(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】装飾装置及びそれを備えた遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 326C
(21)【出願番号】P 2018123926
(22)【出願日】2018-06-29
【審査請求日】2021-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】591150270
【氏名又は名称】日本ぱちんこ部品株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 邦生
(72)【発明者】
【氏名】足立 義一
【審査官】手塚 毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-202590(JP,A)
【文献】特開2018-086598(JP,A)
【文献】特開2017-035488(JP,A)
【文献】特開2002-065980(JP,A)
【文献】特開2017-225856(JP,A)
【文献】特開2011-156143(JP,A)
【文献】特開2017-006790(JP,A)
【文献】特開2016-093524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体枠の前面側に設けられ、外部から視認可能な装飾装置であって、
装飾本体と、
前記装飾本体に組み付け可能な副装飾体と、
前記装飾本体に可動自在に組み付けられ、前記副装飾体に係止する係止位置と、前記副装飾体への係止を解除する解除位置と、に変位可能な係止手段と、
前記係止手段を前記解除位置から前記係止位置に向かう方向に付勢する付勢手段と、
を備え、
前記装飾本体は、外面側から前記係止手段に向かって延び、前記係止手段に作用を及ぼす操作部材を挿入可能な操作口が形成され、
前記係止手段は、前記操作口に挿入される前記操作部材によって作用が及ぼされることで、前記付勢手段による付勢に抗して前記係止位置から前記解除位置に変位し、前記副装飾体の前記装飾本体との係止を解除する
とともに、前記係止位置から前記解除位置に変位する際に、前記副装飾体に接触して前記副装飾体を前記装飾本体から離脱する方向に誘導する補助部を有することを特徴とする装飾装置。
【請求項2】
前記操作口を閉塞する閉塞部材を備えることを特徴とする請求項
1に記載の装飾装置。
【請求項3】
前記閉塞部材は、前記操作部材により破損し得る薄肉部を備えることを特徴とする請求項
2に記載の装飾装置。
【請求項4】
前記装飾本体は、前記副装飾体によって閉塞される外側に開放された収容開口部が形成された収容部を有し、
前記副装飾体は、前記係止手段が前記係止位置に位置するときに前記収容開口部を閉塞し、前記係止手段が前記解除位置に位置するときに、前記収容開口部を開放することを特徴とする請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の装飾装置。
【請求項5】
前記副装飾体は、前記収容部に少なくとも一部が収容されることを特徴とする請求項
4に記載の装飾装置。
【請求項6】
前記副装飾体は、
前記係止手段が係止する副装飾本体と、
前記副装飾本体に係合するカバー体と、
前記副装飾本体と前記カバー体とによって挟持される装飾体と、
を有することを特徴とする請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載の装飾装置。
【請求項7】
請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の装飾装置を備えることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾装置及びそれを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機では、機種変更において、経費節減の観点から遊技盤のみを異なるデザインのものに交換することが行われていた。例えば、特許文献1の遊技機は、機種変更の際に、機種別部材として設定されたパネル部材(上パネル及び下パネル)を交換する構成となっている。また、特許文献2の遊技機は、遊技客に対してアピールするように前扉の前面における右部に設けられた装飾パネル部に収容する装飾パネルを交換可能にして、装飾パネルのデザインを機種変更後の遊技機に対応させる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-152483号公報
【文献】特開2013-66584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装飾パネルの交換は、シリンダ錠を解除して前扉を開放する必要があり手間が掛かり、しかも前扉を開放した不安定な状態で装飾パネルの交換作業を行わなければならず煩雑なものになっていた。また、遊技盤のデザインが変わっても、装飾パネルの交換のみを行う構成であるため、遊技機の外側を構成する枠体などの装飾の形状に変化がないため、機種変更をしても遊技者に対するインパクトが小さく、遊技内容と枠体の装飾イメージとの間において違和感を覚える虞があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、簡易な操作で所望の装飾状態に容易に変更し得る装飾装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の装飾装置は、
本体枠の前面側に設けられ、外部から視認可能な装飾装置であって、
装飾本体と、
前記装飾本体に組み付け可能な副装飾体と、
前記装飾本体に可動自在に組み付けられ、前記副装飾体に係止する係止位置と、前記副装飾体への係止を解除する解除位置と、に変位可能な係止手段と、
前記係止手段を前記解除位置から前記係止位置に向かう方向に付勢する付勢手段と、
を備え、
前記装飾本体は、外面側から前記係止手段に向かって延び、前記係止手段に作用を及ぼす操作部材を挿入可能な操作口が形成され、
前記係止手段は、前記操作口に挿入される前記操作部材によって作用が及ぼされることで、前記付勢手段による付勢に抗して前記係止位置から前記解除位置に変位し、前記副装飾体の前記装飾本体との係止を解除するとともに、前記係止位置から前記解除位置に変位する際に、前記副装飾体に接触して前記副装飾体を前記装飾本体から離脱する方向に誘導する補助部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の遊技機は、上記装飾装置を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の装飾装置は、装飾本体に可動自在に組み付けられる係止手段が、係止位置で副装飾体に係止する。また、付勢手段は、係止手段を解除位置から係止位置に向かう方向に付勢する。そのため、副装飾体は、係止手段を介して装飾本体に安定して組み付けられる。一方で、操作部材の操作によって、係止手段を付勢手段による付勢に抗して係止位置から解除位置に変位させて、係止手段の副装飾体への係止を解除することができる。そのため、副装飾体を装飾本体から取り外し、異なるデザインの副装飾体を新たに装飾本体に組み付けることができる。特に、操作部材を装飾本体の操作口に挿入して係止手段に作用を及ぼすのみで、係止手段を係止位置から解除位置に変位させることができるため、容易に副装飾体を装飾本体から取り外すことができる。したがって、装飾装置は、簡易な操作で所望の装飾状態に変更することができる。
【0009】
本発明の装飾装置は、係止手段が、係止位置から解除位置に変位する際に、副装飾体に接触して副装飾体を装飾本体から離脱する方向に誘導する補助部を有していてもよい。
【0010】
この構成によれば、係止手段を係止位置から解除位置に変位させて副装飾体を装飾本体から取り外す際に、補助部が副装飾体に接触して、副装飾体を装飾本体から離脱する方向に誘導させることができる。そのため、副装飾体の交換作業は、副装飾体が装飾本体から離脱した状態で行うことができるため、より一層容易に交換作業を行うことができる。
【0011】
本発明の装飾装置は、操作口を閉塞する閉塞部材を備えていてもよい。
【0012】
この構成によれば、操作口の操作開口部を閉塞部材で閉塞することで、操作口を隠蔽し、副装飾体の交換目的以外などで操作部材を操作口に挿入して係止手段の解除操作が行われて、不正に副装飾体が装飾本体から取り外されることを防ぐことができる。
【0013】
本発明の装飾装置は、閉塞部材が、操作部材により破損し得る薄肉部を備えるのが好ましい。
【0014】
この構成によれば、不正操作ではない通常の副装飾体の交換時には、閉塞部材を破損させ易く、操作部材を操作口に容易に挿入して係止手段に作用を及ぼして、副装飾体の取り外しを行うことができる。一方で、不正操作によって閉塞部材が破損させられた場合には、閉塞部材の破損状態を確認することで、不正操作が行われたことを瞬時に把握することができる。
【0015】
本発明の装飾装置は、装飾本体が、副装飾体によって閉塞される外側に開放された収容開口部が形成された収容部を有していてもよい。副装飾体は、係止手段が係止位置に位置するときに収容開口部を閉塞し、係止手段が解除位置に位置するときに、収容開口部を開放してもよい。
【0016】
この構成によれば、装飾本体に組み付けられた副装飾体によって収容部の収容開口部を閉塞することができるため、収容開口部を閉塞するために別途部材を設ける必要がなく、部材点数を削減することができる。
【0017】
本発明の装飾装置は、副装飾体の少なくとも一部が収容部に収容されていてもよい。
【0018】
この構成によれば、装飾装置は、副装飾体の少なくとも一部が収容部に収容されることで、装飾本体の内部を利用した装飾が可能になる。
【0019】
本発明の装飾装置は、副装飾体が、係止手段が係止する副装飾本体と、副装飾本体に係合するカバー体と、副装飾本体とカバー体とによって挟持される装飾体と、を有していてもよい。
【0020】
この構成によれば、装飾状態を変更する際に、副装飾体の一部を構成する装飾体のみを交換するだけで装飾装置のデザインを変更することができる。そのため、交換点数の削減が可能であり、装飾状態の変更を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明に係る遊技機を例示する斜視図である。
【
図2】
図2(A)は、本発明の第1実施形態に係る操作スイッチを前方側且つ斜め上方側から見た斜視図であり、
図2(B)は、前方側且つ斜め下方側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の操作スイッチの前方側且つ斜め上方側から見た一部分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3の副装飾体の前方側且つ斜め上方側から見た分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2に示す操作スイッチにおいて装飾本体と副装飾体との係止状態を示す側断面図である。
【
図6】
図6は、
図2の操作スイッチにおいて装飾本体と副装飾体との係止状態を
図5と異なる位置で切断して示す側断面図である。
【
図7】
図7は、
図5に示す操作スイッチにおいて係止手段が解除位置に位置する状態を示す側断面図である。
【
図8】
図8は、
図5に示す操作スイッチに閉塞部材が組み付けられた状態を説明する側断面図である。
【
図9】
図9(A)は、本発明の第2実施形態に係る装飾パネルにおいて係止手段が係止位置に位置する状態を示す側断面図であり、
図9(B)は、係止手段が解除位置に位置する状態を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る装飾装置及びそれを備えた遊技機を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1に示すように、遊技機(パチンコ機)1は、その外郭を形成する本体枠2を備えている。本体枠2は、額縁状の外枠3と、外枠3にヒンジ部を介して前面側に向かって片開き可能に支持される内枠4と、同様に内枠4にヒンジ部を介して前面側に向かって片開き可能に支持される前枠5と、を備えている。内枠4には、図示しないガイドレールにより前面側に遊技領域が形成された遊技盤が装着され、その遊技盤の下方に遊技領域に向けて遊技球を発射する球発射装置(図示略)が設けられている。
【0024】
前枠5は、遊技盤の遊技領域に対応した窓部5Aが厚み方向に貫通形成されて開口している。そして、前枠5の後面側には、窓部5Aを閉塞するように透明板5Bが配置され、前枠5が内枠4に対して閉状態のときに透明板5Bを介して遊技領域を視認可能としている。また、前枠5の前面下側には、貸球や賞球等の遊技球を一時的に貯留し、その貯留した遊技球を整流して球発射装置に供給する球受皿6と、球発射装置が遊技球を発射する発射力を調節するための発射ハンドル8とが設けられている。そして、球受皿6の上面には、遊技者が操作可能なように球受皿6の外壁部7から少なくとも一部が露出する構成で操作スイッチ10が設けられている。また、前枠5の上部にはスピーカーを備えた装飾ランプ9が設けられ、前枠5における前面側の右側縁部には、装飾パネル110が前方に突出して設けられている。なお、装飾装置として詳しく後述する操作スイッチ10及び装飾パネル110は、本体枠2の前面側に設けられ、外部から視認可能である。
【0025】
本明細書では、透明板5Bの前面と直交する方向が前後方向であり、遊技者側を前方側、遊技盤側(遊技機1の奥側)を後方側としている。
図1の例では、図示しない遊技盤の盤面と直交する方向が前後方向となっている。また、透明板5Bに沿う態様で遊技領域が構成され、この遊技領域において遊技球が流下する方向を上下方向としている。
図1の例では、鉛直方向が上下方向となっている。また、これら前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向としている。なお、以下では、操作スイッチ10の説明は、
図1の起立位置にあるときの状態で上記した上下方向、前後方向、及び左右方向を用いて行う。
【0026】
操作スイッチ10について詳しく説明する。
操作スイッチ(本発明の「装飾装置」に相当)10は、
図1、2に示すように、押圧式及びレバー式を備えたスイッチであり、遊技機1において待機状態を含む遊技状態に応じて、遊技者による外部操作が可能なように設けられている。操作スイッチ10は、
図3に示すように、装飾本体20、ベースユニット40、係止手段50、引張りばね(本発明の「付勢手段」に相当)60、副装飾体70、及び閉塞部材80(
図7参照)を備えており、副装飾体70が押圧式スイッチの押圧部となっている。
【0027】
ベースユニット40は、
図1に示すように、球受皿6の前面側に取り付けられ、
図2に示すように、装飾本体20を保持している。ベースユニット40は、装飾本体20を保持するコ字状の保持部41を備え、回動軸42を中心に装飾本体20が傾動動作するように支持している。回動軸42にはねじりばね43が巻装され、装飾本体20を
図2に示す起立状態に付勢するように構成されている。
【0028】
装飾本体20は、ベースユニット40に傾動自在に保持されている。装飾本体20は、
図2に示すように、遊技者が把持する把持部21と、把持部21を下方から支持する基部22とを備えている。把持部21は、ベース部23と装飾カバー部26の上下二部材により遊技者が掴み易いように平面視で略縦長楕円形の中空状に形成されている。装飾カバー部26には、
図3に示すように、上面において上方に開口する収容開口部21Aが形成されている。把持部21の内部には支持部27(
図5参照)が配置され、後述する昇降部材30を昇降可能に支持する。基部22の下端は、操作スイッチ10が所定の範囲内で傾動するように回動軸42に軸支されている。
【0029】
昇降部材30は、
図3、5、6に示すように、把持部21の収容開口部21Aと略同じ外形の板状の底壁部31の縁部から後方の一部を除いて所定の高さで立ち上がる周壁部32を備えた皿状に形成されている。昇降部材30は、支持部27に対して所定の範囲内で相対的に変位可能に配置されている。昇降部材30と支持部27との間には、3つのばね部材30Aが介在している。昇降部材30は、ばね部材30Aによって、支持部27から離れる方向に移動させる付勢力が付与されており、外部から押圧力が付与されていないときには、
図5、6で示す位置に保たれるようになっている。
【0030】
昇降部材30は、
図3に示すように、底壁部31には3つのばね部材30A(
図5参照)のそれぞれに対応して底壁部31の上面から上方に突出する円柱状の3つの突出部33と、一対の突起部34と、一対の突起部34の間に位置する係止片36と、操作部材Tが通過する内側開口部37と、一対の長溝部38が形成されている。突出部33は、
図5に示すように、突出方向に貫通する貫通孔33Cが形成されると共に、ばね部材30Aの一端(上端)が収納される収容部33Bが形成されている。そして、下端部が支持部27に固定された軸部材27Aが貫通孔33Cに挿通された状態でフランジを介して締結部材33D(ねじなど)が取り付けられ、昇降部材30は、支持部27に対して一定の距離以上に離間することが規制される。これにより、昇降部材30は、軸部材27Aの軸方向に移動自在に設けられ、ばね部材30Aによって上動位置に付勢されている。また、昇降部材30の下面には検知片35が設けられ、押圧式スイッチとして機能する際に、副装飾体70の押圧状態を支持部27に設けられた検知スイッチ27Bで検知するようにしている。ここで、操作部材Tは、例えば、ホールで球詰まりを解除する際に使用する針金のような細長い部材、ドライバー、またはラジオペンチなどである。
【0031】
突起部34,34は、
図3に示すように、中心にビス孔を有する略円柱状に形成されている。突起部34,34は、底壁部31のほぼ中央に所定の間隔をもって前後に位置して形成されている。係止片36は、側面視で逆L字状であり(
図5参照)、上方に突出するとともに、前方側に折れ曲がる構成である。内側開口部37は、底壁部31の前端部において、平面視で前後方向に長い方形状に貫通して形成されている。長溝部38は、底壁部31の左右両端部において、下方に凹む溝または貫通溝として形成される。
【0032】
装飾本体20は、
図3、5に示すように、昇降部材30、及び収容開口部21Aによって外側(上方)に開放される収容部20Aが構成されている。収容部20Aは、後述する副装飾体70の下端側の一部が収容される。このように、副装飾体70は、収容部20Aの内部を利用した立体的な構成として装飾本体20に組み付けることができ、装飾本体20の内部を利用した装飾が可能になる。
【0033】
また、装飾本体20(把持部21)には、
図5に示すように、係止手段50に作用を及ぼす操作部材Tを挿入可能な操作口24が形成されている。操作口24は、遊技者から視認されない把持部21(ベース部23)の外面側から後述する係止手段50に向かって延びている。具体的には、操作口24は、ベース部23の前端部の下面から、支持部27のガイド部27Cを介して昇降部材30の内側開口部37に向かって延びている。操作口24は、外側(下方)に開放された操作開口部25が形成されている。操作開口部25は、把持部21(ベース部23)の前端部の下面において上下方向に貫通するように形成されている。
【0034】
係止手段50は、
図5、6に示すように、装飾本体20(昇降部材30)に可動自在に組み付けられている。係止手段50は、副装飾体70に係止する係止位置と、副装飾体70への係止を解除する解除位置と、に変位可能に構成されている。係止手段50は、
図3に示すように、本体部51、及び一対の延出部52を備えて全体として平面視略Y字状である。本体部51は、下方に開放した細長い略直方体状で、内部に後述する引張りばね60が収容される。一対の延出部52は、互いに所定間隔をおいて対向するように本体部51の後端部から後方に向かって枝分かれするように延出している。なお、一対の延出部52は、底壁部31の後端部に位置する突出部33が間に位置し得るように対向している。
【0035】
係止手段50は、
図3に示すように、本体部51には、一対の貫通孔53と、一対の貫通孔53の間に位置して本体部51内に垂下する係止片54と、本体部51の一端(前端)に位置する係止部55と、係止部55の両側に位置する一対の補助部57と、係止部55の下方に凹部59(
図5参照)が設けられ、一対の延出部52には、それぞれ先端に係止部56と、係止部56の手前に補助部58が形成されている。貫通孔53,53は、昇降部材30の突起部34,34に対応して本体部51の長尺方向中央よりも前端部寄り及び後端部に上下方向に貫通するように係止手段50の移動方向に沿う長孔状に形成されている。
【0036】
係止片54は、
図3及び
図5に示すように、本体部51における貫通孔53の前端部側で隣接する位置において、本体部51の上板下面側から下方に突出すると共に先端が後方側に折れ曲がって側面視でL字状に形成されている。係止部55は、本体部51の前端部において、係止手段50の移動方向に沿うように、上端部が後方に向かうにつれて高位置となるように傾斜した鉤片を前方に突出している。係止部56は、延出部52の後端部において、係止部55と同じように上端部が後方に向かうにつれて高位置となるように傾斜した鉤片を上方に突出している。
【0037】
補助部57,58は、係止手段50が係止位置から解除位置に変位する際に、副装飾体70に接触して副装飾体70を装飾本体20から離脱する方向に誘導するように機能する。一対の補助部57は、
図3に示すように、本体部51における係止部55の左右両側面のそれぞれから側方に突出している。補助部57は、前方に向かうにつれて高位置となる傾斜面を有している。補助部58は、延出部52の後端部に設けられる係止部56より本体部51寄りの位置に所定の間隔をもって、上方に突出して設けられ、補助部57と同じように前方に向かうにつれて高位置となる傾斜面を有して形成されている。凹部59は、
図5に示すように、本体部51の前端部における係止部55の下方に形成され、一対の補助部57の側面と前端側の貫通孔53の周壁の一部を利用して、前方及び下方に開放して形成されている。凹部59は、後述する操作部材Tから作用を及ぼされる部分である。
【0038】
付勢手段としての引張りばね60は、
図5に示すように、本体部51の内部において、一端61が装飾本体20の係止片36に係止し、他端62が係止手段50の係止片54に係止している。
【0039】
係止手段50は、付勢手段としての引張りばね60を装着した状態で、
図5に示すように、突起部34,34を貫通孔53,53に挿入して、フランジを有する締結部材53C(ねじ等)を突起部34,34のビス孔に螺締めして、昇降部材30から抜け止めされる。これにより、係止手段50は、突起部34,34がそれぞれ貫通孔53,53にガイドされることで、装飾本体20に対して前後方向にスライド移動可能に取付けられ、常態では引張りばね60により、副装飾体70との解除位置から係止位置に向かう方向に付勢されており、突起部34,34が貫通孔53,53の長孔後端に位置している。係止手段50のスライド移動可能な距離は、貫通孔53,53の開口長さで規制されており、少なくとも係止部55,係止部56が係止孔71D,係止段部71Eとの係止を解除する距離に設定されている。
【0040】
副装飾体70は、装飾が施される部材であって、遊技機1の構成と関連した装飾を施すことによって演出効果を高める構成となっている。本実施の形態では、副装飾体70は、押圧式スイッチの押圧部として機能する。副装飾体70は、
図2及び
図3に示すように、装飾本体20に対して係止手段50の係脱により組み付け可能になっている。副装飾体70は、
図4に示すように、平面視で把持部21の収容開口部21A(
図3参照)と略同様の形状をしており、副装飾本体71、カバー体72、及び装飾体73を有している。
【0041】
副装飾本体71は、
図4に示すように、収容開口部21Aと略同形状の上壁部71Aと、上壁部71Aの前側の縁部から下方に延出する前側壁部71Bと、上壁部71Aの後側の縁部から下方に延出する後側壁部71Cを備えている。後側壁部71Cの中央は、昇降部材30の後端部付近の突出部33を避けるように切り欠かれている。また、副装飾本体71には、係止手段50が係止する係止孔71D及び一対の係止段部71Eが形成されている。係止孔71Dは、前側壁部71Bの左右方向中央において、前後方向に貫通する左右方向の長孔として形成され、係止手段50の係止部55が係止する。一対の係止段部71Eは、副装飾本体71の後側壁部71Cの切欠きの左右両端部のそれぞれにおいて前方に凹むように形成され、係止手段50の係止部56,56がそれぞれ係止する。また、副装飾本体71には、一対の延出部71F及び一対の被補助部71Hが形成されている。一対の延出部71Fは、上壁部71Aの左右両側のそれぞれの縁部から下方に、弾性変形し得るように帯板状に延出し、側面から前後方向(幅方向)に長い係止突起部71Gが形成されている。係止突起部71Gは、下方に向かうにつれて突出する傾斜面を有している。被補助部71Hは、係止孔71Dの両側であり後方に位置して、上壁部71Aの前端部の下面から下方に延出しており、補助部57の傾斜面に対向するように後方に向かうにつれて低位置となる傾斜面を有している。
【0042】
カバー体72は、装飾体73が視認し得る透光性を有する樹脂により形成され、
図4に示すように、上壁部72A及び上壁部72Aの縁部から後方を除き下方に延出する周側壁部72Bを備えている。また、周側壁部72Bの左右両側の端部からそれぞれ下方に、貫通孔72Dが形成された突出部72Cが突出している。一対の貫通孔72Dは、副装飾本体71の係止突起部71Gが係合する。
【0043】
装飾体73は、遊技機1の構成と関連した装飾が施されており、副装飾本体71とカバー体72とによって挟持される。装飾体73は、
図4に示すように、副装飾本体71と略同じ立体形状になっており、上壁部73Aと周側壁部73Bを備えている。周側壁部73Bは、下端部において外側に屈曲する屈曲部73Cが形成されている。また、周側壁部73Bの前方及び両側には、副装飾本体71の係止孔71D及び一対の係止段部71Eに対応して、前方開口部73F及び側方開口部73Gが切欠き形成されている。上壁部73Aは、例えば、薄板面に凹凸形状を付けて3次元的な装飾を施すことによって演出効果を高めることができる。
【0044】
副装飾体70は、
図5、6に示すように、装飾体73を、副装飾本体71に対して上方から覆うように組み付け、さらにカバー体72を装飾体73の上方から覆うように積層させて構成している。副装飾本体71の係止孔71Dは、
図5に示すように、カバー体72の周側壁部72Bと前後方向で重なり、係止孔71Dを隠蔽している。図示を省略するが、一対の延出部71Fは、内側から突出部72Cに重なり、突出部72Cが係止突起部71Gの傾斜面を押すことにより、延出部71Fが弾性変形しつつ係止突起部71Gが貫通孔72Dに内側から入り込み、装飾体73を挟持した状態で、副装飾本体71とカバー体72とが係合している。また、周側壁部72Bの下端は、屈曲部73Cに対して上方から当接している。このようにして、副装飾体70は、装飾体73をカバー体72と副装飾本体71とで挟持した状態で組み付けられる。
【0045】
副装飾体70は、
図5、6に示すように、係止手段50を介して装飾本体20に組み付けられている。このとき係止手段50は、引張りばね60の付勢により、副装飾体70に係止する係止位置に位置している。係止手段50の係止部55は、
図5に示すように、副装飾体70の係止孔71Dに後方から入り込んで係止しており、係止手段50の係止部56は、
図6に示すように、係止段部71Eに後方から引っ掛かるように係止している。これにより、副装飾体70は、係止手段50によって、装飾本体20に組み付けられて収容開口部21Aから離脱する方向(上方)への移動が規制されている。そして、係止手段50は、引張りばね60によって解除位置から係止位置に向かう方向に付勢されているため、副装飾体70は、係止手段50を介して装飾本体20に安定して組み付けられている。また、副装飾本体71の前側壁部71B及び後側壁部71Cの下端部は、昇降部材30の底壁部31の上面に当接しており、副装飾体70への押圧力を昇降部材30に直接的に伝達するようにしている(
図6参照)。また、図示は省略するが、副装飾本体71の一対の延出部71Fの先端は、昇降部材30の一対の長溝部38(
図3参照)にそれぞれ嵌まり込んで副装飾体70の位置決めの役割を成している。このように副装飾体70が装飾本体20に組み付けられることで、副装飾体70が昇降部材30と一体的に昇降移動することになる。
【0046】
副装飾体70は、
図5、6に示すように、係止手段50が係止位置に位置するときに収容開口部21Aを閉塞している。副装飾体70は、装飾本体20(昇降部材30)に組み付けられることで、収容開口部21Aを閉塞することができるため、収容開口部21Aを閉塞する部材を別途設ける必要がなく、部材点数を削減することができる。
【0047】
次に、副装飾体70の装飾本体20からの取り外しについて説明する。
副装飾体70は、引張りばね60に付勢された係止手段50により装飾本体20に係止され収容開口部21Aを閉塞しており、
図5に示すように、操作部材Tを操作開口部25を介して操作口24に挿入する。操作部材Tは、
図5の一点鎖線に示すように、溝状のガイド部27Cにガイドされながら操作口24から昇降部材30の内側開口部37を通過して、係止手段50の凹部59に当接する。
【0048】
そして、凹部59に当接した操作部材Tを操作して、係止手段50を後方(本体枠2側)へ押圧すると、
図7に示すように、係止手段50が引張りばね60による付勢に抗して後方へ移動する。これにより、係止手段50は、副装飾体70との係止位置から解除位置に変位して、係止部55は、
図5に示す係止孔71Dとの係止位置から後方へ抜け出て係止が解除され、係止部56は、
図6に示す係止段部71Eとの係止位置から後方へ離れて係止が解除される(
図7参照)。これにより、係止手段50による副装飾体70への係止が解除され、副装飾体70が装飾本体20から離脱可能になる。
【0049】
また、係止手段50が係止位置から解除位置に変位する際に、補助部57,58は、副装飾体70に接触して副装飾体70を装飾本体20から離脱する方向に誘導する。具体的には、補助部57は、
図5の破線で示すように、被補助部71Hと対向している状態から、後方へ移動することで、
図7の破線で示すように、移動方向に対して傾斜している面で被補助部71Hを上方に押し上げる。また、補助部58は、
図6で示すように、後側壁部71Cから離間している状態から、後方へ移動することで、
図7の破線で示すように、移動方向に対して傾斜している面で後側壁部71Cを上方に押し上げる。このように、補助部57,58の作用により、副装飾体70を装飾本体20から離脱する方向(上方)に誘導する。そのため、副装飾体70は、装飾本体20から離脱した状態で交換作業を行うことができるため、交換作業をより一層容易に行うことができる。
【0050】
そして、古い副装飾体70を装飾本体20から取り外して収容開口部21Aを開放し、新しい機種に対応したデザインの副装飾体を装飾本体20の収容開口部21Aを塞ぐように組み付けることができる。このように、操作部材Tを装飾本体20の操作口24に挿入して係止手段50に作用を及ぼすのみの操作を行なえばよく、前枠5の開閉なども不要であり、前枠5が開いた不安定な状態での作業も必要なくなる。そのため、簡易な操作で係止手段50を係止位置から解除位置に変位させることができ、容易に副装飾体70を装飾本体20から取り外すことができる。したがって、操作スイッチ10は、簡易な操作で遊技機1のイメージに合わせて所望の装飾状態に変更することができる。新しい副装飾体は、取り外した副装飾体70と同じように係止手段50が係止する係止孔71D及び係止段部71E等の係止部を備えていればよく、特に、カバー体72は立体形状も変更可能であり、新しい機種に対応した立体的なデザインにすることができる。つまり、装飾本体20側の係止手段50との係合関係を変えなければ、副装飾体70の形状は自由に変化させることができる。
【0051】
また、副装飾体70は、装飾状態を変更する際に、副装飾体の一部を構成する装飾体73のみを交換するだけでも操作スイッチ10のデザインを変更することができる。そのため、交換点数の削減が可能であり、装飾状態の変更を容易に行うことができる。
【0052】
また、
図8に示すように、装飾本体20の操作口24(操作開口部25)を閉塞部材80によって閉塞するようにしてもよい。閉塞部材80は、操作開口部25を閉塞する閉塞部81及び操作開口部25に固定する取付部82を備えている。閉塞部81は、操作部材Tにより破損し得る薄肉部として操作開口部25と略同形の板部を肉薄に形成している。取付部82は、略リング状であり、係止部83が切欠部84により弾性変形するように形成されている。係止部83は、取付部82の端部(閉塞部81とは反対側の端部)において操作開口部25の内側開口端に係止するように外側に向かって突出している。切欠部84は、閉塞部81の厚さ方向に沿って取付部82を切り欠いて形成されている。閉塞部材80は、閉塞部81と係止部83とによって操作開口部25を挟むようにして取り付けられ、操作口24を閉塞している。
【0053】
副装飾体70の交換時には、
図8に示すように、操作部材Tを閉塞部材80に押し付けて肉薄の閉塞部81を破損させ、閉塞部材80による操作口24(操作開口部25)の閉塞を解除して、開口した操作開口部25を介して操作口24に操作部材Tを挿入する。あとは、上述した実施の形態のように係止手段50に作用を及ぼして、容易に副装飾体70の取り外しを行うことができる。このように、操作口24を閉塞部材80で閉塞することで、操作口24を隠蔽し、操作口24に悪戯したり副装飾体70の交換目的以外で操作口24に操作部材Tを挿入して係止手段50の解除操作が行われて、不正に副装飾体70が装飾本体20から取り外されることを防ぐことができる。また、不正操作によって閉塞部材80が破損させられた場合には、閉塞部材80の破損状態を確認することで、何等かの不正操作が行われたことを瞬時に把握することができる。副装飾体70の交換後には、破損した閉塞部材80を取り除き、新しい閉塞部材80を操作開口部25に装着することで、操作開口部25を閉塞して操作口24を隠蔽することができる。
【0054】
(第1実施形態の主な効果)
本第1実施形態の操作スイッチ10は、装飾本体20に可動自在に組み付けられる係止手段50が、係止位置で副装飾体70に係止する。また、引張りばね60は、係止手段50を解除位置から係止位置に向かう方向に付勢する。そのため、副装飾体70は、係止手段50を介して装飾本体20に安定して組み付けられる。一方で、操作部材Tの操作によって、係止手段50を引張りばね60による付勢に抗して係止位置から解除位置に変位させて、係止手段50の副装飾体70への係止を解除することができる。そのため、副装飾体70を装飾本体20から取り外し、異なるデザインの副装飾体70を新たに装飾本体20に組み付けることができる。特に、操作部材Tを装飾本体20の操作口24に挿入して係止手段50に作用を及ぼすのみで、係止手段50を係止位置から解除位置に変位させることができるため、容易に副装飾体70を装飾本体20から取り外すことができる。したがって、操作スイッチ10は、簡易な操作で所望の装飾状態に変更することができる。
【0055】
また、係止手段50は、係止位置から解除位置に変位する際に、副装飾体70に接触して副装飾体70を装飾本体20から離脱する方向に誘導する補助部57,58を有する。
これによれば、係止手段50を係止位置から解除位置に変位させて副装飾体70を装飾本体20から取り外す際に、補助部57,58が副装飾体70に接触して、副装飾体70が装飾本体20から離脱する方向に誘導させることができる。そのため、副装飾体70は、装飾本体20から離脱した状態で交換作業を行うことができるため、より一層容易に交換作業を行うことができる。
【0056】
また、操作スイッチ10は、操作口24を閉塞する閉塞部材80を備えている。
これによれば、操作口24の操作開口部25を閉塞部材80で閉塞することで、操作口24を隠蔽し、操作口24に悪戯したり、副装飾体70の交換目的以外などで操作部材T等を操作口24に挿入したりして係止手段50の解除操作が行われて、不正に副装飾体70が装飾本体20から取り外されることを防ぐことができる。
【0057】
また、閉塞部材80は、操作部材Tにより破損し得る薄肉部を備えている。
これによれば、不正操作ではない通常の副装飾体70の交換時には、閉塞部材80を破損させ易く、操作部材Tを操作口24に容易に挿入して係止手段50に作用を及ぼして、容易に副装飾体70の取り外しを行うことができる。一方で、不正操作によって閉塞部材80が破損させられた場合には、閉塞部材80の破損状態を確認することで、不正操作が行われたことを瞬時に把握することができる。
【0058】
また、装飾本体20は、副装飾体70によって閉塞される外側に開放された収容開口部21Aが形成された収容部20Aを有している。副装飾体70は、係止手段50が係止位置に位置するときに収容開口部21Aを閉塞し、係止手段50が解除位置に位置するときに、収容開口部21Aを開放する。
これによれば、装飾本体20に組み付けられた副装飾体70によって収容部20Aの収容開口部21Aを閉塞することができるため、収容開口部21Aを閉塞するために別途部材を設ける必要がなく、部材点数を削減することができる。
【0059】
また、副装飾体70は、収容部20Aに少なくとも一部が収容されている。
これによれば、操作スイッチ10は、副装飾体70の一部が収容部20Aの内部に収容されることで、装飾本体20の内部を利用した装飾が可能になる。
【0060】
また、副装飾体70は、係止手段50が係止する副装飾本体71と、副装飾本体71に係合するカバー体72と、副装飾本体71とカバー体72とによって挟持される装飾体73と、を有している。
これによれば、装飾状態を変更する際に、副装飾体70の一部を構成する装飾体73のみを交換するだけで操作スイッチ10のデザインを変更することができる。そのため、交換点数の削減が可能であり、装飾状態の変更を容易に行うことができる。
【0061】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態の装飾装置は、装飾パネル110として構成されている。装飾パネル110は、
図9に示すように、装飾本体120、係止手段150、ねじりばね(付勢手段)160、及び副装飾体170を備えている。装飾本体120は、
図1に示すように、側面視台形状の薄型の中空箱状に形成され、内部は薄板部材(例えば後述する装飾体173)を収容する収容部120Aとして外側(上方)に開放された収容開口部121Aが形成されている。装飾本体120は、
図9に示すように、側面に窓部121(
図1参照)が形成され、透光性を有する板状部材を介して収容部120Aの内部を外部から視認可能となっている。前面側の上部には係止手段150を操作するための操作口124が形成されている。収容開口部121Aは、
図9に示すように、装飾本体120の上面において長方形状で開口している。収容開口部121Aの内縁部における後方側部分には、後方に凹む凹部121Bが形成されている。操作口124は、装飾本体120において前側の外面から後述する係止手段150に向かって、前後方向に貫通して、外側(前方)に開放された操作開口部125が形成されている。操作口124(操作開口部125)は、不正操作を防止するために、閉塞部材として例えば操作部材Tにより破損し得るシール部材(装飾シール)を張り付けること等によって封止されていてもよい。操作口124の内開口端の上縁部には、操作部材Tのガイドとなる後方且つ下方に延出するガイド延出部124Aが形成されている。
【0062】
係止手段150は、
図9に示すように、装飾本体120の収容開口部121Aの近傍であり、操作口124に対向して可動(回動)自在に組み付けられている。係止手段150は、副装飾体170に係止する係止位置と、副装飾体170への係止を解除する解除位置と、に変位可能に構成されている。係止手段150は、長尺状であり、略中央部の軸支部156を介して、一方(下方)に操作部材Tに操作される作用部152が形成され、他方(上方)に係止部153及び補助部154が形成されている。作用部152の下端には操作口124側に突出する突起部157が形成され、操作部材Tが操作中に作用部152から外れないようにするガイドの役割を成している。係止部153は、上端部において後方に突出する鉤状に形成している。補助部154は、軸支部156から係止部153と枝分かれするように後方に延出している。また、係止部153と補助部154の分岐部には、ねじりばね160の一端が係止する規制部155が左右方向に突出形成されている。
【0063】
係止手段150は、
図9に示すように、作用部152が操作口124に対向するように、装飾本体120に左右方向に設けられる軸部151に軸支部156を挿通して前後方向に回動自在に軸支している。また、付勢手段としてのねじりばね160は、軸部151に巻装され、一端がガイド延出部124Aに当接し、他端が規制部155に当接して、
図9(A)に示すように、常態で係止手段150が副装飾体170(カバー体172)に係止する係止位置に位置するように付勢している。
【0064】
副装飾体170は、
図9に示すように、カバー体172及び装飾体173を備えている。カバー体172は、長板状であり、収容開口部121Aと略同じ大きさの上板部172Aと、上板部172Aの前端部から下方に延出する側壁部172Bと、上板部172Aの後端部において段差状に形成される段差部172Dを備えている。側壁部172Bには、係止部153が係止する貫通孔172Cが前後方向に貫通して形成されている。装飾体173は、装飾本体120の窓部121と略同じ大きさのパネル部材として構成され、遊技機1に関連する装飾意匠が施されている。
【0065】
装飾パネル110は、装飾本体120に装飾体173が収容され、収容開口部121Aはカバー体172により閉塞している。具体的には、カバー体172は、段差部172Dが凹部121Bに嵌まり込みつつ、係止手段150がねじりばね160に付勢され、係止部153が側壁部172Bの貫通孔172Cに係止している。
【0066】
装飾本体120から装飾体173を取り出すには、
図9(A)に示すように、操作部材Tで操作口124を隠蔽するシール部材等を破損させつつ操作口124に操作部材Tを挿入する。そして、
図9(B)に示すように、操作部材Tによって係止手段150の作用部152を押圧して回動させることで、係止手段150は、ねじりばね160による付勢に抗して係止位置から解除位置に変位する。係止手段150が解除位置に変位することで、係止部153が貫通孔172Cとの係止が解除される。係止手段150が係止位置から解除位置に変位する際に、補助部154は、カバー体172の側壁部172Bの下端を上方に押圧する。これにより、カバー体172は、前端部が収容開口部121Aから上方に移動するように誘導されため、収容開口部121Aから取り外し易くなる。そして、カバー体172の前端を持ち上げて、後端の段差部172Dを凹部121Bから外して、装飾本体120から取り外し、収容部120Aから装飾体173を取り出すことができ、異なるデザインの装飾体173を装飾本体120の収容部120Aに収容することで、新たな機種に対応した装飾パネル110に組み替えることができる。このように、操作部材Tを装飾本体120の操作口124に挿入して係止手段150に作用を及ぼすのみの操作を行なえばよく、簡易な操作で遊技機1のイメージに合わせて所望の装飾状態に変更することができる。なお、係止手段150で係止されるカバー体172も係止手段150が係止する貫通孔172C及び凹部121Bに嵌まる段差部172D等の係止状態を変えなければよく、上板部172Aの形状も立体に変更可能であり、新しい機種に対応した立体的なデザインにすることができる。つまり、装飾本体120側の係止手段150との係合関係を変えなければ、副装飾体170の形状を自由に変化させることができる。
【0067】
(第2実施形態の主な効果)
本第2実施形態の装飾パネル110は、装飾本体120に可動自在に組み付けられる係止手段150が、係止位置で副装飾体170に係止する。また、ねじりばね160は、係止手段150を解除位置から係止位置に向かう方向に付勢する。そのため、副装飾体170は、係止手段150を介して装飾本体120に安定して組み付けられる。一方で、操作部材Tの操作によって、係止手段150をねじりばね160による付勢に抗して係止位置から解除位置に変位させて、係止手段150の副装飾体170への係止を解除することができる。そのため、副装飾体170を装飾本体120から取り外し、異なるデザインの副装飾体170を新たに装飾本体120に組み付けることができる。特に、操作部材Tを装飾本体120の操作口124に挿入して係止手段150に作用を及ぼすのみで、係止手段150を係止位置から解除位置に変位させることができるため、容易に副装飾体170を装飾本体120から取り外すことができる。したがって、装飾パネル110は、簡易な操作で所望の装飾状態に変更することができる。
【0068】
また、係止手段150は、係止位置から解除位置に変位する際に、副装飾体170に接触して副装飾体170を装飾本体120から離脱する方向に誘導する補助部154を有する。
これによれば、係止手段150を係止位置から解除位置に変位させて副装飾体170を装飾本体120から取り外す際に、補助部154を副装飾体170に接触させて装飾本体120から離脱する方向に誘導させることができる。そのため、副装飾体170は、装飾本体120から離脱した状態で交換作業を行うことができるため、より一層容易に交換作業を行うことができる。
【0069】
また、装飾本体120は、副装飾体170によって閉塞される外側に開放された収容開口部121Aが形成された収容部120Aを有している。副装飾体170は、係止手段150が係止位置に位置するときに収容開口部121Aを閉塞し、係止手段150が解除位置に位置するときに、収容開口部121Aを開放する。
これによれば、装飾本体120に組み付けられた副装飾体170によって収容部120Aの収容開口部121Aを閉塞することができるため、収容開口部121Aを閉塞するために別途部材を設ける必要がなく、部材点数を削減することができる。
【0070】
また、副装飾体170は、収容部120Aに一部(装飾体173)が収容されている。
これによれば、装飾パネル110は、副装飾体170の一部(装飾体173)が収容部120Aの内部に収容されることで、装飾本体20の内部を利用した装飾が可能になる。
【0071】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0072】
上述した実施形態において、操作スイッチ10は、押圧式及びレバー式を備えた傾動可能なスイッチである構成を例示したが、傾動しない押圧式スイッチであってもよい。
【0073】
上述した実施形態において、操作口24は、把持部21の前端部の下面から係止手段50に向かって延びるように形成されていたが、操作部材Tによって係止手段50に作用を及ぼすことが可能であれば、その他の箇所に形成されていてもよい。
【0074】
上述した実施形態において、副装飾体70は、副装飾本体71、カバー体72、及び装飾体73によって構成されていたが、これらが一体化した一部品として構成されていてもよい。また、カバー体72に装飾が施される構成であってもよい。また、装飾体73は、は、3次元的な装飾を施される構成を例示したが、2次元的な装飾(模様や図形の描写など)を施してもよい。
【0075】
また、装飾装置として操作スイッチ10及び装飾パネル110を実施例として示したが、本体枠2の前面側に設けられ、外部から視認可能である球受皿6,発射ハンドル8,装飾ランプ9においても適用可能であり、係止手段を介して副装飾体を装飾本体に係止する構成を採用し、装飾本体に形成する操作口から操作部材Tを挿通して係止手段を操作して、副装飾体を取り外すようにしてもよい。このとき、遊技機の装飾の大部分を占める球受皿6,装飾ランプ9のように副装飾体(装飾カバー体、装飾レンズ部材)が大きい場合には、係止手段を複数備えて、その係止手段に対応して操作口を開口するようにするのが好ましい。また、実施の形態では装飾本体の収容開口部を上方に開口するようにしたが、例えば前方に開口するようにしてもよく、方向に限定されることはない。特に装飾レンズ部材が前方に大きく突出する装飾ランプ9を装飾装置とした場合には、前枠5に取付けられる装飾本体に前方に開口する収容部(収容開口部)を備え、その収容部に設けられる係止手段に副装飾体としての装飾レンズ部材を収容係止することで、収容開口部を閉塞するようにしてもよい。このように、遊技機の装飾の占める割合の高い部位の副装飾体を係止手段の係脱により交換ができるため、容易に新しい機種へのイメージに合致した遊技機(枠体)とすることができる。
【符号の説明】
【0076】
1…遊技機
2…本体枠
10…操作スイッチ(装飾装置)
20,120…装飾本体
20A,120A…収容部
21A,121A…収容開口部
24,124…操作口
25,125…操作開口部
50,150…係止手段
57,58,154…補助部
60…引張りばね(付勢手段)
70,170…副装飾体
71…副装飾本体
72…カバー体
73…装飾体
80…閉塞部材
81…閉塞部(薄肉部)
110…装飾パネル(装飾装置)
160…ねじりばね(付勢手段)
T…操作部材