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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】オートフォーカスレンズユニット
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/09 20210101AFI20220701BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20220701BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20220701BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20220701BHJP
   G03B 17/17 20210101ALI20220701BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20220701BHJP
【FI】
G02B7/09
G02B7/04 E
G02B7/08 B
G03B5/00 J
G03B17/17
G03B30/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020543303
(86)(22)【出願日】2019-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2019089724
(87)【国際公開番号】W WO2020243861
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2020-08-13
(73)【特許権者】
【識別番号】519312957
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】李 林珍
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲継▼亮
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 晋
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0091193(US,A1)
【文献】特表2017-535808(JP,A)
【文献】国際公開第2009/096207(WO,A1)
【文献】中国実用新案第208766375(CN,U)
【文献】特表2021-520510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02-7/16
G03B 5/00
H04N 5/222-5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートフォーカスレンズユニットであって、
レンズと、第1ベースと、第2ベースと、1対の復帰構造とを備え、前記レンズは、前記第1ベース内に位置し、前記第2ベースは、底板と、前記底板から折り曲げて延在し、且つ通光孔を有する第1座体と、前記レンズの光軸の方向に前記第1座体と間隔を隔てて設けられる第2座体とを備え、前記第1ベースは、光軸の方向に前記第2座体にスライド可能に取り付けられ、前記第1ベースは、前記レンズの両側にそれぞれ位置する第1側板を備え、前記第2座体は、前記底板に接続され、且つそれぞれ前記第1側板の外側に位置する第2側板を備え、前記第1側板は、前記第2側板に対向する第1板体と、前記第1板体に接続されるとともに、折り曲げて前記第2側板の頂部まで延在する第2板体とを備え、前記レンズの両側には、それぞれ1つの前記復帰構造が設けられ、前記復帰構造は、一端が前記第1側板に接続され、且つ他端が前記第1座体に接続される弾性部材と、前記第2側板と前記第2板体との間に設けられる磁性鋼アセンブリと、前記第2側板と前記第2板体との間に設けられ、
前記オートフォーカスレンズユニットは、前記光軸の方向において順に設けられた防振用第1記憶合金ワイヤ及び防振用第2記憶合金ワイヤをさらに備え、
2つの前記第1側板のうちの一方を第1側壁と称し、他方を第2側壁と称すると、
前記防振用第1記憶合金ワイヤは、前記第1側壁に固定される第1固定端と、前記第1固定端から前記第2側壁の方向へ延在し、且つ前記レンズの上方に懸架される第1延在部と、前記レンズの前記第2側壁に近接する一方側に固定される第2固定端と、前記第2固定端から前記第1側壁の方向へ逆向きに延在し、且つ前記レンズの上方に懸架される第2延在部と、前記第2延在部に接続され、且つ前記第1側壁に固定される第3固定端とを備え、前記第1延在部と前記第2延在部との対称軸は、前記光軸に垂直であり、
前記防振用第2記憶合金ワイヤは、前記第2側壁に固定される第4固定端と、前記第4固定端から前記第1側壁の方向へ延在し、且つ前記レンズの上方に懸架される第3延在部と、前記レンズの前記第1側壁に近接する一方側に固定される第5固定端と、前記第5固定端から前記第2側壁の方向へ逆向きに延在し、且つ前記レンズの上方に懸架される第4延在部と、前記第4延在部に接続され、且つ前記第2側壁に固定される第6固定端とを備え、前記第3延在部と前記第4延在部との対称軸は、前記光軸に垂直であることを特徴とするオートフォーカスレンズユニット。
【請求項2】
前記弾性部材の光軸に垂直な方向における投影は、前記磁性鋼アセンブリの光軸に垂直な方向における投影と重ならないことを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項3】
前記第1側板の前記第1座体に向かう一方側には、第1フックが設けられ、前記第1座体の前記第1側板に向かう一方側には、第2フックが設けられ、前記弾性部材は、一端が前記第1フックに吊り下げられ、他端が前記第2フックに吊り下げられていることを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項4】
前記第2板体は、前記第1座体と共同して前記弾性部材を収容するための収容溝を形成し、前記第1フックは、収容溝の前記第1座体に向かう壁面に設けられ、前記第2フックは、収容溝の前記第2板体に向かう壁面に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項5】
前記磁性鋼アセンブリは、前記第2側板の前記第2板体に向かう一方側に設けられる第1磁性鋼と、前記第2板体の前記第2側板に向かう一方側に設けられる第2磁性鋼とを備えることを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項6】
前記第2側板の前記第2板体に向かう一方側には、第1凹溝が設けられ、前記第1磁性鋼は、前記第1凹溝に嵌設され、第2板体の前記第2側板に向かう一方側には、第2凹溝が設けられ、前記第2磁性鋼は、前記第2凹溝に嵌設されていることを特徴とする請求項5に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項7】
各前記磁性鋼アセンブリの両側には、いずれも前記案内構造が設けられていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項8】
各前記案内構造は、光軸方向に前記第2側板に凹設される第1ガイド溝と、光軸方向に前記第2板体に凹設される第2ガイド溝と、前記第1ガイド溝と前記第2ガイド溝との間に嵌設されるボールとを備えることを特徴とする請求項7に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項9】
前記弾性部材と前記磁性鋼アセンブリとの間には、前記案内構造が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のオートフォーカスレンズユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ光学防振及びオートフォーカス分野に関し、特にオートフォーカスレンズユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータのような携帯端末機には、いずれも高性能レンズモジュールが搭載されている。この高性能レンズモジュールは、一般的にオートフォーカス機能(auto focusing)及び光学防振機能(OIS:optical image stabilization)を有する。
【0003】
従来のカメラレンズモジュールのオートフォーカス機能は、ボイスコイルモータがレンズを駆動することでオートフォーカスを実現し、オートフォーカス後、ボイスコイルモータが再びレンズを駆動することで、レンズを初期位置に戻させる。しかしながら、このような構成のレンズ構造は、複雑であり、レンズモジュールの小型化が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、上記問題を解決するために、新たなカメラレンズモジュールを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、コンパクトかつ簡単な構成で、小型化の設計を図れるオートフォーカスレンズユニットを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の目的は、以下の技術案によって達成される。
【0007】
オートフォーカスレンズユニットであって、レンズと、第1ベースと、第2ベースと、1対の復帰構造とを備え、前記レンズは、前記第1ベース内に位置し、前記第2ベースは、底板と、前記底板から折り曲げて延在し、且つ通光孔を有する第1座体と、前記レンズの光軸の方向に前記第1座体と間隔を隔てて設けられる第2座体とを備え、前記第1ベースは、光軸の方向に前記第2座体にスライド可能に取り付けられ、前記第1ベースは、前記レンズの両側にそれぞれ位置する第1側板を備え、前記第2座体は、前記底板に接続され、且つそれぞれ前記第1側板の外側に位置する第2側板を備え、前記第1側板は、前記第2側板に対向する第1板体と、前記第1板体に接続されるとともに、折り曲げて前記第2側板の頂部まで延在する第2板体とを備え、前記レンズの両側には、それぞれ1つの前記復帰構造が設けられ、前記復帰構造は、一端が前記第1側板に接続され、且つ他端が前記第1座体に接続される弾性部材と、前記第2側板と前記第2板体との間に設けられる磁性鋼アセンブリと、前記第2側板と前記第2板体との間に設けられる案内構造とを備える。
【0008】
1種の改良方式として、前記弾性部材の光軸に垂直な方向における投影は、前記磁性鋼アセンブリの光軸に垂直な方向における投影と重ならない。
【0009】
1種の改良方式として、前記第1側板の前記第1座体に向かう一方側には、第1フックが設けられ、前記第1座体の前記第1側板に向かう一方側には、第2フックが設けられ、前記弾性部材は、一端が前記第1フックに吊り下げられ、他端が前記第2フックに吊り下げられている。
【0010】
1種の改良方式として、前記第2板体は、前記第1座体と共同して前記弾性部材を収容するための収容溝を形成し、前記第1フックは、収容溝の前記第1座体に向かう壁面に設けられ、前記第2フックは、収容溝の前記第2板体に向かう壁面に設けられている。
【0011】
1種の改良方式として、前記磁性鋼アセンブリは、前記第2側板の前記第2板体に向かう一方側に設けられる第1磁性鋼と、前記第2板体の前記第2側板に向かう一方側に設けられる第2磁性鋼とを備える。
【0012】
1種の改良方式として、前記第2側板の前記第2板体に向かう一方側には、第1凹溝が設けられ、前記第1磁性鋼は、前記第1凹溝に嵌設され、第2板体の前記第2側板に向かう一方側には、第2凹溝が設けられ、前記第2磁性鋼は、前記第2凹溝に嵌設されている。
【0013】
1種の改良方式として、各前記磁性鋼アセンブリの両側には、いずれも前記案内構造が設けられている。
【0014】
1種の改良方式として、各前記案内構造は、光軸方向に前記第2側板に凹設される第1ガイド溝と、光軸方向に前記第2板体に凹設される第2ガイド溝と、前記第1ガイド溝と前記第2ガイド溝との間に嵌設されるボールとを備える。
【0015】
1種の改良方式として、前記弾性部材と前記磁性鋼アセンブリとの間には、前記案内構造が設けられている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態では、従来技術に対して、弾性部材が磁性鋼アセンブリと協働してずれた第1ベースを案内構造による案内の下で初期位置に戻すように設けられることによって、従来のボイスコイルモータを用いた方式に対して、当該設計方式の復帰構造では、構造が簡単であり、そして、弾性部材の一端が第1側板に接続され、且つ他端が第1座体に接続され、磁性鋼アセンブリ及び案内構造がいずれも第2側板と第2板体との間に位置することによって、復帰構造、第1ベース、第2ベース及びレンズから構成される全体構造は、非常にコンパクトであり、レンズユニット全体の寸法が小さくすること可能となり、小型化の設計を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例に係るレンズモジュールの部分分解概略図である。
図2】本発明の実施例に係るレンズユニットの立体構成概略図である。
図3】本発明の実施例に係るレンズユニットの平面図である。
図4図3に示すA-Aにおける断面模式図である。
図5】本発明の実施例に係るレンズユニットの分解概略図である。
図6図5に示すB箇所における部分拡大模式図である。
図7】第1記憶合金ワイヤ及び第2記憶合金ワイヤの構成概略図である。
図8】第1ベースの構成概略図である。
図9】第1ベースの別の角度から見た構成概略図である。
図10】第2ベースの別の角度から見た構成概略図である。
図11】本発明の実施例に係るレンズ、第1ベース及び回路板が組み合わせた立体構成概略図である。
図12】本発明の実施例に係るレンズ、第1ベース及び回路板が組み合わせた平面図である。
図13図12に示すC-Cにおける断面模式図である。
図14図11に示す構造の分解概略図である。
図15図11に示す構造の別の角度から見た分解概略図である。
図16】第1記憶合金ワイヤ及び第2記憶合金ワイヤの構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面及び実施形態に合わせて本発明をさらに説明する。
【0019】
図1を参照すると、本発明の実施例は、レンズモジュール400を提供し、レンズモジュール400は、オートフォーカス及び光学防振を実現可能なレンズユニット100と、外ケース300とを備え、外ケース300は、上ケース301及び下ケース302を備え、上ケース301と下ケース302とは、囲んでレンズユニット100を収容するための収容空間を形成する。上ケース301と下ケース302は、いずれもレンズユニット100にスナップフィット接続され、具体的に、レンズユニット100の両側には、いずれも有係止ブロック303が凸設され、上ケース301及び下ケース302の両側には、いずれも係止口304が設けられ、上ケース301と下ケース302とは、係止ブロック303と係止口304との係合により、レンズユニット100にスナップフィット接続されている。
【0020】
図2~10を参照すると、本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、レンズ11と、第1ベース12と、第2ベース13と、1対の弾性部材14と、第1記憶合金ワイヤ16と、第2記憶合金ワイヤ17とを備える。レンズ11は、第1ベース12内に位置し、第2ベース13は、底板131と、底板131から延在し、且つ通光孔132を有する第1座体133と、レンズ11の光軸Sの方向に第1座体133と間隔を隔てて設けられる第2座体134とを備え、第1ベース12は、光軸Sの方向に第2座体134にスライド可能に取り付けられ、第1ベース12は、第1座体133と第2座体134との間まで延在する延在アーム12aを備える。2つの弾性部材14は、それぞれレンズ11の両側に設けられ、弾性部材14の一端は、第1ベース12に接続され、弾性部材14の他端は、第1座体133に接続され、2つ弾性部材14は対称に設けられ、第1記憶合金ワイヤ16と第2記憶合金ワイヤ17は、レンズ11の両側に対称に設けられ、第1記憶合金ワイヤ16は、第2座体134に固定される第1固定部161と、第1固定部161から延在アーム12aの方向へ延在する第1接続部162と、延在アーム12aに固定される第2固定部163と、第2固定部163から第2座体134方向へ逆向きに延在する第2接続部164と、第2接続部164に接続され、且つ第2座体134に固定される第3固定部165とを備え、第1接続部162と第2接続部164との対称軸は、レンズ11の光軸Sに平行であり、第2記憶合金ワイヤ17は、第2座体134に固定される第4固定部171と、第4固定部171から延在アーム12aの方向へ延在する第3接続部172と、延在アーム12aに固定される第5固定部173と、第5固定部173から第2座体134の方向へ逆向きに延在する第4接続部174と、第4接続部174に接続され、且つ第2座体134に固定される第6固定部175と、を備え、第3接続部172と第4接続部174との対称軸は、レンズ11の光軸Sに平行である。
【0021】
初期のとき、第1ベース12は、第2ベース13の初期位置に位置し、即ち、レンズ11は、予め設定された初期位置に位置し、この際、弾性部材14は、伸張状態にあり、弾性部材14は、プレテンションを有し、第1記憶合金ワイヤ16及び第2記憶合金ワイヤ17は、緊張状態にある。フォーカスを行うとき、第1記憶合金ワイヤ16及び第2記憶合金ワイヤ17に電流を投入して、第1接続部162、第2接続部164、第3接続部172及び第4接続部174は通電されて、長さが収縮することで、第1ベース12が第2ベース13に対してレンズ11の光軸S方向に変位するように第1ベース12を引っ張って、第1ベース12がレンズ11を動かして第2ベース13に対して相対的に変位することによって、レンズ11のフォーカスを行い、この際、弾性部材14は、変形がより大きい伸張状態にあり、フォーカスが完了後、電流を切断すると、弾性部材14は、第1ベース12を引っ張ってそれを初期位置に戻させて、レンズ11は、第1ベース12とともに初期位置に戻す。
【0022】
当該実施形態では、第1記憶合金ワイヤ16及び第2記憶合金ワイヤ17が通電されて変形することで、レンズ11を動かして光軸Sの方向に移動してレンズ11のオートフォーカスを行うように設けられることによって、従来のコイル制御を用いた方式に対して、このような駆動の設置方式では、簡単な構造で、取り付けに便利であり、レンズユニット100の小型化設計を図れることができ、さらに、このような設計方式では、第1記憶合金ワイヤ16及び第2記憶合金ワイヤ17は、レンズ11を変位駆動する過程で大きな歪み力を受けることなく、十分な駆動力を提供することを可能にすることができる。
【0023】
本実施例の1種の改良方式として、第1接続部162と第2接続部164とは、夾角をなして設けられ、第1接続部162と第2接続部164との夾角は、9.1°±2°であり、好ましくは、9.1°である。なお、第1接続部162と第2接続部164との夾角は、上記角度値に設定されることに限らず、他の角度に設定されてもよく、一般的に、夾角が小さいほど、第1記憶合金ワイヤ16の受ける歪みも小さくなるが、受ける応力が大きくなり、具体的に実際の設計需要に応じて夾角の大きさを決めればよい。
【0024】
本実施例の1種の改良方式として、第3接続部172と第4接続部174とは、夾角をなして設けられ、第3接続部172と第4接続部174との夾角は、9.1°±2°であり、好ましくは、9.1°である。なお、第3接続部172と第4接続部174との夾角は、上記角度値に設定されることに限らず、他の角度に設定されてもよく、一般的に、夾角が小さいほど、第2記憶合金ワイヤ17の受ける歪みも小さくなるが、受ける応力が大きくなり、具体的に実際の設計需要に応じて夾角の大きさを決めればよい。
【0025】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、間隔を隔てて第2座体134の一方側に取り付けられる2つの第1接続端子18をさらに備え、第1固定部161と第3固定部165とは、それぞれ2つの第1接続端子18に接続されている。好ましくは、それぞれの第1接続端子18は、第1挟持部181と、第1挟持部181の一端から折り曲げて逆向きに延在する第2挟持部182とを備え、第1固定部161又は第3固定部165は、第1挟持部181と第2挟持部182との間に挟持固定され、この接続方式は、後述にも流用される。当該第1接続端子18を設けることで、第1記憶合金ワイヤ16と第2ベース13との接続が容易になり、一方で、第1記憶合金ワイヤ16と回路との接続が容易になる。理解できるように、レンズユニット100は、当該第1接続端子18が設けられなくてもよく、第1記憶合金ワイヤ16の両端は、他の接続方式で第2ベース13に固定されてもよい。
【0026】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、間隔を隔てて第2座体134の他方側に設けられる2つの第2接続端子19をさらに備え、第4固定部171と第6固定部175とは、それぞれ2つの第2接続端子19に接続されている。当該第2接続端子19を設けることで、第2記憶合金ワイヤ17と第2ベース13との接続が容易になり、一方で、第2記憶合金ワイヤ17と回路との接続が容易になる。理解できるように、レンズユニット100は、第2接続端子19が設けられなくてもよく、第2記憶合金ワイヤ17の両端は、他の接続方式で第2ベース13に固定されてもよい。
【0027】
本実施例の1種の改良方式として、第1ベース12の一方側に位置する延在アーム12aには、第1突柱121が凸設され、第2固定部163は、第1突柱121に嵌着されている。好ましくは、第1突柱121のレンズ11から離れる一端は、大きい直径を有し、これによって、第1記憶合金ワイヤ16の中部が第1突柱121から脱落することを防止することができる。
【0028】
本実施例の1種の改良方式として、第1ベース12の他方側に位置する延在アーム12aには、第2突柱122が凸設され、第5固定部173は、第2突柱122に嵌着されている。好ましくは、第2突柱122のレンズ11から離れる一端は、大きい直径を有し、これによって、第2記憶合金ワイヤ17の中部が第2突柱122から脱落することを防止することができる。
【0029】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、回路板20をさらに備え、回路板20は、一方の第2座体134に貼り付けられる第1延在部201と、他方の第2座体134に貼り付けられる第2延在部202とを備え、第1固定部161及び第3固定部165は、第1延在部201により第2座体134に間接固定され、第4固定部171及び第6固定部175は、第2延在部202により第2座体134に間接固定されている。第1固定部161及び第3固定部165は、第1接続端子18により回路板20の第1延在部201に固定され、第4固定部171及び第6固定部175は、第2接続端子19により回路板20の第2延在部202に固定されることによって、回路板20と、第1記憶合金ワイヤ16及び第2記憶合金ワイヤ17との間の回路導通を実現する。
【0030】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、第1ベース12と第2座体134との間に設けられ、フォーカス後のレンズ11及び第1ベース12を初期位置に戻すための復帰構造21をさらに備え、第1ベース12は、それぞれレンズ11の両側に位置する第1側板123を備え、第2座体134は、底板131に接続され、それぞれ第1側板123の外側に位置する第2側板135を備え、第1側板123は、第2側板135に対向する第1板体124と、第1板体124に接続されるとともに、折り曲げて第2側板135の頂部まで延在する第2板体125とを備え、レンズ11の両側に、それぞれ1つの復帰構造21が設けられ、復帰構造21は、上記弾性部材14と、第2側板135と第2板体125との間に設けられる磁性鋼アセンブリ212と、第2側板135と第2板体125との間に設けられる案内構造213とを備え、弾性部材14は、一端が第1側板123に接続され、且つ他端が第1座体133に接続されている。本実施例では、弾性部材14が磁性鋼アセンブリ212と協働して、ずれた第1ベース12を案内構造213による案内の下で初期位置まで動かして戻すように設けられることによって、従来のボイスコイルモータを用いた方式に対して、このような設計方式の復帰構造21では、構造が簡単であり、また、弾性部材14の一端が第1側板123に接続され、且つ他端が第1座体133に接続され、磁性鋼アセンブリ212及び案内構造213がいずれも第2側板135と第2板体125との間に位置するように設けられることによって、復帰構造14、第1ベース12、第2ベース13及びレンズ11から構成される全体構造は、非常にコンパクトであり、レンズユニット100全体の寸法を小さくすることが可能であり、小型化の設計を図ることができる。
【0031】
本実施例の1種の改良方式として、弾性部材14の光軸Sに垂直な方向における投影は、磁性鋼アセンブリ212の光軸Sに垂直な方向における投影と重ならない。
【0032】
本実施例の1種の改良方式として、第1側板123の第1座体133に向かう一方側には、第1フック22が設けられ、第1座体133の第1側板123に向かう一方側には、第2フック23が設けられ、弾性部材14は、一端が第1フック22に吊り下げられ、他端が第2フック23に吊り下げられている。
【0033】
本実施例の1種の改良方式として、第2板体125は、第1座体133とともに、弾性部材14を収容するための収容溝24を形成し、第1フック22は、収容溝24の第1座体133に向かう壁面に設けられ、第2フック23は、収容溝24の第2板体125に向かう壁面に設けられている。収容溝24を設けることによって、弾性部材14は、収容溝24に収容可能であり、レンズユニット100の全体構造は、よりコンパクトであり、寸法をより小さくすることが可能であり、小型化の設計を図ることができる。
【0034】
本実施例の1種の改良方式として、磁性鋼アセンブリ212は、第2側板135の第2板体125に向かう一方側に設けられる第1磁性鋼212aと、第2板体125の第2側板135に向かう一方側に設けられる第2磁性鋼212bとを備える。レンズ11が初期位置に位置すると、第1磁性鋼212aと第2磁性鋼212bとが正対して設けられ、第1記憶合金ワイヤ16及び第2記憶合金ワイヤ17によって第1ベース12が第2ベース13に対して変位するように引っ張られると、第1磁性鋼212aと第2磁性鋼212bとが位置ずれを起こし、第1記憶合金ワイヤ16及び第2記憶合金ワイヤ17が電流を遮断すると、第1磁性鋼212a及び第2磁性鋼121bが磁力作用によって、弾性部材14の弾性引張力の作用と協働して第1ベース12及びレンズ11を初期位置に引き戻す。
【0035】
本実施例の1種の改良方式として、第2側板135の第2板体125に向かう一方側には、第1凹溝136が設けられ、第1磁性鋼212aは、第1凹溝136に嵌設され、第2板体125の第2側板135に向かう一方側には、第2凹溝126が設けられ、第2磁性鋼212bは、第2凹溝126に嵌設されている。第1磁性鋼212aを収容するための第1凹溝136を設け、第2磁性鋼212bを収容するための第2凹溝126を設けることによって、レンズユニット100の空間の合理的な利用を図ることができ、レンズユニット100がよりコンパクトになる。
【0036】
本実施例の1種の改良方式として、各前記磁性鋼アセンブリ212の両側には、いずれも案内構造213が設けられている。各前記案内構造213は、光軸S方向に第2側板135に凹設される第1ガイド溝213aと、光軸S方向に第2板体125に凹設される第2ガイド溝213bと、第1ガイド溝213aと第2ガイド溝213bとの間に嵌設されるボール213cとを備える。磁性鋼アセンブリ212の両側にいずれも案内構造213を設けることによって、第2側板135と第2板体125とが相対的に摺動する際の摩擦力を低減させることができ、第1ベース12のずれ及び復帰がより敏感になる。
【0037】
本実施例の1種の改良方式として、弾性部材14と磁性鋼アセンブリ212との間には、案内構造213が設けられている。
【0038】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、第1ベース12の光軸S方向における移動距離を検出するフォーカス検出機構25をさらに備え、フォーカス検出機構25は、第2ベース13に設けられる第5磁性鋼251と、第1ベース12に設けられるとともに、第5磁性鋼251に位置合わすせて設けられる第1ホールセンサ252とを備える。当該フォーカス検出機構25は、第1記憶合金ワイヤ16及び第2記憶合金ワイヤ17に流す電流を制御することによって、レンズ11がフォーカス位置に正確に到達できるように、第1ベース12の第2ベース13に向かったずれ量の大きさを検出して、レンズ11の結像品質を向上させる。第1ホールセンサ252は、回路板20により第1ベース12に間接取り付けられ、具体的に、回路板20の第1延在部201は、第1ベース12の第1側板123の第1座体133に向かう表面まで延在し、第1ホールセンサ252は、第1延在部201に接続され、第5磁性鋼251は、第1座体133に取り付けられている。
【0039】
図11~16を参照すると、本実施例の1種の改良方式として、区別するために、2つの第1側板123のうちの一方を第1側壁123aと称し、他方を第2側壁123bと称すると、レンズユニット100は、第1記憶合金ワイヤ26及び第2記憶合金ワイヤ27をさらに備え、レンズ11は、第1側壁123aと第2側壁123bとの間に位置し、第1記憶合金ワイヤ26は、第1側壁123aに固定される第1固定端261と、第1固定端261から第2側壁123bの方向へ延在し、且つレンズ11の上方に懸架される第1延在部262と、レンズ11の第2側壁123bに近接する一方側に固定される第2固定端263と、第2固定端263から第1側壁123aの方向へ逆向きに延在し、且つレンズ11の上方に懸架される第2延在部264と、第2延在部264に接続され、且つ第1側壁123aに固定される第3固定端265とを備え、第1延在部262と第2延在部264との対称軸は、光軸Sに垂直であり、第2記憶合金ワイヤ27は、第2側壁123bに固定される第4固定端271と、第4固定端271から第1側壁123aの方向へ延在し、且つレンズ11の上方に懸架される第3延在部272と、レンズ11の第1側壁123aに近接する一方側に固定される第5固定端273と、第5固定端273から第2側板124の方向へ逆向きに延在し、且つレンズ11の上方に懸架される第4延在部274と、第4延在部274に接続され、且つ第2側板124に固定される第6固定端275とを備え、第3延在部272と第4延在部274との対称軸は、光軸Sに垂直である。
【0040】
具体的に、レンズ11がずれていないとき、レンズ11が第1ベース12の初期位置に位置し、第1記憶合金ワイヤ26及び第2記憶合金ワイヤ27が弛緩状態にあり、レンズ11が第1側壁123a又は第2側壁123bに向かってずれたとき、例えば、レンズ11が第1側壁123aに向かってずれたとき、第2記憶合金ワイヤ27が引き伸ばされ、このとき、第2記憶合金ワイヤ27に電流を投入して、第2記憶合金ワイヤ27が通電によって発熱して、その自身の物理的特性に応じて変形し、長さが短縮して、レンズ11を初期位置に引き戻し、このようにレンズ11の光学防振を図る。
【0041】
当該実施形態では、第1記憶合金ワイヤ26及び第2記憶合金ワイヤ27が通電によって変形して、レンズ11が光軸Sに垂直な方向に移動するようにレンズ11を動くことによって、光学防振が図られるものであり、従来の防振コイルを用いた方式に対して、このような駆動の設置方式では、簡単な構造で、取り付けに便利であり、レンズユニット100の小型化設計を図ることができ、さらに、当該設計方式では、第1記憶合金ワイヤ26及び第2記憶合金ワイヤ27は、レンズ11を変位駆動する過程で大きな歪み力を受けることなく、十分な駆動力を提供することを可能にすることができる。
【0042】
第1延在部262と第2延在部264とは、夾角をなして設けられ、第1延在部262と第2延在部264との夾角は、10.4°±2°であり、好ましくは、10.4°である。なお、第1延在部262と第2延在部264との夾角は、上記角度値に設定されることに限らず、他の角度に設定されてもよく、一般的に、夾角が小さいほど、第1記憶合金ワイヤ26の受ける歪みも小さくなるが、受ける応力が大きくなり、具体的に実際の設計需要に応じて夾角の大きさを決めればよい。
【0043】
第3延在部272と第4延在部274とは、夾角をなして設けられ、第3延在部272と第4延在部274との夾角は、10.4°±2°であり、好ましくは、10.4°である。なお、第3延在部272と第4延在部274との夾角は、上記角度値に設定されることに限らず、他の角度に設定されてもよく、一般的に、夾角が小さいほど、第2記憶合金ワイヤ27の受ける歪みも小さくなるが、受ける応力が大きくなり、具体的に実際の設計需要に応じて夾角の大きさを決めればよい。
【0044】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、間隔を隔てて第1側壁123aに取り付けられる2つの第1接続端子28をさらに備え、第1記憶合金ワイヤ26の第1固定端261と第3固定端265は、それぞれ2つの第1接続端子28に接続されている。当該第1接続端子28を設けることによって、第1記憶合金ワイヤ26と第1側壁123aとの接続が容易になり、一方で、第1記憶合金ワイヤ26と回路との接続が容易になる。理解できるように、レンズユニット100は、当該第1接続端子28が設けられなくてもよく、第1記憶合金ワイヤ26の両端が、他の接続方式で第1側板123に固定されてもよい。
【0045】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、間隔を隔てて第2側壁123bに取り付けられる2つの第2接続端子29をさらに備え、第2記憶合金ワイヤ27の第4固定端271と第6固定端275は、それぞれ2つの第2接続端子29に接続されている。当該第2接続端子29を設けることによって、第2記憶合金ワイヤ27と第2側壁123bとの接続が容易になり、一方で、第2記憶合金ワイヤ20と回路との接続が容易になる。理解できるように、レンズユニット100は、当該第2接続端子29が設けられなくてもよく、第2記憶合金ワイヤ27の両端が、他の接続方式で第2側壁123bに固定されてもよい。
【0046】
本実施例の1種の改良方式として、レンズ11の第1側壁123aから離れる一方側には、第1凸柱111が凸設され、第1記憶合金ワイヤ26の第2固定端263は、第1凸柱111に吊り下げられている。好ましくは、第1凸柱111のレンズ11から離れる一端は、大きい直径を有し、これによって、第1記憶合金ワイヤ26が第1凸柱111から脱落することを防止することができる。
【0047】
本実施例の1種の改良方式として、レンズ11の第2側壁123bから離れる一方側には、第2凸柱112が凸設され、第2記憶合金ワイヤ27の第5固定部273は、第2凸柱112に吊り下げられている。好ましくは、第2凸柱112のレンズ11から離れる一端は、大きい直径を有し、これによって、第2記憶合金ワイヤ27が第2凸柱112から脱落することを防止することができる。
【0048】
本実施例の1種の改良方式として、回路板20は、第1側壁123aに貼り付けられる第1伸展部203と、第2側壁123bに貼り付けられる第2伸展部204とを備え、第1固定端261と第3固定端265は、第1伸展部203により第1側壁123aに間接固定され、第4固定端271と第6固定端275は、第2伸展部204により第2側壁123bに間接固定され、具体的に、第1固定端261と第3固定端265は、第1接続端子28により回路板20の第1伸展部203に固定され、第4固定端271と第6固定端275は、第2接続端子29により回路板20の第2伸展部204に固定されている。
【0049】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、レンズ11と第1ベース12との間に取り付けられ、第1記憶合金ワイヤ26及び第2記憶合金ワイヤ27と協働してずれたレンズ11を初期位置に戻させるための位置復帰構造30をさらに備える。
【0050】
第1側壁123a及び第2側壁123bには、いずれも第1凹溝127が設けられ、レンズ11の対向する両側に逆向きに第1凸出部113が凸設され、2つの第1凸出部113は、それぞれ2つの第1凹溝127に嵌設され、それぞれの第1凹溝127は、光軸S方向に間隔を隔てて設けられる第1側面128及び第2側面129を備え、それぞれの第1凸出部113は、第1側面128に対向設置される第1表面114と、第2側面129に対向設置される第2表面115とを備え、各グループの対向設置される第1表面114と第1側面128との間にいずれも位置復帰構造30が設けられ、それぞれの位置復帰構造30は、第1表面114に設けられる第6磁性鋼301と、第1側面128に設けられ、第6磁性鋼301と磁気吸着するための第7磁性鋼302とを備える。レンズ11が初期位置に位置するとき、第6磁性鋼301と第7磁性鋼302が正対して設けられ、レンズ11が第1側壁123a又は第2側壁123bに向かってずれたとき、例えば、レンズ11が第1側壁123aに向かってずれたとき、第6磁性鋼301と第7磁性鋼302とが位置ずれを起こし、第6磁性鋼301及び第7磁性鋼302が磁力作用によって通電後の第2記憶合金ワイヤ27と協働してレンズ11を初期位置に引き戻す。位置復帰構造30を設けることにより、第1記憶合金ワイヤ26及び第2記憶合金ワイヤ27が受ける応力を低減させることができる。
【0051】
本実施例の1種の改良方式として、それぞれの位置復帰構造30の両側には、いずれもガイド構造31が設けられ、それぞれのガイド構造31は、レンズ11の移動方向にレンズ11に凹設される第5ガイド溝311と、レンズ11の移動方向に第1ベース12に凹設される第6ガイド溝312と、第5ガイド溝311と第6ガイド溝312との間に嵌設される第3ボール313とを備える。当該ガイド構造31を設けることにより、レンズ11と第1ベース12とが相対的に移動する際の摩擦力を低減することができ、レンズ11の復帰がより迅速なものとなり、レンズ11防振のレスポンスがより敏感になる。第5ガイド溝311は、具体的にレンズ11の第1表面114に凹設され、第6ガイド溝312は、具体的に第1ベース12の第1側面128に凹設されている。
【0052】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、レンズ11が光軸Sに垂直な方向にずれることを検出するための防振検出機構32をさらに備える。当該防振検出機構32は、第1記憶合金ワイヤ26にそれとも第2記憶合金ワイヤ27に電流を流すことを制御するために、レンズ11が第1側壁123aに向かってずれたか、それとも第2側壁123bに向かってずれたかを検出するために用いられ、一方で、第1記憶合金ワイヤ26又は第2記憶合金ワイヤ27に流す電流を制御するために、レンズ11の第1側壁123a又は第2側壁123bに向かってずれた量の大きさを検出するために用いられ、これによって、レンズ11を初期位置に正確に引き戻すことができる。
【0053】
具体的に、防振検出機構32は、レンズ11に設けられる第8磁性鋼321と、回路板20に設けられるとともに、第8磁性鋼321に位置合わせて設けられる第2ホールセンサ322とを備える。
【0054】
レンズ11の第1側壁123aに向かう一方側には、第1凸出部113と間隔を隔てて設けられる第2凸出部116が凸設され、第8磁性鋼321は、第2凸出部116に取り付けられ、第1側壁123aの第2凸出部116に向かう面には、第2凸出部に対応する退避溝128が凹設されている。
【0055】
本実施例の1種の改良方式として、それぞれの第2側面129には、いずれもレンズ11が第2側面129に衝突して移動することを制限するストッパ33が設けられている。当該ストッパ33を設けることにより、当該レンズユニット100を搭載した機器が落下すると、レンズ11が第2側面に向かって大きく変位することによって、第1表面114と第1側面128との間隔が大きくなりすぎて、第3ボール313が第5ガイド溝311及び第6ガイド溝312から抜け出ることを防止することができる。
【0056】
本発明の実施例は、上記レンズユニットのオートフォーカス方法を提供し、当該方法は、2つの記憶合金ワイヤに電流を流し、それぞれの前記記憶合金ワイヤにおける前記第1接続部及び前記第2接続部が通電によって長さが収縮して、前記レンズ及び前記第1ベースが前記第2座体の方向へ変位するように引っ張られて、2つの前記弾性部材が弾性的に引っ張られて、前記レンズのフォーカスを実現することと、フォーカスが完了後、電流を切断し、2つの前記弾性部材が前記第1ベースを初期位置まで引き戻し、前記レンズが前記第1ベースとともに初期位置に戻すこととを含む。
【0057】
本発明の実施例は、レンズユニットの光学防振の方法をさらに提供し、当該方法は、前記レンズが前記第2側板に向かってずれたとき、前記第1記憶合金ワイヤが引き伸ばされ、前記第1記憶合金ワイヤに通電することにより、前記第1延在部及び前記第2延在部が通電によって長さが収縮して、前記レンズが前記第1側板に向かって初期位置まで変位するように引っ張られて、防振を図るステップと、前記レンズが前記第1側板に向かってずれたとき、前記第2記憶合金ワイヤが引き伸ばされ、前記第2記憶合金ワイヤに通電することにより、前記第3延在部及び前記第4延在部が通電によって長さが収縮して、前記レンズが前記第2側板に向かって初期位置まで変位するように引っ張られて、防振を図るステップとを含む。
【0058】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16