(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】複合基板及び複合基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H03H 9/25 20060101AFI20220701BHJP
H03H 3/08 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
H03H9/25 C
H03H3/08
(21)【出願番号】P 2018056285
(22)【出願日】2018-03-23
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】315017775
【氏名又は名称】日本電産マシンツール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内海 淳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 毅典
(72)【発明者】
【氏名】後藤 崇之
(72)【発明者】
【氏名】井手 健介
【審査官】志津木 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-343359(JP,A)
【文献】特開2014-160741(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0033756(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L27/20
H01L41/00-H01L41/47
H03H3/007-H03H3/10
H03H9/00-H03H9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの単結晶で形成された第1基板と、シリコンの単結晶で形成された第2基板とが、アモルファス層を介して接合された複合基板であって、
前記アモルファス層は、
Neを除く希ガス原子を含有し、
前記希ガス原子はAr
、Kr及びXeのうち2種類以上
である、複合基板。
【請求項2】
タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの単結晶で形成された第1基板の第1面と、シリコンの単結晶で形成された第2基板の第2面との少なくとも一方に対して、
Neを除く希ガスを含有する混合ガスの高速原子ビームを照射して活性化させることで、前記第1面に第1活性層を形成し、前記第2面に第2活性層を形成する照射ステップと、
前記第1活性層と前記第2活性層とを介して前記第1基板と前記第2基板とを接合する接合ステップと
を含
み、前記希ガスはAr、Kr及びXeのうち2種類以上である、複合基板の製造方法。
【請求項3】
前記
照射ステップは、前記第1面及び前記第2面の両方に対して、
前記高速原子ビームを照射する
請求項2に記載の複合基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合基板及び複合基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末等に搭載される高周波フィルタの一例として、SAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)デバイスが知られている。このようなSAWデバイスでは、例えばタンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウム等の圧電材料で形成される圧電基板が用いられる。このような圧電基板は温度変化の影響によりフィルタ特性が不安定となる場合がある。そのため、圧電基板に対して当該圧電基板よりも熱膨張率が低いサファイア、シリコン等の基板を接合して複合基板とすることにより、温度変化に対する影響を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような複合基板では、基板同士を強固に接合することが求められている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、強固な接合を確保できる複合基板及び複合基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る複合基板は、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの単結晶で形成された第1基板と、シリコンの単結晶で形成された第2基板とが、アモルファス層を介して接合された複合基板であって、前記アモルファス層は、Neを除く希ガス原子を含有する。前記希ガス原子はAr、Kr及びXeのうち2種類以上である。
【0007】
また、本発明に係る複合基板の製造方法は、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの単結晶で形成された第1基板の第1面と、シリコンの単結晶で形成された第2基板の第2面との少なくとも一方に対して、Neを除く希ガスを含有する混合ガスの高速原子ビームを照射して活性化させることで、前記第1面に第1活性層を形成し、前記第2面に第2活性層を形成する照射ステップと、前記第1活性層と前記第2活性層とを介して前記第1基板と前記第2基板とを接合する接合ステップとを含み、前記希ガスはAr、Kr及びXeのうち2種類以上である。
【0008】
従って、粒子の直径が異なるAr、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上を含有する混合ガスの高速原子ビームを照射して第1基板の第1面及び第2基板の第2面の少なくとも一方の対象面を活性化するため、直径が相対的に小さい原子の原子ビームにより対象面におけるエッチングレートを確保しつつ、直径が相対的に大きい原子の原子ビームにより対象面の平坦性を確保できる。これにより、対象面の平坦性を確保しつつ、十分な活性化を図ることができるため、第1基板と第2基板との強固な接合を確保できる。
【0009】
上記の複合基板の製造方法において、前記照射ステップは、前記第1面及び前記第2面
の両方に対して、前記高速原子ビームを照射してもよい。
【0010】
従って、第1面及び第2面の両方の対象面について、対象面の平坦性を確保しつつ、十分な活性化を図ることができるため、第1基板と第2基板との強固な接合を確保できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、強固な接合を確保できる複合基板及び複合基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る複合基板の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る複合基板を製造する常温接合装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、複合基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1基板と第2基板とを接合する工程の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1基板と第2基板とを接合する工程の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1基板と第2基板とを接合する工程の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る複合基板及び複合基板の製造方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
図1は、本実施形態に係る複合基板20の一例を示す図である。
図1に示す複合基板20は、例えば携帯端末等に搭載される高周波フィルタであるSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)デバイス等として用いられる。複合基板20は、第1基板21と、第2基板22と、アモルファス層23とを有する。第1基板21は、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの単結晶で形成される。また、第2基板22は、シリコンの単結晶で形成される。
【0015】
第1基板21と第2基板22とを接合する場合には、第1基板21の接合面(第1面)21aと第2基板22の接合面(第2面)22aとを対向させ、後述の常温接合装置10を用いて常温接合により接合する。常温接合においては、第1基板21の接合面21aと第2基板22の接合面22aとの間に、第1基板21と第2基板22とを接合するためのアモルファス層23が設けられている。
【0016】
アモルファス層23は、第1基板21側に配置される第1アモルファス層23aと、第2基板22側に配置される第2アモルファス層23bとを少なくとも2つの層を含む。なお、アモルファス層23は、2つの層を含む構成に限定されず、3つ以上のアモルファス層を含んだ構成であってもよい。
【0017】
第1アモルファス層23aは、アモルファス(非晶質)のタンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムを含む。第2アモルファス層23bは、アモルファスシリコンを含む。また、アモルファス層23(第1アモルファス層23a及び第2アモルファス層23b)には、Ar、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上の原子(R1、R2)が含まれる。
図1では、2種類の原子R1、R2が含まれた構成を例に挙げて示しているが、これに限定されず、3種類以上の原子を有する構成であってもよい。アモルファス層23に含まれるこれらの原子は、後述の常温接合装置10を用いて常温接合する際、第1基板21の接合面21a及び第2基板22の接合面22aを活性化させるため原子ビームを照射する場合に混入したものである。なお、本実施形態において、アモルファス層23は、Ar原子を含有する場合、Ar原子の含有比率が、3atm%未満かつ14atm%超の範囲となっている。
【0018】
図2は、本実施形態に係る複合基板20を製造する常温接合装置10の構成を模式的に示す断面図である。常温接合装置10は、
図2に示すように、真空チャンバ11と、この真空チャンバ11内に設置される上側ステージ12、下側ステージ13と、高速原子ビーム源(FAB: Fast Atom Beam)14、15と、真空排気装置16とを備えている。
【0019】
真空チャンバ11は内部を環境から密閉する容器である。本実施形態では、真空チャンバ11が水平面に平行な床面に配置された状態として説明する。つまり、以下の説明において水平方向とは、真空チャンバ11が配置される床面に平行な方向である。また、鉛直方向とは、真空チャンバ11が配置される床面に垂直な方向である。真空排気装置16は、真空チャンバ11の内部から気体を排出する。これにより、真空チャンバ11の内部は、真空雰囲気となる。さらに、真空チャンバ11は、この真空チャンバ11の内部空間と外部とを連通させ、または、分離するゲート(不図示)を備える。
【0020】
上側ステージ12は、円板状に形成された静電チャック12Aと、この静電チャック12Aを鉛直方向に上下させる圧接機構12Bとを備えている。静電チャック12Aは、円板の下端に誘電層を備え、その誘電層に電圧を印加し、静電力によってその誘電層に第1基板21を吸着して支持する。圧接機構12Bは、ユーザの操作により、静電チャック12Aを真空チャンバ11に対して鉛直方向に平行移動させる。
【0021】
下側ステージ13は、その上面に第2基板22を支持するステージであり、図示されていない移送機構を備えている。その移送機構は、ユーザの操作により下側ステージ13を水平方向に平行移動させ、下側ステージ13を鉛直方向に回転軸を中心に回転移動させる。また、下側ステージ13は、その上端に誘電層を備え、その誘電層に電圧を印加し、静電力によってその誘電層に第2基板22を吸着して支持する機構を備えても良い。
【0022】
高速原子ビーム源14、15は、ウェハの表面の活性化に用いられる中性原子ビームを出射する。本実施形態では、Ar、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上の原子ビームを出射する。一方の高速原子ビーム源14は、上側ステージ12に支持される第1基板21に向けて配置され、他方の高速原子ビーム源15は、下側ステージ13に支持される第2基板22に向けて配置される。中性原子ビームが照射されることにより、第1基板21及び第2基板22の活性化が行われる。
【0023】
次に、本実施形態に係る複合基板20の製造方法について説明する。
図3は、複合基板20の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図4から
図6は、第1基板21と第2基板22とを接合する工程の一例を示す図である。なお、第1基板21と第2基板22は、別の作業工程によって事前に製造された状態である。
【0024】
まず、第1基板21及び第2基板22を常温接合装置10の所定の位置に配置する(
図3:ステップS10)。ステップS10では、
図4に示すように、第1基板21が常温接合装置10の真空チャンバ11内に搬送され、この第1基板21は、接合面21aが鉛直下方を向くように、上側ステージ12の静電チャック12Aに支持される。同様に、第2基板22が真空チャンバ11内に搬送され、この第2基板22は、接合面22aが鉛直上方を向くように、下側ステージ13の上面に載置される。真空チャンバ11内は真空雰囲気に維持されている。
【0025】
この状態で、第1基板21の接合面21a及び第2基板22の接合面22aに向けて混合ガスG1、G2の原子ビームを照射する(
図3:ステップS20)。ステップS20では、
図5に示すように、高速原子ビーム源14から第1基板21の接合面21aに向けてAr、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上の原子による原子ビームB1を出射する。また、高速原子ビーム源15から第2基板22の接合面22aに向けてAr、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上の原子による原子ビームB2を出射する。原子ビームB1に含まれる原子の種類と、原子ビームB2に含まれる原子の種類とは、同一であってもよいし、異なってもよい。
【0026】
原子ビームB1は、第1基板21の接合面21aに照射される。原子ビームB1は、第2基板22の接合面22aに照射される。原子ビームB1、B2の照射により、該接合面21a、22aが活性化される。接合面21aには、活性化により第1活性層31が形成される。第1活性層31では、第1基板21の構成材料であるタンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムがアモルファス状となる。接合面22aには、活性化により第2活性層32が形成される。第2活性層32には、第2基板22の構成材料であるシリコンがアモルファス状となる。また、第1活性層31及び第2活性層32には、それぞれ原子ビームB1、B2を構成する原子、つまりAr、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上の原子が混入する。
【0027】
このように、ステップS20では、粒子の直径が異なるAr、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上を含有する混合ガスの高速原子ビームを照射して第1基板21の接合面21a及び第2基板22の接合面22aを活性化する。このため、直径が相対的に小さい原子の原子ビームにより接合面21a、22aにおけるエッチングレートを確保しつつ、直径が相対的に大きい原子の原子ビームにより接合面21a、22aの平坦性を確保できる。
【0028】
続いて、第1基板21と第2基板22とを接合する(
図3:ステップS30)。ステップS30では、第1活性層31が形成された第1基板21と、第2活性層32が形成された第2基板22とのアライメントを行う。なお、当該アライメントは、ステップS10において第1基板21及び第2基板22を配置する際に行っておいてもよい。
【0029】
その後、
図6に示すように、上側ステージ12の圧接機構12Bを動作させることで、第1基板21を支持した静電チャック12Aを鉛直下方に下降させ、第1基板21と第2基板22とを圧接する。これにより、第1基板21の接合面21aと第2基板22の接合面22aとが第1活性層31及び第2活性層32を介して接合され、複合基板20が形成される。なお、第1活性層31及び第2活性層32は、複合基板20において、例えば第1アモルファス層23a及び第2アモルファス層23bを含むアモルファス層23となる。
【0030】
以上のように、本実施形態に係る複合基板20は、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの単結晶で形成された第1基板21と、シリコンの単結晶で形成された第2基板22とが、アモルファス層23を介して接合された複合基板であって、アモルファス層23は、Ar、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上を含有する。
【0031】
また、本実施形態に係る複合基板20の製造方法は、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの単結晶で形成された第1基板21の接合面21aと、シリコンの単結晶で形成された第2基板22の接合面22aとのうち少なくとも一方に対してそれぞれAr、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上を含有する混合ガスの高速原子ビームを照射して活性化させることで、接合面21aに第1アモルファス層23aを形成し、接合面22aに第2アモルファス層23bを形成する照射ステップと、第1アモルファス層23aと第2アモルファス層23bとを介して第1基板21と第2基板22とを接合する接合ステップとを含む。
【0032】
本実施形態によれば、粒子の直径が異なるAr、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上を含有する混合ガスの高速原子ビームを照射して第1基板21の接合面21a及び第2基板22の接合面22aの少なくとも一方の対象面を活性化する。そのため、直径が相対的に小さい原子の原子ビームにより対象面におけるエッチングレートを確保しつつ、直径が相対的に大きい原子の原子ビームにより対象面の平坦性を確保できる。これにより、対象面の平坦性を確保しつつ、十分な活性化を図ることができるため、第1基板21と第2基板22との強固な接合を確保できる。
【0033】
本実施形態に係る複合基板20の製造方法において、接合ステップは、接合面21a、22aの両方に対して、それぞれAr、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上を含有する混合ガスの高速原子ビームを照射してもよい。
【0034】
従って、両方の接合面21a、22aについて平坦性を確保しつつ、十分な活性化を図ることができるため、第1基板21と第2基板22との強固な接合を確保できる。
【0035】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記の常温接合装置10を用いて第1基板21の接合面21a及び第2基板22の接合面22aを活性化させる場合、Ar、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上の原子ビームを出射する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0036】
例えば、接合面21a、22aのうち一方の接合面に対してはAr、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上の原子ビームを出射する構成とし、他方の接合面に対してはAr、Ne、Kr及びXeのうち1種類の原子ビームを出射する構成としてもよい。この場合においても、接合面21a、22aの平坦性を確保しつつ、十分な活性化を図ることができる。また、この場合において形成される複合基板20は、Ar、Ne、Kr及びXeのうち2種類以上の原子をアモルファス層23に含むことになる。
【0037】
また、例えば、接合面21a、22aのうち一方の接合面に対してはAr、Ne、Kr及びXeのうち1種類の原子ビームを出射する構成とし、他方の接合面に対してはAr、Ne、Kr及びXeのうち上記一方の接合面に照射する原子ビームとは異なる1種類の原子ビームを出射する構成としてもよい。この場合においても、接合面21a、22aの平坦性を確保しつつ、十分な活性化を図ることができる。また、この場合において形成される複合基板20は、Ar、Ne、Kr及びXeのうち2種類の原子をアモルファス層23に含むことになる。
【0038】
また、例えば、接合面21a、22aの両方の接合面に対してNe、Kr及びXeのうち同一の1種類の原子ビームを出射する構成としてもよい。この場合においても、接合面21a、22aの平坦性を確保しつつ、十分な活性化を図ることができる。また、この場合において形成される複合基板20は、Ne、Kr及びXeのうち1種類の原子をアモルファス層23に含むことになる。
【0039】
また、例えば、接合面21a、22aの両方の接合面に対して、1種類の原子としてArの原子ビームを出射する構成としてもよい。この場合においても、接合面21a、22aの平坦性を確保しつつ、十分な活性化を図ることができる。また、この場合において形成される複合基板20は、Ar原子をアモルファス層23に含むことになる。なお、この場合、アモルファス層23におけるAr原子の含有比率を、3atm%未満かつ14atm%超の範囲となるようにする。
【符号の説明】
【0040】
10 常温接合装置
11 真空チャンバ
12 上側ステージ
12A 静電チャック
12B 圧接機構
13 下側ステージ
14、15 高速原子ビーム源
16 真空排気装置
20 複合基板
21 第1基板
22 第2基板
21a、22a 接合面
23 アモルファス層
23a 第1アモルファス層
23b 第2アモルファス層
B1、B2 原子ビーム
G1、G2 混合ガス