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特許7097656電子部品移載方法、電子機器の製造方法、及び電子機器の製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】電子部品移載方法、電子機器の製造方法、及び電子機器の製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
H01L21/52 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022035136
(22)【出願日】2022-03-08
【審査請求日】2022-03-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000145286
【氏名又は名称】株式会社写真化学
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】北澤 裕之
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特許第6978129(JP,B1)
【文献】特開2017-175087(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0122917(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 21/60
H01L 21/58
H01L 21/677
H05K 13/04
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子部品が二次元に配列された状態で保持される第1基材の第1表面に平行な第1軸と回転可能な円柱状の第1移載ロールの第1回転軸とが直交するように前記第1基材及び前記第1移載ロールを配置し、前記第1基材の前記第1表面に保持される前記複数の電子部品を前記第1移載ロールの表面で受け取る第1受取工程と、
前記第1受取工程を行った後、前記複数の電子部品が表面に保持される前記第1移載ロールの前記第1回転軸と第2基材の第2表面に平行な第2軸とが直交するように前記第1移載ロール及び前記第2基材を配置し、前記第1移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2基材の前記第2表面へ提供する第1提供工程と、
前記第1提供工程を行った後、前記複数の電子部品が保持される前記第2基材の前記第2表面の前記第2軸と交差する別の軸と回転可能な円柱状の第2移載ロールの第2回転軸とが直交するように前記第2基材及び前記第2移載ロールを配置し、前記第2基材の前記第2表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2移載ロールの表面で受け取る第2受取工程と、
前記第2受取工程を行った後、前記複数の電子部品が表面に保持される前記第2移載ロールの前記第2回転軸と第3基材の第3表面に平行な第3軸とが直交するように前記第2移載ロール及び前記第3基材を配置し、前記第2移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記第3基材の前記第3表面へ提供する第2提供工程と、を含み、
前記第1受取工程及び前記第1提供工程の少なくとも一方により、前記第1基材における前記第1軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記第2基材における前記第2軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせ、
前記第2受取工程及び前記第2提供工程の少なくとも一方により、前記第2基材における前記別の軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記第3基材における前記第3軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせる電子部品移載方法。
【請求項2】
前記第1受取工程において前記第1軸に沿った方向での前記第1移載ロールに対する前記第1基材の前記第1表面の相対速度と前記第1移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けること、及び、前記第1提供工程において前記第2軸に沿った方向での前記第1移載ロールに対する前記第2基材の前記第2表面の相対速度と前記第1移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けること、の少なくとも一方を行う請求項1に記載の電子部品移載方法。
【請求項3】
前記第2受取工程において前記別の軸に沿った方向での前記第2移載ロールに対する前記第2基材の前記第2表面の相対速度と前記第2移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けること、及び、前記第2提供工程において前記第3軸に沿った方向での前記第2移載ロールに対する前記第3基材の前記第3表面の相対速度と前記第2移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けること、の少なくとも一方を行う請求項1又は2に記載の電子部品移載方法。
【請求項4】
前記第1受取工程において、前記第1軸に沿った方向での前記第1基材及び前記第1移載ロールの移動を停止させ且つ前記第1移載ロールの回転を停止させた状態で前記第1基材と前記第1移載ロールとを鉛直方向で互いに近づけて、前記電子部品が前記第1基材の前記第1表面及び前記第1移載ロールの表面の両方に接触した状態にさせる工程と、前記第1基材の前記第1表面及び前記第1移載ロールの表面の両方に接触していた前記電子部品を、前記第1基材と前記第1移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけることで前記第1移載ロールに保持させる工程と、前記第1軸に沿った方向での前記第1基材と前記第1移載ロールとの位置関係を変化させ且つ前記第1移載ロールを回転させる工程と、を順に繰り返し行うこと、並びに、
前記第1提供工程において、前記第2軸に沿った方向での前記第2基材及び前記第1移載ロールの移動を停止させ且つ前記第1移載ロールの回転を停止させた状態で前記第2基材と前記第1移載ロールとを鉛直方向で互いに近づけて、前記電子部品が前記第2基材の前記第2表面及び前記第1移載ロールの表面の両方に接触した状態にさせる工程と、前記第2基材の前記第2表面及び前記第1移載ロールの表面の両方に接触していた前記電子部品を、前記第2基材と前記第1移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけることで前記第2基材に保持させる工程と、前記第2軸に沿った方向での前記第2基材と前記第1移載ロールとの位置関係を変化させ且つ前記第1移載ロールを回転させる工程と、を順に繰り返し行うこと、の少なくとも一方を行う請求項1に記載の電子部品移載方法。
【請求項5】
前記第2受取工程において、前記別の軸に沿った方向での前記第2基材及び前記第2移載ロールの移動を停止させ且つ前記第2移載ロールの回転を停止させた状態で前記第2基材と前記第2移載ロールとを鉛直方向で互いに近づけて、前記電子部品が前記第2基材の前記第2表面及び前記第2移載ロールの表面の両方に接触した状態にさせる工程と、前記第2基材の前記第2表面及び前記第2移載ロールの表面の両方に接触していた前記電子部品を、前記第2基材と前記第2移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけることで前記第2移載ロールに保持させる工程と、前記別の軸に沿った方向での前記第2基材と前記第2移載ロールとの位置関係を変化させ且つ前記第2移載ロールを回転させる工程と、を順に繰り返し行うこと、並びに、
前記第2提供工程において、前記第3軸に沿った方向での前記第3基材及び前記第2移載ロールの移動を停止させ且つ前記第2移載ロールの回転を停止させた状態で前記第3基材と前記第2移載ロールとを鉛直方向で互いに近づけて、前記電子部品が前記第3基材の前記第3表面及び前記第2移載ロールの表面の両方に接触した状態にさせる工程と、前記第3基材の前記第3表面及び前記第2移載ロールの表面の両方に接触していた前記電子部品を、前記第3基材と前記第2移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけることで前記第3基材に保持させる工程と、前記第3軸に沿った方向での前記第3基材と前記第2移載ロールとの位置関係を変化させ且つ前記第2移載ロールを回転させる工程と、を順に繰り返し行うこと、の少なくとも一方を行う請求項1又は4に記載の電子部品移載方法。
【請求項6】
前記第2基材における前記第2軸と前記別の軸とのなす角度が90度であり、
前記第1提供工程で配置されている場合の前記第2基材の前記第2軸と、前記第2受取工程で配置されている場合の前記第2基材の前記別の軸とが平行になるように、前記第1提供工程と前記第2受取工程との間に、前記第2基材を90度回転させる基材回転工程を行う請求項1~5の何れか一項に記載の電子部品移載方法。
【請求項7】
前記第2基材における前記第2軸と前記別の軸とのなす角度が90度であり、
前記第1提供工程で配置されている場合の前記第2基材の前記第2軸と、前記第2受取工程で配置されている場合の前記第2基材の前記別の軸とが直交する請求項1~5の何れか一項に記載の電子部品移載方法。
【請求項8】
前記第2移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品の電極部分に塗布ロールで導電性ペーストを塗布する塗布工程を更に含む請求項1~7の何れか一項に記載の電子部品移載方法。
【請求項9】
回路基板を備える電子機器の製造方法であって、
複数の電子部品が二次元に配列された状態で保持される第1基材の第1表面に平行な第1軸と回転可能な円柱状の第1移載ロールの第1回転軸とが直交するように前記第1基材及び前記第1移載ロールを配置し、前記第1基材の前記第1表面に保持される前記複数の電子部品を前記第1移載ロールの表面で受け取る第1受取工程と、
前記第1受取工程を行った後、前記複数の電子部品が表面に保持される前記第1移載ロールの前記第1回転軸と第2基材の第2表面に平行な第2軸とが直交するように前記第1移載ロール及び前記第2基材を配置し、前記第1移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2基材の前記第2表面へ提供する第1提供工程と、
前記第1提供工程を行った後、前記複数の電子部品が保持される前記第2基材の前記第2表面の前記第2軸と交差する別の軸と回転可能な円柱状の第2移載ロールの第2回転軸とが直交するように前記第2基材及び前記第2移載ロールを配置し、前記第2基材の前記第2表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2移載ロールの表面で受け取る第2受取工程と、
前記第2受取工程を行った後、前記複数の電子部品が表面に保持される前記第2移載ロールの前記第2回転軸と前記回路基板の第3表面に平行な第3軸とが直交するように前記第2移載ロール及び前記回路基板を配置し、前記第2移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記回路基板の前記第3表面へ提供する第2提供工程と、を含み、
前記第1受取工程及び前記第1提供工程の少なくとも一方により、前記第1基材における前記第1軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記第2基材における前記第2軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせ、
前記第2受取工程及び前記第2提供工程の少なくとも一方により、前記第2基材における前記別の軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記回路基板における前記第3軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせる、
電子機器の製造方法。
【請求項10】
回路基板を備える電子機器の製造装置であって、
第1テーブル、第2テーブル、第3テーブル、及び第4テーブルと、
第1搬送装置、第2搬送装置、及び第3搬送装置と、
第1回転軸を中心として回転可能な円柱状の第1移載ロールと、
第2回転軸を中心として回転可能な円柱状の第2移載ロールと、
前記第1搬送装置、前記第2搬送装置、前記第3搬送装置、前記第1移載ロール、及び前記第2移載ロールを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1搬送装置に、複数の電子部品が二次元に配列された状態で第1表面に保持される第1基材を前記第1テーブルに搬送させ、
前記第1移載ロールに、前記第1基材の前記第1表面に平行な第1軸と前記第1移載ロールの前記第1回転軸とが直交する位置に移動させ、前記第1基材の前記第1表面に保持される前記複数の電子部品を前記第1移載ロールの表面で受け取らせ、
前記第2搬送装置に、第2基材を前記第2テーブルに搬送させ、
前記複数の電子部品が表面に保持される前記第1移載ロールに、前記第1回転軸と前記第2基材の第2表面に平行な第2軸とが直交する位置に移動させ、前記第1移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2基材の前記第2表面へ提供させ、
前記第2搬送装置に、前記複数の電子部品が表面に保持される前記第2基材を前記第3テーブルに搬送させ、
前記第2移載ロールに、前記第2基材の前記第2表面の前記第2軸と交差する別の軸と前記第2移載ロールの前記第2回転軸とが直交する位置に移動させ、前記第2基材の前記第2表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2移載ロールの表面で受け取らせ、
前記第3搬送装置に、前記回路基板を前記第4テーブルに搬送させ、
前記複数の電子部品が表面に保持される前記第2移載ロールに、前記第2移載ロールの前記第2回転軸と前記回路基板の第3表面に平行な第3軸とが直交する位置に移動させ、前記第2移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記回路基板の前記第3表面へ提供させ、
前記第1移載ロールによる受取り及び提供の少なくとも一方により、前記第1基材における前記第1軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記第2基材における前記第2軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせ、
前記第2移載ロールによる受取り及び提供の少なくとも一方により、前記第2基材における前記別の軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記回路基板における前記第3軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせる、
電子機器の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子部品を移載する電子部品移載方法、電子機器の製造方法、及び電子機器の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
成長基板上に複数の電子部品を製造した場合、それら複数の電子部品を別の基板上に移載することが必要になる。例えば、発光素子であるLEDチップ(電子部品の一例)を用いた表示装置の製造工程では、例えば複数のLEDチップを成長基板上で製造し、それら複数のLEDチップを成長基板とは別の回路基板上の所定位置に移載することが行われている。このような電子部品の移載に関する先行技術として、特許文献1(国際公開第2017/163775号)に記載するデバイスチップ移載方法がある。
【0003】
特許文献1には、板状部材の表面に保持されるデバイスチップを、回転可能な円柱状の回転部材の表面で受け取る受取工程と、その回転部材の表面に保持されるデバイスチップを別の板状部材の表面へ提供する提供工程とを用いてデバイスチップを移載するデバイスチップ移載方法が記載されている。
【0004】
加えて、特許文献1には、板状部材上のデバイスチップを回転部材で受け取る場合に、板状部材上でのデバイスチップのピッチと、回転部材上でのデバイスチップのピッチとを変更する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2017/163775号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている上記手法を用いれば、複数の電子部品を上記板状部材から上記別の板状部材へと移載する間に、複数の電子部品の間隔を一次元方向で変更する、即ち、複数の電子部品の間隔を一つの軸に沿った方向で変更することができる。
【0007】
しかし、特許文献1には、二次元に配列された複数の電子部品の間隔を二次元方向に変更する方法は記載されていない。
【0008】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子部品の間隔を二次元方向に変更可能な電子部品移載方法、電子機器の製造方法、及び電子機器の製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一実施形態に係る電子部品移載方法の構成は、複数の電子部品が二次元に配列された状態で保持される第1基材の第1表面に平行な第1軸と回転可能な円柱状の第1移載ロールの第1回転軸とが直交するように前記第1基材及び前記第1移載ロールを配置し、前記第1基材の前記第1表面に保持される前記複数の電子部品を前記第1移載ロールの表面で受け取る第1受取工程と、
前記第1受取工程を行った後、前記複数の電子部品が表面に保持される前記第1移載ロールの前記第1回転軸と第2基材の第2表面に平行な第2軸とが直交するように前記第1移載ロール及び前記第2基材を配置し、前記第1移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2基材の前記第2表面へ提供する第1提供工程と、
前記第1提供工程を行った後、前記複数の電子部品が保持される前記第2基材の前記第2表面の前記第2軸と交差する別の軸と回転可能な円柱状の第2移載ロールの第2回転軸とが直交するように前記第2基材及び前記第2移載ロールを配置し、前記第2基材の前記第2表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2移載ロールの表面で受け取る第2受取工程と、
前記第2受取工程を行った後、前記複数の電子部品が表面に保持される前記第2移載ロールの前記第2回転軸と第3基材の第3表面に平行な第3軸とが直交するように前記第2移載ロール及び前記第3基材を配置し、前記第2移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記第3基材の前記第3表面へ提供する第2提供工程と、を含み、
前記第1受取工程及び前記第1提供工程の少なくとも一方により、前記第1基材における前記第1軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記第2基材における前記第2軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせ、
前記第2受取工程及び前記第2提供工程の少なくとも一方により、前記第2基材における前記別の軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記第3基材における前記第3軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせる。
【0010】
上記構成によれば、第1受取工程及び第1提供工程の少なくとも一方によって、第1基材における第1軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔に対して、それらの電子部品が移載された第2基材における第2軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔を異ならせることができる。また、第2受取工程及び第2提供工程の少なくとも一方によって、第2基材における別の軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔に対して、それらの電子部品が移載された第3基材における第3軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔を異ならせることができる。つまり、第1受取工程、第1提供工程、第2受取工程、及び第2提供工程により、当初は第1基材に載置されていた複数の電子部品の間隔が、交差する2つの軸に沿った方向で変更されて、第3基材の第3表面に載置される。
従って、電子部品の間隔を二次元方向に変更可能な電子部品移載方法を提供できる。
【0011】
本開示に係る電子部品移載方法の別の構成は、前記第1受取工程において前記第1軸に沿った方向での前記第1移載ロールに対する前記第1基材の前記第1表面の相対速度と前記第1移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けること、及び、前記第1提供工程において前記第2軸に沿った方向での前記第1移載ロールに対する前記第2基材の前記第2表面の相対速度と前記第1移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けること、の少なくとも一方を行う。
【0012】
上記構成によれば、第1受取工程において第1軸に沿った方向での第1移載ロールに対する第1基材の第1表面の相対速度と第1移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けた場合、第1基材の第1表面に載置されていた、第1基材における第1軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔に対して、第1移載ロールの表面に付着した複数の電子部品の周方向での間隔を異ならせることができる。また、第1提供工程において第2軸に沿った方向での第1移載ロールに対する第2基材の第2表面の相対速度と第1移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けた場合、第1移載ロールの表面に付着していた複数の電子部品同士の周方向での間隔に対して、第2基材の第2表面に付着した複数の電子部品の第2軸に沿った方向での間隔を異ならせることができる。
【0013】
本開示に係る電子部品移載方法の別の構成は、前記第2受取工程において前記別の軸に沿った方向での前記第2移載ロールに対する前記第2基材の前記第2表面の相対速度と前記第2移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けること、及び、前記第2提供工程において前記第3軸に沿った方向での前記第2移載ロールに対する前記第3基材の前記第3表面の相対速度と前記第2移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けること、の少なくとも一方を行う。
【0014】
上記構成によれば、第2受取工程において別の軸に沿った方向での第2移載ロールに対する第2基材の第2表面の相対速度と第2移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けた場合、第2基材の第2表面に載置されていた、第2基材における別の軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔に対して、第2移載ロールの表面に付着した複数の電子部品の周方向での間隔を異ならせることができる。また、第2提供工程において第3軸に沿った方向での第2移載ロールに対する第3基材の第3表面の相対速度と第2移載ロールの回転による表面速度との間に差を設けた場合、第2移載ロールの表面に付着していた複数の電子部品同士の周方向での間隔に対して、第3基材の第3表面に付着した複数の電子部品の第3軸に沿った方向での間隔を異ならせることができる。
【0015】
本開示に係る電子部品移載方法の別の構成は、前記第1受取工程において、前記第1軸に沿った方向での前記第1基材及び前記第1移載ロールの移動を停止させ且つ前記第1移載ロールの回転を停止させた状態で前記第1基材と前記第1移載ロールとを鉛直方向で互いに近づけて、前記電子部品が前記第1基材の前記第1表面及び前記第1移載ロールの表面の両方に接触した状態にさせる工程と、前記第1基材の前記第1表面及び前記第1移載ロールの表面の両方に接触していた前記電子部品を、前記第1基材と前記第1移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけることで前記第1移載ロールに保持させる工程と、前記第1軸に沿った方向での前記第1基材と前記第1移載ロールとの位置関係を変化させ且つ前記第1移載ロールを回転させる工程と、を順に繰り返し行うこと、並びに、
前記第1提供工程において、前記第2軸に沿った方向での前記第2基材及び前記第1移載ロールの移動を停止させ且つ前記第1移載ロールの回転を停止させた状態で前記第2基材と前記第1移載ロールとを鉛直方向で互いに近づけて、前記電子部品が前記第2基材の前記第2表面及び前記第1移載ロールの表面の両方に接触した状態にさせる工程と、前記第2基材の前記第2表面及び前記第1移載ロールの表面の両方に接触していた前記電子部品を、前記第2基材と前記第1移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけることで前記第2基材に保持させる工程と、前記第2軸に沿った方向での前記第2基材と前記第1移載ロールとの位置関係を変化させ且つ前記第1移載ロールを回転させる工程と、を順に繰り返し行うこと、の少なくとも一方を行う。
【0016】
上記構成によれば、第1受取工程において上述した複数の工程を順に繰り返し行う場合、第1基材の移動及び第1移載ロールの回転を停止する毎に、第1基材から第1移載ロールへと一部の電子部品、即ち、第1基材に保持されている複数の電子部品のうち、第1移載ロールの第1回転軸に平行な方向に沿って並んでいる一群の電子部品がまとめて移載される。そして、第1基材から第1移載ロールへと一部の電子部品を移載し、第1基材と第1移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけた後で、第1移載ロールの回転が行われる。つまり、第1基材と第1移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけた状態で第1移載ロールを回転させる場合の回転角を調節すれば、第1移載ロールの表面に移載される複数の電子部品の周方向での間隔を調節できる。
また、第1提供工程において上述した複数の工程を順に繰り返し行う場合、第2基材の移動及び第1移載ロールの回転を停止する毎に、第1移載ロールから第2基材へと一部の電子部品、即ち、第1移載ロールに保持されている複数の電子部品のうち、第1移載ロールの第1回転軸に平行な方向に沿って並んでいる一群の電子部品がまとめて移載される。そして、第1移載ロールから第2基材へと一部の電子部品を移載し、第1移載ロールと第2基材とを鉛直方向で互いに遠ざけた後で、第1移載ロールの回転が行われる。つまり、第1移載ロールと第2基材とを鉛直方向で互いに遠ざけた状態で第1移載ロールを回転させる場合の回転角を調節すれば、第2基材の第2表面に移載される複数の電子部品の第2軸に沿った方向での間隔を調節できる。
【0017】
本開示に係る電子部品移載方法の別の構成は、前記第2受取工程において、前記別の軸に沿った方向での前記第2基材及び前記第2移載ロールの移動を停止させ且つ前記第2移載ロールの回転を停止させた状態で前記第2基材と前記第2移載ロールとを鉛直方向で互いに近づけて、前記電子部品が前記第2基材の前記第2表面及び前記第2移載ロールの表面の両方に接触した状態にさせる工程と、前記第2基材の前記第2表面及び前記第2移載ロールの表面の両方に接触していた前記電子部品を、前記第2基材と前記第2移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけることで前記第2移載ロールに保持させる工程と、前記別の軸に沿った方向での前記第2基材と前記第2移載ロールとの位置関係を変化させ且つ前記第2移載ロールを回転させる工程と、を順に繰り返し行うこと、並びに、
前記第2提供工程において、前記第3軸に沿った方向での前記第3基材及び前記第2移載ロールの移動を停止させ且つ前記第2移載ロールの回転を停止させた状態で前記第3基材と前記第2移載ロールとを鉛直方向で互いに近づけて、前記電子部品が前記第3基材の前記第3表面及び前記第2移載ロールの表面の両方に接触した状態にさせる工程と、前記第3基材の前記第3表面及び前記第2移載ロールの表面の両方に接触していた前記電子部品を、前記第3基材と前記第2移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけることで前記第3基材に保持させる工程と、前記第3軸に沿った方向での前記第3基材と前記第2移載ロールとの位置関係を変化させ且つ前記第2移載ロールを回転させる工程と、を順に繰り返し行うこと、の少なくとも一方を行う。
【0018】
上記構成によれば、第2受取工程において上述した複数の工程を順に繰り返し行う場合、第2基材の移動及び第2移載ロールの回転を停止する毎に、第2基材から第2移載ロールへと一部の電子部品、即ち、第2基材に保持されている複数の電子部品のうち、第2移載ロールの第2回転軸に平行な方向に沿って並んでいる一群の電子部品がまとめて移載される。そして、第2基材から第2移載ロールへと一部の電子部品を移載し、第2基材と第2移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけた後で、第2移載ロールの回転が行われる。つまり、第2基材と第2移載ロールとを鉛直方向で互いに遠ざけた状態で第2移載ロールを回転させる場合の回転角を調節すれば、第2移載ロールの表面に移載される複数の電子部品の周方向での間隔を調節できる。
また、第2提供工程において上述した複数の工程を順に繰り返し行う場合、第3基材の移動及び第2移載ロールの回転を停止する毎に、第2移載ロールから第3基材へと一部の電子部品、即ち、第2移載ロールに保持されている複数の電子部品のうち、第2移載ロールの第2回転軸に平行な方向に沿って並んでいる一群の電子部品がまとめて移載される。そして、第2移載ロールから第3基材へと一部の電子部品を移載し、第2移載ロールと第3基材とを鉛直方向で互いに遠ざけた後で、第2移載ロールの回転が行われる。つまり、第2移載ロールと第3基材とを鉛直方向で互いに遠ざけた状態で第3移載ロールを回転させる場合の回転角を調節すれば、第3基材の第3表面に移載される複数の電子部品の第3軸に沿った方向での間隔を調節できる。
【0019】
本開示に係る電子部品移載方法の別の構成は、前記第2基材における前記第2軸と前記別の軸とのなす角度が90度であり、
前記第1提供工程で配置されている場合の前記第2基材の前記第2軸と、前記第2受取工程で配置されている場合の前記第2基材の前記別の軸とが平行になるように、前記第1提供工程と前記第2受取工程との間に、前記第2基材を90度回転させる基材回転工程を行う。
【0020】
上記構成によれば、第2基材における第2軸と別の軸とのなす角度が90度であるので、第1基材が保持していた複数の電子部品は、第1基材の第1軸に沿った方向での間隔が変更され、且つ、第1軸と直交する軸に沿った方向での間隔が変更された状態で、最終的に第3基材に移載される。
加えて、第1受取工程で配置されている場合の第1基材の第1軸と第1提供工程で配置されている場合の第2基材の第2軸とは互いに平行であり、第2受取工程で配置されている場合の第2基材の別の軸と第2提供工程で配置されている場合の第3基材の第3軸とは互いに平行である。そして、第1提供工程と第2受取工程との間に、第2基材を90度回転させる基材回転工程が行われるため、第1受取工程及び第1提供工程において第1基材と第1移載ロールと第2基材とが並んでいるライン、即ち第1基材の第1軸及び第2基材の第2軸に平行なラインと、第2受取工程及び第2提供工程において第2基材と第2移載ロールと第3基材とが並んでいるライン、即ち第2基材の別の軸及び第3基材の第3軸に平行なラインとが、互いに平行に設置される。
【0021】
本開示に係る電子部品移載方法の別の構成は、前記第2基材における前記第2軸と前記別の軸とのなす角度が90度であり、
前記第1提供工程で配置されている場合の前記第2基材の前記第2軸と、前記第2受取工程で配置されている場合の前記第2基材の前記別の軸とが直交する。
【0022】
上記構成によれば、第2基材における第2軸と別の軸とのなす角度が90度であるので、第1基材が保持していた複数の電子部品は、第1基材の第1軸に沿った方向での間隔が変更され、且つ、第1軸と直交する軸に沿った方向での間隔が変更された状態で、最終的に第3基材に移載される。
加えて、第1提供工程で配置されている場合の第2基材の第2軸と、第2受取工程で配置されている場合の第2基材の別の軸とを直交にしておけばよいため、上述したように第2基材を回転させる工程は不要になる。
【0023】
本開示に係る電子部品移載方法の別の構成は、前記第2移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品の電極部分に塗布ロールで導電性ペーストを塗布する塗布工程を更に含む。
【0024】
上記構成によれば、電子部品に塗布した導電性ペーストにより、第2移載ロールから第3基材へと電子部品を移載する場合に電子部品と第3基材とを付着させることができる。加えて、移載される電子部品の電極と第3基材に形成されている電気回路の電極とを、導電性ペーストにより電気的に接続することができる。
【0025】
本開示の一実施形態に係る電子機器の製造方法の構成は、回路基板を備える電子機器の製造方法であって、
複数の電子部品が二次元に配列された状態で保持される第1基材の第1表面に平行な第1軸と回転可能な円柱状の第1移載ロールの第1回転軸とが直交するように前記第1基材及び前記第1移載ロールを配置し、前記第1基材の前記第1表面に保持される前記複数の電子部品を前記第1移載ロールの表面で受け取る第1受取工程と、
前記第1受取工程を行った後、前記複数の電子部品が表面に保持される前記第1移載ロールの前記第1回転軸と第2基材の第2表面に平行な第2軸とが直交するように前記第1移載ロール及び前記第2基材を配置し、前記第1移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2基材の前記第2表面へ提供する第1提供工程と、
前記第1提供工程を行った後、前記複数の電子部品が保持される前記第2基材の前記第2表面の前記第2軸と交差する別の軸と回転可能な円柱状の第2移載ロールの第2回転軸とが直交するように前記第2基材及び前記第2移載ロールを配置し、前記第2基材の前記第2表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2移載ロールの表面で受け取る第2受取工程と、
前記第2受取工程を行った後、前記複数の電子部品が表面に保持される前記第2移載ロールの前記第2回転軸と前記回路基板の第3表面に平行な第3軸とが直交するように前記第2移載ロール及び前記回路基板を配置し、前記第2移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記回路基板の前記第3表面へ提供する第2提供工程と、を含み、
前記第1受取工程及び前記第1提供工程の少なくとも一方により、前記第1基材における前記第1軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記第2基材における前記第2軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせ、
前記第2受取工程及び前記第2提供工程の少なくとも一方により、前記第2基材における前記別の軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記回路基板における前記第3軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせる。
【0026】
上記構成によれば、第1受取工程及び第1提供工程の少なくとも一方によって、第1基材における第1軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔に対して、それらの電子部品が移載された第2基材における第2軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔を異ならせることができる。また、第2受取工程及び第2提供工程の少なくとも一方によって、第2基材における別の軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔に対して、それらの電子部品が移載された回路基板における第3軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔を異ならせることができる。つまり、第1受取工程、第1提供工程、第2受取工程、及び第2提供工程により、当初は第1基材に載置されていた複数の電子部品の間隔が、交差する2つの軸に沿った方向で変更されて、回路基板の第3表面に載置される。
従って、電子部品の間隔を二次元方向に変更可能な電子機器の製造方法を提供できる。
【0027】
本開示の一実施形態に係る電子機器の製造装置の構成は、回路基板を備える電子機器の製造装置であって、
第1テーブル、第2テーブル、第3テーブル、及び第4テーブルと、
第1搬送装置、第2搬送装置、及び第3搬送装置と、
第1回転軸を中心として回転可能な円柱状の第1移載ロールと、
第2回転軸を中心として回転可能な円柱状の第2移載ロールと、
前記第1搬送装置、前記第2搬送装置、前記第3搬送装置、前記第1移載ロール、及び前記第2移載ロールを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1搬送装置に、複数の電子部品が二次元に配列された状態で第1表面に保持される第1基材を前記第1テーブルに搬送させ、
前記第1移載ロールに、前記第1基材の前記第1表面に平行な第1軸と前記第1移載ロールの前記第1回転軸とが直交する位置に移動させ、前記第1基材の前記第1表面に保持される前記複数の電子部品を前記第1移載ロールの表面で受け取らせ、
前記第2搬送装置に、第2基材を前記第2テーブルに搬送させ、
前記複数の電子部品が表面に保持される前記第1移載ロールに、前記第1回転軸と前記第2基材の第2表面に平行な第2軸とが直交する位置に移動させ、前記第1移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2基材の前記第2表面へ提供させ、
前記第2搬送装置に、前記複数の電子部品が表面に保持される前記第2基材を前記第3テーブルに搬送させ、
前記第2移載ロールに、前記第2基材の前記第2表面の前記第2軸と交差する別の軸と前記第2移載ロールの前記第2回転軸とが直交する位置に移動させ、前記第2基材の前記第2表面に保持される前記複数の電子部品を前記第2移載ロールの表面で受け取らせ、
前記第3搬送装置に、前記回路基板を前記第4テーブルに搬送させ、
前記複数の電子部品が表面に保持される前記第2移載ロールに、前記第2移載ロールの前記第2回転軸と前記回路基板の第3表面に平行な第3軸とが直交する位置に移動させ、前記第2移載ロールの表面に保持される前記複数の電子部品を前記回路基板の前記第3表面へ提供させ、
前記第1移載ロールによる受取り及び提供の少なくとも一方により、前記第1基材における前記第1軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記第2基材における前記第2軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせ、
前記第2移載ロールによる受取り及び提供の少なくとも一方により、前記第2基材における前記別の軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔に対して前記回路基板における前記第3軸に沿った方向での前記複数の電子部品同士の間隔を異ならせる。
【0028】
上記構成によれば、第1移載ロールによる電子部品の受取り及び提供の少なくとも一方によって、第1基材における第1軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔に対して、それらの電子部品が移載された第2基材における第2軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔を異ならせることができる。また、第2移載ロールによる電子部品の受取り及び提供の少なくとも一方によって、第2基材における別の軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔に対して、それらの電子部品が移載された回路基板における第3軸に沿った方向での複数の電子部品同士の間隔を異ならせることができる。つまり、第1移載ロールによる電子部品の受取り及び提供並びに第2移載ロールによる電子部品の受取り及び提供により、当初は第1基材に載置されていた複数の電子部品の間隔が、交差する2つの軸に沿った方向で変更されて、回路基板の第3表面に載置される。
従って、電子部品の間隔を二次元方向に変更可能な電子機器の製造装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】電子部品移載装置の構成を示す図である。
図2】電子部品が移載される様子を説明する図である。
図3】第1テーブルの上に第1基材が載置された状態を示す断面図である。
図4】第1基材の構造を説明する斜視図である。
図5】第1基材の第1表面に保持される複数の電子部品を第1移載ロールの表面で受け取る第1受取工程を説明する図である。
図6】第1移載ロールの表面に保持される電子部品を第2基材の表面へと提供する第1提供工程を説明する図である。
図7】第1受取工程を説明する図である。
図8】第1受取工程を説明する図である。
図9】第1受取工程を説明する図である。
図10】第1受取工程を説明する図である。
図11】第1受取工程を説明する図である。
図12】第1提供工程を説明する図である。
図13】第1提供工程を説明する図である。
図14】第1提供工程を説明する図である。
図15】電子部品が移載される様子を説明する図である。
図16】電子部品が移載される様子を説明する図である。
図17】別の電子部品移載装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<第1実施形態>
図1は、電子部品移載装置の構成を示す図である。図2は、電子部品15が移載される様子を説明する図である。電子部品15は、例えば、デバイスチップである。電子部品移載装置は、制御部50を備える。制御部50は、本実施形態及び他の実施形態の電子部品移載装置の各部の動作を制御し、本実施形態及び他の実施形態の電子部品移載方法を実行させる。制御部50は、例えば、プロセッサなどの制御回路である。制御部50は、例えば、プログラム及びデータが記録された記録媒体及びコンピュータ回路を備える。電子部品移載方法では、第1基材20の表面に保持される電子部品15を、第1移載ロール4、第2基材30、及び第2移載ロール11を経由して、第3基材40の表面へ移載する。
【0031】
以下に、図1を参照して電子部品移載装置の構成を説明し、その後、電子部品移載方法について説明する。
【0032】
電子部品移載装置では、第1基材保管部1に第1基材20が保管され、第2基材保管部7に第2基材30が保管され、第3基材保管部14に第3基材40が保管される。
【0033】
第1基材保管部1と第1搬送装置2とが隣接して配置される。第1基材保管部1と第1テーブル3との間で行われる第1基材20の搬送は、第1搬送装置2によって行われる。第1搬送装置2は、走行ガイド16を走行する走行機構2aと、アーム2bと、アーム2bを第1基材保管部1の方向及び第1テーブル3の方向へ伸ばすことができる伸縮機構2cとを備える。そして、第1搬送装置2は、第1基材保管部1と第1テーブル3との間で第1基材20の受け渡しを行うことができる。例えば、第1搬送装置2は、第1基材保管部1に保管されている第1基材20をアーム2bを用いて受け取り、受け取った第1基材20を第1テーブル3に載置できる。
【0034】
第2基材保管部7と回転機構6との間で行われる第2基材30の搬送、及び、第2基材保管部7と第3テーブル10との間で行われる第2基材30の搬送は、第2搬送装置9によって行われる。第2搬送装置9は、走行ガイド17を走行する走行機構9aと、アーム9bと、アーム9bを第2基材保管部7の方向及び回転機構6及び第3テーブル10の方向へ伸ばすことができる伸縮機構9cとを備える。そして、第2搬送装置9は、回転機構6と第2基材保管部7と第3テーブル10との間で第2基材30の受け渡しを行うことができる。例えば、第2搬送装置9は、第2基材保管部7に保管されている第2基材30をアーム9bを用いて受け取って、受け取った第2基材30を回転機構6に載置できる。また、第2搬送装置9は、回転機構6に載置されている第2基材30をアーム9bを用いて受け取って、受け取った第2基材30を第2基材保管部7に載置できる。また更に、第2搬送装置9は、第2基材保管部7に保管されている第2基材30をアーム9bを用いて受け取って、受け取った第2基材30を第3テーブル10に載置できる。
【0035】
第2搬送装置9は、第2基材保管部7から受け取った、電子部品15が載置されていない第2基材30を回転機構6に搬送する。例えば、電子部品15が載置されていない第2基材30が第2基材保管部7a(7)に保管され、電子部品15が載置された第2基材30が第2基材保管部7b(7)に保管されている。そして、第2搬送装置9は、回転機構6から受け取った、電子部品15が載置されている第2基材30を第2基材保管部7b又は第3テーブル10に搬送する。尚、電子部品15が載置されていない第2基材30を第2基材保管部7bに保管してもよく、電子部品15が載置された第2基材30を第2基材保管部7aに保管してもよい。
【0036】
第3基材保管部14と第4テーブル12との間で行われる第3基材40の搬送は、第3搬送装置13によって行われる。第3搬送装置13は、走行ガイド16を走行する走行機構13aと、アーム13bと、アーム13bを第3基材保管部14の方向及び第4テーブル12の方向へ伸ばすことができる伸縮機構13cとを備える。そして、第3搬送装置13は、第3基材保管部14と第4テーブル12との間で第3基材40の受け渡しを行うことができる。例えば、第3搬送装置13は、第4テーブル12に載置されている第3基材40をアーム13bを用いて受け取り、受け取った第3基材40を第3基材保管部14へ搬送できる。
【0037】
電子部品15は例えばMini-LEDやμ-LEDなどの発光素子である。Mini-LEDやμ-LEDなどの電子部品15が成長基板(図示せず)の上に製造される。そして、成長基板の上に形成されている複数の電子部品15をレーザーリフトオフ等の方法により第1基材20の第1表面24に移載し、その第1基材20を第1基材保管部1に保管しておく。その場合、第1基材20の第1表面24には、複数の電子部品15が二次元に配列された状態で保持されている。そして、電子部品移載装置で行われる電子部品移載方法によって、第1基材20の第1表面24に保持されている複数の電子部品15は、最終的に第3基材40の第3表面42に移載される。第3基材40は、例えば電気回路が設けられた回路基板であり、回路基板に移載された電子部品15の電極と回路基板の電気回路の電極とが接続される。これにより、電気回路に電子部品15が接続された表示装置などの電子機器が製造される。例えば、電子部品15はLED素子であり、表示装置はLEDディスプレイである。電子部品移載装置は、電子機器の製造装置であってもよい。
【0038】
第1テーブル3は、第1移載ロール4及び第2テーブル5と並んで設けられる。第1テーブル3は、載置された第1基材20を真空吸着するなどして保持できる。第2テーブル5は、載置された第2基材30を真空吸着するなどして保持できる。そして、第1テーブル3に載置される第1基材20に保持される電子部品15が、第1移載ロール4を介して、第2テーブル5に載置される第2基材30に移載される。
【0039】
第1テーブル3は、例えば電気モーター等の装置によって、図2に示す第1基材20の第1軸X1と平行な方向に沿って移動できる。第2テーブル5は、例えば電気モーター等の装置によって、図2に示す第2基材30の第2軸X3と平行な方向に沿って移動できる。第1移載ロール4は、例えば電気モーター等の装置によって、図2に示す第1回転軸X2の周りに回転でき、鉛直方向に昇降できる。
【0040】
第3テーブル10は、第2移載ロール11及び第4テーブル12と並んで設けられる。第3テーブル10は、載置された第2基材30を真空吸着するなどして保持できる。第4テーブル12は、載置された第3基材40を真空吸着するなどして保持できる。第3テーブル10に載置される第2基材30に保持される電子部品15は、第2移載ロール11を介して、第4テーブル12に載置される第3基材40に移載される。そして、第3搬送装置13によって、電子部品15が載置されている第3基材40は、第3基材保管部14に搬送される。
【0041】
第3テーブル10は、例えば電気モーター等の装置によって、図2に示す第2基材30の別の軸X4と平行及び垂直な方向に沿って移動できる。第4テーブル12は、例えば電気モーター等の装置によって、図2に示す第3基材40の第3軸X6と平行な方向に沿って移動できる。第2移載ロール11は、例えば電気モーター等の装置によって、図2に示す第2回転軸X5の周りに回転でき、鉛直方向に昇降できる。
【0042】
尚、第1基材20、第1移載ロール4、第2基材30、第2移載ロール11及び第3基材40のそれぞれの位置を調節するために、第1テーブル3、第1移載ロール4、第2テーブル5、第3テーブル10、第2移載ロール11及び第4テーブル12は、上述したのとは別の方向に移動可能に構成されていてもよい。
【0043】
図3は、第1テーブル3の上に第1基材20が載置された状態を示す断面図である。図4は、第1基材20の構造を説明する斜視図である。図示するように、第1基材20は、環状の外枠21と、その外枠21の上面に載置される第1シート23とを有する。第1シート23は外枠21に対して着脱自在である。また、外枠21の中央部に設けられる孔には、外枠21とは別部材のスペーサ22が設けられている。第1シート23の下面は、外枠21及びスペーサ22によって支持される。そして、第1シート23の上面に複数の電子部品15が載置される。本実施形態では、第1基材20が備える第1シート23の上面のことを、第1基材20の第1表面24と呼ぶ。
【0044】
第1基材20の第1シート23は、例えば、柔軟性のある材料や硬質の材料などであり、その第1表面24は電子部品15が保持できる程度の粘着性を有している。例えば、第1シート23は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等の樹脂により構成されるベースと、粘着性を有する樹脂膜とを備える。この粘着性を有する樹脂膜は、紫外線変性材、熱変性材等であってもよいし、後述する第1移載ロール4のシート25よりも弱い粘着性を有する樹脂であってもよい。
【0045】
第2基材30は、第1基材20と同様の構成である。つまり、第2基材30は、図6に示すように環状の外枠31と、その外枠31の上面に載置される第2シート33とを有する。第2シート33は外枠31に対して着脱自在である。また、外枠31の中央部に設けられる孔には、外枠31とは別部材のスペーサ32が設けられている。第2シート33の下面は、外枠31及びスペーサ32によって支持される。そして、第2シート33の上面に複数の電子部品15が載置される。本実施形態では、第2基材30が備える第2シート33の上面のことを、第2基材30の第2表面34と呼ぶ。
【0046】
第2シート33は、例えば、柔軟性のある材料や硬質の材料からなるベースと、第2表面34を含む粘着性の樹脂膜とを備える。この粘着性の樹脂膜は、第2表面34に電子部品15が付着する程度の粘着性を有している。この粘着性の樹脂膜は、例えば、第2シート33に対する紫外線照射によって粘着力が低下する紫外線変性材としての特性を有している。この粘着性の樹脂膜は、例えば、シリコン系、アクリル系、エポキシ系の材料により構成される。第2シート33のベースは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等の樹脂により構成されている。
【0047】
第3基材40は、例えば電子部品15が電気的に接続される電気回路が設けられた回路基板である。その電気回路の上面には、電子部品15が付着する程度の粘着性を有する第3シート41が設けられている。そして、電子部品15が載置された後、回路基板の電極と電子部品15の電極との導通を確立する処理などが行われる。例えば、電子部品15を回路基板に対して押さえつけることで、第3シート41に含有されている導電材によって回路基板の電極と電子部品15の電極との電気的な導通が確立される。本実施形態では、第3基材40の上面のことを第3表面42と呼ぶ。
【0048】
第1移載ロール4は、その円筒状部分の表面に、電子部品15が付着する程度の粘着性を有するシート25を備えている。シート25は第1移載ロール4の円筒状部分に対して着脱自在である。シート25は、例えば、ベースと、紫外線照射によって粘着力が低下する紫外線変性材である粘着性の樹脂膜とを備える。このベースは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等の樹脂により構成されている。シート25の粘着性の樹脂膜は、例えば、シリコン系、アクリル系、エポキシ系の材料により構成される。本実施形態では、第1移載ロール4に設けられているシート25の表面のことを、第1移載ロール4の表面26と呼ぶ。
【0049】
第2移載ロール11は、その円筒状の表面に、電子部品15が付着する程度の粘着性を有するシート35を備えている。シート35は第2移載ロール11の円筒状部分に対して着脱自在である。シート35は、例えば、ベースと、紫外線照射によって粘着力が低下する紫外線変性材である粘着性の樹脂膜とを備える。このベースは、例えば、シート35は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド等の樹脂により構成されている。シート35の粘着性の樹脂膜は、例えば、シリコン系、アクリル系、エポキシ系の材料により構成される。本実施形態では、第2移載ロール11に設けられているシート35の表面のことを、第2移載ロール11の表面36と呼ぶ。
【0050】
以上のように、回路基板を備える電子機器の製造装置は、第1テーブル3、第2テーブル5、第3テーブル10、及び第4テーブル12と、第1搬送装置2、第2搬送装置9、及び第3搬送装置13と、第1回転軸X2を中心として回転可能な円柱状の第1移載ロール4と、第2回転軸X5を中心として回転可能な円柱状の第2移載ロール11と、第1搬送装置2、第2搬送装置9、第3搬送装置13、第1移載ロール4、及び第2移載ロール11を制御する制御部50と、を備える。
【0051】
第1基材20の第1表面24に保持される複数の電子部品15を第2基材30の第2表面34に移載する場合、以下に記載する第1受取工程、第1提供工程、第2受取工程、及び第2提供工程とを含む電子部品移載方法が行われる。
【0052】
第1受取工程は、複数の電子部品15が二次元に配列された状態で保持される第1基材20の第1表面24に平行な第1軸X1と回転可能な円柱状の第1移載ロール4の第1回転軸X2とが直交するように第1基材20及び第1移載ロール4を配置し、第1基材20の第1表面24に保持される複数の電子部品15を第1移載ロール4の表面26で受け取る工程である。第1提供工程は、第1受取工程を行った後、複数の電子部品15が表面26に保持される第1移載ロール4の第1回転軸X2と第2基材30の第2表面34に平行な第2軸X3とが直交するように第1移載ロール4及び第2基材30を配置し、第1移載ロール4の表面26に保持される複数の電子部品15を第2基材30の第2表面34へ提供する工程である。第1受取工程及び第1提供工程の少なくとも一方により、第1基材20における第1軸X1に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔に対して第2基材30における第2軸X3に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔を異ならせる。
【0053】
第2受取工程は、第1提供工程を行った後、複数の電子部品15が保持される第2基材30の第2表面34の第2軸X3と交差する別の軸X4と回転可能な円柱状の第2移載ロール11の第2回転軸X5とが直交するように第2基材30及び第2移載ロール11を配置し、第2基材30の第2表面34に保持される複数の電子部品15を第2移載ロール11の表面36で受け取る工程である。第2提供工程は、第2受取工程を行った後、複数の電子部品15が表面36に保持される第2移載ロール11の第2回転軸X5と第3基材40の第3表面42に平行な第3軸X6とが直交するように第2移載ロール11及び第3基材40を配置し、第2移載ロール11の表面36に保持される複数の電子部品15を第3基材40の第3表面42へ提供する工程である。第2受取工程及び第2提供工程の少なくとも一方により、第2基材30における別の軸X4に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔に対して第3基材40における第3軸X6に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔を異ならせる。本実施形態では、第2基材30における第2軸X3と別の軸X4とのなす角度は90度である。
【0054】
〔第1受取工程及び第1提供工程〕
第1基材20に保持された電子部品15は、第1移載ロール4を用いて、第2テーブル5の上に載置された第2基材30に移載される。図2に示すように、第1基材20における第1軸X1と第1移載ロール4の第1回転軸X2とが直交し、第2基材30における第2軸X3と第1移載ロール4の第1回転軸X2とが直交している。そのため、第1基材20における第1軸X1と第2基材30における第2軸X3とは平行になっている。
【0055】
図5は、第1基材20の第1表面24に保持される複数の電子部品15を第1移載ロール4の表面26で受け取る第1受取工程を説明する図である。図6は、第1移載ロール4の表面26に保持される複数の電子部品15を第2基材30の第2表面34へ提供する第1提供工程を説明する図である。この第1受取工程と第1提供工程とにより、第1基材20における第1軸X1に沿った方向での電子部品15同士の間隔に対して第2基材30における第2軸X3に沿った方向での電子部品15同士の間隔が異なる。
【0056】
電子機器の製造装置が備える制御部50は、第1搬送装置2に、複数の電子部品15が二次元に配列された状態で第1表面24に保持される第1基材20を第1テーブル3に搬送させる。そして、制御部50は、第1移載ロール4に、第1基材20の第1表面24に平行な第1軸X1と第1移載ロール4の第1回転軸X2とが直交する位置に移動させ、第1基材20の第1表面24に保持される複数の電子部品15を第1移載ロール4の表面26で受け取らせる。
【0057】
具体的に説明すると、第1受取工程において、図2でも示したように、複数の電子部品15が二次元に配列された状態で保持される第1基材20の第1表面24に平行な第1軸X1と第1移載ロール4の第1回転軸X2とが直交するように第1基材20及び第1移載ロール4を配置する。第1基材20の第1シート23の粘着力は、例えば0.5kg/25mm以下である。第1移載ロール4に設けられるシート25の粘着力は、粘着力低減処理としての紫外線照射が行われていない状態で例えば2kg/25mm以上である。
【0058】
図5に示すように、第1基材20と第1移載ロール4との間で第1受取工程が行われる。具体的に説明すると、上述したように、第1基材20の第1シート23の粘着力(0.5kg/25mm以下)は、第1移載ロール4に設けられるシート25の粘着力(2kg/25mm以上)よりも小さく設定されている。その結果、後述するように電子部品15が第1シート23及び第1移載ロール4に挟まれて両者に接触する状態になった場合、電子部品15は第1移載ロール4の方により強く付着する。
【0059】
第1移載ロール4を降下させて、第1移載ロール4の表面26の最下部と第1基材20の第1表面24との間隔を、第1基材20の第1表面24に載置される電子部品15が第1移載ロール4の表面26の最下部に接触する程度にさせる。そして、第1基材20を第1軸X1に沿って図5に矢印で示す方向に移動させながら、第1移載ロール4を反時計回りに回転させる。つまり、第1軸X1に沿った方向で、第1基材20の第1表面24を、第1移載ロール4に対して相対移動させ、且つ、第1移載ロール4をその場で回転させている。第1基材20の第1表面24及び第1移載ロール4に挟まれて両者に接触した電子部品15は、第1移載ロール4の方に強く付着する。その結果、第1基材20に保持されていた電子部品15が第1移載ロール4の表面26に順次移載される。
【0060】
この場合、第1軸X1に沿った方向での第1移載ロール4に対する第1基材20の第1表面24の相対速度と第1移載ロール4の回転による表面速度との間に差を設けることもできる。そうすると、第1基材20の第1表面24に載置されていた、第1基材20における第1軸X1に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔に対して、第1移載ロール4の表面26に付着した複数の電子部品15の周方向での間隔を異ならせることができる。例えば、第1基材20の第1表面24と第1移載ロール4の表面26とが最も接近した付近において、第1基材20の第1表面24の速度よりも、第1移載ロール4の表面26の速度を速くすると、図5に示すように、第1基材20の第1表面24に載置されていた複数の電子部品15同士の第1軸X1に沿った方向での間隔よりも、第1移載ロール4の表面26に付着した複数の電子部品15の周方向での間隔の方が広くなる。
【0061】
第1基材20の第1表面24に載置されていた電子部品15を第1移載ロール4の表面26へ移載した後、第1基材20の移動及び第1移載ロール4の回転を停止させる。そして、第1移載ロール4を上昇させて、第1移載ロール4と第1基材20との間隔を大きくする。
【0062】
このようにして電子部品15を第1移載ロール4の表面26に保持させた後、第1移載ロール4の表面に貼合したシート25の粘着力低減処理としての紫外線照射が行われる。この紫外線照射は、第1移載ロール4の表面26に電子部品15を保持した状態で第1移載ロール4の面上に対して行う。尚、紫外線照射装置などについては図示を省略する。例えば、この粘着力低減処理により、第1移載ロール4のシート25の粘着力を例えば0.5kg/25mm以下にさせる。
【0063】
その後、電子部品15を表面26に保持する第1移載ロール4の第1回転軸X2と第2基材30の第2表面34に平行な第2軸X3とが直交するように第1移載ロール4及び第2基材30を配置する。第2基材30の第2シート33の粘着力は、粘着力低減処理が行われていない状態で例えば2kg/25mm以上である。つまり、この時点では、第1移載ロール4に設けられるシート25の粘着力(0.5kg/25mm以下)は、第2基材30の第2シート33の粘着力(2kg/25mm以上)よりも小さい。その結果、後述するように電子部品15が第1移載ロール4及び第2基材30の第2表面34の間に両者に接触する状態になった場合、電子部品15は第2基材30の第2表面34の方により強く付着することになる。
【0064】
次に、第1移載ロール4と第2基材30との間で第1提供工程が行われる。ここでは、電子機器の製造装置が備える制御部50は、第2搬送装置9に、第2基材30を第2テーブル5に搬送させる。そして、制御部50は、複数の電子部品15が表面26に保持される第1移載ロール4に、第1回転軸X2と第2基材30の第2表面34に平行な第2軸X3とが直交する位置に移動させ、第1移載ロール4の表面26に保持される複数の電子部品15を第2基材30の第2表面34へ提供させる。
【0065】
具体的に説明すると、第2搬送装置9は、第2基材保管部7aに保管されている、電子部品15が載置されていない第2基材30を回転機構6の上へ搬送し、そこから第2基材30が第2テーブル5へと搬送される。
【0066】
そして、第1移載ロール4を降下させて、第1移載ロール4の表面26の最下部と第2基材30の第2表面34との間隔を、第2基材30の第2表面34が第1移載ロール4の表面26の最下部に付着している電子部品15に接触する程度にさせる。そして、第2基材30を第2軸X3に沿って図6に矢印で示す方向に移動させながら、第1移載ロール4を反時計回りに回転させる。つまり、第2軸X3に沿った方向で、第2基材30の第2表面34を、第1移載ロール4に対して相対移動させ、且つ、第1移載ロール4をその場で回転させている。この場合、第2基材30の第2表面34及び第1移載ロール4に挟まれて両者に接触した電子部品15は、第2基材30の方に強く付着する。その結果、第1移載ロール4に保持されていた電子部品15が第2基材30の第2表面34に順次移載される。
【0067】
この場合、第2軸X3に沿った方向での第1移載ロール4に対する第2基材30の第2表面34の相対速度と第1移載ロール4の回転による表面速度との間に差を設けることもできる。そうすると、第1移載ロール4の表面26に付着していた複数の電子部品15同士の周方向での間隔に対して、第2基材30の第2表面34に付着した複数の電子部品15の第2軸X3に沿った方向での間隔を異ならせることができる。特に、第2基材30の第2表面34と第1移載ロール4の表面26とが最も接近した付近において、第2基材30の第2表面34の速度の方を、第1移載ロール4の表面26の速度よりも速くすると、第2基材30の第2表面34に付着した複数の電子部品15同士の間隔の方が、第1移載ロール4の表面26に付着していた複数の電子部品15の周方向での間隔の方よりも広くなる。
【0068】
以上のようにして第1移載ロール4の表面26に付着していた電子部品15を第2基材30の第2表面34へ移載した後、第2基材30及び第1移載ロール4を停止させる。そして、第1移載ロール4を上昇させて、第1移載ロール4と第2基材30との間隔を大きくする。
【0069】
以上のような第1受取工程及び第1提供工程が行われることで、図2に示すように、第1基材20における第1軸X1に沿った方向での電子部品15同士の間隔dcに対して第2基材30における第2軸X3に沿った方向での電子部品15同士の間隔dcを異ならせることができる。
【0070】
尚、第1受取工程及び第1提供工程の少なくとも一方により、第1基材20における第1軸X1に沿った方向での電子部品15同士の間隔に対して第2基材30における第2軸X3に沿った方向での電子部品15同士の間隔を異ならせればよい。例えば、第1受取工程において第1軸X1に沿った方向での第1移載ロール4に対する第1基材20の第1表面24の相対速度と第1移載ロール4の回転による表面速度との間に差を設けること、及び、第1提供工程において第2軸X3に沿った方向での第1移載ロール4に対する第2基材30の第2表面34の相対速度と第1移載ロール4の回転による表面速度との間に差を設けること、の少なくとも一方を行えばよい。
【0071】
その後、第2基材30は第2テーブル5から回転機構6へと搬送される。そして、電子部品15が載置された第2基材30は、例えば電気モーターなどを用いて動作する回転機構6によって90度回転される。つまり、第1提供工程で配置されている場合の第2基材30の第2軸X3と、後述する第2受取工程で配置されている場合の第2基材30の別の軸X4とが平行になるように、第1提供工程と第2受取工程との間に、第2基材30を90度回転させる基材回転工程が行われる。
【0072】
この回転中の第2基材30に紫外線を照射することにより、第2基材30の粘着力を低減させてもよい。その場合、第2基材30の表面での紫外線の強度に不均一な分布があったとしても、第2基材30の回転中に紫外線が照射されることで、第2基材30の表面が受け取る光エネルギーが平準化される。その結果、第2基材30における紫外線硬化反応のムラを低減することができる。例えば、この粘着力低減処理により、第2基材30の第2シート33の粘着力を例えば0.5kg/25mm以下にさせる。また、第2移載ロール11に設けられるシート35の粘着力は、紫外線照射が行われていない状態で例えば2kg/25mm以上である。その後、回転された第2基材30は第2搬送装置9によって第3テーブル10に搬送される。前述した回転中の第2基材30への紫外線照射に代えて、第3テーブル10に搬送後、第2移載ロール11による移載前の第2基材30に紫外線照射を行ってもよい。
【0073】
〔第2受取工程及び第2提供工程〕
第2基材30に載置された電子部品15は、第2移載ロール11を用いて、第4テーブル12の上に載置された第3基材40に移載される。ここでは、電子機器の製造装置が備える制御部50は、第2搬送装置9に、複数の電子部品15が表面に保持される第2基材30を第3テーブル10に搬送させる。そして、制御部50は、第2移載ロール11に、第2基材30の第2表面34の第2軸X3と交差する別の軸X4と第2移載ロール11の第2回転軸X5とが直交する位置に移動させ、第2基材30の第2表面34に保持される複数の電子部品15を第2移載ロール11の表面36で受け取らせる。
【0074】
具体的に説明すると、第2受取工程及び第2提供工程において、図2に示すように、第2基材30の第2表面34の第2軸X3と交差する別の軸X4と第2移載ロール11の第2回転軸X5とが直交するように第2基材30及び第2移載ロール11を配置する。また、第3基材40における第3軸X6と第2移載ロール11の第2回転軸X5とが直交するように第3基材40及び第2移載ロール11を配置する。そのため、第2基材30における別の軸X4と第3基材40における第3軸X6とは平行になっている。
【0075】
次に、第2基材30と第2移載ロール11との間で、図5及び図6を参照して説明した第1受取工程及び第1提供工程と同様の手順の第2受取工程及び第2提供工程が行われる。この第2受取工程と第2提供工程とが行われることで、第2基材30における別の軸X4に沿った方向での電子部品15同士の間隔に対して第3基材40における第3軸X6に沿った方向での電子部品15同士の間隔が異なる。
【0076】
具体的に説明すると、第3テーブル10に、第2基材30を真空吸着する。そして、第2基材30と第2移載ロール11との間で第2受取工程が行われる。具体的に説明すると、先ず、電子部品15を表面36に保持する第2移載ロール11の第2回転軸X5と第2基材30の第2表面34に平行な別の軸X4とが直交するように第2移載ロール11及び第2基材30を配置する。つまり、この時点では、第2基材30の第2シート33の粘着力(0.5kg/25mm以下)は、第2移載ロール11に設けられるシート35の粘着力(2kg/25mm以上)よりも小さく設定されている。その結果、電子部品15が第2基材30の第2シート33及び第2移載ロール11のシート35に挟まれて両者に接触する状態になった場合、電子部品15は第2移載ロール11のシート35の方により強く付着することになる。
【0077】
そして、第2移載ロール11を降下させて、第2移載ロール11の表面36の最下部と第2基材30の第2表面34との間隔を、第2基材30の第2表面34に載置される電子部品15が第2移載ロール11の表面36の最下部に接触する程度にさせる。そして、第2基材30を移動させながら、第2移載ロール11を回転させる。この場合、第2基材30の第2表面34及び第2移載ロール11に挟まれて両者に接触した電子部品15は、第2移載ロール11の方に強く付着する。その結果、第2基材30に保持されていた電子部品15が第2移載ロール11の表面36に順次移載される。
【0078】
この場合、別の軸X4に沿った方向での第2移載ロール11に対する第2基材30の第2表面34の相対速度と第2移載ロール11の回転による表面速度との間に差を設けることもできる。そうすると、第2基材30の第2表面34に載置されていた、第2基材30における別の軸X4に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔に対して、第2移載ロール11の表面36に付着した複数の電子部品15の周方向での間隔を異ならせることができる。例えば、第2基材30の第2表面34と第2移載ロール11の表面36とが最も接近した付近において、第2基材30の第2表面34の速度よりも、第2移載ロール11の表面36の速度を速くすると、第2基材30の第2表面34に載置されていた上記別の軸X4に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔よりも、第2移載ロール11の表面36に付着した複数の電子部品15の周方向での間隔の方が広くなる。
【0079】
第2基材30の第2表面34に載置されていた電子部品15を第2移載ロール11の表面36へ移載した後、第2基材30及び第2移載ロール11を停止させる。そして、第2移載ロール11を上昇させて、第2移載ロール11と第2基材30との間隔を大きくする。
【0080】
このようにして電子部品15を第2移載ロール11の表面36に保持させた後、第2移載ロール11のシート35の粘着力低減処理としての紫外線照射が行われる。その結果、第2移載ロール11の表面36の粘着力が例えば、0.5kg/25mm以下などになる。また、第3基材40の第3シート41の粘着力は例えば2kg/25mm以上である。つまり、この時点では、第2移載ロール11に設けられるシート35の粘着力(0.5kg/25mm以下)は、第3基材40の第3シート41の粘着力(2kg/25mm以上)よりも小さい。その結果、後述するように電子部品15が第2移載ロール11及び第3基材40の第3表面42の間に両者に接触する状態になった場合、電子部品15は第3基材40の第3表面42の方により強く付着することになる。
【0081】
次に、電子機器の製造装置が備える制御部50は、第3搬送装置13に、回路基板を第4テーブル12に搬送させる。そして、制御部50は、複数の電子部品15が表面に保持される第2移載ロール11に、第2移載ロール11の第2回転軸X5と回路基板の第3表面42に平行な第3軸X6とが直交する位置に移動させ、第2移載ロール11の表面36に保持される複数の電子部品15を回路基板の第3表面42へ提供させる。具体的に説明すると、第3基材保管部14に保管されている第3基材40が第3搬送装置13を用いて第4テーブル12に搬送される。そして、電子部品15が表面36に設けられる第2移載ロール11の第2回転軸X5と、第4テーブル12に載置される第3基材40の第3表面42に平行な第3軸X6とが直交するように第2移載ロール11及び第3基材40を配置する。第3テーブル10は、載置された第3基材40を真空吸着するなどして保持する。
【0082】
次に、第2移載ロール11と第3基材40との間で第2提供工程が行われる。具体的に説明すると、第2移載ロール11を降下させて、第2移載ロール11の表面36の最下部と第3基材40の第3表面42との間隔を、第3基材40の第3表面42が第2移載ロール11の表面36の最下部に付着している電子部品15に接触する程度にさせる。そして、第3基材40を移動させながら、第2移載ロール11を回転させる。この場合、第3基材40の第3表面42及び第2移載ロール11に挟まれて両者に接触した電子部品15は、第3基材40の方に強く付着する。その結果、第2移載ロール11に保持されていた電子部品15が第3基材40の第2表面34に順次移載される。
【0083】
この場合、第3軸X6に沿った方向での第2移載ロール11に対する第3基材40の第2表面34の相対速度と第2移載ロール11の回転による表面速度との間に差を設けることもできる。そうすると、第2移載ロール11の表面36に付着していた複数の電子部品15同士の周方向での間隔に対して、第3基材40の第3表面42に付着した複数の電子部品15の第3軸X6に沿った方向での間隔を異ならせることができる。特に、第3基材40の第3表面42と第2移載ロール11の表面36とが最も接近した付近において、第3基材40の第3表面42の速度の方を、第2移載ロール11の表面36の速度よりも速くすると、第3基材40の第3表面42に付着した複数の電子部品15同士の間隔の方が、第2移載ロール11の表面36に付着していた複数の電子部品15の周方向での間隔の方よりも広くなる。
【0084】
以上のようにして第2移載ロール11の表面36に付着していた電子部品15を第3基材40の第3表面42へ移載した後、第3基材40及び第2移載ロール11を停止させる。そして、第2移載ロール11を上昇させて、第2移載ロール11と第3基材40との間隔を大きくする。
【0085】
以上のような第2受取工程及び第2提供工程が行われることで、図2に示すように、第2基材30における上記別の軸X4に沿った方向での電子部品15同士の間隔drに対して第3基材40における第3軸X6に沿った方向での電子部品15同士の間隔drを異ならせることができる。
【0086】
尚、第2受取工程及び第2提供工程の少なくとも一方により、第2基材30における別の軸X4に沿った方向での電子部品15同士の間隔に対して第3基材40における第3軸X6に沿った方向での電子部品15同士の間隔を異ならせればよい。例えば、第2受取工程において別の軸X4に沿った方向での第2移載ロール11に対する第2基材30の第2表面34の相対速度と第2移載ロール11の表面36の回転による表面速度との間に差を設けること、及び、第2提供工程において第3軸X6に沿った方向での第2移載ロール11に対する第3基材40の第3表面42の相対速度と第2移載ロール11の表面36の回転による表面速度との間に差を設けること、の少なくとも一方を行えばよい。
【0087】
以上のように、第1受取工程及び第1提供工程によって、第1基材20における第1軸X1に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔に対して、それらの電子部品15が移載された第2基材30における第2軸X3に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔を異ならせることができる。また、第2受取工程及び第2提供工程によって、第2基材30における別の軸X4に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔に対して、それらの電子部品15が移載された第3基材40における第3軸X6に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔を異ならせることができる。つまり、第1受取工程、第1提供工程、第2受取工程、及び第2提供工程により、当初は第1基材20に載置されていた複数の電子部品15の間隔が、交差する2つの軸に沿った方向で変更されて、第3基材40の第3表面42に載置される。
【0088】
また、第2基材30における第2軸X3と別の軸X4とのなす角度が90度であるので、第1基材20が保持していた複数の電子部品15は、第1基材20の第1軸X1に沿った方向での間隔dcが変更され、且つ、第1軸X1と直交する軸に沿った方向での間隔drが変更された状態で、最終的に第3基材40に移載される。
【0089】
加えて、第1受取工程及び第1提供工程で配置されている場合の第1基材20の第1軸X1と第2基材30の第2軸X3とは互いに平行であり、第2受取工程及び第2提供工程で配置されている場合の第2基材30の別の軸X4と第3基材40の第3軸X6とは互いに平行である。そして、第1提供工程と第2受取工程との間に、第2基材30を90度回転させる基材回転工程が行われるため、第1受取工程及び第1提供工程において第1基材20と第1移載ロール4と第2基材30とが並んでいるライン、即ち第1基材20の第1軸X1及び第2基材30の第2軸X3に平行なラインと、第2受取工程及び第2提供工程において第2基材30と第2移載ロール11と第3基材40とが並んでいるライン、即ち第2基材30の別の軸X4及び第3基材40の第3軸X6に平行なラインとが、互いに平行に設置される。そして、図1及び図2に示したように、電子部品15が、第1基材20から、第1移載ローラ、第2基材30、第2移載ローラ、第3基材40へと順に移載される経路を、U字型にすることができる。そのため、その経路をコンパクトにまとめることができる。
【0090】
<第2実施形態>
第2実施形態は、電子部品15の移載の手順が上記実施形態と異なっている。以下に第2実施形態について説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0091】
図7図11は、第1受取工程を説明する図である。
第1受取工程、即ち、第1移載ロール4が第1基材20から電子部品15を受け取る工程において、第1軸X1に沿った方向での第1基材20及び第1移載ロール4の移動を停止させ且つ第1移載ロール4の回転を停止させた状態で第1基材20と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに近づけて、電子部品15が第1基材20の第1表面24及び第1移載ロール4の表面26の両方に接触した状態にさせる工程(後述する第1工程)と、第1基材20の第1表面24及び第1移載ロール4の表面26の両方に接触していた電子部品15を、第1基材20と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに遠ざけることで第1移載ロール4に保持させる工程(後述する第2工程)と、第1軸X1に沿った方向での第1基材20と第1移載ロール4との位置関係を変化させ且つ第1移載ロール4を回転させる工程(後述する第3工程)と、を順に繰り返し行うことが実行される。
【0092】
具体的に説明すると、先ず、上記実施形態で説明したのと同様に、第1基材20の第1シート23に粘着力低減処理としての紫外線照射を行って粘着力を低下させておく。
【0093】
次に、図7に示すように、第1工程では、第1軸X1に沿った方向での第1基材20及び第1移載ロール4の移動を停止させ且つ第1移載ロール4の回転を停止させた状態で第1基材20と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに近づけて、電子部品15が第1基材20の第1表面24及び第1移載ロール4の表面26の両方に接触した状態にさせる。図示する例では、第1基材20の第1軸X1に沿った方向で、第1移載ロール4の最下点25aと、複数の電子部品15の内の受取対象とする電子部品15aとが所定の距離d1だけ間隔を空けた状態で、第1移載ロール4を降下させる。その結果、先ず、第1移載ロール4は、最下点25aから距離d1だけ離れた位置で電子部品15aの端部と線接触する。そして、第1移載ロール4の降下が進むにつれて両者は線接触から面接触へと移行し、接触面積が大きくなった状態で第1移載ロール4の降下が停止される。
【0094】
次に、図8に示すように、第2工程では、第1基材20の第1表面24及び第1移載ロール4の表面26の両方に接触していた電子部品15を、第1基材20と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに遠ざけることで第1移載ロール4に保持させる。つまり、第1工程で第1移載ロール4の表面26に接触していた電子部品15aのみが、第1基材20から第1移載ロール4へと移載された状態になる。図示する例では、第1移載ロール4を上昇させることで、第1基材20と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに遠ざけている。
【0095】
次に、図9に示すように、第3工程では、第1軸X1に沿った方向での第1基材20と第1移載ロール4との位置関係を変化させ且つ第1移載ロール4を回転させる。図示する例では、第1基材20を第1軸X1に沿って図9の右側方向に移動させることで第1軸X1に沿った方向での第1基材20と第1移載ロール4との位置関係を変化させ、且つ、第1移載ロール4を反時計回りに回転させる。例えば、第1テーブル3によって第1基材20を所定距離だけ移動させ、第1移載ロール4を所定の回転角だけ回転させる。それにより、図7を参照して説明したのと同様に、第1基材20の第1軸X1に沿った方向で、第1移載ロール4の最下点25aと次に受取対象となる電子部品15aとが所定の距離d1だけ間隔を空けた状態になる。
【0096】
その後、図10に示すように、上記第1工程が再び行われる。つまり、第1移載ロール4を降下させることで、第1基材20と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに近づけて、電子部品15が第1基材20の第1表面24及び第1移載ロール4の表面26の両方に接触した状態にさせる。そして、図11に示すように、第1基材20と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに遠ざける第2工程を再び行うことで、第1工程で第1移載ロール4の表面26に接触した電子部品15が、第1基材20から第1移載ロール4へと移載された状態になる。
【0097】
このように、第1受取工程において上述した第1工程と第2工程と第3工程とが順に繰り返し行われることで、第1基材20の移動及び第1移載ロール4の回転を停止する毎に、第1基材20から第1移載ロール4へと一部の電子部品15、即ち、第1基材20に保持されている複数の電子部品15のうち、第1移載ロール4の第1回転軸X2に平行な方向に沿って並んでいる一群の電子部品15がまとめて移載される。そして、第1基材20から第1移載ロール4へと一部の電子部品15を移載し、第1基材20と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに遠ざけた後で、第1移載ロール4の回転が行われる。つまり、第1基材20と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに遠ざけた状態で第1移載ロール4を回転させる場合の回転角を調節すれば、第1移載ロール4の表面26に移載される複数の電子部品15の周方向での間隔を調節できる。
【0098】
同様に、第1提供工程、即ち、第1移載ロール4が第2基材30へ電子部品15を提供する工程において、第2軸X3に沿った方向での第2基材30及び第1移載ロール4の移動を停止させ且つ第1移載ロール4の回転を停止させた状態で第2基材30と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに近づけて、電子部品15が第2基材30の第2表面34及び第1移載ロール4の表面26の両方に接触した状態にさせる工程((後述する第4工程))と、第2基材30の第2表面34及び第1移載ロール4の表面26の両方に接触していた電子部品15を、第2基材30と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに遠ざけることで第2基材30に保持させる工程((後述する第5工程))と、第2軸X3に沿った方向での第2基材30と第1移載ロール4との位置関係を変化させ且つ第1移載ロール4を回転させる工程(後述する第6工程)と、を順に繰り返し行うことが実行される。
【0099】
図12図14は、第1提供工程を説明する図である。
具体的に説明すると、先ず、上記実施形態でも説明したのと同様に、第1移載ロール4のシート25に粘着力低減処理としての紫外線照射を行って粘着力を低下させておく。
【0100】
次に、図12に示すように、第4工程では、第2軸X3に沿った方向での第2基材30及び第1移載ロール4の移動を停止させ且つ第1移載ロール4の回転を停止させた状態で第2基材30と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに近づけて、電子部品15が第2基材30の第2表面34及び第1移載ロール4の表面26の両方に接触した状態にさせる。この場合、第2基材30の第2軸X3に沿った方向で、第1移載ロール4の最下点25aと、複数の電子部品15の内の提供対象とする電子部品15bとが所定の距離d2だけ間隔を空けた状態で、第1移載ロール4を降下させる。その結果、先ず、第1移載ロール4に保持されている提供対象とする電子部品15bは、最下点25aから距離d2だけ離れた位置で第2基材30の第2表面34と線接触する。そして、第1移載ロール4の降下が進むにつれて両者は線接触から面接触へと移行し、接触面積が大きくなった状態で第1移載ロール4の降下が停止される。
【0101】
次に、図13に示すように、第5工程では、第2基材30の第2表面34及び第1移載ロール4の表面26の両方に接触していた電子部品15を、第2基材30と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに遠ざけることで第2基材30に保持させる。つまり、第4工程で第2基材30の第2表面34に接触していた電子部品15bのみが、第1移載ロール4から第2基材30へと移載された状態になる。図示する例では、第1移載ロール4を上昇させることで、第2基材30と第1移載ロール4とを鉛直方向で互いに遠ざけている。
【0102】
次に、図14に示すように、第6工程では、第2軸X3に沿った方向での第2基材30と第1移載ロール4との位置関係を変化させ且つ第1移載ロール4を回転させる。図示する例では、第2基材30を第2軸X3に沿って図14の右側方向に移動させることで第2軸X3に沿った方向での第2基材30と第1移載ロール4との位置関係を変化させ、且つ、第1移載ロール4を反時計回りに回転させる。例えば、第2テーブル5によって第2基材30を所定距離だけ移動させ、第1移載ロール4を所定の回転角だけ回転させる。それにより、図12を参照して説明したのと同様に、第2基材30の第2軸X3に沿った方向で、第1移載ロール4の最下点25aと次に提供対象となる電子部品15bとが所定の距離d2だけ間隔を空けた状態になる。
【0103】
このように、第1提供工程において上述した第4工程と第5工程と第6工程とが順に繰り返し行われることで、第2基材30の移動及び第1移載ロール4の回転を停止する毎に、第1移載ロール4から第2基材30へと一部の電子部品15、即ち、第1移載ロール4に保持されている複数の電子部品15のうち、第1移載ロール4の第1回転軸X2に平行な方向に沿って並んでいる一群の電子部品15がまとめて移載される。そして、第1移載ロール4から第2基材30へと一部の電子部品15を移載し、第1移載ロール4と第2基材30とを鉛直方向で互いに遠ざけた後で、第2基材30の移動と第1移載ロール4の回転とが行われる。つまり、第1移載ロール4と第2基材30とを鉛直方向で互いに遠ざけた状態での第2基材30の移動距離を調節すれば、第2基材30の第2表面34に移載される複数の電子部品15の第2軸X3に沿った方向での間隔を調節できる。
【0104】
尚、第1基材20における第1軸X1に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔に対して第2基材30における第2軸X3に沿った方向での複数の電子部品15同士の間隔を異ならせるためには、第1受取工程において上述した複数の工程(即ち、第1工程、第2工程、第3工程)を順に繰り返し行うこと、並びに、第1提供工程において上述した複数の工程(即ち、第4工程、第5工程、第6工程)を順に繰り返し行うこと、の少なくとも一方を行えばよい。
【0105】
以上のように第1受取工程及び第1提供工程について説明したが、第2受取工程及び第2提供工程についても同様であり、具体的な説明は省略する。即ち、第2受取工程において、別の軸X4に沿った方向での第2基材30及び第2移載ロール11の移動を停止させ且つ第2移載ロール11の回転を停止させた状態で第2基材30と第2移載ロール11とを鉛直方向で互いに近づけて、電子部品15が第2基材30の第2表面34及び第2移載ロール11の表面36の両方に接触した状態にさせる工程と、第2基材30の第2表面34及び第2移載ロール11の表面36の両方に接触していた電子部品15を、第2基材30と第2移載ロール11とを鉛直方向で互いに遠ざけることで第2移載ロール11に保持させる工程と、別の軸X4に沿った方向での第2基材30と第2移載ロール11との位置関係を変化させ且つ第2移載ロール11を回転させる工程と、を順に繰り返し行うこと、並びに、第2提供工程において、第3軸X6に沿った方向での第3基材40及び第2移載ロール11の移動を停止させ且つ第2移載ロール11の回転を停止させた状態で第3基材40と第2移載ロール11とを鉛直方向で互いに近づけて、電子部品15が第3基材40の第3表面42及び第2移載ロール11の表面36の両方に接触した状態にさせる工程と、第3基材40の第3表面42及び第2移載ロール11の表面36の両方に接触していた電子部品15を、第3基材40と第2移載ロール11とを鉛直方向で互いに遠ざけることで第3基材40に保持させる工程と、第3軸X6に沿った方向での第3基材40と第2移載ロール11との位置関係を変化させ且つ第2移載ロール11を回転させる工程と、を順に繰り返し行うこと、の少なくとも一方を行えばよい。
【0106】
第2受取工程において上述した複数の工程を順に繰り返し行う場合、第2基材30の移動及び第2移載ロール11の回転を停止する毎に、第2基材30から第2移載ロール11へと一部の電子部品15、即ち、第2基材30に保持されている複数の電子部品15のうち、第2移載ロール11の第2回転軸X5に平行な方向に沿って並んでいる一群の電子部品15がまとめて移載される。そして、第2基材30から第2移載ロール11へと一部の電子部品15を移載し、第2基材30と第2移載ロール11とを鉛直方向で互いに遠ざけた後で、第2移載ロール11の回転が行われる。つまり、第2基材30と第2移載ロール11とを鉛直方向で互いに遠ざけた状態で第2移載ロール11を回転させる場合の回転角を調節すれば、第2移載ロール11の表面36に移載される複数の電子部品15の周方向での間隔を調節できる。
【0107】
また、第2提供工程において上述した複数の工程を順に繰り返し行う場合、第3基材40の移動及び第2移載ロール11の回転を停止する毎に、第2移載ロール11から第3基材40へと一部の電子部品15、即ち、第2移載ロール11に保持されている複数の電子部品15のうち、第2移載ロール11の第2回転軸X5に平行な方向に沿って並んでいる一群の電子部品15がまとめて移載される。そして、第2移載ロール11から第3基材40へと一部の電子部品15を移載し、第2移載ロール11と第3基材40とを鉛直方向で互いに遠ざけた後で、第3基材40の移動と第2移載ロール11の回転とが行われる。つまり、第2移載ロール11と第3基材40とを鉛直方向で互いに遠ざけた状態での第3基材40の移動距離を調節すれば、第3基材40の第3表面42に移載される複数の電子部品15の第3軸X6に沿った方向での間隔を調節できる。
【0108】
<第3実施形態>
第3実施形態は、第2移載ロール11及び第3基材40を設ける位置が上記実施形態と異なっている。以下に第3実施形態について説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0109】
図15は、電子部品15が移載される様子を説明する図である。上記実施形態では、電子部品15が載置された第2基材30が回転機構6によって90度回転される例を説明したが、本実施形態では回転機構6は設けられていない。この場合、第2基材30における第2軸X3と別の軸X4とのなす角度が90度であり、第1提供工程で配置されている場合の第2基材30の第2軸X3と、第2受取工程で配置されている場合の第2基材30の別の軸X4とが直交する。上記実施形態で説明したような第2基材30を回転させる工程は不要である。つまり、図15に示すように、電子部品15が、第1基材20から、第1移載ロール4、第2基材30、第2移載ロール11、第3基材40へと順に移載される経路を、L字型にすることができる。
【0110】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、電子部品移載装置の構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。また、上記実施形態では幾つかの数値例及び材料名を記載したが、それらは例示目的で記載したものであり、適宜変更可能である。
【0111】
例えば、1台の移載ロールを第1移載ロール4の位置及び第2移載ロール11の位置に水平移動させることで、その1台の移載ロールで第1移載ロール4及び第2移載ロール11の両方の役割を担わせてもよい。
他には、上記実施形態では、第1基材20、第2基材30及び第3基材40の構成について具体例を挙げて説明したが、それらの構成は上述した例に限定されず、適宜変更可能である。
他には、上記実施形態では、紫外線照射によって粘着力が低下する材料を用いる例を説明したが、他の材料を用いてもよい。例えば、熱を加えることで粘着力が低下する材料を用いてもよい。
【0112】
<2>
上記実施形態では、電子部品15が発光素子である場合について説明したが、他の種類の電子部品15を用いることもできる。例えば、電子部品15は、圧電素子、加速度センサー、NEMSやMEMS等を用いたマイクロデバイスチップ、電荷蓄積方式又はMRAM、FeRaM、PCM等の他の方式による記憶素子、スイッチング素子、マイコン等の演算処理デバイスチップなど、様々な素子であってもよい。
【0113】
<3>
上記実施形態において、第1受取工程及び第1提供工程で用いる第1移載ロール4は、第1回転軸X2に沿った方向に移動可能なアクチュエータを備えてもよい。そのような構成を採用した場合、図16に示すように、複数の電子部品15を千鳥配置することができる。即ち、第2基材30へ移載された電子部品15を、隣接する列毎に第1回転軸X2に沿った方向にずらすことができる。
【0114】
具体的に説明すると、第2実施形態で説明した電子部品移載方法を用いた場合、上記第3工程において、第1移載ロール4を第1回転軸X2に沿った方向に所定距離だけずらす。そうすると、次に行われる第1工程及び第2工程で第1移載ロール4に付着する電子部品15の列の位置は、それよりも前に第1移載ロール4に付着した電子部品15の列の位置とは第1回転軸X2に沿った方向にずれたものになる。そのようにして第1移載ロール4に付着した電子部品15を第2基材30に移載した場合、図16に示したような複数の電子部品15の配置が実現される。
【0115】
特に、上記第3工程が行われる毎に第1移載ロール4をずらす距離を一定にして且つずらす方向を逆方向にした場合、図16に示したような電子部品15の配置になる。尚、第1移載ロール4をずらす距離を上記第3工程が行われる毎に異ならせてもよい。
【0116】
同様に、上記第6工程で第1移載ロール4を第1回転軸X2に沿った方向に所定距離だけずらす手法を採用してもよく、又は、上記第3工程及び上記第6工程の両方で第1移載ロール4を第1回転軸X2に沿った方向に所定距離だけずらす手法を採用してもよい。
【0117】
或いは、第1移載ロール4を第1回転軸X2に沿った方向にずらすのではなく、第1テーブル3及び/又は第2テーブル5を第1回転軸X2に沿った方向にずらすアクチュエータを設けてもよい。この場合、第1テーブル3及び/又は第2テーブル5には、電子部品15の位置精度を確保するためのアライメント機構が設けられる。
【0118】
説明は省略するが、第2受取工程及び第2提供工程で用いられる第2移載ロール11に関しても同様である。つまり、第2移載ロール11は第2回転軸X5に沿った方向に移動可能なアクチュエータを備えてもよい。また、第3テーブル10及び/又は第4テーブル12を第2回転軸X5に沿った方向にずらすアクチュエータを設けてもよい。この場合、第3テーブル10及び/又は第4テーブル12には、電子部品15の位置精度を確保するためのアライメント機構が設けられる。
【0119】
<4>
上記第2実施形態において、受取対象とする電子部品15a及び提供対象とする電子部品15bをどれにするのかは適宜変更可能である。
例えば、図7では、第1基材20に保持されている最前列の電子部品15を受取対象とする電子部品15aとして第1移載ロール4に移載したが、それ以外の別の電子部品15を受取対象とする電子部品15aとしてもよい。つまり、第1基材20に保持されている全ての電子部品15を、受取対象とする電子部品15aとしなくてもよい。
同様に、図12では、第1移載ロール4に保持されている最前列の電子部品15を提供対象とする電子部品15bとして第2基材30に移載したが、それ以外の別の電子部品15を提供対象とする電子部品15bとしてもよい。つまり、第1移載ロール4に保持されている全ての電子部品15を、提供対象とする電子部品15bとしなくてもよい。
【0120】
<5>
上記実施形態において、例えば第1基材20に載置されている電子部品15の数が少ない場合などには、途中で第1基材20を入れ替えることで、複数の第1基材20から一つの第1移載ロール4に電子部品15を移載するようにしてもよい。
同様に、例えば第2基材30に載置されている電子部品15の数が少ない場合などには、途中で第2基材30を入れ替えることで、複数の第2基材30から一つの第2移載ロール11に電子部品15を移載するようにしてもよい。
【0121】
<6>
上記実施形態では、第1移載ロール4及び第2移載ロール11を鉛直方向に昇降させる例を説明したが、第1テーブル3、第2テーブル5、第3テーブル10及び第4テーブル12を昇降させることでもよい。或いは、各移載ロール及び各搬送テーブルの両方を昇降させてもよい。
同様に、第1テーブル3、第2テーブル5、第3テーブル10及び第4テーブル12を水平方向に移動させるのではなく、第1移載ロール4及び第2移載ロール11を水平方向に移動させてもよい。或いは、各移載ロール及び各搬送テーブルの両方を水平方向に移動させてもよい。
【0122】
<7>
上記実施形態では、第3基材40に粘着性を有する第3シート41が設けられている例を説明したが、別の構成を採用してもよい。例えば、第3基材40に第3シート41を設けず、第2移載ロール11に保持される電子部品15に対して粘着ペーストを塗布し、その粘着ペーストによって電子部品15と第3基材40とを付着させてもよい。尚、その粘着ペーストの粘着力は、第2移載ロール11に設けられるシート35の粘着力(例えば0.5kg/25mm以下など)よりも大きい必要がある。
【0123】
例えば、図17に示す電子部品移載装置では、第2移載ロール11と並行するペースト材料塗布用の塗布ロール18を設置している。この場合、第2移載ロール11に保持された電子部品15に対して塗布ロール18を接近させて、塗布ロール18から各電子部品15に導電性ペーストを塗布することができる。つまり、電子部品移載方法は、第2移載ロール11の表面36に保持される複数の電子部品15の電極部分に塗布ロール18で導電性ペーストを塗布する塗布工程を更に含む。この導電性ペーストは、例えば、粘着ペーストに銀、銅、ニッケル、ハンダ等の導電性金属を混合したものである。また、導電性ペーストを塗布する塗布工程は、第2受取工程において、電子部品15を第2移載ロール11で受け取る間に順次行ってもよいし、第2提供工程において、電子部品15を第2移載ロール11から提供する間に順次行ってもよいし、第2受取工程と第2提供工程の間に行ってもよい。
【0124】
<8>
上述した実施形態の第1受取工程及び第1提供工程では、第1移載ロール4に対し、第1軸X1に沿って第1基材20を移動させ、また、第2軸X3に沿って第2基材30を移動させることによって、電子部品15の間隔を変更する移載を行った。これに代えて、第1基材20に対し、第1軸X1に沿って第1移載ロール4を移動させ、また、第2基材30に対し、第2軸X3に沿って第1移載ロール4を移動させることによって、電子部品15の間隔を変更する移載を行ってもよい。
【0125】
<9>
上述した実施形態の第2受取工程及び第2提供工程では、第2移載ロール11に対し、別の軸X4に沿って第2基材30を移動させ、また、第3軸X6に沿って第3基材40を移動させることによって、電子部品15の間隔を変更する移載を行った。これに代えて、第2基材30に対し、別の軸X4に沿って第2移載ロール11を移動させ、また、第3基材40に対し、第3軸X6に沿って第2移載ロール11を移動させることによって、電子部品15の間隔を変更する移載を行ってもよい。
【0126】
<10>
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本開示の実施形態はこれに限定されず、本開示の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本開示は、電子部品の間隔を二次元方向に変更可能な電子部品移載方法、電子機器の製造方法、及び電子機器の製造装置に利用できる。
【符号の説明】
【0128】
3 :第1テーブル
4 :第1移載ロール
5 :第2テーブル
10 :第3テーブル
11 :第2移載ロール
12 :第4テーブル
15 :電子部品
20 :第1基材
24 :第1表面
26 :表面
30 :第2基材
34 :第2表面
36 :表面
40 :第3基材
42 :第3表面
50 :制御部
X1 :第1軸
X2 :第1回転軸
X3 :第2軸
X4 :別の軸
X5 :第2回転軸
X6 :第3軸
【要約】
【課題】電子部品間隔を二次元方向に変更可能な電子部品移載方法の提供。
【解決手段】電子部品移載方法が、第1基材20に保持される複数の電子部品15を第1移載ロール4で受け取る工程と、第1移載ロール4に保持される複数の電子部品15を第2基材30へ提供する工程との少なくとも一方により、第1基材20の第1軸X1に沿った方向での電子部品15の間隔に対して第2基材30の第2軸X3に沿った方向での電子部品15の間隔を異ならせ、第2基材30に保持される複数の電子部品15を第2移載ロール11で受け取る工程と、第2移載ロール11に保持される複数の電子部品15を第3基材40へ提供する工程との少なくとも一方により、第2基材30の別の軸X4に沿った方向での電子部品15の間隔に対して第3基材40の第3軸X6に沿った方向での電子部品15の間隔を異ならせる。
【選択図】図2
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