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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】ケーブルおよび弓
(51)【国際特許分類】
   F41B 5/00 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
F41B5/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020186275
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076064
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2021-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】520437320
【氏名又は名称】テルナーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145229
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 雅則
(72)【発明者】
【氏名】西平 守和
【審査官】岩本 薫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08037876(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0113300(US,A1)
【文献】特開平08-042995(JP,A)
【文献】米国特許第09453698(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矢をノッキングするためのストリングの両端それぞれが巻き付けられ、前記ストリングがドローされることにより回動する一対のストリング用カムと、前記ストリング用カムそれぞれに連動して回動する一対のケーブル用カムと、を備える弓の前記一対のケーブル用カムの間に張られ、前記一対のケーブル用カムの回動によって弾性変形することにより、前記一対のケーブル用カムとそれらに連動する前記一対のストリング用カムを逆方向に回動させる弾性力を発生させるケーブルであって、
前記一対のケーブル用カムの一方に巻き付けられる第1高弾性原糸と、
前記一対のケーブル用カムの他方に巻き付けられる第2高弾性原糸と、
前記第1高弾性原糸と前記第2高弾性原糸を接続し、前記第1高弾性原糸と前記第2高弾性原糸よりも弾性変形しやすい低弾性原糸と、
前記第1高弾性原糸と前記低弾性原糸が軸方向に交互に掛け回されることにより、前記第1高弾性原糸と前記低弾性原糸を接続する第1接続ピンと、
前記第2高弾性原糸と前記低弾性原糸が軸方向に交互に掛け回されることにより、前記第2高弾性原糸と前記低弾性原糸を接続する第2接続ピンと、
を備えるケーブル。
【請求項2】
前記低弾性原糸は、前記一対のケーブル用カムの一方から離れた位置で前記第1高弾性
原糸と接続され、かつ前記一対のケーブル用カムの他方から離れた位置で前記第2高弾性
原糸と接続される、
請求項1に記載のケーブル。
【請求項3】
矢をノッキングするためのストリングの両端それぞれが巻き付けられ、前記ストリングがドローされることにより回動する一対のストリング用カムと、
ケーブルの両端それぞれが巻き付けられ、前記ストリング用カムそれぞれに連動して回動する一対のケーブル用カムと、
を備え、
前記ケーブルは、
前記一対のケーブル用カムの一方に巻き付けられる第1高弾性原糸と、
前記一対のケーブル用カムの他方に巻き付けられる第2高弾性原糸と、
前記第1高弾性原糸と前記第2高弾性原糸を接続し、前記第1高弾性原糸と前記第2高弾性原糸よりも弾性変形しやすい低弾性原糸と、
前記第1高弾性原糸と前記低弾性原糸が軸方向に交互に掛け回されることにより、前記第1高弾性原糸と前記低弾性原糸を接続する第1接続ピンと、
前記第2高弾性原糸と前記低弾性原糸が軸方向に交互に掛け回されることにより、前記第2高弾性原糸と前記低弾性原糸を接続する第2接続ピンと、
を有し、前記低弾性原糸は、前記一対のケーブル用カムの回動によって弾性変形することにより、前記一対のケーブル用カムとそれらに連動する前記一対のストリング用カムを逆方向に回動させる弾性力を発生させる弓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はケーブルおよび弓に関する。
【背景技術】
【0002】
弓には、ストリングをドローすることにより、リムを弾性変形させるのではなく、ケーブルを弾性変形させ、そのケーブルの弾性エネルギーで矢を飛ばすものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、ボウ本体の両端それぞれに配置され、矢をノッキングするためのストリングが巻き付けられた一対のストリング用カムと、ボウ本体の両端それぞれに配置され、ストリング用カムに連動して回動し、ケーブルを弾性変形させる一対のケーブル用カムと、を備える弓が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6666536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の弓では、ケーブル用カムそれぞれにケーブルが巻き付けられている。そして、ケーブルは、ケーブル用カムの間の中央部分だけでなく、ケーブル用カムに巻き付けられた部分も、引っ張られると弾性変形する。このため、ストリングをドローして、ストリング用カムに連動するケーブル用カムを回動させたときに、ケーブル用カムに巻き付けられた部分も大きく弾性変形してしまい、ケーブルがケーブル用カムとの間でスリップしてしまい摩擦損失が発生しまうことがある。その結果、エネルギーロスが発生し、矢が遠くまで飛びにくくなってしまうことがある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、ケーブル用カムとの間でスリップしにくく、より遠くに矢を飛ばすことが可能なケーブルおよび弓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係るケーブルは、
矢をノッキングするためのストリングの両端それぞれが巻き付けられ、前記ストリングがドローされることにより回動する一対のストリング用カムと、前記ストリング用カムそれぞれに連動して回動する一対のケーブル用カムと、を備える弓の前記一対のケーブル用カムの間に張られ、前記一対のケーブル用カムの回動によって弾性変形することにより、前記一対のケーブル用カムとそれらに連動する前記一対のストリング用カムを逆方向に回動させる弾性力を発生させるケーブルであって、
前記一対のケーブル用カムの一方に巻き付けられる第1高弾性原糸と、
前記一対のケーブル用カムの他方に巻き付けられる第2高弾性原糸と、
前記第1高弾性原糸と前記第2高弾性原糸を接続し、前記第1高弾性原糸と前記第2高弾性原糸よりも弾性変形しやすい低弾性原糸と、
前記第1高弾性原糸と前記低弾性原糸が軸方向に交互に掛け回されることにより、前記第1高弾性原糸と前記低弾性原糸を接続する第1接続ピンと、
前記第2高弾性原糸と前記低弾性原糸が軸方向に交互に掛け回されることにより、前記第2高弾性原糸と前記低弾性原糸を接続する第2接続ピンと、
を備えることを特徴とする。
【0008】
前記低弾性原糸は、前記一対のケーブル用カムの一方から離れた位置で前記第1高弾性原糸と接続され、かつ前記一対のケーブル用カムの他方から離れた位置で前記第2高弾性原糸と接続されるとよい。
【0011】
本発明の第2の観点に係る弓は、
矢をノッキングするためのストリングの両端それぞれが巻き付けられ、前記ストリングがドローされることにより回動する一対のストリング用カムと、
ケーブルの両端それぞれが巻き付けられ、前記ストリング用カムそれぞれに連動して回動する一対のケーブル用カムと、
を備え、
前記ケーブルは、
前記一対のケーブル用カムの一方に巻き付けられる第1高弾性原糸と、
前記一対のケーブル用カムの他方に巻き付けられる第2高弾性原糸と、
前記第1高弾性原糸と前記第2高弾性原糸を接続し、前記第1高弾性原糸と前記第2高弾性原糸よりも弾性変形しやすい低弾性原糸と、
前記第1高弾性原糸と前記低弾性原糸が軸方向に交互に掛け回されることにより、前記第1高弾性原糸と前記低弾性原糸を接続する第1接続ピンと、
前記第2高弾性原糸と前記低弾性原糸が軸方向に交互に掛け回されることにより、前記第2高弾性原糸と前記低弾性原糸を接続する第2接続ピンと、
を有し、前記低弾性原糸は、前記一対のケーブル用カムの回動によって弾性変形することにより、前記一対のケーブル用カムとそれらに連動する前記一対のストリング用カムを逆方向に回動させる弾性力を発生させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、第1高弾性原糸が一対のケーブル用カムの一方に巻き付けられ、第2高弾性原糸が一対のケーブル用カムの他方に巻き付けられているので、低弾性原糸がケーブル用カムに巻き付けられた場合と比較して、ケーブル用カムとの間でスリップしにくい。これにより、ケーブル用カムの回動が、第1高弾性原糸と第2高弾性原糸に接続された低弾性原糸の弾性変形に高い効率で変換される。その結果、本発明に係るケーブルは、より遠くに矢を飛ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る弓の側面図である。
図2】(A)は、弓1が備えるリールおよびホルダー上端部分の拡大上面図である。(B)は、リールが備える径大カムの左側面図である。(C)は、リールが備える径小カムの右側面図である。
図3】弓が備えるケーブルの側面図である。
図4図3に示すIV領域の拡大図である。
図5図3に示すV領域の拡大図である。
図6】リールへのケーブルの掛け回し方を示す概念図である。
図7】ボビン、第1接続ピンおよび、第2接続ピンに掛け回されたケーブルの正面図である。
図8】ケーブルの掛け方を示す概念図である。
図9図7に示すIX領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係るケーブルおよび弓について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図に示す直交座標系XYZにおいて、弧状の弓本体を上下方向に向け、矢を前に発射するとした場合の、その上下方向をZ方向、前後方向をX方向、Z軸とX軸とに直交する方向がY軸である。以下、適宜、この座標系を引用して説明する。
【0015】
本実施の形態に係る弓は、リムを備えず、リムの換わりにケーブルを弾性変形させて矢を発射させる弓である。この弓では、ケーブルがケーブル用カムの一形態である径大カム、径小カムに巻き付けられているところ、それら径大カム、径小カムでケーブルがスリップしにくくするため、ケーブルが高弾性原糸と低弾性原糸によって形成されている。まず、図1および図2(A)-図2(C)を参照して、弓全体の構成について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る弓1の側面図である。図2(A)は、弓1が備えるリール30Uおよびホルダー20U上端部分の拡大上面図である。また、図2(B)は、リール30Uが備える径大カム32Uの左側面図である。図2(C)は、リール30Uが備える径小カム33Uの右側面図である。
【0017】
なお、図1では、位置を明らかにするため、ボウ本体10、ホルダー20U、20Lの左側面にあると仮定した場合のケーブル50、60を示している。図2(A)では、理解を容易にするため、ストリング40及びケーブル50、60を省略している。また、図2(B)は、図2(A)に示すリール30Uから回動軸205を取り外し、径大カム32Uの左側面にある円板蓋36を外したときの、径大カム32Uを図示している。同様に、図2(C)は、図2(A)に示すリール30Uから回動軸205を取り外し、径小カム33Uの右側面にある円板蓋37を取り外したときの、径小カム33Uを図示している。
【0018】
図1に示すように、弓1は、ボウ本体10と、ボウ本体10の上端と下端それぞれに設けられたホルダー20U、20Lと、ホルダー20U、20Lに保持され、ストリング40及びケーブル50、60が架設されたリール30U、30Lと、を備えている。
【0019】
ボウ本体10は、弧状のプレートの形状に形成されている。そして、そのプレート面には、多数の三角形状の切り欠き101が形成されている。これにより、ボウ本体10は、平面トラス構造を有する。その結果、ボウ本体10は、剛性が高く、後述するケーブル50、60が弾性変形する場合でも、歪みにくい。
【0020】
また、ボウ本体10の上端と下端には、ストリング40及びケーブル50、60を張るため、リール30U、30Lを保持するホルダー20Uと20Lが取り付けられている。
【0021】
ホルダー20Uと20Lは、側面視で短手方向に凹んだ凹五角形のプレートの形状に形成されている。そして、それらの長手方向の下端または上端がボウ本体10に連結されている。ホルダー20U、20Lは、ボウ本体10と同様に、多数の三角形状の切り欠き201がある平面トラス構造を有し、剛性が高い。
【0022】
ボウ本体10は、図示しないが、上記の弧状のプレートが左右方向に2枚並べられ、連結棒で連結されることにより組み立てられている。ホルダー20U、20Lは、このような構造のボウ本体10と連結するため、上述した凹五角形のプレートを2つ備えている。
【0023】
詳細には、ホルダー20Uは、図2(A)に示すように、左右方向に、すなわちY方向に並べられ、かつ連結棒203によって連結されたプレート202R,202Lを備えている。また、図示しないが、ホルダー20Lも、連結棒203によって連結されたプレート202R,202Lを備える。
【0024】
なお、ホルダー20Lは、上下対称であることを除いて、ホルダー20Uと同じ構成である。このため、本明細書では、ホルダー20Uの構成を説明し、ホルダー20Lの構成の説明を省略する。
【0025】
プレート202R、202Lには、図示しない貫通孔が形成され、その貫通孔に、図2(A)に示す軸受204R、204Lが嵌められている。そして、軸受204R、204Lは、リール30Uを左右方向に貫通する回動軸205を回動可能に保持する。これにより、プレート202R,202Lは、リール30Uを回動可能に保持する。
【0026】
リール30Uは、ストリング40、ケーブル50、60それぞれを巻き付けるため、ストリング用カム31U、径大カム32Uおよび、径小カム33Uを備える。
【0027】
ここで、ストリング40とは、矢をノッキングするための部材である。ストリング40は、ドローウエイトを正確にリール30Uに伝えるため、その全体が弾性変形しにくく伸びにくい糸、すなわち、高弾性原糸によって形成されている。これに対して、ケーブル50、60は、通常の弓に設けられるリムの代わりに弾性変形する部材である。ケーブル50、60は、詳細な構成は後述するが、リール30Uの回動によって弾性変形しやすくするため、その一部がストリング40の糸よりも低弾性率の糸、すなわち、低弾性原糸によって形成されている。
【0028】
ストリング用カム31U、径大カム32Uおよび、径小カム33Uは、図示しないが、非円形の板の形状に形成されている。詳細には、周方向に曲率が異なる曲面がつながった形状の板の形状に形成されている。そして、それらの円板の外周面には、凹部、すなわち、溝が形成され、それら溝にストリング40、ケーブル50、60それぞれが巻き付けられる。
なお、径大カム32Uと径小カム33Uは、本明細書では、ケーブル用カムともいう。
【0029】
また、ストリング用カム31U、径大カム32Uおよび、径小カム33Uは、図2(A)に示すように、この順序で外径が大きく、左側から、すなわち+Y側から径大カム32U、ストリング用カム31U、径小カム33Uの順序で並んでいる。そして、ストリング用カム31U、径大カム32Uおよび、径小カム33Uは、同軸かつ一体的に組み合わされている。これにより、ストリング40がドローされて、ストリング用カム31Uが図1に示す方向RUに回動すると、ストリング用カム31Uに連動して径大カム32Uと径小カム33Uが同方向に回動する。図示しないが、方向RUは、径大カム32Uのケーブル50の巻き付け方向と反対の方向であり、径小カム33Uのケーブル60の巻き付け方向と同方向である。その結果、方向RUへの回動により、径大カム32Uがケーブル50を巻き取り、径小カム33Uがケーブル60を繰り出す。
【0030】
これに対して、図1に示すリール30Lは、リール30Uと上下対称かつ左右対称に形成されている。詳細には、リール30Lは、図示しないが、ストリング用カム31U、径大カム32Uおよび、径小カム33Uと同じ形状のストリング用カム、径大カムおよび、径小カムを備える。そして、これらのカムは、+Y側から径小カム、ストリング用カム、径大カムの順序で配置されている。さらに、径小カムにケーブル50が巻き付けられ、ストリング用カムにストリング40が巻き付けられている。また、径大カムにケーブル60がそれぞれ巻き付けられている。これにより、ストリング40がドローされると、ストリング用カム、径小カムおよび径大カムが連動して、図1に示す方向RLに回動する。この方向RLは、図示しないが、径小カムのケーブル50の巻き付け方向と同方向であり、径大カムのケーブル60の巻き付け方向と反対の方向である。その結果、径小カムは、ケーブル50を繰り出し、径大カムは、ケーブル60を巻き取る。
【0031】
このとき、リール30Lの径小カムがケーブル50を繰り出す量は、上述したリール30Uの径大カム32Uがケーブル50を巻き取る量よりも小さい。また、リール30Lの径大カムがケーブル60を巻き取る量は、リール30Uの径小カム33Uがケーブル60を繰り出す量よりも大きい。これにより、ケーブル50と60は、引っ張られて弾性変形する。その結果、ストリング40がドローされた後、リリースされると、それらの弾性力によって、リール30U、30Lが逆方向に回動し、ストリング40にノッキングされた矢が飛ばされる。
【0032】
このように、リール30U、30Lは、ストリング40をドローする力でケーブル50、60を弾性変形させて、ストリング40をドローする力を、矢を飛ばす力に変換する。
【0033】
リール30U、30Lでは、この弾性変形するケーブル50、60を張るため、ケーブル50、60の両端それぞれに輪を設け、その輪を通した、図2(B)および図2(C)に示すボビン34U、35Uを、軸穴SHに回動軸205を通した状態で、径大カム32Uおよび径小カム33Uにある円筒状の内部空間に収容している。さらに、図示しないが、ボビン34U、35Uから延在するケーブル50、60を、径大カム32Uおよび径小カム33Uの内部空間に通じる開口から引き出し、引き出したケーブル50、60を径大カム32Uおよび径小カム33Uの外周にある溝に巻き付けている。
【0034】
このケーブル50、60の巻き付けで、より弾性変形しやすくするため、ケーブル50、60全体を低弾性原糸によって形成することが考えられる。
【0035】
しかし、ケーブル50、60全体を低弾性原糸で形成すると、径大カム32Uおよび径小カム33Uが回動したときに、ケーブル50、60の、径大カム32Uおよび径小カム33Uの溝に巻き付けられた部分も弾性変形してしまい、その結果、ケーブル50、60が径大カム32Uおよび径小カム33Uの溝でスリップして摩擦損失が発生してしまうことがある。これにより、ケーブル50、60が径大カム32Uおよび径小カム33Uの回動に追従できず、ストリング40をドローする運動を、矢を飛ばす運動に変換する運動の変換効率が低下してしまうことがある。この場合、矢をより遠くに飛ばすことが難しくなってしまう。
【0036】
そこで、運動の変換効率を高めて、より遠くに矢を飛ばすため、弓1では、ケーブル50、60が、高弾性原糸と低弾性原糸によって形成されている。次に、図3図9を参照して、ケーブル50、60の構成について説明する。
【0037】
図3は、弓1が備えるケーブル50、60の側面図である。図4は、図3に示すIV領域の拡大図である。図5は、図3に示すV領域の拡大図である。図6は、リール30U、30Lへのケーブル50、60の掛け回し方を示す概念図である。図7は、ボビン34U、第1接続ピン56および、第2接続ピン57に掛け回されたケーブル50の正面図である。図8は、ケーブル50の掛け方を示す概念図である。図9は、図7に示すIX領域の拡大図である。
【0038】
なお、図3では、ケーブル50、60の掛け回し方を示すため、鉛直方向に切断したときのリール30U、30Lを示している。また、理解を容易にするため、それらリール30U、30Lのストリング用カム31U、31Lを省略している。さらに、ケーブル50と区別するため、ケーブル60を点線で示している。図4および図5では、ケーブル50、60が弾性変形してエネルギーを蓄積するリール30U、30Lの回動方向(方向RU、RL)を示している。図6では、ボウ本体10、ホルダー20U、20Lの上下方向の一部分だけを示して、ケーブル50、60全体を上下方向に圧縮している。図8では、ケーブル50、60に設けられた輪、屈曲部の大きさを強調している。
【0039】
図3図5に示すように、ケーブル50は、リール30Uが備える径大カム32Uに装着されたボビン34Uに掛け回された第1高弾性原糸51と、リール30Lが備える径小カム33Lに装着されたボビン35Lに掛け回された第2高弾性原糸52と、第1高弾性原糸51と第2高弾性原糸52の間に配置され、第1高弾性原糸51と第2高弾性原糸52とつなぐ低弾性原糸53と、を備える。
【0040】
第1高弾性原糸51は、ケーブル50がリール30Uに取り付けられたときに、ケーブル50がリール30U上でスリップしにくくするために設けられている。第1高弾性原糸51は、図7に示すように、ボビン34Uと第1接続ピン56に複数回、掛け回されている。
【0041】
詳細には、第1高弾性原糸51の両端に、図8に示すように、輪511、512が形成されている。それらの輪511、512のうち、輪511には、図7に示すように、ボビン34Uの円筒部が通されている。そして、図8に示すように、その輪から延在する第1高弾性原糸51は、下方に、すなわち-Z方向に張られた後、U字型に屈曲して+Z方向に延在している。そのU字型に屈曲する部分は、図7に示すように、第1接続ピン56の円柱面に掛け回されている。さらに、第1高弾性原糸51は、図8に示すように、+Z方向に張られた後、輪状に屈曲して再度-Z方向に延在している。その輪状に屈曲した部分は、図7に示すように、ボビン34Uの円筒面に掛け回されている。第1高弾性原糸51は、その後、図7および図8に示すように、U字型に屈曲して第1接続ピン56の円柱面に掛け回され、さらに、輪状に屈曲してボビン34Uの円筒面に掛け回されるという掛け回しを繰り返している。そして、第1高弾性原糸51は、上述した輪512にボビン34Uの円筒部が通されることにより、ボビン34Uに留められている。このようにして、第1高弾性原糸51は、ボビン34Uと第1接続ピン56に掛け回されている。
【0042】
また、第1高弾性原糸51は、図7に示すように、ボビン34Uまたは第1接続ピン56に掛け回される毎に、その掛け回し位置が、ボビン34Uの円筒軸方向または第1接続ピン56の円柱軸方向に前回位置からずらされている。これにより、第1高弾性原糸51全体の張力を均一にして、破損を防いでいる。
【0043】
第1高弾性原糸51は、ボビン34Uと第1接続ピン56に掛け回されることにより、ボビン34Uと第1接続ピン56を接続している。そのボビン34Uは、図3図4および図6に示すように、リール30Uの径大カム32Uに装着されている。この状態で、第1高弾性原糸51は、径大カム32Uの外周面の溝に巻き付けられている。これにより、第1高弾性原糸51は、径大カム32Uの回動を第1接続ピン56に伝達する。
【0044】
第1接続ピン56は、図6に示すように、糸が掛け回されたときに外れにくくするため、円柱径よりも大きい円板が両端に設けられた円柱の形状を有する。その円柱には、上述した第1高弾性原糸51が掛け回されている。また、後述するが、低弾性原糸53が掛け回される。これにより、第1高弾性原糸51と低弾性原糸53を接続する。
【0045】
また、第1接続ピン56は、径大カム32Uから離れた位置に配置されている。これにより、第1接続ピン56に接続された低弾性原糸53が径大カム32Uに巻き付いて、スリップしてしまうことを防いでいる。また、径大カム32Uの破損を防いでいる。
【0046】
なお、図8に示す、輪511、512を形成するための結び目513、514も、径大カム32Uの破損を防ぐため、または張力が均一にかかる状態にするため、径大カム32Uから離れた位置に配置されるとよい。
【0047】
一方、第2高弾性原糸52は、ケーブル50が図3図5および図6に示すリール30Lに取り付けられたときに、ケーブル50がリール30L側で、スリップしにくくするために設けられている。第2高弾性原糸52は、図6に示すように、ボビン35Lと第2接続ピン57とに複数回、掛け回されている。その掛け回しは、第1高弾性原糸51のボビン34Uと第1接続ピン56への掛け回しと上下対称であることを除いて同じである。このため、第2高弾性原糸52のボビン35Lと第2接続ピン57への掛け回し方法の説明を省略する。
【0048】
第2高弾性原糸52は、ボビン35Lと第2接続ピン57に掛け回されることにより、ボビン35Lと第2接続ピン57を接続している。そして、ボビン35Lは、リール30Lの径小カム33Lに装着されている。第2高弾性原糸52は、この状態で、径小カム33Lの外周面の溝に巻き付けられている。これにより、第2高弾性原糸52は、径小カム33Lが回動すると、その回動を掛け回し先の第2接続ピン57に伝達する。
【0049】
第2接続ピン57は、図6に示すように、第1接続ピン56と同じ形状を有する。そして、第2接続ピン57の円柱部には、上述したように、第2高弾性原糸52が掛け回されている。さらに、後述するが、低弾性原糸53が掛け回される。これにより、第2接続ピン57は、第2高弾性原糸52と低弾性原糸53を接続する。
【0050】
さらに、第2接続ピン57は、径小カム33Lから離れた位置に配置され、第1接続ピン56と同様に、径小カム33Lに巻き付いてスリップすることと径小カム33Lの破損を防いでいる。
【0051】
第1高弾性原糸51と第2高弾性原糸52は、弾性変形しにくく伸びにくい繊維、詳細にはヤング率が小さい繊維によって構成されている。具体的な例を挙げると、第1高弾性原糸51と第2高弾性原糸52は、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールで形成された合成繊維、例えば、ザイロン(登録商標)の繊維によって形成されている。第1高弾性原糸51と第2高弾性原糸52は、弾性変形しにくく伸びにくいので、径大カム32U、径小カム33Lが回動したときに、径大カム32U、径小カム33L上でスリップしにくく、仮にスリップしても、そのスリップ量は小さい。その結果、第1高弾性原糸51と第2高弾性原糸52は、径大カム32U、径小カム33Lの運動を、エネルギーロスが小さい状態で第1接続ピン56、第2接続ピン57に伝達する。
【0052】
一方、低弾性原糸53は、第1接続ピン56と第2接続ピン57に複数回、掛け回されている。詳細には、図9に示すように、低弾性原糸53の両端には、輪531、532が形成されている。それらの輪531、532のうち、輪531には、第1接続ピン56が通されている。そして、低弾性原糸53は、輪531から-Z方向へ延在し、図7に示す第2接続ピン57に掛け回されている。低弾性原糸53は、第2接続ピン57に掛け回された後、+Z方向に延在し、さらに、図9に示すように、第1接続ピン56に掛け回されている。低弾性原糸53は、この第2接続ピン57と第1接続ピン56への掛け回しを繰り返した後、末端にある輪532に第1接続ピン56が通されている。これにより、低弾性原糸53は、第1接続ピン56に留められている。低弾性原糸53は、このようにして、第1接続ピン56と第2接続ピン57に掛け回されている。なお、図9では、理解を容易にするため、第1高弾性原糸51と低弾性原糸53の屈曲点を点で示している。図7も同じである。
【0053】
また、低弾性原糸53は、第1接続ピン56に掛け回される毎に、その掛け回し位置が、第1高弾性原糸51の掛け回し位置から第1接続ピン56の円柱軸方向にずらされている。そして、低弾性原糸53と第1高弾性原糸51は、第1接続ピン56の円柱軸方向に交互に掛け回されている。これにより、低弾性原糸53と第1高弾性原糸51に張力がかかったときに、第1接続ピン56に不均一な力がかかることを防いでいる。また、低弾性原糸53と第2高弾性原糸52も、図7に示すように、第2接続ピン57の円柱軸方向に交互に掛け回されている。これにより、第2接続ピン57に不均一な力がかかることを防いでいる。
【0054】
さらに、低弾性原糸53は、図6に示すボビン34Uがリール30Uの径大カム32Uに装着され、かつボビン35Lがリール30Lの径小カム33Lに装着された状態で、これらリール30Uと30Lの間に張られている。そして、滑車70に掛けられている。これにより、低弾性原糸53は、側面視でボウ本体10の形状に沿っている。その結果、低弾性原糸53の弾性力によってボウ本体10が圧縮され変形することが防がれている。
【0055】
一方、低弾性原糸53は、弾性変形しやすく伸びやすい繊維、詳細にはヤング率が大きい繊維によって形成されている。
【0056】
ここで、本明細書では、低弾性とは、第1高弾性原糸51と第2高弾性原糸52のいずれよりも弾性変形しやすく伸びやすいことをいい、高弾性とは、低弾性原糸53よりも弾性変形しにくく伸びにくいことをいう。
【0057】
詳細には、低弾性原糸53は、第1高弾性原糸51と第2高弾性原糸52のいずれよりもヤング率が大きい繊維によって形成されている。例えば、低弾性原糸53は、第1高弾性原糸51と第2高弾性原糸52のいずか一方よりも3倍以上のヤング率を有する。具体的な例を挙げると、低弾性原糸53は、パラ系アラミド繊維、例えば、テクノーラ(登録商標)繊維または、高強力ポリアリレート繊維、例えば、ベクトラン(登録商標)繊維によって形成されている。これにより、低弾性原糸53は、第1接続ピン56と第2接続ピン57によって径大カム32U、径小カム33Lの回動が伝達されて、その結果、引っ張られた場合に、効果的に弾性変形する。そして、矢を飛ばすための弾性力を発生させる。
【0058】
このとき、径大カム32Uと径小カム33Lでは、第1高弾性原糸51と第2高弾性原糸52がスリップしにくい。このため、低弾性原糸53には、径大カム32Uと径小カム33Lの回動が高い効率で伝達される。その結果、低弾性原糸53の弾性変形量が大きくなり、弾性力が高まる。これにより、弓1では、より遠くに矢を飛ばすことができる。
【0059】
なお、ケーブル60も、ケーブル50と同様に、第1高弾性原糸61、第2高弾性原糸62および、低弾性原糸63を備える。そのケーブル60の構成は、(1)ケーブル50と上下対称であること、(2)図3および図6に示すリール30Lの径大カム32Lとリール30Uの径小カム33Uに掛け回されること、(3)ボウ本体10の上下方向中央にある滑車70に替えて、その滑車70と右方向に並ぶ滑車71に掛け回されること、(4)第1接続ピン56、第2接続ピン57に替えて、それらと同形状の第1接続ピン66、第2接続ピン67を用いて掛け回されること、(5)ボビン34U、35Lに替えて、それらと同形状のボビン34L、35Uに掛け回されること、を除いて、ケーブル50と同じである。このため、本明細書では、ケーブル60の構成の説明を省略する。
【0060】
以上のように、実施の形態に係る弓1では、ケーブル50、60が、径大カム32U、32Lに巻き付けられた第1高弾性原糸51、61と、径小カム33L、33Uに巻き付けられた第2高弾性原糸52、62を備えている。このため、低弾性原糸が径大カム32U、32Lと径小カム33L、33Uに巻き付けられた場合と比較して、ケーブル50、60が、径大カム32U、32Lと径小カム33L、33Uの上でスリップしにくい。その結果、弓1では、径大カム32U、32Lと径小カム33L、33Uの回動が、ケーブル50、60の低弾性原糸53、63の弾性変形に高い効率で変換され、エネルギーロスが小さい。これにより、弓1は、より遠くに矢を飛ばすことができる。
【0061】
弓1では、第1接続ピン56、66が、径大カム32U、32Lから離れた位置に配置されている。その結果、低弾性原糸53、63が、径大カム32U、32Lから離れた位置で、第1高弾性原糸51、61と接続されている。このため、低弾性原糸53、63が径大カム32U、32Lに巻き付いて弾性変形してしまうことが防止されている。その結果、ケーブル50、60は、径大カム32U、32Lでスリップしにくい。同様に、第2接続ピン57、67が、径小カム33L、33Uから離れた位置に配置された結果、低弾性原糸53、63が径小カム33L、33Uから離れている。このため、ケーブル50、60は、径小カム33L、33Uでスリップしにくい。
【0062】
第1高弾性原糸51、61と低弾性原糸53、63が第1接続ピン56、66を介して接続されているので、第1高弾性原糸51、61と低弾性原糸53、63の交換が容易である。その結果、弓1のメンテナンス作業が容易である。同様に、第2高弾性原糸52、62と低弾性原糸53、63が第2接続ピン57、67を介して接続されているので、弓1のメンテナンス作業が容易である。
【0063】
第1高弾性原糸51、61と低弾性原糸53、63が第1接続ピン56、66の円柱軸方向に交互に掛け回されているので、第1接続ピン56、66に不均一な力がかかりにくい。その結果、第1接続ピン56、66の部品寿命が長い。同様に、第2高弾性原糸52、62と低弾性原糸53、63が第2接続ピン57、67の円柱軸方向に交互に掛け回されているので、第2接続ピン57、67の部品寿命が長い。
【0064】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。上記の実施の形態では、第1高弾性原糸51、61と低弾性原糸53、63が第1接続ピン56、66を介して接続されている。また、第2高弾性原糸52、62と低弾性原糸53、63が第2接続ピン57、67を介して接続されている。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明では、第1高弾性原糸51、61と第2高弾性原糸52、62を低弾性原糸53、63が接続していればよく、その限りにおいて、接続形態は任意である。例えば、第1高弾性原糸51、61と低弾性原糸53、63がそれぞれリング状の金具に接続され、そのリング状の金具を介して接続されてもよい。
【0065】
上記の実施の形態では、第1高弾性原糸51、61と第2高弾性原糸52、62が、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールで形成された合成繊維、低弾性原糸53、63がパラ系アラミド繊維またはポリアリレート繊維であるという例を示しているが、本発明はこれに限定されない。本発明では、低弾性原糸53、63が、第1高弾性原糸51、61と第2高弾性原糸52、62よりも弾性変形しやすければよい。換言すると、第1高弾性原糸51、61と第2高弾性原糸52、62が、低弾性原糸53、63よりも弾性変形しにくければよい。例えば、第1高弾性原糸51、61と第2高弾性原糸52、62は、低弾性原糸53、63よりも弾性率が高い材料で形成され、その結果、弾性変形しにくいとよい。
【0066】
より詳細な例を挙げると、低弾性原糸53、63がパラ系アラミド繊維で形成されている場合、第1高弾性原糸51、61と第2高弾性原糸52、62が、カーボン繊維で形成されているとよい。
【0067】
また、低弾性原糸53、63、第1高弾性原糸51、61および第2高弾性原糸52、62が、同じ材料で形成されていてもよい。この場合、低弾性原糸53、63の断面積が小さく、第1高弾性原糸51、61および第2高弾性原糸52、62の断面積が大きければよい。また、これらの断面積をほぼ同じにして、低弾性原糸53、63の掛け回しの本数を少なくし、第1高弾性原糸51、61および第2高弾性原糸52、62の掛け回しの本数を多くしてもよい。このように、低弾性原糸53、63であるか、或いは第1高弾性原糸51、61、第2高弾性原糸52、62であるかは、原糸の材料の弾性率に起因してもよいし、原糸の構造、原糸の掛け回し本数に起因してもよい。なお、弾性率とは、弾性係数、弾性定数ともいい、具体的には、引張弾性率または、ヤング率のことである。
【0068】
上記実施の形態では、ストリング40を上下方向に向けて矢を発射させることを前提に説明しているが、本発明はこれに限定されない。本発明では、矢を発射するときのストリング40の向きは任意である。弓1は、ストリング40を傾けて矢を発射してもよい。ストリング40の向きは任意であるので、ボウ本体10の上端、下端は、例えば、一端、他端と呼ばれてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 弓
10 ボウ本体
11 ストッパー
20U,20L ホルダー
30U,30L リール
31U,31L ストリング用カム
32U,32L 径大カム
33U,33L 径小カム
34U,34L,35U,35L ボビン
36,37 円板蓋
40 ストリング
50,60 ケーブル
51,61 第1高弾性原糸
52,62 第2高弾性原糸
53,63 低弾性原糸
56,66 第1接続ピン
57,67 第2接続ピン
70,71 滑車
101 切り欠き
201 切り欠き
202R,202L プレート
203 連結棒
204R,204L 軸受
205 回動軸
511,512 輪
513,514 結び目
531,532 輪
RL,RU 方向
SH 軸穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9