(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】印字レイアウト切替装置、印字レイアウト切替方法、及び印字レイアウト切替プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20220701BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220701BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
G06F3/12 343
G06F3/12 357
H04N1/00 C
B41J21/00 A
G06F3/12 304
(21)【出願番号】P 2018066118
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴詞
(72)【発明者】
【氏名】岡村 和之
(72)【発明者】
【氏名】西澤 慎治
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-105103(JP,A)
【文献】特開2016-207198(JP,A)
【文献】特開2009-218711(JP,A)
【文献】特開2008-123229(JP,A)
【文献】特開2020-067718(JP,A)
【文献】特開2003-223328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/00
B41J 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部を備えた印字レイアウト切替装置であって、
前記記憶部は、
印刷を実行するための起動ファイルと、仮想のアプリケーション名である複数のジョブIDと、を関連づけて登録したジョブマスタと、
帳票IDと、複数の定義NOと、各定義NOの定義名及び帳票デザインデータを読み出すための帳票デザインデータ特定情報とを関連づけて登録した帳票定義テーブルと、
複数のジョブIDと、帳票IDと、定義NOとを関連づけて登録した帳票割当マスタと、
を格納し、
前記制御部は、
前記ジョブマスタのジョブIDを引数として
前記起動ファイルを起動し、印刷時に当該ジョブIDをキーとして、前記帳票割当マスタの帳票IDと定義NOを取得し、取得した帳票IDと定義NOをキーとして、前記帳票定義テーブルから帳票デザインデータ特定情報を取得し、取得した帳票デザインデータ特定情報により帳票デザインデータを読み込んで、帳票印字データを出力する
プログラム実行部を備えたことを特徴とする印字レイアウト切替装置。
【請求項2】
前記帳票デザインデータは、輸出用見積書、輸入用見積書、及び国内用見積書の帳票であることを特徴とする請求項1に記載の印字レイアウト切替装置。
【請求項3】
制御部と記憶部を備えた情報処理装置で実行される印字レイアウト切替方法であって、
前記記憶部は、
印刷を実行するための起動ファイルと、仮想のアプリケーション名である複数のジョブIDと、を関連づけて登録したジョブマスタと、
帳票IDと、複数の定義NOと、各定義NOの定義名及び帳票デザインデータを読み出すための帳票デザインデータ特定情報とを関連づけて登録した帳票定義テーブルと、
複数のジョブIDと、帳票IDと、定義NOとを関連づけて登録した帳票割当マスタと、
を格納し、
前記制御部で実行される、
前記ジョブマスタのジョブIDを引数として
前記起動ファイルを起動し、印刷時に当該ジョブIDをキーとして、前記帳票割当マスタの帳票IDと定義NOを取得し、取得した帳票IDと定義NOをキーとして、前記帳票定義テーブルから帳票デザインデータ特定情報を取得し、取得した帳票デザインデータ特定情報により帳票デザインデータを読み込んで、帳票印字データを出力するステップを含むことを特徴とする印字レイアウト切替方法。
【請求項4】
制御部と記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための印字レイアウト切替プログラムであって、
前記記憶部は、
印刷を実行するための起動ファイルと、仮想のアプリケーション名である複数のジョブIDと、を関連づけて登録したジョブマスタと、
帳票IDと、複数の定義NOと、各定義NOの定義名及び帳票デザインデータを読み出すための帳票デザインデータ特定情報とを関連づけて登録した帳票定義テーブルと、
複数のジョブIDと、帳票IDと、定義NOとを関連づけて登録した帳票割当マスタと、
を格納し、
前記ジョブマスタのジョブIDを引数として
前記起動ファイルを起動し、印刷時に当該ジョブIDをキーとして、前記帳票割当マスタの帳票IDと定義NOを取得し、取得した帳票IDと定義NOをキーとして、前記帳票定義テーブルから帳票デザインデータ特定情報を取得し、取得した帳票デザインデータ特定情報により帳票デザインデータを読み込んで、帳票印字データを出力するステップを前記制御部に実行させるための印字レイアウト切替プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字レイアウト切替装置、印字レイアウト切替方法、及び印字レイアウト切替プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、貿易業務は、通常、輸出業務、輸入業務、国内業務の3種別に分けられる。貿易業種毎にデザインの要求が変化する対外帳票においては、それぞれで出力する帳票デザインを分けたい場面が発生する。従来の帳票印刷システムとして、例えば、特許文献1がある。特許文献1の帳票印刷システム10では、コンピュータ12の記憶装置16には、帳票印刷プログラム18、帳票定義ファイル20、印刷色変換ファイル22、線幅変換ファイル24、および、帳票内容ファイル26が記録される。線幅変換ファイル24には、帳票定義情報に含まれる罫線幅に対応して、プリンタに対して指示すべき罫線幅を表す線幅変換情報がプリンタ機種毎に格納される。帳票印刷プログラム18は帳票定義ファイル20に基づき帳票印刷データを作成するが、その際、線幅変換ファイル24に格納された、該当するプリンタ機種についての線幅変換情報に基づいて、帳票定義情報に含まれる罫線幅を変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステム構造では、帳票定義と印刷プログラムが1:1に紐付けられていたため、貿易種別毎に出力する帳票デザインを分ける場合、各種貿易種別毎に要件を満たした印刷プログラムを開発する必要があり、大幅なコストが発生していた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなさなれたものであり、複数の使用用途の要件を満たした帳票デザインの出力を1つの印刷プログラムで実行できるようにすることで、開発コストを低減した印字レイアウト切替装置、印字レイアウト切替方法、及び印字レイアウト切替プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部と記憶部を備えた印字レイアウト切替装置であって、前記記憶部は、1つの印刷プログラムに対して、仮想のアプリケーション名である複数のジョブIDを登録したジョブマスタと、帳票IDと、複数の定義NOと、各定義NOの定義名及び帳票デザインデータを読み出すための帳票デザインデータ特定情報とを関連づけて登録した帳票定義テーブルと、複数のジョブIDと、帳票IDと、定義NOとを関連づけて登録した帳票割当マスタと、を格納し、前記制御部は、前記ジョブマスタのジョブIDを引数として印刷プログラムを起動し、印刷時に当該ジョブIDをキーとして、前記帳票割当マスタの帳票IDと定義NOを取得し、取得した帳票IDと定義NOをキーとして、前記帳票定義テーブルから帳票デザインデータ特定情報を取得し、取得した帳票デザインデータ特定情報により帳票デザインデータを読み込んで、帳票印字データを出力することを特徴とする。
【0007】
また、本実施の形態によれば、前記帳票デザインデータは、輸出用見積書、輸入用見積類、及び国内用見積書であることにしてもよい。
【0008】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部と記憶部を備えた情報処理装置で実行される印字レイアウト切替方法であって、前記記憶部は、1つの印刷プログラムに対して、仮想のアプリケーション名である複数のジョブIDを登録したジョブマスタと、帳票IDと、複数の定義NOと、各定義NOの定義名及び帳票デザインデータを読み出すための帳票デザインデータ特定情報とを関連づけて登録した帳票定義テーブルと、複数のジョブIDと、帳票IDと、定義NOとを関連づけて登録した帳票割当マスタと、を格納し、前記制御部で実行される、前記ジョブマスタのジョブIDを引数として印刷プログラムを起動し、印刷時に当該ジョブIDをキーとして、前記帳票割当マスタの帳票IDと定義NOを取得し、取得した帳票IDと定義NOをキーとして、前記帳票定義テーブルから帳票デザインデータ特定情報を取得し、取得した帳票デザインデータ特定情報により帳票デザインデータを読み込んで、帳票印字データを出力するステップを含むことを特徴とする。
【0009】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部と記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための印字レイアウト切替プログラムであって、前記記憶部は、1つの印刷プログラムに対して、仮想のアプリケーション名である複数のジョブIDを登録したジョブマスタと、帳票IDと、複数の定義NOと、各定義NOの定義名及び帳票デザインデータを読み出すための帳票デザインデータ特定情報とを関連づけて登録した帳票定義テーブルと、複数のジョブIDと、帳票IDと、定義NOとを関連づけて登録した帳票割当マスタと、を格納し、前記ジョブマスタのジョブIDを引数として印刷プログラムを起動し、印刷時に当該ジョブIDをキーとして、前記帳票割当マスタの帳票IDと定義NOを取得し、取得した帳票IDと定義NOをキーとして、前記帳票定義テーブルから帳票デザインデータ特定情報を取得し、取得した帳票デザインデータ特定情報により帳票デザインデータを読み込んで、帳票印字データを出力するステップを、前記制御部に実行させるための印字レイアウト切替プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用用途毎の要件を満たした帳票デザインの出力を1つの印刷プログラムで実行できるようにすることで、開発コストを低減することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る印字レイアウト切替装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、ジョブマスタの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、帳票定義テーブルの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、帳票割当マスタの構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態における印字レイアウト切替装置の全体の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、輸出見積書を出力する流れを説明するための図である。
【
図7】
図7は、国内見積書を出力する流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る印字レイアウト切替装置、印字レイアウト切替方法、及び印字レイアウト切替プログラムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
[1.概要]
貿易業務は、通常、輸出業務、輸入業務、国内業務の3種別に分けられる。貿易業種毎にデザインの要求が変化する対外帳票においては、それぞれで出力する帳票デザインを分けたい場面が発生する。従来のシステム構造では、帳票定義と印刷プログラムが1:1に紐付けられていたため、貿易種別毎に出力する帳票デザインを分ける場合、各種貿易種別毎に要件を満たした印刷プログラムを開発する必要があり、大幅なコストが発生していた。
【0014】
そこで、本実施の形態では、印刷プログラムと帳票定義を別管理し、帳票割当設定をマスタ化することで1つの印刷プログラムに対して、複数の帳票割当を可能とした。これにより、各貿易種別毎の要件を満たした帳票デザインの出力を1つの印刷プログラムで行うことが可能となるため、開発コストの削減が可能となる。
【0015】
[2.構成]
本実施の形態に係る印字レイアウト切替装置100の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る印字レイアウト切替装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
印字レイアウト切替装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、印字レイアウト切替装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0017】
印字レイアウト切替装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。消込処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、印字レイアウト切替装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、印字レイアウト切替装置100と端末装置とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバに格納されてもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114、プリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。また、ユーザが出力装置(モニタ)114の画面に表示して、入力装置112で操作することを、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0021】
記憶部106は、ジョブマスタ106a、帳票定義テーブル106b、及び帳票割当マスタ106c等を格納する。
図2は、ジョブマスタ106aの構成例を示す図である。
図3は、帳票定義テーブル106bの構成例を示す図である。
図4は、帳票割当マスタ106cの構成例を示す図である。
【0022】
ジョブマスタ106aは、一つの印刷プログラムに対して、仮想のアプリケーション名である「ジョブID」を設定するためのマスタである。この「ジョブID」は印刷プログラムを起動する際の引数(キー)となる。ジョブマスタ106aは、
図2に示すように、起動ファイル(印刷プログラム)と複数のジョブIDを関連づけて登録する。
【0023】
図2に示す例では、起動ファイル(「実行ファイル」ともいう)「Print.Mitumori.exe」に、3つのジョブID「Print.Mitumori.Yushutu」、「Print.Mitumori.Yunyuu」、「Print.Mitumori.Kokunai」が登録されている。ジョブID「Print.Mitumori.Yushutu」は、「輸出見積書プログラム」、ジョブID「Print.Mitumori.Yunyu」は、「輸入見積書プログラム」、ジョブID「Print.Mitumori.Kokunai」は「国内見積書プログラム」である。
【0024】
帳票定義テーブル106bは、
図3に示すように、帳票ID、同一帳票を別デザインの帳票として管理するための定義NO、定義名、及び帳票デザインデータを読み出すための帳票デザインデータ特定情報を関連づけて登録する。帳票デザインデータ特定情報は、帳票デザインデータを読み出すための情報であり、帳票デザインデータ自体、帳票デザインデータを読み出すためのパスやファイル(例えば、「.dll」)とすることができる。
【0025】
図3に示す例では、帳票ID「Print.Mitumori」に4つの定義NOが登録されており、定義NO「0」、定義名「見積書(オリジナル)」、帳票デザインデータ特定情報「バイナリデータ0」と、定義NO「1」、定義名「輸出見積書」、帳票デザインデータ特定情報「バイナリデータ1」と、定義NO「2」、定義名「輸入見積書」、帳票デザインデータ特定情報「バイナリデータ2」と、定義NO「3」、定義名「国内見積書」、帳票デザインデータ特定情報「バイナリデータ3」とが登録されている。
【0026】
帳票デザインデータ特定情報の「バイナリデータ0」は見積書(オリジナル)の帳票デザインデータ、「バイナリデータ1」は、輸出見積書の帳票デザインデータ、「バイナリデータ2」は、輸入見積書の帳票デザインデータと、「バイナリデータ3」は、とが輸入見積書の帳票デザインデータが登録されている。
【0027】
なお、ここでは、帳票デザインデータ特定情報をバイナリデータ(binary data)としているが帳票デザインデータを取得できる値(情報)であればなんでもよく、例えば、帳票デザインを記録したWordファイルやExcelファイルのフォルダーパスとしてもよい。
【0028】
例えば、帳票デザインデータは、ユーザがオリジナルデータを元に、各場面に適したデザインに編集して、帳票定義テーブル106bに登録することにしてもよい。
【0029】
帳票割当マスタ106cは、ジョブIDに対して帳票定義を割リ当てるためのマスタである。帳票割当マスタ106cは、
図4に示すように、ジョブIDと、帳票IDと、定義NOを対応づけて登録したマスタである。帳票ID/定義NOは帳票定義テーブル106bとの紐づけを行うキー項目となる。
【0030】
図4に示す例では、ジョブID「Print.Mitumori.Yushutu」、「Print.Mitumori.Yunyuu」、「Print.Mitumori.Kokunai」に、それぞれ、帳票ID「Print.Mitumori」の定義NO「1」、「2」、「3」が登録されている。
【0031】
制御部102は、印字レイアウト切替装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、メンテ部102aと、プログラム実行部102bと、を備えている。
【0032】
メンテ部102aは、ユーザの指示に応じて、マスタ・テーブルのメンテ画面(不図示)をモニタ114に表示し、当該メンテ画面上でのユーザの操作に応じて、ジョブマスタ106a、帳票定義テーブル106b、及び帳票割当マスタ106c等のデータの入力・変更・追加等の編集や登録を行う。
【0033】
プログラム実行部102bは、プログラムを起動して実行するためのものである。プログラム実行部102bは、UIを介したユーザ操作に応答して、ジョブマスタ106aのジョブIDを引数として印刷プログラムを起動し、印刷時に当該ジョブIDをキーとして、帳票割当マスタ106cの帳票IDと定義NOを取得し、取得した帳票IDと定義NOをキーとして、帳票定義テーブル106bの帳票デザインデータ特定情報を取得し、取得した帳票デザインデータ特定情報により帳票デザインデータを読み込んで、印字データと帳票デザインデータをバインドした帳票印字データをプリンタ114から出力する。
【0034】
[3.具体例]
図1~
図7を参照して、本実施の形態における印字レイアウト切替装置100の処理の具体例を説明する。まず、
図1~
図5を参照して、本実施の形態における印字レイアウト切替装置100の全体の処理の概略を説明する。
図5は、本実施の形態における印字レイアウト切替装置100の全体の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0035】
図5において、プログラム実行部102bは、UIを介したユーザ操作に応答して、ジョブマスタ106aのジョブIDを引数として印刷プログラムを起動する(ステップS1)。例えば、ユーザが「輸出見積書プログラム」を選択した場合には、ジョブID「Print.Mitumori.Yushutu」を引数として、起動ファイル「Print.Mitumori.exe」を起動する。また、ユーザが、「輸入見積書プログラム」を選択した場合は、ジョブID「Print.Mitumori.Yunyu」を引数として、起動ファイル「Print.Mitumori.exe」を起動する。また、ユーザが「国内見積書プログラム」を選択した場合は、ジョブID「Print.Mitumori.Kokunai」を引数として、起動ファイル「Print.Mitumori.exe」を起動する。
【0036】
プログラム実行部102bは、印刷時に(例えば、ユーザが印刷ボタンを押した場合)、当該ジョブIDをキーとして、帳票割当マスタ106cから帳票IDと定義NOを取得する(ステップS2)。
【0037】
プログラム実行部102bは、取得した帳票IDと定義NOをキーとして、帳票定義テーブル106bの帳票デザインデータ特定情報を取得し、取得した帳票デザインデータ特定情報により帳票デザインデータを読み込む(ステップS3)。
【0038】
プログラム実行部102bは、対象の印字データと読み込んだ帳票デザインデータをバインドした帳票印字データをプリンタ114から出力する(ステップS4)。
【0039】
図6は、輸出見積書を出力する流れを説明するための図である。
図6において、まず、(S1)輸出見積書プログラム(起動ファイル「Print.Mitumori.exe」とジョブID「Print.Mitumori.Yushutu」)を起動する。
【0040】
(S2~S3)印刷ボタン押下時に帳票デザインデータを取得する。具体的には、ジョブID「Print.Mitumori.Yushutu」をキーにして、帳票割当マスタ106cを参照して、帳票ID「Print.Mitumori」と定義NO「1」を取得する。取得した帳票ID「Print.Mitumori」と定義NO「1」をキーとして、帳票定義テーブル106bを参照し、帳票デザインデータ特定情報「バイナリデータ2」により帳票デザインデータを読み出す。帳票デザインデータと印字データをバインドした帳票印字データを作成する。(S4)帳票印字データをプリンタ114から出力する。
【0041】
図7は、国内見積書を出力する流れを説明するための図である。
図7において、まず、(S1)国内見積書プログラム(起動ファイル「Print.Mitumori.exe」とジョブID「Print.Mitumori.Kokunai」)を起動する。
【0042】
(S2~S3)印刷ボタン押下時に帳票デザインデータを取得する。具体的には、ジョブID「Print.Mitumori.Kokunai」をキーにして、帳票割当マスタ106cを参照し、帳票ID「Print.Kokunai」と定義NO「3」を取得する。取得した帳票ID「Print.Mitumori」と定義NO「3」をキーとして、帳票定義テーブル106bを参照し、帳票デザインデータ特定情報「バイナリデータ3」により帳票デザインデータを読み出す。帳票デザインデータと印字データをバインドした帳票印字データを作成する。(S4)帳票印字データをプリンタ114から出力する。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態によれば、1つの印刷プログラムに対して、仮想のアプリケーション名である複数のジョブIDを登録したジョブマスタ106aと、帳票IDと、複数の定義NOと、各定義NOの定義名及び帳票デザインデータを読み出すための帳票デザインデータ特定情報とを関連づけて登録した帳票定義テーブル106bと、複数のジョブIDと、帳票IDと、定義NOとを関連づけて登録した帳票割当マスタ106cと、マスタのジョブIDを引数として印刷プログラムを起動し、印刷時に当該ジョブIDをキーとして、前記帳票割当マスタの帳票IDと定義NOをキーとして、帳票定義テーブル106bから帳票デザインデータ特定情報を取得し、取得した帳票デザインデータ特定情報により帳票デザインデータを読み込んで、帳票印字データをプリンタ114から出力する制御部102とを備えているので、各使用用途毎の要件を満たした帳票デザインの出力を1つの印刷プログラムで実行できるようにすることで、開発コストを低減することが可能となる。
【0044】
また、帳票デザインデータは、輸出用見積書、輸入用見積類、及び国内用見積書の帳票としたので、輸出用見積書、輸入用見積類、及び国内用見積書の帳票デザインの出力を1つの印刷プログラムで実行することが可能となる。
【0045】
なお、本実施の形態では、使用用途の例として、輸出用見積書、輸入用見積類、及び国内用見積書の帳票を出力する場合について説明したが、他の使用用途についても適用可能である。
【0046】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0047】
例えば、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0048】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0049】
また、印字レイアウト切替装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0050】
例えば、印字レイアウト切替装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて消込処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0051】
また、このコンピュータプログラムは、印字レイアウト切替装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0052】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0053】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0054】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0055】
また、印字レイアウト切替装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、印字レイアウト切替装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0056】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0057】
100 印字レイアウト切替装置
102 制御部
102a メンテ部
102b プログラム実行部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a ジョブマスタ
106b 帳票定義テーブル
106c 帳票割当マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 端末装置
300 ネットワーク