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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】フィラメント電流制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H05G 1/34 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
H05G1/34 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021512980
(86)(22)【出願日】2018-11-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 CN2018115959
(87)【国際公開番号】W WO2019214204
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-11-06
(31)【優先権主張番号】201810438338.3
(32)【優先日】2018-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520434776
【氏名又は名称】スーチョウ パワーサイト エレクトリック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ションファン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、チアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ワンチュアン
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0064410(US,A1)
【文献】特開平08-273889(JP,A)
【文献】特開平04-229937(JP,A)
【文献】実開平02-076500(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第107049347(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106304587(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0088718(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104470175(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05G 1/00 - 1/70
H01J 35/00 -35/32
A61B 6/00 - 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィラメント及びフィラメント変圧器を有するX線球管の制御方法であって、
フィラメント電流の動作範囲の中で不均一に分布しているN点の電流値を選択し、前記N点によって前記動作範囲をN+1個の連続電流範囲に分割するステップと、
フィラメント電流値を検出するステップと、
検出された前記フィラメント電流値が位置する電流範囲を前記N+1個の連続電流範囲から選択するステップと、
選択された前記電流範囲に従って、検出された前記フィラメント電流値と前記フィラメント変圧器の1次側電流値との対応関係を決定するステップと、
検出された前記フィラメント電流値と決定された前記対応関係とに従って、公式
(式中、i sa とi s(a+1) は、検出された前記フィラメント電流値が位置する前記電流範囲の2つのエンドポイントにおけるフィラメント電流値であり、i pa とi p(a+1) は、前記2つのエンドポイントにおける前記フィラメント電流値と対応する予め測定された1次側電流値であり、i s は検出された前記フィラメント電流値である)によって前記1次側電流値i p を計算するステップと、
計算された前記1次側電流値i p を前記フィラメント変圧器に印加することによって前記X線球管の管電流を制御するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記N+1個の連続電流範囲それぞれにおける前記フィラメント電流値と前記1次側電流値との前記対応関係は、予め測定されて記録されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記動作範囲内で、前記フィラメント電流が低から高に変化するに伴って、前記N点は疎から密に分布することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記N+1個の連続電流範囲それぞれにおける前記フィラメント電流値と前記1次側電流値との前記対応関係は、
前記N+1個の連続電流範囲から選択された電流範囲の2つのエンドポイントのフィラメント電流値を決定することと、
前記2つのエンドポイントの前記フィラメント電流値に対応する、前記フィラメント変圧器の1次側電流値を測定することと、
前記電流範囲の前記2つのエンドポイントの前記電流値、及び前記フィラメント変圧器において対応する測定された前記1次側電流値によって、該電流範囲についての前記フィラメント電流値と前記1次側電流値との対応関係を決定して記録することと、
によって測定されて記録されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
フィラメント及びフィラメント変圧器を有するX線球管の制御装置であって、
フィラメント電流の動作範囲の中で不均一に分布しているN点の電流値を選択し、前記N点によって前記動作範囲をN+1個の連続電流範囲に分割する電流範囲分割モジュールと、
フィラメント電流値を検出するための検出モジュールと、
検出された前記フィラメント電流値が位置する電流範囲を前記N+1個の連続電流範囲から選択するための選択モジュールと、
選択された前記電流範囲に従って、検出された前記フィラメント電流値と前記フィラメント変圧器の1次側電流値との対応関係を決定するための決定モジュールと、
検出された前記フィラメント電流値と決定された前記対応関係とに従って、公式
(式中、i sa とi s(a+1) は、検出された前記フィラメント電流値が位置する前記電流範囲の2つのエンドポイントにおけるフィラメント電流値であり、i pa とi p(a+1) は、前記2つのエンドポイントにおける前記フィラメント電流値と対応する予め測定された1次側電流値であり、i s は検出された前記フィラメント電流値である)によって前記1次側電流値i p を計算するための計算モジュールと、
計算された前記1次側電流値i p を前記フィラメント変圧器に印加することによって前記X線球管の管電流を制御するための制御モジュールと、を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項6】
電子機器であって、
メモリとプロセッサを備え、前記メモリと前記プロセッサは互いに通信接続され、前記メモリにコンピュータ命令が記憶され、前記プロセッサは前記コンピュータ命令を実行することによって、請求項1~のいずれかに記載の方法を実行することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にコンピュータ命令が記憶され、前記コンピュータ命令は請求項1~のいずれかに記載の方法を前記コンピュータに実行させるために使用されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器分野に関し、具体的にフィラメント電流制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
x線球管の管電流はx線の放射量を決定し、診断と治療の品質に決定的な影響を及ぼす。x線球管では、管電流はフィラメントが加熱されて励起された電子によって高電圧電界の作用下で形成された。管電流の大きさはフィラメントの温度によって影響を受け、フィラメントの温度はフィラメント電流の大きさによって決められる。つまり、フィラメント電流の大きさは、x線球管のx線の放射量に影響を及ぼすため、フィラメント電流制御は特に重要になる。
【0003】
図1は、従来の技術におけるフィラメント電源回路トポロジー構造であり、図1に示すように、フィラメント変圧器によってフィラメント電流を制御する場合、所望のフィラメント変圧器であれば、一次側電流を二次側に変換する時、変換された二次側電流と実際のフィラメント電流は等しくなるべきである。しかし、実際のフィラメント変圧器の非線形性により、変換された二次側電流は実際のフィラメント電流と等しくなく、フィラメント電流制御に大きな制御誤差をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明の実施例は、フィラメント変圧器の非線形性による大きなフィラメント電流制御誤差の問題を解決するように、フィラメント電流制御方法及び装置を提供する。
【0005】
第1態様によれば、本発明の実施例は、フィラメント電流制御方法を提供し、現在のフィラメント電流値を取得するステップと、前記現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲を決定するステップと、位置する電流範囲に従って対応するフィラメント電流と制御電流の対応関係を決定するステップと、前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って現在の制御電流を決定するステップと、を含む。
【0006】
第1態様を参照すると、第1態様の第1実施形態において、前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って現在の制御電流を決定するのは、前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って、公式
(式中、isaとis(a+1)は現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲の2つのエンドポイントの電流値であり、ipaとip(a+1)は前記2つのエンドポイントの電流値によって測定された対応する制御電流の電流値であり、isは前記現在のフィラメント電流値である)によって現在の制御電流ipを計算することを含む。
【0007】
第1態様または第1態様の第1実施形態を参照すると、第1態様の第2実施形態において、フィラメント電流の動作範囲を複数の連続電流範囲に分割するステップ、及び任意の電流範囲におけるフィラメント電流と制御電流との対応関係をそれぞれ計算するステップによって前記フィラメント電流と制御電流との対応関係を取得する。
【0008】
第1態様の第2実施形態を参照すると、第1態様の第3実施形態において、フィラメント電流の動作範囲を複数の連続電流範囲に分割するのは、フィラメント電流の動作範囲内でN点の電流値を選択し、前記N点はフィラメント電流の前記動作範囲内で不均一に分布していること、及び前記N点によって、前記動作範囲をN+1個の連続フィラメント電流値の電流範囲に分割することを含む。
【0009】
第1態様の第3実施形態を参照すると、第1態様の第4実施形態において、前記動作範囲内で、フィラメント電流が低から高に変化するに伴って、前記N点は疎から密に分布する。
【0010】
第1態様の第2実施形態を参照すると、第1態様の第5実施形態において、任意の電流範囲におけるフィラメント電流と制御電流との対応関係をそれぞれ計算するのは、任意の電流範囲で、前記電流範囲の2つのエンドポイントの電流値を決定することと、前記2つのエンドポイントの電流値によって、対応するフィラメント変圧器の制御電流を測定することと、前記電流範囲の2つのエンドポイントの電流値、及び測定された対応するフィラメント変圧器の制御電流によって、該電流範囲内のフィラメント電流と制御電流との対応関係を計算することと、を含む。
【0011】
第2態様によれば、本発明の実施例はフィラメント電流制御装置を提供し、現在のフィラメント電流値を取得するための取得モジュールと、前記現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲を決定するための分析モジュールと、位置する電流範囲に従って対応するフィラメント電流と制御電流との対応関係を決定するための決定モジュールと、前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って現在の制御電流を決定するための処理モジュールと、を備える。
【0012】
第1態様を参照すると、第1態様の第1実施形態において、前記処理モジュールは、
前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って、公式
(式中、isaとis(a+1)は現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲の2つのエンドポイントの電流値であり、ipaとip(a+1)は前記2つのエンドポイントの電流値によって測定された対応する制御電流の電流値であり、isは前記現在のフィラメント電流値である)によって現在の制御電流ipを計算するための計算ユニットを含む。
【0013】
第3態様によれば、本発明の実施例はサーバを提供し、メモリとプロセッサを含み、メモリとプロセッサは互いに通信接続され、メモリにコンピュータ命令が記憶され、プロセッサはコンピュータ命令を実行することによって、上記の実施例におけるフィラメント電流制御方法を実行する。
【0014】
第4態様によれば、本発明の実施例はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にコンピュータ命令が記憶され、コンピュータ命令は、上記の実施例におけるフィラメント電流制御方法をコンピュータに実行させるために使用される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例において、上記の現在のフィラメント電流値を取得するステップと、前記現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲を決定するステップと、位置する電流範囲に従って対応するフィラメント電流と制御電流との対応関係を決定するステップと、前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って現在の制御電流を決定するステップと、を含む方法によって、フィラメント変圧器の非線形性による大きなフィラメント電流制御誤差の問題を解決し、フィラメント電流制御精度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の特徴と利点は、図面を参照することによってより明らかに理解され、図面は、例示的なものであり、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【0017】
図1】従来の技術におけるフィラメント電源回路トポロジー構造を示す模式図である。
図2】本発明の実施例による選択可能なフィラメント電流制御方法を示すフローチャートである。
図3】特定のアプリケーションシナリオでの制御電流とフィラメント電流の関係を示す模式図である。
図4】本発明の実施例による選択可能なフィラメント電流制御装置を示す模式図である。
図5】本発明の実施例による選択可能なサーバを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするため、以下に、本発明の実施例の図面と組み合わせて、本発明の実施例の技術的解決手段を明確に、完全に述べ、明らかに、述べられる実施例は本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労働なしに得られたその他のすべての実施例は、本発明の保護範囲内にある。
【0019】
実施例1
本発明の実施例はフィラメント電流制御方法を提供し、図2は本発明の実施例による選択可能なフィラメント電流制御方法を示すフローチャートであり、図2に示すように、該方法は、以下を含む。
【0020】
ステップS11、現在のフィラメント電流値を取得する。
【0021】
具体的には、フィラメント電流の動作範囲はIa~Ibとして示すことができる。現在のフィラメント電流値は動作範囲内のいずれかの電流値であってもよい。
【0022】
ステップS12、前記現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲を決定する。
【0023】
具体的には、フィラメント電流の動作範囲は複数の電流範囲に分割することができ、現在のフィラメント電流値に従って、フィラメント電流の動作範囲内での具体的な電流範囲を決定することができる。
【0024】
ステップS13、位置する電流範囲に従って対応するフィラメント電流と制御電流との対応関係を決定する。
【0025】
具体的には、制御電流は、フィラメント変圧器の一次側電流を二次側に変換する時の電流であってもよく、なお、実際のフィラメント変圧器の非線形性により、図3は実際のアプリケーションシナリオでの、制御電流ipとフィラメント電流isとの関係曲線の模式図である。本発明の実施例において、現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲によって、フィラメント電流と制御電流との対応関係をさらに取得することができる。
【0026】
ステップS14、前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って現在の制御電流を決定する。
【0027】
本発明の実施例において、上記ステップS11~ステップS14によれば、現在のフィラメント電流値の動作範囲内での具体的な電流範囲に従って、該電流範囲内でのフィラメント電流と制御電流との対応関係を決定し、現在のフィラメント電流値と対応関係に従って現在の制御電流を決定する方式は、理想的な場合に、制御電流とフィラメント電流が等しく、現在の制御電流を現在のフィラメント電流値として設定する方法と比べて、制御精度を向上させ、フィラメント変圧器の非線形性による大きなフィラメント電流制御誤差の問題を解決する。
【0028】
本発明のいくつかの選択可能な実施形態において、ステップS14は、
前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って、公式
(式中、isaとis(a+1)は現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲の2つのエンドポイントの電流値であり、ipaとip(a+1)は前記2つのエンドポイントの電流値によって測定された対応する制御電流の電流値であり、isは前記現在のフィラメント電流値である)によって現在の制御電流ipを計算することを含んでもよい。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態において、以下のようなステップに従って上記のステップS13における前記フィラメント電流と制御電流との対応関係を取得することができる。
【0030】
ステップS21、フィラメント電流の動作範囲を複数の連続電流範囲に分割する。
【0031】
ステップS22、任意の電流範囲におけるフィラメント電流と制御電流との対応関係をそれぞれ計算する。
【0032】
具体的には、0-5アンペアのフィラメント電流の動作範囲を例として、フィラメント電流の動作範囲を5つの連続電流範囲に分割でき、例えば、5つの連続電流範囲はそれぞれ0-1アンペア、1-2アンペア、2-3アンペア、3-4アンペア及び4-5アンペアであってもよい。上記の5つの電流範囲について、いずれかの電流範囲内で、フィラメント電流と制御電流との対応関係をそれぞれ計算することができる。計算方法は、いずれかの電流範囲内の少なくとも1つの電流値を選択し、フィラメント電流が該電流値である時、対応する制御電流を測定し、該電流値及び測定された制御電流によって、該電流範囲内のフィラメント電流と制御電流との対応関係を決定することであってもよい。本発明の実施例において、複数の電流範囲を分割し、いずれかの電流範囲内で、フィラメント電流と制御電流との対応関係をそれぞれ決定することによって、フィラメント電流の動作範囲内でのフィラメント電流と制御電流との対応関係の正確さを向上させる。
【0033】
なお、本発明の実施例において、フィラメント電流の動作範囲を複数の連続電流範囲に分割する場合、電流範囲を分割すればするほど、フィラメント電流と制御電流との対応関係の計算が正確になり、最終的に決定された制御電流の誤差が小さくなり、制御精度が高くなる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、上記のステップS21では、フィラメント電流の動作範囲を複数の連続電流範囲に分割するのは、
フィラメント電流の動作範囲内でN点の電流値を選択すること、及び
前記N点によって、前記動作範囲をN+1個の連続フィラメント電流値の電流範囲に分割することを含んでもよい。
【0035】
具体的には、N点はフィラメント電流の動作範囲内に均一に分布してもよいし、フィラメント電流の動作範囲内に不均一に分布してもよい。N点はフィラメント電流の動作範囲内に不均一に分布している場合、フィラメント電流が低から高に変化するに伴って、N点が疎から密に分布する。例えば、N=7、且つフィラメント電流の動作範囲が0~5アンペアであると、0~2アンペアの範囲内で、2つの点を選択でき、2~5アンペアの範囲内で、5つの点を選択できる。
【0036】
なお、フィラメント電流が低い場合、制御電流とフィラメント電流の両方の値の差が小さく、フィラメント電流が高い場合、制御電流とフィラメント電流の両方の値の差が大きい。且つ実際のアプリケーションでは、フィラメント電流は主に動作範囲の後半で動作する。このため、N点を、フィラメント電流が低から高に変化するに伴って、疎から密に設置することができ、フィラメント電流が主に動作する電流領域で異なる電流範囲をより集中的に分割することにより、制御電流を計算する際に、その精度を向上させることができる。
【0037】
本発明のいくつかの代替実施形態において、上記のステップS22では、任意の電流範囲におけるフィラメント電流と制御電流との対応関係をそれぞれ計算するのは、
任意の電流範囲で、前記電流範囲の2つのエンドポイントの電流値を決定することと、前記2つのエンドポイントの電流値によって、対応するフィラメント変圧器の制御電流を測定することと、前記電流範囲の2つのエンドポイントの電流値、及び測定された対応するフィラメント変圧器の制御電流によって、該電流範囲内のフィラメント電流と制御電流との対応関係を計算することと、を含んでもよい。
【0038】
具体的には、いずれかの現在のフィラメント電流値isについて、位置する電流範囲は、[isa,is(a+1)](1≦a≦N)として示すことができ、電流範囲の2つのエンドポイントisaとis(a+1)に対応する制御電流をそれぞれ測定し、測定された制御電流はそれぞれipaとip(a+1)として示すことができ、isa、is(a+1)、ipa及びip(a+1)によって該電流範囲内のフィラメント電流と制御電流との対応関係を計算することができる。
【0039】
実施例2
本発明の実施例によれば、フィラメント電流制御装置を提供し、図4は本発明の実施例による選択可能なフィラメント電流制御装置を示す模式図であり、図4に示すように、該装置は、
実施例1におけるステップS11の説明を参照するように、現在のフィラメント電流値を取得するための取得モジュール41と、
実施例1におけるステップS12の説明を参照するように、前記現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲を決定するための分析モジュール42と、
実施例1におけるステップS13の説明を参照するように、位置する電流範囲に従って対応するフィラメント電流と制御電流との対応関係を決定するための決定モジュール43と、
実施例1におけるステップS14の説明を参照するように、前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って現在の制御電流を決定するための処理モジュール44と、を備える。
【0040】
本発明の実施例において、上記のように、現在のフィラメント電流値を取得するための取得モジュール41と、前記現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲を決定するための分析モジュール42と、位置する電流範囲に従って対応するフィラメント電流と制御電流の対応関係を決定するための決定モジュール43と、前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って現在の制御電流を決定するための処理モジュール44と、を備えることによって、フィラメント変圧器の非線形性による大きなフィラメント電流制御誤差の問題を解決する。
【0041】
本発明のいくつかの代替実施形態において、前記処理モジュールは、
前記現在のフィラメント電流値と前記対応関係に従って、公式
(式中、isaとis(a+1)は現在のフィラメント電流値が位置する電流範囲の2つのエンドポイントの電流値であり、ipaとip(a+1)は前記2つのエンドポイントの電流値によって測定された対応する制御電流の電流値であり、isは前記現在のフィラメント電流値である)によって現在の制御電流ipを計算するための計算ユニットを含む。
【0042】
実施例3
本発明の実施例はサーバをさらに提供し、図5に示すように、該サーバはプロセッサ51とメモリ52を含んでもよく、プロセッサ51とメモリ52はバス或いはその他の方式によって接続することができ、図5ではバスによる接続を例とする。
【0043】
プロセッサ51は中央プロセッサ(Central Processing Unit、CPU)であってもよい。プロセッサ51はその他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific IntegratedCircuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)或いはその他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲート或いはトランジスタ論理デバイス、離散ハードウェアコンポーネントなどのチップ、或いは上記の様々なチップの組合わせであってもよい。
【0044】
メモリ52は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能プログラム及びモジュール、例えば本発明の実施例における車載表示装置のキーシールド方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、図4に示す取得モジュール41、分析モジュール42、決定モジュール43及び処理モジュール44)を記憶するために使用することができる。プロセッサ51は、メモリ52に記憶された非一時的なソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することによって、プロセッサの様々な機能的アプリケーション及びデータ処理を実行し、即ち上記方法の実施例におけるフィラメント電流制御方法を実現する。
【0045】
メモリ52は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域を含んでもよく、プログラム記憶領域は、操作システムと少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶領域は、プロセッサ51によって作成されたデータ等を記憶することができる。さらに、メモリ52は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよいし、非一時的なメモリ、例えば少なくとも1つの磁気ディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、またはその他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスを含んでもよい。いくつかの実施例において、メモリ52は、プロセッサ51に対して遠隔的に配置されたメモリを含んでもよく、これらのリモートメモリはネットワークを介してプロセッサ51に接続することができる。上記ネットワークの例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク及びその組み合わせを含むが、これらに制限されない。
【0046】
前記1つまたは複数のモジュールは前記メモリ52に記憶され、前記プロセッサ51によって実行される時、図2に示す実施例におけるフィラメント電流制御方法を実行する。
【0047】
上記サーバの具体的な詳細は図2に示す実施例に対応する関連説明と効果を対応的に参照することによって理解することができ、ここで説明しない。
【0048】
当業者は、上記の実施例方法における全部または一部のステップが、コンピュータプログラムを介して関連するハードウェアを命令することによって完成することができ、前記プログラムがコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、該プログラムが実行される場合、上記のような各方法の実施例のステップを含んでもよいことを理解することができる。前記記憶媒体は、ディスク、CD、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、略語:HDD)またはソリッドステートドライブ(Solid-State Drive、SSD)などであってもよく、前記記憶媒体は上記の様々なメモリの組合わせを含んでもよい。
【0049】
図面を参照して本発明の実施例を説明したが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な修正と変形を行うことができ、このような修正と変形はすべて添付の特許請求の範囲によって限定された範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5