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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】水平脱着式ハンガー
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/00 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
D06F57/00 340
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021140330
(22)【出願日】2021-08-30
【審査請求日】2021-10-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508254129
【氏名又は名称】株式会社プラネット
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(74)【復代理人】
【識別番号】100208292
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 直己
(74)【復代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 忠樹
(72)【発明者】
【氏名】植木 あかり
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2010-0049937(KR,A)
【文献】米国特許第01914840(US,A)
【文献】米国特許第02876938(US,A)
【文献】実開昭58-074498(JP,U)
【文献】実開平06-086654(JP,U)
【文献】特開2008-142488(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0069819(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/00
A47G 25/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体1にフック部2を有し、
該フック部2は、縦方向に伸びる支持材2aと、支持材2aの頭部に、縦方向に比べ横方向に長く、くちばし形状である係止材3を備え、
かつ剛性を持ちしなる素材からなる水平脱着式ハンガーであって、
波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに脱着するために使用される前記水平脱着式ハンガーにおいて、
前記支持材2aは、前記くちばし形状である係止材3の略中心下方から延設され、
前記くちばし形状である係止材3は、係止材上部3aと係止材下部3bからなり、
前記くちばし形状は、横方向において先端側に向けて前記係止材上部3aと前記係止材下部3bとの間隔が漸次狭くなるように形成され、基端側は前記係止材上部3aと前記係止材下部3bが一体となるようにとじて形成される形状であって、
前記係止材下部3bの中央部に前記支持材2aが係着され、
前記脱着の前と後において、係止材上部3aの先端と係止材下部3bの先端の間には略隙間が無く、
前記脱着において、前記係止材上部3aの先端と係止材下部3bの先端が、前記波型のハンガー掛け部Paが前記係止材3内の空間に出入自在に、それぞれ上側と下側にこじ開けられて開口でき、
前記波型のハンガー掛け部Paに取り付けられたこの水平脱着式ハンガーは、前記係止材上部3aのみによって前記波型のハンガー掛け部Paに支えられる、
ことを特徴とする水平脱着式ハンガー。
【請求項2】
前記係止材上部3aと前記係止材下部3bが、それぞれ正面視くの字状である、ことを特徴とする請求項1に記載の水平脱着式ハンガー。
【請求項3】
前記係止材上部3aと前記係止材下部3bが、それぞれ正面視湾曲状である、ことを特徴とする請求項1に記載の水平脱着式ハンガー。
【請求項4】
前記係止材上部3aと前記係止材下部3bが、それぞれ正面視屈曲状である、ことを特徴とする請求項1に記載の水平脱着式ハンガー。
【請求項5】
前記係止材上部3aが正面視くの字状であり、前記係止材下部3bが直線状である前記係止材3が、正面視三角形状である、ことを特徴とする請求項1に記載の水平脱着式ハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水平脱着式ハンガーに係り、その目的は波型のハンガー掛け部を有する物干し竿に使用して水平方向に容易に脱着でき、医療用として有用に使用できる水平脱着式ハンガーの提供にある。
【背景技術】
【0002】
従来、図8に示す如く、ハンガーHには、下側に開口部Oを有する略円形の形状のフック部Fが備えられ、該フック部を使用することで物干し竿との脱着を容易にしていた。
その脱着の容易さから、物干し竿に係止していたハンガーHが風、接触などによる外力により物干し竿から外れやすいという欠点があったことから、外力によって容易に物干し竿から外れないハンガーを求める人が多くなっている。
【0003】
従来、図10に示す如く、波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pが一般に普及している(特許文献2)。
図10(1)は物干し竿PのAA線断面図を示している。
図10(2)は波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pである。
波型のハンガー掛け部Paに取り付けられたハンガーHは外力などの影響で容易に外れることなく、さらにハンガーHを略均等な幅で保持しながら取り付けることができるという特徴を有している。
波型のハンガー掛け部Paは複数の半円状のハンガー掛け部が連なることで形成されており、そのうち下方向に波打っている部位に対してハンガーHを取り付けることができる。
【0004】
特許文献1には、図9に示す如く、ハンガーに固定機能を持たせる事で、安価で且つ容易に衣類等の乾燥をより確実に、より短時間に行い、汚れの付着を防ぐことにあるハンガーH1が開示されている。
物干し竿に固定させた場合、ハンガーH1に備えられた固定器具Bの挟む力によって、強風によって移動したり落下することを防ぐことができるが、物干し竿からハンガーを脱着する際に、固定器具Bを一度操作して物干し竿に挟みこまなければならないため、固定器具Bの操作による手間と時間を要していた。
【0005】
特許文献2には、取り付けられたハンガーHが外力などの影響で容易に外れることがないようにするという特徴を有した物干し竿Pが開示されている。
ハンガー掛け部が波型であるため、取り付けられたハンガーH間の幅を略均等に維持しながら保持することができるが、ハンガーHを波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに対して脱着する際、ハンガーHを持ち上げて傾けなければ脱着することができず、ハンガーHを持ち上げて傾けることによる手間と時間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-142488号公報
【文献】実開昭54-041733号公報
【0007】
特許文献1のハンガーH1及び特許文献2の物干し竿Pは、物干し竿に取り付けられたハンガーを物干し竿から緊急に取り外すことが必要となった際に取り外しにくいという欠点がある。
具体的には、屋外に物干し竿およびハンガーが設置されていて突然雨に降られた場合や、緊急に医療用衣類の着脱が求められる医療施設では、素早く物干し竿から取り外すことが求められる。
特に医療施設では衛生管理も求められている。
ハンガーに掛けられたスクラブや白衣などの医療用衣類が、外力によって物干し竿の横方向に移動し、他の物と接触、あるいは物干し竿から落下することで、ウィルス、ごみなどにより汚染されることを防ぐ必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は係る事情に照らし、波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに対してハンガーを脱着する際に、水平方向にハンガーのフックを移動するだけで容易に物干し竿からハンガーを取り外しすることできるフック部を持ち、外力によって容易に物干し竿から外れない、特に医療用として有用な水平脱着式ハンガーを提供せんとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、本体1にフック部2を有し、
該フック部2は、縦方向に伸びる支持材2aと、支持材2aの頭部に、縦方向に比べ横方向に長く、くちばし形状である係止材3を備え、
かつ剛性を持ちしなる素材からなる水平脱着式ハンガーであって、
波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに脱着するために使用される前記水平脱着式ハンガーにおいて、
前記支持材2aは、前記くちばし形状である係止材3の略中心下方から延設され、
前記くちばし形状である係止材3は、係止材上部3aと係止材下部3bからなり、
前記くちばし形状は、横方向において先端側に向けて前記係止材上部3aと前記係止材下部3bとの間隔が漸次狭くなるように形成され、基端側は前記係止材上部3aと前記係止材下部3bが一体となるようにとじて形成される形状であって、
前記係止材下部3bの中央部に前記支持材2aが係着され、
前記脱着の前と後において、係止材上部3aの先端と係止材下部3bの先端の間には略隙間が無く、
前記脱着において、前記係止材上部3aの先端と係止材下部3bの先端が、前記波型のハンガー掛け部Paが前記係止材3内の空間に出入自在に、それぞれ上側と下側にこじ開けられて開口でき、
前記波型のハンガー掛け部Paに取り付けられたこの水平脱着式ハンガーは、前記係止材上部3aのみによって前記波型のハンガー掛け部Paに支えられる、
ことを特徴とする水平脱着式ハンガーに関する。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記係止材上部3aと前記係止材下部3bが、それぞれ正面視くの字状である、ことを特徴とする請求項1に記載の水平脱着式ハンガーに関する。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記係止材上部3aと前記係止材下部3bが、それぞれ正面視湾曲状である、ことを特徴とする請求項1に記載の水平脱着式ハンガーに関する。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記係止材上部3aと前記係止材下部3bが、それぞれ正面視屈曲状である、ことを特徴とする請求項1に記載の水平脱着式ハンガーに関する。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記係止材上部3aが正面視くの字状であり、前記係止材下部3bが直線状である前記係止材3が、正面視三角形状である、ことを特徴とする請求項1に記載の水平脱着式ハンガーに関する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、図2に示す如く、水平脱着式ハンガー本体1を物干し竿に取り付ける際に、ハンガーフック部2の係止材上部3aと係止材下部3bは剛性によって強度を持ち、脱着の前と後において、係止材上部3aの先端と係止材下部3bの先端の間には略隙間が無く、脱着において、係止材上部3aの先端と係止材下部3bの先端が、波型のハンガー掛け部Paが前記係止材3内の空間に出入自在できるほどにそれぞれ上側、下側に隙間がこじ開けられて開口する機能を有するため、波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに対して水平方向に容易に脱着可能で、外力によって容易に外れなくなるという有利な効果を奏する。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、係止材3の機能を有する他の形態に係るものであるため、さらに波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに対して水平方向に容易に脱着可能で、外力によって容易に外れなくなるという有利な効果を奏する。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、係止材3の機能を有する他の形態に係るものであるため、さらに波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに対して水平方向に容易に脱着可能で、外力によって容易に外れなくなるという有利な効果を奏する。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、係止材3の機能を有する他の形態に係るものであるため、さらに波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに対して水平方向に容易に脱着可能で、外力によって容易に外れなくなるという有利な効果を奏する。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、係止材3の機能を有する他の形態に係るものであるため、さらに波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに対して水平方向に容易に脱着可能で、外力によって容易に外れなくなるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る水平脱着式ハンガーの構造を示す正面図である。
図2】本発明のハンガーフック部の構造を示す正面図である。
図3】本発明のハンガーフック部を波型のハンガー掛け部に取り付ける際の説明図である。
図4】本発明の他の実施形態に係るハンガーフック部の構造を示す正面図である。
図5】本発明の他の実施形態に係るハンガーフック部の構造を示す正面図である。
図6】本発明の他の実施形態に係るハンガーフック部の構造を示す正面図である。
図7】本発明の他の実施形態に係るハンガーフック部の構造を示す正面図である。
図8】従来のハンガーの構造を示す正面図である。
図9】従来例である特許文献1のハンガーの構造を示す正面図である。
図10】従来例である特許文献2の波型のハンガー掛け部を有する物干し竿の構造を示すAA線断面図(図10(1))及び正面図(図10(2))である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る水平脱着式ハンガーの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は本発明に係る水平脱着式ハンガーの一実施形態を示し、水平脱着式ハンガー本体1にはハンガーフック部2、ハンガーフック部の係止材3が備えられている。
【0022】
図2に示す如く、ハンガーフック部2の支持材2aにハンガーフック部の係止材3が備えられ、さらに係止材3は係止材上部3a、係止材下部3bから成り立つ。
【0023】
本発明のハンガーフック部2を波型のハンガー掛け部Paに取り付ける際の説明図である図3に示す如く、本発明はハンガーフック部2の係止材上部3aと係止材下部3bが剛性によって強度を持ち、それぞれ上側、下側にこじ開けられて係止材3が開口する。
係る機能を有するため、波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに対して容易に脱着することができる。
【0024】
本発明のハンガーフック部2の他の実施形態を示す正面図である図4に示す如く、係止材上部3aと係止材下部3bが正面視くの字に変形しており、剛性によって強度を持ち、それぞれ上側、下側にこじ開けられて開口する係止材3であってもよい。
【0025】
本発明のハンガーフック部2の他の実施形態を示す正面図である図5に示す如く、係止材上部3aと係止材下部3bが正面視湾曲状に変形しており、剛性によって強度を持ち、それぞれ上側、下側にこじ開けられて開口する係止材3であってもよい。
【0026】
本発明のハンガーフック部2の他の実施形態を示す正面図である図6に示す如く、係止材上部3aと係止材下部3bが正面視屈曲状に変形しており、剛性によって強度を持ち、それぞれ上側、下側にこじ開けられて開口する係止材3であってもよい。
【0027】
本発明のハンガーフック部2の他の実施形態を示す正面図である図7に示す如く、正面視が三角形状に変形しており、剛性によって強度を持ち、係止材上部3aと係止材下部3bがそれぞれ上側、下側にこじ開けられて開口する係止材3であってもよい。
【0028】
本発明の素材は合成樹脂であることが好ましいが、ハンガーフック部2の係止材3が剛性をもち、かつ開口可能であれば特に限定はなく、例えばアルミニウム、鉄などの金属類、木、竹などの固くしなる植物であってもよい。
【0029】
以下に本発明に係る水平脱着式ハンガーの使用方法について図3を基に説明する。
【0030】
本発明はハンガーフック部2の係止材3が剛性をもち、こじ開けることで開口可能なくちばし形状を有し、波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに使用する。
【0031】
本発明は波型のハンガー掛け部Paのうち、下方向に波打っている部位に対して係止する。
【0032】
本発明は波型のハンガー掛け部Paに対して水平方向から係止することができ、波型のハンガー掛け部Paから取り外す際にも水平方向から行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに対して水平方向に簡易に脱着できる。
本発明は波型のハンガー掛け部Paを有する物干し竿Pに取り付けた場合、外力によって容易に外れないうえ横方向に簡単に移動して洗濯物が相互にくっつくことのないことを特徴とする水平脱着式ハンガーであるため、家庭用及び業務用として広く一般的に使用することができ、風などの外力の影響が大きい場所や、厳格な衛生管理を求められ、緊急な対応を要するような医療施設でも有効に使用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 水平脱着式ハンガー本体
2 ハンガーフック部
2a ハンガーフック部の支持材
3 ハンガーフック部の係止材
3a ハンガーフック部の係止材上部
3b ハンガーフック部の係止材下部
P 波型のハンガー掛け部を有する物干し竿本体
Pa 波型のハンガー掛け部
【要約】
【課題】波型のハンガー掛け部を有する物干し竿に対して脱着する際に、水平方向にハンガーのフックを移動するだけで容易に脱着可能で、かつ外力によって容易に外れないフック部を持ち、特に医療用として有用に用いられる水平脱着式ハンガーを提供する。
【解決手段】ハンガーのフック部に、脱着の前と後において略隙間が無く、脱着時において波型のハンガー掛け部に対して押し込むことで隙間が広がる先端を持つ、くちばし形状の係止材3を備えることで、前記波型のハンガー掛け部を有する物干し竿への脱着を簡易にし、かつ外力によって容易に物干し竿から外れない水平脱着式ハンガーを提供できる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10