(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドへの、立体的に規定されたオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体のカップリングの増大法
(51)【国際特許分類】
C07H 21/04 20060101AFI20220701BHJP
A61K 31/7125 20060101ALI20220701BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
C07H21/04 Z
A61K31/7125
A61K48/00 ZNA
(21)【出願番号】P 2018559225
(86)(22)【出願日】2017-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2017060985
(87)【国際公開番号】W WO2017194498
(87)【国際公開日】2017-11-16
【審査請求日】2020-02-25
(32)【優先日】2016-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515129320
【氏名又は名称】ロシュ イノベーション センター コペンハーゲン エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ラブン ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】ファンダー エリック
【審査官】飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523316(JP,A)
【文献】Nucleic Acids Research,2014年,Vol.42, No.22,p.13456-13468,Supplementary Information
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H 21/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、立体的に規定された(stereodefined)ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの合成のための方法:
(a) 固体支持体へ結合された、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの保護された5’-ヒドロキシ末端を脱保護する工程、
(b) 亜リン酸トリエステル中間体を形成させるために、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの脱保護された該5’-ヒドロキシ末端へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程であって、カップリング反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われ、該芳香族複素環溶媒が、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、およびルチジンからなる群より選択される、工程、ならびに
(c) 該亜リン酸トリエステル中間体を硫化試薬で酸化する工程、
(d) 任意で、1回または複数回のさらなる伸長サイクルのために工程(a)~(c)を繰り返す工程、
(e) 該オリゴヌクレオチドの脱保護および該固体支持体からの該オリゴヌクレオチドの切断の工程。
【請求項2】
複数回のさらなる伸長サイクル(d)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドとオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われ、該芳香族複素環溶媒が、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、およびルチジンからなる群より選択される、工程
を含む、該ヌクレオシドまたは該オリゴヌクレオチドの5’-末端へオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法。
【請求項5】
前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環塩基である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記芳香族複素環溶媒がピリジンである、請求項1~
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、
0.1%~
50% (v/v)
である、請求項1~
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、
0.5%~
10%
である、請求項1~
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とアセトニトリルと、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、およびルチジンからなる群より選択される芳香族複素環溶媒とを含む、アセトニトリル溶液。
【請求項10】
前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の濃度が、
0.05 M~
2 M
である、請求項
9に記載のアセトニトリル溶液。
【請求項11】
前記芳香族複素環溶媒が、請求項1~
8のいずれか一項に記載される通りである、請求項
9または
10に記載のアセトニトリル溶液。
【請求項12】
アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、
0.1%~
50% (v/v)
である、請求項
9または
11に記載のアセトニトリル溶液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、立体的に規定された(stereodefined)ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの分野に関し、かつ立体的に規定されたヌクレオシド単量体、および該単量体を使用する立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成方法に関する。本明細書において溶媒組成物が開示され、該溶媒組成物は、立体的に規定されたヌクレオシド単量体の溶解性および安定性の増大を提供し、かつ、オリゴヌクレオチド合成におけるそのような単量体のカップリング有効性を改善するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
最近になって、オリゴヌクレオチドにおける立体的に規定されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合の使用は、治療用オリゴヌクレオチドの薬理学的プロファイルの最適化を可能にすることが、明らかとなった。しかし、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの製造は、立体的に規定されていないホスホロチオエートオリゴヌクレオチドと比較した場合、現在、比較的非効率的である。従って、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成の効率を改善する必要性がある。
【0003】
Wan et al., Nucleic Acids Research (2014年11月14日に早期公開済み)(非特許文献1)は、DNAギャップ領域内にキラルホスホロチオエート結合を含有する(S)cETギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドの合成を開示している。Wanらによって作製されたオリゴヌクレオチドは、(S)cETギャップマー中へオキサザホスホリジンDNA単量体を組み込んだ。DNAアミダイトは、アセトニトリル/トルエン(1:1 v/v)中0.2M濃度として調製され、二重カップリング工程を使用してカップリングされた。(S)cET単量体は標準(立体的に規定されていない)アミダイトであった。
【0004】
WO2014/010250(特許文献1)は、オリゴヌクレオチド中へ組み込まれると、対応のホスホロチオエートヌクレオシド間結合位置にキラル的に規定された立体中心を提供する、ヌクレオシド単量体を開示している。国際公開公報WO2014/010250(特許文献1)において報告されるカップリング工程は、アセトニトリル中において行われる。
【0005】
いくつかの態様において、本発明は、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、多くの溶媒中に可溶化するのが困難であり得、可溶化された場合でさえ、非常に不安定であり、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドを商業上妥当な規模で作製する能力を制限し得るという観察に基づく。
【0006】
オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の好適な安定した溶液を提供することができることに加えて、本発明はまた、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体溶液はオリゴヌクレオチド合成中に比較的非効率的なカップリングをもたらし得るという知見に基づく。
【0007】
アセトニトリル中において芳香族複素環溶媒を使用することによって、本発明者らは、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の溶解性、安定性、および/または反応性が改善され得ることを見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【非特許文献】
【0009】
【文献】Wan et al., Nucleic Acids Research (2014年11月14日に早期公開済み)
【発明の概要】
【0010】
発明に関する記載
本発明は、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドとオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒を含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程を含む、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの5’-末端へオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法を提供する。本発明のカップリングのための方法は、オリゴヌクレオチド合成のための方法に組み込まれ得る。
【0011】
本発明は、以下の工程を含む、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの合成のための方法を提供する:
(a) 固体支持体へ結合された、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの保護された5’-ヒドロキシ末端を脱保護する工程、
(b) 亜リン酸トリエステル中間体を形成させるために、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの脱保護された5’-ヒドロキシ末端へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程であって、カップリング反応が、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒を含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程、ならびに
(c) 亜リン酸トリエステル中間体を硫化試薬で酸化する工程、
(d) 任意で、1回または複数回のさらなる伸長サイクルのために工程(a)~(c)を繰り返す工程、
(e) オリゴヌクレオチドの脱保護および固体支持体からのオリゴヌクレオチドの切断の工程。
【0012】
本発明の方法は、複数回のさらなる伸長サイクル(d)、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上のさらなる伸長サイクルを含み得る。
【0013】
本発明は、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、または固体支持体と、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒を含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程を含む、ヌクレオシドもしくはオリゴヌクレオチドの5’-末端へ、または固体支持体(例えばユニリンカー(unilinker))へ結合されたヒドロキシル基へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法を提供する。
【0014】
本発明は、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、または固体支持体と、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒と、活性化物質とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程を含む、ヌクレオシドもしくはオリゴヌクレオチドの5’-末端へ、または固体支持体(例えばユニリンカー)へ結合されたヒドロキシル基へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法を提供する。
【0015】
本発明は、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を本発明のヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの5’-末端へカップリングするための方法を含む、オリゴヌクレオチド合成のための方法を提供する。
【0016】
本発明は、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とアセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含む、アセトニトリル溶液組成物を提供する。
【0017】
本発明は、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒と、任意で活性化物質とを含む溶媒組成物へ単量体を添加する工程を含む、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を溶解させるための方法を提供する。
【0018】
本発明は、アセトニトリル中におけるオキサザホスホリジンホスホルアミダイトの安定性および/または溶解性を増大させるための芳香族複素環溶媒の使用を提供する。
【0019】
本発明は、アセトニトリル中におけるオキサザホスホリジンホスホルアミダイトの反応性、例えば、オリゴヌクレオチド合成カップリング工程における反応性を増大させるための芳香族複素環溶媒の使用を提供する。
【0020】
実施例において説明されるように、本発明の溶媒組成物(アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒組成物とも呼ばれる)の使用は、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の溶解性および安定性を増大させ、これは、オリゴヌクレオチド合成における有用性の増大をもたらし得る。いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、少なくとも24時間の間、溶媒組成物に可溶である。本発明は、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体と本発明のアセトニトリル溶媒組成物(アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒組成物)とを含むオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の溶液をさらに提供する。いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の溶液は、少なくとも24時間安定している。
[本発明1001]
以下の工程を含む、立体的に規定された(stereodefined)ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの合成のための方法:
(a) 固体支持体へ結合された、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの保護された5’-ヒドロキシ末端を脱保護する工程、
(b) 亜リン酸トリエステル中間体を形成させるために、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの脱保護された該5’-ヒドロキシ末端へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程であって、カップリング反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程、ならびに
(c) 該亜リン酸トリエステル中間体を硫化試薬で酸化する工程、
(d) 任意で、1回または複数回のさらなる伸長サイクルのために工程(a)~(c)を繰り返す工程、
(e) 該オリゴヌクレオチドの脱保護および該固体支持体からの該オリゴヌクレオチドの切断の工程。
[本発明1002]
複数回のさらなる伸長サイクル(d)を含む、本発明1002の方法。
[本発明1003]
前記立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドである、本発明1003の方法。
[本発明1004]
ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドとオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程
を含む、該ヌクレオシドまたは該オリゴヌクレオチドの5’-末端へオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法。
[本発明1005]
前記芳香族複素環溶媒が、20℃で水中において4~7または7~17のpKaを有する、本発明1001~1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環塩基である、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環酸である、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1008]
前記芳香族複素環溶媒が、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、ルチジン、およびピロールからなる群より選択される、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1009]
前記芳香族複素環溶媒がピリジンである、本発明1001~1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.1%~約50% (v/v)、例えば約0.5%~約25%である、本発明1001~1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.5%~約10%、例えば約1%~約5%、例えば約2~4%、例えば約2.5%または約3.5%である、本発明1001~1009のいずれかの方法。
[本発明1012]
オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とアセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含む、アセトニトリル溶液。
[本発明1013]
前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の濃度が、約0.05 M~約2 M、例えば約0.1 M~約1 M、例えば約0.1 M~約0.2 M、例えば約0.15 Mまたは約0.175 Mまたは約0.2 Mである、本発明1012のアセトニトリル溶液。
[本発明1014]
前記芳香族複素環溶媒が、本発明1001~1011のいずれかの通りである、本発明1012または1013のアセトニトリル溶液。
[本発明1015]
アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、約0.1%~約50% (v/v)、例えば約0.5%~約25% (v/v)である、本発明1012または1014のアセトニトリル溶液。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】溶媒の選択における様々なLおよびDヌクレオシド単量体の安定性。3 = 比較的不安定、2 = 中間の安定性、1 = 比較的安定。
【
図2】溶媒の選択における様々なLおよびDヌクレオシド単量体の溶解性。
【
図3】様々な溶媒中における24時間後に測定されたL-LNA-G-iBu単量体(3a)およびL-LNA-G-DMF単量体の安定性(実施例6を参照のこと)。
【
図4】アセトニトリル溶媒への5%ピリジンの添加は従来のホスホルアミダイトのカップリング有効性を減少させる。
【
図5】トリエチルアミン有りおよび無しでのL-LNA-Aの安定性。トリエチルアミンはL-LNA A単量体を安定させる。
【
図6】立体的に規定されたL-LNA-Aオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体および様々な異なるアミン塩基を使用するモデル系における相対的カップリング効率。
【
図7】様々な溶媒中において様々なオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を使用するモデル系における相対的カップリング効率。追加の単量体をさらに試験することによって、ピリジンの添加の溶解性増大効果は、一連の単量体にわたって一般的であることが明らかにされている。D-LNA A、D-DNA AおよびL-DNA Aの場合におけるように、これらの単量体は、MeCN中に24時間後に可溶性ではない。しかし、ピリジンの添加で、単量体の溶解性は維持される。反応性における増大もD-DNA AおよびL-LNA Tについて見られ、一方、L-DNA AおよびD-LNA Aは同等の様式で反応する。
【
図8】2.5%ピリジン有りおよび無しでの完全長生成物の変換。
【
図9】ピリジン有りおよび無しでの理論収率(%) - 13mer。
【
図10】ピリジン有りおよび無しでの理論収率(%) - 16mer。
【
図11】ピリジン無し、100%ピリジン溶媒、および2.5%ピリジンの存在下での完全長生成物への変換は、2.5%ピリジンが、立体的に規定されていないホスホルアミダイトカップリングで達成されるものに近い変換率をもたらすことを示している。
【
図12】例示的なオキサザホスホリジンホスホルアミダイトDNA単量体M1~M8。Ac =アセチル保護基、Bz = ベンゾイル保護基。
【
図13】例示的なオキサザホスホリジンホスホルアミダイトDNA単量体M9~M16、ここで、R
1 = メチル;Ac = アセチル保護基、Bz = ベンゾイル保護基。
【
図14】例示的なオキサザホスホリジンホスホルアミダイトLNA単量体M17~M24。Ac = アセチル保護基、Bz = ベンゾイル保護基。
【
図15】例示的なオキサザホスホリジンホスホルアミダイトLNA単量体M25~M32;ここで、R
1 = メチル;Ac = アセチル保護基、Bz = ベンゾイル保護基。
【
図16】例示的なオキサザホスホリジンホスホルアミダイトLNA単量体M32~M40、ここで、R
1 = 水素およびメチルより選択され;R
eは、S配置またはR配置のいずれかにあり得、好ましくはS配置((S)Cet)にあり得る、メチルである;Ac = アセチル保護基、Bz = ベンゾイル保護基。
【
図17】例示的なオキサザホスホリジンホスホルアミダイトDNA単量体(式33~40)。A = 例えば、アセチルまたはベンゾイルで任意で保護されてもよい、アデニン;T = チミン;C = 任意で5-メチルシトシンであり得るシトシン;シトシンまたは5-メチルシトシンは、例えば、ベンゾイルまたはアセチルで任意で保護されてもよい;G = 例えば、アシル(例えばiBu)またはDMFで任意で保護されてもよい、グアニン;R
3 =CH
2ODMTr、CH
2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH
2OMMTr、CH
2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-R
a-O-DMTrR
b、およびCH-R
a-O-MMTrR
b、好ましくは-CH
2-O-DMTrからなる群より選択され;Rはアリール、好ましくはフェニルであり;R
1は水素またはメチルであり;R
9は水素である。
【
図18】例示的なオキサザホスホリジンホスホルアミダイトLNA単量体(式41~48)。A = 例えば、アセチルまたはベンゾイルで任意で保護されてもよい、アデニン;T = チミン;C = 任意で5-メチルシトシンであり得るシトシン;シトシンまたは5-メチルシトシンは、例えば、ベンゾイルまたはアセチルで任意で保護されてもよい;G = 例えば、L-LNA-G単量体についてはiBuなどのアシルでまたはD-LNA-G単量体についてはアシル(例えばiBu)もしくはDMFのいずれかで任意で保護されてもよい、グアニン;R
3 = CH
2ODMTr、CH
2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH
2OMMTr、CH
2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-R
a-O-DMTrR
b、およびCH-R
a-O-MMTrR
b、好ましくは-CH
2-O-DMTrからなる群より選択され;Rはアリール、好ましくはフェニルであり;R
1は水素またはメチルであり;R
9は水素である。
【
図19】2.5%ピリジン有りまたは無しでのアセトニトリル中において様々なオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を使用するモデル系における相対的カップリング効率。図は、L-LNA-G、L-LNA-C、D-DNA-Cのカップリング有効性がカップリング溶媒中の2.5%ピリジンの存在によって著しく改善され、試験した残りの単量体については、ピリジンの添加は、カップリング有効性を改善したか(例えば、L-DNA-TまたはL-DNA-C)、カップリング有効性に悪影響を与えなかったことを示しており、単量体に対するピリジンの溶解性および安定性の利点を考慮して、結果は、ピリジンのような、複素環塩基溶媒を含むカップリング溶媒を使用する利点が、全ての単量体について見られることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
本明細書において使用される場合、「アリール」という用語は、環を形成する原子の各々が炭素原子である芳香環を指す。アリール環は、5個、6個、7個、8個、9個、または9個を超える炭素原子によって形成される。アリール基は置換または非置換である。一局面において、アリールはフェニルまたはナフタレニルである。構造に依存して、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(即ち、アリーレン基)であり得る。一局面において、アリールはC6~10アリールである。いくつかの態様において、アリールはフェニルである。置換される場合、アリールは、C1~4アルキル基、C6~14アリール基 C1~4, アルコキシ基、C7~14アラルキル基、C1~4アルキル、C6~14アリール基、C1~4アルコキシ、C6~14アリール基、またはC6~14アリールC1~4アルキル基からなる群より選択される基で置換され得る。複数の置換基は依存的にまたは独立して、C1~4アルキル基、C6~14アリール基 C1~4, アルコキシ基、C7~14アラルキル基、C1~4アルキル、C6~14アリール基、C1~4アルコキシ、C6~14アリール基、もしくはC6~14アリールC1~4アルキル基;またはハライド、例えば、ヨージド、フルオリド、ブロミド、もしくはクロリドからなる群より選択される基;例えばハライド、例えば、ヨージド、フルオリド、ブロミド、もしくはクロリドで置換されたフェニルからなる群より選択され得る。
【0023】
「アルキル」基は脂肪族炭化水素基を指す。アルキル部分は飽和アルキル基であり得(これは、それがいかなる不飽和単位、例えば、炭素-炭素二重結合または炭素-炭素三重結合も含有しないことを意味する)、またはアルキル部分は不飽和アルキル基であり得る(これは、それが少なくとも1つの不飽和単位を含有することを意味する)。アルキル部分は、飽和または不飽和にかかわらず、分岐鎖、直鎖であってもよいか、または環状部分を含んでもよい。アルキルの結合点は、環の一部ではない炭素原子にある。「アルキル」部分は、1~10個の炭素原子を有し得る(本明細書に出現する場合は常に、「1~10」のような数値範囲は、所定の範囲内の各整数を指し;例えば、「1~10個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、10個を含む10個までの炭素原子からなり得ることを意味するが、この定義はまた、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の出現も保護する)。アルキルは分岐アルキル基および直鎖アルキル基の両方を含む。本明細書に記載される化合物のアルキル基は、「C1~6アルキル」または同様の指定として指定され得る。ほんの一例として、「C1~6アルキル」は、アルキル鎖中に1、2、3、4、5、または6個の炭素原子があることを示し、即ち、アルキル鎖は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびtert-ブチルからなる群より選択される。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル、アリル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルなどが挙げられるが、決してこれらに限定されない。一局面において、アルキルはC1~6またはC1~4アルキルまたはC1~3アルキルである。C1~3アルキル基は、1~3個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基を意味する。C1~4アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルである。C1~3アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基を意味する。C1~3アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、およびtert-ブチルである。
【0024】
「アルケニル」基は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する直鎖、分岐鎖、および環状炭化水素基である。アルケニル基は置換され得る。
【0025】
「アルキニル」基は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有する直鎖、分岐鎖、および環状炭化水素基である。アルキニル基は置換され得る。
【0026】
「アルコキシ」基は、酸素へ連結されたアルキル基、即ち、(アルキル)-O-基を指し、ここで、アルキルは本明細書に定義される通りである。例としてはメトキシ(-OCH3)またはエトキシ(-OCH2CH3)基が挙げられる。
【0027】
「アルケニルオキシ」基は、酸素へ連結されたアルケニル基、即ち、(アルケニル)-O-基を指し、ここで、アルケニルは本明細書に定義される通りである。
【0028】
「アルキニルオキシ」基は、酸素へ連結されたアルキニル基、即ち、(アルキニル)-O-基を指し、ここで、アルキニルは本明細書に定義される通りである。
【0029】
「アリールオキシ」基は、酸素へ連結されたアリール基、即ち、(アリール)-O-基を指し、ここで、アリールは本明細書に定義される通りである。例としてはフェノキシ(-OC6H5)基が挙げられる。
【0030】
「シリル」はH3Si-を指す。「置換シリル」は、本明細書において使用される場合、シリルの水素のうちの1つまたは複数が置換されている部分を指す。例としては、TBDMS {tert-ブチルジメチルシリル)、TBDPS (tert-ブチルジフェニルシリル)またはTMS {トリメチルシリル)基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を含むように意図される。「ハライド」という用語は、フルオリド、ブロミド、ヨージド、およびクロリドを含む。
【0032】
「アシル保護基」は、アシル基-C(=O)-R7を含み、ここで、R7は、末端基、例えば、アルキル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、およびアリール基より選択される基;または非置換アルキル基、非置換アルケニル基、非置換アルキニル基、非置換シクロアルキル基、もしくは非置換アリール基より選択される基;または置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、置換シクロアルキル基、もしくは置換アリール基より選択される基である。いくつかの態様において、R7は、非置換C1~6-アルキル基、非置換C2~6-アルケニル基、非置換C2~6-アルキニル基、非置換C3~7-シクロアルキル基、もしくは非置換フェニル基、または置換C1~6-アルキル基、置換C2~6-アルケニル基、置換C2~6-アルキニル基、置換C3~7-シクロアルキル基、もしくは置換フェニル基からなる群より選択され得;ここで、置換される場合、置換基は、例えば、ハロゲン、C1~6-アルキル、C2~6-アルケニル、C2~6-アルキニル、C1~6-アルコキシ、置換されてもよいアリールオキシまたは置換されてもよいアリールからなる群より選択される1つまたは複数の置換基によって、一置換または多置換されてもよい。いくつかの態様において、アシル保護基はイソブツリル(isobuturyl)(-C(O=)CH(CH3)2)(本明細書においてiBuとも呼ばれる)である。「イソブツリル」という用語はイソブチリル(isobutyryl)とも綴られ得る。
【0033】
オキサザホスホリジンホスホルアミダイト
本発明は、アセトニトリルとヌクレオシド単量体と芳香族複素環溶媒とを含む、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト(本明細書においてヌクレオシド単量体、単量体またはアミダイトとも呼ばれる)、例えば、式1のヌクレオシド単量体のアセトニトリル溶液を提供する。
【0034】
いくつかの態様において、ヌクレオシド単量体は式1:
のヌクレオシド単量体であり、
式中、Zはヌクレオシドであり、
R
5およびR
6は独立して、水素、アルキル、シクロ-アルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アルキル、置換シクロ-アルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択されるか、またはR
5およびR
6が一緒になって、式1のN原子と一緒に、3~16個の炭素原子を含む複素環を形成し;
R
9は水素であり;
R
1は、水素およびC
1~3アルキルからなる群より選択され;かつ、
Rは、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリール、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、置換シリル、スルホン、置換スルホン(アリール置換スルホン)、フルオレン、および置換フルオリンからなる群より選択され;
ここで、置換される場合、Rは、C
1~4アルキル基、C
6~14アリール基 C
1~4, アルコキシ基、C
7~14アラルキル基、C
1~4アルキル、C
6~14アリール基、C
1~4アルコキシ、C
6~14アリール基、またはC
6~14アリールC
1~4アルキル基からなる群より選択される基で置換され得る。複数の置換基は依存的にまたは独立して、C
1~4アルキル基、C
6~14アリール基 C
1~4, アルコキシ基、C
7~14アラルキル基、C
1~4アルキル、C
6~14アリール基、C
1~4アルコキシ、C
6~14アリール基、またはC
6~14アリールC
1~4アルキル基からなる群より選択され得る。
【0035】
式1のヌクレオシドのRおよびR1(R/R1)基は立体中心を提供し、これは、オリゴヌクレオチド中へ組み込まれる場合、ヌクレオシドに対して3’にSp立体的に規定されたホスホロチオエート基の形成をもたらす。
【0036】
いくつかの態様において、式1aに示されるように、立体中心はL位である。いくつかの態様において、式1bに示されるように、立体中心はD位である。
【0037】
式1aに示されるようなRおよびR1基によって作られる立体中心を含む単量体は、本明細書においてL単量体と呼ばれ、これはSp立体中心の形成をもたらす。式1bに示されるようなRおよびR1基によって作られる立体中心を含む単量体は、本明細書においてD単量体と呼ばれ、これはRp立体中心の形成をもたらす。
【0038】
置換される場合、Rは、C1~4アルキル基、C6~14アリール基 C1~4, アルコキシ基、C7~14アラルキル基、C1~4アルキル、C6~14アリール基、C1~4アルコキシ、C6~14アリール基、またはC6~14アリールC1~4アルキル基からなる群より選択される基で置換され得る。複数の置換基は依存的にまたは独立して、C1~4アルキル基、C6~14アリール基 C1~4, アルコキシ基、C7~14アラルキル基、C1~4アルキル、C6~14アリール基、C1~4アルコキシ、C6~14アリール基、またはC6~14アリールC1~4アルキル基からなる群より選択され得る。
【0039】
いくつかの態様において、Rは、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリール、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、置換シリル、スルホン、置換スルホン(アリール置換スルホン)、フルオレン、および置換フルオレンからなる群より選択される。
【0040】
いくつかの態様において、Rは、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択される。
【0041】
いくつかの態様において、Rは、アリール、例えば、フェニルである。
【0042】
いくつかの態様において、Rが置換アリールである場合、Rは、ハライドで、例えば、ヨージド、フルオリド、ブロミド、またはクロリドで置換され得る;例えば、ハライドで、例えば、ヨージド、フルオリド、ブロミド、またはクロリドで置換されたフェニル。
【0043】
いくつかの態様において、R1は水素である。いくつかの態様において、R1は、C1~3アルキル、例えば、メチル、エチル、またはプロピルである。いくつかの態様において、R1はメチルである。
【0044】
いくつかの態様において、Rは、アリール、例えば、フェニルであり、かつ、R1は水素である。
【0045】
いくつかの態様において、Rは、アリール、例えば、フェニルであり、かつ、R1は、C1~3 アルキル、例えば、メチル、エチル、またはプロピルである。
【0046】
いくつかの態様において、Rは
であり、ここで、G
31、G
32、およびG
33は独立して、C
1~4アルキル、C
6~14アリールC
1~4アルコキシ、C
7~14アラルキル、C
1~4アルキルC
6~14アリール、C
1~4アルコキシC
6~14アリール、およびC
6~14アリールC
1~4アルキルからなる群より選択される。
【0047】
いくつかの態様において、Rは、
であり、ここで、G
21、G
22、およびG
23は独立して、水素、ニトロ、ハロゲン、シアノ、またはC
1~3アルキルである。
【0048】
いくつかの態様において、Rは、
であり、ここで、G
51、G
52、およびG
53は独立して、水素、ニトロ、ハロゲン、シアノ、またはC
1~3アルキルもしくはC
1~3アルキルオキシ基である。
【0049】
いくつかの態様において、R5およびR6は一緒になって、(式1に示される環窒素と共に)複素環、二環式オキサザホスホリジンホスホルアミダイトと呼ばれるヌクレオシド単量体を形成する。複素環は、例えば、3~16個の炭素原子、例えば、4個の炭素原子を含み得る。
【0050】
二環式オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体
いくつかの態様において、単量体は二環式オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体であり、例えば、いくつかの態様において、R
5およびR
6は一緒になって複素環を形成する。いくつかの態様において、R
5およびR
6は一緒になって、(式1に示される環窒素と共に)複素環を形成し、これは4個の炭素原子を含み、複素環中において合計5個の原子を作る(4個の炭素および式1に示される窒素)。例えば、本発明の化合物は、式2aまたは2b:
の化合物であり得、
式中、R、R
1、R
9、およびZは、式1に記載される通りである。
【0051】
いくつかの態様において、R5およびR6は一緒になって、(式Iに示される環窒素と共に)複素環を形成し、これは4個の炭素原子を含み、複素環中において合計5個の原子を作り(4個の炭素および式1に示される窒素)、かつ、Rは、アリール、例えば、フェニルであり、R1は水素またはメチルである。R9は水素である。
【0052】
上記のZ基は、ヌクレオシドの3’酸素が式1、1a、1b、2a、または2bに示される環外酸素である、ヌクレオシドである。いくつかの態様において、Z基はLNAヌクレオシド部分である。いくつかの態様において、Z基はDNAヌクレオシド部分である。いくつかの態様において、本発明の化合物は、従って、式3aまたは3b:
の化合物として示され得、
式中、R、R
1、R
5、R
6、およびR
9は、本発明の化合物の通りであり;
Bは核酸塩基である。
【0053】
いくつかの態様において、Bは、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、ヒポキサンチン、5-メチルシトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン、5-ブロモウラシル、5-プロピニルウラシル、6-アミノプリン、2-アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、および2-クロロ-6-アミノプリンからなる群より選択される核酸塩基である。
【0054】
いくつかの態様において、Bはプリン核酸塩基である。いくつかの態様において、Bはピリミジン核酸塩基である。いくつかの態様において、Bはアデニンである。いくつかの態様において、Bはチミジンである。いくつかの態様において、Bはグアニンである。いくつかの態様において、Bはシトシンである。いくつかの態様において、Bがシトシンである場合、Bは5-メチル-シトシンである。
【0055】
いくつかの態様において、例えば、単量体が、例えば式20または22の、D-DNA単量体である場合、Bはシトシン以外である。いくつかの態様において、例えば、単量体がD-DNA-Cである場合、Bはアセチル(Ac)保護シトシン以外である。
【0056】
オリゴヌクレオチド合成における使用について、核酸塩基基Bは、アミダイト単量体において保護され得る(チミジンはしばしば保護基無しで使用される)ことが理解されるべきである。好適な保護基としては、ジメチルホルムアミド (DMF)、ジメトキシトリチル(DMT)、またはアシル保護基、例えば、イソブチリル(iBu)、またはアセチル保護基(Ac)またはベンゾイル保護基(Bz)が挙げられる。
【0057】
いくつかの態様において、例えば、単量体がL-LNA-Gである場合、BはDMF保護グアニン(G)以外である。R3はCH2ODMTr、CH2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH2OMMTr、CH2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-Ra-O-DMTrRb、およびCH-Ra-O-MMTrRbからなる群より選択され;
R2は、ハロ、例えば-F、アミノ、アジド、-SH、-CN、-OCN、-CF3、-OCF3、-O(Rm)-アルキル、-S(Rm)-アルキル、-N(Rm)-アルキル、-O(Rm)-アルケニル、-S(Rm)-アルケニル、-N(Rm)-アルケニル;-O(Rm)-アルキニル、-S(Rm)-アルキニル、または-N(Rm)-アルキニル; O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)またはO-CH2C(=O)-N(Rm)(Rn)、-O-(CH2)2OCH3、および-O-CH3からなる群より選択され、ここで、各RmおよびRnは、独立して、H、アミノ保護基または置換もしくは非置換C1~10アルキルであり;
R4は、アルキル、シクロ-アルキル、シクロ-ヘテロアルキル、O-アルキル、S-アルキル、NH-アルキル、および水素からなる群より選択され;いくつかの態様において、R4は水素である。いくつかの態様において、R4は水素であり、かつ、R2は、-O-CH3、および-O-(CH2)2OCH3からなる群より選択される。
【0058】
または、いくつかの態様において、R2およびR4は一緒になって、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)、-C(Ra)=N、O、-Si(Ra)2-、S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなる群より選択される、1個、2個、3個の基/原子からなるような、二価ブリッジを示し;
ここで、Raおよび存在する場合にはRbは、各々が独立して、水素、置換されてもよいC1~6-アルキル、置換されてもよいC2~6-アルケニル、置換されてもよいC2~6-アルキニル、ヒドロキシ、置換されてもよいC1~6-アルコキシ、C2~6-アルコキシアルキル、C2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1~6-アルコキシカルボニル、C1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリール-オキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロ-アリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ(C1~6-アルキル)アミノおよびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ(C1~6-アルキル)-アミノ-カルボニルおよびジ(C1~6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ- C1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ(C1~6-アルキル)アミノ- C1~6-アルキル-アミノカルボニルおよびジ(C1~6-アルキル)アミノ- C1~6-アルキル-アミノカルボニル、C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1~6-アルカノイルオキシ、スルホノ(sulphono)、C1~6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1~6-アルキルチオ、ハロゲンより選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは置換されてもよく、かつ2個のジェミナルな置換基RaおよびRbは一緒になって、置換されてもよいメチレン(=CH2)を示してもよく、全てのキラル中心に関して、不斉基はRまたはS配向のどちらかであり得る。
【0059】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド中へ組み込まれる場合、前記ヌクレオシド(Z)は、相当するDNAヌクレオシドと比べて、相補的RNA標的に対するより高い結合親和性を与える。そのようなヌクレオシドは高親和性ヌクレオシドと呼ばれる。高親和性ヌクレオシドの例としては、2’-O-MOE、2’-フルオロ、2’-O-メチル、およびLNAヌクレオシドが挙げられる。ヌクレオシドが高親和性ヌクレオシドである態様において、R3は、例えば、CH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrであり得る。
【0060】
いくつかの態様において、R2は、フルオロ(-F)、-O-(CH2)2OCH3、および-O-C1~3アルキル、例えば、-O-CH3からなる群より選択される。そのような態様において、任意で、R4は水素である。
【0061】
いくつかの態様において、ヌクレオシドは、2’-4’ブリッジ(ビラジカル(biradicle))を含むLNAヌクレオシド(二環式ヌクレオシドとしても公知)である。
【0062】
いくつかの態様において、R2およびR4は一緒になって、ブリッジ -C(RaRb)-O-、-C(RaRb) C(RaRb)-O-、-CH2-O-、-CH2 CH2-O-、-CH(CH3)-O-からなる群より選択される二価ブリッジを示す。いくつかの態様において、R2およびR4は、二価ブリッジ -CH2-O- (オキシ-LNAとしても公知のメチレン-オキシ)または-CH(CH3)-O- (メチル-メチレン-オキシ)を示す。-CH(CH3)-O-ブリッジは、ブリッジ内の炭素原子にキラル中心を導入し、いくつかの態様において、これはS位である(例えば、当技術分野において(S)cETとして公知のヌクレオシド - EP1984381を参照のこと))。いくつかの態様において、R2およびR4は二価ブリッジ -CH2-O-を示し、ここで、ブリッジはβ-D位にある(β-D-オキシLNA)。いくつかの態様において、R2およびR4は二価ブリッジ -CH2-O-を示し、ここで、ブリッジはα-L位にある(α-L-D-オキシLNA)。いくつかの態様において、R2およびR4は、二価ブリッジ -CH2-S- (チオLNA)、または-CH2-NH2- (アミノLNA)を示す。R2およびR4が一緒になって二価ブリッジを示す態様において、R3は、例えば、CH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrであり得る。
【0063】
ヌクレオシド(Z)が二環式ヌクレオチド(LNA)、例えば、β-D-オキシLNAであるいくつかの態様において、Rは、アリール、例えば、フェニルであり、かつ、R1は水素またはC1~3アルキルである。そのような態様において、R5およびR6は一緒になって、複素環、例えば、本明細書に記載されるような、5員の複素環を形成し得る(例えば、式2aおよび2bを参照のこと)。
【0064】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、および7b:
からなる群より選択される。
【0065】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式8a、8b、8cもしくは8d;または9a、9b、9c、もしくは9d:
からなる群より選択される。
【0066】
いくつかの態様において、核酸塩基Bは、アデニン、例えば、Bz保護アデニンである。いくつかの態様において、核酸塩基Bはチミンである。いくつかの態様において、単量体はD-DNA-A単量体である(例えば、単量体は式9cの単量体であり、かつ、核酸塩基Bは、アデニン、例えば、Bz保護アデニンである)。実施例は、D-DNA-A単量体(例えば、式9cのDNA-A単量体)、L-LNA-A単量体およびL-LNA-T単量体(例えば、式8aまたは8bのL-LNA-A単量体およびL-LNA-T単量体)が、本発明に従う、アセトニトリル/芳香族複素環溶媒中において使用される場合、改善されたカップリングを示すことを説明する。
【0067】
DMF保護L-LNA-G
実施例において説明されるように、DMF保護L-LNA-G単量体は、アセトニトリル溶媒に難溶性である。
【0068】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、DMF保護グアニン核酸塩基を含むL-LNA単量体ではない。
【0069】
いくつかの態様において、DMF保護グアニン基(B)は、以下の構造:
を有する。
【0070】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式11および12:
の単量体ではなく、
式中、R、R
1、R
3、R
5、R
6、およびR
9は、式1の単量体に記載される通りであり、かつここで、式11の単量体について、XおよびYは一緒になって、例えば、本明細書中のR
2およびR
4の通りに、ブリッジ -C(R
aR
b)-O-、-C(R
aR
b) C(R
aR
b)-O-、-CH
2-O-、-CH
2 CH
2-O-、-CH(CH
3)-O-からなる群より選択されるブリッジなどの二価ブリッジを示す。いくつかの態様において、XおよびYは二価ブリッジ -CH
2-O- (オキシ-LNAとしても公知のメチレン-オキシ)または-CH(CH
3)-O- (メチル-メチレン-オキシ)を示す。-CH(CH
3)-O- ブリッジは、ブリッジ内の炭素原子にキラル中心を導入し、いくつかの態様において、これはS位である(例えば、当技術分野において(S)cETとして公知のヌクレオシド - EP1984381を参照のこと))。いくつかの態様において、XおよびYは二価ブリッジ -CH
2-O-を示し、ここで、ブリッジはβ-D位にある(β-D-オキシLNA)。いくつかの態様において、XおよびYは二価ブリッジ -CH
2-O-を示し、ここで、ブリッジはα-L位にある(α-L-D-オキシLNA)。いくつかの態様において、XおよびYは二価ブリッジ -CH
2-S- (チオLNA)、または-CH
2-NH
2- (アミノLNA)を示す。XおよびYが一緒になって二価ブリッジを示す態様において、R
3は、例えば、CH
2-O-DMTrまたはCH
2-O-MMTrであり得る。
【0071】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式13および14:
の単量体ではなく、
式中、X、Y、R、R
1、R
9、およびR
3は、式11および12の通りである。グアニン塩基の環外酸素は、任意で、例えば、シアノ基で保護されてもよい。
【0072】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式15および16:
の単量体ではなく、
式中、X、Y、R
1、およびR
3は、式11および12の通りである。グアニン塩基の環外酸素は、任意で、例えば、シアノ基で保護されてもよい。式15または16のいくつかの態様において、R1は水素である。式15または16のいくつかの態様において、R
3はCH
2-O-DMTrまたはCH
2-O-MMTrである。いくつかの態様において、本発明のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、アシル保護ヌクレオシド(Z)を含む。
【0073】
アシル保護L-LNA-G
実施例において説明されるように、DMF保護L-LNA-G単量体はアセトニトリル溶媒に難溶性である。しかし、本発明者らは、L-LNA-G単量体のグアニンヌクレオシド上でのアシル保護基の使用が、溶解性問題を克服することを確認した。いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、アシル保護グアニン核酸塩基、例えば、イソブチリル保護グアニンを含むL-LNA単量体である。
【0074】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式23、24、25、26、27、28、29、または30:
のL-LNA-G単量体であり、
式中、R、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
9、およびR
6は、本発明の化合物の通りであり、かつ、-C(=O)-R
7は、グアニン塩基の環外窒素上のアシル保護基であり、かつ、R
8は、存在する場合に、グアニン環外酸素上の保護基である。いくつかの態様において、R
8はシアノエチルである。いくつかの態様において、Rはフェニルであり、R
1は水素またはメチルであり、かつ、R
3は、任意で、CH
2-O-DMTrまたはCH
2-O-MMTrである。いくつかの態様において、R
7はイソブチリルである。式31および32において、YおよびXは式11の通りである。
【0075】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、L-LNA-T、D-DNA-A、D-DNA-C、L-LNA-C、およびL-LNA-G(DMF保護L-LNA-G以外)またはL-DNA-CおよびL-DNA-Tオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択される。実施例において説明されるように、これらの単量体は、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体について一般に見られる溶解性および安定性の利点に加えて、本発明のカップリング溶媒組成物中において使用される場合、改善されたカップリング有効性を示す。
【0076】
溶媒組成物(溶液)
本発明は、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とアセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含む、アセトニトリル溶液を提供する。
【0077】
いくつかの態様において、アセトニトリル溶液は活性化物質をさらに含む。ホスホルアミダイトオリゴヌクレオチド合成における使用について多数の活性化物質が公知であり - それらは、典型的に、酸性アゾール触媒、例えば、1H-テトラゾール、5-エチルチオ-1H-テトラゾール、2-ベンジルチオテトラゾール、および4,5-ジシアノイミダゾールを含む。
【0078】
いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒は約4~約7のpKaを有する。いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒は20℃で水中において約7~約17のpKaを有する。
【0079】
いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒は芳香族複素環塩基である。
【0080】
いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒は芳香族複素環酸である。
【0081】
いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒は、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、ルチジン、およびピロールからなる群より選択される。
【0082】
いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒はピリジンである。
【0083】
いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒はピロールである。
【0084】
いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒は3-ピコリンである。
【0085】
いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約0.1%~約50% (v/v)である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約0.5%~約40% (v/v)である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約0.5%~約30% (v/v)である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約0.5%~約25% (v/v)である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約0.5%~約10% (v/v)である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約0.5%~約5% (v/v)である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約1%~約5% (v/v)である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約1%~約4% (v/v)である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約0.5% (v/v)~約10% (v/v)、例えば、約1% (v/v)~約5% (v/v)、例えば、約2~3% (v/v)、例えば、約2.5% (v/v)である。これらの態様において、任意で、芳香族複素環塩基溶媒はピリジンである。
【0086】
いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒がピリジンである場合、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約0.5%~約10%、例えば約1%~約5%、例えば約2~3%、例えば約2.5%もしくは約3.5%、または約2~4%である。
【0087】
いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒がピロールである場合、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約0.5%~約10%、例えば、約1%~約5%、例えば、2~4%または約2~3%、例えば、約2.5%である。
【0088】
いくつかの態様において、芳香族複素環溶媒が3-ピコリンである場合、アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)は、約0.5%~約10%、例えば、約1%~約5%、例えば、2~4%、または約2~3%、例えば、約2.5%である。
【0089】
活性化物質
活性化物質は、ホスホルアミダイト単量体を活性化し、オリゴヌクレオチド鎖または固体支持体へ結合された5’末端基への単量体のカップリングを可能にする、オリゴヌクレオチド合成のカップリング工程前または中に使用される試薬である。
【0090】
いくつかの態様において、アセトニトリル溶媒組成物は活性化物質をさらに含む。
【0091】
いくつかの態様において、活性化物質は、CMPT (N-(シアノメチル)ピロリジニウムトリフラート(CMPT)、N-(フェニル)イミダゾリウムトリフラート(PhIMT)、ベンゾイミダゾリウムトリフラート(BIT)、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、および5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールからなる群より選択される。
【0092】
いくつかの態様において、活性化物質は4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)である。
【0093】
いくつかの態様において、溶媒組成物は、約0.5~約2M DCI(または請求項13に記載の他の活性化物質)、例えば、約1M DCI(または請求項13に記載の他の活性化物質)を含む。
【0094】
いくつかの態様において、溶媒組成物は、N-メチルイミダゾール、例えば、0.01~約1M N-メチルイミダゾール、例えば、約0.1M N-メチルイミダゾールの濃度でN-メチルイミダゾールをさらに含む。
【0095】
いくつかの態様において、活性化物質はN-メチルイミダゾールを含む。いくつかの態様において、活性化物質は、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、または5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールを含む。いくつかの態様において、活性化物質は、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、または5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールおよびN-メチルイミダゾールを含む。
【0096】
いくつかの態様において、使用されるN-メチルイミダゾールの濃度は、0.01M~約1M N-メチルイミダゾール、例えば、約0.1M N-メチルイミダゾールである。いくつかの態様において、アセトニトリル溶液は、0.01M~約1M N-メチルイミダゾール、例えば、約0.1M N-メチルイミダゾールの濃度でN-メチルイミダゾールを含む。
【0097】
いくつかの態様において、活性化物質はDCIまたはテトラゾール、または5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールであり、これは、約0.5~約2M、例えば約1Mの濃度(例えば、本発明のアセトニトリル溶液中)で使用され得る。
【0098】
いくつかの態様において、活性化物質は4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)である。いくつかの態様において、溶媒組成物は、約0.5~約2M DCI、例えば、約1M DCIを含む。カップリング有効性を最適化するためには、実施例において説明されるように、使用される活性化物質の量を最適化することが必要であり得ることが認識されるだろう。いくつかの態様において、使用されるDCI活性化物質の濃度は0.5M~1M DCIである。活性化物質がDCIであるいくつかの態様において、溶媒組成物は、N-メチルイミダゾール(NMI)、例えば、0.01~約1M N-メチルイミダゾール、例えば、約0.1M N-メチルイミダゾールの濃度でN-メチルイミダゾールをさらに含む。NMIは、DCIのような他の活性化物質の溶解性を高めることができる作用物質である。
【0099】
オリゴヌクレオチド合成法
本発明は、本発明による固体支持体、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの5’-末端へオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法を含む、オリゴヌクレオチドの合成のための方法を提供する。
【0100】
本発明は、以下の工程を含む、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの合成のための方法を提供する:
(a) 固体支持体へ結合された、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの保護された5’-ヒドロキシ末端を脱保護する工程、
(b) 亜リン酸トリエステル中間体を形成させるために、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの脱保護された5’-ヒドロキシ末端へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程であって、カップリング反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程、ならびに
(c) 亜リン酸トリエステル中間体を硫化試薬で酸化する工程、
(d) 任意で、1回または複数回のさらなる伸長サイクルのために工程(a)~(c)を繰り返す工程、
(e) オリゴヌクレオチドの脱保護および固体支持体からのオリゴヌクレオチドの切断の工程。
【0101】
本発明の方法は、複数回のさらなる伸長サイクル(d)、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、またはそれ以上のさらなる伸長サイクルを含み得る。
【0102】
いくつかの態様において、工程(c)後または工程(d)後、任意のアミン洗浄工程が行われる。アミン洗浄工程は、切断工程において使用される強塩基性条件へのオリゴヌクレオチドの曝露の前に、オリゴヌクレオチドを、有機溶媒中の弱塩基の溶液で処理する、例えば、アセトニトリル中20%ジエチルアミン、または1:1 トリエチルアミン/アセトニトリルで処理する、オリゴヌクレオチド合成において使用される任意の手法を指す。アミン洗浄は、固体支持体からオリゴヌクレオチドを切断させることなく、シアノエチルホスフェート保護基の除去をもたらす。アミン洗浄を含むことの利点は、シアノエチルホスフェート保護基、および複素環塩基、特にチミンの副反応に起因して形成する、アクリロニトリルのような望ましくないシアノエチル付加物の回避をもたらす。
【0103】
典型的に、キラル補助基は、脱保護と固体支持体からの切断の最中にオリゴヌクレオチドから切断される。好適な脱保護/切断は、例えば、濃水酸化アンモニウム中において約55℃の温度で行われ得る。
【0104】
いくつかの態様において、工程(e)後、オリゴヌクレオチドを精製してもよい。精製工程は、オリゴヌクレオチド精製のための任意の好適な方法、例えば、イオン交換精製もしくは逆相クロマトグラフィー、またはイオン交換精製および逆相クロマトグラフィーの両方を使用し得る。いくつかの態様において、精製は連続する工程を含む:(a)イオン交換精製、(b)例えばダイアフィルトレーションによる、脱塩、続いての(c)凍結乾燥、および(d)逆相クロマトグラフィー。精製の前に、水酸化アンモニウムを除去するかまたは少なくとも希釈することが典型的である。あるいは、DMT-ON逆相精製、続いての脱トリチル化もまた、オリゴヌクレオチドを精製するための選択肢である(Capaldi and Scozzari, Chapter 14, Antisense Drug Technology: Principles, Strategies, and Applications, CRC Press 2008を参照のこと)。
【0105】
いくつかの態様において、工程(e)後または任意の精製工程後、オリゴヌクレオチドはコンジュゲートされ得る。あるいは、コンジュゲーションは、オリゴヌクレオチド合成中に行われ得る。
【0106】
いくつかの態様において、本発明の方法によって生成されるオリゴヌクレオチド、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは混合配列オリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、立体的に規定されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合およびステレオランダムホスホロチオエートヌクレオシド間結合の両方を含む。
【0107】
オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体はSpまたはRpホスホロチオエートヌクレオシド間結合のいずれかを導入するため、本発明の方法は、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドを合成するために使用され得る。本発明は、従って、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを合成する改善された方法を提供する。
【0108】
前記改善は、芳香族複素環溶媒を含まない単量体のアセトニトリル溶液と比較して単量体の溶解性の増大を伴う、本明細書に記載されるもののようなオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の溶液の提供;または、芳香族複素環溶媒を含まない単量体のアセトニトリル溶液と比較して単量体の溶液の安定性の増大を伴う、本明細書に記載されるもののようなオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体のより安定した溶液の提供;または、芳香族複素環溶媒を含まない単量体のアセトニトリル溶液と比較して単量体の反応性の増大を伴う、本明細書に記載されるもののようなオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体のより反応性の高い溶液の提供を含む。当業者は、より高い溶解性、より安定した溶液、およびより高い反応性を有するという単一のまたは組み合わされた利点が、オリゴヌクレオチド生成物のより有効な合成ならびにより確実でかつ増大した収率をもたらすであろうことを認識するだろう。利点はまた、望ましくない副反応の回避または減少を含み得、これはより高い生成物純度をもたらす。
【0109】
いくつかの態様において、5’末端は、固体支持体へ結合された-OH基である。-OH基は、例えば、ユニリンカーのようなリンカーを介して、固体支持体へ直接結合されてもよいか、または、リンカーまたは固体支持体へ結合されているヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの一部であってもよい。
【0110】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド合成法は固相ホスホルアミダイト合成であり、ここで、カップリング工程のうちの少なくとも1つは、本発明のカップリング方法に従う。
【0111】
本発明のオリゴヌクレオチド合成法は、
(a) 遊離5’-OH基を有する固体支持体を提供する工程、
(b) オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を活性化する工程、
(c) ホスホトリエステル中間体を形成させるために、本発明の方法に従って、遊離‘5-OHへ活性化オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程、
(d) ホスホトリエステル中間体をキサンタンヒドリドなどの硫化試薬で酸化する工程、
(e) 例えば無水酢酸を使用して、任意の遊離-OH基をキャッピングする工程、
(f) オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体上のR3基を脱保護する工程、
(g) 任意で工程(b)~(f)を繰り返す工程、
(h) 例えば60℃にて水酸化アンモニウムでの処理によって、任意の残存する保護基を脱保護(包括的脱保護)して、固体支持体からオリゴヌクレオチドを切断する工程
を含み得、固体支持体の遊離-OH基は任意で、該固体支持体へ結合されたヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチド鎖へ結合され得る。
【0112】
固体支持体は、保護された形態で提供され得、5’OH基は例えばDMT基によって保護されている。工程(a)の前に、固体支持体(またはそれへ結合された末端ヌクレオシド)は、遊離5’-OH基を提供するために脱ブロッキング(脱トリチル化)され得る。
【0113】
いくつかの態様において、工程(b)~(f)は、オリゴヌクレオチド合成において7~25回、例えば、7~16回繰り返される。いくつかの態様において、工程(b)~(f)の繰り返しはオリゴヌクレオチド合成において連続するサイクルである。
【0114】
オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を使用するホスホルアミダイトオリゴヌクレオチド合成についての例示的なスキーム:
【0115】
いくつかの態様において、立体的に規定されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合の組み込みに加えて、合成方法は、標準ホスホルアミダイト単量体の使用によって、ステレオランダムヌクレオシド間結合を組み込み得る。
【0116】
立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチド
典型的に、オリゴヌクレオチドホスホロチオエートは、RpおよびSpホスホロチオエート結合のランダム混合物(ジアステレオマー混合物とも呼ばれる)として合成される。本発明の方法において、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが提供され、ここで、オリゴヌクレオチドのホスホロチオエート結合のうちの少なくとも1つは、立体的に規定されている、即ち、オリゴヌクレオチドサンプル中に存在するオリゴヌクレオチド分子のうちの少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%または少なくとも95%、または少なくとも97%、例えば、少なくとも98%、例えば、少なくとも99%、または(本質的に)全てにおいてRpまたはSpのいずれかである。立体的に規定されたオリゴヌクレオチドは、立体的に規定されている少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含む。「立体的に規定された」という用語は、1つまたは複数のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の規定されたキラリティーをRpまたはSpのいずれかと記載するために使用され得、またはそのような1つ(または複数)のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを記載するために使用され得る。立体的に規定されたオリゴヌクレオチドは、いずれか1つの位置にある代替の立体異性体を少量含み得ることが認識され、例えば、Wanらは、NAR, November 2014において報告されたギャップマーについて98%立体選択性を報告している。
【0117】
LNAオリゴヌクレオチド
LNAオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのLNAヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドである。LNAオリゴヌクレオチドはアンチセンスオリゴヌクレオチドであってもよい。「オリゴヌクレオチド」という用語は、本明細書において使用される場合、当業者に一般に理解されるように、2つまたはそれ以上の共有結合したヌクレオシドを含む分子として定義される。アンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いるために、オリゴヌクレオチドは典型的に7~30ヌクレオチドの長さで合成される。
【0118】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」という用語は、本明細書において使用される場合、標的核酸、特に標的核酸上の連続した配列にハイブリダイズすることによって、標的遺伝子の発現を調節することができるオリゴヌクレオチドを指す。アンチセンスオリゴヌクレオチドは標的核酸への相補性によって定義することもできる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは一本鎖である。アンチセンスオリゴヌクレオチドは本質的に二本鎖でなく、それゆえsiRNAではない。アンチセンスオリゴヌクレオチドは標的核酸に相補的な、連続したヌクレオチドを含む。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、典型的に、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含み、非限定的な例として、LNAギャップマーまたは混合ウイングギャップマーの形態であり得る。他の態様において、オリゴヌクレオチドは、LNAミックスマー(LNAおよび非LNAオリゴヌクレオチド、例えばLNAおよびDNA(例えば参照により本明細書に組み入れられるWO2007/112754を参照)もしくはLNAおよび2'-O-MOEヌクレオチド、もしくはLNA、DNA、および2'O-MOEヌクレオチド)、またはLNAトータルマー(LNAヌクレオチドのみ、例えば参照により本明細書に組み入れられるWO2009/043353を参照)であってもよい。
【0119】
「修飾ヌクレオシド間結合」という用語は、当業者に一般に理解されるように、2つのヌクレオシドを共有結合的に連結する、ホスホジエステル(PO)結合以外の結合と定義される。修飾ヌクレオシド間結合は、インビボでの使用のためにオリゴヌクレオチドを安定化させるのに特に有用であり、ヌクレアーゼによる切断から保護するのに役立ち得る。ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、ヌクレアーゼ耐性、有利な薬物動態、および製造の容易さにより、特に有用である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続したヌクレオチド配列におけるヌクレオシド間結合の、少なくとも70%、例えば少なくとも80%または例えば少なくとも90%は、ホスホロチオエートである。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続したヌクレオチド配列のヌクレオシド間結合は全て、ホスホロチオエートであり、ここで、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1つは、立体的に規定されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合である(オリゴヌクレオチド合成中にオリゴヌクレオチド中へオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を組み込むことに由来する)。さらなるヌクレオシド間リンカーはWO2009/124238(参照により本明細書に組み入れられる)に開示されている。
【0120】
核酸塩基という用語には、核酸ハイブリダイゼーションにおいて水素結合を形成するヌクレオシドおよびヌクレオチドに存在する、プリン(例えばアデニンおよびグアニン)ならびにピリミジン(例えばウラシル、チミン、およびシトシン)部分が含まれる。本発明の文脈において「核酸塩基」という用語は、天然の核酸塩基とは異なる可能性があるが核酸ハイブリダイゼーションにおいて機能的な、修飾核酸塩基も包含する。いくつかの態様において、核酸塩基部分は核酸塩基を修飾または差し替えることにより修飾される。この文脈で「核酸塩基」とは、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、およびヒポキサンチンのような天然の核酸塩基、ならびに非天然の変種の両方を指す。そのような変種は、例えばHirao et al (2012) Accounts of Chemical Research vol 45 page 2055およびBergstrom (2009) Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl. 37 1.4.1.に記載されている。
【0121】
ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの基本要素であり、本発明の目的においては、天然および非天然の両方のヌクレオチドを含む。自然界では、DNAおよびRNAヌクレオチドのようなヌクレオチドは、リボース糖部分、核酸塩基部分、および1つまたは複数のリン酸基(ヌクレオシドには存在しない)を含む。修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、リボース糖部分、核酸塩基部分、または修飾ヌクレオチドの場合、ヌクレオシド間結合に修飾を導入することにより、相当するDNAまたはRNAヌクレオシド/ヌクレオチドと比較して修飾されている。ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、交換可能に「単位」または「単量体」とも呼ばれ得る。
【0122】
「修飾ヌクレオシド」または「ヌクレオシド修飾」という用語は、本明細書において使用される場合、糖部分または(核酸)塩基部分に1つまたは複数の修飾を導入することにより、相当するDNAまたはRNAヌクレオシドと比較して修飾されているヌクレオシドを指す。「修飾ヌクレオシド」という用語はまた、本明細書において「ヌクレオシド類似体」または修飾「単位」または修飾「単量体」という用語と交換可能に使用される。修飾ヌクレオシドの例は、別のセクション「オリゴマー修飾」およびその中のサブセクションに記載される。
【0123】
アシル保護環外窒素
グアニンの環外窒素基を以下に示す(囲んで示す)。この基は本発明において使用される単量体中においてアシル基によって保護される。酸素基もまた、任意で、例えば、シアノ基で保護されてもよい。
【0124】
ロックド核酸ヌクレオシド(LNA)
LNAヌクレオシドは、ヌクレオチドのリボース糖環のC2'とC4'との間にリンカー基(ビラジカルまたはブリッジと呼ばれる)を含む、修飾ヌクレオシドである(即ち、R2およびR4が一緒になって二価ブリッジを示す態様)。これらのヌクレオシドは、文献では架橋核酸または二環式核酸(BNA)とも呼ばれる。
【0125】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、LNAヌクレオシドであるかまたはこれを含み、例えば、単量体は、式17または式18:
の単量体であり得、
式中、Bは核酸塩基を示し;R、R
1、R
6、R
3、R
9、R
5は、式1に記載される通りである。
【0126】
式17のいくつかの態様において、BはDMF保護グアニン以外である。いくつかの態様において、Bはアデニンまたはチミンのいずれかである。いくつかの態様において、BはDMF保護アデニンである。
【0127】
Xは、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなるリストより選択される基を示す。
【0128】
いくつかの態様において、Xは、-O-、-S-、NH-、NRaRb、-CH2-、CRaRb 、-C(=CH2)-、および-C(=CRaRb)-からなる群より選択される。
【0129】
いくつかの態様において、Xは-O-である。
【0130】
Yは、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなる群より選択される基を示す。
【0131】
いくつかの態様において、Yは、-CH2-、-C(RaRb)-、-CH2CH2-、-C(RaRb)-C(RaRb)-、-CH2CH2CH2-、-C(RaRb)C(RaRb)C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、および-C(Ra)=N-からなる群より選択される。
【0132】
いくつかの態様において、Yは、-CH2-、-CHRa-、-CHCH3-、CRaRb-からなる群より選択される。
【0133】
または-X-Y-は一緒に、二価リンカー基(ラジカルとも呼ばれる)を示し、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなる群より選択される、1個、2個、または3個の基/原子からなる二価リンカー基を一緒に示す。
【0134】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-X-CH2-、-X-CRaRb-、-X-CHRa-、-X-C(HCH3)-、-O-Y-、-O-CH2-、-S-CH2-、-NH-CH2-、-O-CHCH3-、-CH2-O-CH2、-O-CH(CH3CH3)-、-O-CH2-CH2-、OCH2-CH2-CH2-、-O-CH2OCH2-、-O-NCH2-、-C(=CH2)-CH2-、-NRa-CH2-、N-O-CH2、-S-CRaRb-、および-S-CHRa-からなる群より選択されるビラジカルを示す。
【0135】
いくつかの態様において、-X-Y-は、-O-CH2-または-O-CH(CH3)-を示す。
【0136】
かつ、Raおよび存在する場合にはRbは、各々が独立して、水素、置換されてもよいC1~6-アルキル、置換されてもよいC2~6-アルケニル、置換されてもよいC2~6-アルキニル、ヒドロキシ、置換されてもよいC1~6-アルコキシ、C2~6-アルコキシアルキル、C2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1~6-アルコキシカルボニル、C1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ(C1~6-アルキル)アミノおよびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノC1~6-アルキル)-アミノ-カルボニルおよびジ(C1~6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルおよびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1~6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1~6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1~6-アルキルチオ、ハロゲンより選択され、ここでアリールおよびヘテロアリールは置換されてもよく、かつ2個のジェミナルな置換基RaおよびRbは一緒になって、置換されてもよいメチレン(=CH2)を示してもよく、全てのキラル中心に関して、不斉基はRまたはS配向のどちらかであり得る。
【0137】
R10は水素であり得るか、またはいくつかの態様において、置換されてもよいC1~6-アルキル、置換されてもよいC2~6-アルケニル、置換されてもよいC2~6-アルキニル、ヒドロキシ、C1~6-アルコキシ、C2~6-アルコキシアルキル、C2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1~6-アルコキシカルボニル、C1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ(C1~6-アルキル)アミノおよびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ(C1~6-アルキル)-アミノ-カルボニルおよびジ(C1~6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルおよびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1~6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1~6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1~6-アルキルチオ、ハロゲンからなる群より選択され得、ここでアリールおよびヘテロアリールは置換されてもよく、かつ2個のジェミナルな置換基は一緒になって、オキソ、チオキソ、イミノ、または置換されてもよいメチレンを示してもよい。
【0138】
いくつかの態様において、R10は、C1~6アルキル、例えば、メチル、および水素より選択される。
【0139】
いくつかの態様において、R10は水素である。
【0140】
いくつかの態様において、Raは水素またはメチルのいずれかである。いくつかの態様において、存在する場合にRbは水素またはメチルのいずれかである。
【0141】
いくつかの態様において、RaおよびRbの一方または両方が水素である。
【0142】
いくつかの態様において、RaおよびRbの一方が水素であり、かつ、他方は水素以外である。
【0143】
いくつかの態様において、RaおよびRbの一方がメチルであり、かつ、他方は水素である。
【0144】
いくつかの態様において、RaおよびRbの両方がメチルである。
【0145】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-O-CH2-であり、かつ、R10は水素である。いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-S-CH2-であり、かつ、R10は水素である。
【0146】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-NH-CH2-であり、かつ、R10は水素である。
【0147】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-O-CH2-CH2-または-O-CH2-CH2- CH2-であり、かつ、R10は水素である。
【0148】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-O-CH2-であり、かつ、R10は、C1~6アルキル、例えば、メチルである。
【0149】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-O-CRaRb-であり、ここで、RaおよびRbの一方または両方は水素以外、例えばメチルであり、かつ、R10は、C1~6アルキル、例えばメチルである。
【0150】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は、二価リンカー基 -O-CH(CH2OCH3)-を示す(2’ O-メトキシエチル二環式核酸 - Seth at al., 2010, J. Org. Chem., 2010, 75 (5), pp 1569-1581)。いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は、二価リンカー基 -O-CH(CH2CH3)-を示す(2’O-エチル二環式核酸 - Seth at al., 2010, J. Org. Chem)。いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-O-CHRa-であり、かつ、R10は水素である。
【0151】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-O-CH(CH2OCH3)-であり、かつ、R10は水素である。そのようなLNAヌクレオシドは当技術分野において環状MOE(cMOE)としても公知であり、WO07090071に開示されている。
【0152】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は、R配置またはS配置のいずれかにある、二価リンカー基 -O-CH(CH3)-を示す。いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は一緒に、二価リンカー基 -O-CH2-O-CH2-を示す(Seth at al., 2010, J. Org. Chem)。いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-O-CH(CH3)-であり、かつ、R10は水素である。そのような6’メチルLNAヌクレオシドは、当技術分野においてcETヌクレオシドとしても公知であり、WO07090071(β-D)およびWO2010/036698(α-L)に開示されるように、(S)cETまたは(R)cET立体異性体のどちらかであってよい。
【0153】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-O-CRaRb-であり、ここで、RaもRbも水素ではなく、かつ、R10は水素である。いくつかの態様において、RaおよびRbは両方ともメチルである。
【0154】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-S-CHRa-であり、かつ、R10は水素である。
【0155】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は、-C(=CH2)-C(RaRb)-、例えば、-C(=CH2)-CH2-、または-C(=CH2)-CH(CH3)-であり、かつ、R10は水素である。
【0156】
いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-N(-ORa)-であり、かつ、R10は水素である。いくつかの態様において、Raは、C1~6アルキル、例えば、メチルである。いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は一緒に、二価リンカー基 -O-NRa-CH3-を示す(Seth at al., 2010, J. Org. Chem)。いくつかの態様において、ビラジカル -X-Y-は-N(Ra)-であり、かつ、R10は水素である。いくつかの態様において、Raは、C1~6アルキル、例えば、メチルである。
【0157】
いくつかの態様において、R10は、C1~6アルキル、例えば、メチルである。そのような態様において、ビラジカル -X-Y-は、-O-CH2-または-O-C(HCRa)-、例えば、-O-C(HCH3)-より選択され得る。
【0158】
いくつかの態様において、ビラジカルは、-CRaRb-O-CRaRb-、例えば、CH2-O-CH2-であり、かつ、R10は水素である。いくつかの態様において、Raは、C1~6アルキル、例えば、メチルである。
【0159】
いくつかの態様において、ビラジカルは、-O-CRaRb-O-CRaRb-、例えば、O-CH2-O-CH2-であり、かつ、R10は水素である。いくつかの態様において、Raは、C1~6アルキル、例えば、メチルである。
【0160】
明記されない限り、LNAヌクレオシドはβ-Dまたはα-Lステレオアイソフォームであってもよいことが認識される。
【0161】
実施例において説明されるように、本発明のいくつかの態様において、LNAヌクレオシドは、β-D-オキシ-LNAヌクレオシドであるかまたはこれを含み、例えば、ここで、2’-4’ブリッジは式Iの通りであり、Xは酸素であり、YはCH2であり、かつ、R10は水素である。
【0162】
DNAヌクレオシド
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、DNAヌクレオシドであるかまたはこれを含み、例えば、単量体は、式19または式20:
の単量体であり得、
式中、Bは核酸塩基を示し;R、R
1、R
6、R
3、R
9、R
5は、式1に記載される通りである。式20のいくつかの態様において、Bは、アデニン、例えば、保護アデニン、例えば、Bz保護アデニンである。
【0163】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式21および22:
に記載される通りであり、
式中、Bは核酸塩基を示し;R、R
1、R
3、R
9は、式1に記載される通りである。式20または22のいくつかの態様において、Bは、アデニン、例えば、保護アデニン、例えば、Bz保護アデニンである。式19、20、21、または22の単量体のいくつかの態様において、Rはフェニルであり、かつ、R
1は水素またはメチルのいずれかである。式19、20、21または22の単量体のいくつかの態様において、R
3はCH
2-O-DMTrまたはCH
2-O-MMTrである。
【0164】
DNAおよび/または親和性増大ヌクレオシドを含む、オリゴヌクレオチド
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、DNAホスホロチオエートオリゴヌクレオチドである。DNAホスホロチオエートオリゴヌクレオチドはDNAヌクレオシドのみを含み、いくつかの態様において、立体的に規定されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合のみを含み得る。DNAホスホロチオエートは、例えば、18~25ヌクレオチド長であり得る。
【0165】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の親和性増大ヌクレオシド、例えば、本明細書に記載されるLNAまたは2’置換ヌクレオシドを含む。親和性増大ヌクレオシド、例えば、2’-O-MOEまたは2’-Oメチルは、例えば、ミックスマーもしくはギャップマーの形態で、DNAヌクレオシドのような、他のヌクレオシドと組み合わせて、アンチセンスオリゴヌクレオチドにおいてしばしば使用され、または、完全に糖修飾されたオリゴヌクレオチドにおいて使用され得、ここで、ヌクレオシドの全てがDNA以外もしくはRNA以外である。
【0166】
いくつかの態様において、本発明の方法によって合成されるオリゴヌクレオチドは、ギャップマー、およびLNAギャップマー、または混合ウイングギャップマーであり得る。
【0167】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式33のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図17)。
【0168】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式34のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図17)。
【0169】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式35のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図17)。
【0170】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式36のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図17)。
【0171】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式37のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図17)。
【0172】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式38のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図17)。
【0173】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式39のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図17)。
【0174】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式40のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図17)。
【0175】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式41のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図18)。
【0176】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式42のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図18)。
【0177】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式43のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図18)。
【0178】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式44のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図18)。
【0179】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式45のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図18)。
【0180】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式46のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図18)。
【0181】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式47のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図18)。
【0182】
本発明の方法のいくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、式48のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体である(
図18)。
【0183】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、DNA単量体である。
【0184】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、LNA単量体である。いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、LNA-A(D-LNA-AまたはL-LNA-A)単量体である。
【0185】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、LNA-C(D-LNA-AまたはL-LNA-A)単量体である。
【0186】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、L-LNA-G(D-LNA-AまたはL-LNA-A)単量体、例えば、グアニン残基の環外窒素がイソブツリルなどのアシル保護基で保護されているL-LNA-Gである。
【0187】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、グアニン残基上の環外窒素がDMF保護基で保護されているL-LNA-G単量体以外である。いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、D-LNA-G単量体以外である。
【0188】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、LNA-T単量体、例えばD-LNA-TまたはL-LNA-T以外である。
【0189】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、LNA-T単量体、例えば、D-LNA-TもしくはL-LNA-T、またはD-LNA-G単量体以外である。
【0190】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、DNA単量体であるか、またはLNA-A単量体、LNA-C単量体およびアシル保護L-LNA-G単量体からなる群より選択されるLNA単量体である。
【0191】
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、LNA-T単量体以外、D-LNA-G単量体以外、またはDMF保護L-LNA-G単量体以外である。
【0192】
ギャップマー
ギャップマーという用語は、本明細書において使用される場合、5'および3'側で1つまたは複数の親和性増大修飾ヌクレオシド(フランク)と隣接している、リボヌクレアーゼH動員オリゴヌクレオチド領域(ギャップ)を含む、アンチセンスオリゴヌクレオチドを指す。様々なギャップマーの設計を本明細書に記載する。ヘッドマーおよびテイルマーは、リボヌクレアーゼHを動員することができるオリゴヌクレオチドであって、フランクの1つが欠けている、即ち、オリゴヌクレオチド末端の一方のみが親和性増大修飾ヌクレオシドを含む、オリゴヌクレオチドである。ヘッドマーに関しては3'フランクが欠けており(即ち、5'フランクが親和性増大修飾ヌクレオシドを含む)、テイルマーに関しては5'フランクが欠けている(即ち、3'フランクが親和性増大修飾ヌクレオシドを含む)。いくつかの態様において、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、ギャップマーオリゴヌクレオチド、例えば、LNAギャップマーオリゴヌクレオチドである。
【0193】
LNAギャップマー
LNAギャップマーという用語は、親和性増大修飾ヌクレオシドの少なくとも1つがLNAヌクレオシドである、ギャップマーオリゴヌクレオチドのことである。
【0194】
混合ウイングギャップマー
混合ウイングギャップマーという用語とは、フランク領域が少なくとも1つのLNAヌクレオシドならびに少なくとも1つの非LNA修飾ヌクレオシド、例えば少なくとも1つの2'置換修飾ヌクレオシド、例えば2'-O-アルキル-RNA、2'-O-メチル-RNA、2'-アルコキシ-RNA、2'-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2'-アミノ-DNA、2'-フルオロ-DNA、アラビノ核酸(ANA)、2'-フルオロ-ANA、および2'-F-ANAヌクレオシドを含む、LNAギャップマーを指す。いくつかの態様において、混合ウイングギャップマーは、LNAヌクレオシドを含む一方のフランク(例えば5'または3')および2'置換修飾ヌクレオシドを含むもう一方のフランク(それぞれ3'または5')を有する。
【0195】
長さ
本明細書において言及するヌクレオチド分子の長さについては、単量体単位がヌクレオチドであるかまたはヌクレオチド類似体であるかに関わらず、長さは単量体単位、即ち、ヌクレオチドの数に対応する。ヌクレオチドに関しては、単量体および単位という用語は、本明細書において交換可能に使用される。
【0196】
本発明の方法は、例えば7~30ヌクレオチド、例えば7~10、例えば7、8、9、10、または10~20ヌクレオチド、例えば12~18ヌクレオチド、例えば12、13、14、15、16、17、もしくは18ヌクレオチドからなる、短いオリゴヌクレオチドの精製に特に適する。
【0197】
混合配列オリゴヌクレオチド
本発明の方法を使用して合成されるオリゴヌクレオチドは、混合配列オリゴヌクレオチドであり得る。本発明は、混合配列オリゴヌクレオチドの製造合成のための方法を提供する。混合配列オリゴヌクレオチドは、少なくとも4つの異なる塩基部分のうちの少なくとも2つ、例えば少なくとも3つを含む(例えば、A、T、C、またはGからなる群より選択され、ここで、Cは任意で5-メチル-シトシンである)。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、典型的に、混合配列オリゴヌクレオチドである。
【0198】
本発明のさらなる態様
A態様:
1.ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、または固体支持体と、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒と任意で活性化物質とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程
を含む、該ヌクレオシドもしくは該オリゴヌクレオチドの5’-末端へ、または該固体支持体へ結合されたヒドロキシル基へ、該オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするためのプロセス。
2.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式I:
の化合物であり、
式中、Zはヌクレオシドであり、
R
5およびR
6は独立して、水素、アルキル、シクロ-アルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アルキル、置換シクロ-アルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択されるか、またはR
5およびR
6が一緒になって、式1のN原子と一緒に、3~16個の炭素原子を含む複素環を形成し;
R
9は水素であり;
R
1は、水素およびC
1~3アルキルからなる群より選択され;かつ、
Rは、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリール、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、置換シリル、スルホン、置換スルホン(アリール置換スルホン)、フルオレン、および置換フルオリンからなる群より選択され;
ここで、置換される場合、Rは、C
1~4アルキル基、C
6~14アリール基 C
1~4, アルコキシ基、C
7~14アラルキル基、C
1~4アルキル、C
6~14アリール基、C
1~4アルコキシ、C
6~14アリール基、またはC
6~14アリールC
1~4アルキル基からなる群より選択される基で置換され得る。複数の置換基は依存的にまたは独立して、C
1~4アルキル基、C
6~14アリール基 C
1~4, アルコキシ基、C
7~14アラルキル基、C
1~4アルキル、C
6~14アリール基、C
1~4アルコキシ、C
6~14アリール基、またはC
6~14アリールC
1~4アルキル基からなる群より選択され得る、A態様1のプロセス。
3.前記芳香族複素環溶媒が、20℃で水中において4~7または7~17のpKaを有する、A態様1または2のプロセス。
4.前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環塩基である、A態様1~3のいずれかのプロセス。
5.前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環酸である、A態様1~3のいずれかのプロセス。
6.前記芳香族複素環溶媒が、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、ルチジン、およびピロールからなる群より選択される、A態様1~3のいずれかのプロセス。
7.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.1%~約50% (v/v)である、A態様1~6のいずれかのプロセス。
8.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.5%~約10%、例えば約1%~約5%、例えば約2~3%、例えば約2.5%である、A態様1~6のいずれかのプロセス。
9.前記活性化物質がN-メチルイミダゾールを含む、A態様1~8のいずれかのプロセス。
10.前記溶媒組成物が、0.01~約1M N-メチルイミダゾール、例えば約0.1M N-メチルイミダゾールの濃度でN-メチルイミダゾールを含む、A態様1~9のいずれかのプロセス。
11.前記活性化物質が、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、または5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールを含む、A態様1~10のいずれかのプロセス。
12.前記溶媒組成物が、約0.5~約2M DCI(またはA態様11の他の活性化物質)、例えば約1M DCI(またはA態様11の他の活性化物質)を含む、A態様1~11のいずれかのプロセス。
13.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、
の化合物であり、
式中、Z、R、R
1、R
6、R
9、およびR
5は全てA態様2の通りである、A態様1~12のいずれかのプロセス。
14.Rが、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択される、A態様1~11、A態様1のいずれかのプロセス。
15.Rが、アリール、例えばフェニルである、A態様1~11のいずれかのプロセス。
16.R
1が水素である、A態様1~13のいずれかのプロセス。
17.R
1が、C
1~3アルキル、例えばメチルである、A態様1~13のいずれかのプロセス。
18.R
5およびR
6が一緒になって、式(I)、(Ia)、または(1b)のN原子と一緒に、3~16個(例えば、4個)の炭素原子を含む複素環を形成する、A態様1~15のいずれかのプロセス。
19.R
5およびR
6が一緒になって、式(I)、(Ia)、または(1b)のN原子と一緒に、4個の炭素原子を含む複素環を形成する、A態様1~15のいずれかのプロセス。
20.前記ホスホルアミダイト単量体化合物が式2aまたは2b:
のホスホルアミダイト単量体化合物であり、
式中、Z、R、およびR
1は、A態様2~17のいずれかの通りである、A態様1~19のいずれかのプロセス。
21.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体化合物が式3aまたは3b:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体化合物であり、
式中、
R、R
1、R
5、R
6、およびR
9は、A態様2~18のいずれかの通りであり;
Bは核酸塩基基であり;
R
3は、CH
2ODMTr、CH
2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH
2OMMTr、CH
2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-R
a-O-DMTrR
b、およびCH-R
a-O-MMTrR
bからなる群より選択され;
R
2は、ハロ、例えば-F、アミノ、アジド、-SH、-CN、-OCN、-CF
3、-OCF
3、-O(R
m)-アルキル、-S(R
m)-アルキル、-N(R
m)-アルキル、-O(R
m)-アルケニル、-S(R
m)-アルケニル、-N(R
m)-アルケニル;-O(R
m)-アルキニル、-S(R
m)-アルキニル、または-N(R
m)-アルキニル; O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、O(CH
2)
2SCH
3、O-(CH
2)
2-O-N(R
m)(R
n)またはO-CH
2C(=O)-N(R
m)(R
n)、-O-(CH
2)
2OCH
3、および-O-CH
3からなる群より選択され、ここで、各R
mおよびR
nは独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換C
1~10アルキルであり;
R
4は、アルキル、シクロ-アルキル、シクロ-ヘテロアルキル、O-アルキル、S-アルキル、NH-アルキル、および水素からなる群より選択され;
またはR
2およびR
4は一緒になって、-C(R
aR
b)-、-C(R
a)=C(R
b) 、-C(R
a)=N、O、-Si(R
a)2-、S-、-SO
2-、-N(R
a)-、および>C=Zからなる群より選択される、1個、2個、3個の基/原子からなる二価ブリッジを示し;
ここで、R
aおよび存在する場合にはR
bは、各々が独立して、水素、置換されてもよいC
1~6-アルキル、置換されてもよいC
2~6-アルケニル、置換されてもよいC
2~6-アルキニル、ヒドロキシ、置換されてもよいC
1~6-アルコキシ、C
2~6-アルコキシアルキル、C
2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、C
1~6-アルコキシカルボニル、C
1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリール-オキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロ-アリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ(C
1~6-アルキル)アミノおよびジ(C
1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ(C
1~6-アルキル)-アミノ-カルボニルおよびジ(C
1~6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C
1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ(C
1~6-アルキル)アミノ-C
1~6-アルキル-アミノカルボニルおよびジ(C
1~6-アルキル)アミノ- C
1~6-アルキル-アミノカルボニル、C
1~6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C
1~6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C
1~6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C
1~6-アルキルチオ、ハロゲンより選択され、ここでアリールおよびヘテロアリールは置換されてもよく、かつ2個のジェミナルな置換基RaおよびRbは一緒になって、置換されてもよいメチレン(=CH
2)を示してもよく、全てのキラル中心に関して、不斉基はRまたはS配向のどちらかであり得る、A態様1~20のいずれかのプロセス。
22.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、および7b:
からなる群より選択される、A態様1~21のいずれかのプロセス。
23.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が核酸塩基部分を含み、該核酸塩基部分が、プリンまたはピリミジン、例えば、アデニン、グアニン、ウラシル、チミン、およびシトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン、5-メチルシトシン、5-チオゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-ブロモウラシル 5-チアゾロ-ウラシル、2-チオ-ウラシル、2’チオ-チミン、イノシン、ジアミノプリン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、ならびに2-クロロ-6-アミノプリンからなる群より選択される核酸塩基である、A態様1~23のいずれかのプロセス。
24.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体中のBが、アデニンまたはチミンのいずれかである、A態様1~23のいずれかのプロセス。
25.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式8aまたは式8b:
からなる群より選択され、
式中、Bはアデニンまたはチミンのいずれかであり、かつ、ここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、A態様1~24のいずれかの通りであり、ここで、Bがアデニンである場合、それは、例えばベンゾイルで保護されてもよい、A態様1~24のいずれかのプロセス。
26.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式9c:
の通りであり、
式中、Bはアデニンであり、かつ、ここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、A態様1~24のいずれかの通りであり、ここで、Bがアデニンである場合、それは、例えばベンゾイルで保護されてもよい、A態様1~24のいずれかのプロセス。
27.Rがフェニルであり、R
1が水素またはメチルであり、R
9が水素であり、かつ、R
3が、CH
2ODMTr、CH
2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH
2OMMTr、CH
2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-R
a-O-DMTrR
b、およびCH-R
a-O-MMTrR
b、例えばCH
2-O-DMTrまたはCH
2-O-MMTrからなる群より選択される、A態様1~26のいずれかのプロセス。
28.A態様1~27のいずれかのオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体と、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含む、アセトニトリル溶液。
29.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の濃度が、約0.05 M~約2 M、例えば約0.1 M~約1 M、例えば約0.1 M~約0.2 M、例えば約0.15 Mまたは約0.175 Mまたは約0.2 Mである、A態様28のアセトニトリル溶液。
30.前記芳香族複素環溶媒が、A態様1~28のいずれかの通りである、A態様28または29のアセトニトリル溶液。
31.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、A態様1~28のいずれかの通りである、A態様28~30のいずれかのアセトニトリル溶液。
32.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、約0.1%~約50% (v/v)である、A態様28~31のいずれかのアセトニトリル溶液。
33.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、約0.5%~約10%、例えば約1%~約5% (v/v)、例えば約2~3%、例えば約2.5%である、A態様28~32のいずれかのアセトニトリル溶液。
34.活性化物質、例えば、A態様9~12のいずれかの活性化物質をさらに含む、A態様28~33のいずれかのアセトニトリル溶液。
35.約0.5~約2M DCI、例えば約1M DCIを含む、A態様34のアセトニトリル溶液。
36.約0.01~約1M N-メチルイミダゾール、例えば約0.1M N-メチルイミダゾールを含む、A態様34および35のいずれかのアセトニトリル溶液。
37.A態様1~27のいずれかのプロセスを含む、オリゴヌクレオチドの合成のための方法。
38.以下の工程を含む、A態様37のオリゴヌクレオチドの合成のための方法:
(a) 遊離5’-OH基を有する固体支持体を提供する工程、
(b) 例えばA態様1~36のいずれかの溶液中において、A態様21~27のいずれかのオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を活性化する工程、
(c) ホスホトリエステル中間体を形成させるために、A態様1~27のいずれかのプロセスの通りに、遊離‘5-OHへ活性化オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程、
(d) 該ホスホトリエステル中間体をキサンタンヒドリドなどの硫化試薬で酸化する工程、
(e) 例えば無水酢酸を使用して、任意の遊離-OH基をキャッピングする工程、
(f) 該オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体上のR
3基を脱保護する工程、
(g) 任意で工程(b)~(f)を繰り返す工程、
(h) 例えば60℃にて水酸化アンモニウムでの処理によって、任意の残存する保護基を脱保護(包括的脱保護)して、該固体支持体から該オリゴヌクレオチドを切断する工程
を含み、
ここで、該固体支持体の該遊離-OH基は任意で、該固体支持体へ結合されたヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチド鎖へ結合され得る、方法。
39.A態様1~27のいずれかの単量体などのオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を溶解させるための方法であって、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒と任意で活性化物質とを含む溶媒組成物へ該単量体を添加する工程を含む、方法。
40.アセトニトリル中における、A態様1~27のいずれかの単量体などのオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の安定性および/または溶解性および/または反応性を増大させるための芳香族複素環溶媒の使用。
41.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体がL-LNA-グアニン単量体以外であり、グアニンがDMF保護されている、前述のA態様のいずれかのプロセス、方法、アセトニトリル溶液、または使用。
【0199】
B態様:
1.以下の工程を含む、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの合成のための方法:
(a) 固体支持体へ結合された、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの保護された5’-ヒドロキシ末端を脱保護する工程、
(b) 亜リン酸トリエステル中間体を形成させるために、該ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの脱保護された該5’-ヒドロキシ末端へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程であって、カップリング反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程、ならびに
(c) 亜リン酸トリエステル中間体を硫化試薬で酸化する工程、
(d) 任意で、1回または複数回のさらなる伸長サイクルのために工程(a)~(c)を繰り返す工程、
(e) 該オリゴヌクレオチドの脱保護および該固体支持体からの該オリゴヌクレオチドの切断の工程
を含む、方法。
2.複数回のさらなる伸長サイクル(d)を含む、B態様2の方法。
3.前記立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドである、B態様3の方法。
4.ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドとオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程
を含む、該ヌクレオシドまたは該オリゴヌクレオチドの5’-末端へオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法。
5.前記芳香族複素環溶媒が、20℃で水中において4~7または7~17のpKaを有する、B態様1~4のいずれかの方法。
6.前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環塩基である、B態様1~5のいずれかの方法。
7.前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環酸である、B態様1~5のいずれかの方法。
8.前記芳香族複素環溶媒が、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、ルチジン、およびピロールからなる群より選択される、B態様1~5のいずれかの方法。
9.前記芳香族複素環溶媒がピリジンである、B態様1~8のいずれかの方法。
10.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.1%~約50% (v/v)、例えば約0.5%~約25%である、B態様1~9のいずれかの方法。
11.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.5%~約10%、例えば約1%~約5%、例えば約2~4%、例えば約2.5%または約3.5%である、B態様1~9のいずれかの方法。
12.前記アセトニトリル溶媒組成物が活性化物質をさらに含む、B態様1~11のいずれかの方法。
13.前記活性化物質が、CMPT (N-(シアノメチル)ピロリジニウムトリフラート(CMPT)、N-(フェニル)イミダゾリウムトリフラート(PhIMT)、ベンゾイミダゾリウムトリフラート(BIT)、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、および5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールからなる群より選択される、B態様12の方法。
14.前記活性化物質が4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)である、B態様13の方法。
15.前記溶媒組成物が、約0.5~約2M DCI(またはB態様13の他の活性化物質)、例えば、約1M DCI(またはB態様13の他の活性化物質)を含む、B態様1~14のいずれかの方法。
16.前記溶媒組成物が、N-メチルイミダゾール、例えば0.01~約1M N-メチルイミダゾール、例えば約0.1M N-メチルイミダゾールの濃度でN-メチルイミダゾールをさらに含む、B態様12~15のいずれかの方法。
17.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が式I:
の化合物であり、
式中、Zはヌクレオシドであり、
R
5およびR
6は独立して、水素、アルキル、シクロ-アルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アルキル、置換シクロ-アルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択されるか、またはR
5およびR
6が一緒になって、式1のN原子と一緒に、3~16個の炭素原子を含む複素環を形成し;
R
9は水素であり;
R
1は、水素およびC
1~3アルキルからなる群より選択され;かつ、
Rは、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリール、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、置換シリル、スルホン、置換スルホン(アリール置換スルホン)、フルオレン、および置換フルオリンからなる群より選択され;
ここで、置換される場合、Rは、C
1~4アルキル基、C
6~14アリール基 C
1~4, アルコキシ基、C
7~14アラルキル基、C
1~4アルキル、C
6~14アリール基、C
1~4アルコキシ、C
6~14アリール基、またはC
6~14アリールC
1~4アルキル基からなる群より選択される基で置換され得る。複数の置換基は依存的にまたは独立して、C
1~4アルキル基、C
6~14アリール基 C
1~4, アルコキシ基、C
7~14アラルキル基、C
1~4アルキル、C
6~14アリール基、C
1~4アルコキシ、C
6~14アリール基、またはC
6~14アリールC
1~4アルキル基からなる群より選択され得る、B態様1~16のいずれかの方法。
18.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、
の化合物であり、
式中、Z、R、R
1、R
6、R
9、およびR
5は全てB態様17の通りである、B態様1~17のいずれかの方法。
19.Rが、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択される、B態様17または18の方法。
20.Rが、アリール、例えばフェニルである、B態様17~19のいずれかの方法。
21.R
1が水素である、B態様17~20のいずれかの方法。
22.R
1が、C
1~3アルキル、例えばメチルである、B態様17~21のいずれかの方法。
23.R
5およびR
6が一緒になって、式(I)、(Ia)、または(1b)のN原子と一緒に、3~16個(例えば、4個)の炭素原子を含む複素環を形成する、B態様17~22のいずれかの方法。
24.R
5およびR
6が一緒になって、式(I)、(Ia)、または(1b)のN原子と一緒に、4個の炭素原子を含む複素環を形成する、B態様17~22のいずれかの方法。
25.前記ホスホルアミダイト単量体化合物が式2aまたは2b:
のホスホルアミダイト単量体化合物であり、
式中、Z、R、およびR
1は、B態様17~24のいずれかの通りである、B態様1~24のいずれかの方法。
26.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体化合物が式3aまたは3b:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体化合物であり、
式中、
R、R
1、R
5、R
6、およびR
9は、B態様2~18のいずれかの通りであり;
Bは核酸塩基基であり;
R
3は、CH
2ODMTr、CH
2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH
2OMMTr、CH
2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-R
a-O-DMTrR
b、およびCH-R
a-O-MMTrR
bからなる群より選択され;
R
2は、ハロ、例えば-F、アミノ、アジド、-SH、-CN、-OCN、-CF
3、-OCF
3、-O(R
m)-アルキル、-S(R
m)-アルキル、-N(R
m)-アルキル、-O(R
m)-アルケニル、-S(R
m)-アルケニル、-N(R
m)-アルケニル;-O(R
m)-アルキニル、-S(R
m)-アルキニル、または-N(R
m)-アルキニル; O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、O(CH
2)
2SCH
3、O-(CH
2)
2-O-N(R
m)(R
n)、またはO-CH
2C(=O)-N(R
m)(R
n)、-O-(CH
2)
2OCH
3、および-O-CH
3からなる群より選択され、ここで、各R
mおよびR
nは独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換C
1~10アルキルであり;
R
4は、アルキル、シクロ-アルキル、シクロ-ヘテロアルキル、O-アルキル、S-アルキル、NH-アルキル、および水素からなる群より選択され;
またはR
2およびR
4は一緒になって、-C(R
aR
b)-、-C(R
a)=C(R
b)、-C(R
a)=N、O、-Si(R
a)2-、S-、-SO
2-、-N(R
a)-、および>C=Zからなる群より選択される、1個、2個、3個の基/原子からなる二価ブリッジを示し;
ここで、R
aおよび存在する場合にはR
bは、各々が独立して、水素、置換されてもよいC
1~6-アルキル、置換されてもよいC
2~6-アルケニル、置換されてもよいC
2~6-アルキニル、ヒドロキシ、置換されてもよいC
1~6-アルコキシ、C
2~6-アルコキシアルキル、C
2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、C
1~6-アルコキシカルボニル、C
1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリール-オキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロ-アリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ(C
1~6-アルキル)アミノおよびジ(C
1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ(C
1~6-アルキル)-アミノ-カルボニルおよびジ(C
1~6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C
1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ(C
1~6-アルキル)アミノ-C
1~6-アルキル-アミノカルボニルおよびジ(C
1~6-アルキル)アミノ-C
1~6-アルキル-アミノカルボニル、C
1~6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C
1~6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C
1~6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C
1~6-アルキルチオ、ハロゲンより選択され、ここでアリールおよびヘテロアリールは置換されてもよく、かつ2個のジェミナルな置換基RaおよびRbは一緒になって、置換されてもよいメチレン(=CH
2)を示してもよく、全てのキラル中心に関して、不斉基はRまたはS配向のどちらかであり得る、B態様1~25のいずれかの方法。
27.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、および7b:
からなる群より選択され、
式中、R、R
1、R
3、R
9、R
5、R
6、およびBは、B態様26の通りである、B態様1~26のいずれかの方法。
28.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が核酸塩基部分を含み、該核酸塩基部分が、プリンまたはピリミジン、例えば、アデニン、グアニン、ウラシル、チミン、およびシトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン、5-メチルシトシン、5-チオゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-ブロモウラシル 5-チアゾロ-ウラシル、2-チオ-ウラシル、2’チオ-チミン、イノシン、ジアミノプリン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、ならびに2-クロロ-6-アミノプリンからなる群より選択される核酸塩基である、B態様1~27のいずれかの方法。
29.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、M1~M40からなる群より選択される、B態様1~28のいずれかの方法。
30.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体中の塩基部分(B)が、アデニン塩基を含む、B態様1~29のいずれかの方法。
31.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体中の塩基部分(B)が、チミン塩基を含む、B態様1~30のいずれかの方法。
32.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の塩基部分(B)が、グアニン塩基を含む、B態様1~30のいずれかの方法。
33.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の塩基部分(B)が、シトシン塩基を含む、B態様1~30のいずれかの方法。
34.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体がL単量体である、B態様1~33のいずれかの方法。
35.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体がD単量体である、B態様1~33のいずれかの方法。
36.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、LNA単量体、例えばβ-D-オキシLNA単量体である、B態様1~35のいずれかの方法。
37.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体がDNA単量体である、B態様1~36のいずれかの方法。
38.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式8aまたは式8b:
からなる群より選択され、
式中、Bはチミンであり、かつここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、B態様17~24のいずれかの通りである、B態様1~28のいずれかの方法。
39.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式8aまたは式8b:
からなる群より選択され、
式中、Bはアデニンであり、かつここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、B態様17~24のいずれかの通りであり、ここで、アデニンは任意で、例えばベンゾイルで保護されてもよい、B態様1~28のいずれかの方法。
40.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-DNA-AまたはL-DNA-A単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Aはアデニンであり、かつここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、B態様1~24のいずれかの通りであり、ここで、塩基アデニンは、例えばベンゾイルで保護されてもよい、B態様1~28のいずれかの方法。
41.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-DNA-TまたはL-DNA-T単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Tはチミンであり、かつここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、B態様1~24のいずれかの通りである、B態様1~28のいずれかの方法。
42.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-DNA-CまたはL-DNA-C単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Cはシトシンであり、かつここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、B態様1~24のいずれかの通りであり、かつここで、塩基シトシンは、例えばアセチルまたはベンゾイルで保護されてもよく、かつここで、任意でシトシンは5-メチルシトシンである、B態様1~28のいずれかの方法。
43.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-DNA-GまたはL-DNA-G単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Gはグアニンであり、かつここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、B態様1~24のいずれかの通りであり、かつここで、塩基グアニンは、例えばDMFまたはアシルで、例えばiBuで保護されてもよい、B態様1~28のいずれかの方法。
44.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-LNA-AまたはL-LNA-A単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Aはアデニンであり、かつここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、B態様1~24のいずれかの通りであり、ここで、塩基アデニンは、例えばベンゾイルで保護されてもよい、B態様1~28のいずれかの方法。
45.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-LNA-TまたはL-LNA-T単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Tはチミンであり、かつここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、B態様1~24のいずれかの通りである、B態様1~28のいずれかの方法。
46.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-LNA-CまたはL-LNA-C単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Cはシトシンであり、かつここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、B態様1~24のいずれかの通りであり、かつここで、塩基シトシンは、例えばベンゾイルまたはアセチルで保護されてもよく、かつここで、任意でシトシンは5-メチルシトシンである、B態様1~28のいずれかの方法。
47.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-LNA-GまたはL-LNA-G単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Gはグアニンであり、かつここで、R、R
1、R
3、およびR
9は、B態様1~24のいずれかの通りであり、かつここで、塩基グアニンは、L-LNA-G単量体についてはiBuなどのアシルで、またはD-LNA-G単量体についてはアシル(例えばiBu)もしくはDMFのいずれかで保護される、B態様1~28のいずれかの方法。
48.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、DNA単量体であるか、またはLNA-A単量体、LNA-C単量体、およびアシル保護L-LNA-G単量体からなる群より選択されるLNA単量体である、B態様1~47のいずれかの方法。
49.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、LNA-T単量体以外、D-LNA-G単量体以外、またはDMF保護L-LNA-G単量体以外である、B態様1~47のいずれかの方法。
50.Rがフェニルであり、R
1が水素またはメチルであり、R
9が水素であり、かつ、R
3が、CH
2ODMTr、CH
2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH
2OMMTr、CH
2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-R
a-O-DMTrR
b、およびCH-R
a-O-MMTrR
b、例えばCH
2-O-DMTrまたはCH
2-O-MMTrからなる群より選択される、B態様17~49のいずれかの方法。
51.Rがフェニルであり、R
1が水素またはメチルであり、R
9が水素であり、かつ、R
3が-CH
2-O-DMTrである、B態様17~49のいずれかの方法。
52.B態様17~51のいずれかのオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体と、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含む、アセトニトリル溶液。
53.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の濃度が、約0.05 M~約2 M、例えば約0.1 M~約1 M、例えば約0.1 M~約0.2 M、例えば約0.15 Mまたは約0.175 Mまたは約0.2 Mである、B態様52のアセトニトリル溶液。
54.前記芳香族複素環溶媒が、B態様1~16のいずれかの通りである、B態様52または53のアセトニトリル溶液。
55.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、約0.1%~約50% (v/v)、例えば約0.5%~約25% (v/v)である、B態様52~54のいずれかのアセトニトリル溶液。
56.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、約0.5%~約10%、例えば約1%~約5% (v/v)、例えば約2~4%、例えば約2.5%、例えば約3.5%である、B態様52~55のいずれかのアセトニトリル溶液。
【実施例】
【0200】
実施例1 - 一般的な合成方法:
トルエン(50 mL)中のN-メチルモルホリンの溶液へ、PCl3 (2.93 mL 33.4 mmol)を-70℃で10分間にわたって添加した。この後、トルエン(50 mL)中のプロリン(P5-DまたはP5-L)補助剤(6.24 g 35.2 mmol)を30分間にわたって添加した(P5-DおよびP5-Lの合成についてはJ. Am. Chem. Soc., 2008, 130, 16031-16037を参照のこと)。結果として生じた混合物を室温で1.5時間撹拌し、その後、溶媒および揮発性物質を真空中で除去した(40℃かつ15 mbar)。次いで、残っている残渣をTHF (50 mL)中に溶解し、この後、-70℃へ冷却し、続いて、最初にNEt3 (17.8 mL 128 mmol)および、次いで、30分間にわたって、THF (50 mL)中の溶液として5’-ODMT-DNA-ヌクレオシド(16 mmol)を添加した。反応混合物を-77℃で30分間、次いで室温で2時間撹拌した。この後、冷EtOAc (200 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO3 (150 mL)、鹹水(150 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物をアルゴン下でフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、シリカ上での分解を回避するために溶離剤中に7% NEt3が含まれた。
【0201】
生成物は、EtOAc、THF、およびNEt3などに由来する少量の残留溶媒を潜在的に含有する固体として得られた。
【0202】
【0203】
実施例2
D-LNA-G-DMFの合成
5’-ODMT-LNA-G (3.51 g 5.00 mmol)をピリジンと共に次いでトルエンと共に共蒸発させ、いかなる残留水または他の溶媒も除去した。次いで、残渣をピリジン(10 mL)およびTHF (10 mL)中に溶解した。この溶液を、-77℃で、D-オキサザホスホリジン(3.51 g 5.00 mmol)、PCl
3 (0.88 mL 10.0 mmol)、およびNEt
3 (3.50 mL 25.0 mmol)の溶液へ添加した。結果として生じた反応混合物を、次いで、-77℃で15分間、次いで室温で1.5時間撹拌した。この後、EtOAc (150 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO
3 (100 mL)および鹹水(100 mL)で洗浄し、Na
2SO
4を使用して乾燥させ、濾過し、最後にトルエンと一緒に蒸発させた。結果として生じた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤 10%から30%へのEtOAc中のTHF + 7% NEt
3)によって精製し、D-LNA-G-DMF (3.91 g, 推定収率84%)が得られた。
【0204】
実施例3
L-LNA-G-DMFの合成
5’-ODMT-LNA-G (4.91 g 7.00 mmol)をピリジンと共に次いでトルエンと共に共蒸発させ、いかなる残留水または他の溶媒も除去した。次いで、残渣をピリジン(10 mL)およびTHF (15 mL)中に溶解した。この溶液を、-77℃で、L-オキサザホスホリジン(2.48 g 14.0 mmol)、PCl
3 (1.22 mL 14.0 mmol)、およびNEt
3 (4.90 mL 35.0 mmol)の溶液へ添加した。結果として生じた反応混合物を、次いで、-77℃で15分間、次いで室温で1.5時間撹拌した。この後、EtOAc (150 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO
3 (100 mL)および鹹水(100 mL)で洗浄し、Na
2SO
4を使用して乾燥させ、濾過し、最後にトルエンと一緒に蒸発させた。結果として生じた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤 15%から25%への勾配を使用するEtOAc/DCM 1:1中のTHF + 7% NEt
3)によって精製し、D-LNA-G-DMF (3.41 g, 推定収率84%)が得られた。生成物を、上述のように、カラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0205】
実施例4
D-DNA G-DMFの合成
トルエン(50 mL)中のN-メチルモルホリンの溶液へ、PCl3 (2.93 mL 33.4 mmol)を-70℃で10分間にわたって添加した。この後、トルエン(50 mL)中のP5-D (6.24 g 35.2 mmol)を30分間にわたって添加した。結果として生じた反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、その後、溶媒および揮発性物質を真空中で除去した(40℃かつ15 mbar)。次いで、残っている残渣をTHF (50 mL)中に溶解し、この後、-70℃へ冷却し、続いて、最初にNEt3 (17.8 mL 128 mmol)および、次いで、30分間にわたって、THF (50 mL)中の溶液として5’-ODMT-DNA-G (9.99 g 16.0 mmol)を添加した。反応混合物を-77℃で30分間、次いで室温で2時間撹拌した。この後、冷EtOAc (200 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO3 (150 mL)、鹹水(150 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物をアルゴン下でフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(溶離剤 DCM/EtOAc=2/1 + 7% NEt3)。D-DNA-G-DMFが、微量の溶媒不純物(EtOAc、トルエン、およびNEt3)と共に白色フォーム(10.6 g, 72%)として単離された。
【0206】
実施例5
L-DNA G-DMFの合成
トルエン(25 mL)中のN-メチルモルホリンの溶液へ、-55℃で、5分間、PCl3 (1.33 mL 15.2 mmol)を添加し、続いて、15分間、トルエン(25 mL)中のP5-L (2.84 g 16.00 mmol)を添加した。結果として生じた反応混合物を-55-45℃で10分間、次いで室温1.5時間撹拌した。次いで、溶媒および他の揮発性物質を真空中で除去した(40℃かつ6 mbar)。残っている残渣を、次いで、THF (25 mL)中に溶解し、-77℃へ冷却した。この後、NEt3 (8.92 mL 64 mmol)を添加し、続いて、THF (25 mL)中の5’-ODMT-DNA-G-DMF (4.5 g, 7.2 mmol)の溶液を15分間添加した。反応混合物を-77℃で15分間、次いで室温で3時間撹拌した。この後、EtOAc (150 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO3 (100 mL)、鹹水(50 mL)で抽出し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。
【0207】
生成物は、アルゴン下でのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって(溶離剤 EtOAc/DCM=1/2 + 7% NEt3)、微量のEtOAcと共に白色フォーム(3.77 g, 63%)として単離された。
【0208】
実施例6
L-LNA-G-Ibu単量体の合成
5’-OAP-LNA-G-iBu誘導体の合成についての手法
【0209】
工程A: トルエン(15 mL)中のN-メチルモルホリン(1.76 mL 16.0 mmol)の溶液へ、PCl3 (0.66 mL 7.6 mmol)を-55℃で5分間にわたって添加した。この後、トルエン(12 mL)中の(S)-フェニル-(R)-ピロリジン-2イル)メタノール(P5-D) (1.42 g 8.00 mmol)の溶液を、次の15分間、添加した。次いで、反応混合物を-55~-45℃で10分間、次いで室温で1.5時間撹拌した。
【0210】
溶媒および他の揮発性化合物を40℃かつ6 mbarにて真空中で除去し、その後、THF (13 mL)を添加した。
【0211】
工程B: これに続いて、反応混合物を-77℃へ冷却し、その後、トリエチルアミン(5.54 mL, 40 mmol)を添加し、続いて、THF (13 mL)中の5’-ODMT-LNA-G-iBu (2.67 g, 4 mmol)の溶液を15分間にわたって添加した。結果として生じた混合物を-77℃で15分間、次いで室温で3時間撹拌した。この後、EtOAc (75 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO3 (50 mL)および鹹水(50 mL)で洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。粗生成物をAr下でフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(EtOAc:ヘキサン, 1:4 + 7% NEt3)。
【0212】
生成物は白色フォーム(1.95 g, 推定収率55%)として得られた。
3 DMSO 148.8 ppm + 1% 中28.8 ppmでの1P-NMR。
【0213】
D-LNA G-iBuおよびL-LNA G-iBuの両方についての合成の追加の最適化
【0214】
前駆体(例えば、P5)に対して僅かに過剰量のPCl3が副生成物を形成させ、これは生成物(例えば、OAP-LNA-GiBu)の収率を著しく減少させることがわかった。従って、少なくともモル当量の前駆体およびPCl3を使用することが望ましい。いくつかの態様において、工程1におけるPCl3に対する前駆体のモル比は、約1を超え、例えば、1.05またはそれ以上である。いくつかの態様において、工程1におけるPCl3に対する前駆体のモル比は、多くとも1.5である。
【0215】
工程2における2倍を超えるモル当量の中間体の使用は、生成物の最も高い収率を与えたことがわかった(表、エントリー3および5を参照のこと)。いくつかの態様において、前駆体およびPCl3に対する中間体(例えば、5’-ODMT-G/iBu)のモル比は、2を超える。
【0216】
生成物の純度を31P-NMRスペクトルから測定した。
【0217】
実施例7
生成物の安定性および溶解性の判定
L-LNA G-DMFおよびL-LNA G-i-Buの安定性および溶解性を調べるために、以下の実験手法に従った。
【0218】
1.5 mLバイアルへ0.013 mmolのアミダイトを添加し、その後、固形物質を0.13 mLの溶媒中に溶解した。この後、バイアルをキャップし、ボルテックスし、最後に室温で24時間置いた。次いで、溶解された物質を、溶解性に関して視覚によって検査した(
図1)。溶液が濁ったようにまたはそうでなければ不均質に見えた場合、溶解性を「不可」に設定した。溶液が完全に均質に見えた場合、溶解性を「可」に設定した(24時間後に繰り返された検査)。
【0219】
安定性判定方法:分析を完了するために、アミダイトの安定性を、80% A (H2O中1% NH4OH)から100% B (MeCN中20% A)への勾配およびWaters Xterra MS C18 2.1×100 mmカラムを用いるAgilent 1100シリーズHPLC-MSを使用して調べた。母化合物の質量およびUVピークを0時間および24時間で特定した。この後、他の副生成物と比較しての相対的安定性を、UVクロマトグラム(254 nm)を積分しそして0時間で記録されたクロマトグラムに対して面積を標準化することによって報告した(
図2)。3つの単量体についての合成後0時間および24時間での溶解性データを
図1に示す。様々な溶媒中において24時間後に測定された安定性データを
図2ならびに
図3a (L-LNA-G-iBu)および3b (L-LNA-G-DMF)に示す。
【0220】
単量体L-LNA G-DMFは、大部分の溶媒(MeCN、MeCN:DCE、MeCN:Tol、MeCN:アセトン、ジオキサン、およびTHF)に不溶性である。単量体が可溶性である溶媒(MeCN:DCM、DMF、DMSO、NMP、DCM、DCE、およびトルエン)は、非常に大きな不安定性を示す。最善の溶媒はDCMであり、24時間後に10%のアミダイトが残された。
【0221】
単量体L-LNA G-i-Buは、調べた(12個の異なる)全ての溶媒中に可溶性であり、最善の性能はMeCN、MeCN:アセトン、DCM、およびDCEである。L-LNA G-i-Bu単量体について調べた全ての溶媒が、溶解性および安定性の著しい改善を示す。
【0222】
実施例8 モデル系における相対的カップリング効率:
モデル系:
従来のLNAホスホロアミダイトのカップリング効率を妨害するために、LNA AをMeCN(5%ピリジン有りおよび無し)中0.025 Mへ希釈した。この後、アミダイトをモデル系
において使用した。ここで、問題の単量体、即ち、LNA A 0.025 MおよびLNA A 0.025 M + 5% ピリジンについての相対的カップリング効率を得るために、3’フランクを脱保護後に粗製混合物中において特定し、完全長生成物と比較した。
【0223】
結果は、溶液中の単量体の濃度を減少させることによって、カップリングが実際に遅れることを示している。しかし、それはまた、LNA Aの場合、ピリジンの添加で反応性が減少することを示している(
図4)。
【0224】
実施例9 トリエチルアミンはオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体溶液を安定させるがカップリング有効性を改善しない
ここでは、Et3N (アミダイトと比較して5~10 eq)の存在下でのL-LNA Aの安定性をモニタリングした。
【0225】
L-LNA Aの安定性および溶解性を調べるために、以下の実験手法に従った。
【0226】
1.5 mLバイアルへ0.013 mmolのアミダイトを添加し、その後、固形物質を0.13 mLの溶媒(Et3N, およそ5~10 eq有りおよび無し)中に溶解した。この後、バイアルをキャップし、ボルテックスし、最後に室温で24時間置いた。アミダイトの安定性を調べるために、80% A (H2O中1% NH4OH)から100% B (MeCN中20% A)への勾配およびWaters Xterra MS C18 2.1×100 mmカラムを用いるAgilent 1100シリーズHPLC-MSを使用した。母化合物の質量およびUVピークを0時間および24時間で特定した。この後、他の副生成物と比較しての相対的安定性を報告した。これを48時間後に再び繰り返した。
【0227】
結果(
図5)は、L-LNA Aの安定性は、MeCNのみの存在下では、経時的に非常に不安定であることを示している。24時間後、L-LNA Aの大部分が分解された。48時間後、L-LNA A単量体は完全に分解された。MeCN中かつEt3N(単量体と比較しておよそ5~10 eq)の存在下のL-LNA Aの場合、L-LNA Aは、24時間後、完全に安定している。48時間後、L-LNA Aは部分的に、しかし、依然としてL-LNA Aの大半が溶液中に維持されている。
【0228】
従って、Et3Nは、溶液中においてアミダイトを安定させる。しかし、オリゴヌクレオチド合成においてこれらの条件を使用することは、完全長生成物を微量でしか生じさせない。
【0229】
実施例10 L-LNA Aオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体および様々な異なるアミン塩基を使用するモデル系における相対的カップリング効率:
カップリング工程において許容される好適な塩基を見つけるために、関係のある窒素含有塩基中におけるいくつかの異なる添加剤を、モデル系
において調べた。
【0230】
調べた条件(溶媒 +/- 塩基)についての相対的カップリング効率についての値を得るために、オリゴヌクレオチドの包括的脱保護(60℃で一晩NH
4OH)後、3’ DNAフランクを特定しそして粗製混合物中の完全長生成物と比較した。結果を
図6に示す。
【0231】
興味深いことには、従来のオリゴヌクレオチド合成溶媒MeCNはそれ自体で、59%の平凡な相対的カップリング効率をもたらしたことがわかった。しかし、ピリジンの存在下で、カップリングが可能であり、場合によっては、改善された相対的カップリング効率をもたらした。
【0232】
最大カップリング効率を得るために必要なピリジンの量を滴定することによって、MeCN中5~1% v/v ピリジンの量が最適であることがわかった。さらに、3-ピコリンなどのピリジン誘導体もまたカップリング効率を増大させた。
【0233】
実施例11 様々なオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体および様々な異なる溶媒を使用するモデル系における相対的カップリング効率:
単量体の溶媒に対する添加されたピリジンの効果を調べるために、一連の5個の追加の単量体を、モデル系
を使用して調べた。
【0234】
調べた条件(溶媒 +/- 塩基)についての相対的カップリング効率についての値を得るために、オリゴヌクレオチドの包括的脱保護(60℃で一晩NH
4OH)後、3’ DNAフランクを特定しそして粗製混合物中の完全長生成物と比較した。結果を
図7に示す。
【0235】
ピリジンの添加による、増加した反応性の効果は、全ての単量体間で一般的ではないことが理解される。興味深いことには、D-DNA Aのような、特定の単量体が、増加した相対的カップリング収率の点で、ピリジンから恩恵を受ける。
【0236】
他の場合において、結果は、w. L-DNA Aの場合にように、ピリジン有りおよび無しと同等である。しかし、溶解性の特性に着目すると、MeCNは単独では、24時間の期間にわたって単量体を溶液中に維持するには十分ではない。2.5%ピリジン添加で、単量体は24時間の期間にわたって溶液中に維持される。
【0237】
実施例12 MeCN +/- 2.5%ピリジン中における様々なオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の溶解性、および溶液の安定性:
以下の単量体の溶解性を実施例7の通りに判定した。
DNA AはBz保護され、DNA Cはアセチル(Ac)保護され、DNA Tは保護基を有さず、DNA GはDMFであり、LNA AはBz保護され、LNA CはBzであり、LNA Tは保護基を有さず、LNA GはDMF (D-LNA)およびIbu (L-LNA)である。Bz = ベンゾイル。
【0238】
示されない限り、イソブチリル保護基を有するL-LNA-G-iBuを除いて、全ての単量体がDMF保護核酸塩基を有する。
【0239】
追加の単量体をさらに試験することによって、ピリジンの添加の溶解性増大効果は、一連の単量体にわたって一般的であることが明らかにされている。D-LNA A、D-DNA AおよびL-DNA Aの場合におけるように、これらの単量体は、MeCN中に24時間後に可溶性ではない。しかし、ピリジンの添加で、単量体の溶解性は維持される。反応性における増大もD-DNA AおよびL-LNA Tについて見られ、一方、L-DNA AおよびD-LNA Aは同等の様式で反応する。
【0240】
実施例13 2.5%ピリジン有りおよび無しかつ様々な活性化濃度での完全長生成物の変換
相対的カップリング変換を、X = L-LNA Aであるモデル系
において得た。系における相対的カップリング効率を得るために、未反応フラグメント
および完全長生成物(即ち、
を積分し、互いに対して比較した。最適濃度を測定するために、異なる濃度の活性化物質を使用した。ピリジンの添加は、ピリジンが存在しないカップリングと比べて、カップリング効率を明らかに増大させる。結果によって理解され得るように(
図8)、活性化物質濃度に関係なく、ピリジンの添加は、一般に、変換比率の増加の点で利点を有する。当技術分野において慣例であるように、活性化物質の濃度は最適化されるべきことがまた明らかであり、DCIに関しては、それは、0.1M NMIを含む1M DCIの濃度で典型的に使用される。完全長生成物への得られた変換を使用して、多数の理論収率を計算した。ここで、ピリジンの添加は、創薬のために使用することができる有用な収率を得るために重要であることが、明白である。実験的に得られたカップリング有効性データを考慮して、13merオリゴヌクレオチドについての理論収率を
図9に示すことが可能であり、16merオリゴヌクレオチドについては
図10を参照のこと。データを下記の表に提供する。
【0241】
13merおよび16merの理論収率を伴う、完全長生成物への実際の変換の表
【0242】
このデータは、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成のために本発明のカップリング溶媒を使用することの顕著な利点を示している。
【0243】
実施例14:立体的に規定されたオリゴヌクレオチド合成の改善
本実施例において、下記に示されるLNAオリゴヌクレオチドの立体化学変種の合成を、標準(アセトニトリルカップリング溶媒)を使用しかつ本発明に従って行った。
XはLNAヌクレオチドを示し、
小文字はDNAヌクレオチドを示し、
下付き文字Sp = ステレオランダムホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0244】
先行技術の条件:49個の化合物を、立体的に規定されたホスホルアミダイトについての溶媒としてアセトニトリル、および活性化物質として0.25M DCIを使用して、1μmolスケールで合成した。アセトニトリルを使用することによって、ホスホルアミダイトの不安定性および溶解性に関して著しい問題が観察され、これは、合成機器上のラインの目詰まりおよびアミダイト溶液の短寿命を引き起こした。全ての合成をDMT-ONで行い、これは、合成機器に対して最終酸処理が行われないことを意味する。合成後、室温で濃水酸化アンモニウムを使用して、オリゴヌクレオチドを固体支持体から切断した。この後、得られた溶液を60℃で24時間置くことによって、オリゴヌクレオチドを脱保護した。この後、DMTrに基づく逆相カートリッジ精製を使用することによって、オリゴヌクレオチドを精製した。真空中でのオリゴヌクレオチドの濃縮後、オリゴヌクレオチドを200μL PBS中に溶解し、濃度を260nmでの光学的吸光度によって測定し、理論的に算出された吸光係数を使用して濃度へ逆算した。これによって、オリゴヌクレオチドの溶液49個の平均濃度は、200μL PBS中391μMであると測定された。
【0245】
新規の改善された条件:192個の化合物を、立体的に規定されたホスホルアミダイトについての溶媒としてアセトニトリル中3.5%ピリジン、および活性化物質として1M DCI + 0.1M NMIを使用して、1μmolスケールで合成した。立体的に規定されたアミダイトについてこの溶媒を使用することによって、溶解性に関して問題は観察されず、さらに、アミダイト溶液の寿命は遥かにより長いことがわかった。全ての合成をDMT-ONで行い、これは、合成機器に対して最終酸処理が行われないことを意味する。合成後、室温で濃水酸化アンモニウムを使用して、オリゴヌクレオチドを固体支持体から切断した。この後、得られた溶液を60℃で24時間置くことによって、オリゴヌクレオチドを脱保護した。この後、DMTrに基づく逆相カートリッジ精製を使用することによって、オリゴヌクレオチドを精製した。真空中でのオリゴヌクレオチドの濃縮後、オリゴヌクレオチドを200μL PBS中に溶解し、濃度を260nmでの光学的吸光度によって測定し、理論的に算出された吸光係数を使用して濃度へ逆算した。これによって、オリゴヌクレオチドの溶液192個の平均濃度は、200μL PBS中1071μMであると測定された。
【0246】
従って、一連のものにわたって溶解性および反応性の増大を比較すると、本発明者らは、ピリジン無しでの条件と比較してピリジン有りで収率の2.7倍の増大を認める。
【0247】
実施例15:ピリジン有りおよび無しでのアセトニトリル中において様々なオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を使用するモデル系における相対的カップリング効率:
単量体の溶媒に対する添加されたピリジンの効果を調べるために、一連の7個の追加の単量体を、モデル系
を使用して調べた。
【0248】
調べた条件(溶媒 +/- 塩基)についての相対的カップリング効率についての値を得るために、オリゴヌクレオチドの包括的脱保護(60℃で一晩NH
4OH)後、3’ DNAフランクを特定しそして粗製混合物中の完全長生成物と比較した。結果を
図19に示す。結果は、全ての単量体についての改善された溶解性および安定性の利点に加えて、ピリジンなどの複素環塩基溶媒を含むカップリング溶媒の使用は、L-LNA-TおよびD-DNA-A単量体に加えて(
図7を参照のこと)、D-DNA-C、L-LNA-C、およびL-LNA-G単量体のカップリング有効性の著しい改善を提供することを示している。加えて、結果は、ピリジンの存在は、他の単量体のカップリング有効性に悪影響を与えないことを示している。
【配列表】