けて突出するように曲げる。これにより、上壁部11の前後方向中央部11aを底壁部10に接近させて、上壁部11の前後方向中央部11aの粘着剤3を底壁部10に押し付けることができる。すると、図3に示すように、当該粘着剤3が底壁部10に粘着して上壁部11の前後方向中央部11aが底壁部10に接着されて最終製品としての匍匐害虫捕獲器1が得られる。組立作業者は、匍匐害虫捕獲器1を使用する使用者であってもよい。
【0073】
上壁部11の前後方向中央部11aを底壁部10に接着した状態では、誘引部材4が粘着剤3に接着する。具体的には、誘引部材4のフランジ部4bの上面が粘着剤3に接着することになる。これにより、誘引部材4の位置ずれを抑制することができる。尚、粘着剤3は、誘引部材4の誘引剤容器4aの開放部分を全て覆わないように、フランジ部4bの前後方向中央部にのみ接着する。
【0074】
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係る匍匐害虫捕獲器1によれば、1枚の板材100を折り曲げることによって容器2が構成されるので、部品点数が少なくて済む。そして、この容器2の上壁部11と底壁部10とを接着することにより、容器2の内部には、前側導入口14aに連通する前側導入空間R1と、後側導入口15aに連通する後側導入空間R2とが形成される。これにより、狭い空間へ侵入しようとする匍匐害虫の習性を利用した捕獲能力の向上を図ることができる。前側導入空間R1と後側導入空間R2とを形成する際には、上壁部11と底壁部10とを接着すればよいだけなので、組立作業は簡単である。
【0075】
また、捕獲用の粘着剤3を利用して容器2の上壁部11と底壁部10とを接着することが可能になるので、容器2の上壁部11と底壁部10とを接着するためだけの接着剤が不要になる。
【0076】
また、図4に示すように、容器2の上壁部11の内面に粘着剤3が配置されることになるので、容器2に導入された匍匐害虫が例えばゴキブリである場合には、羽根または背部が粘着剤3に付着することになる。従って、脚を付着させる場合に比べて粘着剤3との接触面積が広くなり、一旦捕獲した後に逃げ出してしまうゴキブリの数を減らすことが可能になる。
【0077】
また、前側導入口14aから容器2の奥へ行くほど上下方向の寸法が短くなるので、粘着剤3と匍匐害虫との距離が短くなり、匍匐害虫を粘着剤3に確実に付着させることができる。後側導入口15aから導入した匍匐害虫も同様である。
【0078】
また、誘引部材4から放散される誘引成分は前側導入口14a側及び後側導入口15a側に流れるようになる。これにより、誘引成分が前側導入口14a及び後側導入口15aから外部に放散されるので、誘引部材4の数を少なくしながら、両導入口14a、15aへの誘引効果が十分に得られる。
【0079】
(実施形態2)
図10図13は、本発明の実施形態2に係る匍匐害虫捕獲器1を示すものである。この実施形態2では底壁部10を上に曲げることによって上壁部11に接着している点で実施形態1のものと異なっており、他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
【0080】
すなわち、図11図12に示すように、容器2の底壁部10は、上壁部11との接着部が最も上に位置するように曲がっている。底壁部10の前後方向中央部10aは、上壁部11の前後方向中央部との接着部とされている。底壁部10の前後方向中央部10aの高さは、粘着剤3に接触するように設定されている。これにより、容器2の上壁部11の内面と、底壁部10の内面とが粘着剤3によって接着されることになる。
【0081】
底壁部10が上述したように曲がっているので、底壁部10の中央部10aよりも前側部分は、前端部に近づけば近づくほど下に位置するように傾斜し、また底壁部10の中央部10aよりも後側部分は、後端部に近づけば近づくほど下に位置するように傾斜することになる。従って、上壁部11と底壁部10との離間寸法は、容器2の前端部及び後端部において最も長くなり、容器2の前後方向中央部に近づけば近づくほど短くなる。これにより、前側導入空間R1及び後側導入空間R2の両方で、奥側へ行くほど粘着剤3と匍匐害虫との距離が短くなるので、匍匐害虫を粘着剤3に確実に付着させることができる。
【0082】
また、誘引部材4は、通気性を有する袋4dに誘引剤4cが収容されたものである。この誘引部材4も、実施形態1のものと同様に、容器2の底壁部10における上壁部11との接着部10aよりも前側導入口14a側に位置するとともに、容器2の底壁部10における上壁部11との接着部10aよりも後側導入口15a側に位置するように形成されている。
【0083】
実施形態2においても実施形態1と同様に、1つの容器2に前側導入空間R1と後側導入空間R2とを設ける場合に、容器2を簡単に得ることができる。
【0084】
(他の実施形態)
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0085】
上記実施形態1、2では、粘着剤3を容器2の上壁部11の内面に設けているが、これに限らず、粘着剤3は、容器2の底壁部10の内面に設けてもよい。粘着剤3を容器2の底壁部10の内面に設けた場合も、上壁部11と底壁部10とを接着することができる。
【0086】
また、粘着剤3とは別に、上壁部11と底壁部10とを接着するための粘着剤や接着剤を設けてもよい。
【0087】
また、前側導入空間R1と後側導入空間R2にそれぞれ誘引部材を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上説明したように、本発明に係る匍匐害虫捕獲器は、例えば、ゴキブリ等の匍匐害虫を捕獲する場合に使用することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 匍匐害虫捕獲器
2 容器
3 粘着剤
4 誘引部材
10 底壁部
11 上壁部
12 左側壁部
13 右側壁部
14 前端壁部(第1端壁部)
14a 前側導入口(第1導入口)
15 後端壁部(第2端壁部)
15a 後側導入口(第2導入口)
100 板材
200 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13