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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】メモリ装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 13/00 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
G11C13/00 400H
G11C13/00 210
G11C13/00 400D
G11C13/00 270F
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018186435
(22)【出願日】2018-10-01
(65)【公開番号】P2019096374
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】10-2017-0159312
(32)【優先日】2017-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】羅 太熙
(72)【発明者】
【氏名】朴 茂煕
(72)【発明者】
【氏名】李 光振
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲よん▼▲じゅん▼
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-134057(JP,A)
【文献】特表2003-510752(JP,A)
【文献】特開2017-085103(JP,A)
【文献】特開2010-080009(JP,A)
【文献】特開2007-242118(JP,A)
【文献】特開2002-269968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ素子、及び前記スイッチ素子と連結され、相変化物質を有する情報格納素子を備えたメモリセルを複数含むメモリセルアレイと、
前記メモリセルから第1読み出し電圧を検出し、前記メモリセルに第1書き込み電流を入力した後、前記メモリセルから第2読み出し電圧を検出し、前記第1読み出し電圧と前記第2読み出し電圧とを比較して、前記メモリセルの状態を判断するメモリコントローラと、を含み、
前記メモリコントローラは、前記第1読み出し電圧に対応する電荷を格納する第1キャパシタ、前記第2読み出し電圧に対応する電荷を格納する第2キャパシタ、及び第1キャパシタの電圧にオフセット値を加算して前記第2キャパシタの電圧と比較する比較器を含み、
前記オフセット値は、前記第1読み出し電圧を検出する間に前記メモリセルの抵抗が増加する程度に応じて決定される、メモリ装置。
【請求項2】
前記スイッチ素子は、オボニック閾値スイッチ(OTS)素子を含む、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項3】
スイッチ素子、及び前記スイッチ素子と連結され、相変化物質を有する情報格納素子を備えたメモリセルを複数含むメモリセルアレイと、
前記メモリセルに読み出し電流を入力して、第1読み出し電圧及び第2読み出し電圧を順次に検出し、前記第1読み出し電圧と前記第2読み出し電圧とを比較して、前記メモリセルの状態を判断するメモリコントローラと、を含み、
前記メモリコントローラは、前記第1読み出し電圧に所定のオフセット電圧を加算し、前記第2読み出し電圧と比較して、前記メモリセルの状態をセット状態とリセット状態のいずれの一つであるかを判断し、
前記オフセット電圧の大きさは、前記メモリセルのリードディスターブ特性によって決定される、
メモリ装置。
【請求項4】
前記メモリコントローラは、前記第1読み出し電圧と前記オフセット電圧の合計が前記第2読み出し電圧より小さいと、前記メモリセルの状態を前記セット状態であると判断する、請求項に記載のメモリ装置。
【請求項5】
前記メモリコントローラは、前記第1読み出し電圧と前記オフセット電圧の合計が前記第2読み出し電圧より大きいと、前記メモリセルの状態を前記リセット状態であると判断する、請求項に記載のメモリ装置。
【請求項6】
前記メモリコントローラは、前記第2読み出し電圧を検出した後、前記メモリセルをセット状態に設定する書き込み電流を、セット状態であると判断された前記メモリセルに入力する、請求項に記載のメモリ装置。
【請求項7】
前記読み出し電流は、前記メモリセル内で前記スイッチ素子から前記情報格納素子へ流れる、請求項に記載のメモリ装置。
【請求項8】
前記スイッチ素子は、オボニック閾値スイッチ(OTS)素子を含む、請求項3に記載のメモリ装置。
【請求項9】
スイッチ素子、及び前記スイッチ素子と連結され、相変化物質を有する情報格納素子を含むメモリセルと、
前記メモリセルから第1読み出し電圧及び第2読み出し電圧を順次に検出し、前記第1読み出し電圧と前記第2読み出し電圧とを比較して、前記メモリセルの状態をセット状態とリセット状態のいずれの一つであるかを判断するメモリコントローラと、を含み、
前記メモリコントローラは、前記第1読み出し電圧と前記第2読み出し電圧との差が所定の基準値以上であると、前記メモリセルの状態をセット状態であると判断し、前記第1読み出し電圧と前記第2読み出し電圧との差が前記基準値より小さいと、前記メモリセルの状態をリセット状態であると判断し、
前記基準値は、前記メモリセルのリードディスターブ特性によって決定され、
前記メモリコントローラは、前記メモリセルの状態が前記セット状態であると判断されると、前記メモリセルの状態を前記セット状態に設定するセット書き込み電流を前記メモリセルに入力する、メモリ装置。
【請求項10】
前記スイッチ素子は、オボニック閾値スイッチ(OTS)素子を含む、請求項9に記載のメモリ装置。
【請求項11】
複数のメモリセルのそれぞれから第1読み出し電圧を読み出す段階と、
前記複数のメモリセルのそれぞれから第2読み出し電圧を読み出す段階と、
前記第1読み出し電圧と前記第2読み出し電圧とを比較して、前記複数のメモリセルのそれぞれの状態をセット状態とリセット状態のいずれの一つであるかを判断する段階と、
前記複数のメモリセルのうち、セット状態であると判断されたメモリセルに、前記メモリセルの状態をセット状態に設定するセット書き込み電流を入力する段階と、を含み、
前記複数のメモリセルのうち、前記第1読み出し電圧と前記第2読み出し電圧との差が所定の基準値以上である第1メモリセルの状態を前記セット状態であると判断し、前記第1読み出し電圧と前記第2読み出し電圧との差が前記基準値より小さい第2メモリセルの状態を前記リセット状態であると判断し、
前記基準値は、前記メモリセルのリードディスターブ特性によって決定される、
メモリ装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリ装置及びその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
低い電力を消費すると共に高い集積度を有するメモリ装置に対する要求が増えるにつれて、様々な種類の次世代メモリ装置に対する研究が活発に進められている。最近、相変化特性を有する情報格納素子の抵抗を調節してデータを格納及び削除することができるメモリ装置が次世代メモリ装置として活発に研究されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の技術的思想が解決しようとする課題の一つは、メモリセルが相変化特性を有する情報格納素子を含むメモリ装置であって、情報格納素子に格納されたデータを正確に読み出すことができるメモリ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によるメモリ装置は、スイッチ素子、及び上記スイッチ素子と連結され、相変化物質を有する情報格納素子を備えたメモリセルを複数含むメモリセルアレイと、上記メモリセルから第1読み出し電圧を検出し、上記メモリセルに第1書き込み電流を入力した後、上記メモリセルから第2読み出し電圧を検出し、上記第1読み出し電圧と上記第2読み出し電圧とを比較して、上記メモリセルの状態を判断するメモリコントローラと、を含む。
【0005】
本発明の一実施形態によるメモリ装置は、スイッチ素子、及び上記スイッチ素子と連結され、相変化物質を有する情報格納素子を備えたメモリセルを複数含むメモリセルアレイと、上記メモリセルに読み出し電流を入力して、第1読み出し電圧及び第2読み出し電圧を順次に検出し、上記第1読み出し電圧と上記第2読み出し電圧とを比較して、上記メモリセルの状態を判断するメモリコントローラと、を含む。
【0006】
本発明の一実施形態によるメモリ装置は、スイッチ素子、及び上記スイッチ素子と連結され、相変化物質を有する情報格納素子を含むメモリセルと、上記メモリセルから第1読み出し電圧及び第2読み出し電圧を順次に検出し、上記第1読み出し電圧と上記第2読み出し電圧とを比較して、上記メモリセルの状態をセット状態とリセット状態のいずれの一つであるかを判断するメモリコントローラと、を含み、上記メモリコントローラは、上記メモリセルの状態が上記セット状態であると判断されると、上記メモリセルの状態を上記セット状態に設定するセット書き込み電流を上記メモリセルに入力する。
【0007】
本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作方法は、複数のメモリセルのそれぞれから第1読み出し電圧を読み出す段階と、上記複数のメモリセルのそれぞれから第2読み出し電圧を読み出す段階と、上記第1読み出し電圧と上記第2読み出し電圧とを比較して、上記複数のメモリセルのそれぞれの状態をセット状態とリセット状態のいずれの一つであるかを判断する段階と、上記複数のメモリセルのうち、セット状態であると判断されたメモリセルに、上記メモリセルの状態をセット状態に設定するセット書き込み電流を入力する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、読み出し動作によりメモリセルで発生することができる抵抗変化を考慮して、データを読み出したいメモリセルから読み出し電圧を複数回検出し、これらを互いに比較してメモリセルに格納されたデータを判断することができる。したがって、読み出し動作中にメモリセルの情報格納素子の抵抗が変化してメモリセルのセンシングマージンが減少する問題を解決することができ、メモリ装置の動作特性を改善することができる。
【0009】
本発明の多様で有益な利点と効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態によるメモリ装置を簡単に示したブロック図である。
図2】本発明の一実施形態によるメモリ装置に含まれるメモリセルアレイを示した図である。
図3】本発明の一実施形態によるメモリ装置に含まれるメモリセルの構造を簡単に示した図である。
図4】本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
図5】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
図6】本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供されるフローチャートである。
図7】(a)、(b)及び(c)は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
図8】(a)、(b)及び(c)は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
図9】(a)、(b)及び(c)は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
図10】(a)、(b)及び(c)は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
図11】本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供されるフローチャートである。
図12】(a)、(b)及び(c)は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
図13】(a)、(b)及び(c)は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
図14】本発明の一実施形態において、メモリセルに格納されたデータを読み出す回路を説明するために提供される図である。
図15】本発明の一実施形態において、メモリセルに格納されたデータを読み出す回路を説明するために提供される図である。
図16】本発明の一実施形態において、メモリセルに格納されたデータを読み出す回路を説明するために提供される図である。
図17】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するためのタイミングダイアグラムである。
図18】本発明の一実施形態によるメモリ装置を含む電子機器を簡単に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を下記の通り説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態によるメモリ装置を簡単に示したブロック図である。図2は、本発明の一実施形態によるメモリ装置に含まれるメモリセルアレイを簡単に示した図である。
【0013】
先ず、図1を参照すると、本発明の一実施形態によるメモリ装置10は、メモリコントローラ20と、メモリセルアレイ30と、を含むことができる。メモリコントローラ20は、コントロールロジック21、ロードライバ22、及びコラムドライバ23などを含むことができる。メモリセルアレイ30は、複数のメモリセルMCを含むことができる。
【0014】
一実施形態において、ロードライバ22は、ワードラインWLを介してメモリセルMCと連結されることができ、コラムドライバ23は、ビットラインBLを介してメモリセルMCと連結されることができる。一実施形態において、ロードライバ22は、データを記録するか又はデータを読み出すメモリセルMCを選択するためのアドレスデコーダ回路を含むことができ、コラムドライバ23は、メモリセルMCにデータを記録するか又はメモリセルMCからデータを読み出す、読み出し/書き込み回路を含むことができる。ロードライバ22とコラムドライバ23の動作は、コントロールロジック21により制御されることができる。
【0015】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるメモリセルアレイ30は、複数のメモリセルMCを含むことができる。メモリセルMCのそれぞれは、複数のワードラインWL及び複数のビットラインBLが交差する地点に設けられることができる。すなわち、メモリセルMCのそれぞれは、一つのワードラインWLと一つのビットラインBLに連結されることができる。
【0016】
メモリセルMCのそれぞれは、スイッチ素子SWと情報格納素子VRとを含むことができる。一実施形態において、スイッチ素子SWは、PN接合ダイオード、ショットキーダイオード、及びオボニック閾値スイッチ(OTS)のうち、少なくとも一つを含むことができる。一方、一実施形態において、情報格納素子VRは、カルコゲナイド(Chalcogenide)物質及び超格子(Super-lattice)のいずれか一つを有する相変化物質から形成されることができる。すなわち、情報格納素子VRは、加熱時間及び温度などによって非晶質相と結晶質相に相変化が可能な相変化物質を含むことができる。
【0017】
メモリコントローラ20は、複数のワードラインWLと複数のビットラインBLを介して、複数のメモリセルMCのそれぞれに含まれる情報格納素子VRの相変化物質を非晶質相又は結晶質相に相変化させることで、データを記録するか又は消去することができる。一実施形態において、メモリコントローラ20は、メモリセルMCに含まれる情報格納素子VRの相変化物質を非晶質相に相変化させることで、情報格納素子VRの抵抗を増加させ、データを記録することができる。それに対して、メモリコントローラ20は、メモリセルMCに含まれる情報格納素子VRの相変化物質を結晶質相に相変化させることで、情報格納素子VRの抵抗を減少させ、データを消去することができる。
【0018】
図3は、本発明の一実施形態によるメモリ装置に含まれるメモリセルの構造を簡単に示した図である。
【0019】
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるメモリ装置に含まれるメモリセル100は、第1ワードライン101とビットライン103との間に設けられる第1メモリ領域MC1、及び第2ワードライン102とビットライン103との間に設けられる第2メモリ領域MC2を含むことができる。第1メモリ領域MC1と第2メモリ領域MC2は、それぞれ独立されたメモリセルとして動作することができる。
【0020】
第1メモリ領域MC1は、第1加熱電極110、第1情報格納素子120、及び第1スイッチ素子130などを含むことができる。第1スイッチ素子130は、第1スイッチ電極131、第2スイッチ電極132、及びその間に配置される第1選択層133などを含むことができる。一実施形態において、第1選択層133は、オボニック閾値スイッチ(Ovonic Threshold Switch、OTS)物質を含むことができる。第1スイッチ電極131と第2スイッチ電極132との間に閾電圧より大きい電圧が印加されると、第1選択層133を介して電流が流れることができる。
【0021】
第1情報格納素子120は、相変化物質を含むことができ、一実施形態において、カルコゲナイド物質を含むことができる。一例として、第1情報格納素子120は、Ge-Sb-Te(GST)を含むことができ、第1情報格納素子120に含まれる元素の種類及びその化学的組成比に応じて第1情報格納素子120の結晶化温度、溶融点、結晶化エネルギーによる相変化速度などが決定されることができる。
【0022】
第2メモリ領域MC2は、第1メモリ領域MC1と類似した構造を有することができる。図3を参照すると、第2メモリ領域MC2は、第2加熱電極140、第2情報格納素子150、及び第2スイッチ素子160などを含むことができる。第2加熱電極140、第2情報格納素子150、及び第2スイッチ素子160のそれぞれの構造及び特徴は、第1加熱電極110、第1情報格納素子120、及び第1スイッチ素子130と類似することができる。以下、第1メモリ領域MC1を例示として参照し、データを記録及び消去する方法を説明する。
【0023】
第1ワードライン101とビットライン103を介して電圧が供給されると、第1加熱電極110と第1情報格納素子120との間の界面で上記電圧によるジュール熱(Joule Heat)が発生することがある。上記ジュール熱により第1情報格納素子120を構成する相変化物質が非晶質相から結晶質相に変わるか、又は結晶質相から非晶質相に変わることができる。第1情報格納素子120は非晶質相で高い抵抗を有することができ、結晶質相で低い抵抗を有することができる。一実施形態において、第1情報格納素子120の抵抗値に応じてデータ‘0’又は‘1’を定義することができる。
【0024】
第1メモリ領域MC1にデータを記録するために、第1ワードライン101とビットライン103を介してプログラム電圧を供給することができる。上記プログラム電圧は、第1スイッチ素子130に含まれるオボニック閾値スイッチ物質の閾電圧より大きい。よって、第1スイッチ素子130を介して電流が流れることができる。上記プログラム電圧により第1情報格納素子120に含まれる相変化物質は非晶質相から結晶質相に変わることができ、これにより、第1メモリ領域にデータを記録することができる。一実施形態において、第1情報格納素子120に含まれる相変化物質が結晶質相を有する場合を、セット(Set)状態と定義することができる。
【0025】
一方、第1メモリ領域MC1に記録されたデータを消去するために、第1情報格納素子120に含まれる相変化物質を結晶質相から非晶質相に戻すことができる。一例として、第1ワードライン101とビットライン103を介して所定の消去電圧を供給することができる。上記消去電圧により第1情報格納素子120に含まれる相変化物質が結晶質相から非晶質相に変わることができる。一例として、上記消去電圧の最大値は、上記プログラム電圧の最大値より大きいことがあり、上記消去電圧が供給される時間は、上記プログラム電圧が供給される時間よりも短いことがある。
【0026】
上述したように、情報格納素子120、150に含まれる相変化物質の状態に応じて情報格納素子120、150の抵抗値が変わることができ、メモリコントローラは、情報格納素子120、150の抵抗からデータ‘0’と‘1’を区分することができる。したがって、情報格納素子120、150に含まれる相変化物質の状態に応じて示される情報格納素子120、150の抵抗差が大きいほど、メモリコントローラがデータを正確に記録するか又は読み出すことができる。
【0027】
図4及び図5は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
【0028】
本発明の一実施形態によるメモリ装置は、メモリコントローラ220がメモリセル210に供給する電源により動作することができる。図4を参照すると、メモリコントローラ220は、メモリセル210に電流又は電圧などを入力してメモリセル210にデータを格納するか又はメモリセル210に格納されたデータを読み出すことができる。
【0029】
メモリセル210は、下部電極211、加熱電極212、情報格納素子214、スイッチ素子215、及び上部電極216などを含むことができる。図4には示されていないが、下部電極211と上部電極216は、ワードライン又はビットラインなどを介してメモリセル210がメモリコントローラ220から電流又は電圧を供給されることができる。加熱電極212の周辺には絶縁層213が設けられることができ、加熱電極212と隣接する情報格納素子214の一部の領域214aで相変化が発生してメモリセル210の抵抗が変わることができる。メモリコントローラ220は、情報格納素子214で発生する相変化を用いてメモリセル210の抵抗を増加又は減少させることで、メモリセル210にデータを格納することができる。
【0030】
一実施形態において、メモリコントローラ220は、メモリセル210の抵抗値を読み出すために、メモリセル210に所定の読み出し(read)電流を供給することができる。メモリコントローラ220は、上記読み出し電流が入力される間、メモリセル210から読み出し(read)電圧を測定し、上記読み出し電圧を所定の基準電圧と比較することで、メモリセル210に格納されたデータを判断することができる。
【0031】
図5は、情報格納素子の状態に応じたメモリセルMCの電流-電圧特性を示したグラフである。図5(a)は、メモリセルMCに含まれたスイッチ素子がダイオードとして実現された一実施形態を示したグラフである。一方、図5(b)は、メモリセルMCに含まれたスイッチ素子がオボニック閾値スイッチ(OTS)素子として実現された一実施形態を示したグラフである。図5(a)及び図5(b)を参照して説明する実施形態において、セット(Set)状態は、情報格納素子が結晶質状態を有する場合に該当することができ、リセット(Reset)状態は、情報格納素子が非晶質状態を有する場合に該当することができる。
【0032】
先ず、図5(a)を参照すると、スイッチ素子としてダイオードを含むメモリセルMCがリセット(Reset)状態を有する場合、メモリセルMCに印加される電圧が情報格納素子の臨界電圧VTH_GSTより大きいと、スナップバック(snap back)現象が発生することがある。それに対して、図5(a)に示した一実施形態において、メモリセルMCがセット(Set)状態を有する場合には、メモリセルMCに印加される電圧の増加によるスナップバック現象が発生しないことがある。
【0033】
次に、図5(b)を参照すると、スイッチ素子としてオボニック閾値スイッチ(OTS)素子を含むメモリセルMCがリセット(Reset)状態を有する場合、メモリセルMCに印加される電圧が情報格納素子の臨界電圧VTH_GSTより大きくなると、スナップバック現象が発生することがある。また、図5(b)に示した一実施形態では、メモリセルMCがセット(Set)状態を有する場合にもスナップバック現象が発生することがある。図5(b)を参照すると、メモリセルMCがセット(Set)状態を有する場合のスナップバック現象は、メモリセルMCに印加される電圧がスイッチ素子の臨界電圧VTH_OTSより大きくなる時点で発生することがある。
【0034】
したがって、メモリセルMCがスイッチ素子としてオボニック閾値スイッチ(OTS)素子を含む場合、セット(Set)状態のメモリセルMCからデータを読み出す、読み出し動作でスナップバック現象が発生することがある。読み出し動作で発生するスナップバック現象により、セット(Set)状態のメモリセルMCに含まれた情報格納素子で相変化が発生することがあり、これが情報格納素子の抵抗値の増加をもたらすことができる。すなわち、読み出し動作で発生するスナップバック現象により、セット(Set)状態のメモリセルMCの抵抗値が増加することができ、これがメモリセルMCのセンシングマージンの減少につながり、メモリ装置の動作特性を低下させることがある。
【0035】
図6は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供されるフローチャートである。
【0036】
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるメモリ装置の読み出し動作は、メモリコントローラが読み出し動作を行って複数のメモリセルから第1読み出し電圧を取得することにより開始することができる(S10)。メモリコントローラは、第1読み出し電圧を、後で取得する第2読み出し電圧と比較するために格納しておくことができる。一実施形態において、メモリコントローラは、第1読み出し電圧をキャパシタなどの素子に格納することができる。
【0037】
第1読み出し電圧を取得した後、メモリコントローラは、複数のメモリセルに第1書き込み電流を入力することができる(S11)。一実施形態において、第1書き込み電流は、複数のメモリセルに含まれる情報格納素子を非晶質相に相変化させる電流であることができる。メモリコントローラは、複数のメモリセル全体に第1書き込み電流を入力することができ、第1書き込み電流により複数のメモリセル全体の情報格納素子が非晶質相を有することができる。すなわち、S11の段階が完了した後、複数のメモリセルは、全て高い抵抗値を有することができる。
【0038】
メモリコントローラは、複数のメモリセルから第2読み出し電圧を取得することができる(S12)。メモリコントローラは、複数のメモリセルのそれぞれから取得した第2読み出し電圧を、S10の段階で取得した第1読み出し電圧と比較し(S13)、複数のメモリセルのそれぞれに対して第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が基準値以上であるか否かを判断することができる(S14)。
【0039】
S14の段階の判断結果に基づいて、メモリコントローラは、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が基準値より小さいメモリセルの状態をリセット(Reset)状態であると判断することができる(S15)。一方、S14の段階の判断結果に基づいて、メモリコントローラは、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が基準値以上であるメモリセルの状態をセット(Set)状態であると判断することができる(S16)。
【0040】
複数のメモリセルの状態は、リセット状態とセット状態のいずれか一つを有することができ、メモリコントローラは、複数のメモリセルから検出した読み出し電圧を所定の基準電圧と比較して、複数のメモリセルのそれぞれの状態を判断することができる。一例として、メモリコントローラは、読み出し電圧が基準電圧より大きいメモリセルの状態をリセット状態であると判断し、読み出し電圧が基準電圧より小さいメモリセルの状態をセット状態であると判断することができる。
【0041】
本発明の一実施形態による読み出し動作では、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧を順次に検出し、第2読み出し電圧を検出する前に第1書き込み電流を複数のメモリセルに入力して、複数のメモリセルの全てをリセット状態に設定することができる。したがって、第1書き込み電流を入力する前からリセット状態を有していたメモリセルの場合は、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧が両方とも基準電圧より大きい値として検出されることができる。それに対して、第1書き込み電流を入力する前にセット状態を有していたメモリセルの場合は、第1読み出し電圧は基準電圧より小さい値として検出され、第2読み出し電圧は基準電圧より大きい値として検出されることができる。したがって、メモリコントローラは、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が所定の基準値以上であると、該当するメモリセルをセット状態であると判断し、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が所定の基準値より小さいと、該当するメモリセルをリセット状態であると判断することができる。
【0042】
メモリコントローラは、S16の段階でセット状態であると判断されたメモリセルに第2書き込み電流を入力することができる(S17)。第2書き込み電流は、第1書き込み電流によりセット状態からリセット状態に変更されたメモリセルを、再びセット状態に戻すために入力されることができる。一方、メモリコントローラは、S15の段階及びS16の段階で判断したメモリセルの状態を用いて、メモリセルから読み出したデータを出力することができる(S18)。一実施形態において、S17の段階とS18の段階は同時に行われるか、又はその実行手順が変わることもできる。
【0043】
図7乃至図10は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
【0044】
図7及び図8は、セット状態を有するメモリセルからデータを読み出す、読み出し動作の実施形態を説明するための図である。一方、図9及び図10は、リセット状態を有するメモリセルからデータを読み出す、読み出し動作の実施形態を説明するための図である。
【0045】
先ず、図7(a)を参照すると、セット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したセット読み出し電圧分布300と、リセット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したリセット読み出し電圧分布310が示されている。セット読み出し電圧分布300とリセット読み出し電圧分布310との間にはセンシングマージンSMが存在することができ、センシングマージンSM内に基準電圧VREFが定義されることができる。メモリコントローラの読み出し回路は、各メモリセルから読み出した読み出し電圧を基準電圧VREFと比較することで、各メモリセルの状態をセット状態とリセット状態のいずれの一つであるかを判断することができる。
【0046】
図7(a)を参照すると、メモリコントローラは、メモリセルから第1読み出し電圧VRD1を取得することができる。第1読み出し電圧VRD1を取得した後、メモリコントローラは、複数のメモリセルに第1書き込み電流を入力することができる。上述したように、第1書き込み電流は、複数のメモリセルに含まれる情報格納素子を非晶質相に相変化させる電流であることができる。したがって、第1書き込み電流が入力された後、メモリセルの読み出し電圧分布は図7(b)のように示されることができる。
【0047】
図7(b)を参照すると、第1書き込み電流により複数のメモリセル全体の状態がリセット状態に設定され、リセット読み出し電圧分布311だけが示されることができる。したがって、第1読み出し電圧VRD1を検出したメモリセルで読み出し動作を再度行う場合、該当するメモリセルで第1読み出し電圧VRD1ではなく、第2読み出し電圧VRD2が検出されることができる。図7(b)に示した一実施形態において、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2との差はΔV1と定義されることができる。
【0048】
メモリコントローラは、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2との差であるΔV1を所定の基準値と比較することができる。一実施形態において、上記基準値は、ΔV1より小さい値として選択されることができ、よって、メモリコントローラは、該当するメモリセルの状態をセット状態であると判断することができる。メモリコントローラは、第1書き込み電流によるメモリセルの状態の変化を復元するために、セット状態であると判断されたメモリセルに第2書き込み電流を入力することができる。第2書き込み電流が入力された後、メモリセルの読み出し電圧分布は、図7(c)と同様であることができる。
【0049】
第2書き込み電流は、メモリセルに含まれる情報格納素子を結晶質相に相変化させる電流であることができる。メモリコントローラは、セット状態であると判断されたメモリセルのみに第2書き込み電流を入力することができ、よって、複数のメモリセルの状態を読み出し動作が開始される前と実質的に同一の状態に戻すことができる。
【0050】
次に、図8(a)を参照すると、セット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したセット読み出し電圧分布320と、リセット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したリセット読み出し電圧分布330が示されている。図8(a)に示した一実施形態では、セット読み出し電圧分布320とリセット読み出し電圧分布330とが互いに重なる領域を有することができる。したがって、特定のメモリセルの読み出し電圧が、セット読み出し電圧分布320とリセット読み出し電圧分布330とが互いに重なる領域で検出される場合、該当するメモリセルの状態を正確に判断することができない。図8(a)に示した一実施形態において、メモリセルから検出した読み出し電圧が第1読み出し電圧VRD1である場合、基準電圧VREFよりも第1読み出し電圧VRD1が大きいため、該当するメモリセルの状態をリセット状態であると誤って判断してしまい得る。
【0051】
本発明の一実施形態では、読み出し動作中に書き込み電流を入力し、書き込み電流の入力前後に検出した読み出し電圧を互いに比較することで、上記のような問題を解決することができる。本発明の一実施形態によるメモリ装置では、メモリコントローラが第1読み出し電圧VRD1を検出した後、第1書き込み電流を複数のメモリセルに入力することができる。第1書き込み電流は、複数のメモリセルに含まれる情報格納素子を非晶質相に相変化させる電流であることができる。一実施形態において、メモリコントローラは、全てのメモリセルに第1書き込み電流を入力することができる。
【0052】
第1書き込み電流により全てのメモリセルの状態がリセット状態に設定されるため、第1書き込み電流が入力された後のメモリセルの読み出し電圧分布は、図8(b)のように示されることができる。図8(b)を参照すると、リセット読み出し電圧分布331だけが示されることができる。したがって、第1読み出し電圧VRD1を検出したメモリセルで読み出し動作を再度行う場合、該当するメモリセルで第1読み出し電圧VRD1ではなく、第2読み出し電圧VRD2が検出されることができる。図8(b)に示した一実施形態において、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2との差はΔV2と定義されることができる。
【0053】
図7に示した一実施形態のように、メモリコントローラは、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2との差であるΔV2を所定の基準値と比較することができる。一実施形態において、上記基準値は、ΔV2より小さい値として選択されることができ、よって、メモリコントローラは、該当するメモリセルの状態をセット状態であると判断することができる。メモリコントローラは、第1書き込み電流によるメモリセルの状態の変化を復元するために、セット状態であると判断されたメモリセルに第2書き込み電流を入力することができる。第2書き込み電流が入力された後、メモリセルの読み出し電圧分布は、図8(c)と同様であることができる。
【0054】
第2書き込み電流は、メモリセルに含まれる情報格納素子を結晶質相に相変化させる電流であることができる。メモリコントローラは、セット状態であると判断されたメモリセルのみに第2書き込み電流を入力することができ、よって、複数のメモリセルの状態を読み出し動作が開始される前と実質的に同一の状態に戻すことができる。
【0055】
次に、図9(a)を参照すると、セット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したセット読み出し電圧分布340と、リセット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したリセット読み出し電圧分布350が示されている。セット読み出し電圧分布340とリセット読み出し電圧分布350との間には、センシングマージンSMが存在することができ、センシングマージンSM内に基準電圧VREFが定義されることができる。メモリコントローラの読み出し回路は、各メモリセルから読み出した読み出し電圧を基準電圧VREFと比較することで、各メモリセルの状態をセット状態とリセット状態のいずれの一つであるかを判断することができる。
【0056】
図9(a)を参照すると、メモリコントローラは、メモリセルから第1読み出し電圧VRD1を取得することができる。第1読み出し電圧VRD1を取得した後、メモリコントローラは、複数のメモリセルに第1書き込み電流を入力することができる。第1書き込み電流が入力された後、メモリセルの読み出し電圧分布は、図9(b)のように示されることができる。第1書き込み電流は、複数のメモリセルに含まれる情報格納素子を非晶質相に相変化させる電流であることができる。
【0057】
図9(b)を参照すると、第1書き込み電流により複数のメモリセル全体の状態がリセット状態に設定され、リセット読み出し電圧分布351だけが示されることができる。第1読み出し電圧VRD1を検出したメモリセルで読み出し動作を再度行う場合、該当するメモリセルで検出される第2読み出し電圧VRD2は、第1読み出し電圧VRD1と殆ど差がないことがある。これは、該当するメモリセルが第1読み出し電圧VRD1を検出する前に、予めリセット状態に設定された状態であるため、第1書き込み電流による影響を殆ど受けないためである。したがって、メモリコントローラは、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2との差が基準値より小さいと判断し、該当するメモリセルの状態をリセット状態であると判断することができる。
【0058】
メモリコントローラは、第1書き込み電流によるメモリセルの状態の変化を復元するために、セット状態であると判断されたメモリセルに第2書き込み電流を入力することができる。第2書き込み電流が入力された後、メモリセルの読み出し電圧分布は、図9(c)と同様であることができる。第2書き込み電流は、メモリセルに含まれる情報格納素子を結晶質相に相変化させる電流であることができる。
【0059】
次に、図10(a)を参照すると、セット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したセット読み出し電圧分布360と、リセット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したリセット読み出し電圧分布370が示されている。図10(a)に示した一実施形態では、セット読み出し電圧分布360とリセット読み出し電圧分布370とが互いに重なる領域を有することができる。したがって、特定のメモリセルの読み出し電圧がセット読み出し電圧分布360とリセット読み出し電圧分布370とが互いに重なる領域で検出される場合、該当するメモリセルの状態を正確に判断することができない。図10(a)に示した一実施形態において、メモリセルから検出した読み出し電圧が第1読み出し電圧VRD1の場合、メモリコントローラは、該当するメモリセルが実際にはリセット状態を有するにもかかわらず、セット状態であると誤って判断してしまい得る。
【0060】
上記のような問題を解決するために、本発明の一実施形態によるメモリ装置では、メモリコントローラが第1読み出し電圧VRD1を検出した後、第1書き込み電流を複数のメモリセルに入力することができる。第1書き込み電流は、複数のメモリセルに含まれる情報格納素子を非晶質相に相変化させる電流であることができる。一実施形態において、メモリコントローラは、全てのメモリセルに第1書き込み電流を入力することができる。
【0061】
第1書き込み電流により全てのメモリセルの状態がリセット状態に設定されるため、第1書き込み電流が入力された後のメモリセルの読み出し電圧分布は、図10(b)のように示されることができる。図10(b)を参照すると、リセット読み出し電圧分布371だけが示されることができる。第1書き込み電流を入力した後、第1読み出し電圧VRD1を検出したメモリセルで読み出し動作を再度行うと、該当するメモリセルで第2読み出し電圧VRD2が検出されることができる。第2読み出し電圧VRD2は、第1読み出し電圧VRD1と殆ど差がないことがある。
【0062】
メモリコントローラは、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2との差を計算して所定の基準値と比較することができる。一実施形態において、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2は実質的に同一であるため、上記基準値より小さい差を有することができる。したがって、メモリコントローラは、該当するメモリセルの状態をリセット状態であると判断することができる。
【0063】
一方、メモリコントローラは、第1書き込み電流によるメモリセルの状態の変化を復元するために、セット状態であると判断されたメモリセルに第2書き込み電流を入力することができる。第2書き込み電流が入力された後、メモリセルの読み出し電圧分布は、図10(c)のように復元されることができる。
【0064】
図11は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供されるフローチャートである。
【0065】
図11を参照すると、本発明の一実施形態によるメモリ装置の読み出し動作は、メモリコントローラが複数のメモリセルから第1読み出し電圧を取得することにより開始することができる(S20)。メモリコントローラは、複数のメモリセルのそれぞれに所定の読み出し電流を供給して第1読み出し電圧を取得することができる。メモリコントローラは、第1読み出し電圧を取得した後、複数のメモリセルに再度読み出し電流を入力して、第2読み出し電圧を取得することができる(S21)。
【0066】
メモリコントローラは、S20の段階で取得した第1読み出し電圧と、S21の段階で取得した第2読み出し電圧を互いに比較することができる(S22)。メモリコントローラは、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が所定の基準値以上であるか否かを判断することができる(S23)。
【0067】
S23の段階の判断結果に基づいて、メモリコントローラは、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が基準値より小さいメモリセルの状態をリセット(Reset)状態であると判断することができる(S24)。一方、S23の段階の判断結果に基づいて、メモリコントローラは、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が基準値以上のメモリセルの状態をセット(Set)状態であると判断することができる(S25)。
【0068】
メモリコントローラは、複数のメモリセルから検出した読み出し電圧を所定の基準電圧と比較して、複数のメモリセルのそれぞれの状態を判断することができる。一例として、メモリコントローラは、読み出し電圧が基準電圧より大きいメモリセルの状態をリセット状態であると判断し、読み出し電圧が基準電圧より小さいメモリセルの状態をセット状態であると判断することができる。
【0069】
理想的な場合、セット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布とリセット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布との間にはセンシングマージンが存在することができる。しかしながら、実際の動作において、セット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布とリセット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布とが互いに重なることがある。互いに異なる状態の読み出し電圧分布が重なる領域で読み出し電圧が検出される場合、メモリコントローラは該当するメモリセルの状態を誤って判断してしまい得る。
【0070】
上記のような問題を解決するために、本発明の一実施形態による読み出し動作では、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧を順次に検出し、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差を所定の基準値と比較して、メモリセルの状態を判断することができる。セット状態を有するメモリセルの場合、第1読み出し電圧に比べて第2読み出し電圧がより大きく検出され、リセット状態を有するメモリセルの場合、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧が実質的に同一の値を有することができる。したがって、メモリコントローラは、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が所定の基準値より小さいと、該当するメモリセルをリセット状態であると判断し、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が所定の基準値以上であると、該当するメモリセルをセット状態であると判断することができる。
【0071】
メモリコントローラがメモリセルの状態を正確に判断するために、上記基準値は、読み出し動作が行われる間、セット状態のメモリセルで発生するリードディスターブ(read disturb)特性により決定されることができる。読み出し動作が行われる間、セット状態のメモリセルに含まれる情報格納素子で読み出し電流から生じる熱による相変化が発生することができる。それにより、セット状態のメモリセルの抵抗値が増加するリードディスターブが示されることができる。
【0072】
メモリコントローラがメモリセルの状態を正確に判断するために、リードディスターブ特性により上記基準値が決定されることができる。一実施形態において、上記基準値は、読み出し動作が行われる間、セット状態のメモリセルで抵抗が増加する程度に比例する値を有することができる。
【0073】
一方、読み出し動作を行うために複数のメモリセルのそれぞれに読み出し電流を入力する過程において、メモリセルのそれぞれに含まれるスイッチ素子がターンオンされることができ、このときに発生する熱により情報格納素子で相変化が発生することがある。情報格納素子の相変化は、セット状態を有するメモリセルで特に高い確率で発生することがある。読み出し電流によりセット状態を有するメモリセルで情報格納素子の相変化が発生すると、セット状態を有するメモリセルの抵抗値が増加して、メモリ装置のセンシングマージンが減少する問題が発生することがある。
【0074】
上記のような問題を解決するために、本発明の一実施形態によるメモリ装置では、読み出し動作を完了した後、セット状態であると判断されたメモリセルに補償電流を入力することができる(S26)。上記補償電流は、メモリセルをセット状態に設定する電流であることができる。上記補償電流によりセット状態を有するメモリセルの情報格納素子で読み出し動作により発生した相変化が復元されることができる。メモリコントローラは、S23の段階乃至S25の段階で判断した複数のメモリセルのそれぞれの状態に基づいて、データを出力することができる(S27)。一実施形態において、上記補償電流はデータ出力の前にセット状態を有するメモリセルに入力されるか、又は上記データを出力すると同時に入力されることもできる。
【0075】
図12及び図13は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するために提供される図である。
【0076】
先ず、図12(a)を参照すると、セット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したセット読み出し電圧分布400と、リセット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したリセット読み出し電圧分布410が示されている。セット読み出し電圧分布400とリセット読み出し電圧分布410との間にはセンシングマージンSMが存在することができ、センシングマージンSM内に基準電圧VREFが定義されることができる。メモリコントローラの読み出し回路は、各メモリセルから読み出した読み出し電圧を、基準電圧VREFと比較することで、各メモリセルの状態をセット状態とリセット状態のいずれの一つであるかを判断することができる。
【0077】
メモリコントローラは、メモリセルから第1読み出し電圧VRD1を取得することができる。第1読み出し電圧VRD1を取得するためにメモリコントローラがメモリセルに入力した読み出し電流により、セット状態を有するメモリセルのうちの少なくとも一部の抵抗値が増加することができる。図12(b)を参照すると、読み出し電流によりセット状態を有するメモリセルのうちの少なくとも一部の抵抗値が増加して、セット読み出し電圧分布401がグラフにおいて右側に移動するか又はその分散度が増加することができる。
【0078】
メモリコントローラは、第1読み出し電圧VRD1を取得したメモリセルから第2読み出し電圧VRD2を再度取得することができる。第2読み出し電圧VRD2は、第1読み出し電圧VRD1とは別途の読み出し動作で取得されるか、又は第1読み出し電圧VRD1を取得した読み出し動作で共に取得されることもできる。図12(b)に示した一実施形態において、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2との差はΔV3と定義されることができる。
【0079】
メモリコントローラは、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2との差であるΔV3を所定の基準値と比較することができる。一実施形態において、上記基準値は、ΔV3より小さいことができ、よって、メモリコントローラは、該当するメモリセルの状態をセット状態であると判断することができる。第2読み出し電圧VRD2を取得した後、メモリコントローラは、読み出し動作による一部のメモリセルの抵抗の増加を復旧するために、補償電流を入力することができる。図12(c)に示したように、補償電流を入力した後、複数のメモリセルの読み出し電圧分布は、読み出し動作を行う前の図12(a)のグラフと実質的に同一となることができる。一例として、メモリコントローラは、消費電力を低減するために、セット状態であると判断されたメモリセルのみに対して選択的に補償電流を入力することができる。
【0080】
次に、図13(a)を参照すると、セット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したセット読み出し電圧分布420と、リセット状態を有するメモリセルの読み出し電圧分布を示したリセット読み出し電圧分布430が示されている。セット読み出し電圧分布420とリセット読み出し電圧分布430との間にセンシングマージンSMが存在することができ、センシングマージンSM内に基準電圧VREFが定義されることができる。
【0081】
メモリコントローラは、メモリセルから第1読み出し電圧VRD1を取得することができる。第1読み出し電圧VRD1を取得するためにメモリコントローラがメモリセルに入力した読み出し電流により、セット状態を有するメモリセルのうちの少なくとも一部の抵抗値が増加することができる。図13(b)に示したように、読み出し電流によりセット状態を有するメモリセルのうちの少なくとも一部の抵抗値が増加して、セット読み出し電圧分布421の中間値がグラフの右側に移動するか又はその分散度が増加することができる。
【0082】
メモリコントローラは、第1読み出し電圧VRD1を取得したメモリセルから第2読み出し電圧VRD2を再度取得することができる。第2読み出し電圧VRD2は、第1読み出し電圧VRD1とは別途の読み出し動作で取得されるか、又は第1読み出し電圧VRD1を取得した読み出し動作で共に取得されることもできる。図13(b)に示した一実施形態において、メモリコントローラが第1読み出し電圧VRD1を取得したメモリセルは、リセット状態のメモリセルであることができ、第2読み出し電圧VRD2は、第1読み出し電圧VRD1と実質的に同一であることができる。これは、リセット状態のメモリセルで読み出し動作による情報格納素子の相変化が発生する確率が高くないためである。
【0083】
メモリコントローラは、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2との差を所定の基準値と比較することができる。図13(b)に示した一実施形態において、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2が実質的に同一であるため、第1読み出し電圧VRD1と第2読み出し電圧VRD2との差は、基準値より小さくなることができる。したがって、メモリコントローラは、該当するメモリセルの状態をリセット状態であると判断することができる。
【0084】
第2読み出し電圧VRD2を取得した後、メモリコントローラは、読み出し動作による一部メモリセルの抵抗の増加を復旧するために、補償電流を入力することができる。図13(c)に示したように、補償電流を入力した後、複数のメモリセルの読み出し電圧分布は、読み出し動作を行う前の図13(a)のグラフと実質的に同一であることができる。
【0085】
図14乃至図16は、本発明の一実施形態において、メモリセルに格納されたデータを読み出す回路を説明するために提供される図である。
【0086】
先ず、図14を参照すると、メモリセルMCは、スイッチ素子SWと、情報格納素子VRと、を含むことができる。スイッチ素子SWは、オボニック閾値スイッチ(OTS)素子として実現されることができ、情報格納素子VRは、相変化物質を含む可変抵抗として実現されることができる。一実施形態において、情報格納素子VRに含まれる相変化物質は、GST(Ge-Sb-Te)などを含むことができる。
【0087】
読み出し回路500は、メモリセルMCに格納されたデータを読み出すために所定のバイアス電流IをメモリセルMCに供給することができる。一実施形態において、バイアス電流Iは、クランピングトランジスタM1、M2を介してメモリセルMCに供給されることができる。クランピングトランジスタM1、M2は、ゲート端子に入力されるランプ電圧特性のクランピング電圧VCLAMPにより動作することができ、クランピングトランジスタM1、M2により第1ノードN1の電圧が適切な範囲内でクランピングされることができる。一実施形態において、クランピングトランジスタM1により、第1ノードN1の電圧は、情報格納素子VRに含まれる相変化物質の閾電圧より小さくクランピングされることができる。
【0088】
第1キャパシタC1と第2キャパシタC2のそれぞれは、メモリセルMCから検出される第1読み出し電圧と第2読み出し電圧を格納することができる。一実施形態において、クランピング電圧VCLAMPがスイッチ素子SWの閾電圧より大きくなると、第1センスアンプSA1により第1スイッチSW1又は第2スイッチSW2がターンオフされ、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧がそれぞれ第1キャパシタC1と第2キャパシタC2に格納されることができる。第2センスアンプSA2は、第1キャパシタC1と第2キャパシタC2のそれぞれに格納された第1読み出し電圧と第2読み出し電圧とを比較することができる。
【0089】
一実施形態において、第2センスアンプSA2は、第1読み出し電圧に所定のオフセット値αを加算して、第2読み出し電圧と比較することができる。但し、実施形態によっては、上記オフセット値αは、第2読み出し電圧側に加算されることもできる。メモリコントローラがメモリセルの状態を正確に判断することができるように、上記オフセット値αは、読み出し動作が行われる間、セット状態のメモリセルで抵抗が増加する程度に応じて決定されることができる。一例として、読み出し動作が行われる間、セット状態のメモリセルで抵抗が大きく増加する場合、オフセット値αは相対的に大きくなることができる。それに対して、読み出し動作が行われる間、セット状態のメモリセルで示される抵抗の増加幅が小さい場合、オフセット値αは相対的に小さいことができる。
【0090】
以下、図15及び図16を参照して、読み出し回路500の動作をさらに詳しく説明する。
【0091】
図15は、第1読み出し電圧を検出する場合に、読み出し回路500の動作を説明するために提供される回路図である。図15を参照すると、第1読み出し電圧を検出する場合、第2スイッチSW2は動作しなくてよい。第1読み出し電圧を検出するために、クランピング電圧VCLAMPが入力されると、第1スイッチSW1がターンオンされて、第1キャパシタC1が充電されることができる。
【0092】
ランプ電圧特性を有するクランピング電圧VCLAMPが増加してメモリセルMCのスイッチ素子SWがターンオンされると、第1センスアンプSA1により第1スイッチSW1がターンオフされて、第1キャパシタC1の充電動作が完了することができる。第1センスアンプSA1は、第1ノードN1の電圧が基準電圧VREFより大きいと、第1スイッチSW1をターンオフさせるように設計されることができる。
【0093】
次に、図16は、第2読み出し電圧を検出する場合の読み出し回路500の動作を説明するために提供される回路図である。図16を参照すると、第2読み出し電圧を検出する場合、第1スイッチSW1は動作しなくてよい。第2読み出し電圧を検出するために、クランピング電圧VCLAMPが入力されると、第2スイッチSW2がターンオンされて、第2キャパシタC2が充電されることができる。クランピング電圧VCLAMPが増加してメモリセルMCのスイッチ素子SWがターンオンされると、第1センスアンプSA1は、第2スイッチSW2をターンオフさせて、第2キャパシタC2に対する充電動作を終了することができる。
【0094】
第2センスアンプSA2は、第1キャパシタC1に格納された第1読み出し電圧と、第2キャパシタC2に格納された第2読み出し電圧とを互いに比較することができる。上述したように、第2センスアンプSA2は、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧のうちの少なくとも一つに所定のオフセット値αを加算することができる。第1読み出し電圧にオフセット値αが加算される場合、メモリコントローラは、下記式に基づいてメモリセルMCの状態をセット状態とリセット状態のいずれの一つであるかを判断することができる。
(数式1)
第1読み出し電圧+α<第2読み出し電圧→セット状態であると判断
第1読み出し電圧+α>第2読み出し電圧→リセット状態であると判断
【0095】
本発明の一実施形態では、メモリセルMCに格納されたデータを読み出すために、メモリセルMCから第1読み出し電圧と第2読み出し電圧を順次に取得し、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧とを比較して、メモリセルMCの状態をセット状態とリセット状態のいずれの一つであるかを判断することができる。したがって、読み出し動作の過程において、セット状態のメモリセルの抵抗値が増加するか、又はセット状態のメモリセルとリセット状態のメモリセルのそれぞれの読み出し電圧分布が重なる場合にも、メモリセルMCに格納されたデータを正確に読み出すことができる。一方、第1読み出し電圧を取得し、第2読み出し電圧を取得する前に、上述したように書き込み電流がメモリセルMCに入力されることもできる。
【0096】
図17は、本発明の一実施形態によるメモリ装置の動作を説明するためのタイミングダイアグラムである。
【0097】
先ず、図17(a)を参照すると、メモリコントローラは、メモリセルに読み出し信号を、順次に2回入力することができる。メモリコントローラは、1回目の読み出し信号が入力される第1読み出し動作で第1読み出し電圧を取得することができ、2回目の読み出し信号が入力される第2読み出し動作で第2読み出し電圧を取得することができる。
【0098】
図17(a)に示した一実施形態において、メモリコントローラは、2回目の読み出し信号を入力する前に、第1書き込み電流をメモリセルに入力することができる。一実施形態において、第1書き込み電流は、全てのメモリセルに入力されることができ、メモリセルの状態をリセット状態に設定する電流であることができる。第1書き込み電流により、全てのメモリセルの状態がリセット状態に設定されることができる。
【0099】
第1読み出し動作を開始する前にセット状態を有するメモリセルは、第1書き込み電流によりその状態がリセット状態に変更されることができる。それに対して、第1読み出し動作を開始する前にリセット状態を有するメモリセルは、第1書き込み電流と関係なく、リセット状態を維持することができる。したがって、メモリコントローラは、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が所定の基準値以上であるメモリセルを、セット状態であると判断することができる。一方、メモリコントローラは、第1書き込み電流によるメモリセルの状態の変化を復元するために、第2読み出し動作が完了した後、第2書き込み電流をセット状態であると判断されたメモリセルのみに選択的に入力することができる。第2書き込み電流は、メモリセルの状態をセット状態に設定する電流であることができる。
【0100】
次に、図17(b)を参照すると、メモリコントローラは、メモリセルに読み出し信号を、順次に2回入力することができる。メモリコントローラは、1回目の読み出し信号が入力される第1読み出し動作で第1読み出し電圧を取得することができ、2回目の読み出し信号が入力される第2読み出し動作で第2読み出し電圧を取得することができる。一方、他の一実施形態において、メモリコントローラは、1回目の読み出し動作が行われる間、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧を、順次に取得することもできる。
【0101】
第1読み出し動作を開始する前にセット状態を有するメモリセルでは、第1読み出し動作が行われる間、抵抗値が増加することができる。それに対して、第1読み出し動作を開始する前にリセット状態を有するメモリセルは、第1読み出し動作が行われる間、抵抗値が殆ど変わらないことができる。したがって、メモリコントローラは、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が所定の基準値以上であるメモリセルをセット状態であると判断し、第1読み出し電圧と第2読み出し電圧との差が所定の基準値より小さいメモリセルをリセット状態であると判断することができる。
【0102】
一方、メモリコントローラは、読み出し動作によりセット状態のメモリセルで示される抵抗値の増加を補償するために、第2読み出し動作が完了した後、所定の補償電流をセット状態であると判断されたメモリセのみに選択的に入力することができる。補償電流は、第2書き込み電流と同様に、メモリセルの状態をセット状態に設定するセット書き込み電流であることができる。
【0103】
図18は、本発明の一実施形態によるメモリ装置を含む電子機器を簡単に示したブロック図である。
【0104】
図18に示した実施形態による電子機器1000は、ディスプレイ1010、通信部1020、メモリ装置1030、プロセッサ1040、及び入出力部1050などを含むことができる。ディスプレイ1010、通信部1020、メモリ装置1030、プロセッサ1040、及び入出力部1050などの構成要素は、バス1060を介して互いに通信することができる。上記に示した構成要素の他に、電子機器1000は、電源装置、ポートなどをさらに含むことができる。
【0105】
プロセッサ1040は、特定の演算や命令語及びタスクなどを行うことができる。プロセッサ1040は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサユニット(MCU)、又はアプリケーションプロセッサ(AP)などであることができ、バス1060を介してディスプレイ1010、通信部1020、メモリ装置1030、入出力部1050などの他の構成要素と通信することができる。
【0106】
図18に示した電子機器1000に含まれるメモリ装置1030は、本発明の様々な実施形態によるメモリ装置であることができる。一例として、メモリ装置1030は、メモリコントローラ1031とメモリセルアレイ1032を含むことができ、図1乃至図17を参照して説明した様々な実施形態により動作することができる。メモリ装置1030は、プロセッサ1040が伝達する命令に応答してデータを格納するか、出力するか、又は削除することができる。
【0107】
本発明は、上述した実施形態及び添付した図面により限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲により限定するものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0108】
10: メモリ装置
20、220: メモリコントローラ
30: メモリセルアレイ
100、210: メモリセル
500: 読み出し回路
図1
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