(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】粘着テープ
(51)【国際特許分類】
C09J 7/38 20180101AFI20220701BHJP
C09J 133/08 20060101ALI20220701BHJP
C09J 7/22 20180101ALI20220701BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J133/08
C09J7/22
(21)【出願番号】P 2018008572
(22)【出願日】2018-01-23
【審査請求日】2020-08-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】山成 悠介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】樋口 真覚
(72)【発明者】
【氏名】定司 健太
【審査官】松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-155969(JP,A)
【文献】特開2006-299071(JP,A)
【文献】特開2018-135453(JP,A)
【文献】特開2017-190432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層の少なくとも一方の側に粘着剤層を有する粘着テープであって、
該基材層の厚みが1μm~100μmであり、
該基材層がベースポリマーと着色剤を含み、
該ベースポリマーが熱可塑性エラストマーであり、
該基材層は発泡体ではなく、
該粘着剤層がアクリル系粘着剤を含み、
該アクリル系粘着剤は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含み、
該アクリル系ポリマーの合成に用いられる全モノマー成分に占めるアルキル(メタ)アクリレートの含有割合が70重量%以上であり、
該全モノマー成分が55重量%~95重量%の含有割合でn-ブチルアクリレートを含み、
該全モノマー成分が5重量%~45重量%の含有割合で2-エチルヘキシルアクリレートを含み、
該全モノマー成分が0.1重量%~10重量%の含有割合でカルボキシ基含有モノマーを含み、
該全モノマー成分が0.001重量%~10重量%の含有割合で水酸基含有モノマーを含み、
伸長度0%の状態の全光線透過率T1が20%以下であり、
伸長度100%の状態の全光線透過率T2が30%以下である、
粘着テープ。
【請求項2】
前記全光線透過率T1が10%以下である、請求項1に記載の粘着テープ。
【請求項3】
前記全光線透過率T2が25%以下である、請求項1または2に記載の粘着テープ。
【請求項4】
前記粘着剤層の厚みが1μm~500μmである、請求項1から3までのいずれかに記載の粘着テープ。
【請求項5】
前記ベースポリマー100重量部に対して前記着色剤を0.5重量部~10重量部の割合で含む、請求項1から4までのいずれかに記載の粘着テープ。
【請求項6】
前記熱可塑性エラストマーがポリウレタン熱可塑性エラストマーである、請求項1から5までのいずれかに記載の粘着テープ。
【請求項7】
前記粘着剤層が着色剤を含む、請求項1から
6までのいずれかに記載の粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンをはじめとする携帯電子機器の表示部材の厚みは年々薄くなってきている。このような薄い表示部材は、その薄さゆえに透けやすい。このため、薄い表示部材は、その背面に位置する支持体の凹凸や歪みの影響によって、視認性が悪化するという問題がある。
【0003】
ここで、携帯電子機器の内部における様々な形状の構造物の固定に、粘着テープが用いられている(例えば、特許文献1-3)。そこで、本発明者らは、上記の視認性悪化の問題を解決するための手段として、屈曲部材に貼り付けられる粘着テープについて着目した。すなわち、本発明者らは、屈曲部材に粘着テープを貼り付けることにより、薄い表示部材の背面に位置する支持体の凹凸や歪みの影響による視認性悪化を低減させることができないかについて検討した。しかし、従来の粘着テープは、屈曲が繰り返されると、引張応力が働くことによって屈曲部分の厚みが薄くなって透けやすくなる。このため、従来の粘着テープによっては、上記の視認性悪化の問題の解決には至らないことが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-165023号公報
【文献】特開2016-029155号公報
【文献】特開2016-113506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、引張応力が働いても透けにくい粘着テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の粘着テープは、
基材層の少なくとも一方の側に粘着剤層を有する粘着テープであって、
伸長度0%の状態の全光線透過率T1が20%以下であり、
伸長度100%の状態の全光線透過率T2が30%以下である。
【0007】
一つの実施形態においては、上記全光線透過率T1が10%以下である。
【0008】
一つの実施形態においては、上記全光線透過率T2が25%以下である。
【0009】
一つの実施形態においては、上記基材層の厚みが1μm~500μmである。
【0010】
一つの実施形態においては、上記粘着剤層の厚みが1μm~500μmである。
【0011】
一つの実施形態においては、上記基材層がベースポリマーと着色剤を含む。
【0012】
一つの実施形態においては、上記ベースポリマー100重量部に対して上記着色剤を0.5重量部~10重量部の割合で含む。
【0013】
一つの実施形態においては、上記ベースポリマーが熱可塑性エラストマーである。
【0014】
一つの実施形態においては、上記熱可塑性エラストマーがポリウレタン熱可塑性エラストマーである。
【0015】
一つの実施形態においては、上記粘着剤層が、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤から選ばれる少なくとも1種を含む。
【0016】
一つの実施形態においては、上記粘着剤層が着色剤を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、引張応力が働いても透けにくい粘着テープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の粘着テープが片面粘着テープである場合の一つの実施形態を示す概略断面図である。
【
図2】本発明の粘着テープが両面粘着テープである場合の一つの実施形態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
≪≪粘着テープ≫≫
本発明の粘着テープは、基材層の少なくとも一方の側に粘着剤層を有する粘着テープである。すなわち、本発明の粘着テープ1000は、
図1に示すように、基材層100の一方の側のみに粘着剤層200を有する粘着テープ(片面粘着テープ)であってもよいし、
図2に示すように、基材層100の両方の側に粘着剤層200a、200bを有する粘着テープ(両面粘着テープ)であってもよい。
【0020】
基材層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。基材層は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、1層である。
【0021】
粘着剤層は、基材層の一方の側に有する粘着剤層において、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。粘着剤層は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、1層である。
【0022】
本発明の粘着テープは、本発明の効果を損なわない範囲で、基材層と粘着剤層以外の、任意の適切な他の層を有していてもよい。
【0023】
本発明の粘着テープは、粘着剤層の基材層の反対側の表面に、使用するまでの保護等のために、任意の適切な剥離ライナーが備えられていてもよい。
【0024】
剥離ライナーとしては、例えば、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がシリコーン処理された剥離ライナー、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がポリオレフィン系樹脂によりラミネートされた剥離ライナーなどが挙げられる。ライナー基材としてのプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
【0025】
剥離ライナーの厚みは、好ましくは1μm~500μmであり、より好ましくは3μm~450μmであり、さらに好ましくは5μm~400μmであり、特に好ましくは10μm~300μmである。
【0026】
本発明の粘着テープは、総厚みが、好ましくは1μm~500μmであり、より好ましくは5μm~400μmであり、さらに好ましくは10μm~350μmであり、特に好ましくは15μm~300μmであり、最も好ましくは20μm~250μmである。本発明の粘着テープの総厚みが上記範囲内にあれば、本発明の効果をより発現させ得る。
【0027】
本発明の粘着テープは、伸長度0%の状態の全光線透過率T1が、好ましくは20%以下であり、より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、特に好ましくは8%以下であり、最も好ましくは5%以下である。本発明の粘着テープの伸長度0%の状態の全光線透過率T1の下限値は、好ましくは0%以上である。本発明の粘着テープの伸長度0%の状態の全光線透過率T1が上記範囲内にあれば、引張応力が実質的に働いていない状態において粘着テープが透けにくく、例えば、このような粘着テープを、薄い表示部材を有する携帯電子機器の内部の屈曲部材に貼り付けることにより、屈曲していない状態において、該薄い表示部材の背面に位置する支持体の凹凸や歪みの影響による該薄い表示部材の視認性悪化を低減させることができる。
【0028】
本発明の粘着テープは、伸長度100%の状態の全光線透過率T2が、好ましくは30%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは20%以下であり、特に好ましくは15%以下であり、最も好ましくは10%以下である。本発明の粘着テープの伸長度100%の状態の全光線透過率T2の下限値は、好ましくは0%以上である。本発明の粘着テープの伸長度100%の状態の全光線透過率T2が上記範囲内にあれば、引張応力が働いている状態において粘着テープが透けにくく、例えば、このような粘着テープを、薄い表示部材を有する携帯電子機器の内部の屈曲部材に貼り付けることにより、屈曲している状態において、該薄い表示部材の背面に位置する支持体の凹凸や歪みの影響による該薄い表示部材の視認性悪化を低減させることができる。
【0029】
本発明の粘着テープは、好ましくは、伸長度0%の状態の全光線透過率T1が上記範囲内にあり、且つ、伸長度100%の状態の全光線透過率T2が上記範囲内にある。本発明の粘着テープがこのような特性を有すれば、例えば、このような粘着テープを、薄い表示部材を有する携帯電子機器の内部の屈曲部材に貼り付けることにより、繰り返される屈曲のどのような状態においても、該薄い表示部材の背面に位置する支持体の凹凸や歪みの影響による該薄い表示部材の視認性悪化を低減させることができる。
【0030】
本発明の粘着テープは、伸長度50%の状態の全光線透過率が、好ましくは25%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは18%以下であり、特に好ましくは10%以下であり、最も好ましくは8%以下である。本発明の粘着テープの伸長度50%の状態の全光線透過率の下限値は、好ましくは0%以上である。本発明の粘着テープの伸長度50%の状態の全光線透過率が上記範囲内にあれば、引張応力が働いている状態において粘着テープが透けにくく、例えば、このような粘着テープを、薄い表示部材を有する携帯電子機器の内部の屈曲部材に貼り付けることにより、屈曲している状態において、該薄い表示部材の背面に位置する支持体の凹凸や歪みの影響による該薄い表示部材の視認性悪化を低減させることができる。
【0031】
≪基材層≫
基材層の厚みは、好ましくは1μm~500μmであり、より好ましくは5μm~300μmであり、さらに好ましくは10μm~200μmであり、特に好ましくは15μm~150μmであり、最も好ましくは20μm~100μmである。基材層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、引張応力が働いてもより透けにくい。
【0032】
基材層は、好ましくは、ベースポリマーと着色剤を含む。
【0033】
基材層中のベースポリマーと着色剤の合計の含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは80重量%~100重量%であり、さらに好ましくは90重量%~100重量%であり、特に好ましくは95重量%~100重量%であり、最も好ましくは98重量%~100重量%である。基材層中のベースポリマーと着色剤の合計の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、引張応力が働いてもより透けにくい。
【0034】
基材層中における着色剤の含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.5重量部~10重量部であり、より好ましくは1.0重量部~8.0重量部であり、さらに好ましくは1.5重量部~6.0重量部であり、特に好ましくは1.8重量部~4.0重量部であり、最も好ましくは2.0重量部~3.0重量部である。基材層中における着色剤の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、引張応力が働いてもより透けにくい。
【0035】
ベースポリマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なベースポリマーを採用し得る。このようなベースポリマーとしては、好ましくは、熱可塑性エラストマーである。ベースポリマーが熱可塑性エラストマーであれば、本発明の粘着テープは、引張応力が働いてもより透けにくい。ベースポリマーとして熱可塑性エラストマーを採用する場合、該熱可塑性エラストマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0036】
熱可塑性エラストマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な熱可塑性エラストマーを採用し得る。このような熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0037】
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPUと称する場合もある)を採用し得る。このようなポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、それを重合によって製造する際に用いられるポリオールの種類によって、例えば、エステルタイプのポリウレタン系熱可塑性エラストマー、エーテルタイプのポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0038】
エステルタイプのポリウレタン系熱可塑性エラストマーに用い得るポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHA)、ポリ3-メチルペンタンアジペート(PMPA)、ポリカプロラクトン(PCL)などのエステルタイプのポリオールが挙げられる。
【0039】
エーテルタイプのポリウレタン系熱可塑性エラストマーに用い得るポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロプレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などのエーテルタイプのポリオールが挙げられる。
【0040】
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリエステル系熱可塑性エラストマーを採用し得る。このようなポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントにポリブチレンテレフタレート(PBT)、ソフトセグメントにポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)を用いたポリエステル・エーテルタイプのポリエステル系熱可塑性エラストマー、ハードセグメントにポリブチレンテレフタレート(PBT)、ソフトセグメントにポリブチレンアジペート(PBA)を用いたポリエステル・エステルタイプのポリエステル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0041】
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリアミド系熱可塑性エラストマーを採用し得る。このようなポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントにナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ソフトセグメントにポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロプレングリコール(PPG)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などを用いたポリエーテルエステルタイプのポリアミド系熱可塑性エラストマー、ソフトセグメントにポリプロピレンジアミン、ポリブチレンジアミンなどを用いたポリエーテルアミドタイプのポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0042】
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを採用し得る。このようなポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントにポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、ソフトセグメントにエチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などのゴムを混合したものなどが挙げられる。
【0043】
ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリスチレン系熱可塑性エラストマーを採用し得る。このようなポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンブタジエン(SB)、スチレンブロック共重合体(SBC)などが挙げられる。
【0044】
着色剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な着色剤を採用し得る。着色剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このような着色剤としては、例えば、顔料、染料などが挙げられる。
【0045】
顔料としては、例えば、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、酸化鉄系顔料、水酸化鉄系顔料、酸化クロム系顔料、スピネル型焼成系顔料、クロム酸系顔料、クロムバーミリオン系顔料、紺青系顔料、アルミニウム粉末系顔料、ブロンズ粉末系顔料、銀粉末系顔料、リン酸カルシウム等の無機顔料;フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、アゾレーキ系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、アニリンブラック系顔料、トリフェニルメタン系顔料、カーボンブラック系顔料等の有機顔料;などが挙げられる。
【0046】
染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン、キノンフタロン、スチリル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、オキサジン、トリアジン、キサンタン、メタン、アゾメチン、アクリジン、ジアジンなどが挙げられる。
【0047】
着色剤としては、少量の着色剤により本発明の効果をより発現させ得る点で、黒色着色剤が好ましい。黒色着色剤としては、具体的には、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、松煙等)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライト等)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、アントラキノン系着色剤などが挙げられる。これらの黒色着色剤の中でも、本発明の効果をより一層発現させ得る点で、カーボンブラックがより好ましい。
【0048】
少量の着色剤により本発明の効果をより一層発現させ得る点で、着色剤としては、粒子状の着色剤(顔料)が好ましい。このような着色剤の一つの好ましい実施形態としては、カーボンブラック等の粒子状黒色着色剤が挙げられる。このような着色剤の平均粒径は、好ましくは10nm~500nmであり、より好ましくは10nm~120nmである。なお、本明細書中において「平均粒径」とは、特記しない限り、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布における積算値50%での粒径(50%体積平均粒子径であり、以下、D50と略記する場合もある)を指す。
【0049】
基材層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の添加剤を含んでいてもよい。このようなその他の添加剤としては、例えば、滑剤、老化防止剤、帯電防止剤、レベリング剤、架橋助剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤などが挙げられる。このようなその他の添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0050】
基材層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法によって形成し得る。このような形成方法としては、例えば、コーティング法、押出法などが挙げられる。
【0051】
基材層は、好ましくは、コーティング法によって形成される。コーティング法によって基剤層を形成すれば、基剤層の材料の溶液を一定の重量(厚み)で塗工することができ、塗工した溶液中の溶媒を揮発させることで、溶質のみの皮膜を形成させることができ、基剤層の材料の溶液の固形分濃度や溶液粘度を調整することで、厚みムラを小さくすることなどが可能となり、本発明の効果をより発現し得る。
【0052】
本発明の効果をより発現し得る点で、基剤層の材料の溶液は、その温度を10℃~40℃の範囲で、一定に保ちつつ塗工することが好ましい。
【0053】
基剤層の材料の溶液中におけるベースポリマーの濃度は、好ましくは10重量%~50重量%である。基剤層の材料の溶液中におけるベースポリマーの濃度が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、引張応力が働いてもより透けにくい。
【0054】
基剤層の材料の溶液の粘度は、好ましくは100mPa・s~50000mPa・sである。基剤層の材料の溶液の粘度が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、引張応力が働いてもより透けにくい。なお、粘度は、JIS-K7117-1にしたがって測定することができる。
【0055】
コーティング法で用いるコータとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なコータを採用し得る。このようなコータとしては、例えば、グラビアコータ、リバースロールコータ、キスコータ、ロールナイフコータ、ダイコータなどが挙げられる。これらのコータの中でも、塗工厚みの制御が比較的容易なことから、ロールナイフコータ、ダイコータが好ましい。ロールナイフコータであれば、バックアップロールとナイフロールの隙間を、ダイコータであれば、ダイ口の隙間とダイ内圧を、それぞれ一定にすることで、均一な塗工厚みにすることができる。
【0056】
基剤層の材料の溶液に含まれる溶媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な溶媒を採用し得る。このような溶媒としては、例えば、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、酢酸エチルなどが挙げられる。
【0057】
≪粘着剤層≫
粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm~500μmであり、より好ましくは3μm~300μmであり、さらに好ましくは5μm~200μmであり、特に好ましくは7μm~100μmであり、最も好ましくは10μm~70μmである。粘着剤層の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、引張応力が働いてもより透けにくい。
【0058】
粘着剤層は、好ましくは、ベースポリマーを含む。ベースポリマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。粘着剤層中のベースポリマーの含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは30重量%~95重量%であり、より好ましくは40重量%~90重量%であり、さらに好ましくは50重量%~80重量%である。
【0059】
粘着剤層は、着色剤を含んでいてもよい。粘着剤層が着色剤を含むことにより、本発明の粘着テープは、引張応力が働いてもより透けにくい。
【0060】
粘着剤層中における着色剤の含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.5重量部~10重量部であり、より好ましくは1.0重量部~8.0重量部であり、さらに好ましくは1.5重量部~6.0重量部であり、特に好ましくは1.8重量部~4.0重量部であり、最も好ましくは2.0重量部~3.0重量部である。粘着剤層中における着色剤の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の粘着テープは、引張応力が働いてもより透けにくい。
【0061】
着色剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な着色剤を採用し得る。着色剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このような着色剤としては、例えば、顔料、染料などが挙げられる。
【0062】
顔料としては、例えば、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、酸化鉄系顔料、水酸化鉄系顔料、酸化クロム系顔料、スピネル型焼成系顔料、クロム酸系顔料、クロムバーミリオン系顔料、紺青系顔料、アルミニウム粉末系顔料、ブロンズ粉末系顔料、銀粉末系顔料、リン酸カルシウム等の無機顔料;フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、アゾレーキ系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、アニリンブラック系顔料、トリフェニルメタン系顔料、カーボンブラック系顔料等の有機顔料;などが挙げられる。
【0063】
染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン、キノンフタロン、スチリル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、オキサジン、トリアジン、キサンタン、メタン、アゾメチン、アクリジン、ジアジンなどが挙げられる。
【0064】
着色剤としては、少量の着色剤により本発明の効果をより発現させ得る点で、黒色着色剤が好ましい。黒色着色剤としては、具体的には、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、松煙等)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライト等)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、アントラキノン系着色剤などが挙げられる。これらの黒色着色剤の中でも、本発明の効果をより一層発現させ得る点で、カーボンブラックがより好ましい。
【0065】
少量の着色剤により本発明の効果をより一層発現させ得る点で、着色剤としては、粒子状の着色剤(顔料)が好ましい。このような着色剤の一つの好ましい実施形態としては、カーボンブラック等の粒子状黒色着色剤が挙げられる。このような着色剤の平均粒径は、好ましくは10nm~500nmであり、より好ましくは10nm~120nmである。なお、本明細書中において「平均粒径」とは、特記しない限り、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布における積算値50%での粒径(50%体積平均粒子径であり、以下、D50と略記する場合もある)を指す。
【0066】
ベースポリマーとしては、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ウレタン系ポリマーから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。すなわち、粘着剤層は、好ましくは、アクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤、ゴム系ポリマーを含むゴム系粘着剤、シリコーン系ポリマーを含むシリコーン系粘着剤、ウレタン系ポリマーを含むウレタン系粘着剤から選ばれる少なくとも1種を含む。以下においては、代表例として、アクリル系粘着剤について詳述する。
【0067】
<アクリル系粘着剤>
アクリル系粘着剤は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含む。アクリル系粘着剤は、粘着付与樹脂を含んでいてもよい。アクリル系粘着剤は、架橋剤を含んでいてもよい。
【0068】
アクリル系粘着剤が、アクリル系ポリマーと粘着付与樹脂と架橋剤とを含む場合、アクリル系粘着剤の全量に対する、アクリル系ポリマーと粘着付与樹脂と架橋剤の合計量の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは95重量%以上であり、より好ましくは97重量%以上であり、さらに好ましくは99重量%以上である。
【0069】
(アクリル系ポリマー)
アクリル系ポリマーとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとして含み、該主モノマーと共重合性を有する副モノマーをさらに含み得るモノマー成分の重合物が好ましい。ここで主モノマーとは、モノマー成分全体の50重量%超を占める成分をいう。
【0070】
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物を好適に用いることができる。
CH2=C(R1)COOR2 (1)
【0071】
ここで、上記式(1)中のR1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素原子数1~20の鎖状アルキル基(以下、このような炭素原子数の範囲を「C1-20」と表すことがある)である。粘着剤層の貯蔵弾性率等の観点から、R2は、好ましくはC1-14の鎖状アルキル基であり、より好ましくはC2-10の鎖状アルキル基であり、さらに好ましくはC4-8の鎖状アルキル基である。ここで鎖状とは、直鎖状および分岐状を包含する意味である。
【0072】
R2がC1-20の鎖状アルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらアルキル(メタ)アクリレートは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0073】
アルキル(メタ)アクリレートとしては、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、n-ブチルアクリレート(BA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)が挙げられる。
【0074】
アクリル系ポリマーの合成に用いられる全モノマー成分に占めるアルキル(メタ)アクリレートの含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは85重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。アルキル(メタ)アクリレートの含有割合の上限は、好ましくは99.5重量%以下であり、より好ましくは99重量%以下である。しかしながら、アクリル系ポリマーは、実質的にアルキル(メタ)アクリレートのみを重合して得られたものであってもよい。
【0075】
R2がC4-8の鎖状アルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートを使用する場合、モノマー成分中に含まれるアルキル(メタ)アクリレートのうちR2がC4-8の鎖状アルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートの割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上であり、特に好ましくは95重量%以上であり、最も好ましくは99重量%~100重量%である。
【0076】
アクリル系ポリマーの一つの実施形態として、全モノマー成分の50重量%以上がn-ブチルアクリレート(BA)であるアクリル系ポリマーが挙げられる。この場合、全モノマー成分中のn-ブチルアクリレート(BA)の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは50重量%を超え100重量%以下であり、より好ましくは55重量%~95重量%であり、さらに好ましくは60重量%~90重量%であり、特に好ましくは63重量%~85重量%であり、最も好ましくは65重量%~80重量%である。全モノマー成分は、n-ブチルアクリレート(BA)より少ない割合で2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)をさらに含んでいてもよい。
【0077】
アクリル系ポリマーの一つの実施形態として、全モノマー成分の50重量%未満が2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)であるアクリル系ポリマーが挙げられる。この場合、全モノマー成分中の2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは0重量%を超え48重量%以下であり、より好ましくは5重量%~45重量%であり、さらに好ましくは10重量%~43重量%であり、特に好ましくは15重量%~40重量%であり、最も好ましくは20重量%~35重量%である。全モノマー成分は、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)より多い割合でさらにn-ブチルアクリレート(BA)を含んでいてもよい。
【0078】
アクリル系ポリマーには、本発明の効果を損なわない範囲で、その他モノマーが共重合されていてもよい。その他モノマーは、例えば、アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)の調整、粘着性能の調整等の目的で使用することができる。例えば、粘着剤の凝集力や耐熱性を向上させ得るモノマーとして、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステル類、芳香族ビニル化合物などが挙げられ、ビニルエステル類が好ましい。ビニルエステル類の具体例としては、例えば、酢酸ビニル(VAc)、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどが挙げられ、酢酸ビニル(VAc)が好ましい。
【0079】
「その他モノマー」は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。全モノマー成分中のその他モノマーの含有割合は、好ましくは0.001重量%~40重量%であり、より好ましくは0.01重量%~40重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%~10重量%であり、特に好ましくは0.5重量%~5重量%であり、最も好ましくは1重量%~3重量%である。
【0080】
アクリル系ポリマーに架橋基点となり得る官能基を導入し、あるいは接着力の向上に寄与し得るその他モノマーとして、例えば、水酸基(OH基)含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルエーテル類などが挙げられる。
【0081】
アクリル系ポリマーの一つの実施形態として、その他モノマーとしてカルボキシ基含有モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーが挙げられる。カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、カルボキシ基含有モノマーとして、好ましくは、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)が挙げられ、より好ましくは、アクリル酸(AA)である。
【0082】
その他モノマーとしてカルボキシ基含有モノマーを採用する場合、全モノマー成分中のその他モノマーの含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは0.1重量%~10重量%であり、より好ましくは0.2重量%~8重量%であり、さらに好ましくは0.5重量%~5重量%であり、特に好ましくは0.7重量%~4重量%であり、最も好ましくは1重量%~3重量%である。
【0083】
アクリル系ポリマーの一つの実施形態として、その他モノマーとして水酸基含有モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーが挙げられる。水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド;などが挙げられる。これらの中でも、水酸基含有モノマーとして、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、アルキル基が炭素原子数2~4の直鎖状であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)が挙げられ、より好ましくは、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)である。
【0084】
その他モノマーとして水酸基含有モノマーを採用する場合、全モノマー成分中のその他モノマーの含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは0.001重量%~10重量%であり、より好ましくは0.01重量%~5重量%であり、さらに好ましくは0.02重量%~2重量%であり、特に好ましくは0.03重量%~1重量%であり、最も好ましくは0.05重量%~0.5重量%である。
【0085】
ベースポリマーのTgは、本発明の効果をより発現させ得る点で、例えば、-80℃以上であり得る。ベースポリマー(好適にはアクリル系ポリマー)は、せん断方向に対する粘着剤層の変形性を高める観点から、Tgが、好ましくは-15℃以下となるように設計されている。いくつかの実施形態においては、ベースポリマーのTgは、例えば、好ましくは-25℃以下であり、より好ましくは-40℃以下であり、さらに好ましくは-50℃以下である。ベースポリマーのTgは、凝集性や形状復元性を高める観点から、例えば、Tgが、好ましくは-70℃以上(より好ましくは-65℃以上、さらに好ましくは-60℃以上)となるように設計されている。
【0086】
ベースポリマーのTgとは、ベースポリマーを構成する各モノマーの単独重合体(ホモポリマー)のTgおよび該モノマーの重量分率(重量基準の共重合割合)に基づいて、フォックス(Fox)の式から求められる値をいう。Foxの式とは、以下に示すように、共重合体のTgと、該共重合体を構成するモノマーのそれぞれを単独重合したホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
【0087】
上記Foxの式において、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、Wiは該共重合体におけるモノマーiの重量分率(重量基準の共重合割合)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。ホモポリマーのTgとしては、公知資料に記載の値を採用するものとする。
【0088】
ホモポリマーのTgとして、例えば、具体的には以下の値を用い得る。
2-エチルヘキシルアクリレート -70℃
n-ブチルアクリレート -55℃
アクリル酸 106℃
2-ヒドロキシエチルアクリレート -15℃
4-ヒドロキシブチルアクリレート -40℃
【0089】
上記で例示した以外のホモポリマーのTgについては、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons, Inc., 1989)に記載の数値を用いることができる。上記「Polymer Handbook」に複数の数値が記載されている場合は、conventionalの値を採用する。上記「Polymer Handbook」に記載のないモノマーについては、モノマー製造企業のカタログ値を採用する。上記「Polymer Handbook」に記載がなく、モノマー製造企業のカタログ値も提供されていないモノマーのホモポリマーのTgとしては、特開2007-51271号公報に記載の測定方法により得られる値を用いるものとする。
【0090】
アクリル系ポリマーを得る方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。これらの重合方法の中でも、溶液重合法を好ましく用いることができる。溶液重合を行う際のモノマー供給方法としては、モノマー成分の全量を一度に供給する一括仕込み方式、連続供給(滴下)方式、分割供給(滴下)方式等を適宜採用することができる。重合温度は、使用するモノマーおよび溶媒の種類、重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができ、好ましくは20℃以上であり、より好ましくは30℃以上であり、さらに好ましくは40℃以上であり、好ましくは170℃以下であり、より好ましくは160℃以下であり、さらに好ましくは140℃以下である。アクリル系ポリマーを得る方法としては、UV等の光を照射して行う光重合(典型的には、光重合開始剤の存在下で行われる)や、β線、γ線等の放射線を照射して行う放射線重合等の活性エネルギー線照射重合を採用してもよい。
【0091】
溶液重合に用いる溶媒(重合溶媒)としては、任意の適切な有機溶媒から適宜選択することができる。例えば、トルエン等の芳香族化合物類(典型的には、芳香族炭化水素類)、酢酸エチル等の酢酸エステル類、ヘキサンやシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素類などが挙げられる。
【0092】
重合に用いる開始剤(重合開始剤)は、重合方法の種類に応じて、任意の適切な重合開始剤から適宜選択することができる。重合開始剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このような重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ系重合開始剤;過硫酸カリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤;フェニル置換エタン等の置換エタン系開始剤;芳香族カルボニル化合物;などが挙げられる。重合開始剤の他の例としては、過酸化物と還元剤との組合せによるレドックス系開始剤が挙げられる。
【0093】
重合開始剤の使用量は、全モノマー成分100重量部に対して、好ましくは0.005重量部~1重量部であり、より好ましくは0.01重量部~1重量部である。
【0094】
アクリル系ポリマーのMwは、好ましくは10×104~500×104であり、より好ましくは10×104~150×104であり、さらに好ましくは20×104~75×104であり、特に好ましくは35×104~65×104である。ここでMwとは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により得られた標準ポリスチレン換算の値をいう。GPC装置としては、例えば機種名「HLC-8320GPC」(カラム:TSKgel GMH-H(S)、東ソー社製)を用いることができる。
【0095】
(粘着付与樹脂)
アクリル系粘着剤は、本発明の効果をより発現させ得る点で、粘着付与樹脂を含み得る。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0096】
粘着付与樹脂の使用量は、本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは5重量部~70重量部であり、より好ましくは10重量部~60重量部であり、さらに好ましくは15重量部~50重量部であり、さらに好ましくは20重量部~45重量部であり、特に好ましくは25重量部~40重量部であり、最も好ましくは25重量部~35重量部である。
【0097】
粘着付与樹脂は、本発明の効果をより発現させ得る点で、軟化点が105℃未満の粘着付与樹脂TLを含むことが好ましい。粘着付与樹脂TLは、粘着剤層の面方向(せん断方向)への変形性の向上に効果的に寄与し得る。より高い変形性向上効果を得る観点から、粘着付与樹脂TLとして用いられる粘着付与樹脂の軟化点は、好ましくは50℃~103℃であり、より好ましくは60℃~100℃であり、さらに好ましくは65℃~95℃であり、特に好ましくは70℃~90℃であり、最も好ましくは75℃~85℃である。
【0098】
粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K5902およびJIS K2207に規定する軟化点試験方法(環球法)に基づいて測定された値として定義される。具体的には、試料をできるだけ低温ですみやかに融解し、これを平らな金属板の上に置いた環の中に、泡ができないように注意して満たす。冷えたのち、少し加熱した小刀で環の上端を含む平面から盛り上がった部分を切り去る。つぎに、径85mm以上、高さ127mm以上のガラス容器(加熱浴)の中に支持器(環台)を入れ、グリセリンを深さ90mm以上となるまで注ぐ。つぎに、鋼球(径9.5mm、重量3.5g)と、試料を満たした環とを互いに接触しないようにしてグリセリン中に浸し、グリセリンの温度を20℃プラスマイナス5℃に15分間保つ。つぎに、環中の試料の表面の中央に鋼球をのせ、これを支持器の上の定位置に置く。つぎに、環の上端からグリセリン面までの距離を50mmに保ち、温度計を置き、温度計の水銀球の中心の位置を環の中心と同じ高さとし、容器を加熱する。加熱に用いるブンゼンバーナーの炎は、容器の底の中心と縁との中間にあたるようにし、加熱を均等にする。なお、加熱が始まってから40℃に達したのちの浴温の上昇する割合は、毎分5.0プラスマイナス0.5℃でなければならない。試料がしだいに軟化して環から流れ落ち、ついに底板に接触したときの温度を読み、これを軟化点とする。軟化点の測定は、同時に2個以上行い、その平均値を採用する。
【0099】
粘着付与樹脂TLの使用量としては、本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは5重量部~50重量部であり、より好ましくは10重量部~45重量部であり、さらに好ましくは15重量部~40重量部であり、特に好ましくは20重量部~35重量部であり、最も好ましくは25重量部~32重量部である。
【0100】
粘着付与樹脂TLとしては、上記で例示した粘着付与樹脂のうち、軟化点が105℃未満のものから適宜選択される1種または2種以上を採用し得る。粘着付与樹脂TLは、好ましくはロジン系樹脂を含む。
【0101】
粘着付与樹脂TLとして好ましく採用し得るロジン系樹脂としては、例えば、未変性ロジンエステルや変性ロジンエステル等のロジンエステル類などが挙げられる。変性ロジンエステルとしては、例えば、水素添加ロジンエステルが挙げられる。
【0102】
粘着付与樹脂TLは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、水素添加ロジンエステルを含む。水素添加ロジンエステルとしては、軟化点が、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは105℃未満であり、より好ましくは50℃~100℃であり、さらに好ましくは60℃~90℃であり、特に好ましくは70℃~85℃であり、最も好ましくは75℃~85℃である。
【0103】
粘着付与樹脂TLは、非水素添加ロジンエステルを含んでいてもよい。ここで非水素添加ロジンエステルとは、上述したロジンエステル類のうち水素添加ロジンエステル以外のものを包括的に指す概念である。非水素添加ロジンエステルとしては、未変性ロジンエステル、不均化ロジンエステル、重合ロジンエステルなどが挙げられる。
【0104】
非水素添加ロジンエステルとしては、軟化点が、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは105℃未満であり、より好ましくは50℃~100℃であり、さらに好ましくは60℃~90℃であり、特に好ましくは70℃~85℃であり、最も好ましくは75℃~85℃である。
【0105】
粘着付与樹脂TLは、ロジン系樹脂に加えて他の粘着付与樹脂を含んでいてもよい。他の粘着付与樹脂としては、上記で例示した粘着付与樹脂のうち、軟化点が105℃未満のものから適宜選択される1種または2種以上を採用し得る。粘着付与樹脂TLは、例えば、ロジン系樹脂とテルペン樹脂を含んでいてもよい。
【0106】
粘着付与樹脂TL全体に占めるロジン系樹脂の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは50重量%を超え、より好ましくは55重量%~100重量%であり、さらに好ましくは60重量%~99重量%であり、特に好ましくは65重量%~97重量%であり、最も好ましくは75重量%~97重量%である。
【0107】
粘着付与樹脂は、本発明の効果をより発現させ得る点で、粘着付与樹脂TLと、軟化点が105℃以上(好ましくは105℃~170℃)の粘着付与樹脂THを組み合わせて含んでいてもよい。
【0108】
粘着付与樹脂THとしては、上記で例示した粘着付与樹脂のうち軟化点が105℃以上のものから適宜選択される1種または2種以上を採用し得る。粘着付与樹脂THは、ロジン系粘着付与樹脂(例えば、ロジンエステル類)およびテルペン系粘着付与樹脂(例えば、テルペンフェノール樹脂)から選ばれる少なくとも1種を含み得る。
【0109】
(架橋剤)
アクリル系粘着剤には架橋剤を含有させることができる。架橋剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であてもよい。架橋剤の使用により、アクリル系粘着剤に適度な凝集力を付与することができる。架橋剤は、保持力試験におけるズレ距離および戻り距離の調節にも役立ち得る。架橋剤を含有するアクリル系粘着剤は、例えば、該架橋剤を含む粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成することにより得ることができる。架橋剤は、架橋反応後の形態、架橋反応前の形態、部分的に架橋反応した形態、これらの中間的または複合的な形態等でアクリル系粘着剤に含まれ得る。架橋剤は、典型的には、もっぱら架橋反応後の形態でアクリル系粘着剤に含まれている。
【0110】
架橋剤の使用量は、本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.005重量部~10重量部であり、より好ましくは0.01重量部~7重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部~5重量部であり、特に好ましくは0.1重量部~4重量部であり、最も好ましくは1重量部~3重量部である。
【0111】
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、シリコーン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、シラン系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、過酸化物等の架橋剤などが挙げられ、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤であり、より好ましくは、イソシアネート系架橋剤である。
【0112】
イソシアネート系架橋剤は、イソシアネート基(イソシアネート基をブロック剤または数量体化等により一時的に保護したイソシアネート再生型官能基を含む)を1分子中に2つ以上有する化合物を用いることができる。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;などが挙げられる。
【0113】
イソシアネート系架橋剤としては、より具体的には、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類;2,4-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー社製、商品名コロネートL)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー社製、商品名:コロネートHL)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(例えば、東ソー社製、商品名:コロネートHX)等のイソシアネート付加物;キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学社製、商品名:タケネートD110N)、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学社製、商品名:タケネートD120N)、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学社製、商品名:タケネートD140N)、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学社製、商品名:タケネートD160N);ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート、ならびにこれらと各種のポリオールとの付加物;イソシアヌレート結合、ビューレット結合、アロファネート結合等で多官能化したポリイソシアネート;などが挙げられる。これらの中でも、変形性と凝集力とをバランスよく両立し得る点で、芳香族イソシアネート、脂環式イソシアネートが好ましい。
【0114】
イソシアネート系架橋剤の使用量は、本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.005重量部~10重量部であり、より好ましくは0.01重量部~7重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部~5重量部であり、特に好ましくは0.1重量部~4重量部であり、最も好ましくは1重量部~3重量部である。
【0115】
アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分が水酸基含有モノマーを含む場合、本発明の効果をより発現させ得る点で、イソシアネート系架橋剤/水酸基含有モノマーの重量比が、好ましくは20を超えて50未満であり、より好ましくは22~45であり、さらに好ましくは25~40であり、特に好ましくは27~40であり、最も好ましくは30~35である。
【0116】
アクリル系粘着剤が軟化点105℃以下の粘着付与樹脂TLを含む場合、、本発明の効果をより発現させ得る点で、粘着付与樹脂TL/イソシアネート系架橋剤の重量比は、好ましくは2を超えて15未満であり、より好ましくは5~13であり、さらに好ましくは7~12であり、特に好ましくは7~11である。
【0117】
エポキシ系架橋剤としては、エポキシ基を1分子中に2つ以上有する多官能エポキシ化合物を用いることができる。エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール-S-ジグリシジルエーテル、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。エポキシ系架橋剤の市販品としては、例えば、三菱ガス化学社製の商品名「テトラッドC」、「テトラッドX」などが挙げられる。
【0118】
エポキシ系架橋剤の使用量は、本発明の効果をより発現させ得る点で、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.005重量部~10重量部であり、より好ましくは0.01重量部~5重量部であり、さらに好ましくは0.015重量部~1重量部であり、特に好ましくは0.15重量部~0.5重量部であり、最も好ましくは0.015重量部~0.3重量部である。
【0119】
(その他成分)
アクリル系粘着剤は、必要に応じて、レベリング剤、架橋助剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の、粘着剤の分野において一般的な各種の添加剤を含有してもよい。このような各種添加剤については、従来公知のものを常法により使用することができる。
【実施例】
【0120】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、それらに何ら制限されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、重量基準である。
【0121】
<全光線透過率>
粘着テープの一つの粘着剤層の面から剥離ライナーを剥離し、所定の伸長度まで引き延ばしたままの状態で、剥離ライナーが剥離された面の粘着剤層をスライドガラス(松浪硝子工業社製、商品名「S-1111」、全光線透過率=91.8%、ヘイズ=0.4%)にシワなく貼り合わせた。その後、粘着テープのもう一方の面に剥離ライナーが設けられている場合(例えば、両面粘着テープの場合)はそれを剥離し、試験片(構成:粘着テープ/スライドガラス)とした。作製した試験片の全光線透過率を、ヘイズメータ(村上色彩技術研究所製、商品名「HM-150」)を用いて測定した。
なお、伸長度とは、例えば、0%の場合は引き延ばさない場合を意味し、50%の場合は1.5倍に引き延ばす場合を意味し、100%の場合は2倍に引き延ばす場合を意味する。
【0122】
<厚み>
株式会社尾崎製作所製の膜厚測定器「ダイヤルゲージ0.001mm」を用いて、厚みを測定した。
【0123】
<粘度>
東機産業株式会社製の「Viscometer BH型粘度計」を用いて、ローターNo.3、10rpm、測定温度23℃にて測定を行った。
【0124】
〔実施例1〕
(基材層)
ベースポリマーとしてのエステルタイプのポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU):20.0部、黒色顔料(カーボンブラック、大日精化工業株式会社製、商品名「N-DYM8715ブラック」):0.5部(ベースポリマー100部に対して2.5部)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF):40部、メチルエチルケトン(MEK):40部を用いて溶液(1)を調製した。溶液温度を23.0℃、溶液粘度を5000mPa・sで、それぞれ一定に保ちながら、ダイコータを用いて、塗工膜の厚み設定を250μmとして、市販の剥離ライナー(住化加工紙社製、商品名「SLB-80W3D」)の剥離面の上に溶液(1)を一定厚みで塗工し、100℃で2分間乾燥させ、剥離ライナー上に厚みが50μmの基材層(1)を形成させ、剥離ライナーを剥離して、厚みが50μmの基材層(1)とした。
(粘着剤層)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管および冷却器を備えた反応容器に、モノマー成分としての2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA):30部、n-ブチルアクリレート(BA):70部、アクリル酸(AA):3部、および、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA):0.1部と、重合開始剤としての2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN):0.08部と、重合溶媒としての酢酸エチル:150部とを仕込み、65℃で8時間溶液重合してアクリル系ポリマー(1)の酢酸エチル溶液を得た。このアクリル系ポリマー(1)の重量平均分子量(Mw)は40×104であった。
上記酢酸エチル溶液に含まれるアクリル系ポリマー(1):100部に対し、粘着付与樹脂TA(ハリマ化成社製、水添ロジングリセリンエステル、商品名「ハリタック SE10」、軟化点75~85℃):30部、イソシアネート系架橋剤(東ソー製、商品名「コロネートL」)3.0部を加えて、粘着剤組成物(1)を調製した。
市販の剥離ライナー(住化加工紙社製、商品名「SLB-80W3D」)を2枚用意した。各剥離ライナーの一方の面(剥離面)に上記粘着剤組成物(1)を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、100℃で2分間乾燥させた。このようにして、粘着剤組成物(1)に対応するアクリル系粘着剤(1)により構成された厚み10μmの粘着剤層(1)(第一粘着剤層(1)および第二粘着剤層(1))を、上記2枚の剥離ライナーの剥離面上にそれぞれ形成した。
(粘着テープ)
基材層(1)の一方の面(第一面)およびもう一方の面(第二面)に、上記2枚の剥離ライナー上に形成された第一粘着剤層(1)および第二粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/第一粘着剤層(1)/基材層(1)/第二粘着剤層(1)/剥離ライナー)を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、両面粘着テープである粘着テープ(1)を得た。結果を表1に示した。
【0125】
〔実施例2〕
(基材層)
実施例1と同様にして、厚みが50μmの基材層(1)を準備した。
(粘着剤層)
剥離ライナーを1枚だけ用意した以外は実施例1と同様にして、厚み10μmの粘着剤層(1)を、剥離ライナーの剥離面上に形成した。
(粘着テープ)
基材層(1)の一方の面に、上記剥離ライナー上に形成された粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/粘着剤層(1)/基材層(1))を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、片面粘着テープである粘着テープ(2)を得た。結果を表1に示した。
【0126】
〔実施例3〕
(基材層)
実施例1と同様にして、厚みが50μmの基材層(1)を準備した。
(粘着剤層)
実施例1と同様にして、アクリル系ポリマー(1)の酢酸エチル溶液を準備した。
上記酢酸エチル溶液に含まれるアクリル系ポリマー(1):100部に対し、黒色顔料(カーボンブラック、大日精化工業株式会社製、商品名「N-DYM8715ブラック」):2部、粘着付与樹脂TA(ハリマ化成社製、水添ロジングリセリンエステル、商品名「ハリタック SE10」、軟化点75~85℃):30部、イソシアネート系架橋剤(東ソー製、商品名「コロネートL」)3.0部を加えて、粘着剤組成物(3)を調製した。
市販の剥離ライナー(住化加工紙社製、商品名「SLB-80W3D」)を2枚用意した。各剥離ライナーの一方の面(剥離面)に上記粘着剤組成物(3)を、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布し、100℃で2分間乾燥させた。このようにして、粘着剤組成物(3)に対応するアクリル系粘着剤(3)により構成された厚み35μmの粘着剤層(3)(第一粘着剤層(3)および第二粘着剤層(3))を、上記2枚の剥離ライナーの剥離面上にそれぞれ形成した。
(粘着テープ)
基材層(1)の一方の面(第一面)およびもう一方の面(第二面)に、上記2枚の剥離ライナー上に形成された第一粘着剤層(3)および第二粘着剤層(3)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/第一粘着剤層(3)/基材層(1)/第二粘着剤層(3)/剥離ライナー)を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、両面粘着テープである粘着テープ(3)を得た。結果を表1に示した。
【0127】
〔実施例4〕
(基材層)
実施例1と同様にして、厚みが50μmの基材層(1)を準備した。
(粘着剤層)
剥離ライナーを1枚だけ用意した以外は実施例3と同様にして、厚み35μmの粘着剤層(3)を、剥離ライナーの剥離面上に形成した。
(粘着テープ)
基材層(3)の一方の面に、上記剥離ライナー上に形成された粘着剤層(3)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/粘着剤層(3)/基材層(1))を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、片面粘着テープである粘着テープ(4)を得た。結果を表1に示した。
【0128】
〔比較例1〕
(基材層)
黒色顔料(カーボンブラック、大日精化工業株式会社製、商品名「N-DYM8715ブラック」)の量を0.1部(ベースポリマー100部に対して0.5部)に変更し、塗工膜の厚み設定を150μmとした以外は、実施例1と同様に行い、厚みが30μmの基材層(C1)を準備した。
(粘着剤層)
実施例1と同様にして、厚み10μmの粘着剤層(1)(第一粘着剤層(1)および第二粘着剤層(1))を、2枚の剥離ライナーの剥離面上にそれぞれ形成した。
(粘着テープ)
基材層(C1)の一方の面(第一面)およびもう一方の面(第二面)に、上記2枚の剥離ライナー上に形成された第一粘着剤層(1)および第二粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/第一粘着剤層(1)/基材層(C1)/第二粘着剤層(1)/剥離ライナー)を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、両面粘着テープである粘着テープ(C1)を得た。結果を表1に示した。
【0129】
〔比較例2〕
(基材層)
比較例1と同様にして、厚みが30μmの基材層(C1)を準備した。
(粘着剤層)
剥離ライナーを1枚だけ用意した以外は比較例1と同様にして、厚み10μmの粘着剤層(1)を、剥離ライナーの剥離面上に形成した。
(粘着テープ)
基材層(C1)の一方の面に、上記剥離ライナー上に形成された粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/粘着剤層(1)/基材層(C1))を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、片面粘着テープである粘着テープ(C2)を得た。結果を表1に示した。
【0130】
〔比較例3〕
黒色顔料(カーボンブラック、大日精化工業株式会社製、商品名「N-DYM8715ブラック」)の量を0.1部(ベースポリマー100部に対して0.5部)に変更した以外は、実施例1と同様に行い、厚みが50μmの基材層(C3)を準備した。
(粘着剤層)
実施例1と同様にして、厚み10μmの粘着剤層(1)(第一粘着剤層(1)および第二粘着剤層(1))を、2枚の剥離ライナーの剥離面上にそれぞれ形成した。
(粘着テープ)
基材層(C3)の一方の面(第一面)およびもう一方の面(第二面)に、上記2枚の剥離ライナー上に形成された第一粘着剤層(1)および第二粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/第一粘着剤層(1)/基材層(C3)/第二粘着剤層(1)/剥離ライナー)を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、両面粘着テープである粘着テープ(C3)を得た。結果を表1に示した。
【0131】
〔比較例4〕
(基材層)
比較例3と同様にして、厚みが50μmの基材層(C3)を準備した。
(粘着剤層)
剥離ライナーを1枚だけ用意した以外は比較例3と同様にして、厚み10μmの粘着剤層(1)を、剥離ライナーの剥離面上に形成した。
(粘着テープ)
基材層(C3)の一方の面に、上記剥離ライナー上に形成された粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/粘着剤層(1)/基材層(C3))を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、片面粘着テープである粘着テープ(C4)を得た。結果を表1に示した。
【0132】
〔比較例5〕
(基材層)
黒色顔料(カーボンブラック、大日精化工業株式会社製、商品名「N-DYM8715ブラック」)の量を0.1部(ベースポリマー100部に対して0.5部)に変更し、塗工膜の厚み設定を300μmとした以外は、実施例1と同様に行い、厚みが60μmの基材層(C5)を準備した。
(粘着剤層)
実施例1と同様にして、厚み10μmの粘着剤層(1)(第一粘着剤層(1)および第二粘着剤層(1))を、2枚の剥離ライナーの剥離面上にそれぞれ形成した。
(粘着テープ)
基材層(C5)の一方の面(第一面)およびもう一方の面(第二面)に、上記2枚の剥離ライナー上に形成された第一粘着剤層(1)および第二粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/第一粘着剤層(1)/基材層(C5)/第二粘着剤層(1)/剥離ライナー)を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、両面粘着テープである粘着テープ(C5)を得た。結果を表1に示した。
【0133】
〔比較例6〕
(基材層)
比較例5と同様にして、厚みが60μmの基材層(C5)を準備した。
(粘着剤層)
剥離ライナーを1枚だけ用意した以外は比較例5と同様にして、厚み10μmの粘着剤層(1)を、剥離ライナーの剥離面上に形成した。
(粘着テープ)
基材層(C5)の一方の面に、上記剥離ライナー上に形成された粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/粘着剤層(1)/基材層(C5))を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、片面粘着テープである粘着テープ(C6)を得た。結果を表1に示した。
【0134】
〔比較例7〕
(基材層)
ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面の全体に黒印刷層を有する厚みが54.5μmの(PET層の厚み=50μm、黒印刷層の厚み=4.5μm)を、基材層(C7)とした。
(粘着剤層)
実施例1と同様にして、厚み10μmの粘着剤層(1)(第一粘着剤層(1)および第二粘着剤層(1))を、2枚の剥離ライナーの剥離面上にそれぞれ形成した。
(粘着テープ)
基材層(C7)の一方の面(第一面)およびもう一方の面(第二面)に、上記2枚の剥離ライナー上に形成された第一粘着剤層(1)および第二粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/第一粘着剤層(1)/基材層(C7)/第二粘着剤層(1)/剥離ライナー)を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、両面粘着テープである粘着テープ(C7)を得た。結果を表1に示した。
【0135】
〔比較例8〕
(基材層)
比較例7と同様にして、厚みが54.5μmの基材層(C7)を準備した。
(粘着剤層)
剥離ライナーを1枚だけ用意した以外は比較例7と同様にして、厚み10μmの粘着剤層(1)を、剥離ライナーの剥離面上に形成した。
(粘着テープ)
基材層(C7)の一方の面に、上記剥離ライナー上に形成された粘着剤層(1)を貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面の保護に使用した。得られた構造体(剥離ライナー/粘着剤層(1)/基材層(C7))を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。このようにして、片面粘着テープである粘着テープ(C8)を得た。結果を表1に示した。
【0136】
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明の粘着テープは、例えば、可動屈曲部を有する部材に貼り付ける粘着テープとして好ましく利用できる。
【符号の説明】
【0138】
1000 粘着テープ
100 基材層
200 粘着剤層
200a 粘着剤層
200b 粘着剤層