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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/10 20060101AFI20220701BHJP
   G01N 21/59 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
H01Q13/10
G01N21/59 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018196049
(22)【出願日】2018-10-17
(65)【公開番号】P2020065172
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一二
(72)【発明者】
【氏名】村田 知紀
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大輔
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/187967(WO,A1)
【文献】特開昭59-055604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/10
G01N 21/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔に取り付け可能な検出装置であって、
前記貫通孔の内部に配置可能な挿入部と、前記挿入部が前記貫通孔の内部に配置されているときに前記貫通孔の外部に配置される頭部と、を有する本体部と、
前記挿入部に配置されて流体の状態を検出する検出部と、
前記頭部との間に隙間を形成するように配置された蓋部と、
前記頭部と前記蓋部とに挟まれるように配置された筒状の側壁を有する絶縁部と、
前記絶縁部の内側に収容されて、前記頭部、前記蓋部及び前記隙間をスロットアンテナとして前記検出部の検出結果を無線出力する発振部と、を備え、
前記本体部と前記蓋部とに渡るように配置されて前記隙間を前記貫通孔の軸線を中心とした周方向に区切る導体部を備え、
前記導体部は、前記頭部、前記蓋部及び前記隙間と共に前記スロットアンテナを構成し、
前記導体部は、前記周方向に間隔をあけて複数設けられているとともに、前記周方向に均等な間隔で配置され、
前記無線出力の波長λに対して、前記周方向で隣り合う導体部同士の間隔は、λ/4である検出装置。
【請求項2】
前記導体部は、前記本体部と前記蓋部とを結合するネジ部材である請求項に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機械の潤滑油の劣化を検出する検出装置が開示されている。この特許文献1に開示された検出装置は、ボルト形状を有した固定部材を備えている。この固定部材のネジ部には、先端面に潤滑油が侵入するための油侵入用空間を構成する溝が形成されている。この検出装置のネジ部は、潤滑油流路と外部とを連通する機械のネジ孔に取り付けられる。このネジ孔にネジ部が取り付けられることで、上述したネジ部の溝が機械の潤滑油流路内に配置され、溝に潤滑油が侵入する。検出装置は、この溝に侵入した潤滑油に含まれる不純物を、発光素子及び受光素子を用いて光学的に検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-196087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の検出装置は、検出結果を無線により出力している。しかしながら、特許文献1の検出装置は、アンテナを内蔵しているため、機械の外面から突出する部分が大型化してしまい、検出装置の設置自由度が低下してしまう可能性がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、検出結果を無線で出力しつつ、設置自由度が低下することを抑制できる検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る検出装置は、貫通孔に取り付け可能な検出装置であって、前記貫通孔の内部に配置可能な挿入部と、前記挿入部が前記貫通孔の内部に配置されているときに前記貫通孔の外部に配置される頭部と、を有する本体部と、前記挿入部に配置されて流体の状態を検出する検出部と、前記頭部との間に隙間を形成するように配置された蓋部と、前記頭部と前記蓋部とに挟まれるように配置された絶縁部と、前記絶縁部の内側に収容されて、前記頭部、前記蓋部及び前記隙間をスロットアンテナとして前記検出部の検出結果を無線出力する発振部と、を備える。前記本体部と前記蓋部とに渡るように配置されて前記隙間を前記貫通孔の軸線を中心とした周方向に区切る導体部を備え、前記導体部は、前記頭部、前記蓋部及び前記隙間と共に前記スロットアンテナを構成し、前記導体部は、前記周方向に間隔をあけて複数設けられているとともに、前記周方向に均等な間隔で配置され、前記無線出力の波長λに対して、前記周方向で隣り合う導体部同士の間隔は、λ/4である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、検出結果を無線で出力しつつ、設置自由度が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第一実施形態に係る検出装置の概略構成を示す斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る検出装置の断面図である。
図3】本発明の第二実施形態に係る検出装置の概略構成を示す斜視図である。
図4図3のIV-IV線に沿う断面図である。
図5】本発明の第二実施形態に係る検出装置の導体部の配置を示す平面図である。
図6】本発明の第二実施形態の第一変形例に係る検出装置の導体部の配置を示す平面図である。
図7】本発明の第一、第二実施形態の変形例に係る検出装置の図4に相当する断面図である。
図8】本発明の第二実施形態の第二変形例に係る検出装置の図4に相当する断面図である。
図9】本発明の第二実施形態の第二変形例に係る導体部及び絶縁部の軸線に直交する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態について図1から図2を参照して詳細に説明する。
<検出装置>
本実施形態に係る検出装置1Aは、作業機械等の機械に取り付けられて、機械の潤滑油や作動流体等の各種流体の状態を検出する。
図1図2に示すように、検出装置1Aは、流体Fの流路と連通する貫通孔Hに取り付け可能とされている。貫通孔Hは、例えば、ギヤボックス、トランスアクスル、油圧系統の配管等の壁部Wに形成されている。本実施形態の貫通孔Hは、丸孔であり、その内周面に雌ネジ(図示せず)が形成されている。
【0009】
検出装置1Aは、本体部2と、検出部3と、蓋部4と、絶縁部5Aと、発振部6と、を備えている。
本体部2は、挿入部11と、頭部12と、を備えている。本実施形態で例示する本体部2は、ボルトに類似した形状をなしている。
【0010】
挿入部11は、貫通孔Hの内部に配置可能に形成されている。本実施形態の挿入部11は、円柱状に形成され、その外周面には、貫通孔Hの雌ネジにネジ作用により締結可能な雄ネジが形成されている。挿入部11の端部には、流体Fを収容可能な溝状の凹部13が形成されている。この凹部13は、頭部12とは反対側の端面11tから頭部12に近づく方向に凹んでいる。検出装置1Aが貫通孔Hに取り付けられた状態のときに、この凹部13に、検出対象となる流体Fが流入する。
【0011】
頭部12は、挿入部11が貫通孔Hの内部に配置されているときに貫通孔Hの外部に配置される。本実施形態の頭部12は、六角ボルトの頭部に相当する。つまり、頭部12の軸線Oに垂直な断面輪郭は、六角形となっている。この頭部12における六角形の内接円の直径は、上記挿入部11の外径よりも大きい。この頭部12をスパナ等の工具で回すことで、上述した挿入部11を貫通孔Hにねじ込んだり、緩めたりできるようになっている。
【0012】
検出部3は、挿入部11に配置されて流体Fの状態を検出する。本実施形態で例示する検出部3は、発光素子15と受光素子16とから構成された、いわゆる光学センサからなる。発光素子15と受光素子16とは、凹部13を間に挟んで挿入部11の軸線と交差する方向で対向配置されている。発光素子15から発せられた光のうち、受光素子16に到達した光は、受光素子16で電気信号に変換される。この変換された電気信号は、受光素子16から発振部6に向けて出力される。ここで、上記光量に応じた電気信号は、例えば、流体Fに含まれる不純物の量と相関があるため、受光素子16から出力された電気信号を解析すれば、流体Fの状態が分かるようになっている。なお、流体Fの状態は、シミュレーションや実験などによって予め求められた、電気信号のピーク値、積分値等と、流体Fに含まれる不純物の量とのマップ、テーブル、又は数式等を用いれば求めることができる。
【0013】
蓋部4は、頭部12との間に隙間Gを形成するように配置されている。本実施形態における蓋部4の軸線Oに垂直な断面輪郭は、頭部12の断面輪郭と合同な六角形であり、軸線O方向から見て軸線Oを中心とした周方向における蓋部4と頭部12との互いの頂部の位置が一致している。そのため、メガネレンチ等の工具を、蓋部4を通じて容易に頭部12に嵌めることができる。この実施形態における蓋部4及び頭部12は、金属材料により構成されている。本実施形態における蓋部4の軸線Oの厚さ寸法は、頭部12の厚さ寸法よりも小さい。
【0014】
絶縁部5Aは、頭部12と蓋部4とに挟まれるように配置されている。絶縁部5Aは、筒状の側壁5aを有している。本実施形態における絶縁部5Aは、円筒状に形成されている。絶縁部5Aは、絶縁性に優れた絶縁材料により形成されている。側壁5aを構成する絶縁材料としては、セラミックや合成樹脂などを例示できる。合成樹脂としては、ポリフェニレンサルファイドなどを例示できる。ここで、本実施形態の頭部12及び蓋部4は、互いに対向する対向面に、絶縁部5Aの端部を収容する円形の収容凹部4d,12dを備えている。絶縁部5Aは、軸線O方向の両端部が、それぞれ蓋部4の収容凹部4dと頭部12の収容凹部12dとに収容され固定されている。この絶縁部5Aは、隙間Gを介して軸線Oを中心とした周方向の外側に向かって露出している。
【0015】
発振部6は、絶縁部5Aの内側に収容されている。この発振部6は、頭部12、蓋部4及び隙間Gをスロットアンテナとして検出部3の検出結果を無線出力する。本実施形態における発振部6は、無線通信回路(図示せず)を備える基板部6Aと、この基板部6Aの無線通信回路に電気的に接続されたワイヤアンテナ部6Bとを備えている。基板部6Aには、少なくとも検出部3の受光素子16より電気信号が入力される。本実施形態における基板部6Aには、例えば、無線通信による受信信号に基づいて、検出部3の発光素子15を作動させる回路を有している。本実施形態では無線通信回路及び検出部3に電力供給する小型のバッテリ(図示せず)を備えている。なお、例えばループアンテナ等を設けて、ループアンテナ等に生じる起電力を、無線通信回路を駆動する電力として用いるようにしてもよい。
【0016】
基板部6Aは、軸線Oに延びる矩形の平板状に形成されている。ワイヤアンテナ部6Bは、基板部6Aの蓋部4に近い側の二つの角部のうち、一方の角部の近傍に接続されている。ワイヤアンテナ部6Bは、第一部分6Baと、第二部分6Bbと、第三部分6Bcと、を備えている。第一部分6Baは、基板部6Aから離間する方向に直線状に延びている。第二部分6Bbは、第一部分6Baの端部から、基板部6Aの蓋部4に近い側の辺に沿って直線状に延びている。第三部分6Bcは、第二部分6Bbの端部から、頭部12側に向かって直線状に延びている。言い換えれば、第一部分6Baに対して、第二部分6Bbと第三部分6Bcとが垂直な方向に延び、第二部分6Bbに対して第三部分6Bcが垂直な方向に延びている。
【0017】
発振部6は、上記ワイヤアンテナ部6Bから電波を発することで、頭部12と蓋部4との間に電界を形成させることが可能になっている。つまり、ワイヤアンテナ部6Bから電波を発することで、ワイヤアンテナ部6Bから隙間Gを通じて外部に電波が伝搬されると共に、頭部12と蓋部4と隙間Gとがスロットアンテナとして機能して、スロットアンテナから電波が発せられる。軸線O方向における隙間Gの寸法は、無線通信で用いられる送信周波数(例えば、2.4GHz等)の波長λに対して十分小さい値に設定され、例えば、λ/20程度とすることができる。
【0018】
<作用効果>
上記の検出装置1Aでは、頭部12と蓋部4とが絶縁部5Aによって電気的に絶縁されているので、頭部12、蓋部4及び隙間Gをスロットアンテナとして機能させることができる。そのため、検出部3の検出結果を、頭部12、蓋部4及び隙間Gにより構成されるスロットアンテナを用いて無線出力することができる。
よって、機械から検出装置1Aの突出する部分が大型化することを抑制できる。そのため、検出結果を無線で出力しつつ、検出装置1Aの設置自由度が低下することを抑制できる。
【0019】
さらに、発振部6がワイヤアンテナ部6Bを備えていることで、上記スロットアンテナによる無線出力と共に、ワイヤアンテナ部6Bから隙間Gを通じて直接的に無線出力を行うこともできる。
【0020】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について図3図4を参照して説明する。図3図4では、第一実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第二実施形態の検出装置1Bは、本体部2と、検出部3(図2参照)と、蓋部4と、絶縁部5Aと、発振部6(図2参照)と、導体部7と、を備えている。
本体部2は、挿入部11と頭部12とを備えている。この本体部2は、第一実施形態と同様の構成であり、ボルトに類似した形状をなしている。
【0021】
頭部12は、蓋部4を向く面にネジ穴12hを有している。本実施形態におけるネジ穴12hは、軸線O方向に延びている。ネジ穴12hは、頭部12の六角形の角部近傍に形成されている。本実施形態の頭部12は、三つのネジ穴12hを有している。これら三つのネジ穴12hは、軸線Oを中心とした周方向で、隣り合うネジ穴12h同士の間隔が均等になるように形成されている。本実施形態では、軸線Oを中心とした角度で、120度毎にネジ穴12hが形成されている場合を示している。
【0022】
蓋部4は、頭部12に形成されたネジ穴12hと対向する位置に、遊挿孔4hを有している。遊挿孔4hは、ネジ穴12hの内径よりも僅かに大径な内径を有している。本実施形態の遊挿孔4hは、三つ形成されている。すなわち、これら三つの遊挿孔4hも軸線Oを中心とした周方向で隣り合う遊挿孔4h同士の間隔が均等となるように、軸線O周りの角度で120度毎に形成されている。
【0023】
導体部7は、本体部2と蓋部4とに渡るように配置されている。具体的には、頭部12と蓋部4とに渡るように配置されている。本実施形態では、複数の導体部7として三つの導体部7が設けられている。これら三つの導体部7は、絶縁部5Aよりも軸線Oを中心とした径方向の外側に配置されている。これら三つの導体部7は、軸線Oを中心とした周方向に隙間Gを区切っている。これら導体部7のうち、隙間Gに配置されている部分は、円柱状に形成されている。
【0024】
本実施形態の導体部7としては、ビスを用いることができる。ビスからなる導体部7がそれぞれ蓋部4の遊挿孔4hを通して頭部12のネジ穴12hにねじ込まれることで、蓋部4と本体部2とが軸線O方向で結合されている。そして、これらビスからなる導体部7は、金属で形成され、蓋部4と頭部12とを電気的に接続している。図5に示すように、三つの導体部7は、軸線O周りの角度で120度毎に配置されている。つまり、軸線Oを中心とした周方向における導体部7同士の間隔は、均等とされている。
【0025】
周方向で隣り合う導体部7同士の直線距離L1は、無線通信で用いられる送信周波数の波長λに対して、λ/4になっている。これら導体部7は、頭部12、蓋部4及び隙間Gと共に、三つのスロットアンテナを構成している。これら三つのスロットアンテナの長手方向は、それぞれ軸線Oに垂直な方向になっている。なお、直線距離L1は、厳密に「λ/4」と等しい場合に限られない。公差や同じ機能を備えている差が存在していてもよく、例えば、(λ/4)±5%等としてもよい。
【0026】
<第二実施形態の作用効果>
上記検出装置1Bでは、複数の導体部7を設けることで、軸線Oを中心とした周方向に、同一形状の複数のスロットアンテナを並べて形成することができる。そのため、軸線Oを中心とした周方向に、均等に無線出力を行うことができる。これにより、作業中に発振部と受信部の相対位置が変動する作業機械でも安定した出力の授受が可能である。また、検出装置1Bを周方向の特定の位置に合わせて取り付ける必要がない。
さらに、周方向で隣り合う導体部7同士の直線距離L1をλ/4としていることで、アンテナ利得を全周で向上することができる。
【0027】
<第二実施形態の第一変形例>
第二実施形態では、三つの導体部7を設ける場合について説明した。しかし、導体部7の個数は、三つに限られない。
図6に示す検出装置1Cのように、例えば、軸線Oを中心とした周方向に二つの導体部7を設けてもよい。この検出装置1Cでは、蓋部4を軸線O方向から見て、六角形の対角線上にそれぞれ二つの導体部7が配置されている。この検出装置1Cの二つ導体部7は、軸線Oを中心とした周方向で均等に配置されている。また、これら二つの導体部7の直線距離L2は、λ/4となっており、アンテナ利得を全周で向上している。
【0028】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0029】
上記の第二実施形態では、導体部7によって蓋部4と本体部2とを電気的に接続する場合について説明したが、導体部7とは別に、合成樹脂等の絶縁体からなるビスによって本体部2と蓋部4とを結合するようにしてもよい。さらに、このような合成樹脂等の絶縁体からなるビスを用いて、第一実施形態の本体部2と蓋部4とを結合するようにしてもよい。このようにすることで、本体部2と蓋部4との結合強度を高めることができる。
【0030】
第二実施形態及び第二実施形態の第一変形例では、三つの導体部7を設けていたが、導体部7は二つ以上設ければよい。また、複数の導体部7を設けている場合に、軸線Oを中心とした周方向で隣り合う導体部7の間隔が均等に配置されていた。しかし、軸線O周りの全方向への均等なアンテナ利得が必要ない場合には、導体部7同士の間隔は均等でなくてもよい。
【0031】
各実施形態では、本体部2がボルトに類似した形状であり、貫通孔Hにネジ作用により固定される場合について説明した。しかし、本体部2は、ボルトに類似した形状に限られず、例えば、本体部2を貫通孔Hに対して、溶接や接着等により固定してもよい。同様に蓋部4を平面視で六角形に形成されている場合について説明したが、本体部2を貫通孔Hに固定することを妨げない形状であれば、六角形以外の形状であってもよい。
【0032】
各実施形態では、発振部6がワイヤアンテナ部6Bを介してスロットアンテナを機能させる場合について説明した。しかし、ワイヤアンテナ部6Bを省略して、例えば基板部6Aから蓋部4と頭部12との間に有線で直接的に電圧印加してスロットアンテナから無線出力させるようにしてもよい。
【0033】
第一、第二実施形態及び第二実施形態の第一変形例では、本体部2と蓋部4との隙間Gが空所とされていたが、上述した絶縁体のビスと同様に、スロットアンテナの動作を阻害しない材料であれば、隙間Gに配置されていてもよい。例えば、図7に示すように、隙間Gを、スロットアンテナの動作を阻害しない樹脂モールド5Bで埋めるようにしてもよい。図7では、第二実施形態の隙間Gを埋める場合を例示しているが、第一実施形態や第二実施形態の第一変形例における隙間Gも同様に樹脂モールド5Bで埋めることができる。このようなスロットアンテナの動作を阻害しない材料で隙間Gを埋めることで、塵埃や水分等が絶縁部5Aの内部に入り込むことを抑制できる。したがって、検出装置1A,1B,1Cの信頼性を向上できる。
【0034】
第二実施形態及び第二実施形態の第一変形例では、導体部7が柱状のビスからなる場合について説明した。しかし、導体部7は、ビスに限られず、他の形状の導体であってもよい。例えば、図8図9に示すように、絶縁部5Aの側壁5aの外周面上に形成されて、頭部12と蓋部4とを電気的に接続する金属箔等からなる導体部7Hを用いてもよい。また、頭部12と蓋部4とを電気的に接続する金属箔等からなる導体部7Hは、絶縁部5Aの側壁5aの内周面上に形成してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1A,1B,1C,1D,1E…検出装置 2…本体部 3…検出部 4…蓋部 4d…収容凹部 4h…遊挿孔 5A…絶縁部 5B…樹脂モールド 5a…側壁 6…発振部 6A…基板部 6B…ワイヤアンテナ部 7,7H…導体部 11…挿入部 11t…端面 12…頭部 12d…収容凹部 12t…端面 13…凹部 15…発光素子 16…受光素子 G…隙間 H…貫通孔 O…軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9